(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-20
(54)【発明の名称】マイクロ電子デバイスを製造するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20220113BHJP
【FI】
H01L21/66 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021548533
(86)(22)【出願日】2019-10-29
(85)【翻訳文提出日】2021-06-10
(86)【国際出願番号】 US2019058597
(87)【国際公開番号】W WO2020092393
(87)【国際公開日】2020-05-07
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】フォンセカ,カルロス エー.
(72)【発明者】
【氏名】イップ,ネイサン
【テーマコード(参考)】
4M106
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106DA15
4M106DJ18
4M106DJ20
(57)【要約】
一実施形態では、方法は、半導体ウェーハ作製プロセス中の複数のプロセスステップのそれぞれにおける半導体ウェーハの特性のウェーハ測定値を取得すること(ブロック811)を含み、ウェーハ測定値のそれぞれは、測定値が取得される半導体ウェーハ上の空間場所に関連付けられる。方法は、各プロセスステップについて、取得されたウェーハ測定値からプロセスステップフィンガープリントを作成すること(ブロック812)を更に含み得る。方法は、複数のプロセスステップの1つのプロセスステップフィンガープリントを複数のプロセスステップの別の1つのプロセスステップフィンガープリントに相関付けて、伝達関数を生成すること(ブロック813)を更に含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウェーハ作製プロセス中の複数のプロセスステップのそれぞれにおける半導体ウェーハの特性のウェーハ測定値を取得することであって、前記ウェーハ測定値のそれぞれは、前記測定値が取得される前記半導体ウェーハ上の空間場所に関連付けられる、取得することと、
各プロセスステップについて、前記取得されたウェーハ測定値からプロセスステップフィンガープリントを作成することと、
前記複数のプロセスステップの1つの前記プロセスステップフィンガープリントを前記複数のプロセスステップの別の1つの前記プロセスステップフィンガープリントに相関付けて、伝達関数を生成することと
を含む方法。
【請求項2】
前記ウェーハ測定値を取得することは、ウェーハ測定を行うことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プロセスステップフィンガープリントを作成することは、前記複数のプロセスステップのそれぞれについて、フィンガープリントモデルを前記取得されたウェーハ測定値にフィッティングすることを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のプロセスステップのそれぞれについて、複数のプロセスパラメータからのプロセスパラメータを関連付けることを更に含み、前記複数のプロセスパラメータのそれぞれは、前記作製プロセスの調整可能な条件に関連付けられる、請求項1~3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記伝達関数に基づいて、前記作製プロセスによって生成された前記プロセスステップフィンガープリントの予測可能な特性を前記プロセスステップの1つの特定のプロセスパラメータに関連付けることを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
関連付けられた予測可能な特性を有する半導体ウェーハを生成するために前記特定のプロセスパラメータを調整することを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記伝達関数は、導出された係数の組からの前記プロセスステップフィンガープリントに相関する関数である、請求項1~6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記関数は、ゼルニケ多項式、ルジャンドル多項式、フーリエ級数及びベッセル関数から選択される1つ又は複数の直交関数を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記伝達関数に基づいて前記関数の係数を特定のプロセスパラメータに関連付けることを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
複数の半導体ウェーハを製造する作製プロセスを有することであって、前記作製プロセスは、複数のプロセスステップを含み、前記複数のプロセスステップのそれぞれは、プロセスパラメータの組に関連付けられる、有することと、
前記複数のプロセスステップからの第1のプロセスステップを第1の半導体ウェーハに対して実行することであって、前記第1のプロセスステップは、関連付けられた第1のプロセスパラメータを有し、前記第1のプロセスパラメータは、前記第1のプロセスステップを前記第1の半導体ウェーハに対して実行するとき、第1のプロセスパラメータ値を有する、実行することと、
前記第1の半導体ウェーハから第1の測定値を取得することであって、前記第1の測定値は、前記第1の半導体ウェーハ上の第1の複数の空間場所における第1の特性の第1の特性値を含む、取得することと、
前記第1の測定値から前記第1のプロセスステップの第1のプロセスステップフィンガープリントを生成することと、
前記第1のプロセスステップ及び前記複数のプロセスステップからの第2のプロセスステップを第2の半導体ウェーハに対して実行することであって、前記第2のプロセスステップは、関連付けられた第2のプロセスパラメータを有し、前記第2のプロセスパラメータは、前記第2のプロセスステップを前記第2の半導体ウェーハに対して実行するとき、第2のプロセスパラメータ値を有する、実行することと、
前記第2の半導体ウェーハから第2の測定値を取得することであって、前記第2の測定値は、前記第2の半導体ウェーハ上の第2の複数の空間場所における第2の特性の第2の特性値を含む、取得することと、
前記第2の測定値から前記第2のプロセスステップの第2のプロセスステップフィンガープリントを生成することと、
前記第1のプロセスステップフィンガープリントを前記第2のプロセスステップフィンガープリントに相関付けて、前記第1のプロセスステップと前記第2のプロセスステップとの間の伝達関数を生成することと
を含む方法。
【請求項11】
前記第1のプロセスステップ及び前記第2のプロセスステップを複数の第3の半導体ウェーハに対して実行することであって、前記第1のプロセスステップ及び前記第2のプロセスステップを前記複数の第3の半導体ウェーハに対して実行するとき、前記第1のプロセスパラメータは、前記第1のプロセスパラメータ値を有し、及び前記第2のプロセスパラメータは、複数の第2のプロセスパラメータ値を有する、実行することと、
前記複数の第3の半導体ウェーハから複数の第3の測定値を取得することであって、前記複数の第3の測定値は、前記複数の第3の半導体ウェーハ上の前記第2の複数の空間場所における前記第2の特性の第3の特性値を含む、取得することと、
前記第3の測定値から前記第2のプロセスステップの複数の第2のプロセスステップフィンガープリントを生成することと、
前記複数の第2のプロセスステップフィンガープリント及び前記伝達関数に基づいて前記第2のプロセスステップのプロセスモデルを生成することであって、前記プロセスモデルは、第2のプロセスパラメータの関数を含む、生成することと
を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のプロセスステップのそれぞれのプロセスモデルを生成することを更に含む、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記第2のプロセスステップにおける前記第2のプロセスパラメータの値を変更することと、
前記第2のプロセスパラメータの前記変更された値を用いて半導体ウェーハを作製することと
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の第2のプロセスステップフィンガープリントのそれぞれは、前記複数の第2のプロセスパラメータ値のそのそれぞれの1つに関連付けられた係数値の組を含む、請求項11~13の何れか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記プロセスモデルを生成することは、
前記伝達関数を使用することにより、前記係数値の組のそれぞれを独立成分値及び伝達成分値に分けることと、
前記複数の第2のプロセスパラメータ値を用いて前記係数値の組のそれぞれの前記独立成分値をフィッティングして、前記プロセスモデルを取得することと
を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
縮小された第1のプロセスステップフィンガープリントを生成することにより、前記第1のプロセスステップのプロセスモデルを生成することを更に含む、請求項10~15の何れか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記伝達関数は、ゼルニケ多項式、ルジャンドル多項式、フーリエ多項式及びベッセル関数から選択される1つ又は複数の直交関数を含む、請求項10~16の何れか一項に記載の方法。
【請求項18】
実行されると、計算デバイスのプロセッサに、半導体ウェーハ作製プロセスと連携して動作を実行させる命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記半導体ウェーハ作製プロセスは、複数のプロセスステップを含み、前記複数のプロセスステップのそれぞれは、プロセスパラメータの組に関連付けられ、前記動作は、
複数のプロセスステップからの第1のプロセスステップを第1の半導体ウェーハに対して実行することであって、前記第1のプロセスステップは、関連付けられた第1のプロセスパラメータを有し、前記第1のプロセスパラメータは、前記第1のプロセスステップを前記第1の半導体ウェーハに対して実行するとき、第1のプロセスパラメータ値を有する、実行することと、
前記第1の半導体ウェーハから第1の測定値を取得することであって、前記第1の測定値は、前記第1の半導体ウェーハ上の第1の複数の空間場所における第1の特性の第1の特性値を含む、取得することと、
前記第1の測定値から前記第1のプロセスステップの第1のプロセスステップフィンガープリントを生成することと、
前記第1のプロセスステップ及び前記複数のプロセスステップからの第2のプロセスステップを第2の半導体ウェーハに対して実行することであって、前記第2のプロセスステップは、関連付けられた第2のプロセスパラメータを有し、前記第2のプロセスパラメータは、前記第2のプロセスステップを前記第2の半導体ウェーハに対して実行するとき、第2のプロセスパラメータ値を有する、実行することと、
前記第2の半導体ウェーハから第2の測定値を取得することであって、前記第2の測定値は、前記第2の半導体ウェーハ上の第2の複数の空間場所における第2の特性の第2の特性値を含む、取得することと、
前記第2の測定値から前記第2のプロセスステップの第2のプロセスステップフィンガープリントを生成することと、
前記第1のプロセスステップフィンガープリントを前記第2のプロセスステップフィンガープリントに相関付けて、前記第1のプロセスステップと前記第2のプロセスステップとの間の伝達関数を生成することと
を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項19】
前記動作は、
前記第1のプロセスステップ及び前記第2のプロセスステップを複数の第3の半導体ウェーハに対して実行することであって、前記第1のプロセスステップ及び前記第2のプロセスステップを前記複数の第3の半導体ウェーハに対して実行するとき、前記第1のプロセスパラメータは、前記第1のプロセスパラメータ値を有し、及び前記第2のプロセスパラメータは、複数の第2のプロセスパラメータ値を有する、実行することと、
前記複数の第3の半導体ウェーハから複数の第3の測定値を取得することであって、前記複数の第3の測定値は、前記複数の第3の半導体ウェーハ上の前記第2の複数の空間場所における前記第2の特性の第3の特性値を含む、取得することと、
前記第3の測定値から前記第2のプロセスステップの複数の第2のプロセスステップフィンガープリントを生成することと、
前記複数の第2のプロセスステップフィンガープリント及び前記伝達関数に基づいて前記第2のプロセスステップのプロセスモデルを生成することであって、前記プロセスモデルは、第2のプロセスパラメータの関数を含む、生成することと
を更に含む、請求項18に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
前記伝達関数は、ゼルニケ多項式、ルジャンドル多項式、フーリエ多項式及びベッセル関数から選択される1つ又は複数の直交関数を含む、請求項18又は19に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2018年10月31日付けで出願された米国仮特許出願第62/753,153号明細書、2018年10月31日付けで出願された米国仮特許出願第62/753,155号明細書及び2019年10月28日付けで出願された米国仮特許出願米国特許出願公開第16/666,087号明細書の利益を主張するものであり、これらの出願は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、概して、製造システム及び方法に関し、特定の実施形態において、マイクロ電子デバイスを製造するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロ電子デバイスは、マイクロメートル以下の規模の個々の電子デバイス及び構成要素又はそれらの集合である。個々のマイクロ電子デバイスは、設計に従って接続されて組合せを形成し得るトランジスタ、キャパシタ、インダクタ、抵抗器及びダイオード等の電子構成要素を含み得る。接続は、絶縁体により絶縁された垂直導体及び側方導体の多層相互接続回路網を集積することにより形成され得る。組合せは、データの記憶及び検索、計算、信号処理並びに電子画像捕捉又はそれらの組合せ等の複雑な機能を集合的に実行する電子回路を形成し得る。集積回路(IC)は、マイクロチップと呼ばれることもあり、そのようなデバイスの一例である。ICは、産業、軍事及び消費者用途での多くの電子システム、例えば機器制御、ミサイル誘導システム、自動車電子回路、テレビジョン及びデジタルカメラ等で使用されている。
【0004】
小規模のマイクロ電子デバイスは、スマートフォン、ラップトップコンピュータ及び医療移植、例えばペースメーカ等のモバイル電子システムの設計において特に有利である。マイクロ電子デバイスの製造には、高度な技法が使用される。1つのそのような技法は、半導体ウェーハの作製に関わる。通常、マイクロ電子デバイスは、材料、例えば半導体、絶縁体及び導体のパターニングされた層のスタックの部分として生成されて、半導体ウェーハを形成する。パターニング技術の革新に伴い、最小特徴サイズは、定期的に小さくなり、マイクロ電子デバイスでの構成要素のパッケージング密度を増大させてきた。構成要素が多くなるのに伴い、電子回路の機能は、強化され、それによりマイクロ電子デバイスがより複雑なタスクを実行できるようにしてきた。
【0005】
マイクロ電子デバイスの複雑性が各マイクロ電子デバイス内の電子構成要素の数の増大に伴って増大するにつれて、歩留まりの高い半導体作製方法により生成された低コストの電気機械的に機能的なマイクロ電子デバイスを提供するための半導体ウェーハ作製製造システム及び製造方法の革新が必要とされ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態によれば、方法は、半導体ウェーハ作製プロセス中の複数のプロセスステップのそれぞれにおける半導体ウェーハの特性のウェーハ測定値を取得することを含み、ウェーハ測定値のそれぞれは、測定値が取得される半導体ウェーハ上の空間場所に関連付けられる。方法は、各プロセスステップについて、取得されたウェーハ測定値からプロセスステップフィンガープリントを作成することを更に含み得る。方法は、複数のプロセスステップの1つのプロセスステップフィンガープリントを複数のプロセスステップの別の1つのプロセスステップフィンガープリントに相関付けて、伝達関数を生成することを更に含み得る。
【0007】
本発明の実施形態によれば、方法は、複数の半導体ウェーハを製造する作製プロセスを有することを含む。作製プロセスは、複数のプロセスステップを含み、複数のプロセスステップのそれぞれは、プロセスパラメータの組に関連付けられる。方法は、複数のプロセスステップからの第1のプロセスステップを第1の半導体ウェーハに対して実行することを更に含み、第1のプロセスステップは、関連付けられた第1のプロセスパラメータを有し、第1のプロセスパラメータは、第1のプロセスステップを第1の半導体ウェーハに対して実行するとき、第1のプロセスパラメータ値を有する。方法は、第1の半導体ウェーハから第1の測定値を取得することを更に含み、第1の測定値は、第1の半導体ウェーハ上の第1の複数の空間場所における第1の特性の第1の特性値を含む。方法は、第1の測定値から第1のプロセスステップの第1のプロセスステップフィンガープリントを生成することを更に含む。方法は、第1のプロセスステップ及び複数のプロセスステップからの第2のプロセスステップを第2の半導体ウェーハに対して実行することを更に含み得、第2のプロセスステップは、関連付けられた第2のプロセスパラメータを有する。第2のプロセスパラメータは、第2のプロセスステップを第2の半導体ウェーハに対して実行するとき、第2のプロセスパラメータ値を有する。方法は、第2の半導体ウェーハから第2の測定値を取得することを更に含み得、第2の測定値は、第2の半導体ウェーハ上の第2の複数の空間場所における第2の特性の第2の特性値を含む。方法は、第2の測定値から第2のプロセスステップの第2のプロセスステップフィンガープリントを生成することを更に含み得る。方法は、第1のプロセスステップフィンガープリントを第2のプロセスステップフィンガープリントに相関付けて、第1のプロセスステップと第2のプロセスステップとの間の伝達関数を生成することを更に含み得る。
【0008】
本発明の実施形態によれば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、実行されると、計算デバイスのプロセッサに、半導体ウェーハ作製プロセスと連携して動作を実行させる命令を含み、半導体ウェーハ作製プロセスは、複数のプロセスステップを含み、複数のプロセスステップのそれぞれは、プロセスパラメータの組に関連付けられる。動作は、複数のプロセスステップからの第1のプロセスステップを第1の半導体ウェーハに対して実行することを含み、第1のプロセスステップは、関連付けられた第1のプロセスパラメータを有し、第1のプロセスパラメータは、第1のプロセスステップを第1の半導体ウェーハに対して実行するとき、第1のプロセスパラメータ値を有する。動作は、第1の半導体ウェーハから第1の測定値を取得することを更に含み、第1の測定値は、第1の半導体ウェーハ上の第1の複数の空間場所における第1の特性の第1の特性値を含む。動作は、第1の測定値から第1のプロセスステップの第1のプロセスステップフィンガープリントを生成することを更に含む。動作は、第1のプロセスステップ及び複数のプロセスステップからの第2のプロセスステップを第2の半導体ウェーハに対して実行することを更に含み得、第2のプロセスステップは、関連付けられた第2のプロセスパラメータを有する。第2のプロセスパラメータは、第2のプロセスステップを第2の半導体ウェーハに対して実行するとき、第2のプロセスパラメータ値を有する。動作は、第2の半導体ウェーハから第2の測定値を取得することを更に含み得、第2の測定値は、第2の半導体ウェーハ上の第2の複数の空間場所における第2の特性の第2の特性値を含む。動作は、第2の測定値から第2のプロセスステップの第2のプロセスステップフィンガープリントを生成することを更に含み得る。動作は、第1のプロセスステップフィンガープリントを第2のプロセスステップフィンガープリントに相関付けて、第1のプロセスステップと第2のプロセスステップとの間の伝達関数を生成することを更に含み得る。
【0009】
本発明及びその利点についてのより詳細な理解のために、ここで、後述の説明を以下の添付図面と併せて参照する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】一実施形態による、ウェーハ作製製造システムのプロセスステップの測定可能な結果の一例を示す。
【
図1B】
図1Aに示される測定可能な結果の一例のフィンガープリントを示す。
【
図1C】
図1Aに示される測定可能な結果の一例のフィンガープリントを示す。
【
図2】一実施形態による、ウェーハ作製方法論のインライン測定値からのフィンガープリントモデル、伝達関数及びプロセスステップのプロセスモデルの生成に使用されるウェーハ作製製造システムにおける一例の方法の一部を示すフローチャートである。
【
図3A】一実施形態による、インライン測定タイプの測定フィンガープリントが生成される一例の方法の一部を示す。
【
図3B】一実施形態による、インライン測定タイプの測定フィンガープリントが生成される一例の方法の一部を示す。
【
図3C】一実施形態による、インライン測定タイプの測定フィンガープリントが生成される一例の方法の一部を示す。
【
図4A】一実施形態による、インライン測定タイプの測定フィンガープリントのプロセスモデルが生成される一例の方法の一部を示す。
【
図4B】一実施形態による、インライン測定タイプの測定フィンガープリントのプロセスモデルが生成される一例の方法の一部を示す。
【
図4C】一実施形態による、インライン測定タイプの測定フィンガープリントのプロセスモデルが生成される一例の方法の一部を示す。
【
図4D】一実施形態による、インライン測定タイプの測定フィンガープリントのプロセスモデルが生成される一例の方法の一部を示す。
【
図5】一実施形態による、ウェーハ作製方法論のインライン測定値からのフィンガープリントモデル、伝達関数及びプロセスモジュールのプロセスモデルの生成に使用されるウェーハ作製製造システムにおける一例の方法の一部を示すフローチャートである。
【
図6A】一実施形態による、測定フィンガープリントからフィンガープリントの階層を生成する一例のモデルを示す。
【
図6B】一実施形態による、測定フィンガープリントからフィンガープリントの階層を生成する一例のモデルを示す。
【
図6C】一実施形態による、測定フィンガープリントからフィンガープリントの階層を生成する一例のモデルを示す。
【
図7】一実施形態による、ベースラインプロセスフローのモデルを生成する一例の方法を示す一般化されたフローチャートである。
【
図8A】一実施形態による、ウェーハ作製方法論のインライン測定値からのフィンガープリントモデル、伝達関数及びプロセスステップのプロセスモデルの生成に使用されるウェーハ作製製造システムにおける一例の方法の一部を示す。
【
図8B】一実施形態による、ウェーハ作製方法論のインライン測定値からのフィンガープリントモデル、伝達関数及びプロセスステップのプロセスモデルの生成に使用されるウェーハ作製製造システムにおける一例の方法の一部を示す。
【
図8C】一実施形態による、ウェーハ作製方法論のインライン測定値からのフィンガープリントモデル、伝達関数及びプロセスステップのプロセスモデルの生成に使用されるウェーハ作製製造システムにおける一例の方法の一部を示す。
【
図9】半導体ウェーハを製造する種々の実施形態を実施する例示的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
半導体ウェーハを作製する既存の手法は、ウェーハ全体に適用されるか、又はウェーハ全体に適用されると仮定される1つの値であるメトリックを使用する。これらのメトリックスの従来の適用は、個々のウェーハ又はサンプルウェーハの測定値に基づく。
【0012】
これらの従来の手法は、各測定値に関連するか又は関連付けられた情報を破棄又は無視する。例えば、そのような情報は、空間的測定値又は測定値間の相関を含み得る。そのような情報は、潜在的に有価値である。エッジ配置エラー(EPE)は、歩留まりに相関付けることができるメトリックを形成する異なる測定値の組合せの一例である。
【0013】
本明細書に記載される技術は、種々の実施形態において、はるかに多くの利用可能な情報を使用して構築されたプロセスモデルを生成することにより、空間情報を保持する。加えて、本明細書に記載される技術は、種々の実施形態において、半導体製造に動的に適用することができ、フィードバック制御ループを使用して自動化されるのに適している。
【0014】
本明細書に記載される半導体ウェーハ作製製造システム及び製造方法の実施形態は、半導体ウェーハ作製の技法により生成されるマイクロ電子デバイスの製造歩留まり及び製造コストを改善し得る。半導体ウェーハ作製は、一連のプロセスモジュールの実行として説明され得、各プロセスモジュールは一連のユニットプロセスステップを含む。一例のユニットプロセスステップは、順次、プロセスフローに従って実行されて、層、例えば活性層、ダミーゲート層、ソース-ドレイン層、金属ゲート層及び接点層等を作製する表面準備、イオン注入、熱ステップ(例えば、急速熱酸化(RTO))、急速熱アニール(RTA)及びレーザアニール)、フォトリソグラフィステップ(例えば、レジストコート、露光、現像及びストリッピング)、電気メッキ、プラズマ堆積、プラズマエッチング、ウェットエッチング及び化学機械研磨(CMP)等を含む。各プロセスモジュールは、活性モジュール、ダミーゲートモジュール等と呼ばれ得る。半導体ウェーハ製造ラインの製造歩留まりは、仕様の組に準拠する電気的にテスト可能なメトリック(例えば、トランジスタ漏出、抵抗器抵抗、回路機能性等)を有する、完成したマイクロ電子デバイスの割合であると見なされ得る。
【0015】
本開示に記載される製造システムは、製造歩留まりに相関するメトリックのフィンガープリント(FP)が、1つ又は複数の半導体ウェーハの複数の空間場所において実行された1つ又は複数のインライン測定から生成される方法を採用する。各層について、層に適切なメトリックのFPは、以下に更に詳述されるように生成される。例えば、ダミーゲート層のエッジ配置エラー(EPE)のFPを生成し得る。本開示における実施形態では、各FPは、測定値の空間情報を維持する各メトリックの数学的モデルである。幾つかの実施形態では、数学的モデルは、インライン測定値が取得されたウェーハ上の場所の空間座標の数学的関数である。数学的関数は、有限級数の基底関数と呼ばれる数学的関数において展開され得る。その場合、FPは、モデル関数の級数展開の各項の係数の順序付き集合を含む係数ベクトルにより表され得る。以下に更に詳述するように、層メトリックのFPは、FPの階層の複合物であり得る。例えば、活性層EPEのFPは、マンドレル(側壁イメージ転写(SIT)に使用される)の高さ、ピッチウォーク(マルチパターニング技法の場合)及びオーバーレイ(例えば、活性マスクとアラインメントマスクとの間のアラインメント誤差)等、幾つかのFPからの寄与を含む複合数学的モデルであり得る。従って、これらのFP(例えば、マンドレルの高さ、ピッチウォーク及びオーバーレイ)は、例えば、マンドレルの堆積薄膜厚、側壁ハードマスクのマルチパターンのピッチ及びオーバーレイパターンにおける特徴の寸法等のインライン測定値の1つ又は複数のFPから導出され得る。
【0016】
インライン測定値は、ウェーハ作製生産ラインの終わりに製造歩留まりに最終的に影響し得る先行プロセスステップの結果を識別するように設計される。当業者に既知のように、処理ステップの結果は、調整可能なプロセスパラメータの組により変調され得る。プロセスパラメータは、一般的に、1つ又は複数のプロセスステップを実行するために選択される機器設定である。例えば、ダミーゲートプロセスモジュールにおけるレジスト現像プロセスステップ後のダミーゲートレジストEPE測定値は、レジストコートステップにおけるウェーハスピン速度、フォトレジスト露光ステップ中の露光時間及び焦点面の位置により変調され得る。従って、ダミーゲートレジストEPEのFPの各係数は、調整可能なプロセスパラメータ:この例では、スピン速度、露光及びフォーカスにより変調され得る。プロセスパラメータ(例えば、スピン速度、露光及びフォーカス)の組に対するFP係数(例えば、ダミーゲートレジストEPE FP)の応答は、独立変数の組の数学的関数としてモデリングされ得、各変数は、EPEの単位(例えば、ナノメートル)に適宜正規化されたプロセスパラメータの数値表現である。これらの数学的記述は、まとめてダミーゲートレジストEPEのプロセスモデルを形成する。
【0017】
この例では、ダミーゲートレジストEPEは、直接測定値であるため、そのFPは、FPの階層中の最下位レベルFPの1つである。この実施形態では、プロセスモデルは、ダミーゲートレジストEPE FPを正確にモデリングすることにより、ダミーゲートレジストEPE測定値における空間情報を保持し得ることに更に留意され得る。一般に、2つ以上の測定タイプがあり得る(例えば、EPE、ラインエッジラフネス(LER)、オーバーレイ、限界寸法(CD)及び線幅ラフネス(LWR)等)。それぞれのプロセスモデルを有する最下位レベルFPは、プロセスステップの各測定タイプについて生成され得る。現在又は前のプロセスステップにおいて取得された測定値のインライン測定値FPを用いた組合せ及び計算(例えば、2つの測定値間の差)を行い、そのプロセスステップの次に高いレベルFPを作成し得る。
【0018】
プロセスステップの測定可能な結果は、多くの場合、入力ウェーハの状態に依存する。例えば、ダミーゲートレジストパターンのEPEは、フィンFETと呼ばれるフィン形トランジスタ構造の作製を含むプロセスフローにおける活性レベルでのシャロートレンチアイソレーション(STI)酸化物の上に突出して形成されたフィンの高さにより影響を受け得る。活性プロセスモジュールにおいて測定されるフィン高さは、活性フィン高さFPにより正確に再現し得る。入力ウェーハの状態は、一般に、前のプロセスモジュール及び現在のプロセスモジュールの完了したプロセスステップの両方により決まる。従って、前のプロセスモジュールの最上位FP及び現在のプロセスモジュールにおける完了したステップの最上位レベルFPは、続くプロセスステップにおける測定値に相関し得、従ってそれから生成されるFPに相関し得る。この例では、活性フィン高さFPは、EPE、CD、LER、LWR及びオーバーレイのダミーゲートレジストFP等のダミーゲート層におけるインライン測定値の1つ又は複数のFPに影響を及ぼし得る。FP対間(例えば、活性フィン高さFPとダミーゲートレジストEPE FPとの間)のそのような相関は、プロセスフローについて特徴付けられ、続くプロセスステップの測定(最下位レベル)FPの生成での使用に適した伝達関数として前のプロセスステップからフィードフォワードされる。一実施形態では、伝達関数は、先のFP(例えば、活性フィン高さFP)の係数ベクトルを続くプロセスステップの最下位レベルFP(例えば、ダミーゲートレジストEPE FP)の係数ベクトルに組み込むことができる成分ベクトルにマッピングする変換行列として実施され得る。一般に、伝達関数は、続くプロセスステップで行われた測定から導出されたメトリックのFPに対する、前のプロセスステップのウェーハ特性から計算されたメトリックの影響を含むように使用され得る変換行列、微分式の組、ルックアプテーブル、統計学的相関関数の組又は反復アルゴリズム等の任意の数値モデルを使用して実施され得る。更に、前のプロセスステップにおける1つ又は複数のFPモデルを現下のプロセスステップにおける測定値FPの少なくとも一部にマッピングする伝達関数として、現下のプロセスステップにおけるウェーハ特性に対する前の処理の影響を公式化したが、他の公式を考えることも可能である。例えば、伝達関数は、現下のプロセスステップにおける1つ又は複数のインラインウェーハ作製方法論データの組合せ/計算から導出されるメトリックのFPモデルの少なくとも一部への前のステップにおけるプロセスパラメータのマッピングを記述するように公式化され得る。前の処理の影響が最下位レベルFPに組み込まれると、前のプロセスステップとの相関は、最下位レベルFPを使用して続けて形成される任意の上位レベルFPに自然に含まれる。
【0019】
プロセスモジュールのプロセスステップのFPを生成した後、組合せ及び計算を適用して、次の上位レベルのFPを生成し得、これは、更に後述するように、プロセスモジュール又はレイヤのFPであり得る。例えば、ダミーゲートレジストCD FP、ダミーゲートエッチングバイアスFP及びオーバーレイ等のダミーゲートプロセスモジュールにおけるプロセスステップの幾つかのFPを組み合わせて、ダミーゲート層のダミーゲートCD FPを生成し得る。
【0020】
FPを使用し、生の測定データの空間座標を保持し、再現するFP係数のプロセスモデルを生成する方法の実施形態は、半導体ウェーハ作製生産ラインのモニタリング及び制御に有利である。空間情報を提供するFP係数ベクトルのモニタリングを利用する統計学的プロセス制御(SPC)戦略は、ウェーハ作製生産ラインの歩留まりを低下させ得るプロセスエクスカーション源の識別を促進する。例えば、径方向依存性の増大が、その1つが径方向ガス流を表す幾つかのプロセスパラメータにより影響を受け得るメトリックのFPの係数の異常から観測される場合、それは、異常なガス流を示唆し得る。介入が製造歩留まりの回復を成功させ得る機器及び機器設定の高速識別を促進するために、異常値を示すFP係数のプロセスモデルを空間情報と併せて利用して、異常をシミュレートすることができる。
【0021】
伝達関数を使用して前のプロセスステップとの相関が組み込まれたFP係数ベクトルの生成は、ウェーハ作製製造システムに幾つかの独自の利点を提供する。伝達関数法は、測定値FPの係数ベクトルを2つの成分ベクトルに効率的に分割する:前の処理と相関する1つの成分ベクトル及び現下の完了したプロセスステップと相関する現下ステップベクトルと呼ばれる別の成分ベクトル。先のステップのフィンガープリントと相関する成分は、処理履歴から予測可能であり、測定値FPの伝達ベクトル又は伝達成分と呼ばれる。FP係数ベクトルのそのような分解は、所与のプロセスステップで観測された逸脱を、入力ウェーハ状態に起因する部分及び現下のプロセスステップに起因する部分に分けるために使用され得る。更に、予測可能性は、是正動作をフィードフォワードするか、又は更なる処理を終える早期判断を行うために使用され得る。
【0022】
伝達関数法は、続くプロセスステップにおけるメトリックのFPへの全ての先のプロセスステップの影響を保持することにより、作製プロセスフロー全体のプロセスモデルの正確性を上げる。この能力は、以下に更に後述するように、生産ラインの歩留まりを改善するようにプロセスパラメータを調整するコンピュータ支援解析で有利に使用され得る。プロセスモデルと共に、空間情報は、機器設定を最適化して製造歩留まりを上げる、より的を絞った調整に役立ち得る。更に、解析は、製造歩留まりへの影響が大きいため、特定の機器への更なる投資の価値があることを識別し得、また製造歩留まりへの影響がごくわずかな状態でより安価な代替を使用し得る特定の機器を識別することもできる。
【0023】
先に概説した製造システム及び方法について、
図1~
図8を参照して以下に更に詳細に示す。
【0024】
図1Aのウェーハマップは、結果がウェーハ上の複数のダイ場所において繰り返される同じタイプの測定値の集合である、ウェーハ作製製造システムのプロセスステップの直接測定可能な結果100の一例(例えば、レジストパターニングステップのEPE測定値)を示す。1つのサンプルウェーハ又はそのようなウェーハの集合上の空間場所(例えば、二次元(2D)矩形座標x及びy又は極座標r及びθ)に関連付けられたデータ値を含むデータセットは、ウェーハマップとして表示され得る。ウェーハマップでは、各データ点は、ウェーハの二次元画像において関連付けられた空間座標に従ってエリアを与えられる。
図1Aの画像等の本明細書におけるウェーハマップでは、データ点は、グレースケールにより示された値を有するモザイク式矩形として示される。
【0025】
生データ(例えば、直接測定されたEPE値及びそれらに関連付けられた座標)を処理して、フィンガープリント(FP)モデルを作成し得る。特に、回帰解析等の解析を実行して、生データ値への最良フィッティング、例えばEPEの測定値と、最適化されたパラメータを使用したFPモデルにより計算された値との間の最小誤差を求めて、関数のパラメータを選択及び調整し得る。解析は、管理可能な有限数の調整可能パラメータを用いて、生データにおける空間パターンを再現し得る2D空間座標の適切な数学的関数を選択することを含む。例えば、例えば液体フォトレジストが回転中のウェーハの中央領域に導入され、径方向遠心力によりウェーハ表面にわたり分布するプロセスステップの影響を受けやすいことがあり得る測定値、モデル関数は、ゼルニケ多項式の有限級数(又はフーリエ級数及びベッセル関数等の他の関数)として数学的に表される、極座標r及びθの関数であるように選択され得る。各多項式は、それぞれの数値係数により加重される。これらの係数は、生データへの最良フィッティングを得るために解析中に値を最適化し得るモデルのフィッティングパラメータである。係数の順序付き集合は、係数ベクトルと呼ばれ、各係数は、係数ベクトルの一成分である。集合的に、成分(ゼルニケ多項式の順と同じ順に配置される)は、生データのFPモデルを構成する。
図1Bに示される係数ベクトルは、
図1Aのウェーハマップにより示される生データのFPモデルの一例である。
図1BにおけるFPモデルに使用されるモデル関数は、
図1Bにおいて順にプロットされた21個の係数により加重された最初の21個のゼルニケ多項式のシリーズを含む。
図1Cのウェーハマップ120は、
図1Bに示される最適化されたFPモデルを使用して計算される、モデリングされた値を示す。2つのウェーハマップ(
図1A及び
図1C)から観測し得るように、
図1BのFPモデルは、生データをかなり正確に再現することが可能である。
【0026】
幾つかの場合、初期FPモデル(例えば、
図1Bの21次元係数ベクトル)は、支配的なモデルパラメータを識別することを含むように解析を展開することにより、更に簡易化され得る。係数ベクトルがわずかな主成分(例えば、計算されたデータ値に有意に影響する5つの係数)を有する場合、例えば識別されたわずかな主係数、例えば5つの主係数により、21個の係数を含む初期FPモデルを近似し得る。幾つかの実施形態では、それ以上の処理及び計算について、低次元(例えば、5次元)係数ベクトルが初期高次元(例えば、21次元)FPモデルを置換し得る(残りの係数は、無視される)。
【0027】
図2は、上述した技法を実施する一例のシステム200における1つのプロセスステップの実行フローを示すフローチャートである。一例のシステム200は、半導体ウェーハの作製と協働して実行される。幾つかの場合、協働は、作製自体の一体部分である一例のシステム200を含み得る。以下に詳述するように、ベースライン(基準計画)ウェーハ作製プロセスに加えて処理ステップを実行して、測定値を取得し、高信頼度で正確なモデルパラメータを抽出し得る。
【0028】
一例のプロセス200について、本明細書では、いかなる限定でもなく簡潔性のために、システム200により実行されるものとして説明する。
図3及び
図4は、
図2のフローチャートを伴ってシステム200におけるステップの幾つかの説明に役立つ。
図3は、ウェーハ上の測定場所の座標の関数としての測定値FPの生成を示すために使用される。
図4は、システム200が、プロセスパラメータの変更に対するフィンガープリントモデルの係数の応答を計算するプロセスモデルを生成するために使用する方法を説明するために使用される。
【0029】
プロセスステップの結果の予測数学的モデルを作成するためにシステム200において使用される方法のステップ毎の説明での最初のステップである、
図2のシステム200のフローチャートにおけるブロック210により示されるように、FP、伝達関数及びプロセスモデルを含むモデルは、ベースライン作成プロセスフローに従って処理された半導体ウェーハの1つ又は複数の特性(例えば、高密度ラインのパターンにおけるラインのレジストCD)のインライン測定値を取得することである。取得された各測定値は、測定が取得されるウェーハ空間場所に関連付けられ、取得された各測定値は、
図1Aを参照して説明したものと同様のウェーハマップによりグラフィカルに示され得る。
図3Aのグラフ300は、各ウェーハ上の同じ場所の組におけるベースライン処理済みウェーハの集合から収集された測定値、例えばCD測定値の生データのウェーハマップである。
【0030】
より一般的には、ブロック210の動作は、その収集されたデータの空間情報を有する半導体ウェーハのインライン作成方法論データの収集として説明され得る。このインライン作製方法論データは、ベースライン作製プロセスフローのあるプロセスステップから生じた特性のウェーハの、ウェーハについての、ウェーハ上の、ウェーハ内の且つウェーハについてのインライン測定値から生成される。測定は、プロセスステップ中又はプロセスステップの完了後に行われ得る。すなわち、インライン作製方法論データは、ベースライン半導体作製プロセスフローのプロセスステップにおいて形成されたウェーハの特性の測定値である。
【0031】
プロセスステップにおけるインライン作製方法論データは、プロセスステップにおいて処理された材料の薄膜(例えば、堆積した薄膜の厚さ)、処理された薄膜におけるパターン(例えば、レジスト現像ステップにおけるレジスト線幅)、プロセスステップにおける処理により完成したデバイス(例えば、相互接続レベルにおける金属CMPにより)及び材料のエッチングにより露出した完成途中のデバイス(例えば、アラインメントマスク)等についての測定値から導出し得る。本明細書では、プロセスステップは、その瞬間に作製の中心である材料薄膜の処理であり得る。多くの場合、薄膜は、上部又は最上部薄膜である。例えば、薄膜は、堆積、クリーニング若しくはエッチングされる薄膜又は堆積、クリーニング若しくはエッチングが行われたばかりの薄膜である。
【0032】
幾つかの場合、例えば、インライン作製方法論データは、作製の現在の中心である薄膜に直接隣接する薄膜、その隣接する層におけるパターン、隣接する層により完成したデバイス及び隣接する層により露出した完成途中のデバイス等についての測定値から導出され得る。多くの場合、現下の隣接層は、最上部薄膜の直下の層である。
【0033】
更に他の場合、例えば、インライン作製方法論データは、ウェーハの複数の隣接層又はウェーハ自体についての測定値から導出され得る。例えば、ウェーハの複数の隣接層は、内部の電気的及び/又は機械的に相互作用するマイクロ電子デバイスを含み得る。
【0034】
通常、インライン作製方法論データは、半導体作製中、材料のパターンの共通スタックを使用する複数の半導体ウェーハからの測定値(半導体ウェーハからの測定値に基づく計算)を含む。異なるタイプのインライン作製方法論データの例には、EPE、グリッドCD測定値、ブロックLWR測定値、グリッドLWR測定値、ブロックCD測定値、エッジプロファイル、選択的堆積及び/又は選択的エッチングの選択性、形成されたマイクロ電子デバイスの電気特性、コンタクトホールCD、コンタクトホールエッジラフネス(CER)及び楕円率、短い及び長いライン及びトレンチの先端間距離、2つのパターニングされた層間のオーバーレイ誤差測定値、薄膜厚及び厚さ均一性、1つのツールの動作後に行われる測定、1つのプロセスモジュールの全てのツール後に行われる測定、複数のプロセスモジュール後に行われる測定及びそれらの組合せからなる群から選択される測定及び/又は計算インライン作製方法論データ等の測定データ及び/又は計算データがある。
【0035】
ブロック220において、システムは、データのモデリングに適切な2D空間座標(x,y)又は(r,θ)の数学的関数を選択する。一実施形態では、モデル関数は、有限級数の基底関数であり、先に説明したように、級数の各項を加重する数値係数は、データの係数ベクトル又はFPと呼ばれる。基底関数は、一般に、ゼルニケ多項式、ルジャンドル多項式又はベッセル関数等の直交関数であり、長い計算時間を要する非常に長い級数を使用する必要なく、関心のあるインライン測定値タイプを正確にモデリングし得るように選択され、モデルの特性は、インライン測定ステップの幾つかの物理的構成要素(例えば、スピンコーティングプロセスの径方向特性)と同等である。
【0036】
次のブロック230において、システム200は、最適化アルゴリズムに従い、測定値タイプの取得された空間測定値に最良フィッティングする係数の有限集合を最適化する計算を実行して各FPモデルを取得する。プロセスステップにおいて取得されたインライン作製方法論データの各測定値タイプについてFPモデルを生成し得る。これらの測定値FPは、最初の(最下位)レベルのFPである。
【0037】
インライン測定値及び各FPの生成を
図3A~
図3Cに示す。
図3Aは、ベースライン処理を使用して現下のプロセスステップにおいて処理された1つ又は複数のウェーハから取得された測定値タイプのインライン作製方法論生データを示す。グラフは、各測定値タイプの空間座標に配置され、各データの数値を表すようにグレースケールを使用して陰影が付けられたモザイク式矩形のウェーハマップとしてデータを表示する。
図3Aに示されるデータは、次に、極座標(r,θ)の関数である有限(例えば、2一項)級数のゼルニケ多項式を使用してモデリングされる。
【0038】
21個の係数の最適化された集合は、
図3Bにヒストグラムとして表示され、横軸は、ゼルニケ多項式の次数であり、縦軸は、各係数の強度である。幾つかの実施形態では、項数は、調整可能であり得、例えば最適化後の最小フィッティング誤差が許容可能な閾値よりも高い場合、より高次の多項式を級数に追加し得る。
【0039】
図3Bのヒストグラムに見られるように、係数の幾つかは、他のものよりも比較的小さく、各項の寄与は、各係数の強度に比例するため、過度のフィッティング誤差を導入せずにモデルを簡易化することが可能であり得ることを示す。しかしながら、基底関数が2D空間座標の関数であり、従って項の相対的寄与がウェーハの表面上の場所にも依存することを考慮することも重要である。例えば、ウェーハの中心近くで支配的な項は、ウェーハのエッジ近くで弱くなり得る。
【0040】
図3Cでは、5つの最高係数強度を有する5つの項の寄与は、ウェーハ表面のx-y平面にわたり三次元表面としてプロットされる。
図3Bのヒストグラムから見られるように、上から5つの係数は、4次、12次、10次、21次及び14次ゼルニケ多項式のものである。
図3Cにおける等のグラフは、モデルの複雑性の低減に役立つ。以下に更に説明するように、複雑性の小さいFPモデルほど、プロセスモデルを生成し、続く解析を実行するための計算時間を短縮するという利点を提供する。
【0041】
次に、この実施形態では、ブロック240において、現在のプロセスステップにおいて取得されたウェーハ特性のインライン測定の結果に対する前のプロセスステップの影響をモデリングするために、現在のプロセスステップにおける測定値FPを分解するための伝達関数が取得される。別の実施形態では、伝達関数は、現在のプロセスステップの全ての測定値FP及び上位レベルFP(測定値FPと計算との組合せを使用する)の生成が完了した後に生成され得る。上述したように、伝達関数は、種々の技法、例えば変換行列、統計学的相関関数等を使用して実施及び抽出され得る。
【0042】
図2のシステム200のフローチャートのブロック240に示されるように、この実施形態では、伝達関数を抽出する方法は、前の処理の記憶が入力ウェーハの状態に埋め込まれることを考慮する。現下のプロセスステップにおける測定値FPの係数ベクトルを分割するロバストな方法を有するために、幾つかの先のプロセスステップにおけるプロセス条件を意図的に変更することにより、入力ウェーハの組を生成し得る。例えば、フォトレジスト現像ステップにおけるレジストCDの測定値FPは、レジストパターンが形成されているウェーハ表面の平坦性と相関すると予期される。従って、前の平坦化プロセスステップのプロセスパラメータをベースラインプロセスフローから意図的に変更して、入力ウェーハを生成し得、各ウェーハは、平坦化ステップにおいて取得された異なる平坦度FPを有する。次に、非ベースライン入力ウェーハのこの特に準備された組の平坦度FPの変動に対するレジストCD測定値の係数ベクトルの応答を解析して、そのベースライン値からのレジストCD FPの各係数の逸脱の影響の受けやすさを識別する。この情報を使用して、全ての入力ウェーハの平坦度FPの係数ベクトルを、平坦化ステップでのウェーハの平坦度FPとの全ての相関を含むことが予期されるレジストCD係数ベクトルの部分である各レジストCD応答ベクトル(伝達ベクトルと呼ばれる)にマッピングし得る変換行列を定義し得る。この応答ベクトルは、平坦化プロセスの記憶を捕捉し、レジストCD測定値FPから減算されて、現下のプロセスステップでの処理条件とより強く相関することが予期されるレジストCD係数ベクトルの非相関成分(現下のステップベクトルと呼ばれる)を取得し得る。
【0043】
変換行列は、上述した一例の実施形態では、伝達関数の数学的な実装である。上述したように、他の数学的な実装も可能であることが理解される。
【0044】
特定のベースラインウェーハ作製プロセスフローの伝達関数は、ウェーハのバッチがウェーハ作製生産ラインにより処理されるたびに生成される必要がない。伝達関数は、一度生成され、将来の使用に利用できるように電子的に記憶され得る。ベースラインウェーハ作製プロセスフローに変更が行われるため、定期的に伝達関数を更新し得る。
【0045】
図2のフローチャートにより示される一例の実施形態では、システム200は、プロセスステップの測定値FPの現下のステップベクトルの応答からそのステップのプロセスモデルを作成する。このプロセスモデルを作成するステップは、ブロック250、260及び270に概説され、
図4を参照して説明される。
【0046】
ブロック250において、システム200は、ベースラインウェーハ作製プロセスフローに規定された又はその前後の幾つかのプロセスパラメータ値を使用して処理されたウェーハの組からインライン作製測定値データを取得する。各プロセスパラメータは、プロセスモデルが作成されるプロセスステップにおける調整可能な異なる機器設定に関連付けられる。例えば、あるプロセスでは、プロセスの1つ又は複数のツールで利用可能な制御に基づいて条件(例えば、エッチング速度、エッチング時間、ガス濃度等)を調整することができ得る。その場合、それらのプロセス条件は、プロセスパラメータである。
【0047】
図4Aは、インライン測定値データのウェーハマップ400の4×4行列によりグラフィカルに示された生データの一例を示す。
図4Aにおける一例の行列の各ウェーハマップは、2つのプロセスパラメータ:第1のプロセスパラメータpar
1及び第2のプロセスパラメータpar
2の値の対を含む特定のプロセスパラメータベクトルを使用して処理された1つ又は複数のウェーハに対して実行された同じ測定値タイプの測定値に対応する。例えば、par
1は、エッチング速度であり得、par
2は、エッチング時間であり得る。一般に、変更されるプロセスパラメータの数は、2つ以外であり得る。また、2つ以上の測定値タイプの測定を実行し得る。
図4Aにおける生データは、4×4行列の行に沿ったウェーハマップがpar
1の4つのパラメータ値に対応する一方、par
2のパラメータ値が変わらないままであり、列に沿ったウェーハマップがpar
2の4つのパラメータ値に対応する一方、par
1のパラメータ値が変わらないままであるように表示される。
【0048】
これもまたブロック250において、システム200は、
図4Aを参照して上述したように、異なるプロセスパラメータベクトルを使用して処理されたウェーハの組から取得された生データのFPモデルを生成する。各プロセスパラメータベクトルから取得される生データから1つのFPモデルが生成される。例えば、
図4Bに示される16のヒストグラムは、
図4Aに示される16のウェーハマップにより示される生データの各FPモデルである。モデル関数は、
図1Bを参照して説明したものと同様の21項級数のゼルニケ関数である。各バーは、各プロセスパラメータベクトルに対応する測定値タイプのFPモデルの21成分係数ベクトルの係数である(par
1、par
2)。
【0049】
ブロック250をなお参照すると、システム200は、ベースラインプロセスフローの利用可能な伝達関数を利用して、
図4Bにおける測定値FP係数ベクトルを分解して、係数ベクトルから伝達ベクトルを減算することにより、各測定値FPの現下のステップベクトルを取得し得る。上述したように、この実施形態では、係数ベクトルの各係数は、2つの部分に分割又は分解される。第1の部分は、伝達関数を使用して計算される伝達ベクトルの各係数に等しい。第1の部分は、先のプロセスステップにおいて取得された1つ又は複数のFPとの相関を表す。次に、残りの第2の部分は、現下のプロセスステップのプロセス条件によって決まる部分を表す現下のステップベクトルの各係数に等しい。現下のプロセスステップのプロセスモデルのパラメータが先のプロセスステップの1つ又は複数におけるプロセスパラメータにより影響を受けないようにするために、現下のステップベクトルを使用してプロセスモデルを生成することが望ましい。
【0050】
ブロック260において、システム200は、プロセスパラメータ(例えば、par
1及びpar
2)の変更に対するフィンガープリントの現下のステップベクトルの各係数の応答をモデリングするモデリング関数を選択する。異なるモデル関数を使用して、現下のステップベクトルの各係数、例えば
図4Cにおいてa
1、a
2、...a
i、...a
20、a
21により示される21項級数のゼルニケ多項式の21の係数をモデリングし得る。
図4に示される例では、16のウェーハ及び各FPを生成するために、プロセスステップにおいて使用された16のプロセスベクトルに対応する各係数a
iに16のインスタンスがある。
【0051】
ブロック260において選択されたモデル関数のモデルパラメータは、各係数の16の値a
iへの最良フィッティングを求めてブロック270において調整されて、プロセスステップの最適化されたプロセスモデルを生成し、21のモデル関数を含むプロセスモデルは、
図4Cにおいてf
1、f
2、...f
i、...f
20、f
21により示されている。関数f
iのそれぞれは、最適化アルゴリズムに従って最適化されている。最初の2つのプロセスモデルf
1及びf
2は、2つのプロセスパラメータpar
1及びpar
2の関数としてプロットされた三次元(3D)表面として
図4Cにグラフィカルに示されている。3D表面のそれぞれの近傍の16個の点は、モデルf
1及びf
2の作成に使用された16個の値a
1及びa
2であり、プロセスモデルの予測と、FPモデルの現下のステップベクトルの係数との間の良好なフィッティングを示す。
【0052】
図4Dは、FPモデル及び関連付けられたプロセスモデルから計算されたウェーハマップを示す。
図4Dにおけるウェーハマップと
図4Aにおける生データのウェーハマップとの比較は、良好なフィッティングを示し、それにより、ベースライン処理条件前後のプロセスパラメータ空間にわたる空間情報を含め、インライン作成方法論データを再現することにおける、関連付けられたプロセスモデルと共にFPモデルの予測性能を示す。
【0053】
ベースラインウェーハ作製プロセスフローにおけるプロセスステップのプロセスモデルもベースライン伝達関数と同様に一度生成され、将来の使用に利用できるように電子的に記憶され得る。これもまた伝達関数と同様に、ベースラインプロセスに変更が行われるため、定期的にプロセスモデルを更新し得る。
【0054】
ベースラインインラインウェーハ作製方法論データのフィンガープリントは、リアルタイム歩留まり解析及び高度方巣制御(APC)の場合、特に製造歩留まりに強く影響するプロセスステップの場合、より頻繁に生成され得る。FPの基準セットをアーカイブして、稼働中の生産ラインから取得されたFPセットと比較して異常を検出、解析及び是正し得る。
【0055】
図2のフローチャートのブロック280において、最下位レベルFP(測定値FP)は、結合され、計算を使用して、プロセスステップの関連するメトリックを正確に予測することが可能な上位レベルFP及び関連付けられたプロセスモデルを作成し得る。異なる単位を有する複数のFPを結合するために、係数の値を正規化して、一貫した単位を取得することが必要であり得る。
【0056】
上述したように、測定場所の2D空間座標を含むインライン測定値を使用して生成されたFPモデル、伝達関数及び関連付けられたプロセスモデルは、ウェーハ作製製造システムにおいて有利に使用することができる。上述し且つブロック290に示したように、システム200は、FPの支配的な係数及びプロセスモデルの支配的なパラメータを識別し得る。これは、モデルの有意性の低いパラメータをなくすことによりモデルの簡易化に役立つのみならず、プロセスパラメータ、機器設定及び機器選択の製造歩留まりに対する影響についての有用な洞察も提供する。モデルは、APCツールと併せて歩留まり損失を監視し、改善するうえで使用され得、更に後述するように、更にベースラインウェーハ作製プロセスフローを改善して、より高い製造歩留まりを提供するために使用することさえできる。
【0057】
図5のフローチャートは、プロセスモデル又は層500、例えば活性層、ゲート層、コンタクト層及び金属層等のメトリックのフィンガープリントを生成するために使用され得るフローの一部を示し、各層は、1つ又は複数のプロセスステップを含む。各プロセスステップにおいて、各プロセスステップのFP、伝達関数及びプロセスモデルは、例えば、
図2に示されるフローチャートを参照して説明されたフローを使用して、システム200等の製造システムにより生成され得る。
【0058】
層(例えば、層500)のFP、伝達関数及びプロセスモデルは、各プロセスステップのFP、伝達関数及びプロセスモデルを使用した組合せ及び計算により生成され得る。層FPを生成する一例の方法について、
図6のフローチャートを参照して説明する。
【0059】
図5に示される例では、層500は、レジストコート、露光、現像及びレジストストリッピング等の4つの代表的なプロセスステップ(A、B、C、D)を含む。4つのプロセスステップが例を目的として示されるが、層500は、任意の数のステップを含み得る。各プロセスステップに提供される入力は、先のプロセスステップにおいて生成されたFP及び伝達関数と共に入力ウェーハである。
【0060】
プロセスステップ(例えば、ステップA、B、C又はD)は、当業者に既知のように、塗工機、スキャナ、プラズマエッチング装置及びテスト機器等のウェーハ作製の処理機器並びに関連付けられた化学物質、真空ポンプ及び温度コントローラ等を含む。機器と共に、各プロセスステップは、プロセスパラメータ値、タイミング情報及び入力ウェーハを処理する命令を含むプロセスレシピを含む。機器は、エッチング速度、ガス流、露光レベル及びスピン速度等の調整可能なプロセスパラメータの制御に使用し得る調整可能な設定を有する。各プロセスパラメータは、一意の斜体下付き大文字(J~U)により
図5において表されている。例えば、プロセスステップAの調整可能なプロセスパラメータは、
図5の最初の列に見られるように、A
J、A
K及びA
Lである。
【0061】
1つ又は複数の入力ウェーハは、所望の結果、例えば所望の材料及び厚さの薄膜の堆積を得るように選択される1つ又は複数のプロセスレシピを実行することにより、プロセスステップにおいて処理され得る。処理は、種々のセンサを使用して監視され得、処理機器は、プロセスパラメータがプロセスレシピにより意図されるような結果を達成することを保証するように、APCシステムによって制御され得る。デフォルトにより、ウェーハは、ベースラインウェーハ作製プロセスフローのベースラインプロセスレシピに従って処理される。
【0062】
上述したように、ウェーハ特製のインライン測定値は、
図2のFPモデル生成フローチャートの最初のステップにおいて収集される。複数のタイプの測定を行うことができ(例えば、堆積さした薄膜の厚さ、第1のラインのレジストCD、第2のラインのレジストCD、ステップ高さ及び漏れ電流等)、各測定値タイプは、下付き文字として一意の文字を有する。
図5には、8つの下付き文字(a~h)により示される8つの測定値タイプがある。インラインウェーハ作製方法論データは、複数のウェーハから収集され得るが、ウェーハ上の場所の組は、所与のプロセスステップ(例えば、ステップA)及び固定の測定値タイプ(例えば、タイプa)について測定される全てのウェーハで同じであり得る。空間情報は、各データ点を、データが取得されたウェーハ上の場所の2D空間座標に関連付けることにより保持される。
【0063】
図5では、同じ測定値タイプの各データ点は、上付き(1、2、3、4等)として一意の斜体数値により識別される。従って、プロセスステップAにおけるタイプaのウェーハ測定値(空間情報を含む)の組は、{A
a
1,A
a
2,A
a
3,A
a
4...}により示される。
図5の例では、2つのタイプの測定が4つのプロセスステップのそれぞれで実行され、プロセスモジュール500に合計で8つのタイプがある。
【0064】
最下位レベルFPモデルは、各ステップにおけるインラインウェーハ作製方法論データから生成され得、例えば、ステップAには、2つの測定値FPがあり得る:データセットの1つのFP{A
a
1,A
a
2,A
a
3,A
a
4...}及びデータセットの別FP{A
b
1,A
b
2,A
b
3,A
b
4...}。測定値FPの結合及び計算を使用して作成されたプロセスステップのフィンガープリントは、
図5において、下付きFP及び上付き数値を有するプロセスステップ名を有するプロセスステップにより示されて、各プロセスステップフィンガープリントを識別する。例えば、
図5では、ステップAにおける2つのプロセスステップFPは、A
FP
1及びA
FP
2として示される。2つの測定値セットA
a
n及びA
b
nの種々の組合せは、2つのプロセスステップフィンガープリントに到達するために使用され得る。例えば、一事例では、測定値セットA
a
nが使用されて、プロセスステップフィンガープリントA
FP
1が作成され、測定値セットA
b
nが使用されて、プロセスステップフィンガープリントA
FP
2が作成される。別の場合、測定値セットA
a
n及びA
b
nは、一緒に使用されて、プロセスステップフィンガープリントA
FP
1を作成し、測定値セットA
b
n又はA
b
nの何れかは、単独で使用されて、プロセスステップフィンガープリントA
FP
2を作成する。複数の他の組合せも可能であり、各プロセスステップフィンガープリントは、種々の加重、スケーリング、平均化、フィッティング及び/又は他の技法を使用して、ウェーハ測定値の1つ又は複数の組から作成される。2つのプロセスステップフィンガープリントが例示を目的として各プロセスステップに示されるが、各プロセスステップは、1つ又は複数のプロセスステップフィンガープリントを含み得る。
【0065】
各プロセスステップの伝達関数は、先のプロセスステップで生成されたFPモジュールと、現下のプロセスステップの測定値FPとの間の相関から生成され得る。
図2のフローチャートの説明で説明された相関を識別する一例の方法は、先のプロセスステップ(例えば、
図5のステップB)においてプロセスパラメータを意図的に変更し、次にベースラインプロセスレシピを使用して現下のプロセスステップ(例えば、ステップC)において処理される入力ウェーハとしてそのウェーハを使用することにより、非ベースラインウェーハの組を生成することを含む。前のステップBにおけるFPの意図的な変動に対する現下のステップCにおける測定値FPの応答は、プロセスステップBにおいて観測されたウェーハ特性からプロセスCの測定可能な結果の変化を予測する伝達関数として変換行列を生成するための情報を提供する。上述したように、続くプロセスステップ(例えば、ステップC)における処理の結果に基づいてあるプロセスステップ(例えば、ステップB)におけるウェーハ特性の影響をモデリングする、変換行列以外の伝達関数を生成する他の方法を定義することが可能であり得る。
【0066】
プロセスステップ(例えば、具体的にはステップA)の全ての伝達関数が定義されると、各係数ベクトルで表されるステップAの各測定値FPは、前の処理と相関する伝達ベクトル及び前のプロセスステップのプロセスパラメータから分離された現下のステップベクトルに分解され得る。この分離は、
図2及び
図4を参照して上述した方法を使用して、ステップAのプロセスパラメータベクトル(A
J,A
K,A
L)のみを変更することにより作製されたウェーハの組から取得されたインラインウェーハ方法論データの組から、ステップAの正確なプロセスモデルを作成するという利点を提供する。
【0067】
フィンガープリント、伝達関数及びプロセスステップ又はプロセスステップの集合を含む層のプロセスモデルを生成できるようにする方法の記述及び説明は、本明細書では例として提供され、限定として見なされるべきではないことが理解される。上述したように、記載された方法以外の方法も可能であり、これらの代替の方法は、本開示に提供される記述及び説明から導出され得る。
【0068】
下位レベル測定値FPのプロセスモデルは、測定値FPから導出された上位レベルFPのプロセスモデルを作成するように拡張され得る。2つのプロセスステップFPのAFP
1及びAFP
2の生成に使用される結合及び計算を利用し、測定値FPのプロセスモデルの各結合及び計算によりプロセスステップAのプロセスモデルを作成し得る。
【0069】
図6A~
図6Cは、下位レベルFPの結合及び計算によりFPの階層を生成できるようにする方法の一例を示す。特に、
図6には、
図6Aに示されるフローチャートを使用してインライン測定値から取得された測定値FP(最下位レベル)から始まり、EPE(EPE
Aと呼ばれる)の層レベルFPが生成される。EPE
Aの計算に使用し得る一例の式を
図6Bに示す。
図6Cは、測定値FPの取得に使用されるインラインウェーハ作製方法論データを異なるプロセスステップで収集し得ることを説明するための、作製された構造の斜視図を示す。この例では、プロセスステップは、金属-1層と呼ばれるプロセスモジュールに属する。インラインデータ中の行は、
図6Cに示される金属-1層で形成された2つのパターニングされた薄膜である第1の薄膜A及び第2の薄膜Bを含む測定値から収集される。
【0070】
まとめてFP670として示される5つのフィンガープリントは、測定値FP{612,622,623,632,633}の組を形成し、それから、上位レベルFPが、
図6Aに示されるフローチャートにおいて取得される。上位レベルFP611、621、631及び641は、まとめて比較、計算等660として示される種々の比較、計算又は他のプロセスを使用して測定値FP670から
図6Aのフローにおいて生成される。これらのフィンガープリントは、更に比較、処理されて、オーバーレイ(OL)
AB610、ピッチウォーク(Pwalk
A)620、変数A(Var
A)630(例えば、トレンチ限界寸法(CD))及び変数B(Var
B)640(例えば、ブロックのCD)の集計、代表又は結果としてのフィンガープリントに到達し得る。下付き文字A及びBは、それぞれ薄膜A及びBに関するメトリックを指し、下付き文字ABは、薄膜A及びBの両方に関わるメトリックに使用される。
【0071】
図6Bに表示される式に次に示されるように、FP610、620、630及び640を使用してフィンガープリントEPE
Aを計算し、これは、パターニングされた薄膜Aのエッジ配置エラーの層レベルフィンガープリントである。本明細書で説明された方法と同様の方法は、ウェーハ作製製造システムに関連する他のフィンガープリント及びベースラインプロセスフローの製造歩留まりの生成に適用することができる。
【0072】
図6Aのフローチャート例における測定値FPの組の要素は、オーバーレイ612、ライン#4CD622、ライン#5CD623、トレンチ#4CD632及びブロック1T CD642である。これらの測定値FPの生のインラインウェーハ作製方法論データは、
図6Cに示されるように、2つのパターニングされた薄膜である第1のパターニングされた薄膜A(自己整合型クアッドパターニング(SAQP)技法を使用して形成される)及び第2のパターニングされた薄膜Bに関わる。測定値FPオーバーレイ612は、これらの2つのパターン間のオーバーレイ誤差の測定値を使用する。フィンガープリントライン#4CD622及びライン#5CD623は、パターニングされた薄膜Aを形成するために実行されたSAQPプロセスステップの1つ又は複数において収集されたライン及びスペース測定値から抽出され、続けてピッチウォークと呼ばれるマルチパターニングメトリックの計算に使用される。FPトレンチ#4CD632は、使い捨てマンドレルの両側における自己整合型スペーサの対の形成を含む処理技法により作成された、
図6Cのパターニングされた薄膜Aの隣接するラインの対間のスペースの測定値から生成され得る。フィンガープリントブロック1T CD642は、
図6Cにおけるパターニングされた薄膜Bのパターンにおける限界寸法に関わる幾何学的特徴の線幅測定値を使用する。本明細書に提供される測定値の説明から、結果として生成される層FP EPE
Aは、異なるプロセスステップにおいて収集されたーインラインウェーハ作製方法論データを組み込むことが明らかである。
【0073】
図6Aをなお参照すると、種々の比較、計算及び結合660を使用して生成された上位レベルFP611、621、631及び641は、パターニングされた薄膜Aのパターンにおける特徴のエッジ配置エラーの計算に関連する幾つかのメトリックを表す。オーバーレイ612から導出されるyオーバーレイ誤差の大きさは、FP611により表され、ライン#4CD622及びライン#5CD623から導出された薄膜Aのピッチウォークの大きさは、FP621により表され、トレンチ#4CD632は、薄膜Aにおける幾何学的変数/CD631の大きさを決定し、ブロック1T CD642は、薄膜Bにおける幾何学的変数/CD641の大きさを決める。比較、計算及び結合は、種々のタイプであり得、例えば単純な代数演算、解析的線形及び非線形関数、ベクトル関数、幾何学的変換、統計学的解析、数値法のコンピュータアルゴリズム等、又はそれらの組合せであり得る。
【0074】
上述したように、上位レベルFPは、更に処理されて、フィンガープリント(OL)
AB610、Pwalk
A620、Var
A630及びVar
B640に到達し得、これらは、
図6Bに表示される例示的な式680に使用される。この例示的な式は、金属-1層レベルFPであるEPE
Aを定義し、これは、その層のエッジ配置エラーの計算に使用され得る。この式では、(MP)
Aは、最小ピッチラインの幾何学的ライン-スペース比率を指し、Preg
Aは、パターンレジストレーション誤差(フォトマスクに起因するパターニング誤差であり、従って同じ誤差があらゆる露光フィールドにおいて繰り返される)を指し、Lspec
Aは、パターン設計からの幾何学的ライン仕様を表す。式680では、Var
A、Var
B、Preg
A、(OL)
AB及びPwalk
Aは、フィンガープリントであり、(MP)
A及びLspec
Aは、定数である。項Preg
A、(MP)
A及びLspec
Aは、
図6Aに示されていないが、例示として式680に使用される追加のフィンガープリント/定数である。式は、フォトマスクの仕様書及び機器を処理する製造業者の仕様等の独立したソースから取得される種々の定数を含み得る。
【0075】
層レベルFP EPE
A等の層レベルFPは、パレート分析を実行して、層のメトリックに影響し、それにより製造歩留まりに影響する支配的なファクタを識別するために使用され得る。例えば、
図6Bの式を使用した計算は、オーバーレイ誤差、薄膜Aのパターンにおけるピッチウォーク、薄膜Aにおけるトレンチのトレンチ幅の変動及び薄膜Bにおけるラインの線幅変動の層のEPEに対する寄与を順位付けすることができる。一例では、そのようなパレート分析は、最も支配的なファクタが、総合エッジ配置エラーの約55%に寄与するオーバーレイ誤差であり、トレンチ幅変動の影響がごくわずかであり、約1%のみの寄与であることを明らかにする。この例では、EPEへの寄与は、ウェーハ上の全ての空間場所を結合することにより得られる集団である。ウェーハ上の特定の脆弱領域、例えばウェーハのエッジ近くの領域における歩留まり損失を更に解析し得るより的を絞った解析を実行し得る。そのような解析は、ベースラインプロセスフロー及び製造歩留まりの改善に使用することができる。
【0076】
図7に示されるより一般的なフローチャートは、システム700が、プロセスステップの伝達関数及びプロセスモデルを作成して、ベースラインウェーハ作成プロセスフローにおける任意のステップでのメトリックのフィンガープリント、従ってウェーハ特性を予測する伝達関数及びプロセスモデルを作成するように、上述した方法及び技法を拡張できるようにするフローの実施形態を説明している。
【0077】
図7のフローチャートのブロック710において、関連付けられた空間情報を有するインライン測定値は、ベースラインプロセスフローに従って処理されたウェーハから取得される。このインラインウェーハ作製方法論データは、ブロック720に示されるように、測定値FP及びベースラインプロセスフロー全体を特徴付ける上位レベルFPの生成に使用され得る。次に、ブロック730において、ベースラインプロセスフローのプロセスステップにおけるプロセスパラメータを変更することにより、非ベースラインウェーハを生成し得る。高度プロセスフローは、複雑であり、数百ものプロセスステップを含むため、まず例えば
図6Bに表示される層レベルフィンガープリントEPEの式を利用して、上述したものと同様のパレート分析を使用して、製造歩留まりに影響する支配的なプロセスステップを識別することが有利であり得る。ブロック740において、インライン測定値及び各フィンガープリントは、ブロック730において生成されたウェーハ方法論データ及び関連付けられた非ベースラインウェーハのプロセスパラメータ値を使用して取得される。
【0078】
図7における後続ブロックは、関連付けられた空間座標及びプロセスパラメータ値と共にインライン測定値から捕捉された情報をどのように利用して、ベースラインプロセスフローの予測モデルを作成し得るかを示す。
【0079】
ブロック750において、伝達関数が作成されて、後続プロセスステップにおけるウェーハ特性とのあるプロセスステップにおけるウェーハ特性の変動間の相関をモデリングする。早期プロセスステップにおける変動は、処理条件の自然な逸脱により生じることもあれば、又は調整可能なプロセスパラメータの変更により意図的に生成されるものもある。ブロック760において、特定のプロセスステップにおいて意図的に変更されたプロセスパラメータに対するフィンガープリントの全ての係数又はパラメータの応答が取得される。
【0080】
ブロック770において、前のプロセスステップにおける処理と相関するフィンガープリント応答の成分が伝達関数から計算される。次に、早期プロセスステップに相関しない成分を区分けし得る。この成分を数学的モデルにフィッティングして、現下のプロセスステップのプロセスモデルを取得する。
【0081】
ブロック730において支配的なプロセスステップとして選択された可能性がある全てのプロセスステップのプロセスモデルは、ブロック780に示されるように、上述した方法を使用して生成され得る。ブロック780において、ベースラインフィンガープリント、伝達関数及びプロセスモデルを使用して、ベースラインプロセスフローの任意のステップにおける関連付けられた空間情報を有するウェーハ特性を予測し得る。
【0082】
ベースラインフィンガープリント、伝達関数及びプロセスモデルは、集合的に、ウェーハ製造システムにより使用され得るウェーハ作製プロセスフローの数学的モデルを提供する。そのようなモデルが作成されると、ウェーハの生産における製造歩留まりの所望の改善を達成するために、製造システムは、そのようなモデルを使用して、プロセスステップの1つ又は複数を予測、最適化、調整及び/又は制御することができる。換言すれば、モデルを使用して、プロセス条件を変更/改変し得、それにより半導体ダイを含む複数のウェーハをより高い歩留まりで製造することができ、その結果として製造コストが低下する。
【0083】
例えば、ベースラインフィンガープリントを解析することにより識別された支配的なプロセスステップは、より頻繁に監視され得る。生産ラインを監視するために収集されたインライン方法論データから生成されたフィンガープリントは、仕様を満たすことができないウェーハ(不具合と呼ばれる)を検出することができるだけでなく、高い不具合性又は高密度の不具合の領域の空間座標を識別することもできる。そのような情報は、系統的不具合の検出及び特定に有利である。プロセスモデルは、製造歩留まり損失の原因の可能性があり得る1つ又は複数の機器を識別し、シングルツール又はマルチツールプロセス制御戦略を採用するための情報をシステムに提供するために使用され得る。更に、APCツールと併用される場合、モデルは、不具合を改善して歩留まり損失を回復するために特定のプロセスパラメータへの調整を示唆又は推奨するうえで製造システムを支援し得る。幾つかの場合、システムは、特定のプロセスパラメータを直接調整し得る。
【0084】
更に、プロセスモデル及び伝達関数は、ベースラインプロセスフローの改善に使用され得る。例えば、システムは、プロセスモデルを使用して、最適化されたフィンガープリントがEPE等のターゲットメトリックを改善するようにプロセスパラメータを最適化し得る。最適化されたプロセスパラメータは、新しい基準計画(POR)としてプロセスに供給され得、それによりベースラインプロセスフローの製造歩留まりを改善し得る。
【0085】
これについてこのように説明し得る。システムは、ターゲット半導体ウェーハの関連付けられた予測可能な特性の値のターゲット範囲を取得する。このターゲット範囲は、半導体ウェーハ作製プロセスにより生産される許容可能又は望ましい半導体ウェーハの許容可能又は望ましい値の範囲である。例えば、顧客がEPEの許容可能な値の範囲を指定し得る。
【0086】
プロセスモデルを使用して、システムは、半導体ウェーハ作製プロセスにより生産される半導体ウェーハの関連付けられた予測可能な特性の値が、取得されたターゲット範囲内であるように、半導体ウェーハフィンガープリントのプロセスパラメータの1つ又は複数を最適化する。すなわち、プロセスモデルを使用して、システムは、取得されたターゲット範囲内に入る関連付けられた予測可能な特性の値を効率的にもたらすプロセスパラメータの1つ又は複数の値を計算する。当然ながら、幾つかの実装形態では、範囲は、ターゲット値を中心とした+/-範囲であり得る。
【0087】
更に、このプロセスモデルは、空間特性を保持するため、高不具合性の特定の領域におけるEPEに影響するプロセスパラメータを識別し、製造歩留まりの改善に向けて調整され得る。
【0088】
図2及び
図7並びに関連付けられた
図1、
図3~
図6に示された方法は、実行されると、計算デバイスのプロセッサに、半導体ウェーハ作製プロセスと連携して動作を実行させる命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体において実施され得るか、又はそのような非一時的コンピュータ可読媒体を使用して実施され得る。加えて、
図2及び
図7のステップを実行する命令の幾つかは、異なる非一時的コンピュータ可読記憶媒体の別個の場所に記憶され得、異なる計算デバイスの異なるプロセッサによって実行されるように構成され得る。非一時的コンピュータ可読記憶媒体の例には、不揮発性固体状態メモリ及び他の記憶媒体を含む種々のタイプのメモリがある。例えば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、限定ではなく、磁気記憶装置(例えば、ハードディスク、フロッピーディスク及び磁気ストリップ)、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)及びデジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、サムドライブ、スティック、キードライブ及びセキュアデジタル(SD)カード)並びに揮発性メモリ及び不揮発性メモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM))を含み得る。
【0089】
例えば、
図2のステップ220~290は、プロセスモデルの開発をもたらす、1つ又は複数のプロセッサで実行されるように構成された命令であり得る。同様に、
図7のステップ720~780は、プロセスモデルの開発をもたらす、1つ又は複数のプロセッサで実行されるように構成された命令であり得る。
【0090】
図8A~
図8Cは、一実施形態による、ウェーハ作製方法論のインライン測定値からフィンガープリントモデル、伝達関数及びプロセスステップのプロセスモデルを生成するために使用されるウェーハ作製製造システムにおける一例の方法の一部を示す。
【0091】
【0092】
図8Aを参照すると、方法は、例えば、
図2のブロック210、
図7のブロック710で説明されたように、半導体ウェーハ作製プロセス中の複数のプロセスステップのそれぞれにおける半導体ウェーハの特性のウェーハ測定値を取得すること(ブロック811)を含み、各ウェーハ測定値は、測定値が取得される半導体ウェーハ上の空間場所に関連付けられる。方法は、例えば、
図2のブロック220~230、
図7のブロック720~740で説明されたように、各プロセスステップについて、取得されたウェーハ測定値からプロセスステップフィンガープリントを作成すること(ブロック812)を更に含む。方法は、例えば、
図2のブロック240、
図7のブロック750で説明されるように、複数のプロセスステップの1つのプロセスステップフィンガープリントを複数のプロセスステップの別の1つのプロセスステップフィンガープリントに相関付けて、伝達関数を生成すること(ブロック813)を更に含む。
【0093】
図8Bを参照すると、方法は、複数の半導体ウェーハを製造する作製プロセスを有することを含む。作製プロセスは、複数のプロセスステップを含み、複数のプロセスステップのそれぞれは、プロセスパラメータの組に関連付けられる。方法は、複数のプロセスステップからの第1のプロセスステップを第1の半導体ウェーハに対して実行すること(ブロック851)を更に含み、第1のプロセスステップは、関連付けられた第1のプロセスパラメータを有し、第1のプロセスパラメータは、第1のプロセスステップを第1の半導体ウェーハに対して実行するとき、第1のプロセスパラメータ値を有する。方法は、第1の半導体ウェーハから第1の測定値を取得すること(ブロック852)を更に含み、第1の測定値は、第1の半導体ウェーハ上の第1の複数の空間場所における第1の特性の第1の特性値を含む。方法は、例えば、
図2のブロック220~230、
図7のブロック720で説明したように、第1の測定値から第1のプロセスステップのプロセスステップフィンガープリントを生成すること(ブロック853)を更に含む。方法は、第1のプロセスステップ及び複数のプロセスステップからの第2のプロセスステップを第2の半導体ウェーハに対して実行すること(ブロック854)を更に含み、第2のプロセスステップは、関連付けられた第2のプロセスパラメータを有する。第2のプロセスパラメータは、第2のプロセスステップを第2の半導体ウェーハに対して実行するとき、第2のプロセスパラメータ値を有する。方法は、第2の半導体ウェーハから第2の測定値を取得すること(ブロック855)を更に含み、第2の測定値は、第2の半導体ウェーハ上の第2の複数の空間場所における第2の特性の第2の特性値を含む。方法は、例えば、
図2のブロック220~230、
図7のブロック720及び740で説明されるように、第2の測定値から第2のプロセスステップの第2のプロセスステップフィンガープリントを生成すること(ブロック856)を更に含む。方法は、
図2のブロック240、
図7のブロック750で説明されるように、第1のプロセスステップフィンガープリントを第2のプロセスステップフィンガープリントに相関付けて、第1のプロセスステップと第2のプロセスステップとの間の伝達関数を生成すること(ブロック857)を更に含む。
【0094】
図8Cを参照すると、方法は、例えば、
図2のブロック250、
図7のブロック740で説明されるように、第1のプロセスステップ及び第2のプロセスステップを複数の第3の半導体ウェーハに対して実行すること(ブロック861)を更に含み、第1のプロセスステップ及び第2のプロセスステップを複数の第3の半導体ウェーハに対して実行するとき、第1のプロセスパラメータは、第1のプロセスパラメータ値を有し、及び第2のプロセスパラメータは、複数の第2のプロセスパラメータ値を有する。方法は、複数の第3の半導体ウェーハから複数の第3の測定値を取得すること(ブロック862)を更に含み、複数の第3の測定値は、複数の第3の半導体ウェーハ上の第2の複数の空間場所における第2の特性の第3の特性値を含む。方法は、例えば、
図2のブロック250、
図7のブロック740で説明されるように、第3の測定値から第2のプロセスステップの複数の第2のプロセスステップフィンガープリントを生成すること(ブロック863)を更に含む。方法は、
図2のブロック250~280、
図7のブロック760~770で説明されるように、複数の第2のプロセスステップフィンガープリント及び伝達関数に基づいて第2のプロセスステップのプロセスモデルを生成すること(ブロック864)を更に含み、プロセスモデルは、第2のプロセスパラメータの関数を含む。
【0095】
図9は、本発明の種々の実施形態において開発されたプロセスモデルを実施する例示的なフローチャートである。
【0096】
枠810を参照すると、複数の半導体ウェーハが半導体作製施設で製造される。複数の半導体ウェーハは、複数のロットのウェーハを含み得、種々の実施形態において上述したように、プロセスステップ及び層フィンガープリントの開発に続けて使用されるプロセスパラメータの変動を含み得る(ベースライン及び非ベースライン)。
【0097】
次に、枠820を参照すると、複数の半導体ウェーハのウェーハ特性は、種々の実施形態において上述したように、インライン測定値として測定される。
【0098】
次に、枠830に示されるように、種々の実施形態において、例えば
図2、
図7及び
図8A~
図8Cのフローチャートにおいて上述したようにプロセスモデル830が開発される。
【0099】
プロセスモデル830を解析することにより、ベースラインプロセスにおける問題が識別され(上述したように)、ベースラインプロセスについて種々のプロセスステップが変更される。従って、変更されたベースラインプロセスを用いて製造されたウェーハは、プロセス歩留まりを改善した(枠840)。加えて、フィードバックループにより、有利には、このプロセスは、連続してフィードバックを提供し、例えば生産にばらつきがある場合、生産ラインを動的に是正することができる。
【0100】
本発明の実施形態は、不具合領域の改善に使用され得る。例えば、幾つかの実装形態では、改善は、少なくとも部分的に不具合領域に形成されるマイクロ電子デバイスの幾つかの部分を含む層のパターンの選択を含み得る。次に、その選択されたパターンを改変し得る。従って、手法は、異なる設計を利用することにより不具合をなくすために使用され得る。
【0101】
この手法を用いて、半導体ウェーハの作製のシミュレーションは、選択されたパターンを置換する改変パターンを用いて実行される。シミュレートされた半導体ウェーハによって形成されるマイクロ電子デバイスの電気機械的特性及び/又は機能への効果が推定される。その推定は、改変されたパターンが望ましいように不具合領域を変更するか否かの判断に役立つ。
【実施例】
【0102】
ここで、本発明の例示的実施形態の概要を示す。本明細書の全体及び本明細書において出願される請求項により、他の実施形態も理解されるであろう。
【0103】
実施例1.方法は、半導体ウェーハ作製プロセスにおける複数のプロセスステップのそれぞれにおける少なくとも1つの半導体ウェーハの1つ又は複数の特性のウェーハ測定値を取得することを含み、取得された各測定値は、測定値が取得されるウェーハ空間場所に関連付けられる。方法は、各プロセスステップについて、取得されたウェーハ測定値のプロセスステップフィンガープリントを作成することを更に含む。方法は、少なくとも1つのプロセスステップのプロセスステップフィンガープリントを少なくとも1つの他のプロセスステップのプロセスステップフィンガープリントに相関付けて、伝達関数モデルを生成することを更に含む。
【0104】
実施例2.実施例1の方法は、各プロセスステップの1つ又は複数のプロセスパラメータを取得することを更に含み、各プロセスパラメータは、作製プロセスの調整可能な各条件に関連付けられる。
【0105】
実施例3.伝達関数モデルに基づいて、作製プロセスによって生成された少なくとも1つのプロセスステップフィンガープリントの予測可能な特性をプロセスステップの少なくとも1つの1つ又は複数の特定のプロセスパラメータに関連付けることを更に含む、実施例2の方法。
【0106】
実施例4.伝達関数モデルは、導出された係数の組からのプロセスステップフィンガープリントに相関する1つ又は複数の関数である、実施例1の方法。
【0107】
実施例5.関数は、ゼルニケ多項式、フーリエ多項式及びベッセル関数を含む、実施例4の方法。
【0108】
実施例6.伝達関数モデルに基づいて1つ又は複数の関数の係数を特定のプロセスパラメータに関連付けることを更に含む、実施例4の方法。
【0109】
実施例7.特性は、作製プロセスからのウェーハの測定可能な結果を含む、実施例1の方法。
【0110】
実施例8.関連付けられた予測可能な特性を有する半導体ウェーハを生成するために特定のプロセスパラメータを調整することを更に含む、実施例3の方法。
【0111】
実施例9.各プロセスステップのプロセスステップフィンガープリントを作成するステップは、各プロセスステップについて、フィンガープリントモデルを取得されたウェーハ測定値にフィッティングすることを含む、実施例1の方法。
【0112】
実施例10.方法は、半導体ウェーハ作製プロセスにおける複数のプロセスステップのそれぞれの1つ又は複数のプロセスパラメータを取得することであって、各プロセスパラメータは、作製プロセスの調整可能な各条件に関連付けられる、取得することと、各プロセスステップにおける少なくとも1つの半導体ウェーハの1つ又は複数の特性のウェーハ測定値を取得することであって、取得された各測定値は、測定値が取得されるウェーハ空間場所に関連付けられる、取得することと、各プロセスステップの取得されたウェーハ測定値のフィンガープリントモデルをフィッティングして、各プロセスステップについてプロセスステップフィンガープリントを作成することと、少なくとも1つのプロセスステップのプロセスステップフィンガープリントを少なくとも1つの他のプロセスステップのプロセスステップフィンガープリントに相関付けて、伝達関数モデルを生成することと、伝達関数モデルに基づいて、作製プロセスによって生成された少なくとも1つのプロセスステップの予測可能な特性をプロセスステップの少なくとも1つの1つ又は複数の特定のプロセスパラメータに関連付けることと、関連付けられた予測可能な特性を有する半導体ウェーハを生成するために特定のプロセスパラメータを調整することとを含む。
【0113】
実施例11.伝達関数モデルは、プロセスステップフィンガープリントを、導出された係数の組に相関付ける1つ又は複数の関数である、実施例10の方法。
【0114】
実施例12.関数は、ゼルニケ多項式、フーリエ多項式及びベッセル関数を含む、実施例11の方法。
【0115】
実施例13.伝達関数モデルに基づいて1つ又は複数の関数の係数を特定のプロセスパラメータに関連付けることを更に含む、実施例11の方法。
【0116】
実施例14.実行されると、計算デバイスのプロセッサに、半導体ウェーハ作製プロセスと連携して動作を実行させる命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、動作は、半導体ウェーハ作製プロセスでの複数のプロセスステップのそれぞれにおける少なくとも1つの半導体ウェーハの1つ又は複数の特性のウェーハ測定値を取得することであって、取得された各測定値は、測定値が取得されるウェーハ空間場所に関連付けられる、取得することと、各プロセスステップについて、取得されたウェーハ測定値のプロセスステップフィンガープリントを作成することと、少なくとも1つのプロセスステップのプロセスステップフィンガープリントを少なくとも1つの他のプロセスステップのプロセスステップフィンガープリントに相関付けて、伝達関数モデルを生成することとを含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0117】
実施例15.各プロセスステップの1つ又は複数のプロセスパラメータを取得することであって、各プロセスパラメータは、作製プロセスの調整可能な各条件に関連付けられる、取得することと、伝達関数モデルに基づいて、作製プロセスによって生成された少なくとも1つのプロセスステップフィンガープリントの予測可能な特性をプロセスステップの少なくとも1つの1つ又は複数の特定のプロセスパラメータに関連付けることと、関連付けられた予測可能な特性を有する半導体ウェーハを生成するために特定のプロセスパラメータを調整することとを更に含む、実施例14の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0118】
実施例16.半導体作製と連携して機能的なマイクロ電子デバイスの歩留まりを促進する方法であって、半導体作製は、半導体ウェーハの層(例えば、材料のパターンのスタック)からマイクロ電子デバイスの集合を形成することを含み、方法は、半導体ウェーハの作製方法論データを収集することであって、作製方法論データは、半導体作製において形成されたウェーハの特性の測定値である、収集することと、収集された作製方法論データに基づいて半導体ウェーハの不具合を検出することと、半導体ウェーハの不具合領域を識別することであって、不具合領域は、近傍の不具合の集団を含む、識別することと、不具合領域によって少なくとも部分的に形成されたマイクロ電子デバイスの機能に対する不具合領域内の不具合の系統的影響を特定することとを含む、方法。
【0119】
実施例17.作製方法論データの収集は、作製中の半導体の層と共通する材料パターンスタックを使用した複数の半導体ウェーハからの測定値、エッジ配置エラー(EPE)、グリッド限界寸法(CD)測定値、ブロック線幅(LWR)測定値、グリッドLWR測定値、ブロックCD測定値、プロファイル、選択的堆積、形成されたマイクロ電子デバイスの光学的特性及び電気的特性、それらの組合せからなる群から選択される作製方法論データを測定及び/又は計算することを含む、実施例16の方法。
【0120】
実施例18.不具合は、測定可能な特性並びに/又はそのような測定値が定義された範囲及び/若しくは閾値外にある特性を有する活性層のエリアである、実施例16の方法。
【0121】
実施例19.実施例16の方法は、半導体ウェーハの収集された作製方法論データの視覚化を生成することを更に含む。
【0122】
実施例20.視覚化の生成は、作製方法論データの測定及び/又は計算された範囲に関連付けられたウェーハの特定の場所に対応する特定の色及び/又は陰影を有する層の画像を生成することを含む、実施例19の方法。
【0123】
実施例21.視覚化の生成は、不具合領域に関連付けられたウェーハの特定の場所に対応する特定の色及び/又は陰影を有する層の画像を生成することを含む、実施例19の方法。
【0124】
実施例22.マイクロ電子デバイスの機能は、近傍デバイス(例えば、同じ層内、下の層内及び上の層内)に対する物理的な特性、配置/向き、近傍デバイス(例えば、同じ層内、下の層内及び上の層内)に対する物理的な機能、電気的特性、電気的相互作用、近傍デバイス(例えば、同じ層内、下の層内及び上の層内)に対する電気的機能、電気磁気的特性、電気磁気相互作用、近傍デバイス(例えば、同じ層内、下の層内及び上の層内)に対する電気磁気的機能、電気機械相互作用、電気機械的機能、それらの組合せの1つを含む、実施例16の方法。
【0125】
実施例23.系統的影響の特定は、半導体ウェーハの不具合領域を有する1つの層の実際のパターンの電気機械的特性及び/又は機能を推定することを含む、実施例16の方法。
【0126】
実施例24.系統的影響の特定は、半導体ウェーハの不具合領域を有する少なくとも1つの層によって形成されたマイクロ電子デバイスの電気機械的特性及び/又は機能をモデリングすることを含む、実施例16の方法。
【0127】
実施例25.半導体ウェーハの層からのマイクロ電子デバイスの集合の形成を変える不具合領域内の不具合を改善することを更に含む、実施例16の方法。
【0128】
実施例26.半導体ウェーハの一部として形成されているマイクロ電子デバイスの電気機械的機能に十分な系統的影響を与えると特定された不具合領域内の不具合を改善することを更に含む、実施例16の方法。
【0129】
実施例27.改善は、少なくとも1つの半導体作製ツールを選択することと、選択された半導体作製ツールの動作の少なくとも1つの変更を選択することであって、少なくとも1つの変更は、半導体作製を変える、選択することと、選択された半導体作製ツールの動作の選択された変更に従って半導体ウェーハの作製をシミュレートすることと、シミュレートされた半導体ウェーハによって形成されるマイクロ電子デバイスの電気機械的特性及び/又は機能の効果を推定することとを含む、実施例26の方法。
【0130】
実施例28.改善は、複数の半導体作製ツールの組合せを選択することと、選択された各半導体作製ツールの動作の少なくとも1つの変更を選択することであって、変更は、半導体作製を変える、選択することと、選択された各半導体作製ツールの動作の選択された変更に従って半導体ウェーハの作製をシミュレートすることと、シミュレートされた半導体ウェーハによって形成されるマイクロ電子デバイスの電気機械的特性及び/又は機能の効果を推定することとを含む、実施例26の方法。
【0131】
実施例29.改善は、少なくとも1つの半導体作製ツールの動作の少なくとも1つの変更を含み、少なくとも1つの変更は、半導体作製を変える、実施例26の方法。
【0132】
実施例30.改善は、選択された各半導体作製ツールの動作の少なくとも1つの変更を含み、変更は、半導体作製を変える、実施例26の方法。
【0133】
実施例31.改善は、選択された各半導体作製ツールの動作の少なくとも1つの変更を含み、変更は、半導体作製を変える、実施例26の方法。
【0134】
実施例32.改善は、複数の半導体作製ツールの組合せを選択することと、選択された各半導体作製ツールの動作の少なくとも1つの変更を選択することであって、変更は、半導体作製を変える、選択することと、選択された各半導体作製ツールの動作の選択された変更に従って半導体ウェーハの作製をシミュレートすることと、シミュレートされた半導体ウェーハによって形成されるマイクロ電子デバイスの電気機械的特性及び/又は機能の効果を推定することとを含む、実施例26の方法。
【0135】
実施例33.改善は、少なくとも部分的に不具合領域によって形成されるマイクロ電子デバイスの幾つかの部分を含む層のパターンを選択することと、変えられたパターンを取得することであって、変えられたパターンは、選択されたパターンの改変である、取得することとを含む、実施例26の方法。
【0136】
実施例34.改善は、少なくとも部分的に不具合領域によって形成されるマイクロ電子デバイスの幾つかの部分を含む層のパターンを選択することと、選択されたパターンを変えることと、変えられたパターンで選択されたパターンを置換して半導体ウェーハの作製をシミュレートすることと、シミュレートされた半導体ウェーハによって形成されるマイクロ電子デバイスの電気機械的特性及び/又は機能の効果を推定することとを含む、実施例26の方法。
【0137】
実施例35.半導体ウェーハ作製の1つ又は複数のツールは、堆積ツール、トラックツール、フォトリソグラフィツール、エッチングツール及びクリーニングツールからなる群から選択される、実施例16~34の方法。
【0138】
実施例36.実施例16~34の実施例の方法に応答して動作を変更するように構成された半導体作製ツール。
【0139】
実施例37.実行されると、計算デバイスのプロセッサに、実施例16~34の実施例の方法を実行させる命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0140】
実施例38.少なくとも部分的に実施例16~34の実施例の方法と協働して作製される半導体ウェーハ。
【0141】
実施例39.少なくとも部分的に実施例16~34の実施例の方法と協働して実行される半導体作製によって形成されるマイクロ電子デバイス。
【0142】
実施例40.実行されると、計算デバイスのプロセッサに、半導体ウェーハの層(例えば、材料のパターンのスタック)からマイクロ電子デバイスの集合を形成することにより、半導体作製と連携して動作を実行させる命令を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、動作は、半導体ウェーハの作製方法論データを収集することであって、作製方法論データは、半導体作製において形成されたウェーハの特性の測定値である、収集することと、収集された作製方法論データに基づいて半導体ウェーハの不具合を検出することと、半導体ウェーハの不具合領域を識別することであって、不具合領域は、近傍の不具合の集団を含む、識別することと、不具合領域によって少なくとも部分的に形成されたマイクロ電子デバイスの機能に対する不具合領域内の不具合の系統的影響を特定することとを含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0143】
実施例41.作製方法論データの収集は、作製中の半導体の層と共通する材料パターンスタックを使用した複数の半導体ウェーハからの測定値、エッジ配置エラー(EPE)、グリッド限界寸法(CD)測定値、ブロック線幅(LWR)測定値、グリッドLWR測定値、ブロックCD測定値、プロファイル、選択的堆積、形成されたマイクロ電子デバイスの光学的特性及び電気的特性、それらの組合せからなる群から選択される作製方法論データを測定及び/又は計算することを含む、実施例40の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0144】
実施例42.不具合は、測定可能な特性並びに/又はそのような測定値が定義された範囲及び/若しくは閾値外にある特性を有する活性層のエリアである、実施例40の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0145】
実施例43.半導体ウェーハの収集された作製方法論データの視覚化を生成することを更に含む、実施例40の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0146】
実施例44.生成する動作は、作製方法論データの測定及び/又は計算された範囲に関連付けられたウェーハの特定の場所に対応する特定の色及び/又は陰影を有する層の画像を生成することを含む、実施例40の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0147】
実施例45.生成する動作は、不具合領域に関連付けられたウェーハの特定の場所に対応する特定の色及び/又は陰影を有する層の画像を生成することを含む、実施例40の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0148】
実施例46.マイクロ電子デバイスの機能は、近傍デバイス(例えば、同じ層内、下の層内及び上の層内)に対する物理的な特性、配置/向き、近傍デバイス(例えば、同じ層内、下の層内及び上の層内)に対する物理的な機能、電気的特性、電気的相互作用、近傍デバイス(例えば、同じ層内、下の層内及び上の層内)に対する電気的機能、電気磁気的特性、電気磁気相互作用、近傍デバイス(例えば、同じ層内、下の層内及び上の層内)に対する電気磁気的機能、電気機械相互作用、電気機械的機能、それらの組合せの1つを含む、実施例40の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0149】
実施例47.特定する動作は、半導体ウェーハの不具合領域を有する1つの層の実際のパターンの電気機械的特性及び/又は機能を推定することを含む、実施例40の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0150】
実施例48.特定する動作は、半導体ウェーハの不具合領域を有する少なくとも1つの層によって形成されたマイクロ電子デバイスの電気機械的特性及び/又は機能をモデリングすることを含む、実施例40の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0151】
実施例49.半導体ウェーハの層からのマイクロ電子デバイスの集合の形成を変える不具合領域内の不具合を改善する動作を更に含む、実施例40の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0152】
実施例50.半導体ウェーハの一部として形成されているマイクロ電子デバイスの電気機械的機能に十分な系統的影響を与えると特定された不具合領域内の不具合を改善する動作を更に含む、実施例40の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0153】
実施例51.改善する動作は、少なくとも1つの半導体作製ツールを選択することと、選択された半導体作製ツールの動作の少なくとも1つの変更を選択することであって、少なくとも1つの変更は、半導体作製を変える、選択することと、選択された半導体作製ツールの動作の選択された変更に従って半導体ウェーハの作製をシミュレートすることと、シミュレートされた半導体ウェーハによって形成されるマイクロ電子デバイスの電気機械的特性及び/又は機能の効果を推定することとを含む、実施例40の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0154】
実施例52.改善する動作は、複数の半導体作製ツールの組合せを選択することと、選択された各半導体作製ツールの動作の少なくとも1つの変更を選択することであって、変更は、半導体作製を変える、選択することと、選択された各半導体作製ツールの動作の選択された変更に従って半導体ウェーハの作製をシミュレートすることと、シミュレートされた半導体ウェーハによって形成されるマイクロ電子デバイスの電気機械的特性及び/又は機能の効果を推定することとを含む、実施例40の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0155】
実施例53.改善する動作は、少なくとも1つの半導体作製ツールの動作の少なくとも1つの変更を含み、少なくとも1つの変更は、半導体作製を変える、実施例40の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0156】
実施例54.改善する動作は、選択された各半導体作製ツールの動作の少なくとも1つの変更を含み、変更は、半導体作製を変える、実施例40の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0157】
実施例55.改善動作は、少なくとも部分的に不具合領域によって形成されるマイクロ電子デバイスの幾つかの部分を含む層のパターンを選択することと、選択されたパターンを変えることとを含む、実施例40の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0158】
実施例56.改善する動作は、少なくとも部分的に不具合領域によって形成されるマイクロ電子デバイスの幾つかの部分を含む層のパターンを選択することと、変えられたパターンを取得することであって、変えられたパターンは、選択されたパターンの改変である、取得することとを含む、実施例40の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0159】
実施例57.改善する動作は、少なくとも部分的に不具合領域によって形成されるマイクロ電子デバイスの幾つかの部分を含む層のパターンを選択することと、選択されたパターンを変えることと、変えられたパターンで選択されたパターンを置換して半導体ウェーハの作製をシミュレートすることと、シミュレートされた半導体ウェーハによって形成されるマイクロ電子デバイスの電気機械的特性及び/又は機能の効果を推定することとを含む、実施例40の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0160】
実施例58.半導体ウェーハ作製の1つ又は複数のツールは、堆積ツール、トラックツール、フォトリソグラフィツール、エッチングツール及びクリーニングツールからなる群から選択される、実施例40~42の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0161】
実施例59.実施例40~58の動作に応答して動作を変更するように構成された半導体作製ツール。
【0162】
実施例60.少なくとも部分的に実施例40~58の動作と協働して作製される半導体ウェーハ。
【0163】
本発明について、例示的実施形態を参照しながら説明してきたが、本明細書は、限定的に解釈されることを意図されていない。当業者であれば、本明細書を参照することにより、それらの例示的実施形態の様々な修正形態及び組合せ並びに本発明の別の実施形態が明らかになるであろう。従って、添付の請求項は、そのようなあらゆる修正形態又は実施形態を包含することが意図される。
【国際調査報告】