(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】エッチングチャンバーにおける方向性堆積
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523818
(86)(22)【出願日】2019-10-29
(85)【翻訳文提出日】2021-06-30
(86)【国際出願番号】 US2019058631
(87)【国際公開番号】W WO2020096817
(87)【国際公開日】2020-05-14
(32)【優先日】2018-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タン・ジョンクイ
(72)【発明者】
【氏名】シェ・リージ
(72)【発明者】
【氏名】山口 葉子
(72)【発明者】
【氏名】石川 寧
(72)【発明者】
【氏名】ポナス・パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・サンジン
(72)【発明者】
【氏名】パーク・サンジュン
(72)【発明者】
【氏名】リー・ウォンチョル
(72)【発明者】
【氏名】チョイ・ジャヨン
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BD04
5F004CA04
5F004CA06
5F004DA15
5F004DA18
5F004DB01
5F004DB03
5F004DB08
5F004EA05
5F004EA28
5F004EB04
(57)【要約】
【解決手段】エッチング用途で用いるための垂直成長マスクを形成するための方法が、本明細書で説明される。開示された実施形態は、タングステン含有堆積前駆材料と1以上のキャリアガスとを導入し、一方でプラズマに点火してタングステンを、パターン化したエッチングマスクのポジ型フィーチャのフィールド領域上に選択的に堆積し、ポジ型フィーチャの側壁、またはパターン化したエッチングマスクの下方にあるターゲット層の露出面上に実質的に堆積しないようにすることを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
ターゲット層上にパターン化したエッチングマスクを有する半導体基板を用意することであって、前記パターン化したエッチングマスクが、間隔をあけて配置したポジ型フィーチャを含み、間隔をあけて配置した各ポジ型フィーチャが、フィールド領域と側壁とを有する、半導体基板を用意することと、
前記ターゲット層に対して、前記間隔をあけて配置したポジ型フィーチャの前記フィールド領域上に選択的に垂直成長マスクを堆積することと、を具備する方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、前記垂直成長マスクが、少なくとも1つのフィーチャを含み、前記垂直成長マスクの前記少なくとも1つのフィーチャの限界寸法が、前記パターン化したエッチングマスクの対応する間隔をあけて配置したポジ型フィーチャの限界寸法と実質的に等しい、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、さらに、前記パターン化したエッチングマスクと前記垂直成長マスクとの両方をマスクとして用いて、前記ターゲット層をエッチングすることを具備する、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、前記垂直成長マスクの前記堆積と前記ターゲット層の前記エッチングとが同時に行われる、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記垂直成長マスクの前記間隔をおいて配置したポジ型フィーチャ間の空間の大きさが、前記パターン化したエッチングマスクの前記間隔をあけて配置したポジ型フィーチャ間の空間の大きさと実質的に同じである、方法。
【請求項6】
方法であって、
ターゲット層上にパターン化したエッチングマスクを有する半導体基板を用意することであって、前記パターン化したエッチングマスクが、間隔をあけて配置したポジ型フィーチャを含み、間隔をあけて配置した各ポジ型フィーチャが、第1限界寸法と、フィールド領域と、側壁とを有するようにした半導体基板を用意することと、
ターゲット層に対して、対応する間隔をあけて配置したポジ型フィーチャの前記フィールド領域上に第2限界寸法を有するマスクを堆積することと、を具備し、
前記マスクの堆積厚さが増加したときに前記第2限界寸法が前記第1限界寸法の約150%内に維持されるように、前記マスクを堆積する、方法。
【請求項7】
方法であって、
ターゲット層上にパターン化したエッチングマスクを有する半導体基板を用意することであって、前記パターン化したエッチングマスクが、間隔をあけて配置したポジ型フィーチャを含み、間隔をあけて配置した各ポジ型フィーチャがフィールド領域と側壁とを有するようにした半導体基板用意工程と、
前記ターゲット層に対して、前記間隔をあけて配置したポジ型フィーチャの前記フィールド領域上に垂直に選択的に成長させたタングステン含有マスクを堆積することと、を具備する方法。
【請求項8】
方法であって、
炭素含有ターゲット層と、反射防止層と、パターン化したフォトレジストを具備する半導体基板を用意することと、
前記反射防止層をパターニングして、パターン化した反射防止マスクを形成することと、
前記半導体基板をタングステン含有前駆材料に曝露し、複数の条件の下、プラズマに点火してタングステン含有マスクを選択的に堆積し、前記パターン化した反射防止マスクのフィールド領域上に、パターン化したタングステン含有マスクを形成することと、
前記パターン化した反射防止マスクと前記パターン化したタングステン含有マスクとを用いて、前記炭素含有ターゲット層をパターニングすることと、を具備する方法。
【請求項9】
方法であって、
ターゲット層と、第1限界寸法を有するパターン化したエッチングマスクとを含む半導体基板を用意することと、
前記半導体基板を、タングステン含有前駆材料と、アルゴンガス及び水素ガスの混合物とから、約100W~約500W間のプラズマ出力を用いて発生したプラズマに、約160℃より低い基板温度で曝露することによって、前記パターン化したエッチングマスク上に、第2限界寸法を有するタングステン材料を形成することと、を具備する方法であって、
前記第2限界寸法が、前記第1限界寸法の約150%内である、方法。
【請求項10】
装置であって、
基板を保持するための台座を含む反応チャンバーと、
前記反応チャンバーに結合され、プラズマを発生するように構成されたプラズマ源と、
前記反応チャンバーに結合される1以上の第1ガス流入口と、
前記反応チャンバーに結合される第2ガス流入口と、
コントローラであって、以下の
タングステン含有前駆材料と、アルゴン及び水素ガスの混合物とを導入させる処理と、
約100W~約500W間のプラズマ出力を用いて、前記プラズマを発生させる処理と、
前記台座の温度を160℃より低い温度に設定する処理と、
を行わせるための命令を具備する、コントローラと、を具備する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[参照による援用]
PCT願書が、本出願の一部として、本明細書と同時に提出されている。同時に提出されたPCT願書において特定されたような、本出願が利益または優先権を主張する各出願は、その全体がすべての目的に対して、参照することによって本出願に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造は、マイクロプロセッサ、論理回路、及び、メモリデバイスの製造を含む。そのようなデバイスは、各種のタイプのマスクを作成するパターニング技術を含む様々な技術を用いて製造され得る。幾つかのプロセスは、酸化シリコンや窒化シリコンを含む構造の形成を包含する。そのような構造を形成する幾つかの技術は、エッチング及び堆積の両方を含むパターニング技術に限定される場合がある。
【0003】
本明細書で提供される背景技術の記載は、概して本開示の内容を示すことを目的とする。本背景技術に開示されている範囲においての、本出願に開示されている発明者によってなされた成果物、及び出願時における先行技術として認められない場合がある記述の態様は、本開示に対する先行技術として明示的にも暗黙的にも認められない。
【発明の概要】
【0004】
半導体基板を処理する方法及び装置が、本明細書に記載されている。一態様は、ターゲット層上にパターン化したエッチングマスクを有する半導体基板を用意することであって、パターン化したエッチングマスクが、間隔をあけて配置したポジ型フィーチャを含み、間隔をあけて配置した各ポジ型フィーチャが、フィールド領域と側壁とを有する、半導体基板を形成することと、ターゲット層に対して相対的に、間隔をあけて配置したポジ型フィーチャのフィールド領域上に選択的に垂直成長マスクを堆積することと、を具備する方法に関する。
【0005】
各種実施形態において、垂直成長マスクが、少なくとも1つのフィーチャを含み、垂直成長マスクの少なくとも1つのフィーチャの限界寸法が、パターン化したエッチングマスクの対応する間隔をあけて配置したポジ型フィーチャの限界寸法と実質的に等しい。
【0006】
幾つかの実施形態において、フィールド領域上に垂直成長マスクを堆積することは、約0℃~約160℃の間の基板温度で行われる。
【0007】
本方法は、パターン化したエッチングマスクと垂直成長マスクとの両方をマスクとして用いて、ターゲット層をエッチングすることを具備する。幾つかの実施形態において、垂直成長マスクの堆積とターゲット層のエッチングとが同時に行われる。幾つかの実施形態において、堆積及びエッチングは、半導体基板をフルオロカーボンガス及びタングステン含有ガスに曝露し、プラズマに点火することによって同時に行われる。フルオロカーボンガス及びタングステン含有ガスは、フルオロカーボンガス流量とタングステン含有ガス流量との比が約10:1~約1:1の間で送給され得る。幾つかの実施形態において、フルオロカーボンガスは、その流量が、フルオロカーボンガスとタングステン含有ガスの全体容積の約80%より小さい流量で送給される。
【0008】
幾つかの実施形態において、ターゲット層は無定形炭素を含み、堆積とエッチングは半導体基板を酸素プラズマとタングステン含有プラズマに同時に曝露することによって、同時に行われる。
【0009】
幾つかの実施形態において、本方法は、さらに、垂直成長マスクを選択的に堆積することと、ターゲット層をエッチングすることを交互に周期的に行うことを含み得る。幾つかの実施形態において、ターゲット層は無定形炭素を含有し、エッチングはターゲット層を酸素プラズマに曝露することによって行われる。
【0010】
各種実施形態において、垂直成長マスクの間隔をあけて配置したポジ型フィーチャ間の空間の大きさは、実質的にパターン化したエッチングマスクの間隔をあけて配置したポジ型フィーチャ間の空間の大きさと実質的に同じである。幾つかの実施形態において、パターン化したエッチングマスクの間隔をあけて配置したポジ型フィーチャ間の空間の大きさは、垂直成長マスクの間隔をあけて配置したポジ型フィーチャ間の空間の大きさの約100%内である。
【0011】
各種実施形態において、間隔をあけて配置したポジ型フィーチャ間の空間は、約50:1~約100:1の間のアスペクト比を有する。
【0012】
各種実施形態において、隣接する2つの間隔をあけて配置したポジ型フィーチャ間の空間の大きさは約10nm~約200nmである。
【0013】
各種実施形態において、フィールド領域上に選択的に垂直成長マスクを堆積することは、タングステン含有ガスにフィールド領域を曝露することを含む。幾つかの実施形態においてタングステン含有ガスは希釈ガスとともに送給される。希釈ガスはアルゴンガス、水素ガス、それらの混合物のうちの1つまたはそれ以上とすることができる。タングステン含有ガスはハロゲン化タングステンとすることができる。幾つかの実施形態において、ハロゲン化タングステンは六フッ化タングステン及び六塩化タングステンからなる群から選択される。幾つかの実施形態において、フィールド領域上に選択的に垂直成長マスクを堆積することは、さらに、タングステン含有ガスを含む雰囲気中でプラズマに点火することを含む。プラズマは、約100W~約500Wのプラズマ出力によって発生させることができる。
【0014】
各種実施形態において、垂直成長マスクをフィールド領域上に選択的に堆積させることは、約10mTorr~約100mTorrのチャンバー圧力を有するプロセスチャンバー内において行われる。
【0015】
各種実施形態において、垂直成長マスクをフィールド領域上に選択的に堆積させることはプラズマ出力、チャンバー圧力または基板温度等のプロセス条件を調節することによって行われる。
【0016】
各種実施形態において、パターン化したエッチングマスクは約5nm~約200nmの厚さを有する。
【0017】
各種実施形態において、パターン化したエッチングマスクは、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン及びこれらの組み合わせからなる群から選択された材料を含む。
【0018】
各種実施形態において、パターン化したエッチングマスクは、フォトレジストを含む。ターゲット層は、反射防止コーティングから形成することもできる。各種実施形態において、ターゲット層は約500nm~約5000nmの厚さを有する。
【0019】
別の態様は、ターゲット層上にパターン化したエッチングマスクを有する半導体基板を用意することであって、パターン化したエッチングマスクが、間隔をあけて配置したポジ型フィーチャを含み、間隔をあけて配置した各ポジ型フィーチャがフィールド領域と側壁とを有するようにした半導体基板を形成することと、ターゲット層に対して相対的に、間隔をあけて配置したポジ型フィーチャのフィールド領域上に垂直に選択的に成長させたタングステン含有マスクを堆積することと、を具備する方法に関する。
【0020】
別の態様は、炭素含有ターゲット層と、反射防止層と、パターン化したフォトレジストを具備する半導体基板を用意することと、反射防止層をパターニングして、パターン化した反射防止マスクを形成することと、半導体基板をタングステン含有前駆材料に曝露し、複数の条件の下、プラズマに点火してタングステン含有マスクを選択的に堆積し、パターン化した反射防止マスクのフィールド領域上に、パターン化したタングステン含有マスクを形成することと、パターン化した反射防止マスクとパターン化したタングステン含有マスクとを用いて、炭素含有ターゲット層をパターニングすることと、を具備する方法に関する。
【0021】
別の態様は、ターゲット層と、第1限界寸法を有するパターン化したエッチングマスクとを含む半導体基板を用意することと、半導体基板を、タングステン含有前駆材料と、アルゴンガス及び水素ガスの混合物とから、約100W~約500W間のプラズマ出力を用いて発生したプラズマに、約160℃より低い基板温度で曝露することによって、パターン化したエッチングマスク上に、第2限界寸法を有するタングステン材料を形成することと、を具備する方法であって、第2限界寸法が、第1限界寸法の約150%内である方法に関する。
【0022】
別の態様は、基板を保持するための台座を含む反応チャンバーと、反応チャンバーに結合され、プラズマを発生するように構成されたプラズマ源と、反応チャンバーに結合される1以上の第1ガス流入口と、反応チャンバーに結合される第2ガス流入口と、コントローラであって、タングステン含有前駆材料と、アルゴン及び水素ガスの混合物とを導入させる処理と、約100W~約500W間のプラズマ出力を用いて、プラズマを発生させる処理と、台座の温度を160℃より低い温度に設定する処理と、を行わせるための命令を具備する、コントローラと、を具備する装置に関する。
【0023】
これらの態様及びその他の態様を、図面を参照して以下にさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】開示されたある実施形態によって行われる工程を示すプロセスフロー図である。
【0025】
【
図2】開示されたある実施形態によって行われる工程を示すプロセスフロー図である。
【0026】
【
図3】開示されたある実施形態によって行われる工程の対象となる基板の概略図である。
【
図4】開示されたある実施形態によって行われる工程の対象となる基板の概略図である。
【
図5】開示されたある実施形態によって行われる工程の対象となる基板の概略図である。
【
図6A】開示されたある実施形態によって行われる工程の対象となる基板の概略図である。
【
図6B】開示されたある実施形態によって行われる工程の対象となる基板の概略図である。
【
図7A】開示されたある実施形態によって行われる工程の対象となる基板の概略図である。
【
図7B】開示されたある実施形態によって行われる工程の対象となる基板の概略図である。
【
図8A】開示されたある実施形態によって行われる工程の対象となる基板の概略図である。
【
図8B】開示されたある実施形態によって行われる工程の対象となる基板の概略図である。
【
図8C】開示されたある実施形態によって行われる工程の対象となる基板の概略図である。
【0027】
【
図9】開示されたある実施形態を実施するためのプロセスチャンバーの一例の概略図である。
【0028】
【
図10】開示されたある実施形態を実施するためのプロセス装置の一例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の説明では、多くの具体的な詳細が、本実施形態の完全な理解を提供するために供される。開示されている実施形態は、これらの具体的な詳細のいくつかまたは全部をなしに実施してもよい。他の例では、開示されている実施形態を不必要に不明瞭にしないために、周知のプロセス処理は詳細に記載されていない。開示されている実施形態は、具体的な実施形態に関連して説明されているが、この具体的な実施形態に限定することは意図されていないことが理解されよう。
【0030】
半導体デバイスの製造において、基板をパターン化し、そしてエッチングするためにマスキング方法が用いられる。基板のアスペクト比の上昇に伴い、より選択的なハードマスクへの要求も増大している。各種のパターニングスキームは、ターゲット層をエッチングするためのマスクとして用いられる誘電体スペーサのようなポジ型フィーチャの形成を包含する。しかし、幾つかの誘電体スペーサは、特に誘電体スペーサ間のギャップのアスペクト比が非常に大きく、それによってギャップの深さが大きい可能性がある場合に腐食しやすいおそれがあり、その結果、誘電体スペーサを用いてターゲット層をエッチングするためのエッチング期間が長くなる場合がある。このように、幾つかの誘電体スペーサは、ターゲット層をエッチングしている間に腐食する場合がある。
【0031】
エッチング中にエッチングマスクが腐食するのを防止する方法はいくつか存在するが、このような方法は、プラズマ強化型化学気相蒸着(PECVD)プロセスを含み、これはブレッドローフィング成長をエッチマスク上に生じ、それによって、マスク間のネガ型フィーチャの限界寸法を低減させ、フィーチャのプロファイルを変化させる。これは、非常に高いアスペクト比を有するフィーチャの場合、及び、長期間のエッチングの場合、特に問題となる。
【0032】
これらのマスクを形成するための技術は、ターゲット層等の下層のエッチングと、エッチング中にマスクに施される追加マスク材料の堆積とを交互に行うことを包含し、そのような処理は、異なった種類のプロセスガスと、必要に応じて異なるツールを包含し、このため、ウエハをステーション間で移送する際、またはツール間で移送する際の処理時間が長くなる。
【0033】
本明細書では、実質的に、マスクの限界寸法を保持しながら、パターン化した基板のフィールド領域上にマスクを堆積する方法を提供する。各種の実施形態において、マスクのネガ型フィーチャにターゲット層を選択的にエッチングしながらマスクの堆積を行うことができる。
【0034】
本明細書に記載される垂直成長マスクは、マスクが堆積される際に、水平方向の堆積がほとんどまたはまったくないようにして堆積される。すなわち、ポジ型基板上のフィールド領域上における堆積は、結果として、パターン化したマスクのポジ型フィーチャ間の空間の大きさを変えることなく、垂直成長マスクの側壁は、ほとんど垂直になる。堆積は、実質的にポジ型基板の側壁上への堆積を生じることなく行われ、ほとんどまたは全ての堆積がフィールド領域上のみにおいて生じる。マスクが垂直に成長するにつれて、追加の堆積マスク材料が既存のマスク材料上に大量に堆積され、そして成長は実質的に垂直となる。すなわち、堆積されたマスクの側壁上に堆積されるようなマスク材料は、ほとんどまたは全く存在せず、垂直に成長したマスクは、それぞれの特定の用途にあわせて適切な様々な厚さまで成長することができる。堆積は新しい材料を優先的にポジ型フィーチャ上に、特に各ポジ型フィーチャの頂部に形成するように、選択的になされる。選択的堆積は、新しい材料が、実質的に水平に伸延することなくポジ型フィーチャの頂部に垂直に形成するように進行させ得る。このように、開示されたある実施形態における1つの特有な利点は、フィーチャの限界寸法、すなわち、垂直成長マスクが堆積されるポジ型フィーチャ間の空間の幅を保持し、それによって、堆積された垂直成長マスクが、それが堆積されている下層のエッチングマスクと実質的に同じ幅であるようにされる能力の存在である。より明確にすることを目的として、垂直成長マスクが堆積されている材料を、「下層エッチングマスク」または「エッチングマスク」と称するが、高分子材料、誘電体材料及び半導体材料を含む様々な材料を、エッチングマスクの形成に用いることができることが理解されよう。エッチングマスクは、パターン化したフォトレジストでもよいことが理解されよう。また、エッチングマスクは、底部反射防止コーティング(BARC)層または誘電体反射防止コーティング(DARC)層等のパターン化した反射防止コーティングとすることができることが理解されよう。用語「垂直成長マスク」は、下層エッチングマスク上に堆積され、結果として、フィーチャの限界寸法とマスク幅とを保持する材料を称するために用いられる。開示されたある実施形態の利点は、形成されたマスク構造のトリミングまたは薄肉化を回避する能力である。薄肉化またはトリミングは、限界寸法の2%を超える限界寸法の減少、または側壁の何らかの凹みまたは粗さによって定義される。
【0035】
垂直成長マスクは、タングステン金属のようなタングステン含有材料であってもよい。多くの実施形態において、タングステン含有金属は、純粋な金属タングステンではなく、ある程度不純物を含有していてもよい。本明細書では、タングステンが材料の一例として説明されているが、他の金属含有材料または金属を含まない材料を、垂直成長を達成するために適当な反応材料及びプロセス条件を採用することによって用いることができることも理解されよう。
【0036】
本明細書では、さらに、同じ処理期間に下層をエッチングするとともに、同時に垂直成長マスクを堆積する方法も開示されている。垂直成長マスクを堆積するために用いられるプロセス条件は、反射防止層や不定形炭素層等の下層ターゲット材料をエッチングするためにも用いることができ、それによって、基板が前駆材料ガス、プラズマ条件、温度や圧力を含むがこれらに限定されないプロセス条件に曝露されるたびに、下層のエッチングマスク上に垂直成長マスクを形成することに加え、下層のエッチングマスクの下方の下層ターゲット材料をエッチングするようにされる。換言すると、1つのプロセスによって、同時に、フィールド領域上に垂直マスクを形成するとともに、フィーチャにターゲット材料をエッチングする。
【0037】
開示されている実施形態は、垂直成長マスクの垂直成長を達成するためにプロセス窓と下層マスクパターンの形状寸法とを選択すること、下層ターゲット材料をエッチングすること、または両方を包含する。
【0038】
特定の理論に拘束されることなく、形状寸法の選択性、材料の選択性、または両方が、選択的な垂直成長を達成するために開示されたある実施形態の能力に、そして場合によっては、下層ターゲット材料の並行したエッチングに貢献することが考えられる。形状寸法の選択性は、第1の形状寸法特性を有する基板の一方のエリアに堆積される材料を、第2の形状寸法特性を有する基板の他方のエリアに堆積される材料より多くすることによって達成された選択性を指し、該エリアは、曝露された基板の形状寸法またはトポグラフィーに基づく基板上の位置として画定される。この選択性の形式は、堆積を選択的に促進したり禁止したりするために異なった材料を必要とすることなく、形状寸法のみに基づく。あるエリアにおける別のエリアに対するより厚い堆積は、各領域における堆積速度(単位時間に堆積した厚さ)によって決定される。形状寸法の選択性は、基板上のネガ型フィーチャのアスペクト比によって達成可能であり、かつ、結果として、ネガ型フィーチャの側壁または底部エリアにおける堆積速度を上回る基板のフィールド領域上での(すなわち、ネガ型フィーチャのフィーチャ開口のいずれかの側での)堆積速度であり得る。開示されたある実施形態では、下層エッチングマスクによって画定されるポジ型フィーチャ間のネガ型フィーチャの高いアスペクト比によって、垂直成長が達成可能であると考えられる。
【0039】
材料選択性とは、材料の化学的、物理的、形態的(例えば、組成、格子構造またはその他の特性)の相違によって、基板上の1つの材料を、基板上の他の材料より相対的に多く堆積することをいう。すなわち、例えば、誘電体材料の堆積速度を導電性材料の堆積速度より大きくし得る。開示されたある実施形態において、垂直成長は、下層エッチングマスクの表面(または、垂直成長マスクの堆積材料の表面)と、下層エッチングマスクの下層にあるターゲット材料の表面との間の材料選択性によって達成できると考えられる。加えて、垂直成長マスクが堆積されると、開示されたある実施形態では、垂直成長は、垂直成長マスクの堆積した材料の表面と、下層エッチングマスク及び下層エッチングマスクの下層にあるターゲット材料の表面との間の材料選択性によって達成可能であると考えられる。この選択性の形式は、堆積を選択的に促進したり禁止したりするために異なった表面形状寸法を必要とすることなく、材料の相違のみに基づく。当然ながら、場合によっては、選択性を、露出した表面上の形状寸法の相違と組成の相違との組み合わせによって付与されることができる。
【0040】
図1は、開示されるある実施形態によって行われる工程を図示するプロセスフロー図である。
【0041】
工程120において、ターゲット層上にパターン化したエッチングマスクを有するパターン化した半導体基板が提供される。
【0042】
半導体基板はシリコンウエハ、例えば、200mmウエハ、300mmウエハ、または450mmウエハであり、例えば、誘電体、導電体または半導体材料が堆積されている1以上の材料層を有するウエハを含む。下層の非限定的な例には、誘電体層や導電体層、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物及び金属層(例えば、銅、アルミニウム、タングステン、コバルト、ルテニウム、モリブデン、タンタル等)を含む。
【0043】
パターン化したエッチングマスクは、本明細書では「下層エッチングマスク」と称する場合がある。パターン化したエッチングマスクは、間隔をあけて配置したポジ型フィーチャ(凹部の反対)を含むことができる。エッチングの際、間隔をあけて配置したフィーチャは、基板上、すなわち、ターゲット層上に直接、またはターゲット層の上方の中間層上に移送される。ポジ型フィーチャの大きさは、限界寸法によって特徴づけられ得、限界寸法とは、ポジ型フィーチャの断面において一側壁から別の側壁への最短距離において、ポジ型フィーチャを水平に横切って測定された幅である。各ポジ型フィーチャは、側壁と、露出したフィールド領域とを含む。露出したフィールド領域は、フィーチャの頂部水平領域である。フィールド領域は、パターン化したエッチングマスク、例えば、パターン化したフォトレジストをパターン化するためにあらかじめ用いられたマスクによって画定され得、エッチング中、マスクを用いて、パターン化したエッチングマスクをパターン化してマスクが除去され、パターン化したエッチングマスクフィーチャの露出したフィールド領域が残る。各種実施形態において、基板上のポジ型フィーチャの平均限界寸法は、約10nm~約200nmの間である。
【0044】
隣接するフィーチャの離間距離は、フィーチャのピッチであり、これは、マスクのポジ型フィーチャ間の第1空間の中心から、ポジ型フィーチャの他の側の隣接する空間まで測定されるものである。ポジ型フィーチャ間の距離は、本明細書では「ネガ型フィーチャ」と称される場合があり、これは、1つのポジ型フィーチャの側壁から隣接するポジ型フィーチャの側壁まで測定された場合に、2つのポジ型フィーチャ間の空間を水平に横切って測定される「ネガ型フィーチャ開口」を有する。幾つかの実施形態において、ネガ型フィーチャは、少なくとも約1:1の、または約50:1~約100:1の間の平均アスペクト比を有する。ある実施形態において、基板の表面全体にわたって様々なフィーチャの大きさ及び/またはアスペクト比が存在し得ることが理解されよう。さらに、幾つかの実施形態において、基板の表面全体にわたって同じ及び/または類似したフィーチャ寸法が存在し得ることが理解されよう。
【0045】
ある実施形態において、パターン化したエッチングマスクは、約5nm~約3000nmの平均厚さを有する。パターン化したエッチングマスクの平均厚さは、各フィーチャにおいて、ポジ型フィーチャのフィールド領域からマスクの隣接する下層の頂部まで垂直に測定した厚さの平均をとって測定される。
【0046】
ある実施形態において、パターン化したエッチングマスクは、誘電体材料、シリコン、炭素または高分子材料である。
【0047】
幾つかの実施形態において、誘電体材料は酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン(SiON)またはこれらの組み合わせを含む。誘電体材料は、熱技術によって、またはプラズマ支援技術によって、シリコン含有前駆材料及び1以上の酸素含有及び/または窒素含有反応物を用いて堆積され得る。一例として、誘電体材料はフルオロカーボン含有化学材料を用いて、任意にはプラズマによってエッチングしてもよい。
【0048】
「酸化シリコン」は、本明細書では、SixOyに対してあらゆるかつすべての化学量論的可能性を含むとして言及されx及びyは整数値の他、非整数値を含む。例えば、「酸化シリコン」は、式SiOnを有する組成物を含み、ここで、nは1≦n≦2であり、かつ、nは整数値または非整数値をとることができる。「酸化シリコン」は、SiO1.8のような準化学量論的組成物を含むことができる。「酸化シリコン」はまた、二酸化シリコン(SiO2)及び一酸化シリコン(SiO)を含む。「酸化シリコン」はまた、天然及び合成変異体の両方を含み、さらに、それらの結晶及び分子構造は中心となるシリコン原子を取り囲む酸素原子の四面体配位を含むあらゆるかつすべての結晶及び分子構造を含む。「酸化シリコン」はまた、不定形酸化シリコンとケイ酸塩を含む。
【0049】
「窒化シリコン」は、本明細書では、SixNyに対してあらゆるかつすべての化学量論的可能性を含むものとして言及され、x及びyは整数値(x=3、y=4)の他、非整数値を含む。例えば、「窒化シリコン」は式SiNnを有する組成物を含み、nは1≦n≦2であり、かつ、nは整数値または非整数値をとることができる。「窒化シリコン」は、SiN1.8のような準化学量論的組成物を含むことができる。「窒化シリコン」はまた、Si3N4、微量の及び/または格子間に水素を有する窒化シリコン(SiNH)、及び微量の及び/または格子間に酸素を有する窒化シリコン(SiON)を含む。「窒化シリコン」はまた、天然及び合成変異体の両方を含み、かつ、三方晶系のアルファ窒化シリコン、六方晶系のベータ窒化シリコン及び立方晶系のガンマー窒化シリコンを含むあらゆるかつすべての格子、結晶及び分子構造を含む。窒化シリコンはまた、不定形窒化シリコンを含み、さらに、微量の不純物を有する窒化シリコンを含むことができる。
【0050】
幾つかの実施形態において、高分子材料は化学式CxHyOzを有し、かつ、スピンオン法によってあらかじめ堆積されて、酸素とフルオロカーボン及び/またはプラズマを含むエッチング化学反応を用いてパターン化され得る。幾つかの実施形態において、高分子材料は、照射に曝露し、EUVリソグラフィのようなリソグラフィ技術を用いて現像することによってパターン化されるフォトレジストである。
【0051】
幾つかの実施形態において、パターン化したエッチングマスクは、パターン化したフォトレジストである。
【0052】
幾つかの実施形態において、パターン化したエッチングマスクは、現像したフォトレジストをマスクとして用いることによって、あらかじめパターン化され得る。幾つかの実施形態において、パターン化したエッチングマスクは、反射防止層であり得るか、または反射防止層を含み得る。例えば、パターン化したエッチングマスクは、BARC層またはDARC層であり得る。
【0053】
工程140において、垂直成長マスクは、パターン化したエッチングマスクの曝露フィールド領域上に堆積される。垂直成長マスクは、マスクの堆積とともに、パターン化したエッチングマスクの側壁上に、または垂直成長マスクの側壁上に実質的に堆積することなく、マスクが経時的に厚さを増加させるような前駆材料及びプロセス条件を用いて堆積する。この挙動を「垂直成長」と称するが、「垂直」は、基板が、その活性表面を水平に配向したときの現象を説明するための用語としてのみ用いられることが理解されよう。幾つかの実施形態において、前駆材料とプロセス条件は、垂直成長マスクに堆積される材料のプロファイルを修正するために、選択的に用いられ得る。幾つかの実施形態において、垂直成長マスクは、パターン化したタングステン含有マスクである。
【0054】
垂直成長マスクは、金属含有材料または非金属材料であってもよい。垂直成長マスクの材料例は、シリコン等のシリコン含有材料、炭素含有材料、ホウ素含有材料、チタン含有材料、ルテニウム含有材料、及びタングステン金属や不純物含有タングステン金属のようなタングステン含有材料を含む。
【0055】
垂直成長マスクは、1以上のプロセスガスを導入し、プラズマに点火することによって堆積され得る。用いられる1以上のプロセスガスは、垂直成長マスクを堆積するための材料に依存する。各種の実施形態において、1以上のプロセスガスは金属含有ガスを含む。幾つかの実施形態において、金属含有ガスはハロゲン化金属である。幾つかの実施形態において、金属含有ガスは、金属カルボニルガスである。金属含有ガスは、タングステン含有ガスを含む。タングステン含有ガスの例は、五塩化タングステン、六塩化タングステン、五フッ化タングステン及び五塩化タングステン等のハロゲン化タングステンを含む。幾つかの実施形態において、金属含有ガスは、塩化チタン(TiCl4)等のチタン含有ガスを含む。幾つかの実施形態において、金属含有ガスは、ドデカカルボニル三ルテニウム(Ru3(CO)12)のようなルテニウム含有ガスを含む。各種実施形態において、1以上のプロセスガスは、炭素含有ガスまたはホウ素含有ガスを含む。炭素含有ガスの例は、メタン(CH4)、アセチレン(C2H2)及びプロピレン(C3H6)を含む。ホウ素含有ガスの例は、ジボラン(B2H6)を含む。各種実施形態において、タングステン含有垂直成長マスクを堆積するために、タングステン含有ガスが用いられる。各種実施形態において、炭素含有垂直成長マスクを堆積するために、炭素含有ガスが用いられる。各種実施形態において、ホウ素含有垂直成長マスクを堆積するために、ホウ素含有ガスが用いられる。各種実施形態において、チタン含有垂直成長マスクを堆積するために、チタン含有ガスが用いられる。各種実施形態において、ルテニウム含有垂直成長マスクを堆積するために、ルテニウム含有ガスが用いられる。
【0056】
幾つかの実施形態において、プラズマが1以上のプロセスガスの雰囲気下で点火される。例えば、幾つかの実施形態において、プラズマはタングステン含有ガス雰囲気下で点火される。プラズマを用いた堆積プロセスが本明細書で説明されているが、幾つかの実施形態において、チャンバー圧、ガス流、温度等のプロセス条件を選択することによって、プラズマなしの熱プロセスを用いることもできる。
【0057】
幾つかの実施形態において、垂直成長マスクの材料によっては、1以上のプロセスガスは、シリコン含有ガスまたは炭素含有ガス等のような非金属ガスを含む。
【0058】
垂直成長マスクを堆積するための1以上のプロセスガスは、1以上のキャリアガス及び/または希釈ガスとともに送給してもよい。幾つかの実施形態において、キャリアガスは基板を収容するプロセスチャンバー内に送給される前に分流され得る。幾つかの実施形態において、キャリアガスは1以上のプロセスガスとともにプロセスチャンバー内に送給される。キャリアガスの例は、アルゴン、水素、ヘリウム及びこれらの組み合わせを含む。
【0059】
キャリアガスと同じ組成を有し得る希釈ガスを、垂直成長マスクを堆積するためのプロセスガスとともに用いることができるか、または別の工程において導入することができる。希釈ガスは、垂直成長マスクを堆積するために用いられる金属ハロゲン化物から分解することができるハロゲン種によるエッチングやトリミングを制限するために用いることができる。希釈ガスは、ハロゲン属のスカベンジングを容易にするためにプラズマとともに点火され得る。
【0060】
垂直成長マスクを堆積するために送給されるガスの組成は、堆積された垂直成長マスクの堆積プロファイルに影響を与える場合がある。特に、プロセスガスの比率は、垂直成長マスクの方向性及び成長速度を調整するために用いることができる。例えば、幾つかの実施形態において、六フッ化物タングステンと水素との比は、パターン化したエッチングマスクの限界寸法の約150%内の限界寸法を有する垂直方向に堆積した垂直成長マスクを達成するために、約1:0~約1:5の間である。
【0061】
特に、幾つかの実施形態において、垂直成長マスクは、六フッ化物タングステンをアルゴン及び水素の混合物とともに導入し、プラズマに点火することによって堆積され得る。
【0062】
プラズマは、パターン化マスクのフィールド領域を、プロセスガス雰囲気下でプラズマに経時的に曝露することによって、結果として垂直成長マスクの厚さを増大させ、一方で、垂直成長マスクの限界寸法を、パターン化したエッチングマスクの限界寸法と実質的に同じに、例えば約10%内または約5%内にするように選択されるが、プラズマ出力や周波数に限定されないプロセス条件を用いて点火される。
【0063】
幾つかの実施形態において、堆積プロセスのためにプラズマに点火し、プロセスガスを、パターン化したエッチングマスクのフィールド領域と反応させる。幾つかの実施形態において、プロセスガスは基板と反応するか、または、パターン化したエッチングマスクのフィールド領域の表面上に吸着される。各種実施形態において、堆積は、パターン化したエッチングマスクの側壁より、パターン化したエッチングマスクのフィールド領域において堆積がより早く生じるように優先的にまたは選択的に行われる。幾つかの実施形態において、パターン化したエッチングマスクの側壁には、実質的に堆積がなされない。各種実施形態において、プロセスガスは、チャンバー内にガス状で導入され、任意にはアルゴン、ヘリウム、水素、またはこれらの組み合わせ等のキャリアガスによって導入され得る。プロセスガスプラズマから発生する種は、基板を収容するプロセスチャンバー内にプラズマを形成することによって直接的に生成させることができるか、またはこれらは、基板を収容しないプロセスチャンバー内で遠隔的に生成させることができ、基板を収容するプロセスチャンバー内部に送給されることができる。
【0064】
幾つかの実施形態において、プラズマは、その場において形成され、それによって、プラズマはチャンバー内の基板表面上で直接的に形成される。各種実施形態において、プラズマは、誘導結合プラズマまたは容量結合プラズマである。幾つかの実施形態において、約0V~約500Vの間のバイアス(電圧)を、基板を保持する台座に印加して、荷電プラズマ化学種を、基板に向かって方向性をもって移動させる。
【0065】
各種実施形態において、単一のウエハに対するプラズマ出力は、約100W~約500Wの間である。プラズマは、高周波及び/または低周波のプラズマを用いて発生させ得る。
【0066】
工程140において、基板温度は、約20℃~約80℃の間の温度に設定され得る。基板温度は、基板自体を加熱または冷却するために、半導体基板を保持する台座に対して設定される温度であり、いかなる所与の時間においても、まさに基板自体の温度であることは必ずしも必要ではないことが理解されよう。
【0067】
工程140は、チャンバー圧が約10mTorr~約100mTorrの間に設定されているプロセスチャンバー内において行われ得る。所定の堆積速度及び特定の堆積プロファイルを得るために、必要に応じて調整できる。幾つかの実施形態において、垂直成長マスクの限界寸法がパターン化したエッチングマスクの限界寸法の約150%内となるように垂直成長を大きくするために調整される。
【0068】
各種実施形態において、堆積速度、堆積プロファイル、及び堆積の方向性(すなわち、堆積した垂直成長マスク用の所定形状を達成すること)は、プラズマ出力、チャンバー圧、基板温度、及び/または、垂直成長マスクを堆積するために流される複数のガスのガス流の組成、及び/または、ガス流の流速、及び/または、ガス流の流量比等のプロセス条件を修正することよって達成される。堆積の選択性はまた、垂直成長マスクがその上に堆積される材料、及び、基板上の他の曝露領域に依存する。
【0069】
例えば、タングステン垂直成長マスクの堆積は、曝露された炭素含有材料に対して、DARC材料上に行われる。特に、タングステン垂直成長マスクの堆積は、曝露された不定形炭素含有材料に対してシリコン酸窒化材料上で達成することができる。幾つかの実施形態において、垂直成長マスクの堆積は、曝露されたDARC材料に対して、高分子BARC材料上で達成することができる。
【0070】
選択的堆積は、特定のフィーチャ形状寸法を用いても達成することができる。例えば、堆積前のパターン化したエッチングマスクのポジ型フィーチャ間の空間のアスペクト比は、約50:1~約200:1にわたることができる。垂直成長マスクの選択的堆積は、堆積前におけるパターン化したエッチングマスクのポジ型フィーチャ間のネガ型フィーチャの幅が約10nmから約200nmの場合に達成することができる。垂直成長マスクの選択的堆積は、パターン化したエッチングマスクのポジ型フィーチャ間のネガ型フィーチャの深さが少なくとも約20nmである場合に達成することができる。
【0071】
工程140は、1以上のプロセスガスと1以上のキャリアガスとを同時に導入し、プラズマ強化原子層堆積(PECVD)型プロセスにおいてプラズマに点火することによって行われ得る。
【0072】
工程140は、1以上のプロセスガスと1以上のキャリアガスとを交互のパルスで導入し、プラズマ強化原子層堆積(PEALD)型プロセスにおいて、プロセスガス導入中またはキャリアガス導入中の少なくとも一方もしくは両方の際にプラズマの点火をすることによって行われ得る。
【0073】
交互パルス堆積は、サイクルを繰り返すことによって行われる。サイクルは、第1のガスの1つのパルスと、第2の異なるガスの1つのパルスとを含んでもよく、ここで、第1のガスのパルス中は、第2のガスは流されず、第2のガスのパルス中は、第1のガスは流されない。
【0074】
一例では、工程140の際に行われる堆積サイクルは、六フッ化タングステンの1パルス及びアルゴン/水素混合物の1パルスである。
【0075】
堆積サイクルにおける各パルスは、特定の期間であることが可能である。第1のガスのパルス及び第2のガスのパルスは、異なった期間を有し得る。第1のガスのパルス及び第2のガスのパルスは、同じ期間を有し得る。一例では、六フッ化タングステンの1パルスは約100ミリ秒から約10秒の間の値であってもよく、一方、アルゴン/水素混合物の1パルスは約100ミリ秒から約10ミリ秒の間の値であってもよい。
【0076】
幾つかの実施形態において、第2のガスは、基板をスカベンジングまたは処理するために用いられる。例えば、幾つかの実施形態において、特定のパターン化したエッチングマスクを長期にわたって六フッ化タングステンに暴露することによって、結果として、パターン化したエッチングマスクが劣化することがあり、及び/または、パターン化したエッチングマスクの下方に配置したターゲット層を長期にわたって六フッ化タングステンに曝露することによって、ターゲット層が劣化することがある。六フッ化タングステンの導入と、基板の表面をスカベンジングすることができるキャリアガスまたはキャリアガスの混合物の導入を交互に行うことによって、パターン化したエッチングマスク及びターゲット層の望ましくないエッチングやトリミングを防止することができる。キャリアガスのパルスの期間中にプラズマが点火されてもよい。
【0077】
周期的堆積についての各種実施形態において、プロセスガスとキャリアガスの交互パルスの各種サイクルは、例えば、少なくとも約2サイクル、または約3サイクル~約20サイクルである。加えて、各パルスの時間が変化し得るため、サイクルの数は、各パルスの期間に加えて、垂直成長マスクの所望の厚みに依存し得る。
【0078】
幾つかの実施形態において、プロセス条件は、所望の堆積プロファイルに依存しており、サイクル間で変化し得る。
【0079】
図1に戻って説明すると、工程160において、パターン化したエッチングマスクの下方に配置されるターゲット層は、パターン化したエッチングマスク及び堆積された垂直成長マスクとをマスクとして用いてエッチングされる。パターン化したエッチングマスク及び堆積された垂直成長マスクは、類似した限界寸法を有し、一方で、ピッチは同じに維持され、マスクのフィーチャ間の空間は、パターン化したエッチングマスク材料及び垂直成長マスク材料の両方を含む側壁によってフランクされる。エッチングは、これらのフィーチャを、ターゲット層をエッチングにするために選択的に用いられる化学物質を用い、マスクとして使用することによって行われ、それによって、ターゲット層のエッチング速度が、実質的に、垂直成長マスクのエッチング速度より大きくなるようになされる。エッチング速度は、使用するエッチングガスの組成及びプロセス条件に依存する。エッチングガスは、ターゲット層の材料や、ターゲット層がエッチングされ得る深さに依存する。
【0080】
一例では、ターゲット層は無定形炭素層であり、用いられるエッチングガスは、CxFyHz(ここで、xは1~4、yは1~8、zは1~6である)の化学式を有するフルオロカーボンを含む。エッチング中にプラズマが点火され得る。プラズマは、単一のウエハに対して約50W~約3000Wの間のプラズマ出力を用いて点火され得る。300Wのプラズマ出力を用いて点火したCF4プラズマを用いた無定形炭素のエッチング速度は、タングステン垂直成長マスクのエッチング速度より、少なくとも約1.5倍を上回り得る。
【0081】
エッチングは、ターゲット層がマスクより速くエッチングされるように選択的に行われ得るが、幾つかの実施形態においては、垂直成長マスクは、ターゲット層に対するエッチング化学物質の長時間の曝露によって劣化する場合があることが理解されよう。各種実施形態において、ターゲット層のエッチングは、工程140を繰り返し、その後、工程160におけるエッチングを継続することによって追加の垂直成長マスクを堆積するために、一時的に停止され得る。
【0082】
幾つかの実施形態において、工程140と工程160とは同時に行われる。すなわち、幾つかの実施形態において、垂直成長マスクの堆積は、プロセスガスの選択を導入し、温度とプラズマ出力を含むプロセス条件を、ターゲット層のエッチング中における垂直成長マスクの欠乏を少なくするように調整することによって生じさせることができる。具体的な例を以下にさらに説明する。
【0083】
ターゲット層のエッチングと、垂直成長マスクの堆積とを同時に行うことは、多くの利点を有する。第1に、ターゲット層をエッチングするために用いられるのと同じチャンバー内に、垂直成長マスクを堆積するために用いられるガスを送給し、同時にターゲット層をエッチングするために用いられるエッチングガスを流入し、これによって、効率を高め、チャンバー間、ステーション間、あるいはマスクを形成したりターゲット層をエッチングしたりするためのツール間におけるウエハの移動を回避することができる。第2に、垂直成長マスク堆積化学物質は連続的に導入されるため、ターゲット層をエッチングするに際して、マスクを劣化させるリスクがほぼないか、ない。これによって、長時間のエッチング用化学材料への曝露を伴う非常に厚い材料のエッチングを、非常に厚い材料のエッチングの際にマスクを劣化することなく行うことを可能にすることができる。例えば、エッチングしようとするターゲット層は、約500nm~約5000nmの厚さを有することができる。第3に、プロセス条件を丁寧に調整することによって、堆積した垂直成長マスクは、パターン化したエッチングマスクの限界寸法と実質的に同じ限界寸法を有することが可能になり、そのため、ターゲット層が垂直成長マスク堆積用の各種ガスに曝露されたとしても、垂直成長マスクは、パターン化したエッチングマスクのフィールド領域上にのみ、または堆積した垂直成長マスクのフィールド領域上にのみ堆積し、パターン化したエッチングマスクと垂直成長マスクとの間の空間の側壁にはほとんどまたは全く堆積しない。
【0084】
垂直成長マスクを同時にエッチングし堆積させることは、プロセス条件とガス流を調節してターゲット層の許容エッチング速度を達成すると同時に、垂直成長マスクの厚さを維持しながら、ターゲット層のエッチング中にマスクの劣化を防止することを包含する。幾つかの実施形態において、工程140と160とを同時に行うことは、ターゲット層をエッチングするために適切な1以上のガスと、垂直成長マスクを堆積するために適切な1以上のガスとを一緒に導入することを包含する。ターゲット層をエッチングするために適切な1以上のガスは、工程160に関して上述されている。垂直成長マスクを堆積するために適切な1以上のガスは、工程140に関して上述されている。幾つかの実施形態において、ターゲット層をエッチングするために適切な1以上のガスは、フルオロカーボンガスを含む。幾つかの実施形態において、垂直成長マスクを堆積するために適切な1以上のガスは、タングステン含有ガスを含む。各種実施形態において、タングステン含有ガスの流量とフルオロカーボンガスの流量との比率は、ターゲット層のエッチング速度及び垂直成長マスクの堆積速度に影響する。各種実施形態において、ターゲット層が無定形炭素であり、垂直成長マスクがSiONパターン化エッチングマスク上に堆積したタングステンマスクである場合、四フッ化炭素ガスの流量と六フッ化タングステンガスの流量との比率は、約20:1~約1:1の間である。幾つかの実施形態において、フルオロカーボンガスは、送給されるすべてのガスの全流量の約80%より少ない流量で送給される。各種実施形態において、エッチングと堆積とを同時に行うことによって、結果として、垂直成長マスクの0.5nm/secの正味堆積速度に対して、ターゲット層の正味エッチング速度を1nm/secとすることができる。
【0085】
一例では、ターゲット層は無定形炭素層であり、垂直成長マスクは、限界寸法50nmを有するSiONパターン化エッチングマスク上に堆積したタングステンマスクであり、垂直成長マスクは、基板温度60℃、チャンバー圧20mTorrで3サイクル行うことによって堆積され、各サイクルは、10秒間にわたる流量30sccmの六フッ化タングステンの1パルスと、アルゴン流量が200sccmであり、水素流量が200sccmであるアルゴン/水素プラズマの1パルスとを含み、この場合、基板温度60℃及びチャンバー圧20mTorrで、プラズマ出力300Wで点火される。堆積した垂直成長マスクは、50nmの限界寸法と50nmの厚さとを有し、SiONパターン化エッチングマスクの側壁上にはタングステンマスクは堆積されない。
【0086】
他の一例では、ターゲット層は無定形炭素層であり、垂直成長マスクは、限界寸法50nmを有するSiONエッチングパターン化マスク上に堆積したタングステンマスクである。垂直成長マスクを堆積すると同時に無定形炭素層がエッチングされる。垂直成長マスクは、六フッ化タングステンを流量約10sccmで、フルオロカーボンガス(例えば、CH2F2及びSF6)を流量50sccmで導入し、ヘリウム流量が300sccmであるヘリウムプラズマを、基板温度40℃、チャンバー圧10mTorrで、プラズマ出力300Wで点火することにより堆積される。堆積した垂直成長マスクは50nmの限界寸法と50nmの厚さを有し、SiONエッチングパターン化マスクの側壁上にはタングステンマスクは堆積されず、エッチングされる無定形炭素層の量は20Aより少ない。
【0087】
幾つかの実施形態において、工程140と工程160とは、交互の順次的工程として、工程140の後に工程160を含むサイクルを繰り返し、サイクルを複数回繰り返すことによって行われる。幾つかの実施形態において、工程140は、工程160が一定期間にわたって行われた後に行われそれによって、工程140が、工程160の際に劣化した垂直成長マスクを再生するように機能するようになされる。
【0088】
特定の例を以下にさらに説明する。
【0089】
図2は、開示されたある実施形態によって行われる工程を図示するプロセスフロー図である。
図2は、パターン化したフォトレジストのパターンを反射防止層に転写し、パターン化した反射防止マスク上に垂直マスクを選択的に堆積して、反射防止層と垂直マスクとの両方を含む多層マスクを形成し、多層マスクを用いてターゲット層をエッチングするプロセスフローの一例を提供する。
【0090】
工程220において、ターゲット層上の反射防止層上に、パターン化したフォトレジストを有するパターン化した半導体基板が用意される。幾つかの実施形態において、2以上の反射防止層に加えて、例えばキャップ層、バリア層等の他の層を基板上に設けることができることが理解されよう。
【0091】
図3は、工程220において用意され得る半導体基板の一例を示す模式図である。本明細書では、特定の材料が記載され、特定の積層形態が
図3に図示されているが、
図2の工程220において、他の半導体基板を用意してもよいことが理解されよう。
【0092】
図3は、ターゲット層300を含み、これは、任意の適切な材料であり得る。幾つかの実施形態において、ターゲット層300は無定形炭素層であり得る。ターゲット層300に被せられているのはDARC層302であり、これは、幾つかの実施形態においては、シリコン含有材料、例えば酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコンのうちの任意の1以上であってもよい。DARC層302上には、BARC層305が形成されており、これは、スピンオン法によって堆積された高分子材料であってもよい。BARC層305の頂面は、パターン化したフォトレジスト307を含み、フォトレジスト307は、リソグラフィでパターン化されてもよく、シリコン、炭素、または両方を含んでもよい。
【0093】
図2に戻って、工程230において、反射防止層をエッチングして、パターン化したエッチングマスクを形成する。工程230においては、反射防止層をエッチングするために適切なエッチングガスを送給し、層を形成する材料に依存して、任意には、プラズマに点火してバイアス(電圧)を印加することを包含する。エッチングは、反射防止層の下層に対して選択的に行われ、下層がエッチングされることを防止する。
【0094】
図4及び
図5は、工程230において反射防止をエッチングした後の半導体基板の例を図示する概略図である。
図4は、ターゲット層300とDARC層302とを有する基板を示し、
図3のBARC層305をエッチングして、パターン化したBARC層405を形成する。これによって、パターン化したBARC層405を含むパターン化したエッチングマスクを形成し、その後これを、DARC層302のような下層をエッチングするために用いることができる。
【0095】
幾つかの実施形態において、工程230は、DARC層302のエッチングをさらに含む。
図5は、ターゲット層300を有する基板を示し、ここで、BARC層305をエッチングして、パターン化したBARC層405を形成した後、DARC層302をエッチングして、パターン化したDARC層502を形成する。パターン化したフォトレジスト307は、異なった反射防止層をエッチングすることによって除去され、及び/または劣化する。これによって、パターン化したBARC層405と、パターン化したDARC層502との両方を含むパターン化したエッチングマスクを形成する。
【0096】
図2に戻って、工程240において、工程230で形成したパターン化したエッチングマスクの露出フィールド領域上に、垂直成長マスクを堆積する。工程240は、
図1に関して上述されたように、工程140に関して記載した適切なプロセスガス、プロセス条件及び他のフィーチャのいずれかを用いて行われ得る。例えば、垂直成長マスクは、タングステン含有前駆材料と、アルゴン及び水素混合ガスの1以上の交互のサイクルを用い、一方で、プラズマに点火することによって堆積することができる。
【0097】
図6A及び
図6Bは、垂直マスクを、ターゲット層300上に堆積させることなく、また、ターゲット層300をエッチングすることなく、選択的に堆積する一例を示す。
図6Aは、
図5に続いて基板を示し、同基板は、ターゲット層300と、パターン化したBARC層405と、パターン化したDARC層502とを含む。垂直成長マスク600は、タングステンであってもよく、パターン化したBARC層405のフィールド領域上に堆積され、パターン化したBARC層405またはパターン化したDARC層502の側壁上、もしくはターゲット層300の露出表面上には、垂直成長マスク600はほとんどまたは全く堆積されない。
【0098】
図6Bは、
図2の工程240が、より厚い垂直成長マスク620を形成するために十分な期間行われた後の基板を示す。
図6Bに示すように、基板は、パターン化したBARC層405またはパターン化したDARC層502の側壁上、もしくはターゲット層300の露出表面上に垂直成長マスク600を堆積させることなく、垂直マスク620の選択的な垂直堆積を可能にするようなプロセスガス及びプロセス条件に曝露されることができる。より厚い垂直成長マスク620の限界寸法は、パターン化したDARC層502及びパターン化したBARC層405の限界寸法とほぼ同じである。
【0099】
図2に戻って、工程260において、ターゲット層300は、パターン化したエッチングマスク及び垂直マスクをマスクとして用いてエッチングされる。工程260は、
図1に関して上述された工程160に関して記載した適切なプロセスガス、プロセス条件及び他のフィーチャのいずれかを用いておこなうことができる。
【0100】
図1の堆積及びエッチング工程と同様に、工程240と工程260は同時に行われてもよく、または別々の工程として行われてもよく、複数サイクルで繰り返されてもよい。工程140及び工程160に関して上述された、同時、順次的、及び繰り返される工程の変形は、工程240と工程260にも適用され得る。
【0101】
図7A及び
図7Bは、垂直マスクの堆積を、ターゲット層上へ堆積させることなく、かつ、ターゲット層をエッチングすることなく選択的に形成し、同時にターゲット層をエッチングする一例を示している。
【0102】
図7Aは、
図5に続いて基板を示している。図示するように、基板は、ターゲット層300と、パターン化したBARC層405と、パターン化したDARC層502とを含む。垂直成長マスク700は、タングステンであってもよく、BARC層405のフィールド領域上に堆積され、パターン化したBARC層405またはパターン化したDARC層502の側壁上、もしくはターゲット層300の露出表面上には、垂直成長マスク700はほとんどまたは全く堆積されない。
【0103】
図7Bは、基板を示し、ここで、
図2の工程240および260は、ターゲット層300にネガ型フィーチャ702を形成するために、ターゲット層300の大部分をエッチングして、エッチングされたターゲット層307を形成するために同時に十分な期間をもって行われる。この間、垂直成長マスク700の厚みが維持され、及び/または、追加される。垂直成長マスク700を堆積するための各種ガスと、ターゲット層300をエッチングするための各種ガスの両方に基板を連続的に曝露することによって、上記した結果を得ることができる。
図7Bに示す垂直成長マスク700の厚みは、
図7Aに示す垂直成長マスク700の厚みと大体同じとなっている。しかし、幾つかの実施形態において、垂直成長マスク700の厚みは、ターゲット層300をエッチングするための各種ガス及び垂直成長マスク700を堆積するための各種ガスの両方に基板を連続して曝露した後の垂直成長マスク700の厚みと異ならせる(厚いまたは薄い)ことができることは理解されたい。
【0104】
図8A及び
図8Bは、垂直マスクの堆積及びターゲット層のエッチングが周期的プロセスにおいて交互のパルスで行われる例を示している。垂直マスクは、ターゲット層に堆積を生じることなく、かつ、ターゲット層をエッチングすることなく、選択的に形成される。
【0105】
図8Aは、工程260の後の、
図5に続く基板を示し、エッチング前の垂直成長マスク800のプロファイルは、パターン化したBARC層405とパターン化したDARC層502とをマスクとして用いて、ターゲット層300をエッチングするためのエッチング液に曝露され、一部がエッチングされたターゲット層308が形成される。この工程においてエッチングされるターゲット層300の量が、矢印801で示され、一方で、垂直成長マスク800は、いくらかの材料がエッチングされ、結果として垂直成長マスク810がエッチングされ得る。これは、垂直成長マスク800のエッチング速度をターゲット層300のエッチング速度より実質的に遅いが、曝露時間が、垂直成長マスク800のいくらかをエッチングするために十分な長さである場合に生じ得る。
【0106】
図8Bは、
図8Aに続く基板を示し、工程240が繰り返されて、部分的にエッチングしたターゲット層308をエッチングすることなしに、または、例えば、タングステン等の垂直成長マスク材料を、パターン化したBARC層405、及びパターン化したDARC層502の側壁上に、または一部エッチングしたターゲット層308の表面上に堆積することなしに、垂直成長マスク820を補充する。
【0107】
図8Cは、
図8Bに続く基板を示し、工程260が繰り返されて、部分的にエッチングしたターゲット層308をさらにエッチングして、付加的にエッチングされたターゲット層318が形成され、これによって、矢印802で示すように、さらに厚みを薄くされる、
図8Bに続く基板を示す。エッチングによって、補充された垂直成長マスク820の一部をさらに除去し、付加的にエッチングされた垂直成長マスク821を形成し得る。工程240及び260は、周期的に交互に繰り返して行い、ターゲット層のエッチングを継続する一方で、垂直成長マスクを補充することができる。幾つかの実施形態において、垂直成長マスクは、垂直成長マスクの再堆積が行われないような十分な厚みに堆積する。幾つかの実施形態において、垂直成長マスクは、垂直成長マスクの再堆積が、堆積した垂直成長マスクの組成及び厚みに依存して変化することができる、エッチングされたターゲット層の厚み当たり1回のみ行われるようなある厚みまで堆積する。幾つかの実施形態において、厚い垂直成長マスクを堆積し、その後、追加的に垂直成長マスクの再堆積を必要とせずに、特に、垂直成長マスク用の材料と相対的に、堆積エッチング用化学材料がターゲット層のエッチングに非常に選択性を有する場合に、ターゲット層のエッチングを行うことが可能である。
【0108】
本明細書で説明された各種実施形態は、極紫外線(EUV)パターニング、炭素含有材料またはドープド炭素含有材料のエッチング等の3D NANDマスクエッチング、及び打ち抜き用途等を含む様々な用途に使用されることができる。打ち抜き用途の一例は、高アスペクト比の孔及び溝パターンをエッチングして、孔や溝の底部でターゲット膜を「打ち抜く」プロセスであり、フィーチャの頂部の膜の損失が最小に抑えられる。BARC層やDARC層を有する積層体上の炭素含有層をエッチングするための上記した幾つかの例は、EUVパターニングプロセスに相当し得る。
【0109】
[装置]
誘導結合プラズマ(ICP)反応器は、幾つかの実施形態においては、垂直成長マスクの堆積と、垂直マスクを用いたターゲット層のエッチングとの両方を含む、ある開示された実施形態を行うのに適切であり得る。また、そのようなICP反応器は、2013年12月10日に出願された米国特許出願公開公報第2014/0170853号、発明の名称「IMAGE REVERSAL WITH AHM GAP FILL FOR MULTIPLE PATTERNING」に記載されており、その全体がすべての目的において、参照により本明細書に組み入れられる。本明細書中にICP反応器が開示されているが、幾つかの実施形態では、容量結合型プラズマ反応器が用いられてもよいことが理解されるべきである。
【0110】
図9は、本明細書中における実施形態を実行するのに適した誘導結合プラズマ統合型エッチング及び堆積装置900の模式的断面図を示し、その一例は、カリフォルニア州フロモントのLam Research Corp製のKiyo(登録商標)反応器である。誘導結合プラズマ装置900は、チャンバー壁901と窓911によって構造的に区画される全体プロセスチャンバー901を含む。チャンバー壁901は、ステンレス鋼またはアルミニウムから製造され得る。窓911は、石英または他の誘電体材料を用いて製造され得る。任意の内部プラズマグリッド950は、全体プロセスチャンバー901を、上部サブサブチャンバー902と下部サブサブチャンバー903とに分割する。大部分の実施形態において、プラズマグリッド950が取り除かれ、それによって、サブチャンバー902及び903からなるチャンバー空間を利用し得る。チャック917は、下部サブチャンバー903内の底部内面の近傍に位置付けられる。チャック917は、エッチング及び堆積プロセスが行われるときに半導体ウエハ919を受載し保持するように構成される。チャック917は、ウエハ919があるときは、それを支持するための静電チャックであることが可能である。幾つかの実施形態において、縁リング(図示せず)は、チャック917を取り囲み、チャック917上にウエハ919が存在するとき、ウエハ919の頂面と略面一になる上面を有する。チャック917は、さらに、ウエハを把持したり、把持を解除したりするための静電電極を含む。この目的のために、フィルターと、DCクランプ電源(図示せず)が設けられてもよい。また、チャック917からウエハ919を持ち上げるための他の制御システムを用いることもできる。RF電源923を用いて、チャック917を充電することができる。RF電源923は接続927を介してマッチング回路921に接続される。マッチング回路921は、接続925を介してチャック917に接続される。このようにして、RF電源923は、チャック917に接続される。
【0111】
プラズマを発生させるための構成要素は、窓911上方に位置付けられたコイル933を含む。幾つかの実施形態において、開示された実施形態では、コイルを使用しない。コイル933は、導電材料から製造され、少なくとも完全な一巻きを含む。
図9に示すコイル933の断面の例は、3巻きを含む。コイル933の断面は、記号によって示されており、「X」を有するコイルは、ページ内を回転伸延し、一方、「●」を有するコイルは、ページ外に回転伸延する。プラズマを発生させるための構成要素は、また、RF出力をコイル933に送給するためのRF出力電源941を含む。一般に、RF出力電源941は、結合945を介してマッチング回路939に接続されている。マッチング回路939は、接続943を介してコイル933に接続されている。このようにして、RF出力電源941は、コイル933に接続される。任意のファラデーシールド949が、コイル933と窓911との間に位置付けられる。ファラデーシールド949は、コイル933に対して、間隔をあけた関係で維持される。ファラデーシールド949は、窓911の直上に配置されている。コイル933、ファラデーシールド949、及び窓911は、相互に実質的に平行であるように各々構成される。ファラデーシールドは、金属または他の種が、プラズマチャンバー901の誘電体窓上に堆積するのを防止し得る。
【0112】
プロセスガス(例えば、六フッ化タングステン等のハロゲン化金属、アルゴン、水素、フルオロカーボン等)を、上部チャンバー902内に位置する1以上の主ガス流入口960、及び/または、1以上の側部ガス流入口970を通して、プロセスチャンバー901内に流入させてもよい。同様に、明示していないが、容量結合したプラズマ処理チャンバーにプロセスガスを送給するために、同様なガス流入口を設けてもよい。真空ポンプ、例えば一段または二段の機械式乾燥ポンプ及び/または、ターボ分子ポンプ940等を用いて、プロセスガスをプロセスチャンバー901から引き出し、プロセスチャンバー901内の圧力を維持してもよい。例えば、ハロゲン種がマスクをトリミングしたりエッチングしたりするのを防止するために行うスカベンジング工程において、ポンプを用いて、チャンバー901内のガスをパージしてチャンバー901内を排気してもよい。弁制御導管を用いて、真空ポンプを処理チャンバー901に流体接続し、これによって、真空ポンプによる真空雰囲気の適用を選択的に制御してもよい。これは、プラズマ処理を行っている際に、絞り弁(図示せず)または振り子弁(図示せず)等の閉ループ型流量制御装置を採用することによってなされ得る。同様に、容量結合型プラズマ処理チャンバーに対し、真空ポンプ及び弁制御流体接続を採用してもよい。
【0113】
装置の動作中、1以上のプロセスガスが、プロセスチャンバー901中にガス流入口960及び/またはガス流入口970を通して送給され得る。ある実施形態において、プロセスガスは主ガス流入口960のみを通して、または、側部ガス流入口970のみを通して送給され得る。場合によっては、図に示すガス流入口は、より複雑なガス流入口、例えば、1以上のシャワーヘッドと置き換えることができる。ファラデーシールド949及び/または任意の格子950は、プロセスガスをチャンバー901へ送給することを可能にする内部チャンネル及び孔を含み得る。ファラデーシールド949及び/または任意の格子950のいずれかあるいは両方を、プロセスガスを送給するためのシャワーヘッドとして機能させてもよい。幾つかの実施形態において、液体蒸発送給システムは、チャンバー901の上流側に配置してもよく、それによって、液状の反応材料または前駆材料がいったん蒸発すると、蒸発した反応材料または前駆材料は、ガス流入口960及び/またはガス流入口970を通してチャンバー901内に導入される。
【0114】
無線周波数出力は、RF電源941からコイル933に送給され、コイル933を通してRF電流を流れさせる。コイル933を流れるRF電流は、コイル933の回りに電磁場を発生させる。電磁場は、上部サブチャンバー902内に誘導電流を発生させる。発生した各種イオン及びラジカルとウエハ919との物理的及び化学的反応によって、フィーチャが選択的にエッチングされ、かつ、ウエハ上に層が堆積される。
【0115】
プラズマグリッドが、上部サブチャンバー902及び下部サブチャンバー903の両方が存在する状態で用いられる場合、誘導電流は上部サブチャンバー902内に存在するガスと反応し、上部サブチャンバー902内に電子―イオンプラズマを発生させる。任意の内部プラズマグリッド950は、下部サブチャンバー903内のホットエレクトロンの量を制限する。幾つかの実施形態において、下部サブチャンバー903内に発生するプラズマがイオンーイオンプラズマとして存在するように、装置が設計され、動作する。
【0116】
上側の電子―イオンプラズマと下側のイオン-イオンプラズマの両方ともが、陽イオンと陰イオンを含有していてもよいが、イオン-イオンプラズマは、陽イオンに対してより多くの陰イオンを有する。エッチング及び/または堆積による揮発性の副産物は、下部サブチャンバー903から流出口922を通して除去される。本明細書において、チャック917は、約10℃~約250℃の温度上昇範囲で動作し得る。温度は、プロセス工程及び具体的な製法に依存する。
【0117】
チャンバー901は、クリーンルームや製造設備に設置される際に、設備(図示せず)に結合され得る。設備は、処理ガスを給送する配管と、真空発生装置と、温度制御装置と、雰囲気粒子制御装置とを含む。これらの設備は、ターゲット製造設備に設置される際にチャンバー901に結合される。加えて、チャンバー901は、典型的なオートメーションを用いて、ロボティックスが半導体ウエハをチャンバー901の内外に移送することを可能にする移送チャンバーに結合され得る。
【0118】
幾つかの実施形態において、システムコントローラ930(1以上の物理的または論理的コントローラを含み得る)は、プロセッシングチャンバーにおける幾つかのまたはすべての処理を制御する。システムコントローラ930は、1以上のメモリデバイスと、1以上のプロセッサを含み得る。幾つかの実施形態において、装置は、開示された実施形態が実施される際の流量や時間を制御するための切り換えシステムを含む。幾つかの実施形態において、装置は、最大約500ms~最大約750msの切り替え時間を有する。切り換え時間は、流れる化学材料、選択した製法、反応器の構造、及び、その他の要因に依存し得る。
【0119】
幾つかの設備において、コントローラ930は、システムの一部であり、上記した例の一部で有り得る。そのようなシステムは、半導体処理機器を含むことができ、処理ツールまたは複数のツール、チャンバーまたは複数のチャンバー、処理のためのプラットフォームまたは複数のプラットフォーム、及び/または、特定の処理構成要素(ウエハ台座、ガスフローシステム等)を含む。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板を処理する前、処理中または処理した後に、同システムを制御するエレクトロニクスと、一体化され得る。電子機器は、「コントローラ」であってもよく、コントローラは、システムまたは複数のシステムの各種構成要素やサブパーツを制御し得る。コントローラ930は、処理パラメータ及び/またはシステムのタイプに依存して、実施形態に開示されているあらゆる処理を制御可能にプログラムされ得、例えば、処理ガスの送給、温度設定(例えば、加熱/冷却)、圧力設定、真空設定、出力設定、無線周波数(RF)発生器の設定、RFマッチング回路の設定、周波数設定、流量設定、流体送給設定、位置及び処理設定、ツールへのウエハの移送及びツールからのウエハの移送、ツールの他の移送、及び/または、特定のシステムとの結合または結合のための負荷のロックを含む。
【0120】
広義に解釈して、コントローラ930は、命令を受け、命令を出し、処理を制御し、クリーン処理を可能とし、端末の測定を可能とする、各種集積回路、論理回路、メモリ、及び/または、ソフトウェア等を有する電子機器として定義できる。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアとしてのチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)と定義されるチップ、及び/または、プログラム命令(例えば、ソフトウエア)を実行する1以上のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラー等を含み得る。プログラム命令は、各種の個々の設定(または、プログラムファイル)の形式でコントローラに伝達される命令であり、かつ、半導体ウエハ上に、または半導体ウエハのためになされる、または、システムに対する特定のプロセスを実施するための処理パラメータを定義する命令であり得る。幾つかの実施形態において、処理パラメータとは、層、処理ウエハの材料、金属、酸化物、シリコン、酸化シリコン、表面、回路、及び/または、ウエハのダイのうちの1以上の製造の際に、1以上の処理ステップを達成するために、プロセス技術者が定義する製法の一部であり得る。
【0121】
幾つかの実装において、コントローラ930は、システムと一体化されたまたは結合された、換言すれば、システムとネットワーク化されたコンピュータの一部であるか、またはそのコンピュータと結合された部分、またはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、コントローラ930は「クラウド」内に存在し、または、fabホストコンピューターシステムのすべてまたは一部であってもよく、これは、ウエハ処理に遠隔アクセスすることを可能にする。コンピュータは、システムに遠隔からアクセスして、製造処理の現在の進捗状況を監視したり、現在までの製造処理の経過を検討したり、複数の製造処理に基づいて傾向や性能評価基準を検討したり、現在の処理のパラメータを変えたり、処理工程を現在の処理に沿うようにセットしたり、新規プロセスを始めることを可能にし得る。幾つかのケースにおいて、遠隔コンピュータ(例えば、サーバー)は、システムにネットワークを介してプロセス製法を提供することができ、そのようなネットワークは、ローカルなネットワークやインターネットを含み得る。遠隔コンピュータは、パラメータ及び/または設定の導入やプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含み得、それらは、その後、遠隔コンピュータからシステムへ送給される。幾つかの例において、コントローラ930は、データの形式で命令を受け、データは、1または2以上の処理中に行われるべき各プロセッシング工程に用いられるパラメータを特定する。パラメータは、行われるべきプロセスのタイプ、及び、コントローラが相互作用または制御をするように構成されたツールのタイプに対して特定されてもよいことが理解されるべきである。したがって、上記したように、コントローラ930は、一緒にネットワーク化されて、例えば、本明細書中に開示されているようなプロセス及び制御のような共通の目的の処理を行う1以上の分散型コントローラから構成される分散型であってもよい。そのような目的のための分散型コントローラの一例は、遠隔に(プラットフォームレベルで、または、遠隔コンピュータの一部として)位置する1以上の集積回路と通信する、チャンバー上の1以上の集積回路であり、チャンバーに関するプロセスを協働して制御する。
【0122】
制限されるものではないが、システムの例として、プラズマエッチングチャンバーまたはモジュール、堆積チャンバーまたはモジュール、スピンリンスチャンバーまたはモジュール、金属めっきチャンバーまたはモジュール、クリーンチャンバーまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバーまたはモジュール、物理的蒸着(PVD)チャンバーまたはモジュール、化学的蒸着(CVD)チャンバーまたはモジュール、ALDチャンバーまたはモジュール、ALEチャンバーまたはモジュール,イオン注入チャンバーまたはモジュール、トラックチャンバーまたはモジュール等、半導体ウエハの製造及び/または製作に関連し得るかまたは使用され得るその他の半導体プロセッシングシステムを含み得る。
【0123】
上記したように、プロセスステップまたはツールによって行われるステップによって、コントローラは、1以上の他のツール回路やモジュール、他のツール構成要素、クラスターツール、他のツールインターフェース、近接するツール、隣接するツール、工場の全体に亘って配置されているツール、半導体製造工場において、メインコンピュータ、他のコントローラ、ウエハの容器をツール位置及び/または充填ポート間で移送する材料移送に用いられるツールと通信し得る。
【0124】
図10は、真空移送モジュール1038(VTM)と相互作用する各種モジュールを有する半導体プロセスクラスター構造を図示する。ウエハを複数の保管設備と処理モジュールとの間で「移送」する移送モジュール機構は、「クラスターツール構造」システムと称される場合がある。ロードロックまたは移送モジュールとして知られるエアロック1030が、VTM1038中に、4つの処理モジュール1020a~1020dとともに示されてこれは、各種製造プロセスを行うために、個々に、最適化され得る。例を挙げて説明すると、処理モジュール1020a~1020dは、基板のエッチング、堆積、イオン注入、ウエハ洗浄(cleaning)、スパッタリング、及び/または、他の半導体プロセスを行うために実装され得る。幾つかの実施形態において、垂直マスクの堆積、パターン化したエッチングマスクのエッチング、及び、ターゲット層のエッチングのいずれかは、同じモジュールで行われる。幾つかの実施形態において、垂直マスクの堆積、パターン化したエッチングマスクのエッチング、及び、ターゲット層のエッチングのいずれかは、同じツールの異なったモジュールで行われる。例えば、開示した明細書に従って行われる、垂直マスクの堆積、パターン化したエッチングマスクのエッチング、ターゲット層のエッチング、及び他の適当な機能のために、1以上の基板エッチング処理モジュール(1020a~1020dのいずれか)が実装されてもよい。エアロック1030及びプロセスモジュール1020を「ステーション」と称する場合がある。各ステーションは、ステーションをVTM1038と相互作用させるための面1036を有する。センサ1~18が各面内に設けられており、これらのセンサ1~18は、ウエハ1026が各ステーション間を移動する際のウエハ1026の通過を検知するために用いられる。
【0125】
ロボット1022は、ウエハ1026をステーション間で移送する。一実施形態において、ロボット1022は1つのアームを有し、他の実施形態では、ロボット1022は2つのアームを有し、ここで、各アームは、移送するウエハ1026をピックアップするエンドエフェクタ1024を有する。雰囲気移送モジュール(ATM)1040において、先端側ロボット1032を用いて、ウエハ1026を、ロードポートモジュール(LPM)1042内のカセットまたはフロントオープニングユニファイドポッド(FOUP)1034からエアロック1030に移送する。プロセスモジュール1020内部のモジュールセンター1028は、ウエハ1026を位置決めするための1つの場所である。ATM1040におけるアライナー1044は、ウエハを整列させるために用いられる。
【0126】
例示の処理方法において、ウエハは、LPM1042におけるFOUP1034の内の一つに位置決めされている。先端側ロボット1032は、ウエハをFOUP1034からアライナー1044に移送し、これによって、ウエハ1026は、エッチングまたは加工される前に的確にセンターリングされることが可能になる。整列された後、ウエハ1026はエアロック1030まで先端側ロボット1032によって移動される。エアロックモジュールは、ATM及びVTM間で環境を適合させる能力を有するため、ウエハ1026は、破損することなく、二つの圧力雰囲気間を移動することが可能である。ウエハ1026は、エアロックモジュール1030から、VTM1038を通してプロセスモジュール1020a~1020dの1つに、ロボット1022によって移動される。このウエハの移動を達成するために、ロボット1022は、そのアームのそれぞれにおいてエンドエフェクタ1024を用いる。いったんウエハ1026が加工されると、ウエハ1026は、ロボット1022によって、プロセスモジュール1020a~1020dからエアロックモジュール1030に移動される。それから、ウエハ1026は、先端側ロボット1032によって、FOUP1034の1つまたはアライナー1044に移動され得る。
【0127】
ウエハの移動を制御するコンピュータは、クラスター構造にローカルであることができるか、製造フロア内のクラスター構造の外部に位置することができるか、または離隔した位置で、クラスター構造とネットワークを介して結合されることができることに留意すべきである。
図9を参照して説明してきたように、上記したコントローラは
図10のツールとともに設置され得る。
【0128】
本明細書において開示した実装は、ウエハ、基板またはその他のワークピースのような基板上に材料を堆積するものである。ワークピースは各種形状、大きさ、及び材料であってもよい。本出願において、用語「半導体ウエハ」、「ウエハ」、「基板」、「ウエハ基板」、及び、「部分的に製造した集積回路」は、区別なく使用される。当業者には、用語「部分的に製造した集積回路」は、シリコンウエハ上に製造した集積回路の多くの段階のいずれかの間のシリコンウエハについて言及している可能性があることが理解されよう。
【0129】
[結論]
前述の実施形態は、発明の明確な理解のために多少詳しく説明されているが、一定の変更及び修正を添付の特許請求の範囲の範囲内で実施できることは明らかであろう。本実施形態に係るプロセス、システム、装置の実装には多くの代替方法があることに留意すべきである。したがって、本実施形態は、限定的ではなく例示的であると見なされるべきであり、実施形態は、本明細書に述べられる詳細に限定されるべきではない。
【国際調査報告】