(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-26
(54)【発明の名称】人工的な毛髪染色のための2成分システム
(51)【国際特許分類】
A61K 8/31 20060101AFI20220119BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20220119BHJP
A61K 8/41 20060101ALI20220119BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20220119BHJP
A61K 8/22 20060101ALI20220119BHJP
A61Q 5/06 20060101ALI20220119BHJP
A61K 8/58 20060101ALI20220119BHJP
【FI】
A61K8/31
A61K8/34
A61K8/41
A61K8/19
A61K8/22
A61Q5/06
A61K8/58
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547944
(86)(22)【出願日】2019-10-31
(85)【翻訳文提出日】2021-04-28
(86)【国際出願番号】 EP2019079779
(87)【国際公開番号】W WO2020089365
(87)【国際公開日】2020-05-07
(31)【優先権主張番号】102018127182.4
(32)【優先日】2018-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【氏名又は名称】森住 憲一
(74)【代理人】
【識別番号】100122297
【氏名又は名称】西下 正石
(72)【発明者】
【氏名】レネ・クローン
(72)【発明者】
【氏名】エリック・シュルツェ・ツーア・ヴィーシェ
(72)【発明者】
【氏名】エリザベト・ポッペ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB051
4C083AB411
4C083AC011
4C083AC071
4C083AC101
4C083AC301
4C083AC341
4C083AC401
4C083AC471
4C083AC521
4C083AC551
4C083AC691
4C083AC781
4C083AC791
4C083AC851
4C083AC911
4C083BB21
4C083CC36
4C083DD06
(57)【要約】
本発明は、ケラチン材料を着色するための2成分システムに関し、ここで2成分システムは、アルカン、脂肪族アルコール及びアルコールを含む無水キャリア媒体と、同様に過酸化水素を含有する水相とを分離して含む。さらに、本発明は、毛髪を着色するための2成分システムの使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
・第1成分として
a)少なくとも1種の分枝鎖又は直鎖のC8~C30アルカン、
b)少なくとも1種の分枝鎖又は直鎖のC10~C30脂肪族アルコール、
c)少なくとも1種の分枝鎖又は直鎖のC2~C8の1価のアルコール、
d)アルカリ化剤として少なくとも1種の分枝鎖又は直鎖のC2~C10アミン、及び
e)ケラチン材料の色を変化させるための1種以上の染料
を含む、無水キャリア媒体、及び
・第2成分として水と過酸化水素とを含む、水相、
を分離して含む、ケラチン材料の人工的な着色のための2成分システム。
【請求項2】
前記無水キャリア媒体が、少なくとも1種の式(I)及び/又は式(II)の化合物である有機ケイ素化合物をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の2成分システム:
ここで、式(I)の有機ケイ素化合物において、
【化1】
、
-R
1、R
2はいずれも水素原子を表し、
-Lは直鎖の2価のC
1~C
6-アルキレン基、好ましくはプロピレン基(-CH
2-CH
2-CH
2-)又はエチレン基(-CH
2-CH
2-)を表し、
-R
3、R
4は独立してメチル基又はエチル基を表し、
-aは数字の3を表し、及び
-bは数字の0を表し、及び
ここで、式(II)の有機ケイ素化合物において、
【化2】
-R
5、R
5’、R
5’’、R
6、R
6’及びR
6’’は、独立してC
1~C
6アルキル基を表し、
-A、A’、A’’、A’’’及びA’’’’は、独立して直鎖又は分枝鎖のC1~C20の2価のアルキレン基を表し、
-R
7及びR
8は、独立して水素原子、C
1~C
6アルキル基、ヒドロキシC
1~C
6アルキル基、C
2~C
6アルケニル基、アミノC
1~C
6アルキル基又は式(III)の基を表し、
【化3】
-cは1~3の整数を表し、
-dは整数3-cを表し、
-c’は1~3の整数を表し、
-d’は整数3-c’を表し、
-c’’は1~3の整数を表し、
-d’’は整数3-c’’を表し、
-eは0又は1を表し、
-fは0又は1を表し、
-gは0又は1を表し、
-hは0又は1を表し、
ただし、e、f、g及びhの残基のうち少なくとも1つは0と異なる。
【請求項3】
ケラチン材料を処理するための前記2成分システムが、
-(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン、
-(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン、
-(2-アミノエチル)トリメトキシシラン、
-(2-アミノエチル)トリエトキシシラン、
-(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、
-(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、
-(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシラン及び
-(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシラン
からなる群から選択される式(I)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする、請求項1又は2のいずれか一項に記載の2成分システム。
【請求項4】
前記2成分システムが、
-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン、
-3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン、
-N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン、
-N-メチル-3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン、
-2-[ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アミノ]-エタノール、
-2-[ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミノ]エタノール、
-3-(トリメトキシシリル)-N、N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン、
-3-(トリエトキシシリル)-N、N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン、
-N1、N1-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1、2-エタンジアミン、
-N1,N1-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1、2-エタンジアミン、
-N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン及び
-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン
からなる群から選択される式(II)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の2成分システム。
【請求項5】
前記無水キャリア媒体の総重量を基準にして、0.01~10重量%、好ましくは0.02~9重量%、より好ましくは0.05~8重量%、最も好ましくは0.1~7重量%の量で前記有機ケイ素化合物が前記無水キャリア媒体中に存在し、前記有機ケイ素化合物が(3-アミノプロピル)トリエトキシシランであることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の2成分システム。
【請求項6】
前記2成分システムが、好ましくは、
-メチルトリメトキシシラン、
-メチルトリエトキシシラン、
-エチルトリメトキシシラン、
-エチルトリエトキシシラン、
-プロピルトリメトキシシラン、
-プロピルトリエトキシシラン、
-ヘキシルトリメトキシシラン、
-ヘキシルトリエトキシシラン、
-オクチルトリメトキシシラン、
-オクチルトリエトキシシラン、
-ドデシルトリメトキシシラン、
-ドデシルトリエトキシシラン、
-オクタデシルトリメトキシシラン及び
-オクタデシルトリエトキシシラン
からなる群からは選択される式(IV)
【化4】
の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の2成分システム。
【請求項7】
前記アルカンが、C10~C24アルカン、好ましくはC12~C18アルカン及びより好ましくはC14~C16アルカンであり、及び/又は前記アルカンが、前記無水キャリア媒体の総重量を基準にして、1~50重量%、好ましくは2~45重量%、より好ましくは3~40重量%、さらにより好ましくは4~35重量%の量で前記無水キャリア媒体中に存在することを特徴とし、及び/又は
前記脂肪族アルコールが、C12~C24アルコール脂肪族アルコール、好ましくはC14~C18アルコール脂肪族アルコールであり、及び/又は前記脂肪族アルコールが、前記無水キャリア媒体の総重量を基準にして、5~50重量%、好ましくは6~45重量%、より好ましくは7~40重量%、さらに好ましくは8~35重量%の量で前記無水キャリア媒体に存在することを特徴とし、及び/又は
前記アルコールがC3~C6アルコール、好ましくはC4~C5アルコールであり、及び/又は前記アルコールが、前記無水キャリア媒体の総重量を基準にして、4~50重量%、好ましくは6~45重量%、より好ましくは8~40重量%、さらにより好ましくは10~30重量%の量で前記無水キャリア媒体中に存在することを特徴とし、及び/又は
前記分枝鎖又は直鎖のアミンがC3~C8、より好ましくはC4~C6アミンであり、及び/又はここで、前記アミンが、前記無水キャリアの総重量を基準にして、0.5~10重量%、好ましくは0.75~7.5%重量、より好ましくは1~5%重量の量で無水キャリア中に存在することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の2成分システム。
【請求項8】
前記水相又は前記無水キャリア媒体が1種以上の乳化剤を含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の2成分システム:
ここで前記乳化剤は、好ましくは、1種以上のC8~C22、より好ましくはC10~C18、さらにより好ましくはC12~C16アルキル基を有するアルキルトリモニウム化合物であり、及び/又は
ここで前記乳化剤は、好ましくは、脂肪族アルコールエトキシレートの脂肪族アルコール部分がC4~C30、好ましくはC6~C25、より好ましくはC8~C20のアルキル鎖長を有し、及び/又は前記脂肪族アルコールエトキシレート中のエトキシ基の数が2~120、好ましくは4~100、より好ましくは6~80、さらにより好ましくは8~60、最も好ましくは10~40である脂肪族アルコールエトキシレートであり、及び/又
ここで前記乳化剤は、好ましくは、C8~C22、好ましくはC10~C20、より好ましくはC12~C18の鎖長を有する脂肪族アルコールスルフェートである。
【請求項9】
前記水相の総重量を基準にして0.1~5重量%、好ましくは0.5~4重量%、より好ましくは1~3重量%の量で前記アルキルトリモニウム化合物が前記水相に含有され、又は前記無水キャリア媒体総重量を基準にして0.1~5重量%、好ましくは0.5~4重量%、より好ましくは1~3重量%の量で前記アルキルトリモニウム化合物が前記無水キャリア媒体に含有されることを特徴とする、及び/又は
前記水相の総重量を基準にして0.1~10重量%、好ましくは0.25~7.5重量%、より好ましくは0.5~5重量%の量で前記脂肪族アルコールエトキシレートが前記水相に含有され、又は前記無水キャリア細菌媒体の総重量を基準にして0.1~10重量%、好ましくは0.25~7.5重量%、より好ましくは0.5~5重量%の量で前記脂肪族アルコールエトキシレートが前記無水キャリア媒体に含有されることを特徴とする、及び/又は
前記水相の総重量を基準にして0.1~10重量%、好ましくは0.25~7.5重量%、より好ましくは0.5~5重量%の量で前記脂肪族アルコールスルフェートが前記水相に含有される、又は前記無水キャリア媒体総重量を基準にして0.1~10重量%、好ましくは0.25~7.5重量%、より好ましくは0.5~5重量%の量で前記脂肪族アルコールスルフェートが前記無水キャリア媒体に含有されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の2成分システム。
【請求項10】
前記過酸化水素が、前記水相の総重量を基準にして、1~12重量%、好ましくは2~10重量%、より好ましくは3~8重量%の量で前記水相中に存在することを特徴とし、及び/又は変色のための染料が、
1,7-ナフタレネジオール、m-フェニレネジアミン、トルエン-2,5-ジアミニンスルフェート、2,4-ジアミノアニソール、p-フェニレンジアミン・HCl、p-フェニレンジアミン(遊離塩基)、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、N-フェニルp-フェニレンジアミン、レゾルシノール、4-クロロレゾルシノール、o-アミノフェノール、m-アミノフェノール、p-アミノフェノール、1-ナフトール、1,5-ナフタレンジオール、2,7-ナフタレンジオール、ヒドロキノン、p-メチルアミノフェノール、p-メチルアミノフェノールスルフェート、ヒドロキシベンゾモルホリン、4-アミノ-2-ヒドロキシトルエン、2-メチル-5-ヒドロキシエチルアミノフェノール、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン、フェニルメチルピラゾロン、2,4-ジアミノフェノキシエタノール・HCl又はSO4、3-アミノ-2,4-ジクロロフェノール・HCl、2-メチルレゾルシノール、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミンスルフェート、テトラアミノピリミジンスルフェート、4-アミノ-m-クレゾール、6-アミノ-m-クレゾール、1,3-ビス-(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン×4HCl、ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミンスルフェート、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソールスルフェート、4,4-ジアミノジフェニルアミンスルフェート、5-アミノ-6-クロロ-o-クレゾール、ヒドロキシエチル-3,4-メチレンジオキシアニリン・HCl、2,6-ジヒドロキシ-3,4-ジメチルピリジン、2,6-ジメトキシ-3,5-ピリジンジアミン×(2)HCl、ジヒドロキシインドール、2-アミノメチル-p-アミノフェノールHCl、2,4-ジアミノ-5-メチルフェネトールHCl、5-アミノ-4-クロロ-o-クレゾール・HCl、ヒドロキシプロピルビス(N-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン)・HCl、6-ヒドロキシインドール、イサチン、6-メトキシ-2-メチルアミノ-3-アミノピリジン・HCl(HCブルー7)、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、2-ジメチルアミノ-5-アミノピリジンx2HCL、6-メトキシ-2,3-ピリジンジアミンHCL、2,6-ジアミノピリジン、2,6-ジヒドロキシエチルアミノトルエン、2,5,6-トリアミノ-4_ピリミジノールスルフェート、ジヒドロキシインドリンHBr、1-アセトキシ-2-メチルナフタレン、1-ヒドロキシエチル4,5-ジアミノピラゾールスルフェート、2,2’-メチレンビス4-アミノフェノールHCl、2-メチル-1-ナフトール、4-ホルミル1-メチルキノリニウム-p-トルエンスルホネート2-アミノ-5-エチルフェニルHCL、2,3-ジアミノジヒドロキシピラゾロピラゾロンジメトスルホネート、2-メトキシ-メチル-p-フェニレンジアミン、ヒドロキシエトキシアミノピラゾロピリジンHCL、3-アミノ-2,6-ジメチルフェノール、1-ヘキシル4,5-ジアミノピラゾール、スルフェート、ジメチルピペラジニウムアミノピラゾロピリジン、メチルイミダゾリウムp-フェニレンジアミン、アシッドイエロー1、ディスパースレッド17、ベーシックブラウン17、アシッドブラック52、アシッドブラック1、ディスパースバイオレット4、4-ニトロ-o-フェニレンジアミン、2-ニトロ-p-フェニレンジアミン、2-アミノ-4-ニトロフェノール、2-アミノ-5-ニトロフェノール、ピクラミン酸及びナトリウムピクラメート、HCレッドNO.13、N,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-ニトロ-p-フェニレンジアミン、HCイエローNO.5、HCレッドNO.7、HCブルーNO.2、HCイエローNO.4、HCイエローNO.2、HCオレンジNO.1、HCレッドNO.1、HCレッドNO.3、4-アミノ-3-ニトロフェノール、2-ヒドロキシエチルアミノ-5-ニトロアニソール、3-ニトロ-p-ヒドロキシエチルアミノフェノール、3-メチルアミノ-4-ニトロフェノキシエタノール、2-ニトロ-5-グリセリルメチルアニリン、HCバイオレットNO.1、HCオレンジNO.2、HCイエローNO.9、4-ニトロフェニルアミノエチルウレア、HCレッドNO.10+HCレッドNO.11、2-ヒドロキシエチルピクラミン酸、HClとしてHCブルーNO.12、HCイエローNO.6、ヒドロキシエチル-2-ニトロ-p-トルイジン、HCイエローNO.12、HCブルーNo.11、HCイエローNo.7、HCイエローNo.10、4-アミノ-2-ニトロ-ジフェニルアミン-2’-カルボン酸、2-クロロ-6-エチルアミノ-4-ニトロフェノール、HCバイオレットNo.2、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール、HCイエローNo.13、テトラヒドロ-6-ニトロキノキサリン、2,6-ジアミノ-3-(((ピリジン-3-イル)アゾ)ピリジン)ピリジン、ベーシックオレンジ69、HCレッド16/N-(2-ニトロ-4-アミノフェニル)-アリルアミン、HClとしてベーシックバイオレット2、ベーシックレッド51、ベーシックイエロー87、ベーシックオレンジ31、HCブルー16、HCレッドNO.17、HCイエロー17、HCブルー18、HCイエロー16、HCレッド18、HCオレンジ6、ベーシックブルー124、ベーシックレッド76、ベーシックブラウン16、ベーシックイエロー57、アシッドオレンジ7、アシッドレッド33、アシッドイエロー23、アシッドブルー9、アシッドレッド92、「アシッドイエロー3(モノ及びジナトリウム)」、ベーシックブルー99、アシッドバイオレット43、ディスパースバイオレット1、ディスパースブル-3、アシッドブルー62、ディスパースブラック9、ヒドロキシアントラキノンアミノプロピルメチルモルホリ二ウムメトスルフェート、ローソン、ヘンナ、タイワンコマツナギ、HCブルーNo.14、カレーレッド、アシッドレッド18、アシッドレッド52、アシッドグリーン25、ディスパースブルー377、ピグメントレッド57、HCブルーNo.15、テトラブロモフェノールブルー、HCブルーNo.17又はクエン酸ビスマス
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の2成分システム。
【請求項11】
前記無水キャリア媒体と前記水相との重量比が、1/10から10/1、好ましくは5/1から1/5、より好ましくは2/1から1/2の範囲内であることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の2成分システム。
【請求項12】
ケラチン材料の着色のための、又はケラチン材料のケア及び着色のための、請求項1~11のいずれか一項に記載の2成分システムの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケラチン材料を人工的に着色するための2成分システムに関し、ここで、前記2成分システムは、アルカン、脂肪族アルコール及びアルコールを含む無水キャリア媒体と、同様に過酸化水素を含有する水相とを分離して含む。さらに、本発明は、毛髪の人工的な着色、又は人工的な着色及びケアのための前記2成分システムの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ケラチン材料、特にヒトの毛髪、の形状及び色を変更することは、現代化粧品の重要な領域である。毛髪の色を変更するために、専門家は着色要件に応じた様々な着色システムを知っている。酸化染料は、通常、優れた堅牢性及び良好なグレー隠蔽性を有する永久的で強力な染色に使用される。このような着色剤は、過酸化水素のような酸化剤の影響下で、それらの間で実際の染料を形成する、酸化染料前駆体、いわゆる顕色剤成分及びカプラー成分を含有する。酸化染料は非常に長く持続する染色結果により特徴付けられる。
【0003】
直接染料を使用する場合、既製の染料が着色剤から毛髪繊維に拡散する。酸化的な毛髪染色と比較して、直接染料で得られる染色は、より短い有効期間、及びより迅速に洗い落ちる能力を有する。直接染料による染色は通常、5~20回の洗浄の間毛髪上に残留する。
【0004】
毛髪の短期的な変色のためには、着色顔料を使用することが知られている。着色顔料は一般的に不溶性の、着色物質と理解されている。これらは、着色処方中に小粒子の形態で溶解せずに存在し、毛髪繊維の外側及び皮膚表面に単に付着する。そのため、これらは、通常は界面活性剤を含む洗剤での数回の洗浄により、残留物を残さずに再び除去することができる。この形態の種々の製品は、ヘアマスカラという呼称の下で市場にて入手可能である。
【0005】
使用者が特に長く持続する染色を望む場合、これまで、酸化染料の使用が唯一の選択肢である。酸化染料を使用した場合には、依然として毛髪損傷を伴うので、使用者の毛髪に悪影響を与える。それゆえ、残された課題は、これに代替する高性能な着色方法、特にコンディショニング作用を発揮することで、毛髪への損傷を少なくする方法を見出すことである。
【0006】
すべての着色方法は、毛髪に、薬品による負担をかける。毛髪は、外部から、種々の異なる源由来の薬品に暴露されるので、美容ケア製品の開発が困難である。さらに、毛髪の色に関しては、消費者の要望がしばしば変化するので、毛髪は繰り返し薬品に暴露される。例えば、毛髪を着色した場合、毛髪には負担がかかるため、特別な集中的なケアが必要になり得る。
【0007】
毛髪製品の開発者にとっては、一方では色及び風合いに関する顧客の要望を満足させること、他方では毛髪の構造、特に表面構造を保護することが課題である。毛髪着色は、これまで、穏やかな手段により行うことが困難である。
【0008】
先行技術には、毛髪の保護及びケアのための、少なくとも1種のヒドロキシ基及び/又は加水分解性基を含むシランの群に由来するオルガノシリコン化合物が記載されている。ヒドロキシ基及び/又は加水分解性基の存在により、シランは、水の存在下で加水分解又はオリゴマー化又は重合する反応性物質である。水の存在によって開始されるシランのオリゴマー化又は重合がケラチン材料に適用された場合、最終的には、保護効果を発揮するフィルムが形成される。
【0009】
オルガノシリコン化合物を使用する際の問題は、それらの水に対する不安定性である。したがって、有効な成分として有機シリコーン化合物を含有する場合、毛髪トリートメントのための水系システムは不都合である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の基礎にある課題は、穏やかな毛髪着色が可能な薬剤を調製するための基礎として役立つシステムを提供することであり、前記システムは長い有効期間を示す。特に、製造される薬剤は、その使用中に毛髪の表面構造を維持又は再構築する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本課題は、ケラチン材料、特に毛髪、を着色するための2成分システムにより解決され、ここで、前記2成分システムは、以下を分離して含む:
【0012】
第1成分として
a)少なくとも1種の分枝鎖又は直鎖のC8~C30アルカン、
b)少なくとも1種の分枝鎖又は直鎖のC10~C30脂肪族アルコール、
c)少なくとも1種の分枝鎖又は直鎖のC2~C8の1価のアルコール、
d)アルカリ化剤として少なくとも1種の分枝鎖又は直鎖のC2~C10アミン、及び
e)ケラチン材料の色を変化させるための1種以上の染料、
を含む、無水キャリア媒体、
及び
第2成分として水と過酸化水素とを含む、水相。
【発明の効果】
【0013】
2成分システムの利点は、相互に反応する物質を分離して保管する可能性を提供することである。2成分システムの適用の直前にのみ、成分を組み合わせて、すぐに使用できる薬剤を提供することができる。したがって、本発明の文脈において、特徴「分離して含む」は、2つの成分、すなわち無水キャリア媒体及び水相が、それらが意図せずに混合することを防止する目的で、空間的に互いに分離された2つの区画又は2つの異なる容器内に存在することを意味すると理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の好ましい実施形態によれば、キャリア媒体は、オルガノシリコン化合物を提供するためのベースとして役立つ。キャリア媒体中では、有機ケイ素化合物は実験室で安定している。キャリア媒体は、第2の成分として1つ以上の水相と組み合わせることができ、第2の成分は、毛髪着色に役立つ活性成分を含有し、水に基づく。次いで、キャリア媒体が使用直前にのみ1つ又は他の水性相と組み合わされるという事実は、活性成分のオルガノシリコン化合物が使用まで安定であることを意味する。
【0015】
本発明の文脈において、「無水の」は、好ましくは、水が水性キャリア媒体に添加されていないこと、又は水性キャリア媒体が水に基づかないことを意味すると理解されるべきである。より好ましくは、無水キャリア媒体の含水量は、無水キャリア媒体の総重量を基準にして、5重量%未満、さらにより好ましくは2重量%未満、最も好ましくは1重量%未満である。少量の水分が存在すると、有機ケイ素化合物のごく一部が加水分解する可能性があり、加水分解物は遊離水と平衡状態で存在する。前記水の量は、好ましくは上記の量で存在する。
【0016】
ケラチン材料とは、毛髪、皮膚、爪(指の爪及び/又は足指の爪など)を意味する。ウール、毛皮及び羽毛もケラチン材料の定義に属する。
【0017】
好ましくは、ケラチン材料は、ヒトの毛髪、ヒトの皮膚、及びヒトの爪、特に指の爪及び足指の爪を意味すると理解される。非常に好ましくは、ケラチン材料は、ヒトの毛髪、特に頭部及び/又は髭の毛を意味すると理解される。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によれば、2成分システムの無水キャリア媒体は、少なくとも1種の有機ケイ素化合物、すなわち1種以上の安定化される化合物を含有する。好ましい有機ケイ素化合物は、1つ、2つ又は3つのケイ素原子を有するシランから選択され、ここで、有機ケイ素化合物は、1分子当たり1つ以上のヒドロキシ基及び/又は加水分解性基を含む。無水キャリア中の有機ケイ素化合物を使用することにより、有機ケイ素化合物が加水分解から保護される。
【0019】
有機ケイ素化合物は、あるいはオルガノシリコン化合物とも呼ばれ、直接ケイ素-炭素結合(Si-C)を有するか、又は炭素が酸素、窒素、又は硫黄原子を介してケイ素原子に結合する化合物である。有機ケイ素化合物は、1~3つのケイ素原子を含有する化合物である。有機ケイ素化合物は、好ましくは1つ又は2つのケイ素原子を含有する。
【0020】
有機ケイ素化合物の効果は、毛髪を着色するために2成分システムを使用する場合、毛髪、特に毛髪表面、の保護及びケアに関係する。加水分解されたケイ素化合物は、水相と一緒になる場合、毛髪表面上に保護膜を形成し、したがって「回復」効果を有する。
【0021】
IUPAC規則によると、シランという用語はケイ素骨格と水素に基づく化学物質の群を意味する。有機シランにおいて、水素原子は、(置換された)アルキル基及び/又はアルコキシ基などの有機基によって完全に又は部分的に置換される。有機シランにおいて、水素原子のいくつかはヒドロキシ基により置換されてもよい。
【0022】
好ましい実施形態によれば、2成分システムの無水キャリア媒体は、少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含み、好ましくは、1つ、2つ又は3つのケイ素原子を有するシランから好ましくは選択され、ここで、有機ケイ素化合物は、1分子当たり1つ以上のヒドロキシ基又は加水分解性基を含む。
【0023】
最も好ましい実施形態において、2成分システムの無水キャリア媒体は、1つ、2つ又は3つのケイ素原子を有するシランから選択される少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含み、ここで、有機ケイ素化合物は、1分子当たり1つ以上の塩基性基及び1つ以上のヒドロキシ基又は加水分解性基をさらに含む。
【0024】
前記塩基性基は、例えば、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基であり得て、これらはリンカーを介してケイ素原子に好ましくは連結される。塩基性基は、好ましくは、アミノ基、C1~C6アルキルアミノ基又はジ(C1~C6)アルキルアミノ基である。
【0025】
加水分解性基は、好ましくはC1~C6アルコキシ基、特にエトキシ基又はメトキシ基である。加水分解性基がケイ素原子に直接結合している場合が好ましい。例えば、加水分解性基がエトキシ基である場合、有機ケイ素化合物は、好ましくは構造単位R’R’’R’’’Si-O-CH2-CH3を含有する。残基R’、R’’及びR’’’は、ケイ素原子の残りの3つの遊離原子価を表す。
【0026】
特に、2成分システムの無水キャリア媒体が式(I)及び/又は(II)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含有する場合に良好な結果が得られた。
【0027】
式(I)及び式(II)の化合物は、1つ、2つ又は3つケイ素原子を有するシランから選択される有機ケイ素化合物であり、前記有機ケイ素化合物は、1分子当たり1つ以上のヒドロキシ基及び/又は加水分解性基を含む。
【0028】
もう1つの特に非常に好ましい実施形態において、2成分システムの無水キャリア媒体は、式(I)及び/又は(II)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む。
【0029】
【0030】
式中
-R1、R2はいずれも水素原子を表し、
-Lは直鎖の、2価のC1~C6-アルキレン基、好ましくはプロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)又はエチレン基(-CH2-CH2-)を表し、
-R3、R4は独立してメチル基又はエチル基を表し、
-aは数字の3を表し、及び
-bは数字の0を表す。
【0031】
【0032】
式中
-R5、R5’、R5’’は独立して水素原子又はC1~C6アルキル基を表し、
-R6、R6’及びR6’’は独立してC1~C6アルキル基を表し、
-A、A’、A’’、A’’’及びA’’’’は、独立して直鎖又は分枝鎖のC1~C20の2価のアルキレン基を表し、
-R7及びR8は、独立して水素原子、C1~C6アルキル基、ヒドロキシC1~C6アルキル基、C2~C6アルケニル基、アミノC1~C6アルキル基又は式(III)の基を表す。
【0033】
【0034】
-cは1~3の整数を表し、
-dは整数3-cを表し、
-c’は1~3の整数を表し、
-d’は整数3-c’を表し、
-c’’は1~3の整数を表し、
-d’’は整数3-c’’を表し、
-eは0又は1を表し、
-fは0又は1を表し、
-gは0又は1を表し、
-hは0又は1を表し、
-ただし、e、f、g、及びhの少なくとも1つが0と異なる。
【0035】
式(I)及び式(II)の化合物における置換基R1、R2、R3、R4、R5、R5’、R5’’、R6、R6’、R6’’、R7、R8、L、A、A’、A’’、A’’’及びA’’’’は、以下に例として説明される:
【0036】
C1~C6アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、s-ブチル、及びt-ブチル、n-ペンチル、及びn-ヘキシル基である。プロピル、エチル及びメチルが好ましいアルキル基である。C2~C6アルケニル基の例は、ビニル、アリル、2-ブテニル、3-ブテニル及びイソブテニルであり、好ましいC2~C6アルケニル基はビニル及びアリルである。ヒドロキシC1~C6アルキル基の好ましい例は、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、4-ヒドロキシブチル基、5-ヒドロキシペンチル及び6-ヒドロキシヘキシル基であり;2-ヒドロキシエチル基が特に好ましい。アミノC1~C6アルキル基の例は、アミノメチル基、2-アミノエチル基、3-アミノプロピル基である。2-アミノエチル基が特に好ましい。直鎖の2価のC1~C20アルキレン基の例は、メチレン基(-CH2-)、エチレン基(-CH2-CH2-)、プロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)及びブチレン基(-CH2-CH2-CH2-CH2-)を含有する。プロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)が特に好ましい。3炭素原子の鎖長から、2価のアルキレン基も分枝鎖で有り得る。分枝した2価のC3~C20アルキレン基の例は、(-CH2-CH(CH3)-)及び(-CH2-CH(CH3)-CH2-)である。
【0037】
式(I)の有機ケイ素化合物において
【0038】
【0039】
基R1及びR2は、互いに独立して、水素原子又はC1~C6アルキル基を表す。特に、基R1及びR2はいずれも水素原子を表す。
【0040】
有機ケイ素化合物の中間部には、直鎖又は分枝鎖の、2価のC1~C20アルキレン基を表す、構造単位又はリンカー-L-が存在する。
【0041】
好ましくは、-L-は直鎖の、2価のC1~C20アルキレン基を表す。さらに好ましくは、-L-は直鎖の2価のC1~C6アルキレン基を表す。特に好ましい-Lは、メチレン基(-CH2-)、エチレン基(-CH2-CH2-)、プロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)又はブチレン(-CH2-CH2-CH2-CH2-)を表す。非常に好ましくは、Lはプロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)を表す。
【0042】
式(I)の有機ケイ素化合物
【0043】
【0044】
は、一端にケイ素含有基-Si(OR3)a(R4)bをもつ。
【0045】
末端構造単位-Si(OR3)a(R4)bにおいて、R3は水素又はC1~C6アルキル基であり、R4はC1~C6アルキル基である。R3及びR4は、互いに独立してメチル基又はエチル基を表す。
【0046】
ここで、aは1~3の整数を表し、bは整数3-aを表す。aが数字の3を表す場合、bは0に相当し、aが数字の2を表す場合、bは1に相当し、aが数字の1を表す場合、bは2に相当する。
【0047】
クレームされた毛髪の最良のケアは、基R3、R4が独立してメチル基又はエチル基を表す式(I)又は式(II)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を無水キャリア媒体が含有する場合に得られる。
【0048】
特によく適した式(I)の有機ケイ素化合物は以下である:
【0049】
-(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン
【0050】
【0051】
-(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン
【0052】
【0053】
-1-(3-アミノプロピル)シラントリオール
【0054】
【0055】
-(2-アミノエチル)トリエトキシシラン
【0056】
【0057】
-(2-アミノエチル)トリメトキシシラン
【0058】
【0059】
-1-(2-アミノエチル)シラントリオール
【0060】
【0061】
-(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン
【0062】
【0063】
-(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン
【0064】
【0065】
-1-(3-ジメチルアミノプロピル)シラントリオール
【0066】
【0067】
-(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシラン
【0068】
【0069】
-(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシラン及び/又は
【0070】
【0071】
-1-(2-ジメチルアミノエチル)シラントリオール
【0072】
【0073】
式(I)の有機ケイ素化合物は市販されている。例えば、(3-アミノプロピル)トリメトキシシランは、シグマ-アルドリッチから購入することができる。(3-アミノプロピル)トリエトキシシランもシグマ-アルドリッチから市販されている。
【0074】
もう1つの実施形態において、無水キャリア媒体は、式(II)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む。
【0075】
【0076】
式(II)のオルガノシリコン化合物はそれぞれ、それらの両端にケイ素含有基(R5O)c(R6)dSi-及び-Si(R6’)d’(OR5’)c’をもつ。
【0077】
式(II)の分子の中央部には、-(A)e-及び-[NR7-(A’)]f-及び[O-(A’’)]g-及び-[NR8-(A’’’)]h-基がある。ここで、基のe、f、g及びhのそれぞれは、それぞれ独立して数字の0又は1を表し得る、ただし、基のe、f、g及びhの少なくとも1つは0とは異なる。すなわち、式(II)の有機ケイ素化合物は、-(A)-及び-[NR7-(A’)]-及び-[O-(A’’)]-及び-[NR8-(A’’’)]-からなる群から選択される少なくとも1つの基を含有する。
【0078】
2つの末端構造単位(R5O)c(R6)dSi-及び-Si(R6’)d’(OR5’)cにおいて、基R5、R5’、R5’’は互いに独立して水素原子又はC1~C6アルキル基を表す。基R6、R6’及びR6’’は、独立してC1~C6アルキル基を表す。
【0079】
ここで、cは1~3の整数を表し、dは整数3-cを表す。cが数字の3を表す場合、dは0に相当する。cが数字の2を表す場合、dは1に相当する。cが数字の1を表す場合、dは2に相当する。
【0080】
類似して、c’は1~3の整数を表し、d’は整数3-c’を表す。c’が数字の3を表す場合、d’は0に相当する。c’が数字の2を表す場合、d’は1に相当する。c’が数字の1を表す場合、d’は2に相当する。
【0081】
非常に好ましいキャリア媒体は、基のc及びc’がいずれも数字の3を表す、有機ケイ素化合物を含有する。この場合、d及びd’はいずれも数字の0を表す。
【0082】
もう1つのものにおいて、2成分システムの無水キャリア媒体は、式(II)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む。
【0083】
【0084】
式中
-R5及びR5’は独立してメチル基又はエチル基を表し、
-c及びc’はいずれも数字の3を表し、及び
-d及びd’はいずれも数字の0を表す。
【0085】
c及びc’がいずれも数字の3を表し、d及びd’がいずれも数字の0を表す場合、有機ケイ素化合物は式(IIa)に対応する。
【0086】
【0087】
基のe、f、g、及びhは、独立して数字の0又は1を表すことができ、それによって、e、f、g、及びhの少なくとも1つの基は、0とは異なる。したがって、略語e、f、g、及びhは、式(II)の有機ケイ素化合物の中央部が、-(A)e-及び-[NR7-(A’)]f-及び-[O-(A’’)]g-及び-[NR8-(A’’’)]h-のいずれの基であるかを規定する。
【0088】
この文脈において、特定の基の存在は、ケア効果を増加させるという点において、特に有益であることが証明されている。特に、残基のe、f、g、hのうちの少なくとも2つが数字の1を表す場合、良好な結果が得られた。特に好ましいeとfはいずれも数字の1を表す。さらにgとhはいずれも数字の0を表す。
【0089】
e及びfがいずれも1であり、g及びhがいずれも0である場合、有機ケイ素化合物は式(IIb)で表される。
【0090】
【0091】
基A、A’、A’’、A’’’及びA’’’’は独立して直鎖又は分枝鎖の2価のC1~C20アルキレン基を表す。好ましくは、基A、A’、A’’、A’’’及びA’’’’は、互いに独立して直鎖の、2価のC1~C20アルキレン基を表す。さらに好ましくは、基A、A’、A’’、A’’’及びA’’’’は、独立して、直鎖の2価のC1~C6アルキレン基を表す。特に、基A、A’、A’’、A’’’及びA’’’’は、互いに独立して、メチレン基(-CH2-)、エチレン基(-CH2-CH2-)、プロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)又はブチレン基(-CH2-CH2-CH2-CH2-)を表す。特に残基A、A’ 、A’’ 、A’’’及びA’’’’はプロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)を表す。
【0092】
基のfが数字1を表す場合、式(II)の有機ケイ素化合物は、構造基-[NR7-(A’)]-を含有する。
【0093】
基のhが数字1を表す場合、式(II)の有機ケイ素化合物は、構造基-[NR8-(A’’’)]-を含有する。
【0094】
式中、R7及びR8は、独立して、水素原子、C1~C6アルキル基、ヒドロキシ-C1~C6アルキル基、C2~C6アルケニル基、アミノ-C1~C6アルキル基又は式(III)の基を表す。
【0095】
【0096】
非常に好ましくは、R7及びR8は、独立して、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基又は式(III)の基を表す。
【0097】
基のfが数字1を表し、基のhが数字0を表す場合、有機ケイ素化合物は、基[NR7-(A’)]を含有するが、基-[NR8-(A’’’)]を含有しない。ここで、基R7が式(III)の基を表す場合、無水キャリア媒体は、3つの反応性シラン基を有する有機ケイ素化合物を含有する。
【0098】
もう1つの好ましいものにおいて、2成分システムの無水キャリア媒体は、式(II)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む。
【0099】
【0100】
式中
-e及びfはいずれも数字の1を表し、
-g及びhはいずれも数字の0を表し、
-A及びA’は独立して直鎖の、2価のC1~C6アルキレン基を表し、及び
-R7は、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基又は式(III)の基を表す。
【0101】
もう1つの好ましい実施形態において、2成分システムの無水キャリア媒体は、式(II)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含み、式中、
-e及びfはいずれも数字の1を表し、
-g及びhはいずれも数字の0を表し、
-A及びA’は互いに独立して、メチレン基(-CH2-)、エチレン基(-CH2-CH2-)又はプロピレン基(-CH2-CH2-CH2)を表し、及び
-R7は、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基又は式(III)の基を表す。
【0102】
問題を解決するのに適した式(II)の有機ケイ素化合物は、以下である:
【0103】
-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
【0104】
【0105】
-3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
【0106】
【0107】
-N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
【0108】
【0109】
-N-メチル-3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
【0110】
【0111】
-2-[ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アミノ]-エタノール
【0112】
【0113】
-2-[ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミノ]エタノール
【0114】
【0115】
-3-(トリメトキシシリル)-N、N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
【0116】
【0117】
-3-(トリエトキシシリル)-N、N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
【0118】
【0119】
-N1、N1-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1、2-エタンジアミン
【0120】
【0121】
-N1、N1-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1、2-エタンジアミン
【0122】
【0123】
-N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン
【0124】
【0125】
-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン
【0126】
【0127】
式(II)の有機ケイ素化合物は市販されている。
【0128】
CAS番号82985-35-1のビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンは、シグマ-アルドリッチから購入することができる。
【0129】
CAS番号13497-18-2の3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミンとしても知られるビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミンは、例えば、シグマ-アルドリッチから購入することができ、又は製品名ディンシラン(Dynasylan)1122としてエボニック(Evonik)から市販されている。
【0130】
N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミンは、あるいはビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチルアミンとも呼ばれ、シグマ-アルドリッチ又はフルオロケム(Fluorochem)から市販で購入できる。
【0131】
CAS番号18784-74-2の3-(トリエトキシシリル)-N、N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミンは、例えば、フルオロケム又はシグマ-アルドリッチから購入することができる。
【0132】
毛髪に適用される2成分システムが式(IV)の少なくとも1つの有機ケイ素化合物を含有する場合、有利であることが見出されている。
【0133】
【0134】
したがって、無水キャリア媒体は、式(IV)の有機ケイ素化合物も含む。
【0135】
式(IV)の化合物は、1つ、2つ又は3つのケイ素原子を有するシランから選択される有機ケイ素化合物であり、前記有機ケイ素化合物は、1分子当たり1つ以上のヒドロキシ基及び/又は加水分解性基を含む。
【0136】
式(IV)の有機ケイ素化合物は、アルキルアルコキシシラン又はアルキルヒドロキシシラン型のシランとも呼ばれ得る。
【0137】
【0138】
式中
-R9はC1~C12アルキル基を表し、
-R10は水素原子又はC1~C6アルキル基を表し、
-R11はC1~C6アルキル基を表し
-kは1~3の整数であり、及び
-mは整数3-kを表す。
【0139】
さらに好ましい実施形態において、2成分システムの無水キャリア媒体は、式(I)の有機ケイ素化合物又は複数の化合物に加えて、式(IV)の少なくとも1種のさらなる有機ケイ素化合物を含有する。
【0140】
【0141】
式中
-R9はC1~C12アルキル基を表し、
-R10は水素原子又はC1~C6アルキル基を表し、
-R11はC1~C6アルキル基を表し、
-kは1~3の整数であり、及び
-mは整数3-kを表す。
【0142】
同様に好ましい実施形態において、2成分システムの無水キャリア媒体は、式(II)の有機ケイ素化合物又は複数の化合物に加えて、以下を含有する式(IV)の少なくとも1種のさらなる有機ケイ素化合物を含有する。
【0143】
【0144】
式中
-R9はC1~C12アルキル基を表し、
-R10は水素原子又はC1~C6アルキル基を表し、
-R11はC1~C6アルキル基を表し
-kは1~3の整数であり、及び
-mは整数3-kを表す。
【0145】
さらに好ましい実施形態において、2成分システムの無水キャリア媒体は、式(I)及び(II)の有機ケイ素化合物に加えて、式(IV)の少なくとも1種のさらなる有機ケイ素化合物を含有する。
【0146】
【0147】
式中
-R9はC1~C12アルキル基を表し、
-R10は水素原子又はC1~C6アルキル基を表し、
-R11はC1~C6アルキル基を表し、
-kは1~3の整数であり、及び
-mは整数3-kを表す。
【0148】
式(IV)の有機ケイ素化合物において、基R9は、C1~C12のアルキル基を表す。前記C1~C12アルキル基は飽和であり、直鎖又は分枝鎖であり得る。好ましくは、R9は、直鎖C1~C8アルキル基を表す。好ましくは、R9は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基又はn-ドデシル基を表す。特に好ましくは、R9は、メチル基、エチル基、n-オクチル基を表す。
【0149】
式(IV)の有機ケイ素化合物において、基R10は水素原子又はC1~C6アルキル基を表す。特に好ましくは、R10はメチル基又はエチル基を表す。
【0150】
式(IV)の有機ケイ素化合物において、基R11はC1~C6アルキル基を表す。特に好ましくは、R11はメチル基又はエチル基を表す。
【0151】
さらに、kは1~3の整数を表し、mは整数3-kを表す。kが数字の3を意味する場合、mは0に相当する。kが数字の2を意味する場合、mは1に相当する。kが数字の1を意味する場合、mは2に相当する。
【0152】
基のkが数字の3を表す、式(IV)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含有することは、無水キャリア媒体にとって非常に有利であることが証明されている。この場合、残りのmは数字の0を表す。
【0153】
問題を解決するために特に適した式(IV)の有機ケイ素化合物は、以下である:
【0154】
-メチルトリメトキシシラン
【0155】
【0156】
-メチルトリエトキシシラン
【0157】
【0158】
-エチルトリメトキシシラン
【0159】
【0160】
-エチルトリエトキシシラン
【0161】
【0162】
-n-ヘキシルトリメトキシシラン
【0163】
【0164】
-n-ヘキシルトリエトキシシラン
【0165】
【0166】
-n-オクチルトリメトキシシラン
【0167】
【0168】
-n-オクチルトリエトキシシラン
【0169】
【0170】
-n-ドデシルトリメトキシシラン及び/又は
【0171】
【0172】
-n-ドデシルトリエトキシシラン
【0173】
【0174】
及び、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン及び/又はオクタデシルトリエトキシシラン。
【0175】
上記有機ケイ素化合物は、反応性化合物である。
【0176】
無水キャリア媒体が2つの構造的に異なる有機ケイ素化合物を含有する場合でさえも、特に安定かつ均一な膜がケラチン材料上に得られることが見出された。
【0177】
好ましい実施形態において、無水キャリア媒体は、式(I)の少なくとも1種の有機シリコーン化合物及び式(IV)の少なくとも1種の有機シリコーン化合物を含むことを特徴とする。
【0178】
特に明白な非常に好ましい実施形態において、無水キャリア媒体は、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン及び(3-アミノプロピル)トリメトキシシランからなる群より選択される式(I)の少なくとも1種の有機シリコーン化合物を含有し、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン及びヘキシルトリエトキシシランからなる群から選択される式(IV)の少なくとも1種の有機シリコーン化合物をさらに含有することを特徴とする。
【0179】
もう1つの好ましい実施形態において、無水キャリア媒体は、無水キャリア媒体の総重量を基準にして、以下を含むことを特徴とする:
【0180】
0.5~5重量%の、(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン、(2-アミノエチル)トリメトキシシラン、(2-アミノエチル)トリエトキシシラン、(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン、(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシラン及び(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシランの群から選択される少なくとも1種の第1の有機ケイ素化合物、及び
【0181】
3.2~10%の重量の、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン及びオクタデシルトリエトキシシランの群から選択される少なくとも1種の第2の有機ケイ素化合物。
【0182】
少量の水の添加でさえも、少なくとも1つの加水分解性基をもつ有機ケイ素化合物における加水分解をもたらす。加水分解生成物及び/又は少なくとも1つのヒドロキシ基を有する有機ケイ素化合物は、縮合反応において互いに反応し得る。この理由のため、加水分解され得る少なくとも1つの基を有するオルガノシリコン化合物及びそれらの加水分解及び/又は縮合生成物のいずれも、無水キャリア媒体中に存在し得る。少なくとも1つのヒドロキシ基を有するオルガノシリコン化合物を使用する場合、少なくとも1つのヒドロキシ基を有する有機ケイ素化合物及びそれらの縮合生成物のいずれも、無水キャリア媒体中に存在し得る。
【0183】
縮合生成物は、各々、1分子当たり少なくとも1つのヒドロキシ基又は加水分解性基を有する少なくとも2つの有機ケイ素化合物の、水の脱離及び/又はアルカノールの脱離を伴う反応によって形成される生成物であると理解される。縮合生成物は、例えば、2量体であってもよいが、3量体又はオリゴマーであってもよく、縮合生成物はモノマーと平衡状態にある。加水分解において使用又は消費される水の量に依存して、平衡は単量体有機ケイ素化合物から縮合生成物に移る。
【0184】
本発明の文脈において、重量%における数字は、特に記載のない限り、常に無水キャリア媒体の総重量に基づく。該当する場合、数字は水相の総重量を基準にした重量%で表す。
【0185】
本発明の2成分システムの第2成分は水相である。強制的に、前記第2成分は、水及び過酸化水素を含有する。
【0186】
本発明において、水相と無水キャリア媒体とを混合した後、2成分システムの水相中の過酸化水素は、2成分システムが毛髪整形のために使用可能となることをもたらす。
【0187】
無水キャリア媒体の成分としては、少なくとも1種の分枝鎖又は直鎖のC8~C30アルカン、少なくとも1種の分枝鎖又は直鎖のC10~C30脂肪族アルコール、少なくとも1種の分枝鎖又は直鎖のC2~C8の1価のアルコール、アルカリ化剤としての少なくとも1種の分枝鎖又は直鎖のC2~C10アミン、及びケラチン材料の色を変化させるための1種以上の染料、の5種の成分が、無水キャリア媒体中に必ず含有される。本発明に至る作業の過程において、特に良好なケア効果を達成するためには、5つの成分を有機ケイ素化合物、例えば3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン、すなわちビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンと共に無水キャリア媒体中で水相と組み合わせる場合に特に有利であるということが見出された。無水キャリア媒体中の水を除去することにより、有機ケイ素化合物は、早期加水分解から保護され、水相と混合することによって必要な場合にのみ毛髪ケアエマルジョンに変換され、これは、適用直前にのみ加水分解反応の手段によって有機ケイ素化合物を活性化する。驚くべきことに、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンと無水キャリア媒体中に含有される5つの必須成分の組合せが化粧品の許容性を増加させることが見出された。薬品処理された毛髪では、毛髪は柔らかく、櫛通りは大幅に向上し、毛髪表面はより疎水性である。同時に穏やかな毛髪の着色が達成される。
【0188】
本発明の文脈において、用語「変色のための着色剤」は、顔料及び/又は直接染料を使用して引き起こされる、毛髪の、ケラチン材料の着色に使用される。この染色方法において、着色剤化合物は、ケラチン材料の表面上のフィルムに特に均質かつ平滑に付着するか、又はケラチン繊維中に拡散する。用語「変色のための染料」は、顔料を意味するものと理解することもできる。本発明の好ましい実施形態によれば、本発明による2成分システムは、顔料も含む。
【0189】
本発明が意味する範囲内の顔料は、0.5g/L未満、好ましくは0.1g/L未満、さらにより好ましくは0.05g/L未満の25℃における水への溶解度を有する着色化合物である。水溶解度は、例えば、下記の方法によって決定することができる:顔料0.5gをビーカー中に秤量する。スターリング・フィッシュ(ruehrfisch)を加える。それから蒸留水1リットルを加える。この混合物をマグネチックスターラーで撹拌しながら25℃で1時間加熱する。この期間の後に顔料の未溶解成分が混合物中に依然として見える場合、顔料の溶解度は0.5g/L未満である。微細に分散された可能性のある顔料の高い強度のため、顔料-水混合物が目視で評価できない場合は、混合物をろ過する。未溶解の顔料の一部が濾紙上に残っている場合、顔料の溶解度は0.5g/L未満である。適する着色顔料は、無機及び/又は有機起源のものであり得る。
【0190】
好ましい着色顔料は、合成又は天然の無機顔料から選択される。天然起源の無機着色顔料は、例えば、チョーク、オーカー(Ocker)、アンバー、グリーンアース、バーント・シエンナ(burnt Terra di Siena)又はグラファイトから製造することができる。そのうえ、酸化鉄ブラックなどの黒色顔料、ウルトラマリン又は酸化鉄レッドなどの着色された顔料並びに蛍光又はリン光顔料を無機着色顔料として使用することができる。
【0191】
特に適するのは、着色された金属酸化物、水酸化物及び酸化物水和物、混相顔料、硫黄含有ケイ酸塩、ケイ酸塩、金属硫化物、錯体金属シアン化物、金属スルフェート、クロメート及び/又はモリブデートである。好ましい着色顔料は、黒色酸化鉄(CI 77499)、黄色酸化鉄(CI 77492)、赤色及び褐色酸化鉄(CI 77491)、マンガンバイオレット(CI 77742)、ウルトラマリン(ナトリウムアルミニウムスルホシリケート、CI 77007、ピグメントブル-29)、酸化クロム水和物(CI 77289)、紺青(フェロシアン化鉄、CI 77510)及び/又はカルミン(コチニール)である。
【0192】
本発明によれば、着色された真珠光沢顔料も特に好ましい着色顔料である。これらは通常、雲母に基づき、1種以上の金属酸化物で被覆されていてもよい。雲母はケイ酸塩層に属する。これらのケイ酸塩の最も重要な代表物は、白雲母、金雲母、パラゴナイト、黒雲母、リチア雲母(Lepidolith)及びマーガライト(Margarit)である。金属酸化物と組み合わせて真珠光沢顔料を製造するために、雲母、主に白雲母又は金雲母を金属酸化物で被覆する。
【0193】
天然雲母の代替として、1種以上の金属酸化物で被覆された合成雲母を真珠光沢顔料として使用することもできる。特に好ましい真珠光沢顔料は、天然又は合成雲母(雲母)に基づいており、上述の金属酸化物の1種以上で被覆されている。各顔料の色は、金属酸化物の層厚を変えることによって変えることができる。
【0194】
本発明の好ましい実施形態によれば、2成分システムにおけるアルカンは、C10~C24アルカン、好ましくはC12~C18アルカン、及びより好ましくはC14~C16アルカンである。好ましくは、アルカンは、無水キャリア媒体の総重量を基準にして、1~50%、好ましくは2~45%、より好ましくは3~40%、さらにより好ましくは4~35%の量で無水キャリア媒体中に存在する。名称Cx~Cyは、炭化水素鎖がx~yの炭素原子を有することを常に意味する。
【0195】
本発明の特に非常に好ましい実施形態において、無水キャリアは無水濃縮物である。本実施形態において、無水キャリア中のアルカンの量は、5~90重量%、好ましくは10~70重量%、より好ましくは15~50重量%である。
【0196】
本発明のもう1つの好ましい実施形態によれば、脂肪族アルコールはC12~C24の脂肪族アルコール、好ましくはC14~C18の脂肪族アルコールであり、ここで、脂肪族アルコールは好ましくは無水キャリア媒体の総重量を基準にして、5~50重量%、より好ましくは6~45重量%、さらにより好ましくは7~40重量%、最も好ましくは8~35重量%の量で無水キャリア媒体中に存在する。
【0197】
本発明のもう1つの好ましい実施形態によれば、アルコールはC3~C6アルコール、好ましくはC4~C5アルコールであり、ここで、アルコールは好ましくは無水キャリア媒体中に無水キャリア媒体の総重量を基準にして、4~50重量%、好ましくは6~45重量%、より好ましくは8~40重量%、さらにより好ましくは10~30重量%の量で存在する。1価のアルコールはOH基を1つだけもつアルコールである。
【0198】
本発明のもう1つの好ましい実施形態によれば、分枝鎖又は直鎖のアミンは、C3~C8、より好ましくはC4~C6アミンである。アミンは、好ましくは無水キャリア中に無水キャリアの総重量を基準にして、0.5~10重量%、より好ましくは0.75~7.5重量%、さらにより好ましくは1~5重量%の量で存在する。
【0199】
本発明のもう1つの好ましい実施形態によれば、以下の色素の群から選択される1種以上の色素が、無水キャリアに含まれる:
【0200】
1,7-ナフタレネジオール、m-フェニレネジアミン、トルエン-2,5-ジアミニンスルフェート、2,4-ジアミノアニソール、p-フェニレンジアミンHCl、p-フェニレンジアミン(遊離塩基)、2-クロロ-p-フェニレンジアミン、N-フェニル-p-フェニレンジアミン、レゾルシノール、4-クロロレゾルシノール、o-アミノフェノール、m-アミノフェノール、p-アミノフェノール、1-ナフトール、1,5-ナフタレンジオール、2,7-ナフタレンジオール、ヒドロキノン、p-メチルアミノフェノール、p-メチルアミノフェノールスルフェート、ヒドロキシベンゾモルホリン、4-アミノ-2-ヒドロキシトルエン、2-メチル-5-ヒドロキシエチルアミノフェノール、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン、フェニルメチルピラゾロン、2,4-ジアミノフェノキシエタノールHCl又はSO4、3-アミノ-2,4-ジクロロフェノールHCl、2-メチルレゾルシノール、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミンスルフェート、テトラアミノピリミジンスルフェート、4-アミノ-m-クレゾール、6-アミノ-m-クレゾール、1,3-ビス-(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン×4HCl、ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミンスルフェート、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソールスルフェート、4,4-ジアミノジフェニルアミンスルフェート、5-アミノ-6-クロロ-o-クレゾール、ヒドロキシエチル-3,4-メチレンジオキシアニリンHCl、2,6-ジヒドロキシ-3,4-ジメチルピリミジン、2,6-ジメトキシ-3,5-ピリジンジアミン×(2)HCl、ジヒドロキシインドール、2-アミノメチル-p-アミノフェノールHCl、2,4-ジアミノ-5-メチルフェネトール(PHENETOL)HCl、5-アミノ-4-クロロ-o-クレゾールHCl、ヒドロキシプロピルビス(N-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジマミン(PHENYLENEDIMAMINE)HCl、6-ヒドロキシインドール、イサチン、6-メトキシ-2-メチルアミノ-3-アミノピリジンHCl (HCブルー7)、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、2-ジメチルアミノ-5-アミノピリジンx2HCL、6-メトキシ-2,3-ピリジンジアミンHCL、2,6-ジアミノピリジン、2,6-ジヒドロキシエチルアミノトルエン、2,5,6-トリアミノ-4_ピリミジノール(PYRIMIDINOL)スルフェート、ジヒドロキシインドリンHBr、1-アセトキシ-2-メチルナフタレン、1-ヒドロキシエチル4,5-ジアミノピラゾールスルフェート、2,2’-メチルレンビス4-アミノフェノールHCl、2-メチル-1-ナフトール、4-ホルミル1-メチルキノリニウム-p-トルエンスルホネート、2-アミノ-5-エチルフェニルHCl、2,3-ジアミノジヒドロキシピラゾロピラゾロンジメトスルホネート、2-メトキシ-メチル-p-フェニレンジアミン、ヒドロキシエトキシアミノピラゾロピリジンHCL、3-アミノ-2,6-ジメチルフェノール、1-ヘキシル4,5-ジアミノピラゾール、スルフェート、ジメチルピペラジニウムアミノピラゾロピリジン、メチルイミダゾリウムp-フェニレンジアミン、アシッドイエロー1、ディスパースレッド17、ベーシックブラウン17、アシッドブラック52、アシッドブラック1、ディスパースバイオレット4、4-ニトロ-o-フェニレンジアミン、2-ニトロ-p-フェニレンジアミン、2-アミノ-4-ニトロフェノール、2-アミノ-5-ニトロフェノール、ピクラミン酸及びナトリウムピクラメート、HCレッドNO.13、N,N’-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-ニトロ-p-フェニレンジアミン、HCイエローNO.5、HCレッドNO.7、HCブルーNO.2、HCイエローNO.4、HCイエローNO.2、HCオレンジNO.1、HCレッドNO.1、HCレッドNO.3、4-アミノ-3-ニトロフェノール、2-ヒドロキシエチルアミノ-5-ニトロアニソール、3-ニトロ-p-ヒドロキシエチルアミノフェノール、3-メチルアミノ-4-ニトロフェノキシエタノール、2-ニトロ-5-グリセリルメチルアニリン、HCバイオレットno.1、HCオレンジno.2、HCイエローNo.9、4-ニトロフェニルアミノエチルウレア、HCレッドNO.10+HCレッドNO.11、2-ヒドロキシエチルピクラミン酸、HClとしてHCブルーNO.12、HCイエローNO.6、ヒドロキシエチル-2-ニトロ-p-トルイジン、HCイエローNO.12、HCブルーNo.11、HCイエローno.7、HCイエローno.10、4-アミノ-2-ニトロ-ジフェニルアミン-2’-カルボン酸、2-クロロ-6-エチルアミノ-4-ニトロフェノール、HCバイオレットno.2、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール、HCイエローNo.13、テトラヒドロ-6-ニトロキノキサリン、2,6-ジアミノ-3-(((ピリジン-3-イル)アゾ)ピリジン)ピリジン、ベーシックオレンジ69、HCレッド16/N-(2-ニトロ-4-アミノフェニル)-アリルアミン、HClとしてベーシックバイオレット2、ベーシックレッド51、ベーシックイエロー87、ベーシックオレンジ31、HCブルー16、HCレッドNO.17、HCイエロー17、HCブルー18、HCイエロー16、HCレッド18、HCオレンジ6、ベーシックブルー124、ベーシックレッド76、ベーシックブラウン16、ベーシックイエロー57、アシッドオレンジ7、アシッドレッド33、アシッドイエロー23、アシッドブルー9、アシッドレッド92、「アシッドイエロー3(モノ及びジナトリウム)」、ベーシックブルー99、アシッドバイオレット43、ディスパースバイオレット1、ディスパースブルー3、アシッドブルー62、ディスパースブラック9、ヒドロキシアントラキノンアミノプロピルメチルモルホリ二ウムメトスルフェート、ローソン、ヘンナ(LAWSONIA INERMIS)、タイワンコマツナギ(INDIGOFERA TINCTORIA)、HCブルーno.14、カレーレッド(CURRY RED)、アシッドレッド18、アシッドレッド52、アシッドグリーン25、ディスパースブルー377、ピグメントレッド57、HCブルーNo.15、テトラブロモフェノールブルー、HCブルーNo.17及び/又はクエン酸ビスマス。これらの染料については、INCI名称をもつ染料を意味する。使用する染料の量は、染料の種類によって大きく異なる。選択された量の指針として、2成分システムの総重量を基準にして、2成分システム中に0.1~4重量%の染料が存在することが示されている。
【0201】
好ましい実施形態によれば、2成分システムは、乳化剤を含み、その成分、すなわち無水キャリア媒体及び水相を均質化し、化粧品組成物を使える状態に調製する間に、均質相を形成することを可能にする。これらの好ましい実施形態によれば、乳化剤又は複数の乳化剤は、水相又は無水キャリア媒体のいずれかに存在するが、好ましくは水相に存在する。
【0202】
使用される好ましい乳化剤は、1種以上のC8~C22、より好ましくはC10~C18、さらにより好ましくはC12~C16アルキル基を有するアルキルトリモニウム化合物である。アルキルトリモニウム化合物は、カチオン性であり、少なくとも1種、好ましくは数種の有機基をもつ窒素含有化合物である。有機基の数に水素を加えると、常に数字の4になる。
【0203】
もう1つの好ましい乳化剤は、脂肪族アルコールエトキシレートであって、脂肪族アルコールエトキシレートの脂肪族アルコール部分がC4~C30、好ましくはC6~C25、より好ましくはC8~C20のアルキル鎖長を有し、及び/又は脂肪族アルコールエトキシレートにおけるエトキシ基の数が2~120、好ましくは4~100、より好ましくは6~80、さらにより好ましくは8~60、最も好ましくは10~40である脂肪族アルコールエトキシレートである。
【0204】
さらに、好ましい乳化剤は、C8~C22、好ましくはC10~C20、より好ましくはC12~C18の鎖長をもつ脂肪族アルコールサルフェートである。
【0205】
さらに好ましい実施形態によれば、乳化剤は、無水キャリア媒体又は水相のいずれかに一定量で存在する。好ましい2成分システムは、アルキルトリモニウム化合物を水相の総重量を基準にして、0.1~5重量%、好ましくは0.5~4重量%、より好ましくは1~3重量%の量で水相中に、又はアルキルトリモニウム化合物を無水キャリア媒体の総重量を基準にして、0.1~5重量%、好ましくは0.5~4重量%、より好ましくは1~3重量%の量で無水キャリア媒体中に含有する。
【0206】
さらに好ましい実施形態によれば、脂肪族アルコールエトキシレートは、水相の総重量を基準にして、水相中に0.1~10重量%、好ましくは0.25~7.5重量%、より好ましくは0.5~5重量%の量で存在し、又は脂肪族アルコールエトキシレートは、無水キャリア媒体の総重量を基準にして、無水キャリア媒体中に0.1~10重量%、好ましくは0.25~7.5重量%、より好ましくは0.5~5重量%の量で存在する。
【0207】
さらに、好ましい実施形態によれば、脂肪族アルコールスルフェートは、水相の総重量を基準にして、0.1~10重量%、好ましくは0.25~7.5重量%、より好ましくは0.5~5重量%の量で、水相に含有され、又は脂肪族アルコールスルフェートは、無水キャリア媒体の総重量を基準にして、0.1~10重量%、好ましくは0.25~7.5重量%、より好ましくは0.5~5重量%の量で、無水キャリア媒体に含有される。
【0208】
本発明の好ましい実施形態によれば、過酸化水素は、水相の総重量を基準にして、1~12重量%、好ましくは2~10重量%、より好ましくは3~8重量%の量で水相中に存在する。
【0209】
本発明の好ましい実施形態によれば、2成分システムにおける無水キャリア媒体と水相との重量比は、1/10から10/1、好ましくは5/1から1/5、より好ましくは2/1から1/2である。
【0210】
原理的には、全ての生理学的に適合する対イオンは、本発明の成分の対イオンとして使用することができ、塩として存在する。
【0211】
本発明のさらに好ましい実施形態において、水相又は無水キャリア媒体は、他の追加の成分を含んでもよい。以下の成分は任意であり、2成分システムにおいて上で記述された成分に加えられる。
【0212】
もう1つの好ましい2成分システムにおいて、無水キャリア媒体又は水相は、カチオン性界面活性剤を含有し、ここで、前記カチオン性界面活性剤は、以下の式の1種であり、
【0213】
【0214】
式中
R16はC1~C6アルキル基を表し、
R17、R18は独立して、C7~C27アルキル基、好ましくはC10~C22アルキル基を表し、及び
X-は生理的に適合するアニオンを表し、
又は式中、カチオン性界面活性剤が下記式のいずれか1種であり、
【0215】
【0216】
式中
R19、R20は、独立して、C1~C6アルキル基又はC2~C6ヒドロキシアルキル基を表し、
R21、R22は、独立して、C7~C27アルキル基、好ましくはC10~C22アルキル基を表し、及び
X-は生理的に適合するアニオンを表し、
又は式中、カチオン性界面活性剤が下記式のいずれか1種であり、
【0217】
【0218】
式中
R23、R24は、独立して、C1~C6アルキル基、C2~C6アルケニル基又はC2~C6ヒドロキシアルキル基を表し、及び
R25は、C8~C28アルキル基、好ましくはC10~C22アルキル基を表す。
【0219】
式NR23R24R25のカチオン性界面活性剤は、いわゆる擬四級化合物(Pseudoquats)であるアミン誘導体である。有機基R23、R24及びR25は窒素原子に直接結合している。酸性pH領域において、これらはカチオン化され、すなわち窒素原子はその時にはプロトン化される。生理的に適合する対イオンは、対イオンとして適している。これらのカチオン性界面活性剤の中でも、ステアミドプロピルジメチルアミンが特に好ましい。
【0220】
本発明において、界面活性剤は、水相及び無水キャリア媒体の乳化、又はより一般的には水及び油相の乳化を支援する。したがって、これらは要すれば2成分システムに追加で含有される。
【0221】
上記の必須成分に加えて、無水キャリア媒体又は水相中に要すれば存在し得る毛髪トリートメント組成物のさらなる成分を以下に記載する。
【0222】
さらに好ましい実施形態によれば、無水キャリア媒体又は水相は、グリセロール、尿素、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸のシラノールエステル、パンテノール、タウリン、セラミド、植物ステロール、アロエベラ抽出物、クレアチン、クレアチニン、ヒアルロン酸ナトリウム、多糖類、ビオサッカリドガム-1、キュウリ抽出物、ブチレングリコール、プロピレングリコール、メチルプロパンジオール、エチルヘキシルグリセロール、ソルビトール、アミノ酸、グリシン、グリシン大豆、ヒスチジン、チロシン又は特に好ましいアミノ酸であるトリプトファン、アミノ酸誘導体、天然のベタイン化合物、ピロリドンカルボン酸又はピロリドンカルボン酸の塩、乳酸、乳酸塩、特に乳酸ナトリウム及び/又はエチルヘキシルオキシグリセロールからなる群から選択される皮膚保湿剤又はさらなるスキンケア剤をさらに含み、特に、これらの皮膚保湿剤の選択は、無水キャリア媒体のケア特性を向上させる。
【0223】
もう1つの好ましい実施形態によれば、無水キャリア媒体又は水相は、いくつかの乳化剤又はいくつかの界面活性剤を含有する。無水キャリア媒体又は水相が2つの構造的に異なる界面活性剤/乳化剤を含有し、好ましくは、無水キャリア媒体又は水相は2つの構造的に異なるカチオン性乳化剤/界面活性剤、互いに異なる2つのアニオン性乳化剤/界面活性剤、カチオン性界面活性剤/乳化剤及び非イオン性界面活性剤/乳化剤、又はアニオン性界面活性剤/乳化剤及び非イオン性界面活性剤/乳化剤を含有することが特に好ましい。
【0224】
本発明の好ましい実施形態によれば、使用されるカチオン性界面活性剤は、カチオン性電荷をもつ疎水性先端基及び1つ又は2つの疎水性末端部分を含み、ここで、疎水性末端部分は、直鎖又は分枝鎖、飽和又は、モノ又はポリ不飽和アルキル基を表し、好ましくはC6~C30、より好ましくはC8~C26、特に好ましくはC10~C22の鎖長を有する。もう1つの好ましい実施形態によれば、カチオン性界面活性剤は、エステル官能基、エーテル官能基、ケトン官能基、アルコール官能基、又はアミド官能基を有する。
【0225】
本発明の好ましい実施形態によれば、無水キャリア媒体又は水相は、さらなる成分としてさらなる非イオン性界面活性剤を含み、無水キャリア媒体又は水相は、好ましくは以下からなる群から選択される非イオン性界面活性剤を含む:
-飽和又は不飽和、分枝鎖又は非分枝鎖のC6~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基を含むアルキルグルカミド、
-飽和又は不飽和、分枝鎖又は非分枝鎖のC6~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16のアルキル基を含むアルキルフルクトシド、
-飽和又は不飽和、分枝鎖又は非分枝鎖のC6~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16のアルキル基を含むアルキルグルコシド、及び
-式R10(OR11)mOHのアルキルアルコールアルコキシレート、式中、R10は、直鎖又は分枝鎖のC6~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16のアルキル基を表し、R11は、C2~C4、好ましくはC2のアルキル基を表し、mは、1~10、好ましくは2~6、より好ましくは2~6を表す。
【0226】
本発明の好ましい実施形態によれば、1種以上のさらなるアニオン性界面活性剤が、無水キャリア媒体又は水相中の成分として存在し、好ましくは、以下からなる群から選択される:
-8~24、好ましくは12~22、より好ましくは16~18の炭素数を有する直鎖アルファオレフィンスルホネート、
-8~24、好ましくは12~22、より好ましくは16~18の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖、飽和又は、モノ又はポリ不飽和アルキルカルボン酸、
-8~24、好ましくは12~22、より好ましくは16~18の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖、飽和又は、モノ又はポリ不飽和のアルキルホスフェート、
-アルキル基が分枝鎖又は非分枝鎖のC6~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16のアルキル基から選択されるアルキルイセチオネート、特にココイルイセチオネートナトリウム、
-アルキル基が分枝鎖又は非分枝鎖のC6~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16のアルキル基から選択されるアルキルグリコシドカルボン酸、
-2つのアルキル基が同一又は異なる、分枝鎖、又は非分枝鎖のC2~C12、好ましくはC4~C10、より好ましくはC6~C8のアルキル基から選択されるアルキルスルホサクシネート、
-アルキル基が分枝鎖又は非分枝鎖のC6~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16のアルキル基から選択されるアルキルタウレート、
-アルキル基が分枝鎖又は非分枝鎖のC6~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16のアルキル基から選択されるアルキルサルコシネート、
-8~24、好ましくは12~22、より好ましくは16~18の炭素原子、及び1~6の二重結合を有する不飽和脂肪酸のスルホネート。
【0227】
ここで、アニオン性界面活性剤の対イオンは、アルカリ又はアルカリ土類金属イオン又はプロトン化されたトリエタノールアミン又はアンモニウムイオンである。
【0228】
好ましくは、水相は、アニオン性及び両性/双性イオン性界面活性剤ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(INCI:ラウレス硫酸ナトリウム)及び非常に好ましくは2つのエチレンオキシド単位を有する、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムの界面活性剤混合物を含有する。
【0229】
双性イオン界面活性剤としても知られる、両性界面活性剤は、分子内に少なくとも1つの四級アンモニウム基及び少なくとも1つの-COO-又は-SO3
-基を含有する界面-活性化合物である。両性/双性イオン界面活性剤はまた、C8~C24アルキル又はアシル基に加えて、少なくとも1つの遊離アミノ基及び少なくとも1つの-COOH又は-SO3H基を含有し、内部に塩を形成することができる界面-活性化合物を含有する。
【0230】
本発明の好ましい実施形態によれば、無水キャリア媒体又は水相は、さらなる成分として少なくとも1種の両性界面活性剤を含有する。好ましくは、無水キャリア媒体中の両性界面活性剤は、以下からなる群から選択される。
-少なくとも1つの飽和又は不飽和、分枝鎖又は非分枝鎖のC6~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16のアルキル基を含むアルキルベタイン、
-両性ジアセテートアルキル又はアルカリ又はアルカリ土類金属対イオンを有する、飽和又は不飽和、分枝鎖又は非分枝鎖のC6~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基を含む両性ジアセテートアルキル、及び
-少なくとも1つの飽和又は不飽和、分枝鎖又は非分枝鎖のC6~C22、好ましくはC10~C18、より好ましくはC12~C16アルキル基を含むアルキルアミドプロピルベタイン。
【0231】
特に適する両性/双性イオン界面活性剤は、コカミドプロピルベタイン及びココアンホジ酢酸2NaのINCI名称で知られているものを含有する。
【0232】
特に、無水キャリア媒体は、ケラチン材料を着色するための薬剤、ケラチン材料をコンディショニングするための薬剤、及び/又はケラチン材料をコンディショニング及び着色するための薬剤、を調製するために使用することができる。
【0233】
ケラチン材料を処理するための無水キャリア媒体又は水相は、さらに0.001~20重量%の少なくとも1つの四級化合物を含むことが好ましい場合がある。これは、ケラチン材料のケアのための、又はケラチン材料のケア及び洗浄のための薬剤の調整のために使用される無水キャリア媒体又は水性相に適用される。
【0234】
少なくとも1種の四級化合物は、以下からなる群の少なくとも1種から選択されることが好ましい:
i)モノアルキル四級化合物(Monoalkylquats)、及び/又は
ii)エステル四級化合物(Esterquats)、及び/又は
iii)式(Tkat 2)の四級イミダゾリン
【0235】
【0236】
式中、基Rは、互いに独立して、炭素原子8~30の鎖長を有する飽和又は不飽和、直鎖又は分枝鎖の炭化水素基をそれぞれ表し、Aは、生理学的に許容されるアニオンを表し、及び/又は
iV)アミドアミン及び/又はカチオン化されたアミドアミン及び/又は
V)ポリ(メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム化合物)及び/又は
Vi)四級化されたセルロース誘導体、ポリクオタニウム10、ポリクオタニウム-24、ポリクオタニウム-27、ポリクオタニウム-67、ポリクオタニウム-72、及び/又は
Vii)カチオン性アルキルポリグリコシド及び/又は
Viii)カチオン化されたハチミツ及び/又は
ix)カチオン性グアー(guar)誘導体及び/又は
x)キトサン及び/又は
xi)アクリル酸及びメタクリル酸のエステル及びアミドをもつ重合体のジメチルジアリルアンモニウム塩及びそのコポリマー、特にポリクオタニウム-7及び/又は
xii)ジアルキルアミノアルキルアクリレート及びメタクリレートの四級化された誘導体とビニルピロリドンとのコポリマー、特にポリクオタニウム-11及び/又は
xiii)ビニルピロリドン-ビニルイミダゾリウムメトクロリドコポリマー、特にポリクオタニウム-16及び/又は
xiv)四級化されたポリビニルアルコール及び/又は
xv)ポリクオタニウム-74
及びそれらの混合物。
【0237】
無水キャリア媒体又は水相は、四級化合物としてINCI名称ポリクオタニウム-37に該当するカチオン性ホモポリマーを含有することが好ましい。
【0238】
無水キャリア媒体又は水相が、ワックス、合成ポリマー、及びそれらの混合物からなる群から好ましくは選択される、固化化合物をさらに含むことが好ましい場合がある。
【0239】
ケラチン材料の一時的な再形成のためにケラチン材料を処理するための薬剤(=スタイリング剤)を調製するために使用される化粧剤の異なる要求を満たすために、ケラチン材料を処理するための薬剤に使用することができる固化化合物として、多くの合成ポリマーが既に開発されている。代替的に、又は相補的に、ワックスが固化化合物として使用される。理想的には、ポリマー及び/又はワックスは、ケラチン材料に適用される場合、一方では髪型に強い保持力を与え、他方では、負担がかかる場合、破断しないように十分に柔軟である、ポリマーフィルム又はシートをもたらす。
【0240】
合成ポリマーは、カチオン、アニオン、非イオン、及び両性固化ポリマーに分けることができる。
【0241】
適切な合成ポリマーとしては、例えば、以下のINCI名称をもつポリマーが挙げられる:アクリルアミド/アクリレーツコポリマーンモニウム(Acrylamides/Ammonium Acrylate Copolymer)、(アクリルアミド/アクリル酸DMAPA/メタクリル酸メトキシPEG)コポリマー(Acrylamides/DMAPA Acrylates/Methoxy PEG Methacrylate Copolymer)、(アクリル酸アミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリル酸アミド)コポリマー(Acrylamidopropyltrimonium Chloride/Acrylamide Copolymer)、(アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリレーツ)コポリマー(Acrylamidopropyltrimonium Chloride/Acrylates Copolymer)、(メタクリル酸アセトアセトキシエチル/アクリレーツ)コポリマー(Acrylates/Acetoacetoxyethyl Methacrylate Copolymer)、(アクリル酸アルキル/アクリルアミド)コポリマー(Acrylates/Acrylamide Copolymer)、(アクリレーツ/メタクリル酸アンモニウム)コポリマー(Acrylates/Ammonium Methacrylate Copolymer)、(アクリレーツ/メタクリル酸アンモニウム)コポリマー(Acrylates/Ammonium Methacrylate Copolymer)、(アクリレーツ/t-ブチルアクリルアミド)コポリマー(Acrylates/t-Butyl Acrylamide Copolymer)、アクリレーツコポリマー(Acrylates Copolymer)、(アクリレーツ/コハク酸アルキル(C1,2)/アクリル酸ヒドロキシアルキル)コポリマー(Acrylates/C1-2Succinates/Hydroxyacrylates Copolymer)、(アクリレーツ/アクリル酸ラウリル/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマー(Acrylates/Lauryl Acrylate/Stearyl Acrylate/Ethylamine Oxide Methacrylate Copolymer)、(アクリレーツ/オクチルアクリルアミド)コポリマー(Acrylates/Octylacrylamide Copolymer)、(アクリレーツ/アクリル酸オクチルアクリルアミド/ジフェニルアモジメチコン)コポリマー(Acrylates/Octylacrylamide/Diphenyl Amodimethicone Copolymer)、(アクリレーツ/アクリル酸ステアリル/メタクリル酸エチルアミンオキシド)コポリマー(Acrylates/Stearyl Acrylate/Ethylamine Oxide Methacrylate Copolymer)、(アクリレーツ/VA)コポリマー(Acrylates/VA Copolymer)、(アクリレーツ/アクリル酸ヒドロキシアルキル)コポリマー(Acrylates/Hydroxyesters Acrylates Copolymer)、(アクリレーツ/VP)コポリマー(Acrylates/VP Copolymer)、(アジピン酸/ジエチレントリアミン)コポリマー(Adipic Acid/Diethylenetriamine Copolymer)、(アジピン酸/ジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミン)コポリマー(Adipic Acid/Dimethylaminohydroxypropyl Diethylenetriamine Copolymer)、ポリアミドエピクロルヒドリン(Adipic Acid/Epoxypropyl Diethylenetriamine Copolymer)、(アジピン酸/イソフタル酸/ネオペンチルグリコール/トリメチロールプロパン)コポリマー(Adipic Acid/Isophthalic Acid/Neopentyl Glycol/Trimethylolpropane Copolymer)、(ステアリン酸アリル/VA)コポリマー(Allyl Stearate/VA Copolymer)、(アミノエチルアクリレートホスフェート/アクリレート)コポリマー(Aminoethylacrylate Phosphate/Acrylates Copolymer)、(アミノエチルプロパンジオールアクリレート/アクリルアミド)コポリマー、(アミノエチルプロパンジオールAMPD-アクリレート/ジアセトンアクリルアミド)コポリマー(Aminoethylpropanediol-AMPD-Acrylates/Diacetone Acrylamide Copolymer)、(アンモニウムアクリレート/VA/アクリレート)コポリマー(Ammonium-Acrylates/VA/Acrylates Copolymer)、(アクリレーツ/アクリルアミド)コポリマーAMPD(AMPD-Acrylates/Acrylamides Copolymer)、(アクリレーツ/アクリルアミド/メタクリル酸アリル)コポリマーAMPD(AMPD-Acrylates/Acrylamides/Allyl Methacrylate Copolymer)、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1-18)/アルキル(C1-8)アクリルアミド)コポリマーAMP(AMP-Acrylates/C1-18 Alkyl Acrylates/C1-8 Alkyl Acrylamide Copolymer)、(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP(AMP-Acrylates/Diacetoneacrylamide Copolymer)、(アクリル酸アルキル/メタクリル酸ジメチルアミノエチル)コポリマーAMP(AMP-Acrylates/Dimethylaminoethylmethacrylate Copolymer)、バチルス/(コメヌカエキス/ダイズエキス)発酵液(Bacillus/Rice Bran Extract/Soybean Extract Ferment Filtrate)、(ビスブチロキシアモジメチコン/PEG-60)コポリマー(Bis-Butyloxyamodimethicone/PEG-60 Copolymer)、(アクリル酸ブチル/メタクリル酸エチルヘキシル)コポリマー(Butyl Acrylate/Ethylhexyl Methacrylate Copolymer)、(アクリル酸ブチル/アクリル酸ヒドロキシプロピルジメチコン)コポリマー(Butyl Acrylate/Hydroxypropyl Dimethicone Acrylate Copolymer)、ブチル化PVP(Butylated PVP)、(エチレンブチルエステル/マレイン酸)コポリマー(Butyl Ester of Ethylene/MA Copolymer)、(ビニルメチルエーテル/マレイン酸ブチル)コポリマー(Butyl Ester of PVM/MA Copolymer)、(PVM/MA)コポリマー(Ca/Na)(Calcium/Sodium PVM/MA Copolymer)、(コーンスターチ/アクリルアミド/アクリル酸Na)コポリマー(Corn Starch/Acrylamide/Sodium Acrylate Copolymer)、(ジエチレングリコールアミン/エピクロロヒドリン/ピペラジン)コポリマー(Diethylene Glycolamine/Epichlorohydrin/Piperazine Copolymer)、ジメチコンクロスポリマー(Dimethicone Crosspolymer)、ジフェニルアモジメチコン(Diphenyl Amodimethicone)、(ビニルメチルエーテル/マレイン酸エチル)コポリマー(Ethyl Ester of PVM/MA Copolymer)、(加水分解コムギタンパク/PVP)クロスポリマー(Hydrolyzed Wheat Protein/PVP Crosspolymer)、(イソブチレン/マレイン酸エチルイミド/マレイン酸ヒドロキシエチルイミド)コポリマー(Isobutylene/Ethylmaleimide/Hydroxyethylmaleimide Copolymer)、(イソブチレン/マレイン酸)コポリマー(Isobutylene/MA Copolymer)、(メタクリル酸イソブチル/アクリル酸ビスヒドロキシプロピルジメチコン)コポリマー(Isobutylmethacrylate/Bis-hydroxypropyl Dimethicone Acrylate Copolymer)、(PVM/MAアクリレートのイソプロピルエステル)クロスポリマー(Isopropyl Ester of PVM/MA Acrylate Crosspolymer)、(メタクリル酸ラウリル/ジメタクリル酸グリコール)クロスポリマー(Lauryl Methacrylate/Glycol Dimethacrylate Crosspolymer)、亜硫酸MEA(MEA-Sulphite)、(メタクリル酸/アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸Na)コポリマー(Methacrylic Acid/Sodium Acrylamidomethyl Propane Sulphonate Copolymer)、(メタクリル酸エチルベタイン/アクリレーツ)コポリマー(Methacryloyl Ethyl Betaine/Acrylates Copolymer)、(オクチルアクリルアミド/アクリレーツ/メタクリル酸ブチルアミノエチル)コポリマー(Octylacrylamide/Acrylates/Butylaminoethyl Methacrylate Copolymer)、PEG/PPG-25/25ジメチコン(PEG/PPG-25/25 Dimethicone)、(PEG-8/SMDI)コポリマー(PEG-8/SMDI Copolymer)、ポリアクリルアミド(Polyacrylamide)、ポリアクリレート-6(Polyacrylate-6)、(ポリベータアラニン/グルタル酸)クロスポリマー(Polybeta-Alanine/Glutaric Acid Crosspolymer)、ポリブチレンテレフタレート(Polybutylene Terephthalate)、ポリエステル-1(Polyester-1)、ポリアクリル酸エチル(Polyethylacrylate)、PET(Polyethylene Terephthalate)、ポリメタクリロイルエチルベタイン(Polymethacryloyl Ethyl Betaine)、テレフタル酸ポリペンタエリスリチル(Polypentaerythrityl Terephthalate)、ポリパーフルオロペルヒドロフェナントレン(Polyperfluoroperhydrophenanthrene)、ポリクオタニウム-1(Polyquaternium-1)、ポリクオタニウム-2(Polyquaternium-2)、ポリクオタニウム-4(Polyquaternium-4)、ポリクオタニウム-5(Polyquaternium-5)、ポリクオタニウム-6(Polyquaternium-6)、ポリクオタニウム-7(Polyquaternium-7)、ポリクオタニウム-8(Polyquaternium-8)、ポリクオタニウム-9(Polyquaternium-9)、ポリクオタニウム-10(Polyquaternium-10)、ポリクオタニウム-11(Polyquaternium-11)、ポリクオタニウム-12(Polyquaternium-12)、ポリクオタニウム-13(Polyquate
rnium-13)、ポリクオタニウム-14(Polyquaternium-14)、ポリクオタニウム-15(Polyquaternium-15)、ポリクオタニウム-16(Polyquaternium-16)、ポリクオタニウム-17(Polyquaternium-17)、ポリクオタニウム-18(Polyquaternium-18)、ポリクオタニウム-19(Polyquaternium-19)、ポリクオタニウム-20(Polyquaternium-20)、ポリクオタニウム-22(Polyquaternium-22)、ポリクオタニウム-24(Polyquaternium-24)、ポリクオタニウム-27(Polyquaternium-27)、ポリクオタニウム-28(Polyquaternium-28)、ポリクオタニウム-29(Polyquaternium-29)、ポリクオタニウム-30(Polyquaternium-30)、ポリクオタニウム-31(Polyquaternium-31)、ポリクオタニウム-32(Polyquaternium-32)、ポリクオタニウム-33(Polyquaternium-33)、ポリクオタニウム-34(Polyquaternium-34)、ポリクオタニウム-35(Polyquaternium-35)、ポリクオタニウム-36(Polyquaternium-36)、ポリクオタニウム-37(Polyquaternium-37)、ポリクオタニウム-39(Polyquaternium-39)、ポリクオタニウム-45(Polyquaternium-45)、ポリクオタニウム-46(Polyquaternium-46)、ポリクオタニウム-47(Polyquaternium-47)、ポリクオタニウム-48(Polyquaternium-48)、ポリクオタニウム-49(Polyquaternium-49)、ポリクオタニウム-50(Polyquaternium-50)、ポリクオタニウム-55(Polyquaternium-55)、ポリクオタニウム-56(Polyquaternium-56)、ポリシリコーン-9(Polysilicone-9)、ポリウレタン-1(Polyurethane-1)、ポリウレタン-6(Polyurethane-6)、ポリウレタン-10(Polyurethane-10)、ポリ酢酸ビニル(Polyvinyl Acetate)、ポリビニルブチラール(Polyvinyl Butyral)、ポリビニルカプロラクタム(Polyvinylcaprolactam)、ポリビニルホルムアミド(Polyvinylformamide)、ポリビニルイミダゾリニウムアセテート(Polyvinyl Imidazolinium Acetate)、ポリビニルメチルエーテル(Polyvinyl Methyl Ether)、(ビニルメチルエーテル/マレイン酸ブチル)コポリマー(K)(Potassium Butyl Ester of PVM/MA Copolymer)、(ビニルメチルエーテル/マレイン酸エチル)コポリマー(K)(Potassium Ethyl Ester of PVM/MA Copolymer)、PPG-70ポリグリセリル-10(PPG-70 polyglyce ryl-10 Ether)、(PPG-12/SMDI)コポリマー(PPG-12/SMDI Copolymer)、(PPG-51/SMDI)コポリマー(PPG-51/SMDI Copolymer)、PPG-10ソルビトール(PPG-10 Sorbitol)、(メチルビニルエーテル/マレイン酸)コポリマー(PVM/MA Copolymer)、PVP(PVP)、(PVP/VA/イタコン酸)コポリマー(PVP/VA/Itaconic Acid Copolymer)、(PVP/VA/プロピオン酸ビニル)コポリマー(PVP/VA/Vinyl Propionate Copolymer)、リゾビアンガム(Rhizobian Gum)、ロジンアクリレート(Rosin Acrylate)、セラック(Shellac)、(ビニルメチルエーテル/マレイン酸ブチル)コポリマー(Na)(Sodium Butyl Ester of PVM/MA Copolymer)、(ビニルメチルエーテル/マレイン酸エチル)コポリマー(Na)(Sodium Ethyl Ester of PVM/MA Copolymer)、ポリアクリル酸Na(Sodium Polyacrylate)、カラーヤガム(Sterculia Urens Gum)、(テレフタル酸/イソフタル酸/イソフタル酸スルホン酸Na/グリコール)コポリマー(Terephthalic Acid/Isophthalic Acid/Sodium Isophthalic Acid Sulfonate/Glycol Copolymer)、トリアクリル酸トリメチロールプロパン(Trimethylolpropane Triacrylate)、トリ(トリメチルシロキシ)シリルプロピルカルバミド酸プルラン(Trimethylsiloxysilylcarbamoyl Pullulan)、(VA/クロトン酸)コポリマー(VA/Crotonates Copolymer)、(VA/クロトン酸/メタクリロキシベンゾフェノン-1)コポリマー(VA/Crotonates/Methacryloxybenzophenone-1 Copolymer)、(VA/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル)コポリマー(VA/Crotonates/Vinyl Neodecanoate Copolymer)、(VA/クロトン酸/プロピオン酸ビニル)コポリマー(VA/Crotonates/Vinyl Propionate Copolymer)、(VA/DBM)コポリマー(VA/DBM Copolymer)、(VA/t-ブチル安息香酸ビニル/クロトン酸)コポリマー(VA/Vinyl Butyl Benzoate/Crotonates Copolymer)、(ビニルアミン/ビニルアルコール)コポリマー(Vinylamine/Vinyl Alcohol Copolymer)、(ビニルカプロラクタム/VP/メタクリル酸ジメチルアミノエチル)コポリマー(Vinyl Caprolactam/VP/Dimethylaminoethyl Methacrylate Copolymer)、(ビニルピロリドン/アクリレーツ/メタクリル酸ラウリル)コポリマー(VP/Acrylates/Lauryl Methacrylate Copolymer)、(VP/メタクリル酸ジメチルアミノエチル)コポリマー(VP/Dimethylaminoethylmethacrylate Copolymer)、(VP/アクリル酸DMAPA)コポリマー(VP/DMAPA Acrylates Copolymer)、(VP/ヘキサデセン)コポリマー(VP/Hexadecene Copolymer)、(VP/VA)コポリマー(VP/VA Copolymer)、(VP/ビニルカプロラクタム/アクリル酸DMAPA)コポリマー(VP/Vinyl Caprolactam/DMAPA Acrylates Copolymer)、酵母パルミチン酸(Yeast Palmitate)及び(スチレン/ビニルピロリドン)コポリマー(Styrene/VP Copolymer)。ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びメチルヒドロキシプロピルセルロースのようなセルロースエーテルもまた適している。
【0242】
また、カルボポール(Carbopol)(R)の呼称の下で種々の形態にて市販されているホモポリアクリル酸(INCI:カルボマー(Carbomer))は、固化化合物として適している。
【0243】
好ましくは、前記固化化合物は、ビニルピロリドン-含有ポリマーを含む。特に好ましくは、前記固化化合物は、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー(VP/VAコポリマー)、(ビニルカプロラクタム/VP/メタクリル酸ジメチルアミノエチル)コポリマー(INCI)、(VP/アクリル酸DMAPA)コポリマー(INCI)及びそれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含む。
【0244】
もう1つの好ましい凝固している化合物は、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(INCI)であり、これは、アクゾノーベル(Akzo Nobel)により「アンフォマー(Amphomer)(R)」の呼称の下で市販されている。
【0245】
したがって、前記固化化合物は、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー(VP/VAコポリマー)、(ビニルカプロラクタム/VP/メタクリル酸ジメチルアミノエチル)コポリマー(INCI)、(ビニルカプロラクタム/VP/メタクリル酸ジメチルアミノエチル)コポリマー(INCI)、(VP/アクリル酸DMAPA)コポリマー(INCI)、(オクチルアクリルアミド/アクリレーツ/メタクリル酸ブチルアミノエチル)コポリマー(INCI)及びそれらの混合物からなる群から選択される合成ポリマーを含むことが特に好ましい。
【0246】
化粧品組成物は、合成ポリマーに加えて、又は代替物として、37℃を超える融点を有する少なくとも1つの天然又は合成ワックスを固化化合物として含有してもよい。
【0247】
天然又は合成ワックスは固体ケロシン又はイソパラフィンであり得て、カンデリラワックス、カルナウバろう、エスパルトグラス(Espartograswachs)ワックス、木ろう(Japanwachs)、コルクワックス(Korkwachs)、サトウキビワックス、オリキュリーワックス(Ouricurywachs)、モンタンワックス(Montanwachs)、ヒマワリワックス、フルーツワックス、等の植物ワックス(Pflanzenwachse)、及びみつろう(Bienenwachse)及び他の昆虫のワックス、ホエールワックス、セラックろう、ウールワックス及びブラッシンググリース(Buerzelfett)等の動物ワックス、更にセレジン及びオゾケライト等のミネラルワックス又はペトロラタム、パラフィンワックス、ポリエチレン又はポリプロピレンのマイクロワックス及びポリエチレングリコールワックス等の石油化学製品ワックスを使用することができる。水素添加又は硬化ワックスを使用することが有利であり得る。化学的に変性されたワックス、特にモンタンエステルワックス、サゾールワックス及び水素添加されたホホバワックス(Jojobawachse)のような硬質ワックスも使用することができる。
【0248】
また、飽和の、要すればヒドロキシ化された水素添加トリグリセリド脂肪(水素添加パーム油、水素添加ココナッツ油、水素添加ヒマシ油)のようなC16~30脂肪酸、グリセリルトリベヘネート又はグリセリルトリ-12-ヒドロキシステアレートのトリグリセリドもまた適している。
【0249】
ワックス成分はまた、炭素原子22~44の鎖長を有する飽和、非分枝鎖のアルカンカルボン酸と炭素原子22~44の鎖長を有する飽和、非分枝鎖のアルコールとのエステルの群から選択することができ、ワックス成分又はワックス成分全体が室温で固体であることを条件とする。シリコーンワックス、例えば、ステアリルトリメチルシラン/ステアリルアルコールも有益であり得る。
【0250】
天然、化学修飾、合成ワックスは単独で又は組み合わせて使用することもできる。しかしながら、これは、本発明による無水キャリア媒体中に必然的に存在する、アルカンを含有することを意図していない。複数のワックスを使用することもできる。さらに、おそらく他の添加剤と混合された、いくつかのワックス混合物も市販されている。「スペシャルワックス(Spezialwachs)7686 OE」(製造者:Kahl&Co、73~75℃の融点範囲をもつパルミチン酸セチル、みつろう、微結晶ワックス及びポリエチレンの混合物)、ポリワックス(Polywax)(R) GP 200 (製造者:Croda、47~51℃の融点範囲をもつステアリルアルコール及びステアリン酸ポリエチレングリコールの混合物)及び「ソフトセレシン(Weichceresin)(R) FL 400」(製造者:Parafluid Mineral Oil Company(Parafluid Mineraloelgesellschaft))、50~54℃の融点をもつワセリン/ワセリン油/ワックス混合物)という名称で販売されている製品は、使用可能な混合物の例である。
【0251】
好ましくは、ワックスは、カルナウバろう(Carnaubawachs)(INCI:コペルニシア・セリフェラ・セラ(Copernicia Cerifera Cera)、みつろう(INCI:Beeswax)、ワセリン(INCI)、微結晶ワックス、及び特にそれらの混合物から選択される。
【0252】
好ましいブレンドは、カルナウバろう(Carnaubawachs)(INCI:コペルニシア・セリフェラ・セラ(Copernicia Cerifera Cera)、ワセリン及び微結晶ワックスの組み合わせ、又はみつろう(INCI:Beeswax)及びワセリンの組み合わせを含有する。
【0253】
ワックス又はワックス成分は、25℃で固体であり、>37℃の範囲で溶融すべきである。
【0254】
無水キャリア媒体又は水相は、化粧品組成物の総重量を基準にして、0.5~50重量%、好ましくは1~40重量%、より好ましくは1.5~30重量%、さらにより好ましくは2~25重量%の総量で固化化合物を含有することが好ましい。
【0255】
他の適切な成分は、非イオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、(さらに)カチオン性ポリマー、ワックス、タンパク質加水分解物、アミノ酸、オリゴペチド、ビタミン、プロビタミン、ビタミン前駆体、ベタイン、バイオキノン(biochinones)、プリン(誘導体)、植物抽出物、シリコーン、エステル油、UV光フィルター、構造化剤、増粘剤、電解質、pH調整剤、膨潤剤、着色剤、抗ふけ剤、錯化剤、乳白剤、真珠光沢剤、顔料、安定化剤、推進薬、抗酸化剤、香油及び/又は保存料を含有する。
【0256】
本出願のもう1つの目的は、ケラチン材料を着色するため、又はケラチン材料を維持及び着色するための2成分システムの使用である。
【0257】
使用のさらなる好ましい実施形態については、無水キャリア媒体について述べたことが準用される。
【国際調査報告】