(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-03
(54)【発明の名称】3D印刷において使用するためのリモネンベースの(メタ)アクリレート
(51)【国際特許分類】
C08F 290/06 20060101AFI20220224BHJP
C08F 220/28 20060101ALI20220224BHJP
C08F 2/50 20060101ALI20220224BHJP
C08F 20/00 20060101ALI20220224BHJP
C08G 18/64 20060101ALI20220224BHJP
B33Y 70/00 20200101ALI20220224BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20220224BHJP
B33Y 40/00 20200101ALI20220224BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20220224BHJP
B29C 64/129 20170101ALI20220224BHJP
B29C 64/314 20170101ALI20220224BHJP
【FI】
C08F290/06
C08F220/28
C08F2/50
C08F20/00 510
C08G18/64 015
B33Y70/00
B33Y10/00
B33Y40/00
B33Y80/00
B29C64/129
B29C64/314
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021540824
(86)(22)【出願日】2020-01-10
(85)【翻訳文提出日】2021-09-14
(86)【国際出願番号】 EP2020050567
(87)【国際公開番号】W WO2020148189
(87)【国際公開日】2020-07-23
(32)【優先日】2019-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(72)【発明者】
【氏名】フクス,アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】ミュールハウプト,ロルフ
(72)【発明者】
【氏名】アスマッハー,アンネ カトリン
(72)【発明者】
【氏名】シムプフ,フィタリー
【テーマコード(参考)】
4F213
4J011
4J034
4J100
4J127
【Fターム(参考)】
4F213AA21
4F213AB04
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL12
4F213WL23
4F213WL25
4J011AA05
4J011AC04
4J011QA03
4J011QA12
4J011QA13
4J011QA22
4J011QA23
4J011QB28
4J011QB29
4J011SA84
4J011VA01
4J011WA02
4J011WA07
4J034BA03
4J034DA01
4J034DB03
4J034DF01
4J034DF12
4J034FA02
4J034HA01
4J034HA07
4J034HC03
4J034HC17
4J034HC22
4J034HC46
4J034HC52
4J034HC61
4J034HC71
4J034HC73
4J034QB11
4J034RA07
4J100AL08R
4J100AL66P
4J100AL66R
4J100AM21Q
4J100BA02Q
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4J100BA39R
4J100BC04P
4J100CA03
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4J100DA25
4J100DA49
4J100EA03
4J100FA03
4J100FA18
4J100JA28
4J127BB021
4J127BB031
4J127BB091
4J127BB221
4J127BC021
4J127BD141
4J127BD171
4J127BD221
4J127BD411
4J127BD481
4J127CB151
4J127CB162
4J127CB281
4J127CC021
4J127CC091
4J127CC191
4J127EA13
4J127FA06
(57)【要約】
本発明は、a)式
【化1】
特に
【化2】
の化合物1当量と、式
【化3】
の化合物1~3当量とを、触媒及び阻害剤の存在下で高温で反応させることによって得ることができるリモネンベースの(メタ)アクリレート(A)を含む、光硬化性組成物に関するものであり、光重合3D印刷プロセスにおけるその使用方法に関するものである。リモネンベースの(メタ)アクリレート(A)は、光硬化型アクリレート組成物の剛性及びガラス転移温度を著しく向上させる。このような効果は、通常、芳香族又はビスフェノールAベースの化合物を使用することで達成されるが、リモネンベースの(メタ)アクリレート(A)は、持続可能な代替物をはるかに低い粘度で提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A) リモネンベースの(メタ)アクリレートであって、
a) 式
【化1】
特に
【化2】
の化合物1当量と、式
【化3】
の化合物1~3当量とを、触媒及び重合阻害剤の存在下で高温で反応させることによって(式中、
R及びR’は、互いに独立して、H、又はメチル基であり、
R
1、R
2及びR
3は、互いに独立して、H、又はC
1~C
4アルキル基である)、そして
b) 場合により、工程a)で得られた生成物を酸無水物、又はハロゲン化アシルと反応させることによって
得ることができる、前記リモネンベースの(メタ)アクリレート、
(B) 場合によりオリゴマー(B)、
(C) 希釈剤(C)、及び
(D) 光開始剤(D)
を含む、光硬化性組成物。
【請求項2】
前記光硬化性組成物の粘度が、30℃で10~3000mPa・sの範囲、好ましくは10~1500mPa・sである、請求項1に記載の光硬化性組成物。
【請求項3】
R
2及びR
3がHである、請求項1又は2に記載の光硬化性組成物。
【請求項4】
R
1がメチル基である、請求項1から3のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
【請求項5】
化合物(I)及び(II)を反応させることによって得られる前記リモネンベースの(メタ)アクリレート(A)の粘度が、25℃で1~500Pa・sの範囲である、請求項1から4のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
【請求項6】
前記光開始剤(D)が、式XII
【化4】
の化合物(式中、
R
50は、非置換のシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル又はビフェニルイルであるか、又は1種以上のハロゲン、C
1~C
12アルキル、C
1~C
12アルコキシ、C
1~C
12アルキルチオにより、又はNR
53R
54により置換されているシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル又はビフェニルイルであり、
又はR
50は、非置換のC
1~C
20アルキルであるか、又は1種以上のハロゲン、C
1~C
12アルコキシ、C
1~C
12アルキルチオ、NR
53R
54により、又は-(CO)-O-C
1~C
24アルキルにより置換されているC
1~C
20アルキルであり、
R
51は、非置換のシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル又はビフェニルイルであるか、又は1種以上のハロゲン、C
1~C
12アルキル、C
1~C
12アルコキシ、C
1~C
12アルキルチオにより、又はNR
53R
54により置換されているシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル又はビフェニルイルであり、又はR
51は-(CO)R’
52であり、又はR
51は、非置換の、又は1種以上のハロゲン、C
1~C
12アルコキシ、C
1~C
12アルキルチオにより、又はNR
53R
54により置換されているC
1~C
12アルキルであり、
R
52及びR’
52は、互いに独立して、非置換のシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル又はビフェニルイルであるか、又は1種以上のハロゲン、C
1~C
4アルキル又はC
1~C
4アルコキシにより置換されているシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル又はビフェニルイルであるか、又はR
52はS原子又はN原子を含む5員又は6員の複素環であり、
R
53及びR
54は、互いに独立して、水素、非置換のC
1~C
12アルキル、又は1種以上のOH又はSHにより置換されているC
1~C
12アルキルであり、ここでアルキル鎖は場合により1~4個の酸素原子により入り込まれ、又はR
53及びR
54は、互いに独立して、C
2~C
12-アルケニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル又はフェニルである)であるか、又は前記光開始剤(D)は、式(XII)の化合物と式
【化5】
(式中、
R
29は、水素又はC
1~C
18アルコキシであり、
R
30は、水素、C
1~C
18アルキル、C
1~C
12ヒドロキシアルキル、C
1~C
18アルコキシ、OCH
2CH
2-OR
34、モルホリノ、S-C
1~C
18アルキル、基-HC=CH
2、-C(CH
3)=CH
2、
【化6】
であり、
d、e及びfは、1~3であり、
cは、2~10であり、
G
1及びG
2は、互いに独立して、ポリマー構造の末端基、好ましくは水素又はメチルであり、
R
34は、水素、
【化7】
であり、
R
31は、ヒドロキシ、C
1~C
16アルコキシ、モルホリノ、ジメチルアミノ、又は-O(CH
2CH
2O)
g-C
1~C
16アルキルであり、
gは、1~20であり、
R
32及びR
33は、互いに独立して、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
16アルコキシ、又は-O(CH
2CH
2O)
g-C
1~C
16アルキルであるか、又は非置換のフェニル又はベンジル、又はC
1~C
12-アルキルにより置換されているフェニル又はベンジルであり、又はR
32及びR
33は、それらが結合している炭素原子と共にシクロヘキシル環を形成し、
R
35は、水素、OR
36又はNR
37R
38であり、
R
36は、水素、C
1~C
12アルキル(ただし、そのC
1~C
12アルキルは、場合により、1個以上の連続しないO-原子により入り込まれ、そして、入り込まれていないか若しくは入り込まれたC
1~C
12アルキルが、場合により、1個以上のOHで置換されている)であり、
又はR
36は、
【化8】
であり、
R
37及びR
38は、互いに独立して、水素又は非置換であるか又は1個以上のOHにより置換されているC
1~C
12アルキルであり、
R
39は、場合により1個以上の連続しないOにより入り込まれたC
1~C
12アルキレン、-(CO)-NH-C
1~C
12アルキレン-NH-(CO)-又は
【化9】
である
(ただし、R
31、R
32及びR
33は、すべてが共にC
1~C
16アルコキシ又は-O(CH
2CH
2O)
g-C
1~C
16アルキルであるわけではないことを条件とする))の化合物との混合物であるか、又は前記光開始剤が前記式(XII)のうちの異なる化合物同士の混合物であるか、又は前記光開始剤がトリアルキルベンゾイル、又はジアルキルジベンゾイルゲルマニウム化合物であるか、又は前記光開始剤が第3級アミンと組み合わせたカンファキノンである、請求項1から5のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
【請求項7】
前記オリゴマー(B)が、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート及びウレタンアクリレートから選択される、請求項1から6のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
【請求項8】
前記オリゴマー(B)が、ポリアルキレングリコールを、カプロラクトン、イソホロンジイソシアネート及びヒドロキシアルキルアクリレートと反応させることによって得られるか、又は
前記オリゴマー(B)が、カプロラクトン、イソホロンジイソシアネート、及びヒドロキシアルキルアクリレートを反応させることによって得られるか、又は
前記オリゴマー(B)が、カプロラクトン、イソホロンジイソシアネート及びヒドロキシエチルアクリレートを反応させることによって得られるか、又は
前記オリゴマー(B)が、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートをヒドロキシエチルメタクリレートと反応させることによって得られるか、又は
前記オリゴマー(B)が、
(B1)ヒドロキシアルキルアクリレート、又はヒドロキシアルキルメタクリレート、
(B2)脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、又は芳香族ジイソシアネート、
(B3)脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族ジオールから誘導されるポリエステルポリオール、及び
(B4)場合により第2のポリオール、特にグリセロール
を反応させることによって得られる、請求項1から7のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
【請求項9】
前記希釈剤(C)が、グリセロールジメタクリレート、N-ビニル-ピロリドン、ビニル-イミダゾール、N-ビニルカプロラクタム、N-(ヒドロキシメチル)ビニルアミド、N-ヒドロキシエチルビニルアミド、N-イソプロピルビニルアミド、N-イソプロピルメタビニルアミド、N-tert-ブチルビニルアミド、N,N’-メチレンビスビニルアミド、N-(イソブトキシメチル)ビニルアミド、N-(ブトキシメチル)ビニルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタビニルアミド、N,N-ジメチルビニルアミド、N,N-ジエチルビニルアミド、N-メチル-N-ビニルアセトアミド、アクリロイルモルホリン、メタクリロイルモルホリン、N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-イソプロピルメタクリルアミド、N-tert-ブチルアクリルアミド、N,N’-メチレンビスアクリルアミド、N-(イソブトキシメチル)アクリルアミド、N-(ブトキシメチル)アクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-(ヒドロキシメチル)メタクリルアミド、N-ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N-イソプロピルメタクリルアミド、N-イソプロピルメタメタクリルアミド、N-tert-ブチルメタクリルアミド、N,N’-メチレンビスメタクリルアミド、N-(イソブトキシメチル)メタクリルアミド、N-(ブトキシメチル)メタクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタメタクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド及びN,N-ジエチルメタクリルアミド、イソボルニルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、エトキシル化フェニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、オクチルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、カプロラクトンメタクリレート、ノニルフェノールメタクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリプロピレングリコールメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、エトキシル化(3)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシル化(10)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビストリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ビストリメチロールプロパンテトラメタクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロポキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロポキシル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート及びこれらの混合物から選択される、請求項1から8のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
【請求項10】
a)式
【化10】
特に
【化11】
の化合物1当量と、式
【化12】
の化合物1~3当量とを、触媒及び阻害剤の存在下で高温で反応させる工程(式中、R及びR’は互いに独立してH又はメチル基であり、R
1、R
2及びR
3は互いに独立してH、又はC
1~C
4アルキル基、特にメチル基である)、そして
b)場合により、工程a)で得られた生成物を酸無水物、またはハロゲン化アシルと反応させる工程
を含む、リモネンベースの(メタ)アクリレートの製造方法。
【請求項11】
前記触媒が、トリフェニルホスフィン、1,2-ジメチルイミダゾール及びベンジルトリエチルアンモニウムクロライドから選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
a) 請求項1から10のいずれか1項に記載の光硬化性組成物を提供する工程、
b) 前記光硬化性組成物を化学線に曝露して、硬化した断面を形成する工程、
c) 工程(a)及び(b)を繰り返して、三次元物品を構築する工程
を含む、三次元物品を製造する方法。
【請求項13】
バット光重合を含む、請求項12に記載の方法であって、工程b)における請求項1から10のいずれか1項に記載の光硬化性組成物を並進又は回転させた基材上に直接硬化させ、そしてその照射を、ステレオリソグラフィー、ホログラフィ、又はデジタルライトプロジェクション(DLP)を介してパターン化する、方法。
【請求項14】
a) 請求項1から10のいずれか1項に記載の光硬化性組成物の層を表面に適用する工程、
b) 前記層を画像状に化学線に曝露して、画像化された硬化断面を形成する工程、
c) 前記光硬化性組成物の第2の層を、あらかじめ曝露した画像化した断面上に適用する工程、
d) 工程(c)からの前記層を画像状に化学線に曝露して、さらなる画像化した断面を形成する工程であって、前記放射が曝露領域において前記第2の層を硬化させ、あらかじめ曝露した断面に接着させる工程、及び
e) 三次元物品を構築するために工程c)及びd)を繰り返す工程
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
請求項1から10のいずれか1項に記載の光硬化性組成物の硬化した生成物である、及び/又は請求項10から12のいずれか1項に記載の方法で製造される、三次元物品。
【請求項16】
a)式
【化13】
特に
【化14】
の化合物1当量と、式
【化15】
の化合物1~3当量とを、触媒及び阻害剤の存在下で高温で反応させる(式中、R及びR’は互いに独立してH又はメチル基であり、R
1、R
2及びR
3は互いに独立してH、又はC
1~C
4アルキル基、特にメチル基である)ことによって得ることができる請求項1から10のいずれか1項に記載の光硬化性組成物、又はリモネンベースの(メタ)アクリレートの、光重合3D印刷プロセスにおける使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、a)式
【化1】
の化合物1当量と、式
【化2】
の化合物1~3当量とを、触媒及び阻害剤の存在下で高温で反応させることによって得ることができるリモネンベースの(メタ)アクリレート(A)を含む、光硬化性組成物に関するものであり、光重合3D印刷プロセスにおけるその使用方法に関するものである。リモネンベースの(メタ)アクリレート(A)は、光硬化型アクリレート組成物の剛性及びガラス転移温度を著しく向上させる。このような効果は、通常、芳香族又はビスフェノールAベースの化合物を使用することで達成されるが、リモネンベースの(メタ)アクリレート(A)は、持続可能な代替物をはるかに低い粘度で提供する。
【背景技術】
【0002】
WO14012937は、以下の工程:
a) テルペンオキシド及び/又はテルペンジオキシドを、少なくとも1つの不飽和炭素-炭素結合を含むカルボン酸と反応させる工程、
c) 工程a)で得られた生成物をフリーラジカル重合により重合する工程
を含む、テルペンベースのポリマーの製造方法に関するものである。
工程a)では、式(IIIa)、(IVa)、(Va)、(VIa)、(IIIb)、(IVb)、(Vb)及び(VIb)で表される不飽和ヒドロキシエステルが、アクリル酸及びメタクリル酸のそれぞれをテルペンジオキシドと反応させることによって得られる:
【化3】
【0003】
CN106632895Aは、反応性希釈剤、光開始剤、リモネンカチオン光硬化促進剤及びウレタンアクリレート樹脂を含む、3D印刷に適用するための低粘度の光硬化性組成物に関するものである。
【0004】
CN108864378Aは、反応性希釈剤、光開始剤、及びウレタンアクリレート樹脂又はポリエステルアクリレート樹脂又はエポキシアクリレート樹脂を含む、3D印刷に適用するための光硬化性組成物に関するものである。
【0005】
CN105785714Aは、反応性希釈剤、光開始剤、及びシリコン変性ポリエーテル樹脂又は高分岐ポリエステルアクリレート樹脂又はエポキシアクリレート樹脂を含む、3D印刷に適用するための光硬化性組成物に関するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO14012937
【特許文献2】CN106632895A
【特許文献3】CN108864378A
【特許文献4】CN105785714A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
今回驚くべきことに、3D印刷に適用するための光硬化性組成物にリモネンベースのアクリレートを使用すると、高い剛性及び高いガラス転移温度を持つ材料が得られることが判明した。天然のテルペンであるリモネンは、オレンジの皮の廃棄物から抽出することができ、これによって、食品産業と競合しない再生可能な資源からの持続可能な構成要素となる(P.T.Anastas et al.,Innovations in Green Chemistry and Green Engineering,Springer,New York、2013年)。二酸化リモネン(LDO)を得るためのリモネンのエポキシ化は、すでに文献に記載されており、実際に、LDOはすでに市販されている(Nitrochemie Aschau GmbH社)。LDO及び(メタ)アクリル酸(MA)は開環下で容易に反応してβ-ヒドロキシエステル結合を形成し、これによってUV反応性の(メタ)アクリレート基をリモネン骨格に結合させる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
よって本発明は、
(A) リモネンベースの(メタ)アクリレートであって、
a) 式
【化4】
特に
【化5】
の化合物1当量と、式
【化6】
の化合物1~3当量とを、触媒及び阻害剤の存在下で高温で反応させることによって(式中、
R及びR’は、互いに独立して、H、又はメチル基であり、
R
1、R
2及びR
3は、互いに独立して、H、又はC
1~C
4アルキル基である)、そして
b) 場合により、工程a)で得られた生成物を酸無水物、又はハロゲン化アシルと反応させることによって
得ることができる、リモネンベースの(メタ)アクリレート、
(B) 場合によりオリゴマー(B)、
(C) 希釈剤(C)、及び
(D) 光開始剤(D)
を含む、光硬化性組成物に関する。
【0009】
光硬化性組成物の粘度は、30℃で10~3000mPa・sの範囲、好ましくは10~1500mPa・sである。フォトポリマージェットの場合、光硬化性組成物の粘度は、30℃で10~150mPasの範囲になるように調整される。バットベース(vat-based)の光重合の場合、光硬化性組成物の粘度は、30℃で50~1500mPasの範囲になるように調整される。市販のプリントヘッドの多くは、典型的には10~20mPasの範囲にあるインクの粘度を下げるために加熱を必要とする。
【0010】
粘度は、Thermo Scientific社のMARSで、プレート直径35mm及びギャップ0.6mmのプレート/プレート設定ジオメトリーを用いて、25℃で0.1~100s-1の様々なせん断速度で測定し(100ステップ、対数、1ステップ5秒、積分時間3秒、25℃)、そして最終的な粘度は100個すべての値の平均値として得た。
【0011】
R2及びR3は、好ましくはH、又はメチル基、より好ましくはHである。R1は、好ましくはH、又はメチル基であり、より好ましくはメチル基である。
【0012】
リモネンベースの(メタ)アクリレート(A)は、光硬化型アクリレート組成物の剛性及びガラス転移温度を著しく向上させる。このような効果は、通常、芳香族又はビスフェノールAベースの化合物を使用することで達成されるが、リモネンベースの(メタ)アクリレート(A)は、持続可能な代替物をはるかに低い粘度で提供する。
【0013】
本発明は、本発明による光硬化性組成物、又は
a)式(I)の化合物1当量と、式(II)の化合物1~3当量とを、触媒及び阻害剤の存在下で高温で反応させることによって得ることができるリモネンベースの(メタ)アクリレートの、光重合3D印刷プロセスにおける使用方法に関するものである。
【0014】
さらに本発明は、本発明の光硬化性組成物を、光重合3D印刷プロセス、特にバット重合、又はフォトポリマージェットにおいて使用する方法に関するものであり、そして、以下の工程、
a)本発明による光硬化性組成物を提供する工程、
b)光硬化性組成物を化学線に曝露して硬化した断面を形成する工程、
c)工程(a)及び(b)を繰り返して三次元物品を構築する工程
を含む、三次元物品を製造するための方法に関するものである。
【0015】
成分(A)の量は、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の量に基づいて、5.0~90.0質量%、特に20.0~70.0質量%、とりわけ30.0~60.0質量%である。
【0016】
成分(B)の量は、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の量に基づいて、0~70.0質量%、特に5.0~60.0質量%、とりわけ20.0~40.0質量%である。
【0017】
成分(C)の量は、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の量に基づいて、20~80.0質量%、特に30.0~60.0質量%である。
【0018】
成分(D)の量は、成分(A)、(B)、(C)及び(D)の量に基づいて、0.1~10質量%、特に0.1~5.0質量%、とりわけ0.5~2.0質量%である。
【0019】
本発明を、式(I)の化合物に基づいて、さらに詳細に説明する。
【0020】
リモネンベースの(メタ)アクリレート
式
【化7】
の化合物は、好ましくは式
【化8】
の化合物である。本発明を、式(I)の化合物に基づいて、さらに詳細に説明する。
【0021】
リモネンベースの(メタ)アクリレート(A)は、
a)式
【化9】
の化合物1当量と、式
【化10】
の化合物1~3当量とを、触媒及び阻害剤の存在下で高温で反応させることによって得ることができる。R
1、R
2及びR
3は、互いに独立して、H、又はC
1~C
4アルキル基である。R
2及びR
3は、好ましくはH、又はメチル基であり、より好ましくはHである。R
1は、好ましくはH、又はメチル基であり、より好ましくはメチル基である。
【0022】
「高温」とは、例えば、80~120℃の温度、好ましくは90~110℃の温度を意味する。
【0023】
場合により、工程a)で得られた生成物を、さらなる工程b)で酸無水物、又はハロゲン化アシルと反応させることができる。無水物の例として、無水プロピオン酸、又は無水酢酸が挙げられる。有利には、無水物は二重結合を含有してよい。例として、アクリル酸無水物及びメタクリル酸無水物が挙げられる。ハロゲン化アシルは式R6COXの化合物であり、式中、R6は、例えばC1~C8アルキル基、又はC2~C8アルケニル基であり、Xは、Cl、Br、又はIである。ハロゲン化アシルの例として、アセチルクロライド、アクリロイルクロライド及びメタクリロイルクロライドが挙げられる。
【0024】
本発明はまた、
a)式(I)の化合物1当量と、式(II)の化合物1~3当量とを、触媒及び阻害剤の存在下で高温で反応させる工程、及び
b)場合により、工程a)で得られた生成物を酸無水物、又はハロゲン化アシルと反応させる工程
を含む、リモネンベースの(メタ)アクリレートの製造方法、及び本方法により得ることができるリモネンベースの(メタ)アクリレートにも関する。
【0025】
好ましくは、工程a)において、溶媒又は共溶媒を使用しない。
【0026】
工程a)では、触媒が使用される。前記触媒は、エポキシ樹脂とカルボン酸との反応に適した任意の触媒であり、例えば第4級アンモニウム塩(例えばベンジルトリエチルアンモニウムクロライド)、電子豊富で非求核性の窒素原子及び/又は酸素原子を含む化合物、例えばアミド、尿素(例えばテトラメチル尿素)、アミジン(例えば1,8-ジアザビシクロウンデク-7-エン(「DBU」))、ピリジン、(例えばピリジン)、又はイミド(1,2-ジメチルイミダゾール)、又はトリフェニルホスフィンが挙げられる。いくつかの実施形態では、求核性窒素原子を含む触媒は、溶媒としても機能してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、アミドを含む化合物は、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、又はそれらの組み合わせを含む。
【0027】
触媒は、式(I)の化合物のmolに基づいて、0.1~20mol%、好ましくは1~5mol%の量で加える。
【0028】
工程a)は、高温で、例えば80~120℃、好ましくは90~110℃の温度で行う。工程a)は、得られる生成物の分解又は劣化が起こらないこと、及び/又は、早すぎる重合が起こらないことを条件に、より高い温度で行うこともできる。反応時間は1時間から6日間である。
【0029】
工程a)では、阻害剤が使用される。前記阻害剤は、得られる生成物の熱重合、分解、又は劣化を防止するのに適した任意の阻害剤である。従来の阻害剤の例には、ブチル化ヒドロキシトルエン、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、又はそれらの誘導体;4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ(4-ヒドロキシ-TEMPO)、及びフェノチアジンが含まれる。重合阻害剤の他の既知の種類には、ジアリールアミン、硫黄結合オレフィン、又はヒンダードフェノールが含まれる。
【0030】
阻害剤は、0.01~1wt%、好ましくは0.1~0.6wt%の量で加える。
【0031】
式(I)の化合物と式(II)の化合物との反応により、式
【化11】
の化合物(式中、置換基R
4、R
4’、R
4’’及びR
4’’’のうちの1個、又は2個は、式
【化12】
の基である)、例えば、式(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)及び(IIId)の化合物(リモネンジメタクリレート(LDMA))が形成される:
【化13】
【0032】
式(IIIa)の化合物は、最も好ましい生成物を表す。式(IIIb)及び(IIIc)の化合物の形成は好ましさがより低く、式(IIId)の化合物は最も好ましさが低い。式(III)の化合物は、1個、又は2個の、平均して約1.3個の式
【化14】
の基を有する。
【0033】
さらに、式
【化15】
のリモネンオリゴマー(LMA-オリゴマー)(式中、R
4、R
4’、R
4’’及びR
4’’’のうちの1個、又は2個は、式
【化16】
の基であり、置換基R
4、R
4’、R
4’’及びR
4’’’のうちの1個は、式
【化17】
の基である。式中、置換基R
5、R
5’、R
5’’及びR
5’’’のうちの1個は、基本骨格の酸素原子への結合を表し、置換基R
5、R
5’、R
5’’及びR
5’’’のうちの1個又は2個は、式
【化18】
の基である)、
例えば、式
【化19】
の化合物が形成される。式(IV)の化合物は、2~4個、平均して約2.6個の式
【化20】
の基を有している。さらに、リモネンベースの(メタ)アクリレート(A)は、未反応の式(II)の化合物を含有してよい。
【0034】
酸無水物との反応(工程b)は、溶媒なしで行うことができる。ハロゲン化アシルとの反応(工程b)は、例えばジクロロメタンなどの溶媒中で、例えばピリジン又は第3級アミンなどの酸捕捉剤の存在下で行うことができる。
【0035】
化合物(I)と(II)とを反応させて得られるリモネンベースの(メタ)アクリレート(A)の粘度は、通常、室温(25℃)で1~500、特に1~200Pa・sの範囲であり、その調節は、
- 工程a)における化合物(I)及び(II)の比率の変化、
- 工程a)で得られたリモネンベースの(メタ)アクリレート(A)の、酸無水物又はハロゲン化アシルとの反応(工程b)による変性、
- 反応性希釈剤の存在又は不在、及び/又は
- オリゴマーの存在、又は不在
によって行ってよい。
【0036】
本発明の好ましい実施形態では、工程a)又はb)の後に得られたリモネンベースの(メタ)アクリレートは、本発明の光硬化性組成物において、さらに精製することなく使用される。
【0037】
別の好ましい実施形態では、工程a)又はb)の後に、1つ以上の工程c)が続く:
- 未反応の式(II)の化合物を除去する工程、
- 式(II)の化合物を、その不揮発性のメタクリレートアニオンに変換する工程、
- 式(II)の化合物を、不揮発性の希釈剤に変換する工程。
【0038】
未反応の式(II)の化合物は、例えば、液-液抽出によって、又は高温及び減圧下で、例えば薄膜蒸発器を用いて、除去することができる。
【0039】
式(II)の化合物をその不揮発性のメタクリレートアニオンに変換することは、化合物をアルカリ及びアルカリ土類金属の酸化物、例えばMgOナノ粒子と反応させることによって行うことができる。
【0040】
式(II)の化合物を不揮発性の希釈剤に変換することは、化合物をグリシジルジメタクリレート(GMA)と反応させて、式
【化21】
の不揮発性化合物を得ることにより、行うことができる。
【0041】
本発明を、式
【化22】
の化合物と、式
【化23】
の化合物との反応に基づいて、さらに詳細に説明する:
MA+LDO→LDMA+LMA-オリゴマー+未反応のMA
【0042】
MAは、不快な臭いがする毒性の揮発性化合物であるため、MAの含有量を無視できる量まで減らすことが重要である。以下の表から明らかなように、MAを2.1当量から1.7当量及び1.3当量に減らすと、未反応のMAをそれぞれ22、13及び2wt%含む反応生成物が得られる。
【0043】
【0044】
[a]1H-NMRスペクトルで決定、[b]プレート-プレートレオメーター(0.1~100s-1、100ステップ、対数、1ステップ5秒、積分時間3秒)、[c]ジクロロメタン及び1モルのK2CO3溶液を用いた液-液抽出から得られた精製グレード、[d]アクリレート値(acrylate value)=生成物1gあたりのアクリレート基の量、1,4-ジメトキシベンゼンを標準として用いた定量的1H-NMRにより決定。
【0045】
LDMA-3が特に好ましい。残留MAが2wt%未満であると、LDMA-3は、不快な臭いがしない。さらに、その粘度117±7Pa*sは、類似のビスフェノールAベースの参照物質であるBisGMAの560±60Pa*sを大幅に下回る。
【0046】
1つの主要な副反応、すなわちヒドロキシル基による開環反応が生じて、エーテル化によるオリゴマー化が起こる(LMAオリゴマーの形成)。LMAオリゴマーの生成を低減するために、エポキシ基とカルボン酸基との両方が完全に変換されるようにMAの当量を調整する必要がある。
【0047】
LDMA-1の低粘度は、反応性希釈剤として作用する大量のMAによって説明することができる。LDMA-1を液-液抽出で精製した場合、結果として得られるMAを含まないLDMA-1purifiedの粘度は65±2Pa*sとなる。エーテル化は競合的な開環経路であるため、MAを過剰に適用すると、カルボン酸による開環が促進される。その結果、オリゴマーの形成が少なくなり、粘度が低下する。よって3.0当量のMAを適用し、液-液抽出によって生成物を精製したときに、結果として得られるMAを含まないLDMA-4purifiedは41±2Pa*sの粘度を示す。
【0048】
LDMA-2又はLDMA-1中に存在する未反応のMAを、グリシジルメタクリレート(GMA)と反応させて、二官能の反応性希釈剤であるグリセロールジメタクリレート(GDMA)を得てよい:
【化24】
【0049】
MA当量あたり1.0当量のGMAを適用すると、MAの変換率が87~96%となり、MA含有量が1wt%未満のLDMA-1-GDMA及びLDMA-2-GDMAの生成物が得られる。以下の表から明らかなように、この生成物は24.3及び41.0wt%の反応性希釈剤GMDAを含有し、従ってそれぞれ1.48±0.02Pa*s及び4.92±0.04Pa*sの低い粘度値を示す。
【0050】
【0051】
[a]1H-NMRスペクトル、[b]プレート-プレートレオメーター(0.1~100s-1、100ステップ、対数、1ステップ5秒、積分時間3秒)、[c]AcV=5.8mmol/g。
【0052】
通常では、リモネンベースの(メタ)アクリレート(A)は、4.0~7.0mmol/gの範囲のアクリレート値(=生成物1gあたりのアクリレート基の量、1,4-ジメトキシベンゼンを標準として用いた定量的1H-NMRにより決定)を有する。
【0053】
あるいは、揮発性のMAは、カルボン酸を脱プロトン化することで、例えばMgOナノ粒子などのアルカリ及びアルカリ土類金属の酸化物に結合させることができ、それによって不揮発性のメタクリレートアニオンが生成される。
【0054】
上述の生成物が所与のフォトレジンに与える影響を評価するために、アクリレートプレポリマー(Laromer UA9089)と反応性希釈剤(ACMO)との39:59の質量比の混合物を、基本処方として用いた。
【0055】
すべてのフォトレジンには、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィノキシド(TPO)を1wt%使用した。
【0056】
次の表に示すように、基本配合(BF)にLDMA-3を10、30又は50wt%導入すると、樹脂の粘度が高くなり、ヤング率及びガラス転移温度が徐々に上昇する。
【0057】
比較のため、他のすべての構成要素は30wt%で導入した。30wt%のLDMA-4purifiedを有する樹脂は、LDMA-3を使用した場合よりも24%低い粘度を示した。これは、オリゴマーの形成が少ないためにLDMA-4purifiedの粘度が全体的に低いことに起因していると考えられるが、機械的な値は誤差の範囲内で非常によく似ている。
【0058】
ビスフェノールAベースの参照物質であるBisGMAを30wt%使用すると、LDMA-3を使用した場合に比べて、樹脂粘度が78%増加する。同時に、機械的特性への影響は誤差の範囲内で非常によく似ており、どちらの成分も剛性、引張強度、ガラス転移温度を大幅に向上させている。フォトレジンの粘度は3D印刷プロセスにおいて最も重要であり、通常では、典型的なプロセス温度である30℃において1.5Pa*s未満であることが必要であるため、LDMA-3の使用は、一般的に使用されているBisGMAよりも大きな利点がある。性能向上のための構成要素は典型的には高粘度を示すので、反応性希釈剤を加えて樹脂の粘度を適切なレベルに調整する。従ってLDMA-3のような低粘度の性能成分は、樹脂の加工性を維持するためにより少ない反応性希釈剤が必要であるので、非常に注目される。
【0059】
【0060】
[a]樹脂全体に対して1.5wt%のMgOを含有、[b]プレート-プレートレオメーター(0.1~100s-1、100ステップ、対数、1ステップ5秒、積分時間3秒)で決定、[c]引張試験(ISO527 1/2、5A、5mm分-1)、[d]DSC(10K分、2回目の加熱サイクル)
【0061】
LDMA-1-GDMA及びLDMA-2-GDMAの両成分は、それぞれ41.0wt%及び24.3wt%の反応性希釈剤であるGDMAを含有していることから、試験樹脂の粘度が極めて低い一方で、機械的特性は、剛性及び引張強度の点でLDMA-3及びBisGMAをわずかに上回ってさえいる。これは、小さく二官能性のGDMAによってネットワーク密度が増加したためである。LDMA-1-GDMA(9時間)及びLDMA-2-GDMA(9.5時間)は、LDMA-3(13時間)と比較すると、より短い全体的な反応時間で製造することができ、従って経済的にも有利である。LDMA-1は、反応性希釈剤として作用するMAを22wt%含有するので、それぞれの樹脂混合物は246Pa*sという比較的低い粘度を示す。おおよそ1.5wt%のMgOナノ粒子(又は0.2(g MgO)(g (MA)-1))を導入すると、樹脂粘度が2倍に著しく上昇するが、これはマグネシウムジメタクリレートの生成による影響である。さらに、これは引張強度及びガラス転移温度の顕著な上昇の原因でもある。
【0062】
オリゴマー(B)
オリゴマー(B)は、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、カーボネート(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート及びウレタン(メタ)アクリレートから選択され、アミン変性オリゴマーも含まれる。オリゴマー(B)は、単一のオリゴマーであってもよいし、2種以上のオリゴマーの混合物であってもよい。
【0063】
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、ポリイソシアネートと、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、場合により鎖延長剤、例えばジオール、ポリオール、ジアミン、ポリアミン、ジチオール又はポリチオールとを反応させることによって得ることができる。
【0064】
この種類のウレタン(メタ)アクリレートは、合成成分として実質的に、
(1)少なくとも1種の有機脂肪族、芳香族又は脂環式のジ-又はポリイソシアネート、
(2)少なくとも1個のイソシアネート反応性基及び少なくとも1個のラジカル重合性不飽和基を有する少なくとも1種の化合物、及び
(3)場合により、少なくとも2個のイソシアネート反応性基を有する少なくとも1種の化合物
を含む。
【0065】
適した成分(1)は、例えば、少なくとも2、好ましくは2~5、及びより好ましくは2~4を超えるNCO官能価を有する脂肪族、芳香族、及び脂環式ジイソシアネート及びポリイソシアネートである。
【0066】
考えられるポリイソシアネートには、イソシアヌレート基を含有するポリイソシアネート、ウレジオンジイソシアネート、ビウレット基を含有するポリイソシアネート、ウレタン基又はアロファネート基を含有するポリイソシアネート、オキサジアジントリオン基を含むポリイソシアネート、直鎖状又は分岐状のC4~C20アルキレンジイソシアネートのウレトンイミン変性ポリイソシアネート、合計6~20個のC原子を有する脂環式ジイソシアネート、又は合計8~20個のC原子を有する芳香族ジイソシアネート、又はそれらの混合物が含まれる。
【0067】
慣用的なジイソシアネートの例として、脂肪族ジイソシアネート、例えばテトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(1,6-ジイソシアナトヘキサン)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートの誘導体、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート又はテトラメチルヘキサンジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、例えば1,4-、1,3-又は1,2-ジイソシアナトシクロヘキサン、4,4’-又は2,4’-ジ(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、1,3-又は1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、又は2,4-又は2,6-ジイソシアナト-1-メチルシクロヘキサン、並びに芳香族ジイソシアネート、例えばトリレン2,4-又は2,6-ジイソシアネート及びそれらの異性体混合物、m-又はp-キシリレンジイソシアネート、2,4’-又は4,4’-ジイソシアナト-ジフェニルメタン及びそれらの異性体混合物、フェニレン1,3-又は1,4-ジイソシアネート、1-クロロフェニレン2,4-ジイソシアネート、ナフチレン1,5-ジイソシアネート、ジフェニレン4,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジイソシアナト-3,3’-ジメチルビフェニル、3-メチルジフェニルメタン4,4’-ジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,4-ジイソシアナトベンゼン又はジフェニルエーテル4,4’-ジイソシアネートが挙げられる。
【0068】
記載したジイソシアネートの混合物が存在してもよい。
【0069】
本発明による成分(2)として考えられるのは、少なくとも1個のイソシアネート反応性基及び少なくとも1個のラジカル重合性基を有する少なくとも1種の化合物(2)である。
【0070】
化合物(2)は、好ましくは、正確に1個のイソシアネート反応性基、及び1~5個、より好ましくは1~4個、及び非常に好ましくは1~3個のラジカル重合性基を有する。
【0071】
成分(2)は、好ましくは、10000g/mol未満、より好ましくは5000g/mol未満、非常に好ましくは4000g/mol未満、及びより具体的には3000g/mol未満のモル質量を有する。特別な成分(b)は、1000g/mol未満、又はなお600g/mol未満のモル質量を有する。
【0072】
イソシアネート反応性基は、例えば、-OH、-SH、-NH2、及び-NHR100であってよく、式中、R100は、水素又は1~4個の炭素原子を含有するアルキル基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、又はtert-ブチルである。成分(2)は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、アクリルアミドグリコール酸及びメタクリルアミドグリコール酸などのα,β-不飽和カルボン酸のモノエステル、及び好ましくは2~20個のC原子及び少なくとも2種のヒドロキシル基を有するポリオール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレン1,2-グリコール、プロピレン1,3-グリコール、1,1-ジメチル-1,2-エタンジオール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2-、1,3-又は1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-1,4-ブタンジオール、1,4-ジメチロールシクロヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、グリセロール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、エリスリトール、ソルビトール、106~2000のモル質量を有するポリエチレングリコール、134~2000のモル質量を有するポリプロピレングリコール、162~2000のモル質量を有するポリTHF、又は134~400のモル質量を有するポリ-1,3-プロパンジオールである。さらに、(メタ)アクリル酸とアミノアルコール(例えば、2-アミノエタノール、2-(メチルアミノ)エタノール、3-アミノ-1-プロパノール、1-アミノ-2-プロパノール又は2-(2-アミノエトキシ)エタノール)、例えば、2-メルカプトエタノール又はポリアミノアルカン(例えば、エチレンジアミン又はジエチレントリアミン)とのエステル又はアミド、又はビニル酢酸を使用することも可能である。
【0073】
さらに、好ましさは低くなるが、2~10の平均OH官能価を有する不飽和ポリエーテルオール又はポリエステルオール又はポリアクリレートポリオールも適している。
【0074】
エチレン性不飽和カルボン酸とアミノアルコールとのアミドの例として、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリルアミド、例えばN-ヒドロキシメチルアクリルアミド、N-ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N-ヒドロキシエチルアクリルアミド、N-ヒドロキシエチルメタクリルアミド、5-ヒドロキシ-3-オキサペンチル(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシアルキルクロトンアミド、例えばN-ヒドロキシメチルクロトンアミド、又はN-ヒドロキシアルキルマレイミド、例えばN-ヒドロキシエチルマレイミドが挙げられる。
【0075】
好ましくは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-又は3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、1,5-ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート及びジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート及びジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレート、及びトリ(メタ)アクリレート、並びに2-アミノエチル(メタ)アクリレート、2-アミノプロピル(メタ)アクリレート、3-アミノプロピル(メタ)アクリレート、4-アミノブチル(メタ)アクリレート、6-アミノヘキシル(メタ)アクリレート、2-チオエチル(メタ)アクリレート、2-アミノエチル(メタ)アクリルアミド、2-アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、3-アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、又は3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミドを使用する。特に好ましいのは、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-又は3-ヒドロキシプロピルアクリレート、1,4-ブタンジオールモノアクリレート、3-(アクリロイルオキシ)-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、並びにモル質量が106~238のポリエチレングリコールのモノアクリレートである。
【0076】
成分(3)として考えられるのは、少なくとも2個のイソシアネート反応性基を有する化合物であり、例として-OH、-SH、-NH2又は-NH R101が挙げられ、式中、R101は、互いに独立して、水素、メチル、エチル、イソプロピル、n-プロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル又はtert-ブチルであってよい。
【0077】
正確に2個のイソシアネート反応性基を有する化合物(3)は、好ましくは、2~20個の炭素原子を有するジオールであり、例として、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,1-ジメチルエタン-1,2-ジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ネオペンチルグリコールヒドロキシピバレート、1,2-、1,3-又は1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,10-デカンジオール、ビス(4-ヒドロキシシクロヘキサン)イソプロピリデン、テトラメチルシクロブタンジオール、1,2-、1,3-又は1,4-シクロヘキサンジオール、シクロオクタンジオール、ノルボルナンジオール、ピナンジオール、デカリンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,4-ジエチルオクタン-1,3-ジオール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールB、ビスフェノールS、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、1,1-、1,2-、1,3-、及び1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,2-、1,3-、又は1,4-シクロヘキサンジオール、162~2000のモル質量を有するポリTHF、134~1178のモル質量を有するポリ-1,2-プロパンジオール又はポリ-1,3プロパンジオール、又は106~2000のモル質量を有するポリエチレングリコール、並びに脂肪族ジアミン、例えばメチレン-及びイソプロピリデン-ビス(シクロヘキシルアミン)、ピペラジン、1,2-、1,3-、又は1,4-ジアミノシクロヘキサン、1,2-、1,3-、又は1,4-シクロヘキサンビス(メチルアミン)など、ジチオール又は多官能アルコール、第2級又は第1級アミノアルコール、例えばエタノールアミン、モノプロパノールアミンなど、又はチオアルコール、例えばチオエチレングリコールが挙げられる。
【0078】
ここで特に適しているのは、脂環式ジオール、例えば、ビス(4-ヒドロキシシクロヘキサン)イソプロピリデン、テトラメチルシクロブタンジオール、1,2-,1,3-,又は1,4-シクロヘキサンジオール、1,1-、1,2-、1,3-、及び1,4-シクロヘキサンジメタノール、シクロオクタンジオール又はノルボルナンジオールである。
【0079】
さらなる化合物(3)は、少なくとも3個のイソシアネート反応性基を有する化合物であってよい。
【0080】
例えば、これらの成分は、3~6個、好ましくは3~5個、より好ましくは3~4個、及び非常に好ましくは3個のイソシアネート反応性基を有していてよい。
【0081】
これら成分の分子量は、一般に2000g/mol以下、好ましくは1500g/mol以下、より好ましくは1000g/mol以下、及び非常に好ましくは500g/mol以下である。
【0082】
ウレタン(メタ)アクリレートは、好ましくは500~20000、特に500~10000、及びより好ましくは600~3000g/molの数平均モル質量Mnを有する(標準としてテトラヒドロフラン及びポリスチレンを使用するゲル浸透クロマトグラフィーにより決定する)。
【0083】
エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシドと(メタ)アクリル酸とを反応させることにより得ることができる。適したエポキシドの例には、エポキシ化オレフィン、芳香族グリシジルエーテル又は脂肪族グリシジルエーテル、好ましくは芳香族又は脂肪族グリシジルエーテルのものが含まれる。
【0084】
可能なエポキシ化オレフィンの例には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソブチレンオキシド、1-ブテンオキシド、2-ブテンオキシド、ビニルオキシラン、スチレンオキシド又はエピクロロヒドリンが含まれ、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、イソブチレンオキシド、ビニルオキシラン、スチレンオキシド又はエピクロロヒドリンが好ましく、エチレンオキシド、プロピレンオキシド又はエピクロロヒドリンが特に好ましく、及びエチレンオキシド及びエピクロロヒドリンが非常に特に好ましい。
【0085】
芳香族グリシジルエーテルは、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、フェノール/ジシクロペンタジエンのアルキル化生成物、例えば、2,5-ビス[(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]オクタヒドロ-4,7-メタノ-5H-インデン(CAS番号[13446-85-0])、トリス[4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]メタン異性体(CAS番号[66072-39-7])、フェノールベースのエポキシノボラック(CAS番号[9003-35-4])、及びクレゾールベースのエポキシノボラック(CAS番号[37382-79-9])である。
【0086】
脂肪族グリシジルエーテルの例には、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、1,1,2,2-テトラキス[4-(2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]エタン(CAS番号[27043-37-4])、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル(α,ω-ビス(2,3-エポキシプロポキシ)ポリ(オキシプロピレン)、CAS番号[16096-30-3])、及び水添ビスフェノールA(2,2-ビス[4-(2,3-エポキシプロポキシ)シクロヘキシル]プロパン、CAS番号[13410-58-7])が含まれる。
【0087】
エポキシ(メタ)アクリレートは、好ましくは、200~20000、より好ましくは200~10000g/mol、及び非常に好ましくは250~3000g/molの数平均モル質量Mnを有し、(メタ)アクリル基の量は、エポキシ(メタ)アクリレート1000gあたり、好ましくは1~5、より好ましくは2~4である(標準としてポリスチレン、溶離液としてテトラヒドロフランを使用するゲル浸透クロマトグラフィーにより決定する)。
【0088】
カーボネート(メタ)アクリレートは、平均して好ましくは1~5個、特に2~4個、より好ましくは2~3個の(メタ)アクリル基、及び非常に好ましくは2個の(メタ)アクリル基を含む。
【0089】
カーボネート(メタ)アクリレートの数平均分子量Mnは、好ましくは3000g/mol未満、より好ましくは1500g/mol未満、非常に好ましくは800g/mol未満である(標準としてポリスチレン、溶媒としてテトラヒドロフランを使用するゲル浸透クロマトグラフィーにより決定する)。
【0090】
カーボネート(メタ)アクリレートは、例えばEP-A92269に記載のように、カルボン酸エステルを多価アルコール、好ましくは二価アルコール(ジオール、例えばヘキサンジオール)でトランスエステル化し、続いて遊離OH基を(メタ)アクリル酸でエステル化するか、あるいは(メタ)アクリル酸エステルでトランスエステル化することによって、簡易に得ることができる。これらは、ホスゲン、尿素誘導体を多価アルコール、例えば二価アルコールと反応させることによっても得ることができる。
【0091】
ポリカーボネートポリオールの(メタ)アクリレート、例えば、前述のジオール又はポリオールの1種とカルボン酸エステル並びにヒドロキシル含有(メタ)アクリレートとの反応生成物も考えられる。
【0092】
適したカルボン酸エステルの例には、エチレンカーボネート、1,2-又は1,3-プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート又はジブチルカーボネートが含まれる。
【0093】
適したヒドロキシル含有(メタ)アクリレートの例として、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-又は3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリルモノ-及びジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ-及びジ(メタ)アクリレート、及びペンタエリスリトールモノ-、ジ-、及びトリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0094】
特に好ましいカーボネート(メタ)アクリレートは、式
【化25】
のものであり、
式中、R
102はH又はCH
3であり、X
2はC
2~C
18アルキレン基であり、そしてn1は1~5、好ましくは1~3の整数である。
【0095】
R102は好ましくはHであり、そしてX2は好ましくはC2~C10のアルキレンであり、例として1,2-エチレン、1,2-プロピレン、1,3-プロピレン、1,4-ブチレン、及び1,6-ヘキシレン、より好ましくはC4~C8のアルキレンが挙げられる。非常に特に好ましくは、X2はC6アルキレンである。
【0096】
カーボネート(メタ)アクリレートは、好ましくは脂肪族カーボネート(メタ)アクリレートである。
【0097】
オリゴマー(B)のうち、ウレタン(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0098】
ウレタン(メタ)アクリレートとは、単一のウレタン(メタ)アクリレートを指すか、又は異なるウレタン(メタ)アクリレートの混合物を指す。適したウレタン(メタ)アクリレートは単官能であってよいが、好ましくは二官能であるか、より高い官能価を有するものである。官能価とは、化合物が示す(メタ)アクリレート官能基の数を指す。
【0099】
好ましいのは、ポリエーテルジオール、又はポリエステルジオール、脂肪族、芳香族、又は環状のジイソシアネート、及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートから作られたウレタン(メタ)アクリレートである。より好ましいのは、ポリエステルジオール、芳香族、又は環状のジイソシアネート、及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートから作られたウレタン(メタ)アクリレートである。
【0100】
ジイソシアネートは、好ましくは、4,4’-、2,4’-及び/又は2,2’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H12MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)及びトリレン2,4-及び/又は2,6-ジイソシアネート(TDI)から選択される。
【0101】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、好ましくは、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-又は3-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-又は3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、及び4-ヒドロキシブチルアクリレートから選択される。
【0102】
また、式
【化26】
のラクトン、脂肪族、芳香族、又は環状のジイソシアネート及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートから作られたウレタン(メタ)アクリレートも好ましい。より好ましいのは、カプロラクトン、脂肪族、又は環状のジイソシアネート及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートから作られたウレタン(メタ)アクリレートである。
【0103】
ジイソシアネートは、好ましくは、ジ(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、2,2,4-及び2,4,4-トリメチルヘキサンジイソシアネート、及び特に4,4’-、2,4’-及び/又は2,2’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H12MDI)から選択される。
【0104】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、好ましくは、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-又は3-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-又は3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、及び4-ヒドロキシブチルアクリレートから選択される。
【0105】
また、(メタ)アクリレートの多官能性を有するもの又はアクリルとメタクリルの混合官能性を有するものも好ましい。
【0106】
好ましい実施形態では、ポリエステルウレタン(メタ)アクリレート(B)は、
(B1)ヒドロキシアルキルアクリレート、又はヒドロキシアルキルメタクリレート、
(B2)脂肪族ジイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、又は芳香族ポリイソシアネート、又はそれらの混合物、特に脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、又は芳香族ジイソシアネート又はそれらの混合物、
(B3)脂肪族ジカルボン酸及び脂肪族ジオールから誘導されるポリエステルポリオール、及び(B4)場合により第2のポリオール、特にグリセロール
を反応させることによって得られる。
【0107】
ヒドロキシアルキルアクリレート、又はヒドロキシアルキルメタクリレート(B1)は、好ましくは式
【化27】
の化合物であり、式中、R
103は水素原子、又はメチル基であり、nは2~6、特に2~4である。(B1)の例には、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-又は3-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-又は3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート及び4-ヒドロキシブチルアクリレートが含まれる。2-ヒドロキシエチルアクリレートが最も好ましい。
【0108】
より短いアルキル鎖(nは2~4、特に2である)を有するヒドロキシアルキルアクリレート、又はヒドロキシアルキルメタクリレート(B1)は、UV硬化した組成物に、より高いE弾性率をもたらす。ヒドロキシアルキルメタクリレート(B1)は、ヒドロキシアルキルアクリレートと比較して、より高いE弾性率をもたらす。
【0109】
ポリエステルウレタンアクリレートを作るのに用いられる有機ジイソシアネート(B2)は、脂肪族、脂環式又は芳香族ジイソシアネートのいずれかである。
【0110】
慣用的な脂肪族及び脂環式ジイソシアネートの例として、トリ-、テトラ-、ペンタ-、ヘキサ-、ヘプタ-及び/又はオクタメチレンジイソシアネート、2-メチルペンタメチレン1,5-ジイソシアネート、2-エチルテトラメチレン1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート(HDI)、ペンタメチレン1,5-ジイソシアネート、ブチレン1,4-ジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、1,4-及び/又は1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1-メチル-2,4-及び/又は1-メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-、2,4’-及び/又は2,2’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H12MDI)が挙げられる。
【0111】
好ましい脂肪族及び脂環式ポリイソシアネートは、ヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート(HDI)、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)及び4,4’-、2,4’-及び/又は2,2’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H12MDI)であり、H12MDI及びIPDI又はそれらの混合物が特に好ましい。適した芳香族ジイソシアネートには、ナフチレン1.5-ジイソシアネート(NDI)、トリレン2,4-及び/又は2,6-ジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタン2,2’-、2,4’-及び/又は4,4’-ジイソシアネート(MDI)、3,3‘-ジメチル-4,4‘-ジイソシアナト-ジフェニル(TODI)、p-フェニレンジイソシアネート(PDI)、ジフェニルエタン-4,4‘-ジイソシアネート(EDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-ジフェニル-ジイソシアネート、1,2-ジフェニルエタンジイソシアネート及び/又はフェニレンジイソシアネートが含まれる。
【0112】
本発明において最も好ましいジイソシアネートは、4,4’-、2,4’-及び/又は2,2’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H12MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、又はトリレン2,4-及び/又は2,6-ジイソシアネート(TDI)である。
【0113】
ジカルボン酸及びジオールから誘導されるポリエステルポリオール(B3)が好ましく、これは例えばUS20160122465に記載されている。ポリエステルポリオールの製造に使用されるジカルボン酸には、脂肪族ジカルボン酸又は脂環式ジカルボン酸、又はそれらの組み合わせが含まれる。その中でも、脂肪族ジカルボン酸が好ましい。単独又は混合で使用することができる適した脂肪族ジカルボン酸は、典型的には4~12個の炭素原子を含有し、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸などが含まれる。アジピン酸が好ましい。
【0114】
ポリエステルポリオールの製造に使用されるジオールには、脂肪族ジオール又は脂環式ジオール、又はそれらの組み合わせ、好ましくは2~8個の炭素原子、及びより好ましくは2~6個の炭素原子を含有する脂肪族ジオールが含まれる。使用することができる脂肪族ジオールのいくつかの代表的な例には、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオールなどが含まれる。
【0115】
好ましい実施形態では、ポリエステルポリオールの製造において、1種類の脂肪族ジカルボン酸のみを使用する。別の好ましい実施形態では、ポリエステルポリオールの製造において、1種類又は2種類の脂肪族ジオールを使用する。最も好ましくは、ポリエステルポリオールは、アジピン酸及びエチレングリコール及び1,4-ブタンジオール(ポリ(エチレン1,4-ブチレンアジペート)ジオール、PEBA)から誘導される。PEBAにおいて、エチレングリコールの1,4-ブタンジオールに対するモル比は、0.05:1~10:1、好ましくは0.2:1~5:1、より好ましくは0.5:1~1.5:1、最も好ましくは0.75:1~1.25:1である。
【0116】
直鎖状のポリエステルポリオールは、典型的には、4×102~7.0×103、好ましくは8×102~6.0×103、より好ましくは1×103~5.0×103の範囲内の数平均分子量を有する。好ましい実施形態では、直鎖状のポリオールは、1種類の脂肪族ジカルボン酸及び2種類の脂肪族ジオールから誘導されるポリエステルポリオールであり、2.0×103~4.0×103の数平均分子量を有する。別の好ましい実施形態では、直鎖状のポリオールは、1種類の脂肪族ジカルボン酸及び1種類の脂肪族ジオールから誘導されるポリエステルポリオールであり、1.5×103~4.0×103、及びより好ましくは1.8×103~3.5×103の数平均分子量を有する。本文中に特定するあらゆる分子量は[g/mol]の単位を有し、特に断りのない限り数平均分子量(Mn)を指す。
【0117】
ポリエステルウレタンアクリレート、又はメタクリレート(A)は、60℃で2000~20000mPasの範囲の粘度を有する。
【0118】
第2のポリオール、例えばグリセロールを使用し、直鎖状又は分岐状の構造要素を導入することによって、本発明によるウレタン(メタ)アクリレートの機械的特性を微調整してよい。
【0119】
別の好ましい実施形態では、ポリエステルウレタン(メタ)アクリレート(B)は、式
【化28】
のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを、式
【化29】
のラクトン、
及び少なくとも1種の脂環式又は非対称脂肪族ジイソシアネートと反応させることによって得られ、式中、R
111は、2~12個の炭素原子を有し、場合によりC
1~C
4アルキル基で置換されていてよい、及び/又は1個以上の酸素原子により入り込まれていてよい二価のアルキレンラジカルであり、R
112は、各場合において、任意の他のものとは独立して、メチル又は水素であり、R
113は、1~12個の炭素原子を有し、場合によりC
1~C
4アルキル基で置換されていてよい、及び/又は1個以上の酸素原子により入り込まれていてよい二価のアルキレンラジカルである。WO14191228A1を参照されたい。
【0120】
R111は、好ましくは、1,2-エチレン、1,2-又は1,3-プロピレン、1,2-、1,3-又は1,4-ブチレン、1,1-ジメチル-1,2-エチレン、1,2-ジメチル-1,2-エチレン、1,5-ペンチレン、1,6-ヘキシレン、1,8-オクチレン、1,10-デシレン、及び1,12-ドデシレンからなる群から選択される。
【0121】
R113は、好ましくは、メチレン、1,2-エチレン、1,2-プロピレン、1,3-プロピレン、1,2-ブチレン、1,3-ブチレン、1,4-ブチレン、1,5-ペンチレン、1,5-ヘキシレン、1,6-ヘキシレン、1,8-オクチレン、1,10-デシレン、1,12-ドデシレン、2-オキサ-1,4-ブチレン、3-オキサ-1,5-ペンチレン、及び3-オキサ-1,5-ヘキシレンからなる群から選択される。
【0122】
式(A)のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、好ましくは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-又は3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、1,5-ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、及び1,6-ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレートからなる群から選択される。
【0123】
式
【化30】
のラクトンは、好ましくは、β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、γ-エチル-ガンマ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、デルタ-バレロラクトン、ε-カプロラクトン、7-メチルオキセパン-2-オン、1,4-ジオキセパン-5-オン、オキサシクロトリデカン-2-オン、及び13-ブチル-オキサシクロトリデカン-2-オンからなる群から選択される。
【0124】
脂環式ジイソシアネートは、1,4-、1,3-、又は1,2-ジイソシアナトシクロヘキサン、4,4’-、2,4’-、及び/又は2,2’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H12MDI)、ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(NBDI)、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート)、1,3-又は1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン又は2,4-又は2,6-ジイソシアナト-1-メチルシクロヘキサン、並びに3(又は4),8(又は9)-ビス(イソシアナトメチル)トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン異性体混合物である。
【0125】
非対称脂肪族ジイソシアネートは、リジンジイソシアネートの誘導体、又はテトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、又はテトラメチルヘキサンジイソシアネートである。
【0126】
ジ(イソシアナトシクロヘキシル)メタン、2,2,4-及び2,4,4-トリメチルヘキサンジイソシアネート、及び特に4,4’-、2,4’-及び/又は2,2’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H12MDI)が非常に特に好ましい。
【0127】
ウレタン(メタ)アクリレートは、特に、ε-カプロラクトン、4,4’-、2,4’-及び/又は2,2’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H12MDI)、及びヒドロキシエチルアクリレートを反応させることによって製造することができる。
【0128】
別の好ましい実施形態では、ポリエステルウレタン(メタ)アクリレート(B)は、ポリアルキレングリコールを、式
【化31】
のラクトン、少なくとも1種の脂環式又は非対称脂肪族ジイソシアネート、及び式(A)のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと反応させることによって得られる。
【0129】
式(A)のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートは、好ましくは、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-又は3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、1,5-ペンタンジオールモノ(メタ)アクリレート、及び1,6-ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレートからなる群から選択される。
【0130】
ウレタン(メタ)アクリレートは、特に、ポリアルキレングリコール、好ましくはポリエチレングリコールを、ε-カプロラクトン、4,4’-、2,4’-及び/又は2,2’-メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート(H12MDI)、及びヒドロキシエチルアクリレートと反応させることによって製造することができる。
【0131】
希釈剤(C)
第2の希釈剤(C)は、「反応性希釈剤」を表し、これは成分(A)及び(B)と共反応可能な(例えば、付加重合することが可能な)少なくとも1個のフリーラジカル反応性基(例えば、エチレン性不飽和基)を含有する成分である。
【0132】
希釈剤(C)は、単一の希釈剤、又は2種類以上の希釈剤の混合物でよい。
【0133】
適した単官能、二官能、又は四官能のアクリレート、メタクリレート、又はビニルアミド成分を以下に列挙する。単官能とは、化合物の分子が1つのアクリレート、メタクリレート、又はビニルアミド官能基のみを示すという事実を指す。
【0134】
単官能のビニルアミド成分の例には、例えばN-ビニル-ピロリドン、ビニル-イミダゾール、N-ビニルカプロラクタム、N-(ヒドロキシメチル)ビニルアミド、N-ヒドロキシエチルビニルアミド、N-イソプロピルビニルアミド、N-イソプロピルメタビニルアミド、N-tert-ブチルビニルアミド、N,N’-メチレンビスビニルアミド、N-(イソブトキシメチル)ビニルアミド、N-(ブトキシメチル)ビニルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタビニルアミド、N,N-ジメチルビニルアミド、N,N-ジエチルビニルアミド、及びN-メチル-N-ビニルアセトアミドが含まれる。
【0135】
単官能のメタクリレートの例には、イソボルニルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、エトキシル化フェニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、オクチルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、カプロラクトンメタクリレート、ノニルフェノールメタクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリプロピレングリコールメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、及びグリシジルメタクリレートが含まれる。
【0136】
本発明の光硬化性組成物は、2つの不飽和炭素-炭素結合を有する二官能、又は四官能の希釈剤、例えば、二官能、又は四官能の(メタ)アクリレートを含有してよい。
【0137】
二官能モノマーの例には、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(200)ジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジ(メタ)アクリレート、エトキシル化(3)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アルコキシル化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシル化(10)ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(600)ジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、3-メチル-1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、及びジメチロール-トリシクロデカンジ(メタ)アクリレートが含まれる。これらの中の1種を単独で使用してもよく、これらの2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0138】
上述したポリエチレングリコール(200)ジアクリレート、ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート、及びポリエチレングリコール(600)ジアクリレートは、以下の化学式で表される。
【0139】
ポリエチレングリコール(200)ジアクリレート
CH2=CH-CO-(OC2H4)n-OCOCH=CH2 式中、n≒4
ポリエチレングリコール(400)ジアクリレート
CH2=CH-CO-(OC2H4)n-OCOCH=CH2 式中、n≒14
ポリエチレングリコール(600)ジアクリレート
CH2=CH-CO-(OC2H4)n-OCOCH=CH2 式中、n≒14
【0140】
四官能性の(メタ)アクリレートの例として、ビストリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ビストリメチロールプロパンテトラメタクリレート、エトキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロポキシル化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロポキシル化ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アリールウレタンテトラアクリレート、脂肪族ウレタンテトラアクリレート、メラミンテトラアクリレート、エポキシノボラックテトラアクリレート及びポリエステルテトラアクリレートが挙げられる。
【0141】
本発明の光硬化性組成物は、単官能のアクリルアミド又はメタクリルアミドを含有してよい。例として、アクリロイルモルホリン、メタクリロイルモルホリン、N-(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N-ヒドロキシエチルアクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-イソプロピルメタクリルアミド、N-tert-ブチルアクリルアミド、N,N’-メチレンビスアクリルアミド、N-(イソブトキシメチル)アクリルアミド、N-(ブトキシメチル)アクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N,N-ジエチルアクリルアミド、N-(ヒドロキシメチル)メタクリルアミド、N-ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N-イソプロピルメタクリルアミド、N-イソプロピルメタメタクリルアミド、N-tert-ブチルメタクリルアミド、N,N’-メチレンビスメタクリルアミド、N-(イソブトキシメチル)メタクリルアミド、N-(ブトキシメチル)メタクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタメタクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド、及びN,N-ジエチルメタクリルアミドが挙げられる。
【0142】
光開始剤(D)
光開始剤(D)は、単一の化合物、又は化合物の混合物であってよい。光開始剤(D)の例は、当業者に既知であり、例えば、Kurt Dietlikerにより「A compilation of photoinitiators commercially available for UV today」、Sita Technology Textbook,Edinburgh,London、2002年で発表されている。
【0143】
適したアシルホスフィンオキシド化合物の例は、式XII
【化32】
の化合物であり、式中、
R
50は、非置換のシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル又はビフェニルイルであるか、又は1種以上のハロゲン、C
1~C
12アルキル、C
1~C
12アルコキシ、C
1~C
12アルキルチオにより、又はNR
53R
54により置換されているシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル又はビフェニルイルであり、
又はR
50は、非置換のC
1~C
20アルキルであるか、又は1種以上のハロゲン、C
1~C
12アルコキシ、C
1~C
12アルキルチオ、NR
53R
54により、又は-(CO)-O-C
1~C
24アルキルにより置換されているC
1~C
20アルキルであり、
R
51は、非置換のシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル又はビフェニルイルであるか、又は1種以上のハロゲン、C
1~C
12アルキル、C
1~C
12アルコキシ、C
1~C
12アルキルチオにより、又はNR
53R
54により置換されているシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル又はビフェニルイルであり、又はR
51は-(CO)R’
52であり、又はR
51は、非置換の、又は1種以上のハロゲン、C
1~C
12アルコキシ、C
1~C
12アルキルチオにより、又はNR
53R
54により置換されているC
1~C
12アルキルであり、
R
52及びR’
52は、互いに独立して、非置換のシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル又はビフェニルイルであるか、又は1種以上のハロゲン、C
1~C
4アルキル又はC
1~C
4アルコキシにより置換されているシクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル、ナフチル又はビフェニルイルであるか、又はR
52はS原子又はN原子を含む5員又は6員の複素環であり、
R
53及びR
54は、互いに独立して、水素、非置換のC
1~C
12アルキル、又は1種以上のOH又はSHにより置換されているC
1~C
12アルキルであり、ここでアルキル鎖は場合により1~4個の酸素原子により入り込まれ、又はR
53及びR
54は、互いに独立して、C
2~C
12-アルケニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル又はフェニルである。
【0144】
特に好ましい実施形態では、光開始剤(C)は、式(XII)の化合物、例えば、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシド、エチル(2,4,6トリメチルベンゾイルフェニル)ホスフィン酸エステル、(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-2,4-ジペントキシフェニルホスフィンオキシド、及びビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシドである。
【0145】
さらに興味深いのは、式(XII)の化合物と式(XI)の化合物との混合物、及び式(XII)の異なる化合物の混合物である。
【0146】
例として、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシドと1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトンとの混合物、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシドと2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンとの混合物、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシドとエチル(2,4,6トリメチルベンゾイルフェニル)ホスフィン酸エステルとの混合物などが挙げられる。
【0147】
適したベンゾフェノン化合物の例として、式
【化33】
の化合物が挙げられ、
式中、
R
65、R
66及びR
67は、互いに独立して、水素、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4-ハロゲンアルキル、C
1~C
4アルコキシ、Cl又はN(C
1~C
4アルキル)
2であり、
R
68は、水素、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロゲンアルキル、フェニル、N(C
1~C
4アルキル)
2、COOCH
3、
【化34】
であり、
Qは、2~6個のヒドロキシ基を有するポリヒドロキシ化合物の残基であり、
xは、1より大きいが、Qにおける利用可能なヒドロキシル基の数より大きくない数であり、
Aは、-[O(CH
2)
bCO]
y-又は-[O(CH
2)
bCO]
(y-1)-[O(CHR
69CHR
69’)
a]
y-であり、
R
69及びR
69’は、互いに独立して、水素、メチル又はエチルであり、n(又はa)が1より大きい場合、ラジカルR
69は、互いに同じであっても異なっていてもよく、
aは、1~2までの数であり、
bは、4~5までの数であり、
yは、1~10までの数であり、
nは、そして
mは、2~10の整数である。
【0148】
具体的な例として、ベンゾフェノン、IGM社から入手可能なEsacure TZT(登録商標)(2,4,6-トリメチルベンゾフェノンと4-メチルベンゾフェノンとの混合物)、4-フェニルベンゾフェノン、4-メトキシベンゾフェノン、4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、4,4’-ジメチルベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、4,4’-ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ジエチルアミノベンゾフェノン、4-メチルベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン、4-(4-メチルチオフェニル)ベンゾフェノン、3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン、メチル-2-ベンゾイルベンゾエート、4-(2-ヒドロキシエチルチオ)ベンゾフェノン、4-(4-トリルチオ)ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-N,N,N-トリメチルベンゼンメタナミニウムクロライド、2-ヒドロキシ-3-(4-ベンゾイルフェノキシ)-N,N,N-トリメチル-1-プロパナミニウムクロライド一水和物、4-(13-アクリロイル-1,4,7,10,13-ペンタオキサトリデシル)ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-N,N-ジメチル-N-[2-(1-オキソ-2-プロペニル)オキシ]エチルベンゼンメタナミニウムクロライド、[4-(2-ヒドロキシ-エチルスルファニル)-フェニル]-(4-イソプロピルフェニル)-メタノン、ビフェニル-[4-(2-ヒドロキシ-エチルスルファニル)-フェニル]-メタノン、ビフェニル-4-イル-フェニル-メタノン、ビフェニル-4-イル-p-トリル-メタノン、ビフェニル-4-イル-m-トリル-メタノン、[4-(2-ヒドロキシ-エチルスルファニル)-フェニル]-p-トリル-メタノン、[4-(2-ヒドロキシ-エチルスルファニル)-フェニル]-(4-イソプロピル-フェニル)-メタノン、[4-(2-ヒドロキシ-エチルスルファニル)-フェニル]-(4-メトキシ-フェニル)-メタノン、1-(4-ベンゾイル-フェノキシ)-プロパン-2-オン、[4-(2-ヒドロキシ-エチルスルファニル)-フェニル]-(4-フェノキシ-フェニル)-メタノン、3-(4-ベンゾイル-フェニル)-2-ジメチルアミノ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、(4-クロロ-フェニル)-(4-オクチルスルファニル-フェニル)-メタノン、(4-クロロ-フェニル)-(4-ドデシルスルファニル-フェニル)-メタノン、(4-ブロモ-フェニル)-(4-オクチルスルファニル-フェニル)-メタノン、(4-ドデシルスルファニル-フェニル)-(4-メトキシ-フェニル)-メタノン、(4-ベンゾイル-フェノキシ)-酢酸メチルエステル、ビフェニル-[4-(2-ヒドロキシ-エチルスルファニル)-フェニル]-メタノン、1-[4-(4-ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル]-2-メチル-2-(4-メチルフェニルスルホニル)プロパン-1-オン(IGM社から入手可能なEsacure(登録商標)1001)が挙げられる。
【0149】
適したアルファ-ヒドロキシケトン、アルファ-アルコキシケトン又はアルファ-アミノケトン化合物の例として、式
【化35】
のものが挙げられ、
式中、
R
29は、水素又はC
1~C
18アルコキシであり、
R
30は、水素、C
1~C
18アルキル、C
1~C
12ヒドロキシアルキル、C
1~C
18アルコキシ、OCH
2CH
2-OR
34、モルホリノ、S-C
1~C
18アルキル、基-HC=CH
2、-C(CH
3)=CH
2、
【化36】
であり、
D、E及びfは、1~3であり、
cは、2~10であり、
G
1及びG
2は、互いに独立して、ポリマー構造の末端基、好ましくは水素又はメチルであり、
R
34は、水素、
【化37】
であり、
R
31は、ヒドロキシ、C
1~C
16アルコキシ、モルホリノ、ジメチルアミノ、又は-O(CH
2CH
2O)
g-C
1~C
16アルキルであり、
gは、1~20であり、
R
32及びR
33は、互いに独立して、水素、C
1~C
6アルキル、C
1~C
16アルコキシ、又は-O(CH
2CH
2O)
g-C
1~C
16アルキルであるか、又は非置換のフェニル又はベンジル、又はC
1~C
12-アルキルにより置換されているフェニル又はベンジルであり、又はR
32及びR
33は、それらが結合している炭素原子と共にシクロヘキシル環を形成し、
R
35は、水素、OR
36又はNR
37R
38であり、
R
36は、水素、C
1~C
12アルキル(ただし、そのC
1~C
12アルキルは、場合により、1個以上の連続しないO-原子により入り込まれ、そして、入り込まれていないか若しくは入り込まれたC
1~C
12アルキルが、場合により、1個以上のOHで置換されている)であり、
又はR
36は、
【化38】
であり、
R
37及びR
38は、互いに独立して、水素又は非置換であるか又は1個以上のOHにより置換されているC
1~C
12アルキルであり、
R
39は、場合により1個以上の連続しないOにより入り込まれたC
1~C
12アルキレン、-(CO)-NH-C
1~C
12アルキレン-NH-(CO)-又は
【化39】
(ただし、R
31、R
32及びR
33は、すべてが共にC
1~C
16アルコキシ又は-O(CH
2CH
2O)
g-C
1~C
16アルキルであるわけではないことを条件とする)である。
【0150】
具体的な例として、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン又は1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトンとベンゾフェノンとの混合物、2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチル-ベンジル)-1-(4-モルホリン-4-イル-フェニル)-ブタン-1-オン、(3,4-ジメトキシ-ベンゾイル)-1-ベンジル-1-ジメチルアミノプロパン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]-フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-フェノキシ]-フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、IGM社から提供されるEsacure KIP、2-ヒドロキシ-1-{1-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-フェニル]-1,3,3-トリメチル-インダン-5-イル}-2-メチル-プロパン-1-オンが挙げられる。
【0151】
適したフェニルグリオキシレート化合物の例として、式
【化40】
のものが挙げられ、
式中、
R
60は、水素、C
1~C
12アルキル又は
【化41】
であり、
R
55、R
56、R
57、R
58及びR
59は、互いに独立して、水素、非置換のC
1~C
12アルキル、又は1個以上のOH、C
1~C
4アルコキシ、フェニル、ナフチル、ハロゲンにより、又はCNにより置換されているC
1~C
12アルキルであり、ここでアルキル鎖は、場合により1個以上の酸素原子により入り込まれ、又はR
55、R
56、R
57、R
58及びR
59は、互いに独立して、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4アルキルチオ又はNR
52R
53であり、
R
52及びR
53は、互いに独立して、水素、非置換のC
1~C
12アルキル、又は1種以上のOH又はSHにより置換されているC
1~C
12アルキルであり、ここでアルキル鎖は場合により1~4個の酸素原子により入り込まれ、又はR
52及びR
53は、互いに独立して、C
2~C
12-アルケニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル又はフェニルであり、そして
Y
1は、場合により1個以上の酸素原子によって入り込まれたC
1~C
12アルキレンである。
【0152】
式XIIIの化合物の具体例として、オキソ-フェニル-酢酸2-[2-(2-オキソ-2-フェニル-アセトキシ)-エトキシ]-エチルエステル(Irgacure(登録商標)754)、メチルα-オキソベンゼンアセテートが挙げられる。
【0153】
適したオキシムエステル化合物の例として、式
【化42】
のものが挙げられ、式中、zは0又は1であり、
R
70は、水素、C
3~C
8シクロアルキル、非置換の又は1種以上のハロゲン、フェニルにより、又はCNにより置換されているC
1~C
12アルキルであるか、又はR
70は、C
2~C
5アルケニル、非置換の又は1種以上のC
1~C
6アルキル、ハロゲン、CN、OR
73、SR
74により、又はNR
75R
76により置換されているフェニルであるか、又はR
70は、C
1~C
8アルコキシ、ベンジルオキシ、又は非置換の又は1種以上のC
1~C
6アルキルにより又はハロゲンにより置換されているフェノキシであり、
R
71は、フェニル、ナフチル、ベンゾイル又はナフトイルであり、それらの各々は、1種以上のハロゲン、C
1~C
12アルキル、C
3~C
8シクロアルキル、ベンジル、フェノキシカルボニル、C
2~C
12アルコキシカルボニル、OR
73、SR
74、SOR
74、SO
2R
74により、又はNR
75R
76により置換されており、ここで置換基OR
73、SR
74及びNR
75R
76は、フェニル環又はナフチル環上のさらなる置換基とラジカルR
73、R
74、R
75及び/又はR
76を介して、5員環又は6員環を場合により形成するか、又はそれらの各々は、フェニルにより、又は1種以上のOR
73、SR
74により又はNR
75R
66により置換されているフェニルにより置換されており、
又はR
71は、チオキサンチル、又は
【化43】
であり、
R
72は、水素、非置換のC
1~C
20アルキル、又は1種以上のハロゲン、OR
73、SR
74、C
3~C
8シクロアルキルにより、又はフェニルにより置換されているC
1~C
20アルキルであるか、又はC
3~C
8シクロアルキルであるか、又は非置換の又は1種以上のC
1~C
6アルキル、フェニル、ハロゲン、OR
73、SR
74により又はNR
75R
76により置換されているフェニルであるか、又はC
2~C
20アルカノイル、又は非置換の又は1種以上のC
1~C
6アルキル、フェニル、OR
73、SR
74により又はNR
75R
76により置換されているベンゾイルであるか、又はC
2~C
12アルコキシカルボニル、フェノキシカルボニル、CN、CONR
75R
76、NO
2、C
1~C
4ハロアルキル、S(O)
y-C
1~C
6アルキル又はS(O)
y-フェニルであり、
yは、1又は2であり、
Y
2は、直接結合であるか、又は結合しておらず、
Y
3は、NO
2又は
【化44】
であり、
R
73及びR
74は、互いに独立して、水素、C
1~C
20アルキル、C
2~C
12アルケニル、C
3~C
8シクロアルキル、1個以上の、好ましくは2個のOにより入り込まれたC
3~C
8シクロアルキル、フェニル-C
1~C
3アルキルであるか、又は、OH、SH、CN、C
1~C
8アルコキシ、C
1~C
8アルカノイル、C
3~C
8シクロアルキルにより、1個以上のOにより入り込まれたC
3~C
8シクロアルキルにより、置換されているC
1~C
8アルキルであるか、又はC
1~C
8アルキルが、非置換の、又は1種以上のC
1~C
6アルキル、ハロゲン、OH、C
1~C
4アルコキシにより、又はC
1~C
4アルキルスルファニルにより置換されているベンゾイルにより置換されているか、又はフェニル又はナフチルであり、これらの各々は、非置換であるか、又はハロゲン、C
1~C
12アルキル、C
1~C
12アルコキシ、フェニル-C
1~C
3アルキルオキシ、フェノキシ、C
1~C
12アルキルスルファニル、フェニルスルファニル、N(C
1~C
12アルキル)
2、ジフェニルアミノにより、又は
【化45】
により置換されており、
R
75及びR
76は、互いに独立して、水素、C
1~C
20アルキル、C
2~C
4ヒドロキシアルキル、C
2~C
10アルコキシアルキル、C
2~C
5アルケニル、C
3~C
8シクロアルキル、フェニル-C
1~C
3アルキル、C
1~C
8アルカノイル、C
3~C
12アルケノイル、ベンゾイルであるか、又はフェニル又はナフチルであり、それらの各々が、非置換であるか、又はC
1~C
12アルキル、ベンゾイルにより又はC
1~C
12アルコキシにより置換されており、又はR
75及びR
76が共に、O又はNR
73により場合により入り込まれたC
2~C
6アルキレンであり、場合によりヒドロキシル、C
1~C
4アルコキシ、C
2~C
4アルカノイルオキシにより、又はベンゾイルオキシにより置換されており、
R
77は、C
1~C
12アルキル、チエニル、又は非置換であるか又はC
1~C
12アルキル、OR
73、モルホリノにより又はN-カルバゾルイルにより置換されているフェニルである。
【0154】
具体的な例として、1,2-オクタンジオン1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-2-(O-ベンゾイルオキシム)、エタノン1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(O-アセチルオキシム)、9H-チオキサンテン-2-カルボキサルデヒド9-オキソ-2-(O-アセチルオキシム)、エタノン1-[9-エチル-6-(4モルホリノベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(O-アセチルオキシム)、エタノン1-[9-エチル-6-(2-メチル-4-(2-(1,3-ジオキソ-2-ジメチル-シクロペント-5-イル)エトキシ)-ベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(O-アセチルオキシム)(Adeka N-1919)、エタノン1-[9-エチル-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル]-1-[2-メチル-4-(1-メチル-2-メトキシ)エトキシ)フェニル]-1-(O-アセチルオキシム)(Adeka NCI831)などが挙げられる。
【0155】
カチオン性光開始剤、例えばベンゾイルペルオキシド(他の適したペルオキシドは、US4950581、第19欄、第17~25行目に記載されている)又は芳香族スルホニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、例えば、US4950581、第18欄、第60行目~第19欄、第10行目に記載のものを加えることも可能である。
【0156】
適したスルホニウム塩化合物は、式
【化46】
のものであり、
式中、
R
80、R
81及びR
82は、それぞれ互いに独立して、非置換のフェニル、又は-S-フェニル、
【化47】
により置換されているフェニルであり、
R
83は、直接結合、S、O、CH
2、(CH
2)
2、CO又はNR
89であり、
R
84、R
85、R
86及びR
87は、互いに独立して、水素、C
1~C
20アルキル、C
3~C
8シクロアルキル、C
1~C
20アルコキシ、C
2~C
20アルケニル、CN、OH、ハロゲン、C
1~C
6アルキルチオ、フェニル、ナフチル、フェニル-C
1~C
7アルキル、ナフチル-C
1~C
3アルキル、フェノキシ、ナフチルオキシ、フェニル-C
1~C
7アルキルオキシ、ナフチル-C
1~C
3アルキルオキシ、フェニル-C
2~C
6アルケニル、ナフチル-C
2~C
4アルケニル、S-フェニル、(CO)R
89、O(CO)R
89、(CO)OR
89、SO
2R
89又はOSO
2R
89であり、
R
88は、C
1~C
20アルキル、C
1~C
20ヒドロキシアルキル、
【化48】
であり、
R
89は、水素、C
1~C
12アルキル、C
1~C
12ヒドロキシアルキル、フェニル、ナフチル又はビフェニルイルであり、
R
90、R
91、R
92及びR
93は、互いに独立して、R
84に与えられた意味の1つを有し、又はR
90及びR
91は、それらが結合しているベンゼン環と融合した環系を形成し、
R
95は、直接結合、S、O又はCH
2であり、
R
96は、水素、C
1~C
20アルキル、1個以上のOにより入り込まれたC
2~C
20アルキルであり、又は-L-M-R
98又は-L-R
98であり、
R
97は、R
96に与えられた意味の1つを有するか、又は
【化49】
であり、
R
98は、一価の増感剤又は光開始剤部分であり、
Ar
1及びAr
2は
、互いに独立して、非置換の、又はC
1~C
20アルキル、ハロゲン、又はOR
99により置換されているフェニルであるか、
又は非置換のナフチル、アントリル、フェナントリル又はビフェニルイルであるか、
又は、C
1~C
20アルキル、OH又はOR
99により置換されているナフチル、アントリル、フェナントリル又はビフェニルイルであるか、
又は、-Ar
4-A
1-Ar
3又は
【化50】
であり、
Ar
3は、非置換のフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、又はビフェニルイルであるか、
又はC
1~C
20アルキル、OR
99又はベンゾイルにより置換されているフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル又はビフェニルイルであり、
Ar
4は、フェニレン、ナフチレン、アントリレン又はフェナントリレンであり、
A
1は、直接結合、S、O又はC
1~C
20アルキレンであり、
Xは、CO、C(O)O、OC(O)、O、S又はNR
99であり、
Lは、直接結合、S、O、C
1~C
20アルキレン又は1個以上の連続しないOにより入り込まれたC
2~C
20アルキレンであり、
R
99は、C
1~C
20アルキル又はC
1~C
20ヒドロキシアルキルであるか、又はO(CO)R
102により置換されているC
1~C
20アルキルであり、
M
1は、S、CO又はNR
100であり、
M
2は、直接結合、CH
2、O又はSであり、
R
100及びR
101は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C
1~C
8アルキル、C
1~C
8アルコキシ又はフェニルであり、
R
102は、C
1~C
20アルキルであり、
R
103は、
【化51】
であり、そして
Eは、アニオン、特にPF
6、SbF
6、AsF
6、BF
4、(C
6F
5)
4B、Cl、Br、HSO
4、CF
3-SO
3、F-SO
3、
【化52】
CH
3-SO
3、ClO
4、PO
4、NO
3、SO
4、CH
3-SO
4、又は
【化53】
である。
【0157】
スルホニウム塩化合物の具体的な例として、例えば、Irgacure(登録商標)270(BASF SE)、Cyracure(登録商標)UVI-6990、Cyracure(登録商標)UVI-6974(Union Carbide)、Degacure(登録商標)KI85(Degussa)、SP-55、SP-150、SP-170(Asahi Denka)、GE UVE1014(General Electric)、SarCat(登録商標)KI-85(=トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート;Sartomer)、SarCat(登録商標)CD1010(=混合トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート;Sartomer)、SarCat(登録商標)CD1011(=混合トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート;Sartomer)が挙げられる。
【0158】
適したヨードニウム塩化合物は、式
【化54】
のものであり、式中、
R
110及びR
111は、それぞれ互いに独立して、水素、C
1~C
20アルキル、C
1~C
20アルコキシ、OH-置換C
1~C
20アルコキシ、ハロゲン、C
2~C
12アルケニル、C
3~C
8シクロアルキル、特にメチル、イソプロピル、又はイソブチルであり、そして
Eは、アニオン、特にPF
6、SbF
6、AsF
6、BF
4、(C
6F
5)
4B、Cl、Br、HSO
4、CF
3-SO
3、F-SO
3、
【化55】
CH
3-SO
3、ClO
4、PO
4、NO
3、SO
4、CH
3-SO
4又は
【化56】
である。
【0159】
ヨードニウム塩化合物の具体的な例として、例えばトリルクミルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4-[(2-ヒドロキシ-テトラデシルオキシ)フェニル]フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート又はヘキサフルオロホスフェート、トリルクミルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4-イソプロピルフェニル-4’-メチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4-イソブチルフェニル-4’-メチルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(Irgacure(登録商標)250、BASF SE)、4-オクチルオキシフェニル-フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート又はヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート又はヘキサフルオロホスフェート、ビス(4-メチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(4-メトキシフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4-メチルフェニル-4’-エトキシフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4-メチルフェニル-4’-ドデシルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4-メチルフェニル-4’-フェノキシフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェートが挙げられる。
【0160】
前述のあらゆるヨードニウム塩のうち、他のアニオンとの化合物も、無論、適している。ヨードニウム塩の調製は当業者に知られていて、例えば文献にも記載されており、例えばUS4151175、US3862333、US4694029、EP562897、US4399071、US6306555、WO98/46647、J.V.Crivello、「Photoinitiated Cationic Polymerization」(UV Curing:Science and Technology、S.P.Pappas編集、第24~77頁、Technology Marketing Corporation,Norwalk,Conn.1980,ISBN No.0-686-23773-0)、J.V.Crivello,J.H.W.Lam,Macromolecules,10,1307(1977)及びJ.V.Crivello,Ann.Rev.Mater.Sci.1983,13、第173~190頁及びJ.V.Crivello,Journal of Polymer Science,Part A:Polymer Chemistry、第37巻、4241-4254(1999)に記載されている。
【0161】
UV-A領域及び(近)VIS領域に放射ピーク(単数又は複数)を有する光源(Laser、LED、LCD)を用いて硬化させるのに、アシルホスフィンオキシド、例えば、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシド及びエチルフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィネートが好ましい。355nmに放射ピークを有するUVレーザー(SLA)を用いて硬化させるのに、アルファ-ヒドロキシケトン系化合物、例えば、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]-フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、Lamberti社から提供されるEsacure KIP、2-ヒドロキシ-1-{1-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-フェニル]-1,3,3-トリメチル-インダン-5-イル}-2-メチル-プロパン-1-オン、及びこれらの混合物が好ましい。
【0162】
光源が広い領域、UV及び可視領域にわたって光放射する場合(例:水銀灯)、又は異なる波長の光源が組み合わされる場合(例:LED、レーザー)、1種の光開始剤の吸収領域が領域全体をカバーしない可能性がある。これは、2種の異なる光開始剤のタイプ、例えばアルファ-ヒドロキシケトン(1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、又は2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]-フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン)と、アシルホスフィンオキシド(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシド及びエチルフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィネートとを組み合わせることによって達成することができる。硬化に可視放射を使用する場合は、チタノセンのような特定の光開始剤、例えばビス(シクロペンタジエニル)ビス[2,6-ジフルオロ-3-(1-ピリル)フェニル]チタン(Omnirad784)が必要である。
【0163】
好ましい実施形態では、トリアルキルベンゾイル及びジアルキルジベンゾイルゲルマニウム化合物、例えば、ジベンゾイルジエチルゲルマニウム、ベンゾイルトリエチルゲルマニウム及びビス-4-(メトキシベンゾイル)ジエチルゲルマニウムなどを光開始剤として使用することができる。
【0164】
別の好ましい実施形態では、カンファキノンと、共開始剤としての第3級アミンとの組み合わせが、光開始剤として使用される。第3級アミンは、好ましくは、エチル4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート、トリエタノールアミン、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]エタノール及びN,N-ジメチル-p-トルイジンから選択される。
【0165】
光開始剤は、典型的には、組成物の総質量に基づいて、約0.1~10質量%、特に0.1~5.0質量%、とりわけ0.5~2.0質量%の割合で使用される。
【0166】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素である。
【0167】
C1~C24アルキル(C1~C20アルキル、特にC1~C12アルキル)は、可能であれば、典型的には直鎖状又は分岐状である。例として、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec.-ブチル、イソブチル、tert.-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2,2-ジメチルプロピル、1,1,3,3-テトラメチルペンチル、n-ヘキシル、1-メチルヘキシル、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルヘキシル、n-ヘプチル、イソヘプチル、1,1,3,3-テトラメチルブチル、1-メチルヘプチル、3-メチルヘプチル、n-オクチル、1,1,3,3-テトラメチルブチル及び2-エチルヘキシル、n-ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、又はオクタデシルが挙げられる。C1~C8アルキルは、典型的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec.-ブチル、イソブチル、tert.-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2,2-ジメチル-プロピル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、1,1,3,3-テトラメチルブチル及び2-エチルヘキシルである。C1~C4アルキルは、典型的には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec.-ブチル、イソブチル、tert.-ブチルである。
【0168】
C2~C12アルケニル(C2~C5アルケニル)基は、直鎖の又は分岐状のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、メタリル、イソプロペニル、2-ブテニル、3-ブテニル、イソブテニル、n-ペンタ-2,4-ジエニル、3-メチル-ブト-2-エニル、n-オクト-2-エニル、又はn-ドデク-2-エニルである。
【0169】
C1~C12アルコキシ基(C1~C8アルコキシ基)は、直鎖の又は分岐状のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、アミルオキシ、イソアミルオキシ又はtert-アミルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、イソオクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ及びドデシルオキシである。
【0170】
C1~C12アルキルチオ基(C1~C8アルキルチオ基)は、直鎖の又は分岐状のアルキルチオ基であり、酸素が硫黄に対して交換されていることを除き、アコキシ基(akoxy groups)と同じ選好を有する。
【0171】
C1~C12アルキレンは、二価のC1~C12アルキル、すなわち(1ではなく)2の自由原子価を有するアルキル、例えばトリメチレン又はテトラメチレンである。
【0172】
シクロアルキル基は、典型的にはC3~C8シクロアルキル、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、又はシクロオクチルであり、これらは非置換であっても置換されていてもよい。
【0173】
いくつかの場合において、光開始剤に加えて増感剤化合物を採用することが有利である。適した増感剤化合物の例は、WO06/008251、第36頁第30行目から第38頁第8行目に開示されており、その開示内容は参照によって本明細書に組み込まれる。増感剤として、とりわけ上述のベンゾフェノン化合物を採用することができる。
【0174】
所望される場合、光硬化性組成物は、
-以下のもの
(H.4) 消泡剤及び脱気剤、
(H.5) 潤滑剤及びレベリング剤、
(H.6) 熱硬化助剤及び/又は放射線硬化助剤、
(H.7) 基材湿潤助剤、
(H.8) 湿潤助剤及び分散助剤、
(H.9) 疎水化剤、
(H.10) 容器内(in-can)安定剤、及び
(H.11) 引掻耐性を向上させるための助剤
から選択される少なくとも1種の成分D、
-以下のもの
(E.1) 染料、及び
(E.2) 顔料、
から選択される少なくとも1種の成分E、
- 光、熱及び酸化安定剤から選択される少なくとも1種の成分F、及び
- IR吸収化合物から選択される少なくとも1種の成分G
から好ましくは選択される、さらなる混合物構成成分を含んでもよい。
【0175】
成分Dとして列挙した消泡剤及び脱気剤(H.4)、潤滑剤及びレベリング剤(H.5)、熱硬化助剤又は放射線硬化助剤(H.6)、基材湿潤助剤(H.7)、湿潤助剤及び分散助剤(H.8)、疎水化剤(H.9)、容器内安定剤(H.10)及び引掻耐性を向上させるための助剤(H.11)の効果は、通常、互いに厳密に区別することができない。例えば、潤滑剤及びレベリング剤は、消泡剤及び/又は脱気剤として、及び/又は引掻耐性を向上させるための助剤として、さらに作用することが多い。そして放射線硬化助剤は、潤滑剤及びレベリング剤、及び/又は脱気剤として、及び/又は基材湿潤助剤としても作用することができる。従って上記の記述により、或る特定の添加剤は、以下に記載のグループ(H.4)から(H.11)のうちの1つより多くに帰属してよい。
【0176】
グループ(H.4)の消泡剤には、シリコンを含まないポリマー及びシリコン含有ポリマーが含まれる。シリコン含有ポリマーは、例えば、未変性又は変性ポリジアルキルシロキサン、又はポリジアルキルシロキサンとポリエーテル単位とから構成される分岐コポリマー、櫛形(comb)コポリマー又はブロックコポリマーであり、後者はエチレンオキシド又はプロピレンオキシドから得ることができる。
【0177】
グループ(H.4)の脱気剤には、例えば、有機ポリマー、例えばポリエーテル及びポリアクリレート、ジアルキルポリシロキサン、特にジメチルポリシロキサン、有機的変性ポリシロキサン、例えばアリールアルキル変性ポリシロキサンか、又はフルオロシリコーンが含まれる。消泡剤の作用は本質的に、泡の形成を防ぐこと、又はすでに形成された泡を破壊することに基づく。脱気剤は、本質的には、脱気される媒体、例えば本発明による混合物中で、微細に分散した気体又は空気の気泡を合体させてより大きな気泡にして、それによって気体(又は空気)の放出を促進するように作用する。消泡剤はしばしば脱気剤としても使用することができ、その逆も可能であるため、これらの添加剤はグループ(H.4)の下で一緒にまとめられている。このような助剤として、例えば、Tego社からTEGO(登録商標)Foamex800、TEGO(登録商標)Foamex805、TEGO(登録商標)Foamex810、TEGO(登録商標)Foamex815、TEGO(登録商標)Foamex825、TEGO(登録商標)Foamex835、TEGO(登録商標)Foamex840、TEGO(登録商標)Foamex842、TEGO(登録商標)Foamex1435、TEGO(登録商標)Foamex1488、TEGO(登録商標)Foamex1495、TEGO(登録商標)Foamex3062、TEGO(登録商標)Foamex7447、TEGO(登録商標)Foamex8020、Tego(登録商標)Foamex N、TEGO(登録商標)Foamex K3、TEGO(登録商標)Antifoam2-18、TEGO(登録商標)Antifoam2-57、TEGO(登録商標)Antifoam2-80、TEGO(登録商標)Antifoam2-82、TEGO(登録商標)Antifoam2-89、TEGO(登録商標)Antifoam2-92、TEGO(登録商標)Antifoam14、TEGO(登録商標)Antifoam28、TEGO(登録商標)Antifoam81、TEGO(登録商標)Antifoam D90、TEGO(登録商標)Antifoam93、TEGO(登録商標)Antifoam200、TEGO(登録商標)Antifoam201、TEGO(登録商標)Antifoam202、TEGO(登録商標)Antifoam793、TEGO(登録商標)Antifoam1488、TEGO(登録商標)Antifoam3062、TEGOPREN(登録商標)5803、TEGOPREN(登録商標)5852、TEGOPREN(登録商標)5863、TEGOPREN(登録商標)7008、TEGO(登録商標)Antifoam1-60、TEGO(登録商標)Antifoam1-62、TEGO(登録商標)Antifoam1-85、TEGO(登録商標)Antifoam2-67、TEGO(登録商標)Antifoam WM20、TEGO(登録商標)Antifoam50、TEGO(登録商標)Antifoam105、TEGO(登録商標)Antifoam730、TEGO(登録商標)Antifoam MR1015、TEGO(登録商標)Antifoam MR1016、TEGO(登録商標)Antifoam1435、TEGO(登録商標)Antifoam N、TEGO(登録商標)Antifoam KS6、TEGO(登録商標)Antifoam KS10、TEGO(登録商標)Antifoam KS53、TEGO(登録商標)Antifoam KS95、TEGO(登録商標)Antifoam KS100、TEGO(登録商標)Antifoam KE600、TEGO(登録商標)Antifoam KS911、TEGO(登録商標)Antifoam MR1000、TEGO(登録商標)Antifoam KS1100、Tego(登録商標)Airex900、Tego(登録商標)Airex910、Tego(登録商標)Airex931、Tego(登録商標)Airex935、Tego(登録商標)Airex960、Tego(登録商標)Airex970、Tego(登録商標)Airex980及びTego(登録商標)Airex985として、及びBYK社からBYK(登録商標)-011、BYK(登録商標)-019、BYK(登録商標)-020、BYK(登録商標)-021、BYK(登録商標)-022、BYK(登録商標)-023、BYK(登録商標)-024、BYK(登録商標)-025、BYK(登録商標)-027、BYK(登録商標)-031、BYK(登録商標)-032、BYK(登録商標)-033、BYK(登録商標)-034、BYK(登録商標)-035、BYK(登録商標)-036、BYK(登録商標)-037、BYK(登録商標)-045、BYK(登録商標)-051、BYK(登録商標)-052、BYK(登録商標)-053、BYK(登録商標)-055、BYK(登録商標)-057、BYK(登録商標)-065、BYK(登録商標)-067、BYK(登録商標)-070、BYK(登録商標)-080、BYK(登録商標)-088、BYK(登録商標)-141及びBYK(登録商標)-A530として市販されている。
【0178】
グループ(H.4)の助剤は、典型的には、組成物の総質量に基づいて、約0.05~3.0質量%、好ましくは約0.5~2.0質量%の割合で使用される。
【0179】
潤滑剤及びレベリング剤のグループ(H.5)には、例えばシリコンを含まないポリマーだけでなく、シリコン含有ポリマー、例えばポリアクリレート又は変性低分子量ポリジアルキルシロキサンも含まれる。変性とは、アルキル基の一部を多種多様な有機ラジカルで置き換えることである。これらの有機ラジカルは、例えば、ポリエーテル、ポリエステルか、又は長鎖アルキルラジカルであり、前者が最も頻繁に使用されている。対応する変性ポリシロキサンのポリエーテルラジカルは、典型的には、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド単位によって形成される。変性ポリシロキサン中のこれらのアルキレンオキシド単位の割合が高いほど、得られる生成物は一般的に親水性が高くなる。
【0180】
このような助剤は市販されており、例えば、Tego社からTEGO(登録商標)Glide100、TEGO(登録商標)Glide ZG400、TEGO(登録商標)Glide406、TEGO(登録商標)Glide410、TEGO(登録商標)Glide411、TEGO(登録商標)Glide415、TEGO(登録商標)Glide420、TEGO(登録商標)Glide435、TEGO(登録商標)Glide440、TEGO(登録商標)Glide450、TEGO(登録商標)Glide A115、TEGO(登録商標)Glide B1484(消泡剤及び脱気剤としても使用可能)、TEGO(登録商標)Flow ATF、TEGO(登録商標)Flow ATF2、TEGO(登録商標)Flow300、TEGO(登録商標)Flow460、TEGO(登録商標)Flow425及びTEGO(登録商標)Flow ZFS460として入手可能である。使用する放射線硬化性の潤滑剤及びレベリング剤はさらに、引掻耐性を向上させる役割を果たし、同様にTego社から入手可能な製品、TEGO(登録商標)Rad2100、TEGO(登録商標)Rad2200、TEGO(登録商標)Rad2300、TEGO(登録商標)Rad2500、TEGO(登録商標)Rad2600、TEGO(登録商標)Rad2700及びTEGO(登録商標)Twin4000であってよい。このような助剤はBYK社から、例えば、BYK(登録商標)-300、BYK(登録商標)-306、BYK(登録商標)-307、BYK(登録商標)-310、BYK(登録商標)-320、BYK(登録商標)-322、BYK(登録商標)-331、BYK(登録商標)-333、BYK(登録商標)-337、BYK(登録商標)-341、Byk(登録商標)-354、Byk(登録商標)-361N、BYK(登録商標)-378及びBYK(登録商標)-388として入手可能である。
【0181】
グループ(H.5)の助剤は、典型的には、組成物の総質量に基づいて、約0.005~1.0質量%、好ましくは約0.01~0.2質量%の割合で使用する。
【0182】
グループ(H.6)には、放射線硬化助剤として、特に、例えばアクリレート基の一部である末端二重結合を有するポリシロキサンが含まれる。このような助剤は、化学線又は、例えば電子ビーム放射によって架橋させることができる。これらの助剤は一般的に複数の特性を1つに組み合わせる。これらは架橋されていない状態では、消泡剤、脱気剤、潤滑剤及びレベリング剤、及び/又は基材湿潤補助剤として作用することができ、架橋した状態では、例えば本発明による混合物を用いて製造することができるコーティング又はフィルムの、特に引掻耐性を向上させる。コーティング又はフィルムの、例えば光沢性能の向上は、本質的に、消泡剤、脱揮発剤(devolatilizers)及び/又は潤滑剤及びレベリング剤(架橋されていない状態で)としてのこれらの助剤の作用の効果とみなすことができる。使用することができる放射線硬化助剤として、例えば、Tego社から入手可能なTEGO(登録商標)Rad2100、TEGO(登録商標)Rad2200、TEGO(登録商標)Rad2500、TEGO(登録商標)Rad2600及びTEGO(登録商標)Rad2700、及びBYK社から入手可能なBYK(登録商標)-371が挙げられる。グループ(H.6)の熱硬化助剤は、例えば、イソシアネート基と反応することができる第1級OH基を含む。
【0183】
使用される熱硬化助剤は、例えば、BYK社から入手可能な製品BYK(登録商標)-370、BYK(登録商標)-373及びBYK(登録商標)-375である。グループ(H.6)の助剤は、典型的には、組成物の総質量に基づいて、約0.1~5.0質量%、好ましくは約0.1~3.0質量%の割合で使用する。
【0184】
基材湿潤補助剤のグループ(H.7)の助剤は、特に、例えば印刷インク又はコーティング組成物によって、例えば組成物(a.1)~(a.5)によって、インプリント(imprint)される又はコーティングされる基材の湿潤性を高める役割を果たす。このような印刷インク又はコーティング組成物の潤滑性及びレベリング性能の一般的に関連する向上は、完成した(例えば架橋された)印刷又は完成した(例えば架橋された)層の外観に影響を与える。多種多様なそのような助剤は、例えばTego社からTEGO(登録商標)Wet KL245、TEGO(登録商標)Wet250、TEGO(登録商標)Wet260及びTEGO(登録商標)Wet ZFS453として、そしてBYK社からBYK(登録商標)-306、BYK(登録商標)-307、BYK(登録商標)-310、BYK(登録商標)-333、BYK(登録商標)-344、BYK(登録商標)-345、BYK(登録商標)-346及びBYK(登録商標)-348として市販されている。
【0185】
Dupont社のZonyl(登録商標)ブランドの製品、例えばZonyl(登録商標)FSA及びZonyl(登録商標)FSGも非常に適している。これらはフッ素系の界面活性剤/湿潤剤である。
【0186】
グループ(H.7)の助剤は、典型的には、組成物の総質量に基づいて、約0.01~3.0質量%、好ましくは約0.01~1.5質量%、及び特に0.03~1.5質量%の割合で使用する。
【0187】
グループ(H.8)の湿潤及び分散助剤は、特に顔料の溶出、浮遊及び沈降を防ぐ役割を果たし、従って必要に応じて、特に顔料組成物において有用である。
【0188】
これらの助剤は、本質的には添加された(additized)顔料粒子の静電的反発及び/又は立体障害によって顔料分散体を安定化させ、後者の場合には助剤と周囲の媒体(例えばバインダー)との相互作用が主要な役割を果たす。このような湿潤及び分散助剤の使用は、例えば印刷インキ及び塗料の技術分野で一般的に行われているので、所与の場合におけるこのような適した助剤の選択は、一般的に当業者には困難ではない。
【0189】
このような湿潤及び分散助剤は、例えば、Tego社からTEGO(登録商標)Dispers610、TEGO(登録商標)Dispers610S、TEGO(登録商標)Dispers630、TEGO(登録商標)Dispers700、TEGO(登録商標)Dispers705、TEGO(登録商標)Dispers710、TEGO(登録商標)Dispers720W、TEGO(登録商標)Dispers725W、TEGO(登録商標)Dispers730W、TEGO(登録商標)Dispers735W及びTEGO(登録商標)Dispers740Wとして、及びBYK社からDisperbyk(登録商標)、Disperbyk(登録商標)-107、Disperbyk(登録商標)-108、Disperbyk(登録商標)-110、Disperbyk(登録商標)-111、Disperbyk(登録商標)-115、Disperbyk(登録商標)-130、Disperbyk(登録商標)-160、Disperbyk(登録商標)-161、Disperbyk(登録商標)-162、Disperbyk(登録商標)-163、Disperbyk(登録商標)-164、Disperbyk(登録商標)-165、Disperbyk(登録商標)-166、Disperbyk(登録商標)-167、Disperbyk(登録商標)-170、Disperbyk(登録商標)-174、Disperbyk(登録商標)-180、Disperbyk(登録商標)-181、Disperbyk(登録商標)-182、Disperbyk(登録商標)-183、Disperbyk(登録商標)-184、Disperbyk(登録商標)-185、Disperbyk(登録商標)-190、Anti-Terra(登録商標)-U、Anti-Terra(登録商標)-U80、Anti-Terra(登録商標)-P、Anti-Terra(登録商標)-203、Anti-Terra(登録商標)-204、Anti-Terra(登録商標)5 206、BYK(登録商標)-151、BYK(登録商標)-154、BYK(登録商標)-155、BYK(登録商標)-P104S、BYK(登録商標)-P105、Lactimon(登録商標)、Lactimon(登録商標)-WS及びBykumen(登録商標)として市販されている。ここで、上述のDuPont社のZonyl(登録商標)ブランド、例えばZonyl(登録商標)FSA及びZonyl(登録商標)FSGも有用である。
【0190】
グループ(H.8)の助剤の用量は主に、カバーされる顔料の表面積及び助剤の平均モル質量に依存する。
【0191】
無機顔料及び低分子量の助剤について、顔料及び助剤の総質量に基づいて、約0.5~2.0質量%の後者の含有量が典型的に想定される。高分子量の助剤の場合、含有量は約1.0~30質量%に増加する。
【0192】
有機顔料及び低分子量の助剤の場合、後者の含有量は、顔料及び助剤の総質量に基づいて、約1.0~5.0質量%である。高分子量の助剤の場合、この含有量は約10.0~90質量%の範囲でよい。従ってすべての場合において予備的な実験が推奨されるが、これは当業者が簡単な方法で達成することができる。
【0193】
グループ(H.9)の疎水化剤は、例えば、本発明による組成物を用いて得られる3D印刷に撥水特性を提供することを目的として使用することができる。これは、水吸収に起因する膨潤、よって例えばそのような3D印刷コーティングの光学的特性の変化がもはや不可能となるか、又は少なくとも大幅に抑制されることを意味する。さらに、この混合物を、例えばオフセット印刷における印刷インクとして使用する場合、その水の吸収を防ぐか、又は少なくとも大きく抑制することができる。このような疎水化剤は、例えばTego社からTego(登録商標)Phobe WF、Tego(登録商標)Phobe1000、Tego(登録商標)Phobe1000S、Tego(登録商標)Phobe1010、Tego(登録商標)Phobe1030、Tego(登録商標)Phobe1040、Tego(登録商標)Phobe1050、Tego(登録商標)Phobe1200、Tego(登録商標)Phobe1300、Tego(登録商標)Phobe1310及びTego(登録商標)Phobe1400として市販されている。
【0194】
グループ(H.9)の助剤は、典型的には、組成物の総質量に基づいて、約0.05~5.0質量%、好ましくは約0.1~3.0質量%の割合で使用する。
【0195】
グループ(H.10)の容器内安定剤は、製造から硬化までの貯蔵安定性を向上させる。グループ(H.10)の容器内安定剤の例として、
ホスファイト及びホスホナイト(加工安定剤)、例えばトリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-クミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6-トリス(tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)4,4’-ビフェニレンジホスホナイト、6-イソオクチルオキシ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12H-ジベンズ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)メチルホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)エチルホスファイト、6-フルオロ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12-メチル-ジベンズ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、2,2’,2”-ニトリロ[トリエチルトリス(3,3’,5,5’-テトラ-tert-ブチル-1,1’-ビフェニル-2,2’-ジイル)ホスファイト]、2-エチルヘキシル(3,3’,5,5’-テトラ-tert-ブチル-1,1’-ビフェニル-2,2’-ジイル)ホスファイト、5-ブチル-5-エチル-2-(2,4,6-トリ-tert-ブチルフェノキシ)-1,3,2-ジオキサホスフィラン、リン酸、混合2,4-ビス(1,1-ジメチルプロピル)フェニル及び4-(1,1-ジメチルプロピル)フェニルトリエステル(CAS番号939402-02-5)、リン酸、トリフェニルエステル、アルファ-ヒドロ-オメガ-ヒドロキシポリ[オキシ(メチル-1,2-エタンジイル)]とのポリマー、C10~16アルキルエステル(CAS番号1227937-46-3)が挙げられる。特に好ましいのは、以下のホスファイトである:
トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、
【化57】
式
【化58】
のキノンメチド(長期間の貯蔵安定性を提供する)、式中、
R
21及びR
22は、互いに独立して、C
1~C
18アルキル、C
5~C
12シクロアルキル、C
7~C
15-フェニルアルキル、場合により置換されているC
6~C
10アリールであり、
R
23及びR
24は、互いに独立して、H、場合により置換されているC
6~C
10-アリール、2-、3-、4-ピリジル、2-、3-フリル又はチエニル、COOH、COOR
25、CONH
2、CONHR
25、CONR
25R
26、-CN、-COR
25、-OCOR
25、-OPO(OR
25)
2であり、式中、R
25及びR
26は、互いに独立してC
1~C
8アルキル、又はフェニルである。キノンメチドが好ましく、式中、R
21及びR
22はtert-ブチルであり、R
23はHであり、R
24は場合により置換されているフェニル、COOH、COOR
25、CONH
2、CONHR
25、CONR
25R
26、-CN、-COR
25、-OCOR
25、-OPO(OR
25)
2であり、式中、R
25及びR
26はC
1~C
8アルキル、又はフェニルである。キノンのメチドの例として、
【化59】
が挙げられる。
【0196】
キノンメチドは、例えばUS20110319535に記載されているように、高度な立体障害ニトロキシルラジカルと組み合わせて使用してよい。
【0197】
グループ(H.10)の容器内安定剤は、典型的には、組成物の総質量に基づいて、約0.01~0.3質量%、好ましくは約0.04~0.15質量%の割合で使用する。
【0198】
引掻耐性を向上させるための助剤のグループ(H.11)には、例えば、Tego社から入手可能な製品、TEGO(登録商標)Rad2100、TEGO(登録商標)Rad2200、TEGO(登録商標)Rad2500、TEGO(登録商標)Rad2600及びTEGO(登録商標)Rad2700が含まれ、これらは既に上述したとおりである。
【0199】
これら助剤について、有用な量は、グループ(H.6)で述べたものと同様であり、すなわちこれら添加剤は、典型的には、組成物の総質量に基づいて、約0.1~5.0質量%、好ましくは約0.1~3.0質量%の割合で使用する。
【0200】
染料のグループ(E.1)には、例えば、アゾ染料、金属錯体染料、塩基性染料、例えばジ-及びトリアリールメタン染料及びその塩、アゾメチン誘導体、ポリメチン、アントラキノン染料などのクラスの染料が含まれる。本発明による混合物に使用することができる適した染料の概要は、H.Zollingerによる著書、「Color Chemistry」、Wiley-VCH,Weinheim、第3版(2003年)に記載されている。
【0201】
特に、光発色性染料、熱変色性染料又は発光性染料、及びこれら特性の組み合わせを有する染料を、本発明による組成物に加えることも可能である。典型的な蛍光染料に加えて、蛍光染料は光学的光沢剤を意味すると理解すべきである。光学的光沢剤は、光硬化性組成物の吸収特性(臨界エネルギー及び浸透深さ)を最適化するために使用してよい。
【0202】
後者の例には、ビススチリルベンゼン、特にシアノスチリル化合物のクラスが含まれ、式
【化60】
に対応する。
【0203】
スチルベンのクラスからのさらなる適した光学的光沢剤は、例えば、式
【化61】
のものであり、
式中、Q
1は、各場合においてC
1~C
4-アルコキシカルボニル又はシアノであり、Q
2は、C
1~C
4-アルキル、特にメチルによって単置換又は二置換されていてよいベンゾオキサゾール-2-イルであり、Q
3はC
1~C
4-アルコキシカルボニル又は3-(C
1~C
4-アルキル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イルである。
【0204】
ベンゾオキサゾールのクラスからのさらなる適した光学的光沢剤は、例えば、式
【化62】
に従い、
式中、
Q
4は、各場合においてC
1~C
4-アルキル、特にメチルであり、Lは式
【化63】
のラジカルであり、
そして、nは0~2の整数である。
【0205】
クマリンのクラスからの適した光学的光沢剤は、例えば、式
【化64】
を有し、式中、
Q
5は、C
1~C
4-アルキルであり、そして
Q
6は、フェニル又は3-ハロピラゾール-1-イル、特に3-クロロピラゾール-1-イルである。
【0206】
ピレンのクラスからのさらなる適した光学的光沢剤は、例えば、式
【化65】
に対応し、式中、
Q
7は、各場合においてC
1~C
4-アルコキシ、特にメトキシである。
【0207】
上述の光沢剤は単独でも互いに混合しても使用することができる。
【0208】
上述の光学的光沢剤は一般に、それ自体知られている市販の製品である。それらは、例えばUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、第A18巻、第156~161頁に記載されており、又はその記載の方法によって得ることができる。
【0209】
特に、所望の場合、ビススチリルベンゼンのクラス、特にシアノスチリルベンゼンのクラスからの1種以上の光学的光沢剤を使用する。後者は個々の化合物としても、また異性化合物の混合物としても使用することができる。
【0210】
【0211】
光学的光沢剤は、例えば、BASF SE社から、Ultraphor(登録商標)SF004、Ultraphor(登録商標)SF MO、Ultraphor(登録商標)SF MP及びUltraphor(登録商標)SF POとして市販されている。
【0212】
顔料のグループ(E.2)には、無機顔料及び有機顔料の両方が含まれる。本発明による混合物中に使用することができる無機有色顔料の概要は、H.Endrissによる著書、「Aktuelle anorganische Bunt-Pigmente」[「Current inorganic colored pigments」](発行人U.Zorll,Curt-R.-Vincentz-Verlag,Hanover、1997年)及びG.Buxbaumによる著書、「Industrial Inorganic Pigments」、Wiley-VCH,Weinheim、第3版、2005年に挙げられている。さらに、前記の著書に挙げられていない有用なさらなる顔料として、ピグメントブラック6及びピグメントブラック7(カーボンブラック)、ピグメントブラック11(酸化鉄ブラック、Fe3O4)、ピグメントホワイト4(酸化亜鉛、ZnO)、ピグメントホワイト5(リトポン、ZnS/BaSO4)、ピグメントホワイト6(酸化チタン、TiO2)及びピグメントホワイト7(硫化亜鉛、ZnS)が挙げられる。
【0213】
本発明による混合物に添加することができる有機顔料の概要は、W.Herbst及びK.Hungerによる著書、「Industrielle organische Pigmente」[「Industrial Organic Pigments」],Wiley-VCH,Weinheim、第3版、2004年に挙げられている。本発明による混合物には、磁性、導電性、光発色性、熱変色性又は発光性顔料、及びこれら特性の組み合わせを有する顔料も加えることが可能である。
【0214】
いくつかの有機顔料、例えばLumogen(登録商標)Yellow0795(BASF SE社)に加えて、発光特性を有する有用な顔料として挙げられるのは、本質的にアルカリ土類金属酸化物、アルカリ土類金属/遷移金属酸化物、アルカリ土類金属/アルミニウム酸化物、アルカリ土類金属/シリコン酸化物又はアルカリ土類金属/リン酸化物、アルカリ土類金属ハロゲン化物、Zn/シリコン酸化物、Zn/アルカリ土類金属ハロゲン化物、希土類金属酸化物、希土類金属/遷移金属酸化物、希土類金属/アルミニウム酸化物、希土類金属/シリコン酸化物又は希土類金属/リン酸化物、酸化希土類金属硫化物又は酸化希土類金属ハロゲン化物、酸化亜鉛、硫化亜鉛又はセレン化亜鉛、酸化カドミウム、硫化カドミウム又はセレン化カドミウム又は亜鉛/カドミウム酸化物、亜鉛/カドミウム硫化物又は亜鉛/セレン化カドミウムをベースとした無機ドープ又は非ドープ化合物であり、ここでカドミウム化合物は、その毒性学的及び生態学的関連性から重要性が低い。
【0215】
これらの化合物に使用されるドープ剤は、通例、アルミニウム、スズ、アンチモン、希土類金属、例えばセリウム、ユーロピウム又はテルビウム、遷移金属、例えばマンガン、銅、銀又は亜鉛又はこれら元素の組み合わせである。
【0216】
例として以下に発光性顔料を特定するが、「化合物:元素(単数又は複数)」という表記は、当該化合物が対応する元素(単数又は複数)でドープされていることを当業者に意味すると理解される。さらに、例えば「(P,V)」という表記は、顔料の固体構造中の対応する格子位置がランダムにリンとバナジウムによって占められていることを意味する。
【0217】
このような発光可能な化合物の例として、MgWO4、CaWO4、Sr4Al14O25:Eu、BaMg2Al10O27:Eu、MgAl11O19:Ce,Tb、MgSiO3:Mn、Ca10(PO4)6(F,Cl):Sb,Mn、(SrMg)2P2O7:Eu、SrMg2P2O7:Sn、BaFCl:Eu、Zn2SiO4:Mn、(Zn,Mg)F2:Mn、Y2O3:Eu、YVO4:Eu、Y(P,V)O4:Eu、Y2SiO5:Ce,Tb、Y2O2S:Eu、Y2O2S:Tb、La2O2S:Tb、Gd2O2S:Tb、LaOBr:Tb、ZnO:Zn、ZnS:Mn、ZnS:Ag、ZnS/CdS:Ag、ZnS:Cu,Al、ZnSe:Mn、ZnSe:Ag及びZnSe:Cuが挙げられる。
【0218】
成分Fとしての光、熱及び/又は酸化安定剤の例として、以下のものが含まれる:
アルキル化モノフェノール、例えば2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2-tert-ブチル-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-n-ブチルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール、2,6-ジシクロペンチル-4-メチルフェノール、2-(α-メチルシクロヘキシル)-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジオクタデシル-4-メチルフェノール、2,4,6-トリシクロヘキシルフェノール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシメチルフェノール、直鎖状の又は分岐状の側鎖を有するノニルフェノール、例えば2,6-ジノニル-4-メチルフェノール、2,4-ジメチル-6-(1’-メチルウンデシ-1’-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1’-メチルヘプタデシ-1’-イル)フェノール、2,4-ジメチル-6-(1’-メチルトリデシ-1’-イル)フェノール及びこれら化合物の混合物、
アルキルチオメチルフェノール、例えば2,4-ジオクチルチオメチル-6-tert-ブチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-メチルフェノール、2,4-ジオクチルチオメチル-6-エチルフェノール及び2,6-ジドデシルチオメチル-4-ノニルフェノール、
ハイドロキノン及びアルキル化ハイドロキノン、例えば2,6-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェノール、2,5-ジ-tert-ブチルハイドロキノン、2,5-ジ-tert-アミルハイドロキノン、2,6-ジフェニル-4-オクタデシルオキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルハイドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニソール、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルステアレート及びビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)アジペート、
トコフェロール、例えばα-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール及びこれら化合物の混合物、及びトコフェロール誘導体、例えばトコフェリルアセテート、トコフェリルスクシネート、トコフェリルニコチネート及びトコフェリルポリオキシエチレンスクシネート(「トコフェルソレート」)、
ヒドロキシル化ジフェニルチオエーテル、例えば2,2’-チオビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2’-チオビス(4-オクチルフェノール)、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、4,4’-チオビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、4,4’-チオビス-(3,6-ジ-sec-アミルフェノール)及び4,4’-ビス(2,6-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)ジスルフィド、
アルキリデンビスフェノール、例えば2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-メチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(6-tert-ブチル-4-エチルフェノール)、2,2’-メチレンビス[4-メチル-6-(α-メチルシクロヘキシル)フェノール]、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-シクロヘキシルフェノール)、2,2’-メチレンビス(6-ノニル-4-メチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(6-tert-ブチル-4-イソブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス[6-(α-メチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、2,2’-メチレンビス[6-(α,α-ジメチルベンジル)-4-ノニルフェノール]、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェノール)、4,4’-メチレンビス(6-tert-ブチル-2-メチルフェノール)、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、2,6-ビス(3-tert-ブチル-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル)-4-メチルフェノール、1,1,3-トリス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ブタン、1,1-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-3-n-ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコールビス[3,3-ビス(3’-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)ブチレート]、ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス[2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-メチルベンジル)-6-tert-ブチル-4-メチルフェニル]テレフタレート、1,1-ビス(3,5-ジメチル-2-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)-4-n-ドデシル-メルカプトブタン及び1,1,5,5-テトラキス(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2-メチルフェニル)ペンタン、
O-、N-及びS-ベンジル化合物、例えば3,5,3’,5’-テトラ-tert-ブチル-4,4’-ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリデシル4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)スルフィド及びイソオクチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート、
芳香族ヒドロキシベンジル化合物、例えば1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,4-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン及び2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)フェノール、
トリアジン化合物、例えば2,4-ビス(オクチルメルカプト)-6-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、2-オクチルメルカプト-4,6-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-1,2,3-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(4-tert-ブチル-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルエチル)-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、1,3,5-トリス(3,5-ジシクロヘキシル-4-ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート及び1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、
ベンジルホスホネート、例えばジメチル2,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート及びジオクタデシル5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-3-メチルベンジルホスホネート、
アシルアミノフェノール、例えば4-ヒドロキシラウロイルアニリド、4-ヒドロキシステアロイルアニリド及びオクチルN-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)カルバメート、
例えば1価又は多価アルコールのプロピオン酸エステル及び酢酸エステル、例えばメタノール、エタノール、n-オクタノール、イソオクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’-ビス(ヒドロキシエチル)オキサミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン及び4-ヒドロキシメチル-1-ホスファ-2,6,7-トリオキサビシクロ[2.2.2]-オクタン、
アミン誘導体をベースとしたプロピオン酸アミド、例えばN,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミン、N,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミン及びN,N’-ビス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、
アスコルビン酸(ビタミンC)及びアスコルビン酸誘導体、例えばアスコルビルパルミテート、アスコルビルラウレート及びアスコルビルステアレート、アスコルビルスルフェート及びアスコルビルホスフェート、
アミン化合物ベースの抗酸化剤、例えばN,N’-ジイソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1,4-ジメチルベンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-エチル-3-メチルペンチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(1-メチルヘプチル)-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジシクロヘキシル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ビス(2-ナフチル)-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1-メチルヘプチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、4-(p-トルエンスルファモイル)ジフェニルアミン、N,N’-ジメチル-N,N’-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、N-アリルジフェニルアミン、4-イソプロポキシジフェニルアミン、N-フェニル-1-ナフチルアミン、N-(4-tert-オクチルフェニル)-1-ナフチルアミン、N-フェニル-2-ナフチルアミン、オクチル置換されているジフェニルアミン、例えばp,p’-ジ-tert-オクチルジフェニルアミン、4-n-ブチルアミノフェノール、4-ブチリルアミノフェノール、4-ノナノイルアミノフェノール、4-ドデカノイルアミノフェノール、4-オクタデカノイルアミノフェノール、ビス[4-メトキシフェニル]アミン、2,6-ジ-tert-ブチル-4-ジメチルアミノメチルフェノール、2,4-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’-テトラメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、1,2-ビス[(2-メチルフェニル)アミノ]エタン、1,2-ビス(フェニルアミノ)プロパン、(o-トリル)ビグアニド、ビス[4-(1’,3’-ジメチルブチル)フェニル]アミン、tert-オクチル置換されているN-フェニル-1-ナフチルアミン、モノアルキル化及びジアルキル化されたtert-ブチル/tert-オクチルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化及びジアルキル化されたノニルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化及びジアルキル化されたドデシルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化及びジアルキル化されたイソプロピル/イソヘキシルジフェニルアミンの混合物、モノアルキル化及びジアルキル化されたtert-ブチルジフェニルアミンの混合物、2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチル-4H-1,4-ベンゾチアジン、フェノチアジン、モノアルキル化及びジアルキル化されたtert-ブチル/tert-オクチルフェノチアジンの混合物、モノアルキル化及びジアルキル化されたtert-オクチルフェノチアジンの混合物、N-アリルフェノチアジン、N,N,N’,N’-テトラフェニル-1,4-ジアミノブト-2-エン、N,N-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミン、ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、2,2,2,6-テトラメチルピペリジン-4-オン及び2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-オール、
ホスファイト及びホスホナイト、例えばトリフェニルホスファイト、ジフェニルアルキルホスファイト、フェニルジアルキルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジイソデシルオキシペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6-トリス(tert-ブチルフェニル))ペンタエリスリトールジホスファイト、トリステアリルソルビトールトリホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)4,4’-ビフェニレンジホスホナイト、6-イソオクチルオキシ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12H-ジベンゾ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、6-フルオロ-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチル-12-メチル-ジベンゾ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)メチルホスファイト及びビス(2,4-ジ-tert-ブチル-6-メチルフェニル)エチルホスファイト、
2-(2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、例えば2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(5’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-2’-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3’-sec-ブチル-5’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-4’-オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’,5’-ジ-tert-アミル-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’,5’-ビス-(α,α-ジメチルベンジル)-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、以下の、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-5’-[2-(2-エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]-2’-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’-tert-ブチル-5’-[2-(2-エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル]-2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(3’-ドデシル-2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール及び2-(3’-tert-ブチル-2’-ヒドロキシ-5’-(2-イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾール、2,2’-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-ベンゾトリアゾール-2-イルフェノール]の混合物、2-[3’-tert-ブチル-5’-(2-メトキシカルボニルエチル)-2’-ヒドロキシフェニル]-2H-ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコール300との完全なエステル化の生成物;[R-CH2CH2-COO(CH2)3]2(式中、R=3’-tert-ブチル-4’-ヒドロキシ-5’-2H-ベンゾトリアゾール-2-イルフェニル)]、
硫黄含有ペルオキシド捕捉剤及び硫黄含有抗酸化剤、例えば3,3’-チオジプロピオン酸のエステル、例えばラウリルエステル、ステアリルエステル、ミリスチルエステル及びトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾール及び2-メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジブチル亜鉛ジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド及びペンタエリスリトールテトラキス(β-ドデシルメルカプト)プロピオネート、
2-ヒドロキシベンゾフェノン、例えば4-ヒドロキシ、4-メトキシ、4-オクチルオキシ、4-デシクロオキシ、4-ドデシルオキシ、4-ベンジルオキシ、4,2’,4’-トリヒドロキシ及び2’-ヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ誘導体、
非置換及び置換安息香酸のエステル、例えば4-tert-ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4-tert-ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4-ジ-tert-ブチルフェニル3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート及び2-メチル-4,6-ジ-tert-ブチルフェニル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、
アクリレート、例えばエチルα-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、イソオクチルα-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、メチルα-メトキシカルボニルシンナメート、メチルα-シアノ-β-メチル-p-メトキシシンナメート、ブチル-α-シアノ-β-メチル-p-メトキシ-シンナメート及びメチル-α-メトキシカルボニル-p-メトキシシンナメート、
立体障害アミン、例えばビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)-n-ブチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジルマロネート、1-(2-ヒドロキシエチル)-2,2,6,6-テトラメチル-4-ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合生成物、N,N’-ビス(2,2,6,5-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-tert-オクチルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合生成物、トリス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ニトリロトリアセテート、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)1,2,3,4-ブタンテトラカルボキシレート、1,1’-(1,2-エチレン)ビス(3,3,5,5-テトラメチルピペラジノン)、4-ベンゾイル-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)2-n-ブチル-2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジル)マロネート、3-n-オクチル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-2,4-ジオン、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)セバケート、ビス(1-オクチルオキシ-2,2,6,5-テトラメチルピペリジン-4-イル)スクシネート、N,N’-ビス-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-モルホリノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合生成物、2-クロロ-4,6-ビス(4-n-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、2-クロロ-4,6-ジ-(4-n-ブチルアミノ-1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、8-アセチル-3-ドデシル-7,7,9,9-テトラメチル-1,3,8-トリアザスピロ[4.5]-デカン-2,4-ジオン、3-ドデシル-1-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピロリジン-2,5-ジオン、3-ドデシル-1-(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)ピロリジン-2,5-ジオン、4-ヘキサデシルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンと4-ステアリルオキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとの混合物、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ヘキサメチレンジアミンと4-シクロヘキシルアミノ-2,6-ジクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合生成物、1,2-ビス(3-アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンとの縮合生成物、4-ブチルアミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン、N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)-n-ドデシルスクシンイミド、N-(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-イル)-n-ドデシルスクシンイミド、2-ウンデシル-7,7,9,9-テトラメチル-l-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソ-スピロ[4.5]デカン、7,7,9,9-テトラメチル-2-シクロウンデシル-l-オキサ-3,8-ジアザ-4-オキソスピロ-[4.5]デカンとエピクロロヒドリンとの縮合生成物、テトラメチロールアセチレンジ尿素を有する4-アミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジンとポリ(メトキシプロピル-3-オキシ)-[4(2,2,6,6-テトラメチル)ピペリジニル]シロキサンとの縮合生成物、
オキサミド、例えば4,4’-ジオクチルオキシオキサニリド、2.2’-ジエトキシオキサニリド、2,2’-ジオクチルオキシ-5,5’-ジ-tert-ブトキサニリド、2,2’-ジドデシルオキシ-5,5’-ジ-tert-ブトキサニリド、2-エトキシ-2’-エチルオキサニリド、N,N’-ビス(3-ジメチルアミノプロピル)オキサミド、2-エトキシ-5-tert-ブチル-2’-エトキサニリド及びそれと2-エトキシ-2’-エチル-5,4’-ジ-tert-ブトキサニリドとの混合物、オルト-及びパラ-メトキシ-二置換オキサニリドの混合物、及びオルト-及びパラ-エトキシ二置換オキサニリドの混合物、及び
2-(2-ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、例えば2,4,6-トリス-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(2-ヒドロキシ-4-プロピルオキシフェニル)-6-(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルオキシフェニル)-4,6-ビス(4-メチル-5フェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ドデシルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-トリデシルオキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-ブチルオキシプロポキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-オクチルオキシプロポキシ)フェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-(ドデシルオキシ/トリデシルオキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2-ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロポキシ)フェニル]-4,6-ビス-(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシルオキシフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス[2-ヒドロキシ-4-(3-ブトキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル]-1,3,5-トリアジン及び2-(2-ヒドロキシフェニル)-4-(4-メトキシフェニル)-6-フェニル-1,3,5-トリアジン。
【0219】
IR吸収剤の成分Gとして使用されるのは、赤外線スペクトル域、すなわち>750nm、例えば751nm~1mmに1つ以上の吸収帯を示す化合物である。好ましくは、近赤外線(NIR)領域、すなわち>750(例えば751)~2000nm、及び場合によりさらに可視スペクトル域、特に550~750nmにも吸収帯を1つ示す化合物である。化合物がIR及び可視スペクトル域の両方で吸収を示す場合、それらはIR域において最大の吸収極大を示し、そして可視域において(多くの場合いわゆる吸収ショルダーの形の)より小さな極大を示すことが好ましい。特定の実施形態では、成分Gの化合物はさらに蛍光も示す。蛍光とは、電磁放射線(通例、可視光、UV放射線、X線又は電子ビーム)の吸収によって励起された系が、同一の波長の光線(共鳴蛍光)又はより長い波長の放射線を自発的に発してエネルギーがより低い状態へ遷移することである。成分Gの好ましい化合物は、それらが蛍光する場合、IRスペクトル域、好ましくはNIRで蛍光を示す。
【0220】
このような化合物は、例えば、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、ペリレン、テリレン、クアテリレン、ペンタリレン、ヘキサリレン、アントラキノン、インダントロン、アクリジン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジナフトフラン、ベンズイミダゾール、ベンズチアゾール、フェナジン、ジオキサジン、キナクリドン、金属フタロシアニン、金属ナフタロシアニン、金属ポルフィリン、クマリン、ジベンゾフラノン、ジナフトフラノン、ベンズイミダゾロン、インディゴ化合物、チオインディゴ化合物、キノフタロン、ナフトキノフタロン及びジケトピロロピロールから選択される。IRを吸収する及び場合により蛍光性である特に好ましい成分Gの化合物は、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、テトラセン、ペリレン、テリレン、クアテリレン、ペンタリレン及びヘキサリレンから選択され、より好ましくはペリレン、テリレン及びクアテリレンから、及び特にテリレン及びクアテリレンから選択される。化合物は特にクアテリレンである。適した化合物は、WO2008/012292に記載されており、これは参照によって本明細書に完全に組込まれる。
【0221】
本開示(単数又は複数)はまた、複数のポリマー層及び三次元パターンを含む三次元構造体を作るのに適した方法を提供する。
【0222】
いくつかの実施形態は、基材上にポリマー画像をパターニングする方法を提供し、各方法は、
(a)基材上に、本明細書に記載の組成物のいずれか1つの光硬化性組成物の層を堆積させる工程、
(b)光硬化性組成物の層の一部に、適切な波長(単数又は複数)を有する光を照射し、それによって重合域及び非重合域のパターン化された層を提供する工程
を含む。或る特定の他の実施形態は、パターンの非重合域の除去をさらに含む。
【0223】
本方法は、照射前に基材上に光硬化性組成物の複数の層を堆積させることを含んでよく、そのうちの少なくとも1つは本発明による光硬化性組成物である。
【0224】
照射された部分は、フォトマスクの使用を介し、光の直接書き込み適用による、干渉、ナノインプリント、又は回折勾配リソグラフィーによる、インクジェット3D印刷、ステレオリソグラフィー、ホログラフィー、LCD又はデジタルライトプロジェクション(DLP)により、パターン化される。
【0225】
光硬化性組成物は、当技術分野で知られている任意の多種多様な方法で照射してよい。パターニングは、ポジティブ又はネガティブ画像のフォトマスクを使用するフォトリソグラフィー、干渉リソグラフィー(すなわち、回折格子を使用する)、回折勾配リソグラフィーによる近接場ナノパターニング、又は光の直接のレーザー書き込み適用、例えばマルチフォトンリソグラフィー、ナノインプリントリソグラフィー、インクジェット3D印刷、ステレオリソグラフィー及びステレオリソグラフィーのデジタルマイクロミラーアレイバリエーション(一般に、デジタルライトプロジェクション(DLP)と呼ばれる)により達成されてもよい。光硬化性組成物は、例えば、デジタルライトプロジェクション(DLP)を含む、ステレオリソグラフィ法を使用して構造体を調製するのに特に適している。光硬化性組成物は、例えばバット重合を使用してバルク構造体として処理されてもよく、この場合フォトポリマーは、並進又は回転させた基材上に直接硬化され、照射は、ステレオリソグラフィー、ホログラフィー、又はデジタルライトプロジェクション(DLP)を介してパターン化される。
【0226】
ステレオリソグラフィー(SLA)とは、三次元印刷技術の一形態であり、光重合(光によって分子の鎖が結合し、ポリマーが形成されるプロセス)を利用して、モデル、プロトタイプ、パターン、生産部品などを一層ずつ作ること(いわゆる「付加製造」)に用いられる。そしてこれらポリマーが、三次元の固体の本体を構成する。一般的に、SLA付加製造プロセスでは、液体の感光性材料に浸されたビルドトレイを持つビルドプラットフォームを使用する。製造するアイテムの3Dモデルは、関連する3Dプリンタソフトウェアにインポートされる。このソフトウェアは、3Dモデルを2D画像にスライスし、ビルドプラットフォームに投影してフォトポリマーを露出させる。
【0227】
US4575330の
図3は、印刷に対する既知の先行技術の「トップダウン」アプローチを描いている。容器21には、UV硬化性液体22などが充填され、指定された作業面23が提供される。プログラム可能な紫外線(UV)光源26は、表面23の平面内に紫外線光のスポット27を生成する。スポット27は、光源26の一部であるミラーやその他の光学的又は機械的な要素の動きによって、表面23を横切って移動可能である。表面23上のスポット27の位置は、コンピュータ28によって制御される。容器21内の移動可能なエレベータプラットフォーム29は、選択的に上下に移動し、プラットフォームの位置はコンピュータ28によって制御される。エレベータープラットフォームは、機械的、空気的、油圧的又は電気的に駆動でき、通常、光学的又は電子的なフィードバックを使用して、その位置を正確に制御する。装置が動作すると、30a、30b、30cのような統合された積層体を段階的に構築することにより、三次元物体30を生成する。この動作の間、UV硬化性液体22の表面は容器21内で一定のレベルに維持され、UV光のスポット27はプログラムされた方式で作業面23を横切って移動する。液体22が硬化して固体材料が形成されると、最初は表面23のすぐ下にあったエレベータープラットフォーム29が、任意の適切なアクチュエータによってプログラムされた方式で表面から下に動かされる。このようにして、最初に形成されていた固体材料が表面23の下に取り込まれ、新しい液体22が表面23を横切って流れる。この新しい液体の一部は、今度は、プログラムされたUV光スポット27によって固体材料に変換され、新しい材料は、その下の材料に接着的に接続される。このプロセスは、三次元物体30全体が形成されるまで続けられる。
【0228】
コンピュータ制御されたポンプ(図示されず)を使用して、作業面23で液体22のレベルが一定に保たれる。適切なレベル検出システム及びフィードバックネットワークを使用して、流体ポンプ又は液体置換装置を駆動し、流体体積の変化を相殺し、表面23で一定の流体レベルを維持することができる。あるいは、源26を感知されたレベル23に対して動かし、作業面23での鋭い焦点を自動的に維持することができる。これらの代替法はすべて、コンピュータ制御システム28と連動して動作する従来のソフトウェアによって容易に実現することができる。
【0229】
代替アプローチは、US4575330の
図4に描かれているように、アイテムを「ボトムアップ」から構築することである。このアプローチでは、UV硬化性液体22は、硬化性液体22と非混和性かつ非湿潤性である、より重いUV透明液体32上に浮かぶ。例として、エチレングリコール又は重水が中間液体層32に適している。
図4のシステムでは、三次元物体30は、
図3のシステムで示したように、下に降りてさらに液状媒体の中に入るのではなく、液体22から引き上げられる。特に、
図4のUV光源26は、液体22と非混和性中間液体層32との間の界面にスポット27を集中させ、UV放射は、容器21の底部に支持された石英等の適したUV透過窓33を通過する。
【0230】
WO2018106977によれば、及び樹脂をその液相からただ印刷することに代えて、アイテムの1つ以上の層は、(ビルド表面23で)発泡させた樹脂から印刷される。
【0231】
WO2018106977の
図3は、樹脂発泡体がプリンタのソース材料である付加製造法及び装置の代表的な実施例を示している。トップダウンの印刷方法が描かれている。この例示的な実施形態では、SLA装置は、放射線源300(例えば、DLP、レーザー、電子ビーム(EB)、X線などとスキャナー)と、フォトポリマー樹脂306を保持するタンク305内でビルドプラットフォーム304を垂直に上下に移動させる移動制御機構302(例えば、ステッピングモーター)と、水平に掃引するスイーパー308(「リコータ」ブレードとも呼ばれる)とを備える。これらの要素は、先に説明した方法で部品310を印刷するために使用される。SLA装置は、プリンタインターフェイス、すなわちプリントされる層での樹脂発泡体の製造を容易にするために、発泡体製造及び搬出機構で強化されている。この目的のために、機構は、発泡容器又は圧力容器312、電気機械式バルブ314、及びホース又はチューブ316を備える。マニホールド318がスイーパ308に取り付けられ、発泡樹脂をビルド表面の最上層に均等に分配する。特に、そして描かれているように、発泡容器は、液体樹脂及び適したガス(例えば、CO2、N
2Oなど)を得る。ガスは、発泡容器内の液体樹脂に溶解し(例えば、振盪、欠け(missing)、撹拌などにより)、バルブ314が、例えば、ソレノイド又は他の電気機械的、空気的、光学的、又は電子的な制御装置により作動したときに、ホース316を介してビルドプレート/プラットフォームに選択的に供給される。典型的には、機構は、コンピュータを使用したプログラム制御下にあり、これは、プリンタを制御するために使用するのと同じコンピュータであってもよい。この実施形態では、機構は、発泡体の生成に必要であれば、液体容器内の気体を振盪などして溶解させるための泡立て器320(例えば、機械的な撹拌器、超音波装置など)を含む。
【0232】
樹脂とガスの混合物が(マニホールド318を介してビルドプレート上に直接)供給されると、(圧力が低いため)液体混合物からガスが自然に蒸発し、放射線硬化性の発泡体が生成される。スイーパー308によってプレート上に発泡体を均等に広げ、次にライトエンジンを作動させて適切な画像を表示し、発泡体を硬化(固化)させて層を形成する。層が形成されると、移動制御機構がプラットフォームを下降させ、アイテムの次の層を構築できるようにする。その後このプロセスを繰り返し、再度、好ましくは印刷インターフェースで発泡体層を使用する。好ましい技術では、層ごとの付加製造を使用するが、例えば2つのレーザーが発泡樹脂のタンク内で交差し、その場所で樹脂を硬化させるレーザーホログラフィーなど、他の製造法を使用して発泡体を加工し、ビルドアイテムを製造してもよい。
【0233】
本発明による光硬化性組成物は、好ましくは、バット光重合(ステレオリソグラフィー)及びフォトポリマージェット/印刷で使用される。
【0234】
さらに本発明は、三次元物品を製造する方法に関し、この方法は、
a) 本発明の光硬化性組成物を提供する工程、
b) 光硬化性組成物を化学線に曝露して、硬化した断面を形成する工程、
c) 工程(a)及び(b)を繰り返して、三次元物品を構築する工程
を含む。
【0235】
好ましい実施形態では、該方法は、バット光重合を含み、ここで本発明による光硬化性を工程b)において並進又は回転させた基材上に直接硬化させ、ステレオリソグラフィー、ホログラフィ、又はデジタルライトプロジェクション(DLP)を介して照射をパターン化する。
【0236】
別の好ましい実施形態では、該方法は、
a) 本発明の光硬化性組成物の層を表面に適用する工程、
b) 層を画像状に化学線に曝露して、画像化された硬化断面を形成する工程、
c) 光硬化性組成物の第2の層を、あらかじめ曝露した画像化した断面上に適用する工程、
d) 工程(c)からの層を画像状に化学線に曝露してさらなる画像化した断面を形成する工程であって、放射が曝露領域において第2の層を硬化させ、あらかじめ曝露した断面に接着させる工程、及び
e) 三次元物品を構築するために工程c)及びd)を繰り返す工程
を含む。
【0237】
よって本発明は、本発明の方法によって製造された三次元物品、又は本発明の光硬化性組成物の硬化した生成物である三次元物品にも関する。
【0238】
本発明の光硬化性組成物は、ステレオリソグラフィー技術(特にCLIP)に適した二重硬化ステレオリソグラフィー樹脂に使用してよい。US9,453,142、US2016/0136889、US2016/0137838及びUS2016/016077を参照されたい。これらの樹脂は、通常、光によって典型的に重合される第1の重合性系(「パートA」と呼ばれることもある)(ここから中間物体が製造される)を含み、並びに、通常、中間物体が最初に形成された後に硬化される少なくとも第2の重合性系(「パートB」)(これが、望ましい構造的及び/又は引張特性を最終的な物体に付与する)を含む。本発明の光硬化性組成物は、パートAによって構成されてよい。
【0239】
以下の実施例は、本発明を制限することなく説明するものである。
【実施例】
【0240】
材料
二酸化リモネン(LO)はNitrochemie Aschau GmbH社から購入し、1,2ジメチルイミダゾール(DMI、98%)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT、99%)、メタクリル酸(MA、99%、250ppmのMEHQ)、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(TPO、97%)及びグリシジルメタクリレート(GMA、97%、100ppmのMEHQ)は、Sigma Aldrich社から入手した。酸化マグネシウム(99%、ナノ粒子、20nm)及び4-メタクリロイルモルホリン(ACMO、98%)はそれぞれabcr及びTCIから購入した。Laromer(登録商標)UA9089(Laromer)はBASF社から入手した。
【0241】
方法
NMRスペクトルは重水素化クロロホルムを用いて、Bruker社のARX300スペクトロメーターで室温で記録した。化学シフトは、溶媒のシグナルを基準にした。DSC測定は、Perkin Elmer社のPyris1を用いて、0~200℃の温度範囲で20K分-1の加熱及び冷却速度で行った。引張試験は、Zwick Z005(Ulm社、ドイツ、ISO527-1/2)を用いて、5mm分-1の延伸速度で行った。弾性率、引張強さ、破断伸びなどの機械的特性は、試験前にコンディショニング(24時間、21℃、恒湿)した4~6個の試験片(5A)の統計的平均をとることにより、21℃での測定値から抽出した。粘度は、Thermo Scientific社のMARSで、プレート直径35mm、ギャップ0.6mmのプレート-プレート設定を用いて、0.1~100s-1の様々なせん断速度で測定し(100ステップ、対数、1ステップ5秒、積分時間3秒、25℃)、最終的な粘度は100個すべての値の平均値として得た。標準偏差により示されるように、有意なせん断減粘は通常観察しなかった。
【0242】
リモネンベースのメタクリレート(LMA)の合成
二酸化リモネン(LDO)、メタクリル酸(MA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、及びそれぞれの触媒の混合物を、表1に記載の質量部(weight portion)に従ってフラスコに加えた。その後、フラスコを予熱した油浴に沈めて反応を開始し、空気雰囲気下で反応混合物を激しく撹拌した。生成物が粘性のある液体として得られ、さらなる精製をせずに使用し、又はLDMA-4の場合は液-液抽出を行った後に使用した。この抽出のために、LDMAグレードそれぞれを60mlのジクロロメタンに溶解し、溶液を50mlの1M K2CO3-溶液で4回、蒸留水で1回洗浄した。有機画分をMgSO4上で乾燥させ、その後減圧下で溶媒を蒸発させた。
【0243】
【0244】
LDMA-1及びLDMA-2をさらに精製した。
【0245】
LDMA-2-GDMAの合成
LDMA-2合成時の出発原料の質量部及びメタクリル酸(MA)の転換率72%(1H-NMRスペクトルから算出)に基づいて、残留MA量を1.48mmol g-1と算出した。LDMA-2(77.26g、114.3mmolのMA)をフラスコ内でグリシジルメタクリレート(16.25g、114.3mmol)と混合し、混合物を空気雰囲気下、100℃で90分間激しく攪拌した。生成物はさらに精製することなく使用した。
【0246】
LDMA-1-GDMAの合成
LDMA-1の合成時の出発原料の質量部及びメタクリル酸(MA)の転換率58%(1H-NMRスペクトルから算出)に基づいて、残留MA量を2.60mmol g-1と算出した。LDMA-1(12.90g、33.54mmolのMA)をフラスコ内でグリシジルメタクリレート(4.768g、33.54mmol)と混合し、混合物を空気雰囲気下、100℃で3時間激しく撹拌した。生成物はさらに精製することなく使用した。
【0247】
アクリレート樹脂の調製及び硬化
基本樹脂処方(BF)は、59:39の比率の、4-メタクリロイルモルホリン(ACMO)及びポリエステル-ウレタン-アクリレートのプレポリマーであるLaromer UA9089からなっていた。さらに、すべての硬化サンプルに、光開始剤として1wt%のジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(TPO)を適用した。アクリレート樹脂を調製するために、まずTPOをそれぞれの量のACMOに溶解し、続いてLaromerをこの溶液であらかじめ定義された比率に従ってホモジナイズした。その後、表2に従って任意の試験成分を加え、Hausschild社のSpeedMixer DAC150.1FVを用いてホモジナイズした(2分、2500RPM)。試験成分LDMA-1-MgOは、LDMA-1及び追加のMgO(LDMA-1の1グラムあたり35.85mg)からなるが、同時には加えなかった。この場合、TPO及びMgOをACMOに加え、超音波浴中(10分、35℃)で保持して均一な分散液を得た。次に、LDMA-1を3部分に分けて添加し、各添加後に混合物を超音波浴中に保持した(10分、35℃)。最後の工程で、濁った分散液が半透明になった。その後、それぞれの量のLaromerを加え、Hausschild社のSpeedMixer DAC150.1FVを用いて混合物をホモジナイズし(2分、2500RPM)、完全に透明な樹脂を得た。キャストしたサンプルのUV硬化は、水銀蒸気ランプ(400W、280~700nm、10cmの距離、両側から2×10分)の下で行い、オーブンで熱ポストキュア(30分、150℃)を行った。
【0248】
【0249】
[a]BF=比率59:39のACMO及びLaromerの混合物からなる基本配合
【国際調査報告】