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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-28
(54)【発明の名称】CVDリアクタ用のガス入口装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20220121BHJP
   B01J 4/00 20060101ALI20220121BHJP
【FI】
H01L21/205
B01J4/00 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021530047
(86)(22)【出願日】2019-11-27
(85)【翻訳文提出日】2021-05-26
(86)【国際出願番号】 EP2019082679
(87)【国際公開番号】W WO2020109361
(87)【国際公開日】2020-06-04
(31)【優先権主張番号】102018130139.1
(32)【優先日】2018-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502010251
【氏名又は名称】アイクストロン、エスイー
(74)【代理人】
【識別番号】100095267
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 高城郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124176
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 典子
(72)【発明者】
【氏名】コールベルク、マルセル
(72)【発明者】
【氏名】ルダ・イ・ヴィット、フランシスコ
(72)【発明者】
【氏名】ムキノビッチ、メリム
(72)【発明者】
【氏名】プフィシュターラー、ミケ
【テーマコード(参考)】
4G068
5F045
【Fターム(参考)】
4G068AA01
4G068AB02
4G068AC05
4G068AC17
4G068AD41
4G068AD47
5F045AA03
5F045AB01
5F045AB09
5F045AB21
5F045AF03
5F045AF04
5F045AF09
5F045DP15
5F045DP27
5F045EF01
5F045EF11
5F045EK07
5F045EM09
(57)【要約】
本発明はガス供給導管5を具備する固定部3に固定可能なガス入口部材を有するCVDリアクタ1のガス入口装置に関し、前記機構は、互いに上下に配置された複数のガス分配レベルを有し、各レベルはガス分配壁6により囲まれたガス分配室8に流体連通して接続されたガス出口開口7を具備するガス分配壁6を有する。ガス分配室8に開口する個々のガス入口チャネル9.1、9.2、9.3、9.4、9.5の口10と異なるガス分配レベルのガス分配室8とは、分離ベース11により互いに分離されている。本発明では、ガス入口チャネル9.1、9.2、9.3、9.4、9.5の口10とガス分配壁6との間にフローバリアが配置される。さらにガス入口装置が、互いに上下に配置された複数の円盤状ガス分配体4.1、4.2、4.3、4.4からなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス供給導管(5)を有する固定部(3)に固定可能でありかつ複数の互いに上下に配置されたガス分配レベルを具備するガス入口部材を有する、CVDリアクタ(1)のガス入口装置であって、前記ガス分配レベルの各々が、ガス出口開口(7)を具備するガス分配壁(6)を有し、前記ガス出口開口(7)は前記ガス分配壁(6)により囲まれたガス分配室(8)と流体連通しており、その場合、開口(10)を具備するガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)が、前記ガス分配室(8)にそれぞれ開口し、かつ、異なるガス分配レベルの前記ガス分配室(8)が、それぞれ分離ベース(11)により互いに分離されており、その場合、前記ガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)の各々が、前記ガス入口部材(2)の柱状の中央部(15)に配置されている、前記ガス入口装置において、
前記ガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)が、前記中央部(15)を通る横断面において互いに隣り合っており、かつ、互いに異なるガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)の前記開口(10)が、前記中央部(15)を中心とする周方向において互いにオフセットして配置されていることを特徴とするガス入口装置。
【請求項2】
前記ガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)が、中心孔(17、17’)又は中心軸の周りに配置されていることを特徴とする請求項1に記載のガス入口装置。
【請求項3】
前記ガス入口部材(2)が石英製であること、及び、材料的に一体のガス分配体/部(4.1、4.2、4.3、4.4、4.5)又は材料的に一体のガス入口部材(2)が、選択的レーザー誘起エッチング法により製造され、その際、集光したレーザー光の焦点で材料の変性が行われかつ変性した材料がエッチング液によって除去されることを特徴とする前出請求項の1つに記載のガス入口装置。
【請求項4】
ガス供給導管(5)を有する固定部(3)に固定可能でありかつ複数の互いに上下に配置されたガス分配レベルを具備するガス入口部材を有する、CVDリアクタ(1)のガス入口装置であって、前記ガス分配レベルの各々が、ガス出口開口(7)を具備するガス分配壁(6)を有し、前記ガス出口開口(7)は前記ガス分配壁(6)により囲まれたガス分配室(8)と流体連通しており、その場合、開口(10)を具備するガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)が、前記ガス分配室(8)に開口し、かつ、異なるガス分配レベルの前記ガス分配室(8)が、それぞれ分離ベース(11)により互いに分離されている、前記ガス入口装置において、
各ガス分配レベルは、円盤状のガス分配部(4.1、4.2、4.3、4.4、4.5)として形成され、その際、前記ガス分配壁(6)は、少なくとも1つのシール機構により前記分離ベース(11)の縁と互いに接続されており、かつ、前記ガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)の前記開口(10)を有する中央部(15)が、前記分離ベース(11)から起立しており、
その場合、下側のガス分配部(4.2、4.3、4.4、4.5)の中央部(15)の上向きの主面(15’)が、上側のガス分配部(4.1、4.2、4.3、4.4)の分離ベース(11)の下面と面一に配置されているか又はそれに接続されており、かつ、
前記上側のガス分配部(4.1、4.2、4.3、4.4)の中央部(15)の貫通孔(16)が、前記下側のガス分配部(4.2、4.3、4.4、4.5)の前記ガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)の前記開口(10)と流体連通しかつ上側の主面(15’)に開いていることを特徴とするガス入口装置。
【請求項5】
前記分離ベース(11)が、前記中央部(15)及び/又は前記ガス分配壁(6)と材料的に一体であるように接続されている前出請求項の1つに記載のガス入口装置。
【請求項6】
前記中央部(15)が、台座により形成されていることを特徴とする前出請求項の1つに記載のガス入口装置。
【請求項7】
ガス供給導管(5)を有する固定部(3)に固定可能でありかつ複数の互いに上下に配置されたガス分配レベルを具備するガス入口部材(2)を有する、CVDリアクタ(1)のガス入口装置であって、前記ガス分配レベルの各々が、ガス出口開口(7)を具備するガス分配壁(6)を有し、前記ガス出口開口(7)は前記ガス分配壁(6)により囲まれたガス分配室(8)と流体連通しており、その場合、ガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)が、前記ガス分配室(8)にそれぞれ開口し、かつ、異なるガス分配レベルの前記ガス分配室(8)が、それぞれ分離ベース(11)により互いに分離されている、前記ガス入口装置において、
各ガス分配レベルは、円盤状のガス分配部(4.1、4.2、4.3、4.4、4.5)として形成され、かつ、前記ガス入口部材(2)全体に亘って延在する孔(17、17’)が設けられることを特徴とする、ガス入口装置。
【請求項8】
前記孔(17)が、前記ガス入口部材(2)を固定部(3)に固定するための固定孔を形成すること、又は、前記孔(17)が、パージチャネル(17’)を形成することを特徴とする請求項7に記載のガス入口装置。
【請求項9】
互いに上下に配置された円盤状のガス分配部(4.1、4.2、4.3、4.4、4.5)が、特に、材料的に一体に又は材質的に均一に互いに接続されたガス分配体であることを特徴とする前出請求項の1つに記載のガス入口装置。
【請求項10】
ガス供給導管(5)を有する固定部(3)に固定可能でありかつ複数の互いに上下に配置されたガス分配レベルを具備するガス入口部材を有する、CVDリアクタ(1)のガス入口装置であって、前記ガス分配レベルの各々が、ガス出口開口(7)を具備するガス分配壁(6)を有し、前記ガス出口開口(7)は前記ガス分配壁(6)により囲まれたガス分配室(8)と流体連通しており、その場合、開口(10)を具備するガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)が、前記ガス分配室(8)にそれぞれ開口し、かつ、異なるガス分配レベルの前記ガス分配室(8)が、分離ベース(11)により互いに分離されている、前記ガス入口装置において、
前記ガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)の開口(10)と前記ガス分配壁(6)との間の少なくとも1つのガス分配室(8)に、1又は複数のガス通過チャネル(14、14’、14”)を有する少なくとも1つの第1のフローバリア(12、12’、12”)が延在することを特徴とするガス入口装置。
【請求項11】
前記フローバリア(12、12’)が、ガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)の開口(10)を有する中央部(15)を取り囲むことを特徴とする前出請求項の1つに記載のガス入口装置。
【請求項12】
少なくとも2つのフローバリア(12、12’)が、フロー方向に互いに前後して配置されており、その場合、前記少なくとも2つのフローバリア(12、12’)及び特に前記ガス分配壁(6)が、同心状に前記中央部(15)を中心として配置されていることを特徴とする前出請求項の1つに記載のガス入口装置。
【請求項13】
少なくとも1つのフローバリア(12、12’)が、ガス分配室(8)を上流部分(8”、8’”)と下流部分(8’、8”)に分離すること、又は、複数の前記フローバリア(12”)が、ガス通過チャネル(14”)を有し、前記ガス通過チャネル(14”)は、ガス出口開口(7)に開口するより大きな断面をもつ、ガス分配壁(6)のガス通過孔(13)に直接隣接することを特徴とする前出請求項の1つに記載のガス入口装置。
【請求項14】
前出請求項の1つに記載のガス入口装置のガス入口部材(2)の製造方法であって、
ガス分配体(4.1、4.2、4.3、4.4、4.5)又は複数のガス分配部(4.1、4.2、4.3、4.4、4.5)を有する前記ガス入口部材(2)が、それぞれ選択的レーザー誘起エッチングにより一体的に作製されることを特徴とする製造方法。
【請求項15】
CVDリアクタ(1)のプロセスチャンバ(20)内にプロセスガスを供給する方法であって、プロセスガスは、1つのガス供給導管(5)により又は複数のガス供給導管(5)により互いに分離されて供給され、前記ガス供給導管(5)とそれぞれ接続されたガス入口チャネル(9.1~9.5)及びそれぞれの開口(10)によりガス入口部材(2)のガス分配室(8)に供給され、前記ガス分配室(8)から、ガス出口開口(7)に開口するガス分配壁(6)のガス通過孔(13)を通ってプロセスチャンバ20に入る、前記供給方法において、
前記開口(10)から出て来るプロセスガスフローが、個々のガス通過孔(13)までの異なる長さのフロー距離をカバーするように、かつ、前記ガス分配室(8)内の少なくとも1つのフローバリア(12、12’、12”)が、前記ガス出口開口(7)から出てくるプロセスガスを均一にするように、前記開口(10)が前記ガス分配室(8)内に配置されることを特徴とする供給方法。
【請求項16】
前出請求項の1つに記載の1又は複数の特徴的特徴を特徴とするガス入口装置又は方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス供給導管を有する固定部に固定可能であり複数の互いに上下に配置されたガス分配レベルをもつガス入口部材を有する、CVDリアクタのためのガス入口装置に関し、それらのガス分配レベルはそれぞれ、ガス出口開口を具備するガス分配壁を有し、それらのガス出口開口はガス分配壁で囲まれたガス分配室と流体連通しており、その場合、ガス入口チャネルがガス分配室に開口し、かつそれらのガス分配レベルのガス分配室が分離ベースにより分離されており、その場合、ガス入口チャネルが、特に、ガス入口部材の柱状の中央部に配置されている。
【0002】
本発明はさらに、そのようなガス入口装置を設けられたCVDリアクタに関する。
【背景技術】
【0003】
石英製のガス入口部材は、特許文献1に記載されている。そこに記載されたガス入口部材は、ガス入口部材の図上の軸の周りに配置された中央体を有する。ガス入口部材の中央領域には、複数の同心状に互いに配置されたガス入口チャネルが延在し、それらは、周長全体に延在する開口に開いている。ガス入口チャネルの開口にはリング状に中央部を取り囲むガス分配室が接続されており、それらのガス分配室は、分離ベースによって複数の互いに上下に配置されたガス分配レベルに分離されている。各ガス分配室の径方向外側の縁部は、ガス分配壁により取り囲まれ、そのガス分配壁は、複数のガス通過孔を有し、それらのガス通過孔はガス出口開口に開いており、それらを通してプロセスガスをCVDリアクタのプロセスチャンバに供給することができる。複数のガス分配室の各々に、個々のプロセスガスを供給可能である。異なるプロセスガスは、互いに異なる高さで互いに分離されてガス入口部材に接続されたプロセスチャンバに流れることができる。プロセスチャンバ内では、下方から加熱されるサセプタ上に基板が載置され、基板は、MOCVD法によりIII-V族層又はIV族層又はII-VI族層を堆積することができる。
【0004】
特許文献2、3、4及び5から、石英体を構築する方法が知られている。研磨された表面を有する石英ブランクが、先ずレーザービームで処理される。そのとき、レーザービームを超短パルスで発生して集光させる。その焦点は、書き込むような動作で例えば一列ずつ石英ブランクの体積を通過する。その焦点にて、レーザービームは、閾値強度を超える強度に到達し、そのとき石英材料に材料変性が起きる。変性した材料は、その後、例えば水酸化カリウム溶液などの液体エッチャントで除去できる。従来技術から、これらの方法により、スプレーヘッド又はスプレー缶のノズル体用の液体チャネルを作製することが知られている。さらに、投影露光システム用の部品に空洞構造を作製することも知られている。さらに、SLE(選択的レーザー誘起エッチング)と称される方法を用いて石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、サファイア及びルビーなどの透明な部品にマイクロチャネル、成形孔、切欠きなどを作製することも知られている。従来技術はさらに、特許文献6、7、8、9が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2008 055 582号明細書
【特許文献2】独国特許第100 29 110号明細書
【特許文献3】欧州特許第3 036 061号明細書
【特許文献4】独国実用新案登録出願公開第20 2017 002 851号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第10 2018 202 687号明細書
【特許文献6】独国特許出願公開第10241964号明細書
【特許文献7】独国特許出願公開第10241964号明細書
【特許文献8】独国特許出願公開第102014104218号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2009/0260569 号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述したタイプのガス入口部材を、使用に有利な方法で構築するという目的に基づく。その場合、特に、ガス入口部材を構成することが提供される。本発明は、ガス入口部材をより取扱い易いように構成し、さらに技術的仕上げや組立てがより容易になるように構成することを目的とする。さらに、これまで実現できなかったガス入口部材の形状を実現する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、特許請求の範囲に示された発明によって解決され、従属項は、各従属項に示された発明の有利なさらなる発展を示すだけでなく、課題の独立した解決手段を示す。
【0008】
最初にかつ本質的に、本発明の第1の態様により、好ましくは複数の互いに上下に配置されたガス分配レベルの少なくとも1つがフローバリアを有することが提示される。それらのフローバリアが、ガス分配室をガス入口チャネルの開口に隣接する上流部分と下流部分とに分離するように、フローバリアがガス分配室を通って延在する。その下流部分は、さらなるフローバリアと隣り合うことができる。しかしながら、その下流部分は、ガス分配壁と隣り合うこともできる。フローバリアは、好ましくはリング状に、そして特に好ましくは円形リング状に、ガス入口チャネルの開口を有する中央部を取り囲んでいる。しかしながらフローバリアは、ガス分配壁に直接隣接することもできる。そのフローバリアは、ガス分配壁のガス通過孔に開口するガス通過チャネルを有する。それらのガス通過チャネルは、ガス通過孔よりも小さい断面を有する。それらのガス通過チャネルは、ガス通過孔とすることができ、それらを通ってプロセスガスが、ガス分配室の上流部分からガス分配室の下流部分へと流れることができる。
フローバリアが圧力障壁を形成することによって、フローバリアの上流側にフローバリアの下流側よりも高いガス圧力を生じる。これにより、フローバリアから出て来るガス流束がフローバリアのガス出口面に亘って均一となる。ガス通過孔は、好ましくは実質的に均一な分布でフローバリアのガス出口面上に配置されている。フローバリアのガス出口面は、好ましくはガス分配壁のガス出口面のように、周方向の面でありかつ特に円筒の外面である。それらの孔は、0.1mmより小さい、0.2mmより小さい、0.5mmより小さい、1mmより小さい、2mmより小さい、又は3mmより小さい直径を有することができる。しかしながら、フローバリアのガス通過チャネルは、間隙とすることもできる。
【0009】
本発明の第2の態様によれば、互いに上下に配置されたガス分配レベルの各々が、円盤状のガス分配部により形成されている。その場合、ガス分配部が好ましくは、ガス分配体/部により形成されている。ガス分配部は、円形の円盤状に形成することができる。ガス分配壁は、材料的に一体又は材質的に均一に分離ベースと接続されており、その場合、分離ベースは、円形円盤形状を有する。分離ベースから中央部が起立することができる。その中央部は、特に台座状に形成され、かつガス分配室に開口するガス入口チャネルの開口を形成している。中央部は、特に1つの平面内に延在する上向きの主面を有することができ、その場合、その延在面内に、ガス分配壁の上縁も延在することができる。
それらのガス分配体/部は、特に実質的に同じ形状である。それらは、好ましくは平坦な下面を有する。ガス分配体/部は、下側のガス分配体/部の中央部の主面が上側のガス分配体/部の分離ベースの下面と面一に位置するように、互いに上下に積層されている。その際、特に、ガス分配壁の上向きの上面が分離ベースの下面にシール状態で結合することによって、少なくとも2つのガス分配体/部が互いに上下に位置することにより、ガス分配室は下方も上方も分離ベースにより閉鎖されている。ガス分配室は、好ましくは径方向のみに開放されており、その場合、ガス分配室は、ガス分配壁のガス通過孔を介して径方向外側に開いており、そして、ガス入口チャネルの開口により径方向内側に開いている。
ガス分配体/部の少なくとも1つが、その中央部に1つの貫通孔を有することがさらに提供される。その貫通孔が分離ベースの上側の主面に対しても、そして下側の主面に対しても開いていることによって、その貫通孔は、下側のガス分配体/部のガスチャネルの開口を、上側のガス分配体/部の貫通孔と接続することができる。したがって、複数の互いに上下に配置されたガス貫通孔は、ガス入口チャネルを形成する。
【0010】
本発明のさらなる態様は、ガス入口部材における中央孔の構成に関する。それはパージチャネル、又は、固定螺子のための固定孔とすることができる。
【0011】
本発明のさらなる態様は、ガス入口部材の固定部への固定に関する。固定部は、リアクタ壁の天井部に固定することができ、その場合、その天井部は、リアクタのメンテナンスのためにリアクタハウジングの下部から取り外すことができる。その際、ガス入口部材は、プロセスチャンバから持ち上げられる。本発明によれば、ガス入口部材が、ガス入口部材の固定孔に挿通される固定手段により固定部に固定される。
ガス分配レベルが、実質的に円盤状のガス分配体/部により形成されることが特に提供される。ガス分配体/部を通って、螺子とすることができる固定要素を受容するための固定孔が延在している。固定孔は、ガス分配体/部の中央部に延在する中央孔とすることができる。ガス分配体/部は、材質的に均一に互いに接続することができる。しかしながらそれらは、材料的に互いに一体に接続することもできる。したがって、ガス入口部材全体を複数の部品で構成することができる。しかしながら、それを一体型で作製することもできる。ガス入口部材は、好ましくは回転対称体として形成され、かつ中央の固定孔を有する。その場合、固定孔を中心として周方向に複数のガス入口チャネルが延在することができ、それらは互いに異なるガス分配レベルで開口する。
しかしながら、中央の固定孔に替えて、又は中央の固定孔と組み合わせて、中心から外れた偏心した固定孔を設けることができる。それを用いてガス入口部材を固定面に固定することができる。中心から外れた固定孔は、特に、ガス分配壁を超えて径方向に突出するフランジ部に配置することができる。フランジ部により、ガス入口部材を支持体に固定することができる。
【0012】
本発明のさらなる態様によれば、ガス入口部材の柱状の中央部から形成されるガス入口チャネルが、互いに同心状に延在せずに、それぞれ図上の軸とできる軸を中心とする周方向に互いに分離されて配置されることが提供される。本発明によれば、ガス入口チャネルは、中央部を通る横断面において互いに隣り合って位置する。互いに異なるガス入口チャネルの開口は、中央部を中心とする周方向に互いにオフセットして配置されている。それらの開口は、好ましくは径方向外側を向いている。
この実施形態では、特に、中央部が少なくとも1つのフローバリアにより取り囲まれることによって、フローバリアの周面上に延在するガス通過孔から実質的に均一に周方向に分配されてガスフローが流れ出ることができることが提供される。それらのガス通過孔は、ガス分配室の下流部分に開口し、そこからプロセスガスはガス分配壁の通過孔を通ってプロセスチャンバに流れることができる。
【0013】
上述したように本発明により形成されたガス入口部材は、石英から作製できる。しかしながら、金属製、特にステンレス鋼製とすることもできる。ガス入口部材がステンレス鋼から作製される場合、好ましくはそれは複数の部品で作製される。その場合、ガス入口部材の個々の部品は、しっかりと接続され、例えば螺子接続により、又は例えば溶接シームにより材料的に接続される。ガス通過孔は、ドリルで形成することができる。しかしながら、本発明の好ましい実施形態では、ガス入口部材は石英から作製される。ここでも、ガス入口部材の個々の構成要素、すなわち、ガス分配壁、分離ベース、台座状の中央部、及びフローバリアを互いに別々に作製し、そしてその後、例えばホウケイ酸ガラスなどの適切な材料閉鎖手段で結合することが可能である。
同様に好ましい実施形態では、ガス入口部材が、一体的に形成することができる複数の円盤状の互いに上下に配置されたガス分配体を有する。それらは、円盤状の石英体から削り出すことができ、その場合、そのために特にSLE法(選択的レーザー誘起エッチング)が用いられる。この方法では、第1のプロセスステップにおいて、均質な石英ブランク体の局所的な材料変性が行われる。このために、超短パルスのレーザービームが、マイクロメートル範囲にある焦点に集光させられ、その場合、レーザービームが石英のワーク片に対して相対的に移動することによってその焦点が石英体の体積を通って誘導される。マルチフォトンプロセスによって、レーザービームの焦点にある石英材料の材料変性が行われる。このように変性した材料は、第2のプロセスステップにおいて、エッチング液により除去することができる。エッチング液は、好ましくは液体であり、例えばKOHである。この方法により、ガス分配壁、そのガス通過孔、中央の台座、そのガス供給導管、及び中央部とガス分配壁との間に延在しその通過孔を含むフローバリアを円盤状の石英ベース体に作製することができる。このように作製され、材料的に一体の円盤状のガス分配体/部を、その後、互いに上下に積層し、そして特に、材質的に均一に互いに結合させることができる。
特に好ましい本発明の変形形態では、ガス分配体が、材料的に一体に互いに接続されている。このような均質な、一体の石英ブランクから作製されたガス入口部材の製造のために、同様に上述したSLE法が用いられる。この製造方法においては、先ず、研磨された表面を有する固体の石英体が作製される。その後、集光したレーザービームを用いて、空洞部が露光される。その後、露光された材料は、エッチング液を用いて除去される。ガス入口部材が、上述したフランジ部を有する場合、そのフランジ部はガス分配体と材料的に一体に結合することができ、同様にSLE法を用いて作製できる。
これらの又は他の本発明の実施形態は、以下の図面に関してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明による第1の実施形態のガス入口部材2を備えたCVDリアクタの構造を、縦断面にて実質的に概略的に示している。
図2図2は、互いに上下に配置されてガス入口部材2を構成する5つのガス分配体4.1、4.2、4.3、4.4、4.5を示す斜視図である。
図3図3は、ガス入口部材の図である。
図4図4は、ガス入口部材の第2の例示的実施形態を図1と同様に示している。
図5図5は、図4のV断面の拡大図である。
図6図6は、図4のラインVI-VIの断面図である。
図7図7は、本発明の第2の例示的実施形態のガス入口部材である。
図8図8は、ガス入口部材のさらなる例示的実施形態の図5と同様の図である。
図9図9は、ガス入口部材のさらなる例示的実施形態の図5と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、CVDリアクタの構成を実質的に概略的に示しており、そのプロセスチャンバ20内でCVD堆積プロセスを行うことができる。その際、複数の基板21上に、特に半導体層を堆積することができる。基板21は、III-V族化合物、シリコン、サファイア、又は他の適切な材料から作製されている。基板上に、IV族半導体、III-V族半導体、又はII-VI族半導体の元素で構成された1又は複数の層を堆積することができる。ガス入口部材2を通して、例えばH、又は希ガスである搬送ガスを用いて、様々なプロセスガスがプロセスチャンバ20内に導入される。その場合、プロセスガスは、V族半導体の水素化物、IV族半導体若しくはIV族半導体の有機金属化合物、又はIII族半導体を含むことができる。基板21を担持するコーティングされたグラファイトなどからなるサセプタ19が、下方から加熱装置24によりプロセス温度に加熱されることによって、ガス入口部材を用いてプロセスチャンバ20の中央に供給されたプロセスガスが、中心の周りに円形に配置された基板の表面の上で熱分解することにより、特に単結晶層を形成する。プロセスチャンバ20を径方向に通過して流れるプロセスガスは、サセプタ19を取り囲むガス出口22を通ってプロセスチャンバ20を出る。ガス出口22は図示しない吸引ポンプに接続されている。
【0016】
サセプタ19は、支持管33によって支持されている支持ディスク32上に載置されている。図示しない手段を用いて、図1に概略的にのみ示すサセプタ19が軸の周りで回転させることができる。
【0017】
符号34は、加熱装置24とサセプタ19との間の拡散バリアを示す。
【0018】
リアクタハウジング1の内部にはプロセスチャンバ天井23があり、それを通って固定部3がプロセスチャンバ20内に突出している。金属製、特にステンレス鋼製とすることができる固定部3に、ガス入口部材2が固定されている。
【0019】
ガス入口部材2は、金属製、特にステンレス鋼製とすることができる。しかしながら、好ましくは、ガス入口部材2は石英製とされる。ガス入口部材2は、金属製、特に非鉄金属又はステンレス鋼製とすることができる。しかしながら、好ましくは、ガス入口部材2は、セラミック材料製であり、特に好ましくは石英製である。
【0020】
図1に示したガス入口部材2では、ガス出口開口を有するガス入口部材2の下部が、サセプタ19の凹部25に嵌まり込んでいる。フランジ部36を形成するガス入口部材2の上部は、下部領域と材料的に一体に接続することができる。ガス入口部材2の中央を通って、パージチャネル17’を形成する貫通孔が延在している。符号35は、固定孔を概略的に示しており、その固定孔35を用い、固定孔35を貫通する螺子によってガス入口部材2を支持部材上に固定することができる。
【0021】
図4に示す例示的実施形態では、下部3”と上部3’”とを有する固定部3が示されている。しかしながらここで、下部3”は、ガス入口部材2と材料的に一体の部品とすることもできる。ここで、固定孔35内に、上部3’”の螺子孔にねじ込まれる固定螺子が示されている。
【0022】
固定部3は、実質的に平坦な下向きの、サセプタ19に向いた固定面3’を有する。固定面3’の中央領域には、例示的実施形態として5つの中心周りに配置されたガスチャネルを有し、それらは、ガス入口部材2のガス入口チャネル9.1、9.2、9.3、9.4、9.5とそれぞれ接続されている。ガス入口チャネル9.1、9.2、9.3、9.4、9.5は、固定孔27を取り囲み、その中にはナット28が回転固定されて取り付けられており、そのナット28はスプリング29上で支持されている。ナット28には固定螺子30の螺子山がねじ込まれ、その頭部は、特に石英製のベースプレート31上で支持されている。サセプタ19の凹部25に載置されたベースプレート31と、固定部3の固定面3’との間には、5つの円盤状のガス分配体4.1、4.2、4.3、4.4及び4.5があり、それらは実質的に同じ形状であるが、中央部15の形状に関しては互いに異なっている。ベースプレート31もまた、セラミック材料製、非鉄金属製とすることができ、そして特にステンレス鋼製とすることができる。互いに上下に配置されたガス分配体4.1~4.5は、それぞれ異なる目的のために用いられる。2つの上側のガス分配体4.1、4.2により、プロセスチャンバ20の清浄化のためのClをプロセスチャンバ20に供給することができる。下側のガス分配体4.3~4.5により、プロセスガスをプロセスチャンバ20に供給することができる。
【0023】
図示しないシールにより、最上位置に配置されたガス分配体4.1の上縁が、固定面3’に対して封止される。図4に3”で示された部分は、シールアダプタを形成する。
【0024】
図2に示されたガス分配体/部4.1、4.2、4.3、4.4及び4.5は、それぞれ円板状のベースプレートを有し、そのベースプレートは分離ベース11を形成しており、それにより、上下に配置されたガス分配体4.1、4.2、4.3、4.4及び4.5が互いに分離される。
【0025】
分離ベース11の円形の縁に円形リング状のガス分配壁6が延在しており、そのガス分配壁6は、複数の均一に分布して配置されたガス通過孔13を有する。それらのガス通過孔13は、3mm未満の直径、特に1mm未満の直径を有する。径方向に延在するガス通過孔13は、それぞれ1つのガス出口開口7に開口する。(図上の軸に関して)ガス入口部材2の軸方向に計測したガス分配体4.1、4.2、4.3、4.4、4.5の高さは、5mm~2cmの間にあるようにできる。(図上の軸に関して)径方向に延びるガス分配壁6の幅も同様に、0.5cm~2cmの範囲にあるようにできる。しかしながら、ガス分配壁6の壁の厚さは、0.5cmより小さくすることもでき、特に1mmとすることができる。
【0026】
ガス分配壁6は、中央部15の周りに延在するガス分配室8を取り囲んでいる。ガス分配室8は、例示的実施形態では、3つのリング形状部分8’、8”、8’”に分離されている。ガス分配室8の第1の部分8’は、ガス分配壁6からフローバリア12まで延在しており、そのフローバリア12はガス分配壁6と同心状に配置されている。フローバリア12により囲まれたガス分配室8の部分8’の径方向内側には、同様にガス分配壁6と同心状に延在する第2のフローバリア12’が延在し、そのフローバリア12’はガス分配室8の部分8’”を取り囲み、その部分8’”は中央部15に隣接している。フローバリア12、12’は、ガス分配壁6と同じ高さを有し、そして例示的実施形態では同じ径方向幅を有する。2つの隣り合うフローバリア12、12’同士の間又は中央部15とフローバリア12’との間又はフローバリア12とガス分配壁6との間の距離は、フローバリア12、12’又はガス分配壁6の壁の厚さよりも大きい。ガス分配室8の部分8’、8”、8’”の径方向幅は、特に、1cmより大きい。フローバリア12、12’の壁の厚さは、異なり得る。その壁の厚さは、フローバリア12、12’同士の間の空間8’、8”、8’”の径方向長さよりも大きくすることができる。ガス分配室8の部分8’、8”、8’”の径方向幅も5mmより小さくすることができる。
【0027】
図9に示された例示的実施形態では、リング形状のフローバリア12、12’が、ガス分配壁6に直接隣接してさえいる。
【0028】
図2に示された例示的実施形態では、リング形状のフローバリア12、12’が、周方向に均一に分布して配置されたガス通過孔14、14’を有する。ガス通過孔14、14’の直径は、ガス通過孔13の有するそれと同じとすることができる。しかしながら、内側のフローバリア12’のガス通過孔14’が、外側のフローバリア12のガス通過孔14よりも小さい直径を有すること、及び、ガス分配壁6のガス通過孔13が、フローバリア12のガス通過孔14よりも大きい直径を有することも提供される。フローバリア12、12’は、ガス分配室8の上流部分と下流部分との間に圧力差を生じさせる。
【0029】
フローバリア12、12’のガス通過孔14、14’が、互いにオフセットしておりかつ互いに整列していないことが、特に提供される。同じことが、フローバリア12のガス通過孔14と、ガス分配壁6のガス通過孔13にも適用される。ガス通過孔14は、ガス通過孔13とオフセットして延在しかつ整列していない。
【0030】
中央部15は台座として形成され、かつ、フローバリア12、12’又はガス分配壁6と同じ軸方向高さを有することによって、フローバリア12、12’及びガス分配壁6の上面が同じ平面内に位置し、その面内に台座15の主面も延在する。
【0031】
各台座は開口10を有しており、それを介して、各ガス分配体4.1、4.2、4.3、4.4、4.5に割り当てられたガス入口チャネル9.1、9.2、9.3、9.4、9.5が、ガス分配室8の径方向内側に位置する部分に開口する。開口10は、分離ベース11の上面から、その上のガス分配体の分離ベース11の下面まで延在することができる。
【0032】
図4に示された例示的実施形態では、最上位置に配置され固定面3’に直接接続されたガス分配体4.1が、固定孔17の周りに周方向に配置された4つの貫通孔16を有し、それらの貫通孔16は、それぞれガス入口チャネル9.2、9.3、9.4、9.5に割り当てられている。最上のガス分配体/部4.1に割り当てられたガス入口チャネル9.1は、整流壁18がその前に位置する開口10に開口する。
【0033】
図1に示された例示的実施形態では、最上位置に配置されたガス分配体4.1の上面が、複数のガス供給導管5がその中に延在するフランジ部36と材料的に一体に接続されている。
【0034】
上から見て第2のガス分配体4.2は、3つの貫通孔16のみを有し、その各々がガス入口チャネル9.3、9.4及び9.5に属する。ガス入口チャネル9.2は、ここで同様に整流壁18がその前に位置する開口10に開口し、その開口10は、ガス分配体4.1の開口10に対して周方向にオフセットして配置されている。
【0035】
ガス分配体4.2の下側に配置されたガス分配体4.3は、なお2つの貫通孔16のみを有し、それらはガス入口チャネル9.4及び9.5に割り当てられている。ガス入口チャネル9.3は、ここで開口10に開口し、その開口10は、ガス分配体4.2の開口10に対してオフセットして配置されている。
【0036】
ガス分配体4.3の下側に配置されたガス分配体4.4は、1つの貫通孔16のみを有し、それはガス入口チャネル9.5に割り当てられている。ガス入口チャネル9.4は、ここで開口10に開口し、その開口は、ガス分配体4.3の開口10に対して周方向にオフセットして配置されている。
【0037】
最下位置に配置されたガス分配体4.5には貫通孔16がない。最下位置に配置されたガス分配体4.5の中央部15において、ガス入口チャネル9.5が、再び周方向にオフセットして配置された開口10に開口する。
【0038】
全てのガス分配体4.1~4.5の開口10は、ガス入口部材2の図上の軸に関して異なる方位にて開口する。
【0039】
最下位置に配置されたガス分配体/部4.5の下側には、固定螺子30の螺子頭部を受容するための凹部を具備するベースプレート31がある。
【0040】
ガス入口部材2が、固定螺子30を緩めるだけで固定部3から取り外し可能であることが有利と考えられる。
【0041】
個々のガス分配体4.1、4.2、4.3、4.4及び4.5のいずれもが、石英ブランクから「固体から」機械加工できることがさらに有利と考えられる。そして、材料的に一体に互いに接続されたガス分配体4.1、4.2、4.3、4.4及び4.5を備えたガス入口部材2全体を、単一のブランクから機械加工できることもさらに有利と考えられる。よって、ガス分配体4.1、4.2、4.3、4.4及び4.5は、材料的に一体に互いに接続されたガス入口部材2のガス分配部である。
【0042】
ガス入口部材2の製造のために、上述したSLEを用いることが好ましい。その場合、高度に集光しかつ超短パルス化したレーザービームを用いて、あたかも書き込むように石英ブランクの体積領域を材料変性させている。これらの体積領域は、ガス通過孔13、ガス通過孔14及び14’、ガス分配室8の部分8’、8”、8’”、ガス入口チャネル9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、それらの開口10、及び固定孔17である。材料が変性させられた後、エッチング液を用いて変性した材料が石英体から除去される。図1に示されたガス入口部材2の例示的実施形態では、SLEプロセスを用いてブランクから全体を製造することができる。
【0043】
この製造方法は、組み合わされる部品を最小化することも特に有利と考えられる
【0044】
図7に示された例示的実施形態は、2つの互いに上下に配置されたガス分配室8を有するガス入口部材2であり、その場合、ガス分配室8が、フローバリア12により2つの部分に、すなわち1つの上流部分8”と1つの下流部分8’に分離されている。しかしながら、ガスチャネルにより各々に供給することができる数個のガス分配室を互いに上下に配置することもできる。ガス入口チャネル9.1、9.2は、各ガス分配室8に開口する。実質的に円筒体のガス入口部材2は、その円筒面上にガス通過孔13、14、14’を有し、それによりガス分配壁6を形成する。2つのガス分配室8は、分離ベース11により互いに分離されている。ベースプレート31は、下側のガス分配室8のベースを形成する。
【0045】
ガス入口部材2は、一体の石英部品からなる。空洞は、SLEプロセスを用いて作製される。
【0046】
図8は、ガス入口部材のさらなる変形形態を示し、それによれば、フローバリア12が、ガス分配壁6よりも低い高さを有する。分離ベース11の下面とリング状のフローバリア12の上面との間に、ガス通過チャネル14”が形成される。これは周方向の間隙である。しかしながら、図示しない変形形態では、この間隙は、ウェブにより方位に関して分割されてもよい。
【0047】
図9に示された例示的実施形態では、フローバリア12”が、ガス分配壁6に直接隣接している。この例示的実施形態では、小さい断面をもつガス通過孔14が、ガス出口開口7へと延在するより大きい断面をもつガス通過孔13に開いている。
【0048】
例示的実施形態に例示されたフローバリア12、12’、12”は、圧力障壁を形成する。ガス入口チャネル9.1~9.5の開口10は、ガス分配壁6の延在方向に対し偏心して配置されている。したがって、開口とガス通過孔13との間のフロー距離は、様々である。開口10の偏心配置によりガス出口開口7からプロセスチャンバ20に入るガスフローが不均一となるのを回避するために、ガス分配室8の内側がガス分配室8の外側よりも高圧力を生じると共にこの過圧が十分に大きいように、そして、フローバリア12、12’、12”がプロセスチャンバ20へのプロセスガスフローを均一化するように、ガス通過孔14、14’、14”の寸法が規定されている。言い換えるならば、単位面積当たり同じ量のガスが、円筒外側面により形成されたガス出口面全体からプロセスチャンバに流入する。
【0049】
上述したことは、本願が対象とする発明を全体的に説明することを意図したものであり、少なくとも以下の特徴の組み合わせによって先行技術を独立して発展させるものであり、これらの特徴の組み合わせのうち、2つ以上又はすべてを組み合わせることも可能である。
【0050】
ガス入口チャネル9.1、9.2、9.3、9.4、9.5とガス分配壁6との間の少なくとも1つのガス分配室8に、1又は複数のガス通過孔14、14’を有する少なくとも1つの第1のフローバリア12、12’が延在することを特徴とするガス入口装置。
【0051】
フローバリア12、12’が、ガス入口チャネル9.1、9.2、9.3、9.4、9.5の開口10を有する中央部15を取り囲むことを特徴とするガス入口装置。
【0052】
少なくとも2つのフローバリア12、12’がフロー方向に互いに前後に配置され、その場合、それらの少なくとも2つのフローバリア12、12’及び特にガス分配壁6が、中央部15を中心として同心状に配置されていることを特徴とするガス入口装置。
【0053】
少なくとも1つのフローバリア12、12’が、ガス分配室8を上流部分8”、8’”と下流部分8’、8”に分離すること、又は、フローバリア12”が、ガス出口開口7に開口するより大きな断面をもつ、ガス分配壁6のガス通過孔13に直接隣接するガス通過チャネル14”を有することを特徴とするガス入口装置。
【0054】
各ガス分配レベルが円盤状のガス分配部4.1、4.2、4.3、4.4、4.5として形成され、その場合、ガス分配壁6が分離ベース11の縁と少なくともシール接触にて接続され、かつ、ガス入口チャネル9.1、9.2、9.3、9.4、9.5の開口10を有する中央部15が分離ベース11から起立し、その場合、ガス分配部4.2、4.3、4.4、4.5の中央部15の上向きの主面15’が、上側のガス分配部4.1、4.2、4.3、4.4の分離ベース11の下面と面一に位置するか又は接続されており、かつ、上側のガス分配部4.1、4.2、4.3、4.4の中央部15の貫通孔16が、下側のガス分配部4.2、4.3、4.4、4.5のガス入口チャネル9.2、9.3、9.4、9.5の開口10と流体連通しかつ上側の主面15’に開いていることを特徴とするガス入口装置。
【0055】
分離ベース11が、中央部15及び/又はガス分配壁6と材料的に一体に接続されていることを特徴とするガス入口装置。
【0056】
中央部15が台座により形成されていることを特徴とするガス入口装置。
【0057】
各ガス分配レベルが、円盤状のガス分配部4.1、4.2、4.3、4.4、4.5により形成され、かつ、ガス入口部材2全体を貫通して延在する孔17、17’が設けられていることを特徴とするガス入口装置。
【0058】
孔17が、ガス入口部材2を固定部3に固定するための固定孔を形成すること、又は、孔17がパージチャネル17’を形成することを特徴とするガス入口装置。
【0059】
互いに上下に配置された円盤状のガス分配部4.1、4.2、4.3、4.4、4.5が、特に、材料的に一体又は材質的に均一に互いに接続されたガス分配体であることを特徴とするガス入口装置。
【0060】
ガス入口チャネル9.1、9.2、9.3、9.4、9.5が、中央部15を通る横断面において互いに隣り合って位置し、かつ、互いに異なるガス入口チャネル9.1、9.2、9.3、9.4、9.5の開口10が中央部15を中心とする周方向に互いにオフセットして配置されていることを特徴とするガス入口装置。
【0061】
ガス入口チャネル9.1、9.2、9.3、9.4、9.5が、中央の固定孔17の周りに配置されていることを特徴とするガス入口装置。
【0062】
ガス入口部材が石英製であること、及び、材料的に一体のガス分配体/部4.1、4.2、4.3、4.4、4.5又は材料的に一体のガス入口部材が、選択的レーザー誘起エッチングにより作製され、その場合、集光したレーザービームの焦点で材料の変性が行われ、かつ、変性した材料がエッチング液により除去されることを特徴とするガス入口装置。
【0063】
ガス分配体4.1、4.2、4.3、4.4、4.5又は複数のガス分配部4.1、4.2、4.3、4.4、4.5を有するガス入口部材2が、それぞれ選択的レーザー誘起エッチングにより一体的に作製されることを特徴とする方法。
【0064】
開口10から出て来るプロセスガスフローが、個々のガス通過孔13までの異なる長さのフロー距離をカバーするように、かつ、ガス分配室8内の少なくとも1つのフローバリア12、12’、12”が、ガス出口開口7から出るプロセスガスを均一にするように、開口10がガス分配室8内に配置されていることを特徴とする方法。
【0065】
開示された全ての特徴は、(それ自体のみでなく、互いに組み合わされて)本発明に不可欠である。関連/添付された優先権書類(先行出願のコピー)の開示内容も、これらの書類の特徴を本出願の請求項に含めることを目的として、本出願の開示に完全に含まれる。従属請求項は、特にこれらの請求項に基づいて分割出願を行うために、引用される請求項の特徴がなくても、先行技術の独立した発明性のあるさらなる発展を特徴とする。各請求項で特定された発明は、前述の説明で特定された、特に参照符号が付与された、及び/又は符号の説明で特定された、1つ以上の機能を追加で有することができる。
本発明はまた、特に、それらがそれぞれの使用目的において明らかに省略可能であるか、又は技術的に同等の他の手段で置き換えることができる限り、前述の説明で述べた特徴の幾つかのものが実装されない設計形態に関する。
【符号の説明】
【0066】
1 CVDリアクタ
2 ガス入口部材
3 固定部
3’ 固定面
4.1、4.2、4.3、4.4、4.5 ガス分配体/部
5 ガス供給導管
6 ガス分配壁
7 ガス出口開口
8 ガス分配室
8’、8” 下流部分
8’” 上流部分
9.1、9.2、9.3、9.4、9.5 ガス入口チャネル
10 開口
11 分離ベース
12、12’ フローバリア
13 ガス通過孔
14、14’ ガス通過孔
14” ガス通過チャネル
15 中央部、台座
15’ 主面
16 貫通孔
17 固定孔
17’ パージチャネル
18 整流壁
19 サセプタ
20 プロセスチャンバ
21 基板
22 ガス出口
23 プロセスチャンバ天井
24 加熱装置
25 凹部
26 ガス出口開口
27 固定孔
28 ナット
29 スプリング
30 固定螺子
31 ベースプレート
32 支持ディスク
33 支持管
34 拡散バリア
35 固定孔
36 フランジ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2021-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス供給導管(5)を有する固定部(3)に固定可能でありかつ複数の互いに上下に配置されたガス分配レベルを具備するガス入口部材(2)を有する、CVDリアクタ(1)のガス入口装置であって、前記ガス分配レベルの各々が、ガス出口開口(7)を具備するガス分配壁(6)を有し、前記ガス出口開口(7)は前記ガス分配壁(6)により囲まれたガス分配室(8)と流体連通しており、その場合、開口(10)を具備するガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)が、前記ガス分配室(8)にそれぞれ開口し、かつ、異なるガス分配レベルの前記ガス分配室(8)が、それぞれ分離ベース(11)により互いに分離されており、その場合、前記ガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)の各々が、前記ガス入口部材(2)の柱状の中央部(15)に配置されている、前記ガス入口装置において、
前記ガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)が、前記中央部(15)を通る横断面において互いに隣り合っており、かつ、互いに異なるガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)の前記開口(10)が、前記中央部(15)を中心とする周方向において互いにオフセットして配置されていることを特徴とするガス入口装置。
【請求項2】
前記ガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)が、中心孔(17、17’)又は中心軸の周りに配置されていることを特徴とする請求項1に記載のガス入口装置。
【請求項3】
前記ガス入口部材(2)が石英製であること、及び、材料的に一体のガス分配体/部(4.1、4.2、4.3、4.4、4.5)又は材料的に一体のガス入口部材(2)が、選択的レーザー誘起エッチング法により製造され、その際、集光したレーザー光の焦点で材料の変性が行われかつ変性した材料がエッチング液によって除去されることを特徴とする請求項1に記載のガス入口装置。
【請求項4】
ガス供給導管(5)を有する固定部(3)に固定可能でありかつ複数の互いに上下に配置されたガス分配レベルを具備するガス入口部材(2)を有する、CVDリアクタ(1)のガス入口装置であって、前記ガス分配レベルの各々が、ガス出口開口(7)を具備するガス分配壁(6)を有し、前記ガス出口開口(7)は前記ガス分配壁(6)により囲まれたガス分配室(8)と流体連通しており、その場合、開口(10)を具備するガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)が、前記ガス分配室(8)に開口し、かつ、異なるガス分配レベルの前記ガス分配室(8)が、それぞれ分離ベース(11)により互いに分離されている、前記ガス入口装置において、
各ガス分配レベルは、円盤状のガス分配部(4.1、4.2、4.3、4.4、4.5)として形成され、その際、前記ガス分配壁(6)は、少なくとも1つのシール機構により前記分離ベース(11)の縁と材料的に一体に互いに接続されており、かつ、前記ガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)の前記開口(10)を有する中央部(15)が、前記分離ベース(11)と材料的に一体に接続されて台座として形成されて前記分離ベース(11)から起立しており、
その場合、下側のガス分配部(4.2、4.3、4.4、4.5)の中央部(15)の上向きの主面(15’)が、上側のガス分配部(4.1、4.2、4.3、4.4)の分離ベース(11)の下面と面一に配置されているか又はそれに接続されており、かつ、
前記上側のガス分配部(4.1、4.2、4.3、4.4)の中央部(15)の貫通孔(16)が、前記下側のガス分配部(4.2、4.3、4.4、4.5)の前記ガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)の前記開口(10)と流体連通しかつ上側の主面(15’)に開いていることを特徴とするガス入口装置。
【請求項5】
前記分離ベース(11)が、前記中央部(15)及び/又は前記ガス分配壁(6)と材料的に一体であるように接続されている請求項4に記載のガス入口装置。
【請求項6】
前記中央部(15)が、台座により形成されていることを特徴とする請求項1に記載のガス入口装置。
【請求項7】
ガス供給導管(5)を有する固定部(3)に固定可能でありかつ複数の互いに上下に配置されたガス分配レベルを具備するガス入口部材(2)を有する、CVDリアクタ(1)のガス入口装置であって、前記ガス分配レベルの各々が、ガス出口開口(7)を具備するガス分配壁(6)を有し、前記ガス出口開口(7)は前記ガス分配壁(6)により囲まれたガス分配室(8)と流体連通しており、その場合、ガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)が、前記ガス分配室(8)にそれぞれ開口し、かつ、異なるガス分配レベルの前記ガス分配室(8)が、それぞれ分離ベース(11)により互いに分離されている、前記ガス入口装置において、
各ガス分配レベルは、円盤状のガス分配部(4.1、4.2、4.3、4.4、4.5)として形成され、かつ、前記ガス入口部材(2)全体に亘って延在する孔(17、17’)が設けられることを特徴とする、ガス入口装置。
【請求項8】
前記孔(17)が、前記ガス入口部材(2)を固定部(3)に固定するための固定孔を形成すること、又は、前記孔(17)が、パージチャネル(17’)を形成することを特徴とする請求項7に記載のガス入口装置。
【請求項9】
互いに上下に配置された円盤状のガス分配部(4.1、4.2、4.3、4.4、4.5)が、材料的に一体に又は材質的に均一に互いに接続されたガス分配体であることを特徴とする請求項3に記載のガス入口装置。
【請求項10】
ガス供給導管(5)を有する固定部(3)に固定可能でありかつ複数の互いに上下に配置されたガス分配レベルを具備するガス入口部材(2)を有する、CVDリアクタ(1)のガス入口装置であって、前記ガス分配レベルの各々が、ガス出口開口(7)を具備するガス分配壁(6)を有し、前記ガス出口開口(7)は前記ガス分配壁(6)により囲まれたガス分配室(8)と流体連通しており、その場合、開口(10)を具備するガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)が、前記ガス分配室(8)にそれぞれ開口し、かつ、異なるガス分配レベルの前記ガス分配室(8)が、分離ベース(11)により互いに分離されている、前記ガス入口装置において、
前記ガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)の開口(10)と前記ガス分配壁(6)との間の少なくとも1つのガス分配室(8)に、1又は複数のガス通過チャネル(14、14’、14”)を有する少なくとも1つの第1のフローバリア(12、12’、12”)が延在し、その場合、
前記フローバリア(12、12’)は、ガス分配壁(6)と中央部(15)との間に位置し、前記中央部(15)は、前記ガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)の開口(10)を有しかつ前記フローバリア(12、12’)により取り囲まれており、その場合、
前記フローバリア(12、12’)が前記ガス分配壁(6)と同じ高さを有することを特徴とするガス入口装置。
【請求項11】
前記フローバリア(12、12’)が、ガス入口チャネル(9.1、9.2、9.3、9.4、9.5)の開口(10)を有する中央部(15)を取り囲むことを特徴とする請求項10に記載のガス入口装置。
【請求項12】
少なくとも2つのフローバリア(12、12’)が、フロー方向に互いに前後して配置されており、その場合、前記少なくとも2つのフローバリア(12、12’)及び/又は前記ガス分配壁(6)が、同心状に前記中央部(15)を中心として配置されていることを特徴とする請求項10に記載のガス入口装置。
【請求項13】
少なくとも1つのフローバリア(12、12’)が、ガス分配室(8)を上流部分(8”、8’”)と下流部分(8’、8”)に分離すること、又は、複数の前記フローバリア(12”)が、ガス通過チャネル(14”)を有し、前記ガス通過チャネル(14”)は、ガス出口開口(7)に開口するより大きな断面をもつ、ガス分配壁(6)のガス通過孔(13)に直接隣接することを特徴とする請求項10に記載のガス入口装置。
【請求項14】
請求項1、4、7又は10に記載のガス入口装置のガス入口部材(2)の製造方法であって、
ガス分配体(4.1、4.2、4.3、4.4、4.5)又は複数のガス分配部(4.1、4.2、4.3、4.4、4.5)を有する前記ガス入口部材(2)が、それぞれ選択的レーザー誘起エッチングにより一体的に作製されることを特徴とする製造方法。
【請求項15】
CVDリアクタ(1)のプロセスチャンバ(20)内にプロセスガスを供給する方法であって、プロセスガスは、1つのガス供給導管(5)により又は複数のガス供給導管(5)により互いに分離されて供給され、前記ガス供給導管(5)とそれぞれ接続されたガス入口チャネル(9.1~9.5)及びそれぞれの開口(10)によりガス入口部材(2)のガス分配室(8)に供給され、前記ガス分配室(8)から、ガス出口開口(7)に開口するガス分配壁(6)のガス通過孔(13)を通ってプロセスチャンバ20に入る、前記供給方法において、
前記開口(10)から出て来るプロセスガスフローが、個々のガス通過孔(13)までの異なる長さのフロー距離をカバーするように、かつ、前記ガス分配室(8)内の少なくとも1つのフローバリア(12、12’、12”)が、前記ガス出口開口(7)から出てくるプロセスガスを均一にするように、前記開口(10)が前記ガス分配室(8)内に配置されることを特徴とする供給方法。
【国際調査報告】