(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-18
(54)【発明の名称】照射されたエッチング溶液を使用して材料の粗さを低減するための処理システム及びプラットフォーム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/306 20060101AFI20220210BHJP
C23F 1/38 20060101ALI20220210BHJP
【FI】
H01L21/306 F
C23F1/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021533451
(86)(22)【出願日】2019-12-10
(85)【翻訳文提出日】2021-07-28
(86)【国際出願番号】 US2019065494
(87)【国際公開番号】W WO2020123518
(87)【国際公開日】2020-06-18
(32)【優先日】2018-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ザンディ,オミッド
(72)【発明者】
【氏名】ファゲ,ジャックス
【テーマコード(参考)】
4K057
5F043
【Fターム(参考)】
4K057WA11
4K057WB08
4K057WD01
4K057WE13
4K057WE25
4K057WG06
4K057WN01
5F043AA26
5F043BB18
5F043DD08
5F043DD13
5F043DD15
5F043GG10
(57)【要約】
材料の制御されたエッチングを提供するためにエッチング溶液を照射する処理システム及びプラットフォームの実施形態が記載される。処理システム及びプラットフォームは、エッチングされる材料の上に液体エッチング溶液を堆積させ、且つ液体エッチング溶液を照射して、反応剤のレベルを調整する。液体エッチング溶液は、第1のレベルの反応剤を有し、及び照射により、液体エッチング溶液は、第1のレベルと異なる第2のレベルの反応剤を有するようになる。材料は、照射されたエッチング溶液で改質され、及び改質された材料は、除去される。供給、露光及び除去は、周期的エッチングを提供するために繰り返され得る。更に、酸化及び溶解は、同時に生じ得るか又は複数のステップで生じ得る。エッチングされる材料は、多結晶材料、多結晶金属及び/又は他の材料であり得る。1つの液体エッチング溶液は、照射されてヒドロキシラジカルを形成する過酸化水素を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に湿式エッチング処理を実行する処理システムであって、
湿式エッチング処理を実行するように構成された湿式処理チャンバと、
基板を支持するように構成されている、前記湿式処理チャンバ内の基板ホルダと、
前記基板に液体エッチング溶液を供給するように配置された供給システムであって、前記液体溶液は、前記基板の表面上の材料に関する第1のレベルの反応剤を有する、供給システムと、
前記エッチング溶液が、前記材料に関する、前記第1のレベルと異なる第2のレベルの反応剤を有するように、前記液体エッチング溶液を照射するように配置された照射システムと、
前記液体エッチング溶液の供給を制御するために前記供給システムに結合され、且つ前記照射システムによって出力された照射を制御するために前記照射システムに結合されたコントローラと
を含む処理システム。
【請求項2】
前記コントローラは、前記材料を周期的にエッチングするように前記照射システム及び前記供給システムを制御するように構成されている、請求項1に記載の処理システム。
【請求項3】
前記液体エッチング溶液は、照射された場合、前記材料の表面を酸化させて、改質層として酸化材料を形成する、請求項1に記載の処理システム。
【請求項4】
酸化材料の均一な層は、前記改質層として形成され、前記液体エッチング溶液は、前記酸化材料を更に溶解させる、請求項3に記載の処理システム。
【請求項5】
前記液体エッチング溶液は、過酸化水素及びクエン酸塩を含む水溶液を含む、請求項4に記載の処理システム。
【請求項6】
前記供給システムは、前記酸化材料を溶解させるための錯化剤を含む水溶液を供給するように更に構成されている、請求項3に記載の処理システム。
【請求項7】
前記錯化剤は、クエン酸塩、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)、リンゴ酸、シュウ酸、グリシン、アラニン又はイミノ二酢酸の少なくとも1つを含む、請求項6に記載の処理システム。
【請求項8】
エッチングされる前記材料は、多結晶材料を含む、請求項1に記載の処理システム。
【請求項9】
前記多結晶材料は、多結晶金属、多結晶コバルト、ルテニウム、タングステン、チタン、タンタル、窒化チタン又は窒化タンタルの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の処理システム。
【請求項10】
前記照射システムは、前記液体エッチング溶液を選択的に照射するように構成されている、請求項1に記載の処理システム。
【請求項11】
前記照射システムは、前記液体エッチング溶液を1つ以上のオン/オフパターンにおいて紫外(UV)光で選択的に照射するように構成されている、請求項10に記載の処理システム。
【請求項12】
前記照射システムは、2つ以上の異なる色の光で選択的に照射するように構成されている、請求項10に記載の処理システム。
【請求項13】
前記コントローラは、前記液体エッチング溶液の異なる領域に対する異なる露光を生じさせて、前記異なる領域内で前記材料に異なる量のエッチングを提供するように前記照射システムを制御するように構成されている、請求項1に記載の処理システム。
【請求項14】
異なる露光は、前記材料の表面のトポロジ又は前記材料の厚さの少なくとも一方の測定値に基づく、請求項13に記載の処理システム。
【請求項15】
基板をエッチングするプラットフォームであって、
乾式エッチング化学によって基板上の多結晶材料をエッチングする乾式エッチング処理システムと、
前記乾式エッチング化学によって生じた前記多結晶材料の粗さを緩和するために前記多結晶材料をエッチングする湿式エッチング処理システムであって、
湿式エッチング処理を実行するように構成された湿式処理チャンバと、
基板を支持するように構成されている、前記湿式処理チャンバ内の基板ホルダと、
前記基板に液体エッチング溶液を供給するように配置された供給システムであって、前記液体溶液は、前記多結晶材料に関する第1のレベルの反応剤を有する、供給システムと、
前記エッチング溶液が、前記多結晶材料に関する、前記第1のレベルと異なる第2のレベルの反応剤を有するように、前記液体エッチング溶液を照射するように配置された照射システムと、
前記液体エッチング溶液の供給を制御するために前記供給システムに結合され、且つ前記照射システムによって出力された照射を制御するために前記照射システムに結合されたコントローラと
を含む湿式エッチング処理システムと、
前記乾式エッチング処理システムと前記湿式エッチング処理システムとの間で前記基板を移動させるために結合された移送モジュールと、
前記移送モジュールと前記湿式エッチング処理ツールとの間に結合された絶縁貫通モジュールであって、前記湿式エッチング処理システムの周囲環境から前記移送モジュールの周囲環境を分離する絶縁貫通モジュールと
を含むプラットフォーム。
【請求項16】
前記コントローラは、前記多結晶材料を周期的にエッチングするように前記照射システム及び前記供給システムを制御するように構成されている、請求項15に記載のプラットフォーム。
【請求項17】
前記液体エッチング溶液は、照射された場合、前記多結晶材料の表面を酸化させて、改質層として酸化材料を形成する、請求項15に記載のプラットフォーム。
【請求項18】
前記液体エッチング溶液は、過酸化水素を含む水溶液を含み、前記照射は、紫外(UV)光を含む、請求項15に記載のプラットフォーム。
【請求項19】
前記乾式エッチング処理システムは、1つ以上の乾式エッチング処理を実施する、請求項15に記載のプラットフォーム。
【請求項20】
前記1つ以上の乾式エッチング処理は、プラズマエッチング処理、反応性イオンエッチング(RIE)処理、化学気相エッチング(CVE)処理又は原子層エッチング(ALE)処理の少なくとも1つを含む、請求項19に記載のプラットフォーム。
【請求項21】
前記乾式エッチング処理システムは、前記多結晶材料をエッチングし、第1の表面粗さをもたらすように構成されており、前記湿式エッチング処理チャンバは、前記第1の表面粗さを、前記第1の表面粗さよりも小さい第2の表面粗さに調整するように構成されている、請求項15に記載のプラットフォーム。
【請求項22】
前記コントローラは、前記液体エッチング溶液の異なる領域に対する異なる露光を生じさせて、前記材料の表面のトポロジ又は前記材料の厚さの少なくとも一方の測定値に基づいて、前記多結晶材料に異なる量のエッチングを提供するように前記照射システムを制御するように構成されている、請求項21に記載のプラットフォーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2018年12月14日出願の「ROUGHNESS REDUCTION METHODS FOR WET ETCH OF POLYCRYSTALLINE MATERIALS」という名称の米国仮特許出願第62/779,604号明細書及び2018年11月4日出願の「PHOTONICALLY TUNED ETCHANT REACTIVITY」という名称の米国仮特許出願第62/726,603号明細書、並びに2019年2月27日出願の「ROUGHNESS REDUCTION METHODS FOR MATERIALS USING ILLUMINATED ETCH SOLUTIONS」という名称の米国特許出願公開第16/287,669号明細書及び2019年5月3日出願の「PROCESSING SYSTEMS AND PLATFORMS FOR ROUGHNESS REDUCTION OF MATERIALS USING ILLUMINATED ETCH SOLUTIONS」という名称の米国特許出願公開第16/402,634号明細書に対する優先権も主張し、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、マイクロ電子ワークピース上の材料層のエッチング処理を含む、マイクロ電子ワークピースの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロ電子ワークピース内における素子形成は、典型的に、マイクロ電子ワークピースの基板上の多数の材料層の形成、パターニング及び除去に関する一連の製造技術を含む。エッチング処理は、基板の表面から材料層を除去するために用いられることが多い。エッチングされる材料の特徴サイズは、マイクロ電子ワークピース上に形成される電子素子に合わせて縮小し続けているため、巨視的スケール及び微視的スケールでのエッチングの均一性の制御が一層困難になっている。液体エッチング溶液を用いる従来の湿式エッチング処理は、多くの場合、ナノスケールレベルでのエッチング挙動を正確に制御できない。この制御の欠如は、少量の材料を除去する場合及び/又は滑らかな表面仕上げが要求される場合に問題となる。
【0004】
多結晶材料のエッチング処理中に粗さを制御することは、特に困難な作業である。多結晶材料は、その多結晶材料の表面結晶方位に応じて、エッチャントに対する反応性の変化を示す。多結晶材料は、多結晶材料の結晶粒界及び欠陥部位でもエッチャントに対する反応性の変化を示す。この可変反応性は、従来の湿式エッチング処理において、望ましくないエッチング可変性及び表面の粗さをもたらす。
【0005】
図1A~1B(従来技術)は、可変反応性及び望ましくないエッチング可変性を伴う、そのような従来のエッチング溶液及び関連する問題に関連付けられた図を示す。
【0006】
まず、
図1A(従来技術)を参照すると、従来のエッチング処理方式の一例示的実施形態100が示されている。液体エッチング溶液106がマイクロ電子ワークピースの基板108の表面上の材料104に滴下される。例示的実施形態100において、エッチングされる材料104は、コバルト(Co)であり、この材料104は、基板108の表面に既に形成されている。例示的実施形態100において、液体エッチング溶液106は、酸化溶解エッチング機構を提供する。この酸化溶解エッチング機構において、材料104は、液体エッチング溶液106により酸化され、次いで液体エッチング溶液106により溶解される。
【0007】
コバルトに対する従来の酸化溶解エッチング機構は、顕著な粗さ及び孔食を生じさせる。この従来方式において、コバルトエッチングは、矢印110で示すように、酸化剤(例えば、過酸化水素)がコバルト(Co)を酸化速度定数koxで酸化して、CoOxを形成する酸化/溶解機構により駆動される。CoOxは、次いで、矢印112で示すように、溶解速度定数kdでエッチャント分子(例えば、クエン酸塩アニオン)による錯体形成により溶液中に溶解される。この従来方式において、koxは、kdを下回り(kox<kd)、この条件により、多結晶コバルトの結晶粒界における不均一なエッチングが生じ、表面に孔食及び粗さをもたらす。
【0008】
図1B(従来技術)は、従来の酸化溶解方式に関連付けられた望ましくないエッチング可変性に起因する上述の表面孔食及び粗さを表す表面画像150を示す。対照的に、理想的な湿式エッチング処理では、エッチングされる材料の表面化学(例えば、結晶粒界)に依存しない一定のエッチング速度が得られる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
材料の制御されたエッチングを提供するためにエッチング溶液の照射を使用する実施形態が以下に記載される。開示する処理システム及びプラットフォームは、エッチングされる材料の上に液体エッチング溶液を堆積させ、且つ液体エッチング溶液を照射して、反応剤のレベルを調整する。エッチングされる材料は、例えば、多結晶材料、多結晶金属及び/又はエッチングされる他の材料であり得る。開示する実施形態は、材料と接触しているエッチング溶液におけるエッチャントの反応性を制御するツールとして照射を使用し、それによりエッチング挙動の修正を可能にする。化学組成及び他のパラメータも、エッチング挙動及びエッチング後の表面の形態及び化学的性質を制御するために部分的に使用され得る。開示する実施形態は、これにより、多結晶材料等の材料をエッチングする間の表面粗さを微視的及び巨視的レベルの両方で制御し且つ/又は減少させる。これらの結果は、材料の表面化学に依存せずに材料をエッチングする反応性の高いエッチャントのポイントオブユースでの生成を提供する、材料表面に滴下されるエッチング溶液の照射を通して実現される。一例示的実施形態において、液体エッチング溶液は、過酸化水素を含む水溶液であり、紫外線光等の照射によりヒドロキシラジカルが生成されて、反応性が高いエッチャントが形成される。異なる又は追加的な特徴、変形形態及び実施形態も実施され得、関連するシステム及び方法も利用され得る。
【0010】
一実施形態において、基板に湿式エッチング処理を実行する処理システムが開示され、この処理システムは、湿式エッチング処理を実行するように構成された湿式処理チャンバと、基板を支持するように構成されている、湿式処理チャンバ内の基板ホルダと、基板に液体エッチング溶液を供給するように配置された供給システムであって、液体エッチング溶液は、基板の表面上の材料に関する第1のレベルの反応剤を有する、供給システムと、エッチング溶液が、材料に関する、第1のレベルと異なる第2のレベルの反応剤を有するように、液体エッチング溶液を照射するように配置された照射システムと、液体エッチング溶液の供給を制御するために供給システムに結合され、且つ照射システムによって出力された照射を制御するために照射システムに結合されたコントローラとを含む。
【0011】
追加的な実施形態において、コントローラは、材料を周期的にエッチングするように照射システム及び供給システムを制御するように構成されている。
【0012】
追加的な実施形態において、液体エッチング溶液は、照射された場合、材料の表面を酸化させて、改質層として酸化材料を形成する。更なる実施形態において、酸化材料の均一な層は、改質層として形成され、液体エッチング溶液は、酸化材料を更に溶解させる。また更なる実施形態において、液体エッチング溶液は、過酸化水素及びクエン酸塩を含む水溶液を含む。更なる実施形態において、供給システムは、酸化材料を溶解させるための錯化剤を含む水溶液を供給するように更に構成されている。また更なる実施形態において、錯化剤は、クエン酸塩、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)、リンゴ酸、シュウ酸、グリシン、アラニン又はイミノ二酢酸の少なくとも1つを含む。
【0013】
追加的な実施形態において、エッチングされる材料は、多結晶材料を含む。更なる実施形態において、多結晶材料は、多結晶金属、多結晶コバルト、ルテニウム、タングステン、チタン、タンタル、窒化チタン又は窒化タンタルの少なくとも1つを含む。
【0014】
追加的な実施形態において、照射システムは、液体エッチング溶液を選択的に照射するように構成されている。更なる実施形態において、照射システムは、液体エッチング溶液を1つ以上のオン/オフパターンにおいて紫外(UV)光で選択的に照射するように構成されている。更なる実施形態において、照射システムは、2つ以上の異なる色の光で選択的に照射するように構成されている。
【0015】
追加的な実施形態において、コントローラは、液体エッチング溶液の異なる領域に対する異なる露光を生じさせて、異なる領域内で材料に異なる量のエッチングを提供するように照射システムを制御するように構成されている。更なる実施形態において、異なる露光は、材料の表面のトポロジ又は材料の厚さの少なくとも一方の測定値に基づく。
【0016】
一実施形態において、基板をエッチングするプラットフォームが開示され、このプラットフォームは、乾式エッチング化学によって基板上の多結晶材料をエッチングする乾式エッチング処理システムと、乾式エッチング化学によって生じた多結晶材料の粗さを緩和するために多結晶材料をエッチングする湿式エッチング処理システムと、乾式エッチング処理システムと湿式エッチング処理システムとの間で基板を移動させるために結合された移送モジュールと、移送モジュールと湿式エッチング処理ツールとの間に結合された絶縁貫通モジュールであって、湿式エッチング処理システムの周囲環境から移送モジュールの周囲環境を分離する絶縁貫通モジュールとを含む。このプラットフォームにおいて、湿式エッチング処理システムは、湿式エッチング処理を実行するように構成された湿式処理チャンバと、基板を支持するように構成されている、湿式処理チャンバ内の基板ホルダと、基板に液体エッチング溶液を供給するように配置された供給システムであって、液体エッチング溶液は、多結晶材料に関する第1のレベルの反応剤を有する、供給システムと、エッチング溶液が、多結晶材料に関する、第1のレベルと異なる第2のレベルの反応剤を有するように、液体エッチング溶液を照射するように配置された照射システムと、液体エッチング溶液の供給を制御するために供給システムに結合され、且つ照射システムによって出力された照射を制御するために照射システムに結合されたコントローラとを含む。
【0017】
追加的な実施形態において、コントローラは、多結晶材料を周期的にエッチングするように照射システム及び供給システムを制御するように構成されている。
【0018】
追加的な実施形態において、液体エッチング溶液は、照射された場合、多結晶材料の表面を酸化させて、改質層として酸化材料を形成する。更なる追加的な実施形態において、液体エッチング溶液は、過酸化水素を含む水溶液を含み、照射は、紫外(UV)光を含む。
【0019】
追加的な実施形態において、乾式エッチング処理システムは、1つ以上の乾式エッチング処理を実施する。更なる実施形態において、1つ以上の乾式エッチング処理は、プラズマエッチング処理、反応イオンエッチング(RIE)処理、化学気相エッチング(CVE)処理又は原子層エッチング(ALE)処理の少なくとも1つを含む。
【0020】
追加的な実施形態において、乾式エッチング処理システムは、多結晶材料をエッチングし、第1の表面粗さをもたらすように構成されており、湿式エッチング処理チャンバは、第1の表面粗さを、第1の表面粗さよりも小さい第2の表面粗さに調整するように構成されている。更なる実施形態において、コントローラは、液体エッチング溶液の異なる領域に対する異なる露光を生じさせて、材料の表面のトポロジ又は材料の厚さの少なくとも一方の測定値に基づいて、多結晶材料に異なる量のエッチングを提供するように照射システムを制御するように構成されている。
【0021】
異なる又は追加的な特徴、変形形態及び実施形態も実施され得、関連するシステム及び方法も利用され得る。
【0022】
本発明及びその利点のより詳細な理解は、同一の参照番号が同一の特徴を示す添付の図面と合わせて以下の記述を参照することによって得ることができる。しかし、開示する概念は、他の同等に効果的な実施形態にも適用できるため、添付の図面は、開示する概念の例示的実施形態のみを示し、従って本発明の範囲を限定するものと見なされるべきでないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1A】(従来技術)可変反応性及び望ましくないエッチング可変性に伴う問題が生じる、従来のエッチング溶液に関連付けられた説明図を示す。
【
図1B】(従来技術)
図1A(従来技術)の従来の酸化溶解方式に伴う望ましくないエッチング可変性に起因する表面の孔食及び粗さの代表的な表面画像を示す。
【
図2A】液体エッチング溶液の照射を用いて、マイクロ電子ワークピースの基板の表面上の材料をエッチングするエッチング速度及び均一性の制御、好適にはリアルタイム制御を実現する一例示的実施形態を示す。
【
図2B】
図2Aの照射方式に伴うエッチングの均一性の向上に起因して実現される滑らかな表面の代表的な表面画像を示す。
【
図3A】酸化及び溶解反応が分離された周期的処理モード前の粗さの代表的な表面画像を示す。
【
図3B】周期的処理モードを用いたエッチング処理後の、
図3Aと比較して粗さが低減した状態の代表的な表面画像を示す。
【
図3C】
図3A及び3Bの表面画像が表すエッチング処理前後のAFM(原子間力顕微鏡検査)表面粗さプロファイルの代表図を示す。
【
図4A】マイクロ電子ワークピースの基板の表面に滴下された液体エッチング溶液の照射に発光ダイオード(LED)アレイを用いる、スキャナソリューションの一例示的実施形態400を示す。
【
図4B】マイクロ電子ワークピースの基板の表面に分注された液体エッチング溶液の照射が1つ以上のレーザー源により発せられる、一例示的実施形態を提供する。
【
図5A】照射を用いて液体エッチング溶液中の反応剤を調整することにより、マイクロ電子ワークピースの基板の表面上の材料をエッチングする際のエッチングの均一性を向上させる、一例示的実施形態の処理フロー図である。
【
図5B】照射を用いて、過酸化水素を有する液体エッチング溶液中でヒドロキシラジカルを形成することにより、マイクロ電子ワークピースの基板の表面上の多結晶金属をエッチングする際のエッチングの均一性を向上させる、一例示的実施形態の処理フロー図である。
【
図6】照射を用いて、エッチング溶液(例えば、気体エッチング溶液、液体エッチング溶液又はこれらの組み合わせの少なくとも1つ)中の反応剤を調整することにより、マイクロ電子ワークピースの基板の表面上の材料をエッチングする際のエッチングの均一性を向上させる、一例示的実施形態の処理フロー図である。
【
図7】エッチング溶液(例えば、気体エッチング溶液、液体エッチング溶液又はこれらの組み合わせの少なくとも1つ)の照射を用いて材料を研磨する、一例示的実施形態の処理フロー図である。
【
図8A】開示する技術に関して使用可能な液体エッチング溶液の供給システム及び照射システムを含む湿式エッチング処理システムの一例示的実施形態のブロック図である。
【
図8B】開示する技術に関して使用可能な湿式エッチング処理システム及び乾式エッチング処理システムを含む処理プラットフォームの一例示的実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書に記述するように、照射を用いてエッチャントの反応性を調整して、材料の表面化学に依存しないエッチングを実現する、多結晶材料又は金属等の材料の制御されたエッチングを実行する方法及び関連する処理システム並びにプラットフォームが開示される。他の利点及び実装形態も、本明細書に記述する処理技術を利用しながらなおも実現され得る。
【0025】
ナノスケールエッチングの均一性の制御は、マイクロ電子ワークピースの上に形成されているマイクロ電子素子及び回路の素子故障を最小限に抑えるのに役立つ。従来の湿式エッチング化学は、多くの場合、多結晶材料及び金属等の材料の正確なエッチング制御を行うことができない。例えば、多結晶材料のための結晶粒界及び/又は異なる結晶ファセットでの可変エッチング速度は、エッチング中に表面が粗くなることにつながり得る。開示する実施形態は、制御された照射による、極めて反応性が高いエッチャントのポイントオブユースでの生成により、微視的スケール及び巨視的スケールの両方でエッチングの均一性を実現する方法を提供する。一実施形態において、開示する実施形態は、多結晶金属コバルト等の金属多結晶構造のエッチングに用いられた場合、これらの有利な結果をもたらす。他の多結晶材料及び多結晶金属だけでなく、他の材料も、本明細書に記述する照射技術を用いてエッチングすることができる。
【0026】
一実施形態において、多結晶材料の表面に適下された液体エッチング溶液の照射を通して、極めて反応性が高いヒドロキシラジカル(HO*)が多結晶材料のためのエッチャントとして生成される。ヒドロキシラジカルは、強い酸化剤であり、室温で多結晶材料をエッチングする。一実施形態において、ヒドロキシラジカルは、エッチングされる材料と接触している過酸化水素(H2O2)の水溶液の紫外(UV)光照射を用いて生成される。照射は、エッチング処理及び速度をより良好に制御するためにポイントオブユースで選択的に行うこともできる。
【0027】
このポイントオブユースソリューションにおいて、表面のエッチングが望ましい場合、液体エッチング溶液(例えば、過酸化水素の水溶液)の1つ以上の領域が選択的に照射され、エッチングが不要な他の領域は、照射されない。例えば、過酸化水素の照射によりヒドロキシラジカルが形成されて、反応剤のレベルの増大をもたらす。しかし、照射が停止されると、ヒドロキシラジカルは、短い寿命を有し、迅速に水溶液に再吸収される。例えば、照射の停止後のヒドロキシラジカルの寿命は、2~5マイクロ秒未満である。このように、選択的UV照射を用いてエッチャントの反応性を調整することにより、液体エッチング溶液の選択された領域におけるエッチング反応の熱力学及び速度論を変更することができる。ヒドロキシラジカルのマイクロ秒レベルの寿命に高い反応性を組み合わせることで、局所的表面反応性に依存しない材料表面層の迅速及び/又はほぼ瞬間的な酸化が可能になる。後に酸化層を除去することで表面が滑らかにエッチングされる。また、照射処理中のフィードフォワード処理におけるUV光強度を空間的に調整することにより、大規模なエッチングの均一性が得られる。他の変形形態も、本明細書に記述する技術を利用しながらなおも実施され得る。
【0028】
開示する実施形態の顕著な利点の1つは、制御された照射を用いて、エッチャントの反応性をその場でほぼ瞬間的に調整できることである。この調整能力により、追加的な反応剤及び化学品を混合する必要なく、感光エッチャントの潜在的pH線図(すなわちプールベ図)上のより広いパラメータ空間へのアクセスが可能になる。これにより、処理化学が簡素化されて、湿式エッチング処理のためのコストが削減される。
【0029】
本明細書に記述するように、開示する実施形態は、以下の1つ以上を提供する。(1)エッチャントの反応性のリアルタイム及びポイントオブユースでの調整により、追加的な化学品の混合又は侵襲的条件を必要とせずにエッチング挙動が調整可能になり、(2)反応性の高い過渡的励起状態をマイクロ電子ワークピース(例えば、半導体ウェーハ)の表面にもたらすことにより、この状態の寿命が短いことを利用して、励起状態を用いて表面をエッチングし、(3)多結晶材料のエッチング中に表面粗さを制御し、(4)マイクロ電子ワークピースの表面でのエッチング速度の時間的及び空間的制御を可能にし、且つ/又は(5)フィードフォワード制御を行って、マイクロ電子ワークピース全体にわたる不均一な層厚を補償する。更なる及び/又は異なる利点及び特徴も、本明細書に記述する技術により提供することができる。
【0030】
図2A~2B及び
図3A~3Cは、照射を用いて、マイクロ電子ワークピースの表面上でエッチングされている多結晶材料に滴下された液体エッチング溶液のエッチング速度を調整する、開示する実施形態に関連付けられた説明図を示す。更なる及び/又は異なる実施形態も、本明細書に記述する技術を利用しながら実施され得る。
【0031】
本明細書に記述する照射は、ポイントオブユース制御を行うためにリアルタイムで実行される選択的照射であり得ることが留意される。液体エッチング溶液は、典型的には、溶液の組成及び温度に基づいて、所与の材料に対して設定された反応性及びエッチング速度を有する。開示する実施形態は、リアルタイムで所与の温度において、所与の組成を有する液体エッチング溶液のエッチング挙動を調整する。また、開示する実施形態は、マイクロ電子ワークピースの表面上での材料の場所及び/又は位置に関するエッチング速度の調整を可能にすると共に、フィードフォワード制御を用いて、マイクロ電子ワークピース全体にわたるより高い均一性を向上させることができる。
【0032】
従来のエッチング溶液は、設定された溶液電位及び設定されたpHを有することが更に留意される。設定された溶液電位及び溶液の設定されたpHは、溶液をプールベ図上の単一の点に配置する。パラメータは、溶液組成により設定される。この溶液組成は、溶液が、エッチングされる表面と接触して配置された際に現れる熱力学平衡状態を一意に設定すると共に、エッチング生成物の可溶性を設定する。このように、システムのエッチング挙動が決定される。
【0033】
対照的に、開示する実施形態は、照射を用いてエッチャントの反応性及び/又はエッチング溶液の電位を調整することにより、所望のエッチング挙動が得られる湿式エッチング処理を提供する。本明細書の実施形態において、エッチング溶液は、反応性エッチャント(例えば、ラジカル又はラジカルイオン)を生成する、照射に基づく光化学反応を受ける感光化合物を含む。液体エッチング溶液は、エッチング生成物を可溶化又は揮発化させる追加的な構成要素も含み得る。
【0034】
一実施形態において、ヒドロキシラジカル(HO*)が過渡的励起状態化学種として用いられ、過酸化水素の光分解から生成される。他の複数の例は、一重項酸素、励起状態分子、ラジカル、二量体、複合体及び/又は照射を通して反応性エッチャントが生成及び/又は調整される特性を有する他の材料を含むが、これらに限定されない。例えば、同様の反応性化学種をオゾン又は次亜塩素酸の水溶液の光分解から生成することができる。他の変形形態も実施され得る。
【0035】
一例示的実装形態において、開示する実施形態を用いて、多結晶金属材料のエッチングにおける粗さを低減させる。更なる例示的実施形態において、多結晶金属材料は、コバルトである。
【0036】
多結晶材料の湿式エッチングは、多くの場合、酸化溶解機構により実現される。エッチング溶液は、エッチング生成物の溶解を促進する酸化剤及び反応剤を含む。エッチング挙動(例えば、エッチング速度、エッチングの均一性)、そして最終表面形態は、エッチングされる材料の表面で発生する化学反応に応じたものである。多結晶材料上での可変エッチング速度は、この可変性が多くの場合に粗さ及び孔食等の望ましくない表面形態をもたらす点で従来の湿式エッチング処理と共通の問題である。本明細書に記述する照射を通した酸化及び溶解反応速度の調整、好適にはリアルタイムでの調整により、エッチング挙動を修正して、均一なエッチングを実現することができる。
【0037】
過酸化水素は、湿式エッチング処理で一般的に用いられるエッチャントである。本実施形態で認識されるように、560ナノメートル(nm)未満の波長(λ)の光(すなわちλ<560nm)による過酸化水素の照射の結果、ヒドロキシラジカルを形成する定量的光分解が生じる。例えば、波長が10nm~400nmのUV光(例えば、10nm≦λ≦400nm)をこの照射に用い得る。ヒドロキシラジカルは、極めて高い酸化電位(例えば、2.8ボルト)を有し、マイクロ秒レベルの寿命(例えば、寿命≦2~5マイクロ秒)を有する。高反応性と短寿命との組み合わせにより、均一な表面層をほぼ瞬間的に酸化することができ、次いでこの酸化された表面層を除去することができる。
【0038】
コバルトは、開示する実施形態を用いてエッチング可能な例示的多結晶材料と考えられる。
【0039】
まず、
図2Aを参照すると、開示する技術による一例示的実施形態200が提示されており、液体エッチング溶液の照射を用いて、本明細書に記述するようにエッチング速度及び均一性の制御、好適にはリアルタイム制御を実現する。液体エッチング溶液206がマイクロ電子ワークピースの基板208の表面上の材料204に滴下される。例示的実施形態200において、エッチングされる材料204は、コバルト(Co)であり、この材料204は、基板208の表面に既に形成されている。例示的実施形態200において、液体エッチング溶液206は、酸化溶解エッチング機構を提供する。酸化溶解エッチング機構において、材料204は、液体エッチング溶液206により酸化され、次いで液体エッチング溶液206により溶解される。従来の方式とは対照的に、且つ本明細書に記述する技術によれば、照射205を用いて、液体エッチング溶液206を、基板208の表面上の材料204に関する第1のレベルの反応剤から、材料204に関する第2のレベルの反応剤に遷移させる。更に、反応剤の第2のレベルは、反応剤の第1のレベルを上回る。
【0040】
一実施形態において、過酸化水素(H2O2)を含む液体エッチング溶液が用いられる。UV光が照射された場合、過酸化水素が開裂して2つのヒドロキシラジカル(OH*)を形成する。このヒドロキシラジカルの形成は、溶液の酸化電位を約1.8ボルト(V)から約2.8Vに高める。反応性ヒドロキシラジカルは、酸化反応の速度を向上させて、矢印210で示す酸化速度定数koxを、矢印212で示す溶解速度定数kdよりもはるかに大きくする。溶解速度に対するこの顕著に増大した酸化速度(kox>>kd)により、材料表面における酸化材料214の薄く且つ均一な層の一定速度での形成が促進される。酸化材料214は、次いで、除去されて、徐々に表面が滑らかになる。コバルトが材料108である場合、酸化コバルト(CoOx)は、酸化材料214である。
【0041】
図2Bは、本明細書に記述される開示する実施形態の照射方式に関連付けられた、エッチングの均一性の増大に起因するこの滑らかな表面の代表的な表面画像250を示す。代表的な表面画像250において、長さ500nmを表すバー252によりスケールが示されている。
【0042】
表面酸化物層の迅速な形成は、多結晶材料の結晶粒界及び欠陥部位を通るエッチャント拡散を阻止することにより、孔食を減少又は最小限に抑えることも留意される。表面形態分析から、本明細書に記述する照射技術を用いた際、孔食関連の腐食は、生じなかったか又は減少した。また、初期値から表面粗さが顕著に減少した。更なる及び/又は異なる利点も得られる。
【0043】
例示的処理モードも、多結晶材料のエッチングに関して本明細書に記述するUV強化過酸化物(UVP)湿式エッチング法を用いて試験された。これらの例示的処理モードにおいて、UVP湿式エッチング方法が適用された2つの例示的処理モード:連続UVP処理及び周期的酸化溶解処理を用いて、多結晶コバルトがエッチングされた。
【0044】
連続UVP処理の例において、pHを10に調整(pH=10)した過酸化水素(H
2O
2)と、クエン酸(例えば、クエン酸塩の形態における)との混合物が用いられた。このモードでの酸化及び溶解反応は、同時である。照射を用いたこの処理の結果を代表的画像250に関して
図2Bに示す。照射を用いなかったこの処理の結果を代表的表面画像150に関して
図1B(従来技術)に示す。
【0045】
上述のように、
図1A(従来技術)は、UV照射がない場合の、過酸化水素(H
2O
2)及びクエン酸塩の水溶液と接触するコバルトの酸化及び溶解反応速度の一例示的実施形態100を示す。
図1B(従来技術)は、
図1A(従来技術)が表すように、UV照射がない処理でのポストエッチング形態の例示的表面画像150に対応する。
【0046】
上の記述とは対照的に、
図2Aは、UV照射がある場合の、H
2O
2及びクエン酸塩の水溶液と接触しているコバルトの酸化及び溶解反応速度の一例示的実施形態200を示す。
図2Bは、
図2Aが表すように、UV照射がある処理のポストエッチング形態の例示的表面画像250に対応する。UV照射は、エッチング量が極めて少ない場合でも表面粗さの減少をもたらす、より高い酸化速度を可能にする過渡的ヒドロキシラジカルを生成する。
【0047】
一実施形態において、周期的処理モードを用いる。この周期的処理モードの例において、酸化と溶解反応とが分離される。第1のステップにおいて、コバルトは、所与の時間にわたり、クエン酸塩が存在しない(例えば、溶解除去された)状態で照射処理(例えば、UVP処理)により酸化される。次いで、酸化材料(例えば、酸化コバルト)の層がクエン酸(例えば、クエン酸塩の形態における)の水溶液を用いて除去される。UVP酸化及び溶解時間を慎重に制御することでコバルトを均一にエッチングすることができる。
【0048】
錯化剤は、クエン酸塩に限定されず、この目的に異なる錯化剤が用いられ得ることが留意される。例えば、錯化剤は、カルボン酸、アミン、アミノ酸、アルコール等の化学種からの配位子を含み得る。例としては、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)、リンゴ酸、シュウ酸、グリシン、アラニン又はイミノ二酢酸が挙げられるが、これらに限定されない。除去速度は、錯化剤の種類に依存することが更に留意される。
【0049】
図3A~3Cは、この周期的処理モードの代表的な結果を示す。
【0050】
図3Aは、周期的処理前の粗さの代表的な表面画像300を示す。この図は、未処理の基板の表面上の材料を表す。この例において、材料層の厚さは、30nmであり、RMS(平均二乗根)粗さは、1.76nmである。
【0051】
図3Bは、周期的UVP処理を用いた多結晶コバルトのエッチング後の、
図3Aと比較して粗さが低減した状態の代表的な表面画像350を示す。エッチングにより4nm除去されたため、材料層の厚さは、ここで、26nmである。RMS粗さは、0.86nmまで改善し、表面画像内で粗さの減少が視認可能である。代表的な表面画像350において、長さ200nmを表すバー352によりスケールが示されている。
【0052】
図3Cは、
図3A及び3Bの表面画像が表すエッチング処理前後のAFM(原子間力顕微鏡)表面粗さプロファイル374/376の代表
図370を示す。粗さプロファイル374/376は、例えば、多結晶コバルトの表面から4nmエッチングした後の、エッチング処理の平滑化効果を示す。縦軸は、表面の正規化された高さをナノメートル単位で表し、横軸は、材料の表面に沿った一方向での長さをマイクロメートル(μm)単位で表す。上側の線は、未処理の材料の表面を表す粗さプロファイル374であり、バー378で未処理の表面変化を表す。下側の線は4nmエッチングした後の材料の表面を表す粗さプロファイル376であり、エッチング後の表面変化をバー380で表す。代表
図370及び粗さプロファイル374/376において、長さ4nmを表すバー372によりスケールを示している。図から分かるように、周期的処理により、表面粗さが相当減少している。
【0053】
追加的な実施形態に関して、液体エッチング溶液に照射されるUV光強度の空間的及び/又は時間的制御を通して、マイクロ電子ワークピースの基板の比較的大きい表面領域全体にわたり、エッチング速度を制御することができる。例えば、空間的制御の場合、液体エッチング溶液の異なる領域をUV光により照射する一方、液体エッチング溶液の他の領域をUV光に露光しないままにすることができる。時間的制御の場合、異なる長さの時間にわたり、UV光を表面の異なる領域に照射することができる。このように、マイクロ電子ワークピースの表面の空間的及び/又は時間的照射を調整することにより、異なるエッチング速度が得られる。
【0054】
スピナーソリューション及びレーザー/スキャナソリューションを含めて、マイクロ電子ワークピースの基板の表面に滴下された液体エッチング溶液の照射に各種の照射システムを用いることができる。スピナー上で実施される場合、任意選択的に照射光源を基板の動きに同期させて、ウェーハの個々の領域を時間不変強度で照射することが可能になる。空間分解照射は、例えば、発光ダイオード(LED)アレイにより実現することができる。LEDアレイが問題なく機能するのは、低い空間解像度が受容できる場合である。LEDアレイをスピンチャンバの基板と同期して回転させることができるか、又はアレイの空間強度をウェーハの動きに同期させることができる。より高い空間解像度が望まれる場合、レーザー源及びスキャナを用いて照射を行うことができる。レーザー源は、より高いエッチング速度を必要とするウェーハの領域により高い光強度を提供する動きでウェーハ表面上を移動/走査することができる。これらの例示的実装形態の両方を用いて、単一の波長又は複数の波長でウェーハを照射して湿式エッチング溶液中の反応剤を調整することができる。他の光源が用いられ得ることが留意される。更に、例えば光源を組み合わせて、正確なレーザー走査により強化されてゾーンから溢れる露光を照射システムとして用い得る。他の変形形態及び実装形態も、本明細書に記述する技術を利用しながらなおも実現され得る。
【0055】
図4A~Bは、マイクロ電子ワークピースの表面の照射に関するスキャナソリューション及びレーザー/スキャナソリューションの例示的実施形態を示す。
【0056】
まず、
図4Aを参照すると、半導体ウェーハ404等のマイクロ電子ワークピースの基板の表面に滴下された液体エッチング溶液の照射にLEDアレイ402を用いる、スキャナソリューションの一例示的実施形態400が示されている。照射前に、液体エッチング溶液は、供給システム406を用いてスピンチャンバ内でウェーハ404の表面に分注される。例示的実施形態400において、LEDアレイ402は、単一の波長であるか、又はアレイ内で異なるエミッタを散在させることにより複数の波長であり得る。個々のエミッタの出力は、ウェーハの表面全体にわたり照射強度を制御するためにリアルタイムで調整可能である。一実施形態において、矢印403、405で示すように、LEDアレイ402は、ウェーハ404の動きと機械的に同期される。別の実施形態において、個々のエミッタの強度がウェーハ404の動きに同期されるのに対し、LEDアレイ402は、静止したままである。追加的な変形形態も実施され得る。
【0057】
図4Bは、一例示的実施形態450を示し、ここで、半導体ウェーハ404等のマイクロ電子ワークピースの基板の表面に分注される液体エッチング溶液の照射は、1つ以上のレーザー源452/456により行われる。照射前に、液体エッチング溶液は、供給システム406を用いてスピンチャンバ内でウェーハ404の表面に分注される。次いで、単一のレーザー又は複数のレーザー源452/456が照射に用いられる。複数のレーザー源452/456は、例えば、複数の波長でウェーハ404を照射することが望ましい場合に用いることができる。ステアリング光学機器454/458を用いて、レーザー源452/456からのレーザービームでウェーハ表面を走査する。ウェーハ404の表面の個々の点におけるレーザースポットの滞留時間は、その点でのエッチング強化を制御する。レーザービームの動きは、矢印405、455及び459で示すように、ウェーハ404の動きに同期させることができる。
【0058】
更なる追加的な実施形態において、エッチングの均一性は、フィードフォワード技術により、マイクロ電子ワークピースの基板の比較的大きい表面領域全体にわたり向上させることができる。例えば、基板の表面のトポロジ及び/又は層厚を、選択された表面領域全体にわたり測定することができ、この表面領域内の異なる領域のエッチング量を測定値及び所望の結果に基づいて決定することができる。例えば、結果的に滑らかな表面が望ましい場合、UV光照射の空間的及び/又は時間的制御を用いて局所的エッチング速度を調整することにより、トポロジ内の山及び谷が均一にされて、所望の目標表面パラメータを得ることができる。このように、フィードフォワード制御は、不均一な層厚及び/又はマイクロ電子ワークピース全体にわたる他のむらを補償する技術を提供する。
【0059】
図5Aは、照射を用いて液体エッチング溶液中の反応剤を調整することにより、マイクロ電子ワークピースの基板の表面上の材料をエッチングする際のエッチングの均一性を向上させる、一例示的実施形態500の処理フロー図である。ブロック502において、マイクロ電子ワークピースの基板が受容され、基板は、基板の表面からエッチングされる材料を有する。ブロック504において、液体エッチング溶液が基板の表面に滴下され、液体エッチング溶液は、材料に関する第1のレベルの反応剤を有する。ブロック506において、液体エッチング溶液が照射されることにより、液体エッチング溶液は、材料に関する第2のレベルの反応剤を有するようになり、第2のレベルは、第1のレベルを上回る。ブロック508において、材料が液体エッチング溶液により酸化されて、酸化材料を形成する。ブロック510において、酸化材料が除去される。更なる及び/又は異なるステップも、本明細書に記述する照射技術を利用しながらなおも用いられ得ることが留意される。
【0060】
図5Bは、照射を用いて、過酸化水素を有する液体エッチング溶液中でヒドロキシラジカルを形成することにより、マイクロ電子ワークピースの基板の表面上の多結晶金属をエッチングする際のエッチングの均一性を向上させる、一例示的実施形態550の処理フロー図である。ブロック552において、マイクロ電子ワークピースの基板が受容され、基板は、基板の表面からエッチングされる多結晶金属を有する。ブロック554において、過酸化水素を含む液体エッチング溶液が基板の表面に滴下され、液体エッチング溶液は、多結晶金属に関する第1のレベルの反応剤を有する。ブロック556において、液体エッチング溶液が照射されることにより、過酸化水素からヒドロキシラジカルの形成が生じ、少なくとも部分的にヒドロキシラジカルの形成により、液体エッチング溶液は、多結晶金属に関する第2のレベルの反応剤を有するようになる。更に、反応剤の第2のレベルは、反応剤の第1のレベルを上回る。ブロック558において、多結晶金属が液体エッチング溶液により酸化されて、酸化金属を形成する。ブロック560において、酸化金属が除去される。更なる及び/又は異なるステップも、本明細書に記述する照射技術を利用しながらなおも用いられ得ることが留意される。
【0061】
図6は、照射を用いてエッチング溶液(例えば、気体エッチング溶液、液体エッチング溶液又はこれらの組み合わせの少なくとも1つ)中の反応剤を調整することにより、マイクロ電子ワークピースの基板の表面上の材料をエッチングする際のエッチングの均一性を向上させる、一例示的実施形態600の処理フロー図である。ブロック602において、マイクロ電子ワークピースの基板が受容され、基板は、基板の表面からエッチングされる材料を有する。ブロック604において、エッチング溶液が基板の表面に滴下され、エッチング溶液は、材料に関する第1のレベルの反応剤を有する。ブロック606において、エッチング溶液及び材料の表面が照射に露光されて、材料の表面に材料の改質層が形成され、この露光により、エッチング溶液は、材料に関する、第1のレベルを上回る第2のレベルの反応剤を有するようになる。ブロック608において、材料の改質層が除去される。更なる及び/又は異なるステップも、本明細書に記述する照射技術を利用しながらなおも用いられ得ることが留意される。
【0062】
図7は、エッチング溶液(例えば、気体エッチング溶液、液体エッチング溶液又はこれらの組み合わせの少なくとも1つ)の照射を用いて材料を研磨する、一例示的実施形態700の処理フロー図である。ブロック702において、研磨される材料が受容される。ブロック704において、エッチング溶液が材料の表面に滴下され、エッチング溶液は、材料に関する第1のレベルの反応剤を有する。ブロック706において、エッチング溶液及び材料の表面が照射に露光されて、材料の表面に材料の改質層が形成され、この露光により、エッチング溶液は、材料に関する、第1のレベルを上回る第2のレベルの反応剤を有するようになる。ブロック708において、材料の改質層が除去され、材料は、研磨された表面を有するようになる。研磨された表面は、エッチングされている元の材料の表面よりも表面むらが少ないように研磨されている。更なる及び/又は異なるステップも、本明細書に記述する照射技術を利用しながらなおも用いられ得ることが留意される。
【0063】
本明細書に記述する技術は、広範な処理システム、装置及びプラットフォームで用いられ得ることが更に留意される。例えば、この技術は、
図8Aに示すように、湿式エッチング処理システムで用いられ得、湿式エッチング処理システムは、
図8Bの処理プラットフォーム実施形態に示すように、乾式エッチング処理システムと組み合わせて用いることができる。他の変形形態も実施され得る。
【0064】
図8Aは、基板806の表面上の材料をエッチングする開示技術に関して利用できる湿式エッチング処理システム800の一例示的実施形態のブロック図である。湿式エッチング処理システム800は、湿式処理チャンバ810を含む。湿式処理チャンバ810は、圧力制御チャンバであり得る。基板806(一例では半導体ウェーハ)が静電チャック等の基板ホルダ808に保持されている。基板ホルダ808は、制御された速度で回転するようにも構成することができる。
【0065】
液体エッチング溶液の供給システム802及び照射システム804が湿式処理チャンバ810と共に用いられる。供給システム802は、液体エッチング溶液を保持する貯槽及び湿式処理チャンバ810内に排出ノズルが配置された液体供給管を含むことができる。供給システム802を用いて、基板806の表面に液体エッチング溶液を分注することができる。本明細書において、
図4A~4Bに関して記載されているように、液体エッチング溶液は、単一の波長又は複数の波長で光を発するLEDアレイ又は他の照射素子であり得る照射システム804を用いて照射される。更に、この照射は、選択的であり得、基板ホルダ808の回転と同期され、且つ/又は本明細書に記述するように他の方法で供給されて、液体エッチング溶液を照射して、液体エッチング溶液中の反応剤のレベルを調整し得る。
【0066】
本明細書に記述するように、開示する実施形態は、多結晶金属コバルト等の多結晶構造のエッチングに用いる際に有益な結果をもたらす。他の多結晶材料及び多結晶金属並びに他の材料も、本明細書に記述する照射技術を用いてエッチングすることができる。例えば、エッチングできる追加的な多結晶材料及び化合物は、ルテニウム、タングステン、チタン、タンタル、窒化チタン、窒化タンタル及び/又は他の材料を含む。
【0067】
湿式エッチング処理システム800の要素を、対応するメモリ記憶装置及びユーザーインターフェース(図示せず)に結合可能なコントローラ812と結合して、次にコントローラ812により制御することができる。ユーザーインターフェースを介して各種の処理動作を実行することができ、各種の処理レシピ及び動作を記憶装置に保存することができる。従って、所与の基板806は、各種の技術により湿式処理チャンバ810内で処理することができる。コントローラ812を湿式エッチング処理システム800の各種の要素に結合して、その要素から入力を受信し、且つその要素に出力を提供できることが認識されるであろう。
【0068】
コントローラ812は、様々な方法で実施され得る。例えば、コントローラ812は、コンピュータであり得る。別の例において、コントローラは、本明細書に記述する機能を提供するようにプログラムされた1つ以上のプログラム可能な集積回路を含み得る。例えば、1つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、中央処理装置等)、プログラム可能論理素子(例えば、複合プログラム可能論理素子(CPLD))、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)等)及び/又は他のプログラム可能な集積回路は、法的に禁止されたプラズマ処理レシピの機能を実施するためのソフトウェア又は他のプログラム命令によりプログラム可能である。ソフトウェア又は他のプログラム命令は、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体(例えば、メモリ記憶素子、FLASHメモリ、DRAMメモリ、再プログラム可能記憶素子、ハードドライブ、フロッピーディスク、DVD、CD-ROM等)に保存できることと、ソフトウェア又は他のプログラム命令は、プログラム可能な集積回路により実行された場合、本明細書に記述する処理、機能及び/又は能力を、プログラム可能な集積回路に実行させることとが更に留意される。他の変形形態も実施され得る。
【0069】
図8Bは、湿式エッチング処理システム800及び乾式エッチング処理システム852を含むプラットフォーム850の一例示的実施形態のブロック図である。本明細書に記述するように、湿式エッチング処理システム800は、エッチングされる材料に液体エッチング溶液を分注し、次いで液体エッチング溶液を照射して、液体エッチング溶液中の反応剤のレベルを調整する。乾式エッチング処理システム852は、処理されている基板から材料をエッチング又は除去する任意の所望の乾式エッチング処理を実施することができる。動作中、乾式エッチング処理システム852は、乾式エッチング化学を用いて基板上の材料をエッチングする。
【0070】
乾式エッチング処理システム852は、様々な乾式エッチング処理、例えばプラズマエッチング処理、反応性イオンエッチング(RIE)処理、化学気相エッチング(CVE)処理、原子層エッチング(ALE)処理及び/又は他の乾式エッチング処理のいずれも実施され得ることが留意される。更に、乾式エッチング処理は、湿式エッチング処理前後に実行され得る。例えば、乾式エッチング処理が乾式エッチング処理システム852の乾式エッチング処理チャンバ内で実行されて、基板から材料を除去した結果、第1の表面粗さが得られる。基板が、次いで、(移送モジュール854を介して)湿式エッチング処理システム800の湿式エッチング処理チャンバに移送されて、湿式エッチング処理を実行した結果、第2の表面粗さが得られ、第2の表面粗さは、第1の表面粗さよりも小さい。更に、必要に応じて移送モジュール854を用いて基板を移送することにより、複数回の乾式エッチング処理及び複数回の湿式エッチング処理を実行できることが留意される。他の変形形態も実施され得る。
【0071】
乾式エッチング処理システム852及び湿式エッチング処理システム800内での基板の処理を促進するために、移送モジュール854及び絶縁貫通モジュール856も2つのシステム800/852間で結合され得る。移送モジュール854は、矢印858で示すように、乾式エッチング処理システム852と湿式エッチング処理システム800との間で基板を移動させるように構成されている。絶縁貫通モジュール856は、移送モジュール854の周囲環境を湿式エッチング処理システム800の周囲環境から分離するために、移送モジュール854と湿式エッチング処理システム800との間に配置されている。基板は、その後、処理システム800/852の外側に存在する潜在的不純物に基板を露出することなく、乾式エッチング処理システム852と湿式エッチング処理システム800との間を移動することができる。この移動も、
図8Aに関して記述するコントローラ812等のコントローラにより制御することができる。
【0072】
乾式エッチング処理システム852、湿式エッチング処理システム800、移送モジュール854及び絶縁貫通モジュール856に使用できる更なる例示的実施形態は、2019年1月18日出願の「Platform and Method for Operating for Integrated End-to-End Gate Contact Process」という名称の米国仮特許出願第62/794,315号明細書、2019年1月2日出願の「Self-Aware and Correcting Heterogeneous Platform incorporating Integrated Semiconductor Processing Modules and Method for using same」という名称の米国仮特許出願第62/787,607号明細書、2019年1月2日出願の「Self-Aware and Correcting Heterogeneous Platform incorporating Integrated Semiconductor Processing Modules and Method for using same」という名称の米国仮特許出願第62/787,608号明細書、2019年1月4日出願の「Substrate Processing Tool with Integrated Metrology and Method of using」という名称の米国仮特許出願第62/788,195号明細書及び2019年3月18日出願の「PLATFORM AND METHOD OF OPERATING FOR INTEGRATED END-TO-END GATE CONTACT PROCESS」という名称の米国特許出願公開第16/356,451号明細書に記述されており、これらの各々は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0073】
1つ以上の堆積処理を用いて、本明細書に記述する材料層を形成できることが留意される。例えば、化学気相堆積(CVD)、プラズマCVD(PECVD)、物理気相堆積(PVD)、原子層堆積(ALD)及び/又は他の堆積処理を用いて1回以上の堆積を行うことができる。プラズマ堆積処理において、炭化水素、フルオロカーボン又は炭化水素を含む窒素を含むが、これらに限定されない前駆体気体混合物を1つ以上の希釈気体(例えば、アルゴン、窒素等)と様々な圧力、電力、流れ及び温度条件で組み合わせて用いることができる。光リソグラフィ、極端紫外線(EUV)リソグラフィ及び/又は他のリソグラフィ処理を用いて、フォトレジスト(PR)層に関するリソグラフィ処理を実行することができる。エッチング処理は、プラズマエッチング処理、放出エッチング処理、原子層エッチング(ALE)及び/又は他の所望のエッチング処理を用いて実行することができる。例えば、プラズマエッチング処理は、フルオロカーボン、酸素、窒素、水素、アルゴン及び/又は他の気体を含むプラズマを用いて実行することができる。また、処理ステップの動作変数を制御して、ビア孔形成中にビア孔のCD(臨界寸法)目標パラメータに到達することを保証できる。動作変数は、例えば、チャンバ温度、チャンバ圧、気体の流速、プラズマの生成に際して電極アセンブリに印加される周波数及び/若しくは電力並びに/又は処理ステップの他の動作変数を含み得る。変形形態も、引き続き本明細書に記述する技術を利用しながら実施され得る。
【0074】
本明細書全体を通して、「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、その実施形態に関して記述される特定の特徴、構造、材料又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味するが、それらが全ての実施形態に存在することを意味しないことが留意される。従って、本明細書全体を通して様々な箇所に出現する語句「一実施形態において」又は「実施形態において」は、必ずしも本発明の同一の実施形態を指すわけではない。更に、特定の特徴、構造、材料又は特性は、1つ以上の実施形態で任意の適当な方法において組み合わされ得る。各種の追加的な層及び/又は構造は、他の実施形態に含まれ得、且つ/又は記述された特徴を省略され得る。
【0075】
本明細書で用いる「マイクロ電子ワークピース」は、一般に、本発明に従って処理される対象を指す。マイクロ電子ワークピースは、素子、特に半導体又は他の電子素子の任意の材料部分又は構造を含み得、例えば薄膜等のベース基板構造上の又は被覆する半導体基板又は層等のベース基板構造であり得る。従って、ワークピースは、パターン化されるか又はされないかに関わらず、いかなる特定のベース構造、下地層又は被覆層にも限定することを意図せず、むしろそのようなあらゆる種類の層又はベース構造並びに層及び/又はベース構造の任意の組み合わせを含むものとする。以下の記述は、特定の種類の基板に言及し得るが、これは、説明目的に過ぎず、限定を意図していない。
【0076】
本明細書で用いる用語「基板」は、材料が上に形成されたベース材料又は構造を意味し且つそれを含む。基板は、単一の材料、異なる材料の複数の層、異なる材料又は異なる構造の領域を内部に有する1つの層又は複数の層等を含み得ることが認識されるであろう。これらの材料は、半導体、絶縁体、導体又はこれらの組み合わせを含み得る。例えば、基板は、半導体基板、支持構造上のベース半導体層、1つ以上の層、構造又は領域が上に形成された金属電極又は半導体基板であり得る。基板は、半導材料の層を含む従来のシリコン基板又は他のバルク基板であり得る。本明細書で用いる用語「バルク基板」は、シリコンウェーハだけでなく、絶縁体上シリコン(「SOI」)基板、例えばサファイア上シリコン(「SOS」)基板、ガラス上シリコン(「SOG」)基板、ベース半導体基礎上のシリコンのエピタキシャル層等及び他の半導体又は光電子材料、例えばシリコンゲルマニウム、ゲルマニウム、ガリウム砒素、窒化ガリウム及びリン化インジウム等も意味し且つそれを含む。基板は、ドープされても又はされなくてもよい。
【0077】
マイクロ電子ワークピースを処理するシステム及び方法について、各種の実施形態において記述されている。各種の実施形態は、1つ以上の特定の詳細なしに又は他の代替的及び/若しくは追加的な方法、材料若しくは要素を用いて実施され得ることが当業者に認識されるであろう。他の例において、本発明の各種の実施形態の態様を不明瞭にすることを避けるため、公知の構造、材料又は動作を図示又は詳述していない。同様に、説明目的のため、本発明の十分な理解を提供するために特定の数値、材料及び構成が説明されている。しかし、本発明は、特定の詳細なしに実施され得る。更に、図面に示す各種の実施形態は、説明目的の表現であり、必ずしも等縮尺で描画されているわけではないことを理解されたい。
【0078】
記述するシステム及び方法の更なる変更形態及び代替的実施形態は、この記述から当業者に明らかであろう。従って、記述するシステム及び方法は、これらの例示的構成に限定されないことが認識されるであろう。本明細書に示され、記述されるシステム及び方法の形式は、例示的実施形態として挙げられたものと解釈すべきであることを理解されたい。実装形態に対する各種の変更形態がなされ得る。従って、本明細書において、本発明を特定の実施形態に関して記述しているが、本発明の範囲から逸脱することなく各種の改良形態及び変更形態がなされ得る。従って、本明細書及び図面は、限定的ではなく、例示的な意味で解釈すべきであり、そのような改良形態は、本発明の範囲に含まれるものとする。更に、特定の実施形態に関して本明細書に記述するいかなる利益、利点又は問題の解決策も、請求項のいずれか又は全ての必須の、必要とされる又は本質的な特徴又は要素として解釈されることを意図していない。
【国際調査報告】