(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-14
(54)【発明の名称】ペプチドの苦味マスキング
(51)【国際特許分類】
A23L 27/00 20160101AFI20220106BHJP
A23L 27/21 20160101ALI20220106BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20220106BHJP
A23G 3/00 20060101ALI20220106BHJP
A23G 4/00 20060101ALI20220106BHJP
A21D 13/00 20170101ALI20220106BHJP
A23L 33/135 20160101ALI20220106BHJP
A61K 47/54 20170101ALI20220106BHJP
A23K 20/147 20160101ALI20220106BHJP
A23K 20/163 20160101ALI20220106BHJP
A23K 10/30 20160101ALI20220106BHJP
A23K 10/28 20160101ALI20220106BHJP
A23K 10/14 20160101ALI20220106BHJP
【FI】
A23L27/00 Z
A23L27/00 C
A23L27/21 B
A23L2/52
A23G3/00
A23G4/00
A21D13/00
A23L33/135
A61K47/54
A23K20/147
A23K20/163
A23K10/30
A23K10/28
A23K10/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021522533
(86)(22)【出願日】2019-08-30
(85)【翻訳文提出日】2021-06-07
(86)【国際出願番号】 EP2019073201
(87)【国際公開番号】W WO2020083545
(87)【国際公開日】2020-04-30
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘルガソン,スランドゥル
(72)【発明者】
【氏名】マルツ,セリーナ
(72)【発明者】
【氏名】クッチャー,ヨッヘン
【テーマコード(参考)】
2B150
4B014
4B018
4B032
4B047
4B117
4C076
【Fターム(参考)】
2B150AB04
2B150BB05
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(57)【要約】
a)少なくとも1つの還元糖とコンジュゲートしており、コンジュゲーション度が少なくとも10パーセントであり、好ましくは、粉末などの固体形態であるコンジュゲートペプチド;b)苦みのないコンジュゲートタンパク質加水分解産物を調製する方法であって、タンパク質を少なくとも1つの酵素により加水分解すること、得られたタンパク質加水分解産物および少なくとも1つの還元糖を混合すること、混合物を加熱して、メイラード反応を生じさせること、ならびに組成物を乾燥させることを含む方法;c)ペプチドの苦味をマスキングする方法であって、ペプチドおよび還元糖を混合すること、混合物を加熱して、メイラード反応を生じさせること、ならびに乾燥させて、粉末を得ることを含む方法;ならびにd)食品、栄養補助食品、医薬品および動物飼料製品のためのコンジュゲートペプチドの使用が開示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペプチドが、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、セロビオース、グリセルアルデヒド、リボース、キシロースおよびマンノースからなる群から選択される少なくとも1つの還元糖とコンジュゲートしており、かつ少なくとも10%のコンジュゲーション度を有し、コンジュゲートペプチドのガードナー値増加が6未満である、コンジュゲートペプチド。
【請求項2】
コンジュゲートペプチドのガードナー値増加が、4未満、好ましくは、3未満である、請求項1に記載のコンジュゲートペプチド。
【請求項3】
コンジュゲーション度が、少なくとも15%、好ましくは、少なくとも20%、25%、30%、35%または40%である、請求項1~2のいずれか一項に記載のコンジュゲートペプチド。
【請求項4】
ペプチドが、好ましくは、植物または動物タンパク質、特に、コムギ、ダイズ、コメ、ジャガイモ、エンドウマメ、ヒマワリ、ナタネ、ルピナスおよび牛乳タンパク質からなる群から選択される、好ましくは、カゼインおよびエンドウマメタンパク質から選択される少なくとも1つに由来するタンパク質加水分解産物である、請求項1~3のいずれか一項に記載のコンジュゲートペプチド。
【請求項5】
タンパク質加水分解産物が、加水分解後に濾過されない、かつ/またはpHが、クエン酸、リン酸、塩酸、乳酸および硫酸からなる群から選択される酸により中和される、請求項4に記載のコンジュゲートペプチド。
【請求項6】
ペプチドが、酵素的に加水分解された、好ましくは、エンドペプチダーゼ、特に、アルカリプロテアーゼにより加水分解されたタンパク質加水分解産物である、請求項4または5に記載のコンジュゲートペプチド。
【請求項7】
コンジュゲーション度が、10~90%、好ましくは、15~70%、より好ましくは、20~50%、特に、25~40%である、請求項1~6のいずれか一項に記載のコンジュゲートペプチド。
【請求項8】
ペプチドの最大分子量が、2300Da、好ましくは、2000、1500、1200、1000または900Daである、請求項1~7のいずれか一項に記載のコンジュゲートペプチド。
【請求項9】
ペプチドの最小分子量が、650Da、好ましくは、660、670、680、690、700、710、720、750または800Daである、請求項1~8のいずれか一項に記載のコンジュゲートペプチド。
【請求項10】
ペプチドの分子量が、650~2400Da、好ましくは、650~1000Daである、請求項1~9のいずれか一項に記載のコンジュゲートペプチド。
【請求項11】
ペプチドに対する還元糖のモル比が、0.5~2.0、好ましくは、1.1~1.7である、請求項1~10のいずれか一項に記載のコンジュゲートペプチド。
【請求項12】
コンジュゲートが、固体形態、好ましくは、粉末形態、特に、噴霧乾燥形態または凍結乾燥形態で存在する、請求項1~11のいずれか一項に記載のコンジュゲートペプチド。
【請求項13】
コンジュゲートペプチドの溶解度が、少なくとも90%、好ましくは、少なくとも91、92、93、94、95、95、97、98または99%、特に、100%である、請求項1~12のいずれか一項に記載のコンジュゲートペプチド。
【請求項14】
ペプチドの苦味をマスキングする方法であって、
- ペプチド、好ましくは、加水分解タンパク質、ならびにグルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、セロビオース、グリセルアルデヒド、リボース、キシロースおよびマンノースからなる群から選択される還元糖を、好ましくは、溶液または分散液中で混合すること、
- 混合物を加熱して、両成分間のメイラード反応を生じさせること、ここで、メイラード反応は、55~90℃、好ましくは、60~85℃、特に、65℃+/-3℃の温度で、20~120分間、好ましくは、30~60分間行われる、
- 組成物を噴霧乾燥させて、粉末を得ること
を含む、方法。
【請求項15】
混合物が、ガードナー値増加が、6未満、好ましくは、4未満、最も好ましくは、3未満となるまで加熱される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ペプチドに対する還元糖のモル比が、0.5~2.0、好ましくは、1.1~1.7である、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
メイラード反応が、7~9、好ましくは、8~8.5のpHで行われる、請求項14~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
メイラード反応条件が、少なくとも10%、好ましくは、少なくとも15%、20%、25%、30%、35%または40%のコンジュゲーション度が達成されるまで適用される、請求項14~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
苦みのないコンジュゲートタンパク質加水分解産物を調製する方法であって、
- タンパク質を少なくとも1つの酵素により加水分解すること、
- 得られたタンパク質加水分解産物ならびにグルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、セロビオース、グリセルアルデヒド、リボース、キシロースおよびマンノースからなる群から選択される少なくとも1つの還元糖を、好ましくは、溶液または分散液中で混合すること、
- 混合物を加熱して、両成分間のメイラード反応を生じさせること、ここで、メイラード反応は、55~90℃、好ましくは、60~85℃、特に、65℃+/-3℃の温度で、20~120分間、好ましくは、30~60分間行われる、
- 組成物を噴霧乾燥させること
を含む、方法。
【請求項20】
混合物が、ガードナー値増加が、6未満、好ましくは、4未満、最も好ましくは、3未満となるまで加熱される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
酵素が、エンドペプチダーゼ、好ましくは、アルカリプロテアーゼである、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
タンパク質加水分解産物が、加水分解後に濾過されずに使用され、かつ/またはpHが、クエン酸、リン酸、塩酸、乳酸および硫酸からなる群から選択される酸を加えることにより中和される、請求項19~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも10%、好ましくは、少なくとも15%、20%、25%、30%、35%または40%のコンジュゲーション度が達成されるまで、加熱が適用される、請求項19~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
メイラード反応が、7~9、好ましくは、8~8.5のpHで行われる、請求項19~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
ペプチドに対する還元糖のモル比が、0.5~2.0、好ましくは、1.1~1.7である、請求項19~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
食品、好ましくは、飲料、ベーキング製品、チューインガム、スポーツ栄養食品、栄養補助食品、菓子、デザート、泡沫食品またはプレバイオティクス、医薬品、生物活性物質、動物飼料製品のための、請求項1~13のいずれか一項に記載のコンジュゲートペプチドまたは請求項19~25のいずれか一項に記載の方法により得られるコンジュゲートタンパク質加水分解産物の使用。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
説明
天然に存在する、合成によって製造される、または、酸性タンパク質、アルカリ性タンパク質もしくは酵素タンパク質の加水分解によって得られるペプチドは、栄養および医薬の分野において広く使用されている。一部のペプチドは苦味があり、そのために製品の許容性が減少している。苦味は、舌にある特定の苦味受容体に結合する特定のアミノ酸配列によって生み出される。したがって、総てのペプチドが苦味を有するわけではなく、苦味の程度は、異なるタンパク質源およびタンパク質を加水分解する異なる様式に依存する(Bumberger E. and Belitz H.-D. 1993)。ペプチドは、特に機能性成分として、また、生物活性物質として、非常に汎用的なものとなっている(Hartmann R. and Meisel H. 2007)。しかしながら、現在、それらの使用は、それらの製品またはそれらが含まれている製品の風味に対する影響のために限定されている。
【0002】
アルファ-シクロデキストリンを使用するなど、苦味を低減するために多数のアプローチがとられている。しかしながら、大過剰のアルファ-シクロデキストリンが必要であるが、ペプチドはアルファ-シクロデキストリンによって覆われるには大きすぎたため、苦味低減の効果は非常に限定的であった(Tamura M. et al. 1990)。ペプチドは、デンプン構造に組み込まれることが可能であり、したがって、舌にある苦味受容体に作用しないことが可能であることから、デンプンも苦味をマスキングすることが示唆されてきた。このアプローチは、苦味を低減できるが、ペプチドをデンプンのコアに侵入させる方法は100℃での一晩の加熱を要するため、この方法は容易に規模を変更できない(Tamura M. et al. 1990)。アセチル化も苦味を低減させるために使用されているが、このような方法は、別の規制登録を必要とし、追加の化合物と考慮される新規の成分(アセチル化ペプチド)を生じ、明確な成分表示の変更のために健康機能性食品としては受け入れられにくい。アセチル化ペプチドは、追加の化学成分の表示という、別の方向に向かうだけである。苦味マスキングの許容および効率に加え、いくつかの公知の方法は、マスキングされたペプチドが、それらのそれぞれの用途のために、もはや所望の生物活性を示さない、または他の所望の特性を失わない様式で、それらの活性を変化させてもいる。
【発明の概要】
【0003】
したがって、本発明の目的は、苦味が低減され、かつペプチド活性が失われていない、マスキングされたペプチドを提供することであった。
【0004】
驚くべきことに、この目的は、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、セロビオース、グリセルアルデヒド、リボース、キシロースおよびマンノースからなる群から選択される少なくとも1つの還元糖とコンジュゲートしており、かつ少なくとも10%のコンジュゲーション度を有し、コンジュゲートタンパク質のガードナー値増加が6未満であるペプチドによって解決されることが見出された。コンジュゲーション度は、以下のように定義される:
【0005】
コンジュゲーション度=[(OPA-Nstart/窒素start)-(OPA-Nend/窒素end)]/(OPA-Nstart/窒素start)
【0006】
OPA-Nstartは、コンジュゲーション反応なしでの加水分解カゼインのOPA-N値であり、OPA-Nendは、コンジュゲーション反応後のOPA-N値である。窒素startは、コンジュゲーション反応なしでのサンプル中の総窒素含量であり、一方、窒素endは、コンジュゲーション反応後の総窒素含量である。OPA-N値は、窒素の総量で割った値、すなわち、遊離アミノ基の窒素を全アミノ酸からの窒素の総量で割った値である。次いで、コンジュゲーション後のこの比の減少度(%)を計算する。この比は、糖が系に加えられることで、全窒素およびOPA-Nの両方が希釈によって直接的に減少する場合に生じる希釈効果を考慮するために使用される。この比を使用することにより、遊離アミノ基の絶対減少のみが計算され、このため、糖の希釈効果が排除される。
【0007】
コンジュゲートペプチドは、コンジュゲーションプロセスを開始しなかった場合のペプチドおよび糖の組合せよりも低い苦味を有していた。したがって、味マスキングは、糖の甘味により引き起こされるのではなく、特定のコンジュゲーション反応により引き起こされる。コンジュゲーション度は、ペプチド鎖上の遊離アミン基に対するコンジュゲートアミン基の比として測定した。
【0008】
本発明によれば、メイラード反応と呼ばれる、焼くおよび揚げるなどの食品調理中に生じるプロセスを適用した。その利点は、還元糖は多くの食品調製物において通常使用されており、メイラード反応は、その活性に影響を及ぼす様式でペプチドを変化させず、新規な規制登録または申告を必要とする様式で化学構造を変化させない、という点である。メイラード反応は、ペプチド上のアミノ基と還元糖上のカルボニル基との縮合により開始され、シッフ塩基形成ならびにアマドリおよびヘインズ生成物への転移をもたらす(Lund M. N. and Ray C. A. 2017)。還元糖は、遊離アルデヒド基または遊離ケトン基を有するため、還元剤として作用することができる任意の糖である(Pratt C. W. and Cornely K. 2013)。プロセスは、例えば、pH、温度および反応時間を制御することにより、制御することができる(Lund M. N. and Ray C. A. 2017)。メイラード反応は、溶液/分散液中または乾燥状態で行うことができる(Lund M. N. and Ray C. A. 2017)。最良の戦略は、常に、非常に高濃度の還元末端を有する糖およびペプチドとすることである。本発明によれば、メイラード反応の第1の段階のみが達成され、メイラード反応に典型的な強褐色および風味が生じる前に、プロセスは停止される。
【0009】
コンジュゲーション度およびメイラード反応の程度は同じではなく、コンジュゲーション度は、糖と反応しているペプチドのアミン基の数を示すのに対して、メイラード反応の程度は、褐色および種々の風味の発生を最終的にもたらすメイラード反応の段階を示す。本発明によれば、これらの副次的な風味は望ましいものではないが、一方、メイラード反応の初期段階は、糖およびペプチドの無色で風味のないコンジュゲーションをもたらす。メイラード反応の程度は、褐色の発生の存在および程度を決定するガードナー値(方法のパートを参照)を用いて測定することができる。いくつかのペプチドは、既に天然色を有するため、メイラード反応の前後のガードナー値の増加が、メイラード反応の程度を測定するために使用される。
【0010】
本発明によれば、還元糖は、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、セロビオース、グリセルアルデヒド、リボース、キシロースおよびマンノースからなる群から選択される。還元糖、特に、グルコースの単糖、二糖~オリゴ糖からの異なる分子を含んでいるマルトデキストリンなどのデンプン加水分解から得られるものの混合物を適用することも可能である。
【0011】
一つの実施形態において、ガードナー値のわずかな増加(ガードナー値増加(Gardner increase))のみが許容可能であり、ガードナー値増加は、4未満、好ましくは、3未満である。このことは、この実施形態によれば、大部分がメイラード反応と関連するコンジュゲートの典型的なメイラード褐変はない。それは、褐変およびローストした風味が生じることのないコンジュゲーションである。
【0012】
好ましい実施形態において、コンジュゲーション度は、少なくとも15%、好ましくは、少なくとも20%、25%、30%、35%または40%である。コンジュゲーション度が高い程、高い苦味低減が可能となる。必要なおよび所望の苦みの低減の度合いは、ペプチドの個々の苦味に依存する。
【0013】
非コンジュゲートペプチドは、天然に存在する、合成によって製造される、または酸性タンパク質、アルカリ性タンパク質もしくは酵素タンパク質の加水分解によって得られる、のいずれかであり得る。好ましくは、ペプチドは、植物または動物タンパク質、特に、コムギ、ダイズ、コメ、ジャガイモ、エンドウマメ、ヒマワリ、ナタネ、ルピナスおよび牛乳タンパク質からなる群から選択される、好ましくは、カゼインおよびエンドウマメタンパク質から選択される少なくとも1つに由来するタンパク質加水分解産物である。各加水分解産物の苦味も、加水分解の様式および加水分解度または加水分解産物のMWに依存する。
【0014】
好ましくは、ペプチドは、酵素、特に、エンドペプチダーゼ、好ましくは、アルカリプロテアーゼにより加水分解されたタンパク質から生じる。酵素加水分解または化学的加水分解などの加水分解の様式は、加水分解産物の異なる特性、例えば、異なるMW、または同じMWの加水分解産物に対する異なるペプチド特性をもたらす。一般に、化学的加水分解は、より大きなMWのペプチドをもたらし、酵素加水分解は、より特徴的かつより短いMWのペプチドをもたらす。
【0015】
特定の実施形態によれば、タンパク質加水分解産物は、加水分解後に濾過されない、かつ/またはpHは、クエン酸、リン酸、塩酸、乳酸および硫酸からなる群から選択される酸により中和される。
【0016】
一つの実施形態によれば、コンジュゲーション度は、10~90%、好ましくは、15~70%、より好ましくは、20~50%、特に、25~40%の範囲である。コンジュゲーション度が高すぎると、コンジュゲートのより濃い色または焦げたもしくはカラメルの風味をもたらす恐れがある。好ましい最大コンジュゲーション度は、糖およびペプチドの個々の組合せに依存する。
【0017】
特定の実施形態において、ペプチドの最大分子量は、2300Da、好ましくは、2000、1500、1200、1000または900Daである。
【0018】
別の実施形態において、ペプチドの最小分子量は、650Da、好ましくは、660、670、680、690、700、710、720、750または800Daである。
【0019】
好ましくは、ペプチドの分子量は、650~2400Da、好ましくは、650~1000Daである。
【0020】
本発明に係るMWは、方法のパートにおいて以下に記載するように、OPA-Nを測定することにより決定される見かけ上の平均MWである(Frister H. et al. 1988)。
【0021】
好ましくは、ペプチドに対する還元糖のモル比は、0.5~20、好ましくは、1.1~1.7である。還元糖としてのグルコースに関しては、還元糖に対するペプチドの重量比は、90:10~60:40、好ましくは、80:20~70:30である。糖の量が多い程、より多くの苦味を引き起こす基が還元糖と反応できるため、コンジュゲートペプチドの苦味は少なくなる。したがって、糖の量は、苦味が少ないペプチドよりも苦味が多いペプチドに対して多く、個々の苦味に応じて調整される。
【0022】
好ましくは、コンジュゲートペプチドは、固体粒子形態、好ましくは、粉末形態、特に、噴霧乾燥形態または凍結乾燥形態である。
【0023】
好ましくは、コンジュゲートペプチドの溶解度は、少なくとも90%、好ましくは、少なくとも91、92、93、94、95、95、97、98または99%、特に、100%である。溶解したペプチドのみが、適用組成物内でその特性を示すことができるため、ペプチドの溶解度は、多くの用途にとって必須の特徴である。
【0024】
本発明は、ペプチドの苦味をマスキングする方法であって、ペプチド、ならびにグルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、セロビオース、グリセルアルデヒド、リボース、キシロースおよびマンノースからなる群から選択される還元糖を、好ましくは、溶液または分散液中で混合する工程、混合物を加熱して、両成分間のメイラード反応を行う工程、ここで、メイラード反応は、55~90℃、好ましくは、60~85℃、特に、65℃+/-3℃の温度で、20~120分間、好ましくは、30~60分間の時間のみ行われ、その時間の後、組成物を噴霧乾燥させることによりメイラード反応を停止させ、粉末を得る工程を含む方法をさらに提供する。好ましくは、ペプチドは、加水分解されたタンパク質である。
【0025】
本発明の別の実施形態において、コンジュゲーションは乾燥状態で行われ、ペプチドおよび還元糖の粉末からなる混合物は、25~60℃の温度および60~80%の高い相対湿度で、数日~数週間保存される。
【0026】
好ましい反応のパラメーター範囲は、まとめて、反応が、最終産物に進まないように、すなわち、褐色を示さず、カラメルのまたは焦げた味を有さないように制御することが可能である(Lund M. N. and Ray C. A. 2017)。褐色およびカラメルの風味は、いくつかの特定の食品において望ましいものであり得るが、用途を限定するものであり、ほとんどの用途にとって好ましくない。表1から分かるように、苦味の十分な低減を得るためのメイラード反応にとって、温度が高い程、時間が短くなり、温度が低い程、時間が長くなる。
【0027】
本発明の方法によれば、好ましくは、メイラード反応の第1の段階のみが達成され、強い褐色が生じる前に、プロセスは停止される。
【0028】
本発明に係る方法は、直接焼くなどの食品調理中に生じるメイラード反応とは異なるが、それは、例えば、ベーカリー製品などの食品用途におけるペプチドおよび還元糖の濃度は、ペプチドのコンジュゲーション時の広範かつ十分に制御された反応、および少なくとも10%の十分なコンジュゲーション度をもたらすのに十分高くないからである。
【0029】
好ましくは、メイラード反応は、少なくとも10%、好ましくは、少なくとも15%、20%、25%、30%、35%または40%のコンジュゲーション度が得られるまで、行われる。苦味を十分にマスキングするために必要なコンジュゲーション度は、個々のペプチドの苦味に依存する。
【0030】
コンジュゲーション度およびメイラード反応の程度は同じではなく、コンジュゲーション度は、糖と反応しているペプチドのアミン基の数を示すのに対して、メイラード反応の程度は、褐色および種々の風味の発生を最終的にもたらすメイラード反応の段階を示す。本発明によれば、これらの副次的な風味は望ましいものではなく、一方、メイラード反応の初期段階は、糖およびペプチドの無色で風味のないコンジュゲーションをもたらす。メイラード反応の程度は、褐色の発生の存在および程度を決定するガードナー値(方法のパートを参照)を用いて測定することができる。いくつかのペプチドは、既に天然色を有するため、メイラード反応の前後のガードナー値の増加が、メイラード反応の程度を測定するために使用される。本発明によれば、ガードナー値のわずかな増加(ガードナー値増加(Garner increase))のみが許容可能である。一つの実施形態において、ガードナー値増加は、6未満、好ましくは、4未満、特に、3未満である。
【0031】
好ましい実施形態において、ペプチドに対する還元糖のモル比は、0.5~2.0、好ましくは、1.1~1.7である。還元糖としてのグルコースに関しては、還元糖に対するペプチドの重量比は、90:10~60:40、好ましくは、80:20~70:30である。糖の量が多い程、より多くの苦味を引き起こす基が還元糖と反応できるため、コンジュゲートペプチドの苦味は少なくなる。したがって、糖の量は、苦味が少ないペプチドよりも苦味が多いペプチドに対して多く、個々の苦味に応じて調整される。
【0032】
好ましくは、メイラード反応は、7~9、好ましくは、8~8.5のpHで行われる。
【0033】
好ましい実施形態において、メイラード反応は、高濃度のペプチドおよび還元末端を有する糖を含有する溶液中で行われ、次いで、材料を噴霧乾燥して、反応を停止させ、粉末を形成させる。
【0034】
好ましくは、ペプチドは、加水分解タンパク質であり、ここで、加水分解は、酵素、特に、エンドペプチダーゼ、好ましくは、アルカリプロテアーゼにより行われる。酵素加水分解または化学的加水分解などの加水分解の様式は、ペプチドが同じアミノ酸配列を含む場合でさえ、加水分解産物の異なる特性をもたらす。
【0035】
特定の実施形態によれば、タンパク質加水分解産物は、加水分解後に濾過されない、かつ/またはpHは、クエン酸、リン酸、塩酸、乳酸および硫酸からなる群から選択される酸により中和される。
【0036】
本発明は、苦みのないコンジュゲートタンパク質加水分解産物を調製する方法であって、少なくとも1つのタンパク質を少なくとも1つの酵素により加水分解する工程、得られたタンパク質加水分解産物、ならびにグルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、セロビオース、グリセルアルデヒド、リボース、キシロースおよびマンノースからなる群から選択される少なくとも1つの還元糖を、好ましくは、溶液または分散液中で混合する工程、混合物を加熱して、両成分間のメイラード反応を行う工程、ここで、メイラード反応は、55~90℃、好ましくは、60~85℃、特に、65℃+/-3℃の温度で、20~120分間、好ましくは、30~60分間の時間のみ行われ、その時間の後、組成物を噴霧乾燥させることによりメイラード反応を停止させ、タンパク質加水分解産物の非苦味粉末を得る工程を含む方法をさらに提供する。
【0037】
好ましい反応のパラメーター範囲は、まとめて、反応が、最終産物に進まないように、すなわち、褐色を示さず、カラメルのまたは焦げた味を有さないように制御することが可能である(Lund M. N. and Ray C. A. 2017)。褐色およびカラメルの風味は、いくつかの特定の食品において望ましいものであり得るが、用途を限定するものであり、ほとんどの用途にとって好ましくない。表1から分かるように、苦味の十分な低減を得るためのメイラード反応にとって、温度が高い程、時間が短くなり、温度が低い程、時間が長くなる。本発明によれば、メイラード反応の第1の段階のみが達成され、メイラード反応に典型的な強い褐色および風味が生じる前に、プロセスは停止される。
【0038】
好ましくは、タンパク質は、エンドペプチダーゼ、好ましくは、アルカリプロテアーゼにより加水分解される。酵素加水分解または化学的加水分解などの加水分解の様式は、得られるペプチドが同じアミノ酸配列を含む場合でさえ、加水分解産物の異なる特性をもたらす。
【0039】
特定の実施形態によれば、タンパク質加水分解産物は、加水分解後に濾過されずに使用され、かつ/またはpHは、クエン酸、リン酸、塩酸、乳酸および硫酸からなる群から選択される酸を加水分解産物に加えることにより中和される。
【0040】
好ましくは、メイラード反応は、少なくとも10%、好ましくは、少なくとも15%、20%、25%、30%、35%または40%のコンジュゲーション度が得られるまで、十分な時間行われる。苦味を十分にマスキングするために必要なコンジュゲーション度、ならびにそれとともに必要な時間および温度は、個々のペプチドの苦味に依存する。
【0041】
好ましくは、メイラード反応は、7~9、好ましくは、8~8.5のpHで行われる。
【0042】
コンジュゲーション度およびメイラード反応の程度は同じではなく、コンジュゲーション度は、糖と反応しているペプチドのアミン基の数を示すのに対して、メイラード反応の程度は、褐色および種々の風味の発生を最終的にもたらすメイラード反応の段階を示す。本発明によれば、これらの副次的な風味は望ましいものではなく、一方、メイラード反応の初期段階は、糖およびペプチドの無色で風味のないコンジュゲーションをもたらす。メイラード反応の程度は、褐色の発生の存在および程度を決定するガードナー値(方法のパートを参照)を用いて測定することができる。いくつかのペプチドは、既に天然色を有するため、メイラード反応の前後のガードナー値の増加が、メイラード反応の程度を測定するために使用される。本発明によれば、ガードナー値のわずかな増加(ガードナー値増加(Gardner increase))のみが許容可能である。一つの実施形態において、ガードナー値増加は、6未満、好ましくは、4未満、特に、3未満である。
【0043】
好ましい実施形態において、ペプチドに対する還元糖のモル比は、0.5~2.0、好ましくは、1.1~1.7である。還元糖としてのグルコースに関しては、還元糖に対するペプチドの重量比は、90:10~60:40、好ましくは、80:20~70:30である。糖の量が多い程、より多くの苦味を引き起こす基が還元糖と反応できるため、コンジュゲートペプチドの苦味は少なくなる。したがって、糖の量は、苦味が少ないペプチドよりも苦味が多いペプチドに対して多く、個々の苦味に応じて調整される。
【0044】
好ましい実施形態において、メイラード反応は、高濃度のペプチドおよび還元末端を有する糖を含有する溶液中で行われ、次いで、材料を噴霧乾燥して、反応を停止させ、粉末を形成させる。
【0045】
本発明は、食品、好ましくは、飲料、ベーキング製品、チューインガム、スポーツ栄養食品、栄養補助食品、菓子、デザート、泡沫食品またはプレバイオティクス、医薬品、生物活性物質、動物飼料製品のための、本発明の第1の実施形態に記載のコンジュゲートペプチドまたは本発明の第3の上記の実施形態に記載のプロセスにより得られるコンジュゲートタンパク質加水分解産物の使用をさらに提供する。
【実施例】
【0046】
試験C1~C6およびP1の結果は、苦味はペプチドを還元糖とコンジュゲーションさせることにより有意に低減され得ることを示す。苦味とコンジュゲーション度との間には、明らかな相関がある。糖の量が多い程、少ない苦味をもたらし、反応温度が高い程、少ない苦味をもたらす。
【0047】
【0048】
タンパク質加水分解産物
21.15kgの水道水を60℃に加熱し、温度を全加水分解時間の間維持する。182gのNaOHを20%NaOH溶液として加える。6.93kgのカゼインを温水に分散させ、20%NaOH溶液を用いてpHを9.0に調整する。87gのアルカラーゼを加え、pHを9.0に維持しながら、10.42gのカゼインを徐々に加えながら材料を30分間撹拌する。87gのアルカラーゼを加え、20%NaOH溶液を用いて、pHをpH8.5に60分間一定に維持する。最後の60分間はpHを一定に維持しない状態で60分間撹拌し、最終pHを約pH7.9とする。80~84℃に加熱することにより酵素反応を停止させ、この温度を15分間維持する。溶液を噴霧乾燥して、カゼイン加水分解産物粉末を形成させ、これをコンジュゲーションに適用した。
【0049】
エンドウマメタンパク質加水分解産物は、市販品として購入した。
【0050】
ペプチドのコンジュゲーション
70~90gのタンパク質加水分解産物を86~110gの水に溶かし、10~30gのグルコースを65または85℃で溶液に加え、NaOHを用いてpHを8または8.5に調整する。NaOHを用いてpHを一定に維持しながら、系を撹拌する。30または60分後、系を噴霧乾燥して粉末を形成させる。
【0051】
メイラード反応の程度(ガードナー値増加)の測定
ペプチドおよびコンジュゲートペプチドの5%(w/w)水溶液を調製し、溶液を0.2μm Whatmanフィルター(赤リムのシリンジフィルター)で濾過して、測定を妨害するあらゆる濁りを除去する。ガードナー値は、11mmキュベットを備えたLICO 500(Hach Lange社、ライネック、スイス)を用いて測定する。測定は、ISO4630:2015の方法に従って行う。ガードナー値増加は、メイラード反応の前後のガードナー値の差である。
【0052】
ガードナーInitial-ガードナーMaillard=ガードナー値増加
【0053】
コンジュゲーション度
OPA-N値は、窒素の総量で割った値、すなわち、遊離アミノ基の窒素を全アミノ酸からの窒素の総量で割った値である。次いで、コンジュゲーション後のこの比の減少度(%)を計算する。
【0054】
コンジュゲーション度=[(OPA-Nstart/窒素start)-(OPA-Nend/窒素end)]/(OPA-Nstart/窒素start)
【0055】
OPA-Nstartは、コンジュゲーション反応なしでの加水分解カゼインのOPA-N値であり、OPA-Nendは、コンジュゲーション反応後のOPA-N値である。窒素startは、コンジュゲーション反応なしでのサンプル中の総窒素含量であり、一方、窒素endは、コンジュゲーション反応後の総窒素含量である。この比は、糖が系に加えられ、したがって、全窒素およびOPA-Nの両方が希釈によって直接的に減少する場合に生じる希釈効果を考慮して使用される。この比を使用することにより、遊離アミノ基の絶対減少のみが計算され、このため、糖の希釈効果が排除される。
【0056】
コンジュゲーション前の系を測定することができないサンプル中のコンジュゲーション度を測定するために、Davidek T. et al. (2003)からのHPLC法を利用することができる。
【0057】
窒素含量(デュマ)
タンパク質濃度を、ISO標準法(ISO16634)に従って分析する。サンプルをガス化する燃焼管中で加熱することにより、サンプルをガスに変換する。得られたガス混合物から妨害成分を除去する。ガス混合物中の窒素化合物またはそれらの代表的な部分を分子窒素に変換し、これを熱伝導度検出器により定量する。窒素含量をマイクロプロセッサーにより計算する。窒素に基づくタンパク質含量を推定するために、以下の係数を使用した:カゼインおよびエンドウマメ6.25。
【0058】
OPA-N
OPA-N値は、Frister H. et al. 1988によって開発された方法を用いて測定した。
【0059】
苦味に関する官能評価
5名の訓練された官能評価者を用いて、サンプルを、室温で水中1%ペプチド溶液として試験する。希釈効果を排除するために、総てのカゼイン加水分解産物サンプルを、加えた糖の量にかかわらず、1%ペプチドのみを含有するように調整する。評価者には、比較のための標品(標準)(非コンジュゲート加水分解産物)が提供され、その標品の苦味を3に設定する。なんらかの苦味の違いを検出できる場合、評価者は、苦味が少ない場合には低い評点を付け、苦味が多い場合には高い評点を付ける。したがって、低い「苦味の点数」は、系が少ない苦味を有することを意味する。
【0060】
カゼインの苦味はエンドウマメペプチドより多いため、カゼイン標品は、1%ペプチドで投与し、エンドウマメペプチドは、5%で投与した。次いで、コンジュゲートペプチドを、標品と同じ重量のペプチドを含有するように投与した(このため、コンジュゲートペプチドは、糖の希釈効果を考慮してより高い濃度で投与した)。したがって、結果は、コンジュゲーションなしの同じ材料と比較して苦味が低減していると評価するべきである。
【0061】
平均分子量
見かけ上の平均MW値を、OPA-Nを測定することにより測定した(Frister H. et al. 1988)。OPA-Nは、MWの直接的な指標を示すものではないが、サンプルあたりの最終アミン基の量のみを示す。見かけ上のMW値は、下式を用いて、認められた窒素の総量(窒素の総量は、上記のデュマ法で測定する)をOPA-N値で割ることにより、得ることができる:
(総N/OPA-N)*100=見かけ上のMW
【0062】
材料
以下の材料を使用した:
NaOH、Sigma-Aldrich社(セントルイス、ミズーリ州、米国)、カゼイン(Acid Casein 741、Fonterra Ltd、オークランド、ニュージーランド)、加水分解エンドウマメタンパク質、(Peptipea、Triballat ingredients社、セデックス、フランス)、グルコース(Dextrose Monohydrat、Roquette社、レストロン、フランス)、アルカラーゼ2.4 L FG、Novozymes(Novozymes A/S、バウスベア(Gagsvaerd)、デンマーク)、シリンジフィルター(0.2μmワットマンレッドリムシリンジフィルター、メードストン、英国)
【0063】
【国際調査報告】