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特表2022-510681ポリスチレン-b-ポリ(メチルメタクリレート)ジブロックコポリマーのコンタクトホール自己集合のための高速架橋可能な中性下層及びそれらの調合物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-27
(54)【発明の名称】ポリスチレン-b-ポリ(メチルメタクリレート)ジブロックコポリマーのコンタクトホール自己集合のための高速架橋可能な中性下層及びそれらの調合物
(51)【国際特許分類】
   C08F 220/12 20060101AFI20220120BHJP
   C08F 212/06 20060101ALI20220120BHJP
   C08F 220/32 20060101ALI20220120BHJP
   H01L 21/312 20060101ALI20220120BHJP
【FI】
C08F220/12
C08F212/06
C08F220/32
H01L21/312 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531967
(86)(22)【出願日】2019-12-04
(85)【翻訳文提出日】2021-07-09
(86)【国際出願番号】 EP2019083589
(87)【国際公開番号】W WO2020115090
(87)【国際公開日】2020-06-11
(31)【優先権主張番号】62/776,802
(32)【優先日】2018-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】バスカラン・ドゥライラジュ
(72)【発明者】
【氏名】ラーマン・エムディー・エス
(72)【発明者】
【氏名】モンリアル・ヴィクター
【テーマコード(参考)】
4J100
5F058
【Fターム(参考)】
4J100AB02Q
4J100AB07R
4J100AL03P
4J100AL10S
4J100BC12R
4J100CA06
4J100DA01
4J100DA04
4J100FA03
4J100FA19
4J100FA28
4J100JA43
5F058AC10
5F058AF04
5F058AG02
(57)【要約】
本発明は、構造(I)、(II)、(III)及び(IV)の繰り返し単位を含むランダムコポリマーに関する。本発明はまた、前記ランダムコポリマーを含む中性層組成物にも関し、また、架橋された中性層を被覆するブロックコポリマーの膜の自己集合を可能にし得る架橋された中性層膜を基材上に作製するための前記中性層組成物の使用であって、前記ブロックコポリマーがエッチング耐性ブロック及びエッチング可能なブロックを含み、かつその自己集合パターンが、エッチングを介して、前記基材上にコンタクトホールまたはポストのアレイのいずれかを生成するために使用される、前記使用にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造(I)、(II)、(III)及び(IV)の以下の繰り返し単位を含むランダムポリマー。
【化1】
[式中、
はC1~C4アルキルからなる群から選択され、
、R、R及びRはH及びC1~C4アルキルからなる群から独立して選択され、
はC1~C4アルキルであり、そしてnは0~5の整数であり、そして
はC1~C4アルキレンから選択されるアルキレンである]
【請求項2】
構造(I)、(II)、(III)及び(IV)の繰り返し単位から本質的になる、請求項1に記載のランダムコポリマー。
【請求項3】
前記ランダムコポリマーの各ポリマー鎖が、構造(V)のベンジルアルコール含有部分である第一の末端基を更に含み、ここで
n’は整数でありそして1~5の範囲であり;
n’’は整数でありそして1~5の範囲であり;
n’’’は整数でありそして1~5の範囲であり;
はC1~C8アルキルであり、Xは-CNまたはアルキルオキシカルボニル部分R-O-(C=O)-であり、ここで、RはC1~C8アルキルであり、そして
【化2】
は、前記ランダムコポリマーへの前記末端基の結合点を表す、請求項1または2に記載のランダムコポリマー。
【化3】
【請求項4】
nが0であり、
及びRが、CH及びHからなる群から独立して選択され、
及びRがHであり、そして
がC1~C3アルキレンである、
請求項1~3のいずれか一つに記載のランダムコポリマー。
【請求項5】
がメチルである、請求項1~4のいずれか一つに記載のランダムコポリマー。
【請求項6】
がメチルである、請求項1~5のいずれか一つに記載のランダムコポリマー。
【請求項7】
がHである、請求項1~6のいずれか一つに記載のランダムコポリマー。
【請求項8】
がHである、請求項1~7のいずれか一つに記載のランダムコポリマー。
【請求項9】
がメチルである、請求項1~8のいずれか一つに記載のランダムコポリマー。
【請求項10】
がメチレンである、請求項1~9のいずれか一つに記載のランダムコポリマー。
【請求項11】
、R及びRがメチルであり、R及びRがHであり、Rがメチレンであり、そしてn=0である、請求項1~10のいずれか一つに記載のランダムコポリマー。
【請求項12】
前記第一の末端基が構造(Va)を有する、請求項3~11のいずれか一つに記載のランダムコポリマー。
【化4】
【請求項13】
前記第一の末端基が構造(Vb)を有する、請求項3~12のいずれか一つに記載のランダムコポリマー。
【化5】
【請求項14】
前記第一の末端基が構造(Vc)を有する、請求項3~13のいずれか一つに記載のランダムコポリマー。
【化6】
【請求項15】
前記第一の末端基が構造(Vd)を有する、請求項3~14のいずれか一つに記載のランダムコポリマー。
【化7】
【請求項16】
各ポリマー鎖中に、H及びC1~C4アルキル部分から選択される第二の末端基を更に含む、請求項3~15のいずれか一つに記載のランダムコポリマー。
【請求項17】
前記第二の末端基がHである、請求項3~16のいずれか一つに記載のランダムコポリマー。
【請求項18】
全繰り返し単位の全モル数に基づいて、
構造(I)の繰り返し単位が約28モル%~約78モル%の範囲で存在し、
構造(II)の繰り返し単位が約5モル%~約70モル%の範囲で存在し、
構造(III)の繰り返し単位が約15モル%~約25モル%の範囲で存在し、
構造(IV)の繰り返し単位が約0.5モル%~約3モル%の範囲で存在し、
及び
これらの繰返し単位についての各モル%は、前記ランダムコポリマー中に存在する繰返し単位についての全繰返し単位モル%値の合計が100モル%に等しくなるように独立して選択される、
請求項1~17のいずれか一つに記載のランダムコポリマー。
【請求項19】
全ての繰り返し単位の全モル数に基づいて、
構造(I)の繰り返し単位が約28モル%~約58モル%の範囲で存在し、
構造(II)の繰り返し単位が約20モル%~約40モル%の範囲で存在し、
構造(III)の繰り返し単位が約15モル%~約25モル%の範囲で存在し、
構造(IV)の繰り返し単位が約0.5モル%~約3モル%の範囲で存在し、そして
構造(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%の合計が約40モル%~約65モル%の範囲であり、そして
これらの繰り返し単位についての各モル%が、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位についての全繰り返し単位モル%値の合計が100モル%に等しくなるように独立して選択される、
請求項1~18のいずれか一つに記載のランダムコポリマー。
【請求項20】
全ての繰り返し単位の全モル数に基づいて、
構造(I)の繰り返し単位が約35モル%~約55モル%の範囲で存在し、
構造(II)の繰り返し単位が約25モル%~約35モル%の範囲で存在し、
構造(III)の繰り返し単位が約18モル%~約22モル%の範囲で存在し、
構造(IV)の繰り返し単位が約1モル%~約2.5モル%の範囲で存在し、
構造(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%の合計が約40モル%~約65モル%の範囲に存在し、そして
これらの繰り返し単位についての各モル%が、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位についての全繰り返し単位モル%値の合計が100モル%に等しくなるように独立して選択される、
請求項1~19のいずれか一つに記載のランダムコポリマー。
【請求項21】
全ての繰り返し単位の全モル数に基づいて、
構造(I)の繰り返し単位が約48モル%~約78モル%の範囲で存在し、
構造(II)の繰り返し単位が約5モル%~約20モル%の範囲で存在し、
構造(III)の繰り返し単位が約15モル%~約25モル%の範囲で存在し、構造(IV)の繰り返し単位が約0.5モル%~約3モル%の範囲で存在し、
構造(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%の合計が約20モル%~約45モル%の範囲に存在し、そして
これらの繰り返し単位についての各モル%が、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位についての全繰り返し単位モル%値の合計が100モル%に等しくなるように独立して選択される、
請求項1~20のいずれか一つに記載のランダムコポリマー。
【請求項22】
全ての繰り返し単位の全モル数に基づいて、
構造(I)の繰り返し単位が約50モル%~約70モル%の範囲で存在し、
構造(II)の繰り返し単位が約7モル%~約15モル%の範囲で存在し、
構造(III)の繰り返し単位が約18モル%~約22モル%の範囲で存在し、
構造(IV)の繰り返し単位が約1モル%~約2.5モル%の範囲で存在し、
構造(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%の合計が約25モル%~約35モル%の範囲に存在し、そして
これらの繰り返し単位についての各モル%が、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位についての全繰り返し単位モル%値の合計が100モル%に等しくなるように独立して選択される、
請求項1~21のいずれか一つに記載のランダムコポリマー。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか一つに記載の前記ランダムコポリマー及びスピンキャスト用溶剤を含む、組成物。
【請求項24】
請求項1~22のいずれか一つに記載の少なくとも二種の前記ランダムコポリマーの混合物とスピンキャスト用溶剤とを含む、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
請求項19または20に記載の前記ランダムコポリマー及びスピンキャスト用溶剤を含む、組成物。
【請求項26】
少なくとも二種の前記ランダムコポリマーの混合物を含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
単一の前記ランダムコポリマーを含む、請求項25に記載の組成物。
【請求項28】
請求項1~22のいずれか一つに記載の少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、但し、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数に基づいて、
構造(I)の繰り返し単位が約28モル%~約58モル%の範囲で存在し、
構造(II)の繰り返し単位が約20モル%~約40モル%の範囲で存在し、
構造(III)の繰り返し単位が約15モル%~約25モル%の範囲で存在し、
構造(IV)の繰り返し単位が約0.5モル%~約3モル%の範囲で存在し、
構造(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%の合計が約40モル%~約65モル%の範囲に存在し、そして
これらの繰り返し単位についての各モル%が、ランダムコポリマーの前記ブレンド中に存在する繰り返し単位についての全繰り返し単位モル%値の合計が100モル%に等しくなるように独立して選択される、組成物。
【請求項29】
請求項1~22のいずれか一つに記載の少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、但し、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数に基づいて、
構造(I)の繰り返し単位が約35モル%~約55モル%の範囲で存在し、
構造(II)の繰り返し単位が約25モル%~約35モル%の範囲で存在し、
構造(III)の繰り返し単位が約18モル%~約22モル%の範囲で存在し、
構造(IV)の繰り返し単位が約1モル%~約2.5モル%の範囲で存在し、
構造(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%の合計が約40モル%~約60モル%の範囲に存在し、そして
これらの繰り返し単位についての各モル%が、ランダムコポリマーの前記ブレンド中に存在する繰り返し単位についての全繰り返し単位モル%値の合計が100モル%に等しくなるように独立して選択される、組成物。
【請求項30】
請求項21または22に記載の前記ランダムコポリマーとスピンキャスト用溶剤とを含む、組成物。
【請求項31】
少なくとも2つの異なる前記ランダムコポリマーの混合物を含む、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
単一の前記ランダムコポリマーを含む、請求項30に記載の組成物。
【請求項33】
請求項1~22のいずれか一つに記載の少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、但し、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数に基づいて、
構造(I)の繰り返し単位が約48モル%~約78モル%の範囲で存在し、
構造(II)の繰り返し単位が約5モル%~約20モル%の範囲で存在し、
構造(III)の繰り返し単位が約15モル%~約25モル%の範囲で存在し、
構造(IV)の繰り返し単位が約0.5モル%~約3モル%の範囲で存在し、
構造(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%の合計が約20モル%~約45モル%の範囲に存在し、そして
これらの繰り返し単位についての各モル%が、ランダムコポリマーの前記ブレンド中に存在する繰り返し単位についての全繰り返し単位モル%値の合計が100モル%に等しくなるように独立して選択される、組成物。
【請求項34】
請求項1~22のいずれか一つに記載の少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、但し、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数に基づいて、
構造(I)の繰り返し単位が約50モル%~約70モル%の範囲で存在し、
構造(II)の繰り返し単位が約7モル%~約15モル%の範囲で存在し、
構造(III)の繰り返し単位が約18モル%~約22モル%の範囲で存在し、
構造(IV)の繰り返し単位が約1モル%~約2.5モル%の範囲で存在し、
構造(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%の合計が約25モル%~約35モル%の範囲に存在し、そして
これらの繰り返し単位についての各モル%が、ランダムコポリマーの前記ブレンド中に存在する繰り返し単位についての全繰り返し単位モル%値の合計が100モル%に等しくなるように独立して選択される、組成物。
【請求項35】
アレイパターンを形成する方法であって、
a)請求項23~34のいずれか一つに記載の組成物を基材上にコーティングして、中性層コーティングを形成し;
b)前記中性層コーティングを加熱して、架橋された中性層を形成し;
c)エッチング耐性ブロックと高度にエッチング可能なブロックとを含むブロックコポリマー材料の膜を、前記の架橋された中性層上に施与し、そしてブロックコポリマーの自己集合した膜が形成されるまでこの膜をアニールし;及び
d)前記自己集合したブロックコポリマー膜をエッチングし、それによって、前記コポリマーの高度にエッチング可能なブロックを除去してアレイパターンを形成する、
ことを含む、方法。
【請求項36】
ステップc)において、前記ブロックコポリマー材料が、単一のブロックコポリマーであるかまたは少なくとも2つの異なるブロックコポリマーのブレンドであり、但し、前記ブレンドブロックコポリマーは、高度にエッチング可能なブロックを含む同じ繰り返し単位及びエッチング耐性ブロックを含む同じタイプの繰り返し単位を含むが、これらのブロックの割合、重量平均分子量、数平均分子量、多分散性、またはこれらの性質の複数のいずれかで異なる、異なるブロックコポリマーのブレンドである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
ステップc)において、前記ブロックコポリマー材料が、単一のポリ(スチレン-b-メチルメタクリレート)ブロックコポリマーであるか、または少なくとも二つの異なるポリ(スチレン-b-メチルメタクリレート)ブロックコポリマーのブレンドである、請求項35または36に記載の方法。
【請求項38】
コンタクトホールアレイを形成する方法であって、
a’)請求項25~29のいずれか一つに記載の組成物を基材上にコーティングして、中性層コーティングを形成し;
b’)前記中性層コーティングを加熱して、架橋された中性層を形成し;
c’)エッチング耐性ブロックと高度にエッチング可能なブロックとを含むブロックコポリマー材料の膜を、前記の架橋された中性層上に施与し、そしてブロックコポリマーの自己集合した膜が形成するまで前記の膜をアニールし;但し、前記ブロックコポリマー材料は、単一のポリスチレン-b-ポリ(メチルメタクリレート)ブロックコポリマーであるか、または少なくとも2つの異なるポリスチレン-b-ポリ(メチルメタクリレート)ブロックコポリマーのブレンドであり、但し、前記ブロックコポリマー材料において、スチレン誘導繰り返し単位及びメチルメタクリレート繰り返し単位の全モル数に対する比率としての繰り返し単位のモル%は、前記ポリスチレン誘導繰り返し単位については約60モル%~約75モル%の範囲に存在し、そして前記メチルメタクリレート誘導繰り返し単位については約25モル%~約40モル%の範囲に存在し、及び
d’)前記自己集合したブロックコポリマー膜をエッチングし、それによって、前記コポリマーの高度にエッチング可能なブロックを除去して、コンタクトホールアレイを形成する、
ことを含む、方法。
【請求項39】
ポストアレイを形成する方法であって、
a’’)請求項30~34のいずれか一つに記載の組成物を基材上にコーティングして、中性層コーティングを形成し;
b’’)前記中性層コーティングを加熱して、架橋された中性層を形成し;
c’’)エッチング耐性ブロックと高度にエッチング可能なブロックとを含むブロックコポリマー材料の膜を、前記の架橋された中性層上に施与し、そしてブロックコポリマーの自己集合した膜が形成するまで前記の膜をアニールし;但し、前記ブロックコポリマー材料は、単一のポリスチレン-b-ポリ(メチルメタクリレート)ブロックコポリマーであるか、または少なくとも2つの異なるポリスチレン-b-ポリ(メチルメタクリレート)ブロックコポリマーのブレンドであり、但し、前記ブロックコポリマー材料において、スチレン誘導繰り返し単位及びメチルメタクリレート繰り返し単位の全モル数に対する比率としての繰り返し単位のモル%が、前記ポリスチレン誘導繰り返し単位については約25モル%~約40モル%の範囲に存在し、そして前記メチルメタクリレート誘導繰り返し単位については約60モル%~約75モル%の範囲に存在し、及び
d’’)前記自己集合したブロックコポリマー膜をエッチングし、それによって、前記コポリマーの高度にエッチング可能なブロックを除去して、ポストアレイを形成する、
ことを含む、方法。
【請求項40】
架橋された中性層を基材上に調製するための、請求項1~22のいずれか一つに記載のランダムコポリマーまたは請求項23~34のいずれか一つに記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の中性層組成物に、並びに自己集合性ブロックコポリマー(BCP)のミクロドメインを整列させてコンタクトホールまたはポストのアレイを形成するのに有用な自己集合した幾何形状を形成するための該中性層組成物を使用する新規方法に関する。これらの組成物及び方法は、電子デバイスの製造に有用である。
【背景技術】
【0002】
ブロックコポリマーの自己集合は、ナノスケールオーダーの図形の微小寸法(CD)を達成できる、微細電子デバイスの製造のためのより一層小さなパターン化された図形を生成するために有用な方法である。自己集合方法は、コンタクトホールまたはポストのアレイなどの繰り返し図形のためのマイクロリソグラフィー技術の解像能力を拡張するために望ましい。慣用のリソグラフィ法では、基材または積層基材上にコーティングされたフォトレジスト層に対してマスクを介して露光するために紫外線(UV)を使用し得る。ポジ型もしくはネガ型フォトレジストが有用であり、そしてこれらは、慣用の集積回路(IC)プラズマ加工技術を用いた乾式現像を可能とするようにケイ素などの耐火性元素を含むこともできる。ポジ型フォトレジストでは、マスクを通過したUV放射線は、フォトレジスト中で光化学的反応を引き起こして、露光された領域が、現像剤溶液でまたは慣用のICプラズマ加工によって除去されるようになる。これとは反対に、ネガ型フォトレジストでは、マスクを通過したUV放射線が、放射線に曝された領域を現像剤溶液を用いてまたは慣用のICプラズマ加工では除去され難くする。ゲート、ビアまたはインターコネクタなどの集積回路図形が次いで基材または層状基材中にエッチングされ、そして残ったフォトレジストは除去される。慣用のリソグラフィ露光プロセスを用いると、集積回路図形の図形寸法には限界がある。パターン寸法の更なる縮小は、収差、焦点、プロキシミティ効果、達成可能な最小露光波長及び達成可能な最大開口数に関連した制限の故に放射線露光を用いては達成が困難である。大規模集積へのニーズの故に、デバイスの回路寸法及び図形は絶え間なく縮小されてきた。過去には、図形の最終の解像度は、それ自体に限界のある、フォトレジストの露光に使用される光の波長に依存してきた。ブロックコポリマー画像形成を用いたグラフォエピタキシ及びケモエピタキシなどの誘導集合技術は、CD変動を減少しながら解像度を向上するために使用される非常に望ましい技術である。これらの技術は、慣用のUVリソグラフィ技術を増強するか、あるいはEUV、電子線、ディープUVまたは液浸リソグラフィを使用する方策において更により高い解像度及びCDコントロールを可能とするために使用することができる。誘導自己集合性ブロックコポリマーは、エッチング耐性のコポリマー性単位のブロックと、エッチングされやすいコポリマー性単位のブロックとを含み、このブロックコポリマーは、基材上でコーティング、整列及びエッチングされた時に、非常に高密度のパターンの領域を与える。
【0003】
自己集合法の一つの観点では、ブロックコポリマーは、無機または半導体基材[(例えば、Si、GaAs等)、金属(Cu、W、Mo、Al、Zr、Ti、Hf、Au等)及び金属酸化物(酸化銅、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン等)上に自己組織化することができ、前記基材はパターン化されておらず、ブロックコポリマーの一方のブロックのみを豊富に含みかつ基材に対して垂直なシリンダのナノ相分離アレイが形成される。例えば、ナノ相分離が可能であり、かつプラズマエッチングに耐性のある炭素が豊富なブロック(例えば、スチレン、またはSi、Ge、Tiのような何らかの他の元素を含む)と高度にプラズマエッチング可能または除去可能なブロックとを含むジブロックコポリマーは、無機または半導体基材上で、基材に垂直でありかつこれらのエッチング耐性ブロックを含むナノ相分離シリンダを形成するように誘導することができる。あるいは、異なる無機または半導体基材、または異なるブロックコポリマーを用いて、形成される垂直シリンダを、プラズマエッチング可能ブロックに富むものであるように誘導することができる。プラズマエッチング(例えば酸素プラズマ)では、エッチング耐性の垂直シリンダの自己集合アレイがエッチングされた基材内にピラーを形成するが、逆に、高度にエッチング可能な垂直シリンダのアレイは、エッチングされた基材中にコンタクトホールのアレイを形成する。高度にエッチング可能なブロックの例は、酸素を豊富に含みかつ耐火性元素を含まず、更に高度にエッチング可能なブロックを形成することができるモノマー、例えばメチルメタクリレートを含み得る。自己集合パターンを画定するエッチングプロセスに使用されるプラズマエッチングガスは、典型的には、集積回路(IC)の製造に用いられるプロセスに使用されるガスである。このようにして、潜在的に、微細なパターンを典型的なIC基材中にエッチングでき、ピラーまたはコンタクトホールのいずれかのアレイを達成する。残念ながら、裸の半導体基材及び無機基材上のブロックコポリマーの自己集合は、必要とされる垂直なシリンダ状のナノ相分離アレイを形成しないか、またはIC製造では許容できないような高レベルの欠陥をアレイの繰り返し性において伴う。
【0004】
中性層は、ブロックコポリマーのどちらのブロックセグメントにも親和性を持たない、基材上の層または処理された基材の表面であり、そして(例えば基材中の初期のトポグラフィラインのライン倍増(グラフォエピタキシ)または顕著なトポグラフィアスペクトを持たない化学的な基材表面差のライン増倍(ケモエピタキシ)を起こすために)ケモエピタキシまたはグラフォエピタキシ法のいずれかを使用した誘導自己集合方法に使用される。これらの誘導自己集合方法では、これらの中性層は、例えば、反応性末端基を有する中性層ポリマーをグラフトするか(ブラシ型層法)、架橋基を含む中性層を基材上で架橋するか(MAT層法)、または反応性末端基と架橋基の両方を含む中性層ポリマーを用いて基材上で中性層のグラフト及び架橋の両方を行って、グラフトかつ架橋された層を形成することによって、基材上に設けることができる。
【0005】
半導体または無機基材[(例えば、Si、GaAs等)、金属(Cu、W、Mo、Al、Zr、Ti、Hf、Au等)及び金属酸化物(酸化銅、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン等)上にコーティングすることができ、一分間以内で迅速に硬化でき、そして中性層の形成のために洗浄ステップを必要とせずとも、後でその上にコーティングされるブロックコポリマーの自己集合を起こして、コンタクトホールアレイまたはポストアレイを基材に転写することができる自己集合したナノ相分離アレイを、IC製造に許容可能な低いレベルの欠陥しか伴なわないエッチングプロセスを用いて形成することを可能にする中性層を形成する中性層組成物への要望がある。
【0006】
本発明は、無機または半導体基材上にコーティング、ベークでき、そしてこの基材上に架橋したMAT中性層を高速(おおよそ一分間以内)に形成することができる、新規架橋性ポリマー及び溶剤中のこれらの組成物に関する。更に、このMAT中性層は、所与のブロックコポリマーでコーティングした時に、アニール中に所与のブロックコポリマーを自己集合させて、基材に対して垂直なエッチング耐性のシリンダまたはエッチング可能なシリンダのいずれかの低欠陥または欠陥フリーのアレイを形成するために使用される。これらのアレイは、同様に欠陥がないかまたはIC製造に許容可能な低レベルの欠陥しか持たない、シリンダまたはコンタクトホールのいずれかの低欠陥アレイを基材中にプラズマエッチング後に形成するために使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、自己集合したブロックコポリマー膜のSEM写真であり、これは、図2で使用されているのと同じポリスチレンとメチルメタクリレートとのブロックコポリマーが、繰り返し単位が構造(Ia)50モル%;(IIa)30モル%;(IIIa)20モル%の繰り返し単位のみからなりかつ構造(IV)の繰り返し単位を含まないランダムコポリマーの膜上にコーティングされた場合は、コンタクトホールアレイを基材中にエッチングパターン転写するための前駆体であるアレイを形成することができないことを示している。
図2図2は、スチレンとメチルメタクリレートとのブロックコポリマーの自己集合した膜のSEM写真であり、コンタクトホールアレイを基材にエッチングパターン転写するための前駆体となるアレイが形成されている;この自己集合膜は、繰り返し単位が構造(Ia)48モル%;(IIa)30モル%;(IIIa)20モル%;及び(IVb)2モル%の繰り返し単位であるランダムコポリマーから形成された架橋された中性層上のスチレンとメチルメタクリレートとのランダムコポリマーから形成された架橋された中性層膜上でこの膜をアニールすることによって形成した。
図3図3は、スチレンとメチルメタクリレートとのブロックコポリマーの自己集合した膜のSEM写真であり、ポストアレイを基材にエッチングパターン転写するための前駆体となるアレイが形成されている;この自己集合膜は、繰り返し単位が構造(Ia)68モル%;(IIa)10モル%;(IIIa)20モル%;及び(IVb)2モル%の繰り返し単位であるランダムコポリマーから形成された架橋された中性層上のスチレンとメチルメタクリレートとのランダムコポリマーから形成された架橋された中性層膜上でこの膜をアニールすることによって形成した。
図4図4は、スチレンとメチルメタクリレートとのブロックコポリマーとの自己集合したブロックコポリマー膜のSEM写真であり、コンタクトホールアレイをエッチングパターン転写するための前駆体となるアレイが形成されている;この自己集合膜は、繰り返し単位がブレンド後に構造(Ia)40モル%;(IIa)38モル%;(IIIa)20モル%;及び(IVb)2モル%であるランダムコポリマーのブレンドから形成された架橋された中性層上のポリスチレンとメチルメタクリレートとのランダムコポリマーから形成された架橋された中性層膜上でこの膜をアニールすることによって形成した。
図5図5は、スチレンとメチルメタクリレートとの自己集合したブロックコポリマー膜のSEM写真であり、コンタクトポストアレイを基材にエッチングパターン転写するための前駆体となるアレイが形成されている;この自己集合膜は、繰り返し単位がブレンド後に構造(Ia)63モル%;(IIa)15モル%;(IIIa)20モル%;及び(IVb)2モル%である架橋された中性層上のポリスチレンとメチルメタクリレートとのランダムコポリマーのブレンドから形成された架橋された中性層膜上でこの膜をアニールすることによって形成した。
図6図6は、スチレンとメチルメタクリレートとの自己集合したブロックコポリマー膜のSEM写真であり、コンタクトホールアレイを基材にエッチングパターン転写するための前駆体となるアレイが形成されている;この自己集合膜は、繰り返し単位が構造(Ia)48モル%;(IIa)30モル%;(IIIa)20モル%;及び(IVb)2モル%であるランダムコポリマーの架橋された中性層上のポリスチレンとメチルメタクリレートとのランダムコポリマーから形成された架橋された中性層膜上でこの膜をアニールすることによって、高分子量BCPと複数の低分子量BCPとのブレンドから得た。
図7図7は、スチレンとメチルメタクリレートとの自己集合したブロックコポリマー膜のSEM写真であり、ポストアレイを基材にエッチングパターン転写するための前駆体となるアレイが形成されている;この自己集合膜は、繰り返し単位が構造(Ia)68モル%;(IIa)10モル%;(IIIa)20モル%;及び(IVb)2モル%であるランダムコポリマーの架橋された中性層上のポリスチレンとメチルメタクリレートとのランダムコポリマーから形成された架橋された中性層膜上でこの膜をアニールすることによって、高分子量BCPと複数の低分子量BCPとのブレンドから得た。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、以下の構造(I)、(II)、(III)及び(IV)の繰り返し単位を含むランダムコポリマーに関する:
は、C1~C4アルキルからなる群から選択され、
、R、R及びRは、H、C1~C4アルキルからなる群から独立して選択され、
はC1~C4アルキルであり、nは0~5の整数であり、そして
は、C1~C4アルキレンからなる群から選択されるアルキレンである。
【0009】
【化1】
本発明はまた、基材上でコーティング及び架橋された場合に架橋された中性層を形成し得る、前記本発明のランダムコポリマーを含む新規組成物にも関する。更に、本発明は、前記架橋された中性層の新規使用であって、エッチング耐性ブロックとエッチング可能なブロックとを含むブロックコポリマーの膜で被覆された時に、前記ブロックコポリマーのアニール自己集合を起こして、エッチング時に前記基材中にコンタクトホールのアレイまたはポストのアレイを形成し得る繰り返しパターンを形成するための新規使用にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
前記の一般的な説明及び以下の詳細な説明は双方とも例示、説明のためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を減縮するものではないと理解するべきである。本出願において、単数形の使用は複数形も包含し、他に具体的に記載がなれれば、単数形は「少なくとも一つ」を意味し、そして「または」の使用は「及び/または」を意味する。更に、「含む」という用語、並びに「含まれる」といった他の動詞形は限定的ではない。また、「要素」または「成分」といった用語は、他に具体的に記載がなければ、一つの単位を含む要素及び成分、並びに複数の単位を含む要素または成分の両方を包含する。ここで使用する場合、他に記載がなければ、「及び」という接続詞は包括的であることを意図しており、そして「または」という接続詞は排他的であることを意図していない。例えば、「またはその代わりに」といった語句は排他的であることを意図している。ここで使用する場合、「及び/または」という語句は、単一の要素の使用も含んで、前述する要素の任意の組み合わせを指す。
【0011】
(メタ)アクリレートという用語は、アクリレート及びメタクリレートの両方を一つの用語に統合する用語である。
【0012】
「C1~C4アルキル」という用語は、メチル及びC2~C4直線アルキル並びにC3~C4分枝アルキル部分、例えば、メチル(-CH)、エチル(-CH-CH)、n-プロピル(-CH-CH-CH)、イソプロピル(-CH(CH、n-ブチル(-CH-CH-CH-CH)、tert-ブチル(-C(CH)、イソブチル(CH-CHCH、2-ブチル(-CH(CH)CH-CH)の総称である。同様に、「C1~C8」という用語は、メチル、C2~C8直線アルキル、C3~C8分岐アルキル、C4~C8シクロアルキル(例えばシクロペンチル、シクロヘキシルなど)またはC5-C8アルキレンシクロアルキル(例えば、-CH-シクロヘキシル、CH-CH-シクロペンチルなど)の総称である。
【0013】
「C1~C4アルキレン」という用語は、メチレン及びC2~C4直線アルキレン部分(例えば、エチレン、プロピレンなど)及びC3~C4分岐アルキレン部分(例えば、-CH(CH)-、-CH(CH)-CH-など)の総称である。
【0014】
ここに記載の「ポスト」及び「ピラー」という用語は同義語である。
【0015】
ここで使用する各章の表題は、文書構成を目的としたものであって、記載の主題を限定するものと解釈するべきではない。限定はされないが特許、特許出願、論文、書籍及び専門書を始めとした本願で引用する全ての文献または文献の一部は、全ての目的に関してそれらの内容の全てが本明細書中に掲載されたものとする。ここに掲載されたものとする文献及び類似の資料の一つ以上における用語の定義が、本願明細書におけるものと矛盾する場合は、本願の定義が優先する。
【0016】
本発明は、高い解像度及び良好なリソグラフィ特性を持ってコンタクトホールまたはポストの繰り返しアレイを形成するための、新規の中性層組成物及び新規の自己誘導集合方法に関する。該新規組成物は、ブロックコポリマーの自己集合に使用するための架橋された中性層を形成することができる。この中性層は配向制御層であり、これは、中性層の上にコーティングされたブロックコポリマーを整列させて、異なるブロックが、高解像度リソグラフィを得るために、エッチングの後にコンタクトホールアレイまたはポストアレイを形成することができる繰り返しパターンを基材上に形成することを可能にする。
【0017】
一つの観点では、本発明は、以下の構造(I)、(II)、(III)及び(IV)の繰り返し単位を含むランダムコポリマーに関し、ここで
は、C1~C4アルキルからなる群から選択され、
、R、R及びRは、H、C1~C4アルキルからなる群から独立して選択され、
はC1~C4アルキルであり、nは0~5の整数であり、そして
はアルキレンであり、C1~C4アルキレンからなる群から選択される。
【0018】
【化2】
前記ランダムコポリマーの別の観点では、これは、構造(I)、(II)、(III)及び(IV)の繰り返し単位から本質的になるものである。
【0019】
前記ランダムコポリマーの前記観点では、いずれの場合も、これは、前記ランダムコポリマーの各ポリマー鎖が第一の末端基を更に含むものであり、この第一の末端基は、構造(V)のベンジルアルコール含有部分であり、ここで、n’は整数でありそして1~5の範囲であり;n’’は整数でありそして1~5の範囲であり;n’’’は整数でありそして1~5の範囲であり;RはC1~C8アルキルであり;Xは-CNまたはアルキルオキシカルボニル部分R-O-(C=O)-であり、ここでRはC1~C8アルキルであり;及び
【0020】
【化3】
は、該ランダムコポリマーへの前記末端基の結合点を表す。
【0021】
【化4】
前記の本発明によるランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、繰り返し単位が、nが0であり、R及びRがCH及びHからなる群から独立して選択され、R及びRがHであり、RがC1~C3アルキレンである繰り返し単位であるものである。この態様の他の観点の一つでは、Rはメチルである。更に別の態様の一つでは、Rはメチルである。更に別の観点の一つでは、前記RはHである。別の観点の一つでは、RはHである。更に別の観点の一つでは、Rはメチルである。更に別の観点では、Rはメチレンである。
【0022】
前記の本発明によるランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、繰り返し単位が、R、R及びRがメチルであり、R及びRがHであり、Rがメチレンであり、n=0である繰り返し単位であるものである。
【0023】
前記の本発明によるランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、前記第一の末端基は、XがCNであり、より具体的な構造(Va)を有し、ここで、
【0024】
【化5】
は、前記ランダムコポリマーへの前記末端基の結合点を表し、そして他の可変部分は前記の通りである。
【0025】
【化6】
前記の本発明によるランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、各ポリマー鎖が前記の第一の末端基を含み、この第一の末端基がより具体的な構造(Vb)を有するものであり、ここで、
【0026】
【化7】
は、前記ランダムコポリマーへの前記末端基の結合点を表し、そして他の可変部分は前記の通りである。
【0027】
【化8】
前記の本発明によるランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、前記の第一の末端基が、より具体的な構造(Vc)を有するものであり、ここで、
【0028】
【化9】
は、前記ランダムコポリマーへの前記末端基の結合点を表し、そして他の可変部分は前記の通りである。
【0029】
【化10】
前記の本発明によるランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、前記の第一の末端基は、より具体的な構造(Vd)を有するものであり、ここで、
【0030】
【化11】
は、前記ランダムコポリマーへの前記末端基の結合点を表す。
【0031】
【化12】
該ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、前記ランダムコポリマーは、各々のポリマー鎖中に、前記第一の末端基に加えて、第二の末端基を含み、この第二の末端基は、H及びC1~C4アルキル部分から選択される。この態様の他の観点の一つでは、これは、C1~C4アルキル部分である。この態様の更に別の観点の一つでは、これはHである。
【0032】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(1)の繰り返し単位が約28モル%~約78モル%の範囲であるものである。
【0033】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(II)の繰り返し単位が約5モル%~約70モル%の範囲にあるものである。
【0034】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数に基づいて、構造(III)の繰り返し単位が約15モル%~約25モル%の範囲であるものである。
【0035】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数に基づいて、構造(IV)の繰り返し単位が約0.5モル%~約3モル%の範囲であるものである。
【0036】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、各々の繰り返し単位について、前記ランダムコポリマー中の全ての繰り返し単位の全モル数を基準にしたそのモル%は、以下の範囲から独立して選択され、そして各モル%は、前記ランダムコポリマー中に存在する全ての繰り返し単位についての全繰り返し単位モル%値の合計が100モル%に等しくなるようにこれらの範囲から独立して選択されるものであり:構造(I)の繰り返し単位は約28モル%~約78モル%の範囲であり、構造(II)の繰り返し単位は約5モル%~約70モル%の範囲であり、構造(III)の繰り返し単位は約15モル%~約25モル%の範囲であり、そして構造(IV)の繰り返し単位は約0.5モル%~約3モル%の範囲である。これらの範囲は、これらの範囲から選択される具体的なモル%に依存して、基材上へのコーティング及び架橋の後に中性層を生成して、これが、アニールされた上層のブロックコポリマー膜を自己集合パターンを生成するように誘導して、このパターンが、エッチング後に、コンタクトホールアレイまたはポストアレイのいずれかを下層の基材中にもたらすように使用し得る組成物を包含する。
【0037】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(1)の繰り返し単位が約28モル%~約58モル%の範囲であるものである。
【0038】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(II)の繰り返し単位が約20モル%~約40モル%の範囲にあるものである。
【0039】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数に基づいて、構造(III)の繰り返し単位が約15モル%~約25モル%の範囲であるものである。
【0040】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数に基づいて、構造(IV)の繰り返し単位が約0.5モル%~約3モル%の範囲であるものである。
【0041】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(II)及び(III)の繰り返し単位の合計モル%が、約40モル%~約65モル%の範囲であり、そしてこれらの繰り返し単位の各モル%は、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全繰り返し単位モル%値の合計が100モル%になるように独立して選択されるものである。
【0042】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、各々の繰り返し単位について、前記ランダムコポリマー中の全ての繰り返し単位の全モル数を基準としたそれのモル%が以下の範囲から独立して選択され、そして各モル%が、前記ランダムコポリマー中に存在する全ての繰り返し単位についての全繰り返し単位モル%値の合計が、100モル%となるようにこれらの範囲から独立して選択されるものであり:構造(I)の繰り返し単位は約28モル%~約58モル%の範囲であり、構造(II)の繰り返し単位は約20モル%~約40モル%の範囲であり、構造(III)の繰り返し単位は約15モル%~約25モル%の範囲であり、そして構造(IV)の繰り返し単位は約0.5モル%~約3モル%の範囲であり、そして構造(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%合計は約40モル%~約65モル%の範囲である。これらの範囲は、基材上へのコーティング及び架橋の後に中性層を生成して、これが、アニールされた上層のブロックコポリマー膜を自己集合パターンを生成するように誘導して、このパターンが、エッチング後に、下にある基材中にコンタクトホールアレイを生成するように使用し得る組成物を包含する。
【0043】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(I)の繰り返し単位が約35モル%~約55モル%の範囲であるものである。
【0044】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(II)の繰り返し単位が約25モル%~約35モル%の範囲にあるものである。
【0045】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数に基づいて、構造(III)の繰り返し単位が約18モル%~約22モル%の範囲であるものである。
【0046】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、該ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数に基づいて、構造(IV)の繰り返し単位が約1モル%~約2.5モル%の範囲であるものである。
【0047】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(II)及び(III)の繰り返し単位の合計モル%が、約40モル%~約60モル%の範囲であり、そしてこれらの繰り返し単位の各モル%が、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全繰り返し単位モル%値の合計が100モル%になるように独立して選択されるものである。
【0048】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、各々の繰り返し単位について、前記ランダムコポリマー中の全ての繰り返し単位の全モル数を基準としたそれのモル%が、以下の範囲から独立して選択され、そして各モル%が、前記ランダムコポリマー中に存在する全ての繰り返し単位についての全繰り返し単位モル%値の合計が100モル%となるようにこれらの範囲から独立して選択されるものであり:構造(I)の繰り返し単位は約35モル%~約55モル%の範囲であり、構造(II)の繰り返し単位は約25モル%~約35モル%の範囲であり、構造(III)の繰り返し単位は、約18モル%~約22モル%の範囲であり、そして構造(IV)の繰返し単位は約1モル%~約2.5モル%であり、そして構造(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%合計は約40モル%~約60モル%の範囲である。これらの範囲は、基材上へのコーティング及び架橋の後に中性層を生成して、これが、アニールされた上層のブロックコポリマー膜を自己集合パターンを生成するように誘導して、このパターンが、エッチング後に、下にある基材中にコンタクトホールアレイを生成するように使用し得る組成物を包含する。前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数に基づいて、構造(I)の繰り返し単位が約28モル%~約78モル%の範囲であるものである。
【0049】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、各々の繰り返し単位について、前記ランダムコポリマー中の全ての繰り返し単位の全モル数を基準としたそれのモル%が、以下の範囲から独立して選択され、そして各モル%が、前記ランダムコポリマー中に存在する全ての繰り返し単位についての全繰り返し単位モル%値の合計が100モル%となるようにこれらの範囲から独立して選択されるものであり:構造(I)の繰り返し単位は約35モル%~約55モル%の範囲であり、構造(II)の繰り返し単位は約22モル%~約35モル%の範囲であり、構造(III)の繰り返し単位は約18モル%~約25モル%の範囲であり、そして構造(IV)の繰返し単位は約1モル%~約2.5モル%の範囲であり、そして構造(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%合計は約40モル%~約60モル%である。これらの範囲は、基材上へのコーティング及び架橋の後に中性層を生成して、これが、アニールされた上層のブロックコポリマー膜を自己集合パターンを生成するように誘導して、このパターンが、エッチング後に、下にある基材中にコンタクトホールアレイを生成するように使用し得る組成物を包含する。前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準として、構造(I)の繰り返し単位が約28モル%~約78モル%であるものである。
【0050】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(II)の繰り返し単位が約5モル%~約70モル%の範囲にあるものである。
【0051】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数に基づいて、構造(III)の繰り返し単位が約15モル%~約25モル%の範囲であるものである。
【0052】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数に基づいて、構造(IV)の繰り返し単位が約0.5モル%~約3モル%の範囲であるものである。
【0053】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(II)及び(III)の繰り返し単位の合計モル%は、約20モル%~約45モル%の範囲であり、そしてこれらの繰り返し単位の各モル%は、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全繰り返し単位モル%値の合計が100モル%になるように独立して選択されるものである。
【0054】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、各々の繰り返し単位について、前記ランダムコポリマー中の全ての繰り返し単位の全モル数を基準としたそれのモル%が、以下の範囲から独立して選択され、そして各モル%が、前記ランダムコポリマー中に存在する全ての繰り返し単位についての全繰り返し単位モル%値の合計が100モル%となるようにこれらの範囲から独立して選択されるものであり:構造(I)の繰り返し単位は約48モル%~約78モル%の範囲であり、構造(II)の繰り返し単位は約5モル%~約20モル%の範囲であり、構造(III)の繰り返し単位は約15モル%~約25モル%の範囲であり、そして構造(IV)の繰返し単位は約0.5モル%~約3モル%の範囲であり、そして構造(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%合計は約20モル%~約45モル%である。これらの範囲は、基材上へのコーティング及び架橋の後に中性層を生成して、これが、アニールされた上層のブロックコポリマー膜を自己集合パターンを生成するように誘導して、このパターンが、エッチング後に、下にある基材中にポストアレイを生成するように使用し得る組成物を包含する。
【0055】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(1)の繰り返し単位が約50モル%~約70モル%の範囲であるものである。
【0056】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数に基づいて、構造(II)の繰り返し単位が約7モル%~約15モル%の範囲であるものである。
【0057】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数に基づいて、構造(III)の繰り返し単位が約18モル%~約22モル%の範囲であるものである。
【0058】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、該ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数に基づいて、構造(IV)の繰り返し単位が約1モル%~約2.5モル%の範囲であるものである。
【0059】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(II)及び(III)の繰り返し単位の合計モル%が、約25モル%~約35モル%の範囲であり、そしてこれらの繰り返し単位の各モル%が、前記ランダムコポリマー中に存在する繰り返し単位の全繰り返し単位モル%値の合計が100モル%になるように独立して選択されるものである。
【0060】
前記ランダムコポリマーでは、いずれの場合も他の観点の一つでは、これは、各々の繰り返し単位について、前記ランダムコポリマー中の全ての繰り返し単位の全モル数を基準としたそれのモル%が、以下の範囲から独立して選択され、そして各モル%が、前記ランダムコポリマー中に存在する全ての繰り返し単位についての全繰り返し単位モル%値の合計が100モル%となるようにこれらの範囲から独立して選択されるものであり:構造(I)の繰り返し単位は約50モル%~約70モル%の範囲であり、構造(II)の繰り返し単位は約7モル%~約15モル%の範囲であり、構造(III)の繰り返し単位は約18モル%~約22モル%の範囲であり、そして構造(IV)の繰返し単位は約1モル%~約2.5モル%の範囲であり、そして構造(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%合計は約25モル%~約35モル%である。これらの範囲は、基材上へのコーティング及び架橋の後に中性層を生成して、これが、アニールされた上層のブロックコポリマー膜を自己集合パターンを生成するように誘導して、このパターンが、エッチング後に、下にある基材中にポストアレイを生成するように使用し得る組成物を包含する。
【0061】
本発明のランダムコポリマーの別の態様の一つでは、これは、重量平均分子量(Mw)が、約20,000g/モル~約50,000g/モルの範囲であり、及び多分散性(Mw/Mn)が約1.3~約1.8の範囲である、前記ランダムコポリマーのいずれかである。この態様の他の観点の一つでは、重量平均分子量は、約25,000g/モル~約45,000g/モルの範囲であり、及び多分散性は約1.3~約1.8の範囲である。
【0062】
末端基を含む1つのベンジルアルコール部分を含まない態様の前記の本発明のランダムコポリマーは、アルケン含有モノマーをランダムに重合できる種々の方法(ニトロキシド媒介重合、カチオンもしくはアニオン縮合連鎖重合など)によって製造し得るが、これらは、一般的には、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)、過酸化ベンゾイルまたは他の標準的な熱ラジカル開始剤などのフリーラジカル開始剤によって開始されるものなどのラジカル重合によって製造される。具体的には、これらの態様のランダムコポリマーを製造するためには、これらのタイプの開始剤は、構造(Im)、(IIm)、(IIIm)及び(IVm)を有するモノマーを含む混合物と反応させる。ここで、R、R、R、R、R、R及びRは、発明のランダムコポリマーの様々な態様において、構造(I)、(II)、(III)及び(IV)を有する対応する繰り返し単位に関して先に定義した通りである。そのような開始剤を使用することにより、二つの異なるタイプの架橋性部分、すなわち構造(III)の繰り返し単位のベンゾシクロブテン及び構造(IV)の繰り返し単位のエポキシドを有する本発明によるランダムコポリマーの態様が提供される。
【0063】
【化13】
末端基を含む1つのベンジルアルコール部分を含む前記の本発明のランダムコポリマーの態様では、これらは、構造(VI)を有する2つのベンジルアルコール部分を含むジアゾ開始剤を、構造(Im)、(IIm)、(IIIm)及び(IVm)の前記のモノマーを含む混合物と反応させることによって製造し得る。構造(VI)中、ni’は1~5の範囲であり、ni’’は1~5の範囲であり、ni’’’は1~5の範囲であり、R8iはC1~C8アルキルであり、Xiは-CNまたはアルキルオキシカルボニル部分R9i-O-(C=O)-であり、ここでR9iはC1~C8アルキルである。従って、構造(VI)のラジカル開始剤は、構造(Im)、(IIm)、(III)及び(IVm)のモノマーと反応させると、構造(V)の単一の末端基が各々のポリマー鎖中に存在し及び他の第二の末端基がHである態様の本発明のランダムコポリマーを生成する。
【0064】
【化14】
構造(VIa)のラジカル開始剤を、構造(Im)、(IIm)、(IIIm)及び(IVm)のモノマーの混合物と反応させると、これは、構造(Va)の単一の末端基が、形成した各々のポリマー鎖中に存在し及び他の末端基がHである態様の本発明による前記ランダムコポリマーを生成する。構造(VIa)において、R8i、ni’’’、ni’’及びni’は先に定義した通りである。
【0065】
【化15】
構造(VIb)のラジカル開始剤を、構造(Im)、(IIm)、(IIIm)及び(IVm)のモノマーの混合物と反応させると、これは、構造(Vb)の単一の末端基が、形成した各々のポリマー鎖中に存在し及び他の末端基がHである態様の本発明による前記ランダムコポリマーを生成する。構造(VIb)において、R8i、ni’’及びni’は先に定義した通りである。
【0066】
【化16】
構造(VIc)のラジカル開始剤を、構造(Im)、(IIm)、(IIIm)及び(IVm)のモノマーの混合物と反応させると、これは、構造(Vc)の単一の末端基が、形成した各々のポリマー鎖中に存在し及び他の末端基がHである態様の本発明による前記ランダムコポリマーを生成する。構造(VIc)において、R8i、ni’’及びni’は先に定義した通りである。
【0067】
【化17】
構造(VId)のラジカル開始剤を、構造(Im)、(IIm)、(IIIm)及び(IVm)のモノマーの混合物と反応させると、これは、構造(Vd)の単一の末端基が、形成した各々のポリマー鎖中に存在し及び他の末端基がHである態様の本発明による前記ランダムコポリマーを生成する。
【0068】
【化18】
構造(VI)、(VIa)、(VIb)、(VIc)または(VId)のジアゾ系開始剤は、構造(Im)、(IIm)、(IIIm)及び(IVm)を有するモノマーの混合物と反応させると、水素末端基(-H)、及びベンジルアルコール部分を有する末端基を供する。本発明によるランダムコポリマーのこれらの態様は、基材上にグラフトできる単一のベンジルアルコール部分鎖末端を含む構造を有し、及び二つの異なるタイプの架橋性部分、すなわち構造(III)の繰り返し単位のベンゾシクロブテン部分及び構造(IV)の繰り返し単位のエポキシド部分もポリマー鎖中に含む。
【0069】
前記の本発明によるランダムコポリマーは、スピンキャスト用溶剤中に溶解しそして基材上にキャストすると、欠陥を示さない中性層を生成し、そして上層のブロックコポリマー膜の自己集合を起こして、エッチングを用いてアレイを含む画像を基材中にパターン転写するために使用できるパターンを与えるために使用できる。本発明によるランダムコポリマー及び上層のブロックコポリマーの調整に依存して、このアレイは、ポストのアレイまたはホールのアレイのいずれにもなり得る。
【0070】
前記材料は、末端基を介して基材上にグラフトすることによって櫛状のアーキテクチャを形成する必要もなく、架橋されたMAT材料を形成する基材表面への事前の共有結合をすることなく、慣用のポリマーとして簡単にスピンコートすることができる。これにより、中性層の膜を溶剤で処理して、グラフトされていない材料を除去し、グラフトされた材料の櫛状アーキテクチャのみを後に残す工程が省かれる。具体的には、ベンジルアルコール含有末端基を持たない態様の本発明によるランダムコポリマーは、溶剤中に溶解しそして基材上にコーティングした時に、ベーク中に架橋のみを起こして、繰り返し単位(III)のベンゾシクロブテン部分と繰り返し単位(IV)のエポキシド部分の両方の架橋によって、架橋されたMATである中性層を形成する。ベンジルアルコール含有末端基を有する態様の本発明による前記ランダムコポリマーは、溶剤中に溶解しそして基材上にコーティングした時に、ベーク中に架橋も起こし、繰り返し単位(III)のベンゾシクロブテン部分と繰り返し単位(IV)のエポキシド部分の両方の架橋によって、架橋されたMATである中性層も形成し、但し、この架橋中に、ベンジルアルコール部分を介して基材表面へのグラフトも起こし、これは、追加的に、その後の加工、例えば上層のブロックコポリマー膜の自己集合、及びコンタクトホールまたはポストアレイを形成するための自己集合したブロックコポリマー膜の基材中へのパターン転写などの加工中に、基材表面への付着を改善し得る。
【0071】
本発明によるランダムコポリマーは、単一のポリマーとして使用し得るか、あるいは異なる分子量、ベンゾシクロブテン懸垂基(III)を含む繰り返し単位、例えば4-ビニル-ベンゾシクロブテンから誘導された単位の異なる濃度、エポキシド含有繰り返し単位(IV)、例えばグリシジルメタクリレートから誘導される繰り返し単位の異なる比率、または構造(I)を有する繰り返し単位(例えばメチルメタクリレート)もしくは構造(II)を有する繰り返し単位(例えばスチレン)の異なる濃度を有するコポリマーのブレンドとして使用できる。
【0072】
本発明による組成物の一つの観点では、これは、前記の本発明によるランダムコポリマーのいずれかと、以下に記載するようなスピンキャスト用溶剤とを含むものである。この態様の一つの観点では、本発明による組成物は、本発明によるランダムコポリマーのブレンドを含む組成物、他の観点の一つでは、単一の本発明によるランダムコポリマーを含む組成物である。
【0073】
本発明による組成物の他の観点の一つでは、これは、コンタクトホールアレイを基材中に形成するのに適したポリマーとして記載した前記の本発明によるランダムコポリマーのいずれかと、以下に記載のようなスピンキャスト用溶剤とを含むものである。この態様の一つの観点では、本発明による組成物は、本発明によるランダムコポリマーのブレンドを含む組成物、他の観点の一つでは、単一の本発明によるランダムコポリマーを含む組成物である。
【0074】
本発明による組成物の他の観点の一つでは、これは、コンタクトホールアレイを基材中に形成するために記載した前記の本発明によるランダムコポリマーのいずれかと、以下に記載するようなスピンキャスト用溶剤とを含むものである。この態様の一つの観点では、本発明による組成物は、本発明によるランダムコポリマーのブレンドを含む組成物であり、他の観点の一つでは、該組成物は、単一の本発明によるランダムコポリマーを含む。
【0075】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(I)の繰り返し単位が約28モル%~約58モル%の範囲である前記組成物である。
【0076】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(II)の繰り返し単位が約20モル%~約40モル%の範囲である前記組成物である。
【0077】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(III)の繰り返し単位が約15モル%~約25モル%の範囲である前記組成物である。
【0078】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(IV)の繰り返し単位が約0.5モル%~約3モル%の範囲である前記組成物である。
【0079】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%の合計が独立して約40モル%~約65モル%の範囲であり、そして該ブレンド中に存在する全ての繰り返し単位の合計モル%が100モル%になるように選択される組成物である。
【0080】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(I)の繰り返し単位が約28モル%~約58モル%の範囲である前記組成物である。
【0081】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(II)の繰り返し単位が約20モル%~約40モル%の範囲である前記組成物である。
【0082】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(III)の繰り返し単位が約15モル%~約25モル%の範囲である前記組成物である。
【0083】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(IV)の繰り返し単位が約0.5モル%~約3モル%の範囲である前記組成物である。
【0084】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%の合計が独立して約40モル%~約65モル%の範囲であり、そして該ブレンド中に存在する全ての繰り返し単位の合計モル%が100モル%になるように選択される組成物である。
【0085】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、
構造(I)の繰り返し単位が約28モル%~約58モル%の範囲であり、
構造(II)の繰り返し単位が約20モル%~約40モル%の範囲であり、
構造(III)の繰り返し単位が約15モル%~約25モル%の範囲であり、
構造(IV)の繰り返し単位が約0.5モル%~約3モル%の範囲であり、
構造(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%の合計が約40モル%~約65モル%の範囲であり、そして
これらの繰り返し単位の各モル%が、ランダムコポリマーの前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全繰り返し単位モル%値の合計が100モル%となるように独立して選択される組成物である。これらの範囲は、基材上へのコーティング及び架橋の後に中性層を生成して、これが、アニールされた上層のブロックコポリマー膜を自己集合パターンを生成するように誘導して、このパターンが、エッチング後に、下にある基材中にコンタクトホールアレイを生成するように使用し得る組成物を包含する。
【0086】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(I)の繰り返し単位が約35モル%~約55モル%の範囲である前記組成物である。
【0087】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(II)の繰り返し単位が約25モル%~約35モル%の範囲である前記組成物である。
【0088】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(III)の繰り返し単位が約18モル%~約22モル%の範囲である前記組成物である。
【0089】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(IV)の繰り返し単位が約1モル%~約2.5モル%の範囲である前記組成物である。
【0090】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%の合計が約40モル%~約60モル%の範囲であり、そしてこれらの繰り返し単位の各モル%が、ランダムコポリマーの前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全繰り返し単位モル%値の合計が100モル%になるように独立して選択される組成物である。
【0091】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、
構造(I)の繰り返し単位が約35モル%~約55モル%の範囲であり、
構造(II)の繰り返し単位が約25モル%~約35モル%の範囲であり、
構造(III)の繰り返し単位が約18モル%~約22モル%の範囲であり、
構造(IV)の繰り返し単位が約1モル%~約2.5モル%の範囲であり、
構造(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%の合計が約40モル%~約60モル%の範囲であり、そしてこれらの繰り返し単位の各モル%が、ランダムコポリマーの前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全繰り返し単位モル%値の合計が100モル%となるように独立して選択される組成物である。これらの範囲は、基材上へのコーティング及び架橋の後に中性層を生成して、これが、アニールされた上層のブロックコポリマー膜を自己集合パターンを生成するように誘導して、このパターンが、エッチング後に、下にある基材中にコンタクトホールアレイを生成するように使用し得る組成物を包含する。
【0092】
この発明の他の観点の一つは、少なくとも二種の新規ランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、
構造(I)の繰り返し単位が約35モル%~約55モル%の範囲であり、
構造(II)の繰り返し単位が約22モル%~約35モル%の範囲であり、
構造(III)の繰り返し単位が約18モル%~約25モル%の範囲であり、
構造(IV)の繰り返し単位が約1モル%~約2.5モル%の範囲であり、
構造(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%の合計が約40モル%~約60モル%の範囲であり、そしてこれらの繰り返し単位の各モル%が、ランダムコポリマーの前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全繰り返し単位モル%値の合計が100モル%となるように独立して選択される組成物である。これらの範囲は、基材上へのコーティング及び架橋の後に中性層を生成して、これが、アニールされた上層のブロックコポリマー膜を自己集合パターンを生成するように誘導して、このパターンが、エッチング後に、下にある基材中にコンタクトホールアレイを生成するように使用し得る組成物を包含する。
【0093】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(I)の繰り返し単位が約48モル%~約78モル%の範囲である前記組成物である。
【0094】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(II)の繰り返し単位が5モル%~約20モル%の範囲である前記組成物である。
【0095】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(III)の繰り返し単位が約15モル%~約25モル%の範囲である前記組成物である。
【0096】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(IV)の繰り返し単位が約0.5モル%~約3モル%の範囲である前記組成物である。
【0097】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%の合計が約20モル%~約45モル%の範囲であり、そしてこれらの繰り返し単位の各モル%が、ランダムコポリマーの前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全繰り返しモル%値の合計が100モル%になるように独立して選択される組成物である。
【0098】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、
構造(I)の繰り返し単位が約48モル%~約78モル%の範囲であり、
構造(II)の繰り返し単位が約5モル%~約20モル%の範囲であり、
構造(III)の繰り返し単位が約15モル%~約25モル%の範囲であり、
構造(IV)の繰り返し単位が約0.5モル%~約3モル%の範囲であり、
構造(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%の合計が約20モル%~約45モル%の範囲であり、そしてこれらの繰り返し単位の各モル%が、ランダムコポリマーの前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全繰り返し単位モル%値の合計が100モル%となるように独立して選択される組成物である。これらの範囲は、基材上へのコーティング及び架橋の後に中性層を生成して、これが、アニールされた上層のブロックコポリマー膜を自己集合パターンを生成するように誘導して、このパターンが、エッチング後に、下にある基材中にポストアレイを生成するように使用し得る組成物を包含する。
【0099】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(I)の繰り返し単位が50モル%~約70モル%の範囲である前記組成物である。
【0100】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(II)の繰り返し単位が7モル%~約15モル%の範囲である前記組成物である。
【0101】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(III)の繰り返し単位が約18モル%~約22モル%の範囲である前記組成物である。
【0102】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(IV)の繰り返し単位が1モル%~約2.5モル%の範囲である前記組成物である。
【0103】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全モル数を基準にして、構造(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%の合計が約25モル%~約35モル%の範囲であり、そしてこれらの繰り返し単位の各モル%が、ランダムコポリマーの前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全繰り返しモル%値の合計が100モル%になるように独立して選択される組成物である。
【0104】
この発明の他の観点の一つは、本発明による少なくとも二種のランダムコポリマーのブレンドとスピンキャスト用溶剤とを含む組成物であって、前記ブレンドが、前記ランダムコポリマーが、各々のタイプの繰り返し単位について以下の範囲を達成するようにブレンドされたものである組成物である:
構造(I)の繰り返し単位が約50モル%~約70モル%の範囲であり、
構造(II)の繰り返し単位が約7モル%~約15モル%の範囲であり、
構造(III)の繰り返し単位が約18モル%~約22モル%の範囲であり、
構造(IV)の繰り返し単位が約1モル%~約2.5モル%の範囲であり、
構造(II)及び(III)の繰り返し単位のモル%の合計が約25モル%~約35モル%の範囲であり、そしてこれらの繰り返し単位の各モル%が、ランダムコポリマーの前記ブレンド中に存在する繰り返し単位の全繰り返し単位モル%値の合計が100モル%となるように独立して選択される組成物である。これらの範囲は、基材上へのコーティング及び架橋の後に中性層を生成して、これが、アニールされた上層のブロックコポリマー膜を自己集合パターンを生成するように誘導して、このパターンが、エッチング後に、下にある基材中にポストアレイを生成するように使用し得る組成物を包含する。
【0105】
記載された該中性層組成物の固形成分はスピンキャスト用溶剤と混合され、このスピンキャスト用溶剤は、単一の溶剤または異なる溶剤の混合物であってよい。適切な溶剤の例は、次のスピンキャスト用溶剤であり、これらは、単一の溶剤成分として使用してよいし、または組み合わせて、該組成物の固形成分を溶解する少なくとも二種の溶剤の混合物である溶剤を形成してもよい。
【0106】
本発明による中性層組成物を形成するためにスピンキャスト用溶剤中に溶解するべき該新規ランダムコポリマーの量は、全溶液の約0.2重量%~約2.0重量%の範囲である。本発明の他の観点の一つでは、この量は、全溶液の重量の約0.3重量%~約0.5重量%の範囲であってよい。
【0107】
適当なスピンキャスト用溶剤としては、例えば、グリコールエーテル誘導体、例えばエチルセロソルブ、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、またはジエチレングリコールジメチルエーテル;グリコールエーテルエステル誘導体、例えばエチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、またはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA);カルボキシレート、例えばエチルアセテート、n-ブチルアセテート及びアミルアセテート;二塩基性酸のカルボキシレート、例えばジエチルオキシレート及びジメチルマロネート;グリコール類のジカルボキシレート、例えばエチレングリコールジアセテート及びプロピレングリコールジアセテート;及びヒドロキシカルボキシレート、例えば乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、グリコール酸エチル、及び3-ヒドロキシプロピオン酸エチル;ケトンエステル、例えばピルビン酸メチルまたはピルビン酸エチル;アルコキシカルボン酸エステル、例えば3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、またはエトキシプロピオン酸メチル;ケトン誘導体、例えばメチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンまたは2-ヘプタノン;ケトンエーテル誘導体、例えばジアセトンアルコールメチルエーテル;ケトンアルコール誘導体、例えばアセトールまたはジアセトンアルコール;ケタールまたはアセタール、例えば1,3ジオキサラン及びジエトキシプロパン;ラクトン、例えばブチロラクトン;アミド誘導体、例えばジメチルアセトアミドまたはジメチルホルムアミド、アニソール及びこれらの混合物などを挙げ得る。
【0108】
加えて、該組成物は、界面活性剤などの添加物を更に含んでもよい。
【0109】
新規な該中性層組成物は、基材上にコーティングし、そして加熱してスピンキャスト用溶媒を除去し及び膜を架橋する。典型的な膜厚は、加熱後に約3nm~約50nm、または約3nm~約30nm、または約4nm~約20nm、または約5nm~約20nm、または約10nm~約20nmの範囲である。該膜は、約180℃~約350℃、または約200℃~約300℃の範囲の温度で加熱することができる。架橋した膜の形成後は、そのコーティングは、自己集合を用いて最終的にパターンを形成するために更なる加工に使用し得る。
【0110】
本発明による該中性層組成物と共同して自己集合に使用されるブロックコポリマーは、自己集合を介してドメインを形成できるものであれば任意のブロックコポリマーであることができる。自己会合する傾向のある同じタイプのブロックによって、ミクロドメインが形成される。典型的には、この目的に使用されるブロックコポリマーは、モノマーから誘導された繰り返し単位が、組成的に、構造的にまたはその両方で異なりかつ相分離及びドメイン形成ができるブロックに整列するポリマーである。これらのブロックは、一方のブロックは削除し、他方のブロックは表面上にそのまま維持でき、そうして表面上にパターンを供するのに使用できるという異なる性質を有する。それ故、ブロックは、プラズマエッチング、溶剤エッチング、アルカリ水溶液を使用する現像剤エッチングなどによって選択的に除去し得る。有機モノマーをベースとするブロックコポリマーでは、一つのブロックは、ポリジエンも包含するポリオレフィン系モノマー、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(ブチレンオキシド)及びこれらの混合物などのポリ(アルキレンオキシド)を始めとするポリエーテルからできていることができ;他のブロックは、ポリ((メタ)アクリレート)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノゲルマン及び/またはこれらの混合物などの様々なモノマーからできていることができる。ポリマー鎖中のこれらのブロックは、それぞれ、モノマーから誘導された一種またはそれ超の繰り返し単位を含むことができる。必要なパターン及び使用する方法のタイプに依存して、異なるタイプのブロックコポリマーを使用し得る。例えば、これらは、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー、ターポリマーまたはマルチブロックコポリマーから成っていてよい。
【0111】
これらのブロックコポリマーのブロックは、それら自体が、ホモポリマーまたはコポリマーから成っていてよい。異なるタイプのブロックコポリマーも自己集合に使用でき、例えば樹脂様ブロックコポリマー、超分岐状ブロックコポリマー、グラフトブロックコポリマー、有機ジブロックコポリマー、有機マルチブロックコポリマー、線状ブロックコポリマー、星形ブロックコポリマー、両親媒性無機ブロックコポリマー、両親媒性有機ブロックコポリマー、または少なくとも異なるタイプのブロックコポリマーからなる混合物も使用し得る。
【0112】
有機ブロックコポリマーのブロックは、C2-30オレフィンなどのモノマーから誘導される繰り返し単位、C1-30アルコールから誘導される(メタ)アクリレートモノマー、Si、Ge、Ti、Fe、Alをベースとするものを始めとした無機含有モノマーを含み得る。C2-30オレフィンをベースとするモノマーは、単独でまたは他の一つのオレフィン性モノマーとの組み合わせで、高エッチング耐性のブロックを構成し得る。このタイプのオレフィン性モノマーの具体例は、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1,3-ブタジエン、イソプレン、ジヒドロピラン、ノルボルネン、無水マレイン酸、スチレン、4-ヒドロキシスチレン、4-アセトキシスチレン、4-メチルスチレン、アルファ-メチルスチレンまたはこれらの混合物である。高エッチング可能な単位の例は、(メタ)アクリレートモノマー、例えば(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、ネオペンチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたはこれらの混合物から誘導することができる。
【0113】
一つのタイプの高エッチング耐性繰り返し単位を含むブロックコポリマーの説明に役立つ例は、スチレンから誘導される繰り返し単位のみを含むポリスチレンブロックと、メチルメタクリレートから誘導される繰り返し単位のみを含む他のタイプの高度にエッチング可能なポリメチルメタクリレートブロックであろう。これらは一緒になって、ブロックコポリマーであるポリ(スチレン-b-メチルメタクリレート)を形成し、ここでbはブロックのことを指す。
【0114】
パターン化された中性層上での誘導自己集合に使用されるグラフォエピタキシ、ケモエピタキシまたはピン止めケモエピタキシに有用なブロックコポリマーの具体的で非限定的な例は、ポリ(スチレン-b-ビニルピリジン)、ポリ(スチレン-b-ブタジエン)、ポリ(スチレン-b-イソプレン)、ポリ(スチレン-b-メチルメタクリレート)、ポリ(スチレン-b-アルケニル芳香族類)、ポリ(イソプレン-b-エチレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-(エチレン-プロピレン))、ポリ(エチレンオキシド-b-カプロラクトン)、ポリ(ブタジエン-b-エチレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-t-ブチル(メタ)アクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート-b-t-ブチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド-b-プロピレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-テトラヒドロフラン)、ポリ(スチレン-b-イソプレン-b-エチレンオキシド)、ポリ(スチレン-b-ジメチルシロキサン)、ポリ(メチルメタクリレート-b-ジメチルシロキサン)、または前記ブロックコポリマーの少なくとも一つを含む組み合わせである。これらの全てのポリマー性材料は、ICデバイスの製造に典型的に使用されるエッチング技術に対し耐性のある繰り返し単位に富む少なくとも一つのブロック、及びこれらの同じ条件下に迅速にエッチングされる少なくとも一つのブロックの存在という点で共通する。これは、自己集合したポリマーを基材上にパターン転写することを可能にする。
【0115】
典型的には、好適なブロックコポリマーは、約30,000g/モル~約500,000g/モルの範囲の重量平均分子量(Mw)及び約1.01~約6、または1.01~約2または1.01~約1.5の多分散性(PDI)(Mw/Mn)を有する。分子量、及びPDIは、例えば、ポリスチレン標準に較正された汎用較正法を用いるゲル透過クロマトグラフィによって決定することができる。これは、ポリマーブロックが、所定の表面に付与された時に自然発生的に、または純粋に熱的な処理を用いることで、または自己組織化が起こるようにセグメントの流れを高めるためにポリマーフレームワークに溶剤蒸気を吸収させることでアシストされた熱的プロセスを介して、自己集合するための十分な可動性を持つことを保証する。
【0116】
膜を形成するためのブロックコポリマーの溶解に適した溶剤は、ブロックコポリマーの溶解性要件で変わり得る。ブロックコポリマーアセンブリのための溶剤の例には、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エトキシエチルプロピオネート、アニソール、乳酸エチル、2-ヘプタノン、シクロヘキサノン、アミルアセテート、n-ブチルアセテート、n-アミルケトン(MAK)、ガンマ-ブチロラクトン(GBL)、トルエン及び類似物などが挙げられる。一つの態様では、特に有用なキャスト溶剤には、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、ガンマ-ブチロラクトン(GBL)、またはこれらの溶剤の組み合わせなどが挙げられる。
【0117】
該ブロックコポリマー組成物は、無機含有ポリマー;小分子、無機含有分子、界面活性剤、光酸発生剤、熱酸発生剤、クエンチャ、硬化剤、架橋剤、鎖延長剤、及び類似物などを包含する添加剤;並びに前記の少なくとも一つを含む組み合わせからなる群から選択される追加の成分及び/または添加剤を含むことができ、ここで前記追加の成分及び/または添加剤の一種以上は、ブロックコポリマーと一緒に集合化して、ブロックコポリマーアセンブリを形成する。
【0118】
ブロックコポリマー組成物(高度にエッチング可能なブロック及び耐エッチング性のブロックを含む)は、基材を覆う本発明によるランダムコポリマーの架橋されたコーティング上に施与され、上層としてのブロックコポリマー膜を形成する。このブロックコポリマー膜は、上述したように溶液から形成することができる。施与及び溶剤除去すると、ブロックコポリマー膜は、アニーリングの際に自己集合を受け得る。形成された自己集合パターンのタイプは、ここに記載のように、本発明によるランダムコポリマーの組成及び上層のブロックコポリマーの組成を注意深く調整することによって予め決定される。
【0119】
より具体的には、これらのブロックコポリマー組成物の施与は、スピンコート技術(スピン乾燥を含む)などの既知のコーティング技術を用いて行うことができる。
【0120】
予想外に、これらのタイプのブロックコポリマーは、特定のタイプの自己集合の下で自己集合パターンを形成できることが分かっており、ここで、エッチング耐性ブロック及びエッチング可能ブロックは、このパターンをエッチングによって基材に転写した時に、基材中にコンタクトホールアレイが形成されるかまたはポストアレイが形成されるように配置される。具体的には、或るブロックコポリマーでは、本発明による中性層に施与した時に、該ブロックコポリマーの異なるブロックセグメントが、それら自体をシリンダ状のアレイにナノ相分離させ、この場合、これらのシリンダは、基材を覆う該新規中性層の表面に対して垂直であることが判明した。該ブロックコポリマー及び該新規中性層の調整に依存して、これらの垂直なシリンダは、エッチング耐性ブロックセグメントまたは高度にエッチング可能なブロックセグメントのいずれかを含む。ナノ相自己集合が、これらの垂直なシリンダが高度にエッチング可能なブロックセグメントを含むようなものである場合は、このナノ相自己集合膜をエッチングすると、コンタクトホールアレイが基材中に形成する。逆に、ナノ相自己集合が、これらの垂直なシリンダがエッチング耐性のブロックセグメントを含むようなものである場合は、このナノ相自己集合膜をエッチングすると、ポスト(別称ではピラー)アレイが基材中に形成する。こうして配向したドメインは、後の加工条件下に熱的に安定していることが望ましい。それ故、層のコーティング後には、高度にエッチング可能なブロックセグメント及びエッチング耐性のブロックセグメントを含むこのブロックコポリマー、例えばポリ(スチレン-b-メチルメタクリレート)は、中性表面上に形成しかつそれに対して垂直に残留し、基材の表面上に高度に耐性のある領域と高度にエッチング可能な領域とを与え、これらを、基材層中に更にパターン転写することができる。
【0121】
本発明による中性層によって形成された上述のナノ相自己集合垂直シリンダは、公知の技術を用いて、下にある基材中に転写することができる。一つの例では、湿式エッチングまたはプラズマエッチングを、任意にUV露光と組み合わせて、使用し得る。湿式エッチングは酢酸を用いて行うことができる。標準的なプラズマエッチングプロセス、例えば酸素を含むプラズマを用いたエッチングプロセスを使用でき;追加的に、アルゴン、一酸化炭素、二酸化炭素、CF、CHFもプラズマ中に存在してよい。
【0122】
具体的には、本発明の一つの観点は、アレイパターンを形成するための本発明による方法であり、該方法は、
a)前記の本発明によるランダムコポリマーのいずれかまたはこれらのブレンドを含む組成物を基材上にコーティングし、中性層コーティングのコーティングを形成し;
b)前記中性層コーティングを加熱して架橋された中性層を形成し;
c)エッチング耐性ブロックと高度にエッチング可能なブロックとを含むブロックコポリマー材料の膜を、前記の架橋された中性層上に施与し、そしてブロックコポリマーの自己集合した膜が形成されるまでこの膜をアニールし;及び
d)前記自己集合したブロックコポリマー膜をエッチングし、それによって、前記コポリマーの高度にエッチング可能なブロックを除去してアレイパターンを形成する、
ことを含む。
【0123】
アレイパターンを形成するための本発明の方法の他の観点の一つでは、ステップc)において、前記ブロックコポリマー材料は、単一のブロックコポリマーであるかまたは少なくとも2つの異なるブロックコポリマーのブレンドであり、ここで、前記ブレンドブロックコポリマーは、高度にエッチング可能なブロックを含む同じ繰り返し単位及びエッチング耐性ブロックを含む同じタイプの繰り返し単位を含むが、これらのブロックの割合、重量平均分子量、数平均分子量、多分散性、及びこれらの性質の複数のいずれかで異なる、異なるブロックコポリマーのブレンドである。ステップc)におけるこの工程の更に別の観点の一つでは、前記ブロックコポリマー材料は、単一のポリ(スチレン-b-メチルメタクリレート)ブロックコポリマーであるか、少なくとも二つの異なるポリ(スチレン-b-メチルメタクリレート)ブロックコポリマーのブレンドである。
【0124】
本発明の他の観点の一つは、コンタクトホールアレイを形成するための本発明による方法であり、該方法は、
a’)コンタクトホールアレイを形成するのに適した本明細書に記載されている前記の本発明によるランダムコポリマーのいずれかまたはこれらのブレンドを含む組成物を基材上にコーティングして、中性層コーティングを形成し;
b’)前記中性層コーティングを加熱して、架橋された中性層を形成し;
c’)エッチング耐性ブロックと高度にエッチング可能なブロックとを含むブロックコポリマー材料の膜を、前記の架橋された中性層上に施与し、そしてブロックコポリマーの自己集合した膜が形成するまで前記の膜をアニールし;ここで、前記ブロックコポリマー材料は、単一のポリスチレン-b-ポリ(メチルメタクリレート)ブロックコポリマーであるか、または少なくとも2つの異なるポリスチレン-b-ポリ(メチルメタクリレート)ブロックコポリマーのブレンドであり、ここで、前記ブロックコポリマー材料において、スチレン誘導繰り返し単位及びメチルメタクリレート繰り返し単位の全モル数に対する比率としての繰り返し単位のモル%は、ポリスチレン誘導繰り返し単位については約60モル%~約75モル%の範囲であり、前記メチルメタクリレート誘導繰り返し単位については約25モル%~約40モル%の範囲であり、及び
d’)前記自己集合したブロックコポリマー膜をエッチングし、それによって、前記コポリマーの高度にエッチング可能なブロックを除去して、コンタクトホールアレイを形成する、
ことを含む。
【0125】
本発明の他の観点の一つは、ポストアレイを形成するための本発明による方法であり、該方法は、
a’’)ポストアレイを形成するのに適した本明細書に記載される前記の本発明によるランダムコポリマーのいずれかまたはこれらのブレンドを含む組成物を基材上にコーティングして、中性層コーティングを形成し;
b’’)前記中性層コーティングを加熱して、架橋された中性層を形成し;
c’’)エッチング耐性ブロックと高度にエッチング可能なブロックとを含むブロックコポリマー材料の膜を、前記の架橋された中性層上に施与し、そしてブロックコポリマーの自己集合した膜が形成するまで前記の膜をアニールし;ここで、前記ブロックコポリマー材料は、単一のポリスチレン-b-ポリ(メチルメタクリレート)ブロックコポリマーであるか、または少なくとも2つの異なるポリスチレン-b-ポリ(メチルメタクリレート)ブロックコポリマーのブレンドであり、ここで、前記ブロックコポリマー材料において、スチレン誘導繰り返し単位及びメチルメタクリレート繰り返し単位の全モル数に対する比率としての繰り返し単位のモル%は、前記ポリスチレン誘導繰り返し単位については約25モル%~約40モル%の範囲であり、前記メチルメタクリレート誘導繰り返し単位については約60モル%~約75モル%の範囲であり、及び
d’’)前記自己集合したブロックコポリマー膜をエッチングし、それによって、前記コポリマーの高度にエッチング可能なブロックを除去して、ポストアレイを形成する、
ことを含む。
【0126】
中性層がコーティングされる基材は、デバイスによって要求される任意のものである。一つの例では、基材は、ケイ素もしくはチタン含有ARC(酸素プラズマに対し高エッチング耐性)のコーティングを施した高炭素含有有機層の層でコーティングされたウェハである。これは、パターン化されたブロックコポリマーからこれらのコーティング中へのパターン転写を可能にする。好適な基材としては、以下に限定されるものではないが、ケイ素、金属表面で被覆されたケイ素基材、銅被覆ケイ素ウェハ、銅、アルミニウム、ポリマー樹脂、二酸化ケイ素、金属、ドープ処理された二酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、タンタル、ポリシリコン、セラミックス、アルミニウム/銅混合物、ガラス、被覆ガラス、ヒ化ガリウム、及び他のそのようなIII/V族化合物が挙げられる。これらの基材は、反射防止コーティング(複数可)でコーティングしてよい。基材は、前記の材料からできた任意数の層を含んでよい。
【0127】
本発明の他の観点の一つは、ブロックコポリマーのアニール自己組織化を引き起こして、エッチングした時にコンタクトホールのアレイまたはポストのアレイのいずれかを基材中に形成する繰り返しパターンを形成するために、架橋された中性層を基材上に調製するための、本発明のランダムコポリマーのまたは本発明の組成物の使用である。
【実施例
【0128】
本願の開示のより具体的な態様及びそのような態様のための裏付けを提供する実験結果を以下に記載する。しかし、以下の開示は、例示のみを目的としたものであり、それ故、請求項に記載の発明の範囲を如何様にも限定することを意図したものではない点を指摘しておく。
【0129】
化学品
4-ビニルベンゾシクロブテン(VBCB)(CAS:99717-87-0)は、Sun & Bright Industrials(Room B,20th Floor,333 Tai Ping Nan Lu Nanjing,China)から入手した。別段の表示がない限り、他の化学品は全て、表1に記載されるようにSigma Aldrich(3050 Spruce St.,St.Louis,MO 63103)から購入した。
【0130】
全ての合成実験はN雰囲気中で行った。リソグラフィ実験は、本明細書に記載のように行った。コポリマーの分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィを用いて測定した。
【0131】
リソグラフィ実験は、TEL Clean ACT8トラックを用いて行った。SEM写真は、アプライドマテリアルズ社製のNanoSEM 3Dを用いて撮影した。走査電子顕微鏡写真は、1Fov倍率または2Fov倍率で示す。
【0132】
比較例1:
ランダム架橋可能コポリマーの合成:
AIBNを用いて合成したスチレン、メチルメタクリレート及び4-ビニルベンジルシクロブテンのコポリマー
凝縮器、温度制御器、加熱ジャケット及び機械的撹拌機を備えた2000mlフラスコをセットアップした。87.0グラム(0.84モル)のスチレン(S)、139.8グラム(1.40モル)のメチルメタクリレート(MMA)、72.4グラム(0.56モル)の4-ビニルベンゾシクロブテン(VBCB)及び1.83グラム(0.011モル)のアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)開始剤及び600グラムのアニソールを前記フラスコに添加した。機械的攪拌機のスイッチを入れ、約120rpmに設定した。次いで、この反応溶液を、室温で約30分間、この溶液中に窒素を激しくバブリングすることによって脱気した。30分脱気した後、加熱ジャケットのスイッチを入れ、そして温度制御器を70℃に設定し、そして攪拌された反応混合物をこの温度で20時間維持した。この時間の後、加熱ジャケットのスイッチをオフにし、そして反応溶液を約40℃まで放冷した。次いで、この反応混合物を、12Lのイソプロパノール中に注ぎ入れ、この添加中は、機械的撹拌により撹拌した。この添加中、ポリマーが析出した。析出したポリマーを濾過して集めた。集めたポリマーを40℃で減圧炉中で乾燥した。約170グラムのポリマーが得られた。この乾燥したポリマーを600グラムのTHF中に溶解し、次いで0.2μmナイロンフィルタに通して濾過した。次いで、この濾過された溶液を、12Lメタノールの攪拌された溶液中で再び析出させ、析出したポリマーを集め、そして40℃で真空下に前述ように乾燥した。このようにして、乾燥後に150グラム(収率50%)のポリマーが得られた。このポリマーは、約38,000g/モルのMw及び1.5の多分散性(PDI)を有していた(表1)。
【0133】
比較例2
AIBNを用いて合成したスチレン、メチルメタクリレート及びグリシジルメタクリレートのコポリマー
温度制御器、加熱ジャケット及び磁気撹拌機を備えた250mlフラスコをセットアップした。26.04グラム(0.25モル)のスチレン、24.03グラム(0.24モル)のメチルメタクリレート、1.42グラム(0.10モル)のグリシジルメタクリレート、0.41グラム(0.0025モル)のアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)開始剤及び100グラムのアニソールを前記フラスコに添加した。攪拌機のスイッチを入れ、約400rpmに設定した。次いで、この反応溶液を、室温で約30分間、この溶液中に窒素を激しくバブリングすることによって脱気した。30分脱気した後、加熱ジャケットのスイッチを入れ、そして温度制御器を70℃に設定し、そして攪拌された反応混合物をこの温度で20時間維持した。この時間の後、加熱ジャケットのスイッチをオフにし、そして反応溶液を約40℃まで放冷した。次いで、この反応混合物を、1.554Lのイソプロパノール中に注ぎ入れ、この添加中は、機械的撹拌により撹拌した。この添加中、ポリマーが析出した。析出したポリマーを濾過して集めた。集めたポリマーを40℃で減圧炉中で乾燥した。約36グラムのポリマーが得られた。この乾燥したポリマーを300グラムのTHF中に溶解し、次いで0.2μmナイロンフィルタに通して濾過した。次いで、この濾過された溶液を、1.5Lメタノールの攪拌された溶液中で再び析出させ、析出したポリマーを集め、そして40℃で真空下に前述ように乾燥した。このようにして、乾燥後に26グラム(収率50%)のポリマーが得られた。このポリマーは、約36,000g/モルのMw及び1.5の多分散性(PDI)を有していた。
【0134】
例1:
本発明によるランダム高速架橋可能コポリマーの合成:
AIBNを用いて合成したスチレン、メチルメタクリレート、4-ビニルベンジルシクロブテン及びグリシジルメタクリレートのコポリマー
凝縮器、温度制御器、加熱ジャケット及び機械的撹拌機を備えた2000mlフラスコをセットアップした。87.0グラム(0.84モル)のスチレン、134.1グラム(1.34モル)のメチルメタクリレート、72.4グラム(0.56モル)の4-ビニルベンゾシクロブテン、7.92グラム(0.06モル)のグリシジルメタクリレート、1.83グラム(0.011モル)のアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)開始剤及び600グラムのアニソールを前記フラスコに添加した。機械的攪拌機のスイッチを入れ、約120rpmに設定した。次いで、この反応溶液を、室温で約30分間、この溶液中に窒素を激しくバブリングすることによって脱気した。30分脱気した後、加熱ジャケットのスイッチを入れ、そして温度制御器を70℃に設定し、そして攪拌された反応混合物をこの温度で20時間維持した。この時間の後、加熱ジャケットのスイッチをオフにし、そして反応溶液を約40℃まで放冷した。次いで、この反応混合物を、12Lのイソプロパノール中に注ぎ入れ、この添加中は、機械的撹拌により撹拌した。この添加中、ポリマーが析出した。析出したポリマーを濾過して集めた。集めたポリマーを40℃で減圧炉中で乾燥した。約170グラムのポリマーが得られた。この乾燥したポリマーを600グラムのTHF中に溶解し、次いで0.2μmナイロンフィルタに通して濾過した。次いで、この濾過された溶液を、12Lメタノールの攪拌された溶液中で再び析出させ、析出したポリマーを集め、そして40℃で真空下に前述ように乾燥した。このようにして、乾燥後に150グラム(収率50%)のポリマーが得られた。このポリマーは、約38,000g/モルのMw及び1.5の多分散性(PDI)を有していた。
【0135】
実施例2~5:
例2~5の本発明によるランダムコポリマー(表1)を、例2に記載したのと類似の手順を用いて合成した。コンタクトホール及びPSポストアセンブリ(加工例1~6参照)のためのPS-b-PMMAの配向のために、コンタクトホールアレイの形成(例1)またはポストアレイの形成(例5)のための単一のポリマーとして、あるいはコンタクトホールアレイまたはポストアレイのいずれかに適した繰り返し単位の比率を達成するために互いにブレンドできるポリマー材料(例2、3、4)として適した望ましい高速架橋可能なポリマーを生成するために、スチレン及びMMAのモル%のみを変更した。
【0136】
例6:
スチレン及びメチルメタクリレートのブロックコポリマー(PS-b-PMMA)(PS/PMMA:65/35)の合成
二つの異なるPS-b-PMMA(PS/PMMA:65/35)ポリマーを、開始剤としてsec-ブチルリチウム(1.4M、Aldrich社)を用いた溶剤としてのテトラヒドロフラン(THF)中でのスチレン(S)及びメチルメタクリレート(MMA)の逐次リビングアニオン重合を介して合成した。この反応は、精製したアルゴン環境下に、LiCl(高純度、Aldrich社)の存在下に-78℃で行った。前記モノマー供給比は65/35モル比ポリマーを得るために使用し、そして低分子量及び高分子量65/35PS-b-PMMAポリマーは、モノマーの全モル数に対して開始剤をそれぞれ0.142モル%及び0.062モル%使用することによって製造した。PS-b-PMMA中の分子量はサイズ排除クロマトグラフィ(SEC)によって特徴付けした。低分子量BCP及び高分子量BCPの数平均分子量(Mn)は、双方とも1.02のPDIで、それぞれ49,000g/モル及び107,000g/モルであった。低及び高分子量BCPのH NMRで決定したPSモル%はそれぞれ65.5及び65.9%であった。これら2つのサンプルを、単一BCPとして、またはこれら2つのブレンドによって、コンタクトホール自己集合のために使用した。
【0137】
例7
スチレン及びメチルメタクリレートのブロックコポリマー(PS-b-PMMA)(PS/PMMA:30/70)の合成
一方が低分子量を有し、他方が高分子量を有する二つの異なるPS-b-PMMA(PS/PMMA:30/70)ポリマーを、MMAとSとの比率を、30モル%を有するブロックコポリマーを生成するように調節した点、及び低及び高分子量の30/70モル比PS-b-PMMAポリマーを、モノマーの全モル数に対して開始剤を0.28モル%及び0.12モル%使用してそれぞれ製造した点を除いて、例6と同様にして製造した。これらの低分子及び高分子量ポリマーは、それぞれ45,000g/モル及び137,000g/モルのMnを有し、PDIはそれぞれ1.04及び1.05であった。これら材料は、ポスト自己集合のために、単一のBCPとしてまたはこれら2つのポリマーのブレンドによって使用した。
【0138】
【表1】
【0139】
比較加工例1:
架橋可能な対照用下層上のBCPの望ましくない自己集合
0.02μmのPTFEフィルターを通して濾過した比較例1のポリマーを0.7重量%含む溶液をPGMEA中に調製した。基材の用意:シリコンウェハを比較例1のポリマー(PGMEA中0.7重量%)で1500rpmでコーティングし、続いてこれらのウェハをそれぞれ240℃で5分間ベークした。次に、このウェハをEBR(70:30)で45秒間すすぎ、30秒間スピン乾燥し、110℃で1分間ソフトベークした(約8nmの膜厚(FT))。
【0140】
スチレン及びメチルメタクリレートのジブロックコポリマー(PS-b-PMMA)(Mn=107,000g/モル、PDI=1.02)(例6のもの)を1.5重量%含む、0.02μmPTFEに通して濾過した溶液を、1500ppmで施与し、次いでこのウェハを、110℃で1分間ソフトベークし、次いでN下に3分間250℃でアニールした(40nm)。図1は、この材料が、コンタクトホールアレイまたはポストアレイのいずれにも基材中へのエッチングパターン転写のために有用ではない並行型の自己集合体を形成したことを示す。
【0141】
比較加工例2:
架橋可能な対照用下層上のBCPの望ましくない自己集合
0.02μmのPTFEフィルターを通して濾過した比較例2のポリマー[(I)、(II)及び(IV)のコポリマー]を0.32重量%含む溶液をPGMEA中で調製した。基材の用意:シリコンウェハをこのポリマー溶液で1500rpmでコーティングし、続いてこれらのウェハをそれぞれ240℃で1分間ベークした。次に、このウェハをEBR(70:30)で45秒間すすぎ、30秒間スピン乾燥し、110℃で1分間ソフトベークした(約7nmのFT)。架橋可能マットは8nmの厚さを有していた。しかし、すすぎ後、膜厚は7nmまで減少し、これは膜減りを示唆し、この膜は本願の望ましい用途には適していないことを示した。
【0142】
加工例1:
実施例1に基づく高速架橋可能な下層上のブロックコポリマー(BCP)のコンタクトホールアレイ自己集合
例1のポリマーをPGMEA中に溶解して0.32重量%の溶液を調製した。この溶液を0.02μmのPTFEフィルターを用いて濾過し、次いで、SiOxウェハ上に1500rpmでコーティングし、続いてこれらのウェハをそれぞれ空気中で240℃で1分間ベークして、架橋された中性層(FT8nm)でコーティングされたSiOxウェハを作製した。この膜は、ブロックコポリマー膜でのその後のコーティングに直接使用した。しかし、表2は、例1のポリマーの架橋された膜は、スピンキャスト用溶剤のPGMEAだけで処理した時に、ブロックコポリマーでのオーバーコートにとっては使い物にならないような大きな膜減りを示した比較加工例2で観察された結果とは対照的に、僅かな取るに足らない膜減りしか起こさないことを示す。
【0143】
次いで、架橋された中性層でコーティングされたこれらのウェハを、スチレン及びメチルメタクリレートのジブロックコポリマー(PS-b-PMMA)(Mn=49,000g/モル、PDI=1.02)(例6のもの)の、0.02μmPTFEに通して濾過したPGMEA中1.5重量%溶液で、1,500rpmでスピンコートすることによってコーティングし、次いで110℃で1分間ソフトベークし、次いでN下に3分間250℃でアニールした。図2は、この材料が、メチルメタクリレートからのエッチング可能なブロックを含む(基材に対して垂直な)ナノ相分離シリンダのアレイが形成した自己集合化パターンを形成したことを示す。このミクロ相分離アレイは、コンタクトホールアレイを基材にエッチングパターン転写するために使用するのに適したものである。
【0144】
加工例2
例5に基づく高速架橋可能な下層上のブロックコポリマー(BCP)のポストアレイ自己集合
例5のポリマーをPGMEA中に溶解して0.32重量%の溶液を調製した。この溶液を0.02μmのPTFEフィルターを用いて濾過し、次いで、SiOxウェハ上に1500rpmでコーティングし、続いてこれらのウェハをそれぞれ240℃で1分間ベークして、架橋された中性層(FT8nm)でコーティングされたSiOxウェハを作製した。表2は、例5のポリマーの架橋された膜は、スピンキャスト用溶剤のPGMEAだけで処理した時に、ブロックコポリマーでのオーバーコートにとっては使い物にならないような非常に大きな膜減りを示した比較加工例2で観察された結果とは対照的に、僅かな取るに足らない膜減りしか起こさないことを示す。
【0145】
次いで、架橋された中性層でコーティングされたこれらのウェハを、スチレン及びメチルメタクリレートのジブロックコポリマー(PS-b-PMMA)(Mn=45,000g/モル、PDI=1.04)の、PTFEに通して濾過したPGMEA中1.5重量%溶液で、1,500rpmでスピンコートすることによってコーティングし、次いで110℃で1分間ソフトベークし、次いでN下に3分間250℃でアニールした。図3は、この材料が、スチレンから誘導したエッチング耐性ブロックセグメントを含む(基材に対して垂直な)ナノ相分離シリンダのアレイが形成した自己集合パターンを形成したことを示す。このミクロ相分離アレイは、ポストアレイを基材にエッチングパターン転写するために使用するのに適したものである。
【0146】
加工例3
例2及び例4のブレンドに基づく高速架橋可能な下層上のブロックコポリマー(BCP)のコンタクトホールアレイ自己集合
例2及び例4のポリマーを60:40重量比でPGMEA中に溶解して、0.32重量%の溶液を調製した。この溶液を0.02μmのPTFEフィルターを用いて濾過し、次いで、SiOxウェハ上に1500rpmでコーティングし、続いてこれらのウェハをそれぞれ空気中で240℃で1分間ベークして、架橋された中性層(FT8nm)でコーティングされたSiOxウェハを作製した。表2は、例2及び4のポリマーのこのブレンドのこの架橋された膜が、スピンキャスト用溶剤のPGMEAで処理した時に、ブロックコポリマーでのオーバーコートにとっては使い物にならない非常に大きな膜減りを示した比較加工例2で観察された結果とは対照的に、僅かな取るに足らない膜減りしか起こさないことを示す。次いで、架橋された中性層でコーティングされたこれらのウェハを、スチレン及びメチルメタクリレートのジブロックコポリマー(PS-b-PMMA)(Mn=49,000g/モル、PDI=1.02)(例6のもの)の、0.02μmPTFEに通して濾過したPGMEA中1.5重量%溶液で、1,500rpmでスピンコートすることによってコーティングし、次いで110℃で1分間ソフトベークし、次いでN下に3分間250℃でアニールした。図4は、この材料が、メチルメタクリレートから誘導したエッチング可能なブロックを含む(基材に対して垂直な)ナノ相分離シリンダのアレイが形成した自己集合パターンを形成したことを示す。このミクロ相分離アレイは、コンタクトホールアレイを基材にエッチングパターン転写するために使用するのに適したものである。
【0147】
加工例4
例3及び例5のブレンドに基づく高速架橋可能な下層上のブロックコポリマー(BCP)のポストアレイ自己集合
例3及び例5のポリマーを30:70重量比でPGMEA中に溶解して、0.32重量%の溶液を調製した。この溶液を0.02μmのPTFEフィルターを用いて濾過し、次いで、SiOxウェハ上に1500rpmでコーティングし、続いてこれらのウェハをそれぞれ240℃で1分間ベークして、架橋された中性層(FT8nm)でコーティングされたSiOxウェハを作製した。例2及び4のブレンドの場合に観察された結果と類似して、このブレンドからの架橋された膜は、スピンキャスト用溶剤であるPGMEAで処理された時に、僅かな取るに足らない膜減りしか起こさない。次に、架橋した中性層でコーティングしたウェハを、スチレン及びメチルメタクリレートのジブロックコポリマー(PS-b-PMMA)(Mn=45,000g/モル、PDI=1.04)の、PTFEに通して濾過したPGMEA中1.5重量%溶液で、1,500rpmでスピンコートすることによってコーティングし、次いで110℃で1分間ソフトベークし、次いでN下に3分間250℃でアニールした。図5は、この材料が、スチレンから誘導されたエッチング耐性ブロックセグメントを含む(基材に対して垂直な)ナノ相分離シリンダのアレイが形成した自己集合パターンを形成したことを示す。このミクロ相分離アレイは、ポストアレイを基材にエッチングパターン転写するために使用するのに適したものである。
【0148】
加工例5
低Mn及び高Mnを有する二つのBCPのブレンドに基づく高速架橋可能な下層上のブロックコポリマー(BCP)のコンタクトホールアレイ自己集合
例1のポリマーをPGMEA中に溶解して0.32重量%の溶液を調製した。この溶液を0.02μmのPTFEフィルターを用いて濾過し、次いで、SiOxウェハ上に1500rpmでコーティングし、続いてこれらのウェハをそれぞれ240℃で1分間ベークして、架橋された中性層(FT8nm)でコーティングされたSiOxウェハを作製した。
【0149】
次いで、架橋された中性層でコーティングされたこれらのウェハを、(Mn=49,000g/モル、PDI=1.02)及び(Mn=107,000g/モル、PDI=1.02)を有するスチレン及びメチルメタクリレートの二つのジブロックコポリマーの40:60重量比のブレンドからの、PTFEに通して濾過したPGMEA中1.5重量%溶液で、1,500rpmでスピンコートすることによってコーティングし、次いで、110℃で1分間ソフトベークし、次いでN下に3分間250℃でアニールした。図6は、この材料が、メチルメタクリレートから誘導したエッチング可能なブロックセグメントを含む(基材に対して垂直な)ナノ相分離シリンダのアレイが形成した自己集合パターンを形成したことを示す。このミクロ相分離アレイは、コンタクトホールアレイを基材にエッチングパターン転写するために使用するのに適したものである。
【0150】
加工例6
低Mn及び高Mnを有する二つのBCPのブレンドに基づく高速架橋可能な下層上のブロックコポリマー(BCP)のポストアレイ自己集合
例5のポリマーをPGMEA中に溶解して0.32重量%の溶液を調製した。この溶液を0.02μmのPTFEフィルターを用いて濾過し、次いで、SiOxウェハ上に1500rpmでコーティングし、続いてこれらのウェハをそれぞれ240℃で1分間ベークして、架橋された中性層(FT8nm)でコーティングされたSiOxウェハを作製した。
【0151】
次いで、架橋された中性層でコーティングされたこれらのウェハを、(Mn=45,000g/モル、PDI=1.04)及び(Mn=137,000g/モル、PDI=1.05)を有するスチレン及びメチルメタクリレートの二つのジブロックコポリマー(PS-b-PMMA)の40:60重量比のブレンドからの、PTFEに通して濾過したPGMEA中1.5重量%溶液で、1,500rpmでスピンコートすることによってコーティングし、次いで、110℃で1分間ソフトベークし、次いでN下に3分間250℃でアニールした。図7は、この材料が、スチレンから誘導したエッチング耐性ブロックセグメントを含む(基材に対して垂直な)ナノ相分離シリンダのアレイが形成した自己集合パターンを形成したことを示す。このミクロ相分離アレイは、ポストアレイを基材にエッチングパターン転写するために使用するのに適したものである。
【0152】
【表2】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】