(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】アゾメチン染料発色団
(51)【国際特許分類】
A61K 8/49 20060101AFI20220111BHJP
A61Q 5/10 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
A61K8/49
A61Q5/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021527852
(86)(22)【出願日】2019-11-21
(85)【翻訳文提出日】2021-07-14
(86)【国際出願番号】 EP2019082009
(87)【国際公開番号】W WO2020104564
(87)【国際公開日】2020-05-28
(32)【優先日】2018-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バッハマン,フランク
(72)【発明者】
【氏名】フローリング,ベアーテ
(72)【発明者】
【氏名】クレーマー,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ペリタツ,マリー-パスカル
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンデル,フォルカー
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC101
4C083AC111
4C083AC181
4C083AC302
4C083AC471
4C083AC542
4C083AC641
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD011
4C083AD202
4C083BB01
4C083BB04
4C083BB41
4C083BB44
4C083BB45
4C083BB47
4C083BB48
4C083CC36
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE01
4C083EE26
4C083FF01
(57)【要約】
a.化合物(3)及び(4)から選択される少なくとも1種のアゾメチン化合物、並びにb.水を含む、ケラチン繊維を染色するための組成物。組成物は、ケラチン繊維を染色する方法で使用することができ、又は1種以上の酸化剤を含む組成物を同時に若しくは順次塗布することでケラチン繊維を明色化する方法で使用することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.
【化1】
から選択される少なくとも1種のアゾメチン化合物;並びに
b.水
を含む、ケラチン繊維を染色するための組成物。
【請求項2】
アゾメチン化合物の量が、組成物の総重量に基づいて0.001重量%~10重量%の範囲内である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
pHが3~12の範囲内である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
非イオン性界面活性剤を更に含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
C
1~C
4アルカノール、ポリオール、ポリオールエーテル、及び芳香族アルコールからなる群から選択される有機溶媒を更に含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
組成物の総重量に基づいて0.001重量%~10重量%の範囲内の量の少なくとも1種の酸化染料、及び組成物の総重量に基づいて0.001重量%~10重量%の範囲内の量の少なくとも1種のカップラーを更に含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
組成物の総重量に基づいて0.01重量%~20重量%の範囲内の量のアジュバントを更に含み、アジュバントが、界面活性剤、ポリマー、増粘剤、酸化防止剤、浸透剤、可溶化剤、金属イオン封鎖剤、香料、緩衝剤、分散剤、コンディショニング剤、皮膜形成剤、セラミド、保存剤、乳白剤、導電性ポリマー、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
ケラチン繊維を染色するための、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項9】
ヒトの毛髪を染色するための、請求項8に記載の組成物の使用。
【請求項10】
ケラチン繊維を染色する方法であって、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物を、所望の着色を得るのに十分な時間、湿った又は乾いた繊維に塗布し、その後繊維をすすぎ、任意選択によりシャンプーで洗浄して再びすすぎ、得られた繊維を乾燥又は自然乾燥させて、染色されたケラチン繊維を得ることを特徴とする、方法。
【請求項11】
ケラチン繊維を明色化する方法であって、
(i)酸化剤を含まない、請求項1から7のいずれか一項に記載の染料組成物、及び
(ii)1種以上の酸化剤を含む化粧料組成物
を繊維に塗布し、ここで組成物(i)及び(ii)を、所望の明色化を得るのに十分な時間、ケラチン繊維に順次又は同時に塗布し、次いで繊維をすすぎ、任意選択によりシャンプーで洗浄して再びすすぎ、得られた繊維を乾燥又は自然乾燥させることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本請求項に係る発明は、ケラチン繊維、特にヒトのケラチン繊維、例えば毛髪を染色する分野に関する。
【0002】
本請求項に係る発明は、ケラチン繊維を染色するための組成物に関する。本請求項に係る発明はまた、染料組成物を使用してケラチン繊維を染色する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ケラチン繊維、特に毛髪を、「直接染色」法に従って1種以上の直接染料を含有する染料組成物を用いて染色することは公知の慣習である。方法は、1種以上の直接染料を含む組成物をケラチン繊維に塗布して、組成物を必要な時間この繊維に接触させ、次いで繊維をすすぐことを含む。従来使用されている直接染料は一般に、ニトロベンゼン染料、アントラキノン染料、ニトロピリジン染料、アゾ型、キサンテン型、アクリジン型、若しくはアジン型の染料、又はトリアリールメタン系染料である。
【0004】
しかし、これらの直接染料の使用には欠点が伴う。それらから得られる着色は、一時的又は半永久的である。これらの直接染料がケラチン繊維に結合する相互作用の性質並びに繊維の表面及び/又は芯からのそれらの脱着が、それらの弱い染色力の原因である。更に、上述の直接染料は、洗浄、厳しい天候、又は発汗に対して乏しい堅牢度をもたらす。
【0005】
その上、そのような直接染料は一般に、酸化剤、例えば過酸化水素水溶液の作用に敏感であることから、そのような直接染料を、酸化染色に使用される組成物と似た、過酸化水素水溶液及び塩基性化剤と調合される明色化直接染料組成物で使用するのは難しい。言い換えれば、直接染料は一般に、繊維を明色化することが意図される染料組成物とは難適合性であり、したがって酸化染色の代替として直接染料を明色化染色法で使用することは不適当である。
【0006】
これらの直接染料は、光化学的攻撃に対する発色団の耐性が不十分であるために、耐光堅牢度に欠けるという欠点も伴う。この安定性の欠如によって、ケラチン繊維の着色が経時的に退色する。
【0007】
US2015/000688 A1は、アゾメチン型の直接染料、及びケラチン繊維を染色するためのそれらの使用を開示している。
【0008】
FR2968947 A1は、ケラチン繊維を染色するための、ベンジルアルコール、少なくとも1種のC1~C4モノアルコール、及び少なくとも1種のアゾメチン型の直接染料を含む染料組成物を開示している。
【0009】
GB2141437 Aは、毛髪を染色するための、インドアニリン及びインドフェノール化合物に基づく直接染料並びにその組成物を開示している。
【0010】
よって、ケラチン繊維を十分に染色し、耐光堅牢性である直接染料を含有する組成物が必要とされている。更に、繊維が受ける可能性のある様々な攻撃要因、例えば、厳しい天候、太陽光、洗浄、及び発汗のいずれに対しても耐性であるとともに、上に概説した利点を有すると同時に繊維の明色化を得ることができるように酸化剤、例えば過酸化水素水溶液の存在下で十分に安定でもある着色を、これらの組成物がもたらすことができることが所望される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
よって、本請求項に係る発明の目的は、ケラチン繊維を十分に染色し、耐光堅牢性であり、繊維が受ける可能性のある様々な攻撃要因、例えば、厳しい天候、太陽光、洗浄、及び発汗のいずれに対しても耐性であるとともに、酸化剤、例えば過酸化水素水溶液の存在下で十分に安定でもある着色をもたらすことができる直接染料を含有する組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
驚くべきことに、上で特定した目的は、特許請求の範囲の主題によって満たされることが見出された。
【0013】
以下に、本発明の特定の実施形態を記載する:
【0014】
1. a.少なくとも1種の式(1)
【0015】
【化1】
のアゾメチン化合物;
(式中、
R
1は
、水素、若しくはC
1~C
5アルキルであり;
R
2は、水素、C
1~C
5アルキル、式
*-O-(CH
2)
n-OHの基であり;又は
R
1とR
2は一緒に、式
【0016】
【化2】
の基を形成し;
Aは、NH又はOであり;
X
1は、
【0017】
【0018】
【化4】
の基であり、
R
4は、水素又はNH
2であり;
R
5、R
6、R
7、及びR
8は互いに独立に、水素又はC
1~C
5アルキルであり;
nは、1~3の数である)
及び
b.水
を含む、ケラチン繊維を染色するための組成物。
【0019】
2. R1が水素であり;又はR1とR2が一緒に式
【0020】
【化5】
の基を形成する、実施形態1による組成物。
【0021】
3. R3が、式
【0022】
【化6】
の基である、実施形態1又は2による組成物。
【0023】
4. R1が水素であり;又はR1とR2が式
【0024】
【化7】
の基を形成し;
R
2が、水素、メチル、又は式
*-O-(CH
2)
2-OHの基であり;
Aが、=NH又はO-であり;
X
1が、
【0025】
【0026】
【化9】
の基である、実施形態1から3のいずれか一つによる組成物。
【0027】
5. 式(1)の化合物が、
【0028】
【化10】
から選択される、実施形態1から4のいずれか一つによる組成物。
【0029】
6. アゾメチン化合物の量が、組成物の総重量に基づいて0.001重量%~10重量%の範囲内である、実施形態1から5のいずれか一つによる組成物。
【0030】
7. pHが3~12の範囲内である、実施形態1から6のいずれか一つによる組成物。
【0031】
8. 非イオン性界面活性剤を更に含む、実施形態1から7のいずれか一つによる組成物。
【0032】
9. C1~C4アルカノール、ポリオール、ポリオールエーテル、及び芳香族アルコールからなる群から選択される有機溶媒を更に含む、実施形態1から8のいずれか一つによる組成物。
【0033】
10. 組成物の総重量に基づいて0.001重量%~10重量%の範囲内の量の少なくとも1種の酸化染料、及び組成物の総重量に基づいて0.001重量%~10重量%の範囲内の量の少なくとも1種のカップラーを更に含む、実施形態1から9のいずれか一つによる組成物。
【0034】
11. 組成物の総重量に基づいて0.01重量%~20重量%の範囲内の量のアジュバントを更に含み、アジュバントが、界面活性剤、ポリマー、増粘剤、酸化防止剤、浸透剤、可溶化剤、金属イオン封鎖剤、香料、緩衝剤、分散剤、コンディショニング剤、皮膜形成剤、セラミド、保存剤、乳白剤、導電性ポリマー、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種である、実施形態1から10のいずれか一つによる組成物。
【0035】
12. ケラチン繊維を染色するための、実施形態1から11のいずれか一つによる組成物の使用。
【0036】
13. ヒトの毛髪を染色するための、実施形態12による組成物の使用。
【0037】
14. ケラチン繊維を染色する方法であって、実施形態1から11のいずれか一つによる組成物を、所望の着色を得るのに十分な時間、湿った又は乾いた繊維に塗布し、その後繊維をすすぎ、任意選択によりシャンプーで洗浄して再びすすぎ、得られた繊維を乾燥又は自然乾燥させて、染色されたケラチン繊維を得ることを特徴とする、方法。
【0038】
15. ケラチン繊維を明色化する方法であって、
(i)酸化剤を含まない、実施形態1から11のいずれか一つによる染料組成物、及び
(ii)1種以上の酸化剤を含む化粧料組成物
を繊維に塗布し、ここで組成物(i)及び(ii)を、所望の明色化を得るのに十分な時間、ケラチン繊維に順次又は同時に塗布し、次いですすぎ、任意選択によりシャンプーで洗浄して再びすすぎ、得られた繊維を乾燥又は自然乾燥させることを特徴とする、方法。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の方法及び様々な実施形態を詳述する前に、記載された特定の方法は当然のことながら変化し得るために、本発明がそのような方法に限定されないことを理解されたい。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲よってのみ限定されるため、本明細書で使用する用語は限定を意図していないことも理解されたい。
【0040】
以降、群が少なくともある特定の数の実施形態を含むと定義される場合、これは、好ましくはこれらの実施形態のみからなる群も包含することを意味する。「第1の」、「第2の」、「第3の」、又は「i)」、「ii)」、「iii)」、又は「(A)」、「(B)」、及び「(C)」、又は「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」等の用語が、方法又は使用又はアッセイのステップに関連している場合、ステップ間に時間又は時間間隔の一貫性はなく、すなわち、ステップは、本明細書で上記又は下記において特に示されない限り、同時に実施されても、又はそのようなステップ間に数秒間、数分間、数時間、数日間、数週間の、若しくは数カ月間もの時間間隔があってもよい。
【0041】
以下の節に、本発明の様々な態様がより詳細に定義される。そのように定義された各態様は、明らかにそれに反する指示がない限り、任意の他の一つ又は複数の態様と組み合わせてもよい。特に、好ましい又は有利であると示される任意の特徴を、好ましい又は有利であると記載される任意の他の一つ又は複数の特徴と組み合わせてもよい。
【0042】
本明細書全体にわたる「一実施形態」又は「ある実施形態」への言及は、その実施形態に関して記載された特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。よって、本明細書全体にわたる様々な箇所での「一実施形態では」又は「ある実施形態では」という語句の出現は、必ずしも全て同じ実施形態に言及しているとは限らないが、そうである場合もある。更に、この開示から当業者に明らかであるように、1つ以上の実施形態において、特定の特徴、構造、又は特性を任意の適切な方式で組み合わせてもよい。更に、本明細書に記載の幾つかの実施形態は、他の実施形態に含まれる特徴の幾つかを含み、他の特徴を含まないが、当業者であれば理解するように、異なる実施形態の特徴の組み合わせは本発明の範囲内であり、異なる実施形態を形成することが意図されている。例えば、添付の特許請求の範囲において、請求された実施形態のいずれも任意の組み合わせで使用することができる。
【0043】
よって、ある態様では、本請求項に係る発明は、ケラチン繊維を染色するための組成物を提供する。組成物は、
a)少なくとも1種の式(1)
【0044】
【化11】
のアゾメチン化合物;
(式中、
R
1は、水素、若しくはC
1~C
5アルキルであり;
R
2は、水素、C
1~C
5アルキル、式
*-O-(CH
2)
n-OHの基であり;又は
R
1とR
2は一緒に、式
【0045】
【化12】
の基を形成し;
Aは、NH又はOであり;
X
1は、
【0046】
【0047】
【化14】
の基であり、
R
4は、水素又はNH
2であり;
R
5、R
6、R
7、及びR
8は互いに独立に、水素又はC
1~C
5アルキルであり;
nは、1~3の数である)
及び
b)水
を含む。
【0048】
「アルキル」という用語は、本明細書で使用する場合、炭素原子及び水素原子のみから構成される非環式飽和脂肪族基を指し、直鎖又は分岐鎖のアルキル残基を含む。更に、アルキル残基は好ましくは非置換である。
【0049】
好ましくは、R1は水素であり;又はR1とR2は一緒に、式
【0050】
【0051】
好ましくは、R3は、式
【0052】
【0053】
好ましくは、R1は水素であり;又はR1とR2は、式
【0054】
【化17】
の基を形成し;
R
2は、水素、メチル、又は式
*-O-(CH
2)
2-OHの基であり;
Aは、=NH又はO-であり;
X
1は、
【0055】
【0056】
【0057】
より好ましくは、式(1)のアゾメチン化合物は、式(2)~(6)の化合物
【0058】
【0059】
式(1)のアゾメチン化合物は、直接染料として作用する。本請求項に係る発明による組成物は、ケラチン繊維を染色し、ケラチン繊維上に強く、鮮明で、選択性が低い着色をもたらす。
【0060】
式(1)のアゾメチン化合物は、公知の手順、例えば、J.F.Corbett, J.Chem.Soc.B, (1969), 207及びJ.F.Corbett, J.Chem.Soc.Perkin II (1072), 539に記載される手順によって、酸化剤の存在下で酸化ベース(oxidation base)をカップラーと反応させることによって調製することができる。好ましくは、酸化剤は過酸化水素である。
【0061】
【化21】
(式中、
R
1は、水素、若しくはC
1~C
5アルキルであり;
R
2は、水素、C
1~C
5アルキル、式
*-O-(CH
2)
n-OHの基であり;又は
R
1とR
2は一緒に、式
【0062】
【化22】
の基を形成し;
A
2は、NH
2又はOHであり;
X
1は、
【0063】
【0064】
【化24】
の基であり
R
4は、水素又はNH
2であり;
R
5、R
6、R
7、及びR
8は互いに独立に、水素又はC
1~C
5アルキルであり;
nは、1~3の数である)。
【0065】
更に、これらの組成物によって、ケラチン繊維が曝される可能性のある様々な攻撃要因、例えば、厳しい天候、光、洗浄、及び発汗に対して極めて耐性のある着色を有する、染色されたケラチン繊維がもたらされる。よって、本請求項に係る発明の組成物は、良好な染色堅牢性を示す。
【0066】
好ましくは、組成物中の式(1)のアゾメチン化合物の量は、組成物の総重量に基づいて0.001重量%~10重量%の範囲内である。
【0067】
より好ましくは、組成物中の式(1)のアゾメチン化合物の量は、組成物の総重量に基づいて0.005重量%~6重量%の範囲内である。
【0068】
好ましくは、本請求項に係る発明の組成物のpHは、3~12の範囲内である。
【0069】
より好ましくは、本請求項に係る発明の組成物のpHは、5~11の範囲内である。
【0070】
好ましくは、本請求項に係る発明の組成物は、非イオン性界面活性剤を更に含む。非イオン性界面活性剤は、親水基、例えば、ポリオール基、ポリアルキレングリコールエーテル基、又はポリオール基とポリグリコールエーテル基との組み合わせを含有する。非イオン性界面活性剤は、以下からなる群から選択される:
- 2~30モルのエチレンオキシド及び/又は0~5モルのプロピレンオキシドと、8~22個の炭素原子を有する直鎖脂肪アルコール、12~22個の炭素原子を有する脂肪酸、及びアルキル基中に8~15個の炭素原子を有するアルキルフェノールとの付加生成物、
- 1~30モルのエチレンオキシドとグリセロールとの付加生成物のC12~C22脂肪酸モノ-及びジ-エステル、C8~C22アルキル-モノ-及び-オリゴ-グリコシド並びにそれらのエトキシル化類似体、
- 5~60モルのエチレンオキシドとヒマシ油及び水添ヒマシ油との付加生成物、
- エチレンオキシドとソルビタン脂肪酸エステルの付加生成物、
- エチレンオキシドと脂肪酸アルカノールアミドとの付加生成物。
【0071】
より好ましくは、非イオン性界面活性剤はデシルグルコシドである。
【0072】
水は、本請求項に係る発明の染色用組成物の媒体である。しかし、均質な混合物を得るために成分の溶解性を助けるように、有機溶媒が必要とされる場合もある。
【0073】
好ましくは、本請求項に係る発明の組成物は、C1~C4アルカノール、ポリオール、ポリオールエーテル、及び芳香族アルコールからなる群から選択される有機溶媒を更に含む。
【0074】
本請求項に係る発明の組成物は、更に好ましくは、組成物の総重量に基づいて0.001重量%~10重量%の範囲内の量の少なくとも1種の酸化染料を含み、好ましくは、組成物の総重量に基づいて0.001重量%~10重量%の範囲内の量の少なくとも1種のカップラーを含む。
【0075】
好ましくは、組成物は、組成物の総重量に対して0.005重量%~6重量%の範囲内の量の少なくとも1種の酸化染料を含む。好ましくは、組成物は、組成物の総重量に対して0.005重量%~6重量%の範囲内の量の少なくとも1種のカップラーを含む。
【0076】
好ましくは、本請求項に係る発明の組成物は、組成物の総重量に基づいて0.01重量%~20重量%の範囲内の量のアジュバントを更に含む。
【0077】
好ましくは、アジュバントは、界面活性剤、ポリマー、増粘剤、酸化防止剤、浸透剤、可溶化剤、金属イオン封鎖剤、香料、緩衝剤、分散剤、コンディショニング剤、皮膜形成剤、セラミド、保存剤、乳白剤、導電性ポリマー、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種である。
【0078】
更に、当業者であれば、本発明による染料組成物に本質的に関連する有利な特性が、想定される追加物質によって悪影響を受けない又は実質的に受けないように、これ又はこれらの任意選択による追加化合物を慎重に選択するであろう。
【0079】
別の態様では、本請求項に係る発明は、ケラチン繊維を染色するための組成物の使用を提供する。
【0080】
本請求項に係る発明の好ましい実施形態によれば、組成物は、ヒトの毛髪を染色するために使用される。
【0081】
本発明による組成物は耐光堅牢性であり、且つ酸化剤の存在下で使用することができるので、酸化剤ベースの明色化直接染色用組成物においてそれらを使用することが容易になる。言い換えれば、本請求項に係る発明による組成物は、ケラチン繊維を明色化することが意図される染料組成物と適合した堅牢な着色をもたらす。
【0082】
アゾメチン化合物
式(1)のアゾメチン化合物は、酸化剤の存在下で酸化ベースをカップラーと反応させることによって形成される。好ましくは、酸化剤は過酸化水素である。
【0083】
酸化ベースは、好ましくは、パラ-フェニレンジアミン、ビス(フェニル)アルキレンジアミン、パラ-アミノフェノール、オルト-アミノフェノール、複素環塩基、及びそれらの付加塩からなる群から選択される。
【0084】
パラ-フェニレンジアミン酸化ベースは、好ましくは、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トリレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラフェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-パラフェニレンジアミン、N,N-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピル-パラフェニレンジアミン、4-アミノ-N,N-ジエチル-3-メチルアニリン、N,N-ビス(p-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-N,N-ビス(p-ヒドロキシエチル)-アミノ-2-メチルアニリン、4-N,N-ビス(p-ヒドロキシエチル)-アミノ-2-クロロアニリン、2-p-ヒドロキシエチル-パラフェニレンジアミン、2-フルオロ-p-フェニレンジアミン、2-イソプロピル-p-フェニレンジアミン、N-(p-ヒドロキシプロピル)-p-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチル-p-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-3-メチル-p-フェニレンジアミン、N-エチル-N-(p-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(4'-アミノフェニル)-パラ-フェニレンジアミン、N-フェニル-パラ-フェニレンジアミン、2-p-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2-p-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、N-(p-メトキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノフェニルピロリジン、2-チエニル-パラフェニレンジアミン、2-p-ヒドロキシエチルアミノ-5-アミノトルエン、及び3-ヒドロキシ-1-(4'-アミノフェニル)ピロリジン、並びにそれらの酸付加塩からなる群から選択される。
【0085】
より好ましくは、パラ-フェニレンジアミン酸化ベースは、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トリレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、2-(p-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、2-(p-ヒドロキシエチルオキシ)-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ビス(p-ヒドロキシエチル)-パラフェニレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン、2-(p-アセチルアミノエチルオキシ)-パラ-フェニレンジアミン、及びそれらの酸付加塩からなる群から選択される。
【0086】
ビス(フェニル)アルキレンジアミン酸化ベースは、好ましくは、N,N'-ビス(p-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパノール、N,N'-ビス(p-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(p-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(4-メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(エチル)-N,N'-ビス(4'-アミノ-3'-メチルフェニル)エチレンジアミン、及び1,8-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,6-ジオキサオクタン、並びにそれらの酸付加塩からなる群から選択される。
【0087】
パラ-アミノフェノール酸化ベースは、好ましくは、パラ-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、4-アミノ-3-クロロフェノール、4-アミノ-3-(ヒドロキシメチル)フェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)フェノール、4-アミノ-2-(メトキシメチル)フェノール、4-アミノ-2-(アミノメチル)フェノール、4-アミノ-2-[(p-ヒドロキシエチル)アミノメチル]フェノール、4-アミノ-2-フルオロフェノール、及びそれらの酸付加塩からなる群から選択される。
【0088】
オルト-アミノフェノール酸化ベースは、好ましくは、2-アミノフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール、5-アセトアミド-2-アミノフェノール、及びそれらの酸付加塩からなる群から選択される。
【0089】
複素環酸化ベースは、好ましくは、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、及びピラゾール誘導体からなる群から選択される。ピリジン誘導体は、好ましくは、例えば、特許GB1026978及びGB1153196に記載される化合物、例えば、2,5-ジアミノピリジン、2-(4-メトキシフェニル)アミノ-3-アミノピリジン、3,4-ジアミノピリジン、及びそれらの付加塩からなる群から選択される。本請求項に係る発明の組成物で使用される他のピリジン酸化ベースは、例えば、FR2801308に記載される3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン酸化ベース又はその付加塩である。ピラゾール誘導体は、好ましくは、ピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、2-(アセチルアミノ)ピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、2-(モルホリン-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-カルボン酸、2-メトキシピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-7-イル)メタノール、2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-5-イル)エタノール、2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-7-イル)エタノール、(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-2-イル)メタノール、3,6-ジアミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン、3,4-ジアミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3,7-ジアミン、7-(モルホリン-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3,5-ジアミン、5-(モルホリン-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-α]ピリド-5-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-7-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-オール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4-オール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-オール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-オール、及びそれらの付加塩からなる群から選択される。
【0090】
ピリミジン誘導体は、好ましくは、例えば、特許DE2359399、JP88-169571、JP05-63124、及びEP0770375、又は特許出願WO96/15765に記載される化合物、例えば、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2,4-ジヒドロキシ-5,6-ジアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノピリミジン、及びそれらの付加塩、並びに互変異性平衡が存在する場合はそれらの互変異性体からなる群から選択される。
【0091】
ピラゾール誘導体は、好ましくは、特許DE3843892、DE4133957、並びに特許出願WO94/08969、WO94/08970、FR-A-2733749、及びDE19543988に記載される化合物、例えば、4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(p-ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4-ジアミノピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(4'-クロロベンジル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1,3-ジメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-フェニルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-メチル-3-フェニルピラゾール、4-アミノ-1,3-ジメチル-5-ヒドラジノピラゾール、1-ベンジル-4,5-ジアミノ-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-tert-ブチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-tert-ブチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(p-ヒドロキシエチル)-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-(4'-メトキシフェニル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-ヒドロキシメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-イソプロピルピラゾール、4-アミノ-5-(2'-アミノエチル)アミノ-1,3-ジメチルピラゾール、3,4,5-トリアミノピラゾール、1-メチル-3,4,5-トリアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-1-メチル-4-メチルアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-4-(p-ヒドロキシエチル)アミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(p-メトキシエチル)ピラゾール、及びそれらの付加塩からなる群から選択される。更に、ピラゾール誘導体は、ジアミノ-N,N-ジヒドロピラゾロピラゾロン及び特許出願FR-A-2886136に記載されるもの、例えば、2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2エチルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-イソプロピルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ-[1,2-α]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-(ピロリジン-1-イル)-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、4,5-ジアミノ-1,2-ジメチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、4,5-ジアミノ-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、4,5-ジアミノ-1,2-ジ(2-ヒドロキシエチル)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-2-アミノ-3-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-ジメチルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2,3-ジアミノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1H,6H-ピリダジノ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、4-アミノ-1,2-ジエチル-5-(ピロリジン-1-イル)-1,2-ジヒドロピラゾ-1-3-オン、4-アミノ-5-(3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、2,3-ジアミノ-6-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ-[1,2-α]ピラゾール-1-オン、及びそれらの付加塩からなる群から選択される。
【0092】
より好ましくは、ピラゾール誘導体は、4,5-ジアミノ-1-(p-ヒドロキシエチル)ピラゾール、2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン及び/又はそれらの塩からなる群から選択される。
【0093】
カップラーは、好ましくは、メタ-フェニレンジアミン、メタ-アミノフェノール、メタ-ジフェノール、ナフタレン系カップラー、複素環カップラー、及びそれらの付加塩からなる群から選択される。
【0094】
より好ましくは、カップラーは、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシ-2-メチルベンゼン、4-クロロ-1,3-ジヒドロキシベンゼン、2,4-ジアミノ-1-(p-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2-アミノ-4-(p-ヒドロキシエチルアミノ)-1-メトキシベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、3-ウレイドアニリン、3-ウレイド-1-ジメチルアミノベンゼン、2H-1,3-ベンゾジオキソール-5-オール(セサモール)、1-ヒドロキシエチルアミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、o-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、6-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシ-N-メチルインドール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、3,5-ジアミノ-2,6-ジメトキシピリジン、1-N-(p-ヒドロキシエチル)アミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、2,6-ビス(p-ヒドロキシエチルアミノ)トルエン、6-ヒドロキシインドリン、2,6-ジヒドロキシ-4-メチルピリジン、1-H-3-メチルピラゾール-5-オン、1-フェニル-3-メチルピラゾール-5-オン、2,6-ジメチルピラゾロ[1,5-b]-1,2,4-トリアゾール、2,6-ジメチル[3,2-c]-1,2,4-トリアゾール、及び6-メチルピラゾロ[1,5-a]ベンゾイミダゾール、それらの酸付加塩からなる群から選択される。
【0095】
本請求項に係る発明の組成物で使用される酸化ベース及びカップラーの付加塩は、好ましくは、酸付加塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、リン酸塩、及び酢酸塩から選択される。
【0096】
直接染料
染料組成物は、更に好ましくは式(1)の直接アゾメチン染料以外の追加の直接染料を含む。
【0097】
本発明による追加の直接染料は、好ましくは、ニトロベンゼン染料、中性の、アゾ直接染料、キノン染料、特に、アントラキノン直接染料、アジン直接染料、トリアリールメタン直接染料、式(1)のもの以外のアゾメチン直接染料、及び天然の直接染料から選択される。
【0098】
好ましくは、ニトロベンゼン直接染料は、1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン、1-アミノ-2-ニトロ-4-β-ヒドロキシエチルアミノベンゼン、1-アミノ-2-ニトロ-4-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、1,4-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)-2-ニトロベンゼン、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロ-4-ビス(p-ヒドロキシエチルアミノ)ベンゼン、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロ-4-アミノベンゼン、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロ-4-(エチル)(p-ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、1-アミノ-3-メチル-4-β-ヒドロキシエチルアミノ-6-ニトロベンゼン、1-アミノ-2-ニトロ-4-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-クロロベンゼン、1,2-ジアミノ-4-ニトロベンゼン、1-アミノ-2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-ニトロベンゼン、1,2-ビス(p-ヒドロキシエチルアミノ)-4-ニトロベンゼン、1-アミノ-2-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ-5-ニトロベンゼン、1-ヒドロキシ-2-アミノ-5-ニトロベンゼン、1-ヒドロキシ-2-アミノ-4-ニトロベンゼン、1-ヒドロキシ-3-ニトロ-4-アミノベンゼン、1-ヒドロキシ-2-アミノ-4,6-ジニトロベンゼン、1-β-ヒドロキシエチルオキシ-2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-ニトロベンゼン、1-メトキシ-2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-ニトロベンゼン、1-β-ヒドロキシエチルオキシ-3-メチルアミノ-4-ニトロベンゼン、1-β,γ-ジヒドロキシプロピルオキシ-3-メチルアミノ-4-ニトロベンゼン、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-4-β,γ-ジヒドロキシプロピルオキシ-2-ニトロベンゼン、1-β,γ-ジヒドロキシプロピルアミノ-4-トリフルオロメチル-2-ニトロベンゼン、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-4-トリフルオロメチル-2-ニトロベンゼン、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-3-メチル-2-ニトロベンゼン、1-β-アミノエチルアミノ-5-メトキシ-2-ニトロベンゼン、1-ヒドロキシ-2-クロロ-6-エチルアミノ-4-ニトロベンゼン、1-ヒドロキシ-2-クロロ-6-アミノ-4-ニトロベンゼン、1-ヒドロキシ-6-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3-ニトロベンゼン、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-2-ニトロベンゼン、及び1-ヒドロキシ-4-β-ヒドロキシエチルアミノ-3-ニトロベンゼンから選択される。
【0099】
アゾ直接染料は、好ましくは、特許出願WO95/15144、WO95/01772、及びEP714954(これらの内容は本発明の不可欠な部分を形成する)に記載されるカチオン性アゾ染料、例えば、1,3-ジメチル-2-[[4-(ジメチルアミノ)-フェニル]-アゾ]-1H-イミダゾリウムクロリド、1,3-ジメチル-2-[(4-アミノフェニル)-アゾ]-1H-イミダゾリウムクロリド、1-メチル-4-[(メチルフェニルヒドラゾノ)メチル]ピリジニウムメチルスルフェートからなる群から選択される。アゾ直接染料はまた、Colour Index International、第3版に記載される染料、例えば、ディスパースレッド17、アシッドイエロー9、アシッドブラック1、ベーシックレッド22、ベーシックレッド76、ベーシックレッド51、ベーシックイエロー57、ベーシックブラウン16、アシッドイエロー36、アシッドオレンジ7、アシッドレッド33、アシッドレッド35、ベーシックブラウン17、アシッドイエロー23、アシッドオレンジ24、ディスパースブラック9、1-(4'-アミノジフェニルアゾ)-2-メチル-4-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、及び4-ヒドロキシ-3-(2-メトキシフェニルアゾ)-1-ナフタレンスルホン酸から選択される。
【0100】
キノン直接染料は、好ましくは、ディスパースレッド15、ソルベントバイオレット13、アシッドバイオレット43、ディスパースバイオレット1、ディスパースバイオレット4、ディスパースブルー1、ディスパースバイオレット8、ディスパースブルー3、ディスパースレッド11、アシッドブルー62、ディスパースブルー7、ベーシックブルー22、ディスパースバイオレット15、ベーシックブルー99、及びまた以下の化合物:1-N-メチルモルホリニウムプロピルアミノ-4-ヒドロキシアントラキノン、1-アミノプロピルアミノ-4-メチルアミノアントラキノン、1-アミノ-プロピルアミノアントラキノン、5-β-ヒドロキシエチル-1,4-ジアミノアントラキノン、2-アミノエチルアミノアントラキノン、1,4-ビス(β,γ-ジヒドロキシプロピルアミノ)アントラキノンから選択される。
【0101】
アジン直接染料は、好ましくは、ベーシックブルー17及びベーシックレッド2から選択される。フェノキサジン直接染料は、ベーシックブルー124である。
【0102】
トリアリールメタン直接染料は、好ましくは、ベーシックグリーン1、アシッドブルー9、ベーシックバイオレット3、ベーシックバイオレット14、ベーシックブルー7、アシッドバイオレット49、ベーシックブルー26、アシッドブルー7から選択される。
【0103】
式(1)のもの以外のアゾメチン直接染料は、好ましくは、2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-[ビス(p-4'-ヒドロキシエチル)アミノ]-アニリノ-1,4-ベンゾキノン、2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-(2'-メトキシ-4'-アミノ)アニリノ-1,4-ベンゾキノン、3-N-(2'-クロロ-4'-ヒドロキシ)フェニルアセチルアミノ-6-メトキシ-1,4-ベンゾキノンイミン、3-N-(3'-クロロ-4'-メチルアミノ)フェニルウレイド-6-メチル-1,4-ベンゾキノンイミン、及び3-[4'-N-(エチル、カルバミルメチル)アミノ]フェニルウレイド-6-メチル-1,4-ベンゾキノンイミンから選択される。
【0104】
天然の直接染料は、好ましくは、ローソン、ユグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテクアルデヒド、インジゴ、イサチン、クルクミン、スピヌロシン、及びアピゲニジンから選択される。これらの天然染料を含有する抽出物又は煮出液、特に湿布又はヘンナベースの抽出物も使用してもよい。
【0105】
好ましくは、本請求項に係る発明の染料組成物中の追加の直接染料の量は、染料組成物の総重量に基づいて0.001重量%~10重量%の範囲内である。
【0106】
より好ましくは、本請求項に係る発明の染料組成物中の追加の直接染料の量は、染料組成物の総重量に基づいて0.005重量%~6重量%の範囲内である。
【0107】
染料組成物の所望のpHは、好ましくは、ケラチン繊維の染色に汎用される酸性化剤又は塩基性化剤によって、或いは標準的な緩衝系を使用して実現される。
【0108】
酸性化剤
酸性化剤は、好ましくは、ジカルボン酸以外の無機酸又は有機酸、例えば、塩酸、オルト-リン酸、硫酸、スルホン酸、及びカルボン酸、例えば、酢酸、酒石酸、クエン酸、又は乳酸から選択される。
【0109】
塩基性化剤
塩基性化剤は、好ましくは、アンモニア水、アルカリ金属炭酸塩、アルカノールアミン、例えば、モノ-、ジ-、及びトリエタノールアミン、並びにそれらの誘導体、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム、並びに式(7)
【0110】
【化25】
の化合物;
(式中、Wは、ヒドロキシル基又はC
1~C
4アルキル基で任意選択により置換されているプロピレン残基であり;R
a、R
b、R
c、及びR
dは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はC
1~C
4アルキル基若しくはC
1~C
4ヒドロキシアルキル基を表す)
から選択される。
【0111】
本請求項に係る発明の実施形態によれば、組成物は、好ましくは、液体、クリーム、ゲル、又はケラチン繊維、特にヒトの毛髪の染色に適した他の形態で存在する。
【0112】
別の態様では、本請求項に係る発明は、ケラチン繊維を染色する方法を提供する。この方法は、本請求項に係る発明の組成物を、所望の着色を得るのに十分な時間、湿った又は乾いた繊維に塗布し、その後繊維をすすぎ、任意選択によりシャンプーで洗浄して再びすすぐことを特徴とする。得られた繊維を乾燥又は自然乾燥させて、染色されたケラチン繊維を得る。
【0113】
本請求項に係る発明はまた、ケラチン繊維を明色化する方法を提供する。この方法は、
(i)酸化剤を含まない本請求項に係る発明の染料組成物、及び
(ii)1種以上の酸化剤を含む化粧料組成物
を繊維に塗布し、ここで組成物(i)及び(ii)を、所望の明色化を得るのに十分な時間、ケラチン繊維に順次又は同時に塗布し、次いで繊維をすすぎ、任意選択によりシャンプーで洗浄して再びすすぐことを特徴とする。得られた繊維を乾燥又は自然乾燥させて、明色のケラチン繊維を得る。
【0114】
好ましくは、染料組成物が所望の着色又は所望の明色化を実現するのに必要とされる時間は、1~60分の間、より好ましくは5~40分の間、更により好ましくは10~30分の間の範囲内である。
【0115】
染料組成物は、好ましくは、15~55℃、より好ましくは20~30℃の温度範囲でケラチン繊維に塗布される。
【0116】
本請求項に係る発明の目的のために、「順次」という用語は、酸化組成物が染料組成物の前又は後に、すなわち前処理又は後処理として塗布されることを意味する。
【0117】
酸化剤は、好ましくは、過酸化水素、過酸化尿素、アルカリ金属臭素酸塩、過酸塩、例えば、過ホウ酸塩及び過硫酸塩、過酸、並びにオキシダーゼ酵素(可能性のあるその補助因子を伴う)、例えば、ペルオキシダーゼ、2電子オキシドレダクターゼ、例えばウリカーゼ、及び4電子オキシゲナーゼ、例えばラッカーゼから選択される。より好ましくは、酸化剤は過酸化水素である。
【0118】
酸化組成物は、毛髪を染色するための組成物中に慣用的に使用される、前に定義した通りの様々なアジュバントを含有してもよい。酸化剤を含有する酸化組成物のpHは、染料組成物との混合後に、ケラチン繊維に塗布する得られた組成物のpHが、好ましくはおよそ3~12の間、更により好ましくは5~11の間、より一層詳細には6~8.5の間の範囲内となるようなpHである。酸化組成物のpHは、ケラチン繊維の染色に通常使用される、前に定義された通りの酸性化剤又は塩基性化剤によって所望の値に調整されてもよい。
【0119】
本請求項に係る発明のある実施形態によれば、本請求項に係る発明による染料組成物は、ケラチン繊維に塗布する前に、最初に容器、例えば試験ガラス器内で調製される。調製は、酸化剤、すなわち過酸化水素及び/又はアンモニアを用いずに実施してもよい。非荷電染料を使用して、毛髪を良好な結果で染色することができる。
【0120】
本請求項に係る発明の別の実施形態によれば、染料組成物は、多区画デバイス又は「キット」の形態で存在する。
【0121】
多区画デバイス又は「キット」は、好ましくは、
(a)酸化剤を含まない本請求項に係る発明の組成物を含有する、第1の区画又は部分、及び
(b)1種以上の酸化剤を含む、第2の区画又は部分
を含む。
【実施例】
【0122】
本発明を概して説明したが、ある特定の具体例を参照することによって更なる理解を得ることができる。これらの具体例は、例示のみを目的として本明細書に提供され、特に指定のない限り限定を意図するものではない。
【0123】
A.合成例
全ての反応は、窒素雰囲気下で行った。
【0124】
[例1]
2-[4-アミノ-3-(4-アミノ-3-メチル-フェニル)イミノ-6-イミノ-シクロヘキサ-1,4-ジエン-1-イル]オキシエタノール
【0125】
【0126】
撹拌下で、0.61g(0.005モル)の2,5-ジアミノトルエン及び1.2g(0.005モル)の2,4-ジアミノフェノキシエタノール二塩酸塩を15mLのエタノール中に溶解させた。水酸化アンモニウム水溶液(28%)を添加することによって、透明な溶液をpH9.5に調整した。17mLの過酸化水素(6%)溶液をゆっくり滴下して30分以内に加えた。得られた生成物溶液を25℃で24時間撹拌した。
【0127】
次いで、1.7gの二酸化マンガンを上記の混合物に小分けにして添加した。ガス発生終了時にマンガン塩を濾過によって除去した。得られた青色の溶液を真空中で蒸発させた。青色の残留物を30mLの2-プロパノール及び10mLの酢酸エチル中に懸濁させ、25℃で1時間撹拌した。吸引フィルターを使用して沈殿物を濾別し、10mLの酢酸エチルで洗浄し、30℃で真空中で乾燥させた。
【0128】
収量: 1.0 g (70 %), 黒色固体.
1H NMR (DMSO-d6): δ = 2.1 (m, br, CH3), 3.7及び4.0 (m; 2H, CH2), 5.1-5.3, 5.8-6.1, 6.3, 7.0-7.8, 8.1及び8.9 (m; br, OH, NH2,アリール-H,ジエン-H, C=NH).
MS (ESI): 287.5 (M + H)+.
【0129】
[例2]
2-[5-アミノ-4-[2-アミノ-5-(2-ヒドロキシエトキシ)-4-イミノ-シクロヘキサ-2,5-ジエン-1-イリデン]アミノ]ピラゾール-1-イル]エタノール
【0130】
【0131】
撹拌下で、1.2g(0.005モル)の4.5-ジアミノ-1-(2-ヒドロキシエチル)ピラゾール及び1.2gの2.4-ジアミノフェノキシエタノール二塩酸塩を20mLのエタノール中に溶解させた。20mLの脱イオン水を添加して、透明な赤色溶液を得た。pH9.5への調整を、およそ1mLの水酸化アンモニウム(28%)溶液を添加することによって行った。17mLの過酸化水素(6%)溶液をゆっくり滴下して30分以内に加えた。この生成物溶液を25℃で24時間撹拌した。1.7gの二酸化マンガンを小分けにして添加した。発泡及び酸素発生が止まったら、マンガン塩を濾過によって除去した。得られた生成物溶液を真空中で濃縮した。赤色の残留物を30mLの2-プロパノール及び10mLの酢酸エチル中に懸濁させ、25℃で1時間撹拌した。沈殿物を吸引フィルターで濾別し、10mLの酢酸エチルで洗浄し、30℃で真空中で乾燥させた。
【0132】
収量: 1.2 g (78 %), 暗赤色固体.
1H NMR (DMSO-d6): δ = 3.7-3.9及び4.0-4.2 (m; 各々2H, 2 x CH2), 4.90 (m; 2H, 2 x OH), 5.9, 6.4及び7.8 (s; 2H, アリール及びジエン-H), 7.3 (m, br, NH2), 8.25 (m, br, NH).
【0133】
[例3]
4-[5-アミノ-1-(2-ヒドロキシエチル)ピラゾール-4-イル]イミノナフタレン-1-オン
【0134】
【0135】
撹拌下で、1.2g(0.005モル)の4.5-ジアミノ-1-(2-ヒドロキシエチル)ピラゾールを40mLのエタノール/水混合物(1:1 v/v)中に溶解させた。この溶液に、0.72g(0.005モル)の1-ナフトールを20mLのエタノール/水混合物(1:1 v/v)に溶解させた溶液を添加した。およそ1mLの水酸化アンモニウム(28%)水溶液を添加することによって、撹拌溶液をpH9.5に調整した。17mLの過酸化水素(6%)溶液をゆっくり滴下して30分以内に加えた。この溶液を更に2時間撹拌し続けた。次いで赤色の沈殿物を濾別した。固体残留物を200mLの水中に懸濁させ、25℃で15分間撹拌した。吸引フィルターを使用して固体を濾過によって単離し、150mLの水で洗浄し、50℃で真空中で乾燥させた。
【0136】
収量: 1.1 g (78 %), 暗赤色固体.
1H NMR (DMSO-d6): δ = 3.73及び4.04 (m;各々2H, CH2), 4.94 (m; 1H, OH), 6.61 (m; 2H, NH2), 7.55及び7.70 (m; 各々1H, ジエン-H), 7.80 (s; 1H, アリール-H), 8.0 - 8.1 (m, アリール-H), 8.76 (m; アリール-H).
MS (ESI): 283.3 (M + H)+.
【0137】
[例4]
5-アミノ-4-(4-ヒドロキシ-2-メチル-フェニル)イミノ-2-メチル-シクロヘキサ-2,5-ジエン-1-オン
【0138】
【0139】
撹拌下で、0.61g(0.005モル)の3-メチル-4-アミノフェノールを40mLのエタノール/水混合物(1:1 v/v)中に溶解させた。この溶液に、0.61g(0.005モル)の4-アミノ-2-ヒドロキシトルエンを40mLのエタノール/水混合物(1:1 v/v)に溶解させた溶液を、一度に添加した。およそ1mLの水酸化アンモニウム(28%)水溶液を添加することによって、撹拌溶液をpH9.5に調整した。17mLの過酸化水素(6%)溶液をゆっくり滴下して30分以内に加えた。反応混合物を25℃で8時間撹拌した。1.4gの二酸化マンガンを添加し、撹拌を発泡が止まるまで継続した。固体残留物を濾過によって除去した。母液を蒸発乾固させた。粗生成物を2-プロパノールと酢酸エチルとの混合物中に懸濁させ、25℃で1時間撹拌した。沈殿物を吸引フィルターで濾別し、10mLの酢酸エチルで洗浄し、30℃で真空中で乾燥させた。
【0140】
収量: 0.8 g (66%), 赤色固体.
MS (ESI): 243.2 (M + H)+.
【0141】
[例5]
2-アミノ-6-(4-ヒドロキシ-2-メチル-フェニル)イミノ-ピリジン-3-オン
【0142】
【0143】
例4に記載する通りに、0.61g(0.005モル)の3-メチル-4-アミノフェノールと0.55g(0.005モル)の2-アミノ-3-ヒドロキシピリジンとを反応させ、後処理した。
【0144】
収量: 0.8 g (70 %), 赤色固体.
MS (ESI): 230.1 (M + H)+.
【0145】
B.適用例
洗浄堅牢度を決定するために、2組の毛髪トレスを同じ条件下で染色した。1組の染色されたトレスを、市販のシャンプー(Goldwell definition Color & Highlights、カラーコンディショナーシャンプー)で、各トレスにシャンプー約0.5gを使用して、水道水下(水温:37℃+/-1℃;流量5~6l/分)で洗浄した。最後に、トレスを水道水下ですすぎ、ペーパータオルで押して絞り、櫛で梳き、ヘアドライヤーを用いて又は室温で乾燥させた。この手順を10回繰り返した。
【0146】
[例B1]
クエン酸及びモノエタノールアミンを使用してpH9.5に調整した非イオン性界面活性剤(Plantacare(登録商標)200UP、Henkel)の5%溶液中に、0.5%の例1の染料を溶解させた。
【0147】
この青色染色溶液を乾燥した毛髪(2束のブロンド及び2束の損傷毛)に塗布し、室温で20分間静置した。次いで、これらの束を水道水下ですすぎ、12時間乾燥させた。
【0148】
[例B2]
クエン酸及びモノエタノールアミンを使用してpH5.0に調整した非イオン性界面活性剤(Plantacare 200UP、Henkel)の5%溶液中に、0.5%の例1の染料を溶解させた。
【0149】
この青色染色溶液を乾燥した毛髪(2束のブロンド及び2束の損傷毛)に塗布し、室温で20分間静置した。次いで、これらの束を水道水下ですすぎ、12時間乾燥させた。
【0150】
[例B3]
クエン酸及びモノエタノールアミンを使用してpH9.5に調整した非イオン性界面活性剤(Plantacare 200UP、Henkel)の5%溶液中に、0.25%の例1の染料を溶解させた。
【0151】
この青色染色溶液を乾燥した毛髪(2束のブロンド及び2束の損傷毛)に塗布し、室温で20分間静置した。次いで、これらの束を水道水下ですすぎ、12時間乾燥させた。
【0152】
[例B4]
クエン酸及びモノエタノールアミンを使用してpH5.0に調整した非イオン性界面活性剤(Plantacare 200UP、Henkel)の5%溶液中に、0.25%の例1の染料を溶解させた。
【0153】
この青色染色溶液を乾燥した毛髪(2束のブロンド及び2束の損傷毛)に塗布し、室温で20分間静置した。次いで、これらの束を水道水下ですすぎ、12時間乾燥させた。
【0154】
[例B5]
溶液A:クエン酸及びモノエタノールアミンを使用してpH9.5に調整した非イオン性界面活性剤(Plantacare 200UP、Henkel)の5%溶液中に、0.5%の例1の染料を溶解させた。
【0155】
溶液B:クエン酸及びモノエタノールアミンを使用してpH9.5に調整した非イオン性界面活性剤(Plantacare 200UP、Henkel)の5%溶液中に、0.1%のベーシックレッド51を溶解させた。
【0156】
4gの溶液Aと4gの溶液Bとを混合し、乾燥した毛髪(2束のブロンド及び2束の損傷毛)に塗布し、室温で20分間静置した。次いで、これらの束を水道水下ですすぎ、12時間乾燥させた。
【0157】
[例B6]
アンモニアでpH10に調整した例1の染料の0.5%溶液を、同じ重量の6%過酸化水素溶液と混合した。
【0158】
このpH10の混合物(0.25%の染料)をブラシで2束の毛髪に塗布した(2束のブロンド及び2束の損傷毛)。室温での30分の後にこれらのトレスをすすぎ、シャンプーし、すすぎ、乾燥させた。
【0159】
[例B7]
アンモニアでpH10に調整した例1の染料の1%溶液を、同じ重量の6%過酸化水素溶液と混合した。
【0160】
このpH10の混合物(0.5%の染料)をブラシで2束の毛髪に塗布した(2束のブロンド及び2束の損傷毛)。室温での30分の後にこれらのトレスをすすぎ、シャンプーし、すすぎ、乾燥させた。
【0161】
[例B8]
クエン酸及びモノエタノールアミンを使用してpH9.5に調整した非イオン性界面活性剤(Plantacare 200UP、Henkel)の5%溶液中に、0.5%の例2の染料を溶解させた(完全ではない)。
【0162】
この赤色染色溶液を乾燥した毛髪(2束のブロンド及び2束の損傷毛)に塗布し、室温で20分間静置した。次いで、これらの束を水道水下ですすぎ、12時間乾燥させた。
【0163】
[例B9]
クエン酸及びモノエタノールアミンを使用してpH9.5に調整した非イオン性界面活性剤(Plantacare 200UP、Henkel)の5%溶液中に0.5%の例2の染料を溶解させ(完全ではない)、エタノールと1:1で混合して、より多くの染料を溶解させた。
【0164】
この赤色染色溶液を乾燥した毛髪(2束のブロンド及び2束の損傷毛)に塗布し、室温で20分間静置した。次いで、これらの束を水道水下ですすぎ、12時間乾燥させた。
【0165】
[例B10]
アンモニアでpH10に調整した例2の染料の1%溶液を、同じ重量の6%過酸化水素溶液と混合した。
【0166】
このpH10の混合物(0.5%の染料)をブラシで2束の毛髪に塗布した(2束のブロンド及び2束の損傷毛)。室温での30分の後にこれらのトレスをすすぎ、シャンプーし、すすぎ、乾燥させた。
【0167】
[例B11]
クエン酸及びモノエタノールアミンを使用してpH9.5に調整した非イオン性界面活性剤(Plantacare 200UP、Henkel)の5%溶液中に0.5%の例3の染料を溶解させた(完全ではない)。この赤色染色溶液を乾燥した毛髪(2束のブロンド及び2束の損傷毛)に塗布し、室温で20分間静置した。次いで、これらの束を水道水下ですすぎ、12時間乾燥させた。
【0168】
[例B12]
クエン酸及びモノエタノールアミンを使用してpH9.5に調整した非イオン性界面活性剤(Plantacare 200UP、Henkel)の5%溶液中に0.5%の例3の染料を溶解させ(完全ではない)、エタノールと1:1で混合して、より多くの染料を溶解させた。
【0169】
この赤色染色溶液を乾燥した毛髪(2束のブロンド及び2束の損傷毛)に塗布し、室温で20分間静置した。次いで、これらの束を水道水下ですすぎ、12時間乾燥させた。
【0170】
[例B13]
アンモニアでpH10に調整した例3の染料の1%溶液を、同じ重量の6%過酸化水素溶液と混合した。
【0171】
このpH10の混合物(0.5%の染料)をブラシで2束の毛髪に塗布した(2束のブロンド及び2束の損傷毛)。室温での30分の後にこれらのトレスをすすぎ、シャンプーし、すすぎ、乾燥させた。
【0172】
【国際調査報告】