(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-06
(54)【発明の名称】サセプタ温度に局所的に影響を及ぼす手段を有するCVDリアクタ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20220330BHJP
C23C 16/46 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
H01L21/31 B
C23C16/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547239
(86)(22)【出願日】2020-02-10
(85)【翻訳文提出日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 EP2020053289
(87)【国際公開番号】W WO2020169385
(87)【国際公開日】2020-08-27
(31)【優先権主張番号】102019104433.2
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502010251
【氏名又は名称】アイクストロン、エスイー
(74)【代理人】
【識別番号】100095267
【氏名又は名称】小島 高城郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124176
【氏名又は名称】河合 典子
(72)【発明者】
【氏名】ラウフファー、ペーター・ゼバルト
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030AA05
4K030AA11
4K030FA10
4K030GA06
4K030GA09
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5F045AA03
5F045AC15
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(57)【要約】
本発明は、少なくとも1つの基板を保持するための、加熱装置13により加熱可能であり回転駆動部20により回転軸Aの周りで回転駆動されるサセプタ5を用いた基板の熱処理装置及び方法に関する。手段14、14’、15、16が、回転するサセプタ5上の局所的温度差を均一化するためにサセプタ5の回転運動と同期した局所的に限定された態様でサセプタ5への又はそれからの熱移動に影響するために設けられる。特に、熱伝導特性を変える温度制御ガスが周期的なパルスの態様で供給孔14’を通ってサセプタ5と冷却ユニット30との間のギャップ10に周期的に供給される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の熱処理のための装置であって、
加熱装置(13)により加熱可能でありかつ回転駆動部(20)によりサセプタ回転軸(A)の周りで回転可能であると共に、少なくとも1つの基板を受容するための少なくとも1つの基板ホルダー(7)を有するサセプタ(5)と、
局所的に限定された態様でかつ前記サセプタ(5)の回転運動と同期して前記サセプタ(5)の温度に影響を及ぼすための手段(14、14’)と、を備えた、前記装置において、
前記手段が、前記サセプタ(5)と温度制御ユニットとの間に配置された媒体の熱伝導特性を、周期的なパルスの態様で変化させることを特徴とする装置。
【請求項2】
基板の熱処理のための方法であって、サセプタ(5)が、少なくとも1つの基板を担持し、加熱装置(13)により加熱され、かつ回転軸(A)の周りで回転駆動され、前記サセプタ(5)の温度が、局所的に限定された箇所にて回転運動と同期して影響される、前記方法において、
前記サセプタ(5)と温度制御ユニットとの間に配置された媒体の熱伝導特性が、局所的に、かつ周期的なパルスの態様で変化させられることを特徴とする方法。
【請求項3】
基板の熱処理のための装置であって、
加熱装置(13)により加熱可能でありかつ回転駆動部(20)によりサセプタ回転軸(A)の周りで回転可能なサセプタ(5)であって、前記サセプタ回転軸(A)に対して偏心して配置され基板ホルダー回転軸(B)の周りで回転可能でありかつ少なくとも1つの基板を受容するための少なくとも1つの基板ホルダー(7)を担持する前記サセプタ(5)と、
熱影響ゾーン(17)の領域内にて前記サセプタ(5)と温度制御ユニットとの間に配置された媒体の熱伝導特性に影響を及ぼすための手段(14、14’)と、を備えた前記装置において、
前記熱影響ゾーン(17)が、前記サセプタ回転軸(A)に関して、前記基板ホルダー回転軸(B)の軌道の半径方向内側若しくは外側又は軌道上において前記サセプタ回転軸(A)の周りに配置された領域であることを特徴とする装置。
【請求項4】
基板の熱処理方法であって、サセプタ(5)が、サセプタ回転軸(A)の周りで回転駆動されると共に前記サセプタ回転軸(A)に対して偏心して配置された少なくとも1つの基板ホルダー(7)を担持し、前記基板ホルダー(7)は、基板ホルダー回転軸(B)の周りで回転すると共に少なくとも1つの基板を担持しており、手段(14、14’)により、熱影響ゾーン(17)の領域内にて、前記サセプタ(5)と温度制御ユニットとの間に配置された媒体の熱伝導特性が影響される、前記方法において、
前記熱影響ゾーン(17)が、前記サセプタ回転軸(A)に関して、前記基板ホルダー回転軸(B)の軌道の半径方向内側若しくは外側又は軌道上において前記サセプタ回転軸(A)の周りに配置された領域であることを特徴とする方法。
【請求項5】
前記サセプタ(5)における局所的に限定された熱影響ゾーン(17)では、前記サセプタ(5)の周期、前記サセプタ(5)の周期より短い時間、又は長い時間のいずれかで周期的に、前記サセプタ(5)における隣接する領域におけるよりもより多くの熱が供給されるか又は除去されること、又は、そのための手段が設けられていることを特徴とする請求項1若しくは3に記載の装置又は請求項2若しくは4に記載の方法。
【請求項6】
前記温度制御ユニットが冷却ユニット(30)であり、かつ/又は、前記温度制御ユニットがRF誘導コイル(13)の冷却ダクトにより形成されており、前記RF誘導コイル(13)により電磁交番場が生成され、前記電磁交番場が導電性材料からなる前記サセプタ(5)に渦電流を誘導して加熱することを特徴とする前出請求項の1つに記載の装置又は方法。
【請求項7】
供給開口(14’)を通って、サセプタ(5)と温度制御ユニット又は冷却ユニット(30)との間のギャップ(10)に、周期的なパルスの態様で又は一定流量で温度制御ガスが供給されること、及び/又は、周期的に変化する熱伝導特性をもつ温度制御ガスが、サセプタ(5)と温度制御ユニットとの間のギャップ(10)に供給されること、及び/又は、前記供給開口(14’)にてガス供給管(14)が開口しており、前記ガス供給管(14)に、切換バルブ(28)を用いて高い熱伝導率をもつガス又は低い熱伝導率をもつガスが供給可能又は供給されることを特徴とする前出請求項の1つに記載の装置又は方法。
【請求項8】
恒常的なパージガスの第1のガス流(S1)が流れる前記ギャップ(10)が、前記加熱装置(13)と前記サセプタ(5)の下面との間に配置されたシールプレート(8)により形成され、前記第1のガス流(S1)に温度制御ガスである第2のガス流(S2)が供給され、前記第1のガス流(S1)と前記第2のガス流(S2)が、基板を支持する基板ホルダー(7)と加熱装置(13)との間に第3のガス流(S3)を形成し、前記第3のガス流(S3)の流速は、前記基板ホルダー(7)の半径方向外側周縁における前記サセプタ(5)の周速度よりも大きいことを特徴とする前出請求項の1つに記載の装置又は方法。
【請求項9】
周期的なパルスの態様で熱が供給され又は除去される複数の熱影響ゾーン(17)が設けられており、前記熱影響ゾーン(17)は、前記サセプタ(5)の中心に関して互いに異なる方位角に配置され、かつ/又は、前記サセプタ(5)の中心に関して異なる半径方向距離に配置されていることを特徴とする前出請求項の1つに記載の装置又は方法。
【請求項10】
周期的なパルスの態様で熱を供給され又は除去される少なくとも1つの熱影響ゾーン(17)が、前記サセプタ(5)の中心の周りの円周領域に配置されており、その領域内に複数の基板ホルダーが配置されていることを特徴とする前出請求項の1つに記載の装置又は方法。
【請求項11】
前記熱影響ゾーン(17)が、前記軸(A)の周りの最大90度、60度、45度、30度、又は15度の角度範囲に限定されていることを特徴とする前出請求項の1つに記載の装置又は方法。
【請求項12】
前記サセプタ(5)の表面の温度を計測するために熱影響ゾーンの半径方向外側及び/又は半径方向内側に配置された温度計測点(31、31’)を特徴とする前出請求項の1つに記載の装置又は方法。
【請求項13】
前記温度制御ガスが、前記サセプタ回転軸(A)に関して、半径方向内向き又は半径方向外向きに流れることを特徴とする前出請求項の1つに記載の装置又は方法。
【請求項14】
複数の供給開口(14’)が、前記サセプタ回転軸(A)に関して互いに異なる半径方向距離に設けられており、任意に、1又は複数の供給開口(14’)により1又は複数の温度制御ガスを供給可能であることを特徴とする前出請求項の1つに記載の装置又は方法。
【請求項15】
1又は複数の前出請求項に記載の特徴的な構成を特徴とする装置又は方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの基板を受容するべく、加熱装置により加熱されかつ回転駆動装置により回転軸の周りで回転駆動されるサセプタを備えた、基板の熱処理のための装置に関する。
【0002】
本発明は、サセプタが少なくとも1つの基板を担持し、加熱装置により加熱されかつ回転軸の周りで回転駆動される、基板の熱処理方法に関する。
【背景技術】
【0003】
特許文献1は、回転軸の周りで回転するサセプタが、パルス状のレーザービームを用いて局所的に限定された熱を供給される装置及び方法を記載している。
【0004】
上述したタイプの装置及び方法は、特許文献2からも知られている。このタイプの装置は、プロセスチャンバを収容する気密性のハウジングを有するCVDリアクタにより具現化される。プロセスチャンバの床は、回転軸の周りで回転駆動されるサセプタにより形成されている。サセプタ上では、中央のガス入口部材の周囲に基板ホルダーが円周方向に均一に配置されており、基板ホルダーは、それぞれ基板を担持すると共に、パージガス流により回転駆動されて浮遊状態に維持される。サセプタは、冷却手段で冷却された誘導コイルである加熱装置の上方で回転する。サセプタの下面の温度は、第1のパイロメーターにより計測される。基板ホルダー上に載置された基板の温度は、第2のパイロメーターにより計測される。誘導コイルは高周波磁場を生じ、それがグラファイト製のサセプタの内部に渦電流を生じさせることによって、サセプタをプロセス温度に加熱することができる。製造上の欠陥のために、サセプタの材料は均一に分布した導電性を有しないので、導電性の低い領域と高い領域が形成される。そのため、サセプタに誘起される渦電流は、局所的に異なる電気抵抗に抗することになるので、サセプタの発熱は局所的に異なることになる。サセプタ内の温度差は、650℃の平均温度で5~8Kとなる。基板が配置されたサセプタ上面の横方向の温度プロフィールをできるだけ均一にすることが技術的課題となっている。
【0005】
特許文献3から、加熱装置とサセプタの下面との間のギャップに、高い熱伝導特性のガスと低い熱伝導特性のガスの混合ガスを供給することができるCVDリアクタが知られている。
【0006】
先行技術には、以下の特許文献4~10が含まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第8,249,436 B2号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10 2009 044276号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第10 2011 055 061号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第10 2005 056 536号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第10 2009 043 960号明細書
【特許文献6】独国特許出願公開第10 2011 053498号明細書
【特許文献7】独国特許出願公開第10 2013 109 155号明細書
【特許文献8】独国特許出願公開第10 2017 105 333号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2018/0182635号明細書
【特許文献10】米国特許第5 468 299号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、サセプタの局所的な温度差を補償する手段を特定するという課題に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、特許請求の範囲に示された発明によって解決され、従属項は、従属項に示された発明の有利なさらなる発展を示すだけでなく、課題の独立した解決手段でもある。
【0010】
第1に、本質的に、少なくとも1つの局所的に限定された熱影響ゾーンにおいて、サセプタへの熱流又はサセプタからの熱流を、周期的なパルスの態様で変化させる手段が設けられることが提案される。その手段は、サセプタの回転運動と同期して動作する。本発明による方法を用いて、サセプタから又はサセプタへの熱伝導が、局所的に限定されると共に、サセプタの回転運動と同期して影響される。熱影響を受けるゾーンは、装置のハウジングに対して局所的に静止した位置にある。熱影響ゾーンが延在する方位角範囲は、サセプタの基板ホルダーが占めているサセプタの回転中心の周りの角度範囲よりも小さいことが好ましい。
回転するサセプタの熱影響ゾーンに熱を供給し又は除去するパルスの周期は、サセプタ材料の局所的により高い導電性のために十分に加熱されない箇所でのみ、すなわち低温箇所でのみ、熱が回転するサセプタに伝達されるように、選択される。
その装置は、サセプタの局所的な回転角を検知可能な回転角検知システムと相互作用する制御システムを有する。制御装置は、例えば、サセプタの各回転中に常に同じ箇所が熱に曝されるように、熱の影響をサセプタの回転運動と同期させる。ハウジングに対して静止した位置にある熱流は、サセプタの各回転中に、サセプタの同じ熱影響ゾーンに影響を与えることが好ましい。
本発明によれば、熱影響ゾーンの領域において、媒体の熱伝導特性を周期的に変化させることが提案される。特に、媒体が、サセプタと温度制御ユニットとの間に延在することが提供される。特に好ましくは、熱影響ゾーンの領域において、サセプタと冷却ユニットとの間に配置された物質の熱伝導特性が、周期的なパルスの態様で影響されることが提案される。その場合、パルスの周期はサセプタの一回転の周期であり、かつ、パルス幅は回転周期よりも短い。
このために、特に、サセプタと温度制御ユニットとの間に、パージガスが流れるギャップが設けられている。1又は複数の局所的な供給開口をギャップに設けることができ、それを通って温度制御ガスがギャップに供給される。ギャップを通って、第1の熱伝導率を有する恒常的なパージガスが流れることができる。供給開口を通って、周期的なパルスの態様で局所的に限定された第2のパージガスが供給され、それは第1のパージガスとは異なる熱伝導率を有する。
ギャップを通って流れる恒常的な第1のパージガスが水素、すなわち高い熱伝導率をもつガスであり、そして供給開口を通って窒素、すなわち低い熱伝導率をもつガスが供給されることが、特に提供される。しかしながら、例えばヘリウムとアルゴンである別のガスのペアを使用することもできる。
冷却ユニットは、サセプタを加熱するための液冷式誘導コイルにより形成されることが好ましい。特に、サセプタの延在平面に対して平行な平面に螺旋状に配置された誘導コイルにより、グラファイト又は別の熱伝導性材料で作製されたサセプタの内部に渦電流を発生させる。渦電流の局所的な大きさは、サセプタの材料の僅かに変化する熱伝導率に依存するため、誘導コイルにより発生する電磁交番場は、サセプタ内に局所的に変化するエネルギーの流れを生じさせ、その結果、局所的な温度差が生じる。
温度制御ガスが供給される上述したギャップを形成するために、サセプタと誘導コイルとの間にサセプタの下面に対して僅かなギャップ間隔で延在するプレートを設けることができる。先行技術では、拡散バリアを形成するためにこのようなギャップを設けている。パージガス流は、半径方向内側から半径方向外側に配置されたガス出口部材に向かってギャップを通って流れるので、サセプタの上方に配置されたプロセスチャンバに供給されたプロセスガスが、誘導コイルの配置された領域に入ることを防ぐことができる。
恒常的なガス流により形成されたこの拡散バリアに、温度制御ガスが供給される。パージガスがギャップを流れる流速は、基板ホルダーの半径方向外側周縁の位置におけるサセプタの周速度よりも大きい。ギャップを通るパージガス流量は非常に大きいので、サセプタが熱影響ゾーンを通過するときにギャップにおいて完全なガス交換が行われる。
温度制御ガスを周期的に切り換える替わりに、一定のガス流が供給開口を通して流れるようにすることもでき、そのガス流は、バルブにより制御された第1のガス又は第2のガスのガス流のいずれかである。このために、供給開口にガス供給管が開口している場合、バルブにより制御されてそのガス供給管に高い熱伝導率を有するガス又はより低い熱伝導率を有するガスのいずれかが供給されることが特に有利である。
本発明のさらなる進展において、複数の熱影響ゾーンが、サセプタの回転軸と一致するサセプタの中心の周りに周方向に配置されることが提案される。しかしながら、これと組み合わせて又はこれとは別個に、複数の熱影響ゾーンが、サセプタの回転中心に関して、半径方向に互いに前後して配置されることも提供できる。その場合、それらの熱影響ゾーンは、輻射ヒーターにより熱が供給されているか、又は、熱伝導率が変化するゾーンである。
本発明のさらなる実施形態では、熱影響ゾーンが、基板ホルダーが配置されている円周ライン上に位置することが提供できる。その結果、回転する基板ホルダーの半径方向外側の領域のみが熱影響ゾーンにより影響を受けることによって、その計測により基板ホルダー上の温度プロフィールを決定することもできる。特に、熱輸送に影響を与える手段によって、基板ホルダーの半径方向外側周縁のみが影響を受けることが提供される。
特に、サセプタの下面でサセプタの表面温度を測定することができる温度計測点を、異なる半径方向位置に配置することができる。特に、熱影響ゾーンの半径方向内側及び半径方向外側に温度計測点を配置することが提供される。特に、サセプタの表面温度は、パイロメーターを用いて温度計測点で計測されることが提供される。このために特に、光導波路が使用されることが提供される。
【0011】
独立した特徴を有する本発明の変形形態によれば、基板ホルダー回転軸の周りで回転駆動される基板ホルダーにより担持される基板の半径方向の温度プロフィールに影響を与えるために、熱影響ゾーンが、回転駆動されるサセプタの中心の周りの基板ホルダー回転軸の軌道に対してオフセットして位置することが提案される。特に、熱影響ゾーンが、(サセプタの回転軸に関して)軌道の半径方向内側に、又は好ましくは軌道の半径方向外側に位置することが提案される。
特にここでは、熱伝導率が変化する媒体が、サセプタと温度制御ユニットとの間に位置するガスであり、温度制御ユニットとして冷却手段により冷却されるRF誘導コイルが用いられることが提供される。
さらなる変形形態では、熱影響ゾーンが、基板ホルダー回転軸の軌道上に正確に位置することが提供される。本発明のこの変形形態では、熱伝導特性を周期的なパルスの態様で変化させる必要がない。基板ホルダーが、正確に1つの円形の基板を担持し、その基板の中心が基板ホルダー回転軸に位置する場合、特に有利である。この変形形態では、基板の半径方向の温度プロフィールを決定することができる。
サセプタと温度制御ユニットとの間に配置された媒体の熱伝導特性に影響を与えるために、特に、軌道の半径方向外側に配置された、軌道の半径方向内側に配置された、又は軌道上に配置された、温度制御ガスのガス供給開口を通って、サセプタと温度制御ユニットとの間、又は、サセプタと、サセプタと温度制御ユニットとの間に配置されたプレートとの間のギャップに温度制御ガスが供給されることが提供される。
その場合、温度制御ガスの流れの方向が、半径方向において基板ホルダー回転軸の軌道から離れる方向とすることを提供できる。軌道の半径方向外側に配置されたガス供給開口の場合、その流れの方向は、半径方向外向きである。軌道の半径方向内側に配置されたガス供給開口の場合、その流れの方向は、半径方向内向きである。しかしながら、流れの方向は、ガス供給開口が軌道の半径方向内側にあるときでも(基板ホルダー回転軸に関して)半径方向外向きに向けることもできる。
これらの又は他の本発明の実施形態は、以下の図面に関してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、内部に配置されたサセプタ5を備えたCVDリアクタを縦断面で概略的に示している。
【
図2】
図2は、サセプタ5を備えた本発明の第1の例示的実施形態の、
図1による図を示している。
【
図3】
図3は、本発明の第1の例示的実施形態のサセプタ5の平面図を示している。
【
図4】
図4は、本発明の第2の例示的実施形態の
図1により表した図を示している。
【
図5】
図5は、本発明の第2の例示的実施形態のサセプタ5の平面図を示している。
【
図6】
図6は、サセプタ5上の熱影響ゾーンでの熱供給又は熱放散の、周期的なパルスの態様による影響の時間プロフィールを示す。
【
図7】
図7は、本発明の第3の例示的実施形態の
図2による図を示している。
【
図8】
図8は、本発明の第4の例示的実施形態の
図2による図を示している。
【
図9】
図9は、本発明の第5の例示的実施形態の
図2による図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
記載されているタイプのCVDリアクタ(
図1参照)は、気密性でステンレス鋼で作製でき冷却された壁を有することができるCVDハウジング1を備えている。特に、円筒形に形成することができる天井2、側壁3と、天井2に対向する床4とを有する。天井2、側壁3、及び床4は、冷却することができる。
【0014】
ガス入口部材6により、プロセスガスをプロセスチャンバに供給することができる。プロセスチャンバは、プロセスチャンバ天井11を上方の境界とし、サセプタ5を下方の境界とする。サセプタ5は、グラファイト又は類似の導電性材料で作製され、担持体12の周りで軸Aを中心に回転駆動することができる。このために、回転駆動部20が用いられる。図示しないロータリーエンコーダが設けられ、それを用いてサセプタ5の各回転角度位置を決定することができる。回転角は、図示しない制御システムに伝達される。
【0015】
サセプタ5の下方には、流体冷却される誘導コイルにより形成された加熱装置13が設けられている。加熱装置13によりRF磁場が生じ、それがサセプタ5の内部に渦電流を誘導する結果、サセプタをプロセス温度に加熱する。通常、プロセス温度は600℃~1000℃の間にある。
【0016】
プロセスチャンバに向いたサセプタ5の上面には、サセプタ5の中心の周りに周方向に配置された複数のポケット部があり、それらの中にそれぞれ基板ホルダー7を有する。基板ホルダー7は、プロセスチャンバに向いたその上面で基板を担持する。基板は、例えばIII主族の有機金属化合物及びV主族の水素化物であるプロセスガスの導入により、結晶性材料でコーティングすることができる。基板の表面温度は、第1のパイロメーター21により計測される。プロセスガスは、プロセスチャンバ内で半径方向外側に向かって流れ、サセプタ5を環状に囲むガス出口部材9により排出される。
【0017】
計測点31において第2のパイロメーター22により、サセプタ5の表面温度が計測される。第1のパイロメーター21及び第2のパイロメーター22により計測された温度計測値は、図示しない制御装置に伝達される。制御装置により、誘導コイル13に供給される電力が制御されることによって、基板温度又はサセプタ温度が設定値に維持される。
【0018】
サセプタ5に供給された熱エネルギーは、一方ではプロセスチャンバを通ってプロセスチャンバ天井2へ、又は半径方向に側壁3へと出て行く。しかしながら、サセプタ5からの最大の熱流は、誘導コイル13に流れる冷却水に入る。このように、誘導コイル13は、その冷却ダクト30によりサセプタ5から熱を取り出すための冷却ユニットを形成している。
【0019】
図2及び
図3に示された例示的実施形態では、サセプタ5の下方に配置されたシールプレート8によって、サセプタ5と加熱装置13との間にガス通過可能なギャップ10が形成されている。シールプレート8の半径方向外側の縁は、ガス出口部材9のステップ19により支持されている。拡散バリアを形成する第1のガス流S1が、半径方向内側からギャップ10に流入することができ、それにより、プロセスガスが、リアクタハウジングの誘導コイル13が配置されている領域に入ることを防ぐ。これには、通常、水素が用いられる。
【0020】
基板ホルダー7を有する円周ゾーンの半径方向内側の少なくとも1つの周方向位置には、ガス供給管14が開口する供給開口14’が設けられている。ガス供給管14により第2のガス流S2をギャップ10に供給することができる。この目的のために、窒素を用いることが好ましい。
図6に示すようなパルス状の窒素ガス流が、図示しないバルブを用いてギャップ10に供給されることによって、サセプタ5の回転運動と同期して、時間的に異なる伝熱抵抗をもつ温度制御ガスが、ギャップ10を通って基板ホルダー7の下を流れるようにすることもできる。ガス流S3は、2つのガス流S1及びS2により形成され、サセプタ5から冷却ユニット30への熱輸送に影響を及ぼす。ガス流S2がサセプタ5の回転運動と同期することによって、複数の基板ホルダー7のうちの特定の基板ホルダー7が、ガス流S2を有するガス流S3が流れる角度範囲を通って移動するときにのみ、ガス流S2としての窒素が水素ガス流S1と混合される。水素と比較して窒素の熱伝導率が低いため、この基板ホルダー7の下のサセプタ5から引き出される熱は、残りの基板ホルダー7の他の箇所よりも少ない。したがって、サセプタ5の局所的な冷スポットを補償することができる。この変形形態では、熱影響ゾーンが、サセプタ5の回転軸Aに関して所定の半径方向位置と、基板ホルダー回転軸Bに関してハウジング対し静止した方位角位置に設けられている。熱影響はサセプタ5の回転と同期しているので、熱影響ゾーン17もサセプタ5に対して静止している。なぜなら、同じ基板ホルダー7上の熱輸送はそれぞれ常に影響を受けているからである。
【0021】
図3及び
図4は、本発明の第2の例示的実施形態を示している。ここでは、先ず、切換バルブ27により水素又は窒素を任意にガス供給管14に供給できることが提供される。符号28及び29は、窒素ガス流又は水素ガス流を制御することができるマスフローコントローラを示す。バルブ27は、「バルブライン」の他のガス流を誘導する切換バルブとすることができる。
【0022】
このバルブ構成は、別の例示的実施形態により提供することができる。しかしながら、所定量の例えば窒素を、第2のガス流S2としてギャップ10に供給する1つのマスフローコントローラのみを設けることもできる。
【0023】
図3及び
図4に示された例示的実施形態ではさらに、供給開口14’が、基板ホルダー7が配置されている円周リングゾーンに位置しており、それらの基板ホルダー7は、それぞれガスクッション上で回転駆動されてサセプタ5の上面のポケット内に配置されている。供給開口14’は、特に、基板ホルダー7の中心に対して半径方向外向きにオフセットして位置するので、ギャップ10に供給される温度制御ガス及びそれにより形成されるガス流S3によって、基板ホルダー7の半径方向外側ゾーンのみが温度的影響を受ける。基板ホルダー7の回転運動のために、半径方向外側ゾーンはここで温度制御されることができ、よって温度プロフィールを生成することができる。
【0024】
例示的実施形態におけるガス流S3の流速は非常に大きいので、対応する短いパルス及び必要に応じて異なるパルス幅をもつ多数のパルスによって、各基板ホルダー7が個別に温度的影響を受けることができる。このために、基板ホルダー7の下方のガス流S3の流速は、サセプタ5の回転軸Aに関する基板ホルダー7の半径方向外側周縁での対応するサセプタの周速度よりも大きいことが好ましい。しかしながら、その流速は、この周速度の少なくとも2倍であることが好ましい。その流速S3は、約20cm/sであることが好ましい。
【0025】
図4はさらに、2つの温度計測点31、31’を示しており、温度計測点31は供給開口14’に対し半径方向内側に設けられ、そして温度計測点31’は供給開口14’に対し半径方向外側に設けられている。しかしながら、2つの温度計測点31、31’のこのような配置は、
図2及び
図3に示される別の実施形態でも設けることができる。特に、計測点31、31’で計測される温度がパイロメーターを用いて計測されることが提供される。このために、図示しないパイロメーターに接続された光導波路24、26が、パイプ23、25内で案内される。
【0026】
図7に示された例示的実施形態では、複数の熱影響ゾーン及び特に複数の供給開口14’が、サセプタ5の回転軸Aの周りに周方向に配置されており、その配置は均一に分布している。
【0027】
図8に示された例示的実施形態では、複数の熱影響ゾーン又は供給開口14’が示されており、それらはそれぞれ、基板ホルダー7が位置する円周ゾーンの中央に位置する半径位置に配置されている。しかしながら、そこに示された例示的実施形態の変形形態では、供給開口14’が、幾つかの基板ホルダー7の下方にのみ、又は、1つの基板ホルダー7の下方にのみ配置されることもできる。それに替えて、
図8に示す例示的実施形態では基板ホルダー回転軸の軌道上に示される供給開口14’を、半径方向にオフセットして配置することもできる。したがって、供給開口14’は、(サセプタ5の中心に関して)当該軌道の内側又は外側に位置することができる。1又は複数の供給開口14’から出て来る温度制御ガスの流れの方向は、(サセプタ回転軸に関して)半径方向内向き及び半径方向外向きの両方に向けることができる。
【0028】
図9に示された例示的実施形態では、複数の熱影響ゾーン又は供給開口14’が半径方向に互いに前後して配置されている。供給開口14’は、任意に稼動することができる。基板ホルダー7は、基板ホルダー回転軸の周りで回転可能であり、かつ、特に各々円盤形状の基板を1つだけ担持する。この例示的実施形態では、選択された供給開口14’から出て来る温度制御ガスのガス流が、非パルス状であること、すなわちサセプタの下面と加熱装置又は冷却ユニットとの間の介在空間に一定流量で出て来ることが提供される。しかしながら、この変形形態では、温度制御ガスを、サセプタの回転運動と同期させて、1又は複数の供給開口14’からパルス状に放出させることも可能である。しかしながら、ガス流を、供給開口14’を通して非パルス状に放出させることも可能である。供給開口14’から、異なるガス流及び/又は異なる種類のガスもまた、パルス状又は非パルス状に出て来ることができる。この目的のために、複数の供給開口14’が、(サセプタ5の中心に関して)円周方向にオフセットして配置されている場合、特に有利である。異なる供給開口14’を通して異なるガス又は異なるガスの混合物が、互いに異なるパルスレートで出て来ることも可能である。
【0029】
図10に示される例示的実施形態では、供給開口14’が、基板ホルダー7が位置する円周ゾーンにおける半径方向の最も外側の領域に配置されている。熱影響ゾーン又は供給開口14’は、ここでは、基板ホルダー7が配置されているゾーンの半径方向外側にさえ配置することができる。
【0030】
少なくとも1つの熱影響ゾーン17は、軸Aの周りの角度範囲に限定されている。この方位角範囲は、最大90、60、若しくは45度、又は、好ましくは最大30度、20度、若しくは15度である。
【0031】
図11に示された例示的実施形態は、実質的に
図4に示された例示的実施形態対応する。しかしながらここでは、供給開口14’が、基板ホルダー7がその周りで回転駆動される基板ホルダー回転軸Bよりも半径方向外側に位置することが提供される。このために、基板ホルダー7は、基板ホルダー7とサセプタ5との間の介在空間に回転運動をもたらすガスクッション上に置かれることにより、基板ホルダー7が回転するように構成されている。基板ホルダー7は、ここでは円形の基板を担持することが好ましい。ここでは、その中心点と回転軸Bとが一致していることが好ましい。
【0032】
供給開口14’を通ってギャップ10に供給されたガス流は、ギャップ10を外側に向かって流れる。ここではそのガスを、一定流量で、又は、サセプタ5の回転と同期してパルス状に供給することができる。
【0033】
光導波路24を配置することができるパイプ23を通して、例えば窒素とすることができる第1のガス流S1がギャップ10に供給される。サセプタ5の回転軸Aに関して、パイプ23は、基板ホルダーの回転軸Bの軌道よりも半径方向の内側に配置されている。この軌道の半径方向外側の領域に、異なる熱伝導率をもつ例えば水素であるガスを供給するための供給開口14’が配置されていることによって、ギャップ10における基板ホルダー7の半径方向外側の領域において、基板ホルダー回転軸Bが位置する中央領域とは異なる熱伝導特性が付与される。
【0034】
しかしながら、図示しない変形形態では、供給開口14’を、基板ホルダー7の回転軸Bの半径方向内側に、サセプタ5の回転軸Aに近い方に配置することができる。基板ホルダー7の回転軸Bは、リアクタハウジング1内のサセプタ5の回転軸の周りの円周軌道を描く。供給開口14’は、この軌道上に位置することもできる。
【0035】
以上の説明は、本願が対象とする発明を全体として説明するためのものであり、本願は、少なくとも以下の特徴の組み合わせによって先行技術をさらに進展させたものであり、これらの特徴の組み合わせのうち、2つ、複数、又はすべてを組み合わせることも可能である。
【0036】
その手段が、サセプタ5と温度制御ユニットとの間に配置された媒体の熱伝導特性を周期的なパルスの態様で変化させることを特徴とする装置。
【0037】
サセプタ5と温度制御ユニットとの間に配置された媒体の熱伝導特性が、局所的にかつ周期的なパルスの態様で変化することを特徴とする方法。
【0038】
熱影響ゾーン17が、サセプタ回転軸Aに関する、基板ホルダー回転軸Bの軌道の半径方向内側若しくは外側又は軌道上においてサセプタ回転軸Aの周りに配置された領域であることを特徴とする装置。
【0039】
熱影響ゾーン17が、サセプタ回転軸Aに関する、基板ホルダー回転軸Bの軌道の半径方向内側若しくは外側又は軌道上においてサセプタ回転軸Aの周りに配置された領域であることを特徴とする方法。
【0040】
サセプタ5における局所的に限定された熱影響ゾーン17では、サセプタ5の周期、サセプタ5の周期よりも短い時間、又は長い時間のいずれかで周期的に、サセプタ5における隣接する領域におけるよりもより多くの熱が供給されるか又は除去されること、又は、そのための手段が設けられていることを特徴とする装置又は方法。
【0041】
温度制御ユニットが、特にRF誘導コイル13の冷却ダクトにより形成された冷却ユニット30であり、RF誘導コイル13により電磁交番場が生成され、それが導電性材料からなる前記サセプタ5に渦電流を誘導して加熱することを特徴とする装置又は方法。
【0042】
供給開口14’を通って、サセプタ5と特に冷却ユニット30である温度制御ユニットとの間のギャップ10に、周期的なパルスの態様で又は一定流量で温度制御ガスが供給され、その場合特に、温度制御ガスが周期的に変化する熱伝導特性を有して供給されることが提供され、その場合特に、供給開口14’においてガス供給管14が開口し、その中に切換バルブ28により選択的に高い熱伝導率をもつガス又は低い熱伝導率をもつガスを供給可能又は供給されることを特徴とする装置又は方法。
【0043】
恒常的なパージガスの第1のガス流S1が流れるギャップ10が、加熱装置13とサセプタ5の下面との間に配置されたシールプレート8により形成されており、前記ギャップ10内で第1のガス流S1に、温度制御ガスである第2のガス流S2が供給され、その場合、第1のガス流と第2のガス流S2が、基板を載置するための基板ホルダー7と加熱装置13との間に第3のガス流S3を形成し、前記第3のガス流S3の流速は、基板ホルダー7の半径方向外側周縁上におけるサセプタ5の周速度より大きいことを特徴とする装置又は方法。
【0044】
周期的なパルスの態様で熱が供給され又は除去される複数の熱影響ゾーン17が設けられ、その場合、熱影響ゾーン17は、サセプタ5の中心に関して互いに異なる方位角に配置されており、かつ/又は、サセプタ5の中心に関して互いに異なる半径方向距離に配置されていることを特徴とする装置又は方法。
【0045】
周期的なパルスの態様で熱を供給され又は除去される少なくとも1つの熱影響ゾーン17が、サセプタ5の中心の周りの円周領域に配置されており、その領域内に複数の基板ホルダーが配置されていることを特徴とする装置又は方法。
【0046】
周期的なパルスの態様で熱を供給され又は除去される少なくとも1つの熱影響ゾーン17が、軸Aの周り最大90度、60度、45度、30度、又は15度の角度範囲に限定されることを特徴とする装置又は方法。
【0047】
サセプタ5の表面の温度を計測するために、熱影響ゾーンの半径方向外側及び/又は半径方向内側に配置された温度計測点31、31’を特徴とする装置又は方法。
【0048】
温度制御ガスが、サセプタ回転軸Aに関して半径方向内向き又は半径方向外向きの流れの方向を有することを特徴とする装置又は方法。
【0049】
複数の供給開口14’が、サセプタ回転軸Aに対して互いに異なる半径方向距離に設けられており、任意に、1又は複数の供給開口14’により1又は複数の温度制御ガスを供給することができることを特徴とする装置又は方法。
【0050】
開示された全ての特徴は、(それ自体のみでなく、互いに組み合わされて)本発明に不可欠である。関連/添付された優先権書類(先行出願のコピー)の開示内容も、これらの書類の特徴を本出願の請求項に含めることを目的として、本出願の開示に完全に含まれる。従属請求項は、特にこれらの請求項に基づいて分割出願を行うために、引用される請求項の特徴がなくても、先行技術の独立した発明性のあるさらなる発展を特徴とする。各請求項で特定された発明は、前述の説明で特定された、特に参照符号が付与された、及び/又は符号の説明で特定された、1つ以上の機能を追加で有することができる。
本発明はまた、特に、それらがそれぞれの使用目的において明らかに省略可能であるか、又は技術的に同等の他の手段で置き換えることができる限り、前述の説明で述べた特徴の幾つかのものが実装されない設計形態に関する。
【符号の説明】
【0051】
1 リアクタハウジング
2 天井
3 側壁
4 床
5 サセプタ
6 ガス入口部材
7 基板ホルダー
8 シールプレート
9 ガス出口部材
10 ギャップ
11 プロセスチャンバ天井
12 キャリア
13 加熱装置
14 ガス供給管
14’ 供給開口
17 熱影響ゾーン
19 ステップ
20 回転駆動部
21 第1のパイロメーター
22 第2のパイロメーター
23 パイプ
24 光ファイバー
25 パイプ
26 光ファイバー
27 切換バルブ
28 マスフローコントローラ
29 マスフローコントローラ
30 冷却ダクト
31 温度計測点
31’ 温度計測点
A サセプタ回転軸
B 基板ホルダー回転軸
S 流れの方向
S1 第2のガス流
S2 第2のガス流
S3 第3のガス流
Z 周期
a パルス幅
【手続補正書】
【提出日】2021-08-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の熱処理のための装置であって、
加熱装置(13)により加熱可能でありかつ回転駆動部(20)によりサセプタ回転軸(A)の周りで回転可能であると共に、少なくとも1つの基板を受容するための少なくとも1つの基板ホルダー(7)を有するサセプタ(5)と、
局所的に限定された態様でかつ前記サセプタ(5)の回転運動と同期して前記サセプタ(5)の温度に影響を及ぼすための手段(14、14’)と、を備えた、前記装置において、
前記手段が、前記サセプタ(5)と温度制御ユニットとの間に配置された媒体の熱伝導特性を、周期的なパルスの態様で変化させることを特徴とする装置。
【請求項2】
基板の熱処理のための方法であって、サセプタ(5)が、少なくとも1つの基板を担持し、加熱装置(13)により加熱され、かつ回転軸(A)の周りで回転駆動され、前記サセプタ(5)の温度が、局所的に限定された箇所にて回転運動と同期して影響される、前記方法において、
前記サセプタ(5)と温度制御ユニットとの間に配置された媒体の熱伝導特性が、局所的にかつ周期的なパルスの態様で変化させられることを特徴とする方法。
【請求項3】
基板の熱処理のための装置であって、
加熱装置(13)により加熱可能でありかつ回転駆動部(20)によりサセプタ回転軸(A)の周りで回転可能なサセプタ(5)であって、前記サセプタ回転軸(A)に対して偏心して
前記サセプタ(5)上に配置され基板ホルダー回転軸(B)の周りで回転可能でありかつ少なくとも1つの基板を受容するための少なくとも1つの基板ホルダー(7)を担持する前記サセプタ(5)と、
熱影響ゾーン(17)の領域内に
て媒体の熱伝導特性に影響を及ぼすための手段(14、14’)
であって、前記熱影響ゾーン(17)が、前記サセプタ回転軸(A)に関して、前記基板ホルダー回転軸(B)の軌道の半径方向内側若しくは外側又は軌道上において前記サセプタ回転軸(A)の周りに配置された領域である
、前記手段(14、14’)と、を備えた前記装置において、
前記媒体が、前記サセプタ(5)と前記サセプタ(5)の下方に配置された温度制御ユニットとの間に配置されていることを特徴とする装置。
【請求項4】
基板の熱処理方法であって、サセプタ(5)が、サセプタ回転軸(A)の周りで回転駆動されると共に前記サセプタ回転軸(A)に対して偏心して
前記サセプタ(5)上に配置された少なくとも1つの基板ホルダー(7)を担持し、前記基板ホルダー(7)は、基板ホルダー回転軸(B)の周りで回転すると共に少なくとも1つの基板を担持しており、手段(14、14’)により、熱影響ゾーン(17)の領域内に
て媒体の熱伝導特性が影響さ
れ、前記熱影響ゾーン(17)が、前記サセプタ回転軸(A)に関して、前記基板ホルダー回転軸(B)の軌道の半径方向内側若しくは外側又は軌道上において前記サセプタ回転軸(A)の周りに配置された領域であ
る、前記方法において、
前記媒体が、前記サセプタ(5)と前記サセプタ(5)の下方に配置された温度制御ユニットとの間に配置されていることを特徴とする方法。
【請求項5】
前記サセプタ(5)における局所的に限定された熱影響ゾーン(17)では、前記サセプタ(5)の周期、前記サセプタ(5)の周期より短い時間、又は長い時間のいずれかで周期的に、前記サセプタ(5)における隣接する領域におけるよりもより多くの熱が供給されるか又は除去されること、又は、そのための手段が設けられていることを特徴とする請求項1若しくは3に記載の装置又は請求項2若しくは4に記載の方法。
【請求項6】
前記温度制御ユニットが冷却ユニット(30)であり、かつ/又は、前記温度制御ユニットがRF誘導コイル(13)の冷却ダクトにより形成されており、前記RF誘導コイル(13)により電磁交番場が生成され、前記電磁交番場が導電性材料からなる前記サセプタ(5)に渦電流を誘導して加熱することを特徴とする前出請求項の1つに記載の装置又は方法。
【請求項7】
供給開口(14’)を通って、サセプタ(5)と温度制御ユニット又は冷却ユニット(30)との間のギャップ(10)に、周期的なパルスの態様で又は一定流量で温度制御ガスが供給されること、及び/又は、周期的に変化する熱伝導特性をもつ温度制御ガスが、サセプタ(5)と温度制御ユニットとの間のギャップ(10)に供給されること、及び/又は、前記供給開口(14’)にてガス供給管(14)が開口しており、前記ガス供給管(14)に、切換バルブ(28)を用いて高い熱伝導率をもつガス又は低い熱伝導率をもつガスが供給可能又は供給されることを特徴とする前出請求項の1つに記載の装置又は方法。
【請求項8】
恒常的なパージガスの第1のガス流(S1)が流れる前記ギャップ(10)が、前記加熱装置(13)と前記サセプタ(5)の下面との間に配置されたシールプレート(8)により形成され、前記第1のガス流(S1)に温度制御ガスである第2のガス流(S2)が供給され、前記第1のガス流(S1)と前記第2のガス流(S2)が、基板を支持する基板ホルダー(7)と加熱装置(13)との間に第3のガス流(S3)を形成し、前記第3のガス流(S3)の流速は、前記基板ホルダー(7)の半径方向外側周縁における前記サセプタ(5)の周速度よりも大きいことを特徴とする前出請求項の1つに記載の装置又は方法。
【請求項9】
周期的なパルスの態様で熱が供給され又は除去される複数の熱影響ゾーン(17)が設けられており、前記熱影響ゾーン(17)は、前記サセプタ(5)の中心に関して互いに異なる方位角に配置され、かつ/又は、前記サセプタ(5)の中心に関して異なる半径方向距離に配置されていることを特徴とする前出請求項の1つに記載の装置又は方法。
【請求項10】
周期的なパルスの態様で熱を供給され又は除去される少なくとも1つの熱影響ゾーン(17)が、前記サセプタ(5)の中心の周りの円周領域に配置されており、
前記円周領域内に複数の基板ホルダーが配置されていることを特徴とする前出請求項の1つに記載の装置又は方法。
【請求項11】
前記熱影響ゾーン(17)が、前記
サセプタ回転軸(A)の周りの最大90度、60度、45度、30度、又は15度の角度範囲に限定されていることを特徴とする前出請求項の1つに記載の装置又は方法。
【請求項12】
前記サセプタ(5)の表面の温度を計測するために熱影響ゾーンの半径方向外側及び/又は半径方向内側に配置された温度計測点(31、31’)を特徴とする前出請求項の1つに記載の装置又は方法。
【請求項13】
前記温度制御ガスが、前記サセプタ回転軸(A)に関して、半径方向内向き又は半径方向外向きに流れることを特徴とする前出請求項の1つに記載の装置又は方法。
【請求項14】
複数の供給開口(14’)が、前記サセプタ回転軸(A)に関して互いに異なる半径方向距離に設けられており
、1又は複数の供給開口(14’)により1又は複数の温度制御ガスを供給可能であることを特徴とする前出請求項の1つに記載の装置又は方法。
【国際調査報告】