(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-31
(54)【発明の名称】マルチビーム検査装置において電子ビームをアライメントするシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H01J 37/244 20060101AFI20220124BHJP
H01J 37/28 20060101ALI20220124BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20220124BHJP
【FI】
H01J37/244
H01J37/28 B
H01L21/66 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021517478
(86)(22)【出願日】2019-09-20
(85)【翻訳文提出日】2021-05-12
(86)【国際出願番号】 EP2019075316
(87)【国際公開番号】W WO2020078660
(87)【国際公開日】2020-04-23
(32)【優先日】2018-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】フー,シュエラン
(72)【発明者】
【氏名】ルオ,シンアン
(72)【発明者】
【氏名】シー,シンポ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,シュエドン
(72)【発明者】
【氏名】レン,ウェイミン
【テーマコード(参考)】
4M106
5C101
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106AA09
4M106BA02
4M106CA39
4M106DB04
4M106DB05
4M106DJ07
4M106DJ17
5C101AA03
5C101BB03
5C101EE03
5C101FF02
5C101GG04
5C101GG28
5C101GG49
5C101HH11
5C101HH49
5C101HH61
5C101HH68
5C101LL05
(57)【要約】
改良された荷電粒子ビーム検査装置、より具体的には、改良されたアライメント機構を含む粒子ビーム検査装置が開示される。改良された荷電粒子ビーム検査装置は、アライメントモード中に、複数の二次電子ビームの1つ又は複数のビームスポットの1つ又は複数の画像を生成する第2の電子検出デバイスを含み得る。ビームスポット画像を使用することによって、複数の二次電子ビームの内の1つ又は複数の二次電子ビームのアライメント特性を決定し、二次電子投影システムの構成を調節することができる。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハを検査するための荷電粒子ビーム装置であって、
前記ウェーハの検査のために複数の二次電子ビームを検出する第1の電子検出デバイスと、
前記複数の二次電子ビームの1つ又は複数のビームスポットの1つ又は複数の画像を生成する第2の電子検出デバイスと、を備え、
前記第2の電子検出デバイスが、前記第1の電子検出デバイスに関連するアライメント特性を決定するために使用されるように構成される、荷電粒子ビーム装置。
【請求項2】
前記第1の電子検出デバイスに関連する前記アライメント特性が、前記第1の電子検出デバイスとの、前記複数の二次電子ビームの内の1つ又は複数の二次電子ビームのアライメントに関係する、前記複数の二次電子ビームの内の前記1つ又は複数の二次電子ビームの特性を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の電子検出デバイスの検出面又は前記第2の電子検出デバイスの検出面上に前記複数の二次電子ビームを投影する二次投影システムをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記二次投影システムが、二次光軸とアライメントされる、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記二次投影システムが、検査モードで前記第1の電子検出デバイスの前記検出面上、及び、アライメントモードで前記第2の電子検出デバイスの前記検出面上、に前記複数の二次電子ビームを投影する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の二次電子ビームの前記1つ又は複数のビームスポットの前記1つ又は複数の画像に基づいて、前記第1の電子検出デバイスに関連する前記アライメント特性を決定する回路を含むコントローラをさらに含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記コントローラが、前記決定されたアライメント特性に基づいて、前記第1の電子検出デバイスとの、前記複数の二次電子ビームの内の前記1つ又は複数の二次電子ビームのアライメントを較正するために、二次投影システムの構成をユーザが調節するためのユーザインターフェースを提供する回路を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記コントローラが、前記決定されたアライメント特性に基づいて、前記第1の電子検出デバイスとの、前記複数の二次電子ビームの内の前記1つ又は複数の二次電子ビームのアライメントを較正するために、二次投影システムの構成を自動的に調節する回路を含む、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記アライメント特性が、前記複数の二次電子ビームの前記1つ又は複数のビームスポットの焦点の品質を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第2の電子検出デバイスが、
前記複数の二次電子ビームを複数の光ビームに変換するように構成された電子-光変換ユニットと、
前記複数の光ビームに基づいて、前記複数の二次電子ビームの前記1つ又は複数のビームスポットの前記1つ又は複数の画像を生成する光学カメラと、
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記第2の電子検出デバイスが、前記複数の光ビームを前記光学カメラに誘導するミラーをさらに含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記電子-光変換ユニットが、シンチレータを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記光学カメラが、電荷結合デバイス(CCD)センサ、又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記第2の電子検出デバイスが、前記複数の二次電子ビームの前記1つ又は複数のビームスポットの前記1つ又は複数の画像を生成するための直接検出デバイス(DDD)を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
第1の電子検出デバイスの検出面上に複数の二次電子ビームを投影するための二次投影システムを備えた荷電粒子ビームシステムを用いてウェーハを検査する方法であって、
第2の電子検出デバイスを用いて、前記複数の二次電子ビームの1つ又は複数のビームスポットの1つ又は複数の画像を生成することと、
前記複数の二次電子ビームの前記1つ又は複数のビームスポットの前記1つ又は複数の画像に基づいて、前記第1の電子検出デバイスに関連したアライメント特性を決定することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2018年10月19日に出願された米国特許出願第62/748,251号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本明細書で提供する実施形態は、粒子ビーム検査装置、より詳細には、改良されたアライメント機構を含むウェーハを検査するための粒子ビーム検査装置を開示する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 半導体集積回路(IC)チップを製造する際、製造プロセスの間にウェーハ又はマスク上にパターン欠陥又は招かれざる粒子(残留物)が不可避的に発生し、それによって歩留まりが低下する。例えば、招かれざる粒子は、ICチップの一段とより高度化した性能要件を満たすために採用されてきた、重要フィーチャ寸法がより小さなパターンにとって、問題となり得る。
【0004】
[0004] 荷電粒子ビームを用いたパターン検査ツールを使用して、欠陥又は招かれざる粒子を検出してきた。これらのツールは通常、走査電子顕微鏡(SEM)を採用している。SEMでは、比較的高いエネルギーを有する一次電子のビームを減速させて、比較的に低いランディングエネルギーでサンプルに入射させ、集束させてサンプル上にプローブスポットを形成する。一次電子のこの集束したプローブスポットに起因して、表面から二次電子が生成される。二次電子には、一次電子とサンプルとの相互作用から生じる、後方散乱電子、二次電子、又はオージェ電子が含まれることがある。サンプル表面にわたってプローブスポットをスキャンさせ二次電子を収集することにより、パターン検査ツールはサンプル表面の画像を取得することができる。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本明細書で提供される実施形態は、粒子ビーム検査装置、より具体的には、改良されたアライメント機構を含む粒子ビーム検査装置を開示する。
【0006】
[0006] いくつかの実施形態では、ウェーハを検査するための荷電粒子ビーム装置は、第1の電子検出デバイス及び第2の電子検出デバイスを含み得る。第1の電子検出デバイスは、ウェーハの検査のために複数の二次電子ビームを検出し得る。第2の電子検出デバイスは、複数の二次電子ビームの1つ又は複数のビームスポットの1つ又は複数の画像を生成することができ、第1の電子検出デバイスに関連するアライメント特性を決定するために使用されるように構成され得る。
【0007】
[0007] いくつかの実施形態では、荷電粒子ビームシステムを用いてウェーハを検査する方法が提供される。荷電粒子システムは、第1の電子検出デバイスの検出面上に複数の二次電子ビームを投影するための二次投影システムを含み得る。この方法は、第2の電子検出デバイスを用いて、複数の二次電子ビームの1つ又は複数のビームスポットの1つ又は複数の画像を生成することを含み得る。この方法は、複数の二次電子ビームの1つ又は複数のビームスポットの1つ又は複数の画像に基づいて、第1の電子検出デバイスに関連したアライメント特性を決定することも含み得る。
【0008】
[0008] 本発明の他の利点が、添付の図面と併せて解釈される以下の説明から明らかになるであろう。添付の図面には、図示及び例示の目的で、本発明の特定の実施形態が記載されている。
【0009】
[0009] 本開示の上記の及び他の態様が、添付の図面と併せて解釈される例示的な実施形態の説明により、一層明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】[0010]本開示の実施形態と一致した、例示的な荷電粒子ビーム検査システムを示す概略図である。
【
図1B】[0011]本開示の実施形態と一致した、例示的な電子ビームツールを図示する概略図である。
【
図2】[0012]本開示の実施形態と一致した、電子-光変換器を使用する、例示的な電子撮像デバイスを図示する概略図である。
【
図3A】[0013]本開示の実施形態と一致した、例示的なマルチビーム電子ビームツールを図示する概略図である。
【
図3B】[0013]本開示の実施形態と一致した、例示的なマルチビーム電子ビームツールを図示する概略図である。
【
図3C】[0013]本開示の実施形態と一致した、例示的なマルチビーム電子ビームツールを図示する概略図である。
【
図3D】[0013]本開示の実施形態と一致した、例示的なマルチビーム電子ビームツールを図示する概略図である。
【
図4A】[0014]本開示の実施形態と一致した、例示的なマルチビーム電子ビームツールを図示する概略図である。
【
図4B】[0014]本開示の実施形態と一致した、例示的なマルチビーム電子ビームツールを図示する概略図である。
【
図4C】[0014]本開示の実施形態と一致した、例示的なマルチビーム電子ビームツールを図示する概略図である。
【
図4D】[0014]本開示の実施形態と一致した、例示的なマルチビーム電子ビームツールを図示する概略図である。
【
図5A】[0015]本開示の実施形態と一致した、例示的なマルチビーム電子ビームツールを図示する概略図である。
【
図5B】[0015]本開示の実施形態と一致した、例示的なマルチビーム電子ビームツールを図示する概略図である。
【
図5C】[0015]本開示の実施形態と一致した、例示的なマルチビーム電子ビームツールを図示する概略図である。
【
図5D】[0015]本開示の実施形態と一致した、例示的なマルチビーム電子ビームツールを図示する概略図である。
【
図6A】[0016]本開示の実施形態と一致した、例示的なマルチビーム電子ビームツールを図示する概略図である。
【
図6B】[0016]本開示の実施形態と一致した、例示的なマルチビーム電子ビームツールを図示する概略図である。
【
図6C】[0016]本開示の実施形態と一致した、例示的なマルチビーム電子ビームツールを図示する概略図である。
【
図7】[0017]本開示の実施形態と一致した、マルチビーム電子ビームツールの一実施形態を使用した、例示的なアライメント動作のステップを図示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0018] ここで、例示的な実施形態を詳細に参照する。これらの実施形態の例が、添付の図面に示されている。以下の説明は添付の図面を参照し、異なる図面中の同じ番号は、特に断りの無い限り、同じ又は同様の要素を表す。例示的な実施形態の以下の説明文中に記載される実装は、本発明と一致する全ての実装を表すものではない。その代わり、それらは、添付の特許請求の範囲に列挙されるような本発明に関連する態様と一致する装置及び方法の単なる例にすぎない。
【0012】
[0019] デバイスの物理的大きさの小型化と同時に、ICチップ上のトランジスタ、キャパシタ、ダイオードなどの回路コンポーネントの実装密度を大幅に増加させることにより、電子デバイスの向上した演算能力を達成することができる。例えば、親指の爪の大きさである、スマートフォンのICチップは、20億個を超えるトランジスタを含むことがあり、各トランジスタの大きさは、人間の髪の毛の1/1000よりも小さい。したがって、当然ながら、半導体ICの製造は、数百にのぼる個別ステップを含む、複雑で時間がかかるプロセスである。たった1つのステップでの誤差が、最終製品の機能に大きな影響を及ぼす可能性がある。たった1つの「キラー欠陥」がデバイス障害の原因となる可能性がある。製造プロセスの目標は、プロセスの全体的歩留まりを向上させることである。例えば、75%の歩留まりを得るための50ステップのプロセスの場合、各個別のステップは99.4%よりも高い歩留まりを有さなければならず、個別ステップの歩留まりが95%の場合、プロセス全体の歩留まりは7%まで低下する。
【0013】
[0020] ICチップ製造設備では高いプロセス歩留まりが望ましいが、1時間当たりのウェーハ処理枚数として定義される、高いウェーハスループットを維持することも不可欠である。高いプロセス歩留まり及び高いウェーハスループットは、特に欠陥を観察するためにオペレータの介入が必要な場合、欠陥の存在により影響を受ける可能性がある。したがって、高歩留まり及び低コストを維持するためには、検査ツール(SEMなど)によりミクロ及びナノサイズの欠陥を高スループットで検出及び特定することが不可欠である。
【0014】
[0021] SEMは、電子の集束ビームを用いてウェーハの表面をスキャンする。電子はウェーハと相互作用し、二次電子を生成する。電子ビームを用いてウェーハをスキャンすることにより、且つ検出器を用いて二次電子を捕捉することにより、SEMは、検査されるウェーハのエリアの内部デバイス構造を示すウェーハの画像を生成する。
【0015】
[0022] 高スループット検査のために、より新しい検査システムのいくつかは、複数の電子ビームを使用する。複数の電子ビームは、ウェーハの複数の異なる部分を同時にスキャンすることができるため、マルチビーム電子検査システムは、単一ビームのシステムよりもはるかに速い速度でウェーハを検査することができる。しかし、従来のマルチビーム検査システムは、隣接する電子ビーム間のクロストークにより、低い検査精度を経験することがある。クロストークの主な原因の1つは、電子ビームが進む経路に対する、検査システムの複数の異なる部分間のミスアライメントである。例えば、二次電子ビームを捕捉する検出器は、検出器に関連する二次電子ビームのアライメント特性(集束及び位置など)を制御するレンズと適切にアライメントされるべきであり、さもなければ、二次電子ビームは、隣接する二次電子ビームの検出と干渉し得る。
【0016】
[0023] 本開示の一態様は、複数の二次電子ビームの画像を生成することができる電子ビーム画像ビューアを含む。これらの画像を使用して、検査システムにおいて電子光学素子(レンズ、ビームセパレータ、及び電子検出器など)がどの程度よくアライメントされているかを決定することができ、並びに電子光学素子の1つ又は複数に対する調節が必要であるか否かを決定することができる。これらの画像をさらに使用して、二次電子ビームの焦点の品質(二次電子ビームが、所望のサイズ、形状、位置などを有するスポットを検出器上に形成するか否かなど)を決定することができ、及び何らかの調節が必要とされるか否かを決定することができる。これらの決定又は調節は、マルチビーム検査システム内のコンピュータによって実施することができ、又は二次電子ビームの画像を視覚的に検査することができるオペレータによって行うことができる。
【0017】
[0024] 図面における構成要素の相対的な寸法は、理解しやすいように誇張されていることがある。以下の図面の説明では、同じ又は同様の参照番号は、同じ又は同様の構成要素又はエンティティを指しており、個々の実施形態に関して異なる点のみが説明されている。本明細書で使用する場合、特段の断りが無い限り、「又は」という用語は、実行不可能である場合を除いて、全ての可能な組み合わせを包含する。例えば、データベースがA又はBを含むことがあると記載されている場合、特段の断りが無い限り又は実行不可能で無い限り、データベースはA、又はB、又はA及びBを含むことがある。第2の例として、データベースがA、B、又はCを含むことがあると記載されている場合、特段の断りが無い限り又は実行不可能で無い限り、データベースはA、又はB、又はC、又はA及びB、又はA及びC、又はB及びC、又はA及びB及びCを含むことがある。
【0018】
[0025] ここで
図1Aを参照すると、
図1Aは本開示の実施形態と一致した、例示的な荷電粒子ビーム検査システム100を示す概略図である。
図1Aに示すように、荷電粒子ビーム検査システム100は、メインチャンバ10、装填ロックチャンバ20、電子ビームツール40、及び機器フロントエンドモジュール(EFEM)30を含む。電子ビームツール40は、メインチャンバ10内部に配置されている。説明及び図面は電子ビームに関係しているが、実施形態は、本開示を特定の荷電粒子に制限するために使用されるのではないことが、理解されよう。
【0019】
[0026] EFEM30は、第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bを含む。EFEM30は、追加の装填ポートを含むことがある。第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bは、例えば、検査されるべきウェーハ(例えば、半導体ウェーハ、又は他の材料で作られたウェーハ)又はサンプル(ウェーハ及びサンプルは、以降ではまとめて「ウェーハ」と呼ばれる)を収容するウェーハFOUP(front opening unified pod)を受け取ることがある。EFEM30内の1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)が、ウェーハを装填ロックチャンバ20に運ぶ。
【0020】
[0027] 装填ロックチャンバ20は、装填ロック真空ポンプシステム(図示せず)に接続されることがあり、このポンプシステムは、大気圧よりも低い第1の圧力に達するように、装填ロックチャンバ20内のガス分子を除去する。第1の圧力に達した後、1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)がウェーハを装填ロックチャンバ20からメインチャンバ10に運ぶ。メインチャンバ10は、メインチャンバ真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、このポンプシステムは、第1の圧力よりも低い第2の圧力に達するように、メインチャンバ10内のガス分子を除去する。第2の圧力に達した後、ウェーハは電子ビームツール40による検査にかけられる。実施形態によっては、電子ビームツール40は、シングルビーム電子検査ツールを含むことがある。他の実施形態では、電子ビームツール40は、マルチビーム電子検査ツールを含むことがある。
【0021】
[0028] コントローラ50は、電子ビームツール40に電子的に接続されている。コントローラ50は、荷電粒子ビーム検査システム100の様々な制御を行うように構成されたコンピュータであり得る。コントローラ50は、様々な信号処理機能及び画像処理機能を実行するように構成された処理回路も含み得る。コントローラ50は、
図1Aでは、メインチャンバ10、装填ロックチャンバ20、及びEFEM30を含む構造の外部にあるものとして示されているが、コントローラ50は、この構造の一部とすることもできることが理解されよう。本開示は、電子ビーム検査ツールを収容するメインチャンバ10の例を提供しているが、最も広い意味での本開示の態様は、電子ビーム検査ツールを収容するチャンバに限定されないことに留意されたい。むしろ、前述の原理は、第2の圧力下で動作する他のツールにも適用され得ることが理解されよう。
【0022】
[0029] ここで
図1Bを参照すると、
図1Bは、本開示の実施形態と一致した、
図1Aの例示的な荷電粒子ビーム検査システム100の一部であるマルチビーム電子検査ツールを含む例示的な電子ビームツール40を図示する概略図である。マルチビーム電子ビームツール40(本明細書では、装置40とも呼ばれる)は、電子源101、銃アパーチャプレート171、集光レンズ110、ソース変換ユニット120、一次投影光学システム130、サンプル108、二次投影システム150、第1の電子検出デバイス140、及び第2の電子検出デバイス190を含む。一次投影光学システム130は、対物レンズ131を含み得る。電子検出デバイス140は、複数の検出素子141、142、及び143を含み得る。ビームセパレータ133及び偏向スキャンユニット132は、一次投影光学システム130内に配置されてもよい。
【0023】
[0030] 電子源101、銃アパーチャプレート171、集光レンズ110、ソース変換ユニット120、ビームセパレータ133、偏向スキャンユニット132、及び一次投影光学システム130は、装置40の一次光軸104とアライメントされ得る。二次投影システム150及び電子検出デバイス140は、装置40の二次光軸151とアライメントされ得る。
【0024】
[0031] 電子源101は、カソード(図示せず)及び抽出器又はアノード(図示せず)を含んでもよく、この場合、動作中に、電子源101は、カソードから一次電子を放出するように構成され、一次電子は、抽出器及び/又はアノードによって抽出又は加速されることによって、一次ビームクロスオーバー(仮想又は実)103を形成する一次電子ビーム102を形成する。一次電子ビーム102は、一次ビームクロスオーバー103から放出されるものとして視覚化され得る。
【0025】
[0032] ソース変換ユニット120は、画像形成素子アレイ(図示せず)、フィールド曲率補償器アレイ(図示せず)、非点収差補償器アレイ(図示せず)、及びビーム制限アパーチャアレイ(図示せず)を含み得る。画像形成素子アレイは、一次電子ビーム102の複数の一次ビームレット111、112、113に影響を与え、並びに一次ビームクロスオーバー103の複数の平行画像(仮想又は実)を形成するための複数のマイクロ偏向器又はマイクロレンズ(一次ビームレット111、112、及び113のそれぞれに対して1つずつ)を含み得る。フィールド曲率補償器アレイは、一次ビームレット111、112、及び113のフィールド曲率収差を補償するための複数のマイクロレンズを含み得る。非点収差補償器アレイは、一次ビームレット111、112、及び113の非点収差を補償するための複数のマイクロスティグマトールを含み得る。ビーム制限アパーチャアレイは、個々の一次ビームレット111、112、及び113の直径を制限するように構成され得る。
図1Bは、一例として3つの一次ビームレット111、112、及び113を示し、ソース変換ユニット120は、任意の数の一次ビームレットを形成するように構成されてもよいことが理解されよう。コントローラ50は、第1の電子検出デバイス140、二次電子検出デバイス190、又は二次投影システム150などの
図1Aの荷電粒子ビーム検査システム100の様々な部分に接続され得る。いくつかの実施形態では、以下でさらに詳細に説明されるように、コントローラ50は、様々な画像処理機能及び信号処理機能を行い得る。コントローラ50は、荷電粒子ビーム検査システム100の動作を管理する様々な制御信号も生成し得る。
【0026】
[0033] 集光レンズ110は、一次電子ビーム102を集束させるように構成される。集光レンズ110はさらに、集光レンズ110の集束能力を変えることによって、ソース変換ユニット120の下流の一次ビームレット111、112、及び113の電流を調節するように構成されてもよい。代替的に、個々の一次ビームレットに対応する、ビーム制限アパーチャアレイ内のビーム制限アパーチャの半径サイズを変えることによって、電流が変更されてもよい。ビーム制限アパーチャの半径サイズ及び集光レンズ110の集束能力の両方を変えることによって、電流が変更されてもよい。集光レンズ110は、その第1の主面の位置が移動できるように構成され得る可動集光レンズでもよい。可動集光レンズは、磁性を持つように構成されてもよく、これによって、オフアクシスビームレット112及び113が、回転角度を有してビームレット制限機構に着地するという結果になり得る。回転角度は、可動集光レンズの第1の主面の集束能力及び位置と共に変化する。いくつかの実施形態では、可動集光レンズは、可動回転防止集光レンズでもよく、これは、可動の第1の主面を有する回転防止レンズを含む。
【0027】
[0034] 対物レンズ131は、検査のためにビームレット111、112、及び113をサンプル108上に集束させるように構成されてもよく、現在の実施形態では、サンプル108の表面上に3つのプローブスポット121、122、及び123を形成し得る。銃アパーチャプレート171は、動作時に、クーロン効果を低減させるために、一次電子ビーム102の最外殻電子をブロックするように構成される。クーロン効果は、一次ビームレット111、112、113のプローブスポット121、122、及び123のそれぞれのサイズを拡大させ、その結果、検査分解能が低下し得る。
【0028】
[0035] ビームセパレータ133は、例えば、静電ダイポールフィールド及び磁気ダイポールフィールド(
図1Bには図示されない)を生成する静電偏向器を含むウィーンフィルタでもよい。動作時には、ビームセパレータ133は、一次ビームレット111、112、及び113の個々の電子に対して、静電ダイポールフィールドによって静電力を与えるように構成され得る。静電力は、個々の電子に対してビームセパレータ133の磁気ダイポールフィールドによって与えられた磁力と大きさは等しいが、方向は反対である。したがって、一次ビームレット111、112、及び113は、少なくとも実質的にゼロの偏向角度で、少なくとも実質的に真っ直ぐにビームセパレータ133を通過し得る。
【0029】
[0036] 偏向スキャンユニット132は、動作時に、一次ビームレット111、112、及び113を偏向させ、サンプル108の表面の一セクションの個々のスキャンエリアにわたってプローブスポット121、122、及び123をスキャンするように構成される。プローブスポット121、122、及び123における一次ビームレット111、112、及び113の入射に応答して、電子がサンプル108から出てきて、3つの二次電子ビーム161、162、及び163を生成する。二次電子ビーム161、162、及び163のそれぞれは、一般的に、(50eV以下の電子エネルギーを有する)二次電子及び(50eV~一次ビームレット111、112、及び113の着地エネルギーの範囲の電子エネルギーを有する)後方散乱電子を含む、複数の異なるエネルギーを有する電子を含む。ビームセパレータ133は、二次電子ビーム161、162、及び163を二次投影システム150に向けて偏向させるように構成される。続いて、二次投影システム150は、二次電子ビーム161、162、及び163を電子検出デバイス140の検出素子141、142、及び143上に集束させる。検出素子141、142、及び143は、対応する二次電子ビーム161、162、及び163を検出し、例えば、サンプル108の対応するスキャンエリアの画像を構築するために、信号処理システム(図示せず)に送られる、対応する信号を生成するように配置される。
【0030】
[0037] いくつかの実施形態では、検出素子141、142、及び143は、対応する二次電子ビーム161、162、及び163をそれぞれ検出し、画像処理システム(例えば、コントローラ50)に対する、対応する強度信号出力(図示せず)を生成する。いくつかの実施形態では、各検出素子141、142、及び143は、1つ又は複数の画素を含み得る。ある検出素子の強度信号出力は、その検出素子内の全ての画素によって生成された信号の和でもよい。
【0031】
[0038] マルチビームシステムの場合、隣接する複数のビームからの出力信号のクロストークは、二次投影システム150における収差、又はビームセパレータ133における二次電子ビームの偏向精度の影響によって生じ得る。複数の要因が、収差又は分散を引き起こし得る。例えば、検出器に向けて二次電子ビームの方向を変更するビームセパレータ133は、二次電子ビーム161、162、及び163を不正確な角度に偏向させ得る。また、電子検出デバイス140又は二次投影システム150は、二次光軸151と不適切にアライメントされ得る。これらのミスアライメントが存在する場合は、二次電子ビーム161、162、及び163は、望ましくない収差、拡大誤差、又は回転角度誤差を経験することがあり、その結果、異常な形状や位置、又は過剰な拡大やビームスポットが生じ、このことが、隣接するビーム間のオーバーラップ及びクロストークを生じさせ得る。したがって、
図1Bに示すマルチビーム電子ビームツール40などのマルチビームウェーハ検査システムにおいて、これらのミスアライメントを減らすことは、検査のためにサンプル(例えば、ウェーハ)の画像の正確な再構成を取得するために重要である。
【0032】
[0039] いくつかの実施形態では、第2の電子検出デバイス190などの電子画像ビューアを使用することによって、二次電子ビームスポットの形状及び位置を詳細に観察し、(ビームセパレータ133及び二次投影システム150を含む)二次電子投影経路にミスアライメントが存在するか否か、及びどの程度存在するか、又は所望のビームスポットサイズ、形状、位置などを形成するために二次電子ビームが十分に集束されているか否かなどの、二次電子ビームのアライメント特性を決定することができる。
【0033】
[0040] いくつかの実施形態では、マルチビーム電子ビームツール40は、検査モード及びアライメントモードなどの2つの異なる動作モードを実施し得る。検査モード中は、二次電子ビーム161、162、及び163は、第1の電子検出デバイス140に誘導されることができ、次いで、第1の電子検出デバイス140は、受け取った二次電子ビームに基づいて、画像信号を生成する。その後、コントローラ50は、第1の電子検出デバイス140からの画像信号に基づいて、サンプル108の画像を生成し得る。
【0034】
[0041] アライメントモード中は、二次電子ビーム161、162、及び163は、第2の電子検出デバイス190に誘導され得る。第2の電子検出デバイス190は、検出デバイスの表面上に、二次電子ビームの1つ又は複数のビームスポットの画像を生成し得る。次に、これらのビームスポットの画像を使用することによって、二次投影システム150自体のアライメント又は二次投影システム150に対する二次電子ビームのアライメントによって影響を受け得る、第1の電子検出デバイス140に関連する二次電子ビームのアライメント特性が決定され得る。
【0035】
[0042] いくつかの実施形態では、コントローラ50は、アライメントモード中に第2の電子検出デバイス190によって生成されたビームスポット画像に基づいて、ビーム境界決定及びビーム強度決定をリアルタイムで行うための信号処理回路を含み得る。高速リアルタイムプロセッサは、性能偏差(例えば、各ビームの形状及び位置、電子ビームグリッドの幾何学的形成、コンポーネントの製造及び組み立ての欠陥によるビームの一部又は全ての予期せぬ動き、長期動作中のドリフト)の検出及び対処が行われ得るように、どのように二次投影システム150及びビームセパレータ133がリアルタイムで機能しているかに関する情報を提供することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ50は、二次電子ビーム161、162、及び163の画像を較正するために、二次投影システム150の構成を自動的に調節することができる。
【0036】
[0043] いくつかの実施形態では、コントローラ50は、画像取得器(図示せず)、ストレージ(図示せず)を含む画像処理システムを含み得る。画像取得器は、1つ又は複数のプロセッサを含み得る。例えば、画像取得器は、コンピュータ、サーバ、メインフレームホスト、端末、個人用コンピュータ、任意の種類の携帯コンピュータ装置など、又はそれらの組み合わせを含み得る。画像取得器は、中でも、導電体、光ファイバーケーブル、携帯型記憶媒体、IR、Bluetooth、インターネット、無線ネットワーク、無線通信、又はそれらの組み合わせなどの媒体を介して、装置40の電子検出デバイス140に通信可能に結合され得る。いくつかの実施形態では、画像取得器は、電子検出デバイス140から信号を受け取り、画像を構築することができる。画像取得器は、このようにサンプル108の画像を取得することができる。画像取得器は、輪郭線を生成すること、インジケータを取得画像に重ね合わせることなど、様々な後処理機能も実施し得る。画像取得器は、取得画像の輝度及びコントラストなどの調節を実施するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ストレージは、ハードディスク、フラッシュドライブ、クラウドストレージ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他の種類のコンピュータ可読メモリなどの記憶媒体でもよい。ストレージは、画像取得器に結合されることがあり、スキャンされた生の画像データを元画像として保存し、且つ処理後の画像を保存するために使用されることがある。
【0037】
[0044] いくつかの実施形態では、画像取得器は、電子検出デバイス140から受け取った撮像信号に基づいて、サンプルの1つ又は複数の画像を取得することがある。撮像信号は、荷電粒子撮像を実施するためのスキャン動作に対応していることがある。取得画像は、複数の撮像エリアを含む単一の画像であり得る。この単一の画像は、ストレージ内に記憶されることがある。この単一の画像は、複数の領域に分割することができる元画像であり得る。これらの領域の各々は、サンプル108のフィーチャを包含する1つの撮像エリアを含むことがある。取得画像は、時系列に複数回サンプリングされた、サンプル108の単一の撮像エリアの複数の画像を含むことがある。この複数の画像は、ストレージ内に記憶されることがある。いくつかの実施形態では、コントローラ50は、サンプル108の同じ場所の複数の画像を用いて画像処理ステップを実行するように構成されることがある。
【0038】
[0045] いくつかの実施形態では、コントローラ50は、検出された二次電子の分布を取得するための測定回路(例えば、アナログ/デジタル変換器)を含むことがある。検出時間ウィンドウ中に収集された電子の分布データを、ウェーハ表面に入射する一次電子ビーム102の対応するスキャンパスデータと組み合わせて使用して、検査中のウェーハ構造の画像を再構成することができる。再構成された画像を使用して、サンプル108の内部構造又は外部構造の様々なフィーチャを明らかにすることができ、それによって、再構成された画像を使用して、ウェーハ内に存在する可能性がある欠陥を明らかにすることができる。
【0039】
[0046]
図1Bは、装置40が3つの一次電子ビームを使用することを示すが、装置40が任意の数の一次電子ビームを使用し得ることが理解されよう。本開示は、装置40で使用される一次電子ビームの数を限定しない。
【0040】
[0047] ここで
図2を参照すると、
図2は、本開示の実施形態と一致した、電子-光変換器を備えた、例示的な電子撮像デバイス200を図示する概略図である。電子撮像デバイス200は、電子-光変換器210と、中でも光学カメラ220などの光学撮像デバイスとを含み得る。電子-光変換器210は、入ってくる電子ビーム241、242、及び243を光ビーム251、252、及び253に変換することができる。いくつかの実施形態では、電子-光変換器210は、シンチレータ、又は電子を光子に変換するのに適したその他のデバイス若しくは材料を含み得る。入ってくる電子ビーム241、242、及び243が当たると、電子-光変換器210は、電子ビームのエネルギーを吸収し、吸収されたエネルギーを光子の形態で(例えば、光ビーム251、252、及び253)再放出する。
【0041】
[0048] 光学カメラ220は、光学レンズ221及び画像センサ222を含み得る。光学レンズ221は、光ビーム251、252、及び253を画像センサ222の表面に集束させることができる。画像センサ222は、集束された光ビーム251、252、及び253を受け取ると、対応する電気信号を生成し得る。いくつかの実施形態では、画像処理システム(
図1Bのコントローラ50など)は、画像センサ222によって生成された電気信号に基づいて、電子ビーム241、242、及び243の画像を生成することができる。いくつかの実施形態では、画像センサ222は、電荷結合デバイス(CCD)センサ、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサ、又は入ってくる光に応答して電気信号を生成するのに適した任意のその他のデバイスを含み得る。
【0042】
[0049] いくつかの実施形態では、電子撮像デバイス200は、
図1Bの第2の電子検出デバイス190などの、アライメントのための電子画像ビューアとして使用されてもよい。
【0043】
[0050] ここで
図3A、3B、3C、及び3Dを参照すると、
図3A、3B、3C、及び3Dは、本開示の実施形態と一致した、例示的なマルチビーム電子ビームツールを図示する概略図である。いくつかの実施形態では、マルチビーム電子ビームツール(
図1Bの電子ビームツール40など)は、(
図1Bの二次投影システム150に類似した)二次投影システム150と、(
図1Bの第1の電子検出デバイス140に類似した)第1の電子検出デバイス140と、(
図1Bの第2の電子検出デバイス190に類似した)可動の第2の電子検出デバイス301と、を含み得る。いくつかの実施形態では、可動の第2の電子検出デバイス301は、いくつかの実施形態では、二次光軸151に対して実質的に垂直でもよい方向に、第1の電子検出デバイス140に対して移動するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第1の電子検出デバイス140の検出面及び可動の第2の電子検出デバイス301の検出面は、平行でもよい。
【0044】
[0051]
図3Aは、検査モード中のマルチビーム電子ビームツールを示す。ツールが検査モードの場合、可動の第2の電子検出デバイス301は、(
図3C及び
図3Dにおいて、より詳細に示されるように、第1の電子検出デバイス140の検出面144上に集束された)二次電子ビーム161i、162i、及び163iの経路から外れ、その結果、第1の電子検出デバイス140が検査のために二次電子ビーム161i、162i、及び163iを受け取ることを可能にすることができる。
【0045】
[0052]
図3Bは、アライメントモード中のマルチビーム電子ビームツールを示す。ツールがアライメントモードの場合、可動の第2の電子検出デバイス301は、二次投影システム150と第1の電子検出デバイス140との間に移動して、そこに位置付けられ、その結果、(
図3C及び
図3Dにおいて、より詳細に示されるように、可動の第2の電子検出デバイス310又は340の検出面311上に集束された)二次電子ビーム161、162、及び163を遮ることができる。いくつかの実施形態では、可動の第2の電子検出デバイス301は、遮られた二次電子ビームを光ビーム361、362、及び363に変換し得る。
【0046】
[0053] いくつかの実施形態では、可動の第2の電子検出デバイス301は、電子-光変換器を用いた電子撮像デバイス(
図2に示される電子撮像デバイス200など)を含み得る。
図3Cは、例示的な可動の第2の電子検出デバイス301の内部概略図を示す。このような実施形態では、可動の第2の電子検出デバイス301は、可動の変換誘導デバイス302及び光学カメラ320を含み得る。可動の変換誘導デバイス302は、電子-光変換器310及びミラー330を含み得る。電子-光変換器310は、入ってくる二次電子ビーム161、162、及び163を光ビーム361、362、及び363に変換し得る。上記で
図2に関して説明したように、いくつかの実施形態では、電子-光変換器310は、シンチレータ、又は電子を光子に変換するのに適した任意のその他のデバイス若しくは材料を含み得る。
【0047】
[0054] このような実施形態では、可動の変換誘導デバイス302は、いくつかの実施形態では、二次光軸151に対して実質的に垂直でもよい方向に、第1の電子検出デバイス140に対して移動するように構成され得る。このような実施形態では、検査モード中に、可動の変換誘導デバイス302が、二次電子ビーム161、162、及び163の経路から外れ、その結果、第1の電子検出デバイス140が検査のために二次電子ビーム161i、162i、及び163iを受け取ることを可能にすることができる。アライメントモード中は、可動の変換誘導デバイス302は、二次投影システム(
図3Cには図示されない)と第1の電子検出デバイス140との間に移動して、そこに位置付けられることによって、二次電子ビーム161、162、及び163を遮ることができる。電子ビームを受け取るときに、可動の変換誘導デバイス302は、電子ビームを光ビーム361、362、及び363に変換し、その後、ミラー330を用いて、光学カメラ320にそれらの光ビームを誘導し得る。
【0048】
[0055] いくつかの実施形態では、可動の変換誘導デバイス302のみが移動するように構成されてもよい。他の実施形態では、変換誘導デバイスを含む可動の第2の電子検出デバイス301が、第1の電子検出デバイス140に対して移動するように構成されてもよい。
【0049】
[0056] いくつかの実施形態では、光学カメラ320は、光学レンズ321及び画像センサ322を含み得る。光学レンズ321は、誘導された光ビーム361、362、及び363を画像センサ322の表面上に集束させることができる。画像センサ322は、集束された光ビーム361、362、及び363を受け取ると、対応する電気信号を生成し得る。いくつかの実施形態では、画像処理システム(
図1Bのコントローラ50における画像処理システムなど)は、電気信号を処理し、画像センサ322からの電気信号に基づいて、電子ビーム161、162、及び163の画像を生成することができる。いくつかの実施形態では、画像センサ322は、電荷結合デバイス(CCD)センサ、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサ、又は入ってくる光に応答して電気信号を生成するのに適した任意のその他のデバイスを含み得る。
【0050】
[0057] いくつかの実施形態では、可動の第2の電子検出デバイス301は、ミラー330を含まないことがある。代わりに、(
図2に示される電子撮像デバイス200のように)光学カメラ320が、電子-光変換器310に揃えて配置されてもよい。しかし、
図3Cに示されるように、ミラー330の使用は、電子-光変換器310がアライメントモード中に第1の電子検出デバイス140のより近くに配置されることを可能にし、その結果、アライメントモード中に捕捉された二次電子ビームスポットの画像が、第1の電子検出デバイス140に関連する二次電子ビーム161、162、及び163のアライメント特性をより厳密に表すことができる。
【0051】
[0058] いくつかの実施形態では、
図3Dに示されるように、可動の第2の電子検出デバイス301は、直接検出デバイス(DDD)340を含んでもよい。アライメントモード中に、直接検出デバイス340は、二次電子ビーム161、162、及び163を直接検出し、その結果、電子-光変換ステップを省くことができる。検査モード中は、直接検出デバイス340は、二次電子ビーム161、162、及び163の経路から外れ、その結果、第1の電子検出デバイス140が検査のために二次電子ビーム161i、162i、及び163iを受け取ることを可能にすることができる。直接検出デバイス340は、いくつかの実施形態では、二次電子ビームを直接的に検出し、対応する電気信号を生成するように構成された1つ又は複数のCMOSセンサを含んでもよい。
【0052】
[0059] ここで
図4A、4B、4C、及び4Dを参照すると、
図4A、4B、4C、及び4Dは、本開示の実施形態と一致した、例示的なマルチビーム電子ビームツールを図示する概略図である。いくつかの実施形態では、マルチビーム電子ビームツール(
図1Bの電子ビームツール40など)は、(
図1Bの二次投影システム150に類似した)二次投影システム150と、(
図1Bの第1の電子検出デバイス140に類似した)可動の第1の電子検出デバイス140と、(
図1Bの第2の電子検出デバイス190に類似した)第2の電子検出デバイス401と、を含み得る。このような実施形態では、可動の第1の電子検出デバイス140は、いくつかの実施形態では、二次光軸151に対して実質的に垂直でもよい方向に、第2の電子検出デバイス401に対して移動するように構成され得る。いくつかの実施形態では、可動の第1の電子検出デバイス140の検出面及び第2の電子検出デバイス401の検出面は、平行でもよい。
【0053】
[0060]
図4Aは、アライメントモード中のマルチビーム電子ビームツールを示す。ツールがアライメントモードの場合、可動の第1の電子検出デバイス140は、二次電子ビーム161、162、及び163の経路から外れ、その結果、第2の電子検出デバイス401がアライメントのために(
図4C及び
図4Dにおいて、より詳細に示されるように、第2の電子検出デバイス410又は440の検出面411上に集束された)二次電子ビーム161a、162a、及び163aを受け取ることを可能にすることができる。
【0054】
[0061]
図4Bは、検査モード中のマルチビーム電子ビームツールを示す。ツールが検査モードの場合、可動の第1の電子検出デバイス140が、二次投影システム150と第2の電子検出デバイス401との間に移動して、そこに位置付けられることができ、その結果、可動の第1の電子検出デバイス140は、検査のために(
図4C及び
図4Dにおいて、より詳細に示されるように、可動の第1の電子検出デバイス140の検出面144上に集束された)二次電子ビーム161、162、及び163を受け取る。
【0055】
[0062]
図4Cは、電子-光変換器ベースの撮像デバイス(
図2の電子撮像デバイス200など)を含む第2の電子検出デバイス401を示す。いくつかの実施形態では、第2の電子検出デバイス401は、電子-光変換器410及び光学カメラ420を含み得る。電子-光変換器410は、入ってくる二次電子ビーム161、162、及び163を光ビーム461、462、及び463に変換し得る。光学カメラ420は、光学レンズ421及び画像センサ422を含み得る。画像センサ422は、光ビーム461、462、及び463を検出することができる。
図3Cに関して説明したように、第2の電子検出デバイス401は、入ってくる二次電子ビーム161、162、及び163を検出し、入ってくる二次電子ビーム161、162、及び163のビームスポットの1つ又は複数の画像を生成するために電気信号を生成し得る。
図4Cは、ミラーなしの第2の電子検出デバイス401を示しているが、このような実施形態において、ミラーを備えた第2の電子検出デバイス(
図3Cの可動の第2の電子検出デバイス301など)も使用することができる。
【0056】
[0063]
図4Dは、直接検出デバイス(DDD)440を含む第2の電子検出デバイス401を示す。直接検出デバイス440は、二次電子ビーム161、162、及び163を直接検出することができ、その結果、電子-光変換ステップを省くことができる。いくつかの実施形態では、直接検出デバイス440は、二次電子ビームを直接的に検出し、対応する電気信号を生成するように構成された1つ又は複数のCMOSセンサを含んでもよい。
【0057】
[0064] ここで
図5A及び5Bを参照すると、
図5A及び5Bは、本開示の実施形態と一致した、例示的なマルチビーム電子ビームツールを図示する概略図である。いくつかの実施形態では、マルチビーム電子ビームツールは、並べて配置された、可動の第1の電子検出デバイス140及び可動の第2の電子検出デバイス501を含み得る。このような実施形態では、第1の電子検出デバイス140及び第2の電子検出デバイス501は、いくつかの実施形態では、二次光軸151に対して実質的に垂直でもよい方向に、一緒に移動するように構成され得る。このような実施形態では、(
図5Aに示すような)検査モード中は、第1の電子検出デバイス140が二次電子ビーム161、162、及び163を受け取るように位置付けられ得るように、両電子検出デバイスが、第1の方向に(例えば、
図5Aの右側へ)移動し得る。(
図5Bに示すような)アライメントモード中は、第2の電子検出デバイス501が二次電子ビーム161、162、及び163を受け取り得るように、両電子検出デバイスが、第2の方向に(例えば、
図5Bの左側へ)移動し得る。いくつかの実施形態では、第1の電子検出デバイス140の検出面及び第2の電子検出デバイス501の検出面は、平行でもよい。
【0058】
[0065] 上記で、前述の実施形態に関して説明したように、いくつかの実施形態では、第2の電子検出デバイス501は、電子-光変換器ベースの撮像デバイス(
図3Cの第2の電子検出デバイス301、又は
図4Cの第2の電子検出デバイス401など)を含み得る。いくつかの実施形態では、第2の電子検出デバイス501は、直接検出デバイス(
図3Dの第2の電子検出デバイス301、又は
図4Dの第2の電子検出デバイス401など)を含み得る。
【0059】
[0066] ここで
図5C及び5Dを参照すると、
図5C及び5Dは、本開示の実施形態と一致した、例示的なマルチビーム電子ビームツールを図示する概略図である。いくつかの実施形態では、マルチビーム電子ビームツールは、並べて配置された、回転可能な第1の電子検出デバイス140及び回転可能な第2の電子検出デバイス501を含み得る。このような実施形態では、第1の電子検出デバイス140及び第2の電子検出デバイス501は、それぞれ、検査モード又はアライメントモード中に二次電子ビームを検出するために、回転可能な第1の電子検出デバイス140又は回転可能な第2の電子検出デバイス501をアライメントするように、回転軸550の周りで時計回り又は反時計回りに一緒に回転するように構成され得る。このような実施形態では、(
図5Cに示すような)検査モード中は、第1の電子検出デバイス140が検査のために二次電子ビーム161、162、及び163を受け取るように位置付けられるように、両電子検出デバイスが回転し得る。(
図5Dに示すような)アライメントモード中は、第2の電子検出デバイス501が二次電子ビーム161、162、及び163を受け取るように、両電子検出デバイスは、検査モードの位置から180度回転し得る。いくつかの実施形態では、第1の電子検出デバイス140の検出面及び第2の電子検出デバイス501の検出面は、平行でもよい。
【0060】
[0067] 上記で、前述の実施形態に関して説明したように、いくつかの実施形態では、第2の電子検出デバイス501は、電子-光変換器ベースの撮像デバイス(
図3Cの可動の第2の電子検出デバイス301、又は
図4Cの第2の電子検出デバイス401など)を含み得る。いくつかの実施形態では、第2の電子検出デバイス501は、直接検出デバイス(
図3Dの可動の第2の電子検出デバイス301、又は
図4Dの第2の電子検出デバイス401など)を含み得る。
【0061】
[0068] ここで
図6A、6B、及び6Cを参照すると、
図6A、6B、及び6Cは、本開示の実施形態と一致した、例示的なマルチビーム電子ビームツールを図示する概略図である。いくつかの実施形態では、マルチビーム電子ビームツールは、
図6Aに示されるように並べて配置された、第1の電子検出デバイス140及び第2の電子検出デバイス601を含み得る。このような実施形態では、偏向器691を使用することによって、二次電子ビーム161a、162a、及び163aとして示されるように、アライメントモード中に、二次電子ビーム161、162、及び163を第2の電子検出デバイス601に向けて誘導することができる。一方、検査モード中は、二次電子ビーム161i、162i、及び163iとして示されるように、二次電子ビーム161、162、及び163が検査のために第1の電子検出デバイス140へと真っ直ぐに進み得るように、偏向器691は、無効にされ得る。いくつかの実施形態では、第1の電子検出デバイス140の検出面及び第2の電子検出デバイス601の検出面は、平行でもよい。
【0062】
[0069] いくつかの実施形態では、2つ以上の偏向器を使用することによって、アライメントモード中に二次電子ビームの方向を変更することができる。例えば、
図6B及び
図6Cに示されるように、マルチビーム電子ビームツールは、第1の偏向器(偏向器691)及び第2の偏向器(偏向器692)を含み得る。アライメントモード中は、第1の偏向器691は、二次電子ビーム161a、162a、及び163aとして示されるように、二次電子ビーム161、162、及び163を第2の電子検出デバイス601に向けて誘導するように有効にされ、第2の偏向器692も、第2の電子検出デバイス601が低収差で二次電子ビーム161a、162a、及び163aを検出できるように、第1の偏向器691によって生じた偏向収差を補償するために有効にされ得る。いくつかの実施形態では、第1の電子検出デバイス140の検出面及び第2の電子検出デバイス601の検出面は、平行でもよい。
【0063】
[0070] 第2の偏向器692の位置は、フレキシブルであってもよい。いくつかの実施形態では、第1の電子検出デバイス140及び第2の電子検出デバイス601は、互いの近くに配置されてもよく、これによって、検査モード中に捕捉された画像と、アライメントモード中に捕捉された画像の類似性がより高くなる。このような場合、検査モード及びアライメントモード中の第2の電子ビーム経路は、互いに実質的に近くなり得る。その結果、2組の経路間に、第2の偏向器692を配置する余地がないことがある。このような場合、
図6Cに示されるように、第1の電子検出デバイス140及び第2の電子検出デバイス601が互いに実質的に近く配置され得るように、第2の偏向器692は、両組のビーム経路を取り囲むように、さらに離れて位置付けられてもよい。
【0064】
[0071] 上記で、前述の実施形態に関して説明したように、いくつかの実施形態では、第2の電子検出デバイス601は、電子-光変換器ベースの撮像デバイス(
図3Cの可動の第2の電子検出デバイス301、又は
図4Cの第2の電子検出デバイス401など)を含み得る。いくつかの実施形態では、第2の電子検出デバイス601は、直接検出デバイス(
図3Dの可動の第2の電子検出デバイス301、又は
図4Dの第2の電子検出デバイス401など)を含み得る。
【0065】
[0072] ここで
図7を参照すると、
図7は、本開示の実施形態と一致した、電子ビームツールの一実施形態を使用した、例示的なアライメント動作のステップを図示するフローチャートである。本方法は、マルチビーム電子ビームツール(
図1Bの電子ビームツール40など)によって行われ得る。
【0066】
[0073] ステップ710では、マルチビーム電子ビームツールは、アライメントモードが有効であるかどうかを決定する。いくつかの実施形態では、マルチビーム電子ビームツールは、検査モード及びアライメントモードなどの2つの異なる動作モードを実施し得る。検査モード中、第1の電子検出デバイス(
図3A及び3Bの電子検出デバイス140など)は、検査のために二次電子ビーム(
図3A及び3Bに示される二次電子ビーム161、162、及び163など)を受け取り得る。アライメントモード中は、第2の電子検出デバイス(
図3A及び3Bの可動の第2の電子検出デバイス301など)は、二次電子ビームを受け取り得る。第2の電子検出デバイスを使用することによって、二次電子ビームスポットの形状及び位置を詳細に観察し、二次電子ビームのアライメント特性(例えば、二次電子投影経路にミスアライメントが存在するか否か、及びどの程度存在するか)を決定することができる。サンプルの生成画像の品質を低下させ得るミスアライメントは、複数の理由によって生じ得る。例えば、ビームセパレータ(
図1Bのビームセパレータ133など)は、二次電子ビームを不正確な角度で偏向し得る。また、二次投影システム(
図1B、3A、及び3Bの二次投影システム150)が、二次光軸(
図1B、3A、及び3Bの二次光軸151など)と不適切にアライメントされ得る。さらに、電子検出デバイスが、二次光軸と不適切にアライメントされ得る。これらのミスアライメントが存在する場合は、二次電子ビームは、望ましくない収差、拡大誤差、又は回転角度誤差を経験することがあり、その結果、異常な形状や位置、又は過剰な拡大やビームスポットが生じ、このことが、隣接するビーム間のオーバーラップ及びクロストークを生じさせ得る。
【0067】
[0074] ステップ720では、マルチビーム電子ビームツールは、第1の電子検出デバイスの代わりに第2の電子検出デバイスが二次電子ビームを受け取り得るように、第2の電子検出デバイスを二次光軸に揃えて位置付ける。
【0068】
[0075] ステップ730では、マルチビーム電子ビームツールは、第2の電子検出デバイスを使用して、受け取った二次電子ビームを検出し、第2の電子検出デバイスは、検出された二次電子ビームに応答して、対応する電気画像信号を生成する。
【0069】
[0076] ステップ740では、マルチビーム電子ビームツールは、第2の電子検出デバイスによって出力された電気画像信号に基づいて、二次電子ビームのビームスポット画像の1つ又は複数を生成する。いくつかの実施形態では、第2の電子検出デバイスは、コントローラ(
図1Bのコントローラ50など)に接続され、このコントローラは、第2の電子検出デバイスからの画像信号に基づいて、二次電子ビームのビームスポット画像を生成するように構成された画像処理システムを含み得る。
【0070】
[0077] ステップ750では、マルチビーム電子ビームツールは、第1の電子検出デバイスと関連する二次電子ビームのアライメント特性を決定する。いくつかの実施形態では、この決定は、マルチビーム電子ビームツールによって(例えば、コントローラによって)自動的に行われてもよい。他の実施形態では、この決定は、マルチビーム電子ビームツールのオペレータによって手動で行われてもよい。
【0071】
[0078] 実施形態については、以下の条項を使用してさらに説明することができる。
条項1.
ウェーハを検査するための荷電粒子ビーム装置であって、
ウェーハの検査のために複数の二次電子ビームを検出する第1の電子検出デバイスと、
複数の二次電子ビームの1つ又は複数のビームスポットの1つ又は複数の画像を生成する第2の電子検出デバイスと、を含み、
第2の電子検出デバイスが、第1の電子検出デバイスに関連するアライメント特性を決定するために使用されるように構成される、荷電粒子ビーム装置。
条項2.
第1の電子検出デバイスに関連するアライメント特性が、第1の電子検出デバイスとの、複数の二次電子ビームの内の1つ又は複数の二次電子ビームのアライメントに関係する、複数の二次電子ビームの内の1つ又は複数の二次電子ビームの特性を含む、条項1に記載の装置。
条項3.
第1の電子検出デバイスの検出面、又は第2の電子検出デバイスの検出面上に複数の二次電子ビームを投影する二次投影システムをさらに含む、条項1及び2の何れか一項に記載の装置。
条項4.
二次投影システムが二次光軸とアライメントされる、条項3に記載の装置。
条項5.
二次投影システムが、検査モードで第1の電子検出デバイスの検出面上、及びアライメントモードで第2の電子検出デバイスの検出面上に複数の二次電子ビームを投影する、条項4に記載の装置。
条項6.
複数の二次電子ビームの1つ又は複数のビームスポットの1つ又は複数の画像に基づいて、第1の電子検出デバイスに関連するアライメント特性を決定する回路を含むコントローラをさらに含む、条項1~5の何れか一項に記載の装置。
条項7.
コントローラが、決定されたアライメント特性に基づいて、第1の電子検出デバイスとの、複数の二次電子ビームの内の1つ又は複数の二次電子ビームのアライメントを較正するために、二次投影システムの構成をユーザが調節するためのユーザインターフェースを提供する回路を含む、条項6に記載の装置。
条項8.
コントローラが、決定されたアライメント特性に基づいて、第1の電子検出デバイスとの、複数の二次電子ビームの内の1つ又は複数の二次電子ビームのアライメントを較正するために、二次投影システムの構成を自動的に調節する回路を含む、条項6に記載の装置。
条項9.
アライメント特性が、複数の二次電子ビームの1つ又は複数のビームスポットの焦点の品質を含む、条項1~8の何れか一項に記載の装置。
条項10.
第2の電子検出デバイスが、
複数の二次電子ビームを複数の光ビームに変換するように構成された電子-光変換ユニットと、
複数の光ビームに基づいて、複数の二次電子ビームの1つ又は複数のビームスポットの1つ又は複数の画像を生成する光学カメラと、
を含む、条項1~9の何れか一項に記載の装置。
条項11.
第2の電子検出デバイスが、複数の光ビームを光学カメラに誘導するミラーをさらに含む、条項10に記載の装置。
条項12.
電子-光変換ユニットがシンチレータを含む、条項10及び11の何れか一項に記載の装置。
条項13.
光学カメラが、電荷結合デバイス(CCD)センサ、又は相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサを含む、条項10~12の何れか一項に記載の装置。
条項14.
第2の電子検出デバイスが、複数の二次電子ビームの1つ又は複数のビームスポットの1つ又は複数の画像を生成するための直接検出デバイス(DDD)を含む、条項1~9の何れか一項に記載の装置。
条項15.
直接検出デバイスが、複数の二次電子ビームを直接検出し、及び対応する電気信号を生成するように構成されたCMOSセンサを含む、条項14に記載の装置。
条項16.
第2の電子検出デバイスが、第1の電子検出デバイスに対して移動するように構成される、条項1~15の何れか一項に記載の装置。
条項17.
第2の電子検出デバイスが、
アライメントモードに備えて、第2の電子検出デバイスが複数の二次電子ビームを受け取るように、第1の方向に移動することと、
検査モードに備えて、第1の電子検出デバイスが複数の二次電子ビームを受け取るように、第2の方向に移動することと、
を行うようにさらに構成される、条項16に記載の装置。
条項18.
第1の電子検出デバイスが、第2の電子検出デバイスに対して移動するように構成される、条項1~15の何れか一項に記載の装置。
条項19.
第1の電子検出デバイスが、
検査モードに備えて、第1の電子検出デバイスが複数の二次電子ビームを受け取るように、第1の方向に移動することと、
アライメントモードに備えて、第2の電子検出デバイスが複数の二次電子ビームを受け取るように、第2の方向に移動することと、
を行うようにさらに構成される、条項18に記載の装置。
条項20.
第1の電子検出デバイス及び第2の電子検出デバイスが、並べて配置され、且つ一緒に移動するように構成される、条項1~15の何れか一項に記載の装置。
条項21.
第1の電子検出デバイス及び第2の電子検出デバイスが、回転軸に対して配置され、且つ検査モードとアライメントモードの切り換えのために、回転軸の周りを一緒に回転するように構成される、条項1~15の何れか一項に記載の装置。
条項22.
第1の電子検出デバイスが、検査モードにおいて、複数の二次電子ビームを受け取るように構成され、第2の電子検出デバイスが、アライメントモードにおいて、複数の二次電子ビームを受け取るように構成される、条項20及び21の何れか一項に記載の装置。
条項23.
アライメントモードにおいて、複数の二次電子ビームを第2の電子検出デバイスへと誘導するための偏向器をさらに含む、条項1~15の何れか一項に記載の装置。
条項24.
第1の電子検出デバイスの検出面が、実質的に第1の面上に位置し、第2の電子検出デバイスの検出面が、実質的に第2の面上に位置し、第1の面及び第2の面が平行である、条項1~23の何れか一項に記載の装置。
条項25.
第1の電子検出デバイスの検出面上に複数の二次電子ビームを投影するための二次投影システムを備えた荷電粒子ビームシステムを用いてウェーハを検査する方法であって、
第2の電子検出デバイスを用いて、複数の二次電子ビームの1つ又は複数のビームスポットの1つ又は複数の画像を生成することと、
複数の二次電子ビームの1つ又は複数のビームスポットの1つ又は複数の画像に基づいて、第1の電子検出デバイスに関連したアライメント特性を決定することと、
を含む、方法。
条項26.
コントローラを使用して、複数の二次電子ビームの1つ又は複数のビームスポットの1つ又は複数の画像に基づいて、第1の電子検出デバイスに関連する、決定されたアライメント特性を決定することをさらに含む、条項25に記載の方法。
条項27.
コントローラを使用して、決定されたアライメント特性に基づいて、第1の電子検出デバイスとの、複数の二次電子ビームの内の1つ又は複数の二次電子ビームのアライメントを較正するために、二次投影システムの構成をユーザが調節するためのユーザインターフェースを提供することをさらに含む、条項26に記載の方法。
条項28.
コントローラを使用して、決定されたアライメント特性に基づいて、第1の電子検出デバイスに関連した、複数の二次電子ビームの内の1つ又は複数の二次電子ビームのアライメントを較正するために、二次投影システムの構成を自動的に調節することをさらに含む、条項26に記載の方法。
条項29.
アライメント特性が、複数の二次電子ビームの1つ又は複数のビームスポットの焦点の品質を含む、条項25~28の何れか一項に記載の方法。
条項30.
自動的に調節することが、複数の二次電子ビームの1つ又は複数のビームスポットの焦点の品質を較正するために、二次投影システムの構成を調節することを含む、条項29の何れか一項に記載の方法。
条項31.
第2の電子検出デバイスが、アライメントモード中に複数の二次電子ビームを受け取ることを可能にし、及び第1の電子検出デバイスが、検査モード中に複数の二次電子ビームを受け取ることを可能にするために、第2の電子検出デバイスを第1の電子検出デバイスに対して移動させることをさらに含む、何れかの条項25~30に記載の方法。
条項32.
第2の電子検出デバイスが、アライメントモード中に複数の二次電子ビームを受け取ることを可能にし、及び第1の電子検出デバイスが、検査モード中に複数の二次電子ビームを受け取ることを可能にするために、第1の電子検出デバイスを第2の電子検出デバイスに対して移動させることをさらに含む、何れかの条項25~30に記載の方法。
条項33.
第2の電子検出デバイスが、アライメントモード中に複数の二次電子ビームを受け取ることを可能にし、及び第1の電子検出デバイスが、検査モード中に複数の二次電子ビームを受け取ることを可能にするために、第1の電子検出デバイス及び第2の電子検出デバイスを一緒に移動させることをさらに含む、何れかの条項25~30に記載の方法。
条項34.
第2の電子検出デバイスが、アライメントモード中に複数の二次電子ビームを受け取ることを可能にし、及び第1の電子検出デバイスが、検査モード中に複数の二次電子ビームを受け取ることを可能にするために、第1の電子検出デバイス及び第2の電子検出デバイスを一緒に回転軸の周りで回転させることをさらに含む、何れかの条項25~30に記載の方法。
条項35.
アライメントモードにおいて、偏向器を用いて、複数の二次電子ビームを第2の電子検出デバイスへと誘導することをさらに含む、何れかの条項25~30に記載の方法。
条項36.
第1の電子検出デバイスが、検査モードにおいて、複数の二次電子ビームを受け取るように構成され、第2の電子検出デバイスが、アライメントモードにおいて、複数の二次電子ビームを受け取るように構成される、条項25~35の何れか一項に記載の方法。
条項37.
第1の電子検出デバイスの検出面が、実質的に第1の面上に位置し、第2の電子検出デバイスの検出面が、実質的に第2の面上に位置し、第1の面及び第2の面が平行である、条項25~36の何れか一項に記載の方法。
【0072】
[0079] マルチビーム電子ビームツールは、ソフトウェアを使用して上記の機能を実施し得ることが理解されよう。例えば、マルチビーム電子ビームツールは、受け取った二次電子ビームのビームスポット画像を生成するための画像処理を行い得る。また、マルチビーム電子ビームツールは、第1の電子検出デバイスに関連する二次電子ビームのアライメント特性を自動的に決定するソフトウェア機能も実施し得る。さらに、マルチビーム電子ビームツールは、第1の電子検出デバイスに対する二次電子ビームのアライメントを較正するために、二次投影システム(例えば、
図2Bの二次投影システム150)の構成の制御及び調節を行い得る。ソフトウェアは、非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶されることがある。非一時的な媒体の一般的な形態としては、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、磁気テープ、又は他の任意の磁気データ記録媒体、CD-ROM、他の任意の光学データ記録媒体、穴のパターンを有する任意の物理的媒体、RAM、PROM、及びEPROM、クラウドストレージ、FLASH-EPROM若しくは他の任意のフラッシュメモリ、NVRAM、キャッシュ、レジスタ、他の任意のメモリチップ若しくはカートリッジ、及び前述のもののネットワーク化されたもの、が挙げられる。
【0073】
[0080] 開示される実施形態について、好ましい実施形態に関係して説明してきたが、以降で特許請求される主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の修正及び変更を加えることができることを、理解されたい。
【国際調査報告】