(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】次世代リソグラフィにおいて有用なハードマスクを作製する方法
(51)【国際特許分類】
C23C 16/40 20060101AFI20220111BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
C23C16/40
G03F7/20 521
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021526240
(86)(22)【出願日】2019-11-11
(85)【翻訳文提出日】2021-07-13
(86)【国際出願番号】 US2019060742
(87)【国際公開番号】W WO2020102085
(87)【国際公開日】2020-05-22
(32)【優先日】2018-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワイドマン・ティモシー ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ナルディ・ケイティ
(72)【発明者】
【氏名】ウー・チェンハオ
【テーマコード(参考)】
2H197
4K030
【Fターム(参考)】
2H197CA06
2H197CA09
2H197CA10
2H197CE01
2H197CE10
2H197GA01
2H197HA03
4K030BA45
4K030CA02
4K030CA05
4K030FA01
4K030LA11
(57)【要約】
基板表面上のイメージング層が、次世代のリソグラフィ技術を使用してパターン形成されてよく、得られたパターン形成された膜は、例えば、半導体デバイスの生産のためのリソグラフィマスクとして使用されてよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にイメージング層を作製する方法であって、前記方法は、
露出したヒドロキシル基を含む表面を有する基板を提供する工程と;
前記基板の前記表面上にイメージング層としてヒドロカルビル終端SnO
x膜を形成する工程と、を有し、前記ヒドロカルビル終端SnO
x膜は、前記イメージング層に照射することによって開裂可能なスズ-炭素結合を有する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記ヒドロカルビル終端SnO
x膜の前記イメージング層を形成する前記工程は、前記基板の前記表面を、ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤と接触させる工程を含み、前記ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤は、前記イメージング層への照射によって、スズ-炭素結合開裂を受ける、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤は、前記表面と接触する溶液からの可溶性金属酸化物前駆体の付着または成長を防止するためのブロック剤として機能する、方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法であって、前記ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤の化学式が、
R
nSnX
4-n
であり、Rはベータ水素を含むC
2-C
10アルキルまたは置換アルキルであり、Xは、前記露出したヒドロキシル基のヒドロキシル基との反応による脱離基であり、n=1~3である、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、Rは、t-ブチル、t-ペンチル、t-ヘキシル、シクロヘキシル、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、n-ブチル、n-ペンチル、またはn-ヘキシル、およびベータ位置にヘテロ原子置換基を有するそれらの誘導体、からなる群から選択される、方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載の方法であって、Xは、ジアルキルアミド(例えば、ジメチルアミド、メチルエチルアミド、またはジエチルアミド)、アルコール(例えば、t-ブトキシ、イソプロポキシ)、およびハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)、からなる群から選択される、方法。
【請求項7】
請求項2に記載の方法であって、前記ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤は、t-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、n-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、t-ブチルトリス(ジエチルアミノ)スズ、イソプロピルトリス(ジメチルアミノ)スズ、t-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、n-ブチル(トリス(t-ブトキシ)スズ、ジ(t-ブチル)ジ(ジメチルアミノ)スズ、secブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、n-ペンチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、イソブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、イソプロピルトリス(ジメチルアミノ)スズ、t-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、n-ブチル(トリス(t-ブトキシ)スズ、およびイソプロピルトリス(t-ブトキシ)スズ、からなる群から選択される、方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の方法であって、前記基板は、非晶質炭素(a-C)、SnO
x、SiO
2、SiO
xN
y、SiO
xC、Si
3N
4、TiO
2、TiN、W、Wドープ炭素、WO
x、HfO
2、ZrO
2、Al
2O
3、またはBi
2O
3を含む、方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の方法であって、前記提供する工程は、前記基板材料の前記表面上にヒドロキシル終端SnO
x層を形成する工程を含む、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記形成する工程は、気相堆積によって前記表面上にヒドロキシル終端SnO
x層を堆積する工程を含む、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記堆積する工程は、Sn-X
nと酸素含有カウンター反応物との反応を含み、Xは、ジアルキルアミド(例えば、ジメチルアミド、メチルエチルアミド、ジエチルアミド)、アルコール(t-ブトキシ、イソプロポキシ)、またはハロゲン(例えば、F、Cl、Br、およびI)である、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、Sn-X
nは、SnCl
4、SnI
4、またはSn(NR
2)
4であり、Rは、メチルもしくはエチル、またはSn(t-BuO)
4である、方法。
【請求項13】
請求項11または12に記載の方法であって、前記酸素含有カウンター反応物は、水、過酸化水素、ギ酸、アルコール、酸素、オゾン、酸素プラズマ、水プラズマ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、方法。
【請求項14】
請求項10~13のいずれか一項に記載の方法であって、前記気相堆積は、化学蒸着(CVD)、原子層堆積(ALD)、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)、またはプラズマ強化原子層堆積(PEALD)である、方法。
【請求項15】
請求項10~14のいずれか一項に記載の方法であって、前記堆積する工程は、前記Sn-X
nを堆積する工程と、前記酸素含有カウンター反応物を堆積する工程とのALD周期的プロセスである、方法。
【請求項16】
請求項10~14のいずれか一項に記載の方法であって、前記堆積する工程は、前記Sn-X
nおよび前記酸素含有カウンター反応物を同時に堆積する工程を含むCVDプロセスである、方法。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載の方法であって、前記イメージング層は、0.5nm~5nmの厚さを有する、方法。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載の方法であって、前記基板は、下にあるトポグラフィカルフィーチャを備える、方法。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載の方法であって、前記イメージング層に照射して、少なくとも1つの露出された領域を形成する工程を更に含み、前記ヒドロカルビル終端SnO
xは、露出された領域において水素終端SnO
xに変換される、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、前記照射する工程は、DUV、EUV、X線、または電子ビーム放射の使用を含む、方法。
【請求項21】
請求項19に記載の方法であって、前記イメージング層への照射によって、前記基板材料の前記表面上のヒドロキシ終端SnO
x層が、放射線の吸収を向上させる、方法。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか一項に記載の方法であって、前記照射する工程はEUV放射の使用を含む、方法。
【請求項23】
基板の表面にリソグラフィハードマスクを作製する方法であって、
露出したヒドロキシル基を含む表面を有する基板材料を含む基板を提供する工程と;
ヒドロカルビル終端SnO
xを含むイメージング層を前記表面上に堆積する工程と;
選択的に前記イメージング層に照射する工程であって、ヒドロカルビル終端された前記イメージング層のSnO
x部分においてヒドロカルビル置換が除去されている、および/または、水素終端SnO
xに変換されている、照射された領域と、前記イメージング層が前記ヒドロカルビル終端SnO
xを含む照射されていない領域と、を前記イメージング層が含む、工程と;
前記照射された領域、前記照射されていない領域、またはその両方を、1つ以上の試薬と反応させて、選択的に、前記イメージング層に材料を追加する、または前記イメージング層から材料を除去することによって、前記イメージング層を処理する工程と、を含む方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、前記提供する工程は、気相堆積によって前記基板材料の前記表面上にヒドロキシル終端SnO
x層を堆積する工程を含む、方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法であって、前記ヒドロカルビル終端SnO
x膜の前記イメージング層を堆積する前記工程は、前記基板の前記表面を、ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤と接触させる工程を含み、前記ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤は、前記イメージング層への照射によって、スズ-炭素結合開裂を受ける、方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法であって、前記ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤の化学式が、
R
nSnX
4-n
であり、Rはベータ水素を有するC
2-C
10アルキルまたは置換アルキルであり、Xは前記露出したヒドロキシル基のヒドロキシル基との反応による好適な脱離基であり、n=1~3である、方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法であって、前記ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤が、t-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、n-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、t-ブチルトリス(ジエチルアミノ)スズ、イソプロピルトリス(ジメチルアミノ)スズ、およびt-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、またはn-ブチル(トリス(t-ブトキシ)スズである、方法。
【請求項28】
請求項23~27のいずれか一項に記載の方法であって、前記照射は、DUV、EUV、X線、または電子ビーム放射の使用を含む、方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、前記照射は、EUV放射の使用を含む、方法。
【請求項30】
請求項23に記載の方法であって、ヒドロカルビル終端された前記イメージング層の前記SnO
x部分における前記ヒドロカルビル置換は、ベータ水素脱離により水素終端SnO
xに変換される、方法。
【請求項31】
請求項23~30のいずれか一項に記載の方法であって、前記処理する工程は、前記照射された領域における前記水素終端SnO
xを酸化してヒドロキシ終端SnO
xを形成する工程を含む、方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法であって、前記酸化する工程は、前記照射された領域を酸素または水に曝露させる工程を含む、方法。
【請求項33】
請求項31に記載の方法であって、前記処理する工程は、前記照射された領域の前記ヒドロキシ終端SnO
xを除去して、下にある前記基板材料を露出させる工程を含み、下にある基板材料が非晶質炭素を含む、方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法であって、前記除去する工程は、前記照射された領域を、希フッ化水素酸、または希水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)で処理する工程を含む、方法。
【請求項35】
請求項33に記載の方法であって、前記処理する工程は、酸素プラズマを使用して、下にある非晶質炭素の前記基板材料をエッチングする工程を更に含む、方法。
【請求項36】
請求項31に記載の方法であって、前記処理する工程は、前記照射された領域の前記ヒドロキシ終端SnO
x上に金属酸化物ハードマスクを堆積する工程を更に含む、方法。
【請求項37】
請求項36に記載の方法であって、前記金属酸化物ハードマスクが、SnO
x、SiO
2、SiO
xN
y、SiO
xC、TiO
2、WO
x、HfO
2、ZrO
2、Al
2O
3およびBi
2O
3、からなる群から選択される金属酸化物を含む、方法。
【請求項38】
請求項23に記載の方法であって、前記イメージング層に選択的に照射することによって生成された前記水素終端SnO
x上にのみ、原子層堆積によって金属層を選択的に堆積する工程を更に含む、方法。
【請求項39】
請求項23に記載の方法であって、前記照射されていない領域の前記ヒドロカルビル終端SnO
xが水素またはメタンプラズマによって除去されて、下にある前記基板材料が露出され、下にある基板材料が非晶質炭素を含む、方法。
【請求項40】
請求項39に記載の方法であって、前記処理する工程は、酸素プラズマを使用して、下にある前記基板をエッチングする工程を更に含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による組み込み
本出願の一部として、PCT願書が本明細書と同時に提出される。同時に提出されたPCT願書において確認したように、本出願が利益または優先権を主張する出願の各々は、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、基板表面上にイメージング層を作製するためのシステムおよび方法に関する。そのようなイメージング層が、次世代のリソグラフィ技術を使用してパターン形成されてよく、得られたパターン形成された膜は、例えば、半導体デバイスの生産のためのリソグラフィマスクとして使用されてよい。
【背景技術】
【0003】
本明細書で提供される「背景技術」の記載は、本技術の文脈を概略的に提示する。本明細書の「背景技術」に記載されている範囲における、本明細書にて名前を挙げた発明者の業績、ならびに、出願時点で先行技術と見なされないかも知れない本明細書の態様は、本技術に対する先行技術として認められてはない。
【0004】
集積回路などの半導体デバイスの製造は、フォトリソグラフィを伴う多段階プロセスである。一般に、このプロセスは、ウェハー上に材料を堆積し、そしてリソグラフィ技術により材料にパターン形成して半導体デバイスの構造的フィーチャ(例えば、トランジスタ、導体、および他の回路フィーチャ)を形成することを含む。当該技術分野で既知の典型的なフォトリソグラフィプロセスの工程は、基板を準備する工程と;スピンコーティングなどによりフォトレジストを塗布する工程と;フォトレジストを所望のパターンで露光して、フォトレジストの露光された領域を、ある程度、現像液に可溶性にする工程と;現像液を適用することによって現像して、フォトレジストの露光された領域または露光されていない領域のどちらかを除去する工程と;その後の、フォトレジストが除去されている基板の領域にフィーチャを形成するために、例えばエッチングまたは材料堆積によって処理する工程と、を含む。
【0005】
半導体設計の進化が、半導体基板材料上に、これまでにない微細なフィーチャを作製する必要性を生み出してきており、それを作製する能力によって推進されてきた。技術のこのような進歩は、高密度集積回路におけるトランジスタ密度が2年ごとに2倍になるという「ムーアの法則」で特徴付けられている。実際、チップの設計と製造は進歩しており、その結果、最新のマイクロプロセッサは、単一のチップ上に数十億個のトランジスタおよび他の回路機能を含む場合がある。そのようなチップ上の個々のフィーチャは、22ナノメートル(nm)以下、場合によっては10nm未満のオーダーである場合がある。
【0006】
そのように小さなフィーチャを有するデバイスの製造における課題の1つは、十分な解像度を有するフォトリソグラフィマスクを確実かつ再現可能に作製する能力である。現在のフォトリソグラフィプロセスは、典型的には193nmの紫外線(UV)光を使用してフォトレジストを露光する。半導体基板上に形成されるフィーチャの所望のサイズよりも大幅に大きい波長を、光が有するという事実は、固有の問題を生む。光の波長よりも小さいフィーチャサイズを実現するには、マルチパターニングなどの複雑な解像度向上技術の使用を必要とする。したがって、いわゆる「次世代リソグラフィ」技術の開発に大きな関心と研究努力が向けられ、この技術は、電子ビーム放射、または20nm未満、例えば13.5nmの波長を有する極端紫外線(EUV)放射などのより短い波長の光を使用する。
【0007】
しかしながら、次世代リソグラフィ技術は課題を呈し得る。例えば、EUVフォトリソグラフィプロセスの有効性は、光源の低出力、およびパターン形成中の光の損失によって限定され得る。193nmUVリソグラフィで使用されるものに類似した従来の有機化学増幅レジスト(CAR)は、EUVリソグラフィで使用される場合、潜在的な欠点を有する。特に、それらはEUV領域での吸収係数が低く、光活性化化学種の拡散が、ぼやけまたはラインエッジラフネスを引き起こす可能性がある。更には、下にあるデバイス層にパターン形成するために必要なエッチング耐性を提供するために、従来のCAR材料の必要な厚さが、パターン崩壊のリスクを伴う高いアスペクト比をもたらす可能性がある。したがって、厚さの低減、より大きな吸光度、およびより大きなエッチング耐性などの特性を有する、改良されたEUVフォトレジスト材料の必要性が残っている。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、基板表面上にイメージング層を作製するための方法を提供する。そのようなイメージング層は、一般に、DUV、EUV、X線、および電子ビームなどの次世代リソグラフィ技術を使用して、化学的に異なる領域にパターン形成されてよい(すなわち、表面イメージング)。得られたパターン形成された膜を、例えば、半導体デバイスを生産するためのリソグラフィマスクとして使用してよい。
【0009】
いくつかの実現形態では、本開示による方法は、EUV光での照射によって、ベータ水素脱離などのスズ-炭素結合開裂を受けるように選択されたアルキル基で終端されたSnOx薄膜のイメージング層を作製することを含んでよい。EUVパターン形成工程では、アルキル基を開裂して、Sn-H結合の領域を残す一方で、未露光の表面をアルキル終端されたままに残すことができる。
【0010】
一実施形態では、基板上にイメージング層を作製する方法は、露出したヒドロキシル基を含む表面を有する基板を提供する工程と、基板表面上に、イメージング層としてヒドロカルビル終端SnOx膜を形成する工程と、を含み、ヒドロカルビル終端SnOx膜は、イメージング層に照射することにより開裂可能なスズ-炭素結合を有する。
【0011】
いくつかの実施形態では、基板表面は、ヒドロカルビル終端SnOx膜イメージング層に対するSnOx下層を含んでよい。基板材料の表面上のヒドロキシ終端SnOx下層は、イメージング層への照射を受けて、放射線の吸収を向上させ、基板から2次電子を発生させ、追加のEUV光子を更に収集して、EUVパターン形成プロセスをより高感度にし、イメージング層の露光に必要なEUVドーズを低減させることができる。
【0012】
様々な実施形態では、イメージング層は、自己制限特性を呈する原子層堆積プロセスによって堆積されてよい。他の実施形態では、イメージング層は、(非自己制限的)化学蒸着プロセスによって堆積された薄膜である。
【0013】
例えば、アルキ置換スズキャッピング剤は、一般式が、
RnSnX4-n
であってよく、RはC2-C10アルキルまたは置換されたアルキル置換基である。Xは、水によって容易に置換されてヒドロキシル中間生成物を形成し、その結果、他のSn-X官能基と反応してSn-O-Sn架橋を形成する任意の好適な脱離基であってよい。様々な実施形態では、Rは分岐状であり、複数のベータ水素原子を有する(最大のものはtert-ブチル置換基に対応する)。例えば、Rは、t-ブチル、t-ペンチル、t-ヘキシル、シクロヘキシル、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、n-ブチル、n-ペンチル、またはn-ヘキシル、またはそれらの誘導体、ならびにフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、窒素、酸素などの1つ以上のヘテロ原子を含む類似の材料、であってよい。
【0014】
本技術はまた、EUVまたは他の放射線を使用して、本技術の方法によって作製されたコーティングされた基板の表面上にパターンを形成するための方法を提供する。コーティングされた基板の更なる処理は、露出された領域および露出されていない領域における化学的差異、特にイメージング層の露出された領域において水素終端SnOxに変換されたヒドロカルビル終端SnOx、を利用してよい。露出された領域と露出されていない領域との間の特性の違いを、例えば、照射された領域、照射されていない領域、またはその両方を、1つ以上の試薬と反応させて、選択的に、イメージング層に材料を追加する、またはイメージング層から材料を除去することにより、以降の処理において活用してよい。
【0015】
様々な実施形態では、本技術は、基板表面上にエッチング耐性を有する薄いハードマスク層をパターン形成する方法を提供し、方法は、
露出したヒドロキシル基を含む表面を有する基板材料を含む基板を提供する工程と;
ヒドロカルビル終端SnOxを含むイメージング層を表面上に堆積する工程と;
選択的にイメージング層に照射する工程であって、ヒドロカルビル終端されたイメージング層のSnOx部分においてヒドロカルビル置換が除去されている、および/または、水素終端SnOxに変換されている、照射された領域と、イメージング層がヒドロカルビル終端SnOxを含む照射されていない領域と、をイメージング層が含む、工程と;
照射された領域、照射されていない領域、またはその両方を、1つ以上の試薬と反応させて、選択的に、イメージング層に材料を堆積させる、またはイメージング層から材料を除去することによって、イメージング層を処理する工程と、を含む。
【0016】
照射は、DUV、EUV、X線、または電子ビーム放射の使用を含んでよい。いくつかの実施形態では、処理する工程は、照射された領域における水素終端(Sn-H)官能基を酸化して、Sn-OHヒドロキシ終端SnOxを形成する工程を更に含む。
【0017】
本技術の適用可能な更なる領域が、「発明を実施するための形態」、「特許請求の範囲」、および図面から明らかとなるであろう。「発明を実施するための形態」および具体例は、例示のみを目的としており、技術の範囲を限定することを意図していない。本技術は、詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本技術の例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図2】
図2は、本技術の例示的なプロセスで形成される基板の一般的なアーキテクチャを示す。
【
図3】
図3は、本技術の例示的なプロセスで形成される別の基板の一般的なアーキテクチャを更に示す。
【
図4】
図4は、本技術の例示的なプロセスで形成される別の基板の一般的なアーキテクチャを更に示す。
【
図5】
図5は、本技術の例示的なネガ型レジストプロセスのフローチャートである。
【
図6】
図6は、
図5のネガ型レジストプロセスで形成されたマスクの一般的なアーキテクチャを概略的に示す。
【
図7A】
図7Aは、
図5のネガ型レジストプロセスで形成されたマスクの一般的なアーキテクチャを例示的な化学構造と共に示す。
【
図7B】
図7Bは、
図5のネガ型レジストプロセスで形成されたマスクの一般的なアーキテクチャを例示的な化学構造と共に示す。
【
図8】
図8は、本技術の代替的な例示的なネガ型レジストプロセスのフローチャートである。
【
図9】
図9は、
図8のネガ型レジストプロセスで形成されたマスクの一般的なアーキテクチャを示す。
【
図10】
図10は、自己組織化ゾルゲルを基板上に形成するための本技術のプロセスを例示するフローチャートである。
【
図11】
図11は、自己組織化ブロックコポリマーを基板上に形成するための本技術のプロセスを例示するフローチャートである。
【
図12】
図12は、金属デバイス構造を基板上に選択的に成長させるための本技術のプロセスを例示するフローチャートである。
【
図13】
図13は、
図12のプロセスにおいて金属が堆積される際の基板の一般的なアーキテクチャを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書では、本開示の具体的な実施形態を詳細に参照する。具体的な実施形態の例が、添付の図面に示されている。本開示はこれらの具体的な実施形態に関連して説明されるが、本開示をそのような具体的な実施形態に限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。むしろ、本開示の趣旨および範囲に含まれてよい代替形態、修正形態、および等価物を網羅することを意図している。以下の記載には、本開示の完全な理解を提供するために数多くの具体的な詳細が記述されている。本開示は、これらの具体的な詳細の一部または全てを伴うことなく実施されてよい。その他の場合には、本開示を不必要に不明瞭にしないように、良く知られたプロセス作業は詳細には説明していない。
【0020】
上で論じたように、本開示は、半導体基板上にイメージング層を作製するための方法を提供し、イメージング層は、EUVまたは他の次世代リソグラフィ技術を使用してパターン形成されてよい。現在使用され開発されている標準の13.5nmのEUV波長を含むEUVに加えて、そのようなリソグラフィに最も関連する放射線源は、一般に248nmまたは193nmのエキシマレーザー光源の使用を指すDUV(deep-UV)、形式上はX線範囲の低エネルギー範囲内にEUVを含むX線、ならびに広いエネルギー範囲をカバーできる電子ビーム、である。そのような方法には、露出したヒドロキシル基を有する基板をヒドロカルビル置換スズキャッピング剤と接触させて、基板表面上にイメージング層としてヒドロカルビル終端SnOx膜を形成する方法が含まれる。様々な実施形態では、イメージング層は薄い層であり、基板上で接着層として機能して、例えばリソグラフィプロセス用のハードマスクを形成する際に、基板上への追加材料の選択的堆積を容易にしてよい。具体的な方法は、半導体基板および最終的な半導体デバイスで使用される具体的な材料および用途に依存してよい。したがって、本出願に記載される方法は、本技術で使用されてよい方法および材料の単なる例示である。
【0021】
基板
本技術の方法において有用な基板は、リソグラフィ処理、特に集積回路および他の半導体デバイスの生産に好適な任意の材料構造を含んでよい。いくつかの実施形態では、基板はシリコンウェハーである。基板は、不規則な表面トポグラフィを有するフィーチャ(「下にあるトポグラフィカルフィーチャ」)がその上に作製されたシリコンウェハーであってよい。(本明細書にて参照される場合、「表面」は、その上に本技術の膜が堆積されることになる表面、または処理中にEUVに曝露されることになる表面である。)そのような下にあるトポグラフィカルフィーチャは、本技術の方法を実施する前の処理中に、材料が除去された領域(例えば、エッチングによって)、または材料が追加された領域(例えば、堆積によって)を含んでよい。そのような事前処理は、本技術の方法、または2層以上のフィーチャが基板上に形成される反復プロセスでの他の処理方法を含んでよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、基板は、下にある半導体材料のリソグラフィエッチングで使用されるハードマスクである。ハードマスクは、非晶質炭素(a-C)、SnOx、SiO2、SiOxNy、SiOxC、Si3N4、TiO2、TiN、W、Wドープ炭素、WOx、HfO2、ZrO2、およびAl2O3を含む様々な材料のいずれかを含んでよい。例えば、基板は、好ましくは、SnO2などのSnOxを含んでよい。様々な実施形態では、層は、1nm~100nmの厚さ、または2nm~10nmの厚さであってよい。
【0023】
様々な実施形態において、基板は、その表面上に露出したヒドロキシル基を含む。一般に、表面は、露出したヒドロキシル表面を含むか、またはそれを生成するように処理された任意の表面であってよい。(本明細書において参照される場合、「表面」は、基板と別の材料との間の境界を定める基板の一部、またはその境界の欠如(例えば、ガス、コーティング、または真空)を意味し、様々な実施形態では、放射線への曝露、または他の材料中の成分との反応のために利用可能であってよい。)したがって、方法は、そのような基板を「提供する工程」を含んでよく、この工程では、本技術の方法とは別に、露出したヒドロキシル基を有する基板が出発材料として得られる、または、上述し以下に更に記載するように、ヒドロキシル基を基板上に形成し、その後、表面をヒドロキシル置換スズキャッピング剤と接触させることを含む単一プロセスの一部として作製される。例えば、そのようなヒドロキシル基は、酸素プラズマ、水プラズマ、またはオゾンを使用する基板の表面処理によって基板表面上に形成されてよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、露出したヒドロキシル基を含む基板は、ヒドロキシル終端SnOxを含む表面層または膜を含む。例えば、基板は、ヒドロキシル終端SnOxの表面を有する非晶質炭素を含んでよい。本技術のメカニズム、機能、または有用性を限定することなく、ヒドロキシル終端SnOx層は、基板表面上に堆積された材料の接着性の改善、およびパターン形成中におけるEUV(または他の放射線)の吸収の向上などの利点を提供する場合があると考えられる。EUVまたは他の照射に対する感度、および分解能は、厚さ、密度、および短距離電荷移動特性などのSnOx層の特性に依存する場合がある。様々な実施形態では、SnOx層は、0.1nm~20nm、または0.2nm~10nm、または0.5nm~5nmの厚さを有する。
【0025】
いくつかの実施形態では、ヒドロキシル終端SnOx層は、蒸着によって基板表面上に堆積される。そのような方法では、堆積は、Sn-Xnを酸素含有カウンター反応物と反応させることを含み、Xは、ジアルキルアミド(例えば、ジメチルアミド、メチルエチルアミド、およびジエチルアミド)、アルコール(例えば、t-ブトキシ、およびイソプロポキシ)、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、およびI)、または他の有機置換基(例えば、アセチルアセトン、N2,N3-ジ-tertブチル-ブタン-2,3-ジアミド)などの配位子である。例えば、Sn-Xnは、SnCl4、SnI4、またはSn(NR2)4であってよく、Rは、メチルまたはエチル、またはSn(t-BuO)4である。いくつかの実施形態では、複数のタイプの配位子が存在する。酸素含有カウンター反応物は、水、過酸化水素、ギ酸、アルコール、酸素、オゾン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択してよい。
【0026】
好適な蒸着プロセスには、化学蒸着(CVD)、原子層堆積(ALD)、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)、またはプラズマ強化原子層堆積(PEALD)が含まれる。いくつかの実施形態では、堆積は、Sn-Xnを堆積し、酸素含有カウンター反応物を堆積する周期的プロセスでのALDである。いくつかの実施形態では、堆積は、Sn-Xn、および酸素含有カウンター反応物を同時に流すことによるCVDである。SnOx層を堆積するために本明細書で有用な材料およびプロセスは、Nazarovらによる、Atomic Layer Deposition of Tin Dioxide Nanofilms:A Review,40 Rev.Adv.Mater.Sci 262(2015)に記載されている。
【0027】
例示的な連続CVDプロセスでは、Sn-Xnおよび酸素含有カウンター反応物のソースの2つ以上のガスストリームが、別々の入口経路でCVD装置の堆積チャンバに導入され、それらは気相で混合および反応して基板上にSnOxコーティングが形成される。ストリームは、例えば、デュアルプレナムシャワーヘッドを使用して導入されてよい。装置は、Sn-Xnおよび酸素含有カウンター反応物のソースのストリームがチャンバ内で混合され、Sn-Xnおよび酸素含有カウンター反応物のソースが反応して、SnOx層を形成することを可能にするように構成されている。CVDプロセスは、一般に、0.1トル~10トルなどの減圧で実施される。いくつかの実施形態では、プロセスは1~2トルにおいて実施される。基板の温度は、好ましくは、反応物ストリームの温度よりも低い。例えば、基板温度は、0℃~250℃、または周囲温度(例えば、23℃)~150℃であってよい。
【0028】
SnOx基板は、ALDプロセスによって堆積することもできる。例えば、Sn-Xnおよび酸素含有カウンター反応物は別々の時間に導入される。前駆体は表面上で反応し、パルスごとに1度に最大で材料の単分子層を形成する。これにより、表面全体にわたり、膜厚の均一性に対して優れた制御を可能にする場合がある。ALDプロセスは、一般に、0.1トル~10トルなどの減圧で実施される。いくつかの実施形態では、プロセスは1~2トルにおいて実施される。基板温度は、0℃~250℃、または周囲温度(例えば、23℃)~150℃であってよい。このプロセスは、熱プロセス、または好ましくはプラズマ支援堆積であってよい。
【0029】
スズキャッピング剤
本明細書で有用なヒドロカルビル置換スズキャッピング剤は、イメージング層への照射によって、スズ-炭素結合開裂を受ける置換基を含む。そのような開裂はホモリティックであってよい。いくつかの実施形態では、開裂は、アルケンフラグメントを放出させて、元々はアルキル置換基を有していたスズ原子に水素原子を結合させたまま残すベータ水素脱離によって生じてよい。
【0030】
具体的なスズキャッピング剤は、意図したリソグラフィプロセス、すなわち使用される具体的な照射に応じて選択されてよい。更に、ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤は、その後の基板上への材料の堆積に対するバリアとして機能するように選択されてよい。したがって、いくつかの実施形態では、ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤は、表面と接触する溶液からの可溶性金属酸化物前駆体の付着または成長を防止するための原子層堆積ブロック剤である。
【0031】
様々な実施形態では、ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤はアルキル置換されており、例えば、以下の一般式、
RnSnXm
を有する薬剤であり、Rはベータ水素を有するC2-C10アルキルまたは置換アルキルであり、Xは、露出したヒドロキシル基のヒドロキシル基との反応による好適な脱離基であり、様々な実施形態では、n=1~3、およびm=4~nである。例えば、Rは、t-ブチル、t-ペンチル、t-ヘキシル、シクロヘキシル、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、n-ブチル、n-ペンチル、またはn-ヘキシル、またはベータ位置にヘテロ原子置換基を有するそれらの誘導体、であってよい。好適なヘテロ原子には、ハロゲン(F、Cl、Br、またはI)、または酸素(-OHまたは-OR)が含まれる。Xは、ジアルキルアミド(例えば、ジメチルアミド、メチルエチルアミド、またはジエチルアミド)、アルコール(例えば、t-ブトキシ、イソプロポキシ)、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)、または別の有機配位子であってよい。ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤の例としては、t-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、n-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、t-ブチルトリス(ジエチルアミノ)スズ、ジ(t-ブチル)ジ(ジメチルアミノ)スズ、secブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、n-ペンチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、イソブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、イソプロピルトリス(ジメチルアミノ)スズ、t-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、n-ブチル(トリス(t-ブトキシ)スズ、またはイソプロピルトリス(t-ブトキシ)スズ、が挙げられる。
【0032】
イメージング層の作製方法
様々な態様では、本技術の方法は、
露出したヒドロキシル基を含む表面を有する基板を提供する工程と;
表面をヒドロカルビル置換スズキャッピング剤と接触させて、イメージング層としてヒドロカルビル終端SnOx膜を基板表面上に形成する工程と、を含む。
【0033】
一般に、表面をヒドロカルビル置換スズキャッピング剤と接触させることは、好ましくは表面上にキャッピング剤の均一な分布を作り出すために、任意の好適な技術を使用して実施されてよい。このような方法は、ALDやCVDなどの蒸着技術を含む。また、キャッピング剤と基板の露出したヒドロキシル基との反応を手助けするために水を添加してよい。そのような方法では、キャッピング剤と水を繰り返し適用して、ヒドロカルビル置換スズキャッピング機能を十分に有する表面を形成してよい。アルキチオールなどの追加のアルキベースの試薬への曝露によって、基板表面上に、増加したレベルのヒドロカルビル置換基を有する表面を形成してよい。
【0034】
例示的な連続CVDプロセスでは、RnSn-Xmおよび酸素含有カウンター反応物のソースの2つ以上のガスストリームが、別々の入口経路でCVD装置の堆積チャンバに導入され、それらは気相で混合および反応し、凝縮して基板上にSnOxコーティングが形成される。ストリームは、例えば、デュアルプレナムシャワーヘッドを使用して導入されてよい。装置は、RnSn-Xmおよび酸素含有カウンター反応物のソースのストリームがチャンバ内で混合され、RnSn-Xmおよび酸素含有カウンター反応物のソースが反応して、SnOx層を形成することを可能にするように構成されている。CVDプロセスは、一般に、0.1トル~10トルなどの減圧で実施される。いくつかの実施形態では、プロセスは1~2トルにおいて実施される。基板の温度は、好ましくは、反応物ストリームの温度よりも低い。例えば、基板温度は、0℃~250℃、または周囲温度(例えば、23℃)~150℃であってよい。
【0035】
SnOxイメージング層は、ALDプロセスによって堆積することもできる。この場合、RnSn-Xm酸素含有カウンター反応物は、ALDサイクルを表す別々の時間に導入される。前駆体は表面上で反応し、ALDサイクルごとに1度に最大で材料の単分子層を形成する。これにより、ウェハー全体にわたり、膜厚の均一性に対して優れた制御が可能になる。ALDプロセスは、一般に、0.1トル~10トルなどの減圧で実施される。いくつかの実施形態では、プロセスは1~2トルにおいて実施される。基板温度は、0℃~250℃、または周囲温度(例えば、23℃)~150℃であってよい。このプロセスは、熱駆動プロセスになる。膜は最初のサイクル後に大幅に成長していることは予想されておらず、その後のサイクルが、R終端Snで表面を更に飽和させるように設計されている。
【0036】
パターン形成
本技術はまた、イメージング層のある領域をEUV、DUV、または電子ビームなどの照射に曝露させることにより、イメージング層がパターン形成される方法を提供する。そのようなパターン形成では、放射線はイメージング層の1つ以上の領域に集束される。露光は、典型的には、イメージング層の膜が放射線で露光されない1つ以上の領域を含むように実施される。得られるイメージング層は、複数の露出された領域および露出されていない領域を含んで、その後の基板の処理において基板からの材料の追加または除去によって形成されるトランジスタまたは半導体デバイスの他のフィーチャの作製と整合するパターンが作製されてよい。本明細書で有用なものの中で、EUV、DUV、および電子ビームの放射方法および装置には、当該技術分野において既知の方法および装置が含まれる。
【0037】
特に、イメージング層の領域は、露光されていない領域と比較して物理的または化学的特性が変化しているパターン形成によって作製される。特に、様々な実施形態では、表面上に存在するヒドロカルビル終端SnOxは、特に露光がEUVを使用して真空中で行われる場合、イメージング層の露光された領域において水素終端SnOxに変換される。しかしながら、露出したイメージング層を真空から取り出して空気中に入れること、または酸素、オゾン、H2O2、または水を制御して導入することにより、表面Sn-Hが酸化されてSn-OHになる可能性がある。露出された領域と露出されていない領域との間の特性の違いを、例えば、照射された領域、照射されていない領域、またはその両方を、1つ以上の試薬と反応させて、選択的に、イメージング層に材料を追加する、またはイメージング層から材料を除去することにより、以降の処理において活用してよい。
【0038】
したがって、様々な実施形態では、本技術は、基板表面上にリソグラフィハードマスクを作製する方法を提供し、この方法は、
露出したヒドロキシル基を含む表面を有する基板材料を含む基板を提供する工程と;
ヒドロカルビル終端SnOxを含むイメージング層を表面上に堆積する工程と;
選択的にイメージング層に照射する工程であって、イメージング層のヒドロカルビル終端SnOxが水素終端SnOxに変換されている、照射された領域と、イメージング層がヒドロカルビル終端SnOxを含む照射されていない領域と、をイメージング層が含む、工程と;
照射された領域、照射されていない領域、またはその両方を、1つ以上の試薬と反応させて、選択的に、イメージング層に材料を追加する、またはイメージング層から材料を除去することによって、イメージング層を処理する工程と、を含む。
様々な実施形態では、基板材料は非晶質炭素またはSnOxを含む。
【0039】
任意選択で、過剰な水分を除去し、Sn-O-Sn架橋を促進するように、イメージング層が加熱または「ベーク」される。例えば、サンプルは、R-Sn結合が大幅に開裂されることがない条件で、例えば、50℃~200℃にて5分で、または70℃~150℃にて2分でベークできる。
【0040】
リソグラフィ処理
上述したように、照射に続くイメージング層のその後の処理は、基板材料と、基板を使用して作製される半導体デバイスの所望のフィーチャとに依存することになる。例えば、フィーチャは、例えば、パターン形成を伴う露光ツールによって画定された露光された(ポジ型)または露光されていない(ネガ型)領域のいずれかにおいて液体現像液に対して選択的に可溶性になる膜のスピンコート塗布を使用して、様々なリソグラフィ技術によって基板上に作製されてよい。
【0041】
本技術のリソグラフィ方法が、
図1のプロセスフローに全般的に示されている。図示するように、基板は、基板材料(110)上にヒドロキシ終端SnO
x「下層」を堆積することによって形成される。基板表面上のヒドロキシ終端SnO
x下層は、イメージング層への照射を受けて、放射線の吸収を向上させ、基板から2次電子を発生させ、追加のEUV光子を更に収集して、EUVパターン形成プロセスをより高感度にし、イメージング層の露光に必要なEUVドーズを低減させることができる。
【0042】
次いで、ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤を表面に堆積して、ヒドロカルビル終端SnO
x膜を基板表面上に形成することにより、イメージング層が形成される(120)。次いで、基板は放射線に曝露され(例えば、EUVを使用して)(130)、任意選択で、ベークされる(140)。次いで、イメージング層の表面が処理される(150)。
図2は、そのようなプロセスで形成された基板の一般的なアーキテクチャを例示的な化学構造と共に概略的に示す。
図3は、そのようなプロセスの具体例を示しており、イメージング層は、ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤t-ブチルSn(N(CH
3)
2)
3から形成されている。
図4は、スズキャッピング剤であるn-BuSn(OtBu)
3から形成された活性化(EUVリリース)PR接着イメージング層の代替案を示す。
【0043】
いくつかの方法では、処理する工程は、照射された領域において水素終端SnOxを酸化してヒドロキシ終端SnOxを形成する工程を含む。酸化する工程は、照射された領域を酸素または水に曝露させる工程を含んでよい。いくつかの方法では、その後の処理する工程は、照射された領域内のヒドロキシ終端SnOxを除去して、下にある基板材料を露出させエッチングする工程を含む。エッチングは、パターン形成された膜を希フッ化水素酸水溶液、または代替として希水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)で処理することによって実施してよい。処理する工程は、酸素プラズマを使用して、下にある基板層をエッチングする工程を更に含んでよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、処理する工程は、照射された領域のヒドロキシ終端SnOx上に、ハードマスクとして作用可能であってよい金属酸化物を堆積する工程を更に含む。このようなハードマスク材料は、SnO2、SiO2、TiO2、WOx、HfO2、ZrO2、Ta2O5、Nb2O5、B2O3、GeO2、ZnO、V2O5、およびAl2O3からなる群から選択される金属酸化物を含んでよい。堆積は、例えば、ALDによって行われてよい。
【0045】
本技術のいくつかの方法では、照射されていない領域のヒドロカルビル終端SnOxが水素またはメタンプラズマによって除去されて、下にある非晶質炭素層が露出する。処理する工程は、酸素プラズマを使用して、下にある基板材料をエッチングする工程を更に含んでよい。
【0046】
本技術のメカニズム、機能、または有用性を限定するものではないが、いくつかの実施形態では、本技術のリソグラフィ法は、当該技術分野において既知の方法に優る利点を提供すると考えられる。その利点は、例えば、ウェットレジスト配合物を塗布および除去する必要性を回避すること(例えば、スカムおよびパターン歪みの回避)、EUVまたは他の照射の後の連続プロセスにおいて真空下で露光された基板を現像するなどのプロセスを簡略化すること、非常に薄い金属酸化物構造体の使用によりパターン崩壊を低減させること、ラインエッジラフネスを改善すること、およびハードマスクの化学的性質を特定の基板および半導体デバイス設計に合わせて調整する能力を提供すること、である。
【0047】
追加の実施形態
上述したように、本技術の具体的なポストイメージング方法および適用は、基板および所望のデバイス設計に応じて、様々な材料およびプロセスのいずれを伴ってよい。イメージング層の処理は、基板材料と、基板を使用して作製される半導体デバイスの所望のフィーチャとに依存する場合がある。例えば、フィーチャは、典型的には、パターン形成を伴う露光ツールによって画定された露光された(ポジ型)または露光されていない(ネガ型)領域のいずれかにおいて現像液に対して選択的に可溶性になる膜の塗布を伴う様々な標準的なリソグラフィ技術によって基板上に作製されてよい。処理は、誘導自己組織化(DSA)ブロックコポリマー(BCP)、ゾルゲルの誘導自己組織化、および原子層堆積または化学蒸着による材料(金属または金属酸化物など)の選択的堆積、を含むリソグラフィマスクの作製を含んでよい。
【0048】
例えば、いくつかの実施形態では、イメージング層および基板の処理によりポジ型マスクが作製される。そのような方法は、
本技術の方法によって作製された基板のイメージング層の領域を選択的に照射する工程と;
例えば、照射された領域を空気または水と反応させて、照射された領域における水素終端SnOxを酸化してヒドロキシ終端SnOxを形成する工程と;
照射された領域を希フッ化水素酸水溶液(HF)または希水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)と接触させて、露出されたヒドロキシル終端表面をエッチングし、下にある基板材料(非晶質炭素など)を露出させる工程と;
露出された下層を酸素プラズマでエッチングする工程と、を含んでよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、イメージング層および基板の処理は、ネガ型レジストを作製する。例えば、そのような方法は、
本技術の方法によって作製された基板のイメージング層の領域を選択的に照射する工程と;
例えば、照射された領域を空気または水と反応させて、照射された領域における水素終端SnOxを酸化してヒドロキシ終端SnOxを形成する工程と;
金属酸化物ハードマスクをヒドロキシル終端領域上に、例えばALDによって選択的に堆積する工程と;
例えば、H2、CH4、またはBCl3ベースのプラズマを使用して、基板の露出されていない領域(すなわち、ヒドロカルビル終端SnOxを有する領域)を除去して、下にある基板(例えば、非晶質炭素)を露出させる工程と;
露出された下にある基板を酸素プラズマでエッチングする工程と、を含んでよい。
【0050】
1つのそのようなプロセスの要素が、
図5のプロセスフローに示される。
図6および
図7A、
図7Bは、それぞれ、そのようなネガ型レジストプロセスの1つで(露出された表面のヒドロキシル化から始めて)形成されるマスクの一般的な概略的なアーキテクチャと、例示的な化学構造を示す。
【0051】
代替的なネガ型レジストプロセスの要素を
図8に示す。このプロセスでは、照射された領域における水素終端SnO
xは酸化されない。むしろ、金属または金属酸化物のハードマスクが、照射された領域のSn-H表面上に、例えばALDによって堆積される。水素化物表面への金属のALD堆積の一般的な方法と条件は、Kwonらによる、Substrate Selectivity of (
tBu-Allyl)Co(CO)
3 during Thermal Atomic Layer Deposition of Cobalt,24 Chem.Mater.1025(2012)、および、Lemaireらによる、Understanding inherent substrate selectivity during atomic layer deposition:Effect of surface preparation,hydroxyl density,and metal oxide composition on nucleation mechanisms during tungsten ALD,146 J.Chem.Phys.052811(2017)、に記載されるものを含む。そのようなプロセスでは、基板は、照射からALDの堆積まで真空下に維持される場合があり、プロセス中の材料ハンドリング手順が単純化され、製造において効率化がもたらされる可能性がある。
図9は、代替的なネガ型レジストプロセスで形成され際のマスクの一般的なアーキテクチャを示す。
【0052】
いくつかの実施形態では、イメージング層および基板の処理は、ネガ型パターン形成を使用する。例えば、そのような方法は、
本技術の方法によって作製された基板のイメージング層の領域を選択的に照射する工程と;
例えば、照射された領域を空気または水と反応させて、照射された領域における水素終端SnOxを酸化してヒドロキシ終端SnOxを形成する工程と;
金属ゾルゲル酸化物(例えば、硝酸を含むpH2のスピンコーティングされたテトラエチルオルトシリケート)の溶液をヒドロキシル終端領域上に選択的に堆積させて、照射された領域上に金属酸化物エッチングマスクを形成する工程と;
未反応のゾルゲル溶液を(例えば、リンスにより)除去する工程と;
基板の露出されていない領域(すなわち、ヒドロカルビル終端SnOxを有する領域)を、例えば水素またはメタンプラズマを使用して除去して、下にある基板(例えば、非晶質炭素)を露出させる工程と;
露出された下にある基板を酸素プラズマでエッチングする工程と、を含んでよい。
【0053】
ゾルゲルを作製するための材料および方法は、Henchらによる、The Sol-Gel Process,90 Chem. Rev.33(1990)、およびLuらによる、Continuous formation of supported cubic and hexagonal mesoporous films by sol-gel dip-coating,389 Nature 364(1997)、に記載されている。そのようなプロセスの要素が、
図10のプロセスフローに示される。
【0054】
いくつかの実施形態では、イメージング層および基板を処理する工程は、ブロックコポリマーを堆積および自己組織化して、イメージング表面の親水性および疎水性領域をパターン形成して、ハードマスクを作製する工程を含む。例えば、ハードマスクを作製するためのそのような方法は、
本技術の方法によって作製された基板のイメージング層の領域を選択的に照射する工程と;
例えば、照射された領域を空気または水と反応させて、照射された領域における水素終端SnOxを酸化してヒドロキシ終端SnOxを形成する工程と;
表面をブロックコポリマー反応物でコーティングする工程と;
表面をアニーリングして、組織化されたブロックコポリマーを作製する工程と;
ブロックコポリマーの置換基を選択的に除去してマスクを形成する工程と;
露出された下層を酸素プラズマでエッチングする工程と、を含んでよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、ブロックコポリマー反応物でコーティングする前に、イメージング表面の親水性領域(すなわち、照射された領域)に親水性金属酸化物が堆積されて、ブロックコポリマーの自己組織化を誘導するトポグラフィが作製されてよい。自己組織化ブロックコポリマーを作製するための材料および方法は、Hamley,Nanostructure fabrication using block copolymers,14 Nanotechnology R39(2003)に記載されている。そのようなプロセスの要素が、
図11のプロセスフローに示される。この手法により、フィーチャのサイズを縮小し、BCPの自己組織化に関連する欠陥を削減することができる。
【0056】
本技術はまた、基板上へのハードマスクなどの無電解金属デバイス構造の選択的成長のための方法を提供する。無電解堆積(ELD)による導電性コバルト、ニッケル、または銅のフィーチャの、その後の選択的成長のために、例えば表面を酸化金属イオン(Pd+2塩類など)の水溶液に曝露させて、触媒Pd「シード」原子層を選択的に堆積させてよい。他の実施形態では、もはや疎水性ではない薄いスズベースのイメージング層の露出され「脱保護された」領域が、濃縮HFまたはシュウ酸溶液などの酸性水溶液エッチング剤への短時間の曝露によって選択的にエッチング除去されてよい。
【0057】
例えば、そのような方法は、
本技術の方法によって作製された基板のイメージング層の領域を選択的に照射する工程と;
基板の露出された領域(すなわち、Sn-H表面部分を有する領域)上にパラジウム(Pd)活性化層を選択的に堆積させる工程と;
無電解堆積により、Pd活性化層上に金属、例えばコバルトを堆積させる工程と、を含む。
【0058】
様々な実施形態では、堆積された金属は、コバルト、ニッケル、銅、またはそれらの混合物などの後期遷移金属である。本技術のメカニズム、機能、または有用性を限定するものではないが、いくつかの実施形態では、そのような方法は、金属のブランケット堆積とそれに続くパターン形成を伴う除去を含む、当該技術分野において既知のサブトラクティブ技術とは対照的に、そのようなフィーチャが必要な場合にのみ基板上に金属フィーチャを堆積するための単純なアディティブパターン形成手法を提供してよいと考えられる。そのようなプロセスの要素が、
図12のプロセスフローに示され、
図13に図示されている。
【0059】
結論
次世代のリソグラフィ技術を使用して化学的に異なる領域にパターン形成されてよいイメージング層を基板表面上に作製するための方法(すなわち、表面イメージング)。得られたパターン形成された膜を、例えば、半導体デバイスを生産するためのリソグラフィマスクとして使用してよい。
【0060】
本明細書に記載される実施例および実施形態は例示のみを目的としており、それに照らして、様々な修正または変更が当業者に提案されるであろうことが理解されている。明確化のために様々な詳細が省略されているが、様々な設計の代替形態が実現されてもよい。したがって、本実施例は、例示的であって限定的ではないと見なされるべきであり、本開示は、本明細書に記載される詳細に限定されず、本開示および添付の特許請求の範囲の範囲内において修正されてよい。
【手続補正書】
【提出日】2021-08-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にイメージング層を作製する方法であって、前記方法は、
露出したヒドロキシル基を含む表面を有する基板を提供する工程と;
前記基板の前記表面上にイメージング層としてヒドロカルビル終端SnO
x膜を形成する工程と、を有し、前記ヒドロカルビル終端SnO
x膜は、前記イメージング層に照射することによって開裂可能なスズ-炭素結合を有する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記ヒドロカルビル終端SnO
x膜
を形成する前記工程は、前記基板の前記表面を、ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤と接触させる工程を含み、前記ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤は、前記イメージング層への照射によって、スズ-炭素結合開裂を受ける、方法。
【請求項3】
請求項
2に記載の方法であって、前記ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤は、前記表面と接触する溶液からの可溶性金属酸化物前駆体の付着または成長を防止するためのブロック剤として機能する、方法。
【請求項4】
請求項
2または3に記載の方法であって、前記ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤の化学式が、
R
nSnX
4-n
であり、Rはベータ水素を含むC
2-C
10アルキルまたは置換アルキルであり、Xは、前記露出したヒドロキシル基のヒドロキシル基との反応による脱離基であり、n=1~3である、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、Rは、t-ブチル、t-ペンチル、t-ヘキシル、シクロヘキシル、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、n-ブチル、n-ペンチル、またはn-ヘキシル、およびベータ位置にヘテロ原子置換基を有するそれらの誘導体、からなる群から選択される、方法。
【請求項6】
請求項
4に記載の方法であって、Xは、ジアルキルアミド
、アルコール
、およびハロゲン
からなる群から選択される、方法。
【請求項7】
請求項2に記載の方法であって、前記ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤は、t-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、n-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、t-ブチルトリス(ジエチルアミノ)スズ
、ジ(t-ブチル)ジ(ジメチルアミノ)スズ、secブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、n-ペンチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、イソブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、イソプロピルトリス(ジメチルアミノ)スズ、t-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、n-ブチル(トリス(t-ブトキシ)スズ
)、およびイソプロピルトリス(t-ブトキシ)スズ、からなる群から選択される、方法。
【請求項8】
請求項1~
3のいずれか一項に記載の方法であって、前記基板は、非晶質炭素(a-C)、SnO
x、SiO
2、SiO
xN
y、SiO
xC、Si
3N
4、TiO
2、TiN、W、Wドープ炭素、WO
x、HfO
2、ZrO
2、Al
2O
3、またはBi
2O
3を含む、方法。
【請求項9】
請求項1~
3のいずれか一項に記載の方法であって、
前記提供する工程は、前記基板
の前記表面上にヒドロキシル終端SnO
x層を形成する工程を含む、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記形成する工程は、気相堆積によって前記表面上にヒドロキシル終端SnO
x層を堆積する工程を含む、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記堆積する工程は、Sn-X
nと酸素含有カウンター反応物との反応を含み、Xは、ジアルキルアミド
、アルコール
、またはハロゲン
である、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、Sn-X
nは、SnCl
4、SnI
4、またはSn(NR
2)
4であり、Rは、メチルもしくはエチル、またはSn(t-BuO)
4である、方法。
【請求項13】
請求項11
に記載の方法であって、前記酸素含有カウンター反応物は、水、過酸化水素、ギ酸、アルコール、酸素、オゾン、酸素プラズマ、水プラズマ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、方法。
【請求項14】
請求項10
に記載の方法であって、前記気相堆積は、化学蒸着(CVD)、原子層堆積(ALD)、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)、またはプラズマ強化原子層堆積(PEALD)である、方法。
【請求項15】
請求項10
に記載の方法であって、前記堆積する工程は、前記Sn-X
nを堆積する工程と
、酸素含有カウンター反応物を堆積する工程とのALD周期的プロセスである、方法。
【請求項16】
請求項10
に記載の方法であって、前記堆積する工程は、前記Sn-X
nおよび前記酸素含有カウンター反応物を同時に堆積する工程を含むCVDプロセスである、方法。
【請求項17】
請求項1~
3のいずれか一項に記載の方法であって、前記イメージング層は、0.5nm~5nmの厚さを有する、方法。
【請求項18】
請求項1~
3のいずれか一項に記載の方法であって、前記基板は、下にあるトポグラフィカルフィーチャを備える、方法。
【請求項19】
請求項1~
3のいずれか一項に記載の方法であって、前記イメージング層に照射して、少なくとも1つの露出された領域を形成する工程を更に含み
、ヒドロカルビル終端SnO
xは、露出された領域において水素終端SnO
xに変換される、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、前記照射する工程は、
深紫外線(DUV
)、
極紫外線(EUV
)、X線、または電子ビーム放射の使用を含む、方法。
【請求項21】
請求項
9に記載の方法であって、前記イメージング層への照射によって、前記基板
の前記表面上のヒドロキシ
ル終端SnO
x層が、放射線の吸収を向上させる、方法。
【請求項22】
請求項
20に記載の方法であって、前記照射する工程はEUV放射の使用を含む、方法。
【請求項23】
基板の表面にリソグラフィハードマスクを作製する方法であって、
露出したヒドロキシル基を含む表面を有する基板材料を含む基板を提供する工程と;
ヒドロカルビル終端SnO
xを含むイメージング層を前記表面上に堆積する工程と;
選択的に前記イメージング層に照射する工程であって、
前記イメージング層のSnO
x部分においてヒドロカルビル置換
基が除去されている、および/または、水素終端SnO
xに変換されている、照射された領域と、前記イメージング層が前記ヒドロカルビル終端SnO
xを含む照射されていない領域と、を前記イメージング層が含む、工程と;
前記照射された領域、前記照射されていない領域、またはその両方を、1つ以上の試薬と反応させて、選択的に、前記イメージング層に材料を追加する、または前記イメージング層から材料を除去することによって、前記イメージング層を処理する工程と、を含む方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、前記提供する工程は、気相堆積によって前記基板材料の前記表面上にヒドロキシル終端SnO
x層を堆積する工程を含む、方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法であって
、前記イメージング層を堆積する前記工程は、前記基板の前記表面を、ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤と接触させる工程を含み、前記ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤は、前記イメージング層への照射によって、スズ-炭素結合開裂を受ける、方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法であって、前記ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤の化学式が、
R
nSnX
4-n
であり、Rはベータ水素を有するC
2-C
10アルキルまたは置換アルキルであり、Xは前記露出したヒドロキシル基のヒドロキシル基との反応による好適な脱離基であり、n=1~3である、方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法であって、前記ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤が、t-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、n-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、t-ブチルトリス(ジエチルアミノ)スズ、イソプロピルトリス(ジメチルアミノ)スズ、およびt-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、またはn-ブチル(トリス(t-ブトキシ)スズ
)である、方法。
【請求項28】
請求項23~27のいずれか一項に記載の方法であって、前記照射は、DUV、EUV、X線、または電子ビーム放射の使用を含む、方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、前記照射は、EUV放射の使用を含む、方法。
【請求項30】
請求項23に記載の方法であって、
前記イメージング層の前記SnO
x部分における前記ヒドロカルビル置換
基は、ベータ水素脱離により水素終端SnO
xに変換される、方法。
【請求項31】
請求項23~
27のいずれか一項に記載の方法であって、前記処理する工程は、前記照射された領域における前記水素終端SnO
xを酸化してヒドロキシ
ル終端SnO
xを形成する工程を含む、方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法であって、前記酸化する工程は、前記照射された領域を酸素または水に曝露させる工程を含む、方法。
【請求項33】
請求項31に記載の方法であって、前記処理する工程は、前記照射された領域の前記ヒドロキシ
ル終端SnO
xを除去して、下にある
基板材料を露出させる工程を含み、下にある
前記基板材料が非晶質炭素を含む、方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法であって、前記除去する工程は、前記照射された領域を、希フッ化水素酸、または希水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)で処理する工程を含む、方法。
【請求項35】
請求項33に記載の方法であって、前記処理する工程は、酸素プラズマを使用して、下にある
前記基板材料をエッチングする工程を更に含む、方法。
【請求項36】
請求項31に記載の方法であって、前記処理する工程は、前記照射された領域の前記ヒドロキシ
ル終端SnO
x上に金属酸化物ハードマスクを堆積する工程を更に含む、方法。
【請求項37】
請求項36に記載の方法であって、前記金属酸化物ハードマスクが、SnO
x、SiO
2、SiO
xN
y、SiO
xC、TiO
2、WO
x、HfO
2、ZrO
2、Al
2O
3およびBi
2O
3、からなる群から選択される金属酸化物を含む、方法。
【請求項38】
請求項23に記載の方法であって、前記イメージング層に選択的に照射することによって生成された前記水素終端SnO
x上にのみ、原子層堆積によって金属層を選択的に堆積する工程を更に含む、方法。
【請求項39】
請求項23に記載の方法であって、前記照射されていない領域の前記ヒドロカルビル終端SnO
xが水素またはメタンプラズマによって除去されて、下にある
基板材料が露出され、下にある
前記基板材料が非晶質炭素を含む、方法。
【請求項40】
請求項39に記載の方法であって、前記処理する工程は、酸素プラズマを使用して、下にある前記基板
材料をエッチングする工程を更に含む、方法。
【請求項41】
請求項6に記載の方法であって、
Xは、ジメチルアミド、メチルエチルアミド、ジエチルアミド、t-ブトキシ、イソプロポキシ、F、Cl、Br、およびIからなる群から選択される、方法。
【請求項42】
請求項11に記載の方法であって、
Xは、ジメチルアミド、メチルエチルアミド、ジエチルアミド、t-ブトキシ、イソプロポキシ、F、Cl、Br、およびIからなる群から選択される、方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による組み込み
本出願の一部として、PCT願書が本明細書と同時に提出される。同時に提出されたPCT願書において確認したように、本出願が利益または優先権を主張する出願の各々は、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、基板表面上にイメージング層を作製するためのシステムおよび方法に関する。そのようなイメージング層が、次世代のリソグラフィ技術を使用してパターン形成されてよく、得られたパターン形成された膜は、例えば、半導体デバイスの生産のためのリソグラフィマスクとして使用されてよい。
【背景技術】
【0003】
本明細書で提供される「背景技術」の記載は、本技術の文脈を概略的に提示する。本明細書の「背景技術」に記載されている範囲における、本明細書にて名前を挙げた発明者の業績、ならびに、出願時点で先行技術と見なされないかも知れない本明細書の態様は、本技術に対する先行技術として認められてはない。
【0004】
集積回路などの半導体デバイスの製造は、フォトリソグラフィを伴う多段階プロセスである。一般に、このプロセスは、ウェハー上に材料を堆積し、そしてリソグラフィ技術により材料にパターン形成して半導体デバイスの構造的フィーチャ(例えば、トランジスタ、導体、および他の回路フィーチャ)を形成することを含む。当該技術分野で既知の典型的なフォトリソグラフィプロセスの工程は、基板を準備する工程と;スピンコーティングなどによりフォトレジストを塗布する工程と;フォトレジストを所望のパターンで露光して、フォトレジストの露光された領域を、ある程度、現像液に可溶性にする工程と;現像液を適用することによって現像して、フォトレジストの露光された領域または露光されていない領域のどちらかを除去する工程と;その後の、フォトレジストが除去されている基板の領域にフィーチャを形成するために、例えばエッチングまたは材料堆積によって処理する工程と、を含む。
【0005】
半導体設計の進化が、半導体基板材料上に、これまでにない微細なフィーチャを作製する必要性を生み出してきており、それを作製する能力によって推進されてきた。技術のこのような進歩は、高密度集積回路におけるトランジスタ密度が2年ごとに2倍になるという「ムーアの法則」で特徴付けられている。実際、チップの設計と製造は進歩しており、その結果、最新のマイクロプロセッサは、単一のチップ上に数十億個のトランジスタおよび他の回路機能を含む場合がある。そのようなチップ上の個々のフィーチャは、22ナノメートル(nm)以下、場合によっては10nm未満のオーダーである場合がある。
【0006】
そのように小さなフィーチャを有するデバイスの製造における課題の1つは、十分な解像度を有するフォトリソグラフィマスクを確実かつ再現可能に作製する能力である。現在のフォトリソグラフィプロセスは、典型的には193nmの紫外線(UV)光を使用してフォトレジストを露光する。半導体基板上に形成されるフィーチャの所望のサイズよりも大幅に大きい波長を、光が有するという事実は、固有の問題を生む。光の波長よりも小さいフィーチャサイズを実現するには、マルチパターニングなどの複雑な解像度向上技術の使用を必要とする。したがって、いわゆる「次世代リソグラフィ」技術の開発に大きな関心と研究努力が向けられ、この技術は、電子ビーム放射、または20nm未満、例えば13.5nmの波長を有する極端紫外線(EUV)放射などのより短い波長の光を使用する。
【0007】
しかしながら、次世代リソグラフィ技術は課題を呈し得る。例えば、EUVフォトリソグラフィプロセスの有効性は、光源の低出力、およびパターン形成中の光の損失によって限定され得る。193nmUVリソグラフィで使用されるものに類似した従来の有機化学増幅レジスト(CAR)は、EUVリソグラフィで使用される場合、潜在的な欠点を有する。特に、それらはEUV領域での吸収係数が低く、光活性化化学種の拡散が、ぼやけまたはラインエッジラフネスを引き起こす可能性がある。更には、下にあるデバイス層にパターン形成するために必要なエッチング耐性を提供するために、従来のCAR材料の必要な厚さが、パターン崩壊のリスクを伴う高いアスペクト比をもたらす可能性がある。したがって、厚さの低減、より大きな吸光度、およびより大きなエッチング耐性などの特性を有する、改良されたEUVフォトレジスト材料の必要性が残っている。
【発明の概要】
【0008】
本開示は、基板表面上にイメージング層を作製するための方法を提供する。そのようなイメージング層は、一般に、DUV、EUV、X線、および電子ビームなどの次世代リソグラフィ技術を使用して、化学的に異なる領域にパターン形成されてよい(すなわち、表面イメージング)。得られたパターン形成された膜を、例えば、半導体デバイスを生産するためのリソグラフィマスクとして使用してよい。
【0009】
いくつかの実現形態では、本開示による方法は、EUV光での照射によって、ベータ水素脱離などのスズ-炭素結合開裂を受けるように選択されたアルキル基で終端されたSnOx薄膜のイメージング層を作製することを含んでよい。EUVパターン形成工程では、アルキル基を開裂して、Sn-H結合の領域を残す一方で、未露光の表面をアルキル終端されたままに残すことができる。
【0010】
一実施形態では、基板上にイメージング層を作製する方法は、露出したヒドロキシル基を含む表面を有する基板を提供する工程と、基板表面上に、イメージング層としてヒドロカルビル終端SnOx膜を形成する工程と、を含み、ヒドロカルビル終端SnOx膜は、イメージング層に照射することにより開裂可能なスズ-炭素結合を有する。
【0011】
いくつかの実施形態では、基板表面は、ヒドロカルビル終端SnOx膜イメージング層に対するSnOx下層を含んでよい。基板材料の表面上のヒドロキシル終端SnOx下層は、イメージング層への照射を受けて、放射線の吸収を向上させ、基板から2次電子を発生させ、追加のEUV光子を更に収集して、EUVパターン形成プロセスをより高感度にし、イメージング層の露光に必要なEUVドーズを低減させることができる。
【0012】
様々な実施形態では、イメージング層は、自己制限特性を呈する原子層堆積プロセスによって堆積されてよい。他の実施形態では、イメージング層は、(非自己制限的)化学蒸着プロセスによって堆積された薄膜である。
【0013】
例えば、アルキ置換スズキャッピング剤は、一般式が、
RnSnX4-n
であってよく、RはC2-C10アルキルまたは置換されたアルキル置換基である。Xは、水によって容易に置換されてヒドロキシル中間生成物を形成し、その結果、他のSn-X官能基と反応してSn-O-Sn架橋を形成する任意の好適な脱離基であってよい。様々な実施形態では、Rは分岐状であり、複数のベータ水素原子を有する(最大のものはtert-ブチル置換基に対応する)。例えば、Rは、t-ブチル、t-ペンチル、t-ヘキシル、シクロヘキシル、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、n-ブチル、n-ペンチル、またはn-ヘキシル、またはそれらの誘導体、ならびにフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、窒素、酸素などの1つ以上のヘテロ原子を含む類似の材料、であってよい。
【0014】
本技術はまた、EUVまたは他の放射線を使用して、本技術の方法によって作製されたコーティングされた基板の表面上にパターンを形成するための方法を提供する。コーティングされた基板の更なる処理は、露出された領域および露出されていない領域における化学的差異、特にイメージング層の露出された領域において水素終端SnOxに変換されたヒドロカルビル終端SnOx、を利用してよい。露出された領域と露出されていない領域との間の特性の違いを、例えば、照射された領域、照射されていない領域、またはその両方を、1つ以上の試薬と反応させて、選択的に、イメージング層に材料を追加する、またはイメージング層から材料を除去することにより、以降の処理において活用してよい。
【0015】
様々な実施形態では、本技術は、基板表面上にエッチング耐性を有する薄いハードマスク層をパターン形成する方法を提供し、方法は、
露出したヒドロキシル基を含む表面を有する基板材料を含む基板を提供する工程と;
ヒドロカルビル終端SnOxを含むイメージング層を表面上に堆積する工程と;
選択的にイメージング層に照射する工程であって、ヒドロカルビル終端されたイメージング層のSnOx部分においてヒドロカルビル置換基が除去されている、および/または、水素終端SnOxに変換されている、照射された領域と、イメージング層がヒドロカルビル終端SnOxを含む照射されていない領域と、をイメージング層が含む、工程と;
照射された領域、照射されていない領域、またはその両方を、1つ以上の試薬と反応させて、選択的に、イメージング層に材料を堆積させる、またはイメージング層から材料を除去することによって、イメージング層を処理する工程と、を含む。
【0016】
照射は、DUV、EUV、X線、または電子ビーム放射の使用を含んでよい。いくつかの実施形態では、処理する工程は、照射された領域における水素終端(Sn-H)官能基を酸化して、Sn-OHヒドロキシル終端SnOxを形成する工程を更に含む。
【0017】
本技術の適用可能な更なる領域が、「発明を実施するための形態」、「特許請求の範囲」、および図面から明らかとなるであろう。「発明を実施するための形態」および具体例は、例示のみを目的としており、技術の範囲を限定することを意図していない。本技術は、詳細な説明および添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本技術の例示的なプロセスのフローチャートである。
【
図2】
図2は、本技術の例示的なプロセスで形成される基板の一般的なアーキテクチャを示す。
【
図3】
図3は、本技術の例示的なプロセスで形成される別の基板の一般的なアーキテクチャを更に示す。
【
図4】
図4は、本技術の例示的なプロセスで形成される別の基板の一般的なアーキテクチャを更に示す。
【
図5】
図5は、本技術の例示的なネガ型レジストプロセスのフローチャートである。
【
図6】
図6は、
図5のネガ型レジストプロセスで形成されたマスクの一般的なアーキテクチャを概略的に示す。
【
図7A】
図7Aは、
図5のネガ型レジストプロセスで形成されたマスクの一般的なアーキテクチャを例示的な化学構造と共に示す。
【
図7B】
図7Bは、
図5のネガ型レジストプロセスで形成されたマスクの一般的なアーキテクチャを例示的な化学構造と共に示す。
【
図8】
図8は、本技術の代替的な例示的なネガ型レジストプロセスのフローチャートである。
【
図9】
図9は、
図8のネガ型レジストプロセスで形成されたマスクの一般的なアーキテクチャを示す。
【
図10】
図10は、自己組織化ゾルゲルを基板上に形成するための本技術のプロセスを例示するフローチャートである。
【
図11】
図11は、自己組織化ブロックコポリマーを基板上に形成するための本技術のプロセスを例示するフローチャートである。
【
図12】
図12は、金属デバイス構造を基板上に選択的に成長させるための本技術のプロセスを例示するフローチャートである。
【
図13】
図13は、
図12のプロセスにおいて金属が堆積される際の基板の一般的なアーキテクチャを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書では、本開示の具体的な実施形態を詳細に参照する。具体的な実施形態の例が、添付の図面に示されている。本開示はこれらの具体的な実施形態に関連して説明されるが、本開示をそのような具体的な実施形態に限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。むしろ、本開示の趣旨および範囲に含まれてよい代替形態、修正形態、および等価物を網羅することを意図している。以下の記載には、本開示の完全な理解を提供するために数多くの具体的な詳細が記述されている。本開示は、これらの具体的な詳細の一部または全てを伴うことなく実施されてよい。その他の場合には、本開示を不必要に不明瞭にしないように、良く知られたプロセス作業は詳細には説明していない。
【0020】
上で論じたように、本開示は、半導体基板上にイメージング層を作製するための方法を提供し、イメージング層は、EUVまたは他の次世代リソグラフィ技術を使用してパターン形成されてよい。現在使用され開発されている標準の13.5nmのEUV波長を含むEUVに加えて、そのようなリソグラフィに最も関連する放射線源は、一般に248nmまたは193nmのエキシマレーザー光源の使用を指すDUV(deep-UV)、形式上はX線範囲の低エネルギー範囲内にEUVを含むX線、ならびに広いエネルギー範囲をカバーできる電子ビーム、である。そのような方法には、露出したヒドロキシル基を有する基板をヒドロカルビル置換スズキャッピング剤と接触させて、基板表面上にイメージング層としてヒドロカルビル終端SnOx膜を形成する方法が含まれる。様々な実施形態では、イメージング層は薄い層であり、基板上で接着層として機能して、例えばリソグラフィプロセス用のハードマスクを形成する際に、基板上への追加材料の選択的堆積を容易にしてよい。具体的な方法は、半導体基板および最終的な半導体デバイスで使用される具体的な材料および用途に依存してよい。したがって、本出願に記載される方法は、本技術で使用されてよい方法および材料の単なる例示である。
【0021】
基板
本技術の方法において有用な基板は、リソグラフィ処理、特に集積回路および他の半導体デバイスの生産に好適な任意の材料構造を含んでよい。いくつかの実施形態では、基板はシリコンウェハーである。基板は、不規則な表面トポグラフィを有するフィーチャ(「下にあるトポグラフィカルフィーチャ」)がその上に作製されたシリコンウェハーであってよい。(本明細書にて参照される場合、「表面」は、その上に本技術の膜が堆積されることになる表面、または処理中にEUVに曝露されることになる表面である。)そのような下にあるトポグラフィカルフィーチャは、本技術の方法を実施する前の処理中に、材料が除去された領域(例えば、エッチングによって)、または材料が追加された領域(例えば、堆積によって)を含んでよい。そのような事前処理は、本技術の方法、または2層以上のフィーチャが基板上に形成される反復プロセスでの他の処理方法を含んでよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、基板は、下にある半導体材料のリソグラフィエッチングで使用されるハードマスクである。ハードマスクは、非晶質炭素(a-C)、SnOx、SiO2、SiOxNy、SiOxC、Si3N4、TiO2、TiN、W、Wドープ炭素、WOx、HfO2、ZrO2、およびAl2O3を含む様々な材料のいずれかを含んでよい。例えば、基板は、好ましくは、SnO2などのSnOxを含んでよい。様々な実施形態では、層は、1nm~100nmの厚さ、または2nm~10nmの厚さであってよい。
【0023】
様々な実施形態において、基板は、その表面上に露出したヒドロキシル基を含む。一般に、表面は、露出したヒドロキシル表面を含むか、またはそれを生成するように処理された任意の表面であってよい。(本明細書において参照される場合、「表面」は、基板と別の材料との間の境界を定める基板の一部、またはその境界の欠如(例えば、ガス、コーティング、または真空)を意味し、様々な実施形態では、放射線への曝露、または他の材料中の成分との反応のために利用可能であってよい。)したがって、方法は、そのような基板を「提供する工程」を含んでよく、この工程では、本技術の方法とは別に、露出したヒドロキシル基を有する基板が出発材料として得られる、または、上述し以下に更に記載するように、ヒドロキシル基を基板上に形成し、その後、表面をヒドロキシル置換スズキャッピング剤と接触させることを含む単一プロセスの一部として作製される。例えば、そのようなヒドロキシル基は、酸素プラズマ、水プラズマ、またはオゾンを使用する基板の表面処理によって基板表面上に形成されてよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、露出したヒドロキシル基を含む基板は、ヒドロキシル終端SnOxを含む表面層または膜を含む。例えば、基板は、ヒドロキシル終端SnOxの表面を有する非晶質炭素を含んでよい。本技術のメカニズム、機能、または有用性を限定することなく、ヒドロキシル終端SnOx層は、基板表面上に堆積された材料の接着性の改善、およびパターン形成中におけるEUV(または他の放射線)の吸収の向上などの利点を提供する場合があると考えられる。EUVまたは他の照射に対する感度、および分解能は、厚さ、密度、および短距離電荷移動特性などのSnOx層の特性に依存する場合がある。様々な実施形態では、SnOx層は、0.1nm~20nm、または0.2nm~10nm、または0.5nm~5nmの厚さを有する。
【0025】
いくつかの実施形態では、ヒドロキシル終端SnOx層は、蒸着によって基板表面上に堆積される。そのような方法では、堆積は、Sn-Xnを酸素含有カウンター反応物と反応させることを含み、Xは、ジアルキルアミド(例えば、ジメチルアミド、メチルエチルアミド、およびジエチルアミド)、アルコール(例えば、t-ブトキシ、およびイソプロポキシ)、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、およびI)、または他の有機置換基(例えば、アセチルアセトン、N2,N3-ジ-tertブチル-ブタン-2,3-ジアミド)などの配位子である。例えば、Sn-Xnは、SnCl4、SnI4、またはSn(NR2)4であってよく、Rは、メチルまたはエチル、またはSn(t-BuO)4である。いくつかの実施形態では、複数のタイプの配位子が存在する。酸素含有カウンター反応物は、水、過酸化水素、ギ酸、アルコール、酸素、オゾン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択してよい。
【0026】
好適な蒸着プロセスには、化学蒸着(CVD)、原子層堆積(ALD)、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)、またはプラズマ強化原子層堆積(PEALD)が含まれる。いくつかの実施形態では、堆積は、Sn-Xnを堆積し、酸素含有カウンター反応物を堆積する周期的プロセスでのALDである。いくつかの実施形態では、堆積は、Sn-Xn、および酸素含有カウンター反応物を同時に流すことによるCVDである。SnOx層を堆積するために本明細書で有用な材料およびプロセスは、Nazarovらによる、Atomic Layer Deposition of Tin Dioxide Nanofilms:A Review,40 Rev.Adv.Mater.Sci 262(2015)に記載されている。
【0027】
例示的な連続CVDプロセスでは、Sn-Xnおよび酸素含有カウンター反応物のソースの2つ以上のガスストリームが、別々の入口経路でCVD装置の堆積チャンバに導入され、それらは気相で混合および反応して基板上にSnOxコーティングが形成される。ストリームは、例えば、デュアルプレナムシャワーヘッドを使用して導入されてよい。装置は、Sn-Xnおよび酸素含有カウンター反応物のソースのストリームがチャンバ内で混合され、Sn-Xnおよび酸素含有カウンター反応物のソースが反応して、SnOx層を形成することを可能にするように構成されている。CVDプロセスは、一般に、0.1トル~10トルなどの減圧で実施される。いくつかの実施形態では、プロセスは1~2トルにおいて実施される。基板の温度は、好ましくは、反応物ストリームの温度よりも低い。例えば、基板温度は、0℃~250℃、または周囲温度(例えば、23℃)~150℃であってよい。
【0028】
SnOx基板は、ALDプロセスによって堆積することもできる。例えば、Sn-Xnおよび酸素含有カウンター反応物は別々の時間に導入される。前駆体は表面上で反応し、パルスごとに1度に最大で材料の単分子層を形成する。これにより、表面全体にわたり、膜厚の均一性に対して優れた制御を可能にする場合がある。ALDプロセスは、一般に、0.1トル~10トルなどの減圧で実施される。いくつかの実施形態では、プロセスは1~2トルにおいて実施される。基板温度は、0℃~250℃、または周囲温度(例えば、23℃)~150℃であってよい。このプロセスは、熱プロセス、または好ましくはプラズマ支援堆積であってよい。
【0029】
スズキャッピング剤
本明細書で有用なヒドロカルビル置換スズキャッピング剤は、イメージング層への照射によって、スズ-炭素結合開裂を受ける置換基を含む。そのような開裂はホモリティックであってよい。いくつかの実施形態では、開裂は、アルケンフラグメントを放出させて、元々はアルキル置換基を有していたスズ原子に水素原子を結合させたまま残すベータ水素脱離によって生じてよい。
【0030】
具体的なスズキャッピング剤は、意図したリソグラフィプロセス、すなわち使用される具体的な照射に応じて選択されてよい。更に、ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤は、その後の基板上への材料の堆積に対するバリアとして機能するように選択されてよい。したがって、いくつかの実施形態では、ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤は、表面と接触する溶液からの可溶性金属酸化物前駆体の付着または成長を防止するための原子層堆積ブロック剤である。
【0031】
様々な実施形態では、ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤はアルキル置換されており、例えば、以下の一般式、
RnSnXm
を有する薬剤であり、Rはベータ水素を有するC2-C10アルキルまたは置換アルキルであり、Xは、露出したヒドロキシル基のヒドロキシル基との反応による好適な脱離基であり、様々な実施形態では、n=1~3、およびm=4~nである。例えば、Rは、t-ブチル、t-ペンチル、t-ヘキシル、シクロヘキシル、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、n-ブチル、n-ペンチル、またはn-ヘキシル、またはベータ位置にヘテロ原子置換基を有するそれらの誘導体、であってよい。好適なヘテロ原子には、ハロゲン(F、Cl、Br、またはI)、または酸素(-OHまたは-OR)が含まれる。Xは、ジアルキルアミド(例えば、ジメチルアミド、メチルエチルアミド、またはジエチルアミド)、アルコール(例えば、t-ブトキシ、イソプロポキシ)、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)、または別の有機配位子であってよい。ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤の例としては、t-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、n-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、t-ブチルトリス(ジエチルアミノ)スズ、ジ(t-ブチル)ジ(ジメチルアミノ)スズ、secブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、n-ペンチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、イソブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、イソプロピルトリス(ジメチルアミノ)スズ、t-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、n-ブチル(トリス(t-ブトキシ)スズ)、またはイソプロピルトリス(t-ブトキシ)スズ、が挙げられる。
【0032】
イメージング層の作製方法
様々な態様では、本技術の方法は、
露出したヒドロキシル基を含む表面を有する基板を提供する工程と;
表面をヒドロカルビル置換スズキャッピング剤と接触させて、イメージング層としてヒドロカルビル終端SnOx膜を基板表面上に形成する工程と、を含む。
【0033】
一般に、表面をヒドロカルビル置換スズキャッピング剤と接触させることは、好ましくは表面上にキャッピング剤の均一な分布を作り出すために、任意の好適な技術を使用して実施されてよい。このような方法は、ALDやCVDなどの蒸着技術を含む。また、キャッピング剤と基板の露出したヒドロキシル基との反応を手助けするために水を添加してよい。そのような方法では、キャッピング剤と水を繰り返し適用して、ヒドロカルビル置換スズキャッピング機能が十分に飽和している表面を形成してよい。アルキチオールなどの追加のアルキルベースの試薬への曝露によって、基板表面上に、増加したレベルのヒドロカルビル置換基を有する表面を形成してよい。
【0034】
例示的な連続CVDプロセスでは、RnSn-Xmおよび酸素含有カウンター反応物のソースの2つ以上のガスストリームが、別々の入口経路でCVD装置の堆積チャンバに導入され、それらは気相で混合および反応し、凝縮して基板上にSnOxコーティングが形成される。ストリームは、例えば、デュアルプレナムシャワーヘッドを使用して導入されてよい。装置は、RnSn-Xmおよび酸素含有カウンター反応物のソースのストリームがチャンバ内で混合され、RnSn-Xmおよび酸素含有カウンター反応物のソースが反応して、SnOx層を形成することを可能にするように構成されている。CVDプロセスは、一般に、0.1トル~10トルなどの減圧で実施される。いくつかの実施形態では、プロセスは1~2トルにおいて実施される。基板の温度は、好ましくは、反応物ストリームの温度よりも低い。例えば、基板温度は、0℃~250℃、または周囲温度(例えば、23℃)~150℃であってよい。
【0035】
SnOxイメージング層は、ALDプロセスによって堆積することもできる。この場合、RnSn-Xm酸素含有カウンター反応物は、ALDサイクルを表す別々の時間に導入される。前駆体は表面上で反応し、ALDサイクルごとに1度に最大で材料の単分子層を形成する。これにより、ウェハー全体にわたり、膜厚の均一性に対して優れた制御が可能になる。ALDプロセスは、一般に、0.1トル~10トルなどの減圧で実施される。いくつかの実施形態では、プロセスは1~2トルにおいて実施される。基板温度は、0℃~250℃、または周囲温度(例えば、23℃)~150℃であってよい。このプロセスは、熱駆動プロセスになる。膜は最初のサイクル後に大幅に成長していることは予想されておらず、その後のサイクルが、R終端Snで表面を更に飽和させるように設計されている。
【0036】
パターン形成
本技術はまた、イメージング層のある領域をEUV、DUV、または電子ビームなどの照射に曝露させることにより、イメージング層がパターン形成される方法を提供する。そのようなパターン形成では、放射線はイメージング層の1つ以上の領域に集束される。露光は、典型的には、イメージング層の膜が放射線で露光されない1つ以上の領域を含むように実施される。得られるイメージング層は、複数の露出された領域および露出されていない領域を含んで、その後の基板の処理において基板からの材料の追加または除去によって形成されるトランジスタまたは半導体デバイスの他のフィーチャの作製と整合するパターンが作製されてよい。本明細書で有用なものの中で、EUV、DUV、および電子ビームの放射方法および装置には、当該技術分野において既知の方法および装置が含まれる。
【0037】
特に、イメージング層の領域は、露光されていない領域と比較して物理的または化学的特性が変化しているパターン形成によって作製される。特に、様々な実施形態では、表面上に存在するヒドロカルビル終端SnOxは、特に露光がEUVを使用して真空中で行われる場合、イメージング層の露光された領域において水素終端SnOxに変換される。しかしながら、露出したイメージング層を真空から取り出して空気中に入れること、または酸素、オゾン、H2O2、または水を制御して導入することにより、表面Sn-Hが酸化されてSn-OHになる可能性がある。露出された領域と露出されていない領域との間の特性の違いを、例えば、照射された領域、照射されていない領域、またはその両方を、1つ以上の試薬と反応させて、選択的に、イメージング層に材料を追加する、またはイメージング層から材料を除去することにより、以降の処理において活用してよい。
【0038】
したがって、様々な実施形態では、本技術は、基板表面上にリソグラフィハードマスクを作製する方法を提供し、この方法は、
露出したヒドロキシル基を含む表面を有する基板材料を含む基板を提供する工程と;
ヒドロカルビル終端SnOxを含むイメージング層を表面上に堆積する工程と;
選択的にイメージング層に照射する工程であって、イメージング層のヒドロカルビル終端SnOxが水素終端SnOxに変換されている、照射された領域と、イメージング層がヒドロカルビル終端SnOxを含む照射されていない領域と、をイメージング層が含む、工程と;
照射された領域、照射されていない領域、またはその両方を、1つ以上の試薬と反応させて、選択的に、イメージング層に材料を追加する、またはイメージング層から材料を除去することによって、イメージング層を処理する工程と、を含む。
様々な実施形態では、基板材料は非晶質炭素またはSnOxを含む。
【0039】
任意選択で、過剰な水分を除去し、Sn-O-Sn架橋を促進するように、イメージング層が加熱または「ベーク」される。例えば、サンプルは、R-Sn結合が大幅に開裂されることがない条件で、例えば、50℃~200℃にて5分で、または70℃~150℃にて2分でベークできる。
【0040】
リソグラフィ処理
上述したように、照射に続くイメージング層のその後の処理は、基板材料と、基板を使用して作製される半導体デバイスの所望のフィーチャとに依存することになる。例えば、フィーチャは、例えば、パターン形成を伴う露光ツールによって画定された露光された(ポジ型)または露光されていない(ネガ型)領域のいずれかにおいて液体現像液に対して選択的に可溶性になる膜のスピンコート塗布を使用して、様々なリソグラフィ技術によって基板上に作製されてよい。
【0041】
本技術のリソグラフィ方法が、
図1のプロセスフローに全般的に示されている。図示するように、基板は、基板材料(110)上にヒドロキシ
ル終端SnO
x「下層」を堆積することによって形成される。基板表面上のヒドロキシ
ル終端SnO
x下層は、イメージング層への照射を受けて、放射線の吸収を向上させ、基板から2次電子を発生させ、追加のEUV光子を更に収集して、EUVパターン形成プロセスをより高感度にし、イメージング層の露光に必要なEUVドーズを低減させることができる。
【0042】
次いで、ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤を表面に堆積して、ヒドロカルビル終端SnO
x膜を基板表面上に形成することにより、イメージング層が形成される(120)。次いで、基板は放射線に曝露され(例えば、EUVを使用して)(130)、任意選択で、ベークされる(140)。次いで、イメージング層の表面が処理される(150)。
図2は、そのようなプロセスで形成された基板の一般的なアーキテクチャを例示的な化学構造と共に概略的に示す。
図3は、そのようなプロセスの具体例を示しており、イメージング層は、ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤t-ブチルSn(N(CH
3)
2)
3から形成されている。
図4は、スズキャッピング剤であるn-BuSn(OtBu)
3から形成された活性化(EUVリリース)PR接着イメージング層の代替案を示す。
【0043】
いくつかの方法では、処理する工程は、照射された領域において水素終端SnOxを酸化してヒドロキシル終端SnOxを形成する工程を含む。酸化する工程は、照射された領域を酸素または水に曝露させる工程を含んでよい。いくつかの方法では、その後の処理する工程は、照射された領域内のヒドロキシル終端SnOxを除去して、下にある基板材料を露出させエッチングする工程を含む。エッチングは、パターン形成された膜を希フッ化水素酸水溶液、または代替として希水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)で処理することによって実施してよい。処理する工程は、酸素プラズマを使用して、下にある基板層をエッチングする工程を更に含んでよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、処理する工程は、照射された領域のヒドロキシル終端SnOx上に、ハードマスクとして作用可能であってよい金属酸化物を堆積する工程を更に含む。このようなハードマスク材料は、SnO2、SiO2、TiO2、WOx、HfO2、ZrO2、Ta2O5、Nb2O5、B2O3、GeO2、ZnO、V2O5、およびAl2O3からなる群から選択される金属酸化物を含んでよい。堆積は、例えば、ALDによって行われてよい。
【0045】
本技術のいくつかの方法では、照射されていない領域のヒドロカルビル終端SnOxが水素またはメタンプラズマによって除去されて、下にある非晶質炭素層が露出する。処理する工程は、酸素プラズマを使用して、下にある基板材料をエッチングする工程を更に含んでよい。
【0046】
本技術のメカニズム、機能、または有用性を限定するものではないが、いくつかの実施形態では、本技術のリソグラフィ法は、当該技術分野において既知の方法に優る利点を提供すると考えられる。その利点は、例えば、ウェットレジスト配合物を塗布および除去する必要性を回避すること(例えば、スカムおよびパターン歪みの回避)、EUVまたは他の照射の後の連続プロセスにおいて真空下で露光された基板を現像するなどのプロセスを簡略化すること、非常に薄い金属酸化物構造体の使用によりパターン崩壊を低減させること、ラインエッジラフネスを改善すること、およびハードマスクの化学的性質を特定の基板および半導体デバイス設計に合わせて調整する能力を提供すること、である。
【0047】
追加の実施形態
上述したように、本技術の具体的なポストイメージング方法および適用は、基板および所望のデバイス設計に応じて、様々な材料およびプロセスのいずれを伴ってよい。イメージング層の処理は、基板材料と、基板を使用して作製される半導体デバイスの所望のフィーチャとに依存する場合がある。例えば、フィーチャは、典型的には、パターン形成を伴う露光ツールによって画定された露光された(ポジ型)または露光されていない(ネガ型)領域のいずれかにおいて現像液に対して選択的に可溶性になる膜の塗布を伴う様々な標準的なリソグラフィ技術によって基板上に作製されてよい。処理は、誘導自己組織化(DSA)ブロックコポリマー(BCP)、ゾルゲルの誘導自己組織化、および原子層堆積または化学蒸着による材料(金属または金属酸化物など)の選択的堆積、を含むリソグラフィマスクの作製を含んでよい。
【0048】
例えば、いくつかの実施形態では、イメージング層および基板の処理によりポジ型マスクが作製される。そのような方法は、
本技術の方法によって作製された基板のイメージング層の領域を選択的に照射する工程と;
例えば、照射された領域を空気または水と反応させて、照射された領域における水素終端SnOxを酸化してヒドロキシル終端SnOxを形成する工程と;
照射された領域を希フッ化水素酸水溶液(HF)または希水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)と接触させて、露出されたヒドロキシル終端表面をエッチングし、下にある基板材料(非晶質炭素など)を露出させる工程と;
露出された下層を酸素プラズマでエッチングする工程と、を含んでよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、イメージング層および基板の処理は、ネガ型レジストを作製する。例えば、そのような方法は、
本技術の方法によって作製された基板のイメージング層の領域を選択的に照射する工程と;
例えば、照射された領域を空気または水と反応させて、照射された領域における水素終端SnOxを酸化してヒドロキシル終端SnOxを形成する工程と;
金属酸化物ハードマスクをヒドロキシル終端領域上に、例えばALDによって選択的に堆積する工程と;
例えば、H2、CH4、またはBCl3ベースのプラズマを使用して、基板の露出されていない領域(すなわち、ヒドロカルビル終端SnOxを有する領域)を除去して、下にある基板(例えば、非晶質炭素)を露出させる工程と;
露出された下にある基板を酸素プラズマでエッチングする工程と、を含んでよい。
【0050】
1つのそのようなプロセスの要素が、
図5のプロセスフローに示される。
図6および
図7A、
図7Bは、それぞれ、そのようなネガ型レジストプロセスの1つで(露出された表面のヒドロキシル化から始めて)形成されるマスクの一般的な概略的なアーキテクチャと、例示的な化学構造を示す。
【0051】
代替的なネガ型レジストプロセスの要素を
図8に示す。このプロセスでは、照射された領域における水素終端SnO
xは酸化されない。むしろ、金属または金属酸化物のハードマスクが、照射された領域のSn-H表面上に、例えばALDによって堆積される。水素化物表面への金属のALD堆積の一般的な方法と条件は、Kwonらによる、Substrate Selectivity of (
tBu-Allyl)Co(CO)
3 during Thermal Atomic Layer Deposition of Cobalt,24 Chem.Mater.1025(2012)、および、Lemaireらによる、Understanding inherent substrate selectivity during atomic layer deposition:Effect of surface preparation,hydroxyl density,and metal oxide composition on nucleation mechanisms during tungsten ALD,146 J.Chem.Phys.052811(2017)、に記載されるものを含む。そのようなプロセスでは、基板は、照射からALDの堆積まで真空下に維持される場合があり、プロセス中の材料ハンドリング手順が単純化され、製造において効率化がもたらされる可能性がある。
図9は、代替的なネガ型レジストプロセスで形成され際のマスクの一般的なアーキテクチャを示す。
【0052】
いくつかの実施形態では、イメージング層および基板の処理は、ネガ型パターン形成を使用する。例えば、そのような方法は、
本技術の方法によって作製された基板のイメージング層の領域を選択的に照射する工程と;
例えば、照射された領域を空気または水と反応させて、照射された領域における水素終端SnOxを酸化してヒドロキシル終端SnOxを形成する工程と;
金属ゾルゲル酸化物(例えば、硝酸を含むpH2のスピンコーティングされたテトラエチルオルトシリケート)の溶液をヒドロキシル終端領域上に選択的に堆積させて、照射された領域上に金属酸化物エッチングマスクを形成する工程と;
未反応のゾルゲル溶液を(例えば、リンスにより)除去する工程と;
基板の露出されていない領域(すなわち、ヒドロカルビル終端SnOxを有する領域)を、例えば水素またはメタンプラズマを使用して除去して、下にある基板(例えば、非晶質炭素)を露出させる工程と;
露出された下にある基板を酸素プラズマでエッチングする工程と、を含んでよい。
【0053】
ゾルゲルを作製するための材料および方法は、Henchらによる、The Sol-Gel Process,90 Chem. Rev.33(1990)、およびLuらによる、Continuous formation of supported cubic and hexagonal mesoporous films by sol-gel dip-coating,389 Nature 364(1997)、に記載されている。そのようなプロセスの要素が、
図10のプロセスフローに示される。
【0054】
いくつかの実施形態では、イメージング層および基板を処理する工程は、ブロックコポリマーを堆積および自己組織化して、イメージング表面の親水性および疎水性領域をパターン形成して、ハードマスクを作製する工程を含む。例えば、ハードマスクを作製するためのそのような方法は、
本技術の方法によって作製された基板のイメージング層の領域を選択的に照射する工程と;
例えば、照射された領域を空気または水と反応させて、照射された領域における水素終端SnOxを酸化してヒドロキシル終端SnOxを形成する工程と;
表面をブロックコポリマー反応物でコーティングする工程と;
表面をアニーリングして、組織化されたブロックコポリマーを作製する工程と;
ブロックコポリマーの置換基を選択的に除去してマスクを形成する工程と;
露出された下層を酸素プラズマでエッチングする工程と、を含んでよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、ブロックコポリマー反応物でコーティングする前に、イメージング表面の親水性領域(すなわち、照射された領域)に親水性金属酸化物が堆積されて、ブロックコポリマーの自己組織化を誘導するトポグラフィが作製されてよい。自己組織化ブロックコポリマーを作製するための材料および方法は、Hamley,Nanostructure fabrication using block copolymers,14 Nanotechnology R39(2003)に記載されている。そのようなプロセスの要素が、
図11のプロセスフローに示される。この手法により、フィーチャのサイズを縮小し、BCPの自己組織化に関連する欠陥を削減することができる。
【0056】
本技術はまた、基板上へのハードマスクなどの無電解金属デバイス構造の選択的成長のための方法を提供する。無電解堆積(ELD)による導電性コバルト、ニッケル、または銅のフィーチャの、その後の選択的成長のために、例えば表面を酸化金属イオン(Pd+2塩類など)の水溶液に曝露させて、触媒Pd「シード」原子層を選択的に堆積させてよい。他の実施形態では、もはや疎水性ではない薄いスズベースのイメージング層の露出され「脱保護された」領域が、濃縮HFまたはシュウ酸溶液などの酸性水溶液エッチング剤への短時間の曝露によって選択的にエッチング除去されてよい。
【0057】
例えば、そのような方法は、
本技術の方法によって作製された基板のイメージング層の領域を選択的に照射する工程と;
基板の露出された領域(すなわち、Sn-H表面部分を有する領域)上にパラジウム(Pd)活性化層を選択的に堆積させる工程と;
無電解堆積により、Pd活性化層上に金属、例えばコバルトを堆積させる工程と、を含む。
【0058】
様々な実施形態では、堆積された金属は、コバルト、ニッケル、銅、またはそれらの混合物などの後期遷移金属である。本技術のメカニズム、機能、または有用性を限定するものではないが、いくつかの実施形態では、そのような方法は、金属のブランケット堆積とそれに続くパターン形成を伴う除去を含む、当該技術分野において既知のサブトラクティブ技術とは対照的に、そのようなフィーチャが必要な場合にのみ基板上に金属フィーチャを堆積するための単純なアディティブパターン形成手法を提供してよいと考えられる。そのようなプロセスの要素が、
図12のプロセスフローに示され、
図13に図示されている。
【0059】
結論
次世代のリソグラフィ技術を使用して化学的に異なる領域にパターン形成されてよいイメージング層を基板表面上に作製するための方法(すなわち、表面イメージング)が提供される。得られたパターン形成された膜を、例えば、半導体デバイスを生産するためのリソグラフィマスクとして使用してよい。
【0060】
本明細書に記載される実施例および実施形態は例示のみを目的としており、それに照らして、様々な修正または変更が当業者に提案されるであろうことが理解されている。明確化のために様々な詳細が省略されているが、様々な設計の代替形態が実現されてもよい。したがって、本実施例は、例示的であって限定的ではないと見なされるべきであり、本開示は、本明細書に記載される詳細に限定されず、本開示および添付の特許請求の範囲の範囲内において修正されてよい。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
基板上にイメージング層を作製する方法であって、前記方法は、
露出したヒドロキシル基を含む表面を有する基板を提供する工程と;
前記基板の前記表面上にイメージング層としてヒドロカルビル終端SnO
x
膜を形成する工程と、を有し、前記ヒドロカルビル終端SnO
x
膜は、前記イメージング層に照射することによって開裂可能なスズ-炭素結合を有する、方法。
適用例2:
適用例1の方法であって、前記ヒドロカルビル終端SnO
x
膜の前記イメージング層を形成する前記工程は、前記基板の前記表面を、ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤と接触させる工程を含み、前記ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤は、前記イメージング層への照射によって、スズ-炭素結合開裂を受ける、方法。
適用例3:
適用例1の方法であって、前記ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤は、前記表面と接触する溶液からの可溶性金属酸化物前駆体の付着または成長を防止するためのブロック剤として機能する、方法。
適用例4:
適用例1~3のいずれか一項の方法であって、前記ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤の化学式が、
R
n
SnX
4-n
であり、Rはベータ水素を含むC
2
-C
10
アルキルまたは置換アルキルであり、Xは、前記露出したヒドロキシル基のヒドロキシル基との反応による脱離基であり、n=1~3である、方法。
適用例5:
適用例4の方法であって、Rは、t-ブチル、t-ペンチル、t-ヘキシル、シクロヘキシル、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチル、n-ブチル、n-ペンチル、またはn-ヘキシル、およびベータ位置にヘテロ原子置換基を有するそれらの誘導体、からなる群から選択される、方法。
適用例6:
適用例4または5の方法であって、Xは、ジアルキルアミド(例えば、ジメチルアミド、メチルエチルアミド、またはジエチルアミド)、アルコール(例えば、t-ブトキシ、イソプロポキシ)、およびハロゲン(例えば、F、Cl、Br、またはI)、からなる群から選択される、方法。
適用例7:
適用例2の方法であって、前記ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤は、t-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、n-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、t-ブチルトリス(ジエチルアミノ)スズ、イソプロピルトリス(ジメチルアミノ)スズ、t-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、n-ブチル(トリス(t-ブトキシ)スズ、ジ(t-ブチル)ジ(ジメチルアミノ)スズ、secブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、n-ペンチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、イソブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、イソプロピルトリス(ジメチルアミノ)スズ、t-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、n-ブチル(トリス(t-ブトキシ)スズ、およびイソプロピルトリス(t-ブトキシ)スズ、からなる群から選択される、方法。
適用例8:
適用例1~7のいずれか一項の方法であって、前記基板は、非晶質炭素(a-C)、SnO
x
、SiO
2
、SiO
x
N
y
、SiO
x
C、Si
3
N
4
、TiO
2
、TiN、W、Wドープ炭素、WO
x
、HfO
2
、ZrO
2
、Al
2
O
3
、またはBi
2
O
3
を含む、方法。
適用例9:
適用例1~8のいずれか一項の方法であって、前記提供する工程は、基板材料の前記表面上にヒドロキシル終端SnO
x
層を形成する工程を含む、方法。
適用例10:
適用例9の方法であって、前記形成する工程は、気相堆積によって前記表面上にヒドロキシル終端SnO
x
層を堆積する工程を含む、方法。
適用例11:
適用例10の方法であって、前記堆積する工程は、Sn-X
n
と酸素含有カウンター反応物との反応を含み、Xは、ジアルキルアミド(例えば、ジメチルアミド、メチルエチルアミド、ジエチルアミド)、アルコール(t-ブトキシ、イソプロポキシ)、またはハロゲン(例えば、F、Cl、Br、およびI)である、方法。
適用例12:
適用例11の方法であって、Sn-X
n
は、SnCl
4
、SnI
4
、またはSn(NR
2
)
4
であり、Rは、メチルもしくはエチル、またはSn(t-BuO)
4
である、方法。
適用例13:
適用例11または12の方法であって、前記酸素含有カウンター反応物は、水、過酸化水素、ギ酸、アルコール、酸素、オゾン、酸素プラズマ、水プラズマ、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、方法。
適用例14:
適用例10~13のいずれか一項の方法であって、前記気相堆積は、化学蒸着(CVD)、原子層堆積(ALD)、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)、またはプラズマ強化原子層堆積(PEALD)である、方法。
適用例15:
適用例10~14のいずれか一項の方法であって、前記堆積する工程は、前記Sn-X
n
を堆積する工程と、前記酸素含有カウンター反応物を堆積する工程とのALD周期的プロセスである、方法。
適用例16:
適用例10~14のいずれか一項の方法であって、前記堆積する工程は、前記Sn-X
n
および前記酸素含有カウンター反応物を同時に堆積する工程を含むCVDプロセスである、方法。
適用例17:
適用例1~16のいずれか一項の方法であって、前記イメージング層は、0.5nm~5nmの厚さを有する、方法。
適用例18:
適用例1~17のいずれか一項の方法であって、前記基板は、下にあるトポグラフィカルフィーチャを備える、方法。
適用例19:
適用例1~18のいずれか一項の方法であって、前記イメージング層に照射して、少なくとも1つの露出された領域を形成する工程を更に含み、前記ヒドロカルビル終端SnO
x
は、露出された領域において水素終端SnO
x
に変換される、方法。
適用例20:
適用例19の方法であって、前記照射する工程は、DUV、EUV、X線、または電子ビーム放射の使用を含む、方法。
適用例21:
適用例19の方法であって、前記イメージング層への照射によって、前記基板材料の前記表面上のヒドロキシ終端SnO
x
層が、放射線の吸収を向上させる、方法。
適用例22:
適用例1~21のいずれか一項の方法であって、前記照射する工程はEUV放射の使用を含む、方法。
適用例23:
基板の表面にリソグラフィハードマスクを作製する方法であって、
露出したヒドロキシル基を含む表面を有する基板材料を含む基板を提供する工程と;
ヒドロカルビル終端SnO
x
を含むイメージング層を前記表面上に堆積する工程と;
選択的に前記イメージング層に照射する工程であって、ヒドロカルビル終端された前記イメージング層のSnO
x
部分においてヒドロカルビル置換が除去されている、および/または、水素終端SnO
x
に変換されている、照射された領域と、前記イメージング層が前記ヒドロカルビル終端SnO
x
を含む照射されていない領域と、を前記イメージング層が含む、工程と;
前記照射された領域、前記照射されていない領域、またはその両方を、1つ以上の試薬と反応させて、選択的に、前記イメージング層に材料を追加する、または前記イメージング層から材料を除去することによって、前記イメージング層を処理する工程と、を含む方法。
適用例24:
適用例23の方法であって、前記提供する工程は、気相堆積によって前記基板材料の前記表面上にヒドロキシル終端SnO
x
層を堆積する工程を含む、方法。
適用例25:
適用例23の方法であって、前記ヒドロカルビル終端SnO
x
膜の前記イメージング層を堆積する前記工程は、前記基板の前記表面を、ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤と接触させる工程を含み、前記ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤は、前記イメージング層への照射によって、スズ-炭素結合開裂を受ける、方法。
適用例26:
適用例25の方法であって、前記ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤の化学式が、
R
n
SnX
4-n
であり、Rはベータ水素を有するC
2
-C
10
アルキルまたは置換アルキルであり、Xは前記露出したヒドロキシル基のヒドロキシル基との反応による好適な脱離基であり、n=1~3である、方法。
適用例27:
適用例26の方法であって、前記ヒドロカルビル置換スズキャッピング剤が、t-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、n-ブチルトリス(ジメチルアミノ)スズ、t-ブチルトリス(ジエチルアミノ)スズ、イソプロピルトリス(ジメチルアミノ)スズ、およびt-ブチルトリス(t-ブトキシ)スズ、またはn-ブチル(トリス(t-ブトキシ)スズである、方法。
適用例28:
適用例23~27のいずれか一項の方法であって、前記照射は、DUV、EUV、X線、または電子ビーム放射の使用を含む、方法。
適用例29:
適用例28の方法であって、前記照射は、EUV放射の使用を含む、方法。
適用例30:
適用例23の方法であって、ヒドロカルビル終端された前記イメージング層の前記SnO
x
部分における前記ヒドロカルビル置換は、ベータ水素脱離により水素終端SnO
x
に変換される、方法。
適用例31:
適用例23~30のいずれか一項の方法であって、前記処理する工程は、前記照射された領域における前記水素終端SnO
x
を酸化してヒドロキシ終端SnO
x
を形成する工程を含む、方法。
適用例32:
適用例31の方法であって、前記酸化する工程は、前記照射された領域を酸素または水に曝露させる工程を含む、方法。
適用例33:
適用例31の方法であって、前記処理する工程は、前記照射された領域の前記ヒドロキシ終端SnO
x
を除去して、下にある前記基板材料を露出させる工程を含み、下にある基板材料が非晶質炭素を含む、方法。
適用例34:
適用例33の方法であって、前記除去する工程は、前記照射された領域を、希フッ化水素酸、または希水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(TMAH)で処理する工程を含む、方法。
適用例35:
適用例33の方法であって、前記処理する工程は、酸素プラズマを使用して、下にある非晶質炭素の前記基板材料をエッチングする工程を更に含む、方法。
適用例36:
適用例31の方法であって、前記処理する工程は、前記照射された領域の前記ヒドロキシ終端SnO
x
上に金属酸化物ハードマスクを堆積する工程を更に含む、方法。
適用例37:
適用例36の方法であって、前記金属酸化物ハードマスクが、SnO
x
、SiO
2
、SiO
x
N
y
、SiO
x
C、TiO
2
、WO
x
、HfO
2
、ZrO
2
、Al
2
O
3
およびBi
2
O
3
、からなる群から選択される金属酸化物を含む、方法。
適用例38:
適用例23の方法であって、前記イメージング層に選択的に照射することによって生成された前記水素終端SnO
x
上にのみ、原子層堆積によって金属層を選択的に堆積する工程を更に含む、方法。
適用例39:
適用例23の方法であって、前記照射されていない領域の前記ヒドロカルビル終端SnO
x
が水素またはメタンプラズマによって除去されて、下にある前記基板材料が露出され、下にある基板材料が非晶質炭素を含む、方法。
適用例40:
適用例39の方法であって、前記処理する工程は、酸素プラズマを使用して、下にある前記基板をエッチングする工程を更に含む、方法。
【国際調査報告】