(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(54)【発明の名称】染色剤および酸性後処理剤によるケラチン物質の染色方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/898 20060101AFI20220202BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20220202BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20220202BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20220202BHJP
A61Q 5/06 20060101ALI20220202BHJP
A61Q 5/10 20060101ALI20220202BHJP
【FI】
A61K8/898
A61K8/25
A61K8/86
A61K8/36
A61Q5/06
A61Q5/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535005
(86)(22)【出願日】2019-09-25
(85)【翻訳文提出日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 EP2019075846
(87)【国際公開番号】W WO2020126137
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】102018222022.0
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【氏名又は名称】森住 憲一
(72)【発明者】
【氏名】コンスタンツェ・ノイバ
(72)【発明者】
【氏名】ザンドラ・ヒルビヒ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエラ・ケスラー-ベッカー
(72)【発明者】
【氏名】トルステン・レヒナー
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB011
4C083AB211
4C083AB231
4C083AB232
4C083AB241
4C083AB431
4C083AB432
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC181
4C083AC182
4C083AC271
4C083AC291
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC311
4C083AC422
4C083AC791
4C083AC891
4C083AD161
4C083AD162
4C083BB04
4C083BB21
4C083BB23
4C083BB24
4C083BB25
4C083BB42
4C083CC36
4C083DD06
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD31
4C083EE07
4C083EE26
(57)【要約】
本発明の対象は、(a1)少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー、(a2)少なくとも1つの色付与化合物、および(a3)少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含んでなる着色剤(a)を、ケラチン物質に適用する工程、(b1)少なくとも1つの酸を含んでなる後処理剤(b)を、ケラチン物質に適用する工程を含む、ケラチン物質、特に人毛の染色方法に関する。本発明はまた、2つの別個に取り付けられた容器に2つの剤(a)および剤(b)を含む、多成分パッケージユニットに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
・(a1)少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー、
(a2)少なくとも1つの色付与化合物、および
(a3)少なくとも1つの非イオン性界面活性剤
を含んでなる着色剤(a)を、ケラチン物質に適用する工程、
・(b1)少なくとも1つの酸
を含んでなる後処理剤(b)を、ケラチン物質に適用する工程
を含む、ケラチン物質、特に人毛の染色方法。
【請求項2】
剤(a)は、少なくとも1つの第二級アミノ基を有する少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
剤(a)は、式(Siアミノ):
【化1】
[式中、ALK1およびALK2は、互いに独立して直鎖または分岐のC
1~C
20二価アルキレン基を表す]
で示される少なくとも1つの構造単位を含む少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含んでなることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
剤(a)は、式(Si-I)で示される構造単位および式(Si-II)で示される構造単位:
【化2】
を含む少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含んでなることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
剤(a)は、剤(a)の総重量に基づいて、0.1~8.0重量%、好ましくは0.2~6.0重量%、より好ましくは0.5~5.0重量%、非常に好ましくは1.0~3.5重量%の総量で、1つ以上のアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含有することを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
剤(a)は、顔料、直接染料、フォトクロミック染料およびサーモクロミック染料からなる群からの少なくとも1つの着色化合物(a2)を含んでなることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
剤(a)は、好ましくは、着色金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物水和物、ケイ酸塩、金属硫化物、複合金属シアン化物、金属硫酸塩、ブロンズ顔料、および/または少なくとも1つの金属酸化物および/または金属酸塩化物で被覆された着色雲母顔料若しくは着色雲母ベース顔料からなる群から選択される、無機顔料の群からの少なくとも1つの着色化合物(a2)を含んでなることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
成分(a)は、二酸化チタン(CI 77891)、ブラック酸化鉄(CI 77499)、イエロー酸化鉄(CI 77492)、レッドおよび/またはブラウン酸化鉄(CI 77491、CI 77499)、マンガンバイオレット(CI 77742)、ウルトラマリン(スルホケイ酸ナトリウムアルミニウム、CI 77007、顔料Blue 29)、酸化クロム水和物(CI 77289)、酸化クロム(CI 77288)および/またはアイアンブルー(フェロシアン化第二鉄、CI 77510)からなる群から選択される1以上の金属酸化物と反応した雲母顔料若しくは雲母ベース顔料から選択される顔料の群からの少なくとも1つの着色化合物(a2)を含んでなることを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
剤(a)は、剤(a)の総重量に基づいて、0.001~20重量%、より好ましくは0.1~8重量%、なおより好ましくは0.3~6重量%、非常に特に好ましくは0.5~4.5重量%の総量で、1つ以上の無機顔料を含有することを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
剤(a)は、80~120のエトキシル化度を有する少なくとも1つのエトキシル化C
8~C
24脂肪アルコール(a3)を含んでなることを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
剤(a)は、式(T-I):
【化3】
[式中、R1は、飽和または不飽和、直鎖または分岐のC
8~C
24アルキル基、好ましくは飽和直鎖C
16またはC
18アルキル基を表し、
nは、80~120の整数、好ましくは90~110の整数、より好ましくは95~105の整数、特に好ましくは100の数である]
で示される少なくとも1つのエトキシル化脂肪アルコール(a3)を含んでなることを特徴とする、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
剤(a)は、10~40のエトキシル化度を有する少なくとも1つのエトキシル化脂肪アルコール(a3)を含んでなることを特徴とする、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
剤(a)は、式(T-II):
【化4】
[式中、R2は、飽和または不飽和、直鎖または分岐のC
8~C
24アルキル基、好ましくは飽和直鎖C
16またはC
18アルキル基を表し、
mは、10~40の整数、好ましくは12~30の整数である]
で示される少なくとも1つのエトキシル化脂肪アルコール(a3)を含んでなることを特徴とする、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
剤(a)の総重量に基づく、剤(a)中の全非イオン性成分の重量割合は、少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも85重量%、更に好ましくは少なくとも90重量%、非常に特に好ましくは少なくとも98重量%であることを特徴とする、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
剤(a)は、水を含んでなり、7.0~11.5、好ましくは8.0~11.0、特に好ましくは8.5~10.5のpHを有することを特徴とする、請求項1~14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
剤(b)は、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸、メタンスルホン酸、安息香酸、マロン酸、シュウ酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、硫酸、塩酸およびリン酸からなる群から選択される少なくとも1つの酸(b1)を含んでなることを特徴とする、請求項1~15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
剤(b)は、水を含んでなり、1.5~5.5、好ましくは2.0~4.8、特に好ましくは2.5~4.5のpHを有することを特徴とする、請求項1~16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
まず剤(a)を適用し、次いで剤(b)を適用し、剤(a)と剤(b)の適用の間の時間は、最長24時間、好ましくは最長12時間、特に好ましくは最長6時間であることを特徴とする、請求項1~17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
(1)染色剤(a)をケラチン物質に適用し、
(2)剤(a)を10秒から10分、好ましくは10秒から5分の時間作用させ、
(3)必要に応じて、ケラチン物質を水で濯ぎ、
(4)後処理剤(b)をケラチン物質に適用し、
(5)剤(b)を30秒から30分、好ましくは30秒から10分の時間作用させ、
(6)ケラチン物質を水で濯ぐ
ことをこの順で含む、請求項1~18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
別個にパッケージ化された、
・(a1)少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー、
(a2)少なくとも1つの色付与化合物、および
(a3)少なくとも1つの非イオン性界面活性剤
を含んでなる着色剤(a)を含む第一容器、
・(b1)少なくとも1つの酸
を含んでなる剤(b)を含む第二容器
を含んでなる、ケラチン物質を染色するためのキットであって、
成分(a1)、(a2)、(a3)および(b1)は請求項1~17のいずれかに記載の意味を有する、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の対象は、少なくとも2つの異なった剤(a)および剤(b)の適用を含む、ケラチン物質、特に人毛の染色方法である。剤(a)は、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)、少なくとも1つの着色化合物(a2)および少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含んでなる。剤(b)は、少なくとも1つの酸(b1)を含有する酸性後処理剤である。
【0002】
本発明の第二の対象は、2つの異なった容器に別個にパッケージ化された剤(a)および剤(b)を含む、ケラチン物質、特に人毛を着色するための多成分パッケージユニット(キット)である。
【背景技術】
【0003】
ケラチン物質、特に人毛の形状および色を変えることは、現代の化粧品の重要な分野である。毛髪の色を変えるために、専門家は着色要求に応じた様々な着色系を知っている。酸化染料は通常、優れた堅牢性および優れた白髪カバーを備えた長期的な強力な染色に使用される。そのような着色剤は、酸化染料前駆体、いわゆる顕色剤成分、および発色剤成分を含有し、これは、過酸化水素などの酸化剤の影響下で、これらの成分の間で実際の染料を形成する。酸化染料は、非常に長持ちする染色結果を特徴とする。
【0004】
直接染料を用いる場合、既製の染料を着色剤から毛髪繊維に浸透させる。酸化的毛髪染色と比べて、直接染料により得られる染色は、保存可能期間が短く、洗浄される能力がより速い。直接染料による染色は通常、5~20回の洗浄の間、毛髪上に留まる。
【0005】
カラー顔料の使用は、毛髪および/または皮膚の短期間の色の変更で知られている。カラー顔料は、一般的に不溶性の着色物質であると理解されている。これらは、小さな粒子の形状で染料組成物中に溶解せずに存在し、毛髪繊維および/または皮膚表面の外側からのみ沈着する。従って、それらは通常、界面活性剤を含む洗浄剤で数回洗浄することで、残留物を伴わず再び除去され得る。このタイプのさまざまな製品が、毛髪マスカラの名称で市販されている。
【0006】
使用者が特に長持ちする染色を望む場合、これまで酸化染料の使用が唯一の選択肢であった。しかし、多くの最適化の試みにもかかわらず、不快なアンモニアまたはアミンの臭いは、酸化的毛髪染色において完全に回避することはできない。酸化染料の使用に伴う毛髪の損傷は、使用者の毛髪にも悪影響を及ぼす。従って、継続的な課題として、代替の高性能染色方法の探索が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、酸化染色に匹敵する堅牢性を有する染色系を提供することである。しかし、この目的のために通常使用されている酸化染料前駆体は、使用すべきでない。最先端技術で知られている着色化合物(例えば顔料)を非常に耐久性があるよう毛髪に固定することを可能にする技術が求められている。剤を染色方法で使用すると、特にファッショナブルな色合いで、強力な染色結果が得られなければならない。強くて長持ちする光沢のあるファッショナブルな色合いを実現することに重点が置かれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
意外なことに、少なくとも2つの剤(a)および剤(b)をケラチン物質(毛髪)に適用する方法によりケラチン物質、特に毛髪を着色すると、上記課題を良好に解決できることが見出された。ここで、剤(a)は、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)、少なくとも1つの着色化合物(a2)、および少なくとも1つの非イオン性界面活性剤(a3)を含んでなる。剤(b)は酸性後処理剤を表し、少なくとも1つの酸(b1)を含有する。剤(a)および剤(b)の両方を染色方法で使用すると、ケラチン繊維を高い色強度で染色することができ、これは、数回洗浄した後であっても長続きする特に強い光沢により特徴付けられた。
【0009】
本発明の第一の対象は、
・(a1)少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー、
(a2)少なくとも1つの色付与化合物、および
(a3)少なくとも1つの非イオン性界面活性剤
を含んでなる着色剤(a)を、ケラチン物質に適用する工程、
・(b1)少なくとも1つの酸
を含んでなる後処理剤(b)を、ケラチン物質に適用する工程
を含む、ケラチン物質、特に人毛の染色方法である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に至った研究において、着色剤(a)および後処理剤(b)を連続して適用すると、高い色強度および特に長時間持続する光沢を特徴とする着色ケラチン物質が得られることが示された。
【0011】
この理論に限定されるわけではないが、着色剤(a)に含まれるアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)がケラチン物質と接着結合を形成し、これが最初にアミノシリコーン(a1)をケラチン物質に固定すると考えられる。着色化合物(a2)は、アミノシリコーン(a1)中またはアミノシリコーン(a1)上に組み込まれ、その結果、ケラチン物質の外側にも固定される。
【0012】
アミノ官能化シリコーンポリマー(a1)とケラチンとの接着結合は、おそらく、シリコーン(a1)のプラスに帯電したアミノ基とケラチン物質のマイナスの電荷との間で形成される静電相互作用に基づいている。
【0013】
意外なことに、同時に使用すると、色付与化合物(a2)が後者に付着するか、またはアミノシリコーン(a1)と共通の層を形成することが観察された。(a1)および(a2)の共同の層形成は、着色化合物を毛髪繊維に拡散させる必要を伴わなくても、高い色強度を有する着色が得られることを意味する。予測できずに、このように形成された層は非常に高い光沢を特徴とし、ファッショナブルで非常に光沢のある色合いの創造が可能になった。これに関して、主に非イオン性成分を剤(a)に使用した場合、観察される毛髪の光沢が特に強いことも見出された。このため、剤(a)は、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤(a3)を更に含む。
【0014】
更に、アミノシリコーン(a1)および着色化合物(a2)を一緒に沈着させると、特に適用方法に最適なpH値を選択した場合に、非常に安定な層が形成されることが見出された。(a1)および(a2)を中性から塩基性の環境下でケラチン物質にまず適用し、その後、酸性ポストベンチング剤を適用することでpHを低下させた場合に、特に耐性のある被膜が得られた。このように処理されたケラチン物質は、数回洗浄(例えば先髪)した後であっても、その光沢を保持していた。
【0015】
ケラチン物質
ケラチン物質は、毛髪、皮膚、爪(例えば手指の爪および/または足指の爪)を包含する。羊毛、毛皮および羽毛もケラチン物質の定義に含まれる。
好ましくは、ケラチン物質は、人毛、ヒトの皮膚、ヒトの爪、特に手指の爪および足指の爪であると理解される。ケラチン物質は人毛であると理解される。
【0016】
剤(a)および剤(b)
本発明の手順では、剤(a)および剤(b)をケラチン物質、特に人毛に適用する。2つの意味(a)および(b)は異なる。
【0017】
換言すると、本発明の第一の対象は、
・(a1)少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー、
(a2)少なくとも1つの色付与化合物、および
(a3)少なくとも1つの非イオン性界面活性剤
を含んでなる着色剤(a)を、ケラチン物質に適用する工程、
・(b1)少なくとも1つの酸
を含んでなる後処理剤(b)を、ケラチン物質に適用する工程
を含む、ケラチン物質、特に人毛の染色方法であって、
剤(a)および(b)は互いに異なる、方法である。
【0018】
剤(a)中のアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)
本発明に必須の第一成分(a1)として、剤(a)は、少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマーを含んでなる。アミノ官能化シリコーンポリマーはまた、アミノシリコーンまたはアモジメチコンとも称され得る。
【0019】
シリコーンポリマーは一般に、少なくとも500g/mol、好ましくは少なくとも1000g/mol、より好ましくは少なくとも2500g/mol、特に好ましくは少なくとも5000g/molの分子量を有し、反復有機単位を含む高分子である。
【0020】
シリコーンポリマーの最大分子量は重合度(重合されたモノマーの数)およびバッチサイズに依存し、重合方法により一部決定される。本発明の目的のためには、シリコーンポリマーの最大分子量が107g/mol以下、好ましくは106g/mol以下、特に好ましくは105g/mol以下であることが好ましい。
【0021】
シリコーンポリマーは多くのSi-O反復単位を含み、Si原子はアルキル基または置換アルキル基のような有機基を有してよい。従って、シリコーンポリマーは、ポリジメチルシロキサンとも称される。
【0022】
シリコーンポリマーの高い分子量に対応して、シリコーンポリマーは、10超のSi-O反復単位、好ましくは50超のSi-O反復単位、より好ましくは100超のSi-O反復単位、最も好ましくは500超のSi-O反復単位に基づく。
【0023】
アミノ官能化シリコーンポリマーは、アミノ基を有する少なくとも1つの構造単位を有する官能化ポリジメチルシロキサンであると理解される。好ましくは、アミノ官能化シリコーンポリマーは、各々が少なくとも1つのアミノ基を有する複数の構造単位を有する。アミノ基は、第一級アミノ基、第二級アミノ基および第三級アミノ基を意味すると理解される。これらのアミノ基は全て、酸性環境下でプロトン化され得、カチオン状態で存在する。中性から塩基性の環境では、これらのアミノ基は帯電されない。
【0024】
基本的に、良好な効果は、アミノ官能化シリコーンポリマー(a1)が少なくとも1つの第一級アミノ基、少なくとも1つの第二級アミノ基および/または少なくとも1つの第三級アミノ基を有する場合に、アミノ官能化シリコーンポリマー(a1)により得られる。しかし、最良の色強度および最高の光沢を有する着色は、剤(a)において、少なくとも1つの第二級アミノ基を含むアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を用いる場合に得られる。
【0025】
非常に特に好ましい態様では、本発明の方法は、剤(a)が、少なくとも1つの第二級アミノ基を有する少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含んでなることを特徴とする。
【0026】
第二級アミノ基は、アミノ官能化シリコーンポリマーの様々なポジションに位置してよい。特に良好な効果は、式(Siアミノ):
【化1】
で示される少なくとも1つの、好ましくは複数の構造単位を有するアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を用いる場合に見られる。
式(Siアミノ)の構造単位において、略語ALK1およびALK2は、独立して直鎖または分岐のC
1~C
20二価アルキレン基を表す。
【0027】
非常に特に好ましい別の態様では、本発明の方法は、剤(a)が、式(Siアミノ):
【化2】
[式中、ALK1およびALK2は、互いに独立して直鎖または分岐のC
1~C
20二価アルキレン基を表す]
で示される少なくとも1つの構造単位を含む少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含んでなることを特徴とする。
【0028】
アスタリスク(*)の付いたポジションは、シリコーンポリマーの更なる構造単位への結合を示す。例えば、アスタリスクに隣接したケイ素原子は別の酸素原子に結合することができ、アスタリスクに隣接する酸素原子は別のケイ素原子に、またはC1~C6アルキル基にさえ結合することができる。
【0029】
二価C1~C20アルキレン基は、二価または二価C1~C20アルキレン基とも称され、これは、ALK1基またはAK2基の各々が2つの結合を形成できることを意味する。
【0030】
ALK1において、ケイ素原子からALK1基に1つの結合が存在し、第二の結合はALK1と第二級アミノ基との間に存在する。
【0031】
ALK2において、第二級アミノ基からALK2基に1つの結合が存在し、第二の結合はALK2と第一級アミノ基との間に存在する。
【0032】
直鎖二価C1~C20アルキレン基の例は、メチレン基(-CH2)、エチレン基(-CH2-CH2-)、プロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)およびブチレン基(-CH2-CH2-CH2-CH2-)を包含する。プロピレン基(-CH2-CH2-CH2-)が特に好ましい。3個の炭素原子の鎖長からは、二価アルキレン基が分岐していてもよい。分岐二価C3~C20アルキレン基の例は、(-CH2-CH(CH3)-)および(-CH2-CH(CH3)-CH2-)である。
【0033】
別の特に好ましい態様では、シリコーンポリマーが複数の式(Siアミノ)で示される構造単位を含むことができるよう、式(Siアミノ)で示される構造単位は、アミノ官能化シリコーンポリマー(a1)における反復単位を表す。
【0034】
特に適当な、少なくとも1つの第二級アミノ基を有するアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を以下に挙げる。
【0035】
本発明の方法において、式(Si-I)で示される構造単位および式(Si-II)で示される構造単位:
【化3】
を含む少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含有する少なくとも1つの剤(a)をケラチン物質に適用した場合に、最良の色強度および最高の光沢を伴った着色が得られる。
【0036】
別のとりわけ非常に特に好ましい態様では、本発明の方法は、剤(a)が、式(Si-I)で示される構造単位および式(Si-II)で示される構造単位:
【化4】
を含む少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)を含有することを特徴とする。
【0037】
構造単位(Si-I)および構造単位(Si-II)を有する対応するアミノ官能化シリコーンポリマーは、例えば、市販品DC 2-8566またはDowsil 2-8566 Amino Fluid(これは、the Dow Chemical Companyから市販されており、「Siloxanes and Silicone、3-[(2-Aminoethyl)Amino]-2-Methylpropyl Me, Di-Me-Siloxane」の名称およびCAS番号106842-44-8を有する)である。
【0038】
別の好ましい態様では、本発明の方法は、式(Si-III):
【化5】
[式中、mおよびnは、和(n+m)が1~1000の範囲となるように選択される数を意味し、
nは0~999の範囲の数であり、mは1~1000の範囲の数であり、
R
1、R
2およびR
3は同じまたは異なっており、ヒドロキシ基またはC
1~4アルコキシ基を意味し、
R
1~R
3の少なくとも1つはヒドロキシ基を表す]
で示される少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンポリマー(a1)を含んでなる剤(a)のケラチン物質への適用を特徴とする。
【0039】
本発明の別の好ましい方法は、式(Si-IV):
【化6】
[式中、pおよびqは、和(p+q)が1~1000の範囲となるように選択される数を意味し、
pは0~999の範囲の数であり、qは1~1000の範囲の数であり、
R
1およびR
2は同じまたは異なっており、ヒドロキシ基またはC
1~4アルコキシ基を意味し、
R
1~R
2の少なくとも1つはヒドロキシ基を表す]
で示される少なくともアミノ官能性シリコーンポリマー(a1)を含んでなる剤(a)のケラチン物質への適用を特徴とする。
【0040】
式(Si-III)および式(Si-IV)のシリコーンは、窒素含有基を有する、ケイ素原子における基について異なる:式(Si-III)では、R2はヒドロキシ基またはC1~4アルコキシ基を表す一方で、式(Si-IV)における基はメチル基である。添え字mおよびnまたはpおよびqを伴って記載されている各Si基は、ブロックとして存在していなくてもよい。むしろ、個々の単位は、統計的に分配されて存在していてもよい、即ち、式(Si-III)および(Si-IV)において、全てのR1-Si(CH3)2基は必ずしも-[O-Si(CH3)2]基に結合していなくてよい。
【0041】
式(Si-V):
【化7】
[式中、Aは、基-OH、-O-Si(CH
3)
3、-O-Si(CH
3)
2OH、-O-Si(CH
3)
2OCH
3を表し、
Dは、基-H、-Si(CH
3)
3、-Si(CH
3)
2OH、-Si(CH
3)
2OCH
3を表し、
b、nおよびcは、0~1000の整数を意味し、
n>0およびb+c>0であり、
条件A=-OHまたはD=-Hの少なくとも1つを充足する]
で示される少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンポリマー(a1)を含有する剤(a)をケラチン繊維に適用する本発明の方法もまた、所望の効果に関して特に効果的であることが分かった。
【0042】
上記式(Si-V)において、各シロキサン単位は、添え字b、cおよびnを伴って統計的に分配されていてよい、即ち、ブロックコポリマーである必要はない。
【0043】
剤(a)は、式(Si-VI):
M(RaQbSiO(4-a-b)/2)x(RcSiO(4-c)/2)yM (Si-VI)
[式中、Rは炭化水素基または1~約6個の炭素原子を有する炭化水素基であり、Qは一般式:-R1HZ(ここで、R1は水素、および炭素原子と水素原子、炭素原子と水素原子と酸素原子、または炭素原子と水素原子と窒素原子で構成される基Zに結合した二価結合基であり、Zは少なくとも1つのアミノ官能基を含む有機アミノ官能基である)で示される極性基であり、「a」は約0~約2の範囲の値をとり、「b」は約1~約3の範囲の値をとり、「a+b」は3以下であり、「c」は約1~約3の範囲の数であり、xは1~約2000、好ましくは約3~約50、最も好ましくは約3~約25の範囲の数であり、yは約20~約10000、好ましくは約125~約10000、最も好ましくは約150~約1000の範囲の数であり、Mは先行技術で知られている適当なシリコーン末端基、好ましくはトリメチルシロキシである]
で示される1つ以上の異なったアミノ官能化シリコーンポリマーを更に含んでよい。Rで示される基の非限定的な例は、アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、アミル、イソアミル、ヘキシル、イソヘキシルなど;アルケニル基、例えばビニル、ハロビニル、アルキルビニル、アリル、ハロアリル、アルキルアリル;シクロアルキル基、例えばシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど;フェニル基、ベンジル基、ハロ炭化水素基、例えば3-クロロプロピル、4-ブロモブチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、クロロシクロヘキシル、ブロモフェニル、クロロフェニルなど、硫黄含有基、例えばメルカプトエチル、メルカプトプロピル、メルカプトヘキシル、メルカプトフェニルなどを包含する。好ましくは、Rは1~約6個の炭素原子を含むアルキル基であり、最も好ましくはRはメチルである。R1の例は、メチレン、エチレン、プロピレン、ヘキサメチレン、デカメチレン、-CH2CH(CH3)CH2-、フェニレン、ナフチレン、-CH2CH2SCH2CH2-、-CH2CH2OCH2-、-OCH2CH2-、-OCH2CH2CH2-、-CH2CH(CH3)C(O)OCH2-、-(CH2)3CC(O)OCH2CH2-、-C6H4C6H4-、-C6H4CH2C6H4-および-(CH2)3C(O)SCH2CH2-を包含する。
【0044】
Zは少なくとも1つのアミノ官能基を含有する有機アミノ官能基である。Zについての1つの可能な式は、NH(CH2)zNH2[式中、zは1以上である]である。Zについての別の可能な式は、-NH(CH2)z(CH2)zzNH[式中、zおよびzzは共に、独立して1以上である]であり、この構造はピペラジニルのようなジアミノ環構造を含む。Zは最も好ましくは-NHCH2CH2NH2基である。Zについての別の可能な式は-N(CH2)z(CH2)zzNX2または-NX2[式中、X2の各Xは、独立して、水素およびC1~12アルキル基からなる群から選択され、zzは0である]である。
【0045】
Qは、最も好ましくは式:-CH2CH2CH2NHCH2CH2NH2で示される極性アミン官能基である。式中、「a」は約0~約2の範囲の値をとり、「b」は約2~約3の範囲の値をとり、「a+b」は3以下であり、「c」は約1~約3の範囲の数である。RaQbSiO(4-a-b)/2単位とRcSiO(4-c)/2単位とのモル比は、約1:2~1:65、好ましくは約1:5~約1:65、最も好ましくは約1:15~約1:20の範囲である。上記式で示される1つ以上のシリコーンを使用する場合、上記式における様々な可変置換基は、シリコーン混合物中に存在する様々なシリコーン成分について異なっていてもよい。
【0046】
特に好ましい態様では、本発明の方法は、式(Si-VII):
R'aG3-a-Si(OSiG2)n-(OSiGbR'2-b)m-O-SiG3-a-R'a (Si-VII)
[式中、Gは、-H、フェニル基、OH、-O-CH3、-CH3、-O-CH2CH3、-CH2CH3、-O-CH2CH2CH3、-CH2CH2CH3、-O-CH(CH3)2、-CH(CH3)2、-O-CH2CH2CH2CH3、-CH2CH2CH2CH3、-O-CH2CH(CH3)2、-CH2CH(CH3)2、-O-CH(CH3)CH2CH3、-CH(CH3)CH2CH3、-O-C(CH3)3、-C(CH3)3であり;
aは0~3の数、特に0を意味し;
bは0~1の数、特に1を意味し、
mおよびnは、nが好ましくは0~1999および49~149の値をとり、mが好ましくは1~2000、1~10の値をとり、和(m+n)が1~2000、好ましくは50~150となる数であり、
R’は
-Q-N(R")-CH2-CH2-N(R")2
-Q-N(R")2
-Q-N+(R")3A-
-Q-N+H(R")2A-
-Q-N+H2(R")A-
-Q-N(R")-CH2-CH2-N+R"H2A-
(式中、各Qは、化学結合、-CH2-、-CH2-CH2-、-CH2CH2CH2-、-C(CH3)2-、-CH2CH2CH2CH2-、-CH2C(CH3)2-、-CH(CH3)CH2CH2-であり、
R”は、同じまたは異なった、-H、-フェニル、-ベンジル、-CH2-CH(CH3)Ph、C1~20アルキル基、好ましくは-CH3、-CH2CH3、-CH2CH2CH3、-CH(CH3)2、-CH2CH2CH2H3、-CH2CH(CH3)2、-CH(CH3)CH2CH3、-C(CH3)3からなる群から選択される基を表し、
Aは塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンまたはメトサルフェートイオンから好ましくは選択されるアニオンを表す)
から選択される一価基である]
で示されるアミノ官能性シリコーンポリマーを含有する剤(a)のケラチン物質への適用を特徴とする。
【0047】
別の好ましい態様では、本発明の方法は、式(Si-VIIa):
【化8】
[式中、mおよびnは、nが好ましくは0~1999および49~149の値をとり、mが好ましくは1~2000、1~10の値をとり、和(m+n)が1~2000、好ましくは50~150となる数である]
で示される少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンポリマー(a1)を含有する剤(a)のケラチン物質への適用を特徴とする。
【0048】
INCI名によると、これらのシリコーンはトリメチルシリルアモジメチコンと称される。
【0049】
別の好ましい態様では、本発明の方法は、式(Si-VIIb):
【化9】
[式中、Rは、-OH、-O-CH
3または-CH
3基を表し、m、n1およびn2は、和(n1+n2)が好ましくは0~1999および49~149の値をとり、mが好ましくは1~2000、1~10の値をとり、和(m+n1+n2)が1~2000、好ましくは50~150となる数である]
で示される少なくとも1つのアミノ官能性シリコーンポリマーを含んでなる剤(a)のケラチン物質への適用を特徴とする。
【0050】
INCI名によると、これらのアミノ官能化シリコーンポリマーはアモジメチコンと称される。
【0051】
いずれのアミノ官能性シリコーンを用いるかにかかわらず、本発明における剤(a)は、好ましくは、0.25meq/g超、好ましくは0.3meq/g超、0.4meq/g超のアミン価を有するアミノ官能性シリコーンポリマーを含有する。アミン価は、アミノ官能性シリコーン1g当たりのアミンのミリ当量を表す。これは、滴定により測定でき、mgKOH/gの単位で表すこともできる。
【0052】
また、特定の4-モルホリノメチル置換シリコーンポリマー(a1)を含有する剤(a)もまた、本発明の方法における使用に適している。このアミノ官能化シリコーンポリマーは、式(SI-VIII)で示される構造単位および式(Si-IX)で示される構造単位:
【化10】
を含む。
【0053】
相応の4-モルホリノメチル置換シリコーンポリマーを以下に示す。
【0054】
本発明において適当なアミノ官能化シリコーンポリマーは、アモジメチコン/モルホリノメチルシルセスキオキサンコポリマーとして知られており、原料Belsil ADM 8301 EとしてWackerから市販されている。
【0055】
4-モルホリノメチル置換シリコーンとして、例えば、式(Si-VIII)、式(Si-IX)および式(Si-X)で示される構造単位:
【化11】
[式中、R
1は、-CH
3、-OH、-OCH
3、-O-CH
2CH
3、-O-CH
2CH
2CH
3または-O-CH(CH
3)
2であり;
R
2は、-CH
3、-OHまたは-OCH
3である]
を有するシリコーンを使用することができる。
【0056】
本発明における特に好ましい成分(a)は、式(Si-XI):
【化12】
[式中、
R
1は、-CH
3、-OH、-OCH
3、-O-CH
2CH
3、-O-CH
2CH
2CH
3、または-O-CH(CH
3)
2であり;
R
2は、-CH
3、-OHまたは-OCH
3であり、
Bは、基-OH、-O-Si(CH
3)
3、-O-Si(CH
3)
2OH、-O-Si(CH
3)
2OCH
3を表し、
Dは、基-H、-Si(CH
3)
3、-Si(CH
3)
2OH、-Si(CH
3)
2OCH
3を表し、
a、bおよびcは独立して、a+b+c>0の条件を伴って、0~1000の整数を意味し、
mおよびnは、各々独立して1~1000の整数を意味し、
ただし、条件B=-OHまたはD=-Hの少なくとも1つを充足し、
単位a、b、c、mおよびnは、分子中で、統計的に分配されているか、またはブロック様で存在している]
で示される少なくとも1つの4-モルホリノメチル置換シリコーンを含有する。
【0057】
構造式(Si-XI)は、シロキサン基nおよびmが、それぞれ末端基BまたはDに必ずしも直接結合する必要がないことを示すことが意図されている。むしろ、好ましい式(Si-VI)ではa>0またはb>0であり、特に好ましい式(Si-VI)ではa>0およびc>0、即ち、末端基BまたはDは、好ましくはジメチルシロキシ基に結合している。また、式(Si-VI)では、シロキサン単位a、b、c、mおよびnは好ましくは統計的に分配されている。
【0058】
本発明で使用され、式(Si-VI)で示されるシリコーンは、トリメチルシリル末端化されていてよい(DまたはB=-Si(CH3)3)が、両端がジメチルシリルヒドロキシ末端化されていても、または一端がジメチルシリルヒドロキシ末端化およびジメチルシリルメトキシ末端化されていてもよい。本発明において、特に好ましいシリコーンは、万人にとって、
B=-O-Si(CH3)2OHかつD=-Si(CH3)3
B=-O-Si(CH3)2OHかつD=-Si(CH3)2OH
B=-O-Si(CH3)2OHかつD=-Si(CH3)2OCH3
B=-O-Si(CH3)3かつD=-Si(CH3)2OH
B=-O-Si(CH3)2OCH3かつD=-Si(CH3)2OH
であるシリコーンから選択される。これらのシリコーンは、本発明の剤で処理された毛髪の毛髪特性を顕著に改善し、酸化処理における保護を大幅に改善する。
【0059】
特に耐性のあるフィルムを製造するために、剤(a)は、好ましくは特定の範囲の量で、アミノ官能化シリコーンポリマー(a2)を含有する。
【0060】
本発明の方法において、剤(a)の総重量に基づいて、0.1~8.0重量%、好ましくは0.2~6.0重量%、より好ましくは0.5~5.0重量%、非常に特に好ましくは1.0~3.5重量%の総量で、1つ以上のシリコーンポリマーを含有する剤(a)を使用する場合、特に堅牢なフィルムが得られる。
【0061】
別の好ましい態様では、本発明の方法は、剤(a)が、剤(a)の総重量に基づいて、0.1~8.0重量%、好ましくは0.2~6.0重量%、より好ましくは0.5~5.0重量%、非常に好ましくは1.0~3.5重量%の総量で、1つ以上のアミノ官能化シリコーンポリマーを含有することを特徴とする。
【0062】
媒体(a)中の着色化合物(a2)
本発明の第二の必須成分として、本発明の方法において使用される剤(a)は、少なくとも1つの色付与化合物(a2)を含有する。
【0063】
本発明の目的のため、着色化合物は、ケラチン物質に着色を与えることができる物質である。特に適当な着色化合物は、顔料、直接染料、フォトクロミック染料およびサーモクロミック染料からなる群から選択され得る。
【0064】
別の好ましい態様では、本発明の方法は、剤(a)が、顔料、直接染料、フォトクロミック染料およびサーモクロミック染料からなる群からの少なくとも1つの着色化合物(a2)を含んでなることを特徴とする。
【0065】
本発明の意味における顔料は、0.5g/L未満、好ましくは0.1g/L未満、更により好ましくは0.05g/L未満の25℃での水への溶解度を有する着色化合物である。水への溶解度は、例えば下記方法により測定できる:0.5gの顔料をビーカーに秤取し、ステアフィッシュ(stir-fish)を加え、1Lの蒸留水を添加する;この混合物をマグネチックスターラー上で撹拌しながら25℃で1時間加熱する;顔料の未溶解成分がこの時間を過ぎても混合物中に観察される場合は、顔料の溶解度は0.5g/L未満である;顔料-水混合物が、おそらく微分散した顔料の高強度に起因して視覚的に評価できない場合は、混合物をろ過する;ろ紙上にある程度の未溶解顔料が残留する場合は、顔料の溶解度は0.5g/L未満である。
【0066】
適当なカラー顔料は、無機および/または有機起源であり得る。
【0067】
好ましい態様では、本発明の剤(a)は、無機および/または有機顔料からなる群から選択される少なくとも1つの着色化合物(a2)を含有することを特徴とする。
【0068】
好ましいカラー顔料は、合成または天然の無機顔料から選択される。天然起源の無機カラー顔料は、例えば、チョーク、オークル、アンバー、グリーンアース、焼テラディシエナまたはグラファイトから製造できる。また、四三酸化鉄のような黒色顔料、ウルトラマリン若しくは酸化鉄赤のようなカラー顔料、および蛍光若しくは燐光顔料を、無機カラー顔料として使用できる。
【0069】
特に適しているものは、着色金属酸化物、水酸化物および酸化物水和物、混合相顔料、硫黄含有ケイ酸塩、ケイ酸塩、金属硫化物、複合金属シアン化物、金属硫酸塩、クロム酸塩および/またはモリブデン酸塩である。好ましいカラー顔料はブラック酸化鉄(CI 77499)、イエロー酸化鉄(CI 77492)、レッドおよびブラウン酸化鉄(CI 77491)、マンガンバイオレット(CI 77742)、ウルトラマリン(スルホケイ酸ナトリウムアルミニウム、CI 77007、顔料blue 29)、酸化クロム水和物(CI77289)、アイアンブルー(フェロシアン化第二鉄、CI77510)および/またはカーマイン(コチニール)である。
【0070】
本発明では、有色の真珠光沢顔料が特に好ましいカラー顔料である。これらは通常、雲母および/または雲母ベースであり、1つ以上の金属酸化物で被覆されている場合もある。雲母は層ケイ酸塩に属する。これらケイ酸塩の最も重要な例は、白雲母、金雲母、ソーダ雲母、黒雲母、レピドライトおよびマーガライトである。金属酸化物と組み合わせた真珠光沢顔料を製造するため、雲母、主に白雲母または金雲母を金属酸化物で被覆する。
【0071】
天然雲母の代替品として、1つ以上の金属酸化物で被覆した合成雲母を、真珠光沢顔料として使用することもできる。特に好ましい真珠光沢顔料は、天然または合成雲母に基づいており、上記の1つ以上の金属酸化物で被覆されている。金属酸化物の層の厚さを変えることで、各顔料の色を変えることができる。
【0072】
別の好ましい態様では、本発明の方法は、剤(a)が、好ましくは、着色金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物水和物、ケイ酸塩、金属硫化物、複合金属シアン化物、金属硫酸塩、ブロンズ顔料、および/または少なくとも1つの金属酸化物および/または金属酸塩化物で被覆された着色雲母顔料若しくは着色雲母ベース顔料からなる群から選択される、無機顔料の群からの少なくとも1つの着色化合物(a2)を含んでなることを特徴とする。
【0073】
真珠光沢顔料または効果顔料を使用することにより、特に高い光沢を伴った着色を達成することができるので、これらの顔料の使用が特に好ましい。
【0074】
別の非常に特に好ましい態様では、本発明の方法は、剤(a)が、二酸化チタン(CI 77891)、ブラック酸化鉄(CI 77499)、イエロー酸化鉄(CI 77492)、レッドおよび/またはブラウン酸化鉄(CI 77491、CI 77499)、マンガンバイオレット(CI 77742)、ウルトラマリン(スルホケイ酸ナトリウムアルミニウム、CI 77007、顔料Blue 29)、酸化クロム水和物(CI 77289)、酸化クロム(CI 77288)および/またはアイアンブルー(フェロシアン化第二鉄、CI 77510)からなる群からの1つ以上の金属酸化物と反応した雲母若しくは雲母ベース顔料から選択される顔料の群からの少なくとも1つの着色化合物(a2)を含んでなることを特徴とする。
【0075】
特に適したカラー顔料の例は、MerckからRona(登録商標)、Colorona(登録商標)、Xirona(登録商標)、Dichrona(登録商標)およびTimiron(登録商標)の商品名で、SensientからAriabel(登録商標)およびUnipure(登録商標)の商品名で、Eckart Cosmetic ColorsからPrestige(登録商標)の商品名で、SunstarからSunshine(登録商標)の商品名で市販されているものである。
【0076】
商品名Colorona(登録商標)を有する特に好ましいカラー顔料は、例えば以下のものである:
Colorona Copper, Merck, 雲母, CI 77491(酸化鉄)
Colorona Passion Orange, Merck, 雲母, CI 77491(酸化鉄), アルミナ
Colorona Patina Silver, Merck, 雲母, CI 77499(酸化鉄), CI 77891(二酸化チタン)
Colorona RY, Merck, CI 77891(二酸化チタン), 雲母, CI 75470(カーマイン)
Colorona Oriental Beige, Merck, 雲母, CI 77891(二酸化チタン), CI 77491(酸化鉄)
Colorona Dark Blue, Merck, 雲母, 二酸化チタン, フェロシアン化第二鉄
Colorona Chameleon, Merck, CI 77491(酸化鉄), 雲母
Colorona Aborigine Amber, Merck, 雲母, CI 77499(酸化鉄), CI 77891(二酸化チタン)
Colorona Blackstar Blue, Merck, CI 77499(酸化鉄), 雲母
Colorona Patagonian Purple, Merck, 雲母, CI 77491(酸化鉄), CI 77891(二酸化チタン), CI 77510(フェロシアン化第二鉄)
Colorona Red Brown, Merck, 雲母, CI 77491(酸化鉄), CI 77891(二酸化チタン)
Colorona Russet, Merck, CI 77491(二酸化チタン), 雲母, CI 77891(酸化鉄)
Colorona Imperial Red, Merck, 雲母, 二酸化チタン(CI 77891), D&C RED NO. 30(CI 73360)
Colorona Majestic Green, Merck, CI 77891(二酸化チタン), 雲母, CI 77288(CHROMIUM OXIDE GREENS)
Colorona Light Blue, Merck, 雲母, 二酸化チタン(CI 77891), フェロシアン化第二鉄(CI 77510)
Colorona Red Gold, Merck, 雲母, CI 77891(二酸化チタン), CI 77491(酸化鉄)
Colorona Gold Plus MP 25, Merck, 雲母, 二酸化チタン(CI 77891), 酸化鉄(CI 77491)
Colorona Carmine Red, Merck, 雲母, 二酸化チタン, カーマイン
Colorona Blackstar Green, Merck, 雲母, CI 77499(酸化鉄)
Colorona Bordeaux, Merck, 雲母, CI 77491(酸化鉄)
Colorona Bronze, Merck, 雲母, CI 77491(酸化鉄)
Colorona Bronze Fine, Merck, 雲母, CI 77491(酸化鉄)
Colorona Fine Gold MP 20, Merck, 雲母, CI 77891(二酸化チタン), CI 77491(酸化鉄)
Colorona Sienna Fine, Merck, CI 77491(酸化鉄), 雲母
Colorona Sienna, Merck, 雲母, CI 77491(酸化鉄)
Colorona Precious Gold, Merck, 雲母, CI 77891(二酸化チタン), シリカ, CI 77491(酸化鉄), 酸化スズ
Colorona Sun Gold Sparkle MP 29, Merck, 雲母, 二酸化チタン, 酸化鉄, 雲母, CI 77891, CI 77491(EU)
Colorona 雲母 Black, Merck, CI 77499(酸化鉄), 雲母, CI 77891(二酸化チタン)
Colorona Bright Gold, Merck, 雲母, CI 77891(二酸化チタン), CI 77491(酸化鉄)
Colorona Blackstar Gold, Merck, 雲母, CI 77499(酸化鉄)
【0077】
商品名Xirona(登録商標)を有する他の特に好ましいカラー顔料は、例えば以下のものである:
Xirona Golden Sky, Merck, シリカ, CI 77891 (二酸化チタン), 酸化スズ
Xirona Caribbean Blue, Merck, 雲母, CI 77891 (二酸化チタン), シリカ, 酸化スズ
Xirona Kiwi Rose, Merck, シリカ, CI 77891 (二酸化チタン), 酸化スズ
Xirona Magic Mauve, Merck, シリカ, CI 77891 (二酸化チタン), 酸化スズ.
【0078】
また、商品名Unipure(登録商標)を有する特に好ましいカラー顔料は、例えば以下のものである:
Unipure Red LC 381 EM, Sensient CI 77491 (酸化鉄), シリカ
Unipure Black LC 989 EM, Sensient, CI 77499 (酸化鉄), シリカ
Unipure Yellow LC 182 EM, Sensient, CI 77492 (酸化鉄), シリカ
【0079】
別の態様では、本発明の組成物は、有機顔料からなる群から選択される1つ以上の着色化合物(a2)を含む(a)を含んでもよい。
【0080】
本発明の有機顔料は、相応に不溶性の有機染料またはカラーラッカーであり、例えば、ニトロソ、ニトロアゾ、キサンテン、アントラキノン、イソインドリノン、イソインドリノン、キナクリドン、ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、インディゴ、チオインディゴ、ジオキサジンおよび/またはトリアリールメタン化合物からなる群から選択され得る。
【0081】
有機顔料の例は、カルミン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックス番号Cl 42090、CI 69800、CI 69825、CI 73000、CI 74100、CI 74160を有する青色顔料、カラーインデックス番号CI 11680、CI 11710、CI 15985、CI 19140、CI 20040、CI 21100、CI 21108、CI 47000、CI 47005を有する黄色顔料、カラーインデックス番号CI 61565、CI 61570、CI 74260を有する緑色顔料、カラーインデックス番号CI 11725、CI 15510、CI 45370、CI 71105を有する橙色顔料、カラーインデックス番号CI 12085、CI 12120、CI 12370、CI 12420、CI 12490、CI 14700、CI 15525、CI 15580、CI 15620、CI 15630、CI 15800、CI 15850、CI 15865、CI 15880、CI 17200、CI 26100、CI 45380、CI 45410、CI 58000、CI 73360、CI 73915および/またはCI 75470を有する赤色顔料である。
【0082】
別の態様では、本発明の方法は、剤(a)が、カルミン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックス番号Cl 42090、CI 69800、CI 69825、CI 73000、CI 74100、CI 74160を有する青色顔料、カラーインデックス番号CI 11680、CI 11710、CI 15985、CI 19140、CI 20040、CI 21100、CI 21108、CI 47000、CI 47005を有する黄色顔料、カラーインデックス番号CI 61565、CI 61570、CI 74260を有する緑色顔料、カラーインデックス番号CI 11725、CI 15510、CI 45370、CI 71105を有する橙色顔料、カラーインデックス番号CI 12085、CI 12120、CI 12370、CI 12420、CI 12490、CI 14700、CI 15525、CI 15580、CI 15620、CI 15630、CI 15800、CI 15850、CI 15865、CI 15880、CI 17200、CI 26100、CI 45380、CI 45410、CI 58000、CI 73360、CI 73915および/またはCI 75470を有する赤色顔料からなる群から選択される有機顔料からなる群からの少なくとも1つの着色化合物(a2)を含有することを特徴とする。
【0083】
有機顔料はカラーペイントであってもよい。本発明の意味において、用語「カラーラッカー」は吸収された染料の層を含む粒子を意味し、粒子および染料のユニットは上記条件下で不溶性である。粒子は、例えば無機基材であってよく、アルミニウム、シリカ、ホウケイ酸カルシウム、ホウケイ酸カルシウムアルミニウム、またはアルミニウムであってもよい。
【0084】
例えば、アリザリンカラーワニスを使用できる。
【0085】
耐光性および耐熱性に優れているため、本発明の方法の剤(a)における上記顔料の使用が特に好ましい。使用される顔料が特定の粒度を有することも好ましい。従って、本発明では、少なくとも1つの顔料が1.0~50μm、好ましくは5.0~45μm、好ましくは10~40μm、14~30μmの平均粒度D50を有することが有利である。平均粒度D50は、例えば動的光散乱(DLS)を用いて測定できる。
【0086】
可能な限り高い光沢を達成するために、媒体(a)において特定の量の範囲の顔料を使用することが特に有利であることが分かった。顔料は、いずれの場合も剤(a)の総重量に基づいて、好ましくは0.001~20重量%、より好ましくは0.1~8重量%、更により好ましくは0.6~6重量%、非常に特に好ましくは1.0~4.5重量%の量で使用される。
【0087】
別の非常に特に好ましい態様では、本発明の方法は、剤(a)が、剤(a)の総重量に基づいて、好ましくは0.001~20重量%、より好ましくは0.1~8重量%、更により好ましくは0.3~6重量%、非常に特に好ましくは0.5~4.5重量%の総量で、1つ以上の顔料を含有することを特徴とする。
【0088】
別のとりわけ特に好ましい態様では、本発明の方法は、剤(a)が、剤(a)の総重量に基づいて、好ましくは0.001~20重量%、より好ましくは0.1~8重量%、更により好ましくは0.3~6重量%、非常に特に好ましくは0.5~4.5重量%の総量で、1つ以上の無機顔料を含有することを特徴とする。
【0089】
着色化合物(a2)として、本発明の方法において使用される剤(a)は、1つ以上の直接染料を含有してもよい。直接作用する染料は、毛髪に直接作用し、色を形成するために酸化プロセスを必要としない染料である。直接染料は通常、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン、トリアリールメタン染料またはインドフェノールである。
【0090】
本発明の意味における直接染料は、0.5g/L超の25℃での水に対する溶解度(760mmHg)を有し、従って、顔料とは見なされない。
好ましくは、本発明の意味における直接染料は、1.0g/L超の25℃での水に対する溶解度(760mmHg)を有する。
【0091】
直接染料は、アニオン性、カチオン性および非イオン性の直接染料に分類され得る。
【0092】
別の態様では、本発明の方法は、剤(a)が、アニオン性、非イオン性およびカチオン性直接染料からなる群からの少なくとも1つの着色化合物(a2)を含んでなることを特徴とする
【0093】
適当なカチオン性直接染料は、Basic Blue 7、Basic Blue 26、HC Blue 16、Basic Violet 2、and Basic Violet 14、Basic Yellow 57、Basic Red 76、Basic Blue 16、Basic Blue 347(Cationic Blue 347/Dystar)、HC Blue No. 16、Basic Blue 99、Basic Brown 16、Basic Brown 17、Basic Yellow 57、Basic Yellow 87、Basic Orange 31、Basic Red 51 Basic Red 76を包含する。
【0094】
非イオン性直接染料として、非イオン性ニトロおよびキノン染料並びに中性アゾ染料を使用できる。適当な非イオン性直接染料は、下記国際的名称または商品名を有するものである:HC Yellow 2、HC Yellow 4、HC Yellow 5、HC Yellow 6、HC Yellow 12、HC Orange 1、Disperse Orange 3、HC Red 1、HC Red 3、HC Red 10、HC Red 11、HC Red 13、HC Red BN、HC Blue 2、HC Blue 11、HC Blue 12、Disperse Blue 3、HC Violet 1、Disperse Violet 1、Disperse Violet 4、Disperse Black 9といった既知の化合物、並びに1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン、2-アミノ-4-ニトロフェノール、1,4-ビス-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-2-ニトロベンゼン、3-ニトロ-4-(2-ヒドロキシエチル)-アミノフェノール2-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-4,6-ジニトロフェノール、4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-3-ニトロ-1-メチルベンゼン、1-アミノ-4-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-5-クロロ-2-ニトロベンゼン、4-アミノ-3-ニトロフェノール、1-(2’-ウレイドエチル)アミノ-4-ニトロベンゼン、2-[(4-アミノ-2-ニトロフェニル)アミノ]安息香酸、6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、ピクラミン酸およびその塩、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、4-エチルアミノ-3-ニトロ安息香酸および2-クロロ-6-エチルアミノ-4-ニトロフェノール。
【0095】
本発明に至る研究の過程において、少なくとも1つのアニオン性直接染料(a2)を含有する剤(a)も適していることが見出された。
【0096】
従って、別の態様では、本発明の方法は、剤(a)が少なくとも1つのアニオン性直接染料を含んでなることを特徴とする。
【0097】
アニオン性直接染料は、酸染料とも称される。酸染料は、少なくとも1つのカルボン酸 基(-COOH)および/または1つのスルホン酸基(-SO3H)を有する直接染料である。pH値に依存して、カルボン酸基またはスルホン酸基のプロトン化形態(-COOH、-SO3H)は、それらの脱プロトン化形態(-OO-、-SO3
-)と平衡状態にある。プロトン化形態の割合は、pH値の低下に伴って増大する。直接染料をその塩形態で用いると、カルボン酸基またはスルホン酸基は、脱プロトン化形態で存在し、電気的中性を維持するために、対応する化学量論的当量のカチオンで中和される。本発明における酸染料は、そのナトリウム塩および/またはカリウム塩の形態で使用することもできる。
【0098】
本発明の意味における酸染料は、0.5g/L超の25℃での水に対する溶解度(760mHg)を有し、従って、顔料とは見なされない。好ましくは、本発明の意味における酸染料は、1.0g/L超の25℃での水に対する溶解度(760mHg)を有する。
【0099】
酸染料のアルカリ土類塩(例えばカルシウム塩およびマグネシウム塩)またはアルミニウム塩はしばしば、対応するアルカリ塩より低い溶解度を有する。これらの塩の溶解度が0.5g/L(25℃、760mmHg)未満の場合、それらは直接染料の定義に含まれない。
【0100】
酸染料の必須の特徴は陰イオン電荷を形成できる能力であり、それによって、これに関与するカルボン酸またはスルホン酸基は通常、様々な発色団に結合する。適当な発色団は、例えば、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、ローダミン染料、オキサジン染料および/またはインドフェノール染料の構造に見られる。
【0101】
従って、一態様では、成分(a)が、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、ローダミン染料、オキサジン染料および/またはインドフェノール染料、キサンテン染料、ローダミン染料、オキサジン染料および/またはインドフェノール染料からなる群から選択される、少なくとも1つのアニオン性直接染料を含んでなることを特徴とするケラチン物質の染色方法が好ましい。上記群からの染料は各々、少なくとも1つのカルボン酸基(-COOH)、カルボン酸ナトリウム基(-COONa)、カルボン酸カリウム基(-COOK)、スルホン酸基(-SO3H)、スルホン酸ナトリウム基(-SO3Na)および/またはスルホン酸カリウム基(-SO3K)を有する。
【0102】
別の適当な酸染料として、例えば、下記群からの1つ以上の化合物が選択され得る:Acid Yellow 1(D&C Yellow 7、Citronin A、Ext. D&C Yellow No. 7、Japan Yellow 403、CI 10316、COLIPA n°B001)、Acid Yellow 3(COLIPA n°:C 54、D&C Yellow N 10、Quinoline Yellow、E104、Food Yellow 13)、Acid Yellow 9(CI 13015)、Acid Yellow 17(CI 18965)、Acid Yellow 23(COLIPA n°C 29、Covacap Jaune W 1100(LCW)、Sicovit Tartrazine 85 E 102(BASF)、Tartrazine、Food Yellow 4、Japan Yellow 4、FD&C Yellow No. 5)、Acid Yellow 36(CI 13065)、Acid Yellow 121(CI 18690)、Acid Orange 6(CI 14270)、Acid Orange(2-Naphthol orange、Orange II、CI 15510、D&C Orange 4、COLIPA n°C015)、Acid Orange 10(C.I. 16230;Orange G ナトリウム塩)、Acid Orange 11(CI 45370)、Acid Orange 15(CI 50120)、Acid Orange 20(CI 14600)、Acid Orange 24(BROWN 1;CI 20170;KATSU201;nosodiumsalt;Brown No.201;RESORCIN BROWN;ACID ORANGE 24;Japan Brown 201;D & C Brown No.1)、Acid Red 14(C.I.14720)、Acid Red 18(E124、Red 18;CI 16255)、Acid Red 27(E 123、CI 16185、C-Rot 46、Echtrot D、FD&C Red Nr.2、Food Red 9、Naphtholrot S)、Acid Red 33(Red 33、Fuchsia Red、D&C Red 33、CI 17200)、Acid Red 35(CI C.I.18065)、Acid Red 51(CI 45430、Pyrosin B、Tetraiodfluorescein、Eosin J、Iodeosin)、Acid Red 52(CI 45100、Food Red 106、Solar Rhodamine B、Acid Rhodamine B、Red n°106 Pontacnyl Brilliant Pink)、Acid Red 73(CI 27290)、Acid Red 87(Eosin、CI 45380)、Acid Red 92(COLIPA n°C53、CI 45410)、Acid Red 95(CI 45425、Erythtosine、Simacid Erythrosine Y)、Acid Red 184(CI 15685)、Acid Red 195、Acid Violet 43(Jarocol Violet 43、Ext. D&C Violet n°2、C.I. 60730、COLIPA n°C063)、Acid Violet 49(CI 42640)、Acid Violet 50(CI 50325)、Acid Blue 1(Patent Blue、CI 42045)、Acid Blue 3(Patent Blue V、CI 42051)、Acid Blue 7(CI 42080)、Acid Blue 104(CI 42735)、Acid Blue 9(E 133、Patent blue AE、Amido blue AE、Erioglaucin A、CI 42090、C.I. Food Blue 2)、Acid Blue 62(CI 62045)、Acid Blue 74(E 132、CI 73015)、Acid Blue 80(CI 61585)、Acid Green 3(CI 42085、Foodgreen1)、Acid Green 5(CI 42095)、Acid Green 9(C.I.42100)、Acid Green 22(C.I.42170)、Acid Green 25(CI 61570、Japan Green 201、D&C Green No. 5)、Acid Green 50(BrilliantAcid Green BS、C.I. 44090、Acid Brilliant Green BS、E 142)、Acid Black 1(Black n°401、Naphthalene Black 10B、Amido Black 10B、CI 20 470、COLIPA n°B15)、Acid Black 52(CI 15711)、Food Yellow 8(CI 14270)、Food Blue 5、D&C Yellow 8、D&C Green 5、D&C Orange 10、D&C Orange 11、D&C Red 21、D&C Red 27、D&C Red 33、D&C Violet 2および/またはD&C Brown 1。
【0103】
例えば、アニオン性直接染料の水への溶解度は、下記方法で測定できる。0.1gのアニオン性直接染料をビーカーに投入する。ステアフィッシュを加える。次いで、100mLの水を加える。この混合物を撹拌しながらマグネチックスターラー上で25℃に加熱する。これを60分間撹拌する。続いて、水性混合物を視覚的に評価する。溶け残りがある場合は、例えば10mLずつ、水の量を増やす。使用した量の染料が完全に溶けるまで水を加える。染料の強度が高いために染料と水との混合物を視覚的に評価することができない場合は、混合物をろ過する。ろ紙上に一定割合の未溶解染料が残留する場合は、より多量の水で溶解度試験を繰り返す。0.1gのアニオン性直接染料が25℃で100mLの水に溶解する場合、染料の溶解度は1.0g/Lである。
【0104】
Acid Yellow 1は、8-ヒドロキシ-5,7-ジニトロ-2-ナフタレンスルホン酸ジナトリウム塩とも称され、少なくとも40g/L(25℃)の水に対する溶解度を有する。
【0105】
Acid Yellow 3は、2-(2-キノリル-1H-インデン-1,3(2H)-ジオンのモノスルホン酸およびジスルホン酸のナトリウム塩の混合物であり、20g/L(25℃)の水への溶解度を有する。
【0106】
Acid Yellow 9は、8-ヒドロキシ-5,7-ジニトロ-2-ナフタレンスルホン酸のジナトリウム塩であり、その水に対する溶解度は40g/L(25℃)超である。
【0107】
Acid Yellow 23は、4,5-ジヒドロ-5-オキソ-1-(4-スルホフェニル)-4-((4-スルホフェニル)アゾ-1H-ピラゾール-3-カルボン酸のトリナトリウム塩であり、25℃で水に対する高い溶解度を有する。
【0108】
Acid Orange 7は、4-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)アゾ]ベンゼンスルホネートのナトリウム塩である。その水への溶解度は7g/L(25℃)超である。
【0109】
Acid Red 18は、7-ヒドロキシ-8-[(E)-(4-スルホナト-1-ナフチル)-ジアゼニル]-1,3-ナフタレンジスルホネートのトリナチルム塩であり、20重量%超の非常に高い水への溶解度を有する。
【0110】
Acid Red 33は、5-アミノ-4-ヒドロキシ-3-(フェニルアゾ)-ナフタレン-2,7-ジスルホネートのジアントリウム塩であり、その水に対する溶解度は2.5g/L(25℃)である。
【0111】
Acid Red 92は、3,4,5,6-テトラクロロ-2-(1,4,5,8-テトラブロモ-6-ヒドロキシ-3-オキソキサンテン-9-イル)安息香酸のジナトリウム塩であり、その水に対する溶解度は10g/L超(25℃)を示す。
【0112】
Acid Blue 9は、2-({4-[N-エチル(3-スルホナトベンジル]アミノ]フェニル}{4-[(N-エチル(3-スルホナトベンジル)イミノ]-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン}メチル)-ベンゼンスルホネートのジナトリウム塩であり、20重量%超の水に対する溶解度(25℃)を有する。
【0113】
従って、別の態様では 本発明の方法は、剤(a)がAcid Yellow 1、Acid Yellow 3、Acid Yellow 9、Acid Yellow 17、Acid Yellow 23、Acid Yellow 36、Acid Yellow 121、Acid Orange 6、Acid Orange 7、Acid Orange 10、Acid Orange 11、Acid Orange 15、Acid Orange 20、Acid Orange 24、Acid Red 14、Acid Red、Acid Red 27、Acid Red 33、Acid Red 35、Acid Red 51、Acid Red 52、Acid Red 73、Acid Red 87、Acid Red 92、Acid Red 95、Acid Red 184、Acid Red 195、Acid Violet 43、Acid Violet 49、Acid Violet 50、Acid Blue 1、Acid Blue 3、Acid Blue 7、Acid Blue 104、Acid Blue 9、Acid Blue 62、Acid Blue 74、Acid Blue 80、Acid Green 3、Acid Green 5、Acid Green 9、Acid Green 22、Acid Green 25、Acid Green 50、Acid Black 1、Acid Black 52、Food Yellow 8、Food Blue 5、D&C Yellow 8、D&C Green 5、D&C Orange 10、D&C Orange 11、D&C Red 21、D&C Red 27、D&C Red 33、D&C Violet 2および/またはD&C Brown 1からなる群から選択される少なくとも1つの直接染料(a2)を含んでなることを特徴とする。
【0114】
直接染料は、所望の色強度に応じて、媒体(a)中に様々な量で使用され得る。特に良好な結果は、剤(a)が、剤(a)の総重量に基づいて、0.01~10.0重量%、好ましくは0.1~8.0重量%、より好ましくは0.2~6.0重量%、最も好ましくは0.5~4.5重量%の総量で1つ以上の直接染料(b)を含有する場合に得ることができる。
【0115】
また、剤(a)は、着色化合物(a2)として、少なくとも1つのフォトクロミック染料またはサーモクロミック染料を含有してもよい。
【0116】
フォトクロミック染料は、紫外線(太陽光またはブラックライト)の照射に反応して可逆的に色相が変化する染料である。その過程で、紫外光は染料の化学構造を変化させ、そして、その吸収挙動(フォトクロミー)を変化させる。
【0117】
サーモクロミック染料は、温度変化に反応し、可逆的に色相が変化する染料である。この過程では、温度の変化が染料の化学構造を変化させ、そして、その吸収挙動(サーモクロミズム)を変化させる。
【0118】
剤(a)は、剤(a)の総重量に基づいて、0.01~10.0重量%、好ましくは0.1~8.0重量%、より好ましくは0.2~6.0重量%、最も好ましくは0.5~4.5重量%の総量で1つ以上のフォトクロミック染料(b)を含有してよい。
【0119】
剤(a)は、剤(a)の総重量に基づいて、0.01~10.0重量%、好ましくは0.1~8.0重量%、より好ましくは0.2~6.0重量%、非常に好ましくは0.5~4.5重量%の総量で1つ以上のサーモクロミック染料(b)を含有してよい。
【0120】
媒体(a)中の非イオン性界面活性剤(a3)
本発明に必須の第3の成分(a3)として、組成物(a)は、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を含有する。非イオン性界面活性剤の使用により、相乗的に、本発明の方法により生成できる光沢が高まることが分かった。
【0121】
非イオン性界面活性剤(Tnio)は、親水性基として、例えば、ポリオール基、ポリアルキレングリコールエーテル基、またはポリオール基とポリグリコールエーテル基との組み合わせを含む。適当なものは下記を包含する:
・6~30個の炭素原子を有する直鎖および分岐脂肪アルコールへの2~50molのエチレンオキシドおよび/または0~5molのプロピレンオキシドの付加生成物、脂肪アルコールポリグリコールエーテルまたは脂肪アルコールポリプロピレングリコールエーテルまたは混合脂肪アルコールポリエーテル、
・6~30個の炭素原子を有する直鎖および分岐脂肪酸への2~50molのエチレンオキシドおよび/または0~5molのプロピレンオキシドの付加生成物、脂肪酸ポリグリコールエーテルまたは脂肪酸ポリプロピレングリコールエーテルまたは混合脂肪酸ポリエーテル、
・アルキル基中に8~15個の炭素原子を有する直鎖および分岐アルキルフェノールへの2~50molのエチレンオキシドおよび/または0~5molのプロピレンオキシドの付加生成物、アルキルフェノールポリグリコールエーテルまたはアルキルポリプロピレングリコールエーテルまたは混合アルキルフェノールポリエーテル、
・8~30個の炭素原子を有する直鎖および分岐脂肪アルコールへの、8~30個の炭素原子を有する脂肪酸への、およびアルキル基中に8~15個の炭素原子を有するアルキルフェノールへの、2~50molのエチレンオキシドおよび/または0~5molのプロピレンオキシドの、メチルまたはC2~C6アルキル末端基キャップ付加生成物、例えば、Dehydol(登録商標)LS、Dehydol(登録商標)LT(Cognis)の商品名で市販されているグレード、
・グリセロールへの1~30molエチレンオキシドの付加生成物のC12~C30脂肪酸モノエステルおよびジエステル、
・ヒマシ油および硬化ヒマシ油への5~6molエチレンオキシドの付加生成物、
・ポリオール脂肪酸エステル、例えば、市販品Hydagen(登録商標)HSP(Cognis)またはSovermol(登録商標)タイプ(Cognis)、
・アルコキシル化トリグリセリド、
・式(Tnio-1):
R1CO-(OCH2CHR2)wOR3 (Tnio-1)
[式中、R1COは直鎖または分岐、飽和および/または不飽和のC6~22アシル基であり、R2は水素またはメチルであり、R3は直鎖または分岐のC1~4アルキル基であり、wは1~20の数である]
で示されるアルコキシル化脂肪酸アルキルエステル、
・アミンオキシド、
・例えばDE-OS 19738866に記載されている、ヒドロキシ混合エーテル、
・ソルビタン脂肪酸エステル、およびソルビタン脂肪酸エステルへのエチレンオキシドの付加生成物、例えばポリソルベート、
・糖脂肪酸エステル、および糖脂肪酸エステルへのエチレンオキシドの付加生成物、
・脂肪酸アルカノールアミドおよび脂肪アミンへのエチレンオキシドの付加生成物、
【0122】
・式(E4-II):
R4O-[G]p (Tnio-2)
[式中、R4は4~22個の炭素原子を含むアルキルまたはアルケニル基であり、Gは5または6個の炭素原子を含む糖基であり、pは数個の1~10である]
で示されるアルキルおよびアルケニルオリゴグリコシドタイプの糖界面活性剤;これらは有機化学の関連する製造方法によって得ることができる;アルキルおよびアルケニルオリゴグリコシドは、5または6個の炭素原子を有するアルドースまたはケトース、好ましくはグルコースから誘導することができる;従って、好ましいアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドは、アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグルコシドである;一般式(Tnio-2)中の指数pは、オリゴマー化度(DP)、即ちモノグリコシドとオリゴグリコシドの分布を示しており、1~10の数を意味する;pは個々の分子において常に整数でなければならず、p=1~6の値をとることができるが、特定のアルキルオリゴグリコシドの値pは分析的に決定された算術的な数であり、これは通常は小数を表す;好ましくは、1.1~3.0の平均オリゴマー化度pを有するアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドが使用される;応用技術の観点から、それらのアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドは、そのオリゴマー化度が1.7未満、1.2~1.4の間であることが好ましい;アルキルまたはアルケニル基R4は、4~11個、好ましくは8~10個の炭素原子を含む第一級アルコールから誘導され得る;典型的な例は、ブタノール、カプロンアルコール、カプリルアルコール、カプリンアルコールおよびウンデシルアルコール、並びにそれらの工業用混合物、例えば、工業用脂肪酸メチルエステルの水素化、またはローレンのオキソ合成からのアルデヒドの水素化の際に得られるものである;鎖長がC8~C10のアルキルオリゴグルコシド(DP=1~3)が好ましく、これは、工業用C8~C18ココナツ脂肪アルコールの蒸留分離の予備工程として得られ、6重量%未満のC12アルコール、および工業用C9/11オキソアルコールに基づくアルキルオリゴグルコシド(DP=1~3)で汚染されている可能性がある;アルキルまたはアルケニル基R15はまた、12~22個、好ましくは12~14個の炭素原子を有する第一級アルコールから誘導してもよい;典型的な例は、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルモレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、ブラシジルアルコールおよびそれらの工業用混合物であり、これらは上記したように得られる;1~3のDPを有し、硬化C12/14-ココナツアルコールに基づくアルキルオリゴグルコシドが好ましい、
【0123】
・脂肪酸N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミドタイプの糖界面活性剤、式(Tnio-3):
R5CO-NR6-[Z] (Tnio-3)
[式中、R5COは6~22個の炭素原子を含む脂肪族アシル基であり、R6は水素、1~4個の炭素原子を含むアルキルまたはヒドロキシアルキル基であり、[Z]は3~12個の炭素原子と3~10個のヒドロキシル基を含む直鎖または分岐ポリヒドロキシアルキル基である]
で示される非イオン性界面活性剤;脂肪酸N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミドは、通常、還元糖をアンモニア、アルキルアミンまたはアルカノールアミンで還元的アミノ化に付し、次いで脂肪酸、脂肪酸アルキルエステルまたは脂肪酸クロリドでアシル化することによって得ることができる既知の物質である;脂肪酸N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミドは、好ましくは、5または6個の炭素原子を有する還元糖、特にグルコースから誘導される;従って、好ましい脂肪酸N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミドは、式(Tnio-4):
R7CO-(NR8)-CH2-[CH(OH)]4-CH2OH (Tnio-4)
で示されるような脂肪酸N-アルキルグルカミドである;好ましくは、式(Tnio-4)[式中、R8は水素またはアルキル基を表し、R7COは、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルモレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エライジン酸、ペトロセリン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、ベヘン酸またはエルカ酸またはそれらの工業用混合物のアシル基を表す]で示されるグルカミドは、脂肪酸-N-アルキルポリヒドロキシアルキルアミドとして使用される;式(Tnio-4)で示される脂肪酸N-アルキルグルカミドが特に好ましく、これは、メチルアミンによるグルコースの還元的アミノ化、およびそれに続くラウリン酸またはC12/14ココナツ脂肪酸または対応する誘導体によるアシル化によって得られる;また、ポリヒドロキシアルキルアミドは、マルトースおよびパラチノースから誘導することもできる。
【0124】
非イオン性界面活性剤の他の典型的な例は、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、混合エーテルまたは混合ホルマール、タンパク質加水分解物(特に小麦ベースの植物性生成物)およびポリソルベートである。
【0125】
特定の非イオン性界面活性剤の選択が、これにより特定の程度に光沢が高められるので、特に有利であることが分かった。非常に好ましくは、剤(a)は、少なくとも1つの高度にエトキシル化された脂肪アルコール、即ち80~120のエトキシル化度を有する脂肪アルコールを含む。
【0126】
別の好ましい態様では、本発明の方法は、剤(a)が、80~120のエトキシル化度を有する少なくとも1つのエトキシル化C8~C24脂肪アルコール(a3)を含んでなることを特徴とする。
【0127】
本発明では、脂肪アルコールは、ヒドロキシ置換を有する飽和または不飽和、非分岐または分岐のC8~C24アルキル基として理解される。不飽和脂肪アルコールは、一価不飽和または多価不飽和であってよい。不飽和脂肪アルコールの場合、そのC-C二重結合はシスまたはトランス配置をとってよい。
【0128】
好ましい脂肪アルコールは、オクタン-1-オール(オクチルアルコール、カプリルアルコール)、デカン-1-オール(デシルアルコール、カプリンアルコール)、ドデカン-1-オール(ドデシルアルコール、ラウリルアルコール)、テトラデカン-1-オール(テトラデシルアルコール、ミリスチルアルコール)、ヘキサデカン-1-オール(ヘキサデシルアルコール、セチルアルコール、パルミチルアルコール)、オクタデカン-1-オール(オクタデシルアルコール、ステアリルアルコール)、(9Z)-オクタデク-9-エン-1-オール(オレイルアルコール)、(9E)-オクタデク-9-エン-1-オール(エライジルアルコール)、(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-オール(リノレイルアルコール)、(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエン-1-オール(リノレノイルアルコール)、エイコサン-1-オール(エイコシルアルコール、アラキルアルコール)、(9Z)-エイコス-9-エン-1-オール(ガドレイルアルコール)、(5Z,8Z,11Z,14Z)-エイコサ-5,8,11,14-テトラエン-1-オール(アラキドンアルコール)、ドコサン-1-オール(ドコシルアルコール、ベヘニルアルコール)、(13E)-ドコセン-1-オール(ブラシジルアルコール)および(13Z)-ドコス-13-エン-1-オール(エルシルアルコール)である。この群のうち、ヘキサデカン-1-オール(ヘキサデシルアルコール、セチルアルコール、パルミチルアルコール)およびオクタデカン-1-オール(オクタデシルアルコール、ステアリルアルコール)が特に好ましい脂肪アルコールである。
【0129】
これらの脂肪アルコールは、80~120エトキシル化度でエトキシル化されている。エトキシル化(オキシエチル化とも称する)は、脂肪アルコールとエチレンオキシド(EO)との反応である。脂肪アルコール分子1個当たり80~120の-CH2-CH2-O-タイプを挿入すると、一方の鎖末端にヒドロキシ基を有し、もう一方の鎖末端に脂肪アルコールのC8~C24アルキル基を有する直鎖ポリエーテルが生成される。
【0130】
好ましい高度にエトキシル化された脂肪アルコール(a3)は、90~110のエトキシル化度を有する。エトキシル化度が100であるエトキシル化脂肪アルコール(a3)を使用することが特に好ましい。
【0131】
従って、別の非常に特に好ましい態様では、本発明の方法は、剤(a)が、式(T-I):
【化13】
[式中、R1は、飽和または不飽和、直鎖または分岐のC
8~C
24アルキル基、好ましくは飽和直鎖C
16またはC
18アルキル基を表し、
nは、80~120の整数、好ましくは90~110の整数、より好ましくは95~105の整数、特に好ましくは100の数である]
で示される少なくとも1つのエトキシル化脂肪アルコール(a3)を含んでなることを特徴とする。
【0132】
また、剤(a)が低エトキシ脂肪アルコール、即ちエトキシル化度が10~40の脂肪アルコールも含む場合が特に好ましいことが分かった。
【0133】
従って、別の非常に特に好ましい態様では、本発明の方法は、剤(a)が、10~40のエトキシル化度を有する少なくとも1つのエトキシル化C8~C24脂肪アルコール(a3)を含んでなることを特徴とする。
【0134】
好ましい脂肪アルコールは、同様に、オクタン-1-オール(オクチルアルコール、カプリルアルコール)、デカン-1-オール(デシルアルコール、カプリンアルコール)、ドデカン-1-オール(ドデシルアルコール、ラウリルアルコール)、テトラデカン-1-オール(テトラデシルアルコール、ミリスチルアルコール)、ヘキサデカン-1-オール(ヘキサデシルアルコール、セチルアルコール、パルミチルアルコール)、オクタデカン-1-オール(オクタデシルアルコール、ステアリルアルコール)、(9Z)-オクタデク-9-エン-1-オール(オレイルアルコール)、(9E)-オクタデク-9-エン-1-オール(エライジルアルコール)、(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-オール(リノレイルアルコール)、(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエン-1-オール(リノレノイルアルコール)、エイコサン-1-オール(エイコシルアルコール、アラキルアルコール)、(9Z)-エイコス-9-エン-1-オール(ガドレイルアルコール)、(5Z,8Z,11Z,14Z)-エイコサ-5,8,11,14-テトラエン-1-オール(アラキドンアルコール)、ドコサン-1-オール(ドコシルアルコール、ベヘニルアルコール)、(13E)-ドコセン-1-オール(ブラシジルアルコール)および(13Z)-ドコス-13-エン-1-オール(エルシルアルコール)である。この群のうち、ヘキサデカン-1-オール(ヘキサデシルアルコール、セチルアルコール、パルミチルアルコール)およびオクタデカン-1-オール(オクタデシルアルコール、ステアリルアルコール)が特に好ましい脂肪アルコールである。
【0135】
これらの脂肪アルコールは、10~40エトキシル化度でエトキシル化されている。エトキシル化(オキシエチル化とも称する)は、脂肪アルコールとエチレンオキシド(EO)との反応である。脂肪アルコール分子1個当たり10~40の-CH2-CH2-O-タイプを挿入すると、一方の鎖末端にヒドロキシ基を有し、もう一方の鎖末端に脂肪アルコールのC8~C24アルキル基を有する直鎖ポリエーテルが生成される。
【0136】
好ましい低エトキシル化脂肪アルコール(a3)は、12~30のエトキシル化度を有する。
【0137】
従って、別の非常に特に好ましい態様では、本発明の方法は、剤(a)が、式(T-II):
【化14】
[式中、R2は、飽和または不飽和、直鎖または分岐のC
8~C
24アルキル基、好ましくは飽和直鎖C
16またはC
18アルキル基を表し、
mは、10~40の整数、好ましくは12~30の整数である]
で示される少なくとも1つのエトキシル化脂肪アルコール(a3)を含んでなることを特徴とする。
【0138】
剤(a)における非イオン性界面活性剤(a3)として、高度にエトキシル化されたC8~C24脂肪アルコールと低エトキシル化されたC8~C24脂肪アルコールの両方を使用することが特に効果的であることが分かった。
【0139】
それぞれ脂肪アルコールまたは脂肪酸1mol当たり2~30molのエチレンオキシドを含む、脂肪酸へのアルキレンオキシド付加生成物、および糖界面活性剤も適当な非イオン性界面活性剤であることが分かった。非イオン性界面活性剤としてエトキシル化グリセロールの脂肪酸エステルを含む場合にも、優れた特性を備えた組成物が得られる。
【0140】
これらの関係は、後述するパラメータによって区別される。アルキル基Rは、6~22個の炭素原子を含み、直鎖または分岐のいずれでもよい。第一級直鎖、2位メチル分岐の脂肪族基が好ましい。そのようなアルキル基は、例えば、1-オクチル、1-デシル、1-ラウリル、1-ミリスチル、1-シチルおよび1-ステアリルである。特に好ましいのは、1-オクチル、1-デシル、1-ラウリル、1-ミリスチルである。いわゆる「オキソアルコール」を出発物質として使用する場合、アルキル鎖に奇数の炭素原子を有する化合物が主流である。
【0141】
界面活性剤として使用されるアルキル基を有する化合物は、それぞれ均一な物質であり得る。しかし、これらの物質の製造では、通常、天然の植物または動物原料から開始することが好ましいため、各原料に応じて異なるアルキル鎖長の物質混合物が得られる。
【0142】
脂肪アルコールへのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物である界面活性剤、またはこれら付加生成物の誘導体については、「通常の」同族体分布を有する生成物および狭い同族体分布を有する生成物の両方を使用することができる。「通常の」同族体分布とは、触媒としてアルカリ金属、アルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属アルコラートを使用した脂肪アルコールとアルキレンオキシドとの反応で得られた同族体の混合物を意味する。他方で、例えば、ヒドロタルサイト、エーテルカルボン酸のアルカリ土類金属塩、アルカリ土類金属酸化物、水酸化物またはアルコラートを触媒として使用した場合、抑制された相同体分布が得られる。同族体分布が狭い生成物の使用が好ましい場合がある。
【0143】
非イオン性界面活性剤はまた、適用中および適用後の皮膚感を更に改善するための添加剤として有用であることが分かったので、本発明の組成物の調製におけるその更なる使用が推奨され得る。従って、特に好ましいのは、HLB値が2~18である非イオン性界面活性剤の0.1~20重量%の追加含有量を有する本発明の組成物である。そのような生成物は、例えば、C6~30脂肪アルコールへの、C6~30脂肪酸への、C12~18脂肪酸ベースのグリセロール若しくはソルビタン脂肪酸部分エステルへの、または脂肪酸アルカノールアミドへのエチレンオキシドの付加によって調製することができる。HLB値は、分子全体に対する親水性基(例えばグリコールエーテル基またはポリオール基)の割合を意味しており、下記関係:
HLB=1/5×(100重量%L)
[式中、重量%Lは、界面活性剤分子中の親油性基、例えば6~30個の炭素原子を有するアルキル基またはアシル基の重量割合である]
に従って計算される。
【0144】
本発明に至る研究の過程において、非イオン性界面活性剤の使用が、染色されたケラチン物質の光沢を改善することが見出された。他の非イオン性成分もこの点で有利であることが分かった。平均(a)における非イオン性成分の割合が高いほど、光沢が高くなることが分かった。
【0145】
これに関して、組成物(a)中の全ての非イオン性成分の重量割合が、組成物(a)の総重量に基づいて、80重量%、好ましくは85重量%、より好ましくは90重量%、非常に特に好ましくは99重量%である場合に特に好ましいことが分かった。換言すると、この態様では、剤(a)は、80重量%、好ましくは85重量%、より好ましくは90重量%、非常に特に好ましくは99重量%の非イオン性物質で構成される。
【0146】
別の特に好ましい態様では、本発明の方法は、組成物(a)中の全ての非イオン性成分の重量割合が、組成物(a)の総重量に基づいて、少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも85重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、非常に特に好ましくは少なくとも98重量%であることを特徴とする。
【0147】
換言すると、この特に好ましい態様の本発明の方法は、組成物(a)に含まれる全ての非イオン性成分の合計重量割合が、組成物(a)の総重量に基づいて、少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも85重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、非常に特に好ましくは少なくとも98重量%であることを特徴とする。
【0148】
例:下記を含む:
100gの剤(a)
10gのセテアリルアルコール(非イオン性脂肪成分)
5.0gのParaffinum Liquidum(非イオン性脂肪成分)
1.5gのCeteareth-30(非イオン性界面活性剤)
0.5gのCeteareth-100(非イオン性界面活性剤)
2.0gの真珠光沢顔料(非イオン性顔料)
2.0gのエタノール(非イオン性溶媒)
2.0gのアミノシリコーン(非イオンアミノシリコーン)
100gまでの水(非イオン性溶媒)
組成物(a)の総重量に基づく、全ての非イオン性成分の重量割合は100重量%である。
【0149】
例:下記を含む:
100gの剤(a)
15gのセテアリルアルコール(非イオン性脂肪成分)
10.0gのParaffinum Liquidum(非イオン性脂肪成分)
2.5gのCeteareth-30(非イオン性界面活性剤)
1.5gのCeteareth-100(非イオン性界面活性剤)
1.5gの真珠光沢顔料(非イオン性顔料)
6.0gのフェノキシエタノール(非イオン性溶媒)
2.0gのアミノシリコーン(非イオンアミノシリコーン)
0.5gの水酸化ナトリウム(塩、イオン性)
100gまでの水(非イオン性溶媒)
組成物(a)の総重量に基づく、全ての非イオン性成分の重量割合は99.5重量%である。
【0150】
剤(a)のpH値
着色剤(a)は、好ましくは、中性からアルカリ性のpH値に調整される。非常に好ましくは、着色剤(a)はアルカリ性pH値に調整される。塩基性条件下、アミノ官能化シリコーンポリマー(a1)はプロトン化を伴わずに特に良好に溶解または分散され得る。
【0151】
所望のpH値に調整するため、剤(a)は、好ましくは少なくとも1つのアルカリ化剤を含有する。本発明の目的のためのpH値は、22℃の温度で測定されたpH値である。
【0152】
アルカリ化剤として、剤(a)は、例えば、アンモニア、アルカノールアミンおよび/または塩基性アミノ酸を含有してよい。
【0153】
本発明の組成物において使用できるアルカノールアミンは、好ましくは、少なくとも1つのヒドロキシル基を有するC2~C6アルキルベースを有する第一級アミンから選択される。好ましいアルカノールアミンは、2-アミノエタン-1-オール(モノエタノールアミン)、3-アミノプロパン-1-オール、4-アミノブタン-1-オール、5-アミノペンタン-1-オール、1-アミノプロパン-2-オール、1-アミノブタン-2-オール、1-アミノペンタン-2-オール、1-アミノペンタン-3-オール、1-アミノペンタン-4-オール、3-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール、3-アミノプロパン-1,2-ジオール、2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオールにより形成される群から選択される。
【0154】
本発明の特に好ましいアルカノールアミンは、2-アミノエタン-1-オールおよび/または2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オールから選択される。従って、特に好ましい態様は、本発明の剤が、アルカリ化剤として、2-アミノエタン-1-オールおよび/または2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オールから選択されるアルカノールアミンを含有することを特徴とする。
【0155】
従って、特に好ましい態様では、本発明の剤が、アルカリ化剤として、2-アミノエタン-1-オールおよび/または2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オールから選択されるアルカノールアミンを含有することを特徴とする。好ましいアミノ酸は、アミノカルボン酸、特にα-アミノカルボン酸およびω-アミノカルボン酸であり、α-アミノカルボン酸が特に好ましい。
【0156】
本発明では、塩基性アミノ酸は7.0超の等電点pIを有する塩基性アミノ酸である。
【0157】
塩基性α-アミノカルボン酸は、少なくとも1つの不斉炭素原子を含有する。本発明では、両方の可能なエナンチオマーを、特定の化合物またはそれらの混合物として、特にラセミ体として等しく使用できる。しかし、通常はL配置の、自然に好ましい異性体形態を使用することが特に有利である。
【0158】
塩基性アミノ酸は、好ましくはアルギニン、リジン、オルニチンおよびヒスチジン、特に好ましくはアルギニンおよびリジンにより形成される群から選択される。従って、別の特に好ましい態様では、本発明の剤は、アルカリ化剤がアルギニン、リジン、オルニチンおよび/またはヒスチジンの群からの塩基性アミノ酸であることを特徴とする。
【0159】
また、生成物は、別のアルカリ化剤、特に無機アルカリ化剤を含有してよい。本発明に使用できる無機アルカリ化剤は、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムにより形成される群から選択される。
【0160】
特に好ましいアルカリ化剤は、アンモニア、2-アミノエタン-1-オール(モノエタノールアミン)、3-アミノプロパン-1-オール、4-アミノブタン-1-オール、5-アミノペンタン-1-オール、1-アミノプロパン-2-オール、1-アミノブタン-2-オール、1-アミノペンタン-2-オール、1-アミノペンタン-3-オール、1-アミノペンタン-4-オール、3-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール、3-アミノプロパン-1,2-ジオール、2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオール、アルギニン、リジン、オルニチン、ヒスチジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムである。
【0161】
非常に特に好ましい別の態様では、本発明の方法は、着色剤(a)が、アンモニア、2-アミノエタン-1-オール(モノエタノールアミン)、3-アミノプロパン-1-オール、4-アミノブタン-1-オール、5-アミノペンタン-1-オール、1-アミノプロパン-2-オール、1-アミノブタン-2-オール、1-アミノペンタン-2-オール、1-アミノペンタン-3-オール、1-アミノペンタン-4-オール、3-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール、3-アミノプロパン-1,2-ジオール、2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオール、アルギニン、リジン、オルニチン、ヒスチジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムからなる群から選択される少なくとも1つのアルカリ化剤を含んでなることを特徴とする。
【0162】
特に良好な結果は、剤(a)を、7.0~11.5、好ましくは8.0~11.0、特に好ましくは8.5~10.5のpH値に調整した場合に得られる。
【0163】
非常に特に好ましい別の態様では、本発明の方法は、剤(a)が水を含み、7.0~11.5、好ましくは8.0~11.0、特に好ましくは8.5~10.5のpH値を有することを特徴とする。
【0164】
剤(b)に関する酸(b1)
ケラチン物質への着色剤(a)の適用の後、後処理剤(b)を適用する。後処理剤(b)は酸により調整された溶液、分散体またはエマルションである。従って、本発明の必須の成分として、後処理剤(b)は少なくとも1つの酸(b1)を含有する。
【0165】
特定の酸が、所望のpH値を調整するのに特に適していることが分かった。そのような酸は、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸、メタンスルホン酸、安息香酸、マロン酸、シュウ酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、硫酸、塩酸およびリン酸からなる群から選択され得る。
【0166】
非常に特に好ましい別の態様では、本発明の方法は、剤(b)が、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、酢酸、メタンスルホン酸、安息香酸、マロン酸、シュウ酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸、硫酸、塩酸およびリン酸からなる群から選択される少なくとも1つの酸(b1)を含んでなることを特徴とする。
【0167】
後処理剤(b)を適用してすぐ、それは、ケラチン物質上に沈着したアミノシリコーン(a1)および着色化合物(a2)と接触する。剤(b)は酸性なので、アミノシリコーン(a1)のすぐ近傍のpHを低下させる。これに関して、pHの低下により、事前に帯電していないアミノシリコーン(a1)がプロトン化されると考えられる。なぜなら、ケラチン物質へのアミノシリコーン(a1)の付着力が更に強化され、着色化合物(a2)が毛髪とより強く結合するからである。これにより、髪のツヤを保ちながら、得られる着色の洗浄堅牢度が大幅に向上する。このため、後処理剤(b)を、好ましくは、1.5~5.5、好ましくは2.0~4.8、特に好ましくは2.5~4.5の範囲の酸性pH値に調整する。
【0168】
非常に特に好ましい別の態様では、本発明の方法は、剤(b)が水を含み、1.5~5.5、好ましくは2.0~4.8、特に好ましくは2.5~4.5のpH値を有することを特徴とする。
【0169】
本発明に至る研究の過程において、ケラチン物質上に安定した層を生成するためには、pH値を低下させる時間の選択が必須であることが分かった。本発明では、ケラチン繊維に適用した後、アミノシリコーン(a1)のpHを低下させることが不可欠である。アミノシリコーン(a1)と酸を同時に適用した場合、ケラチンへの結合の有意な増強は起こらない。このため、本発明では、酸(b1)を後処理剤(b)に組み込むことが不可欠である。
【0170】
アミノシリコーン(a1)の近傍でpH値がより低下すると、洗浄堅牢度の改善が大きくなることが見出された。換言すると、着色剤(a)が比較的強くアルカリ性であり、後処理剤(b)が比較的酸性のpH値を有した場合、着色は特に安定していた。
【0171】
生成物(a)および(b)中の他の成分
上記した剤(a)および剤(b)は1つ以上の任意の成分を含有してもよい。
【0172】
剤(a)について、非イオン性成分が特に好ましくは、下記成分から選択される。
【0173】
剤(b)は1つ以上の界面活性剤を付加的に含有してもよい。用語「界面活性剤」は、界面活性物質を意味する。疎水性基と負に帯電した親水性ヘッド基からなるアニオン性界面活性剤、負電荷と補償正電荷の両方を有する両性界面活性剤、疎水性基に加えて正に帯電した親水性基を有するカチオン性界面活性剤、および電荷を有さないが強双極子モーメントを有し、水性溶液中で強く水和している非イオン性界面活性剤に分類される。
【0174】
用語「双性イオン性界面活性剤」は、分子内に少なくとも1つの第四級アンモニウム基および少なくとも1つの-COO(-)基または-SO3
(-)基を有する界面活性化合物を記載するために使用される。特に適当な双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタインであり、その例は、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウム-グリシネート、例えば、ココアルキル-ジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、および2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン(各々アルキルまたはアシル基において8~18個の炭素原子を有する)、およびココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。好ましい双性イオン性界面活性剤は、INCI名コカミドプロピルベタインとして知られている脂肪酸アミド誘導体である。
【0175】
両性界面活性剤は、C8~24アルキルまたはアシル基とは別に、分子内に少なくとも1つの遊離アミノ基および少なくとも1つの-COOH基または-SO3H基を含み、内部塩を形成できる界面活性化合物である。適当な両性界面活性剤の例は、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸(各々アルキル基において約8~24個の炭素原子を有する)である。両性または双性イオン性界面活性剤の典型的な例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウムベタインおよびスルホベタインである。
【0176】
特に好ましい両性界面活性剤は、N-ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC12~C18アシルサルコシンである。
【0177】
剤(b)は、少なくとも1つの非イオン性界面活性剤を更に含有してもよい。適当な非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシド、および脂肪アルコール若しくは脂肪酸1mol当たり2~30molのエチレンオキシドを有する脂肪アルコールおよび脂肪酸に対するアルキレンオキシド付加生成物である。良好な特性を有する組成物は、それらが非イオン性界面活性剤として、少なくとも2molのエチレンオキシドと反応させたエトキシル化グリセロールの脂肪酸エステルを含有する場合にも得ることができる。非イオン性界面活性剤は、各剤の総重量に基づいて、0.1~45重量%、好ましくは1~30重量%、非常に好ましくは1~15重量%の総量で使用される。
【0178】
また、剤(b)は、少なくとも1つのカチオン性界面活性剤を付加的に含有してもよい。カチオン性界面活性剤は、1つ以上の正電荷を有する界面活性剤、即ち界面活性化合物である。カチオン性界面活性剤はもっぱら正電荷を含む。通常、これらの界面活性剤は、疎水性部および親水性ヘッド基で構成されており、疎水性部は通常、(例えば、1または2の直鎖または分岐アルキル鎖からなる)炭化水素主鎖からなり、正電荷は親水性ヘッド基に存在する。カチオン性界面活性剤の例は下記物質である:
・疎水性基として、8~28個の炭素原子の鎖長を有する1または2のアルキル鎖を有してよい、第四級アンモニウム化合物、
・8~28個の炭素原子の鎖長を有する1つ以上のアルキル鎖で置換された第四級ホスホニウム塩、または
・第三級スルホニウム塩。
【0179】
また、カチオン電荷は、オニウム構造として、複素環(例えばイミダゾリウム環またはピリジニウム環)の一部であってもよい。例えばエステルクオートの場合ように、カチオン性界面活性剤は、カチオン電荷を有する官能性単位に加えて、他の未帯電官能基を含んでもよい。カチオン性界面活性剤は、各剤の総重量に基づいて、0.1~45重量%、好ましくは1~30重量%、最も好ましくは1~15重量%の総量で使用される。
【0180】
また、本発明の組成物(b)は、少なくとも1つのアニオン性界面活性剤を含有してもよい。アニオン性界面活性剤は(対応するカウンターカチオンで中和されている)陰イオン電荷をもっぱら有する界面活性剤である。アニオン性界面活性剤の例は、脂肪酸、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、エーテルカルボン酸(アルキル基中に12~20個の炭素原子を有し、分子中に16個までのグリコールエーテル基を有する)である。
【0181】
アニオン性界面活性剤は、各剤の総重量に基づいて、0.1~45重量%、好ましくは1~30重量%、最も好ましくは1~15重量%の総量で使用される。
【0182】
剤は、他の活性物質、助剤および添加剤、例えば溶媒;脂肪成分、例えばC8~C30脂肪アルコール、C8~C30脂肪酸トリグリセリド、C8~C30脂肪酸モノグリセリド、C8~C30脂肪酸ジグリセリドおよび/または炭化水素;ポリマー、構成剤、例えば、グルコース、マレイン酸および乳酸;リン脂質、例えば、レシチンおよびケファリンのような毛髪コンディショニング化合物;香油、ジメチルイソソルバイドおよびシクロデキストリン;繊維構造改質活性物質、特に、グルコース、ガラクトース、フルクトース、フルクトースおよびラクトースなどの単糖類、二糖類およびオリゴ糖類;組成物を着色するための染料;ピロクトンオラミン、亜鉛オマジンおよびクリムバゾールなどのフケ防止活性成分;アミノ酸およびオリゴペプチド;動物および/または植物起源であり、それらの脂肪酸縮合生成物または任意にアニオン性またはカチオン性変性誘導体の形態のタンパク質加水分解物;植物油;光安定剤およびUVブロッカー;活性成分、例えば、パンテノール、パントテン酸、パントラクトン、アラントイン、ピロリジノンカルボン酸およびその塩、並びにビサボロール;ポリフェノール、特にヒドロキシ桂皮酸、6,7-ジヒドロキシクマリン、ヒドロキシ安息香酸、カテキン、タンニン、ロイコアントシアニジン、アントシアニジン、フラバノン、フラボンおよびフラボノール;セラミドまたはプセウドセラミド;ビタミン、プロビタミンおよびビタミン前駆体;植物抽出物;脂肪アルコール、蜜蝋、モンタンワックスおよびケロセンなどの脂肪およびワックス;グリセロール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、炭酸塩、炭酸水素塩、グアニジン、尿素、第一級、第二級および第三級リン酸塩などの膨潤および浸透剤;ラテックス、スチレン/PVPおよびスチレン/アクリルアミドコポリマーなどの乳白剤;エチレングリコールモノおよびジステアレート並びにPEG-3ジステアレートなどの真珠光沢剤;およびプロパン-ブタン混合物、N2O、ジメチルエーテル、CO2および空気などの発泡剤を含有してもよい。
【0183】
これらの他の物質の選択は、剤の所望の特性に応じて当業者により実施される。その他の任意成分およびそのような使用される成分の量については、当業者に知られている関連マニュアルを明示的に参照することができる。本発明の組成物において、追加の活性成分および助剤は、各剤の総重量に基づいて各々、0.0001~25重量%、好ましくは0.0005~15重量%の量で好ましくは使用される。
【0184】
ケラチン物質の染色方法
本発明の手順では、剤(a)および剤(b)をケラチン物質、人毛に適用する。剤(b)は後処理剤であり、従って、染色剤(a)の後に適用される。
【0185】
従って、下記工程:
・第一工程において、
(a1)少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー、
(a2)少なくとも1つの色付与化合物、および
(a3)少なくとも1つの非イオン性界面活性剤
を含んでなる着色剤(a)を、ケラチン物質に適用する工程、
・第二工程において、
(b1)少なくとも1つの酸
を含んでなる後処理剤(b)を、ケラチン物質に適用する工程
をこの順で含む、ケラチン物質、特に人毛の染色方法が特に好ましい。
【0186】
剤(a)および剤(b)は、特に好ましくは、1つの同じ染色方法内で適用される。これは、剤(a)および剤(b)の適用の間に最大数時間の時間があることを意味する。
【0187】
別の好ましい態様では、本発明の方法は、まず、剤(a)を適用し、その後、剤(b)を適用し、剤(a)と剤(b)の適用の間の時間が最長24時間、好ましくは最長12時間、特に好ましくは最長6時間であることを特徴とする。
【0188】
本発明の方法では、ケラチン物質、特に人毛をまず、着色剤(a)で処理する。次いで、後処理剤(b)をケラチン物質に適用する。これにより、ケラチン物質の表面のpH値が低下し、そして、剤(a)に含まれる活性成分がケラチン上で固定または不動化される。好ましくは、剤(b)自体は、染料または色付与化合物を含有しない。
【0189】
得られた染色の技術的応用特性は、最適なプロセス条件を選択することによって更に改善することができる。
【0190】
本発明の別の態様では、下記工程:
(1)染色剤(a)をケラチン物質に適用し、
(2)剤(a)を10秒から10分、好ましくは10秒から5分の時間作用させ、
(3)必要に応じて、ケラチン物質を水で濯ぎ、
(4)後処理剤(b)をケラチン物質に適用し、
(5)剤(b)を30秒から30分、好ましくは30秒から10分の時間作用させ、
(6)ケラチン物質を水で濯ぐ
をこの順で含む方法が特に好ましい。
【0191】
本発明において、方法の工程(3)および(6)におけるケラチン物質の水による濯ぎは、剤(a)および剤(b)以外の他の剤を伴わず、濯ぎ工程には水のみを使用することを意味すると理解される。
【0192】
第一工程(1)では、剤(a)をケラチン物質、特に人毛に適用する。
【0193】
適用後、剤(a)はケラチン物質に作用できる。本発明の方法により、剤(a)の接触時間が短くても、特に良好な強度および洗浄堅牢度を有する染色が達成できる。これに関して、10秒から10分、好ましくは20秒から5分、特に好ましくは30秒から2分の毛髪への適用時間が特に有利であることが分かった。
【0194】
本発明の方法の好ましい態様では、後続の工程で剤(b)を毛髪に適用する前に、剤(a)をケラチン物質から濯ぎ落とすことができる。
【0195】
剤(a)にまだ暴露されているケラチン物質に剤(b)を適用する場合に、特に強く光沢のある着色を得ることができる。
【0196】
工程(4)では、剤(b)をケラチン物質に適用する。適用後、剤(b)を毛髪に作用させる。
【0197】
本発明の方法により、剤(b)の反応時間が短くても、特に良好な強度および高い光沢を有する着色が達成できる。10秒から10分、好ましくは20秒から5分、最も好ましくは30秒から3分の毛髪への適用時間が特に有利であることが分かった。
【0198】
工程(6)では、剤(b)(および場合により残留している剤(a))をケラチン物質から水で濯ぎ落とす。
【0199】
別の形態では、下記工程:
(1)染色剤(a)をケラチン物質に適用し、
(2)剤(a)を10秒から10分、好ましくは10秒から5分の時間作用させ、
(3)濯がず、
(4)剤(b)をケラチン物質に適用し、
(5)剤(b)を30秒から30分、好ましくは30秒から10分の時間作用させ、
(6)ケラチン物質を水で濯ぐ
をこの順で含む方法が特に好ましい。
【0200】
この態様では、一連の工程(1)~(6)を、好ましくは24時間以内に実施する。
【0201】
多成分パッケージユニット(キット)
使用者の快適性を高めるため、使用者に必要な全てのリソースを多成分パッケージユニット(キット)の形態で提供することが好ましい。
【0202】
従って、本発明の第二の対象は、包括的に互いに別個にパッケージ化された、
・(a1)少なくとも1つのアミノ官能化シリコーンポリマー、
(a2)少なくとも1つの色付与化合物、および
(a3)少なくとも1つの非イオン性界面活性剤
を含んでなる着色剤(a)を含む第一容器、
・(b1)少なくとも1つの酸
を含んでなる剤(b)を含む第二容器
を含んでなる、ケラチン物質を着色するための多成分パッケージユニット(キット)であって、
成分(a1)、(a2)、(a3)および(b1)は本発明の第一の対象の説明において既に記載したものである、多成分パッケージユニット(キット)である。
【0203】
キットの剤(a)に含まれるアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)は、上記方法の剤(a)においても使用されるアミノ官能化シリコーンポリマー(a1)に相当する。
【0204】
キットの剤(a)に含まれる着色化合物(a2)は、上記方法の剤(a)においても使用される着色化合物(a2)に相当する。
【0205】
キットの剤(a)に場合により含まれてよい非イオン性界面活性剤(a3)は、上記方法の剤(a)において使用される非イオン性界面活性剤(a3)に相当する。
【0206】
キットの剤(b)に含まれる酸(b1)は、上記方法の剤(b)においても使用される酸(b1)に相当する。
【0207】
本発明の多成分パッケージユニットの他の好ましい態様については、本発明の方法に必要な変更を加えて同じことが適用される。
【実施例】
【0208】
実施例
1.組成物
下記組成物を調製した(特に記載のない限り、全ての数値は重量%単位で示す)。
【表1】
【0209】
【0210】
2.適用
一束の毛髪に化合物(a)を適用し(Kerling, ユーロナチュラル白髪、液比:毛髪束1g当たり4gの剤(a))、その後、1分間放置した。次いで、毛髪束を後処理剤(b)に浸漬し、1分間放置した。続いて、各毛髪束を水で十分洗浄し(1分間)、乾かし、昼光灯下で目視評価した。
【0211】
洗浄堅牢度を測定するため、予め染色した毛髪束を、市販シャンプー(泡、7つのハーブ)の1%溶液で満たされた超音波浴に投入した。次いで、6回の洗髪に相当する標準化された手順に従って、毛髪束を超音波で処理した。この処理の後、毛髪束を超音波浴から取り出し、乾かし、再び昼光灯下で目視評価した。
【0212】
洗浄堅牢度を測定するため、予め染色した毛髪束を、市販シャンプー(泡、7つのハーブ)の1%溶液で満たされた超音波浴に投入した。次いで、3回の洗髪に相当する標準化された手順に従って、毛髪束を超音波で処理した。この処理の後、毛髪束を超音波浴から取り出し、乾かし、再び昼光灯下で目視評価した。
【0213】
【国際調査報告】