(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-29
(54)【発明の名称】荷電粒子ビームのエネルギーの広がりを制御するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H01J 37/04 20060101AFI20220322BHJP
H01J 37/28 20060101ALN20220322BHJP
【FI】
H01J37/04 Z
H01J37/28 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021542219
(86)(22)【出願日】2020-02-04
(85)【翻訳文提出日】2021-09-13
(86)【国際出願番号】 EP2020052662
(87)【国際公開番号】W WO2020164951
(87)【国際公開日】2020-08-20
(32)【優先日】2019-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2020-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2020-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ハサン,シャキーブ ビン
(72)【発明者】
【氏名】レン,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】グーセン,マイケル,ロベルト
(72)【発明者】
【氏名】マングナス,アルベルタス,ヴィクター,ゲラルドス
(72)【発明者】
【氏名】スマクマン,エルウィン,ポール
【テーマコード(参考)】
5C101
【Fターム(参考)】
5C101AA03
5C101EE40
5C101EE72
(57)【要約】
とりわけ開示される態様は、内部表面を有するキャビティを画定する構造と、内部表面上に提供されるメタマテリアルアブソーバとを含む、吸収コンポーネントを用いて、ビーム内の電子のエネルギー分布を改変するように、及び、ビームの電子のエネルギーの広がり及び収差を減少させるためにビームを整形するように配置された、吸収コンポーネント及びプログラム可能荷電粒子ミラープレートを含む、荷電粒子検査システムである。動作中、キャビティはビーム経路の一部に沿って延在する。更なる実施形態において、メタマテリアルは、透明導電層上に提供される吸収構造として構成された吸収構造のセットを含む。更に、こうした吸収コンポーネントなどを使用し、ビームを整形するためにカスタマイズされた電界を生成するように構成されたピクセルのセットを含むプログラム可能荷電粒子ミラープレートを備え、プログラム可能荷電粒子ミラープレートなどを使用する、方法が開示される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子ビームのエネルギーの広がりを狭めるための装置であって、前記装置は、
前記荷電粒子ビームの経路の一部に沿って延在するキャビティを画定する構造であって、前記キャビティは内部表面を有する、キャビティを画定する構造と、
前記内部表面上に提供されるメタマテリアルアブソーバと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記メタマテリアルアブソーバは、前記内部表面の少なくとも一部上に誘電体材料の層を備え、透明導電材料の前記層には複数の吸収構造が提供される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記メタマテリアルアブソーバは、前記内部表面の少なくとも一部上に透明導電材料の層を備え、前記透明導電材料の層には複数の吸収構造が提供される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記吸収構造は、メタマテリアル完全アブソーバである、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記吸収構造はプラズモニック構造である、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記吸収構造は、電磁エネルギーを共鳴的に吸収する、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記吸収構造は、前記透明導電材料の層内に少なくとも部分的に埋め込まれるか又は結合される、請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記吸収構造は、前記透明導電材料の層の頂部に製作される、請求項3に記載の装置。
【請求項9】
前記吸収構造は、前記透明導電材料の層上にプリントされる、請求項3に記載の装置。
【請求項10】
前記吸収構造は、金属材料を含む複数のブロック型要素を備える、請求項3に記載の装置。
【請求項11】
前記吸収構造はグラフェンを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項12】
前記吸収構造は複数のグラフェンフレークを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項13】
前記吸収構造は、複数のブロック型金属要素と複数のグラフェンフレークとの組み合わせを含む、請求項3に記載の装置。
【請求項14】
前記吸収構造は周期的アレイで配置される、請求項3に記載の装置。
【請求項15】
荷電粒子のビームにおけるエネルギー分布の幅を減少させる方法であって、前記方法は、前記ビームの経路に沿って延在する構造によって画定される空間の容積を介して前記ビームを通過させるステップを含み、前記構造は、前記荷電粒子からエネルギーを吸収するように配置されたメタマテリアルアブソーバが提供された表面を有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2020年1月23日出願の欧州特許出願第20153263.7号、2020年1月6日出願の欧州特許出願第20150384.4号、及び2019年2月13日出願の欧州特許出願第19157009.2号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本明細書で提供される実施形態は、1つ以上の電子ビームを利用する電子顕微鏡装置などの、1つ以上の荷電粒子ビームを伴う荷電粒子デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 集積回路は、基板とも呼ばれるウェーハ上にパターンを作り出すことによって作られる。ウェーハは、パターンを作り出すための機器内のウェーハステージ上で支持される。集積回路を作るためのプロセスの一部は、ウェーハの検討又は「検査」部分を含む。これは、走査型電子顕微鏡又はSEMを用いて行うことができる。
【0004】
[0004] フォトリソグラフィにおけるSEMの使用は、放射線損傷を最小限にするため、及び帯電効果を軽減するために、低い電子プロービングエネルギーをますます必要とする。少ない相互作用量によって生じる最小限の充電及び最小限のビーム損傷深さを用いて、ターゲット試料の表面下及びナノスケール情報を測定可能にするために、SEM観察には極端に低い着地エネルギーが必要である。しかしながら、プロービングエネルギーが低くなるにつれて、対物レンズ色収差の有害効果は顕著になり、それによって達成可能な空間分解能が制限される。ビームのエネルギーの広がりは色収差を生じさせる。この広がりは、モノクロメータを用いて低減させることができる。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 実施形態を基本的に理解するために、1つ以上の実施形態の簡略化された概要を下記に提示する。この概要は、すべての企図される実施形態の広範な概要ではなく、すべての実施形態の主要な又は重要な要素を識別することも、いずれか又はすべての実施形態の範囲を詳述することも、意図されていない。その唯一の目的は、1つ以上の実施形態のいくつかの概念を、後述するより詳細な説明の前段階として、単純な形で提示することである。
【0006】
[0006] 一実施形態の一態様に従い、メタマテリアルアブソーバを含むモノクロメータを使用して、電子ビーム内の電子のエネルギーの広がりを減少させるための装置及びその方法が開示される。
【0007】
[0007] 一実施形態の別の態様に従い、電子ビームのエネルギーの広がりを狭めるための装置が開示され、装置は、電子ビームの経路の一部に沿って延在するキャビティを画定する構造であって、キャビティは内部表面を有する、キャビティを画定する構造と、内部表面上に提供されるメタマテリアルアブソーバとを備える。メタマテリアルアブソーバは、内部表面の少なくとも一部上に誘電体材料の層を含むことができ、透明導電材料の層には複数の吸収構造が提供され得る。メタマテリアルアブソーバは、内部表面の少なくとも一部の上に透明導電材料の層を含むことができ、透明導電材料の層には複数の吸収構造が提供され得る。吸収構造は、メタマテリアル完全アブソーバとすることができる。吸収構造はプラズモニック構造とすることができる。吸収構造は、電磁エネルギーを共鳴的に吸収するように構成可能である。吸収構造は、透明導電材料の層内に少なくとも部分的に埋め込むことができる。吸収構造は透明導電材料の層の頂部に製作することができる。吸収構造は、透明導電材料の層上にプリントすることができる。吸収構造は、金属材料を含む複数のブロック型要素を備えることができる。吸収構造は、グラフェンを含むことができる。吸収構造は、複数のグラフェンフレークを含むことができる。吸収構造は、複数のブロック型金属要素と複数のグラフェンフレークとの組み合わせを含むことができる。吸収構造は、周期的アレイで配置することができる。周期的アレイのピッチは、電子ビームからのエネルギーの最大吸収を達成するように選択することができる。透明導電材料は、インジウムスズ酸化物を含むことができる。透明導電材料は、ドープ亜鉛酸化物を含むことができる。透明導電材料は、カーボンナノチューブを含むことができる。透明導電材料は、非晶質材料を含むことができる。透明導電材料は、ドープ透明半導体を含むことができる。透明導電材料は、導電ポリマを含むことができる。透明導電材料は、透明材料を含む本体及び導電材料のコーティングを含むことができる。導電材料のコーティングは金を含むことができる。導電材料のコーティングはアルミニウムを含むことができる。導電材料のコーティングはチタンを含むことができる。導電材料のコーティングはクロムを含むことができる。構造は実質的に円筒のカラムを含むことができる。電子ビームが横断するカラムの一部の長さが、電子ビーム内の電子の所定量の減速を生じさせるように選択することができる。実質的に円筒のカラムは、導電性材料を含むことができる。導電性材料は金を含むことができる。導電性材料は銀を含むことができる。電子ビームは、カラムの中心軸に沿って伝搬することができる。実質的に円筒のカラムの半径は、電子ビームが伝搬する方向に減少することができる。吸収構造の寸法又はピッチは、電子ビームが伝搬する方向に変動することができる。
【0008】
[0008] 一実施形態の別の態様に従い、実質的に単色の電子ビームを生成するための装置が開示され、装置は、電子ビーム源と、実質的に単色の電子ビームを発生させるために電子ビームと相互作用するように配置されたメタマテリアルアブソーバを備えるモノクロメータと、実質的に単色の電子ビームを合焦させるように配置された対物レンズとを、備える。モノクロメータは、内部表面を有するキャビティを画定する構造と、内部表面上に提供されたメタマテリアルアブソーバとを含むことができる。メタマテリアルアブソーバは、内部表面の少なくとも一部上に誘電体材料の層を含むことができ、透明導電材料の層に複数の吸収構造を提供することができる。メタマテリアルアブソーバは、内部表面の少なくとも一部上に透明導電材料の層を含むことができ、透明導電材料の層に複数の吸収構造を提供することができる。吸収構造は、メタマテリアル完全アブソーバとすることができる。吸収構造はプラズモニック構造とすることができる。吸収構造は、電磁エネルギーを共鳴的に吸収するように構成可能である。吸収構造は、透明導電材料の層に少なくとも部分的に埋め込むことができる。吸収構造は、透明導電材料の層の頂部に製作することができる。吸収構造は、透明導電材料の層上にプリントすることができる。吸収構造は、金属材料を含む複数のブロック型要素を備えることができる。吸収構造はグラフェンを含むことができる。吸収構造は複数のグラフェンフレークを含むことができる。吸収構造は、複数のブロック型金属要素と複数のグラフェンフレークとの組み合わせを含むことができる。吸収構造は、周期的アレイで配置することができる。周期的アレイのピッチは、電子ビームからのエネルギーの最大吸収を達成するように選択することができる。透明導電材料は、インジウムスズ酸化物を含むことができる。透明導電材料は、ドープ亜鉛酸化物を含むことができる。透明導電材料は、カーボンナノチューブを含むことができる。透明導電材料は、非晶質材料を含むことができる。透明導電材料は、ドープ透明半導体を含むことができる。透明導電材料は、導電ポリマを含むことができる。透明導電材料は、透明材料を含む本体及び導電材料のコーティングを含むことができる。導電材料のコーティングは金を含むことができる。導電材料のコーティングはアルミニウムを含むことができる。導電材料のコーティングはチタンを含むことができる。導電材料のコーティングはクロムを含むことができる。構造は実質的に円筒のカラムを含むことができる。電子ビームが横断するカラムの一部の長さが、電子ビーム内の電子の所定量の減速を生じさせるように選択することができる。実質的に円筒のカラムは、導電性材料を含むことができる。導電性材料は金を含むことができる。導電性材料は銀を含むことができる。電子ビームは、カラムの中心軸に沿って伝搬することができる。実質的に円筒のカラムの半径は、電子ビームが伝搬する方向に減少することができる。吸収構造の寸法又はピッチは、電子ビームが伝搬する方向に変動することができる。
【0009】
[0009] 一実施形態の別の態様に従い、実質的に単色の電子ビームを生成するための装置が開示され、装置は、修正された電子ビームを発生させるために電子ビームの一部を遮るように配置された第1のアパーチャと、コリメートされた電子ビームを発生させるために修正された電子ビームをコリメートするように配置された、少なくとも1つの電磁集光レンズと、修正されたコリメートされた電子ビームを発生させるためにコリメートされた電子ビームの一部を遮るように配置された第2のアパーチャと、電子ビームのエネルギーの広がりを狭めるために修正されたコリメートされた電子ビームと相互作用するように配置されたメタマテリアルアブソーバを備えるパッシブモノクロメータと、パッシブモノクロメータからの電子ビームを合焦させるように配置された対物レンズとを備える。パッシブモノクロメータは、内部表面を有するキャビティを画定する構造、及び、内部表面上に提供されたメタマテリアルアブソーバを含むことができる。メタマテリアルアブソーバは、内部表面の少なくとも一部上に誘電体材料の層を含むことができ、透明導電材料の層に複数の吸収構造を提供することができる。メタマテリアルアブソーバは、内部表面の少なくとも一部上に透明導電材料の層を含むことができ、透明導電材料の層に複数の吸収構造を提供することができる。吸収構造は、メタマテリアル完全アブソーバとすることができる。吸収構造はプラズモニック構造とすることができる。吸収構造は、電磁エネルギーを共鳴的に吸収するように構成可能である。吸収構造は、透明導電材料の層に少なくとも部分的に埋め込むことができる。吸収構造は、透明導電材料の層の頂部に製作することができる。吸収構造は、透明導電材料の層上にプリントすることができる。吸収構造は、金属材料を含む複数のブロック型要素を備えることができる。吸収構造はグラフェンを含むことができる。吸収構造は複数のグラフェンフレークを含むことができる。吸収構造は、複数のブロック型金属要素と複数のグラフェンフレークとの組み合わせを含むことができる。吸収構造は、周期的アレイで配置することができる。周期的アレイのピッチは、電子ビームからのエネルギーの最大吸収を達成するように選択することができる。透明導電材料は、インジウムスズ酸化物を含むことができる。透明導電材料は、ドープ亜鉛酸化物を含むことができる。透明導電材料は、カーボンナノチューブを含むことができる。透明導電材料は、非晶質材料を含むことができる。透明導電材料は、ドープ透明半導体を含むことができる。透明導電材料は、導電ポリマを含むことができる。透明導電材料は、透明材料を含む本体及び導電材料のコーティングを含むことができる。導電材料のコーティングは金を含むことができる。導電材料のコーティングはアルミニウムを含むことができる。導電材料のコーティングはチタンを含むことができる。導電材料のコーティングはクロムを含むことができる。構造は実質的に円筒のカラムを含むことができる。電子ビームが横断するカラムの一部の長さが、電子ビーム内の電子の所定量の減速を生じさせるように選択することができる。実質的に円筒のカラムは、導電性材料を含むことができる。導電性材料は金を含むことができる。導電性材料は銀を含むことができる。電子ビームは、カラムの中心軸に沿って伝搬することができる。実質的に円筒のカラムの半径は、電子ビームが伝搬する方向に減少することができる。吸収構造の寸法又はピッチは、電子ビームが伝搬する方向に変動することができる。
【0010】
[0010] 一実施形態の別の態様に従い、電子ビームのエネルギーの広がりを狭めるための装置が開示され、装置は、電子ビームの経路の一部に沿って延在するキャビティを画定する構造を備え、キャビティは内部表面を有し、内部表面は、電子ビームのエネルギーの広がりを狭めるために電子ビーム内の電子からエネルギーを吸収するように適合される。内部表面はメタマテリアルアブソーバを含むことができる。メタマテリアルアブソーバは、内部表面の少なくとも一部上に誘電体材料の層を含むことができ、透明導電材料の層に複数の吸収構造を提供することができる。メタマテリアルアブソーバは、内部表面の少なくとも一部上に透明導電材料の層を含むことができ、透明導電材料の層に複数の吸収構造を提供することができる。吸収構造は、メタマテリアル完全アブソーバとすることができる。吸収構造はプラズモニック構造とすることができる。吸収構造は、電磁エネルギーを共鳴的に吸収するように構成可能である。吸収構造は、透明導電材料の層に少なくとも部分的に埋め込むことができる。吸収構造は、透明導電材料の層の頂部に製作することができる。吸収構造は、透明導電材料の層上にプリントすることができる。吸収構造は、金属材料を含む複数のブロック型要素を備えることができる。吸収構造はグラフェンを含むことができる。吸収構造は複数のグラフェンフレークを含むことができる。吸収構造は、複数のブロック型金属要素と複数のグラフェンフレークとの組み合わせを含むことができる。吸収構造は、周期的アレイで配置することができる。周期的アレイのピッチは、電子ビームからのエネルギーの最大吸収を達成するように選択することができる。透明導電材料は、インジウムスズ酸化物を含むことができる。透明導電材料は、ドープ亜鉛酸化物を含むことができる。透明導電材料は、カーボンナノチューブを含むことができる。透明導電材料は、非晶質材料を含むことができる。透明導電材料は、ドープ透明半導体を含むことができる。透明導電材料は、導電ポリマを含むことができる。透明導電材料は、透明材料を含む本体及び導電材料のコーティングを含むことができる。導電材料のコーティングは金を含むことができる。導電材料のコーティングはアルミニウムを含むことができる。導電材料のコーティングはチタンを含むことができる。導電材料のコーティングはクロムを含むことができる。構造は実質的に円筒のカラムを含むことができる。電子ビームが横断するカラムの一部の長さが、電子ビーム内の電子の所定量の減速を生じさせるように選択することができる。実質的に円筒のカラムは、導電性材料を含むことができる。導電性材料は金を含むことができる。導電性材料は銀を含むことができる。電子ビームは、カラムの中心軸に沿って伝搬することができる。実質的に円筒のカラムの半径は、電子ビームが伝搬する方向に減少することができる。吸収構造の寸法又はピッチは、電子ビームが伝搬する方向に変動することができる。
【0011】
[0011] 一実施形態の別の態様に従い、電子のビームにおけるエネルギー分布の幅を減少させる方法が開示され、方法は、ビームの経路に沿って延在する構造によって画定される空間の容積を介してビームを通過させるステップを含み、表面には、電子からエネルギーを吸収するように配置されたメタマテリアルアブソーバが提供される。メタマテリアルアブソーバは、内部表面の少なくとも一部上に透明導電材料の層を含むことができ、透明導電材料の層に複数の吸収構造を提供することができる。メタマテリアルアブソーバは、内部表面の少なくとも一部上に誘電体材料の層を含むことができ、透明導電材料の層に複数の吸収構造を提供することができる。メタマテリアルアブソーバは、内部表面の少なくとも一部上に透明導電材料の層を含むことができ、透明導電材料の層に複数の吸収構造を提供することができる。吸収構造は、メタマテリアル完全アブソーバとすることができる。吸収構造はプラズモニック構造とすることができる。吸収構造は、電磁エネルギーを共鳴的に吸収するように構成可能である。吸収構造は、透明導電材料の層に少なくとも部分的に埋め込むことができる。吸収構造は、透明導電材料の層の頂部に製作することができる。吸収構造は、透明導電材料の層上にプリントすることができる。吸収構造は、金属材料を含む複数のブロック型要素を備えることができる。吸収構造はグラフェンを含むことができる。吸収構造は複数のグラフェンフレークを含むことができる。吸収構造は、複数のブロック型金属要素と複数のグラフェンフレークとの組み合わせを含むことができる。吸収構造は、周期的アレイで配置することができる。周期的アレイのピッチは、電子ビームからのエネルギーの最大吸収を達成するように選択することができる。透明導電材料は、インジウムスズ酸化物を含むことができる。透明導電材料は、ドープ亜鉛酸化物を含むことができる。透明導電材料は、カーボンナノチューブを含むことができる。透明導電材料は、非晶質材料を含むことができる。透明導電材料は、ドープ透明半導体を含むことができる。透明導電材料は、導電ポリマを含むことができる。透明導電材料は、透明材料を含む本体及び導電材料のコーティングを含むことができる。導電材料のコーティングは金を含むことができる。導電材料のコーティングはアルミニウムを含むことができる。導電材料のコーティングはチタンを含むことができる。導電材料のコーティングはクロムを含むことができる。構造は実質的に円筒のカラムを含むことができる。電子ビームが横断するカラムの一部の長さが、電子ビーム内の電子の所定量の減速を生じさせるように選択することができる。実質的に円筒のカラムは、導電性材料を含むことができる。導電性材料は金を含むことができる。導電性材料は銀を含むことができる。電子ビームは、カラムの中心軸に沿って伝搬することができる。実質的に円筒のカラムの半径は、電子ビームが伝搬する方向に減少することができる。吸収構造の寸法又はピッチは、電子ビームが伝搬する方向に変動することができる。
【0012】
[0012] 本発明の更なる特徴及び利点、並びに本発明の様々な実施形態の構造及び動作を、添付の図面を参照しながら下記で詳細に説明する。本発明は、本明細書で説明する特定の実施形態に限定されないことに留意されたい。こうした実施形態は、例示のためにのみ本明細書に提示される。追加の実施形態は、本明細書に含まれる教示に基づいて当業者に明らかとなろう。
【0013】
[0013] 本明細書に組み込まれ、また本明細書の一部を形成する添付の図面は、本発明を例示し、本説明と共に、本発明の原理を説明する働き、及び、当業者が本発明を作成及び使用できるようにする働きをする。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】[0014]本開示のいくつかの実施形態に適合する、例示の電子ビーム検査システムを示す、概略図である。
【
図2】[0015]本開示のいくつかの実施形態に適合する、例示の電子ビーム検査システムの追加の態様を示す、概略図である。
【
図3】[0016]本開示のいくつかの実施形態に適合する、例示の電子ビーム検査システムの追加の態様を示す、側面図である。
【
図4A】[0017]
図3のシステムにおいて使用できるようなモノクロメータを示す、部分斜視図である。
【
図4B】[0017]
図4Aの線B-Bに沿った断面図である。
【
図5】[0018]
図3のシステムにおいて使用できるようなモノクロメータを示す、部分斜視図である。
【
図6】[0019]
図4Aのモノクロメータを示す断面図である。
【
図7】[0020]一実施形態の一態様に従った、メタマテリアルアブソーバを示す平面図である。
【
図8】[0021]一実施形態の一態様に従ったメタマテリアルアブソーバを示す、平面図である。
【
図9】[0022]一実施形態の一態様に従った方法における例示的ステップを示す、フローチャートである。
【
図10A】[0023]本開示のいくつかの実施形態に適合する、
図1の荷電粒子検査システムの一部であり得る例示の電子ビームツールを示す図である。
【
図10B】[0024]本開示のいくつかの実施形態に適合する、プログラム可能なピクセル化されたミラープレート及び電圧制御の機能を示す、概略図である。
【
図10C】[0025]本開示のいくつかの実施形態に適合する、マルチビームシステムにおける異なるビームレットの異なる収差を補正するための、プログラム可能なピクセル化されたミラープレート及び電圧制御の機能を示す、別の概略図である。
【
図10D】[0026]本開示のいくつかの実施形態に適合する、ビームレットの収差を補正する例示的方法を示すフローチャートである。
【
図11】[0027]本開示のいくつかの実施形態に適合する、
図1の荷電粒子検査システムの一部であり得る、例示の電子ビームツールを示す図である。
【
図12A】[0028]本開示のいくつかの実施形態に適合する、
図11の吸収構造を示す図式平面図である。
【
図12B】[0029]本開示のいくつかの実施形態に適合する、
図11の吸収構造を示す断面図である。
【
図13】[0030]本開示のいくつかの実施形態に適合する、吸収構造及びプログラム可能なピクセル化されたミラープレートのカスケード構造の機能を示す、概略図である。
【
図14】[0031]本開示のいくつかの実施形態に適合する、吸収構造及びプログラム可能なピクセル化されたミラープレートの組み合わせ構造の機能を示す、概略図である。
【
図15】[0032]本開示のいくつかの実施形態に適合する、ビームレットの収差及びエネルギーの広がりを補正する、例示の方法を示すフローチャートである。
【
図16】[0033]本開示のいくつかの実施形態に適合する、ビームレットの収差及びエネルギーの広がりを補正する、別の例示の方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0034] 次に、例示の実施形態を詳細に参照し、その例は添付の図面に示されている。下記の説明は添付の図面に言及しており、図面内では、特に示されていない限り、異なる図面における同じ番号は同一又は同様の要素を表す。例示の実施形態の下記の説明に示される実施例は、本発明に適合するすべての実施例を表すものではない。代わりにそれらは、添付の特許請求の範囲に記載の本発明に関する態様に適合する、システム、装置、及び方法の単なる例である。図面内のコンポーネントの相対寸法は、明確にするために誇張されている場合がある。
【0016】
[0035] 電子デバイスは、基板と呼ばれるシリコン片上に形成される回路で構築される。多くの回路は、同じシリコン片上にまとめて形成され得、集積回路又はICと呼ばれる。これらの回路は、基板上により多く取り付け可能なように、サイズが劇的に縮小されている。例えば、スマートフォン内のICチップは親指の爪程度の小さいものとすることが可能であり、更に20億個以上のトランジスタを含み得、各トランジスタのサイズはヒトの髪の毛の1000分の1未満のサイズである。
【0017】
[0036] これらの極端に小さいICの作成は、複雑で時間及び費用のかかるプロセスであり、しばしば数百の個別のステップを含む。たとえ1つのステップにでもエラーがあると、結果として、完成品のIC内に不具合が生じ、使い物にならなくなる。したがって、製造プロセスの目標の1つは、こうした不具合を回避して、プロセスで作成される機能ICの数を最大にすること、すなわちプロセスの全収率を向上させることである。
【0018】
[0037] 収率を向上させる1つの構成要素は、十分な数の機能集積回路を生成することを保証するために、チップ作成プロセスを監視することである。プロセスを監視するための1つの方法は、形成の様々なステージでチップ回路構造を検査することである。検査は、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して実施可能である。SEMを使用して、これらの極端に小さな構造を撮像すること、実際に構造の「画像」を撮影することが可能である。像を使用して、構造が適切に形成されたかどうか、更に、適切なロケーションで形成されたかどうかを判別することができる。構造に欠陥がある場合、欠陥が再発する可能性が低くなるように、プロセスを調節することができる。
【0019】
[0038] 名前が示すように、SEMは電子ビームを使用するものであり、これは、こうしたビームを使用すると、光学顕微鏡、すなわち光を使用する顕微鏡によって見るには小さ過ぎる構造を見ることができるためである。電子ビーム内の電子は、すべてが正確に同じエネルギーを有するものではない。代わりにエネルギーには、時にはΔEと呼ばれる広がりが存在する。しかしながら、SEM像を取得するとき、できる限り互いに近いエネルギーを有する電子を使用することが望ましい。言い換えれば、ΔEをできる限り小さくすることが望ましい。すべての電子がほぼ同じエネルギーを有するビームは、単色と呼ばれる。同様に、ビームのエネルギーの広がりを小さくするデバイスは、モノクロメータと呼ばれる。
【0020】
[0039] モノクロメータは、典型的には異なるエネルギーを伴う電子を分離し、スリットを使用して正しいエネルギーを伴う電子を選択し、その他をブロックする、すなわち、スリットは望ましいエネルギーを有する電子を通し、正しいエネルギーを有さない電子をブロックすることができる。こうしたモノクロメータにおいて、異なるエネルギーを伴う電子は分離及び廃棄され、望ましいエネルギーを伴う電子の小さい部分のみが選択され、結果として、生成された電子のごく一部のみを含む電子ビームが生じる。したがって、こうしたモノクロメータを使用して結像解像度を向上させる代償は、電子ビーム内のほとんどの電子を失うことであり、結果としてSEMのスループットが低下する。この問題を回避する1つの方法は、すべての電子を維持することであるが、すべてが同じエネルギーを有するようにそれらのうちの一部を低速にすることである。通常、このためには電子に異なる電界を通過させる必要があり、より複雑になる。電子エネルギーを受動的に、すなわち外部電界を課す必要なしに減少させるデバイスを使用して、電子の速度が一致するように、より速い電子を減速させることができることが有利であろう。
【0021】
[0040] 典型的なモノクロメータの設計は、単色電子を達成する際に障害物を導入する可能性がある。例えば、モノクロメータの直径が大きい場合、エネルギーの広がりを減少させる責務を負う物理的プロセスは弱くなり、ビームがカラムを介して伝搬する際にビームを操作するためにSEMのより長いカラムが必要である。他方で、物理的効果を強めるために直径が短くなる場合、結果として伝送損失又は回折効果が生じる可能性がある。更に、SEMカラムの内壁の内側にモノクロメータを製作することは困難であり、SEMの内壁上の吸収構造の代替物を制限する。
【0022】
[0041] 本明細書における開示のいくつかの実施形態において、電子のエネルギーがすべておよそ同量になるように、電子エネルギーを効果的に吸い上げるアブソーバを含む、システムが提供される。もちろん、これはあまりに単純な説明であり、実際の詳細は下記でより完全且つ精密に記載する。こうしたシステムのいくつかの実施形態において、アブソーバは、電子ビームを形成するために電子が通過する円筒の内部表面上に提供可能である。アブソーバが過度に高エネルギーの電子からエネルギーを吸収するのを容易にするために、電子はアブソーバの十分近くを通る必要があり、円筒は実質的にすべての電子がアブソーバの特定の小さな距離内を通るように十分小さな直径を有することが必要であるため、円筒の設計に課題をもたらす。
【0023】
[0042] 他の実施形態において、電子がアブソーバの十分近くを通るのを容易にするために、電子をミラープレートに誘導することが可能であり、アブソーバをミラープレート上に取り付けることが可能である。ミラープレートは、電子ビーム又はビーム内の収差を補正するように構成されたプログラム可能なミラープレートとすることができる。ミラープレート内の各ピクセルは、ビームの収差を補正するように構成された電界をミラープレートに生成させるように構成された電圧に接続される。ビームの電子はミラープレートに近付くとき、ミラープレート上に取り付けられたアブソーバにも近付く。ミラープレートによって生成される電界は、収差を補正するような方法で電子を遠ざける。更に電子は、反射される前にアブソーバによって所望のエネルギー吸収が行われるようにアブソーバの十分近くを通り、その結果、実質的に反射されたすべての電子は同様のエネルギーを有する。
【0024】
[0043] SEMシステムの性能を強化するために、ビーム電流を減らすことなく、またSEMシステムの動作柔軟性を抑制することなしに、収差を補正することが望ましい。例えば、一次ビームエネルギー、ビーム開口角度、及びディテクタ上に到達する二次電子のエネルギーなどの、SEMシステムのパラメータの広範な調整機能を維持することが望ましい可能性がある。
【0025】
[0044] 本開示の範囲を限定することなく、実施形態の説明及び図面は、電子ビームを使用するものとして例示的に言及され得る。しかしながら実施形態は、本発明を特定の荷電粒子に限定するために使用されるものではない。例えば、ビーム形成のためのシステム及び方法は、光子、X線、及びイオンなどに適用可能である。更に「ビーム」という用語はとりわけ、一次電子ビーム、一次電子ビームレット、二次電子ビーム、又は二次電子ビームレットを指すことができる。
【0026】
[0045] 本明細書で使用される場合、特に具体的に明記されていない限り、「又は」という用語は、実行不可能な場合を除き、すべての可能な組み合わせを包含する。例えば、構成要素がA又はBを含み得ると記載されている場合、特に具体的に明記されていない限り又は実行不可能でない限り、構成要素はA、又はB、又はA及びBを含むことができる。第2の例として、構成要素がA、B、又はCを含み得ると記載されている場合、特に具体的に明記されていない限り又は実行不可能でない限り、構成要素はA、又はB、又はC、又はA及びB、又はA及びC、又はB及びC、又はA及びB及びCを含むことができる。
【0027】
[0046] 説明及び特許請求の範囲において、「上方」、「下方」、「頂部」、「底部」、「垂直」、「水平」、などの用語が使用される場合がある。これらの用語は相対的な向きのみを示すことが意図されており、特に意図的に指示されていない限り、重力に関した向きなどのいずれの絶対的な向きも示すものではない。同様に、左、右、前、後ろなどの用語も、相対的な向きのみを与えることが意図されている。
【0028】
[0047] 次に
図1を参照すると、本開示のいくつかの実施形態に適合する、例示の電子ビーム検査(EBI)システム10が示されている。
図1に示されるように、EBIシステム10は、メインチャンバ11、ロード/ロックチャンバ20、電子ビームツール100、及び機器フロントエンドモジュール(EFEM)30を含む。電子ビームツール100はメインチャンバ11内に位置する。
【0029】
[0048] EFEM30は、第1のローディングポート30a及び第2のローディングポート30bを含む。EFEM30は追加のローディングポートを含むことができる。第1のローディングポート30a及び第2のローディングポート30bは、例えば、検査するべきウェーハ(例えば、半導体ウェーハ又は他の材料で作られたウェーハ)又はサンプルを含む(以後、ウェーハ及びサンプルはまとめて「ウェーハ」と呼ぶことができる)、ウェーハ正面開口一体型ポッド(FOUP)を受け取ることができる。EFEM30における1つ以上のロボットアーム(図示せず)は、ウェーハをロード/ロックチャンバ20へと移送することができる。
【0030】
[0049] ロード/ロックチャンバ20は、大気圧より下の第1の圧力に達するように、ロード/ロックチャンバ20内のガス分子を除去する、ロード/ロック真空ポンプシステム(図示せず)に接続される。第1の圧力に達した後、1つ以上のロボットアーム(図示せず)は、ウェーハをロード/ロックチャンバ20からメインチャンバ11へと移送することができる。メインチャンバ11は、第1の圧力より下の第2の圧力に達するようにメインチャンバ11内のガス分子を除去する、メインチャンバ真空ポンプシステム(図示せず)に接続される。第2の圧力に達した後、ウェーハは電子ビームツール100による検査を受ける。電子ビームツール100は、シングルビームシステム、マルチビームシステム、又はマルチカラムシステム、あるいはそれらの組み合わせとすることができる。コントローラ19が電子ビームツール100に電子的に接続される。コントローラ19は
図1では、メインチャンバ11、ロード/ロックチャンバ20、及びEFEM30を含む構造の外側にあるように示されているが、コントローラ19は構造の一部であってよいことを理解されよう。
【0031】
[0050] 本開示は、電子ビーム検査システムを収容するメインチャンバ11の例を提供しているが、本開示の態様は、その最も広義な意味において、電子ビーム検査システムを収容するチャンバに限定されないことに留意されたい。むしろ、本明細書で論じる原理は、第2の圧力下で動作する他のツールにも適用可能であることを理解されよう。
【0032】
[0051]
図2は、
図1のEBIシステムの一部とすることができる例示の電子ビームツール100Aを示している。電子ビームツール100A(本明細書では「装置100A」とも呼ぶ)は、電子源101、ガンアパーチャプレート171、集光レンズ110、ソース変換ユニット120、一次投影光学システム130、二次結像システム150、及び電子検出デバイス140Mを備える。一次投影光学システム130は対物レンズ131を備えることができる。サンプル表面7を備えるサンプル1は、可動ステージ(図示せず)上に提供することができる。電子検出デバイス140Mは、複数の検出要素140_1、140_2、及び140_3を備えることができる。ビームセパレータ160及び偏向スキャンユニット132は、一次投影光学システム130内部に配置することができる。
【0033】
[0052] 電子源101、ガンアパーチャプレート171、集光レンズ110、ソース変換ユニット120、ビームセパレータ160、偏向スキャンユニット132、及び一次投影光学システム130は、装置100Aの一次光軸100_1と位置合わせすることができる。二次結像システム150及び電子検出デバイス140Mは、装置100Aの二次光軸150_1と位置合わせすることができる。
【0034】
[0053] 電子源101は、カソード(図示せず)及び抽出器又はアノード(図示せず)を備えることができ、動作中、電子源101はカソードから一次電子を放出するように構成され、一次電子は抽出器又はアノードによって抽出又は加速され、一次ビームクロスオーバ(仮想又は実)101sを形成する一次電子ビーム102を形成する。一次電子ビーム102は、一次ビームクロスオーバ101sから放出されているように視覚化することができる。
【0035】
[0054] ソース変換ユニット120は、像形成要素アレイ(
図2には図示せず)及びビーム制限アパーチャアレイ(
図2には図示せず)を備えることができる。像形成要素アレイは、一次電子ビーム102の複数の一次ビームレット102_1、102_2、102_3に影響を与え、一次ビームクロスオーバ101sの複数の平行像(仮想又は実)を、一次ビームレット102_1、102_2、102_3の各々について1つ形成することができる、複数のマイクロ偏向器又はマイクロレンズを備えることができる。ビーム制限アパーチャアレイは、個々の一次ビームレット102_1、102_2、及び102_3の直径を制限するように構成可能である。
図2は、一例として3つの一次ビームレット102_1、102_2、及び102_3を示しており、ソース変換ユニット120は任意数の一次ビームレットを形成するように構成可能であることを理解されよう。例えば、ソース変換ユニット120は、3×3アレイの一次ビームレットを形成するように構成可能である。ソース変換ユニット120は、更に、プローブスポット102_1S、102_2S、及び102_3Sの収差を補償するように構成された、収差補償器アレイを備えることができる。いくつかの実施形態において、収差補償器アレイは、それぞれ、プローブスポット102_1S、102_2S、及び102_3Sのフィールド曲率収差を補償するように構成されたマイクロレンズを備える、フィールド曲率補償器を含むことができる。いくつかの実施形態において、収差補償器アレイは、それぞれ、プローブスポット102_1S、102_2S、及び102_3Sの非点収差を補償するように構成されたマイクロ非点収差補正器を備える、非点収差補償器を含むことができる。いくつかの実施形態において、像形成要素アレイ、フィールド曲率補償器アレイ、及び非点収差補償器アレイは、それぞれ、マイクロ偏向器、マイクロレンズ、及びマイクロ非点収差補正器の複数の層を備えることができる。
【0036】
[0055] 集光レンズ110は、一次電子ビーム102を合焦させるように構成される。集光レンズ110は更に、集光レンズ110の合焦力を変動させることによって、ソース変換ユニット120のダウンストリームの一次ビームレット102_1、102_2、及び102_3の電流を調整するように構成可能である。ビームレット102_1、102_2、及び102_3は、それによって、集光レンズ110によって変更可能な合焦状況を有することになる。代替として、電流は、個々の一次ビームレットに対応するビーム制限アパーチャアレイ内のビーム制限アパーチャの半径サイズを改変することによって、変更することができる。したがって、ビームレットの電流は、ビームレットの軌道に沿った異なるロケーションにおいて異なる可能性がある。ビームレット電流は、サンプル表面上のビームレットの電流(例えば、プローブスポット電流)が所望の量に設定されるように調整可能である。
【0037】
[0056] 集光レンズ110は、その第1の主平面が移動可能なように構成可能な可動集光レンズとすることができる。可動集光レンズは、磁気、又は静電、又は電磁(例えば、複合)であるように構成可能である。可動集光レンズは、米国特許第9,922,799号及び米国特許出願公開第2017/0025243号に更に記載され、どちらもその全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態において、集光レンズは回転防止レンズであり得、ビームレットの電流を変動させる間、オフアクシスビームレットの回転角度は変化しないように保つことが可能である。いくつかの実施形態において、集光レンズ110は可動回転防止集光レンズであり、可動の第1の主平面を備える回転防止レンズを含む。回転防止又は可動回転防止集光レンズは、国際出願第PCT/EP2017/084429号に更に記載され、その全体が参照により組み込まれる。
【0038】
[0057] 対物レンズ131は、ビームレット102_1、102_2、及び102_3を検査のためにサンプル1上に合焦させるように構成可能であり、現実施形態において、3つのプローブスポット102_1S、102_2S、及び102_3Sを表面7上に形成することができる。ガンアパーチャプレート171は、動作中、クーロン相互作用効果を低減させるために、一次電子ビーム102の周辺電子を遮るように構成される。クーロン相互作用効果は、一次ビームレット102_1、102_2、及び102_3のプローブスポット102_1S、102_2S、及び102_3Sの各々のサイズを拡大することができ、したがって検査解像度を劣化させる。下記でより詳細に記載するように、ビームモノクロメータ165も示される。
【0039】
[0058] 偏向スキャンユニット132は、動作中、表面7の1セクション内の個々のスキャンエリアにわたってプローブスポット102_1S、102_2S、及び102_3Sをスキャンするために、一次ビームレット102_1、102_2、及び102_3を偏向させるように構成される。プローブスポット102_1S、102_2S、及び102_3Sにおける一次ビームレット102_1、102_2、及び102_3によるサンプル1の照明に応答して、二次電子はサンプル1から出現し、動作中、サンプル1から放出される、3つの二次電子ビーム102_1se、102_2se、及び102_3seを形成する。二次電子ビーム102_1se、102_2se、及び102_3seの各々は、典型的には、二次電子(≦50eVの電子エネルギーを有する)及び後方散乱電子(50eVと一次ビームレット102_1、102_2、及び102_3の着地エネルギーとの間の電子エネルギーを有する)を含む、異なるエネルギーを有する電子を含む。二次結像システム150は、その後、二次電子ビーム102_1se、102_2se、及び102_3seを電子検出デバイス140Mの検出要素140_1、140_2、及び140_3上に合焦させる。検出要素140_1、140_2、及び140_3は、対応する二次電子ビーム102_1se、102_2se、及び102_3seを検出するように、また、例えばサンプル1の対応するスキャンエリアの像を構築するために信号処理ユニット(図示せず)に送信することのできる対応する信号を生成するように、配置される。
【0040】
[0059]
図3は、一実施形態の一態様に従った配置を示す。こうしたシステムにおいて、電子源101は大量の電子101sを生成するために使用される。アパーチャ171は、クーロン相互作用がかなり軽減されるように、不要な電子を除去するために使用される。この結果、ビーム102が生じる。集光レンズ110及び112は、電子ビーム102をコリメートする。アパーチャ300と共に集光レンズ110及び112を使用して、ビーム電流を変化させることができる。パッシブモノクロメータ310(例えば、
図2のモノクロメータ165として使用されるべき)が下方、すなわちアパーチャ300のダウンストリームに提供される。パッシブモノクロメータ310の機能は、電子ビーム102のエネルギーの広がりを減少させることである。その後、対物レンズ131は、サンプル1上にこの電子ビーム102を合焦させるために使用される。
【0041】
[0060]
図4Aは、
図3に示されるパッシブモノクロメータ310の部分斜視図である。図を見るとわかるように、パッシブモノクロメータ310は、電子ビーム102が通過するキャビティ312(
図4B)を画定する構造を含む。キャビティ312は中空であるか、あるいは光又は電子ビームに対して透明な材料を封入することができる。図に示されるように、構造は実質的に円筒であり、電子ビーム102の経路と一致する中心軸を有することができる。
図4Bに示されるのは、
図4Aの配置の線B-Bに沿った断面であり、下記でより詳細に説明するように、吸収構造314の層がキャビティ312を取り囲んでいる。この吸収構造314の層は、例えば、誘電体材料又は透明導電材料を含む層316上に提供される。透明導電材料は、層316上に衝突する迷走電子をデバイスから遠くへ導き、壁の帯電を回避する。迷走電子の流束が著しいことが予想されない環境において、例えば、ビームが十分にコリメートされる場合、又は、起こり得る帯電が荷電粒子ビームに見えないとき、誘電体材料を使用することができる。数値318は、導電性材料で作られる構造の外壁を示す。導電性材料は、例えば金又は銀を含むことができる。
【0042】
[0061]
図4Aの配置において、パッシブモノクロメータ310の外側構成は、実質的に円筒である。しかしながらいくつかの適用例では、パッシブモノクロメータ310が、ビーム102がパッシブモノクロメータ310に入る場所で第1の半径を有し、ビーム102がパッシブモノクロメータ310を出る場所で第2の半径を有するように、パッシブモノクロメータ310の半径を、ビーム軸上の位置の関数として改変することが有利であり得る。
図5に示される例では、パッシブモノクロメータ310の全体構成は円錐台状であるため、外周R1は外周R2より大きい。この構成は、電子ビーム102内の電子からのエネルギーを吸収する際に、パッシブモノクロメータ310をより効率的にすることができる。
【0043】
[0062] 前述のように、パッシブモノクロメータ310は、構成される材料によって、及びそれらの幾何学的特徴に対して、決定される波長において、電磁エネルギーを共鳴的に吸収する吸収構造を埋め込むことによって、実現可能である。吸収効率がほぼ100%に達することに起因して、これらの構造はプラズモニック/メタマテリアル完全アブソーバとして知られている。これらの構造は、たとえその吸収効率が100%未満であっても、文献及び本出願において、「完全」アブソーバと呼ばれる。
【0044】
[0063]
図6は、埋め込まれるか又は内壁に結合されたこれらの吸収構造314を有する、パッシブモノクロメータ310を介する平面を概略的に示す。これらの吸収構造314は、金属壁318上に配設された層316の上にプリントされる、金属ブロック、グラフェンフレーク、又はそれらの組み合わせなどの、いくつかの形のうちのいずれか1つを取ることができる。グラフェンリボンなどの他の構成も既知であり、本開示の範囲内にある。
【0045】
[0064]
図7は、透明電極とすることができる、層316などの層に埋め込まれるか又は結合された、吸収構造314の図式平面図である。図に示された特定の配置では、吸収構造314はグラフェンフレークであるが、前述のように、他の吸収構造も使用可能である。吸収構造314は層316と共に、完全アブソーバ又はメタマテリアルアブソーバと呼ばれるもの、すなわち、電磁放射を効率的に吸収するようにエンジニアリングされた材料を含む。吸収構造314は、ピッチPを有する周期的アレイで、層316に埋め込まれるか又は接続されることがわかるであろう。吸収構造314についてのジオメトリ(形状及び寸法)及び材料を選択することによって、メタマテリアルアブソーバの性能を調節することに加えて、メタマテリアルアブソーバの性能は、ピッチPを改変することによっても調整可能である。例えば、カラムの始まりにおいて、吸収構造314はエネルギー電子と効率的に相互作用するように選択可能であり、後にカラムにおいて、吸収構造は低エネルギー電子をより効率的に減速させるように選択及び構成可能である。
図8は、金属ブロック314のアレイとして実装されたメタマテリアルアブソーバを示す。ブロックは、形状及びピッチに関して、電子ビームeの伝搬方向に変動される。
【0046】
[0065] 前述のように、いくつかの適用例において、電磁放射に関連して誘電体として作用するが、電荷を導く、透明電極を使用することが望ましい。透明導電電極は、例えばインジウムスズ酸化物、ドープ亜鉛酸化物、カーボンナノチューブ、非晶質材料、ドープ透明半導体、又は導電ポリマとすることができる。透明導電電極は、例えば透明材料であってよく、導電材料のコーティングは、例えば金、アルミニウム、チタン、又はクロムでコーティングされる。
【0047】
[0066] 電子の減速は、電子の速度又はエネルギーの関数である。高エネルギー電子は、特定の州蓮において、エネルギー電子よりも強力に電磁モードと相互作用する。結果としてエネルギー電子は、低エネルギー電子よりも多く減速することになる。電子が十分に減速されると、それらのアブソーバとの相互作用は非常に弱くなり、電子はそのエネルギーにおいていかなる顕著なシフトも示さなくなる。そのため、出力電子ビームは実質的に同一のエネルギーを伴う電子を有することになる。加えて、電子ビームが横断するモノクロメータの一部の長さを、入射電子に所定量の減速のみを生じさせるように選択することもできる。
【0048】
[0067] 上記の配置はモノクロメータとしての使用に関連して説明しているが、減速電位を適用することなく、電子ビームエネルギーを受動的にダウンコンバートすることも等しく有用であろう。
【0049】
[0068] 一般に、各々が独自の利点を有するメタマテリアル吸収構造の多くの候補が存在する。実際には、特定の適用例によって課せられる設計制約は、最良の候補の選択を決定する。例えば一実施形態の一態様によれば、光学帯域又はTHz帯域において吸収することによって減速させることが望ましい場合がある。メタマテリアルアブソーバ構造は、グラフェンマイクロリボン、又は潜在的に更にフラットフィルムの形を取ることができる。
【0050】
[0069] 一実施形態の別の態様によれば、電子ビームのエネルギーの広がりを減少させるためにメタマテリアルアブソーバを使用する方法が開示される。
図9を参照すると、第1のステップS10において、電子ビームが生成される。次にステップS20において、電子ビームは「クリップ」され、すなわちアパーチャを通過する。ステップS30において、電子ビームのエネルギーの広がりは、メタマテリアルアブソーバを備えるモノクロメータを使用して減少される。ステップS40において、この時点で実質的に単色の電子ビームは、一般に対物レンズを使用して合焦される。ステップS50において、合焦された電子ビームを、サンプルを電子ビームで照明するためにサンプル上に衝突させる。
【0051】
[0070]
図10Aは、本開示のいくつかの実施形態に適合する、
図1の荷電粒子検査システムの一部であり得る、例示の電子ビームツール100Bを示す。電子ビームツール100B(本明細書では装置100Bとも呼ぶ)は、電子源101、第1のレンズ1010、第2のレンズ1031、ビームセパレータ1060、プログラム可能な荷電粒子ミラープレート1000、及び電圧制御1050を備える。アパーチャ及び偏向器などの通常存在する他のコンポーネントは、簡略化するために
図10Aには示されていない。サンプル表面1012を伴うサンプル1011が、可動ステージ(図示せず)上に提供され得る。電子源101、レンズ1010、及びレンズ1031は、装置100Bの一次光軸と位置合わせすることができる。
【0052】
[0071] 電子源101は、カソード(図示せず)及び抽出器又はアノード(図示せず)を備えることができ、動作中、電子源101は、カソードから一次電子を放出するように構成され、一次電子は、一連の波面、すなわち発振の位相が同じである表面、実又は虚、として示される一次電子ビームを形成するために、抽出器又はアノードによって抽出又は加速される。図を見るとわかるように、電子源101によって放出されるビームの波面は、本質的に球形であるものと示される。
【0053】
[0072] ビームセパレータ1060、ミラープレート1000、及び電圧制御1050は、収差を補正するためにビーム経路内に導入される。ビームセパレータ1060、ミラープレート1000、及び電圧制御1050は、波面を事前整形するためにレンズ間に導入され、事前整形及び収差の正味の効果は、ビームがより適切に合焦されることになる。下記でより詳細に説明するように、装置100Bにおけるビームセパレータ1060、ミラープレート1000、及び電圧制御1050の配置は単なる一例であり、ビームセパレータ1060、ミラープレート1000、及び電圧制御1050は装置100B内の他の位置に置くこともできることを理解されよう。
【0054】
[0073] ビームセパレータ1060は、静電ダイポールフィールド及び磁気ダイポールフィールドを生成することができる、ウィーンフィルタタイプのビームセパレータとすることができる。いくつかの実施形態において、静電ダイポールフィールドによってビームレットの電子上に及ぼされる力は、磁気ダイポールフィールドによって電子上に及ぼされる力と大きさは等しく、方向は反対であり得る。したがってビームレットは、ゼロ偏向角でビームセパレータ1060を介して直進することができる。しかしながら、ビームセパレータ1060によって生成されるビームレットの合計分散も非ゼロであり得る。ビームセパレータ1060は、入来ビームレットをミラープレート1000に向けて案内し、更にミラープレート1000から反射したビームを別の方向に案内することができる。ミラープレート1000は、入来ビームレットの収差を補正し、補正されたビームレットをビームセパレータ1060に向けて反射することができる。
【0055】
[0074] また、下記で説明する例において、ミラープレート1000は、レンズによって生み出される収差の補正に関して主に説明される。しかしながらミラープレート1000は、荷電粒子ビームを整形するためにも、又は整形する代わりに、使用可能である。例えばミラープレート1000は、サンプル上にスポット整形の代わりにリング整形されたビーム断面プロファイルを作るために使用可能である。これは、接触ホールの側壁を結像するためなどの、特定の応用例において利点を提供することができる。別の例として、より大きな焦点深度を生み出すために、ビームプロファイルをウェーハにおいてより少なく発散させるようにすることができる。
【0056】
[0075] いくつかの実施形態において、装置100Bは、収差を補正するために電界及び磁界に更に影響を与えるために、ミラープレート1000とセパレータ1060との間に置かれる、調整可能な電圧と対の追加の光学素子(電極など)、又は調整可能な励起と対の磁気光学素子を備えることができる。複数のドライバを電極又は磁気光学素子と結合することが可能であり、複数のドライバの各々は、調整可能な電圧又は調整可能な励起を、それぞれ、対応する電極又は対応する磁気光学素子に提供するように構成可能である。ミラープレート1000と結合された追加の光学素子を使用して、マルチポールフィールドによって生じるような、レンズ1010又はビームセパレータ1060によって生じる、起こり得る追加の収差を補正することができる。例えば、実施例の一例において、ミラープレート1000を使用して回転対称収差又は非対称収差を補正することができる一方で、追加の光学素子を使用してマルチポールフィールドによって生じる非対称収差を補正することができる。
【0057】
[0076] ミラープレート1000は、負又は正の全体電圧をミラープレート1000上に印加することによって、ミラー表面の上方のビームレットを反射することができる。例えば電圧制御1050は、ビームレットからの電子(又は負のイオン)を反射するために、負の全体電圧をミラープレート1000に印加することができる。別の例では、電圧制御1050は、ビームレットからの正に荷電された粒子(又は正のイオン)を反射するために、正の全体電圧をミラープレート1000に印加することができる。ビームレットは、ビームセパレータ1060に向かって反射され、反射したビームレットは別の方向に案内されて、サンプル上に合焦することができる。
図10Aは90度に湾曲されたビームレットを示し、またビームレットは他の角度で湾曲可能であることを理解されよう。更に、ミラープレート1000は、複数のビームレットのうちの1つのみを反射するように構成可能である。
【0058】
[0077] いくつかの実施形態において、ミラープレート1000及び電圧制御1050は、別々のコンポーネント内で実装可能である。いくつかの他の実施形態において、ミラープレート1000及び電圧制御1050は、単一のコンポーネント内で実装可能である。
【0059】
[0078] いくつかの実施例において、第2のミラープレートは、装置100B内部のミラープレート1000によって反射されたビームレットを反射するために提供可能である。例えば、ミラープレート1000から反射されたビームレットは、装置100B内のビームセパレータ1060の近くなどに実装された、第2のミラープレートに誘導することができる。第2のミラープレートは、ビームセパレータ1060からの入来ビームレットを、第2のビームセパレータに向かって反射することができ、第2のビームセパレータは、反射されたビームレットを別の方向に案内し、サンプル上に合焦させることができる。
【0060】
[0079] 次に、
図10Bを参照すると、本開示のいくつかの実施形態に適合する、プログラム可能なピクセル化されたミラープレート1000及び電圧制御1050の機能を示す、概略図である。ミラープレート1000は、ピクセルのセットに近付くビームレットのプロファイルを整形するために、ピクセル1001~1007のセットを備えることができる。電圧制御1050は、ピクセル1001~1007のセットの各々にそれぞれ関連付けられた、制御部材1051~1057のセットを備えることができる。各ピクセル制御部材1051~1057は、関連するピクセルに信号(例えば、電圧)を印加するように配置及び構成される。したがってミラープレート1000は、電圧が各ピクセル又はピクセルのグループに異なって提供可能であり、また所望に応じて変更可能であるという点でプログラム可能である。ピクセル制御部材1051~1057の各々によって提供される電圧は、ミラープレート1000の上方に湾曲した等電位面(カスタマイズされた電界)1090を生成することができる。等電位面1090は、どこでビームレット1061の異なる部分からの電子が反射し、その反射が、ミラープレート1000によって反射されたビームレット1061rの形状及び位相に影響を与えるかを、決定することができる。したがって、電圧の調整は、ビームレット1061を局所的に(すなわち、ビームレット1061が等電位面1090によって影響を受ける、1つ以上のロケーション)調整することによって収差を制御し、反射されたビームレット1061rが、所望の解像度を伴ってサンプル上のポイントで合焦することなどの、所望の特徴を獲得できるようにする。ミラープレート1000は、7つのピクセル及び対応する7つの制御部材を用いて配置されるが、異なる数のピクセル及び制御部材が配置可能であること、及びピクセル又は制御部材は様々な配置のうちのいずれかで配置可能であることを理解されよう。
【0061】
[0080] いくつかの実施形態において、ピクセル1001~1007及び対応するピクセル制御部材1051~1057は、各々別々のコンポーネント内に実装可能である。他の実施形態において、ピクセル1001~1007及び対応するピクセル制御部材1051~1057は、単一のコンポーネント内に実装可能である。
【0062】
[0081] ピクセル1001~1007は各々、矩形を含むことができる。ピクセルは、六角形、リングセグメント、正方形、別の適切な形状、又はこれらの組み合わせなどの、他の形状を含むことができることが明らかとなろう。例えば、ビームレットはしばしば回転対称であり、したがってリングセグメントとして共有されるピクセルを使用して、必要な電圧制御及びピクセルの数を減少させる利点を提供することができる。更なる例として、正方形ピクセルの代わりに六角形ピクセルを使用することによって、より多くのピクセルを同じエリア内に実装することができる。
【0063】
[0082] いくつかの実施形態において、ピクセルのサイズ又はピクセルの形状1001~1007は、ミラープレート1000にわたって変動可能である。例えば、より精密な補正が必要なミラープレート1000のエリア内ではより小さなピクセルを使用することが可能であり、結果として収差の補正においてより高い正確さを提供することができる。電圧制御1050は、より正確なビーム形状を提供するために、これらの対応する、より小さなピクセルの各々に電圧を提供することが可能である。いくつかの実施形態において、ピクセル1001~1007の各々は独自に制御可能である。例えば、電圧制御は、例えば負の電圧をいくつかのピクセルに提供して、それらのピクセルと相互作用する負の荷電粒子を反射することが可能であり、また、他のピクセルに正の電圧を提供して、そのインスタンスに好ましく整形されたビームの範囲外であり得る荷電粒子を引き付けることができる。
【0064】
[0083] いくつかの実施例において、ミラープレート1000は、ビームの整形をより制御及び実装しやすくするために、より大きなピクセルを含むことができる。例えば、より大きなピクセルは、各々、より小さなピクセルよりも大きなエリアをカバーすることが可能であり、入来ビームレットに(例えば、反射又は引力などの)同様の影響を与えることができる。いくつかの実施例において、ミラープレート1000は、より大きなピクセル及びより小さなピクセルを含むことができ、より大きなピクセルは、ビームレットを一貫して反射することが予想されるミラープレートの部分で使用可能であり、より小さなピクセルは、予想されるビームレットがビーム形状により多くの制御を与えるために相互作用可能な場所の周辺にあり得る、ミラープレートの部分で使用可能である。
【0065】
[0084] いくつかの実施形態において、ミラープレート1000は湾曲可能である。ミラープレート1000が湾曲しているとき、収差の補正に使用される電圧を減少させることができる。ミラー湾曲は機械的に調整可能であり、ピエゾモータなどの機械的アクチュエータによって制御可能である。
【0066】
[0085] いくつかの実施形態において、ミラープレート1000内で実装される個々のピクセルは、機械的に傾斜可能な上部表面を備える個々のピクセルを使用することによって傾斜可能である。傾斜可能ピクセルは、ピエゾモータなどの機械的アクチュエータによって、機械的に調整及び制御可能である。傾斜ピクセルは、入来ビームレットから荷電粒子を除去することが可能であり、除去された荷電粒子は、ミラープレート1000とビームセパレータとの間に散乱可能である。傾斜ピクセルは荷電粒子のための異なる経路を作ることが可能であり、異なる経路は、ミラープレート1000とビームセパレータとの間、又は荷電粒子ビームシステム内の他の場所の、ビームアパーチャを用いて、入来ビームレットから荷電粒子をフィルタ除去するために、使用することが可能である。
【0067】
[0086] 使用中、合焦された電子ビームは、サンプルの表面を横切ってスキャンされる。大きな視野にわたった合焦された電子ビームのスキャン中、サンプルの表面上のソースの像の形状及び強度分布、例えばスポットプロファイルは、変化する可能性がある。プログラム可能ミラープレート1000の使用は、プログラム可能ミラープレート1000を動的に構成することによって、これらのスキャン効果を補正するため又は減少させるための能力を提供する。上述のように、プログラム可能ミラープレート1000は、各ピクセルについて別々の電圧制御1051~1057を伴うピクセル1001~1007を備えるプレートとして構成可能である。ピクセルにおける電圧を調整するために電圧制御1050を使用することで、電子波の位相を局所的に変更することが可能であり、電圧制御1050は、入来ビームレットを可変的に反射することによって、時間依存ビーム形状を生成するためにAC電圧をピクセルに提供することができる。例えば、ピクセル上方に反射する電子波の一部は、電子スポット(プローブ)形成の制御を可能にするか又は容易にすることができる。特定の例として、ミラープレート電圧とサンプル全体にわたる電子ビームのスキャンとの同期化は、スキャンされた視野全体にわたるプローブ形成の動的制御を可能にするか又は容易にする。別の例において、サンプル上の大きな視野をスキャンするとき、ビームレットの中心に比べて外側端内により多くの収差が現れる可能性がある。AC電圧をミラープレート1000に印加することによって、ビームレットの外側端における収差をより精密に補正することができる。
【0068】
[0087] いくつかの実施形態において、ミラープレート1000は、ミラープレート1000の表面にわたって様々な方向で異なるピクセル電圧分布を使用して提供可能である。ビームセパレータ1060は、ビームレットに収差を追加することができ、ビームレットは1つの方向に偏向しているため、収差は非回転対称であり得る。したがってビームレットは、回転対称ビーム形状を失っており、形状を補正するために、ミラープレートは2つの異なる方向に異なるピクセル電圧分布を使用することができる。
【0069】
[0088] 次に
図10Cを参照すると、本開示のいくつかの実施形態に適合する、マルチビームシステムにおける異なるビームレットの異なる収差を補正するための、プログラム可能なピクセル化されたミラープレート1100及び電圧制御1150の機能を示す、別の概略図である。ミラープレート1100は、ピクセルの3つのセット1101~1105、1111~1115、及び1121~1125を備え、電圧制御1150は、それぞれピクセルのセットの各々に関連付けられた、制御部材の3つのセット1151~1155、1161~1165、及び1171~1175を備える。各ピクセル制御部材1151~1155、1161~1165、及び1171~1175は、関連するピクセルに信号(例えば、電圧)を印加するように配置及び構成される。ピクセル制御部材1151~1155、1161~1165、及び1171~1175の各々によって提供される電圧は、ミラープレート1100の上方に対応する3つの湾曲した等電位面1091~1093(カスタマイズされた電界)を生成することができる。等電位面は、どこで3つのビームレットの異なる部分からの電子が反射し、その反射が、ミラープレート1100によって反射されたビームレットの各々の形状及び位相に影響を与えるかを、決定することができる。
【0070】
[0089] ミラープレート1100において実装されるピクセルの各セットは、異なる電圧をピクセルの各セットに提供することによって、ミラープレート1100の表面上方の異なる高さでビームレットを更に反射することができる。したがって、ミラープレート1100は、複数のビームレットの各々の形状及び位相に影響を与え、影響を受けたビームレットを異なる角度でビームセパレータに向けて反射することが可能であり、所望の解像度を伴って、ビームレットの各々についてサンプル上の異なるポイントで合焦することなどの所望の特徴を、SEMが獲得できるようにする。更に、ミラープレート1100は、入来ビームレットの一部から荷電粒子を局所的に除去することによって移送を制御することに加えて、又はその代わりに、電子波の振幅を局所的に制御することができる。ミラープレート1100は、例えば荷電粒子を反射する代わりにピクセルに引き付けることによって、ビームレット内の荷電粒子がビームセパレータに向けて反射することを防ぐことによって、振幅の制御を達成することができる。
【0071】
[0090] いくつかの実施形態において、ミラープレート1100は、ピクセル上の正の電圧を使用することによって、ビームレットから局所的に電子を除去することができる。正に帯電したピクセルは、ピクセル上方の電子をミラープレート1100に向けて引き付け、ミラープレート1100の表面上で電子を吸収又は散乱させることができる。
【0072】
[0091] ミラープレート1100は、ピクセル上の負の電圧を使用することによって、ビームレット内の正に帯電した粒子を除去することもできる。散乱した粒子又はミラープレート1100から生じる二次電子は、ミラープレート1100とビームセパレータとの間に異なる経路を有することが可能であり、また、ミラープレート1100とビームセパレータとの間の適切なロケーションに、又は荷電粒子ビームシステム内の別の場所に、ビームアパーチャを配置することによって、フィルタ除去することができる。
【0073】
[0092] ピクセルにわたる電圧分布は、特定のビームレット又は各ミラープレートに対して割り当てられたピクセルの各セットについて、異なる場合がある。いくつかの実施形態において、必要な別々の電圧制御の数を制限するために、電圧分布は、ピクセルの特定セット又はミラープレートについて同じである場合がある。
【0074】
[0093] ピクセルにわたる電圧分布及びミラープレート全体の電圧は、異なる着地エネルギーに関する異なる電子ビームシステム設定において、収差の補正又は減少を可能にするために、ビームレットの着地エネルギーの関数として調整可能である。ピクセルにわたる電圧分布は、サンプル上のビームレットの位置の関数として調整可能である。例えば、ビームレットの位置は、ビームレットの様々なオフアクシス位置における収差の補正又は減少を最適化するために、ビームレットが所望のビームスポットからオフアクシスであるかどうか、又はどの程度オフアクシスであるかの、測度とすることができる。
【0075】
[0094] ピクセルにわたる電圧分布及びミラープレート全体の電圧は、異なるビームレット電流に関する異なる電子ビームシステム設定において、収差の補正又は減少を可能にするために、ビームレットのビーム電流の関数として調整可能である。ピクセルにわたる電圧分布及びミラープレート全体の電圧は、異なる着地角度に関する異なる電子ビームシステム設定において、収差の補正又は減少を可能にするために、サンプルにおけるビームレットの着地角度の関数として調整可能である。
【0076】
[0095] ピクセルにわたる電圧分布及びミラープレート全体の電圧は、サンプルにおける異なる電界に関する異なる電子ビームシステム設定において、収差の補正又は減少を可能にするために、サンプルにおける異なる電界の関数として調整可能である。
【0077】
[0096]
図10Cのミラープレート1100は、3つのビームレットの収差を補正するために、ピクセルの3つのセット及び関連する3つの制御部材が配置されているが、異なる数のピクセルのセット、制御部材、及びビームレットが様々な配置のいずれかに配置可能であることを理解されよう。
【0078】
[0097] 次に
図10Dを参照すると、本開示のいくつかの実施形態に適合する、ビームレットの収差を補正する例示的方法1080を示すフローチャートである。方法1080は電子ビームツール(例えば、
図10Aの電子ビームツール100B)によって実行可能である。更に、方法1080はビームレットの収差の補正を説明しているが、方法1080は複数のビームレットの収差の補正にも適用可能であることを理解されよう。
【0079】
[0098] ステップ1081において、ビームレットはプログラム可能荷電粒子ミラープレート(例えば、
図10Aのプログラム可能荷電粒子ミラープレート1000)に向けて誘導される。例えばビームレットは、ビームセパレータ(例えば、
図10Aのビームセパレータ1060)によって誘導可能である。いくつかの実施形態において、コントローラ(例えば、
図1のコントローラ19)は、ビームレットをプログラム可能荷電粒子ミラープレートに誘導するように、ビームセパレータに命令することができる。
【0080】
[0099] ステップ1082において、信号(例えば、電圧)が、プログラム可能荷電粒子ミラープレートのピクセル(例えば、
図10Bのピクセル1001~1007)に提供される。いくつかの実施形態において、これらの信号は電圧制御(例えば、
図10Aの電圧制御1050)によって提供可能であり、各ピクセルは対応する電圧制御(例えば、
図10Bの電圧制御1051~1057)を有することができる。いくつかの実施形態において、提供される信号は、電子(又は負のイオン)を反射し、ビームレットからの正に帯電した粒子を引き付けるために、負の電圧とすることができる。いくつかの実施形態において、いくつかの実施形態において、提供される信号は、正に帯電した粒子(例えば、正のイオン)を反射し、ビームレットからの電子を引き付けるために、正の電圧とすることができる。
【0081】
[00100] ピクセルは、誘導されるビームレットに影響を与えるために使用されるピクセルのセットを含むことができる。例えば、ピクセルのセットは、ピクセルのセットに近付くビームレットのプロファイルを整形するように構成可能である。ミラープレート内のピクセルのセットの各々は、ピクセル内の電圧を確立するように構成された別々の電圧制御を有することができる。したがってミラープレートは、各ピクセル又はピクセルのセットについて異なって提供可能であり、所望に応じて変更可能であるという点で、プログラム可能である。提供される電圧は、カスタマイズされた電界(例えば、
図10Bの等電位面1090)を生成することができ、カスタマイズされた電界はビームレットのプロファイルを整形するように決定される。電圧の調整は、ビームレットに含まれる電子の位相を変更することもできる。
【0082】
[00101] ステップ1083において、整形されたビームレットは、収差を減少させるために、プログラム可能荷電粒子ミラープレートによって反射される。ビームレットは、ミラープレート上のピクセルに印加される電圧によって、ミラープレートの表面の上方に反射される。
【0083】
[00102] いくつかの実施形態において、方法1080は、整形されたビームレットをサンプル表面(例えば、
図10Aのサンプル表面1012)に誘導する追加のステップを更に含むことができる。サンプル表面に到達するのに先行して、整形されたビームレットは、整形されたビームレットをサンプル表面上に合焦させるために使用可能な対物レンズ(例えば、
図10Aの第2のレンズ1031)によって、更に影響を受けることができる。
【0084】
[00103]
図11は、本開示のいくつかの実施形態に適合する、
図1の荷電粒子検査システムの一部であり得る、例示の電子ビームツール100Cを示す図である。電子ビームツール100C(本明細書では、装置100Cとも呼ぶ)は、ビームセパレータ1060B及び吸収コンポーネント1200を備える。アパーチャ及び偏向器などの通常存在する他のコンポーネントは、簡略化するために
図11には示されていない。
【0085】
[00104] ビームセパレータ1060B及び吸収コンポーネント1200は、荷電粒子ビームレットのエネルギーの広がりを減少させるために、ビーム経路内に導入される。下記でより詳細に説明するように、ビームセパレータ1060B及び吸収コンポーネント1200を装置100C内に配置することは単なる例であり、ビームセパレータ1060B及び吸収コンポーネント1200は、装置100C内の他の位置に配置できることを理解されよう。ビームセパレータ1060Bは、
図10Aのビームセパレータ1060と同様に機能することが可能であり、また、入来ビームレットを吸収コンポーネント1200に向けて案内し、更に吸収コンポーネント1200からの反射ビームを別の方向に案内することが可能である。吸収コンポーネント1200は、入来ビームレットのエネルギーの広がりを減少させ、減少したビームレットをビームセパレータ1060Bに向けて反射させることができる。
【0086】
[00105] 吸収コンポーネント1200は、構成される材料によって、及びその幾何学的特徴に対して、決定される波長において、電磁エネルギーを吸収することができる。入来ビームレットの低エネルギー電子と比較したとき、入来ビームレットの高エネルギー電子は、特定の周波数において電磁モードとより強力に相互作用し、負の電位により多く侵入し、吸収コンポーネント1200により近くなる。入来ビームレットの電子と吸収コンポーネント1200との間の相互作用は、電子が吸収コンポーネント1200に近付くほど強くなり、電子は、この相互作用から、吸収コンポーネント1200に向けた電磁放射に対してより多くのエネルギーを失うことになる。
【0087】
[00106] 吸収コンポーネント1200は、電圧供給元を吸収コンポーネント1200の外側層に接続することによって、入来ビームレットを反射させるように、吸収コンポーネント1200の上方に負の電位を生成するために電気的にバイアスされるように構成可能である。もちろんこれはあまりに単純な説明であり、実際の詳細は下記の
図12Bでより完全且つ精密に記載する。
【0088】
[00107]
図12Aは、吸収コンポーネント1200の図式平面図である。吸収コンポーネント1200は、吸収構造1201のセット(
図6の吸収構造314と同様であり得る)及び層1202(
図6の層316と同様であり得る)を備えることができる。吸収構造1201は、とりわけ、金属ブロック又はグラフェンフレーク、あるいは、層1202に埋め込まれるか又は結合されたこうした材料の組み合わせなどの、多くの形のいずれか1つを取ることができる。ジオメトリ(形状及び寸法)を選択すること、及び吸収構造1201間のピッチを改変することによって、吸収コンポーネント1200は、電子の着地エネルギー及び減速に依存して、電子からのエネルギー損失を最大化又は最適化するように調節可能である。
【0089】
[00108]
図12Bは、吸収コンポーネント1200の断面図である。
図12Aに関して上記で説明したように、吸収コンポーネント1200は、吸収構造1201のセット、層1202、及び層1203(
図6の層318と同様であり得る)を備えることができる。
図12Bに示されるように、吸収構造1201は、例えば誘電体材料又は透明導電材料を含む層1202上に提供される。透明導電材料は、層1202上に衝突する迷走電子を吸収コンポーネント1200から遠くへ導き、吸収コンポーネント1200の帯電を回避する。例えば層1202は、とりわけ、インジウムスズ酸化物、ドープ亜鉛酸化物、カーボンナノチューブ、非晶質材料、ドープ透明半導体、又は導電ポリマとすることができる。層1202は、例えば金又は銀などの導電性であり得る、層1203上に配設可能である。
【0090】
[00109] 吸収コンポーネント1200は、電圧供給を層1203に接続することによって、入来ビームレットを反射させるように、吸収コンポーネント1200の上方に電位を生成するために電気的にバイアスされるように構成可能である。吸収構造1201及び層1202は、特定の実施形態において、層1203と同じか又は実質的に同様の電圧を有し、吸収コンポーネント1200の頂部に電界を作り出すことができる。吸収コンポーネント1200上の負又は正の電圧を十分高くすることによって、吸収コンポーネント1200に向かって進むビームから荷電粒子を反射することができる。
【0091】
[00110] 吸収コンポーネント1200は、
図6から
図8に示される構造及び層(例えば、構造314並びに層316及び318)の機能と同様の機能を提供する、構造及び層(例えば、構造1201並びに層1202及び1203)を含むことができ、したがって吸収コンポーネント1200は、特定の閾値より上のエネルギーを有する荷電粒子のエネルギーを吸収することが可能となる。
【0092】
[00111] いくつかの実施形態において、吸収コンポーネント1200は、複数の金属層及び誘電体層などの、他のタイプの層を含むことができる。
【0093】
[00112]
図13は、本開示のいくつかの実施形態に適合する、吸収コンポーネント1300及びプログラム可能なピクセル化されたミラープレート1301のカスケード構造の機能を示す、概略図である。カスケード構造は、電子ビームツール100D(本明細書では、装置100Dとも呼ぶ)内に実装可能である。カスケード構造は、第1のビームセパレータ1360C、第2のビームセパレータ1360D、吸収コンポーネント1300、及びミラープレート1301を備えることができる。第1のビームセパレータ1360Cは、
図10Aのビームセパレータ1060と同様に機能し、入来ビームレットを吸収コンポーネント1300に向けて案内し、更に吸収コンポーネント1300から反射したビームを別の方向に案内することができる。いくつかの実施形態において、第1のビームセパレータ1360Cは、入来ビームレットが吸収コンポーネント1300に対して垂直に落ちるように案内することができる。吸収コンポーネント1300は、
図11の吸収コンポーネント1200と同様に機能することが可能であり、入来ビームレットにおけるエネルギーの広がりを減少させることによって入来ビームレット102を操作し、操作されたビームレットを反射することができる。第2のビームセパレータ1360Dも
図10Aのビームセパレータ1060と同様に機能することが可能であり、入来ビームレットをミラープレート1301に向けて案内し、更にミラープレート1301から反射したビームを別の方向に案内することができる。
【0094】
[00113] ミラープレート1301は、
図10Aから
図10Cのミラープレート1000と同様に機能し、入来ビームレットの収差を補正することが可能であり、収差は吸収コンポーネント1300によって導入される可能性がある。ミラープレート1301は更に、補正されたビームレットを反射することができる。したがってカスケード構造は、収差及びエネルギーの広がりの両方が補正されることを保証することができる。
【0095】
[00114]
図13のカスケード構造は、ビームレットが吸収コンポーネント1300を介し、またその後ミラープレート1301を介して伝搬するように配置されるが、ミラープレート及び吸収構造は、様々な(ミラープレート1301が吸収コンポーネント1300に先行するなどの)配置のいずれかで配置可能であることを理解されよう。
【0096】
[00115]
図14は、本開示のいくつかの実施形態に適合する、吸収コンポーネント1400及びプログラム可能なピクセル化されたミラープレート1401の組み合わせ構造の機能を示す、概略図である。組み合わせ構造は、電子ビームツール100E(本明細書では、装置100Eとも呼ぶ)内で実装可能である。組み合わせ構造は、ビームセパレータ1460、吸収コンポーネント1400のセット、及びミラープレート1401を備えることができる。ビームセパレータ1460は、
図10Aのビームセパレータ1060と同様に機能することが可能であり、入来ビームレットを、吸収コンポーネント1400のセット及びミラープレート1401を備える組み合わせ構造に向けて案内し、更に組み合わせ構造から反射したビームを別の方向に案内することが可能である。
【0097】
[00116] 1つ以上の吸収コンポーネント1400は、ミラープレート1401の頂部に埋め込まれるか又は結合されることが可能である。例えば、ミラープレート1401の各ピクセルのための異なる吸収コンポーネント1400、ピクセルのセットのための吸収コンポーネント1400、又はミラープレートのすべてのピクセルのための吸収コンポーネント1400が存在し得る。いくつかの実施形態において、異なる吸収コンポーネントを、ミラープレート1401の各ピクセル上に実装可能である。ミラープレート1401は、吸収コンポーネント1400の層(
図12Bの層1202など)又は吸収コンポーネント1400の外側層(
図12Bの層1203など)を置き換えることができる。吸収コンポーネント1400は、
図11及び
図12Aから
図12Bの吸収コンポーネント1200と同様に機能することが可能であり、入来ビームレット内のエネルギーの広がりを減少させることによって、入来ビームレットを操作することができる。ミラープレート1401は、
図10Aのミラープレート1000と同様に機能し、入来ビームレットの収差を補正し、補正されたビームレットを反射することが可能である。吸収コンポーネント1400及びミラープレート1401は、収差及びエネルギーの広がりの両方が補正されることを保証するために、同時に動作することが可能である。荷電粒子がミラープレート1401によって反射される前に吸収コンポーネント1400の十分近くを通る間、ミラープレート1401によって生成される電界は、収差を補正するために入来ビームレットの荷電粒子を遠ざけることができ、吸収コンポーネントは所望のエネルギーを吸収し、結果として実質的にすべての反射された荷電粒子は同様のエネルギーを有する。
【0098】
[00117] 次に
図15を参照すると、本開示のいくつかの実施形態に適合する、ビームレットの収差及びエネルギーの広がりを補正する、例示の方法1500を示すフローチャートである。方法1500は、電子ビームツール(例えば、
図14の電子ビームツール100E)によって実行可能である。更に、方法1500は1つのビームレットについての収差及びエネルギーの広がりの補正を説明しているが、方法1500は複数のビームレットについての収差及びエネルギーの広がりの補正に適用することも可能であることを理解されよう。
【0099】
[00118] ステップ1510において、ビームレットは、吸収コンポーネント(例えば、
図14の吸収コンポーネント1400)及びプログラム可能荷電粒子ミラープレート(例えば、
図14のプログラム可能荷電粒子ミラープレート1401)を備える、組み合わせ構造に向けて誘導される。例えば、ビームレットはビームセパレータ(例えば、
図14のビームセパレータ1460)によって誘導可能である。
図15の実施形態はプログラム可能ミラープレートを使用するが、他のタイプのミラープレートが使用できることを理解されよう。いくつかの実施形態において、コントローラ(例えば、
図1のコントローラ19)は、ビームレットを組み合わせ構造に誘導するよう、ビームセパレータに命令することができる。
【0100】
[00119] ステップ1520において、信号(例えば、電圧)は、プログラム可能荷電粒子ミラープレートのピクセル(例えば、
図10Bのピクセル1001~1007)に提供される。いくつかの実施形態において、これらの信号は電圧制御(例えば、
図10Aの電圧制御1050)によって提供可能であり、各ピクセルは対応する電圧制御(例えば、
図10Bの電圧制御1051~1057)を有することができる。いくつかの実施形態において、提供される信号は、電子(例えば、負のイオン)を反射し、ビームレット(存在する場合)から正に帯電した粒子を引き付けるために、負の電圧とすることができる。いくつかの実施形態において、提供される信号は、正に帯電した粒子(又は正のイオン)を反射し、ビームレット(存在する場合)から電子を引き付けるために、正の電圧とすることができる。
【0101】
[00120] ピクセルは、誘導されるビームレットに影響を与えるために使用されるピクセルのセットを含むことができる。例えば、ピクセルのセットは、ピクセルのセットに近付くビームレットのプロファイルを整形するように構成可能である。ミラープレート内のピクセルのセットの各々は、ピクセル内の電圧を確立するように構成された、別々の電圧制御を有することができる。したがってミラープレートは、電圧が各ピクセル又はピクセルのセットについて異なって提供可能であり、所望に応じて変更可能であるという点でプログラム可能である。提供される電圧はカスタマイズされた電界(例えば、
図10Bの等電位面1090)を生成し、カスタマイズされた電界はビームレットプロファイルを整形するように決定される。電圧の調整は、ビームレットに含まれる電子の位相を変更することも可能である。
【0102】
[00121] ステップ1530において、吸収コンポーネント(例えば、
図14の吸収コンポーネント1400)は、吸収構造(例えば、
図12A及び
図12Bの吸収構造1201)を使用して誘導されたビームのエネルギーの広がりを減少させることによって、ビームセパレータから誘導されたビームを操作することができる。
【0103】
[00122] 吸収コンポーネントは、構成される材料によって、及びその幾何学的特徴に対して、決定される波長において、電磁エネルギーを吸収することができる。入来ビームレットの高エネルギー電子は、入来ビームレットの低エネルギー電子よりも、特定の周波数において電磁モードと強力に相互作用することができる。強力な相互作用によって電子は、負の電位により多く侵入し、吸収コンポーネントにより近くなることが可能になる。入来ビームレットの電子と吸収コンポーネントとの間の相互作用は、電子が吸収コンポーネントに近付くほど強くなり、電子は、この相互作用から、吸収コンポーネントに向けた電磁放射に対してより多くのエネルギーを失うことになる。
【0104】
[00123] ステップ1540において、整形及び操作されたビームレットは、収差及びエネルギーの広がりを減少させるために、プログラム可能荷電粒子ミラープレート及び吸収コンポーネントによって反射される。ビームレットは、ミラープレート上のピクセルに印加される電圧によって、ミラープレートの表面の上方に反射される。
【0105】
[00124] いくつかの実施形態において、方法1500は更に、整形及び操作されたビームレットをサンプル表面(例えば、
図10Aのサンプル表面1012)に誘導する追加ステップを含むことができる。サンプル表面に達するのに先立ち、整形及び操作されたビームレットは、整形及び操作されたビームレットをサンプル表面上に合焦させるために使用可能な対物レンズ(例えば、
図10Aの第2のレンズ1031)によって、更に影響を受けることができる。
【0106】
[00125] 次に
図16を参照すると、本開示のいくつかの実施形態に適合する、ビームレットの収差及びエネルギーの広がりを補正する、別の例示の方法1600を示すフローチャートである。方法1600は、電子ビームツール(例えば、
図13の電子ビームツール100D)によって実行可能である。更に方法1600は、1つのビームレットについて収差及びエネルギーの広がりを補正することを説明しているが、方法1600は、複数のビームレットについて収差及びエネルギーの広がりを補正することにも適用可能であることを理解されよう。
【0107】
[00126] ステップ1610において、ビームレットは吸収コンポーネント(例えば、
図13の吸収コンポーネント1300)に向けて誘導される。例えば、ビームレットは第1のビームセパレータ(例えば、
図13のビームセパレータ1360C)によって誘導可能である。いくつかの実施形態において、コントローラ(例えば、
図1のコントローラ19)は、ビームレットを吸収コンポーネントに誘導するように第1のビームセパレータに命令することができる。
【0108】
[00127] ステップ1620において、吸収コンポーネントは、吸収構造(例えば、
図12A及び
図12Bの吸収構造1201)を使用して、誘導されたビームのエネルギーの広がりを減少させることによって、第1のビームセパレータから誘導されたビームを操作することができる。
【0109】
[00128] 吸収コンポーネントは、構成される材料によって、及びその幾何学的特徴に対して、決定される波長において、電磁エネルギーを吸収することができる。入来ビームレットの高エネルギー電子は、入来ビームレットの低エネルギー電子よりも、特定の周波数において電磁モードと強力に相互作用することができる。強力な相互作用によって電子は、負の電位により多く侵入し、吸収コンポーネントにより近くなることが可能になる。入来ビームレットの電子と吸収コンポーネントとの間の相互作用は、電子が吸収コンポーネントに近付くほど強くなり、電子は、この相互作用から、吸収コンポーネントに向けた電磁放射に対してより多くのエネルギーを失うことになる。
【0110】
[00129] ステップ1630において、操作されたビームレットは、吸収コンポーネントによって第1のビームセパレータに反射される。吸収コンポーネントは、誘導されたビームレットを反射するために、吸収コンポーネントの上方に負又は正の電位を生成するために電気的にバイアスされるように構成可能である。
【0111】
[00130] ステップ1640において、ステップ1630からの反射されたビームレットは、第1のビームセパレータによって第2のビームセパレータ(例えば、
図13のビームセパレータ1360D)に向けて誘導される。いくつかの実施形態において、コントローラ(例えば、
図1のコントローラ19)は、ビームレットを第2のビームセパレータに誘導するように、第1のビームセパレータに命令することができる。実施形態は、ビームセパレータを使用することを説明しているが、別の光学素子を使用してビームレットを誘導することが可能であることを理解されよう。
【0112】
[00131] ステップ1650において、ステップ1640からの誘導されたビームレットは、プログラム可能荷電粒子ミラープレート(例えば、
図13のプログラム可能荷電粒子ミラープレート1301)に向けて誘導される。例えばビームレットは、第2のビームセパレータ(例えば、
図13のビームセパレータ1360D)によって誘導可能である。
図16の実施形態はプログラム可能ミラープレートを使用するが、他のタイプのミラープレートが使用可能であることを理解されよう。いくつかの実施形態において、コントローラ(例えば、
図1のコントローラ19)は、ビームレットをミラープレートに誘導するように、第2のビームセパレータに命令することができる。
【0113】
[00132] ステップ1660において、プログラム可能荷電粒子ミラープレートのピクセル(例えば、
図10Bのピクセル1001~1007)に、信号(例えば、電圧)が提供される。いくつかの実施形態において、これらの信号は電圧制御(例えば、
図10Aの電圧制御1050)によって提供可能であり、各ピクセルは、対応する電圧制御(例えば、
図10Bの電圧制御1051~1057)を有することができる。いくつかの実施形態において、提供される信号は、電子(又は負のイオン)を反射させ、ビームレットからの正に帯電した粒子を引き付けるために、負の電圧とすることができる。いくつかの実施形態において、提供される信号は、正に帯電した粒子(又は正のイオン)を反射させ、ビームレットからの電子を引き付けるために、正の電圧とすることができる。
【0114】
[00133] ピクセルは、吸収構造によって歪曲され得る誘導されたビームレットに影響を与えるために使用されるピクセルのセットを含むことができる。例えばピクセルのセットは、ピクセルのセットに近付くビームレットのプロファイルを整形するように構成可能である。ミラープレート内のピクセルのセットの各々は、ピクセル内の電圧を確立するように構成された別の電圧制御を有することができる。したがってミラープレートは、電圧が各ピクセル又はピクセルのセットに対して異なって提供可能であり、必要に応じて変更可能であるという点で、プログラム可能である。提供される電圧は、カスタマイズされた電界(例えば、
図10Bの等電位面1090)を生成することができ、カスタマイズされた電界は、ビームレットプロファイルを整形するように決定される。電圧の調整は、ビームレットに含まれる電子の位相を変更することも可能である。
【0115】
[00134] ステップ1670において、整形されたビームレットは、収差を減少させるために、プログラム可能荷電粒子ミラープレートによって反射される。ビームレットは、ミラープレート上のピクセルに印加される電圧によって、ミラープレートの表面の上方に反射される。
【0116】
[00135] いくつかの実施形態において、方法1600は、整形及び操作されたビームレットをサンプル表面(例えば、
図10Aのサンプル表面1012)に誘導する追加のステップを、更に含むことができる。サンプル表面に近付くのに先立ち、整形及び操作されたビームレットは、整形及び操作されたビームレットをサンプル表面上に合焦させるために使用可能な対物レンズ(例えば、
図10Aの第2のレンズ1031)によって、更に影響を受けることが可能である。
【0117】
[00136] いくつかの実施形態において、コントローラは荷電粒子ビームシステムを制御することができる。コントローラは、コンピュータプロセッサを含むことができる。コントローラは、荷電粒子ビームシステムのコンポーネントに、1つ以上のビームレットを操作するため、ビームレットを誘導するようにビームセパレータを制御するため、並びに、電圧制御及び対応するプログラム可能荷電粒子ミラープレートのピクセルを制御するために、様々なドライバを制御することなどの、様々な機能を実行するように命令することができる。コントローラは、ハードディスク、クラウドストレージ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他のタイプのコンピュータ可読メモリなどの、記憶媒体である、ストレージを備えることができる。コントローラは、クラウドストレージと通信することができる。ビーム形成、又は本開示に適合する他の機能及び方法を実施するための、コントローラ19のプロセッサのための命令を記憶する、非一時的コンピュータ可読媒体が提供可能である。非一時的媒体の一般的な形は、例えばフロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、磁気テープ、又は任意の他の磁気データ記憶媒体、CD-ROM、任意の他の光データ記憶媒体、ホールのパターンを伴う任意の物理媒体、RAM、PROM、及びEPROM、FLASH-EPROM、又は任意の他のフラッシュメモリ、NVRAM、キャッシュ、レジスタ、任意の他のメモリチップ又はカートリッジ、及び同等のネットワーク化されたバージョンを含む。
【0118】
[00137] 下記の条項を使用して、実施形態を更に説明することができる。
1.電子ビームのエネルギーの広がりを狭めるための装置であって、装置は、
電子ビームの経路の一部に沿って延在するキャビティを画定する構造であって、キャビティは内部表面を有する、キャビティを画定する構造と、
内部表面上に提供されるメタマテリアルアブソーバと、
を備える、装置。
2.メタマテリアルアブソーバは、内部表面の少なくとも一部上に誘電体材料の層を備え、透明導電材料の層には複数の吸収構造が提供される、条項1に記載の装置。
3.メタマテリアルアブソーバは、内部表面の少なくとも一部上に透明導電材料の層を備え、透明導電材料の層には複数の吸収構造が提供される、条項1に記載の装置。
4.吸収構造は、メタマテリアル完全アブソーバである、条項3に記載の装置。
5.吸収構造はプラズモニック構造である、条項3に記載の装置。
6.吸収構造は、電磁エネルギーを共鳴的に吸収する、条項3に記載の装置。
7.吸収構造は、透明導電材料の層内に少なくとも部分的に埋め込まれるか又は結合される、条項3に記載の装置。
8.吸収構造は、透明導電材料の層の頂部に製作される、条項3に記載の装置。
9.吸収構造は、透明導電材料の層上にプリントされる、条項3に記載の装置。
10.吸収構造は、金属材料を含む複数のブロック型要素を備える、条項3に記載の装置。
11.吸収構造はグラフェンを含む、条項3に記載の装置。
12.吸収構造は複数のグラフェンフレークを含む、条項3に記載の装置。
13.吸収構造は、複数のブロック型金属要素と複数のグラフェンフレークとの組み合わせを含む、条項3に記載の装置。
14.吸収構造は周期的アレイで配置される、条項3に記載の装置。
15.周期的アレイのピッチは、電子ビームからのエネルギーの最大吸収を達成するように選択される、条項14に記載の装置。
16.透明導電材料はインジウムスズ酸化物を含む、条項3に記載の装置。
17.透明導電材料はドープ亜鉛酸化物を含む、条項3に記載の装置。
18.透明導電材料はカーボンナノチューブを含む、条項3に記載の装置。
19.透明導電材料は非晶質材料を含む、条項3に記載の装置。
20.透明導電材料はドープ透明半導体を含む、条項3に記載の装置。
21.透明導電材料は導電ポリマを含む、条項3に記載の装置。
22.透明導電材料は、透明材料を含む本体及び導電材料のコーティングを含む、条項3に記載の装置。
23.導電材料のコーティングは金を含む、条項22に記載の装置。
24.導電材料のコーティングはアルミニウムを含む、条項22に記載の装置。
25.導電材料のコーティングはチタンを含む、条項22に記載の装置。
26.導電材料のコーティングはクロムを含む、条項22に記載の装置。
27.構造は実質的に円筒のカラムを含む、条項1に記載の装置。
28.電子ビームが横断するカラムの一部の長さが、電子ビーム内の電子の所定量の減速を生じさせるように選択される、条項27に記載の装置。
29.実質的に円筒のカラムは、導電性材料を含む、条項27に記載の装置。
30.導電性材料は金を含む、条項29に記載の装置。
31.導電性材料は銀を含む、条項29に記載の装置。
32.電子ビームは、カラムの中心軸に沿って伝搬する、条項28に記載の装置。
33.実質的に円筒のカラムの半径は、電子ビームが伝搬する方向に減少する、条項28に記載の装置。
34.吸収構造の寸法は、電子ビームが伝搬する方向に変動する、条項3に記載の装置。
35.実質的に単色の電子ビームを生成するための装置であって、装置は、
電子ビーム源と、
実質的に単色の電子ビームを発生させるために電子ビームと相互作用するように配置されたメタマテリアルアブソーバを備えるモノクロメータと、
実質的に単色の電子ビームを合焦させるように配置された対物レンズと、
を、備える装置。
36.モノクロメータは、内部表面を有するキャビティを画定する構造と、内部表面上に提供されたメタマテリアルアブソーバとを備える、条項35に記載の装置。
37.メタマテリアルアブソーバは、内部表面の少なくとも一部上に透明導電材料の層を備え、透明導電材料の層に複数の吸収構造が提供される、条項36に記載の装置。
38.吸収構造は、メタマテリアル完全アブソーバである、条項37に記載の装置。
39.吸収構造は、プラズモニック構造を備える、条項37に記載の装置。
40.吸収構造は、電磁エネルギーを共鳴的に吸収する、条項37に記載の装置。
41.吸収構造は、透明導電材料の層に少なくとも部分的に埋め込まれるか、又は結合される、条項37に記載の装置。
42.吸収構造は、透明導電材料の層の頂部に製作される、条項37に記載の装置。
43.吸収構造は、透明導電材料の層上にプリントされる、条項37に記載の装置。
44.吸収構造は、金属材料を含む複数のブロック型要素を備える、条項37に記載の装置。
45.吸収構造はグラフェンを含む、条項37に記載の装置。
46.吸収構造は複数のグラフェンフレークを含む、条項37に記載の装置。
47.吸収構造は、複数のブロック型金属要素と複数のグラフェンフレークとの組み合わせを含む、条項37に記載の装置。
48.吸収構造は周期的アレイで配置される、条項37に記載の装置。
49.周期的アレイのピッチは、電子ビームからのエネルギーの最大吸収を達成するように選択される、条項48に記載の装置。
50.透明導電材料はインジウムスズ酸化物を含む、条項37に記載の装置。
51.透明導電材料はドープ亜鉛酸化物を含む、条項37に記載の装置。
52.透明導電材料はカーボンナノチューブを含む、条項37に記載の装置。
53.透明導電材料は非晶質材料を含む、条項37に記載の装置。
54.透明導電材料はドープ透明半導体を含む、条項37に記載の装置。
55.透明導電材料は導電ポリマを含む、条項37に記載の装置。
56.透明導電材料は、透明材料を含む本体及び導電材料のコーティングを含む、条項37に記載の装置。
57.導電材料のコーティングは金を含む、条項56に記載の装置。
58.導電材料のコーティングはアルミニウムを含む、条項56に記載の装置。
59.導電材料のコーティングはチタンを含む、条項56に記載の装置。
60.導電材料のコーティングはクロムを含む、条項56に記載の装置。
61.構造は、導電性材料を含むカラムを備える、条項36に記載の装置。
62.導電性材料は金を含む、条項61に記載の装置。
63.導電性材料は銀を含む、条項61に記載の装置。
64.カラムは実質的に円筒である、条項61に記載の装置。
65.電子ビームが横断するカラムの一部の長さが、電子ビーム内の電子の所定量の減速を生じさせるように選択される、条項61に記載の装置。
66.電子ビームは、カラムの中心軸に沿って伝搬する、条項64に記載の装置。
67.カラムの半径は、電子ビームが伝搬する方向に減少する、条項66に記載の装置。
68.吸収構造の幾何学的特性は、電子ビームが伝搬する方向に変動する、条項36に記載の装置。
69.実質的に単色の電子ビームを生成するための装置であって、装置は、
修正された電子ビームを発生させるために電子ビームの一部を遮るように配置された第1のアパーチャと、
コリメートされた電子ビームを発生させるために修正された電子ビームをコリメートするように配置された、少なくとも1つの電磁集光レンズと、
修正されたコリメートされた電子ビームを発生させるためにコリメートされた電子ビームの一部を遮るように配置された第2のアパーチャと、
電子ビームのエネルギーの広がりを狭めるために修正されたコリメートされた電子ビームと相互作用するように配置されたメタマテリアルアブソーバを備えるパッシブモノクロメータと、
パッシブモノクロメータからの電子ビームを合焦させるように配置された対物レンズと、
を備える、装置。
70.パッシブモノクロメータは、内部表面を有するキャビティを画定する構造、及び、内部表面上に提供されたメタマテリアルアブソーバを備える、条項69に記載の装置。
71.メタマテリアルアブソーバは、内部表面の少なくとも一部上に透明導電材料の層を備え、透明導電材料の層に吸収構造が提供される、条項70に記載の装置。
72.吸収構造はプラズモニックアブソーバを備える、条項71に記載の装置。
73.吸収構造は、電磁エネルギーを共鳴的に吸収する、条項71に記載の装置。
74.吸収構造は、透明導電材料の層に少なくとも部分的に埋め込まれるか又は結合される、条項71に記載の装置。
75.吸収構造は、透明導電材料の層の頂部に製作される、条項71に記載の装置。
76.吸収構造は、透明導電材料の層上にプリントされる、条項71に記載の装置。
77.吸収構造は、金属材料を含む複数のブロック型要素を備える、条項71に記載の装置。
78.吸収構造はグラフェンを含む、条項71に記載の装置。
79.吸収構造は複数のグラフェンフレークを含む、条項71に記載の装置。
80.吸収構造は、複数のブロック型金属要素と複数のグラフェンフレークとの組み合わせを含む、条項71に記載の装置。
81.吸収構造は周期的アレイで配置される、条項71に記載の装置。
82.周期的アレイのピッチは、電子ビームからのエネルギーの最大吸収を達成するように選択される、条項81に記載の装置。
83.透明導電材料はインジウムスズ酸化物を含む、条項71に記載の装置。
84.透明導電材料はドープ亜鉛酸化物を含む、条項71に記載の装置。
85.透明導電材料はカーボンナノチューブを含む、条項71に記載の装置。
86.透明導電材料は非晶質材料を含む、条項71に記載の装置。
87.透明導電材料はドープ透明半導体を含む、条項71に記載の装置。
88.透明導電材料は導電ポリマを含む、条項71に記載の装置。
89.透明導電材料は、透明材料を含む本体及び導電材料のコーティングを含む、条項71に記載の装置。
90.導電材料のコーティングは金を含む、条項89に記載の装置。
91.導電材料のコーティングはアルミニウムを含む、条項89に記載の装置。
92.導電材料のコーティングはチタンを含む、条項89に記載の装置。
93.導電材料のコーティングはクロムを含む、条項89に記載の装置。
94.構造は、導電性材料を含むカラムを備える、条項70に記載の装置。
95.導電性材料は金を含む、条項94に記載の装置。
96.導電性材料は銀を含む、条項94に記載の装置。
97.カラムは実質的に円筒である、条項94に記載の装置。
98.電子ビームは、カラムの中心軸に沿って伝搬する、条項94に記載の装置。
99.カラムの半径は、電子ビームが伝搬する方向に減少する、条項94に記載の装置。
100.電子ビームが横断するカラムの一部の長さが、電子ビーム内の電子の所定量の減速を生じさせるように選択される、条項94に記載の装置。
101.吸収構造の幾何学的特性は、電子ビームが伝搬する方向に変動する、条項71に記載の装置。
102.電子ビームのエネルギーの広がりを狭めるための装置であって、装置は、
電子ビームの経路の一部に沿って延在するキャビティを画定する構造を備え、キャビティは内部表面を有し、内部表面は、電子ビームのエネルギーの広がりを狭めるために電子ビーム内の電子からエネルギーを吸収するように適合される、装置。
103.内部表面はメタマテリアルアブソーバを備える、条項102に記載の装置。
104.メタマテリアルアブソーバは、内部表面の少なくとも一部上に透明導電材料の層を備え、透明導電材料の層に吸収構造が提供される、条項103に記載の装置。
105.吸収構造はプラズモニックアブソーバを備える、条項104に記載の装置。
106.吸収構造は、電磁エネルギーを共鳴的に吸収する、条項104に記載の装置。
107.吸収構造は、透明導電材料の層に少なくとも部分的に埋め込まれるか又は結合される、条項104に記載の装置。
108.吸収構造は、透明導電材料の層の頂部に製作される、条項104に記載の装置。
109.吸収構造は、透明導電材料の層上にプリントされる、条項104に記載の装置。
110.吸収構造は、金属材料を含む複数のブロック型要素を備える、条項104に記載の装置。
111.吸収構造はグラフェンを含む、条項104に記載の装置。
112.吸収構造は複数のグラフェンフレークを含む、条項104に記載の装置。
113.吸収構造は、複数のブロック型金属要素と複数のグラフェンフレークとの組み合わせを含む、条項104に記載の装置。
114.吸収構造は周期的アレイで配置される、条項104に記載の装置。
115.周期的アレイのピッチは、電子ビームからのエネルギーの最大吸収を達成するように選択される、条項114に記載の装置。
116.透明導電材料はインジウムスズ酸化物を含む、条項104に記載の装置。
117.透明導電材料はドープ亜鉛酸化物を含む、条項104に記載の装置。
118.透明導電材料はカーボンナノチューブを含む、条項104に記載の装置。
119.透明導電材料は非晶質材料を含む、条項104に記載の装置。
120.透明導電材料はドープ透明半導体を含む、条項104に記載の装置。
121.透明導電材料は導電ポリマを含む、条項104に記載の装置。
122.透明導電材料は、透明材料を含む本体及び導電材料のコーティングを含む、条項104に記載の装置。
123.導電材料のコーティングは金を含む、条項122に記載の装置。
124.導電材料のコーティングはアルミニウムを含む、条項122に記載の装置。
125.導電材料のコーティングはチタンを含む、条項122に記載の装置。
126.導電材料のコーティングはクロムを含む、条項122に記載の装置。
127.構造は、導電性材料を含むカラムを備える、条項102に記載の装置。
128.導電性材料は金を含む、条項127に記載の装置。
129.導電性材料は銀を含む、条項127に記載の装置。
130.カラムは実質的に円筒である、条項127に記載の装置。
131.電子ビームは、カラムの中心軸に沿って伝搬する、条項130に記載の装置。
132.カラムの半径は、電子ビームが伝搬する方向に減少する、条項130に記載の装置。
133.電子ビームが横断するカラムの一部の長さが、電子ビーム内の電子の所定量の減速を生じさせるように選択される、条項130に記載の装置。
134.吸収構造の幾何学的特性は、電子ビームが伝搬する方向に変動する、条項104に記載の装置。
135.電子のビームにおけるエネルギー分布の幅を減少させる方法であって、方法は、ビームの経路に沿って延在する構造によって画定される空間の容積を介してビームを通過させるステップを含み、構造は、電子からエネルギーを吸収するように配置されたメタマテリアルアブソーバが提供された表面を有する、方法。
136.メタマテリアルアブソーバは、表面の少なくとも一部上に透明導電材料の層を備え、透明導電材料の層には複数の吸収構造が提供される、条項135に記載の方法。
137.吸収構造は、メタマテリアル完全アブソーバである、条項136に記載の方法。
138.吸収構造はプラズモニック構造である、条項136に記載の方法。
139.吸収構造は、電磁エネルギーを共鳴的に吸収する、条項136に記載の方法。
140.吸収構造は、透明導電材料の層に少なくとも部分的に埋め込まれるか又は結合される、条項136に記載の方法。
141.吸収構造は、透明導電材料の層の頂部に製作される、条項136に記載の方法。
142.吸収構造は、透明導電材料の層上にプリントされる、条項136に記載の方法。
143.吸収構造は、金属材料を含む複数のブロック型要素を備える、条項136に記載の方法。
144.吸収構造はグラフェンを含む、条項136に記載の方法。
145.吸収構造は複数のグラフェンフレークを含む、条項136に記載の方法。
146.吸収構造は、複数のブロック型金属要素と複数のグラフェンフレークとの組み合わせを含む、条項136に記載の方法。
147.吸収構造は周期的アレイで配置される、条項136に記載の方法。
148.周期的アレイのピッチは、電子ビームからのエネルギーの最大吸収を達成するように選択される、条項147に記載の方法。
149.透明導電材料はインジウムスズ酸化物を含む、条項136に記載の方法。
150.透明導電材料はドープ亜鉛酸化物を含む、条項136に記載の方法。
151.透明導電材料はカーボンナノチューブを含む、条項136に記載の方法。
152.透明導電材料は非晶質材料を含む、条項136に記載の方法。
153.透明導電材料はドープ透明半導体を含む、条項136に記載の方法。
154.透明導電材料は導電ポリマを含む、条項136に記載の方法。
155.透明導電材料は、透明材料を含む本体及び導電材料のコーティングを含む、条項136に記載の方法。
156.導電材料のコーティングは金を含む、条項155に記載の方法。
157.導電材料のコーティングはアルミニウムを含む、条項155に記載の方法。
158.導電材料のコーティングはチタンを含む、条項155に記載の方法。
159.導電材料のコーティングはクロムを含む、条項155に記載の方法。
160.構造は実質的に円筒のカラムを備える、条項135に記載の方法。
161.実質的に円筒のカラムは、導電性材料を含む、条項160に記載の方法。
162.電子ビームは、カラムの中心軸に沿って伝搬する、条項160に記載の方法。
163.実質的に円筒のカラムの半径は、電子ビームが伝搬する方向に減少する、条項160に記載の方法。
164.電子ビームが横断するカラムの一部の長さが、電子ビーム内の電子の所定量の減速を生じさせるように選択される、条項160に記載の方法。
165.吸収構造の寸法は、電子ビームが伝搬する方向に変動する、条項136に記載の方法。
166.荷電粒子ビームのエネルギーの広がりを狭めるための装置であって、装置は、
荷電粒子ビームの経路の一部に沿って延在するキャビティを画定する構造であって、キャビティは内部表面を有する、キャビティを画定する構造と、
内部表面上に提供されるメタマテリアルアブソーバと、
を備える、装置。
167.メタマテリアルアブソーバは、内部表面の少なくとも一部上に誘電体材料の層を備え、透明導電材料の層には複数の吸収構造が提供される、条項166に記載の装置。
168.メタマテリアルアブソーバは、内部表面の少なくとも一部上に透明導電材料の層を備え、透明導電材料の層には複数の吸収構造が提供される、条項166に記載の装置。
169.吸収構造は、メタマテリアル完全アブソーバである、条項168に記載の装置。
170.吸収構造はプラズモニック構造である、条項168に記載の装置。
171.吸収構造は、電磁エネルギーを共鳴的に吸収する、条項168に記載の装置。
172.吸収構造は、透明導電材料の層内に少なくとも部分的に埋め込まれるか又は結合される、条項168に記載の装置。
173.吸収構造は、透明導電材料の層の頂部に製作される、条項168に記載の装置。
174.吸収構造は、透明導電材料の層上にプリントされる、条項168に記載の装置。
175.吸収構造は、金属材料を含む複数のブロック型要素を備える、条項168に記載の装置。
176.吸収構造はグラフェンを含む、条項168に記載の装置。
177.吸収構造は複数のグラフェンフレークを含む、条項168に記載の装置。
178.吸収構造は、複数のブロック型金属要素と複数のグラフェンフレークとの組み合わせを含む、条項168に記載の装置。
179.吸収構造は周期的アレイで配置される、条項168に記載の装置。
180.荷電粒子のビームにおけるエネルギー分布の幅を減少させる方法であって、方法は、ビームの経路に沿って延在する構造によって画定される空間の容積を介してビームを通過させるステップを含み、構造は、荷電粒子からエネルギーを吸収するように配置されたメタマテリアルアブソーバが提供された表面を有する、方法。
181.装置であって、
第1のピクセルのセットに近付く第1のビームレットを整形するように構成された第1のピクセルのセットと、
第1のピクセルのセットの各々にそれぞれ関連付けられた、第1のピクセル制御部材のセットであって、各ピクセル制御部材は、第1のビームレットを整形するために関連するピクセルに信号を適用するように配置及び構成される、第1のピクセル制御部材と、
を備える、装置。
182.第1のピクセルのセットは、第1のピクセルのセットの上方の第1のビームレットに関連付けられた荷電粒子の反射に基づいて調整されるように構成された、電圧分布を有する、条項181に記載の装置。
183.第1のビームレットは、収差の減少を生じさせるように整形される、条項181又は182のいずれかに記載の装置。
184.第1のピクセルのセット及び第1のピクセル制御部材のセットは、コンポーネント内で実装される、条項181から183のいずれかに記載の装置。
185.第1のピクセルのセット及び第1のピクセル制御部材のセットは、別々のコンポーネント内で実装される、条項181から183のいずれかに記載の装置。
186.第1のピクセルのセットのうちの各ピクセル、及び、第1のピクセル制御部材のセットのうちの対応するピクセル制御部材は、コンポーネント内で実装される、条項181から183のいずれかに記載の装置。
187.第1のピクセルのセットのうちの各ピクセル、及び、第1のピクセル制御部材のセットのうちの対応するピクセル制御部材は、別々のコンポーネント内で実装される、条項181から183のいずれかに記載の装置。
188.信号は、第1のビームレットを整形するための電界を生成するために、関連するピクセルをトリガする、条項181から187のいずれかに記載の装置。
189.第1のピクセルのセットは、整形された第1のビームレットを反射させるように更に構成される、条項181から187のいずれかに記載の装置。
190.信号は、関連するピクセルが、第1のビームレットの負に帯電した粒子を反射すること、又は第1のビームレットから正に帯電した粒子を除去することを、実行可能にするために、負の電圧を含む、条項181から189のいずれかに記載の装置。
191.第1のピクセルのセットは、第1のビームレットから荷電粒子を除去するための傾斜されたピクセルのサブセットを備える、条項181から190のいずれかに記載の装置。
192.信号は、関連するピクセルが、第1のビームレットの正に帯電した粒子を反射すること、又は第1のビームレットから負に帯電した粒子を除去することを、実行可能にするために、正の電圧を含む、条項181から189のいずれかに記載の装置。
193.信号は、サンプルにわたるビームスキャンと同期的に、第1のビームレットのプロファイルを整形するために、AC電圧を備える、条項181から192のいずれかに記載の装置。
194.第2のピクセルのセットに近付く第2のビームレットを整形するように構成された第2のピクセルのセットと、
第2のピクセルのセットの各々にそれぞれ関連付けられた、第2のピクセル制御部材のセットであって、各ピクセル制御部材は、第2のビームレットを整形するために関連するピクセルに信号を適用するように配置及び構成される、第2のピクセル制御部材のセットと、
を更に備える、条項181から193のいずれか一項に記載の装置。
195.第1のピクセルのセット及び第2のピクセルのセットは、ミラープレートの一部である、条項194に記載の装置。
196.第1のピクセルのセット及び第2のピクセルのセットの各々は、矩形、六角形、又はリングセグメントピクセルのセットを含む、条項194に記載の装置。
197.第1のピクセルのセット及び第2のピクセルのセットは、正方形又は六角形のパターンで配置される、条項194から196のいずれかに記載の装置。
198.第1のピクセルのセットは、異なるサイズ及び形状のピクセルを含む、条項181に記載の装置。
199.第1のピクセルのセットはプレート型部材上に配設され、プレート型部材は湾曲しており、プレート型部材の湾曲は機械的アクチュエータによって調整される、条項181に記載の装置。
200.第1のピクセル制御部材のセットは、第1のビームレットを整形するために、負の電圧、ゼロ、又は正の電圧を印加するように構成される、条項181に記載の装置。
201.第1のピクセルのセットは、第1のビームレットに関連付けられた荷電粒子の着地エネルギーに基づいて調整されるように構成された、電圧分布を有する、条項181に記載の装置。
202.第1のピクセルのセットは、第1のビームレットに関連付けられた荷電粒子の電流に基づいて調整されるように構成された、電圧分布を有する、条項181に記載の装置。
203.第1のピクセルのセットは、サンプルにおける着地角度に基づいて調整されるように構成された、電圧分布を有する、条項181に記載の装置。
204.第1のピクセルのセットは、サンプルにおける電界の大きさに基づいて調整されるように構成された、電圧分布を有する、条項181に記載の装置。
205.荷電粒子ビームレットを操作するためのシステムであって、
荷電粒子のビームレット源、及び、
ビームレットを受け取るように配置され、ビームレットを整形するように構成された、プログラム可能荷電粒子ミラープレート、
を備える、システム。
206.荷電粒子のビームレット源、及び、
ビームレットを受け取るように配置され、ビームレットを整形するように構成された、プログラム可能荷電粒子ミラープレート、
を更に備える、条項205に記載のシステム。
207.誘導されたビームレットに影響を与えるように構成された複数の電極、及び、
複数の電極の各々にそれぞれ関連付けられた複数のドライバであって、各ドライバは調整可能電圧を提供するように構成された、複数のドライバ、
を更に備える、条項205に記載のシステム。
208.調整可能な励起に結合され、誘導されたビームレットに影響を与えるように構成された、複数の電磁光学素子、及び、
複数の電磁光学素子の各々にそれぞれ関連付けられた複数のドライバであって、各ドライバは対応する電磁光学素子の励起を調整するように構成される、複数のドライバ、
を更に備える、条項205に記載のシステム。
209.ビームレットをプログラム可能荷電粒子ミラープレートに誘導するように構成された、光学素子を更に備え、
プログラム可能荷電粒子ミラープレートは、整形されたビームレットを光学素子に誘導するように更に構成可能である、
条項205に記載のシステム。
210.光学素子は複数のビームレットを受信及び誘導するように構成され、プログラム可能荷電粒子ミラープレートは複数のビームレットを受信及び反射するように配置された、条項209に記載のシステム。
211.プログラム可能荷電粒子ミラープレートはミラープレート内に複数の制御されたピクセルを有し、複数のビームレットの各々は、対応するビームレットを整形するように構成された関連する制御されたピクセルのセットに対応する、条項205に記載のシステム。
212.荷電粒子のビームレットを整形するための方法であって、方法は、
光学素子を使用して、荷電粒子の第1のビームレットを荷電粒子ミラープレートに向けて誘導すること、及び、
電界を生成するために荷電粒子ミラープレートの第1のピクセルのセットに信号を提供することによって、及び、整形されたビームレットを反射することによって、荷電粒子ミラープレートを使用して、第1のビームレットを整形すること、
を含む、方法。
213.整形されたビームレットが光学素子に誘導される、条項212に記載の方法。
214.光学素子を使用して、荷電粒子の第2のビームレットを荷電粒子ミラープレートに向けて誘導すること、及び、
電界を生成するために荷電粒子ミラープレートの第2のピクセルのセットに信号を提供することによって、及び、整形されたビームレットを光学素子に反射することによって、荷電粒子ミラープレートを使用して、第2のビームレットを整形すること、
を更に含む、条項212に記載の方法。
215.荷電粒子のビームレットを整形するための方法を装置に実行させるために、装置のコントローラによって実行可能な命令のセットを記憶する、非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法は、
光学素子を使用して、荷電粒子の第1のビームレットを荷電粒子ミラープレートに向けて誘導すること、及び、
電界を生成するために荷電粒子ミラープレートの第1のピクセルのセットに信号を提供することによって、及び、整形されたビームレットを光学素子に反射することによって、荷電粒子ミラープレートを使用して、第1のビームレットを整形すること、
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
216.命令のセットは、
光学素子を使用して、荷電粒子の第2のビームレットを荷電粒子ミラープレートに向けて誘導すること、及び、
電界を生成するために荷電粒子ミラープレートの第2のピクセルのセットに信号を提供することによって、及び、整形されたビームレットを光学素子に反射することによって、荷電粒子ミラープレートによって、第2のビームレットを整形すること、
を、装置に更に実行させるために、装置のコントローラによって実行可能である、
条項215に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
217.装置であって、
エネルギーの広がりを減少させるために電磁エネルギーを吸収することによって、吸収コンポーネントに近付くビームレットを操作するように構成された、吸収コンポーネント、及び、
ビームレットを整形するように構成されたミラープレートであって、ミラープレートは吸収コンポーネントに埋め込まれるか又は結合される、ミラープレート、
を備える、装置。
218.吸収コンポーネントは、
電磁エネルギーを吸収ように構成された、吸収構造のセット、及び、
吸収構造のセットに埋め込まれるか又は結合された透明導体層であって、透明導体層はミラープレートの頂部に配設される、透明導体層、
を備える、条項217に記載の装置。
219.吸収構造のセットは、ビームレットのエネルギーの広がりを減少させるために、形状及び寸法を選択すること、及び、吸収構造の間のピッチを改変することによって、調節可能である、条項218に記載の装置。
220.吸収構造のセットは複数のグラフェンフレークを含む、条項218に記載の装置。
221.吸収構造のセットは金属要素を含む、条項218に記載の装置。
222.吸収構造のセットは、金属要素と複数のグラフェンフレークとの組み合わせを含む、条項218に記載の装置。
223.透明導体層は誘電材料を含む、条項218に記載の装置。
224.透明導体層は透明導電材料を含む、条項218に記載の装置。
225.透明導電材料は、透明導体層上に衝突するビームレットの迷走電子を吸収構造から遠くへ導き、吸収コンポーネントの帯電を回避する、条項219に記載の装置。
226.ミラープレートは、
ピクセルのセットに近付くビームレットを整形するように構成されたピクセルのセット、及び、
ピクセルのセットの各々にそれぞれ関連付けられた、ピクセル制御部材のセットであって、各ピクセル制御部材は、ビームレットを整形するために関連するピクセルに信号を適用するように配置及び構成される、ピクセル制御部材のセットと、
を備える、条項217に記載の装置。
227.ピクセルのセットは、ピクセルのセットの上方のビームレットに関連付けられた荷電粒子の反射に基づいて調整されるように構成された、電圧分布を有する、条項226に記載の装置。
228.ビームレットは収差の減少を生じさせるように整形される、条項226に記載の装置。
229.信号は、ビームレットを整形するための電界を生成するために、関連するピクセルをトリガする、条項226に記載の装置。
230.ピクセルのセットは、整形及び操作されたビームレットを反射するように更に構成される、条項226に記載の装置。
231.ピクセルのセットのうちの各ピクセルは対応する吸収コンポーネントを有する、条項226に記載の装置。
232.荷電粒子ビームレットを操作するためのシステムであって、
荷電粒子のビームレット源、及び、
エネルギーの広がりを減少させるために、電磁エネルギーを吸収することによって、吸収コンポーネントに近付くビームレットを操作するように構成された吸収コンポーネント、
を備える、システム。
233.ビームレットを受け取るように配置され、ビームレットを整形するように構成された、プログラム可能荷電粒子ミラープレートであって、ミラープレートは吸収コンポーネントに埋め込まれるか又は結合される、プログラム可能荷電粒子ミラープレート、
を更に備える、条項232に記載のシステム。
234.ビームレットを吸収コンポーネントに誘導するように構成された、第1の光学素子を更に備え、
吸収コンポーネントは、操作されたビームレットを第1の光学素子に誘導するように更に構成可能である、条項232及び233のいずれか一項に記載のシステム。
235.第1の光学素子は、複数のビームレットを受け取り及び誘導するように構成され、吸収コンポーネントは複数のビームレットを受け取り及び反射するように配置される、条項234に記載のシステム。
236.第1の光学素子は、操作されたビームレットを吸収コンポーネントから別の方向に誘導するように更に構成可能である、条項234に記載のシステム。
237.ビームレットをプログラム可能荷電粒子ミラープレートに誘導するように構成された、第2の光学素子を更に備え、
プログラム可能荷電粒子ミラープレートは、整形されたビームレットを第2の光学素子に誘導するように更に構成可能である、
条項233から236のいずれか一項に記載のシステム。
238.第2の光学素子は、複数のビームレットを受け取り及び誘導するように構成され、プログラム可能荷電粒子ミラープレートは、複数のビームレットを受け取り及び反射するように配置される、条項237に記載のシステム。
239.第2の光学素子は、整形されたビームレットをプログラム可能荷電粒子ミラープレートから別の方向に誘導するように更に構成可能である、条項237に記載のシステム。
240.第2の光学素子は第1の光学素子からアップストリームに位置決めされる、条項237に記載のシステム。
241.第1の光学素子は第2の光学素子からアップストリームに位置決めされる、条項237に記載のシステム。
242.荷電粒子のビームレットを操作するための方法であって、方法は、
光学素子を使用して、荷電粒子のビームレットを荷電粒子ミラープレート及び吸収コンポーネントを備える構造に向けて誘導すること、
ビームレットのエネルギーの広がりを減少させるために、吸収コンポーネントの吸収構造を使用することによって、吸収コンポーネントを使用してビームレットを操作すること、及び、
電界を生成するために荷電粒子ミラープレートのピクセルのセットに信号を提供することによって、及び、整形及び操作されたビームレットを反射することによって、荷電粒子ミラープレートを使用して、ビームレットを整形すること、
を含む、方法。
243.整形及び操作されたビームレットが光学素子に誘導される、条項242に記載の方法。
244.荷電粒子のビームレットを操作するための方法であって、方法は、
ビームレットのエネルギーの広がりを減少させるために、吸収コンポーネントの吸収構造を使用することによって、吸収コンポーネントを使用してビームレットを操作すること、及び、
電界を生成するために荷電粒子ミラープレートのピクセルのセットに信号を提供することによって、及び、整形されたビームレットを反射することによって、荷電粒子ミラープレートを使用して、ビームレットを整形すること、
を含む、方法。
245.第1の光学素子を使用して、荷電粒子のビームレットを吸収コンポーネンに向けて誘導することを更に含む、条項244に記載の方法。
246.ビームレットを操作することは、操作されたビームレットを第1の光学素子に反射することを含む、条項245に記載の方法。
247.第1の光学素子を使用して、吸収コンポーネントから受け取ったビームレットをダウンストリームコンポーネントに向けて誘導することを更に含む、条項246に記載の方法。
248.第2の光学素子を使用して、ビームレットを荷電粒子ミラープレートに向けて誘導することを更に含む、条項245から246のいずれか一項に記載の方法。
249.第2の光学素子は第1のセパレータからダウンストリームにある、条項248に記載の方法。
250.整形されたビームレットは第2の光学素子に反射される、条項248に記載の方法。
251.第2の光学素子を使用して、整形されたビームレットを別のダウンストリームコンポーネントに向けて誘導することを更に含む、条項248に記載の方法。
252.別のダウンストリームコンポーネントは第1の光学素子を備える、条項251に記載の方法。
253.荷電粒子のビームレットを操作するための方法を装置に実行させるために、装置のコントローラによって実行可能な命令のセットを記憶する、非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法は、
光学素子を使用して、荷電粒子のビームレットを荷電粒子ミラープレート及び吸収コンポーネントを備える構造に向けて誘導すること、
ビームレットのエネルギーの広がりを減少させるために、吸収コンポーネントの吸収構造を使用することによって、吸収コンポーネントを使用してビームレットを操作すること、及び、
電界を生成するために荷電粒子ミラープレートのピクセルのセットに信号を提供することによって、及び、整形及び操作されたビームレットを反射することによって、荷電粒子ミラープレートを使用して、ビームレットを整形すること、
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
254.荷電粒子のビームレットを操作するための方法を装置に実行させるために、装置のコントローラによって実行可能な命令のセットを記憶する、非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法は、
ビームレットのエネルギーの広がりを減少させるために、吸収コンポーネントの吸収構造を使用することによって、吸収コンポーネントを使用してビームレットを操作すること、及び、
電界を生成するために荷電粒子ミラープレートのピクセルのセットに信号を提供することによって、及び、整形されたビームレットを反射することによって、荷電粒子ミラープレートを使用して、ビームレットを整形すること、
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【0119】
[00138] 特定の実施形態の前述の説明は、本発明の全体的性質を十分に明らかにしているので、当技術分野の知識を適用することにより、過度の実験をせず、本発明の全体的な概念から逸脱することなく、このような特定の実施形態を容易に変更及び/又はこれを様々な用途に適応させることができる。したがって、このような適応及び変更は、本明細書に提示された教示及び案内に基づき、開示された実施形態の同等物の意味及び範囲に入るものとする。本明細書における表現又は用語は、限定の為ではなく説明のためのものであり、本明細書の用語又は表現は、教示及び案内に照らして当業者によって解釈されるべきものであることを理解されよう。
【国際調査報告】