IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハーの特許一覧

特表2022-504295ビーム誘導光学ユニットによって誘導された光ビームのビーム角を測定するためのデバイスおよび方法
<>
  • 特表-ビーム誘導光学ユニットによって誘導された光ビームのビーム角を測定するためのデバイスおよび方法 図1
  • 特表-ビーム誘導光学ユニットによって誘導された光ビームのビーム角を測定するためのデバイスおよび方法 図2a)
  • 特表-ビーム誘導光学ユニットによって誘導された光ビームのビーム角を測定するためのデバイスおよび方法 図2b)
  • 特表-ビーム誘導光学ユニットによって誘導された光ビームのビーム角を測定するためのデバイスおよび方法 図3
  • 特表-ビーム誘導光学ユニットによって誘導された光ビームのビーム角を測定するためのデバイスおよび方法 図4
  • 特表-ビーム誘導光学ユニットによって誘導された光ビームのビーム角を測定するためのデバイスおよび方法 図5
  • 特表-ビーム誘導光学ユニットによって誘導された光ビームのビーム角を測定するためのデバイスおよび方法 図6
  • 特表-ビーム誘導光学ユニットによって誘導された光ビームのビーム角を測定するためのデバイスおよび方法 図7
  • 特表-ビーム誘導光学ユニットによって誘導された光ビームのビーム角を測定するためのデバイスおよび方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(54)【発明の名称】ビーム誘導光学ユニットによって誘導された光ビームのビーム角を測定するためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01J 1/00 20060101AFI20220105BHJP
   G01M 11/00 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
G01J1/00 E
G01M11/00 T
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021518660
(86)(22)【出願日】2019-08-14
(85)【翻訳文提出日】2021-04-22
(86)【国際出願番号】 EP2019071811
(87)【国際公開番号】W WO2020069793
(87)【国際公開日】2020-04-09
(31)【優先権主張番号】102018124342.1
(32)【優先日】2018-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503263355
【氏名又は名称】カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158469
【弁理士】
【氏名又は名称】大浦 博司
(72)【発明者】
【氏名】バウマー フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】マンガー マティアス
【テーマコード(参考)】
2G065
2G086
【Fターム(参考)】
2G065AA04
2G065AA11
2G065AA20
2G065AB02
2G065AB09
2G065BA09
2G065BA34
2G065BB14
2G065DA02
2G086EE03
(57)【要約】
本発明は、ビーム誘導光学ユニットによって誘導された光ビームのビーム角を測定するための装置および方法に関連している。本発明による装置は、光強度センサ機器(20、30、40、50、60)と、光ビームを光強度センサ機器上の指定された位置において合焦させるための合焦ユニット(21、31、41)と、装置に入る時のビーム角に変化が存在する場合に、光強度センサ機器上の指定された位置に関する光ビームの強度重心の相対位置を調整する調整ユニット(22、32、42)とを備え、調整ユニット(22、32、42)が、光強度センサ機器(20、30、40、50、60)上の指定された位置に関する光ビームの強度重心の相対位置を、指定された最大偏位まで一定に維持するように構成され、この最大偏位が、光強度センサ機器(20、30、40、50、60)への入射時の平均ビーム直径の半分に対応する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーム誘導光学ユニットによって誘導された光ビームのビーム角を測定するための装置であって、前記装置が、
光強度センサ機器(20、30、40、50、60)と、
前記光ビームを前記光強度センサ機器(20、30、40、50、60)上の指定された位置において合焦させるための合焦ユニット(21、31、41)と、
前記装置に入る時の前記ビーム角に変化が存在する場合に、前記光強度センサ機器(20、30、40、50、60)上の指定された位置に関する前記光ビームの強度重心の相対位置を調整する調整ユニット(22、32、42)とを備え、
前記調整ユニット(22、32、42)が、前記光強度センサ機器(20、30、40、50、60)上の前記指定された位置に関する前記光ビームの前記強度重心の前記相対位置を、指定された最大偏位まで一定に維持するように構成され、
前記最大偏位が、前記光強度センサ機器(20、30、40、50、60)への入射時の平均ビーム直径の半分に対応する、装置。
【請求項2】
前記調整ユニット(22、32、42)が、前記光強度センサ機器(20、30、40、50、60)および/または前記合焦ユニット(21、31、41)の前記位置を操作するための少なくとも1つのマニピュレータを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置が、前記光強度センサ機器(40)への入射の前に前記光ビームを偏向させるための少なくとも1つの偏向光学ユニット(43)を備え、前記調整ユニット(42)が、前記偏向光学ユニット(43)の傾斜角および/または位置を操作するための少なくとも1つのマニピュレータを備える、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記光強度センサ機器(20、30、40、50、60)が複数の光強度センサを備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記光強度センサ機器(20、30、40、50、60)上の前記指定された位置が、いずれの場合においても前記光強度センサに隣接する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記光強度センサ機器(20、30、40、50、60)が象限検出器であり、前記光強度センサ機器(20、30、40、50、60)上の前記指定された位置が前記象限検出器の中心に対応する、請求項1~5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記光強度センサ機器(60)が、前記光ビームを前記光強度センサ上に分割するためのビームスプリッタデバイス(61)を備える、請求項4~6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記ビームスプリッタデバイス(61)が少なくとも1つのプリズムを備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記光ビームがレーザービームであり、特に、赤外領域内の波長を有するレーザービームである、請求項1~8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
EUVプラズマ源における励起レーザービームを監視するための、請求項1~9のいずれか1項に記載の装置の使用。
【請求項11】
特に請求項1~9のいずれか1項に記載の装置を使用して、ビーム誘導光学ユニットによって誘導された光ビームのビーム角を測定するための方法であって、
前記光ビームが、光強度センサ機器(20、30、40、50、60)の指定された位置において合焦され、
前記装置に入る時の前記ビーム角に変化が存在する場合に、前記光強度センサ機器(20、30、40、50、60)上の指定された位置に関する前記光ビームの強度重心の相対位置が能動的に調整され、
調整のためにそれぞれ要求される制御信号が、前記ビーム角を決定することに関連する測定信号として使用される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年10月2日に出願されたドイツ特許出願第DE10 2018 124 342.1号の優先権を主張する。このDE出願の内容は、参照によって本出願の本文に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ビーム誘導光学ユニットによって誘導された光ビームのビーム角を測定するための装置および方法に関連している。
【0003】
本発明は、特にEUVプラズマ源における励起レーザービームを監視する場合に、有利に利用可能である。しかし、本発明の応用は、そのような応用に制限されず、特に、例えば材料を加工するとき、または結像光学ユニットの焦点位置に対する物体の位置を決定するときに、光ビームまたはレーザービームの可能な限り迅速な位置捕捉および監視が望ましいすべての応用を含む。
【背景技術】
【0004】
カメラに基づく方法に加えて、ビーム角を測定するため、または光ビームの伝搬方向を捕捉するための既知の方法は、特に、市販されている象限検出器(quadrant detector)の形態での光強度センサ機器(arrangement)の使用を含む。
【0005】
図7は、単に概略図において、原理的に可能な測定の設定を示している。ここでは、光学システムの軸に対する伝搬方向またはビーム角に関して測定される光ビームが、合焦(focusing:フォーカス)ユニット75によって、この合焦ユニット75の像側の焦点面に配置された象限検出器70において合焦される(焦点を合わせられる)。象限検出器70は、4つの光強度センサ71~74から組み立てられ、求められているビーム角または光ビームの伝搬方向が、これらの光強度センサ71~74を用いて測定された光強度の計算による組み合わせから決定される。合焦ユニット75からの1つの焦点距離の位置に象限検出器70を配置することは、測定信号が、測定されるレーザービームの横変位に反応しにくく、したがってビームの伝搬方向のみが実際に測定されるいという点において、有利である。原理的には、象限検出器において使用されているように、半導体に基づく検出器を使用して、最大でギガヘルツ領域に達する測定帯域幅を得ることができ、一方、カメラに基づく検出器は、赤外領域において1kHz以下の測定帯域幅にしか達しない。
【0006】
前述の測定原理が、原理的には、例えばカメラに基づく方法と比較して、光ビームの角度または位置の相対的に高速な捕捉を容易にするとしても、実際に生じる前述の測定原理の欠点は、象限検出器上の光ビームのスポットサイズによって制限される比較的小さい測定領域にある。特に、光ビームを、象限検出器上の100μm未満程度の比較的小さい平均ビーム直径またはスポットサイズにおいて合焦させるということは、ビーム角における比較的小さい変化の場合でも、ビームが象限検出器の中心から移動し、スポットが光強度センサ71~74のうちの1つにのみまだ入射している状態からすぐに、最終的に、位置を決定するために評価できる使用可能な測定信号が存在しなくなるという結果になる。
【0007】
開口絞りの使用による、光ビームの回折に基づく拡張によって前述の問題を克服するための方法は、不利であり、光ビームの比較的小さい成分(例えば、出力全体の10%)までしか、実際の測定信号に寄与せず、その結果、この成分が光ビーム全体を十分に代表しなくなり、例えば、代わりに測定信号が、局所的な波面傾斜によって支配されることがある。開口絞りの使用のさらに別の欠点は、この機器がレーザービームの横変位に敏感になることであり、言い換えると、象限検出器のスポットの移動がビームの伝搬方向における変化、またはレーザービームの横方向位置における変化のいずれに起因するかを、容易に区別することができなくなるということである。
【0008】
従来技術に関しては、例として、DE10 2014 203 141A1およびDE10 2012 212 354A1に対する参照が行われる。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、ビーム誘導光学ユニットによって誘導された光ビームのビーム角を測定するための装置および方法を提供することによって、前述の欠点を防ぎながら、可能な限り大きな測定領域にわたって可能な限り正確なビーム角の測定を容易にすることである。
【0010】
この目的は、独立した特許請求の範囲の特徴に従って達成される。
【0011】
ビーム角を測定するための装置は、
- 光強度センサ機器と、
- 光ビームを光強度センサ機器上の指定された位置において合焦させるための合焦ユニットと、
- 装置に入る時のビーム角に変化が存在する場合に、光強度センサ機器上の指定された位置に関する光ビームの強度重心の相対位置を調整する調整ユニットとを備え、
- 調整ユニットが、光強度センサ機器上の指定された位置に関する光ビームの強度重心の相対位置を、指定された最大偏位(maximum deviation:最大のずれ)まで一定に維持するように構成され、
- この最大偏位が、光強度センサ機器への入射時の平均ビーム直径の半分に対応する。
【0012】
特に、本発明は、光ビームのビーム角の測定中に、光ビームの光学ビーム経路に位置する構成要素(この構成要素は、ビーム経路に位置する光強度センサ機器自体、合焦ユニット、または回折光学ユニットであることができる)の能動的調整によって、実質的に、常に光強度センサ機器の指定された位置で測定されるように光ビームを維持し、このようにして、例えば、光ビームまたはレーザースポットが象限検出器の中心から「移動する」という最初に示した問題から生じる測定範囲の制限を回避するという概念に基づく。ここで、前述の調整または「スポット位置の中心化」にそれぞれ要求される制御信号を、最終的に、ビーム角の決定に関連する測定信号として使用することができる。
【0013】
前述の調整のため、調整の制御帯域幅に関して機械的に引き起こされる制限は、原理的に、本発明に従う概念において受け入れられる(この点において、100Hz~1kHzの範囲内の機械的調整の上限を伴う)。
【0014】
しかし、この点において、本発明は、本発明に従ってビーム誘導ユニットにおいて最終的に測定されるか、または「閉ループ制御によって除去される」べきである光ビームの位置またはビーム方向における乱れが、通常、「1/fαの挙動」(α≧1)(αは1以上)に従い、そのため比較的小さい乱れまたは振幅が相対的に高い周波数で発生し、その逆のことも発生するという状況を有利に利用する。このような状況は、第1に、この点において、比較的低い周波数のため、本発明に従って、大きい振幅を伴う乱れの影響を調整メカニズムによって捕捉することができ、第2に、比較的小さい振幅のため、例えば象限検出器の形態での光強度センサ機器の(最初に示したように、相対的に小さい)測定領域自体を、より高い周波数での乱れの影響に使用することができ、そのため結果として、(例えばGHzの範囲内にあることがある、利用される象限検出器の測定帯域幅のみによって制限される)広い帯域幅にわたって、要求される測定範囲全体を対象にすることができるという結果をもたらす。
【0015】
光強度センサ機器または象限検出器の測定領域の前述の追加の使用の場合、最終的にビーム角の測定に関連する測定信号は、調整のため、または光強度センサ機器上で「スポット位置を中心に置く」ために要求される制御信号から生じ、前述の光強度センサ機器または象限検出器での、それらの中心からのスポットの(残存する)偏位がさらに考慮される。
【0016】
一実施形態によれば、光強度センサ機器は、光ビームを光強度センサ上に分割するためのビームスプリッタデバイスを備える。特に、ビームスプリッタデバイスは、プリズムを備えることができ、例えば、象限検出器と共にピラミッド形プリズムとして構成され得る。
【0017】
下で詳細に説明されるように、この構成は、製造上の理由のため、象限検出器などの複数の光強度センサから成る光強度センサ機器内の隣接する光強度センサ間にすき間が残るという事実を考慮することができる。これらのすき間の寸法は、通常、(50~100)μm程度であることがあり、その結果、さらなる手段なしでは、光の大部分がそのようなすき間に落ち込み、したがって測定に寄与しない。
【0018】
本発明に従う前述のビームスプリッタデバイスまたはプリズム(鋭いエッジを有するようにプリズム自体を加工するか、または磨くことができる)の使用によって達成できることは、関連する光の成分が、前もって光強度センサ機器の個々の光強度センサに分散され、すき間に落ち込むことなく、したがって、ビームスプリッタデバイス上の光ビームの入射点における横方向変化が、各光強度センサによって測定される強度値における変化につながる。前述の構成では、例えばピラミッド形プリズムのピラミッドの先端が、光強度センサ機器上の指定された位置として次に選択され、この先端に関して、光ビームの強度重心が、実質的に一定の相対位置を維持するべきである。
【0019】
本発明は、EUVプラズマ源における励起レーザービームを監視するための、前述の特徴を有している装置の使用にさらに関連している。
【0020】
さらに、本発明は、特に前述の特徴を有している装置を使用して、ビーム誘導光学ユニットによって誘導された光ビームのビーム角を測定するための方法にも関連しており、
- 光ビームが、光強度センサ機器の指定された位置において合焦され、
- 装置に入る時のビーム角に変化が存在する場合に、光強度センサ機器上の指定された位置に関する光ビームの強度重心の相対位置が能動的に調整され、
- 調整のためにそれぞれ要求される制御信号が、ビーム角を決定することに関連する測定信号として使用される。
【0021】
説明および従属請求項から、本発明のその他の構成を集めることができる。以下では、添付の図に示された実施形態例に基づいて、本発明がさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】光ビーム用の制御デバイスの可能な基本構造の概略図を示す図である。
図2】a)及びb)は、第1の実施形態においてビーム角を測定するための、本発明に従う装置の構造および機能を説明するための概略図を示す図である。
図3】本発明に従う装置のその他の実施形態を説明するための概略図を示す図である。
図4】本発明に従う装置のその他の実施形態を説明するための概略図を示す図である。
図5】本発明に従う装置のその他の実施形態を説明するための概略図を示す図である。
図6】本発明に従う装置のその他の実施形態を説明するための概略図を示す図である。
図7】ビーム角を測定するための従来の装置を説明するための概略図を示す図である。
図8】EUVプラズマ源の基本構造の概略図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
最初に図1は、光ビーム用の制御デバイスの基本構造を示しており、この制御デバイスは、例えば、図8を参照してさらに説明されるEUVプラズマ源における励起レーザービームを監視して制御するために使用することができる。
【0024】
図1に従って、ビーム誘導デバイス11から来る、ビーム角に関して特徴付けられて制御される光ビームが、最初にビームスプリッタデバイス12に当たり、ビームスプリッタデバイス12において、測定ビームが方向転換され、ビーム角を測定するために本発明に従う装置10に供給される。以下では、図2図6の概略図を参照して、装置10に関して実施形態が説明される。
【0025】
光ビームの位置またはビーム角に存在する乱れを補償するために、装置10によって供給された光ビームのビーム角の測定信号の特性が、制御信号としてビーム誘導デバイス11に返される。図1に従って、ビームスプリッタデバイス12によって方向転換されなかった光ビームの成分が、合焦光学ユニット13を介して作動ビームとして(例えば、図8のEUVプラズマ源におけるスズ液滴の形態の)ターゲット14に当たる。
【0026】
以下では、図1の装置10に対応する、ビーム角を測定するための本発明に従う装置の可能な実施形態が、図2図6に基づいて説明される。
【0027】
ここで、図7の従来の機器に類似するいずれの場合においても、本発明に従う装置は、複数の光強度センサを含む光強度センサ機器を備え、これらの光強度センサは象限検出器(例えば、四象限ダイオード)としてそれぞれ構成されるが、本発明はそのような構成に制限されない。
【0028】
本発明に従う実施形態のすべてに共通することは、前述の光強度センサ機器上の光ビームの「スポット位置」または強度重心が、光強度センサ機器上の指定された位置に対して(特に、各象限検出器の中心に対して)、実質的に一定に調整または維持されるということである。
【0029】
図2a~2bに従って、本発明に従う装置は、図7の従来の構造に類似する方法で、象限検出器の形態で光強度センサ機器20を備えており、光強度センサ機器20は、合焦ユニット21からの1つの焦点距離の位置に配置されている。「22」は、制御ユニットまたは調整ユニットを示しており、制御ユニットまたは調整ユニットは、図2a~2bの実施形態例では、最初に、ビーム角における変化に応答して光強度センサ機器20の位置(特に、光の伝搬方向に対して横方向(すなわち、図示されている座標系におけるxy平面内)のこの位置の変位)を操作することによって、光強度センサ機器20上の光ビームの入射のスポットまたは点と、光強度センサの中心(象限検出器の個々の光強度センサの「合流点」に対応する)との間の相対位置を最大偏位まで維持し、この最大偏位は、光強度センサ機器への入射時の平均ビーム直径の半分に対応するのが好ましい。
【0030】
これによって、象限検出器の測定領域からのスポットの移動を防ぎ、この移動は、図7の従来の構造では、ビーム角における小さい変化に対してすでに発生している。さらに、前述の調整のために要求される調整ユニット22の制御信号を、ビーム角における変化に対する測定信号の特性として使用することができる。さらに、前述したように、比較的低い振幅を伴う対応する高周波の乱れを、調整によって捕捉できないことがあるが、象限検出器の測定領域上で捕捉できるため、この測定信号を確定するときに、光強度センサ機器20または象限検出器上のスポットの(残存する)偏位を考慮することができる。
【0031】
図3および4は、本発明に従う装置のその他の可能な実施形態の概略図を示しており、図2a~2bの構成要素に類似するか、または図2a~2bの構成要素と同じ機能を実質的に有する構成要素が、「10」および「20」だけ増やされた参照記号でそれぞれ示されている。
【0032】
ここで、図3の実施形態は、図3に従って、調整ユニット32によって合焦ユニット31の位置が操作されるという点において、図2a~2bの実施形態と異なっており、その結果、第1に強度重心またはスポットと、第2に光強度センサ機器30または象限検出器の中心との間の相対位置全体を実質的に一定に維持することができる。
【0033】
図4に従って、装置は、例えば偏向ミラーの形態で追加の偏向光学ユニット43を光学ビーム経路内に備え、この場合、調整ユニット42は、この偏向光学ユニット43の位置を操作するように設計されている。
【0034】
圧電超音波駆動は、それらの比較的小さい機械的寸法、低重量、および達成可能な速度および加速度に関する有利な動的特性のため、各調整ユニットによる前述の位置操作を実現することに特に適している。しかし、本発明は圧電超音波駆動に制限されず、そのため位置操作では、各要素(すなわち、光強度センサ機器、合焦ユニット、および/または偏向デバイス)を能動的に調整するために、特に、リニアモーター、ローレンツアクチュエータなどを使用するスピンドル駆動または電磁駆動の形態で、他のアクチュエータを使用することもできる。
【0035】
本発明のその他の実施形態では、製造に関連する個々の光強度センサ間のすき間の存在、および、さらなる手段なしでは、ビーム角に関して特徴付けられる光ビームのかなりの成分がそれらのすき間に当たり、測定信号に寄与しないという状況が、光強度センサ機器の適切な構成によって考慮される。図5の概略図は、このような状況を説明するのに役立ち、象限検出器の形態での光強度センサ機器50の光強度センサ51~54の間に、すき間領域が残っていることが、「55」によって示されている。標準的なすき間の寸法は、(50~100)μm程度であることがあり、図5に示されているように、光ビーム56のスポットのサイズに匹敵するサイズを有することがある。
【0036】
この問題を克服するために、本発明に従う光強度センサ機器60は、図6の実施形態では、光学ビーム経路の上流に配置されたビームスプリッタデバイス61を備え、前述のビームスプリッタデバイスは、特定の実施形態例では、ピラミッド形プリズムとして構成されており、ビーム管65として表されている入射光ビームを個々の光強度センサ62に分割する。ビームスプリッタデバイス61を形成するプリズムのエッジを、鋭いエッジ(通常は、1μm未満のエッジの鋭さ)を有するように磨くことができるため、それに応じて、本発明に従う測定において前述した光の損失が防がれ、光ビームの強度全体が利用される。
【0037】
本発明の可能な応用として、図8は、EUV領域(例えば、約13nmまたは約7nmの波長)用に設計された投影露光装置のために要求されるEUV光を生成するために、例えばリソグラフィにおいて使用するための、レーザープラズマ源の従来の構造を示している。
【0038】
EUV光源は、例えば、赤外線放射81(例えば、約10.6μmの波長λを有するCO2レーザー)を生成するために、高エネルギーレーザー(本明細書には示されていない)を備え、前述の赤外線放射は、合焦光学ユニットによって合焦され、楕円体として具現化された集光ミラー82内に存在する開口部83を通過し、励起ビームとして、ターゲット発生源84を用いて生成されプラズマ点火位置85に供給されたターゲット材料86(例えば、スズ液滴)まで誘導される。赤外線放射81は、前述のターゲット材料がプラズマ状態に移行して、EUV放射を放射するような方法で、プラズマ点火位置85にあるターゲット材料86を加熱する。EUV放射は、集光ミラー82によって中間焦点IFにおいて合焦され、中間焦点IFを通って下流の照明デバイスに入る。照明デバイスはエッジ87のみが示されており、照明デバイスは、光の入射のための自由開口部88を有している。
【0039】
EUV光源またはレーザープラズマ源において達成可能なEUV放射特性の線量安定性および時間安定性のため、および実現可能なEUV発光効率のために非常に重要なことは、増大する光の要件に伴って、レーザープラズマ源に非常に速く(例えば、100kHzの領域での注入速度で、または例えば、10μsの時間間隔で)「飛び込む」スズ液滴が、高精度に(例えば、1μmを超える精度で)、かつ再現可能な方法で、液滴を微粒化するレーザービームに個別に当たるということである。前述の構造では、これよって、次に、液滴の位置の非常に正確な設定、および例えばCO2レーザーによって生成された赤外線放射83の非常に正確な追跡が必要になる。したがって、本発明に従う装置を使用して、図1に基づいてすでに説明された構造においてCO2レーザーによって生成された対応する励起ビームのビーム角を監視または測定することができる。
【0040】
本発明が特定の実施形態に基づいて説明されているとしても、例えば個々の実施形態の特徴の組み合わせおよび/または交換による多数の変形および代替の実施形態が、当業者にとって明らかであろう。したがって、そのような変形および代替の実施形態も本発明によって包含されるということ、および本発明の範囲が添付の特許請求の範囲およびそれと同等のものによって提供されているとおりにのみ制限されるということは、当業者にとって当然である。
図1
図2a)】
図2b)】
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】