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特表2022-514611コバルト基板のCMP後洗浄のための組成物及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-14
(54)【発明の名称】コバルト基板のCMP後洗浄のための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   C11D 7/32 20060101AFI20220204BHJP
   C11D 7/34 20060101ALI20220204BHJP
   C11D 7/26 20060101ALI20220204BHJP
   C11D 7/36 20060101ALI20220204BHJP
   C11D 7/22 20060101ALI20220204BHJP
   C11D 7/06 20060101ALI20220204BHJP
   C11D 7/10 20060101ALI20220204BHJP
   C11D 7/08 20060101ALI20220204BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20220204BHJP
   C23G 1/18 20060101ALI20220204BHJP
   C23G 1/20 20060101ALI20220204BHJP
【FI】
C11D7/32
C11D7/34
C11D7/26
C11D7/36
C11D7/22
C11D7/06
C11D7/10
C11D7/08
H01L21/304 647
C23G1/18
C23G1/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021535732
(86)(22)【出願日】2019-11-25
(85)【翻訳文提出日】2021-08-17
(86)【国際出願番号】 US2019063016
(87)【国際公開番号】W WO2020131313
(87)【国際公開日】2020-06-25
(31)【優先権主張番号】62/783,870
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト, ダニエラ
(72)【発明者】
【氏名】フライ, ドナルド
(72)【発明者】
【氏名】トーマス, エリザベス
(72)【発明者】
【氏名】リウ, チュン
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト, マイケル
【テーマコード(参考)】
4H003
4K053
5F157
【Fターム(参考)】
4H003AC09
4H003BA12
4H003DA09
4H003DA12
4H003DB01
4H003DC02
4H003EA02
4H003EA05
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4H003EA23
4H003EA25
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4H003EB21
4H003EB22
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4H003EB42
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4H003ED30
4H003ED31
4H003ED32
4H003FA04
4H003FA05
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4K053PA07
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5F157AA63
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5F157AC01
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5F157BD04
5F157BF73
(57)【要約】
残留物及び/又は汚染物質を、それらを表面に有するマイクロ電子デバイスから除去するための洗浄組成物を開示する。この組成物は、少なくとも1つの錯化剤と、少なくとも1つの洗浄添加剤と、少なくとも1つのpH調整剤と、水と、少なくとも1つのオキシルアミン化合物とを含む。有利には、この組成物は、コバルト含有基板の効果的な洗浄及び改善されたコバルト適合性を示す。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
残留物及び汚染物質を、それらを表面に有するマイクロ電子デバイスから除去するための洗浄組成物であって、洗浄組成物が、少なくとも1つの錯化剤と、少なくとも1つの洗浄添加剤と、少なくとも1つのpH調整剤と、水と、少なくとも1つのオキシルアミン化合物又はその塩とを含む、洗浄組成物。
【請求項2】
錯化剤が、アミノエチルエタノールアミン、N-メチルアミノエタノール、アミノエトキシエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、ジエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、モノエタノールアミン(MEA)、トリエタノールアミン(TEA)、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、アミノプロピルジエタノールアミン、N,N-ジメチルプロパノールアミン、N-メチルプロパノールアミン、1-アミノ-2-プロパノール、2-アミノ-1-ブタノール、イソブタノールアミン、トリエチレンジアミン、4-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン(HEM)、1,2-シクロヘキサンジアミン-N,N,N’,N’-四酢酸(CDTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、m-キシレンジアミン(MXDA)、イミノ二酢酸(IDA)、2-(ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸(HIDA)、ニトリロ三酢酸、チオ尿素、1,1,3,3-テトラメチル尿素、尿素、尿素誘導体、尿酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(HEDP)、1,5,9-トリアザシクロドデカン-N,N’,N’’-トリス(メチレンホスホン酸)(DOTRP)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-N,N’,N’’,N’’’-テトラキス(メチレンホスホン酸)(DOTP)、ニトリロトリス(メチレン)トリホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタキス(メチレンホスホン酸)(DETAP)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、ビス(ヘキサメチレン)トリアミンペンタメチレンホスホン酸、1,4,7-トリアザシクロノナン-N,N’,N’’-トリス(メチレンホスホン酸)(NOTP)、ヒドロキシエチルジホスホネート、ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸、2-ホスホノ-ブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸、カルボキシエチルホスホン酸、アミノエチルホスホン酸、グリホサート、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)フェニルホスホン酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、アジピン酸、フタル酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸アンモニウム、トリカルバリル酸、トリメチロールプロピオン酸、酒石酸、グルクロン酸、2-カルボキシピリジン、4,5-ジヒドロキシ-1,3-ベンゼンジスルホン酸二ナトリウム塩、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される種を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項3】
洗浄組成物が、約0.1重量%~約10重量%の錯化剤を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項4】
洗浄添加剤が、2-ピロリジノン、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-ピロリジノン(HEP)、グリセロール、1,4-ブタンジオール、テトラメチレンスルホン(スルホラン)、ジメチルスルホン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラグリム、ジグリム、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、イソプロパノール、オクタノール、エタノール、ブタノール、メタノール、イソホロン、グリコールエーテル(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGBE)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TEGBE)、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(EGHE)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(DEGHE)、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールフェニルエーテル、ヘキサエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、トリプロピレングリコールメチルエーテル(TPGME)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル(DPGPE)、トリプロピレングリコールn-プロピルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル(DOWANOL PnBなど)、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル(PPh、DOWANOL PPhなど)、4-メチル-2-ペンタノン、2,4-ジメチル-3-ペンタノン、シクロヘキサノン、5-メチル-3-ヘプタノン、3-ペンタノン、5-ヒドロキシ-2-ペンタノン、2,5-ヘキサンジオン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、アセトン、ブタノン、2-メチル-2-ブタノン、3,3-ジメチル-2-ブタノン、4-ヒドロキシ-2-ブタノン、シクロペンタノン、2-ペンタノン、3-ペンタノン、1-フェニルエタノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、2-ヘキサノン、3-ヘキサノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、2,6-ジメチル-4-ヘプタノン、2-オクタノン、3-オクタノン、4-オクタノン、ジシクロヘキシルケトン、2,6-ジメチルシクロヘキサノン、2-アセチルシクロヘキサノン、2,4-ペンタンジオン、メントン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS);Surfynol 104、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアミノ酸、ポリアミドヒドロキシウレタン、ポリラクトン、ポリアクリルアミド、キサンタンガム、キトサン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸、ポリエチレンイミン、ソルビトールエステル、キシリトール、無水ソルビトールのエステル、第二級アルコールエトキシレート、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、ポリ(エチレングリコールメタクリレート)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される種を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項5】
洗浄組成物が、約0.01重量%~約10重量%の洗浄添加剤を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項6】
pH調整剤が、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAH)、水酸化テトラプロピルアンモニウム(TPAH)、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)、水酸化トリブチルメチルアンモニウム(TBMAH)、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム(BTMAH)、水酸化コリン、水酸化エチルトリメチルアンモニウム、水酸化トリス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、水酸化ジエチルジメチルアンモニウム、水酸化テトラブチルホスホニウム(TBPH)、水酸化テトラメチルホスホニウム、水酸化テトラエチルホスホニウム、水酸化テトラプロピルホスホニウム、水酸化ベンジルトリフェニルホスホニウム、水酸化メチルトリフェニルホスホニウム、水酸化エチルトリフェニルホスホニウム、水酸化N-プロピルトリフェニルホスホニウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される種を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項7】
洗浄組成物が、約1重量%~約5重量%のpH調整剤を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項8】
洗浄組成物が、少なくとも約80重量%の水を含む水性洗浄組成物である、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項9】
オキシルアミン化合物が、次式:
[式中、R及びRが、互いに同じであっても異なっていてもよく、水素及び直鎖状アルキル、環状アルキル、又は分岐状アルキルからなる群から選択される。]
を有するヒドロキシルアミン化合物又はその塩を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項10】
ヒドロキシルアミン化合物が、N,N-ジエチルヒドロキシルアミン又はその塩を含む、請求項9に記載の洗浄組成物。
【請求項11】
オキシルアミン化合物が、次式:
[式中、R及びRが、互いに同じであっても異なっていてもよく、水素及び直鎖状アルキル、環状アルキル、又は分岐状アルキルからなる群から選択される。]
を有するアミノキシル化合物を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項12】
洗浄組成物が、約0.01重量%~約10重量%のオキシルアミン化合物又はその塩を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項13】
洗浄組成物が、少なくとも1つのエッチャントをさらに含み、エッチャントが、モルホリン、ジグリコールアミン、3-ブトキシプロピルアミン、プロピレングリコールモノブチルエーテル(DOWANOL PnB)、ヒドロキシエチルモルホリン、ヒドロキシプロピルモルホリン、アミノエチルモルホリン、アミノプロピルモルホリン、ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、ピペラジン、N,N-ジメチルプロパノールアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラミン、トリメチルアミノエチルエタノールアミン、トリメチルアミノプロピルエタノールアミン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される種を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項14】
洗浄組成物が、少なくとも1つの腐食防止剤をさらに含み、腐食防止剤が、酢酸、アセトンオキシム、アクリル酸、アジピン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、ベタイン、ジメチルグリオキシム、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、グルタミン、グルタル酸、グリセリン酸、グリセン、グリコール酸、グリオキシル酸、ヒスチジン、イミノ二酢酸、イソフタル酸、イタコン酸、乳酸、ロイシン、リジン、マレイン酸、無水マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、2,4-ペンタンジオン、フェニル酢酸、フェニルアラニン、フタル酸、プロリン、プロピオン酸、ピロカテコール、ピロメリット酸、キナ酸、セリン、ソルビトール、コハク酸、酒石酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、チロシン、バリン、キシリトール、シュウ酸、タンニン酸、ピコリン酸、1,3-シクロペンタンジオン、カテコール、ピロガロール、レゾルシノール、ヒドロキノン、シアヌル酸、バルビツール酸、1,2-ジメチルバルビツール酸、ピルビン酸、プロパンチオール、ベンゾヒドロキサム酸、2,5-ジカルボキシプリジン、4-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン(HEM)、N-アミノエチルピペラジン(N-AEP)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、1,2-シクロヘキサンジアミン-N,N,N’,N’-四酢酸(CDTA)、N-(ヒドロキシエチル)-エチレンジアミン三酢酸(HEdTA)、イミノ二酢酸(IDA)、2-(ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸(HIDA)、ニトリロ三酢酸、チオ尿素、1,1,3,3-テトラメチル尿素、尿素、尿素誘導体、グリシン、システイン、グルタミン酸、イソロイシン、メチオニン、ピペラジン、N-(2-アミノエチル)ピペラジン、ピロリジン、スレオニン、トリプトファン、サリチル酸、p-トルエンスルホン酸、サリチルヒロキサム酸、5-スルホサリチル酸、トリアゾール、アミノトリアゾール、ジメチルプロパルギルアルコール、ラウロイルサルコシン、ステロイルサルコシン、サッカリン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される種を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項15】
洗浄組成物が、少なくとも1つの還元剤をさらに含み、還元剤が、アスコルビン酸、L(+)-アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、亜硫酸、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、ドーパミンHCl、亜リン酸、ホスフィン酸、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモニウム、ヒドロキシルアミン、ピルビン酸カリウム、ピルビン酸ナトリウム、ピルビン酸アンモニウム、ギ酸、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸アンモニウム、ドーパミン、二酸化硫黄溶液、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される種を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項16】
洗浄組成物が、フッ化物含有源、研磨材、及び水酸化テトラメチルアンモニウムを実質的に含まない、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項17】
洗浄組成物が、約10~約14の範囲のpHを有する、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項18】
洗浄組成物が、残留物及び汚染物質をさらに含み、残留物が、CMP後残留物、エッチング後残留物、アッシング後残留物、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項19】
残留物及び汚染物質を、残留物及び汚染物質を表面に有するマイクロ電子デバイスから除去する方法であって、マイクロ電子デバイスから残留物及び汚染物質を少なくとも部分的に除去するのに十分な時間、マイクロ電子デバイスを洗浄組成物と接触させることを含み、洗浄組成物が、少なくとも1つの錯化剤と、少なくとも1つの洗浄添加剤と、少なくとも1つのpH調整剤と、水と、少なくとも1つのオキシルアミン化合物又はその塩とを含む、方法。
【請求項20】
マイクロ電子デバイスがコバルト含有材料を含み、洗浄組成物がコバルト含有材料と接触する、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、残留物及び/又は汚染物質を、それらを表面に有するマイクロ電子デバイスから除去するための組成物に関し、この組成物は、改善されたコバルト適合性を有する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ電子デバイスウエハは、集積回路を形成するために使用され、シリコンなどの基板を含み、この基板には、絶縁性、導電性又は半導電性を有する異なる材料の堆積のための領域がパターニングされる。
【0003】
正確なパターニングを得るために、基板上に層を形成する際に使用された余分な材料を除去しなければならない。さらに、機能的及び信頼性の高い回路を製造するために、後続の処理の前に、平坦な又は平面のマイクロ電子ウエハ表面を準備することが重要である。したがって、マイクロ電子デバイスウエハの特定の表面を除去及び/又は研磨する必要がある。
【0004】
化学機械研磨又は平坦化(「CMP」)は、研磨などの物理的プロセスを酸化又はキレート化などの化学的プロセスと組み合わせることによって、マイクロ電子デバイスウエハの表面から材料を除去し、表面を研磨(より具体的には、平坦化)するプロセスである。基本的に、CMPは、活性化学物質を含有する水溶液中の研磨剤の組み合わせなどのスラリーを、マイクロ電子デバイスウエハの表面をバフ研磨する研磨パッドに適用して、除去、平坦化、及び研磨プロセスを達成することを含む。物理的及び化学的作用の相乗的な組み合わせにより、迅速で均一な除去が達成される。集積回路の製造において、CMPスラリーはまた、金属及び他の材料の複合層を含む膜を優先的に除去することができなければならず、これにより、後続のフォトリソグラフィー、又はパターニング、エッチング及び薄膜処理のために高度に平坦な表面を生成することができる。研磨後にウエハ表面全体にわたって良好な均一性を得るための1つの鍵は、存在する材料のそれぞれに対して正確な除去選択性を有するCMPスラリーを使用することである。
【0005】
ウエハ基板表面の調製、堆積、めっき、エッチング及び化学機械研磨を含む処理作業の大部分は、さもなければマイクロ電子デバイス製品の機能に有害な影響を及ぼすであろう、又は製品の目的の機能に対して製品を使用不能にさえする汚染物質を製品が含まないことを保証すために、洗浄作業を必要とする。多くの場合、これらの汚染物質の粒子は0.3μm未満である。除去されない場合、これらの残留物は、例えば、銅ラインに損傷を与えたり、又は銅メタライゼーションを著しく粗くしたりする可能性があり、加えて、デバイス基板上のCMP後適用層の接着不良を引き起こす可能性がある。
【0006】
特に、改善されたデバイス性能及び低減されたデバイスサイズ及び低減されたデバイス形状サイズに対する要求が増大するにつれて、基板から様々な残留物、例えば、CMP後残留物、エッチング後残留物及びアッシング後残留物を効果的及び選択的に除去する組成物及び方法を提供することが業界において継続的に必要とされている。組成物及び方法は、粒子及び他の汚染物質を排除するとともに、コバルトなどの成分を腐食、又は損傷させてはならない。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、一般に、残留物及び/又は汚染物質を、当該残留物及び汚染物質を表面に有するマイクロ電子デバイスから除去するための組成物及びプロセスに関する。残留物には、CMP後残留物、エッチング後残留物、及び/又はアッシング後残留物が含まれてもよい。有利には、本明細書に記載の組成物は、当該技術分野で以前に記載された組成物と比較して改善されたコバルト適合性を示す。
【0008】
一態様では、洗浄組成物が記載され、当該組成物は、少なくとも1つの錯化剤と、少なくとも1つの洗浄添加剤と、少なくとも1つのpH調整剤と、水と、少なくとも1つのオキシルアミン化合物又はその塩とを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1つのエッチャント、少なくとも1つの腐食防止剤、及び/又は少なくとも1つの還元剤をさらに含む。好ましくは、洗浄組成物は、フッ化物含有源、研磨材、及び水酸化テトラメチルアンモニウムを実質的に含まない。
【0009】
別の態様では、残留物及び汚染物質を、当該残留物及び汚染物質を表面に有するマイクロ電子デバイスから除去する方法が記載され、当該方法は、マイクロ電子デバイスから当該残留物及び汚染物質を少なくとも部分的に除去するのに十分な時間、マイクロ電子デバイスを洗浄組成物と接触させることを含み、洗浄組成物は、少なくとも1つの錯化剤と、少なくとも1つの洗浄添加剤と、水と、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つのオキシルアミン化合物又はその塩とを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1つのエッチャント、少なくとも1つの腐食防止剤、及び/又は少なくとも1つの還元剤をさらに含む。好ましくは、洗浄組成物は、フッ化物含有源、研磨材、及び水酸化テトラメチルアンモニウムを実質的に含まない。
【0010】
他の態様、特徴及び利点は、以下の開示及び添付の特許請求の範囲から、より詳細に明らかになるであろう。そのような組成物は、先行技術の組成物と比較して改善されたコバルト適合性を達成することができることが見出された。そのような適合性は、例えば、最新のマイクロ電子デバイス製造プロセスにおけるCMP後洗浄において、非常に有益である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、一般に、残留物及び汚染物質を、そのような材料を表面に有するマイクロ電子デバイスから除去するのに有用な組成物に関する。この組成物は、バルクコバルトを損傷することなく、コバルト含有基板からCMP後残留物、エッチング後残留物又はアッシング後残留物を除去するのに特に有用である。
【0012】
参照を容易にするために、「マイクロ電子デバイス」は、半導体基板、フラットパネルディスプレイ、相変化メモリデバイス、太陽電池パネル及び太陽電池基板、光電池を含む他の製品、並びにマイクロ電子集積回路、又はコンピュータチップ用途で使用するために製造されたマイクロ電子機械システム(MEMS)に対応する。太陽電池基板には、シリコン、アモルファスシリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコン、CdTe、セレン化銅インジウム、硫化銅インジウム、及びガリウム上のヒ化ガリウムが含まれるが、これらに限定されない。太陽電池基板は、ドープされても、ドープされなくてもよい。「マイクロ電子デバイス」という用語は、決して限定することを意味するものではなく、最終的にマイクロ電子デバイス又はマイクロ電子アセンブリとなる任意の基板を含むことを理解されたい。
【0013】
マイクロ電子デバイスは、コバルト含有材料を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「コバルト含有材料」及び「コバルト種」は、材料の総重量に基づいて、50重量%超の元素コバルトを含む任意の材料を含む。コバルト含有材料の例には、純粋なコバルト、窒化コバルト(Ta又はLiなどの追加の元素を含む窒化コバルトを含む)、CoP、CoSi、CoW、酸化コバルト、及び水酸化コバルトが含まれるが、これらに限定されない。様々な酸化コバルト及び窒化コバルトの化学式は、コバルトイオンの酸化状態に基づいて変化し得、コバルトの一般的な酸化状態は、-3、-1、+1、+2、+3、+4、又は+5であることを当業者は理解すべきである。
【0014】
本明細書で使用される場合、「残留物」は、プラズマエッチング、アッシング、化学機械研磨、ウェットエッチング、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されないマイクロ電子デバイスの製造中に生成される粒子に対応する。
【0015】
本明細書で使用される場合、「汚染物質」は、CMPスラリー中に存在する化学物質、研磨スラリーの反応副生成物、ウェットエッチング組成物中に存在する化学物質、ウェットエッチング組成物の反応副生成物、及びCMPプロセス、ウェットエッチング、プラズマエッチング又はプラズマアッシングプロセスの副生成物である任意の他の材料に対応する。一般的な汚染物質には、CMPスラリー中に多くの場合存在するベンゾトリアゾールが含まれる。
【0016】
本明細書で定義されるように、「エッチング後残留物」は、気相プラズマエッチングプロセス、例えば、BEOLデュアルダマシンプロセスの後、又はウェットエッチングプロセスの後に残留する材料に対応する。エッチング後残留物は、性質上、有機、有機金属、有機ケイ素、又は無機である場合があり、例えば、シリコン含有材料、炭素系有機材料、並びに酸素及びフッ素などのエッチングガス残留物である。
【0017】
本明細書で定義されるように、本明細書で使用される「アッシング後残留物」は、硬化したフォトレジスト及び/又は下層反射防止膜(bottom anti-reflective coating:BARC)材料を除去するための酸化又は還元プラズマアッシングの後に残留する材料に対応する。アッシング後残留物は、性質上、有機、有機金属、有機ケイ素、又は無機である場合がある。
【0018】
本明細書で使用される場合、「CMP後残留物」は、研磨スラリーからの粒子、例えば、シリカ含有粒子、スラリー中に存在する化学物質、研磨スラリーの反応副生成物、炭素に富む粒子、研磨パッド粒子、ブラシ脱落粒子、装置の構成材料粒子、金属、金属酸化物、有機残留物、バリア層残留物、及びCMPプロセスの副生成物である任意の他の材料に対応する。本明細書で定義されるように、通常研磨される「金属」には、銅、アルミニウム及びタングステンが含まれる。
【0019】
本明細書で定義されるように、「反応生成物又は分解生成物」には、表面における触媒反応、酸化、還元、組成物成分との反応の結果として形成される、又は他の方法で重合する、生成物又は副生成物が含まれるが、これらに限定されず、物質若しくは材料(例えば、分子、化合物など)が、他の物質又は材料と結合し、構成要素を他の物質又は材料と交換、分解、再配置、又は他の方法で化学的に及び/若しくは物理的に変更される、変化又は変換の結果として形成された、生成物又は副生成物には、上記の反応、変化及び/若しくは変形の上記の組み合わせ又は任意の組み合わせのいずれかの中間生成物又は中間副生成物が含まれる。反応生成物又は分解生成物は、元の反応物質よりも大きい又は小さいモル質量を有し得ることを理解されたい。
【0020】
本明細書で使用される場合、「低誘電率材料」は、積層マイクロ電子デバイスにおいて誘電材料として使用される任意の材料に対応し、この材料は、約3.5未満の誘電率を有する。好ましくは、低誘電率材料には、シリコン含有有機ポリマー、シリコン含有ハイブリッド有機/無機材料、有機ケイ酸塩ガラス(OSG)、TEOS、フッ化ケイ酸塩ガラス(FSG)、二酸化ケイ素、及び炭素ドープ酸化物(CDO)ガラスなどの低極性材料が含まれる。低誘電率材料は、様々な密度及び様々な多孔性を有し得ることを理解されたい。
【0021】
本明細書で定義されるように、「バリア材料」という用語は、金属ライン、例えば、銅相互接続を封止して、当該金属、例えば、銅の誘電材料内への拡散を最小限に抑えるために当該技術分野で使用される任意の材料に対応する。好ましいバリア層材料には、タンタル、チタン、ルテニウム、ハフニウム、タングステン、コバルト、並びに前述の金属のいずれかの窒化物及びケイ化物が含まれる。
【0022】
本明細書で使用される場合、「錯化剤」には、当業者によって錯化剤、キレート剤及び/又は金属イオン封鎖剤であると理解される化合物のようなものが含まれる。錯化剤は、本明細書に記載の組成物を使用して、除去される金属原子及び/若しくは金属イオンと化学的に結合するか、又はそれらを物理的に保持する。
【0023】
本明細書で使用される場合、「フッ化物含有化合物」は、別の原子にイオン結合したフッ化物イオン(F-)を含む塩又は酸化合物に対応する。
【0024】
「実質的にない」とは、本明細書では、2重量%未満、好ましくは1重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満、最も好ましくは0.1重量%未満として定義される。一実施形態では、「実質的にない」は0%に相当し、組成物が特定の成分を含まないことを示す。
【0025】
本明細書で使用される場合、「約」は、記載された値の±5%に対応することを意図している。
【0026】
本明細書で使用される場合、残留物及び汚染物質を、当該残留物及び汚染物質を表面に有するマイクロ電子デバイスから除去するための「適合性」は、マイクロ電子デバイスからの当該残留物/汚染物質の少なくとも部分的な除去に対応する。洗浄有効性は、マイクロ電子デバイス上の物体の減少によって評価される。例えば、洗浄前後の分析は、原子間力顕微鏡を使用して実施することができる。試料上の粒子は、ある範囲のピクセルとして記録することができる。ヒストグラム(例えば、Sigma Scan Pro)を適用して、特定の強度、例えば、231-235のピクセル、及び計数された粒子の数をフィルタリングすることができる。粒子の減少は、以下を使用して計算することができる。

洗浄有効性=(洗浄前の物体の数-洗浄後の物体の数)/洗浄前の物体の数×100

特に、洗浄有効性の決定方法は、例示のためだけに提供したものであり、この方法に限定することを意図するものではない。あるいは、洗浄有効性は、粒子状物質によって覆われている全表面の割合として考えてもよい。例えば、z平面走査を実行するようAFMをプログラムして、特定の高さの閾値を上回る対象のトポグラフィー領域を識別し、次いで、当該対象領域によって覆われた総面積を計算してもよい。当業者は、洗浄後に当該対象領域によって覆われた面積が少ないほど、洗浄組成物がより効果的であることを容易に理解するであろう。好ましくは、本明細書に記載の組成物を使用して、残留物/汚染物質の少なくとも75%がマイクロ電子デバイスから除去され、より好ましくは残留物/汚染物質の少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%が除去される。
【0027】
本明細書に記載の組成物は、以下でより詳細に説明するように、多種多様な特定の配合物で実施することができる。
【0028】
組成物の特定の成分が、ゼロ下限を含む重量パーセントの範囲に関して論じられるすべてのそのような組成物において、そのような成分は、組成物の様々な特定の実施形態において存在しても、存在しなくてもよいこと、及びそのような成分が存在する場合、それらは、そのような成分が用いられる組成物の総重量に基づいて、0.001重量パーセントという低い濃度で存在してもよいことが理解されるであろう。
【0029】
本明細書の説明及び特許請求の範囲全体を通じて、「含む(comprise)」及び「含む(contain)」という単語並びにこの変形、例えば「含む(comprising)」及び「含む(comprises)」は、「含むがこれに限定されない」ことを意味し、他の構成要素、整数又はステップを排除するものではない。しかしながら、「含む(comprising)」という単語が使用される場合は常に、「含む(comprising)」が「からなる(consisting of)」又は「から本質的になる(consisting essentially of)」と解釈される実施形態も明示的に包含される。
【0030】
本明細書では、文脈上特に必要とされない限り、単数形は複数形を包含する。特に、不定冠詞が使用される場合、本明細書は、文脈上他に要求しない限り、複数であることと同様に単数であることを企図するものとして理解されるべきである。
【0031】
本発明の各態様の好ましい特徴は、他の態様のいずれかに関連して説明した通りであり得る。本出願の範囲内で、先行する段落、特許請求の範囲及び/又は以下の説明及び図面、特にその個々の特徴に記載された様々な態様、実施形態、実施例及び代替形態は、独立して又は任意の組み合わせで採用され得ることが明確に意図される。すなわち、任意の実施形態のすべての実施形態及び/又は特徴は、そのような特徴が不適合でない限り、任意の方法及び/又は組み合わせで組み合わせることができる。
【0032】
本明細書に記載の洗浄組成物は、マイクロ電子デバイスから残留物材料を除去する前に、フッ化物含有源、研磨材、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、及びそれらの組み合わせを実質的に含まないか、又は含まないことができる。さらに、洗浄組成物は、固化してポリマー固体、例えばフォトレジストを形成してはならない。配合物は少なくとも1つの界面活性剤を含むことができると考えられるが、当業者によって容易に理解されるように、配合物は界面活性剤を実質的に含まないとも考えられる。
【0033】
洗浄組成物は、少なくとも1つの錯化剤と、少なくとも1つの洗浄添加剤と、少なくとも1つのpH調整剤と、水と、少なくとも1つのオキシルアミン化合物又はその塩とを含むか、それらからなるか、又はそれらから本質的になる。好ましくは、洗浄組成物は、少なくとも50%の水を含む水性洗浄組成物である。有利には、洗浄組成物は、マイクロ電子デバイスの露出したコバルト上に残留する汚染物質及び残留物(例えば、ベンゾトリアゾール、スラリー粒子及び他のCMP後残留物)の除去を増加させ、同時に露出したコバルトの腐食速度を低下させる。
【0034】
好ましい一実施形態では、本開示の洗浄組成物は、少なくとも1つの錯化剤と、少なくとも1つの洗浄添加剤と、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つのオキシルアミン化合物又はその塩と、水とを含むか、それらからなるか、又はそれらから本質的になり、洗浄組成物は、以下の重量パーセント比で配合される。

成分 重量パーセント 好ましい重量パーセント
錯化剤 約0.01重量%~約20重量% 約0.1重量%~約10重量%
洗浄添加剤 約0.01重量%~約20重量% 約0.1重量%~約10重量%
pH調整剤 約0.1重量%~約10重量% 約1重量%~約5重量%
オキシルアミン 約0.01重量%~約25重量% 約0.1重量%~約10重量%

化合物又は塩
成分の濃度が本明細書で指定される場合は常に、水が組成物の平衡量を100%にし得ることを理解されたい。洗浄組成物中の水の量は、組成物の総重量に基づいて、少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも85重量%、より好ましくは少なくとも90重量%であり得る。
【0035】
本開示の洗浄組成物は、少なくとも1つの錯化剤(金属キレート剤、金属錯化剤、又は金属イオン封鎖剤)を含む。錯化剤は、本明細書に記載の組成物を使用して、除去される金属原子及び/若しくは金属イオンと化学的に結合するか、又はそれらを物理的に保持する。好適には、組成物は、複数の錯化剤からなる錯化剤成分を含み得る。例示的な錯化剤は、一般式NRを有する種を含むことができ、式中、R、R及びRは、互いに同じであっても異なっていてもよく、水素、直鎖状又は分岐状C-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシル)基、直鎖状又は分岐状C-Cヒドロキシアルキル(例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、及びヒドロキシヘキシル)基、並びに上記で定義されるような直鎖状又は分岐状C-Cヒドロキシアルキル基のC-Cアルキルエーテルからなる群から選択される。最も好ましくは、R、R及びRのうちの少なくとも1つは、直鎖状又は分岐状C-Cヒドロキシアルキル基である。例としては、アルカノールアミン、例えばアミノエチルエタノールアミン、N-メチルアミノエタノール、アミノエトキシエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、ジエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、モノエタノールアミン(MEA)、トリエタノールアミン(TEA)、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、アミノプロピルジエタノールアミン、N,N-ジメチルプロパノールアミン、N-メチルプロパノールアミン、1-アミノ-2-プロパノール、2-アミノ-1-ブタノール、イソブタノールアミン、トリエチレンジアミン、他のC1-C8アルカノールアミン及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。アミンがアルキルエーテル成分を含む場合、アミンは、アルコキシルアミン、例えば、1-メトキシ-2-アミノエタンと考えられ得る。
【0036】
NRアミンに代えて、又はそれに加えて、錯化剤は、4-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン(HEM)、1,2-シクロヘキサンジアミン-N,N,N’,N’-四酢酸(CDTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、m-キシレンジアミン(MXDA)、イミノ二酢酸(IDA)、2-(ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸(HIDA)、ニトリロ三酢酸、チオ尿素、1,1,3,3-テトラメチル尿素、尿素、尿素誘導体、尿酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない多官能性アミンでもよい。
【0037】
上述の錯化剤に代えて、又はそれに加えて、さらなる錯化剤には、ホスホネート(例えば、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(HEDP)、1,5,9-トリアザシクロドデカン-N,N’,N’’-トリス(メチレンホスホン酸)(DOTRP)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-N,N’,N’’,N’’’-テトラキス(メチレンホスホン酸)(DOTP)、ニトリロトリス(メチレン)トリホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタキス(メチレンホスホン酸)(DETAP)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、ビス(ヘキサメチレン)トリアミンペンタメチレンホスホン酸、1,4,7-トリアザシクロノナン-N,N’,N’’-トリス(メチレンホスホン酸)(NOTP)、ヒドロキシエチルジホスホネート、ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸、2-ホスホノ-ブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸、カルボキシエチルホスホン酸、アミノエチルホスホン酸、グリホサート、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)フェニルホスホン酸、それらの塩、及びそれらの誘導体)及び/又はカルボン酸(例えば、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、アジピン酸、フタル酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸アンモニウム、トリカルバリル酸、ジメチロールプロピオン酸、トリメチロールプロピオン酸、酒石酸、グルクロン酸、2-カルボキシピリジン)及び/又はスルホン酸、例えば、タイロン(4,5-ジヒドロキシ-1,3-ベンゼンジスルホン酸二ナトリウム塩)が含まれ得る。例えば、少なくとも1つの錯化剤は、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン、硫酸、クエン酸及びそれらの組み合わせからなる群から選択される種を含み得る。
【0038】
洗浄組成物中の錯化剤の量は、洗浄組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約20重量%の範囲である。好ましくは、錯化剤は、洗浄組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約10重量%の量で、より好ましくは約0.01重量%~約5重量%の量で存在する。
【0039】
本開示の洗浄組成物は、種々の溶媒、水溶性ポリマー、及び界面活性剤を含み得る少なくとも1つの洗浄添加剤を含む。好適には、組成物は、複数の洗浄添加剤からなる洗浄添加剤成分を含み得る。例示的な洗浄添加剤としては、2-ピロリジノン、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-ピロリジノン(HEP)、グリセロール、1,4-ブタンジオール、テトラメチレンスルホン(スルホラン)、ジメチルスルホン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラグリム、ジグリム、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、イソプロパノール、オクタノール、エタノール、ブタノール、メタノール、イソホロン、グリコールエーテル(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGBE)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TEGBE)、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(EGHE)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(DEGHE)、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールフェニルエーテル、ヘキサエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、トリプロピレングリコールメチルエーテル(TPGME)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル(DPGPE)、トリプロピレングリコールn-プロピルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル(DOWANOL PnBなど)、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル(PPh、DOWANOL PPhなど)、4-メチル-2-ペンタノン、2,4-ジメチル-3-ペンタノン、シクロヘキサノン、5-メチル-3-ヘプタノン、3-ペンタノン、5-ヒドロキシ-2-ペンタノン、2,5-ヘキサンジオン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、アセトン、ブタノン、2-メチル-2-ブタノン、3,3-ジメチル-2-ブタノン、4-ヒドロキシ-2-ブタノン、シクロペンタノン、2-ペンタノン、3-ペンタノン、1-フェニルエタノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、2-ヘキサノン、3-ヘキサノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、2,6-ジメチル-4-ヘプタノン、2-オクタノン、3-オクタノン、4-オクタノン、ジシクロヘキシルケトン、2,6-ジメチルシクロヘキサノン、2-アセチルシクロヘキサノン、2,4-ペンタンジオン、メントン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、シレン、ジメチルエチレン尿素及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
代わりに又は加えて、洗浄添加剤は、例えば、メタクリル酸のホモポリマー及び例えば、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸及びマレイン酸とのコポリマー;マレイン酸/ビニルエーテルコポリマー;ポリ(ビニルピロリドン)/酢酸ビニル;ホモポリマー、例えば、ホスホン酸化ポリエチレングリコールオリゴマー、ポリ(アクリル酸)(PAA)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)(PPG)、ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ(ビニルホスホン酸)、ポリ(ビニルリン酸)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(プロピレンイミン)、ポリアリルアミン、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリ(ビニルアルコール)、親水性の水溶性又は分散性ポリウレタン、ポリ(エチレングリコールアクリレート)、ポリ(エチレングリコールメタクリレート)、PPG-PEG-PPGブロックコポリマー、PEG-PPG-PEGブロックコポリマー、及びそれらの組み合わせを含む、水溶性ポリマー又は界面活性剤を含んでもよい。
【0041】
代わりに又は加えて、少なくとも1つの洗浄添加剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性及び/又は双性イオン性界面活性剤を含むが、これらに限定されない界面活性剤であってもよい。例としては、アルギン酸及びその塩;ヒドロキシル又はカルボキシアルキルセルロース;硫酸デキストラン及びその塩;ポリ(ガラクツロン酸)及びその塩;(メタ)アクリル酸及びその塩、マレイン酸、無水マレイン酸、スチレンスルホン酸及びその塩、ビニルスルホン酸及びその塩、アリルスルホン酸及びその塩、アクリルアミドプロピルスルホン酸及びその塩のホモポリマー;(メタ)アクリル酸及びその塩、マレイン酸、無水マレイン酸、スチレンスルホン酸及びその塩、ビニルスルホン酸及びその塩、アリルスルホン酸及びその塩、アクリルアミドプロピルスルホン酸及びその塩のコポリマー;キトサン;カチオンデンプン;ポリリシン及びその塩;ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、ジアリルジメチルアンモニウムブロミド、ジアリルジメチルアンモニウムサルフェート、ジアリルジメチルアンモニウムホスフェート、ジメタリルジメチルアンモニウムクロリド、ジエチルアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジ(β-ヒドロキシエチル)アンモニウムクロリド、ジアリルジ(β-エトキシエチル)アンモニウムクロリド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート酸付加塩及び四級塩、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート酸付加塩及び四級塩、7-アミノ-3,7-ジメチルオクチル(メタ)アクリレート酸付加塩及び四級塩、N,N’-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド酸付加塩及び四級塩、アリルアミン、ジアリルアミン、ビニルアミン、ビニルピリジンのホモポリマー;及びジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、ジアリルジメチルアンモニウムブロミド、ジアリルジメチルアンモニウムサルフェート、ジアリルジメチルアンモニウムホスフェート、ジメタリルジメチルアンモニウムクロリド、ジエチルアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジ(β-ヒドロキシエチル)アンモニウムクロリド、ジアリルジ(β-エトキシエチル)アンモニウムクロリド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート酸付加塩及び四級塩、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート酸付加塩及び四級塩、7-アミノ-3,7-ジメチルオクチル(メタ)アクリレート酸付加塩及び四級塩、N,N’-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド酸付加塩及び四級塩、アリルアミン、ジアリルアミン、ビニルアミン、ビニルピリジンのコポリマー;ココジメチルカルボキシメチルベタイン;ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン;ラウリルジメチル-α-カルボキシエチルベタイン;セチルジメチルカルボキシメチルベタイン;ラウリル-ビス-(2-ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン;ステアリル-ビス-(2-ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン;オレイルジメチル-γ-カルボキシプロピルベタイン;ラウリル-ビス-(2-ヒドロキシプロピル)α-カルボキシエチルエベタイン;ココジメチルスルホプロピルベタイン;ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン;ラウリル-ビス-(2-ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン;ドデシル硫酸ナトリウム(SDS);Surfynol 104、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム塩;ラウリルエーテル硫酸ナトリウム;ポリエチレングリコール分岐-ノニルフェニルエーテル硫酸アンモニウム塩;2-ドデシル-3-(2-スルホナトフェノキシ)二ナトリウム;PEG25-PABA;ポリエチレングリコールモノ-C10-16-アルキルエーテル硫酸ナトリウム塩;(2-N-ブトキシエトキシ)酢酸;ヘキサデシルベンゼンスルホン酸;セチルトリメチルアンモニウム水酸化物;ドデシルトリメチルアンモニウム水酸化物;ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド;セチルトリメチルアンモニウムクロリド;N-アルキル-N-ベンジル-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド;ドデシルアミン;ポリオキシエチレンラウリルエーテル;ドデセニルコハク酸モノジエタノールアミド;エチレンジアミンテトラキス(プロポキシレート-ブロック-プロポキシレート);並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0042】
特定の洗浄添加剤には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS);ドデシル硫酸アンモニウム、ドデシル硫酸カリウム、カルボキシメチルセルロースアンモニウム、カルボキシメチルセルロースカリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、Surfynol 104、ポリビニルピロリドン(PVP)、N-ビニルピロリドンモノマーを使用して調製した任意のポリマー、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリル酸エステル及びポリアクリル酸エステルの類似体、ポリアミノ酸(例えば、ポリアラニン、ポリロイシン、ポリグリシンなど)、ポリアミドヒドロキシウレタン、ポリラクトン、ポリアクリルアミド、キサンタンガム、キトサン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸、ポリエチレンイミン、ソルビトール及びキシリトールなどの糖アルコール、無水ソルビトールのエステル、TERGITOLなどの第二級アルコールエトキシレート、並びにそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0043】
洗浄組成物中の洗浄添加剤の量は、洗浄組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約20重量%の範囲である。好ましくは、洗浄添加剤は、洗浄組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約10重量%の量で、より好ましくは約0.5重量%~約5重量%の量で存在する。
【0044】
本開示の洗浄組成物は、組成物のpHを目標値まで上昇又は低下させるために使用される少なくとも1つのpH調整剤を含む。pH調整剤は酸及び/又は塩基を含んでもよいが、好ましくはpH調整剤は塩基であり、洗浄組成物のpHを上昇させるために使用される。例示的な塩基としては、アルカリ金属水酸化物(例えば、LiOH、KOH、RbOH、CsOH)、アルカリ土類金属水酸化物(例えば、Be(OH)、Mg(OH)、Ca(OH)、Sr(OH)、Ba(OH))、水酸化アンモニウム(すなわち、アンモニア)及び式NROH(式中、R、R、R及びRは、互いに同じであっても異なっていてもよく、水素、直鎖状又は分岐状C-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシル)基、C-Cヒドロキシアルキル(例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、及びヒドロキシヘキシル)基、並びに置換又は非置換C-C10アリール基(例えば、ベンジル基)からなる群から選択される)を有する水酸化テトラアルキルアンモニウム化合物が挙げられるが、これらに限定されない。市販されている水酸化テトラアルキルアンモニウムには、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAH)、水酸化テトラプロピルアンモニウム(TPAH)、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)、水酸化トリブチルメチルアンモニウム(TBMAH)、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム(BTMAH)、水酸化コリン、水酸化エチルトリメチルアンモニウム、水酸化トリス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、水酸化ジエチルジメチルアンモニウム、及びそれらの組み合わせが含まれ、それらを使用することができる。
【0045】
代わりに又は加えて、pH調整剤は、式(PR)OH(式中、R、R、R、及びRは、互いに同じであっても異なっていてもよく、水素、直鎖状C-Cアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、及びヘキシル)基、分岐状C-Cアルキル基、C-Cヒドロキシアルキル(例えば、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、及びヒドロキシヘキシル)基、置換C-C10アリール基、非置換C-C10アリール基(例えば、ベンジル基)、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される)を有する四級塩基、例えば、水酸化テトラブチルホスホニウム(TBPH)、水酸化テトラメチルホスホニウム、水酸化テトラエチルホスホニウム、水酸化テトラプロピルホスホニウム、水酸化ベンジルトリフェニルホスホニウム、水酸化メチルトリフェニルホスホニウム、水酸化エチルトリフェニルホスホニウム、水酸化N-プロピルトリフェニルホスホニウムであってもよい。
【0046】
添加されるpH調整剤の量は、本明細書に開示され、当業者によって理解されるように、所望のpHに依存する。例えば、pH調整剤は、洗浄組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約10重量%の量で、より好ましくは約1重量%~約5重量%の量で存在してよい。一実施形態では、pH調整剤はKOHを含む。別の実施形態では、pH調整剤は水酸化コリンを含む。さらに別の実施形態では、pH調整剤は水酸化アンモニウムを含む。別の実施形態では、pH調整剤は、本明細書に列挙される少なくとも1つのアルカリ金属水酸化物及び少なくとも1つの追加の水酸化物を含む。別の実施形態では、pH調整剤は、KOH及び本明細書に列挙される少なくとも1つの追加の水酸化物を含む。さらに別の実施形態では、pH調整剤は、KOHと、水酸化コリン及び水酸化アンモニウムのうちの少なくとも1つとを含む。
【0047】
本明細書に記載の洗浄組成物のpHは、標的用途に応じて変化させることができる。一実施形態では、組成物のpHは7より大きく、したがって、塩基性水性洗浄組成物であってもよい。この実施形態では、好ましくは、pHは、約10~14超の範囲、より好ましくは約12~約14の範囲、最も好ましくは約13~14の範囲である。希釈の際、例えば、以下に記載される濃度の形成及びその後の水の添加により、洗浄組成物のpHは、約10~約12の範囲に低下することが当業者によって理解される。
【0048】
本明細書に記載の洗浄組成物は、少なくとも1つのオキシルアミン化合物又はその塩を含む。特に、オキシルアミン化合物は、ヒドロキシルアミン又はアミノキシル(ニトロキシル)化合物であってもよい。例えば、組成物は、少なくとも1つのヒドロキシルアミン化合物、少なくとも1つのアミノキシル化合物、又はそれらの組み合わせを含み得る。オキシルアミン化合物は、原則として、窒素(N)原子に結合した酸素基(-O又は-OHなど)を含む任意の化合物であり得る。場合によっては、オキシルアミン化合物の塩形態は、より安定的であるか又は容易に入手可能であり得、化合物は、窒素原子に結合したヒドロキシレート(-OM)基を含む。例としては、Na+、K+、Li+又はアンモニウム塩が挙げられる。
【0049】
より詳細には、オキシルアミン化合物は、一般式(I)
を有するヒドロキシルアミン化合物であってもよく、
又は一般式(II)
を有するアミノキシル化合物であってもよい。
及びRは、互いに同じであっても異なっていてもよく、水素及びC-Cアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル及びオクチル)を含む直鎖状アルキル基、分岐状アルキル基又は環状アルキル基からなる群から選択される。そのため、オキシルアミン化合物は、アルキルオキシルアミン(例えば、アルキルヒドロキシルアミン、特にジアルキルヒドロキシルアミン)であってもよい。好適には、オキシルアミン化合物は対称であり得、式(I)及び(II)中のR及びRは同じである。ヒドロキシルアミン化合物の実例としては、ヒドロキシルアミン(NHOH)、ジメチルヒドロキシルアミン、メチルエチルヒドロキシルアミン、メチルプロピルヒドロキシルアミン、メチルブチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン(DEHA)、エチルプロピルヒドロキシルアミン、エチルブチルヒドロキシルアミン、ジプロピルヒドロキシルアミン、プロピルブチルヒドロキシルアミン、ジブチルヒドロキシルアミン、ジ(t-ブチル)ヒドロキシルアミン、モルホリン-N-ヒドロキシド、N-ヒドロキシスクシンアミン、N-ヒドロキシマレイミド、又はそれらの塩が挙げられるが、これらに限定されない。塩の例としては、塩酸ヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルアミン、又は酢酸ヒドロキシルアミンが挙げられるが、これらに限定されない。アミノキシル化合物の実例としては、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシル((2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシダニル、又はTEMPOとも呼ばれることもある)、4-アミノ-TEMPO、4-カルボキシ-TEMPO、4-ホスホノキシ-TEMPO、4-ヒドロキシ-TEMPO、共有結合したTEMPO側基又は末端基を有するポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。他の好適な例としては、2,2,5,5-テトラメチルピロリジン-1-イル)オキシダニル(2,2,5,5-テトラメチルピロリジン-N-オキシルニトロキシド又はPROXYLとも呼ばれることもある)、3-アミノ-PROXYL、3-カルボキシ-PROXYL、3-ホスホノキシ-PROXYL、3-ヒドロキシ-PROXYL、及び共有結合したPROXYL側基又は末端基を有するポリマーが挙げられる。
【0050】
いくつかの実施形態では、ヒドロキシルアミンはさらに官能化されてもよく、例えば、R及びRは、直鎖状又は分岐状C-Cアルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、及びオクタノール)、並びに式R-O-Rを有する直鎖状又は分岐状エーテルからなる群から選択されてもよく、R及びRは、互いに同じであっても異なっていてもよく、R又はRのいずれかがNに結合したC-Cアルキルからなる群から選択される。特定の例として、R及び/又はRは、C-Cアルキル基を含んでもよい。
【0051】
様々な実施形態において、組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.1~20%w/wの範囲で、本明細書のどこかに記載のオキシルアミン化合物又はオキシルアミン化合物成分を含む。好適には、オキシルアミン化合物又はオキシルアミン化合物成分の量は、0.01~10%w/wの範囲、例えば0.1~7%w/wの範囲であり得る。
【0052】
洗浄組成物中のオキシルアミン化合物又はその塩の量は、洗浄組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約25重量%の範囲である。好ましくは、オキシルアミン化合物は、洗浄組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約10重量%の量で、より好ましくは約0.5重量%~約5重量%の量で存在する。
【0053】
本開示の洗浄組成物は、特にコバルト含有材料を含むマイクロ電子デバイスを洗浄するために、さらなる利益を提供し得る1つ以上の追加の成分を任意選択的にさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、洗浄組成物は、少なくとも1つのエッチャント、少なくとも1つの腐食防止剤、及び/又は少なくとも1つの還元剤を含み得る。
【0054】
例えば、洗浄組成物は、任意選択的に、少なくとも1つのエッチャントを含んでもよい。好適には、組成物は、複数の追加のエッチャントからなるエッチャント成分を含み得る。エッチャントの例としては、モルホリン、ジグリコールアミン、3-ブトキシプロピルアミン、プロピレングリコールモノブチルエーテル(例えば、DOWANOL PnB)、ヒドロキシエチルモルホリン、ヒドロキシプロピルモルホリン、アミノエチルモルホリン、アミノプロピルモルホリン、ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、ピペラジン、N,N-ジメチルプロパノールアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラミン、トリメチルアミノエチルエタノールアミン、トリメチルアミノプロピルエタノールアミン、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。様々な実施形態において、存在する場合、洗浄におけるエッチャントの量は、洗浄組成物の総重量に基づいて、約0.1重量%~約20重量%の範囲である。好ましくは、エッチャントは、組成物の総重量に基づいて、約1重量%~約20重量%の量で、より好ましくは約1重量%~約10重量%の量で存在する。様々な実施形態において、洗浄組成物はエッチャントを含有しない。
【0055】
洗浄組成物は、任意選択的に、少なくとも1つの腐食防止剤を含んでもよい。例示的な腐食防止剤としては、酢酸、アセトンオキシム、アクリル酸、アジピン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、ベタイン、ジメチルグリオキシム、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、グルタミン、グルタル酸、グリセリン酸、グリセロール、グリコール酸、グリオキシル酸、ヒスチジン、イミノ二酢酸、イソフタル酸、イタコン酸、乳酸、ロイシン、リジン、マレイン酸、無水マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、2,4-ペンタンジオン、フェニル酢酸、フェニルアラニン、フタル酸、プロリン、プロピオン酸、ピロカテコール、ピロメリット酸、キナ酸、セリン、ソルビトール、コハク酸、酒石酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、チロシン、バリン、キシリトール、シュウ酸、タンニン酸、ピコリン酸、1,3-シクロペンタンジオン、カテコール、ピロガロール、レゾルシノール、ヒドロキノン、シアヌル酸、バルビツル酸、1,2-ジメチルバルビツル酸、ピルビン酸、プロパンチオール、ベンゾヒドロキサム酸、2,5-ジカルボキシプリジン、4-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン(HEM)、N-アミノエチルピペラジン(N-AEP)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、1,2-シクロヘキサンジアミン-N,N,N’,N’-四酢酸(CDTA)、N-(ヒドロキシエチル)-エチレンジアミン三酢酸(HEdTA)、イミノ二酢酸(IDA)、2-(ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸(HIDA)、ニトリロ三酢酸、チオ尿素、1,1,3,3-テトラメチル尿素、尿素、尿素誘導体、グリシン、システイン、グルタミン酸、イソロイシン、メチオニン、ピペラジン、N-(2-アミノエチル)ピペラジン、ピロリジン、スレオニン、トリプトファン、サリチル酸、p-トルエンスルホン酸、サリチルヒロキサム酸、5-スルホサリチル酸、トリアゾール、アミノトリアゾール、ジメチルプロパルギルアルコール、ラウロイルサルコシン、ステロイルサルコシン、サッカリン、及びそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。様々な実施形態において、存在する場合、洗浄における腐食防止剤の量は、洗浄組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約10重量%の範囲である。好ましくは、腐食防止剤は、組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約5重量%の量で、より好ましくは約0.05重量%~約5重量%の量で存在する。様々な実施形態において、洗浄組成物は腐食防止剤を含有しない。
【0056】
洗浄組成物は、任意選択的に、少なくとも1つの還元剤を含んでもよい。例示的な還元剤としては、アスコルビン酸、L(+)-アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、亜硫酸、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、ドーパミンHCl、亜リン酸、ホスフィン酸、次亜リン酸、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモニウム、ピルビン酸カリウム、ピルビン酸ナトリウム、ピルビン酸アンモニウム、ギ酸、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸アンモニウム、ドーパミン、二酸化硫黄溶液、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、少なくとも1つの還元剤は、少なくとも1つの亜硫酸イオン並びに、少なくとも1つの他の列挙した還元剤、例えば、亜硫酸、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、ホスフィン酸、及びそれらの任意の組み合わせを含み得る。亜硫酸アンモニウムが存在する場合、亜硫酸アンモニウムをin situで生成することができ、特定の成分の組み合わせは、残留物、例えば、セリア粒子及び他のCMP後残留物の除去を助ける亜硫酸アンモニウムの生成をもたらすことを理解されたい。様々な実施形態において、存在する場合、洗浄における還元剤の量は、洗浄組成物の総重量に基づいて、約0.0001重量%~約1重量%の範囲である。好ましくは、還元剤は、組成物の総重量に基づいて、約0.0001重量%~約0.2重量%の量で、より好ましくは約0.01重量%~約0.2重量%の量で存在する。様々な実施形態において、洗浄組成物は還元剤を含有しない。
【0057】
成分の重量パーセント比の範囲は、組成物のすべての可能な濃縮又は希釈された実施形態を包含する。その目的のために、一実施形態では、洗浄溶液として使用するために希釈することができる濃縮除去組成物が提供される。濃縮組成物又は「濃縮物」は、有利には、使用者(例えば、CMPプロセス技術者)が使用時点で濃縮物を所望の強度及びpHに希釈することを可能にする。濃縮水性除去組成物の希釈は、約1:1~約2500:1、好ましくは約5:1~約200:1、最も好ましくは約20:1~約120:1の範囲であってもよく、水性除去組成物は、ツールにおいて、又はツールの直前で、溶媒、例えば脱イオン水で希釈される。希釈後、本明細書に開示の成分の重量パーセント比の範囲は不変のままでなければならないことが当業者には理解されよう。
【0058】
本明細書に記載の組成物は、エッチング後残留物除去、アッシング後残留物除去表面調製、めっき後洗浄及びCMP後残留物除去を含むが、これらに限定されない用途において有用性を有し得る。コバルト含有成分の洗浄に加えて、本明細書に記載の水性洗浄組成物はまた、装飾用金属、金属ワイヤボンディング、プリント回路基板、及び金属又は金属合金を使用する他の電子パッケージを含むが、これらに限定されない他の金属(例えば、銅含有及びタングステン含有)製品の洗浄及び保護にも有用であり得ることが企図される。
【0059】
水性洗浄組成物は、それぞれの成分の単純な添加及び均質な状態への混合によって容易に配合される。さらに、組成物は、使用時点又はその前に混合される単一パッケージ配合物又はマルチパート配合物として容易に配合することができ、例えば、マルチパート配合物の個々のパートは、ツールにおいて、又はツールの上流の貯蔵タンク内で混合することができる。それぞれの成分の濃度は、組成物の特定の倍数で幅広く変化させることができ、すなわち、より希釈すること、又はより濃縮することができ、本明細書に記載の組成物は、本明細書の開示と一致する成分の任意の組み合わせを、様々に及び代替的に含むか、それからなるか、又は本質的にそれからなることができることを理解されたい。
【0060】
したがって、別の態様は、1つ以上の容器内に、本明細書に記載の洗浄組成物を生成するように適合された1つ以上の成分を含むキットに関する。キットは、製造工場又は使用時点で追加の溶媒(例えば、水)と組み合わせるために、1つ以上の容器内に、少なくとも1つの錯化剤と、少なくとも1つの洗浄添加剤と、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つのオキシルアミン化合物と、水と、任意選択的に少なくとも1つのエッチャントと、任意選択的に少なくとも1つの腐食防止剤と、任意選択的に少なくとも1つの還元剤とを含んでもよい。あるいは、キットは、製造工場又は使用時点で少なくとも1つのpH調整剤及び追加の溶媒(例えば、水)と組み合わせるために、1つ以上の容器内に、少なくとも1つの錯化剤と、少なくとも1つの洗浄添加剤と、少なくとも1つのオキシルアミン化合物と、水と、任意選択的に少なくとも1つのエッチャントと、任意選択的に少なくとも1つの腐食防止剤と、任意選択的に少なくとも1つの還元剤とを含んでもよい。キットの容器は、組成物の保管及び輸送に適していなければならず、例えば、NOWPak(登録商標)容器(Entegris,Inc.(米国マサチューセッツ州ビルリカ))であってもよい。
【0061】
水性洗浄組成物の成分を含有する1つ以上の容器は、好ましくは、当該1つ以上の容器内の成分をブレンド及び分配のために流体連通させるための手段を含む。例えば、NOWPak(登録商標)容器を参照すると、当該1つ以上の容器内のライナーの外側にガス圧を加えて、ライナーの内容物の少なくとも一部を排出させ、したがって、ブレンド及び分配のための流体連通を可能にすることができる。あるいは、従来の加圧可能な容器のヘッドスペースにガス圧を加えてもよく、又はポンプを使用して流体連通を可能にしてもよい。さらに、システムは、好ましくは、ブレンドされた除去組成物をプロセスツールに分配するための分配ポートを含む。
【0062】
マイクロ電子製造作業に適用される場合、本明細書に記載の洗浄組成物は、粒子、CMP後残留物、アッシング後残留物、及びエッチング後残留物を含む残留物及び汚染物質をマイクロ電子デバイスの表面から除去するために有用に用いられる。有利には、本明細書に記載の開示された洗浄組成物は、当該技術分野で以前に記載された代替の洗浄組成物と比較して改善されたコバルト適合性を示す。したがって、本開示はさらに、本明細書に記載の洗浄組成物を使用して、残留物及び汚染物質を、当該残留物及び汚染物質を表面に有するマイクロ電子デバイスから除去する方法に関する。
【0063】
方法は、マイクロ電子デバイスから残留物及び汚染物質を少なくとも部分的に除去するのに十分な時間、マイクロ電子デバイスを開示された洗浄組成物と接触させることを含み、使用時に、洗浄組成物を、典型的には、約20℃~約90℃、好ましくは約20℃~約50℃の範囲の温度で、約5秒~約10分、好ましくは約1秒~約20分、好ましくは約15秒~約5分の時間にわたって、デバイスと接触させる。そのような接触時間及び温度は例示的なものであり、方法の広範な実施の範囲内で、デバイスから残留物及び汚染物質を少なくとも部分的に除去するのに効果的な任意の他の好適な時間及び温度条件を用いてもよい。「少なくとも部分的に除去する」及び「実質的な除去」はいずれも、粒子除去の前にデバイス上に存在するセリア粒子の少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、さらにより好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%の除去に対応する。
【0064】
デバイスに接触させ、標的の所望の残留物及び/又は汚染物質を除去した後、洗浄組成物は、本明細書に記載の組成物の所与の最終使用用途において所望され、効果的であり得るように、水性除去組成物が先に適用されたデバイスから容易に除去され得る。例えば、好ましくは、すすぎ溶液が使用されてもよく、すすぎ溶液には脱イオン水が含まれる。その後、当該技術分野で知られているように、窒素又は遠心脱水サイクルを使用してデバイスを乾燥させることができる。
【0065】
本開示のさらに別の態様は、本明細書に記載の方法に従って製造された改善されたマイクロ電子デバイス、及びそのようなマイクロ電子デバイスを含む製品に関する。別の態様は、リサイクルされた洗浄組成物に関し、組成物は、当業者によって容易に決定されるように、粒子及び/又は汚染物質の負荷が水性除去組成物が適応できる最大量に達するまでリサイクルされ得る。そのため、本明細書に開示の洗浄組成物は、残留物及び/又は汚染物質を含み得る。残留物及び汚染物質は、組成物中に溶解していてもよい。あるいは、残留物及び汚染物質は、組成物中に懸濁させてもよい。好ましくは、残留物は、CMP後残留物、エッチング後残留物、アッシング後残留物、汚染物質、又はそれらの組み合わせを含む。さらに別の態様は、マイクロ電子デバイスを含む物品を製造する方法に関し、当該方法は、マイクロ電子デバイスから残留物及び/又は汚染物質を除去するのに十分な時間、マイクロ電子デバイスを本発明の洗浄組成物と接触させることと、洗浄されたマイクロ電子デバイスを物品に組み込むこととを含む。別の態様は、この方法によって製造された物品に関する。
【実施例
【0066】
本開示の洗浄組成物の特徴及び利点を、以下の非限定的な例によりさらに詳しく説明し、すべての部及び百分率は、特に明記されていない限り、重量による。残留物及び汚染物質、例えば、CMP後残留物、エッチング後残留物、アッシング後残留物、及びマイクロ電子デバイス構造体からの汚染物質を除去するのに特に有用であるが、表面に存在するコバルト含有材料に対して依然として適合性である洗浄組成物を開示する。
【0067】
実施例1
以下の実施例は、少なくとも1つのヒドロキシルアミンの洗浄組成物への添加の効率を実証する。
【0068】
2つの組成物を調製し、以下の表1に示す。表中のすべての数値は、総組成に基づく重量%を指し、合計100%に対するあらゆる不足は、四捨五入によるものに過ぎない。
【0069】
示されるように、比較例1と実施例1との組成物間の唯一の違いは、ある量の水をDEHAで置き換えることである。比較例1は、本開示によるものではない比較例である。
【0070】
各組成物を、60:1の水対組成物の比で脱イオン水で希釈し、次いで、コバルトの試験片を、各希釈組成物に30℃の温度で15分間曝露した。コバルト試験片のエッチングの程度を決定し、表1に示した。見て分かるように、比較例1の洗浄組成物は、0.02の標準偏差で0.6A/分のエッチング速度を示した。比較すると、実施例1の組成物は、0.05の標準偏差で0.4A/分のエッチング速度を示した。これらの結果は、DEHAなどのヒドロキシルアミンを含有させることがコバルトエッチングの低減に有効であることを示している。
【0071】
実施例2~3
以下の実施例は、少なくとも1つのヒドロキシルアミンを含み、高いコバルト適合性を有する本開示の洗浄組成物を実証する。
【0072】
少なくとも1つの錯化剤と、少なくとも1つの洗浄添加剤と、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つのヒドロキシルアミンとを含む本開示の組成物を調製した。組成は以下の通りであった。
実施例2:18.2%水酸化コリン(46.7%水溶液として添加)、1.13%MEA、0.05%システイン、4.9%DEHA、及び75.625%脱イオン水。組成物のpHは13.5であった。
実施例3:2.09%KOH(45%水溶液として添加)、1.25%MEA、0.1%システイン、0.8%HEDP(60%水溶液として添加)、5.3%モルホリン、1%1-ブトキシ-2-プロパノール、3%DMSO、0.9%DEHA、及び85.56%脱イオン水。
すべての数値は、総組成に基づく重量%を指し、合計100%に対するあらゆる不足は、四捨五入によるものに過ぎない。
【0073】
各組成物を、60:1の水対組成物の比で脱イオン水で希釈した。次いで、コバルトの試験片を、各希釈組成物に30℃の温度で15分間曝露し、コバルト試験片のエッチングの程度を決定した。ヒドロキシルアミンとしてDEHAを含有する実施例2及び実施例3の両方の組成物は、それらのコバルトエッチング速度の低下に基づいてコバルト適合性が改善されたことが分かった。
【0074】
実施例4~13
以下の実施例は、コバルト基板からシリカスラリーを除去するための少なくとも1つのヒドロキシルアミンを含む本開示の様々な洗浄組成物の効率を実証する。
【0075】
少なくとも1つの錯化剤と、少なくとも1つの洗浄添加剤と、少なくとも1つのpH調整剤と、少なくとも1つのヒドロキシルアミンとを含む本開示の組成物を調製し、以下の表2に示す。表中のすべての数値は、総組成に基づく重量%を指し、合計100%に対するあらゆる不足は、四捨五入によるものに過ぎない。
【0076】
示された組成物を調製し、水で100:1に希釈した。コバルト試験片をシリカ含有スラリーに5分間浸漬し、脱イオン水で30秒間すすぎ、次いで洗浄組成物に60秒間浸漬し、続いて2回目の脱イオン水すすぎで30秒間すすいだ。浸漬中の温度は室温であった。洗浄の程度を、走査電子顕微鏡法(SEM)を使用して決定し、結果を以下の表3に示す。
【0077】
示されるように、ジエチルヒドロキシルアミンを含有する洗浄組成物のそれぞれは、コバルト含有基板からシリカスラリー粒子を効果的に除去することができた。したがって、ヒドロキシルアミンを含有する組成物は、(実施例1~3のエッチング速度の低下によって示されるように)効果的なコバルト適合性を維持しながらコバルト基板から残留粒子を除去することができる。
【0078】
本明細書では、例示的な実施形態及び特徴を参照して本発明を様々に開示したが、上記の実施形態及び特徴は、本発明を限定することを意図するものではないこと、並びに当業者であれば、本明細書の開示に基づいて、他の変形、変更及び他の実施形態を想起し得ることを理解されたい。したがって、本発明は、以下に記載される特許請求の範囲の趣旨及び範囲に含まれるすべてのそのような変形、変更及び代替実施形態を包含するものとして広く解釈されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2021-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
残留物及び汚染物質を、それらを表面に有するマイクロ電子デバイスから除去するための洗浄組成物であって、洗浄組成物が、少なくとも1つの錯化剤と、少なくとも1つの洗浄添加剤と、少なくとも1つのpH調整剤と、水と、少なくとも1つのオキシルアミン化合物又はその塩とを含む、洗浄組成物。
【請求項2】
錯化剤が、アミノエチルエタノールアミン、N-メチルアミノエタノール、アミノエトキシエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、ジエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、モノエタノールアミン(MEA)、トリエタノールアミン(TEA)、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、アミノプロピルジエタノールアミン、N,N-ジメチルプロパノールアミン、N-メチルプロパノールアミン、1-アミノ-2-プロパノール、2-アミノ-1-ブタノール、イソブタノールアミン、トリエチレンジアミン、4-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン(HEM)、1,2-シクロヘキサンジアミン-N,N,N’,N’-四酢酸(CDTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、m-キシレンジアミン(MXDA)、イミノ二酢酸(IDA)、2-(ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸(HIDA)、ニトリロ三酢酸、チオ尿素、1,1,3,3-テトラメチル尿素、尿素、尿素誘導体、尿酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(HEDP)、1,5,9-トリアザシクロドデカン-N,N’,N’’-トリス(メチレンホスホン酸)(DOTRP)、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-N,N’,N’’,N’’’-テトラキス(メチレンホスホン酸)(DOTP)、ニトリロトリス(メチレン)トリホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタキス(メチレンホスホン酸)(DETAP)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、ビス(ヘキサメチレン)トリアミンペンタメチレンホスホン酸、1,4,7-トリアザシクロノナン-N,N’,N’’-トリス(メチレンホスホン酸)(NOTP)、ヒドロキシエチルジホスホネート、ニトリロトリス(メチレン)ホスホン酸、2-ホスホノ-ブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸、カルボキシエチルホスホン酸、アミノエチルホスホン酸、グリホサート、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)フェニルホスホン酸、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、アジピン酸、フタル酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸アンモニウム、トリカルバリル酸、トリメチロールプロピオン酸、酒石酸、グルクロン酸、2-カルボキシピリジン、4,5-ジヒドロキシ-1,3-ベンゼンジスルホン酸二ナトリウム塩、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される種を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項3】
洗浄添加剤が、2-ピロリジノン、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-ピロリジノン(HEP)、グリセロール、1,4-ブタンジオール、テトラメチレンスルホン(スルホラン)、ジメチルスルホン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、テトラグリム、ジグリム、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、イソプロパノール、オクタノール、エタノール、ブタノール、メタノール、イソホロン、グリコールエーテル(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGBE)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル(TEGBE)、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(EGHE)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(DEGHE)、エチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールフェニルエーテル、ヘキサエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、トリプロピレングリコールメチルエーテル(TPGME)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル(DPGPE)、トリプロピレングリコールn-プロピルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル(DOWANOL PnBなど)、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル(PPh、DOWANOL PPhなど)、4-メチル-2-ペンタノン、2,4-ジメチル-3-ペンタノン、シクロヘキサノン、5-メチル-3-ヘプタノン、3-ペンタノン、5-ヒドロキシ-2-ペンタノン、2,5-ヘキサンジオン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、アセトン、ブタノン、2-メチル-2-ブタノン、3,3-ジメチル-2-ブタノン、4-ヒドロキシ-2-ブタノン、シクロペンタノン、2-ペンタノン、3-ペンタノン、1-フェニルエタノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、2-ヘキサノン、3-ヘキサノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、2,6-ジメチル-4-ヘプタノン、2-オクタノン、3-オクタノン、4-オクタノン、ジシクロヘキシルケトン、2,6-ジメチルシクロヘキサノン、2-アセチルシクロヘキサノン、2,4-ペンタンジオン、メントン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC)、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS);Surfynol 104、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアミノ酸、ポリアミドヒドロキシウレタン、ポリラクトン、ポリアクリルアミド、キサンタンガム、キトサン、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸、ポリエチレンイミン、ソルビトールエステル、キシリトール、無水ソルビトールのエステル、第二級アルコールエトキシレート、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、ポリ(エチレングリコールメタクリレート)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される種を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項4】
pH調整剤が、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、水酸化アンモニウム、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAH)、水酸化テトラプロピルアンモニウム(TPAH)、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)、水酸化トリブチルメチルアンモニウム(TBMAH)、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム(BTMAH)、水酸化コリン、水酸化エチルトリメチルアンモニウム、水酸化トリス(2-ヒドロキシエチル)メチルアンモニウム、水酸化ジエチルジメチルアンモニウム、水酸化テトラブチルホスホニウム(TBPH)、水酸化テトラメチルホスホニウム、水酸化テトラエチルホスホニウム、水酸化テトラプロピルホスホニウム、水酸化ベンジルトリフェニルホスホニウム、水酸化メチルトリフェニルホスホニウム、水酸化エチルトリフェニルホスホニウム、水酸化N-プロピルトリフェニルホスホニウム、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される種を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項5】
オキシルアミン化合物が、次式:
[式中、R及びRが、互いに同じであっても異なっていてもよく、水素及び直鎖状アルキル、環状アルキル、又は分岐状アルキルからなる群から選択される。]
を有するヒドロキシルアミン化合物又はその塩を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項6】
オキシルアミン化合物が、次式:
[式中、R及びRが、互いに同じであっても異なっていてもよく、水素及び直鎖状アルキル、環状アルキル、又は分岐状アルキルからなる群から選択される。]
を有するアミノキシル化合物を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項7】
洗浄組成物が、少なくとも1つのエッチャントをさらに含み、エッチャントが、モルホリン、ジグリコールアミン、3-ブトキシプロピルアミン、プロピレングリコールモノブチルエーテル(DOWANOL PnB)、ヒドロキシエチルモルホリン、ヒドロキシプロピルモルホリン、アミノエチルモルホリン、アミノプロピルモルホリン、ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、ピペラジン、N,N-ジメチルプロパノールアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラミン、トリメチルアミノエチルエタノールアミン、トリメチルアミノプロピルエタノールアミン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される種を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項8】
洗浄組成物が、少なくとも1つの腐食防止剤をさらに含み、腐食防止剤が、酢酸、アセトンオキシム、アクリル酸、アジピン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、ベタイン、ジメチルグリオキシム、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、グルタミン、グルタル酸、グリセリン酸、グリセン、グリコール酸、グリオキシル酸、ヒスチジン、イミノ二酢酸、イソフタル酸、イタコン酸、乳酸、ロイシン、リジン、マレイン酸、無水マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、2,4-ペンタンジオン、フェニル酢酸、フェニルアラニン、フタル酸、プロリン、プロピオン酸、ピロカテコール、ピロメリット酸、キナ酸、セリン、ソルビトール、コハク酸、酒石酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、チロシン、バリン、キシリトール、シュウ酸、タンニン酸、ピコリン酸、1,3-シクロペンタンジオン、カテコール、ピロガロール、レゾルシノール、ヒドロキノン、シアヌル酸、バルビツール酸、1,2-ジメチルバルビツール酸、ピルビン酸、プロパンチオール、ベンゾヒドロキサム酸、2,5-ジカルボキシプリジン、4-(2-ヒドロキシエチル)モルホリン(HEM)、N-アミノエチルピペラジン(N-AEP)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、1,2-シクロヘキサンジアミン-N,N,N’,N’-四酢酸(CDTA)、N-(ヒドロキシエチル)-エチレンジアミン三酢酸(HEdTA)、イミノ二酢酸(IDA)、2-(ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸(HIDA)、ニトリロ三酢酸、チオ尿素、1,1,3,3-テトラメチル尿素、尿素、尿素誘導体、グリシン、システイン、グルタミン酸、イソロイシン、メチオニン、ピペラジン、N-(2-アミノエチル)ピペラジン、ピロリジン、スレオニン、トリプトファン、サリチル酸、p-トルエンスルホン酸、サリチルヒロキサム酸、5-スルホサリチル酸、トリアゾール、アミノトリアゾール、ジメチルプロパルギルアルコール、ラウロイルサルコシン、ステロイルサルコシン、サッカリン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される種を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項9】
洗浄組成物が、少なくとも1つの還元剤をさらに含み、還元剤が、アスコルビン酸、L(+)-アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、亜硫酸、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウム、ドーパミンHCl、亜リン酸、ホスフィン酸、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモニウム、ヒドロキシルアミン、ピルビン酸カリウム、ピルビン酸ナトリウム、ピルビン酸アンモニウム、ギ酸、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸アンモニウム、ドーパミン、二酸化硫黄溶液、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される種を含む、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項10】
残留物及び汚染物質を、残留物及び汚染物質を表面に有するマイクロ電子デバイスから除去する方法であって、マイクロ電子デバイスから残留物及び汚染物質を少なくとも部分的に除去するのに十分な時間、マイクロ電子デバイスを洗浄組成物と接触させることを含み、洗浄組成物が、少なくとも1つの錯化剤と、少なくとも1つの洗浄添加剤と、少なくとも1つのpH調整剤と、水と、少なくとも1つのオキシルアミン化合物又はその塩とを含む、方法。
【国際調査報告】