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特表2022-520394抑制制御を伴うタングステンフィーチャ充填
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-30
(54)【発明の名称】抑制制御を伴うタングステンフィーチャ充填
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/285 20060101AFI20220323BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20220323BHJP
   H01L 21/8242 20060101ALI20220323BHJP
   H01L 27/11582 20170101ALI20220323BHJP
   H01L 27/11597 20170101ALI20220323BHJP
   H01L 27/11556 20170101ALI20220323BHJP
【FI】
H01L21/285 C
H01L21/88 B
H01L27/108
H01L27/11582
H01L27/11597
H01L27/11556
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547160
(86)(22)【出願日】2020-02-13
(85)【翻訳文提出日】2021-10-08
(86)【国際出願番号】 US2020018103
(87)【国際公開番号】W WO2020168071
(87)【国際公開日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】62/805,197
(32)【優先日】2019-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・ツン-ハン
(72)【発明者】
【氏名】バウズ・マイケル
(72)【発明者】
【氏名】リュー・ギャン
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラシェカー・アナンド
【テーマコード(参考)】
4M104
5F033
5F083
【Fターム(参考)】
4M104AA01
4M104BB18
4M104BB30
4M104FF18
4M104GG09
4M104GG14
5F033HH19
5F033HH33
5F033JJ19
5F033MM13
5F033PP06
5F033VV16
5F083GA01
5F083GA05
5F083GA25
5F083GA27
5F083JA19
5F083JA39
5F083JA40
5F083KA01
5F083KA02
5F083PR21
5F083PR40
(57)【要約】
【解決手段】半導体製造における選択的抑制制御のためのシステムおよび方法が提供される。例示的な方法は、1つ以上のフィーチャ開口部と、フィーチャ内部とを有するフィーチャを含む基板を提供することを含む。フィーチャ内部の表面上に核形成層が形成される。差異的抑制プロファイルに基づいて、核形成層の表面上に非コンフォーマルバルク層が選択的に形成されて、非コンフォーマルバルク層によって覆われている核形成層の領域と、覆われていない核形成層の領域とになる。核形成層の覆われている領域と覆われていない領域に、抑制層が選択的に形成される。差異的抑制プロファイルに従って、フィーチャ内にタングステンが堆積される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理における選択的抑制制御のための方法であって、
1つ以上のフィーチャ開口部と、フィーチャ内部とを有するフィーチャを含む基板を提供することと、
前記フィーチャ内部の表面上に核形成層を形成することと、
差異的抑制プロファイルに基づいて、前記核形成層の表面上に非コンフォーマルバルク層を選択的に形成して、前記非コンフォーマルバルク層によって覆われている前記核形成層の領域と、覆われていない前記核形成層の領域とにすることと、
前記核形成層の前記覆われている領域および前記覆われていない領域に抑制層を選択的に形成することと、
前記差異的抑制プロファイルに従って、前記フィーチャ内にタングステンを選択的に堆積させることと、を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記フィーチャ内部の前記表面上に形成された前記核形成層はコンフォーマル核形成層である、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記核形成層の前記覆われている領域は、前記フィーチャ内部の上部領域を含む、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、前記フィーチャ内部の前記上部領域は、前記コンフォーマル核形成層と前記抑制層との間に形成された前記非コンフォーマルバルク層の外面の境界に対応する、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記核形成層の前記覆われている領域は前記フィーチャの開いた入口に隣接している、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記核形成層の前記表面上に前記非コンフォーマルバルク層を選択的に形成することは、前記核形成層の前記覆われている領域または前記覆われていない領域に前記抑制層を適用する前に、前記核形成層に前記バルク層を適用することを含む、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記フィーチャ内部の上部領域における前記バルク層上に前記抑制層を形成することと、前記フィーチャ内部の中間領域における前記核形成層の前記覆われている領域に前記抑制層を形成することと、を更に含む方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記フィーチャ内部の抑制不要下部領域に抑制層を形成しないことを更に含む、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であって、前記中間領域において前記抑制層が前記核形成層上に直に載っているように、前記非コンフォーマルバルク層を前記中間領域に形成しないことを更に含む、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、前記非コンフォーマルバルク層に対する前記抑制層の差異的効果は比較的強く、
前記核形成層に対する前記抑制層の前記差異的効果は比較的弱い、方法。
【請求項11】
メモリおよび少なくとも1つのプロセッサを含むシステムであって、前記プロセッサは、前記メモリ内の命令によって、基板処理における選択的抑制制御のための方法において作業を実施および制御するように構成され、前記基板は、1つ以上のフィーチャ開口部と、フィーチャ内部とを有するフィーチャを含み、前記作業は、少なくとも、
前記フィーチャ内部の表面上に核形成層を形成することと、
差異的抑制プロファイルに基づいて、前記核形成層の表面上に非コンフォーマルバルク層を選択的に形成して、前記非コンフォーマルバルク層によって覆われている前記核形成層の領域と、覆われていない前記核形成層の領域とにすることと、
前記核形成層の前記覆われている領域および前記覆われていない領域に抑制層を選択的に形成することと、
前記差異的抑制プロファイルに従って、前記フィーチャ内にタングステンを選択的に堆積させることと、を含むシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、前記フィーチャ内部の前記表面上に形成された前記核形成層はコンフォーマル核形成層である、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、前記核形成層の前記覆われている領域は、前記フィーチャ内部の上部領域を含む、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであって、前記フィーチャ内部の前記上部領域は、前記コンフォーマル核形成層と前記抑制層との間に形成された前記非コンフォーマルバルク層の外面の境界に対応する、システム。
【請求項15】
請求項11に記載のシステムであって、前記核形成層の前記覆われている領域は前記フィーチャの開いた入口に隣接している、システム。
【請求項16】
請求項11に記載のシステムであって、前記核形成層の前記表面上に前記非コンフォーマルバルク層を選択的に形成することは、前記核形成層の前記覆われている領域または前記覆われていない領域に前記抑制層を適用する前に、前記核形成層に前記バルク層を適用することを含む、システム。
【請求項17】
請求項11に記載のシステムであって、前記作業は、前記フィーチャ内部の上部領域における前記バルク層上に前記抑制層を形成することと、前記フィーチャ内部の中間領域における前記核形成層の前記覆われている領域に前記抑制層を形成することと、を更に含む、システム。
【請求項18】
請求項17に記載のシステムであって、前記フィーチャ内部の抑制不要下部領域に抑制層を形成しないことを更に含む、システム。
【請求項19】
請求項17に記載のシステムであって、前記中間領域において前記抑制層が前記核形成層上に直に載っているように、前記非コンフォーマルバルク層を前記中間領域に形成しないことを更に含む、システム。
【請求項20】
請求項11に記載のシステムであって、前記非コンフォーマルバルク層に対する前記抑制層の差異的効果は比較的強く、
前記核形成層に対する前記抑制層の前記差異的効果は比較的弱い、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権の主張]
本出願は、2019年2月13日に出願された米国特許出願第62/805,197号の優先権の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は一般に、強化された抑制制御を伴うタングステンフィーチャ充填に関し、特に半導体製造における基板処理に関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書で提供される「背景技術」の記載は、本開示の文脈を概略的に提示することを目的としている。本明細書の「背景技術」に記載されている範囲における、本明細書にて名前を挙げた発明者の業績、ならびに、出願時点で先行技術と見なされないかも知れない本明細書の態様は、明示的にも暗黙的にも本開示に対する先行技術として認められていない。
【0004】
コンタクト、ビア、プラグなどの導電性フィーチャをチップ上の形成するために、タングステン蒸着が使用される。これらのフィーチャは小さく、多くの場合、狭く、ごく少量の金属だけを使用するので、デバイスの抵抗を最小限に抑え、そして完全に充填することは難しい場合がある。ナノスケールの寸法では、フィーチャにおけるわずかな欠陥でさえデバイス性能に影響を与える、またはチップを故障させる可能性がある。
【0005】
半導体製造業者が、より小さなテクノロジーノードに移行するにつれて、タングステンコンタクト・メタライゼーションプロセスは、先端デバイスの消費電力削減および高速化に関する要件を満足させるためにコンタクト抵抗を最小限に抑えるなどの、スケーリングおよびインテグレーションにおける非常に大きな挑戦に直面している。ナノスケール構造では、従来の化学蒸着(CVD)を使用したタングステン(W)の完全な充填は、従来のバリアフィルムと堆積技術に起因するオーバーハングにより限定されている。この結果、完全な充填が行われ得る前にフィーチャ開口部が閉じられ、ボイド、より高い抵抗、および接触不良につながり得る。完全に充填された小さなフィーチャであっても、タングステンの含有量が少なく、その結果、接触抵抗が高くなる。先端のメモリおよびロジックのフィーチャには、バルクタングステンの抵抗率を低減させながら、完全で欠陥のないタングステン充填を可能にする堆積技術が必要である。コンタクト充填の改善およびコンタクト抵抗の削減のために、厚さが薄い場合には、バリアの良好なステップカバレッジおよび抵抗の低減が必要である(物理蒸着/CVDによるバリアフィルムと比較して)。
【0006】
CVD技術を使用する導電性材料の堆積は、多くの半導体製造プロセスの不可欠な部分である。これらの材料は、水平インターコネクト、隣接する金属層間のビア、第1の金属層とシリコン基板上のデバイスとの間のコンタクト、および高アスペクト比のフィーチャに使用されてよい。従来のタングステン堆積プロセスでは、基板が堆積チャンバ内で所定のプロセス温度まで加熱され、シード層または核形成層として機能するタングステン含有材料の薄い層が堆積される。その後、残りのタングステン含有材料(バルク層)が核形成層上に堆積される。通常、タングステン含有材料は、六フッ化タングステン(WF6)を水素(H2)で還元することにより形成される。タングステン含有材料は、フィーチャおよびフィールド領域を含む基板の露出された表面区域全体にわたって堆積される。
【0007】
タングステン含有材料を、小さく、特に高アスペクト比のフィーチャに堆積させると、充填されたフィーチャの内側にシームおよびボイドが形成される場合がある。大きなシームは、高抵抗、汚染、充填された材料の損失につながり、そうでない場合は集積回路の性能を低下させる場合がある。例えば、シームは、充填プロセス後にフィールド領域の近くまで延び、次いで化学機械平坦化(CMP)中に開く場合がある。
【発明の概要】
【0008】
いくつかの方法の実施例では、基板処理における選択的抑制制御のための方法は、1つ以上のフィーチャ開口部と、フィーチャ内部とを有するフィーチャを含む基板を提供することと、フィーチャ内部の表面上に核形成層を形成することと、差異的抑制プロファイルに基づいて、核形成層の表面上に非コンフォーマルバルク層を選択的に形成して、非コンフォーマルバルク層によって覆われている核形成層の領域と、覆われていない核形成層の領域とにすることと、核形成層の覆われている領域および覆われていない領域に抑制層を選択的に形成することと、差異的抑制プロファイルに従ってフィーチャにタングステンを選択的に堆積させることと、を含む。
【0009】
いくつかの例では、フィーチャ内部の表面上に形成された核形成層は、コンフォーマル核形成層である。
【0010】
いくつかの例では、核形成層の覆われている領域は、フィーチャ内部の上部領域を含む。
【0011】
いくつかの例では、フィーチャ内部の上部領域は、コンフォーマル核形成層と抑制層との間に形成された非コンフォーマルバルク層の外面の境界に対応する。
【0012】
いくつかの例では、核形成層の覆われている領域は、フィーチャの開いた入口に隣接している。
【0013】
いくつかの例では、核形成層の表面上に非コンフォーマルバルク層を選択的に形成することは、核形成層の覆われている領域または覆われていない領域に抑制層を適用する前に、核形成層にバルク層を適用することを含む。
【0014】
いくつかの例では、例示的な方法は、フィーチャ内部の上部領域におけるバルク層上に抑制層を形成することと、フィーチャ内部の中間領域における核形成層の覆われている領域に抑制層を形成することと、を更に含む。
【0015】
いくつかの例では、例示的な方法は、フィーチャ内部の抑制不要下部領域に抑制層を形成しないことを更に含む。
【0016】
いくつかの例では、例示的な方法は、中間領域において抑制層が核形成層上に直に載っているように、非コンフォーマルバルク層を中間領域に形成しないことを更に含む。
【0017】
いくつかの例では、非コンフォーマルバルク層に対する抑制層の差異的効果は比較的強いが、核形成層に対する抑制層の差異的効果は比較的弱い。
【0018】
いくつかのシステム例では、システムは、メモリと、少なくとも1つのプロセッサとを含み、プロセッサは、メモリ内の命令によって、基板処理における選択的抑制制御のための方法において作業を実施および制御するように構成され、基板は、1つ以上のフィーチャ開口部と、フィーチャ内部とを有するフィーチャを含み、作業は、少なくとも、フィーチャ内部の表面上に核形成層を形成することと、差異的抑制プロファイルに基づいて、核形成層の表面上に非コンフォーマルバルク層を選択的に形成して、非コンフォーマル層によって覆われている核形成層の領域と、覆われていない核形成層の領域とにすることと、核形成層の覆われている領域および覆われていない領域に抑制層を選択的に形成することと、差異的抑制プロファイルに従ってフィーチャにタングステンを選択的に堆積させることと、を含む。システムの更なる特徴は、上で更に要約された例示的な方法のうちの1つ以上の作業を含んでよい。
【0019】
更なる例では、非一時的機械可読媒体が命令を含んでよく、命令は機械によって読み取られると、上で概説された、または本明細書の他の箇所で概説された例示的な方法の作業のうちの1つ以上を機械に実行させる。
【0020】
いくつかの実施形態は、添付図面の図において例として示しており、限定として示すものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1A図1Aは、本明細書に記載されるプロセスにより充填され得る構造の例を示す。
図1B図1Bは、本明細書に記載されるプロセスにより充填され得る構造の例を示す。
図1C図1Cは、本明細書に記載されるプロセスにより充填され得る構造の例を示す。
図1D図1Dは、本明細書に記載されるプロセスにより充填され得る構造の例を示す。
図1E図1Eは、本明細書に記載されるプロセスにより充填され得る構造の例を示す。
図1F図1Fは、本明細書に記載されるプロセスにより充填され得る構造の例を示す。
図1G図1Gは、本明細書に記載されるプロセスにより充填され得る構造の例を示す。
【0022】
図1H図1Hは、シリコン基板内にbWL(bWL)を含むダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)アーキテクチャの概略的な例を示す。
【0023】
図1I図1Iは、DRAM bWLに典型的な充填されていない、および充填された狭い非対称トレンチ構造を示す。
【0024】
図1J図1Jは、ギャップ充填中のラインベンディング現象を示す。
【0025】
図1K図1Kは、タングステン-タングステン結合半径rの関数としての原子間力を示すグラフである。
【0026】
図2図2は、例示的実施形態による、2つのフィーチャの概略図を示す。
【0027】
図3図3は、例示的実施形態による、フィーチャ進行中のフィーチャの概略図を示す。
【0028】
図4図4は、例示的実施形態による、成長プロファイルのグラフを示す。
【0029】
図5図5は、例示的実施形態による、例示的な方法における例示的な作業を示す。
【0030】
図6図6は、フィーチャ充填の様々な段階でのフィーチャを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下の記載は、本開示の例示的実施形態を具体化するシステム、方法、および技術を含む。以下の記載には、説明の目的で、例示的実施形態の完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細が記述されている。しかしながら、これらの具体的な詳細がなくても、本発明の主題を実施し得ることが当業者には明白であろう。
【0032】
本特許文書の開示の一部は、著作権保護の対象である資料を含む。著作権所有者は、特許商標庁の特許ファイルまたは記録に記載されている特許文書または特許開示の、何人による複製にも異議を唱えないが、それ以外の場合、一切の著作権を留保する。後述するソフトウェアおよびデータ、ならびに本明細書の一部を構成する図面に、次の告知が適用される:Lam Research Corporation 2019-2020,All Rights Reserved。
【0033】
本明細書に記載されているのは、フィーチャをタングステンで充填する方法、ならびに関連するシステムおよび装置である。用途の例には、ロジックおよびメモリのコンタクト充填、DRAM bWL充填、垂直統合メモリゲート/ワードライン充填、およびシリコン貫通ビア(TSV)による3次元(3D)集積化が含まれる。本明細書に記載の方法は、タングステンビアなどの垂直フィーチャ、および垂直NAND(VNAND)ワードラインなどの水平フィーチャを充填するために使用できる。本方法は、コンフォーマル充填、およびボトムアップ充填またはインサイドアウト充填に使用されてよい。本明細書では、文脈が別段の指示をしない限り、層とフィルムという用語は同じ意味で用いられる。
【0034】
様々な実施形態によれば、フィーチャは、狭いおよび/または内側にへこんだ開口部、フィーチャ内のくびれ、および高アスペクト比のうちの1つ以上によって特徴付けることができる。充填され得るフィーチャの例を図1A図1Cに示す。図1Aは、タングステンで充填される垂直フィーチャ101の断面図の例を示す。フィーチャは、基板103内にフィーチャ孔105を含み得る。基板は、シリコンウェハ、例えば、200mmウェハ、300mmウェハ、または450mmウェハであってよく、1層以上の材料層、例えば、誘電性、導電性、または半導電性の材料がその上に堆積されたウェハを含む。いくつかの実施形態では、フィーチャ孔105は、少なくとも約2:1、少なくとも約4:1、少なくとも約6:1、またはそれを超えるアスペクト比を有してよい。フィーチャ孔105はまた、開口部の近くの寸法、例えば、開口部の直径または線幅が、約10nm~500nm(例えば、約25nm~300nm)であってよい。フィーチャ孔105は、充填されていないフィーチャまたは単にフィーチャと呼ばれ得る。フィーチャおよび任意のフィーチャは、フィーチャの長さにわたって延びる軸118によって部分的に特徴付けられてよく、垂直方向のフィーチャは垂直軸を有し、水平方向のフィーチャは水平軸を有する。
【0035】
図1Bは、内側にへこんだプロファイルを有するフィーチャ101の例を示す。内側にへこんだプロファイルは、フィーチャ底部、閉じた端部、または内部から、フィーチャ開口部まで狭くなっているプロファイルである。様々な実施形態によれば、プロファイルは、徐々に狭くなってよく、および/またはフィーチャ開口部においてオーバーハングを含んでよい。図1Bは後者の例を示し、下層113がフィーチャ孔105の側壁または内部表面を裏打ちしている。下層113は、例えば、拡散バリア層、接着層、核形成層、これらの組み合わせ、または任意の他の適用可能な材料であり得る。下層113がフィーチャ101の内側よりもフィーチャ101の開口部の近くの方が厚くなるように、下層113はオーバーハング115を形成している。
【0036】
いくつかの実施形態では、フィーチャ内に1つ以上のくびれを有するフィーチャが充填されてよい。図1Cは、くびれを有する様々な充填されたフィーチャの描画の例を示す。図1Cにおける例(a)、(b)、および(c)のそれぞれが、フィーチャ内の中間点にくびれ109を含む。くびれ109は、例えば、幅が約15nm~20nmであり得る。従来技術を使用した、フィーチャ内へのタングステンの堆積中に、くびれの先のフィーチャの部分が充填される前に、堆積されたタングステンが更なる堆積をブロックして、くびれがピンチオフを生じさせる可能性があり、その結果、フィーチャにボイドが生じる。例(b)は、フィーチャ開口部におけるライナー/バリアのオーバーハング115を更に含む。このようなオーバーハングもまた、潜在的なピンチオフポイントになり得る。例(c)は、例(b)のオーバーハング115よりもフィールド領域から更に離れたくびれ112を含む。以下で更に説明するように、本明細書で説明する方法は、図1Cに示すようなボイドのない充填を可能にする。
【0037】
3Dメモリ構造におけるような水平フィーチャも充填できる。図1Dは、くびれ151を含むVNAND構造148におけるワードライン150の例を示す。いくつかの実施形態では、くびれは、VNANDまたは他の構造におけるピラーの存在に起因し得る。例えば、図1Eは、VNAND構造におけるピラー125の平面図を示し、図1Fは、ピラー125の断面図の簡略化された概略図を示す。図1Eにおける矢印は堆積材料を表し、区域127とガス入口または他の堆積ソースとの間にピラー125が配置されると、隣接するピラーがくびれを生じさせ、それにより、区域127のボイドなし充填において課題を提示する可能性がある。
【0038】
図1Gは、例えば、くびれ151を含むVNANDまたはピラーの他の構造の水平フィーチャの描画の別の例を提供する。図1Gの例はオープンエンドであり、矢印で示すように、堆積される材料が2つの側面から横方向に入ることができる。(図1Gにおける例は、構造の3Dフィーチャの2次元(2D)レンダリングと見ることができ、図1Gは、充填される区域の断面図であり、図におけるピラーのくびれが、断面図ではなく平面図において見えるであろうくびれを表すことに留意すべきである。)いくつかの実施形態では、3D構造は、3次元に沿って延びる充填される区域(例えば、図1Fの例におけるX、Y、およびZ方向)で特徴付けることができ、1次元または2次元に沿って延びる孔またはトレンチを充填するよりも、充填に関してより多くの課題を提示し得る。例えば、堆積ガスが複数の次元からフィーチャに入り得るので、3D構造の充填を制御することが困難な可能性がある。
【0039】
タングステン含有材料でフィーチャを充填することにより、充填されたフィーチャの内側にボイドおよびシームが形成される場合がある。ボイドとは、フィーチャ内で充填されないままの領域である。ボイドは、例えば、堆積された材料がフィーチャ内にピンチポイントを形成し、フィーチャ内の充填されていない空間を密閉し、反応物質の侵入および堆積を防止するときに形成される可能性がある。
【0040】
ボイドおよびシームの形成には、複数の潜在的な原因がある。ひとつは、タングステン含有材料、またはより典型的には、拡散バリア層または核形成層などの他の材料、の堆積中に、フィーチャ開口部の近くに形成されるオーバーハングである。図1Bに一例を示す。
【0041】
図1Bには示されていないが、シーム形成またはシーム拡大につながり得るボイドまたはシーム形成の別の原因は、フィーチャ孔の湾曲した(または曲がった)側壁であり、これは曲がったフィーチャとも呼ばれる。曲がったフィーチャでは、開口部の近くのキャビティの断面寸法は、フィーチャの内側の断面寸法よりも小さい。曲がったフィーチャにおける、このようなより狭い開口部の影響は、上述したオーバーハングの問題にある程度は似ている。図1C図1D、および図1Gに示すようなフィーチャ内のくびれも、ボイドおよびシームを殆ど伴わない、または全く伴わないタングステン充填に対して課題を提示する。
【0042】
ボイドのない充填が実現された場合でも、フィーチャ内のタングステンが、軸を通るシーム、またはビア、トレンチ、ラインもしくは別のフィーチャの中央を通るシームを含む場合がある。これは、タングステンの成長が側壁で始まり、結晶粒が、反対側の側壁から成長するタングステンと出会うまで続き得るからである。このシームは、フッ化水素酸(HF)などのフッ素含有化合物を含む不純物のトラップを許容し得る。CMPの間、コアリング(coring)がシームから伝搬する可能性もある。様々な実施形態によれば、本明細書に記載の方法は、ボイドおよびシームの形成を低減または排除できる。本明細書に記載の方法はまた、以下のうちの1つ以上に対処し得る:
【0043】
1)非常に挑戦的なプロファイル:ボイドのない充填は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第13/351,970号に記載されているような堆積-エッチ-堆積サイクルを使用して、大部分の内側にへこんだフィーチャで実現できる。しかしながら、寸法および形状に依存して、ボイドのない充填を実現するために、複数の堆積-エッチサイクルが必要になる場合がある。これが、プロセスの安定性とスループットに影響を与える可能性がある。本明細書に記載の実施形態は、堆積-エッチ-堆積サイクルの使用を少なくして、または全く使用せずに、フィーチャ充填を提供できる。
【0044】
2)小さなフィーチャおよびライナー/バリアの影響:フィーチャのサイズが非常に小さい場合、下層のライナー/バリアの完全性に影響を与えずにエッチングプロセスを調整することは非常に難しい可能性がある。場合によっては、おそらくエッチング中の不動態化TiFx層の形成に起因する、断続的なTiアタックが、W選択的エッチング中に生じる可能性がある。
【0045】
3)W粒界での散乱:フィーチャの内側に複数のW結晶粒が存在すると、粒界散乱に起因して電子損失が生じる可能性がある。その結果、実際のデバイス性能は、理論的予測およびブランケットウェハの結果と比較して劣化することになる。
【0046】
4)W充填用のビア容積の低減:特に小さく新しいフィーチャでは、金属コンタクトのかなりの部分がWバリア(TiN、WNなど)によって占有される。これらのフィルムは典型的には、Wよりも抵抗率が高く、接触抵抗などの電気的特性に悪影響を及ぼす。
【0047】
特定の実施形態が、メモリデバイス内にタングステンワードラインを形成するための方法および関連する装置に関する。図1Hは、シリコン基板9内にbWL11を含むDRAMアーキテクチャの概略的な例を示す。bWLは、シリコン基板9内にエッチングされたトレンチ内に形成される。トレンチを裏打ちしているのは、コンフォーマルバリア層12、およびコンフォーマルバリア層12とシリコン基板9との間に配置された絶縁層13である。図1Hの例では、絶縁層13は、酸化ケイ素材料または窒化ケイ素材料などの高k誘電体材料から形成されたゲート酸化物層であってよい。コンフォーマルバリア層の例には、タングステン含有層および窒化チタン(TiN)が含まれる。タングステン含有コンフォーマルバリア層は、米国特許出願第15/051,561号に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0048】
DRAM bWLトレンチ用の従来の堆積プロセスは、トレンチを歪ませて、最終的なトレンチ幅およびRsを大幅に不均一にする傾向がある。図1Iは、DRAM bWLに典型的な充填されていない、および充填された狭い非対称トレンチ構造を示す。充填されていないフィーチャが隣接しており、概ねV字型であり、傾斜した側壁を有する。フィーチャは、フィーチャの底部からフィーチャの上部に向かって広がっている。タングステン充填後、過酷なラインベンディングが観察されている。特定の理論によって拘束されるわけではないが、トレンチの対向する表面間の凝集力により、トレンチの側面が引っ張り合っていると考えられている。この現象は図1Jに示され、フィーチャを「ファスナーで締める(zipping up)」として特徴付けてよい。フィーチャが充填されると、フィーチャの中心軸からより大きな力が作用し、ラインベンディングを生じさせる。図1Kは、タングステン-タングステン結合半径rの関数としての原子間力を示す。図から分かるように、rの特定の値において凝集力が存在する。いくつかの実施形態では、ピッチ(フィーチャの中心軸で見たフィーチャ間の距離)は、50nm未満、40nm未満、または30nm未満である。
【0049】
従来の抑制技術は、ボイド形成の問題を完全には解決していない。例えば、図6は、例えば、金属窒化物または他のバリア層であり得る下層113を含むフィーチャ孔105の例を示す。タングステン層653が、例えば、パルス核形成層(PNL)法および/またはCVD法によって、フィーチャ孔10内にコンフォーマルに堆積される。(図6の例では、タングステン層653がフィーチャ孔105内にコンフォーマルに堆積されているが、他のいくつかの実施形態では、タングステン層653の選択的堆積の前に、下層113上でのタングステン核形成が選択的に抑制できることに留意されたい。)次いで、タングステン層653上への更なる堆積が選択的に抑制され、フィーチャ開口部の近くにタングステン層653の抑制部分655が形成される。次いで、タングステンがフィーチャの底部および中間部の近くに優先的に堆積されるような抑制プロファイルに従って、PNL法および/またはCVD法によってタングステンが選択的に堆積される。いくつかの実施形態では、フィーチャが充填されるまで、1つ以上の選択的抑制サイクルにより堆積が継続する。上述したように、いくつかの実施形態では、堆積時間を十分に長くすることにより、フィーチャ上部での抑制効果に打ち勝つことができる一方で、いくつかの実施形態では、フィーチャ開口部での堆積が望まれる場合、フィーチャ開口部におけるパシベーションを低減または除去するために、追加の核形成層堆積または他の処理が実行されてよい。いくつかの実施形態では、フィーチャ充填は、図6に示すシーム657などのシームの形成を依然として含んでよいことに留意されたい。図6の例で示すシーケンスは、CMP後に、比較的小さなボイドがまだ存在している状態で終了してよい。
【0050】
図2は、2つのフィーチャ202および204の概略図を示す。フィーチャ202は内側にへこんだ形状を有し、フィーチャ204はV字形の形状を有する。フィーチャ202および204は、超低応力堆積条件のみによる堆積を使用して形成された。低流量レベルのフッ化タングステン(WF6)および高温において、フィールド付近のWF6の枯渇により、図示するようにボイド206および208が発生している。そのようなボイド206および208を解決する試みには、抑制、および抑制前駆体ガスの使用が含まれる。そのような技術の1つは、抑制化学強化(inhibition chemistry enhancement)、すなわちICEとして知られている。
【0051】
図3を参照すると、フィーチャ進行中のフィーチャ302の概略図が示されている。最初に、第1の堆積(dep1)によりコンフォーマル核形成(nuc)層304が形成される。図示するように、コンフォーマル抑制(またはICE)層306が、核形成層304の上部領域308上に形成される。第2の堆積(またはdep2)が、非コンフォーマルバルク層310を形成して、右に示す完成したフィーチャ302が得られる。抑制ICE層306は、バルクレイター310の成長を抑制して、充填(例えば、W充填)中にトレンチ316の入口(または制限部)312を開いたままにすることを意図している。この効果は差異化ICE効果と表現することもできる。抑制層306の差異的効果にも関わらず、それでもやはりボイド314が形成された。
【0052】
選択的不動態化、差異的抑制、または差異的不動態化とも呼ばれる選択的抑制は、フィーチャの一部分において以降のタングステン核形成を抑制する一方で、フィーチャの残りの部分での核形成を抑制しない(または核形成の抑制の程度を減らさない)ことを伴う。例えば、いくつかの実施形態では、フィーチャは、フィーチャ開口部で選択的に抑制される一方で、フィーチャの内側での核形成は抑制されない。選択的抑制は、例えば、フィーチャの一部分をプラズマの活性化された化学種に選択的に曝露させることを含み得る。特定の実施形態では、例えば、フィーチャ開口部は、分子窒素ガスから生成されたプラズマに選択的に曝露される。フィーチャにおける所望の抑制プロファイルは、抑制化学種、基板バイアス電力、プラズマ電力、プロセス圧力、曝露時間、および他のプロセスパラメータのうちの1つ以上を適切に選択することにより形成できる。抑制プロファイルの形成および差異的抑制に関する更なる態様は、米国特許出願第15/640,940号に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0053】
上述したように、フッ化タングステン(WF6)の流量レベルが低く温度が高いと、WF6が枯渇する。WF6が枯渇した環境では、典型的には、その入口312でのバルク層310の急速な形成に耐える、またはそれを抑制する、強力なコンフォーマルなICE層306が必要となり、その結果、入口312は空いたままであって充填物を受け入れ、トレンチ316を完全に充填することが可能になる。しかし、図3の例では、十分な抑制(または望ましい抑制プロファイル)が生じていない。図示する入口312は不十分な形態で閉じられ、ボイド314が形成されており、これは充填物がボイドまで到達しないことに起因する。そのようなボイドは、デバイス性能に著しい悪影響を与え得ることが理解されるであろう。ボイド314を回避することは、非常に大きなアスペクト比を有するフィーチャの形成、およびディープトレンチ、ビアなどの充填において、特に問題となる可能性がある。
【0054】
いくつかの要因に基づいて、所望の抑制プロファイルが構築されてよい。要因には、とりわけ、所与の抑制層が成長を遅延させる効果、抑制層が適用される、下にある核形成層または堆積層の性質(例えば、コンフォーマリティ)または状態(例えば、応力)、およびチャンバ処理条件が含まれてよい。
【0055】
例えば、図4のグラフ400を参照すると、2つのフィルムの成長プロファイルを表す2つのグラフ直線402および404が観察され得る。グラフ400のy軸は、堆積作業中(例えば、(dep2)中)における、フィルムの最終的なスタック高さまたは厚さ(THK)をオングストローム(A)で示す。x軸は、堆積中における、対応するCVD時間を秒で示す。直線402または404の傾き(Δy/Δx)は、フィルムの成長速度(すなわち、時間経過に伴う厚さ成長速度)を表すと見なしてよい。
【0056】
直線402は、熱抑制層(ICE)を核形成層(nuc)のみに適用することによって形成された例示的なフィルムについての成長プロファイルを表す。例示的な直線402は、グラフ400において、y=29.815x-2521.5、として数学的に表されてよい。対照的に、直線404は、熱抑制層(ICE)をバルク層(または、クールフィルム(CF))に適用することによって形成された例示的なフィルムについての成長プロファイルを表す。例示的な直線404は、グラフ400において、y=29.134x-2829.6、として数学的に表されてよい。
【0057】
直線404(すなわち、フィルム成長プロファイルを表す)が、直線402と比較して、グラフ400において右に「シフト」している(または少なくともそのように見える)ことが分かるであろう。実際、それぞれのフィルムの成長速度(勾配)が実質的に同じではあるものの、直線404の状況で形成されたフィルムは、直線402のフィルムと同じ高さに到達するには、より長い時間を要した(「遅延」があった)。換言すれば、x軸上の同じ経過時間に対して、線404のフィルムの厚さは、線402のフィルムの厚さから遅れている。遅れが存在した、または厚さに「差」が存在した。図示する例では、「差」は約500~1000Aとして表されてよい。例えば、フィーチャの内部にある複数の抑制層が互いに向き合っている場合、差異的効果(または抑制プロファイル)は、それに応じて増加してよい、または強化されてよい。例えば、トレンチの両側で互いに向き合う2つの層の間の「差」(または抑制プロファイル)は、各層が同じ抑制を受けている場合、2倍になった(すなわち、1000~2000A、またはそれ以上)と見なされる場合がある。
【0058】
したがって、線402および404の例で使用された抑制層の抑制または「差異的効果」は、この例では、主に、抑制層が適用されたフィルムの性質およびタイプ(すなわち、核形成対バルク)に基づいて異なっている。本開示の実施例に適合する、改善された選択的抑制を適宜使用して、高アスペクトのフィーチャおよび成長プロファイルが形成されてよい。いくつかの実施例は、充填作業中に、およびいくつかの実施例では、ボイドの完全な除去中に、フィーチャ内での充填材料に対する自由な通過の維持を含む。これに関しては図5を参照されたい。図5は、本開示の例示的な方法における例示的な作業を示す。ここでは、作業506~510の図に示す様々なフェーズでフィーチャ504を形成するために、トレンチ502が充填される。最初に、トレンチ502の内部表面上にコンフォーマル核形成層512が形成される。次いで、作業506では、図示するように、トレンチ502の上部領域516における核形成層512上に非コンフォーマルバルク層514が形成される。上部領域516は、トレンチ502の開いた入口に隣接しており、これは上述したように、通常は閉じる傾向があってよく、それにより、完全な充填が許容されず、フィーチャ504内にボイドが形成される。非コンフォーマルバルク層514の形成は、最初の非コンフォーマル堆積フェーズ(dep1、作業506)で生じ得る。トレンチ502の開いた入口に隣接する基板フィールド上に、わずかな程度のオーバーバーデン518が現れる場合がある。抑制層を適用する前に、非コンフォーマルバルク層514が核形成層512上に適用される。
【0059】
作業508において、図示するように、抑制層520が、非コンフォーマルバルク層514上およびトレンチ502の内部表面に適用される。図示する例では、抑制層520は、トレンチの上部領域516における非コンフォーマルバルク層514およびトレンチの中間領域522における核形成層512に適用されるが、トレンチ502の抑制不要下部領域524における核形成層512には適用されない。
【0060】
図示するように、トレンチ502の上部領域516は、コンフォーマル核形成層512と抑制層520との間に挟入された非コンフォーマルバルク層514の外面の境界に対応する。中間領域522では、非コンフォーマルバルク層514(または任意の層)は形成されておらず、抑制層520は、核形成層512上に直に載っている。上述した図4から分かるように、バルク層に対する抑制層の差異的効果は強いが、核形成層に対する抑制層の抑制効果は比較的弱い。
【0061】
作業510では、トレンチは、その後に続く堆積作業(例えば、非コンフォーマルdep2)で充填される。図示する例では、トレンチの入口に隣接する、上部領域516における抑制層520の強力な抑制効果により、入口は開いたままである。(例えば)dep2の間、その領域では、非コンフォーマルバルクフィルムはゆっくりと成長するが、中間領域522の下側の抑制が弱いゾーンでは、フィルムは比較的速く成長する。入口に隣接するフィルムの成長は、上で更に説明した形態で「遅延」する。差異的抑制(または成長プロファイル)は、充填物がトレンチ502の底部に到達して、実質的にボイドのない一体となったフィーチャ504を形成することを可能にする。したがって、少なくともいくつかの例では、抑制層が適用される前の、フィーチャの内側での最初の非コンフォーマルバルク層の選択的形成により、フィーチャ内での抑制または差異的効果が強化されて、ボイドのない充填が提供され得る。
【0062】
したがって、いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のフィーチャ開口部と、フィーチャ内部とを有するフィーチャを含む基板を提供することと、フィーチャ内部の表面上に核形成層を形成することと、差異的抑制プロファイルに基づいて、核形成層の表面上に非コンフォーマルバルク層を選択的に形成して、非コンフォーマルバルク層によって覆われている核形成層の領域と、覆われていない核形成層の領域とにすることと、核形成層の覆われている領域および覆われていない領域に抑制層を選択的に形成することと、差異的抑制プロファイルに従ってフィーチャにタングステンを選択的に堆積させることと、を含んでよい。
【0063】
特定の例示的実施形態を参照して実施形態について説明してきたが、これらの実施形態に対して、本開示および本発明の請求の範囲のより広い範囲から逸脱することなく、様々な変更および変形を行ってよいことが明らかであろう。それに応じて、本明細書および図面は、制限的な意味というよりも例証と見なされることを意図している。本明細書の一部を形成する添付の図面は、主題が実施され得る特定の実施形態を、限定ではなく例示として示す。示される実施形態は、本明細書で開示される教示を当業者が実施することを可能にするのに十分に詳細に説明されている。構造的および論理的置換および変更を、本開示の範囲から逸脱することなく行ってよいように、他の実施形態を利用し、そこから導出してよい。したがって、この「発明を実施するための形態」は限定的な意味で解釈されるべきではなく、様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲と、そのような特許請求の範囲が権利を有する等価物の全範囲とによってのみ規定される。
【0064】
本発明の主題のそのような実施形態は、本明細書において、単に便宜上、用語「発明」によって、個別におよび/または集合的に言及される場合があり、1つ以上の発明または発明概念が開示されている場合は、本出願の範囲を、任意の単一の発明または発明概念に自発的に限定することは意図しない。したがって、本明細書では特定の実施形態を図示し説明してきたが、同じ目的を達成するために企図された任意の構成を、示された特定の実施形態の代わりに使用してよいことを理解されたい。本開示は、様々な実施形態の任意のおよび全ての適合形態または変形形態を網羅することを意図している。上記の実施形態の組み合わせ、および本明細書に具体的に記載されていない他の実施形態が、上記の明細書を検討することで当業者には明らかであろう。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図1J
図1K
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】