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特表2022-515037複数ビームを用いたインレンズウェーハプリチャージ及び検査
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  • 特表-複数ビームを用いたインレンズウェーハプリチャージ及び検査 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-17
(54)【発明の名称】複数ビームを用いたインレンズウェーハプリチャージ及び検査
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/28 20060101AFI20220209BHJP
   H01J 37/147 20060101ALI20220209BHJP
【FI】
H01J37/28 B
H01J37/147 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531898
(86)(22)【出願日】2019-11-22
(85)【翻訳文提出日】2021-07-29
(86)【国際出願番号】 EP2019082179
(87)【国際公開番号】W WO2020141030
(87)【国際公開日】2020-07-09
(31)【優先権主張番号】62/787,128
(32)【優先日】2018-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】イン,ウェイフア
(72)【発明者】
【氏名】ジアン,ヨウフェイ
【テーマコード(参考)】
5C101
【Fターム(参考)】
5C101AA03
5C101BB03
5C101EE03
5C101EE14
5C101EE22
5C101EE25
5C101EE33
5C101EE38
5C101EE40
5C101EE62
5C101EE65
5C101EE73
5C101EE78
5C101FF25
5C101GG04
5C101GG05
(57)【要約】
荷電粒子システム(400)は、第1の軸(470)上に設けられた第1の荷電粒子ビーム源(410)と、第2の軸上に設けられた第2の荷電粒子ビーム源(420)とを含む。第1の軸上に配置された偏向器(430)も設けられる。偏向器は、第2の荷電粒子ビーム源から生成されたビームをサンプル(403)に向けて偏向させるように構成される。荷電粒子ビームシステムを動作させる方法は、偏向器(430)を動作させる第1の状態及び第2の状態間のスイッチングを行うことを含む。第1の状態では、第1の荷電粒子ビーム源から生成された第1の荷電粒子ビームのブランキングが行われ、及び第2の荷電粒子ビーム源から生成された第2の荷電粒子ビームがサンプルに向けられる。第2の状態では、第2の荷電粒子ビームのブランキングが行われ、及び第1の荷電粒子ビームが、サンプルに向けられる。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の軸上に設けられた第1の荷電粒子ビーム源と、
第2の荷電粒子ビーム源と、
前記第1の軸上に配置されたコンポーネントであって、前記第2の荷電粒子ビーム源から生成されたビームをサンプルに向けて偏向させるように構成されたコンポーネントと、
を含む、荷電粒子ビームシステム。
【請求項2】
前記コンポーネントが、磁場又は電場を生成するように構成された、請求項1に記載の荷電粒子ビームシステム。
【請求項3】
前記磁場又は前記電場を生成するように構成された前記コンポーネントが、前記磁場及び前記電場を生成するように構成された偏向器を含む、請求項2に記載の荷電粒子ビームシステム。
【請求項4】
前記コンポーネントが、対物レンズの領域に配置される、請求項1に記載の荷電粒子ビームシステム。
【請求項5】
たった1つの対物レンズが、前記荷電粒子ビームシステムに設けられる、請求項4に記載の荷電粒子ビームシステム。
【請求項6】
可調電圧を前記コンポーネントに供給するように構成されたドライバをさらに含む、請求項1に記載の荷電粒子ビームシステム。
【請求項7】
前記荷電粒子ビームシステムが、第1の状態及び第2の状態間のスイッチングを行うように構成され、前記第2の状態では、前記第1の荷電粒子ビーム源から生成された第1の荷電粒子ビームが前記サンプルに向けられ、前記第1の状態では、前記第2の荷電粒子ビーム源から生成された第2の荷電粒子ビームが前記サンプルに向けられる、請求項1に記載の荷電粒子ビームシステム。
【請求項8】
前記コンポーネントが、前記第1の状態及び前記第2の状態間のスイッチングを行うように構成される、請求項7に記載の荷電粒子ビームシステム。
【請求項9】
前記第1の状態及び前記第2の状態間で前記コンポーネントのスイッチングを行うように構成されたコントローラをさらに含む、請求項8に記載の荷電粒子ビームシステム。
【請求項10】
上に前記第2の荷電粒子ビーム源が設けられる第2の軸と、前記第1の軸との間の角度が、30度未満である、請求項1に記載の荷電粒子ビームシステム。
【請求項11】
前記角度が、10~20度である、請求項10に記載の荷電粒子ビームシステム。
【請求項12】
前記第2の荷電粒子ビーム源から生成されたビームを集束させるように構成された、前記第2の荷電粒子ビーム源に設けられる静電レンズをさらに含む、請求項1に記載の荷電粒子ビームシステム。
【請求項13】
荷電粒子ビームシステムを動作させる方法であって、前記方法が、
コンポーネントを動作させる第1の状態及び第2の状態間のスイッチングを行うことであって、前記コンポーネントが、磁場及び電場を生成するように構成される、スイッチングを行うことを含み、
前記第1の状態の時は、第1の荷電粒子ビーム源から生成された第1の荷電粒子ビームのブランキングが行われ、及び第2の荷電粒子ビーム源から生成された第2の荷電粒子ビームがサンプルに向けられ、
前記第2の状態の時は、前記第2の荷電粒子ビームのブランキングが行われ、及び前記第1の荷電粒子ビームが、前記サンプルに向けられる、方法。
【請求項14】
前記第1の状態において、第1の電圧を前記コンポーネントに供給することと、
前記第2の状態において、第2の電圧を前記コンポーネントに供給することと、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の電圧が、前記第2の電圧よりも低い、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2018年12月31日に出願された米国特許出願第62/787,128号の優先権を主張するものであり、該出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本明細書で提供される実施形態は、1つ又は複数の電子ビームを利用する電子顕微鏡装置などの、1つ又は複数の荷電粒子ビームを用いた荷電粒子装置で適用可能となり得る荷電粒子光学系に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 集積回路(IC)の製造プロセスにおいて、回路コンポーネントは、それらが設計に従って製造されること、及び欠陥がないことを確実にするために検査されることがある。パターン欠陥、望ましくない粒子(例えば、残留物)などが、製造中にウェーハ又はマスク上に現れることがあり、それによって、歩留まりが低下することがある。例えば、望ましくない粒子は、ICチップのますます高度な性能要件を満たすために採用されたかもしれない、より小さなクリティカルフィーチャディメンジョンを有するパターンの場合に面倒なことがある。
【0004】
[0004] 1ナノメートル未満に至るまでの分解能が可能な走査電子顕微鏡(SEM)又は透過電子顕微鏡(TEM)などの荷電粒子(例えば、電子)ビーム顕微鏡は、例えば、サブ100ナノメートルスケールに至るまでのフィーチャサイズを有するICコンポーネントを検査するための実用的ツールとして機能し得る。SEMツールでは、比較的高いエネルギーを有する一次電子ビームが、比較的低いランディングエネルギーでサンプル上にランディングするように減速させられることが可能で、その上にプローブスポットを形成するように集束させられることが可能である。集束プローブスポットにおけるサンプル上への一次電子の入射により、二次電子が、その表面から生成され得る。サンプル表面に渡ってプローブスポットを走査すること、及び二次電子を収集することによって、検査ツールは、サンプル表面の画像を取得することができる。
【0005】
[0005] 用途によっては、サンプル上の物理的欠陥及び電気的欠陥は、荷電粒子ビーム検査システムの電圧コントラスト法を用いて検出され得る。しかし、これらの従来のシステムでは、改良が必要である。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本開示の実施形態は、第1の軸上に設けられた第1の荷電粒子ビーム源と、第2の軸上に設けられ得る第2の荷電粒子ビーム源とを含み得る、荷電粒子光学系を提供し得る。第2の荷電粒子ビーム源から生成されたビームをサンプルに向けて偏向させるように構成された、第1の軸上に配置されたコンポーネントも提供され得る。第1の荷電粒子ビーム源は、走査電子顕微鏡の一次電子ビーム源でもよい。コンポーネントは、偏向器、静電レンズ、磁気レンズ、ウィーンフィルタなどを含み得る。
【0007】
[0007] 荷電粒子ビームシステムを動作させる方法も提供され得る。この方法は、コンポーネントを動作させる第1の状態及び第2の状態間のスイッチングを行うことを含み得る。コンポーネントは、磁場又は電場を生成するように構成され得る。第1の状態では、第1の荷電粒子ビーム源から生成された第1の荷電粒子ビームのブランキングが行われ、及び第2の荷電粒子ビーム源から生成された第2の荷電粒子ビームがサンプルに向けられ得る。第2の状態では、第2の荷電粒子ビームのブランキングが行われ、及び第1の荷電粒子ビームが、サンプルに向けられ得る。第1の状態は、プリチャージ動作に対応し、及び第2の状態は、撮像動作に対応し得る。
【0008】
[0008] 実施形態によっては、プリチャージ及び撮像間のスイッチングは、より高速に、且つより効率的にされ得る。さらに、システム設計の自由度が向上され得る。
【0009】
[0009] 開示する実施形態の追加の目的及び利点が、以降の説明において部分的に記載され、その説明から部分的に明らかになるか、又は、実施形態を実施することによって学ばれることがある。開示する実施形態の目的及び利点は、本開示に記載される要素及び組み合わせによって実現され、達成されることがある。しかしながら、本開示の例示的な実施形態は、そのような例示的な目的及び利点を達成する必要は必ずしもなく、幾つかの実施形態は、記述した目的及び利点の何れも達成しないことがある。
【0010】
[0010] 前述の一般的な説明及び以降の詳細な説明の両方とも、例示的であり説明のためのみのものであり、開示する実施形態を限定するものではないことを、理解されたい。
【0011】
[0011] 本開示の上記の及び他の態様が、添付の図面と共に解釈される例示的な実施形態の説明により、一層明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】[0012]本開示の実施形態と一致した、例示的な電子ビーム検査(EBI)システムを示す概略図である。
図2A】[0013]図1の電子ビーム検査システムの一部であり得る、本開示の実施形態と一致した、例示的な電子ビームツールを示す。
図2B】[0013]図1の電子ビーム検査システムの一部であり得る、本開示の実施形態と一致した、例示的な電子ビームツールを示す。
図3】[0014]本開示の実施形態と一致した、充電及び検査の例示的な時間特性を示す。
図4】[0015]図1の電子ビーム検査システムの一部であり得る、本開示の実施形態と一致した、例示的な電子ビームツールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0016] ここで、例示的な実施形態を詳細に参照する。これらの実施形態の例が、添付の図面に示されている。以下の説明は添付の図面を参照し、異なる図面中の同じ番号は、特に断りの無い限り、同じ又は同様の要素を表す。例示的な実施形態の以下の説明文中に記載される実施態様は、本発明と一致する全ての実施態様を表すものではない。その代わり、それらは、添付の特許請求の範囲に列挙されるような本発明に関連する態様と一致するシステム、装置、及び方法の単なる例にすぎない。図面において、コンポーネントの相対寸法は、見やすくするために、誇張されることがある。
【0014】
[0017] 電子デバイスの物理的サイズを縮小させながら、デバイスの計算能力を向上させることは、ICチップ上のトランジスタ、キャパシタ、ダイオードなどの回路コンポーネントの集積密度を大幅に増加させることによって達成することができる。例えば、スマートフォンでは、ICチップ(親指の爪のサイズの場合がある)は、20億を超えるトランジスタを含むことができ、各トランジスタのサイズは、人間の髪の毛の1000分の1未満である。当然のことながら、半導体IC製造は、数百の個々のステップを有する複雑なプロセスである。1つのステップの誤差でも、最終製品の機能に劇的な影響を与える可能性がある。1つの「キラー欠陥」でも、デバイスの故障を生じさせ得る。製造プロセスの目標は、プロセスの全体的な歩留まりを向上させることである。例えば、50のステップから成るプロセスが、75%の歩留まりを得るためには、個々のステップは、99.4%を超える歩留まりを有していなければならず、個々のステップの歩留まりが95%の場合は、全体的なプロセス歩留まりは、7%にまで低下する。
【0015】
[0018] (例えば、1時間当たりに処理されるウェーハの数で定義される)高スループットを維持しながら、高精度及び高分解能で欠陥を検出する能力を確実にすることがますます重要である。高プロセス歩留まり及び高ウェーハスループットは、特にオペレータの介入が関係している場合に、欠陥の存在によって影響されることがある。従って、検査ツール(SEMなど)によるマクロサイズ及びナノサイズの欠陥の検出及び識別が、高歩留まり及び低コストを維持するために重要である。
【0016】
[0019] 上述の通り、用途によっては、サンプル上の物理的欠陥及び電気的欠陥は、荷電粒子ビーム検査システムの電圧コントラスト法を用いて検出することができる。電圧コントラスト欠陥を検出するために、一般的に、検査を行う前に、被検査エリアに荷電粒子が印加されるプリチャージと呼ばれるプロセスが用いられる。プリチャージの利点は、中でも、1)検査(例えば、電圧コントラスト検査)中に、欠陥フィーチャ及び周囲の非欠陥フィーチャを異なるように挙動させるのに十分な電圧をウェーハのフィーチャ上で生成するために、十分な荷電粒子をウェーハに供給する能力と、2)十分な信号対雑音比(SNR)を取得することができ、及び荷電粒子検査システムにおいて欠陥が簡単に検出され得るように、欠陥の電圧コントラスト信号を強調することとを含み得る。
【0017】
[0020] 従来のシステムでは、プリチャージは、検査のために一次ビームを使用する前に、サンプル表面に渡って、荷電粒子検査ツールの一次ビームを走査することによって達成され得る。代替的に、ウェーハ表面のプリチャージを行い、及びチャージ条件を設定するために、別個の荷電粒子源が使用されてもよい。欠陥検出感度又はスループットを上げるために、専用eビームフラッド銃などの別個の荷電粒子源を用いて、電圧コントラスト欠陥信号を強調してもよい。フラッディング工程では、フラッド銃を用いて、所定のエリアを充電するために比較的大量の電子を提供し得る。その後、eビーム検査システムの一次電子源が、プリチャージエリア内のエリアを走査して、そのエリアの撮像を実現するために印加され得る。
【0018】
[0021] しかし、現在のプリチャージ技術は、以下の制限の幾つかに直面し得る。第一に、用途によっては、臨界充電減衰期間が存在することがある。例えば、サンプル表面上の蓄積電荷は、比較的速く減衰することがあり、従って、一部の用途は、プリチャージから検査への高速スイッチングを必要とし得る。これは、検査のシステム及び方法に制約を課し得る。追加的に、一部の現在の技術は、サンプルを支持するステージを物理的に動かすこと(これは、時間がかかり、且つ誤差の原因を導入する)を伴い得る。
【0019】
[0022] 第二に、スループットが制限され得る。例えば、3D NANDなどの特定の用途は、ストリップごとのプリチャージを必要とし得る。プリチャージ及び検査走査間の頻繁なスイッチングが必要とされ得る。スイッチング事象に関連する時間及び労力は、プロセススループットに悪影響を及ぼし得る。
【0020】
[0023] 第三に、専用フラッド銃が設けられる場合、その性能は、コスト制約によって、荷電粒子検査システム内の他のサブシステムに従属するサブコンポーネントであることによって、又はサンプルがフラッド銃のビーム経路内にあるように物理的に移動される必要があることによって生じる減衰によって、制限され得る。さらに、従来のフラッド銃は、例えばSEMの一次ビーム源と比較して、はるかにより単純化された制御を有し得る。従って、フラッド銃は、制限された可制御性及び低い精度を有し得る。追加的に、より精密な可制御性を有するように専用フラッド銃を改良することによって上記制限に対処しようとする試みは、非現実的なほど高価となり得る。また、実装上の制約は、荷電粒子ビーム検査システム内の空間を占有する専用フラッド銃に対して可能な変更量を制限し得る。
【0021】
[0024] 第四に、検査システムの一次ビームがプリチャージに使用される場合、一次ビームフラッディングが、開口部汚染を生じさせ得る。検査システムの一次ビームは、開口部を大量の電子に曝露させるように構成されることがあり、開口部は、容易に汚染され得る。
【0022】
[0025] これらの従来の検査ツールを要約すると、サンプルのプリチャージを用いて、撮像を行う前に、サンプル表面上に電荷を堆積させ得る。用途によっては、サンプル上の蓄積電荷は、非常に速く減衰し得る。従って、撮像を行い続けるために、サンプル上で適切なレベルの電荷を維持するために、プリチャージプロセスと撮像プロセスとの間を行ったり来たりスイッチングする必要があり得る。しかし、プリチャージ及び撮像間のスイッチングは、多数の面倒な問題を伴い得る。例えば、上述したように、スイッチングは、時間がかかりすぎること、スループットに悪影響がでること、制御が難しいこと、及び開口部の汚染につながることがある。従って、プリチャージ及び撮像を行うのに役立ち得る、改良されたシステム及び方法が望まれる。
【0023】
[0026] 本開示は、中でも、荷電粒子撮像のシステム及び方法を提供する。実施形態によっては、一次荷電粒子ビーム源に加えて、別個の専用の第2の荷電粒子ビーム源が設けられる。一次荷電粒子ビーム源及び第2の荷電粒子ビーム源は、単一の対物レンズを共有するように構成されてもよい。第2の荷電粒子ビーム源は、それが、ウィーンフィルタなどのアライメント偏向器によって軌道が調節され得るビームを生成できるように、ある特定の角度又は角度範囲で配置されてもよい。さらに、アライメント偏向器は、第1の動作状態及び第2の動作状態で動作するように構成されてもよく、第1の動作状態及び第2の動作状態間の変更は、アライメント偏向器に印加される電圧を調節することを伴う。従って、プリチャージが行われ得る、荷電粒子ビームシステムの第1の状態、及び撮像が行われ得る第2の状態間のスイッチングが、より高速に行われ得る。
【0024】
[0027] 本開示の範囲を限定することなく、実施形態の説明及び図面は、電子ビームを使用すると例示的に表現されることがある。しかし、これらの実施形態は、本発明を特定の荷電粒子に限定するために使用されるものではない。例えば、ビーム形成のためのシステム及び方法は、光子、x線、及びイオンなどに適用することができる。さらに、「ビーム」という用語は、中でも、一次電子ビーム、一次電子ビームレット、二次電子ビーム、又は二次電子ビームレットを指し得る。
【0025】
[0028] 本明細書では、別段の具体的な記載のない限り、「又は」という用語は、実行不可能な場合を除き、全ての可能な組み合わせを包含する。例えば、あるコンポーネントがA又はBを含むと記載される場合、別段の具体的な記載のない限り、又は実行不可能でない限り、このコンポーネントは、A、又はB、又はA及びBを含み得る。第2の例として、あるコンポーネントが、A、B、又はCを含むと記載される場合、別段の具体的な記載のない限り、又は実行不可能でない限り、このコンポーネントは、A、又はB、又はC、又はA及びB、又はA及びC、又はB及びC、又はA及びB及びCを含み得る。
【0026】
[0029] 本開示の実施形態は、以下に述べられる多数の他の利点を実現し得る。
【0027】
[0030] ここで図1を参照する。図1は、本開示の実施形態と一致した検出器を含むことがある、例示的な電子ビーム検査(EBI)システム10を示す。EBIシステム10は、撮像のために使用されることがある。図1に示すように、EBIシステム10は、メインチャンバ11、装填/ロックチャンバ20、電子ビームツール100、及び機器フロントエンドモジュール(EFEM)30を含む。電子ビームツール100は、メインチャンバ11内部に配置されている。EFEM30は、第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bを含む。EFEM30は、追加の装填ポートを含むことがある。第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bは、検査されるべきウェーハ(例えば、半導体ウェーハ、又は他の材料で作られたウェーハ)又はサンプル(ウェーハ及びサンプルは、本明細書ではまとめて「ウェーハ」と呼ばれることがある)を収容するウェーハFOUP(front opening unified pod)を受け取る。
【0028】
[0031] EFEM30内の1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)が、ウェーハを装填/ロックチャンバ20に運ぶことができる。装填/ロックチャンバ20は、装填/ロック真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、このポンプシステムは、大気圧よりも低い第1の圧力に達するように、装填/ロックチャンバ20内のガス分子を除去する。第1の圧力に達した後、1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)がウェーハを装填/ロックチャンバ20からメインチャンバ11に運ぶことができる。メインチャンバ11は、メインチャンバ真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、このポンプシステムは、第1の圧力よりも低い第2の圧力に達するように、メインチャンバ11内のガス分子を除去する。第2の圧力に達した後、ウェーハは電子ビームツール100による検査にかけられる。電子ビームツール100は、シングルビームシステム又はマルチビームシステムでもよい。コントローラ109は、電子ビームツール100に電子的に接続されており、他のコンポーネントにも同様に電子的に接続されてもよい。コントローラ109は、EBIシステム10の様々な制御を実行するように構成されたコンピュータでもよい。図1では、コントローラ109は、メインチャンバ11、装填/ロックチャンバ20、及びEFEM30を含む構造の外部にあるものとして示されているが、コントローラ109は構造の一部であり得ることを理解されたい。
【0029】
[0032] 図2Aは、開示の実施形態と一致した、EBIシステム10で使用され得る例示的な電子ビームツール100Aを示す概略図である。図2Aに示されるように、電子ビームツール100Aは、電動式ステージ150、及び被検査ウェーハ103を保持するために電動式ステージ150によって支持されるウェーハホルダ102を含む。電子ビームツール100Aは、複合対物レンズ104、電子検出器106、対物レンズ開口部108、集光レンズ110、ビーム制限開口部112、銃開口部114、アノード116、及びカソード118をさらに含み、これらの1つ又は複数は、電子ビームツール100Aの光軸170と位置合わせされてもよい。
【0030】
[0033] 複合対物レンズ104は、実施形態によっては、磁極片104a、制御電極104b、偏向器又は偏向器のセット104c、及び励磁コイル104dを含む修正されたSORIL(swing objective retarding immersion lens)を含んでもよい。電子ビームツール100Aは、追加的に、ウェーハ上の材料を特徴付けるために、エネルギー分散X線スペクトロメータ(EDS)検出器(図示せず)を含んでもよい。
【0031】
[0034] 一次電子ビーム120は、アノード116とカソード118との間に電圧を印加することによって、カソード118から放出され得る。一次電子ビーム120は、銃開口部114及びビーム制限開口部112を通過し、これらは共に、ビーム制限開口部112の下にある集光レンズ110に入る電子ビームの電流を決定し得る。集光レンズ110は、複合対物レンズ104に入る前に電子ビームの電流を設定するために、ビームが対物レンズ開口部108に入る前に一次電子ビーム120を集束させることができる。
【0032】
[0035] 複合対物レンズ104は、検査のために、一次電子ビーム120をウェーハ103上に集束させることができ、ウェーハ103の表面上にプローブスポット122を形成することができる。偏向器104cは、ウェーハ103に渡ってプローブスポット122を走査するために、一次電子ビーム120を偏向させる。例えば、走査プロセスにおいて、偏向器104cは、異なる複数の時点でウェーハ103の上面の異なる複数の場所に一次電子ビーム120を順次偏向させることによって、ウェーハ103の異なる複数の部分に関する画像再構築のためのデータを提供するように制御され得る。また、偏向器104cは、異なる複数の時点で、ある特定の場所におけるウェーハ103の異なる複数の側面上に一次電子ビーム120を偏向させることによって、その場所におけるウェーハ構造の立体画像再構築のためのデータを提供するようにも制御され得る。さらに、実施形態によっては、アノード116及びカソード118は、複数の一次電子ビーム120を生成するように構成されてもよく、電子ビームツール100Aは、複数の一次電子ビーム120をウェーハ103の異なる複数の部分又は側面に同時に投影するための複数の偏向器104cを含んでもよい。
【0033】
[0036] 電流が励磁コイル104dに印加されると、軸対称(すなわち、光軸170に対して対称)磁場が、ウェーハ表面の領域で生成され得る。一次電子ビーム120によって走査されているウェーハ103の部分は、磁場に浸され得る。ウェーハ表面の近くに軸対称の減速電場を生成するために、異なる電圧が、ウェーハ103、磁極片104a、及び制御電極104bに印加され得る。この電場は、ウェーハの表面近くの衝突する一次電子ビーム120のエネルギーを、それがウェーハ103にぶつかる前に低下させることができる。磁極片104aから電気的に分離された制御電極104bは、ウェーハのマイクロアーク放電を防止し、及び軸対称磁場と共に、ウェーハ表面における適切なビーム集束を確実にするように、ウェーハ上の軸対称電場を制御し得る。
【0034】
[0037] 二次電子ビーム130は、一次電子ビーム120を受け取ると、ウェーハ103の上記部分から放出され得る。二次電子ビーム130は、電子検出器106のセンサー表面によって受け取られ得る。電子検出器106は、二次電子ビーム130の強度を表す信号(例えば、電圧、電流など)を生成し、その信号を電子検出器106と通信状態にあり得るコントローラ109に提供し得る。二次電子ビーム130の強度は、ウェーハ103の外部構造又は内部構造に応じて異なり得る。また、上述の通り、一次電子ビーム120が、ウェーハ103の上面の異なる複数の場所、又はある特定の場所におけるウェーハ103の異なる複数の側面上に投影されることによって、異なる強度の二次電子ビーム130が生成され得る。二次電子ビーム130の強度をウェーハ103の場所にマッピングすることによって、コントローラ109は、ウェーハ103の複数の内部構造又は外部構造を反映した画像を再構築することができる。
【0035】
[0038] また、図2Aは、単一の一次電子ビームを使用し得る電子ビームツール100Aの一例を示すが、EBIシステム10は、複数の一次電子ビームを使用するマルチビーム検査ツールでもよい電子ビームツール100を含んでもよい。本出願は、電子ビームツール100で使用される一次電子ビームの数を限定しない。
【0036】
[0039] 例えば、図2Bに示されるように、電子源202、銃開口部204、集光レンズ206、電子源202から放出される一次電子ビーム210、放射源変換ユニット212、一次電子ビーム210の複数のビームレット214、216、及び218、一次投影光学系220、ウェーハステージ(図2Bには図示せず)、複数の二次電子ビーム236、238、及び240、二次光学系242、並びに電子検出デバイス244を含む電子ビームツール100B(本明細書では、装置100Bとも呼ばれる)が設けられてもよい。コントローラ、画像処理システムなどが、電子検出デバイス244に結合されてもよい。一次投影光学系220は、ビームセパレータ222、偏向走査ユニット226、及び対物レンズ228を含むことがある。電子検出デバイス244は、検出下位領域246、248、及び250を含むことがある。
【0037】
[0040] 電子源202、銃開口部204、集光レンズ206、放射源変換ユニット212、ビームセパレータ222、偏向走査ユニット226、及び対物レンズ228は、装置100Aの一次光軸260と位置合わせされていることがある。二次光学系242及び電子検出デバイス244は、装置100Aの二次光軸252と位置合わせされていることがある。
【0038】
[0041] 電子源202は、カソード、抽出器又はアノードを含むことがあり、一次電子は、カソードから放出され、抽出され又は加速されて、(仮想の又は現実の)クロスオーバー208を伴う一次電子ビーム210を形成することができる。一次電子ビーム210は、クロスオーバー208から放出されるものとして視覚化することができる。銃開口部204は、一次電子ビーム210の周辺電子を遮断して、プローブスポット270、272、及び274のサイズを低減することができる。
【0039】
[0042] 放射源変換ユニット212は、画像形成素子のアレイ(図2Bには図示せず)及びビーム制限開口部のアレイ(図2Bには図示せず)を含むことがある。放射源変換ユニット212の一例は、米国特許第9,691,586号、米国特許出願公開第2017/0025243号、及び国際特許出願第PCT/EP2017/084429号に見つけることができ、これらは全て、全体として援用される。画像形成素子のアレイは、超小型偏向器又は超小型レンズのアレイを含むことがある。画像形成素子のアレイは、一次電子ビーム210の複数のビームレット214、216、及び218を伴う、クロスオーバー208の(仮想の又は現実の)複数の平行な画像を形成することがある。ビーム制限開口部のアレイは、複数のビームレット214、216、及び218を制限することがある。
【0040】
[0043] 集光レンズ206は、一次電子ビーム210を集束させることがある。放射源変換ユニット212の下流のビームレット214、216、及び218の電流は、集光レンズ206の集束力を調節することにより、又は、ビーム制限開口部のアレイ内部の対応するビーム制限開口部の半径サイズを変更することにより、変化させることができる。集光レンズ206は、第1の主平面の位置が移動可能であるように構成されることがある可動集光レンズであり得る。可動集光レンズは磁気性であるように構成されることがあり、これにより、オフアクシスのビームレット216及び218が回転角度を有してビームレット制限開口部に当たることになり得る。回転角度は、集束力、及び可動集光レンズの第1の主平面の位置と共に変化する。実施形態によっては、可動集光レンズは、可動の回転防止集光レンズであることがあり、これは、可動の第1の主平面を有する回転防止レンズを含む。可動集光レンズについては、米国特許出願公開第2017/0025241号に更に記載されており、該特許出願はその全体が参照により組み込まれる。
【0041】
[0044] 対物レンズ228は、検査のために、ビームレット214、216、及び218をウェーハ230上に集束させることができ、ウェーハ230の表面上に複数のプローブスポット270、272、及び274を形成することができる。
【0042】
[0045] ビームセパレータ222は、静電双極子場及び磁気双極子場を生成するウィーンフィルタ型のビームセパレータであり得る。実施形態によっては、それらが適用される場合、ビームレット214、216、及び218の電子に静電双極子場によって作用する力は、磁気双極子場によって電子に作用する力と、大きさが等しく、方向が反対になることがある。従って、ビームレット214、216、及び218は、偏向角ゼロでビームセパレータ222をまっすぐに通過し得る。しかしながら、ビームセパレータ222によって生成されるビームレット214、216、及び218の全分散は、ゼロではないこともある。ビームセパレータ222は、ビームレット214、216、及び218から二次電子ビーム236、238、及び240を分離し、二次電子ビーム236、238、及び240を二次光学系242に向けることができる。
【0043】
[0046] 偏向走査ユニット226は、ビームレット214、216、及び218を偏向させて、ウェーハ230の表面領域に渡って、プローブスポット270、272、274を走査することができる。二次電子ビーム236、238、及び240は、二次電子及び後方散乱電子を含む、エネルギーが分散した電子を含むことがある。二次光学系242は、二次電子ビーム236、238、及び240を、電子検出デバイス244の検出下位領域246、248、及び250に集束させることができる。検出下位領域246、248、及び250は、対応する二次電子ビーム236、238、及び240を検出し、ウェーハ230の表面領域の画像を再構成するのに使用される対応する信号を生成するように構成されることがある。
【0044】
[0047] ここで図3を参照する。図3は、充電及び検査の例示的な時間特性を示す。図3のグラフの横座標は時間を表す。図3のグラフの縦座標は、任意の単位のウェーハ表面の充電量を表す。実施形態によっては、例えば、検査、欠陥点検、又は他のタイプの撮像を行う前に、ウェーハプリコンディショニングが行われてもよい。プリコンディショニングは、ウェーハ表面をプリチャージすることを含み得る。プリチャージは、例えば、米国特許第8,748,815号及び第8,759,762号(これらは共に、全体として本明細書に援用される)に記載されるように、電圧コントラストタイプの欠陥信号を強調するのに役立ち得る。
【0045】
[0048] 図3に示されるように、充電期間310では、ウェーハ表面は、電荷を蓄積し得る。充電期間310は、遷移期間311及び定常状態期間312を含み得る。遷移期間311では、電荷が比較的速く増加し得る。定常状態期間312では、充電の速度は低下し、充電が最大値に近づき得る。充電期間310は、時定数によって表され得る。充電期間310は、ウェーハに対するプリチャージビームの印加に対応し得る。
【0046】
[0049] 検査期間320では、電荷が消失し得る。検査期間320は、プリチャージビームが最早ウェーハに印加されない期間に対応し得る。実施形態によっては、電荷が、ウェーハ表面から迅速に消失し、検査を行う時間がほとんど残されていないことがある。例えば、プリチャージビームをサンプルに印加した後に、機器がプリチャージビームから検査ビームへとスイッチングされる間に時間が経過することがあり、電圧コントラスト検査中など、検査を完了することができる前に、サンプルの表面電荷がゼロ又はほぼゼロにまで減少する時間Tbに達することがあり、その結果、特定の欠陥が検出されない。従って、プリチャージが、再度行われる必要があることがある。
【0047】
[0050] 追加的に、用途によっては、検出性能は、スイッチングタイムとも呼ばれる、プリチャージ及び撮像間のスイッチングにかかる時間によって制限され得る。スイッチングタイムにより、検査ビームをサンプルに接触させることができる前に、電荷が消失する場合には、どのような量のプリチャージも、特定の欠陥が検出されることを可能にするのに効果的ではないことがある。
【0048】
[0051] 一部の用途は、検査を行う前に、ウェーハ上に所定量の電荷が残っていることを必要とし得る。実施形態によっては、充電の減衰は、撮像にとって重要なパラメータとなり得る。特に、一部の用途は、非常に高い電荷減衰率を有するサンプルを使用することがあり、従って、プリチャージモード及び撮像モード間の非常に高速な、又は非常に頻繁なスイッチングを必要とすることがある。
【0049】
[0052] ここで図4を参照する。図4は、図1のEBIシステムの一部にもなり得る例示的な電子ビームツール400を示す。電子ビームツール400(本明細書では、「装置400」とも呼ばれる)は、装置100A又は100Bに類似し得る。電子ビームツール400は、欠陥検査などの撮像のために使用され得る一次電子ビーム源410を含む。一次電子ビーム源410は、中でも、カソード、アノード、及び開口部を含み得る。一次電子ビーム源410は、レンズも含み得る。一次電子ビーム源410は、ウェーハ403上に投影される一次光軸470に沿って電子を放出するように構成され得る。
【0050】
[0053] 装置400は、第2の電子ビーム源420も備え得る。第2の電子ビーム源420は、一次電子ビーム源410から切り離され、及び一次電子ビーム源410から物理的に間隔を空けた別個のコンポーネントでもよい。第2の電子ビーム源420は、一次電子ビーム源に類似したコンポーネントを含んでもよく、第2の光軸に沿って電子を放出するように構成されてもよい。第2の光軸は、一次光軸470と角度βを成してもよい。第2の電子ビーム源420は、装置400の一次コラムに対して、ある特定の角度が形成されるように取り付けられてもよい。実施形態によっては、角度βは、30度以下でもよい。角度βは、実装上の制約に基づいて決定され得る。実施形態によっては、角度βは、10~20度の範囲内でもよい。第2の電子ビーム源420は、ウェーハ403のプリチャージなどのプリコンディショニングに使用され得る。
【0051】
[0054] 第2の電子ビーム源420は、銃開口部421、レンズ422、及びブランカー423を含み得る。レンズ422は、静電レンズでもよい。レンズ422は、第2の電子ビーム源420によって生成される電子ビームのスポットサイズを制御するために使用され得る。実施形態によっては、レンズ422は、磁気レンズでもよい。ブランカー423は、第2の電子ビーム源420から生成されたビームをオン状態からオフ状態へとスイッチングするように構成され得る。
【0052】
[0055] 実施形態によっては、荷電粒子ビームシステムは、一度目のサンプルを撮像するために第1の荷電粒子を提供するように構成された第1の荷電粒子ビーム源を含み得る。例えば、装置400は、ウェーハ403を撮像するために使用され得る一次電子を提供するように構成され得る一次電子ビーム源410を含み得る。荷電粒子ビームシステムは、二度目のサンプルにプリコンディショニングを行うために第2の荷電粒子を提供するように構成された第2の荷電粒子ビーム源も含み得る。例えば、装置400は、ウェーハ403にフラッディング電子を提供するように構成され得る第2の電子ビーム源420を含み得る。荷電粒子ビームシステムは、一度目のサンプルに影響を及ぼすために、第1の荷電粒子に影響を与え、及び二度目のサンプルに影響を及ぼすために、第2の荷電粒子に影響を与える静電場又は磁場を生成するように構成されたコンポーネントをさらに含み得る。
【0053】
[0056] 装置400は、アライメント偏向器430、走査偏向器432、及び対物レンズ435(これらの全て又は一部は、一次光軸470と位置合わせされ得る)を含む下部コラムを含み得る。アライメント偏向器430は、静電場又は磁場を生成するように構成されたコンポーネントを含み得る。このコンポーネントは、静電場及び磁場の両方を生成してもよく、荷電粒子用の速度フィルタとして使用されてもよい。アライメント偏向器430は、磁気レンズを含んでもよい。アライメント偏向器430は、静電レンズを含んでもよい。実施形態によっては、アライメント偏向器430は、ウィーンフィルタを含んでもよい。アライメント偏向器430は、異なる速度を持つ荷電粒子を互いに分けるビームセパレータとして使用され得る。アライメント偏向器430は、それを通過する荷電粒子に影響を与え得る。実施形態によっては、アライメント偏向器430の影響は、電子がアライメント偏向器430を真っ直ぐに通過することを可能にすることを含み得る。例えば、アライメント偏向器430は、一次電子ビーム源410から一次光軸470に沿ってウェーハ403に向けて移動する電子が、ウェーハ403から戻ってくる二次電子又は後方散乱電子が偏向される一方で、アライメント偏向器430を真っ直ぐに通過できるように構成され得る。図2Bの例では、ビームセパレータ222は、電子検出デバイス244に向けて、角度α分だけ二次ビームの進路を変えることによって、二次ビームに影響を与えるように構成され得る。
【0054】
[0057] 図4に戻り、装置400は、対物レンズ435も含み得る。第2の電子ビーム源420は、インレンズシステムとして構成されてもよい。例えば、一次電子ビーム源410及び第2の電子ビーム源420の両方に対して設けられた、たった1つの対物レンズが存在してもよい。第2の電子ビーム源420は、一次電子ビーム源410に対して設けられ得るコラム開口部411を迂回し得る。従って、第2の電子ビーム源420の撮像条件の制御は、一次電子ビーム源410とは切り離して行われ得る。比較的高感度となり得る一次電子ビーム源410に使用される撮像条件は、第2の電子ビーム源420に対する条件が、一次電子ビーム源410に影響を与えることなく操作され得る一方で、現状のままにされ得る。例えば、ビーム電流のレベル及びフォーカスは、別々に調節され得る。
【0055】
[0058] 第2の電子ビーム源420は、一次電子ビーム源410から保護され得る。例えば、電磁シールドが、第2の電子ビーム源420に含まれる一部又は全てのコンポーネントの周囲に設けられてもよい。実施形態によっては、第2の電子ビーム源420のレンズ422は、静電レンズとして設けられてもよい。静電レンズは、例えば磁気レンズと比較して、一次電子ビーム源410への干渉を減少させ得る。実施形態によっては、第2の電子ビーム源420の一部若しくは全てのコンポーネントの周りに、又は電磁干渉からビームを保護するためにビームの周りに、電磁シールド管が設けられてもよい。
【0056】
[0059] 第2の電子ビーム源420の銃開口部421は、調節可能開口部を含み得る。調節可能開口部は、ウェーハ403のフラッディングを行うための異なるビーム電流を選択するために使用され得る複数の開口部穴を含む可動開口部でもよい。ブランカー423は、特定の時に、第2の電子ビーム源420のビームのブランキングを行うために使用され得る(例えば、画像走査が一次電子ビーム源410によって行われる期間中は、ウェーハ403から離れるように第2の電子ビーム源420のビームの進路を変える)。
【0057】
[0060] 動作時に、装置400は、例えば以下のように2つの状態で制御され得る。第1の状態は、プリチャージを含み、第2の状態は、撮像を含み得る。第1の状態では、一次電子ビーム源410は、一次光軸470に沿って一次電子ビームを生成するために使用され得る。一次電子ビームは、ブランキングが行われ得る。例えば、一次電子ビームを一次光軸470に平行な軌道からそらせるように制御された偏向器が設けられてもよい。従って、一次電子ビームは、ウェーハ403などのサンプルから離れるように進路が変えられ得る。一次電子ビーム源410からのビームのブランキングが行われている間、第2の電子ビーム源420は、電子ビームを生成し得る。第2の電子ビーム源420によって生成されたビームは、ウェーハ403のプリチャージに使用され得る。プリチャージ中に、アライメント偏向器430は、第1の動作状態に設定され得る。アライメント偏向器430は、第1の動作状態では、第2の電子ビーム源420によって生成されたビームが、ウェーハ403に向けられるように構成され得る。例えば、アライメント偏向器430は、電圧及び電流の第1の所定の設定を用いて設定され得る。
【0058】
[0061] 第2の状態では、プリチャージ後に、第2の電子ビーム源420によって生成されたビームのブランキングが行われ、一次電子ビーム源410によって生成されたビームが、ウェーハ403の表面上の関心対象点(POI)を走査し始め得る。第2の状態中に、アライメント偏向器430は、第2の動作状態に設定され得る。アライメント偏向器430は、第2の動作状態では、一次電子ビーム源410によって生成されたビームがウェーハ403に向けられるように構成され得る。例えば、アライメント偏向器430は、電圧及び電流の第2の所定の設定を用いて設定され得る。
【0059】
[0062] 一次電子ビーム源410のコンポーネントの設定は、第1の状態及び第2の状態の両方に維持され得る。例えば、集光レンズは、第1の状態及び第2の状態において同じ動作条件で動作させられ得る。さらに、他のコンポーネントも、それらの設定を維持し得る。例えば、対物レンズ435は、第1の状態及び第2の状態において同じ動作条件で動作させられ得る。対物レンズ435は、第2の状態において、一次電子ビーム源410から生成されたビームを集束させることによって、ウェーハ403上にプローブスポットを形成するように構成され得る。
【0060】
[0063] 上述のように第1の状態では、電子ビームツールは、図3を参照して上述した通り、充電期間310中に動作するように構成され得る。その一方で、第2の状態では、電子ビームツールは、図3を参照して上述した通り、検査期間320中に動作するように構成され得る。
【0061】
[0064] 実施形態によっては、EBIシステム10のコンポーネントは、第1の状態及び第2の状態間でスイッチングするように構成され得る。例えば、コントローラ109は、動作状態のスイッチングを行うように構成され得る。コントローラ109は、電子ビームツール100A、電子ビームツール100B、又は電子ビームツール400を含むシステムなどの荷電粒子ビームシステムの様々なコンポーネントに命令を送り得る。ビームセパレータ、アライメント偏向器、又はウィーンフィルタは、第1の動作状態及び第2の動作状態間のスイッチングを行うように構成され得る。例えば、アライメント偏向器430は、第1の電圧から第2の電圧へと動作電圧を変更するように構成され得る。第1の電圧は、第1の動作状態で使用されてもよく、及び第2の動作状態で使用され得る第2の電圧よりも大きくてもよい。第1の状態及び第2の状態間のスイッチングは、アライメント偏向器430の動作電圧を変更すること、並びに、一次電子ビーム源410及び第2の電子ビーム源420のブランカーのステータスを変更し、それによって一次電子ビーム源410及び第2の電子ビーム源420によって生成されたビームのどちらがウェーハ403に向けられるかを切り替えることによって達成され得る。
【0062】
[0065] 第1の状態及び第2の状態間のスイッチングは、アライメント偏向器430の電圧のみを変更することから構成され得る。アライメント偏向器430に印加される電流レベルは、第1の状態及び第2の状態間で一定のままとなり得る。アライメント偏向器430は、静電場及び磁場の両方を生成するように構成され得るが、第1の状態及び第2の状態間のスイッチングは、アライメント偏向器430に印加される電圧を変更することのみを必要とし、従って、アライメント偏向器430によって生成される場の静電部分のみを変更し得る。その一方で、アライメント偏向器430によって生成される磁場は、第1の状態及び第2の状態間で一定のままとなり得る。実施形態によっては、磁場を変えることは、ヒステリシス効果を伴うことがあり、場が安定するまで比較的長期間を必要とすることがある。しかし、本開示の実施形態によっては、第1の状態及び第2の状態間のスイッチングは、静電場のみを変更することによって達成され得る。静電場の変更は、迅速且つヒステリシスなしに行われ得る。従って、アライメント偏向器430を通過するビームに対する外部の影響が、最小化され得る。
【0063】
[0066] 例えば、実施形態によっては、アライメント偏向器430に印加される電圧の200Vの値から800Vの値への変更は、0.1~0.2msの変更時間がかかり得る。それに比べて、磁気レンズによって生成される磁場の調節には、数秒かかり得る。
【0064】
[0067] 実施形態によっては、角度βは、様々な基準を考慮して最小化されるように設定され得る。例えば、角度βが小さいほど、アライメント偏向器430の動作状態のスイッチングに必要とされる電圧差は小さい。動作状態間の電圧差がより小さいことは、スイッチングに必要とされる速さがより低いことに対応し得る。さらに、より大きい角度は、より高い電圧を必要とすることがあり、これは、荷電粒子ビームシステムのコンポーネントに対する製造上の制約を増加させ得る。例えば、より高い電圧用に設計されたコンポーネントの使用は、製造及び設計上の複雑さを伴い得る。実施形態によっては、角度βは、ウェーハ403に到達するように第2の電子ビーム源420から生成されたビームの進路を変えるために、アライメント偏向器430の静電成分のみが調節される必要があるように設定され得る。
【0065】
[0068] また、第1の状態中に、プリチャージが行われている場合には、信号検出は、無視されないことがある。第2の電子ビーム源420から生成されたビームは、プリチャージを行うためにウェーハ403に印加され得るが、プリチャージ中は、信号を測定する必要がないことがある。従って、第2の電子ビーム源420から生成されたビームを用いてウェーハ403の表面との相互作用から多数の電子が生成され得る場合でも、二次電子又は後方散乱電子の一群は、関心対象ではないことがある。従って、ウェーハ403から移動する電子は、装置400の他のエリアに向けられ得る。第1の状態においてウェーハ403から検出器444へと二次電子を向ける必要がないことがある。それどころか、多数の電子がウェーハ403に入射し得るので、二次電子又は後方散乱電子の進路が変えられ、検出器444の汚染を防止するために検出器444に到達することが防止されることが有益となり得る。
【0066】
[0069] アライメント偏向器430が、第2の電子ビーム源420から生成されたビームの進路を変えてウェーハ403に到達するように構成される場合、アライメント偏向器430から生成される静電場及び磁場が不平衡であることがある。従って、ウェーハ403の表面との一次電子ビームの相互作用から生成された電子が、アライメント偏向器430を再び通過する際に、検出器444から離れる方向に移動させられることがある。従って、アライメント偏向器430が、第2の電子ビーム源420から生成されたビームの進路を変えてウェーハ403に到達するように構成される場合は、他の電子が検出器444に到達することを防ぐことも確実にされ得る。
【0067】
[0070] 例えば、アライメント偏向器430の基本設定は、一次電子ビーム源410から生成された電子ビームが、その軌道が実質的に変更されることなく、アライメント偏向器430を真っ直ぐに通過することが可能となるように、静電場及び磁場が平衡状態であることとなり得る。ウェーハ403の表面と相互作用すると、二次電子又は後方散乱電子などの二次荷電粒子は、一次電子ビーム源410に向けて反対方向に戻るように向けられ得る。実施形態によっては、二次荷電粒子は、図4に示されるように、検出器444などのオンアクシス検出器に向けられ得る。他の実施形態では、二次荷電粒子は、図2Bに示されるように、電子検出デバイス244などのオフアクシス検出器に向けられ得る。アライメント偏向器は、第2の状態では、二次荷電粒子が検出器に向けられるが、第1の状態では、二次荷電粒子が検出器以外の場所に向けられるように構成され得る。
【0068】
[0071] 実施形態によっては、一次電子ビーム源410を用いたプリチャージを行う必要性が回避され得る。従って、コラム開口部411の汚染を減らすことができる。例えば、実施形態によっては、一次電子ビーム源410が、比較的幅の広いビームを生成するように構成される場合、ビームのある部分は、コラム開口部411の上面に入射し得る。一次電子ビームは、高電流となることがあり、従って、特に一次電子ビームがフラッディングを行うように構成される場合に、コラム開口部411上で高熱及び高汚染を生じさせ得る。
【0069】
[0072] 第2の電子ビーム源420は、一次電子ビーム源410と比較して、異なる設計要件を有し得る。例えば、第2の電子ビーム源420が、詳細な検査のためではなく、プリチャージのためだけに使用され得るので、第2の電子ビーム源420の設計基準は、単に、所定数の電子がサンプルに到達することを確実にすることを含み得る。ビームの形状及びサイズなどのパラメータは、特に関連がない場合がある。実施形態によっては、直径が数マイクロメートルの大まかなビーム形状が、プリチャージビームとしての使用に適し得る。従って、第2の電子ビーム源420で使用されるコンポーネントの選択は、一次電子ビーム源410と比較して、必ずしも厳格なものでなくてもよく、第2の電子ビーム源420は、安価に、且つより大きな設計自由度で設けられ得る。さらに、実施形態によっては、プリチャージビームが、サンプルに渡って走査する必要がないことがあるため、走査偏向器は、第2の電子ビーム源420から省かれてもよい。
【0070】
[0073] 実施形態によっては、プリチャージモード及び撮像モード間のスイッチングに必要とされる時間は、大幅に減らすことができる。例えば、スイッチングタイムは、ナノ秒のオーダーにまで減らすことができる。第1の状態及び第2の状態間のスイッチングは、単に、ウィーンフィルタなどのアライメント偏向器に印加される電圧を調節することによって達成され得る。撮像デューティサイクル及びプリチャージの時間は、より大きな自由度で、用途に応じて最適化され得る。
【0071】
[0074] 実施形態については、以下の条項を使用してさらに説明することができる。
1.第1の軸上に設けられた第1の荷電粒子ビーム源と、
第2の荷電粒子ビーム源と、
第1の軸上に配置されたコンポーネントであって、第2の荷電粒子ビーム源から生成されたビームをサンプルに向けて偏向させるように構成されたコンポーネントと、
を含む、荷電粒子ビームシステム。
2.コンポーネントが、磁場又は電場を生成するように構成された、条項1に記載の荷電粒子ビームシステム。
3.磁場又は電場を生成するように構成されたコンポーネントが、磁場及び電場を生成するように構成された偏向器を含む、条項2に記載の荷電粒子ビームシステム。
4.コンポーネントが、対物レンズの領域に配置される、先行する条項の何れか一項に記載の荷電粒子ビームシステム。
5.たった1つの対物レンズが、荷電粒子ビームシステムに設けられる、条項4に記載の荷電粒子ビームシステム。
6.可調電圧をコンポーネントに供給するように構成されたドライバをさらに含む、先行する条項の何れか一項に記載の荷電粒子ビームシステム。
7.荷電粒子ビームシステムが、第1の状態及び第2の状態間のスイッチングを行うように構成され、第2の状態では、第1の荷電粒子ビーム源から生成された第1の荷電粒子ビームがサンプルに向けられ、第1の状態では、第2の荷電粒子ビーム源から生成された第2の荷電粒子ビームがサンプルに向けられる、先行する条項の何れか一項に記載の荷電粒子ビームシステム。
8.コンポーネントが、第1の状態及び第2の状態間のスイッチングを行うように構成される、条項7に記載の荷電粒子ビームシステム。
9.第1の状態及び第2の状態間でコンポーネントのスイッチングを行うように構成されたコントローラをさらに含む、条項8に記載の荷電粒子ビームシステム。
10.上に第2の荷電粒子ビーム源が設けられる第2の軸と、第1の軸との間の角度が、30度未満である、先行する条項の何れか一項に記載の荷電粒子ビームシステム。
11.角度が、10~20度である、条項10に記載の荷電粒子ビームシステム。
12.第2の荷電粒子ビーム源から生成されたビームを集束させるように構成された、第2の荷電粒子ビーム源に設けられる静電レンズをさらに含む、先行する条項の何れか一項に記載の荷電粒子ビームシステム。
13.荷電粒子ビームシステムを動作させる方法であって、方法が、
コンポーネントを動作させる第1の状態及び第2の状態間のスイッチングを行うことであって、コンポーネントが、磁場及び電場を生成するように構成される、スイッチングを行うことを含み、
第1の状態では、第1の荷電粒子ビーム源から生成された第1の荷電粒子ビームのブランキングが行われ、及び第2の荷電粒子ビーム源から生成された第2の荷電粒子ビームがサンプルに向けられ、
第2の状態では、第2の荷電粒子ビームのブランキングが行われ、及び第1の荷電粒子ビームが、サンプルに向けられる、方法。
14.第1の状態において、第1の電圧をコンポーネントに供給することと、
第2の状態において、第2の電圧をコンポーネントに供給することと、
をさらに含む、条項13に記載の方法。
15.第1の電圧が、第2の電圧よりも低い、条項14に記載の方法。
16.一度目のサンプルを撮像するために第1の荷電粒子を提供するように構成された第1の荷電粒子ビーム源と、
二度目のサンプルにプリコンディショニングを行うために第2の荷電粒子を提供するように構成された第2の荷電粒子ビーム源と、
一度目のサンプルに影響を及ぼすために、第1の荷電粒子に影響を与え、及び二度目のサンプルに影響を及ぼすために、第2の荷電粒子に影響を与える静電場又は磁場を生成するように構成されたコンポーネントと、
を含む、荷電粒子ビームシステム。
17.コンポーネントが磁気レンズである、条項16に記載の荷電粒子ビームシステム。
18.コンポーネントが偏向器である、条項16に記載の荷電粒子ビームシステム。
19.コンポーネントが静電レンズである、条項16に記載の荷電粒子ビームシステム。
20.コンポーネントがウィーンフィルタである、条項16に記載の荷電粒子ビームシステム。
21.静電場又は磁場を生成するように構成されたコンポーネントが、静電場及び磁場を生成するように構成されたコンポーネントを含む、条項16に記載の荷電粒子ビームシステム。
22.コンポーネントが、対物レンズの領域に配置される、条項16~21の何れか一項に記載の荷電粒子ビームシステム。
23.たった1つの対物レンズが、荷電粒子ビームシステムに設けられる、条項22に記載の荷電粒子ビームシステム。
24.可調電圧をコンポーネントに供給するように構成されたドライバをさらに含む、条項16~23の何れか一項に記載の荷電粒子ビームシステム。
25.荷電粒子ビームシステムが、第1の状態及び第2の状態間のスイッチングを行うように構成され、第2の状態では、第1の荷電粒子がサンプルに向けられ、第1の状態では、第2の荷電粒子がサンプルに向けられる、条項16~24の何れか一項に記載の荷電粒子ビームシステム。
26.コンポーネントが、第1の状態及び第2の状態間のスイッチングを行うように構成される、条項25に記載の荷電粒子ビームシステム。
27.第1の状態及び第2の状態間でコンポーネントのスイッチングを行うように構成されたコントローラをさらに含む、条項26に記載の荷電粒子ビームシステム。
28.上に第1の荷電粒子ビーム源が設けられる第1の軸と、上に第2の荷電粒子ビーム源が設けられる第2の軸との間の角度が、30度未満である、条項16~27の何れか一項に記載の荷電粒子ビームシステム。
29.角度が、10~20度である、条項28に記載の荷電粒子ビームシステム。
30.第2の荷電粒子ビーム源から生成されたビームを集束させるように構成された、第2の荷電粒子ビーム源に設けられる静電レンズをさらに含む、条項16~29の何れか一項に記載の荷電粒子ビームシステム。
【0072】
[0075] 本開示の態様は、例えば、3D NAND及びDRAMなどの、減衰時間が重要なパラメータとなることがあり、従って、プリチャージ及び撮像間のスイッチングタイムの短縮が多数の恩恵を生じさせ得る用途で有利に適用することができる。さらに、本開示の態様は、例えば、短絡ゲート、フローティングゲート、及び開放相互接続を含む、電圧コントラスト欠陥などの、特定のタイプの欠陥検査に特に適用可能となり得る。
【0073】
[0076] 実施形態によっては、荷電粒子ビームシステムを制御するためのコントローラが設けられてもよい。例えば、図1は、EBIシステム10に接続されたコントローラ109を示す。コントローラは、荷電粒子ビームシステムのコンポーネントに対して、荷電粒子ビームを生成するように荷電粒子ビーム源を制御すること、サンプルに渡って荷電粒子ビームを走査するように偏向器を制御すること、第1の状態及び第2の状態間のスイッチングを制御すること、並びにレンズ又はアライメント偏向器などの他のコンポーネントに電圧又は他の信号を印加するようにドライバを制御することなどの様々な機能を行うように指示し得る。コントローラは、様々な後処理機能、画像取得、画像細分、画像処理、コンターの生成、取得画像上への標識の重ね合わせなども行い得る。コントローラは、ハードディスク、クラウドストレージ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他のタイプのコンピュータ可読メモリなどのストレージ媒体であるストレージを含み得る。ストレージは、走査された生画像データを原画像として保存するため、又は後処理画像を保存するために使用され得る。コントローラは、クラウドストレージと通信し得る。コントローラ109のプロセッサが、ビーム形成、レンズの制御、又は本開示と一致した他の機能及び方法を実施するための命令を保存する非一時的コンピュータ可読媒体が、提供されてもよい。非一時的媒体の一般的な形態には、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、磁気テープ、又はその他の磁気データストレージ媒体、CD-ROM、その他の光学データストレージ媒体、穴のパターンを有した任意の物理的媒体、RAM、PROM、及びEPROM、FLASH-EPROM又はその他のフラッシュメモリ、NVRAM、キャッシュ、レジスタ、その他のメモリチップ又はカートリッジ、及び上記のネットワーク化バージョンが含まれる。
【0074】
[0077] 本発明を幾つかの例示的な実施形態に関連して説明したが、以下に請求されるような本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、他の修正及び変更を加えることができることを、理解されたい。例えば、複合レンズは、第1のズームレンズとしての適用について述べられているが、複合レンズは、第2のズームレンズ、又は粒子光学系の他のレンズとして適用されてもよい。さらに、1つ又は複数のレンズ又は他の光学コンポーネントが、本明細書に記載される例示的な粒子光学系の特定の構成に対して、様々な位置で追加されてもよい。他のコンポーネントが、例えば、拡大、ズーミング、及び画像回転防止などのために設けられてもよい。
図1
図2A
図2B
図3
図4
【国際調査報告】