(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2025-10-20
(45)【発行日】2025-10-28
(54)【発明の名称】食品アニメーション動画生成方法、プログラム、食品アニメーション動画生成サーバ、及び、食品アニメーション動画提供システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0484 20220101AFI20251021BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20251021BHJP
【FI】
G06F3/0484
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2024214631
(22)【出願日】2024-12-09
【審査請求日】2024-12-13
(31)【優先権主張番号】P 2024028569
(32)【優先日】2024-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】713011603
【氏名又は名称】ハウス食品株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000111487
【氏名又は名称】ハウス食品グループ本社株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130443
【氏名又は名称】遠藤 真治
(74)【代理人】
【識別番号】100221372
【氏名又は名称】岡崎 信治
(72)【発明者】
【氏名】星野 彰太
(72)【発明者】
【氏名】松山 南
(72)【発明者】
【氏名】根岸 剛大
(72)【発明者】
【氏名】蓁原 光莉
(72)【発明者】
【氏名】太田 翼
【審査官】三沢 岳志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/084571(WO,A1)
【文献】Daigasグループ,"第1回 おいしさは、複合感覚",フードサイエンスラボ ~創刊号~ [online],2024年03月01日,https://web.archive.org/web/20240301231233/https://www.daigasgroup.com/rd/labo/first_1.html,2025年05月23日検索
【文献】特定非営利活動法人 うま味インフォメーションセンター,"間違いだらけの「おいしさの表現」 「味」と「味わい」の正しい使い方",[online],2021年01月24日,https://web.archive.org/web/20210124085013/https://www.umamiinfo.jp/what/expression/correct/,2025年05月23日検索
【文献】相楽 賢太郎,“味を図形化した、記号だけで成立する広告”,ブレーン CREATIVE RELAY(PR) [online],2017年12月号,2017年12月,[検索日 2025.02.19],https://mag.sendenkaigi.com/brain/201712/creative-relay/012002.php
【文献】橋田 規子ほか,“味覚イメージの形態表現とその形態変化が味覚イメージに与える影響についての研究”,日本感性工学会論文誌,2018年,Vol. 17, No. 4,pp.473-480,DOI: 10.5057/jjske.TJSKE-D-18-00008
【文献】Byron P. LEE et al.,“Crossmodal correspondences between basic tastes and visual design features: A narrative historical review”,i-Perception,2022年09月,Vol. 13, No. 5,DOI: 10.1177/20416695221127325
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0484
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、対象の食品を食したときの感覚の時系列変化を表す感覚変化情報に基づいて、前記対象の食品を食してからの各時間における前記感覚を表す図形と色とを決定するステップと、
前記対象の食品を食したときの感覚に基づいて、決定した前記図形と前記色とを含む画像における、前記色及び前記図形の配置状態を決定するステップと、
前記画像を生成するステップと、
前記図形と前記色の決定と、前記色及び前記図形の配置状態の決定と、前記画像の生成とを、前記対象の食品を食してからの所定の時間分だけ繰り返し実行して、複数の前記画像を生成するステップと、
生成した複数の前記画像を時系列に配置することで食品アニメーション動画を生成するステップと、
を備え、
前記感覚は、前記対象の食品の香りと味とを含み、
前記対象の食品の香りを表す前記図形は前記画像の上部に配置し、前記対象の食品の味を表す前記図形は前記画像の下部に配置
し、
前記対象の食品の短時間しか持続しない味及び/又は広がっていくような味を表す前記図形を、前記画像の上の方に配置し、前記対象の食品の長時間持続する味及び/又はじわじわくる味を表す前記図形を、前記画像の下の方に配置する、
食品アニメーション動画生成方法。
【請求項2】
コンピュータが、対象の食品を食したときの感覚の時系列変化を表す感覚変化情報に基づいて、前記対象の食品を食してからの各時間における前記感覚を表す図形と色とを決定するステップと、
前記対象の食品を食したときの感覚に基づいて、決定した前記図形と前記色とを含む画像における、前記色及び前記図形の配置状態を決定するステップと、
前記画像を生成するステップと、
前記図形と前記色の決定と、前記色及び前記図形の配置状態の決定と、前記画像の生成とを、前記対象の食品を食してからの所定の時間分だけ繰り返し実行して、複数の前記画像を生成するステップと、
生成した複数の前記画像を時系列に配置することで食品アニメーション動画を生成するステップと、
を備え、
前記対象の食品の感覚に基づいて、前記画像の背景色を決定
し、
前記対象の食品の短時間しか持続しない味及び/又は広がっていくような味を表す前記図形を、前記画像の上の方に配置し、前記対象の食品の長時間持続する味及び/又はじわじわくる味を表す前記図形を、前記画像の下の方に配置する、
食品アニメーション動画生成方法。
【請求項3】
コンピュータが、対象の食品を食したときの感覚の時系列変化を表す感覚変化情報に基づいて、前記対象の食品を食してからの各時間における前記感覚を表す図形と色とを決定するステップと、
前記対象の食品を食したときの感覚に基づいて、決定した前記図形と前記色とを含む画像における、前記色及び前記図形の配置状態を決定するステップと、
前記画像を生成するステップと、
前記図形と前記色の決定と、前記色及び前記図形の配置状態の決定と、前記画像の生成とを、前記対象の食品を食してからの所定の時間分だけ繰り返し実行して、複数の前記画像を生成するステップと、
生成した複数の前記画像を時系列に配置することで食品アニメーション動画を生成するステップと、
を備え、
前記感覚は、前記対象の食品の香りと味とを含み、
前記対象の食品の香りを表す前記図形は前記画像の上部に配置し、前記対象の食品の味を表す前記図形は前記画像の下部に配置し、
前記対象の食品の感覚に基づいて、前記画像の背景色を決定
し、
前記対象の食品の短時間しか持続しない味及び/又は広がっていくような味を表す前記図形を、前記画像の上の方に配置し、前記対象の食品の長時間持続する味及び/又はじわじわくる味を表す前記図形を、前記画像の下の方に配置する、
食品アニメーション動画生成方法。
【請求項4】
前記対象の食品を食したときの感覚に基づいて、前記画像における前記図形の大きさを決定する、請求項1~3のいずれかに記載の食品アニメーション動画生成方法。
【請求項5】
前記対象の食品を食したときの感覚に基づいて、前記画像に配置する前記図形の数を決定する、請求項1~3のいずれかに記載の食品アニメーション動画生成方法。
【請求項6】
前記感覚変化情報は、前記対象の食品を食してからの各時間において現れる前記感覚の種類に関する情報と、当該各時間における前記感覚の強さに関する情報と、を含む、請求項1~3のいずれかに記載の食品アニメーション動画生成方法。
【請求項7】
前記感覚は、前記対象の食品の味を含み、
前記対象の食品の味に基づいて、前記図形の形状と色とを決定する、請求項1~3のいずれかに記載の食品アニメーション動画生成方法。
【請求項8】
前記対象の食品の味の強さに基づいて、前記図形の大きさ、色の濃さ、前記画像に表示する前記図形の数、及び/又は、複数の前記図形の前記画像における配置状態を決定する、請求項7に記載の食品アニメーション動画生成方法。
【請求項9】
前記対象の食品の香りの強さに基づいて、前記画像の背景色の濃さを決定する、請求項2又は3に記載の食品アニメーション動画生成方法。
【請求項10】
前記食品アニメーション動画を見るユーザの属性に基づいて、前記色及び前記図形の画風を決定する、請求項1~3のいずれかに記載の食品アニメーション動画生成方法。
【請求項11】
請求項1~3のいずれかに記載の食品アニメーション動画生成方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項12】
記憶部と、情報処理部と、を備え、
前記記憶部は、対象の食品を食したときの感覚の時系列変化を表す感覚変化情報を記憶し、
前記情報処理部は、
前記感覚変化情報に基づいて、前記対象の食品を食してからの各時間における前記感覚を表す図形と色とを決定し、
前記対象の食品を食したときの感覚に基づいて、決定した前記図形と前記色とを含む画像における、前記色及び前記図形の配置状態を決定し、
前記画像を生成し、
前記図形と前記色の決定と、前記色及び前記図形の配置状態の決定と、前記画像の生成とを、前記対象の食品を食してからの所定の時間分だけ繰り返し実行して、複数の前記画像を生成し、
生成した複数の前記画像を時系列に配置することで、対象の食品を食したときの感覚の時系列変化を視覚的に表す食品アニメーション動画を生成し、
前記感覚は、前記対象の食品の香りと味とを含み、
前記対象の食品の香りを表す前記図形は前記画像の上部に配置し、前記対象の食品の味を表す前記図形は前記画像の下部に配置
し、
前記対象の食品の短時間しか持続しない味及び/又は広がっていくような味を表す前記図形を、前記画像の上の方に配置し、前記対象の食品の長時間持続する味及び/又はじわじわくる味を表す前記図形を、前記画像の下の方に配置する、
食品アニメーション動画生成サーバ。
【請求項13】
記憶部と、情報処理部と、を備え、
前記記憶部は、対象の食品を食したときの感覚の時系列変化を表す感覚変化情報を記憶し、
前記情報処理部は、
前記感覚変化情報に基づいて、前記対象の食品を食してからの各時間における前記感覚を表す図形と色とを決定し、
前記対象の食品を食したときの感覚に基づいて、決定した前記図形と前記色とを含む画像における、前記色及び前記図形の配置状態を決定し、
前記画像を生成し、
前記図形と前記色の決定と、前記色及び前記図形の配置状態の決定と、前記画像の生成とを、前記対象の食品を食してからの所定の時間分だけ繰り返し実行して、複数の前記画像を生成し、
生成した複数の前記画像を時系列に配置することで、対象の食品を食したときの感覚の時系列変化を視覚的に表す食品アニメーション動画を生成し、
前記対象の食品の感覚に基づいて、前記画像の背景色を決定
し、
前記対象の食品の短時間しか持続しない味及び/又は広がっていくような味を表す前記図形を、前記画像の上の方に配置し、前記対象の食品の長時間持続する味及び/又はじわじわくる味を表す前記図形を、前記画像の下の方に配置する、
食品アニメーション動画生成サーバ。
【請求項14】
記憶部と、情報処理部と、を備え、
前記記憶部は、対象の食品を食したときの感覚の時系列変化を表す感覚変化情報を記憶し、
前記情報処理部は、
前記感覚変化情報に基づいて、前記対象の食品を食してからの各時間における前記感覚を表す図形と色とを決定し、
前記対象の食品を食したときの感覚に基づいて、決定した前記図形と前記色とを含む画像における、前記色及び前記図形の配置状態を決定し、
前記画像を生成し、
前記図形と前記色の決定と、前記色及び前記図形の配置状態の決定と、前記画像の生成とを、前記対象の食品を食してからの所定の時間分だけ繰り返し実行して、複数の前記画像を生成し、
生成した複数の前記画像を時系列に配置することで、対象の食品を食したときの感覚の時系列変化を視覚的に表す食品アニメーション動画を生成し、
前記感覚は、前記対象の食品の香りと味とを含み、
前記対象の食品の香りを表す前記図形は前記画像の上部に配置し、前記対象の食品の味を表す前記図形は前記画像の下部に配置し、
前記対象の食品の感覚に基づいて、前記画像の背景色を決定
し、
前記対象の食品の短時間しか持続しない味及び/又は広がっていくような味を表す前記図形を、前記画像の上の方に配置し、前記対象の食品の長時間持続する味及び/又はじわじわくる味を表す前記図形を、前記画像の下の方に配置する、
食品アニメーション動画生成サーバ。
【請求項15】
サーバと、端末と、を備え、
前記サーバは、
対象の食品を食したときの感覚の時系列変化を表す感覚変化情報に基づいて、前記対象の食品を食してからの各時間における前記感覚を表す図形と色とを決定し、
前記対象の食品を食したときの感覚に基づいて、決定した前記図形と前記色とを含む画像における、前記色及び前記図形の配置状態を決定し、
前記画像を生成し、
前記図形と前記色の決定と、前記色及び前記図形の配置状態の決定と、前記画像の生成とを、前記対象の食品を食してからの所定の時間分だけ繰り返し実行して、複数の前記画像を生成し、
生成した複数の前記画像を時系列に配置することで、対象の食品を食したときの感覚の時系列変化を視覚的に表す食品アニメーション動画を生成し、
前記食品アニメーション動画を前記端末に送信し、
前記端末は、前記サーバから受信した前記食品アニメーション動画を表示し、
前記感覚は、前記対象の食品の香りと味とを含み、
前記対象の食品の香りを表す前記図形は前記画像の上部に配置し、前記対象の食品の味を表す前記図形は前記画像の下部に配置
し、
前記対象の食品の短時間しか持続しない味及び/又は広がっていくような味を表す前記図形を、前記画像の上の方に配置し、前記対象の食品の長時間持続する味及び/又はじわじわくる味を表す前記図形を、前記画像の下の方に配置する、
食品アニメーション動画提供システム。
【請求項16】
サーバと、端末と、を備え、
前記サーバは、
対象の食品を食したときの感覚の時系列変化を表す感覚変化情報に基づいて、前記対象の食品を食してからの各時間における前記感覚を表す図形と色とを決定し、
前記対象の食品を食したときの感覚に基づいて、決定した前記図形と前記色とを含む画像における、前記色及び前記図形の配置状態を決定し、
前記画像を生成し、
前記図形と前記色の決定と、前記色及び前記図形の配置状態の決定と、前記画像の生成とを、前記対象の食品を食してからの所定の時間分だけ繰り返し実行して、複数の前記画像を生成し、
生成した複数の前記画像を時系列に配置することで、対象の食品を食したときの感覚の時系列変化を視覚的に表す食品アニメーション動画を生成し、
前記食品アニメーション動画を前記端末に送信し、
前記端末は、前記サーバから受信した前記食品アニメーション動画を表示し、
前記対象の食品の感覚に基づいて、前記画像の背景色を決定
し、
前記対象の食品の短時間しか持続しない味及び/又は広がっていくような味を表す前記図形を、前記画像の上の方に配置し、前記対象の食品の長時間持続する味及び/又はじわじわくる味を表す前記図形を、前記画像の下の方に配置する、
食品アニメーション動画提供システム。
【請求項17】
サーバと、端末と、を備え、
前記サーバは、
対象の食品を食したときの感覚の時系列変化を表す感覚変化情報に基づいて、前記対象の食品を食してからの各時間における前記感覚を表す図形と色とを決定し、
前記対象の食品を食したときの感覚に基づいて、決定した前記図形と前記色とを含む画像における、前記色及び前記図形の配置状態を決定し、
前記画像を生成し、
前記図形と前記色の決定と、前記色及び前記図形の配置状態の決定と、前記画像の生成とを、前記対象の食品を食してからの所定の時間分だけ繰り返し実行して、複数の前記画像を生成し、
生成した複数の前記画像を時系列に配置することで、対象の食品を食したときの感覚の時系列変化を視覚的に表す食品アニメーション動画を生成し、
前記食品アニメーション動画を前記端末に送信し、
前記端末は、前記サーバから受信した前記食品アニメーション動画を表示し、
前記感覚は、前記対象の食品の香りと味とを含み、
前記対象の食品の香りを表す前記図形は前記画像の上部に配置し、前記対象の食品の味を表す前記図形は前記画像の下部に配置し、
前記対象の食品の感覚に基づいて、前記画像の背景色を決定
し、
前記対象の食品の短時間しか持続しない味及び/又は広がっていくような味を表す前記図形を、前記画像の上の方に配置し、前記対象の食品の長時間持続する味及び/又はじわじわくる味を表す前記図形を、前記画像の下の方に配置する、
食品アニメーション動画提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品を食したときの感覚を表現する動画を生成する方法、プログラム、サーバ、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、食品の説明、宣伝広告等は、例えば、食品の写真、動画、食品を食したときの感覚を言語的に表した文章などにより行われている。このような方法では、食品を食したときの感覚(例えば、味、香りなど)を的確に表せないことがある。また、例えば、食品の感覚を文章で表した場合には、食品の感覚の専門家ではない者は、その文章の意味を理解できず、食品の感覚を認識することができないことがある。これを解決する方法としては、食品の感覚を別の感覚で認識できるよう変換する技術が考えられる(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、食品の感覚を別の感覚で認識できるよう変換する従来の方法では、食品の感覚をどのように別の感覚に変換するかの最適な手法が確立されていなかった。そのため、従来の方法では、食品の感覚を別の感覚表現によって適切に表すことができなかった。
【0005】
従って、本発明の目的は、食品を食したときの感覚を、別の感覚表現により適切に表すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]対象の食品を食したときの感覚の時系列変化を表す感覚変化情報に基づいて、前記対象の食品を食してからの各時間における前記感覚を表す図形と色とを決定するステップと、
前記対象の食品を食したときの感覚に基づいて、決定した前記図形と前記色とを含む画像における、前記色及び前記図形の配置状態を決定するステップと、
前記画像を生成するステップと、
前記図形と前記色の決定と、前記色及び前記図形の配置状態の決定と、前記画像の生成とを、前記対象の食品を食してからの所定の時間分だけ繰り返し実行して、複数の前記画像を生成するステップと、
生成した複数の前記画像を時系列に配置することで食品アニメーション動画を生成するステップと、
を備える、食品アニメーション動画生成方法。
【0007】
[2]前記対象の食品を食したときの感覚に基づいて、前記画像における前記図形の大きさを決定する、[1]に記載の食品アニメーション動画生成方法。
【0008】
[3]前記対象の食品を食したときの感覚に基づいて、前記画像に配置する前記図形の数を決定する、[1]又は[2]に記載の食品アニメーション動画生成方法。
【0009】
[4]前記感覚は、前記対象の食品の香りと味とを含み、
前記対象の食品の香りを表す前記図形は前記画像の上部に配置し、前記対象の食品の味を表す前記図形は前記画像の下部に配置する、[1]~[3]のいずれかに記載の食品アニメーション動画生成方法。
【0010】
[5]前記感覚変化情報は、前記対象の食品を食してからの各時間において現れる前記感覚の種類に関する情報と、当該各時間における前記感覚の強さに関する情報と、を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の食品アニメーション動画生成方法。
【0011】
[6]前記感覚は、前記対象の食品の味を含み、
前記対象の食品の味に基づいて、前記図形の形状と色とを決定する、[1]~[5]のいずれかに記載の食品アニメーション動画生成方法。
【0012】
[7]前記対象の食品の味の強さに基づいて、前記図形の大きさ、色の濃さ、前記画像に表示する前記図形の数、及び/又は、複数の前記図形の前記画像における配置状態を決定する、[6]に記載の食品アニメーション動画生成方法。
【0013】
[8]前記対象の食品の味の印象に基づいて、前記図形の配置位置を決定する、[6]又は[7]に記載の食品アニメーション動画生成方法。
【0014】
[9]前記感覚は、前記対象の食品の香りを含み、
前記対象の食品の香りに基づいて、前記画像の背景色を決定する、[1]~[8]のいずれかに記載の食品アニメーション動画生成方法。
【0015】
[10]前記対象の食品の香りの強さに基づいて、前記画像の背景色の濃さを決定する、[9]に記載の食品アニメーション動画生成方法。
【0016】
[11]前記食品アニメーション動画を見るユーザの属性に基づいて、前記図形の画風を決定する、請求項[1]~[10]のいずれかに記載の食品アニメーション動画生成方法。
【0017】
[12][1]~[11]のいずれかに記載の食品アニメーション動画生成方法をコンピュータに実行させるプログラム。
【0018】
[13]記憶部と、情報処理部と、を備え、
前記記憶部は、対象の食品を食したときの感覚の時系列変化を表す感覚変化情報を記憶し、
前記情報処理部は、
前記感覚変化情報に基づいて、前記対象の食品を食してからの各時間における前記感覚を表す図形と色とを決定し、
前記対象の食品を食したときの感覚に基づいて、決定した前記図形と前記色とを含む画像における、前記色及び前記図形の配置状態を決定し、
前記画像を生成し、
前記図形と前記色の決定と、前記色及び前記図形の配置状態の決定と、前記画像の生成とを、前記対象の食品を食してからの所定の時間分だけ繰り返し実行して、複数の前記画像を生成し、
生成した複数の前記画像を時系列に配置することで、対象の食品を食したときの感覚の時系列変化を視覚的に表す食品アニメーション動画を生成する、
食品アニメーション動画生成サーバ。
【0019】
[14]サーバと、端末と、を備え、
前記サーバは、
対象の食品を食したときの感覚の時系列変化を表す感覚変化情報に基づいて、前記対象の食品を食してからの各時間における前記感覚を表す図形と色とを決定し、
前記対象の食品を食したときの感覚に基づいて、決定した前記図形と前記色とを含む画像における、前記色及び前記図形の配置状態を決定し、
前記画像を生成し、
前記図形と前記色の決定と、前記色及び前記図形の配置状態の決定と、前記画像の生成とを、前記対象の食品を食してからの所定の時間分だけ繰り返し実行して、複数の前記画像を生成し、
生成した複数の前記画像を時系列に配置することで、対象の食品を食したときの感覚の時系列変化を視覚的に表す食品アニメーション動画を生成し、
前記食品アニメーション動画を前記端末に送信し、
前記端末は、前記サーバから受信した前記食品アニメーション動画を表示する、
食品アニメーション動画提供システム。
【発明の効果】
【0020】
本明細書で開示する、食品アニメーション動画生成方法、当該方法をコンピュータに実行させるプログラム、食品アニメーション動画生成サーバ、食品アニメーション動画提供システムは、食品を食したときの感覚に基づいて、食品アニメーション動画の各コマに表示する色、図形等を決定し、これら色、図形等の配置状態を決定する。食品を食したときの感覚を視覚的に表す食品アニメーション動画においては、表示する色、図形等だけでなく、これらを各コマにおいてどのように配置するかも、ユーザに与える印象に大きく影響する。従って、本明細書で開示する、食品アニメーション動画生成方法、当該方法をコンピュータに実行させるプログラム、食品アニメーション動画生成サーバ、食品アニメーション動画提供システムは、食品を食したときの感覚を視覚的な表現により適切に表すことができる食品アニメーション動画を生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】食品アニメーション動画生成システムの構成を示す図である。
【
図9】ヨーグルトのような味を表す図形の一例を示す図である。
【
図10】渋味、ミネラル味を表す図形の一例を示す図である。
【
図12】食品アニメーション動画の生成動作を示すフローチャートである。
【
図13】風味波形図上に感覚を最もよく表す図形、色等を記入してもらった場合の一例を示す図である。
【
図14】ある食品を食したときに得られた感覚変化情報の一例を示す図である。
【
図15】生成例1において時間T1に表示するコマ画像の一例を示す図である。
【
図16】生成例1において時間T2に表示するコマ画像の一例を示す図である。
【
図17】生成例1において時間T3に表示するコマ画像の一例を示す図である。
【
図18】生成例1において時間T4に表示するコマ画像の一例を示す図である。
【
図20】生成例2において時間T5に表示するコマ画像の一例を示す図である。
【
図21】生成例2において時間T6に表示するコマ画像の一例を示す図である。
【
図22】生成例2において時間T7に表示するコマ画像の一例を示す図である。
【
図23】生成例2において時間T8に表示するコマ画像の一例を示す図である。
【
図24】生成例2において時間T8に表示するコマ画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
1.食品アニメーション動画生成システム
以下、食品アニメーション動画生成システム100を説明する。食品アニメーション動画生成システム100は、対象の食品を食したときの感覚を表すアニメーション(動画)を生成するシステムである。以後の説明において、このアニメーション(動画)を「食品アニメーション動画」と呼ぶ。
【0023】
食品アニメーション動画生成システム100が対象とする食品は、例えば、ジュース、コーヒー、酒、ワイン、清涼飲料などの飲料、チョコレート、グミキャンディー、ラムネなどの菓子類、カレー、シチュー、ハヤシライス、ハンバーグ、グラタンなどの食品など、あらゆる種類の食料品である。食品アニメーション動画は、主に、色、図形(の形状、大きさなど)などの視覚情報を食品の感覚に応じて選択、変更等することによって、食品を食したときの感覚を視覚的に表す動画である。食品アニメーション動画により、例えば、食品を実際に食することなく、当該食品を食したときの感覚を実感できる。食品アニメーション動画には、その他、文字情報、音声等が含まれていてもよい。
【0024】
食品アニメーション動画により表される食品の感覚としては、例えば、食品の味、香り、臭い、食感、食品を触ったときの感触、食品を食するときの音、食品の外観など、味覚、嗅覚、聴覚、視覚、触覚、感情などを通じて得られる種々の感覚がある。また、食品の感覚には、上記感覚のタイミングに関する情報も含まれる。感覚のタイミングに関する情報は、例えば、ある感覚の発生タイミング、ある感覚の強弱の時間的変化など、感覚の時間的変動を表す情報である。
【0025】
以下、
図1を用いて、食品アニメーション動画生成システム100の構成を説明する。
図1は、食品アニメーション動画生成システム100の構成を示す図である。食品アニメーション動画生成システム100は、サーバ1と、端末3と、を備える。
【0026】
サーバ1は、CPU、記憶装置(RAM、ROM、HDD、SSDなどの記憶装置)、入出力インタフェース、ネットワークインタフェースなどの各種インタフェースにより構成されるコンピュータシステムである。サーバ1は、対象の食品の食品アニメーション動画を生成し、端末3に提供する。サーバ1は、記憶部11と、情報処理部13と、を有する。
【0027】
記憶部11は、サーバ1を構成する記憶装置の記憶領域の一部又は全部であり、食品アニメーション動画の生成に必要な各種情報、サーバ1の機能を実現するプログラム、などを記憶する。記憶部11は、食品アニメーション動画の生成に必要な情報として、例えば、変換規則情報IN1と、感覚変化情報IN2と、を記憶する。
【0028】
変換規則情報IN1は、食品を食したときの感覚と、当該感覚に対してどのような要素(図形、色、音などの動画の構成要素)をどのように表示するかを表す情報と、を関連付けた情報である。すなわち、変換規則情報IN1は、食品の感覚に対して、どのような図形、色などの構成要素を、食品アニメーション動画中にどのように配置するかを表す情報である。さらに言い換えると、変換規則情報IN1は、食品の感覚を、食品アニメーション動画に配置する構成要素に変換する規則を定める情報である。
【0029】
例えば、食品の香りは色(例えば、食品アニメーション動画の背景色、動画全体の色合いなど)で表すことができる。具体的には、例えば、レモンのような香りは、黄色系、緑色系の色で表すことができる。イチゴのような香りは、赤系の色で表すことができる。バニラのような香りは、白系の色で表すことができる。香ばしさ(例えば、パンなどの所定の食物を焼いたときの香り)は、例えば、パンの焼き色(例えば、キツネ色のような茶系の色)で表すことができる。また、香りの強弱は、色の濃淡で表すことができる。例えば、強い香りは濃い色で表し、弱い香りは薄い色で表すことができる。
【0030】
また、食品アニメーション動画に表示する図形も、食品の香りを表すことができる。具体的には、例えば、ベリー類(ブルーベリー、イチゴ、ブドウなど)のような香りは、ベリー類を表す形状の図形により表すことができる。より具体的には、イチゴのような香りは、例えば
図2Aに示すようなイチゴの形状を表す図形により表すことができる。ブドウのような香りは、例えば
図2Bに示すようなブドウの形状を表す図形により表すことができる。ライチのような香りは、例えば
図2Cに示すようなライチの形状を表す図形により表すことができる。バラのような香りは、例えば
図2Dに示すようなバラの花、葉、及び/又は茎により構成されるバラの形状を表す図形により表すことができる。パンのような香りは、例えば
図2Eに示すようなパンの形状を表す図形により表すことができる。このように、「Aのような香り」を、「A」の形状を表す図形により表すことができる。
図2A~
図2Eは、香りを表す図形の一例を示す図である。
【0031】
例えば、酵母のような香りは、例えば、円、楕円で表すことができる。これは、例えば、酵母菌の形状に基づいている。このように、表現する香り及び/又は味の基となっている菌、物質等をイメージする色及び/又は図形で、香り及び/又は味を表現できる。
【0032】
食品の香りを表す図形には、色を付することもできる。例えば、イチゴのような香りを表すイチゴの形状を表す図形に赤系の色を付することができる。紫系の色を有するブドウのような香りを表す場合(あるいは、原料に紫系の色を有するブドウが用いられている場合)には、ブドウの形状を表す図形に紫系の色を付することができる。緑系の色を有するブドウの香りを表す場合(あるいは、原料に緑系の色を有するブドウが用いられている場合)には、ブドウの形状を表す図形に緑系の色を付することができる。パンのような香りを表すパンの形状を表す図形に茶系の色(例えば、パンの焼き色のような色)を付することができる。このように、「Aのような香り」を「A」の形状を表す図形により表す場合に、当該図形に「A」が有する色及び/又は「A」からの香りを表す色を付することができる。図形に色を付する領域は、図形の全体であってもよいし、図形の一部(例えば、図形の中心部分など)であってもよい。
【0033】
上記のような、香りの種類に関する情報と、当該香りを表す色に関する情報と、当該香りを表す図形に関する情報と、当該図形に付する色に関する情報と、を関連付けて変換規則情報IN1に記憶できる。香りの種類に関する情報は、例えば、香りの種類の言語表現(例えば、レモンのような香り、イチゴのような香りなど)、香りの種類を表す識別番号など、香りの種類を識別可能な情報とできる。香りは、複数の他の香りを組み合わせて表現できる。具体的には、ある香りを、他の複数の香りの種類と強度とにより表すことができる。より具体的には、香りの種類に関する情報は、(香り1の強度,香り2の強度,・・・)のように複数の座標値で表される(多次元の)ベクトルとして表現することもできる。
【0034】
香りを表す図形に関する情報は、例えば、各図形の形状を表す情報(例えば、頂点位置、丸みの部分の曲率半径、辺の長さ、角度など)、図形の識別情報(例えば、ファイル名、保存先など)など図形の種類を識別可能な情報とできる。各図形は、画像データとして予め作成され、記憶部11に記憶されていてもよい。各図形は、生成系AIなどの人工知能モデルにより生成されてもよい。この場合、香りを表す図形に関する情報は、例えば、当該図形を生成系AIなどの人工知能モデルにより生成させるための指令(例えば、プロンプト)を含んでいてもよい。人工知能モデルは、例えば、入力層と、出力層と、(必要に応じて)中間層と、により構成されるニューラルネットワークとできる。また、トランスフォーマーを含む人工知能モデルとすることもできる。
【0035】
人工知能モデルに図形を生成させる場合には、例えば、香りを構成する基本要素(基本の香り)を入力とし当該基本要素に対応する図形を出力とする教師データを用いて、人工知能モデルを学習させることができる。上記のようにして学習した学習済みモデルに、香りのベクトル表現を入力することで、学習済みモデルが当該香りを表す図形を生成することができる。また、香りに関する情報をそのまま入力とし当該香りに対応する図形を出力とした教師データにより人工知能モデルを学習させることができる。
【0036】
香りを表す色に関する情報、図形に付する色に関する情報は、例えば、RGB系などの各色要素の強弱、コントラスト、明るさ、色温度などの色を表現する数値情報とできる。
【0037】
例えば、食品の味は、図形の形状、及び/又は、当該図形の色で表すことができる。具体的には、例えば、甘みは、
図3A~
図3Cで示すような、丸みのあるソフトな形状の図形、物が溶けているような様子を表す形状の図形で表すことができる。また、甘みは、赤系、オレンジ系、ピンク系、サーモン系、クリームイエローなどの暖色系の色で表すことができる。
図3Aで示すような丸みのある図形は、自然な甘みを表すことができる。
図3Bで示すような雲形状の図形は、ほどけるような甘み、とろける感じの甘みを表すことができる。
図3Cで示すような物が溶けているような形状の図形は、あまったるい甘み、ねっとりした甘み、ベタベタとした甘みを表すことができる。
図3A~
図3Cは、甘みを表す図形の一例を示す図である。
【0038】
例えば、旨味は、
図4で示すような、丸みと広がりのある形状の図形で表すことができる。また、旨味は、明るい橙色、濃い橙色、茶色などで表すことができる。
図4は、旨味を表す図形の一例を示す図である。
【0039】
例えば、苦味は、
図5A~
図5Dで示すような、角の多い複雑な形状の図形で表すことができる。また、苦味は、こげ茶色、深緑系の色などの濃い茶色、緑色系などの色で表すことができる。
図5Aで示すような多角形(四角形、五角形、六角形など)の図形は、お茶の苦味などの好まれる苦味を表すことができる。
図5Bで示すようなトゲトゲしい形状の図形は、イガイガとした苦味などの好まれない苦味を表すことができる。
図5Cで示すような丸みのある多数の突起があるような形状の図形は、ドロドロとした苦味、広がってへばりつくような苦味などの好まれない苦味を表すことができる。
図5Dで示すような線が絡み合ったような図形は、複雑な苦味、モヤモヤとした苦味を表すことができる。
図5A~
図5Dは、苦味を表す図形の一例を示す図である。
【0040】
例えば、塩味は、
図6で示すような、結晶様(例えば、四角形)の幾何学的な図形で表すことができる。また、塩味は、白、ダークブルー系の色、グレイ系の青色、薄い灰色などで表すことができる。
図6は、塩味を表す図形の一例を示す図である。
【0041】
例えば、酸味は、
図7A、
図7Bで示すような、菱形、涙滴形などの鋭角を有する図形、鋭い複数の図形が放射状に伸びるような形状の図形で表すことができる。また、酸味は、黄色、黄緑、橙色などの黄色系の色で表すことができる。
図7Aで示すような菱形、涙滴形などの形状を有する図形は、爽やかな酸味を表すことができる。
図7Bで示すような放射状に伸びるような形状の図形は、すっぱい酸味(鋭い酸味)を表すことができる。
図7A及び
図7Bは、酸味を表す図形の一例を示す図である。
【0042】
例えば、辛味は、
図8で示すような、鋭い三角形、とげとげした形状、ギザギザした形状の図形で表すことができる。また、辛味は、赤を基調とし、橙色、黒色、黄色などを混合して表すことができる。
図8は、辛味を表す図形の一例を示す図である。
【0043】
例えば、ヨーグルトのような味(ホエーのような味)は、
図9で示すような、若干角ばった花のような図形で表すことができる。当該花に対しては、ヨーグルトのような味を表す色(例えば、白系の淡い色)を付することができる。
図9は、ヨーグルトのような味を表す図形の一例を示す図である。
【0044】
また、ヨーグルトのような味に他の味(ベリー、イチゴなどの味)が加わった場合には、ヨーグルトのような味を表す花の図形に、当該他の色(例えば、イチゴ味であれば、薄めの赤系の色)を一部に付することもできる。
【0045】
例えば、紅茶などが有する渋味、ミネラル味は、
図10に示すような、くすんだ葉の形状を表す図形で表すことができる。この図形には、例えば、くすんだ色(例えば、灰色系の色)を付することができる。
図10は、渋味、ミネラル味を表す図形の一例を示す図である。
【0046】
上記のような味の種類に関する情報と、当該味を表す図形に関する情報、(当該図形に付する)色に関する情報と、を関連付けて変換規則情報IN1に記憶できる。味の種類に関する情報は、例えば、味の種類の言語表現(例えば、甘み、旨味、苦味、塩味、酸味、辛味、ヨーグルトのような味、渋味、ミネラル味など)、味の種類を表す識別番号など、味の種類を識別可能な情報とできる。味は、複数の他の味を組み合わせて表現できる。具体的には、ある味を、他の複数の味の種類と強度とにより表すことができる。より具体的には、味の種類に関する情報は、(味1の強度,味2の強度,・・・)のように複数の座標値で表される(多次元の)ベクトルとして表現することもできる。
【0047】
味を表す図形に関する情報は、例えば、各図形の形状を表す情報(例えば、頂点位置、丸みの部分の曲率半径、辺の長さ、角度など)、図形の識別情報(例えば、ファイル名、保存先など)など、図形の種類を識別可能な情報とできる。各図形は、画像データとして予め作成され、記憶部11に記憶されていてもよい。各図形は、生成系AIなどの人工知能モデルにより生成されてもよい。この場合、香りを表す図形に関する情報は、例えば、当該図形を生成系AIなどの人工知能モデルにより生成させるための指令(例えば、プロンプト)を含んでいてもよい。
【0048】
人工知能モデルに図形を生成させる場合には、例えば、味を構成する基本要素(基本の味)を入力とし当該基本要素に対応する図形を出力とする教師データを用いて、人工知能モデルを学習させることができる。上記のようにして学習した学習済みモデルに、味のベクトル表現を入力することで、学習済みモデルが当該味を表す図形を生成することができる。また、味に関する情報をそのまま入力とし当該味に対応する図形を出力とした教師データにより人工知能モデルを学習させることができる。
【0049】
味を表す色に関する情報は、例えば、RGB系などの各色要素の強弱、コントラスト、明るさ、色温度などの色を表現する数値情報とできる。
【0050】
感覚変化情報IN2は、対象の食品を食したときの感覚の時系列変化を表す情報である。具体的には、感覚変化情報IN2は、対象の食品を食してからの各時間において現れる感覚の種類に関する情報と、当該各時間における感覚の強さに関する情報と、を含む。より具体的には、感覚変化情報IN2は、対象の食品を食してからの経過時間と、各時間に表れる感覚の種類を表す情報と、各時間における感覚の強さを表す情報と、が関連付けられた情報である。感覚の種類を表す情報は、例えば、感覚を表す言語情報、感覚の識別番号など感覚の種類を識別できる情報である。感覚の強さを表す情報は、例えば、感覚の強弱を表す数値である。
【0051】
上記の感覚変化情報IN2を、時間を横軸とし、感覚の強弱を縦軸とする座標系上にプロットすると、例えば、
図11のようなグラフとなる。
図11に示す感覚変化情報IN2は、あるオレンジジュースの感覚変化情報IN2である。
図11のようなグラフは、食品の感覚(風味)の時間的変化を波形として表しているので「風味波形図」と呼ぶこともできる。
図11は、感覚変化情報IN2の一例を示す図である。
【0052】
各食品は異なる感覚を生じ感覚の時間変化も異なるので、上記の感覚変化情報IN2は、食品アニメーション動画を生成する食品毎に生成される。一方、変換規則情報IN1は、感覚を視覚的情報に変換するための統一的な規則を定めるものであるので、食品に対しては原則共通のものとなる。しかし、例えば、食品の種類毎、ユーザ毎に変換規則を異ならせた方が好ましい場合などには、変換規則情報IN1を複数記憶しておいてもよい。
【0053】
記憶部11は、サーバ1で生成された食品アニメーション動画を記憶する。これにより、食品アニメーション動画を必要に応じて何度でも、端末3を用いるユーザ等に提供できる。
【0054】
情報処理部13は、サーバ1を構成するCPU、記憶装置の記憶領域の一部、各種インタフェースにより構成され、サーバ1における各種情報処理を実行する。情報処理部13は、上記の変換規則情報IN1及び感覚変化情報IN2を用いて、対象の食品の食品アニメーション動画を生成する。情報処理部13は、生成した食品アニメーション動画を、記憶部11に記憶するか、及び/又は、当該食品アニメーション動画を所望するユーザ等が用いる端末3に送信する。情報処理部13は、上記の情報処理の一部又は全部を、記憶部11に記憶されたプログラムを実行することにより実現する。また、情報処理の全部又は一部を、ハードウェアにより実現してもよい。
【0055】
端末3は、CPU、記憶装置(RAM、ROM、HDD、SSDなどの記憶装置)、各種インタフェースにより構成されたコンピュータシステムであり、ユーザ等により用いられる。端末3は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PDA、携帯型ゲーム機、ノート型パソコンなどの携帯端末、パーソナルコンピュータなどのコンピュータシステムである。
【0056】
ユーザ等は、端末3を用いて、サーバ1に対して所望の食品の食品アニメーション動画の提供を要求する。この要求を受信したサーバ1が、要求のあった食品アニメーション動画を生成して端末3に送信するか、又は、記憶部11に記憶されている所望の食品アニメーション動画を端末3に送信する。食品アニメーション動画を受信した端末3は、受信した食品アニメーション動画を、端末3の表示装置(例えば、ディスプレイ)に表示させる。
【0057】
2.食品アニメーション動画生成システムの動作
以下、
図12を用いて、上記の構成を有する食品アニメーション動画生成システム100における、食品アニメーション動画の生成動作を説明する。
図12は、食品アニメーション動画生成システム100における、食品アニメーション動画の生成動作を示すフローチャートである。
【0058】
食品アニメーション動画を生成するにあたって、まず、これに必要な情報、すなわち、変換規則情報IN1、感覚変化情報IN2を生成し、サーバ1の記憶部11に記憶する(ステップS1)。これら情報は、例えば、対象の食品を食しているユーザ等による官能評価、対象の食品、対象の食品の包装、対象の食品を食しているユーザ等の表情や発した声等を撮影した映像データ、対象の食品の測定結果、対象の食品の材料の配合、対象の食品を製造するときのレシピ、などの対象の食品の感覚に関する各種データに基づいて生成される。
【0059】
対象の食品を食しているユーザ等による官能評価は、例えば、ユーザ等に対象の食品を食してもらい、
図11に示すような風味波形図を作成してもらう作業を含む。また、
図13に示すように、風味波形図上に、各感覚を最もよく表す図形、色等を記入等してもらう。
図13は、風味波形図上に感覚を最もよく表す図形、色等を記入してもらった場合の一例を示す図である。このような官能評価により、例えば、対象の食品の味、香り、食感、これら感覚が発生するタイミング等を得られる。
【0060】
官能評価は、官能評価の専門家(食品の感覚に精通したユーザ)を含めて行うのが好ましい。これにより、例えば、単に「甘い」といった抽象的な感覚だけでなく、「爽やかで控えめな甘み」、「雑味のないクリアな風味」、「シトラス様の香り」、「さらっとした口当たり」、「トップで●●の香り+ラストで△△の香り」、「若いレモンの皮のような黄色」といったより具体的で詳細な感覚、すなわち、僅かに異なる感覚に関する情報を取得できる。一方、ワイン、日本酒、チョコレート、コーヒーなどの多くのユーザが食する嗜好品については、既に風味表現に使用する共通言語が存在している場合が多いので、専門家による官能評価が含まれていなくともよい。
【0061】
映像データは、例えば、対象の食品の外観、対象の食品の包装(製品情報が記載されたラベル部分を含む)、対象の食品を食しているユーザ、などを撮影することで得られる。映像データにより、例えば、食品から受けるイメージ、食品の香り、味、食品に対するユーザの感想(例えば、おいしいと感じているか、まずいと感じているかなど)、これらの強弱、これらの感情を有したタイミング(香り、味等の発生タイミング、時間変化)、食品の包装を開けたときの音に関する情報(例えば、パリッと袋を開けた音など)、対象の食品を食しているときにユーザから発せられる音に関する情報(例えば、「カリカリ」と硬い食品を食べている音など)、対象の食品の成分(材料の配合)、対象の食品を製造する際のレシピなどを取得できる。映像データを取得した際には、映像データの各場面においてユーザ等が感じた感覚を表す図形、色、音などを記入してもらう。
【0062】
対象の食品の測定結果は、例えば、対象の食品を各種測定装置で測定することで取得できる。対象の食品を各種測定装置で測定することで、例えば、対象の食品の温度、粘度、硬度、栄養成分に関する情報などを測定結果として取得できる。
【0063】
対象の食品の材料の配合、レシピは、例えば、対象の食品の包装を撮影した映像データ、対象の食品を製造する際の説明書などから得られる。対象の食品の材料の配合、レシピからは、例えば、対象の食品の香り、味、栄養成分に関する情報などが得られる。
【0064】
変換規則情報IN1、感覚変化情報IN2は、具体的には、以下のようにして生成できる。まず、対象の食品の感覚に関する上記の各種データを収集する。これらデータを統計処理、分析等することにより、食品を食したときに発生していた感覚と、各感覚の時間変化と、を抽出する。その後、これら抽出した感覚とその時間変化とに基づいて、ある食品を食してからの経過時間と、当該食品について抽出された感覚の種類を表す情報と、各時間における当該感覚の強さを表す情報と、を算出し、これら情報を関連付けて、上記ある食品に関する感覚変化情報IN2を生成する。上記で説明したように、感覚変化情報IN2は、対象の食品毎に生成される。
【0065】
また、上記の各種データを収集するときにユーザ等により記入された、感覚を表す図形、色、音等を統計処理、分析等することにより、各種データの分析等で抽出された各感覚を最もよく表す図形、色、音等を決定する。抽出された感覚の種類を表す情報と、当該感覚を最もよく表すと決定した図形、色、音等に関する情報と、を関連付けて変換規則情報IN1を生成する。
【0066】
なお、食品に関する上記の各種データを多数取得できた場合には、多数の各種データを用いて人工知能モデルを学習させ、各種データを用いて学習した学習済みモデルを用いて、変換規則情報IN1、感覚変化情報IN2を生成してもよい。
【0067】
変換規則情報IN1、感覚変化情報IN2を生成後、情報処理部13は、これらの情報を用いて、食品アニメーション動画を生成する。まず、情報処理部13は、食品アニメーション動画の各時間に表示する画像(以後、コマ画像と呼ぶ)に含める図形、色、音等の構成要素と、これらの配置(大きさ、数、密度、濃淡、配置位置など)を決定する(ステップS2)。情報処理部13は、感覚変化情報IN2の各時間に関連付けられている感覚の種類を表す情報と、感覚の強さを表す情報と、に基づいて配置する構成要素と配置を決定できる。また、情報処理部13は、変換規則情報IN1に基づいて、コマ画像に配置する図形、色、音等を決定する。
【0068】
また、情報処理部13は、コマ画像における色(背景色、色合いなど)、コマ画像に表示される図形の画風を、食品アニメーション動画を見るユーザの属性に基づいて決定できる。例えば、ユーザが動画を見る目的、対象の食品を食することが多いユーザ層(例えば、年齢別、性別、収入別など)、ユーザが対象の食品に期待するイメージ(高級感、庶民感、など)などに基づいて、画風を決定できる。
【0069】
具体的には、例えば、味覚に障害を有するユーザを対象とする場合には、より写実的であるか及び/又は多角形を多用するなど幾何学的な図形、原色系に近い色など、香り及び味が視覚的により明確に認識できる色及び図形を用いることができる。例えば、現役世代で収入も比較的多く高級感を味わいたいユーザを対象にする場合には、より芸術的な(アート要素を含む)色及び図形を用いることができる。例えば、低年齢の子供を対象にする場合には、よりかわいらしい(漫画的な)色及び図形を用いることができる。
【0070】
食品アニメーション動画を見るユーザの属性は、例えば、食品アニメーション動画を再生する前に、端末3を用いてユーザにアンケート形式で各種情報を入力してもらい、当該アンケートの分析結果に基づいて決定できる。例えば、食品アニメーション動画を表示する画面(ユーザインタフェース)にコメント欄を設け、コメント欄に投稿されたコメントの内容に基づいて決定できる。例えば、端末3に備わるカメラを用いてユーザの顔を撮影し、撮影した顔の顔認識の結果に基づいて決定できる。その他、対象の食品と、当該食品の主な消費者であるユーザの属性とを予め関連付けておくこともできる。
【0071】
ユーザの属性に対しどのような画風の色及び図形を使用するかの決定規則は、例えば、変換規則情報IN1に予め記憶されていてもよいし、食品アニメーション動画を生成するプログラム等にアルゴリズムとして含めておいてもよい。
【0072】
上記のようにしてコマ画像に配置する色及び図形を決定後、情報処理部13は、ステップS2での決定した色及び図形の配置状態を決定する(ステップS3)。情報処理部13は、食品アニメーション動画のコマ画像における色及び図形等の配置位置を、対象の食品を食したときの当該コマ画像を表示するタイミングにおける感覚に基づいて決定できる。
【0073】
具体的には、情報処理部13は、香りを表す色及び/又は図形をコマ画像の上部に配置できる。一方、情報処理部13は、味を表す色及び/又は図形をコマ画像の下部に配置できる。これは、ユーザの鼻と口の位置関係に対応している。すなわち、人間が、顔の中心にある鼻で香りを感知し、鼻よりも下(顔の下側)にある口で味を感知する(食品を味わう)ことに対応している。よって、香りを表す色及び/又は図形をコマ画像の上部に配置し、味を表す色及び/又は図形をコマ画像の下部に配置することにより、コマ画像においてどの色及び/又は図形が香りを表しているのか、又は、味を表しているのかをユーザに直感的に認識させることができる。
【0074】
また、香りは気体状となった分子により構成され、味は形状を有するもの(すなわち、主に気化しない分子により構成されるもの)を口に入れたときに感知される。すなわち、香りは分子量が比較的小さい分子により構成され、味は分子量が比較的大きい分子により構成される。分子量が比較的小さい分子は大気中で上昇するか漂い続ける傾向にあり、分子量が比較的大きい分子は下へ降りていく傾向にある。従って、対象の食品に含まれる分子の分子量に応じて、当該分子による香り/味を表す色及び/又は図形の配置位置(コマ画像の上部に配置するか下部に配置するか)を決定できる。対象の食品に含まれる分子は、例えば、当該食品の各種測定により把握できる。
【0075】
また、情報処理部13は、対象の食品の味の印象に基づいて、色及び/又は図形の配置位置を決定できる。例えば、短時間しか持続しない味、軽い味、広がっていくような味を表す図形は、コマ画像の上の方に配置できる。例えば、上の味にコーティングされているような味を表す図形は、コマ画像の中段あたりに配置できる。一方、例えば、長時間持続する味、ベースとなる味、重い味、じわじわくる味を表す図形は、コマ画像の下の方に配置できる。
【0076】
情報処理部13は、コマ画像に表示する図形の数及び/又は密度を、対象の食品を食したときの当該コマ画像を表示するタイミングにおける感覚に基づいて決定できる。例えば、香り及び/又は味の強弱に基づいて、図形の数及び/又は密度を決定できる。具体的には、弱い香り及び/又は味、全体的に目立たない香り及び/又は味は、図形の数を少なくする、及び/又は、表示する図形の密度を小さくすることで表現できる。一方、強い香り及び/又は味、全体的に目立つ香り及び/又は味は、図形の数を多くする、及び/又は、表示する図形の密度を大きくすることで表現できる。
【0077】
情報処理部13は、コマ画像に表示する図形の大きさを、対象の食品を食したときの当該コマ画像を表示するタイミングにおける感覚に基づいて決定できる。例えば、香り及び/又は味の強弱に基づいて、図形の大きさを決定できる。具体的には、弱い香り及び/又は味、全体的に目立たない香り及び/又は味は、図形を小さくすることで表現できる。一方、強い香り及び/又は味、全体的に目立つ香り及び/又は味は、図形を大きくすることで表現できる。
【0078】
情報処理部13は、コマ画像における色(背景色、色合いなど)、コマ画像に表示される図形に付する色を、対象の食品を食したときの感覚に基づいて決定できる。例えば、香り及び/又は味の強弱に基づいて、上記色を決定できる。具体的には、弱い香り及び/又は味、全体的に目立たない香り及び/又は味は、薄い色により表現できる。一方、強い香り及び/又は味、全体的に目立つ香り及び/又は味は、濃い色により表現できる。
【0079】
コマ画像における色及び/又は図形の配置位置、色の濃淡、図形の数、図形の大きさなどの配置状態の決定規則は、例えば、変換規則情報IN1に予め記憶されていてもよいし、食品アニメーション動画を生成するプログラム等にアルゴリズムとして含めておいてもよい。
【0080】
色及び図形の配置位置、色の濃淡、図形の数、図形の大きさを決定後、情報処理部13は、決定した規則に従ってコマ画像に図形を配置し、コマ画像を彩色することで、コマ画像を生成する(ステップS4)。
【0081】
ある時間のコマ画像を生成後、情報処理部13は、食品アニメーション動画の再生時間分のコマ画像を生成したかを判断する(ステップS5)。再生時間分のコマ画像を生成していない場合(ステップS5で「No」)、情報処理部13は、上記のステップS2~S4を繰り返し、各時間のコマ画像の生成を継続する。
【0082】
一方、再生時間分のコマ画像を生成した場合(ステップS5で「Yes」)、情報処理部13は、生成した複数のコマ画像を時系列に配置することで、食品アニメーション動画の動画ファイルを生成する(ステップS6)。情報処理部13は、生成した動画ファイルを記憶部11に記憶する。
【0083】
3.食品アニメーション動画の生成例1
以下、上記の食品アニメーション動画の生成方法による、食品アニメーション動画の生成例を説明する。まず、
図11及び
図13に示した感覚変化情報IN2で表される食品(オレンジジュース)の食品アニメーション動画の生成例(生成例1)を説明する。
【0084】
図11及び
図13に示した感覚変化情報IN2で表される食品(オレンジジュース)は、食べ始め(飲み始め)に短時間の強い甘みを発生し、その後、短時間の強い酸味を発生する。一方、食べ始め(飲み始め)から長時間にわたり、比較的強い塩味が発生する。また、食べ始め(飲み始め)から所定の時間経過後に比較的長時間持続する、比較的弱い苦味が発生する。さらに、食べ始め(飲み始め)から長期間にわたり、比較的強いオレンジの香り(オレンジ香)が発生する。
【0085】
生成例1では、食品アニメーション動画を見るユーザの属性は、例えば、味覚に障害を有するユーザのような、食品の香り及び味を視覚的に明確に示す必要があるユーザであるとする。このため、生成例1で用いる色及び図形は、原色系の色、多角形などを多用した幾何学的な図形(例えば、
図3A~
図8で示すような図形)のような、食品の香り及び味を視覚的に明確に表せるものを用いる。
【0086】
情報処理部13は、
図14に示す感覚変化情報IN2を参照し、この食品を食してから時間T1が経過した時点においては、強い甘み、弱い塩味、弱いオレンジ香が存在すると確認できる。よって、情報処理部13は、変換規則情報IN1を参照して、時間T1のコマ画像には、甘みを表す大きな図形と、塩味を表す小さな図形と、を配置すると決定する。また、情報処理部13は、弱いオレンジ香を表す薄い橙色をコマ画像の背景色とすると決定する。さらに、強い甘みは短時間しか持続しないので、コマ画像の上の方に配置すると決定する。一方、弱い塩味は比較的持続するので、コマ画像の下の方に配置すると決定する。この結果、時間T1に表示するコマ画像として、
図15に示すような画像が生成される。
図14は、ある食品を食したときに得られた感覚変化情報IN2の一例を示す図である。
図15は、生成例1において時間T1に表示するコマ画像の一例を示す図である。
【0087】
情報処理部13は、
図14に示す感覚変化情報IN2を参照し、食品を食してから時間T2が経過した時点においては、強い酸味、中程度の塩味、中程度のオレンジ香と、弱い甘みが存在すると確認できる。よって、情報処理部13は、変換規則情報IN1を参照して、時間T2のコマ画像には、酸味を表す大きな図形と、塩味を表す中程度の大きさの図形と、甘みを表す小さな図形と、を配置すると決定する。また、情報処理部13は、中程度のオレンジ香を表す中程度の濃さの橙色をコマ画像の背景色とすると決定する。さらに、強い酸味、弱い甘みは短時間しか持続しないので、これらを表す図形をコマ画像の上の方に配置すると決定する。一方、塩味は比較的持続するので、これを表す図形をコマ画像の下の方に配置すると決定する。この結果、時間T2に表示するコマ画像として、
図16に示すような画像が生成される。
図16は、生成例1において時間T2に表示するコマ画像の一例を示す図である。
【0088】
情報処理部13は、
図14に示す感覚変化情報IN2を参照し、食品を食してから時間T3が経過した時点においては、比較的強めの塩味、比較的強めのオレンジ香と、弱めの苦味と、持続する弱い甘みが存在すると確認できる。よって、情報処理部13は、変換規則情報IN1を参照して、時間T3のコマ画像には、塩味を表す比較的大きな図形と、苦味を表す比較的小さな図形と、持続する甘みを表す小さな図形と、を配置すると決定する。また、情報処理部13は、比較的強めのオレンジ香を表す比較的濃い橙色をコマ画像の背景色とすると決定する。さらに、塩味を表す図形、苦味を表す図形と、持続する甘みを表す図形は、コマ画像の下の方に配置すると決定する。この結果、時間T3に表示するコマ画像として、
図17に示すような画像が生成される。
図17は、生成例1において時間T3に表示するコマ画像の一例を示す図である。
【0089】
情報処理部13は、
図14に示す感覚変化情報IN2を参照し、食品を食してから時間T4が経過した時点においては、中程度の塩味、弱いオレンジ香と、弱い苦味と、持続する弱い甘みが存在すると確認できる。よって、情報処理部13は、変換規則情報IN1を参照して、時間T4のコマ画像には、塩味を表す中程度の大きさの図形と、苦味を表す小さな図形と、持続する甘みを表す小さな図形と、を配置すると決定する。また、情報処理部13は、オレンジ香を表す薄い橙色をコマ画像の背景色とすると決定する。さらに、塩味を表す図形、苦味を表す図形と、持続する甘みを表す図形は、コマ画像の下の方に配置すると決定する。この結果、時間T4に表示するコマ画像として、
図18に示すような画像が生成される。
図18は、生成例1において時間T4に表示するコマ画像の一例を示す図である。
【0090】
上記のようにして再生時間分のコマ画像を生成し、生成した複数のコマ画像を時系列に配置することで、生成例1の食品アニメーション動画が生成される。
【0091】
4.食品アニメーション動画の生成例2
次に、
図19に示す感覚変化情報IN2で表される食品(ワイン)の食品アニメーション動画の生成例(生成例2)を説明する。
図19は、感覚変化情報IN2の他の例を示す図である。
【0092】
図19に示す感覚変化情報IN2で表される食品(ワイン)は、食べ始め(飲み始め)に強いブドウのような香り及び中程度のイチゴのような香りを発生し、その後、短時間に強いライチのような香りを発生し、さらにその後、短時間に比較的強いバラのような香りを発生する。また、中盤あたりに、酵母のような香りが発生し、その後、これがパンのような香りに変化する。ブドウのような香り及びイチゴのような香りは、最後まで余韻として残る。
図19に示す感覚変化情報IN2で表される食品(ワイン)の味については、ゆっくりとヨーグルト(ホエー)のような味が増してきて、その後、ヨーグルト(ホエー)のような味は徐々に減っていく。また、最後には、紅茶の渋味のような味が発生する。
【0093】
生成例2では、食品アニメーション動画を見るユーザの属性は、ワインを嗜好として好むような、食品を芸術のような感覚で嗜みたい層であるとする。そのため、生成例2で用いる色及び図形は、芸術性の高いもの(例えば、
図2A~
図2E、
図9、
図10で示すような図形)を用いる。
【0094】
情報処理部13は、
図19に示す感覚変化情報IN2を参照し、この食品を食してから時間T5が経過した時点においては、強いブドウのような香り、中程度のイチゴのような香り、弱いライチのような香りが存在すると確認できる。よって、情報処理部13は、変換規則情報IN1を参照して、時間T5のコマ画像には、ブドウの形状を表す複数(2つ)の大きな図形と、イチゴの形状を表す(1つの)大きな図形と、を配置すると決定する。また、薄い線で描画した複数(3つ)のライチの形状を表す図形を表示する。なお、このライチの形状を表す図形は、後の時間のコマ画像において濃い線で描画され、ライチのような香りが強くなったことを示す。情報処理部13は、上記の香りを示す図形を、コマ画像の上部側に配置する。
【0095】
また、この食品は、食べ始めの初期において風味的にはさわやかさ、軽さがある。よって、情報処理部13は、時間T5のコマ画像の背景色として、桜色、オレンジのような南国を想起させるような、明るく、華やかで、ポップな色を使用すると決定する。
【0096】
以上の結果、時間T5に表示するコマ画像として、
図20に示すような画像が生成される。
図20は、生成例2において時間T5に表示するコマ画像の一例を示す図である。
【0097】
情報処理部13は、
図19に示す感覚変化情報IN2を参照し、食品を食してから時間T6が経過した時点においては、ライチのような香りが消えて、ブドウのような香り、イチゴのような香りが引き続いて存在していることを確認できる。また、比較的強いバラのような香りと、中程度のヨーグルト(ホエー)のような味が存在していることを確認できる。よって、情報処理部13は、変換規則情報IN1を参照して、時間T6のコマ画像には、ブドウの形状を表す複数(2つ)の中程度の図形と、イチゴの形状を表す(1つの)中程度の図形と、バラの形状を表す複数(4つ)の中程度の図形と、を配置すると決定する。情報処理部13は、香りを表すこれら図形を、コマ画像の上部側に配置する。情報処理部13は、バラのような香りが強いことを示すために、バラの形状を示す図形に色を付する。また、情報処理部13は、ヨーグルトのような味を表す若干角ばった花のような図形を、コマ画像の下部側に配置する。
【0098】
以上の結果、時間T6に表示するコマ画像として、
図21に示すような画像が生成される。
図21は、生成例2において時間T6に表示するコマ画像の一例を示す図である。
【0099】
情報処理部13は、
図19に示す感覚変化情報IN2を参照し、食品を食してから時間T7が経過した時点においては、バラのような香りが消えて、ブドウのような香り、イチゴのような香りが引き続いて存在していることを確認できる。また、中程度の酵母のような香り、比較的強いのヨーグルト(ホエー)のような味が存在していることを確認できる。よって、情報処理部13は、変換規則情報IN1を参照して、時間T7のコマ画像には、ブドウの形状を表す複数(2つ)の中程度の図形と、イチゴの形状を表す(1つの)中程度の図形と、円形、楕円形の複数(8つ)の小さな図形と、を配置すると決定する。情報処理部13は、香りを表すこれら図形を、コマ画像の上部側に配置する。
【0100】
この食品は、食べ始めからある程度の時間が経過した中盤期以降において、食品の外観の色と一致するような印象となる。よって、情報処理部13は、時間T7以降のコマ画像の背景色として、当該食品(ワイン)の色である赤系の明るく、華やかで、ポップな色を使用すると決定する。
【0101】
また、情報処理部13は、ヨーグルトのような味を表す若干角ばった花のような図形を、コマ画像の下部側に配置する。時間T7における若干角ばった花のような図形の大きさは、時間T6から徐々に大きくなり、コマ画像の下部のほぼ全体を占めるようになる。このように、ヨーグルトのような味を表す若干角ばった花のような図形は、感覚変化情報IN2において示された味の強弱に応じて、コマ画像において占める割合が小さい状態から時間的に徐々に増大する(弱い味から強い味に変化する)か、又は、占める割合が大きい状態から時間的に徐々に減少する(強い味から弱い味に変化する)よう表示される。
【0102】
以上の結果、時間T7に表示するコマ画像として、
図22に示すような画像が生成される。
図22は、生成例2において時間T7に表示するコマ画像の一例を示す図である。
【0103】
情報処理部13は、
図19に示す感覚変化情報IN2を参照し、食品を食してから時間T8が経過した時点においては、ブドウのような香り、イチゴのような香りが引き続いて存在していることを確認できる。また、中程度の酵母のような香りが、パンのような香りに変化していることが確認できる。さらに、ヨーグルト(ホエー)のような味は、時間T7から時間T8にかけて最大となり時間T8の時点で若干減少した状態で存在していることを確認できる。よって、情報処理部13は、変換規則情報IN1を参照して、時間T8のコマ画像には、ブドウの形状を表す複数(2つ)の中程度の図形と、イチゴの形状を表す(1つの)中程度の図形と、パンの形状を表す図形を配置する。酵母のような香りがパンのような香りに変化していることから、情報処理部13は、時間T7から時間T8にかけて、酵母のような香りを表す複数の円、楕円を1つに合体するなどしてパンの形状とするような動きにより、パンの形状を表す図形を生成する。また、パンの形状を表す図形、円、楕円に、パンの焼き色(例えば、キツネ色)のような色を付する。情報処理部13は、香りを表すこれら図形を、コマ画像の上部側に配置する。
【0104】
また、情報処理部13は、ヨーグルトのような味を表す若干角ばった花のような図形を、コマ画像の下部側に配置する。ヨーグルト(ホエー)のような味は、時間T7から時間T8にかけて最大となり時間T8の時点で若干減少した状態となっている。従って、若干角ばった花のような図形の大きさは、これに応じては、時間T7から時間T8にかけて徐々に増加して最大となり、その後、徐々に減少していくが時間T8の時点でもコマ画像の下部のほぼ全体を占める。
【0105】
以上の結果、時間T7に表示するコマ画像として、
図23に示すような画像が生成される。
図23は、生成例2において時間T8に表示するコマ画像の一例を示す図である。
【0106】
情報処理部13は、
図19に示す感覚変化情報IN2を参照し、食品を食してから時間T9が経過した時点においては、パンのような香りが消えて、ブドウのような香り、イチゴのような香りが引き続いて存在していることを確認できる。最後まで残っているこれらの香りは、「余韻」となる。ヨーグルト(ホエー)のような味は、時間T8から時間T9にかけて徐々に減少していることを確認できる。また、時間T8から時間T9にかけて、紅茶のような渋味が徐々に増加している。
【0107】
よって、情報処理部13は、変換規則情報IN1を参照して、時間T9のコマ画像には、ブドウの形状を表す複数(2つ)の大きな図形と、イチゴの形状を表す(1つの)大きな図形と、を配置する。食品を食してから長い時間が経過している時間T9において、最初から発生しているブドウのような香りとイチゴのような香りは、「余韻」として残っている。よって、情報処理部13は、これら香りを表す図形を強調して表示する。具体的には、ブドウの形状を表す図形とイチゴの形状を表す図形とを、感覚変化情報IN2で示されている香りの強さと比して大きめに表示し、これら図形の内部に色を付する(ブドウの形状を表す図形には紫系の色を付し、イチゴの形状を表す図形には赤系の色を付する)。情報処理部13は、香りを表すこれら図形を、コマ画像の上部側に配置する。
【0108】
情報処理部13は、ヨーグルトのような味を表す若干角ばった花のような図形を、コマ画像の下部側に配置する。ヨーグルト(ホエー)のような味は、時間T8から時間T9にかけて減少しているので、若干角ばった花のような図形の大きさも、これに応じて、時間T8のときよりも減少させる。また、時間T8から時間T9にかけて発生した渋味を表す葉の形状の図形を、コマ画像の下部側に配置する。また、この葉の形状の図形に、くすんだ色(例えば、灰色系の色)を付する。渋味は、時間T8から時間T9にかけて徐々に増加しているので、くすんだ葉の形状の図形も、これに応じて、時間T8から時間T9にかけて徐々に大きくなるように表示する。
【0109】
以上の結果、時間T9に表示するコマ画像として、
図24に示すような画像が生成される。
図24は、生成例2において時間T8に表示するコマ画像の一例を示す図である。
【0110】
上記のようにして再生時間分のコマ画像を生成し、生成した複数のコマ画像を時系列に配置することで、生成例2の食品アニメーション動画が生成される。
【0111】
5.まとめ
上記の食品アニメーション動画生成システム100では、食品アニメーション動画の各コマに対応するコマ画像に、対象の食品を食してからの各時間(各コマの表示時間)における感覚を表す図形、色、音等を含めている。各時間における感覚を表す図形、色、音等は、対象の食品を食したときの感覚の時系列変化を表す感覚変化情報IN2に基づいて決定されている。また、対象の食品を食したときの感覚に基づいて、決定した図形、色等の配置状態を決定している。食品を食したときの感覚を視覚的に表す食品アニメーション動画においては、表示する色、図形等だけでなく、これらを各コマにおいてどのように配置するかも、ユーザに与える印象に大きく影響する。従って、本開示で生成される食品アニメーション動画の各コマは、当該コマの表示時間に対応するタイミングにおける対象の食品の感覚を、図形、色、音等により適切に表現できる。
【0112】
また、食品アニメーション動画の各コマに対応するコマ画像を、対象の食品を食してからの所定の時間分だけ複数生成し、生成した複数のコマ画像を時系列に配置することで、食品アニメーション動画を生成している。上記のように、食品アニメーション動画の各コマに対応するコマ画像は、当該画像の表示時間に対応するタイミングにおける食品の感覚に対応するような図形と色とを含んでいる。従って、このようなコマ画像を複数個時系列に配置して生成された食品アニメーション動画は、対象の食品を食したときの感覚の時系列変化を視覚的に表したものとなる。食品を食したときの感覚の時系列変化は、食品の感覚を表す重要な要素であるので、上記の方法で生成された食品アニメーション動画は、食品を食したときの感覚を適切に表すことができる。
【0113】
上記のように生成された食品アニメーション動画は、以下のような場面で活用できる。例えば、新たな食品を開発したときなどに、言葉で新たな食品の感覚を説明しても、それを相手に理解してもらうことが難しかった。新たな食品を宣伝、プレゼンテーションする場面では、相手は、クライアントなどの聞き手となる。食品開発の場面では、相手は、他の開発者となる。
【0114】
この場合に、新たな食品の食品アニメーション動画を相手に見せることにより、相手は、新たな食品を食したときの感覚を直感的に理解できる。すなわち、食品アニメーション動画を使用すれば、相手に食品を食したときの感覚を容易に理解してもらえる。この結果、新たな食品について大きな宣伝効果を得ることができる。また、開発段階であれば、複数の開発者に容易に統一した感覚を共有できる。
【0115】
例えば、流行病等の蔓延等により外出ができないため店頭まで出向くことができず、店頭での試食をすることができなくても、食品アニメーション動画を自宅で端末3を用いて閲覧するだけで、店頭での試食をしたのと同様な、食品を食したときの感覚を体験できる。
【0116】
例えば、食品を店頭やホームページなどに展示している場合に、食品、食品の写真、及び/又は食品の包装が展示されているだけ、又は、食品とともに説明文が提示されているだけであると、その食品を食したときの感覚が伝わりにくく、客が食品を購入するか否かを決められないことがある。すなわち、食品、食品の写真、食品の包装、説明文だけであると、客の購買意欲を高めにくい。従って、店頭やホームページなどに食品などを展示している場合に、これとともに食品アニメーション動画を再生表示することにより、客は食品を食したときの感覚を容易に認識できる。この結果、食品に対する客の購買意欲を高めることができる。
【0117】
例えば、食品の見栄えだけでなく味も重視して購入したい場合には、食品アニメーション動画が当該食品とともに再生表示されていれば、当該食品の味見をすることなく、当該食品を購入するか否かを決定できる。
【0118】
例えば、食したことのない食品の購入を検討する場合に、当該食品とともにアニメーション動画を再生表示されていれば、食したことのない食品の感覚を認識できるので、当該食品を購入するか否かを容易に決定できる。これにより、食したことのない食品を購入してみたものの、期待していた感覚を得られないことが発生しにくくなる。
【0119】
例えば、舌癌などの病気、先天的な障害などにより食品の感覚を得られない場合に、このような病気、障害等を有するユーザが食品を食しても、食品の感覚が分からず食事を楽しめないということがあった。食品の感覚を得られないユーザに食品アニメーション動画を見せることにより、当該ユーザに自身が食している食品の感覚を感じてもらうことができるので、当該ユーザは食事を楽しむことができる。
【0120】
例えば、ゲーム、テレビ、映画等で食品が映り出されたときに、食品アニメーション動画をともに再生表示することにより、当該ゲーム、テレビ、映画等を見ているユーザ等に対して、映り出された食品の感覚を認識しやすくできる。
【0121】
例えば、好き嫌いが多い子供等に、食品アニメーション動画を見せることにより、子供は楽しみながら食品を食することができるので、当該食品を好きになる。この結果、子供の食品の好き嫌いを減らすことができる。
【0122】
6.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
(A)
図9に示すフローチャートの各ステップにおける処理内容、及び/又は、各ステップの実行順は、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更できる。
【0123】
(B)一度生成した変換規則情報IN1、感覚変化情報IN2を修正してもよい。例えば、ある食品につき多数の官能評価の結果、測定装置による測定結果、映像データ等が得られた場合に、これら多数のデータとそれに基づいて得られた上記情報とを人工知能モデルに学習させ、この学習後の人工知能モデルからより最適な変換規則情報IN1、感覚変化情報IN2を出力させることができる。記憶部11に記憶した変換規則情報IN1、感覚変化情報IN2を、当該人工知能モデルから出力した変換規則情報IN1、感覚変化情報IN2に置き換えることで、一度生成した変換規則情報IN1、感覚変化情報IN2をより最適なものに修正できる。
【0124】
また、例えば、現在の変換規則情報IN1、感覚変化情報IN2に基づいて生成した食品アニメーション動画をユーザ等に評価(例えば、食品アニメーション動画が食品の感覚をよく表しているか否かの評価)してもらい、その評価結果に基づいて、現在の変換規則情報IN1、感覚変化情報IN2を修正するようにしてもよい。
【0125】
(C)変換規則情報IN1、感覚変化情報IN2をユーザ毎に生成してもよい。食品を食したときに得られる同じ感覚に対して、当該感覚を最もよく表していると考える図形、色、音等が、ユーザ等によって異なる場合がある。従って、変換規則情報IN1、感覚変化情報IN2をユーザ毎に生成することによって、ユーザ毎に最適な食品アニメーション動画を生成できる。
【0126】
(D)食品アニメーション動画は、動画データに限られない。例えば、食品アニメーション動画は、複数のコマ画像と、当該コマ画像を時系列に表示するプログラムと、により構成されていてもよい。この場合、サーバ1の情報処理部13が、複数のコマ画像と上記プログラムを食品アニメーション動画として生成後、上記プログラムを端末3に送信し、端末3が当該プログラムを実行することで、複数のコマ画像が順次サーバ1から端末3に送信され、端末3がコマ画像を順次受信し表示装置に表示させることで、端末3にて食品アニメーション動画を再生表示できる。
【0127】
(E)食品アニメーション動画は、複数のコマ画像を生成させ、生成したコマ画像を時系列に表示させるプログラムにより構成されていてもよい。この場合、当該プログラムがサーバ1の情報処理部13で生成された後、当該プログラムをサーバ1から端末3に送信し、端末3が受信したプログラムを実行することで、端末3又はサーバ1が複数のコマ画像を生成し、端末3が生成したコマ画像を時系列に表示させることにより、端末3にて食品アニメーション動画を再生表示できる。
【0128】
(F)食品アニメーション動画は、アニメーション動画を再生後、例えば食品を食したときの感覚を総合的に表現した画像のような静止画で終了するものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明は、食品を食したときの感覚を表現する動画の生成に広く適用できる。
【符号の説明】
【0130】
1 :サーバ
3 :端末
11 :記憶部
13 :情報処理部
100 :食品アニメーション動画生成システム
IN1 :変換規則情報
IN2 :感覚変化情報