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特表2022-521291陽極酸化およびコーティングされた表面の巨視的なテクスチャ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-06
(54)【発明の名称】陽極酸化およびコーティングされた表面の巨視的なテクスチャ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20220330BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20220330BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/31 C
C23C16/44 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021549249
(86)(22)【出願日】2020-02-05
(85)【翻訳文提出日】2021-10-19
(86)【国際出願番号】 US2020016883
(87)【国際公開番号】W WO2020171958
(87)【国際公開日】2020-08-27
(31)【優先権主張番号】62/808,509
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペン・ゴードン・ウェン-イン
(72)【発明者】
【氏名】ラドシア・エイドリアン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン・ユー
(72)【発明者】
【氏名】ラジャゴパラン・マンサ
(72)【発明者】
【氏名】ロンドノ・ニコラス
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
4K030FA01
4K030GA02
4K030KA09
4K030KA12
4K030KA37
4K030KA46
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB21
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB26
5F004BB29
5F004BB30
5F004BD04
5F004BD05
5F004CA06
5F045AA08
5F045BB15
5F045DP03
5F045DQ10
5F045EB03
5F045EC05
5F045EF14
5F045EH08
5F045EH20
5F045EK01
5F045EM03
5F045EM05
5F045EM09
(57)【要約】
【解決手段】プラズマ処理チャンバ用の消耗品部品は、プラズマ対向面を含む。工学表面は、消耗部品のプラズマ対向面に形成される。複数の隆起したフィーチャは、工学表面を画定し、フィーチャは、所定のパターンで配置され、複数の隆起したフィーチャの各々は、外縁および側壁を有する上部領域を含む。工学表面の基底面は、複数の隆起したフィーチャの各々を取り囲むように構成され、対応する隆起したフィーチャの対応する側壁が基底面から対応する上部領域にある角度で上に延びるようになっている。消耗部品は、プラズマ処理チャンバ内に設置されるように構成される。消耗部品は、プラズマおよびプラズマの副生成物に曝露されるように構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理チャンバ用の消耗部品であって、
前記消耗部品のプラズマ対向面と、
前記消耗部品の前記プラズマ対向面に形成された工学表面と、
前記工学表面を画定する複数の隆起したフィーチャであって、前記複数の隆起したフィーチャのフィーチャは、所定のパターンで配置され、前記複数の隆起したフィーチャの各々は、外縁および側壁を有する上部領域を含む複数の隆起したフィーチャと、
前記複数の隆起したフィーチャの各々を取り囲む前記工学表面の基底面であって、対応する隆起したフィーチャの対応する側壁が前記基底面から対応する上部領域に向かってある角度で上に延びるようになっている前記工学表面の基底面と
を備え、
前記消耗部品は、前記プラズマ処理チャンバに設置されるように構成され、
前記消耗部品は、プラズマおよび前記プラズマの副生成物に曝露されるように構成される、
消耗部品。
【請求項2】
請求項1に記載の消耗部品であって、
前記角度は、約15度~約60度までの間の範囲である、消耗部品。
【請求項3】
請求項1に記載の消耗部品であって、
前記複数の隆起したフィーチャのフィーチャは、前記基底面を基準に対応する隆起したフィーチャの高さが約0.2mm~約3mmまでの範囲を有する巨視的なものである、消耗部品。
【請求項4】
請求項1に記載の消耗部品であって、
前記工学表面の上に形成される陽極酸化層と、
前記陽極酸化層の上に形成される熱溶射皮膜と
をさらに備え、
前記複数の隆起したフィーチャは、前記熱溶射皮膜の前記陽極酸化層への密着性を強化するように構成される、消耗部品。
【請求項5】
請求項1に記載の消耗部品であって、
前記消耗部品は、
前記プラズマ処理チャンバの内壁を保護するように構成されたライナー、または
1つまたは複数のCシュラウド部分、または
1つまたは複数のプラズマ閉じ込めリング部分、または
フォーカスリング、または
エッジリング、または
静電半導体ウエハクランプ/チャッキングシステム、または
上部電極、または
誘導結合プラズマ用の誘電体窓、または
下部電極
のうちの1つを備える、消耗部品。
【請求項6】
請求項1に記載の消耗部品であって、
前記複数の隆起したフィーチャに任意に形成した複数の微視的なフィーチャ
をさらに備える、消耗部品。
【請求項7】
請求項1に記載の消耗部品であって、
前記画定されたパターンは、第1のゾーンおよび第2のゾーンを含み、
前記第1のゾーンは、第1のサブパターンに配置された第1のセットの隆起したフィーチャを含み、
前記第2のゾーンは、第2のサブパターンに配置された第2のセットの隆起したフィーチャを含む、消耗部品。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記消耗部品の前記プラズマ対向面は、導電性材料または誘電性材料である、方法。
【請求項9】
プラズマ処理チャンバに設置されるように構成される消耗部品の工学表面を構築するための方法であって、
ステンシルを用いて前記消耗部品のプラズマ対向面をマスキングすることであって、前記ステンシルは、前記プラズマ対向面へのアクセスを行うことができる開口部のパターンを含むことと、
前記ステンシルを介して前記プラズマ対向面をブラストメディアで識別してブラストし、前記工学表面を画定する複数の隆起したフィーチャを生成することであって、前記工学表面が前記プラズマ対向面に形成されることと
を含み、
前記複数の隆起したフィーチャのフィーチャは、前記工学表面の上に所定のパターンで配置され、
前記複数の隆起したフィーチャの各々は、外縁および側壁を有する上部領域を含み、
前記工学表面の基底面は、前記複数の隆起したフィーチャを取り囲み、対応する隆起したフィーチャの対応する側壁が前記基底面から対応する上部領域まである角度で上に延びるようにし、
前記消耗部品は、プラズマまたは前記プラズマの副生成物に曝露される、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
前記角度は、約15度~約60度までの間の範囲である、方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法であって、
前記複数の隆起したフィーチャのフィーチャは、前記基底面を基準に対応する隆起したフィーチャの高さが約0.2mm~約3mmまでの範囲を有する巨視的なものである、
方法。
【請求項12】
請求項9に記載の方法であって、
前記消耗部品は、
前記プラズマ処理チャンバの内壁を保護するように構成されたライナー、または
1つまたは複数のCシュラウド部分、または
1つまたは複数のプラズマ閉じ込めリング部分、または
フォーカスリング、または
エッジリング、または
静電半導体ウエハクランプ/チャッキングシステム、または
上部電極、または
誘導結合プラズマ用の誘電体窓、または
下部電極
のうちの1つを備える、方法。
【請求項13】
請求項9に記載の方法であって、
前記ステンシルを介して前記プラズマ対向面を識別してブラストすることであって、
前記プラズマ対向面をビードブラストすること、または
前記プラズマ対向面をグリットブラストすること
を含み、
前記ブラストメディアは、前記消耗部品の前記プラズマ対向面と同じタイプの材料で作られる、方法。
【請求項14】
請求項9に記載の方法であって、
前記ステンシルは、第1のゾーンおよび第2のゾーンを含み、
前記第1のゾーンは、開口部の第1のサブパターンを含み、
前記第2のゾーンは、開口部の第2のサブパターンを含む、方法。
【請求項15】
請求項9に記載の方法であって、
前記ステンシルを介して前記プラズマ対向面を識別してブラストすることであって、
前記ステンシルを介して前記プラズマ対向面を第1の角度で前記ブラストメディアを用いてブラストすることと、
前記ステンシルを介して前記プラズマ対向面を第2の角度で前記ブラストメディアを用いてブラストすることと
を含む、方法。
【請求項16】
請求項9に記載の方法であって、
前記ステンシルを除去することと、
前記プラズマ対向面を第2のブラストメディアで任意にブラストして、前記複数の隆起したフィーチャを微視的なフィーチャで粗面化することと
をさらに含む、方法。
【請求項17】
請求項9に記載の方法であって、
前記工学表面を陽極酸化して、陽極酸化層を生成することと、
熱溶射皮膜を前記陽極酸化層に塗布することであって、
前記複数の隆起したフィーチャの少なくとも一部は、前記陽極酸化層を介して突出しており、前記溶射被膜の前記陽極酸化層への密着性を高めることと
をさらに含む、方法。
【請求項18】
ウエハを処理するためのプラズマ処理チャンバであって、
前記ウエハを支持するように構成された下部電極と、
前記下部電極の上に位置する上部電極と、
消耗部品であって、
前記消耗部品のプラズマ対向面と、
消耗部品のプラズマ対向面に形成される工学表面とを含む消耗部品と、
前記工学表面を画定する複数の隆起したフィーチャであって、
前記複数の隆起したフィーチャのフィーチャは、所定のパターンで配置され、前記複数の隆起したフィーチャの各々は、外縁および側壁を有する上部領域を含む複数の隆起したフィーチャと、
前記複数の隆起したフィーチャの各々を取り囲む前記工学表面の基底面であって、対応する隆起したフィーチャの対応する側壁が前記基底面から対応する上部領域に向かってある角度で上に延びるようになっている前記工学表面の基底面と
を含み、
前記消耗部品は、前記プラズマ処理チャンバ内に設置されるように構成され、
前記消耗部品は、プラズマおよび前記プラズマの副生成物に曝露されるように構成される、
プラズマ処理チャンバ。
【請求項19】
請求項17に記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記消耗部品は、
前記プラズマ処理チャンバの内壁を保護するように構成されたライナー、または
1つまたは複数のCシュラウド部分、または
1つまたは複数のプラズマ閉じ込めリング部分、または
フォーカスリング、または
エッジリング、または
静電半導体ウエハクランプ/チャッキングシステム、または
上部電極、または
誘導結合プラズマ用の誘電体窓、または
下部電極
のうちの1つを備える、プラズマ処理チャンバ。
【請求項20】
請求項17に記載の消耗部品であって、
前記角度は、約15度~約60度までの間の範囲であり、
前記複数の隆起したフィーチャのフィーチャは、前記基底面を基準に対応する隆起したフィーチャの高さが約0.2mm~約3mmまでの範囲を有する巨視的なものであり、
複数の微視的なフィーチャは、前記複数の隆起したフィーチャに任意に形成され、
前記消耗部品の前記プラズマ対向面は、導電性材料または誘電性材料である、
ことをさらに含む、消耗部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体基板処理装置ツールに関し、より詳細には、処理装置の消耗部品に施される改良されたコーティングに関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマチャンバなどの半導体処理システムでは、プラズマチャンバ内でコーティングされた部品は一般に、グリットブラストされ、ランダムな微細なフィーチャを生成し、密着性を向上させたアルミニウム表面を特徴とする。次に、表面は、陽極酸化され、プラズマ溶射によって耐プラズマ性溶射皮膜で被覆される。表面の仕上げは、溶射皮膜の密着力および耐久性を左右する重要なものである。しかしながら、グリットブラストによって表面を微細な粗さとすると、その後に付着した層に十分な密着性が与えられない。例えば、溶射皮膜の主な故障モードは、下層にある陽極酸化皮膜からの層間剥離によって起こる。層間剥離は、表面の連続性が絶たれることにより、溶射皮膜に亀裂の伝播を促す表面移行領域(例えば、角、縁など)の近くでより頻繁に発生する場合がある。皮膜が剥離し始めると、破損した溶射皮膜および露出した陽極酸化アルミニウムにより、ウエハ上に金属汚染および粒子欠陥が発生するため、部品は使用できなくなる。一般に、故障/使用済部品は、チャンバ内の性能を回復するために改修を行わなければならない。もしくは交換用の部品を発注しなければならず、半導体処理システムにおける運用コストが増す。
【0003】
また、ウエハプロセスの副生成物が、半導体処理システムの表面に付着する場合がある。例えば、副生成物は、エッチングチャンバにて行われるウエハまたはその他の任意の材料のエッチングプロセス中に生成され、その後、半導体処理システムの構成要素に付着する場合がある。副生成物は、半導体処理システムの表面にしっかりと付着しないため、それらの副生成物は後に、後続のウエハ処理工程を受けてそれらの表面から除去されるおよび/または落とされ、ウエハ表面上に堆積する場合がある。一事例では、それらの副生成物がウエハ表面上に付着すると、ウエハ表面の少なくとも一部の汚染につながる。汚染の程度に応じて、ウエハの一部または全部が欠陥となる場合があり、ウエハ表面が損傷すると、ウエハ処理によって形成されるチップの欠陥につながる場合がある。別の事例では、副生成物は、静電チャックに付着する場合があり、副生成物が非導電性材料であるとき、静電チャックがウエハをチャックおよび/または保持できなくなる場合がある。
【0004】
本明細書にて提供される背景の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術のセクションで説明される範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【0005】
本開示の実施形態は、この状況下でなされたものである。
【発明の概要】
【0006】
本実施形態は、関連技術において見られる1つまたは複数の問題を解決することに関し、具体的には、消耗部品のプラズマ対向面の巨視的なテクスチャを含み、プラズマ対向面の表面積を増加させ、それにより、追加の結合部位を生成することによって、追加層の密着性を強化する。本開示のいくつかの発明の実施形態を以下に説明する。
【0007】
本開示の実施形態は、プラズマ処理チャンバ用の消耗部品を含む。消耗部品は、プラズマ対向面を含む。工学表面は、消耗部品のプラズマ対向面に形成される。複数の隆起したフィーチャは、工学表面を画定する。複数の隆起したフィーチャは、所定のパターンで配置される。複数の隆起したフィーチャの各々は、外縁および側壁を有する上部領域を含む。工学表面の基底面は、複数の隆起したフィーチャの各々を取り囲み、対応する隆起したフィーチャの対応する側壁が基底面から対応する上部領域に向かってある角度で上に延びるようになっている。消耗部品は、プラズマ処理チャンバ内に設置されるように構成される。消耗部品は、プラズマおよびプラズマの副生成物に曝露されるように構成される。
【0008】
本開示の他の実施形態は、プラズマ処理チャンバ内に設置されるように構成された消耗部品の工学表面を構築するための方法を含む。前記方法は、ステンシルを用いて消耗部品のプラズマ対向面をマスキングすることを含み、ステンシルは、プラズマ対向面へのアクセスを設ける開口部のパターンを含む。前記方法は、ステンシルを介してプラズマ対向面をブラストメディアで識別してブラストし、工学表面を画定する複数の隆起したフィーチャを生成し、工学表面がプラズマ対向面に形成されることを含む。複数の隆起したフィーチャは、工学表面にわたって所定のパターンで配置される。複数の隆起したフィーチャの各々は、外縁および側壁を有する上部領域を含む。工学表面の基底面は、複数の隆起したフィーチャの各々を取り囲み、対応する隆起したフィーチャの対応する側壁が基底面から対応する上部領域に向かってある角度で上に延びるようになっている。消耗部品は、プラズマおよびプラズマの副生成物に曝露されるように構成される。
【0009】
本開示の別の実施形態では、ウエハを支持するように構成された下部電極と、下部電極の上に位置する上部電極と、消耗部品とを含む、ウエハを処理するためのプラズマ処理チャンバを含む。消耗部品は、プラズマ対向面を含む。工学表面は、消耗部品のプラズマ対向面に形成される。複数の隆起したフィーチャは、工学表面を画定し、複数の隆起したフィーチャは、所定のパターンで配置され、複数の隆起したフィーチャの各々は、外縁および側壁を有する上部領域を含む。工学表面の基底面は、複数の隆起したフィーチャの各々を取り囲み、対応する隆起したフィーチャの対応する側壁は、基底面から対応する上部領域に向かってある角度で上に延びるようになっている。消耗部品は、プラズマ処理チャンバ内に設置されるように構成される。消耗部品は、プラズマおよびプラズマの副生成物に曝露されるように構成される。
【0010】
これらの利点およびその他の利点は、明細書および特許請求の範囲全体を読めば、当業者であれば理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本実施形態は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することにより最も理解され得る。
【0012】
図1A図1Aは、本開示の一実施形態に従って、追加の結合部位によって追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするために、プラズマ対向面の表面積を増加させるように設計された巨視的なテクスチャを有する工学表面を含む、少なくとも1つの消耗部品を含む例示的なプラズマ体積閉じ込めエッチングチャンバを示す。
【0013】
図1B図1Bは、本開示の一実施形態に従って、追加の結合部位によって追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするために、プラズマ対向面の表面積を増加させるように設計された巨視的なテクスチャを有する工学表面を含む、少なくとも1つの消耗部品を含むエッチングチャンバの別の例を示す。
【0014】
図2図2は、本開示の一実施形態に従って、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするために、工学表面が追加の結合部位を生成するように設計された巨視的なテクスチャを有することを示す、プラズマ処理システムの消耗部品の断面を示す。
【0015】
図3図3は、本開示の一実施形態に従って、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計された巨視的なテクスチャを有する工学表面を含む、プラズマ閉じ込めリングの図である。
【0016】
図4A図4Aは、本開示の一実施形態に従って、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計された隆起したフィーチャの形の巨視的なテクスチャを有する消耗部品の工学表面の断面図である。
【0017】
図4B図4Bは、本開示の一実施形態に従って、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計された巨視的なテクスチャを有する工学表面の隆起したフィーチャの断面である。
【0018】
図5図5は、本開示の一実施形態に従って、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計された隆起したフィーチャの形の巨視的なテクスチャを有する消耗部品の工学表面を構築するための方法を示すフロー図である。
【0019】
図6A図6Aは、本開示の一実施形態に従って、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計された隆起したフィーチャの形の巨視的なテクスチャを有する消耗部品の工学表面を構築するために、ステンシルを介したグリットブラストまたはビードブラスト加工を示す。
【0020】
図6B-1】図6B-1は、本開示の一実施形態に従って、消耗部品のプラズマ対向面に1つの角度でグリットブラストまたはビードブラスト加工して、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計された隆起したフィーチャの形の巨視的なテクスチャを有する工学表面を構築することを示す。
【0021】
図6B-2】図6B-2は、本開示の一実施形態に従って、消耗部品のプラズマ対向面に複数の角度でグリットブラストまたはビードブラスト加工して、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計された隆起したフィーチャの形の巨視的なテクスチャを有する工学表面を構築することを示す。
【0022】
図6C図6Cは、本開示の一実施形態に従って、グリットブラストまたはビードブラスト加工した後の消耗部品の工学表面を示しており、工学表面は、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計された隆起したフィーチャの形の巨視的なテクスチャを含む。
【0023】
図7A図7Aは、本開示の一実施形態に従って、陽極酸化され、プラズマ処理システム内でプラズマに曝露された比較的平坦な表面を有する耐プラズマ性溶射皮膜でコーティングされた工学表面を含む消耗部品を示し、溶射皮膜は、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計された隆起したフィーチャの形の巨視的なテクスチャを有する工学表面に合致しないことを示す。
【0024】
図7B図7Bは、本開示の一実施形態に従って、陽極酸化され、プラズマ処理システム内でプラズマに曝露された比較的平坦な表面を有する耐プラズマ性溶射皮膜でコーティングされた工学表面を含む消耗部品を示し、溶射皮膜は、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計された隆起したフィーチャの形で巨視的なテクスチャを有する工学表面に合致することを示す。
【0025】
図8A図8Aは、本開示の一実施形態に従って、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計された隆起したフィーチャの形の巨視的なテクスチャを有する工学表面を構築するために、グリットブラストまたはビードブラスト加工のメディアを消耗部品のプラズマ対向面上に向けるように構成されたステンシルおよび複数の例示的な開口部を示す。
【0026】
図8B図8Bは、本開示の一実施形態に従って、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計されたパターン化された巨視的なテクスチャを有する工学表面を構築するために、グリットブラストまたはビードブラスト加工のメディアを消耗部品のプラズマ対向面上に向けるようにパターンで配置された複数の開口部を有するステンシルを示す。
【0027】
図8C図8Cは、本開示の一実施形態に従って、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計されたパターン化された巨視的なテクスチャを有する工学表面を構築するために、グリットブラストまたはビードブラスト加工のメディアを消耗部品のプラズマ対向面上に向けるように2ゾーンパターンで配置された複数の開口部を有するステンシルを示す。
【0028】
図8D図8Dは、本開示の一実施形態に従って、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計されたパターン化された巨視的なテクスチャを有する工学表面を構築するために、グリットブラストまたはビードブラスト加工のメディアを消耗部品のプラズマ対向面上に向けるように3ゾーンパターンで配置された複数の開口部を有するステンシルを示す。
【0029】
図8E図8Eは、本開示の一実施形態に従って、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計されたパターン化された巨視的なテクスチャを有する工学表面を構築するために、グリットブラストまたはビードブラスト加工のメディアを消耗部品のプラズマ対向面上に向けるように線型スケールのパターンで配置された複数の開口部を有するステンシルを示す。
【0030】
図9A-1】図9A-1は、本開示の一実施形態に従って、均一に配置された複数の隆起したフィーチャを示し、フィーチャの構造および高さは、共形な耐プラズマ性溶射皮膜を構築するために均一であるように構成され、隆起したフィーチャは、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計されたパターン化された巨視的なテクスチャを有する工学表面を画定する。
【0031】
図9A-2】図9A-2は、本開示の一実施形態に従って、図9A-1のフィーチャよりも少ない密度で均一に配置された複数の隆起したフィーチャを示す。
【0032】
図9B-1】図9B-1は、本開示の一実施形態に従って、均一に配置された複数の隆起したフィーチャを示し、フィーチャの構造は均一であり、高さは図9A-1よりも小さく、比較的平坦な非共形な耐プラズマ性溶射皮膜を構築するように構成されており、隆起したフィーチャは、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計されたパターン化された巨視的なテクスチャを有する工学表面を画定する。
【0033】
図9B-2】図9B-2は、本開示の一実施形態に従って、図9A-1のフィーチャよりも少ない密度で均一に配置された複数の隆起したフィーチャを示す。
【0034】
図9C-1】図9C-1は、本開示の一実施形態に従って、2つのサブパターンで配置された複数の隆起したフィーチャを示し、サブパターンにわたるフィーチャの構造および高さは、均一であり、隆起したフィーチャは、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計されたパターン化された巨視的なテクスチャを有する工学表面を画定する。
【0035】
図9C-2】図9C-2は、本開示の一実施形態に従って、2つのサブパターンで配置された複数の隆起したフィーチャを示し、各サブパターンにおけるフィーチャの構造および高さは、均一であるが、2つのサブパターンとの間で変化してもよく、隆起したフィーチャは、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計されたパターン化された巨視的なテクスチャを有する工学表面を画定する。
【0036】
図9D図9は、本開示の一実施形態に従って、3つのサブパターンで配置された複数の隆起したフィーチャを示し、サブパターンにわたるフィーチャの構造および高さは、均一であり、隆起したフィーチャは、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計されたパターン化された巨視的なテクスチャを有する工学表面を画定する。
【0037】
図9E図9Eは、本開示の一実施形態に従って、フィーチャの密度が直線的に増加するように、線型スケールのパターンで配置された複数の隆起したフィーチャを示し、隆起したフィーチャは、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計されたパターン化された巨視的なテクスチャを有する工学表面を画定する。
【0038】
図10図10は、本開示の一実施形態に従って、パターンで配置された複数の隆起フィーチャに丸みを帯びた縁を生成するために、消耗部品のプラズマ対向面に異なるステンシルを適用するプロセスを示す。
【0039】
図11図11は、本開示の一実施形態に従って、陽極酸化され、耐プラズマ性溶射皮膜でコーティングされた工学表面を含む消耗部品の断面の電子顕微鏡画像であり、工学表面は、追加層の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計された隆起のあるフィーチャの形の巨視的なテクスチャを有する。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下の詳細な説明では、例示の目的のために、多くの特定の詳細が含まれているが、当業者であれば、以下の詳細に対する多くの変形および変更が本開示の範囲内であることを理解できるであろう。したがって、以下に説明する本開示の態様は、この説明に続く特許請求の範囲に対して、全体を損なうことなく、また制限を課すことなく記載されている。
【0041】
概して、本開示の様々な実施形態は、消耗部品に対して表面の巨視的なテクスチャを形成するための新規の方法を提供するシステムおよび方法を説明する。本開示の実施形態では、巨視的なテクスチャは、消耗部品の表面上または表面内にパターン化された大きな規模のフィーチャを加える。様々な実施形態において、消耗部品は、無地のバルク材料(例えば、ベアセラミック、ベアアルミニウムなど)であってもよく、陽極酸化されてもよく(例えば、アルマイト)、プラズマ性溶射皮膜が施されていても、施されていなくてもよい。実施形態において、消耗部品に対するプラズマ対向面の巨視的なテクスチャの意図された効果は、溶射皮膜の密着性(または追加層の密着性)および/または副生成物の密着性を高めることを含む。巨視的なテクスチャは、消耗部品の表面の表面積を増加させ、追加の結合部位(例えば、改良されたイットリア溶射皮膜の密着のため)を生成することによって、その後に付着される層(例えば、耐プラズマ性溶射皮膜)の密着性を高める。消耗部品の故障の主な原因の1つが、消耗部品の下層にある陽極酸化された表面から溶射皮膜が剥離している場合であるため、密着強度を改良することによって、コーティング(ならびに消耗部品の寿命)の寿命を延ばすことができる。耐プラズマ性溶射皮膜は、消耗部品のコストのかなりの部分を占めるため、消耗部品の寿命を延ばすことにより、導体エッチングチャンバのチャンバ本体に用いられるプラズマ性溶射構成要素(例えば、消耗部品)の所有コストを大幅に削減できる。これにより、消耗部品の寿命および耐用年数を大幅に増加させることができる。また、消耗部品の耐用年数が保守点検の間に延びる場合があるため、プラズマ処理システムのツールダウンタイムが低減される。本開示の実施形態は、上記の利点を実現し、巨視的なテクスチャにより、プロセス工程中に形成された副生成物が捕捉および/または固定されるようになる場合があり、それによって消耗部品がその耐用年数にわたって粒子(例えば、副生成物)を流す可能性が低いため、処理性能の向上につながるという追加の利点をさらに実現する。本開示の実施形態は、上記の利点を実現し、巨視的なテクスチャ(例えば、粗面化)が、消耗部品の変質した表面上にある皮膜の耐破壊性を向上するという追加の利点を実現する。本開示のさらに他の実施形態は、上記の利点を実現し、巨視的なテクスチャが、表面輪郭に連続した故意の切れ目を導入することにより、大きな面内応力が発現して、後続の溶射皮膜に亀裂が発生することを低減することをさらに実現する。すなわち、巨視的なテクスチャは、膜(例えば、溶射皮膜)の応力低減を強化する。本開示のさらに他の実施形態は、上記の利点を実現し、巨視的なテクスチャが、特に表面転移(例えば、角、縁など)の近くで、消耗部品の表面連続性を高める(例えば、表面連続性の切れ目を除去する)ことをさらに実現する。表面連続性を増加させることにより、作成された表面(例えば、溶射皮膜)の亀裂が、表面の連続性が途切れることにより表面に発生/伝播することを回避する。
【0042】
本開示の実施形態は、消耗部品に対して表面の巨視的なテクスチャ(例えば、プラズマ対向面)を形成し、消耗部品は、半導体処理アセンブリ(例えば、プラズマ処理チャンバ)内に見られる任意の構成要素であってもよい。いくつかの事例では、消耗部品は、プラズマ処理チャンバ内に取り外し可能に配置されてもよい。このように、消耗品は、修理および/または交換のために取り外しされてもよい。そのような手法において、プラズマ処理チャンバの寿命および/または耐用年数が増加する可能性がある。例示目的で、以下のリストは、プラズマ処理チャンバ内で見られる消耗部品の例を提供するが、完全に網羅することを意図していない。消耗部品の例として、プラズマ処理チャンバの内壁を保護するように構成されたライナー、1つまたは複数のCシュラウド部分、1つまたは複数のプラズマ閉じ込めリング部分、フォーカスリング、エッジリング、静電半導体ウエハクランプ/チャッキングシステム、上部電極、下部電極、ウエハを支持するために構成されたペデスタルなどが挙げられる。他の事例では、本開示の実施形態は、半導体処理アセンブリ内に見られる任意のプラズマ対向面に提供されてもよく、表面は、消耗部品または固定部品上に位置してもよい。
【0043】
本開示の実施形態は、プラズマプロセスモジュールに関する。例えば、このようなプラズマプロセスモジュールは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属メッキチャンバまたはモジュール、クリーンチャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理的気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学的気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、プラズマ強化化学的気相堆積(PECVD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュールなどに用いられるものである。本開示の実施形態はまた、半導体ウエハの製作および/または製造に関連する、または用いられる可能性がある他の任意の半導体処理システムに関する。他の任意の半導体処理システムは、例えば、電気メッキ、エレクトロエッチング、電解研磨、電気化学機械研磨、堆積、ウェット堆積、およびシリコン貫通電極(TSV)プロセスを介したプロセスなどを含む。本開示の実施形態は、本明細書にて提供された例に限定されず、異なる構成、形状、およびプラズマ生成技術(例えば、誘導結合システム、容量結合システム、電子-サイクロトロン共鳴システム、マイクロ波システムなど)を採用した異なるプラズマ処理システムにおいて実施されてもよい。プラズマ処理システムおよびプラズマプロセスモジュールの例は、共同保有の米国特許第8,862,855号、および第8,847,495号、および第8,485,128号、および米国特許出願番号第15/369,110に開示されている。
【0044】
種々の実施形態の上記全般的な理解と併せて、次に、種々の図面を参照して、実施形態の例示的な詳細を説明する。1つまたは複数の図面において、同様に番号が付された要素および/または構成要素は、一般的に同じ構成および/または機能を有することが意図されている。さらに、図面は、縮尺通りに描かれていない場合もあるが、新規性の概念を説明し強調することを意図している。本実施形態は、これらの具体的な詳細の一部またはすべてがなくても実施可能であることは明らかであろう。他の例では、周知のプロセス操作では、本実施形態を不必要に不明瞭にしないために、詳細には説明されていない。
【0045】
図1Aは、本開示の一実施形態に従って、追加の結合部位によって追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするために、プラズマ対向面の表面積を増加させるように設計された巨視的なテクスチャを有する工学表面を含む少なくとも1つの消耗部品を含む、例示的なプラズマ処理チャンバ100A(例えば、プラズマ体積閉じ込めエッチングチャンバ)を示す。プラズマ処理チャンバ100Aは、上部電極142およびその上に半導体ウエハ146が配置された下部電極144を含む。エッチングチャンバ100Aは、小プラズマ体積閉じ込め領域145の横方向の境界を画定するように配置されたプラズマ閉じ込めリング160とともに小プラズマ体積閉じ込めのために構成されることが示されている。上部電極142およびその上に配置された半導体ウエハ146を備える下部電極144は、それぞれ、小体積プラズマ閉じ込め領域145の上部および下部の境界を画定する。
【0046】
構成可能なプラズマ処理チャンバ100Aは、プラズマ処理チャンバ100Aが大プラズマ体積用に構成されるとき、プラズマ閉じ込め構造162として機能する外側プラズマ閉じ込め構造162を含む。プラズマ処理チャンバ100Aが小体積用に構成されるとき、外側プラズマ閉じ込め構造162は、ターボポンプ202を介してエッチングチャンバから排気するときにプラズマの中性種が通過しなければならない冗長なバッフルを設ける場所にある。
【0047】
一実施形態では、印加されたRFエネルギーによる反応性ガスのイオン化によって生成されたプラズマが、閉じ込めリング160とウエハ146の表面のすぐ上の電極142、144との間で画定された小プラズマ体積閉じ込め領域145内に閉じ込められるように、プラズマ閉じ込めリング160は、上部電極142の周縁部と下部電極146の周縁部との間に延びるように構成される。プラズマ閉じ込めリング160は、複数の円形リング160で構成されたスロット付き閉じ込めシールドを画定してもよい。円形リング160は、シリカまたは石英などの誘電体で構成され、隣接するリングは、スペーサ170によって分離され、円形リング160との間にプラズマの中性種が排出される円周方向のスロットまたは通路を生成する。円周方向のスロットは、それによって、並行な通路を通るプラズマまたはガスの流れに垂直な方向に間隔を置いた並行な通路を形成する。
【0048】
スペーサ170は、同様に、シリカまたは石英などの誘電体、もしくは炭化ケイ素またはドープシリコンなどの導電材で構成され、スロットまたは通路は、閉じ込めリング160を通って流れる排気ガス中に残っているいくつかのイオン粒子を消滅させ、チャンバ100Aを通ってターボポンプ202を介して排気するように構成される。一実施形態では、プラズマ閉じ込めリング160は、シャフト179によって接続される。シャフト179は、ナイロンなどの軽量で粒子発生の少ない物質で構成され得、閉じ込めリング160およびスペーサ170を支持するように構成される。スペーサは、シャフト179の周囲に、閉じ込めリング160との間を伸縮するように構成されており、プラズマ閉じ込めリング160が小プラズマ体積閉じ込め領域145を画定するように延びるとき、スロットまたは通路を横切る可能性のあるプラズマからのイオン粒子または電子を中和するために、リングとの間に所望の空間が形成される。
【0049】
プラズマ閉じ込めリング160、スペーサ170、およびシャフト179はともに、閉じ込めアセンブリ173を形成する。閉じ込めアセンブリ173が後退して大プラズマ体積閉じ込め領域145を構成するとき、シャフト179は、閉じ込め領域145から取り出され、隣接するリング160内のスペーサ170が引き込まれ、それによって、プラズマ閉じ込めリング160のスタックが崩れる。具体的には、大プラズマ体積は、プラズマ処理チャンバ100Aにて構成されたチャンバライナー164と、外側プラズマ閉じ込め構造162とに及ぶ境界で生成される。
【0050】
プラズマ保護チャンバライナー164、166は、熱安定性、適切なRFグランドリターンパス、および最小限のダウンタイムでのサービス性を提供するように組み込まれてよい。チャンバライナー164、166はまた、プラズマ処理チャンバ100Aの壁に追加の保護をもたらすように構成されてもよく、壁がプラズマプロセスに曝露される代わりに、ライナーがプラズマプロセスに曝露される。上部チャンバライナー164は、外側プラズマ閉じ込め構造162に構成され、下部チャンバライナー166は、外側プラズマ閉じ込め構造162からエッチングチャンバ200およびターボポンプ202の排気の基部まで、プラズマ処理チャンバの壁の下部領域を沿うように構成される。
【0051】
本開示の実施形態は、図1Aに示す任意のプラズマ対向面上で実施されてもよい。図1Aに示すプラズマ対向面の例としては、チャンバライナー164、チャンバライナー166、上部電極142、下部電極144、および閉じ込めアセンブリ173の構成要素が挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
図1Bは、本開示の一実施形態に従って、追加の結合部位によって追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするために、プラズマ対向面の表面積を増加させるように設計された巨視的なテクスチャを有する工学表面を含む少なくとも1つの消耗部品を含む、プラズマ処理チャンバ100B(例えば、エッチングチャンバ)の別の例を示す。具体的には、プラズマ処理チャンバ100Bは、チャンバ壁150によって囲まれたプラズマ処理チャンバ149内に、上部中央電極106、上部外側電極104、下部中央電極108、および下部外側電極110を含んでもよい。下部絶縁体リング112は、下部中央電極108を下部外側電極110から絶縁する。リング112は、エッジリングおよび/またはフォーカスリングであってもよいし、それらを組み込んでもよい。また、プラズマ処理チャンバ149内で、基板146は、下部中央電極108の上に配置される。下部中央電極108は、基板146を保持するための静電チャック(ESC)を設ける。本実施形態では、下部外側電極110および上部外側電極104は、基板146よりも大きな直径を有する開口部を有し、基板146が開口部内に配置されるようになっている。
【0053】
ガス源124は、プラズマ処理チャンバ149に接続されており、ウエハプロセス(例えば、エッチングプロセス)中に、プラズマ処理チャンバ149のプラズマ領域140にエッチングガスを供給する。RFバイアス源148、第1の励起RF源152、および第2の励起RF源156は、コントローラ135を介してプラズマ処理チャンバ149に電気的に接続され、電極104、106、108、110に電力を供給する。RFバイアス源148は、RFバイアス電力を生成し、プラズマ処理チャンバ149にRFバイアス電力を供給する。第1の励起RF源152は、RF電源を生成し、プラズマ処理チャンバ149にRFバイアス電力を供給する。第2励起RF源156は、第1の励起RF源152が生成したRF電力に加えて、別のRF電源を生成し、このRF電源をプラズマ処理チャンバ149に供給する。異なるRF信号は、上部電極および下部電極の種々の組み合わせに供給されてもよい。この例では、上部電極は接地され、電力は下部中央電極108にのみ供給される。
【0054】
Cシュラウド114は、上部外側電極104から下部外側電極110までに及び、追加のプラズマ封じ込めを提供する。Cシュラウド114は、ガスおよびプラズマがCシュラウド114から流出できるように複数の開口102を有する。本実施形態では、Cシュラウド114は、接地されている。
【0055】
上部温度コントローラ171は、上部中央電極106および上部外側電極104に独立した温度制御を設ける。下部温度コントローラ172は、下部中央電極108および下部外側電極110に独立した温度制御を設ける。一実施形態では、上部外側電極104およびCシュラウド114は、上部温度コントローラ171の同じ設定によって、同じ温度に維持されてもよい。
【0056】
コントローラ135は、ガス源124、RFバイアス源148、上部温度コントローラ171、下部温度コントローラ172、排気ポンプ120、第1の励起RF源152、および第2の励起RF源156に接続される。コントローラ135は、プラズマ処理チャンバ149内へのエッチングガスの流れ、チャンバ室圧を制御するとともに、3つのRF源148、152、156、電極104、106、108、および110、ならびに排気ポンプ120からのRF電力の発生を制御する。
【0057】
上部中央電極106はまた、ガス分配板としての役割を担い、ガス源124に接続され、ガス源124からのガス用のガス入口としての役割を果たす。排気ポンプ120は、ガス出口としての役割を担い、上部中央電極106から排気ポンプ120までプラズマ領域140を通って開口102を通過するガスを除去する。排気ポンプ120は、圧力の制御に役立つ場合がある。
【0058】
本開示の実施形態は、図1Bに示す任意のプラズマ対向面上で実施されてもよい。図1Bに示すプラズマ対向面の例としては、上部中央電極106、上部外側電極104、下部中央電極108、および下部外側電極110、絶縁体リング112、エッジリング、フォーカスリング、および静電半導体ウエハクランプ/チャッキングシステム(例えば、静電チャック―ESC)、Cシュラウド114が挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
図2は、本開示の一実施形態に従って、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計された巨視的なテクスチャを有する工学表面300を示す、プラズマ処理チャンバの消耗部品210の断面図を示す。図2は、消耗部品210のプラズマ対向面に形成される工学表面300の説明図であり、工学表面300は、基底面350から延びるパターン化された大きな規模のフィーチャを追加する巨視的なテクスチャを含む。消耗部品210は、プラズマ処理チャンバに設置されるように構成される。一実施形態では、消耗部品210は、プラズマ処理チャンバに取り外し可能に設置される。より詳細には、消耗部品210は、ウエハ処理(例えば、エッチング、堆積など)中に、プラズマおよびプラズマの副生成物に曝露されるように構成される。一実施形態では、消耗部品210は、導電性材料(例えば、アルミニウム合金)で作られる。別の実施形態では、消耗部品は、誘電性材料(例えば、セラミック)で作られる。
【0060】
図で示すように、消耗部品210は、巨視的なテクスチャを含む基底面350を含む。テクスチャされ、他の任意の仕上げ層とともに工学表面300を形成する基底面350は、ウエハ処理中に、プラズマに曝露される可能性がある。具体的には、巨視的なテクスチャは、所定のパターンで配置された工学表面を画定する複数の隆起したフィーチャ440を含む。すなわち、複数の隆起したフィーチャ440のフィーチャは、基底面350の上など、所定のパターンで配置される。実施形態では、皮膜の密着および/または副生成物の密着のために消耗部品の基底面350をパターン化することは、低コストで、容易に実施でき、かつ反復可能な方法である。現在の技術において行われているように、密着性を促進するために、消耗部品210の基部面350に無差別に微視的なテクスチャ(例えば、任意にグリットブラストによって付着した微視的な表面粗さ)を形成する代わりに、本開示の実施形態は、消耗部品の基部表面350に巨視的なテクスチャを形成して、工学表面300を形成し、巨視的なフィーチャは、基底面350上にパターン化されて、皮膜の密着性(例えば、基底面および/または基底面上の陽極酸化層への)を促進し、かつ/もしくは、ウエハ処理中に、副生成物の消耗部品への固定の強化を促進する(例えば、基底面への固定、陽極酸化された基底面への固定、および/または、基底面上または陽極酸化された基底面上の溶射皮膜への固定)。実施形態では、巨視的なフィーチャは、以下でさらに説明するように、マスキングおよびメディアブラスト、機械加工、ステンシルまたはマスクを介した湿式化学エッチング、選択的堆積法、付加的製造などによって形成されてもよい。消耗部品は、種々の実施形態において、無地のバルク材料(例えば、ベアセラミック、ベアアルミニウムなど)であってもよく、陽極酸化(例えば、アルマイト)されてもよく、プラズマ溶射皮膜が塗布されていても、されていなくてもよい。消耗部品に対するプラズマ対向面の巨視的なテクスチャの意図された効果は、実施形態において、溶射皮膜の密着性(または追加層の密着性)および/または副生成物の密着性を強化することを含む。例えば、副生成物は、エッチングプロセス中に形成されてもよく、副生成物は、対応するプラズマ処理チャンバの1つまたは複数の構成要素(例えば、プラズマ閉じ込めライナー)に付着してもよい。例示として、巨視的なテクスチャは、以前に生成された微視的なテクスチャに形成されたフィーチャの約5~100倍のサイズのフィーチャを形成する。実施形態では、巨視的なフィーチャのサイズは、0.1mm~3.0mmまでの間の範囲である。他の実施形態では、巨視的なフィーチャのサイズは、0.2mm~2.5mmの間の範囲である。さらに他の実施形態では、巨視的なフィーチャのサイズは、0.2mm~1.3mmの間の範囲である。他の実施形態では、巨視的なフィーチャのサイズは、0.3mm~1.0mmの間の範囲である。
【0061】
さらに、複数の微視的なフィーチャを複数の隆起したフィーチャに任意に形成してもよい。例えば、ビードおよび/またはグリットブラストによる加工によって、複数の隆起したフィーチャを粗面化し、複数の隆起したフィーチャに微視的なフィーチャを構築してもよい。追加の微視的なテクスチャ(例えば、巨視的なフィーチャの粗面化)は、工学表面の上に配置される皮膜の耐破壊性の向上(例えば、より優れた密着性)を実現する可能性がある。
【0062】
実施形態では、巨視的なフィーチャでパターン化された基底面350は、次に、任意選択で陽極酸化され、陽極酸化層220を設ける。すなわち、工学表面300は、陽極酸化される。例えば、一実施形態では、消耗部品は、アルミニウム合金であり、工学表面300は、アルミニウム合金から形成される。陽極酸化プロセス中に、アルミニウム合金は、電解不動態化プロセスなどによって陽極酸化される。例えば、金属の陽極酸化により、表面上の自然酸化層の厚さが増加する。一実施形態では、巨視的なフィーチャの形状因子が陽極酸化層を介して存在するように、巨視的なフィーチャの外形は、陽極酸化層220を介して曝露される。すなわち、陽極酸化層220は、複数の隆起したフィーチャ440の外形に合致する。
【0063】
具体的には、陽極酸化層220の表面は、巨視的なフィーチャの存在および曝露によって変化する。そのようにして、消耗部品の基底面350の表面積、および陽極酸化層220の表面積も増加する。すなわち、陽極酸化層220の表面形態が歪むことになる。表面積の増加と不規則な表面形態の複合効果は、耐プラズマ性溶射皮膜230の内部応力を分解する役割を果たす。したがって、溶射皮膜230と陽極酸化層220との密着性を向上させる。このように、陽極酸化層220を介して曝露された巨視的なフィーチャの利点(例えば、外形を曝露すること)は、追加の結合部位などを介して追加層により優れた強化された密着性を提供するのに利用可能である。
【0064】
さらに、別の実施形態では、陽極酸化層220に耐プラズマ性の熱溶射皮膜230が任意選択で塗布される。例えば、溶射皮膜は、陽極酸化された消耗部品210(例えば、消耗部品の陽極酸化アルミニウム合金)上のイットリウムベースの溶射皮膜(例えば、酸化イットリウム)であってもよい。皮膜230は、加熱された材料が表面上に噴霧される熱溶射プロセスを通じて塗布されてもよい。一応用例では、溶射皮膜は、電気的(例えば、プラズマまたはアーク)または化学的(例えば、燃焼)プロセスを通じて加熱される。本開示の実施形態では、工学表面300を画定する(例えば、基底面350に形成された)巨視的なフィーチャは、消耗部品210、より詳細には、陽極酸化層220への耐プラズマ性溶射皮膜230の密着性を強化する。すなわち、巨視的なフィーチャは、耐プラズマ性溶射皮膜230の陽極酸化層220へのより優れた密着性を提供し、同様に、耐プラズマ性溶射皮膜230の陽極酸化層220からの剥離を低減する。溶射皮膜230のより優れた密着性により、いくつかの損傷した溶射皮膜(例えば、剥離)によって生じた陽極酸化アルミニウムの曝露に起因するウエハ上の金属汚染を防止する。
【0065】
図3は、本開示の一実施形態に従って、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計された巨視的なテクスチャを有する工学表面300′を含む、消耗部品210′の説明図である。単なる例示目的で、消耗部品210′は、図1Aにて最初に紹介したプラズマ閉じ込めリング160であってもよい。明確化および説明目的で、プラズマ閉じ込めリング160をプラズマ処理チャンバに配置される消耗部品210′の代用として用いてもよい。例えば、消耗部品210′は、プラズマ処理チャンバに取り外し可能に配置されてもよい。
【0066】
図のように、消耗部品210′のプラズマ対向面310は、以前に紹介したように、複数の隆起したフィーチャ440′を含む工学表面300′を含む。複数の隆起したフィーチャ440′の各々は、基底面350′から斜め上に延びている。例えば、消耗部品210′は、(例えば、図1Aにて示すように)ディスクの形で構成され、ディスクまたは環状リングの内径を含むプラズマ閉じ込めリング160であってもよく、内径は、プラズマ対向面を画定する。具体的には、消耗部品210′がプラズマ処理チャンバに配置されると、消耗部品210′は、ウエハ処理中(例えば、エッチング、堆積中など)にプラズマに曝露される。より詳細には、プラズマ対向面310は、ウエハ処理中にプラズマ処理チャンバ内のプラズマに直接曝露される可能性がある。本開示の実施形態は、消耗部品210′のプラズマ対向面310の巨視的なテクスチャを形成して、工学表面300′を形成し、巨視的なフィーチャは、プラズマ対向面310の表面上にパターン化され、皮膜の密着性を促進する、かつ/もしくはウエハ処理中の消耗部品の表面への副生成物の固着を強化するのを促進する。
【0067】
また、消耗部品210′は、代用のプラズマ閉じ込めリングのように、上部169および下部163を含んでもよい。上部169および/または下部163がプラズマに直接曝露されない場合があるため、いくつかの実施形態では、それらの表面の巨視的なテクスチャを必要としない場合がある。他の実施形態では、上部169および/または下部163がプラズマに間接的に曝露される場合があり、それによって、消耗部品210′の寿命が短くなり、かつ/もしくは副生成物の捕捉ならびに剥離の可能性が増加するため、上部169および/または下部163の巨視的なテクスチャは、実施されてもよい。それらの場合、上部169および/または下部163の巨視的なテクスチャにより、消耗部品210′(例えば、プラズマ閉じ込めリング160)に塗布される任意の追加のプラズマ耐性溶射皮膜(図示せず)の寿命が増加し、かつ/もしくは1つまたは複数のウエハ処理操作中に、副生成物のそれらの表面への優れた密着性が与えられ、副生成物の剥離を防止するのに役立つ可能性がある。
【0068】
一実施形態では、複数の隆起したフィーチャは、空隙を取り囲むように形成されてもよい。例示として、消耗部品のプラズマ対向面に孔(例えば、円形の孔)を形成してもよく、孔の周りの周囲構造は、複数の隆起したフィーチャとして画定されてもよい。例えば、逆ステンシル(例えば、図3の工学表面を形成するために使用されたステンシルのネガ)を、メディアブラスト(例えば、グリットブラスト、ビードブラストなど)とともに用いて、孔および孔を囲む隆起したフィーチャを形成してもよい。
【0069】
別の実施形態では、複数の沈降したフィーチャは、工学表面を画定する。例えば、逆ステンシル(例えば、図3の工学表面を形成するために使用されたステンシルのネガ)をメディアブラスト(例えば、グリットブラスト、ビードブラストなど)とともに用いて、複数の沈降したフィーチャを形成してもよく、沈降したフィーチャは、空隙であってもよい(すなわち、中身のある隆起したフィーチャの反対)。例示として、図3とは反対に、沈降したフィーチャは、基底面から斜め下に延びていてもよい。
【0070】
図4A~4Bは、本開示の実施形態に従って、消耗部品210′の表面の巨視的なテクスチャを示しており、巨視的なテクスチャを画定するフィーチャの各々の例示的な寸法および構成を含む。例えば、図4A~4Bは、図3に示される1つまたは複数の隆起したフィーチャのクローズアップであってもよい。具体的には、図4Aは、本開示の一実施形態に従って、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計された隆起したフィーチャ440′の形の巨視的なテクスチャを有する消耗部品210′の工学表面300′の断面図である。図4Bは、本開示の一実施形態に従って、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計された巨視的なテクスチャを有する工学表面300′の隆起したフィーチャ440′の断面である。図4A~4Bは、中心間隔、アスペクト比、フィーチャ分離(例えば、パターン内のフィーチャ間の距離)、エッジ仕上げ(例えば、丸み)などを含む、複数の隆起したフィーチャ440′を形成する際に制御可能な種々のパラメータを示す。
【0071】
消耗部品210′のプラズマ対向面310は、工学表面300′を含む。前述したように、消耗部品210′は、プラズマ処理チャンバに取り外し可能に配置されてもよい。例えば、消耗部品210′は、プラズマ処理チャンバの内壁を保護するように構成されたライナーと、またはプラズマ処理チャンバの内壁と、または1つまたは複数のCシュラウド部分と、または1つまたは複数のプラズマ閉じ込めリング部分と、またはフォーカスリングと、またはエッジリングと、または静電半導体ウエハクランプ/チャッキングシステムと、または上部電極と、または下部電極と、または誘導結合プラズマ用の誘電体窓などであってもよい。実施形態では、消耗部品210′のプラズマ対向面310は、導電性材料または誘電性材料であってもよい。
【0072】
より詳細には、複数の隆起したフィーチャ440′は、工学表面300′を画定する。複数の隆起したフィーチャ440′は、消耗部品210′のプラズマ対向面310に形成された巨視的なテクスチャを画定する。複数の隆起したフィーチャ440′は、追加層のより優れた密着性および/またはウエハ処理中に形成された副生成物の捕捉のために、追加の結合部位を形成するように設計されている。複数の隆起したフィーチャ440′は、プラズマ対向面310上に所定のパターンにおいて形成される。図のように、基底面350′は、複数の隆起したフィーチャ440′の各々を取り囲み、対応する隆起したフィーチャ440の対応する側壁450が、基底面350′から対応する上部領域470まで延びるようになっている。例えば、図4Aの断面では、複数の隆起したフィーチャ440′は、隆起したフィーチャ440A、フィーチャ440Aの左側に隆起したフィーチャ440B、および他の隆起したフィーチャを含む。図4Aのページ内およびページ外に延びるさらに他の隆起したフィーチャは、図示されていない。
【0073】
隆起したフィーチャ440Aは、中心軸480Aによって画定され、隆起したフィーチャ440Bは、中心軸480Bによって画定される。距離「B」は、2つの中心軸480Aと480Bとの間で画定され、距離Bは、隆起したフィーチャ間の分離を画定する。消耗部品210′のプラズマ対向面310に形成された複数の隆起したフィーチャに対して選択されたパターンに応じて、追加の分離を隆起したフィーチャ間で画定してもよい。単なる例示目的で、距離Bは、約47mmとしてよい。いくつかの実施形態では、距離Bは、約15mm~約75mmまでの間、またはそれ以上の範囲である。いくつかの実施形態では、距離Bは、約10mm~約60mmの間の範囲である。いくつかの実施形態では、距離Bは、約20mm~約50mmの間の範囲である。
【0074】
隆起したフィーチャの各々は、上部領域および側壁を含む。いくつかの実施形態では、隆起したフィーチャは、小塊、または円錐台のように描写される場合がある。隆起したフィーチャの表現として、隆起したフィーチャ440Aは、上部領域470(例えば、平坦域)を含む。上部領域470は、外縁460を有してもよい。一実施形態では、外縁460は、丸みを帯びた角である。別の実施形態では、外縁460は、丸みを帯びておらず、すなわち、左鋭角である。図示目的で、外縁460は、本明細書全体を通じて、丸みを帯びた角であると説明されている。ただし、他のフィーチャによって、鋭角であるなどと定義される可能性がある。隆起したフィーチャの各々は、対応する外縁に対して所定のエッジ仕上げを有してもよい。一実施形態では、エッジ仕上げは、隆起したフィーチャ440Aのように、外縁に丸みを帯びた角を含んでもよい。別の実施形態では、エッジ仕上げは、鋭くかつ/もしくは別個のものであってもよい。プラズマ対向面310にステンシルを介してビードブラストおよび/またはグリットブラストを使用することによって、他のタイプのエッジ仕上げは維持され、それらの形態は制御される。例えば、外縁へのエッジ仕上げは、面取りされたエッジ、上部領域に向かって全体的に山形形状、鋭いエッジなどを含んでもよい。距離「A」は、上部領域470の対向する側の丸みを帯びた角との間の距離を画定する。単なる例示目的で、距離Aは、約2mmであって、距離Aは、上部領域470の直径であってもよい。いくつかの実施形態では、距離Aは、約0.5mm~約5mmまでの間の範囲である。他の実施形態では、距離Aは、約1mm~約4mmの間の範囲である。さらに他の実施形態では、距離Aは、約1.5mm~約3mmの間の範囲である。
【0075】
典型的な隆起したフィーチャ440Aについて、距離「C」は、フィーチャの高さを画定する。単なる例示目的で、距離Cは、約0.5mmであってもよい。いくつかの実施形態では、距離Cは、約0.1mm~約3.0mmまでの間の範囲である。いくつかの実施形態では、距離Cは、約0.2mm~約3mmの間の範囲である。他の実施形態では、距離Cのサイズは、約0.2mm~約2.5mmの間である。さらに他の実施形態では、巨視的なフィーチャのサイズは、約0.2mm~約1.3mmの間の範囲である。他の実施形態では、巨視的なフィーチャのサイズは、約0.3mm~1.0mmの間の範囲である。
【0076】
また、典型的な隆起したフィーチャ440Aは、側壁450を含んでもよい。隆起したフィーチャ440Aは、基底面350′からある角度で上に延びる。具体的には、側壁450は、基底面350′から角度490Aで上に延びており、角度490Aは、線485A(側壁450から延びている)と中心軸480Aとの間で画定される。側壁450および上部領域470の構成は、消耗部品のプラズマ対向面にステンシルを介してグリットおよび/またはビードブラストによる加工によって制御可能なアスペクト比(基底面350′における隆起したフィーチャ440Aのおおよその高さとおおよその直径との間の比)を画定する。単なる例示目的で、角度490Aは、約30度である。実施形態では、角度490Aは、約15度~約60度までの間の範囲である。いくつかの実施形態では、角度490Aは、約0度~約45度の間の範囲である。他の実施形態では、角度490Aは、約15度~約40度の間の範囲である。他の実施形態では、角度490Aは、約20度~約40度の間の範囲である。さらに他の実施形態では、角度490Aは、約25度~約35度の間の範囲である。また、角度490Bは、側壁450から下に延びる線485Aおよび485Bによって示される対向する側との間で画定される。例えば、角度490Bは、約60度である。いくつかの実施形態では、角度490Bは、0度~90度までの範囲である。他の実施形態では、角度490Aは、約30度~約80度の間の範囲である。他の実施形態では、角度490Aは、約40度~約80度の間の範囲である。さらに他の実施形態では、角度490Aは、約50度~約70度の間の範囲である。単なる例示目的で、側壁450および上部領域470を画定する角度490Aおよび490Bは、小塊、または円錐台を形成してもよい。
【0077】
図5は、本開示の一実施形態に従って、追加層の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計された隆起したフィーチャの形状の巨視的なテクスチャを有する消耗部品の工学表面を構築するための方法を示すフロー図500である。フロー図500は、本出願に記載の図1~4及び6~11における消耗部品のプラズマ対向面の工学表面を画定する任意の巨視的なフィーチャを生成および/または構築するために実施されてもよい。フロー図500は、消耗部品の工学表面を画定する巨視的なテクスチャ(例えば、フィーチャ)をパターン化するための1つの方法が、マスキングおよびメディアブラストを通して達成されることを示す。他の実施形態では、機械加工(例えば、物理的またはレーザーアブレーションなどを介して)を通して、工学表面を画定する巨視的なテクスチャ(例えば、フィーチャ)を形成してもよい。さらに他の実施形態では、ステンシルまたはマスクを介した化学エッチング、または選択的な堆積、または所望の工学表面を生成するフィーチャを堆積するための付加製造(例えば、粉末床融合、材料押出、直接堆積などを介して)などを通して、工学表面を画定する巨視的なテクスチャ(例えば、フィーチャ)を形成してもよい。
【0078】
510において、前記方法は、ステンシルを用いて、消耗部品のプラズマ対向面をマスキングすることを含み、ステンシルは、プラズマ対向面へのアクセスを設ける開口部のパターンを含む。消耗部品のプラズマ対向面は、導電性材料(例えば、アルミニウム合金、アルミニウム、金属など)または誘電性材料(例えば、セラミック)を含んでもよい。消耗部品のプラズマ対向面は、プラズマおよびプラズマの副生成物に曝露されるように構成される。前述したように、巨視的なフィーチャは、消耗部品のプラズマ対向面上にパターン化され、耐プラズマ性溶射皮膜の強化された密着性など、皮膜の密着性を促進する。一実施態様では、巨視的なフィーチャは、機械加工の直後に取り出された導電性材料(例えば、アルミニウム合金)に形成されてもよい。
【0079】
ステンシルは、巨視的なフィーチャ(例えば、複数の隆起したフィーチャ)の形成を制御するために使用される。具体的には、巨視的なフィーチャの各々の形態、形状、および/または輪郭は、ブラスト中にプラズマ対向面の上に配置されるステンシルによって制御される。また、プラズマ対向面に形成され、プラズマ対向面の工学表面を画定する複数の隆起したフィーチャのパターン(サブパターンを含む)は、ブラスト中にステンシルを介して制御される。隆起したフィーチャの形成を画定する制御パラメータには、全体的な形状、中心の間隔、アスペクト比、フィーチャの分離(例えば、パターン内のフィーチャ間の距離)、エッジ仕上げ(例えば、丸み)などが含まれるが、これらに限定されない。
【0080】
実施形態では、ステンシルは、任意の適切な材料であってよい。具体的には、メディアブラスト中に変形しない可能性がある任意の材料でステンシルを作ることができる。一実施形態では、ステンシルは、メディアブラスト中に変形する可能性がない材料で作られる。他の実施形態では、ステンシルは、ステンシルが再利用可能となる材料で作られてもよい。他の実施形態では、ステンシルは、使い捨てである。
【0081】
さらに他の実施形態では、ステンシルは、対応する消耗部品(例えば、チャンバライナーなど)の表面のエッジ(例えば、角など)間の転移、コンダクタンスギャップ、消耗部品の表面間の転移などを含む、複雑な部品形状に適合可能な材料で作られる。すなわち、消耗部品のプラズマ対向面は、後に塗布される皮膜の剥離に寄与する可能性のある表面転移(例えば、エッジ、コーナー、谷など)を含む。例えば、本開示の実施形態で変更されていない消耗部品の角では、剥離がより頻繁に発生する可能性がある。実施形態において、プラズマ対向面への巨視的なフィーチャの追加により、表面転移を有するプラズマ対向面への皮膜の密着力が高まり、より強固に付着する。
【0082】
520において、前記方法は、ステンシルを介してプラズマ対向面をブラストメディアで識別してブラストし、工学表面を画定する複数の隆起したフィーチャを生成することを含み、工学表面は、プラズマ対向面に形成される。一実施形態では、巨視的なフィーチャは、製作されたステンシルを介してグリットメディアブラストによって吹付される。別の実施形態では、巨視的なフィーチャは、フォトマスキングおよびエッチングによって形成される。複数の隆起したフィーチャのフィーチャは、工学表面の上に所定のパターンにおいて配置される。また、一実施形態では、複数の隆起したフィーチャの各々は、外縁および側壁を有する上部領域を含む。一実施形態では、外縁は、丸みを帯びている。他の実施形態では、外縁は、丸みを帯びておらず、鋭いエッジまたは角を有するように画定され得る。工学表面の基底面は、複数の隆起したフィーチャの各々を取り囲み、対応する隆起したフィーチャの対応する側壁が、基底面から対応する上部領域まである角度で上に延びるようになっている。
【0083】
以下の方法、メディアを使用したビードブラスト、メディアを使用したグリットブラスト、およびエッチングを伴うフォトマスキングによって巨視的なパターンを生成することができるが、これらに限定されない。一実施形態では、巨視的なパターンは、ブラストメディアとしてビードを用いたビードブラストの加工によって形成される。別の実施形態では、巨視的なパターンは、ブラストメディアとしてグリット材料を用いたグリットブラストの塗布によって形成される。ビードブラストおよび/またはグリットブラスト中の制御パラメータには、メディアのタイプ、メディアのサイズ、ブラストの持続時間、ブラストの方向、パス回数などが含まれる。一実施形態では、ビードブラストまたはグリットブラストに使用されるメディアは、プラズマ対向面上へのブラストメディアの含浸によるプラズマ対向面の汚染を低減および/または防止するために、消耗部品のプラズマ対向面を形成するために使用されるものと同じ組成および/または材料で形成される。さらに他の実施形態では、巨視的なパターンは、フォトマスキングおよびエッチングによって形成される。例えば、エッチングプロセスは、湿式化学エッチング、プラズマエッチングなどを含む。他の実施形態では、パターン化された巨視的なフィーチャは、機械加工、選択的蒸着法、付加製造などによって形成される。
【0084】
追加の仕上げ工程は、消耗部品の巨視的テクスチャ化がなされたプラズマ対向面上で実施される。一実施形態において、例えば、前記方法は、ステンシルを除去することと、プラズマ対向面を第2のブラストメディアで任意にブラストして、複数の隆起したフィーチャを微視的なフィーチャで粗面化することとを含んでもよい。微視的なテクスチャは、複数の隆起したフィーチャ上で実施され、工学表面の上に配置された皮膜の増加した破壊耐性を提供する。他の実施形態では、追加の仕上げ工程では、陽極酸化層の構築および/または生成など、工学表面を陽極酸化することを含んでもよい。また、追加の仕上げ工程として、陽極酸化された工学表面に熱溶射皮膜(例えば、耐プラズマ性溶射皮膜)を塗布してもよい。具体的には、複数の隆起したフィーチャの少なくとも一部は、陽極酸化層を介して突出しており、溶射被膜の陽極酸化層への密着性を高める。
【0085】
一実施形態では、巨視的なフィーチャ(例えば、複数の隆起したフィーチャ、複数の沈降したフィーチャなど)の形成は、ステンシルまたはマスクを介した湿式化学エッチングによって形成されてもよい。例えば、粘着テープを用いて消耗部品を覆うと、曝露された表面の選択的化学エッチングが可能となり、その結果、計画されたフィーチャを形成できる。
【0086】
別の実施形態では、巨視的なフィーチャ(例えば、複数の隆起したフィーチャ、複数の沈降したフィーチャなど)の形成は、選択的蒸着法によって形成されてもよい。隆起したフィーチャは、プラズマなどの湿式化学または乾燥化学を用いて対象となる領域を選択的に活性化し、その後、活性化された領域に所望の材料を蒸着させることによって生成されてもよい。隆起したフィーチャはまた、逆の方法、すなわち、沈降フィーチャのための領域を不動態化して、残りの領域内で後続の蒸着が好ましくなるように生成されてもよい。
【0087】
さらに別の実施形態では、巨視的なフィーチャ(例えば、複数の隆起したフィーチャ、複数の沈降したフィーチャなど)の形成は、付加製造によってなされてもよい。付加材料は、消耗部品の下層にあるプラズマ対向面と同じ材料で構成されてもよいし、異なる組成で構成されてもよい。付加材料はまた、消耗部品の下層にあるプラズマ対向面の微細構造と同じ微細構造を有してよいし、異なる微細構造を有してもよい。例えば、例示目的で、付加製造の方法として、光重合、粉末床融合、材料押し出し、直接堆積などを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0088】
さらに別の実施形態では、複数の沈降したフィーチャは、工学表面を画定する。例えば、逆ステンシルまたはマスクをメディアブラスト(例えば、グリットブラスト、ビードブラストなど)とともに用いて、複数の沈降したフィーチャを形成してもよい。逆ステンシルを使用する場合、工学表面の空隙である(すなわち、固体である隆起したフィーチャの反対)沈降したフィーチャを生成してもよい。別の実施形態では、逆ステンシルまたはマスクを化学エッチングとともに用いて、複数の沈降したフィーチャを形成してもよい。
【0089】
図6A、6B-1、6B-2、および図6Cは、巨視的なテクスチャを有する消耗部品210′の工学表面300′を構築するために、ステンシルを介したグリットブラストまたはビードブラスト加工を示す。具体的には、巨視的なフィーチャ(例えば、隆起したフィーチャ)は、皮膜および/または副生成物の付着を促進するために、消耗部品210′のプラズマ対向面310(例えば、表面)上にパターン化される。
【0090】
具体的には、図6Aは、本開示の一実施形態に従って、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計された隆起したフィーチャの形の巨視的なテクスチャを有する消耗部品210′の工学表面300′を構築するために、ステンシルを介したグリットブラストまたはビードブラスト加工を示す。図6Aに示すように、一実施形態では、複数の隆起したフィーチャは、製作されたステンシル610を介してグリットメディアブラストによって加工される。例えば、ステンシル610は、開口部610Aを含み、ブラストメディアが開口部610Aを通過し、消耗部品210′のプラズマ対向面310に到達し得る。また、ステンシル610は、閉塞部610Bを含み、ここで、ブラストメディアが消耗部品210′のプラズマ対向面310に到達するのを阻止する。そのようにして、ステンシル610は、消耗部品のプラズマ対向面310上への複数の隆起したフィーチャの形成を制御し、複数の隆起したフィーチャは、消耗部品210′の対応する工学表面を画定する。
【0091】
図6Aに示すように、距離615は、ステンシル610とプラズマ対向面310(例えば、プラズマ対向面の表面)との間の距離を示す。いくつかの用途では、ビードおよび/またはグリットブラスト中に、ステンシル615がプラズマ対向面310上に静止するまで、距離615は最小化される。他の実施形態では、ステンシル615は、ビードおよび/またはグリットブラスト中に、プラズマ対向面310から外れている(例えば、距離615は、値を有する)。
【0092】
ブラスターノズル620は、ステンシルを介してブラストメディア(例えば、グリットおよび/またはビード)を1つまたは複数の角度で、消耗部品210′のプラズマ対向面310に送出するように構成される。いくつかの実施態様では、ブラスターノズル620は、パターンでステンシルの方へ移動する。例えば、ブラスターノズル610は、第1のサイクルまたはパスにおいて、1つまたは複数の方向に移動してもよい。例示目的で、ブラスターノズル610は、1つのサイクルまたはパスにて、ステンシルの方へ1方向(例えば、垂直または横方向、または斜め方向)に移動してもよい。ビードおよび/またはグリットブラストプロセス中に、1つまたは複数のサイクルまたはパスが実施されてもよい。また、消耗部品210′のプラズマ対向面310に複数の隆起したフィーチャを構築するときに、ブラスターノズル620の移動の異なるパターンを実施してもよい。
【0093】
図6B-1は、図6Aに示した消耗部品210′のプラズマ対向面310に1つの角度でグリットブラストまたはビードブラスト加工して、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計された隆起したフィーチャの形の巨視的なテクスチャを有する工学表面を構築することを示す。具体的には、巨視的なフィーチャ(例えば、隆起したフィーチャ)は、皮膜および/または副生成物の密着性を促進するために、消耗部品210′のプラズマ対向面310(例えば、表面)上にパターン化される。
【0094】
図6B-1に示すように、ステンシル610は、ビードおよび/またはグリットメディアブラスト中に、消耗部品210′のプラズマ対向面310に対して配置される。ステンシル610は開口部610Bを含み、バスターノズル620からブラストされると、ブラストメディア629が開口部610Bを通ってプラズマ対向面310に到達できる。ステンシル610は閉塞部610Aを含み、ブラストメディア629が通過し、消耗部品210′のプラズマ対向面310に到達するのを制限する。前述したように、ブラスターノズル620は、所定の動き625など、所定のパターンまたはランダムなパターンで、ステンシルの方へ移動してもよい。
【0095】
ビードブラストおよび/またはグリットブラストの加工中に、微粒子635は、消耗部品210′から除去される。具体的には、ブラストメディアは、プラズマ対向面310に衝突および/または衝撃を与え、消耗部品210′の部分(例えば、材料)を微粒子635として除去する。例えば、領域630Aおよび630Bは、隆起したフィーチャ440Aの対向面上の消耗部品210′から除去される。一実施形態では、領域630Aおよび630Bは、隆起したフィーチャ440Aを取り囲むように共に結合する。微粒子635は、ブラストメディア629を含んでもよい。
【0096】
隆起したフィーチャ440Aの外縁のハイライト690は、ステンシル610の閉塞部610の下にある消耗部品210′から材料をアンダーカットしていることを示す。具体的には、ブラストメディアが閉塞部610Aの下で消耗部品210′のプラズマ対向面310から材料を除去するとき、一実施形態において、ハイライト690は、隆起したフィーチャ440Aの上部領域の外縁の丸みを帯びた角の形成を示す。
【0097】
図6B-2は、本開示の一実施形態に従って、消耗部品210′のプラズマ対向面310に複数の角度でグリットブラストまたはビードブラスト加工して、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計された隆起したフィーチャの形の巨視的なテクスチャを有する工学表面300′を構築することを示す。具体的には、巨視的なフィーチャ(例えば、隆起したフィーチャ)は、被膜および/または副生成物の接着を促進するために、消耗部品210′のプラズマ対向面310(例えば、表面)上にパターン化される。
【0098】
図6B-2に示すように、ステンシル610′は、ビードおよび/またはグリットメディアブラスト中、消耗部品210′のプラズマ対面側310に対して配置される。ステンシル610′は、開口部610B′を含み、バスターノズル620からブラストされると、ブラストメディア629が開口部610B′を通ってプラズマ対向面310に到達できる。ステンシル610′は、閉塞部610A′を含み、ブラストメディア629が通過し、消耗部品210′のプラズマ対向面310に到達するのを制限する。閉塞部610Aの各々は、少なくとも1つの角度のついた側面605を含む。例えば、対応する閉塞部610Aは、角度のついた側面605Aおよび605Bを含んでもよい。
【0099】
前述のように、ブラスターノズル620は、所定の動き625Aおよび/または625Bなどにおいて、所定のまたはランダムなパターンで、ステンシルの方へ移動してもよい。ビードブラストおよび/またはグリットブラストの加工中に、微粒子635は、消耗部品210′から除去される。具体的には、ブラストメディアは、プラズマ対向面310に衝突および/または衝撃を与え、消耗部品210′の部分(例えば、材料)を微粒子635として除去する。例えば、領域630A′および630B′は、隆起したフィーチャ440A′の対向面上の消耗部品210′から除去される。一実施形態では、領域630A′および630B′は、隆起したフィーチャ440A′を取り囲むようにともに結合する。微粒子635は、ブラストメディア629を含んでもよい。
【0100】
例えば、1つのパスでは、ブラスターノズル620は一方向に移動し、別のパスでは、ブラスターノズル620は反対方向に移動してもよい。別の実施態様では、ブラスターノズル620は、プラズマ対向面310に対して第1の角度でノズルを持ったパターンで所定の移動625Aに従う。具体的には、一実施形態において、第1の角度でのブラストメディア629の送出は、対応する閉塞部610Aの角度の付いた側面605Aと一直線になる。ブラストメディア629は、対応する閉塞部610Aをアンダーカットして、対応する隆起したフィーチャ440Aの上部領域の外縁の丸みを帯びた角を形成できるようにする。別の実施態様では、ブラスターノズル620は、プラズマ対向面310に対して第2の角度でノズルを持ったパターンで所定の動き625Bに従う。具体的には、一実施形態において、第2の角度でのブラストメディア629の送出は、対応する閉塞部610Aの角度の付いた側面605Bと一直線になる。ブラストメディア629は、対応する閉塞部610Aをアンダーカットして、対応する隆起したフィーチャ440Aの上部領域の外縁の丸みを帯びた角を形成できるようにする。
【0101】
図6Cは、本開示の一実施形態に従って、図6A、6B-1および/または6B―2に示すように、グリットブラストまたはビードブラスト加工した後の消耗部品の工学表面300′を示しており、工学表面300′は、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計された複数の隆起したフィーチャ440A′(隆起したフィーチャ440A含む)の形の巨視的なテクスチャを含む。
【0102】
具体的には、巨視的なフィーチャが消耗部品210′のプラズマ対向面310に生成された後、ステンシル610は、プラズマ対向面310から除去されて、工学表面300′を画定する複数の隆起したフィーチャを露出させる。具体的には、巨視的なフィーチャは、図4A~4Bに関連して前述された隆起したフィーチャ440Aによって表されてもよい。例えば、隆起したフィーチャ440Aは、外縁を有する可能性のある上部領域470と、工学表面300′の基底面350′からある角度で上に延びる側壁とを含む。空の領域630Aおよび630Bは、隆起した領域440Aを取り囲むように結合してもよい。図6Cに示すように、一実施形態では、隆起したフィーチャ440Aの外縁460は、丸みを帯びている。隆起したフィーチャの各々は、前述のように、対応する外縁に対して所定のエッジ仕上げを有してもよい。一実施形態では、エッジ仕上げは、隆起したフィーチャ440Aなどに対して、外縁に丸みを帯びた角を含んでもよい。他の実施形態では、エッジ仕上げは、外縁に鋭角を含んでもよい。
【0103】
一実施形態では、巨視的なフィーチャが生成された後、ステンシルは除去され、工学表面300′全体はグリットブラストおよび/またはビードブラストを受けて、任意に微視的な粗面を生成する。その後、消耗部品210′の工学表面300′は、陽極酸化および上層コーティング(例えば、耐プラズマ性溶射皮膜)の仕上げを受ける。耐プラズマ性溶射皮膜は、プラズマ溶射、熱溶射、CVD、または他の利用可能な技術を介して塗布され得る。
【0104】
図7Aは、本開示の一実施形態に従って、陽極酸化され(例えば、陽極酸化層220-1)、耐プラズマ性溶射皮膜230-1で覆われた工学表面300-1を含む消耗部品210-1を示し、消耗部品210-1は、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計された隆起したフィーチャの形の巨視的なテクスチャを有する工学表面300-1に合致しない。
【0105】
具体的には、複数の隆起したフィーチャ440-1は、消耗部品210-1のプラズマ対向面310-1上に形成される。複数の隆起したフィーチャ440-1は、工学表面300-1を画定する。また、複数の隆起したフィーチャ440-1は、グリットおよび/またはビードメディアでさらにブラストされ、微視的なテクスチャを任意に形成してもよい。工学表面300-1は、陽極酸化され、陽極酸化層220-1が形成される。また、陽極酸化層220-1の上に耐プラズマ性溶射皮膜230-1が形成される。
【0106】
複数の隆起したフィーチャ440-1の各々は、おおよその高さ「h1」を有する。高さ「h1」は、複数の隆起したフィーチャ440-1の輪郭を画定し得る。図のように、陽極酸化層220-1の表面705-1は、複数の隆起したフィーチャ240-1の輪郭を密接になぞるかつ/もしくは輪郭に適合可能である。複数の隆起したフィーチャ440-1の輪郭が陽極酸化層220-1を介して曝露されるため、陽極酸化層220-1に対する耐プラズマ性溶射皮膜230-1の密着力が強化される。
【0107】
また、高さ「h1」は、耐プラズマ性溶射皮膜230-1の表面710が、複数の隆起したフィーチャ440-1の輪郭をなぞらず、かつ/もしくは輪郭に合致しないような特定の寸法である。すなわち、高さ「h1」は、溶射皮膜230-1(一般に、陽極酸化層220-1の厚さの2~3倍)が、複数の隆起したフィーチャ440-1の輪郭の山と谷を充填し、さらに、表面710が比較的平坦になるように複数の隆起したフィーチャ440-1の上に広がるようなより小さな寸法である。
【0108】
図7Bは、本開示の一実施形態に従って、陽極酸化され(例えば、陽極酸化層220-2)、耐プラズマ性溶射皮膜230-2で覆われた工学表面300-2を含む消耗部品210-2を示し、耐プラズマ性溶射皮膜230-2は、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計された隆起したフィーチャの形の巨視的なテクスチャを有する工学表面に合致する。
【0109】
具体的には、複数の隆起したフィーチャ440-2は、消耗部品210-2のプラズマ対向面310-2上に形成される。複数の隆起したフィーチャ440-2は、工学表面300-2を画定する。また、複数の隆起したフィーチャ440-2は、グリットおよび/またはビードメディアでさらにブラストされ、微視的なテクスチャを任意に形成してもよい。工学表面300-2は、陽極酸化され、陽極酸化層420-2が形成される。また、陽極酸化層220-2の上に耐プラズマ性溶射皮膜230-2が形成される。耐プラズマ性溶射皮膜230-2の表面720は、プラズマ処理システム内でプラズマに曝露される。
【0110】
複数の隆起したフィーチャ440-2の各々は、おおよその高さ「h2」を有する。高さ「h2」は、複数の隆起したフィーチャ440-2の輪郭を画定してもよい。図のように、陽極酸化層220-2の表面705-2は、複数の隆起したフィーチャ440-2の輪郭を密接になぞるかつ/もしくは輪郭に適合可能である。複数の隆起したフィーチャ440-2の輪郭が陽極酸化層220-2を介して曝露されるため、陽極酸化層220-2に対する耐プラズマ性溶射皮膜230-2の密着力が強化される。
【0111】
また、高さ「h2」は、耐プラズマ性溶射皮膜230-2の表面720が複数の隆起したフィーチャ440-2の輪郭をなぞるおよび/または輪郭に合致するような特定の寸法である。すなわち、高さ「h2」は、溶射皮膜230-2が複数の隆起したフィーチャ440-2の輪郭の山と谷をなぞるようなより大きな寸法(例えば、高さ「h2」は高さ「h1」よりも大きい)である。図のように、表面720は、比較的平坦ではなく、複数の隆起したフィーチャ440-2の輪郭に合致する。
【0112】
図8Aは、本開示の一実施形態に従って、追加層の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計された隆起したフィーチャの形の巨視的なテクスチャを有する工学表面を構築するために、グリットブラストまたはビードブラスト加工のメディアを向けるように構成されたステンシル800Aおよび複数の例示的な開口部を示す。異なるタイプの開口部は、対応する消耗部品のプラズマ対向面に対応する隆起したフィーチャを形成するとき、異なる効果を有してもよい。例えば、開口部の形状は、楕円形の開口部801(例えば、円など)、多面的多角形の開口部802(例えば、8面など)、正方形または長方形の開口部803、三角形の開口部、対称的な形状、非対称的な形状などを含んでもよいが、これらに限定されない。本願を通してステンシルの開口部が円形であるように示しているが、開口部は、任意のタイプおよび形状の開口部とすることができる。
【0113】
図8Bは、本開示の一実施形態に従って、パターン810で配置された複数の開口部を有するステンシル800Bを示す。パターン化されたステンシル800Bは、工学表面を構築するために、消耗部品のプラズマ対向面上に、グリットブラストまたはビードブラスト加工のメディアを識別して向けるように構成される。具体的には、工学表面は、追加層の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計されたパターン化された巨視的なテクスチャを有する。一実施形態では、パターン810の開口部は、図8Bに示すように、ステンシル全体にわたって均一に繰り返される。さらに、開口部の形状およびサイズは、前述したように選択可能である。また、開口部の密度も選択可能である。
【0114】
さらに別の実施形態では、例示のみを目的として使用される800Bのステンシルを反転させて、工学表面を画定する複数の沈降したフィーチャを形成してもよい。例えば、逆ステンシルまたはマスクをメディアブラスト(例えば、グリットブラスト、ビードブラストなど)とともに用いて、複数の沈降したフィーチャを形成してもよく、沈降したフィーチャは、工学表面の空隙であってもよい(すなわち、固体である隆起したフィーチャの反対側)。別の実施形態では、逆ステンシルまたはマスクを化学エッチングとともに用いて、複数の沈降したフィーチャを形成してもよい。
【0115】
図8Cは、本開示の一実施形態に従って、2ゾーンパターンで配置された複数の開口部を有し、追加層の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計されたパターン化された巨視的なテクスチャを有する工学表面を構築するために、消耗部品のプラズマ対向面上にグリットブラストまたはビードブラスト加工のメディアを向けるステンシル800Cを示す。具体的には、ステンシル800Cは、第1のゾーン820Aおよび第2のゾーン820Bを含む画定されたパターン820を含み、ライン825が2つのゾーンを分離する。
【0116】
2ゾーンの開口部は、円または楕円であるように示しているが、任意の形状とすることができる。また、第1のゾーン820Aの開口部は、第1のタイプ(例えば、円)であってもよく、第2のゾーン820Bの開口部は、第2のタイプ(例えば、正方形)であってもよい。また、第1のゾーン820Aおよび第2のゾーン820Bの開口部のサイズは均一であるが、第1のゾーン820Aの開口部のサイズは第1のサイズであってもよく、第2のゾーン820Bの開口部のサイズは第2のサイズであってもよい。開口部のサイズおよび形状は、それぞれ、形成された巨視的なフィーチャのサイズおよび形状を制御し得る。
【0117】
第1のゾーン820Aは、第1のサブパターンで配置された第1のセットの隆起したフィーチャを含む。第2のゾーン820Bは、第2のサブパターンで配置された第2のセットの隆起したフィーチャを含む。また、第1のゾーン820Aおよび第2のゾーン820Bのサブパターンに、互いに密接に倣っていてもよく、互いに異なっていてもよい。図8Cに示すように、第1のゾーン820Aの第1のサブパターンは、第2のゾーン820Bのサブパターンと類似しており、両方とも開口部間で均一な変位(例えば、横方向、縦方向、および/または斜め方向の変位)に従うようになっている。ただし、2つのゾーンの開口部の密度は、異なっている。具体的には、第1のゾーン820Aの開口部の密度は、第2のゾーン820Bの開口部の密度よりも小さい。
【0118】
図8Dは、本開示の一実施形態に従って、3ゾーンパターンで配置された複数の開口部を有し、追加層の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計されたパターン化された巨視的なテクスチャを有する工学表面を構築するために、グリットブラストまたはビードブラスト加工のメディアを消耗部品のプラズマ対向面上に向けるステンシル800Dを示す。具体的には、ステンシル800Dは、第1のゾーン830A、第2のゾーン830B、および第3のゾーン830Cを含む画定されたパターン830を含む。ライン831は、第1のゾーン830Aを第2のゾーン830Bから分離し、ライン832は、第2のゾーン830Bを第3のゾーン830Cから分離する。
【0119】
3つのゾーンの開口部は、円または楕円であるように示しているが、任意の形状とすることができる。また、第1のゾーン830Aの開口部は、第1のタイプ(例えば、円)であってもよく、第2のゾーン830Bの開口部は、第2のタイプ(例えば、正方形)であってもよく、第3のゾーン830Cの開口部は、第1または第2のタイプ、もしくは第3のタイプ(例えば、三角形)であってもよい。また、3つのゾーンの開口部のサイズが均一であることを示しているが、第1のゾーン830Aの開口部のサイズが第1のサイズであってもよく、第2のゾーン830Bの開口部のサイズが第2のサイズであってもよく、第3のゾーン830Cの開口部のサイズが第3のサイズであってもよい。すなわち、3つのゾーンの各々の開口部のサイズは、同様であっても、異なっていてもよい。開口部のサイズおよび形状は、それぞれ、形成された巨視的なフィーチャのサイズおよび形状を制御し得る。
【0120】
第1のゾーン830Aは、第1のサブパターンで配置された第1のセットの隆起したフィーチャを含む。第2のゾーン830Bは、第2のサブパターンで配置された第2のセットの隆起したフィーチャを含む。第3のゾーン830Cは、第3のサブパターンで配置された第3のセットの隆起したフィーチャを含む。また、3つのゾーンのサブパターンは、互いに密接に倣っていてもよく、互いに異なっていてもよい。図のように、3つのゾーンの各々のサブパターンは、互いに類似しており、開口部間で均一な変位(例えば、横方向、縦方向、および/または斜め方向の変位)に従うようになっている。ただし、3つのゾーンの開口部の密度は異なっている。具体的には、第1のゾーン830Aの開口部の密度は、3つのゾーンの中で最も大きい。また第3のゾーン830Cの開口部の密度は、3つのゾーンの中で最も小さい。さらに、第2のゾーンの開口部の密度は、第1のゾーン830Aの開口部の密度よりも小さいが、第3のゾーン830Cの開口部の密度よりも大きい。
【0121】
図8Eは、本開示の一実施形態に従って、線型スケールのパターンで配置された複数の開口部を有し、追加層の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計されたパターン化された巨視的なテクスチャを有する工学表面を構築するために、消耗部品のプラズマ対向面上にグリットブラストまたはビードブラスト加工のメディアを向けるステンシル800Eを示す。具体的には、プロット850は、ステンシルにわたって特定の方向に移動しながら、ステンシル800Eの開口部の密度を示す。例えば、プロット850は、ステンシル800Eの開口部の密度を示す縦軸851と、特定の方向にステンシル800Eにわたる距離を示す横軸852とを含む。プロット850に続いて、ステンシル800Eの左側では、開口部の密度が最も高い。ステンシル800Eを左から右の方へ移動すると、密度は直線的に減少し、ステンシル800Eの右側の端まで到達して開口部の密度が最小(例えば、ゼロ)になるまで減少する。
【0122】
ステンシル800Eの開口部は、円または楕円であるように示されているが、任意の形状とすることができる。また、開口部は、ステンシル800E全体、ならびにステンシルのいずれかのサブパターンで形状を変えてもよい。また、開口部のサイズがステンシル800E全体で均一であるように示されているが、開口部のサイズは、全体で異なっていてもよい。開口部のサイズおよび形状は、それぞれ、形成される巨視的なフィーチャのサイズおよび形状を制御し得る。
【0123】
図9A-1、9A-2、9B-1、9B-2、9C-1、9C-2、9D、9Eは、対応する工学表面全体にわたって配置された隆起したフィーチャの異なる構成およびパターンを示しており、単に例示および明確化の目的で提供されている。フィーチャは、カスタマイズされたパターンで工学表面全体にわたって形成されてもよく、フィーチャは、サイズ、形状、隆起したフィーチャの密度などの選択可能なパラメータに応じて形成される。
【0124】
図9A-1は、本開示の一実施形態に従って、パターン910で対応する工学表面全体にわたって均一に配置された複数の隆起したフィーチャを示す。工学表面を画定する隆起したフィーチャは、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計されたパターン化された巨視的なテクスチャを含む。前述のように、フィーチャの構造および高さは、共形な耐プラズマ性溶射皮膜(図示せず)を構築するために均一であるように構成される。すなわち、溶射皮膜は、工学表面の輪郭に同様に合致する輪郭を有する。例えば、パターン910における巨視的に隆起したフィーチャの高さと隆起したフィーチャ間の分離により、溶射皮膜の上面がパターン910における工学表面の輪郭にほぼ適合可能となる。
【0125】
図9A-2は、本開示の一実施形態による、図9A-1のフィーチャよりも小さい密度で均一に配置された複数の隆起したフィーチャを示す。図9A-2のフィーチャは、パターン920で対応する工学表面全体にわたって均一に配置される。図9A-2のフィーチャの構造および高さは、図9A-1のフィーチャと同様に構成されており、前述のように、共形な耐プラズマ性溶射皮膜を構築するために均一であるように構成される。ただし、図9A-2のパターン920におけるフィーチャの密度は、密度が選択可能であることを示すために、図9A-1のパターン910におけるフィーチャの密度よりも小さい。また、パターン910および920の各々におけるフィーチャのサイズおよび形状は、選択可能である。
【0126】
図9B-1は、本開示の一実施形態による、パターン930で均一に配置された複数の隆起したフィーチャを示す。パターン930におけるフィーチャの構造および高さは、均一である。具体的には、パターン930におけるフィーチャの高さは、図9A-1のパターン910におけるフィーチャの高さよりも小さい。パターン930におけるフィーチャの構造および高さは、前述のように、比較的平坦な非共形な耐プラズマ性溶射皮膜を構築するために均一であるように構成される。すなわち、溶射皮膜は、工学表面の輪郭に合致しない輪郭を有する。隆起したフィーチャは、追加層の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計されたパターン化された巨視的なテクスチャを有する工学表面を画定する。例えば、パターン930における巨視的な隆起したフィーチャの高さと隆起したフィーチャ間の分離により、溶射皮膜の上面がパターン930の工学表面の輪郭にほぼ適合できなくなる可能性がある。
【0127】
図9B-2は、本開示の一実施形態に従って、図9B-1のフィーチャよりも小さい密度で均一に配置された複数の隆起したフィーチャを示す。図9B-2のフィーチャは、パターン940における対応する工学表面全体にわたって均一に配置される。図9B-2のフィーチャの構造および高さは、図9B-1のフィーチャと同様に構成されており、前述ように、非共形な耐プラズマ性溶射皮膜を構築するために均一であるように構成される。図9B-2のパターン940におけるフィーチャの密度は、密度が選択可能であることを示すために、図9B-1のパターン930におけるフィーチャの密度よりも小さい。また、パターン930および940の各々におけるフィーチャのサイズおよび形状は、選択可能である。
【0128】
図9C-1は、本開示の一実施形態に従って、2つのサブパターン950Aおよび950Bをさらに含むパターン950で配置された複数の隆起したフィーチャを示す。2つのサブパターン950Aおよび950Bにおける隆起したフィーチャは、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計されたパターン化された巨視的なテクスチャを有する工学表面を画定する。2つのサブパターン950Aおよび950Bの各々全体にわたるフィーチャの構造および高さは、前述のように、共形な耐プラズマ溶射射皮膜(図示せず)を構築するために均一である。すなわち、溶射皮膜は、工学表面の輪郭と同様に合致する輪郭を有する。例えば、パターン910における巨視的な隆起したフィーチャの高さと隆起したフィーチャ間の分離により、溶射皮膜の上面がパターン910の工学表面の輪郭にほぼ適合可能となる。フィーチャは、2つのサブパターン950Aおよび950Bの各々全体にわたって均一であるように示されているが、サブパターン950B(右側へ)におけるフィーチャの密度は、サブパターン950A(左側へ)におけるフィーチャの密度よりも小さく、サブパターン950Aおよび950Bの各々における隆起したフィーチャの密度は、選択可能であることを示す。さらに、フィーチャは、2つのサブパターン950Aおよび950Bの各々全体にわたって均一であることが示されているが、図9C-2にさらに示されているように、フィーチャは、異なる構成を有してもよい。
【0129】
図9C-2は、本開示の一実施形態に従って、2つのサブパターン960Aおよび960Bで配置された複数の隆起したフィーチャを示しており、各サブパターンにおけるフィーチャの構造および高さは、均一であるが、2つのサブパターン間で異なっていてもよい。2つのサブパターン960Aおよび960Bにおける隆起したフィーチャは、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計されたパターン化された巨視的なテクスチャを有する工学表面を画定する。2つのサブパターン960Aおよび960Bの各々にわたるフィーチャは、異なる構成を有する。具体的には、サブパターン960Aにおけるフィーチャの構造および高さは、前述のように、共形な耐プラズマ性溶射皮膜(図示せず)を構築するために均一である。例えば、サブパターン960Aにおける巨視的な隆起したフィーチャの高さおよび隆起したフィーチャの分離によって、溶射皮膜の上面がサブパターン960Aにおける工学表面の輪郭に同様におよび/またはほぼ適合可能となる。一方、サブパターン960Bにおけるフィーチャの構造および高さは、前述のように、非共形な耐プラズマ性溶射皮膜を構築するために均一である。例えば、サブパターン960Bにおける巨視的な隆起したフィーチャの高さおよび隆起したフィーチャ間の分離により、溶射皮膜の上面がサブパターン960Bにおける工学表面の輪郭に同様におよび/またはほぼ適合できなくなる可能性がある。すなわち、溶射皮膜の上面は、サブパターン960Bにおける隆起したフィーチャに合致しない輪郭を有する。このように、溶射皮膜は、下層にある隆起したフィーチャのサブパターンに応じて異なる輪郭を有してもよい。フィーチャは、サブパターン960Aおよび960Bの両方の全体にわたって同じ密度を有するように示されているが、フィーチャの密度は、2つのサブパターン960Aおよび960Bとの間で変化する可能性があり、サブパターン960Aおよび960Bの各々における隆起したフィーチャの密度は、選択可能となる。例えば、サブパターン960B(右側へ)におけるフィーチャの密度は、サブパターン960A(左側へ)におけるフィーチャの密度よりも小さくてもよく、その逆でもよい。
【0130】
図9Dは、本開示の一実施形態に従って、3つのサブパターン(970A、970Bおよび970C)で配置された複数の隆起したフィーチャを示しており、サブパターン全体にわたるフィーチャの構造および高さは、均一である。3つのサブパターン970A、970B、および970Cにおける隆起したフィーチャは、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計されたパターン化された巨視的なテクスチャを有する工学表面を画定する。3つのサブパターンにおける各々にわたるフィーチャは、同じ構成を有してもよい。例えば、3つのサブパターンにおけるフィーチャの構造および高さは、前述のように、共形または非共形な耐プラズマ性溶射皮膜(図示せず)を構築するために均一であってもよい。例えば、3つのサブパターンにおける巨視的な隆起したフィーチャの高さおよび隆起したフィーチャ間の分離により、下層にあるサブパターンに応じて、溶射皮膜の上面が工学表面の輪郭に同様におよび/またはほぼ適合可能となる。あるいは、巨視的な隆起したフィーチャの高さと3つのサブパターンにおける隆起したフィーチャ間の分離により、溶射皮膜の上面が工学表面の輪郭に同様におよび/またはほぼ適合できなくなる可能性がある。フィーチャは、3つのサブパターンの各々全体にわたって均一であるように示されているが、他の実施形態では、1つのサブパターンにおけるフィーチャの構成(例えば、サイズおよび形状)は、基礎となるサブパターンに応じて、別のサブパターンにおけるフィーチャの構成に対して異なる場合がある。より詳細には、サブパターン970A、970B、および970Cの各々におけるフィーチャの密度は、異なる密度を有する。具体的には、サブパターン970Aにおけるフィーチャの密度が最も高く、サブパターン970Cにおけるフィーチャの密度が最も低い。また、サブパターン970Bのフィーチャにおける密度は、サブパターン970Cにおけるフィーチャの密度よりも大きく、サブパターン970Aにおけるフィーチャの密度よりも小さい。
【0131】
図9Eは、本開示の一実施形態に従って、フィーチャの密度が直線的に増加するように、直線的にスケーリングされたパターン980で配置された複数の隆起したフィーチャを示す。隆起したフィーチャは、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計されたパターン化された巨視的なテクスチャを有する工学表面を画定する。単に例示目的で、パターン980におけるフィーチャは、図8Eのステンシル800Eを用いて形成してもよい。具体的には、工学表面全体にわたるフィーチャは、同じ構成を有してもよい。例えば、パターン980におけるフィーチャの構造および高さは、前述のように、共形または非共形な耐プラズマ性溶射皮膜(図示せず)を構築するために均一であってもよい。フィーチャは、工学表面全体にわたって均一であるように示されているが、他の実施形態では、フィーチャの構成(例えば、サイズおよび形状)は、工学表面全体で変化してもよい。プロット990は、パターン980における隆起したフィーチャの密度を示す。例えば、プロット990は、隆起したフィーチャ(例えば、小塊)の密度を示す縦軸991と、特定の方向に工学表面全体にわたる距離を示す横軸992とを含む。プロット990に従うと、隆起したフィーチャの密度は、特定の方向において、パターン980の左側で最も高い。特定の方向に沿って工学表面を示すパターン980の方へ移動すると、隆起したフィーチャの密度は、直線的に減少し、隆起した開口部の密度がパターン980の右側まで最小(例えば、ゼロ)に達するまで減少する。
【0132】
図10は、本開示の一実施形態に従って、パターンで配置された複数の隆起したフィーチャにおいて、説明した構成(例えば、丸みを帯びたエッジ)を生成するために、消耗部品210′のプラズマ対向面310に異なるステンシルを適用するプロセスを示す。例えば、対応するブラストメディアを用いるビードブラストおよび/またはグリットブラストは、2つのパスにおいて行われる。第1のパスでは、ステンシル1を用いて、第1のブラストメディアを用いたビードブラストおよび/またはグリットブラストが行われる。ビードおよび/またはグリットブラストは、所定のパターンに従って、1つまたは複数の所定の角度(例えば、ブラスターノズルの角度)で、ステンシル1(1010)の方へ移動してもよい。第2のパスでは、ステンシル2(1020)を用いて、第2のブラストメディアでビードブラストおよび/またはグリットブラストが行われる。第1および第2のブラストメディアは、同一であっても異なっていてもよい。ビードおよび/またはグリットブラストは、所定のパターンに従って、1つまたは複数の所定の角度(例えば、ブラスターノズルの角度)で、ステンシル2の方へ移動してもよい。異なるステンシル1および2を使用することにより、工学表面を画定する隆起したフィーチャに所望のエッジを促進させてもよい。例えば、ステンシル2の開口部は、ステンシル1の開口部よりも大きくてもよいが、開口部の両パターンは、概ね同じパターンに従う。そのようにして、第2のパスの間、ブラストメディアは、図4A~4Bに示されるように、工学表面に形成され、工学表面を画定する複数の隆起したフィーチャの上部領域の外縁に丸みを帯びた角を生成するために、消耗部品210′のプラズマ対向面310の追加領域に到達してもよい。
【0133】
図11は、本開示の一実施形態に従った、陽極酸化され(陽極酸化層220-3)、耐プラズマ性溶射皮膜230-3で覆われた工学表面を含む消耗部品210-3の断面の電子顕微鏡画像である。工学表面は、本開示の一実施形態に従って、追加層および/または副生成物の密着性をより優れたものにするための追加の結合部位を生成するように設計されたパターン化された巨視的なテクスチャを含む。
【0134】
例示および説明の目的で実施形態の上述の説明を提供してきた。包括的であることもしくは本開示を限定することを意図したものではない。具体的な実施形態の個々の要素または特徴は、一般に、その具体的な実施形態に限定されないが、適用可能な場合には、交換可能であり、具体的に示されていないかまたは説明されていない場合であっても、選択された実施形態で使用できる。また、同じものを様々な方法で変化させてもよい。そのような変形は本開示からの逸脱と見なされるべきではなく、そのような変形はすべて本開示の範囲に含まれることを意図する。
【0135】
理解を明確にする目的で、前述の実施形態をある程度詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲内で一部変更および変形を実施できることは明らかであろう。したがって、本実施形態は、例示的であって制限的ではないと見なされるべきであり、本実施形態は、本明細書で与えられた詳細に限定されるものではなく、その範囲および特許請求の範囲の等価物の範囲内で修正してもよい。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B-1】
図6B-2】
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9A-1】
図9A-2】
図9B-1】
図9B-2】
図9C-1】
図9C-2】
図9D
図9E
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2021-10-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理チャンバ用の消耗部品であって、
前記消耗部品のプラズマ対向面と、
前記消耗部品の前記プラズマ対向面に形成された工学表面と、
前記工学表面を画定する複数の隆起したフィーチャであって、前記複数の隆起したフィーチャのフィーチャは、所定のパターンで配置され、前記複数の隆起したフィーチャの各々は、外縁および側壁を有する上部領域を含む複数の隆起したフィーチャと、
前記複数の隆起したフィーチャの各々を取り囲む前記工学表面の基底面であって、対応する隆起したフィーチャの対応する側壁が前記基底面から対応する上部領域に向かってある角度で均一に上に延びるようになっている前記工学表面の基底面と
を備え、
前記消耗部品は、前記プラズマ処理チャンバに設置されるように構成され、
前記消耗部品は、プラズマおよび前記プラズマの副生成物に曝露されるように構成され
前記対応する隆起したフィーチャの中心軸と、前記対応する側壁との間に画定される前記角度は、15度から80度までの間である、
消耗部品。
【請求項2】
請求項1に記載の消耗部品であって、
前記複数の隆起したフィーチャ上に形成された非共形皮膜を更に備える、消耗部品。
【請求項3】
請求項1に記載の消耗部品であって、
前記複数の隆起したフィーチャのフィーチャは、前記基底面を基準に対応する隆起したフィーチャの高さが約0.2mm~約3mmまでの範囲を有する巨視的なものである、消耗部品。
【請求項4】
請求項1に記載の消耗部品であって、
前記工学表面の上に形成される陽極酸化層と、
前記陽極酸化層の上に形成される熱溶射皮膜と
をさらに備え、
前記複数の隆起したフィーチャは、前記熱溶射皮膜の前記陽極酸化層への密着性を強化するように構成される、消耗部品。
【請求項5】
請求項1に記載の消耗部品であって、
前記消耗部品は、
前記プラズマ処理チャンバの内壁を保護するように構成されたライナー、または
1つまたは複数のCシュラウド部分、または
1つまたは複数のプラズマ閉じ込めリング部分、または
フォーカスリング、または
エッジリング、または
静電半導体ウエハクランプ/チャッキングシステム、または
上部電極、または
誘導結合プラズマ用の誘電体窓、または
下部電極
のうちの1つを備える、消耗部品。
【請求項6】
請求項1に記載の消耗部品であって、
前記複数の隆起したフィーチャに任意に形成した複数の微視的なフィーチャ
をさらに備える、消耗部品。
【請求項7】
請求項1に記載の消耗部品であって、
前記画定されたパターンは、第1のゾーンおよび第2のゾーンを含み、
前記第1のゾーンは、第1のサブパターンに配置された第1のセットの隆起したフィーチャを含み、
前記第2のゾーンは、第2のサブパターンに配置された第2のセットの隆起したフィーチャを含む、消耗部品。
【請求項8】
請求項1に記載の消耗部品であって、
前記消耗部品の前記プラズマ対向面は、導電性材料または誘電性材料である、消耗部品
【請求項9】
プラズマ処理チャンバに設置されるように構成される消耗部品の工学表面を構築するための方法であって、
ステンシルを用いて前記消耗部品のプラズマ対向面をマスキングすることであって、前記ステンシルは、前記プラズマ対向面へのアクセスを行うことができる開口部のパターンを含むことと、
前記ステンシルを介して前記プラズマ対向面をブラストメディアで識別してブラストし、前記工学表面を画定する複数の隆起したフィーチャを生成することであって、前記工学表面が前記プラズマ対向面に形成されることと
を含み、
前記複数の隆起したフィーチャのフィーチャは、前記工学表面の上に所定のパターンで配置され、
前記複数の隆起したフィーチャの各々は、外縁および側壁を有する上部領域を含み、
前記工学表面の基底面は、前記複数の隆起したフィーチャを取り囲み、対応する隆起したフィーチャの対応する側壁が前記基底面から対応する上部領域まである角度で上に延びるようにし、
前記消耗部品は、プラズマまたは前記プラズマの副生成物に曝露される、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
前記複数の隆起したフィーチャ上に非共形皮膜を形成することを更に備える、方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法であって、
前記複数の隆起したフィーチャのフィーチャは、前記基底面を基準に対応する隆起したフィーチャの高さが約0.2mm~約3mmまでの範囲を有する巨視的なものである、
方法。
【請求項12】
請求項9に記載の方法であって、
前記消耗部品は、
前記プラズマ処理チャンバの内壁を保護するように構成されたライナー、または
1つまたは複数のCシュラウド部分、または
1つまたは複数のプラズマ閉じ込めリング部分、または
フォーカスリング、または
エッジリング、または
静電半導体ウエハクランプ/チャッキングシステム、または
上部電極、または
誘導結合プラズマ用の誘電体窓、または
下部電極
のうちの1つを備える、方法。
【請求項13】
請求項9に記載の方法であって、
前記ステンシルを介して前記プラズマ対向面を識別してブラストすることであって、
前記プラズマ対向面をビードブラストすること、または
前記プラズマ対向面をグリットブラストすること
を含み、
前記ブラストメディアは、前記消耗部品の前記プラズマ対向面と同じタイプの材料で作られる、方法。
【請求項14】
請求項9に記載の方法であって、
前記ステンシルは、第1のゾーンおよび第2のゾーンを含み、
前記第1のゾーンは、開口部の第1のサブパターンを含み、
前記第2のゾーンは、開口部の第2のサブパターンを含む、方法。
【請求項15】
請求項9に記載の方法であって、
前記ステンシルを介して前記プラズマ対向面を識別してブラストすることであって、
前記ステンシルを介して前記プラズマ対向面を第1の角度で前記ブラストメディアを用いてブラストすることと、
前記ステンシルを介して前記プラズマ対向面を第2の角度で前記ブラストメディアを用いてブラストすることと
を含む、方法。
【請求項16】
請求項9に記載の方法であって、
前記ステンシルを除去することと、
前記プラズマ対向面を第2のブラストメディアで任意にブラストして、前記複数の隆起したフィーチャを微視的なフィーチャで粗面化することと
をさらに含む、方法。
【請求項17】
請求項9に記載の方法であって、
前記工学表面を陽極酸化して、陽極酸化層を生成することと、
熱溶射皮膜を前記陽極酸化層に塗布すること、をさらに含み
前記複数の隆起したフィーチャの少なくとも一部は、前記陽極酸化層を介して突出しており、前記溶射膜の前記陽極酸化層への密着性を高め
方法。
【請求項18】
ウエハを処理するためのプラズマ処理チャンバであって、
前記ウエハを支持するように構成された下部電極と、
前記下部電極の上に位置する上部電極と、
消耗部品であって、
前記消耗部品のプラズマ対向面と、
前記消耗部品の前記プラズマ対向面に形成される工学表面とを含む消耗部品と、
前記工学表面を画定する複数の隆起したフィーチャであって、
前記複数の隆起したフィーチャのフィーチャは、所定のパターンで配置され、前記複数の隆起したフィーチャの各々は、外縁および側壁を有する上部領域を含む複数の隆起したフィーチャと、
前記複数の隆起したフィーチャの各々を取り囲む前記工学表面の基底面であって、対応する隆起したフィーチャの対応する側壁が前記基底面から対応する上部領域に向かってある角度で均一に上に延びるようになっている前記工学表面の基底面と
を含み、
前記消耗部品は、前記プラズマ処理チャンバ内に設置されるように構成され、
前記消耗部品は、プラズマおよび前記プラズマの副生成物に曝露されるように構成され、
前記対応する隆起したフィーチャの中心軸と、前記対応する側壁との間に画定される前記角度は、15度から80度までの間である、
プラズマ処理チャンバ。
【請求項19】
請求項1に記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記消耗部品は、
前記プラズマ処理チャンバの内壁を保護するように構成されたライナー、または
1つまたは複数のCシュラウド部分、または
1つまたは複数のプラズマ閉じ込めリング部分、または
フォーカスリング、または
エッジリング、または
静電半導体ウエハクランプ/チャッキングシステム、または
上部電極、または
誘導結合プラズマ用の誘電体窓、または
下部電極
のうちの1つを備える、プラズマ処理チャンバ。
【請求項20】
請求項1に記載のプラズマ処理チャンバであって、
記複数の隆起したフィーチャのフィーチャは、前記基底面を基準に対応する隆起したフィーチャの高さが約0.2mm~約3mmまでの範囲を有する巨視的なものであり、
複数の微視的なフィーチャは、前記複数の隆起したフィーチャに任意に形成され、
前記消耗部品の前記プラズマ対向面は、導電性材料または誘電性材料である、
ことをさらに含む、プラズマ処理チャンバ
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0135
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0135】
理解を明確にする目的で、前述の実施形態をある程度詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲内で一部変更および変形を実施できることは明らかであろう。したがって、本実施形態は、例示的であって制限的ではないと見なされるべきであり、本実施形態は、本明細書で与えられた詳細に限定されるものではなく、その範囲および特許請求の範囲の等価物の範囲内で修正してもよい。本開示は以下の適用例としても実現できる。
[適用例1]
プラズマ処理チャンバ用の消耗部品であって、
前記消耗部品のプラズマ対向面と、
前記消耗部品の前記プラズマ対向面に形成された工学表面と、
前記工学表面を画定する複数の隆起したフィーチャであって、前記複数の隆起したフィーチャのフィーチャは、所定のパターンで配置され、前記複数の隆起したフィーチャの各々は、外縁および側壁を有する上部領域を含む複数の隆起したフィーチャと、
前記複数の隆起したフィーチャの各々を取り囲む前記工学表面の基底面であって、対応する隆起したフィーチャの対応する側壁が前記基底面から対応する上部領域に向かってある角度で上に延びるようになっている前記工学表面の基底面と
を備え、
前記消耗部品は、前記プラズマ処理チャンバに設置されるように構成され、
前記消耗部品は、プラズマおよび前記プラズマの副生成物に曝露されるように構成される、
消耗部品。
[適用例2]
適用例1に記載の消耗部品であって、
前記角度は、約15度~約60度までの間の範囲である、消耗部品。
[適用例3]
適用例1に記載の消耗部品であって、
前記複数の隆起したフィーチャのフィーチャは、前記基底面を基準に対応する隆起したフィーチャの高さが約0.2mm~約3mmまでの範囲を有する巨視的なものである、消耗部品。
[適用例4]
適用例1に記載の消耗部品であって、
前記工学表面の上に形成される陽極酸化層と、
前記陽極酸化層の上に形成される熱溶射皮膜と
をさらに備え、
前記複数の隆起したフィーチャは、前記熱溶射皮膜の前記陽極酸化層への密着性を強化するように構成される、消耗部品。
[適用例5]
適用例1に記載の消耗部品であって、
前記消耗部品は、
前記プラズマ処理チャンバの内壁を保護するように構成されたライナー、または
1つまたは複数のCシュラウド部分、または
1つまたは複数のプラズマ閉じ込めリング部分、または
フォーカスリング、または
エッジリング、または
静電半導体ウエハクランプ/チャッキングシステム、または
上部電極、または
誘導結合プラズマ用の誘電体窓、または
下部電極
のうちの1つを備える、消耗部品。
[適用例6]
適用例1に記載の消耗部品であって、
前記複数の隆起したフィーチャに任意に形成した複数の微視的なフィーチャ
をさらに備える、消耗部品。
[適用例7]
適用例1に記載の消耗部品であって、
前記画定されたパターンは、第1のゾーンおよび第2のゾーンを含み、
前記第1のゾーンは、第1のサブパターンに配置された第1のセットの隆起したフィーチャを含み、
前記第2のゾーンは、第2のサブパターンに配置された第2のセットの隆起したフィーチャを含む、消耗部品。
[適用例8]
適用例1に記載の方法であって、
前記消耗部品の前記プラズマ対向面は、導電性材料または誘電性材料である、方法。
[適用例9]
プラズマ処理チャンバに設置されるように構成される消耗部品の工学表面を構築するための方法であって、
ステンシルを用いて前記消耗部品のプラズマ対向面をマスキングすることであって、前記ステンシルは、前記プラズマ対向面へのアクセスを行うことができる開口部のパターンを含むことと、
前記ステンシルを介して前記プラズマ対向面をブラストメディアで識別してブラストし、前記工学表面を画定する複数の隆起したフィーチャを生成することであって、前記工学表面が前記プラズマ対向面に形成されることと
を含み、
前記複数の隆起したフィーチャのフィーチャは、前記工学表面の上に所定のパターンで配置され、
前記複数の隆起したフィーチャの各々は、外縁および側壁を有する上部領域を含み、
前記工学表面の基底面は、前記複数の隆起したフィーチャを取り囲み、対応する隆起したフィーチャの対応する側壁が前記基底面から対応する上部領域まである角度で上に延びるようにし、
前記消耗部品は、プラズマまたは前記プラズマの副生成物に曝露される、方法。
[適用例10]
適用例9に記載の方法であって、
前記角度は、約15度~約60度までの間の範囲である、方法。
[適用例11]
適用例9に記載の方法であって、
前記複数の隆起したフィーチャのフィーチャは、前記基底面を基準に対応する隆起したフィーチャの高さが約0.2mm~約3mmまでの範囲を有する巨視的なものである、
方法。
[適用例12]
適用例9に記載の方法であって、
前記消耗部品は、
前記プラズマ処理チャンバの内壁を保護するように構成されたライナー、または
1つまたは複数のCシュラウド部分、または
1つまたは複数のプラズマ閉じ込めリング部分、または
フォーカスリング、または
エッジリング、または
静電半導体ウエハクランプ/チャッキングシステム、または
上部電極、または
誘導結合プラズマ用の誘電体窓、または
下部電極
のうちの1つを備える、方法。
[適用例13]
適用例9に記載の方法であって、
前記ステンシルを介して前記プラズマ対向面を識別してブラストすることであって、
前記プラズマ対向面をビードブラストすること、または
前記プラズマ対向面をグリットブラストすること
を含み、
前記ブラストメディアは、前記消耗部品の前記プラズマ対向面と同じタイプの材料で作られる、方法。
[適用例14]
適用例9に記載の方法であって、
前記ステンシルは、第1のゾーンおよび第2のゾーンを含み、
前記第1のゾーンは、開口部の第1のサブパターンを含み、
前記第2のゾーンは、開口部の第2のサブパターンを含む、方法。
[適用例15]
適用例9に記載の方法であって、
前記ステンシルを介して前記プラズマ対向面を識別してブラストすることであって、
前記ステンシルを介して前記プラズマ対向面を第1の角度で前記ブラストメディアを用いてブラストすることと、
前記ステンシルを介して前記プラズマ対向面を第2の角度で前記ブラストメディアを用いてブラストすることと
を含む、方法。
[適用例16]
適用例9に記載の方法であって、
前記ステンシルを除去することと、
前記プラズマ対向面を第2のブラストメディアで任意にブラストして、前記複数の隆起したフィーチャを微視的なフィーチャで粗面化することと
をさらに含む、方法。
[適用例17]
適用例9に記載の方法であって、
前記工学表面を陽極酸化して、陽極酸化層を生成することと、
熱溶射皮膜を前記陽極酸化層に塗布することであって、
前記複数の隆起したフィーチャの少なくとも一部は、前記陽極酸化層を介して突出しており、前記溶射被膜の前記陽極酸化層への密着性を高めることと
をさらに含む、方法。
[適用例18]
ウエハを処理するためのプラズマ処理チャンバであって、
前記ウエハを支持するように構成された下部電極と、
前記下部電極の上に位置する上部電極と、
消耗部品であって、
前記消耗部品のプラズマ対向面と、
消耗部品のプラズマ対向面に形成される工学表面とを含む消耗部品と、
前記工学表面を画定する複数の隆起したフィーチャであって、
前記複数の隆起したフィーチャのフィーチャは、所定のパターンで配置され、前記複数の隆起したフィーチャの各々は、外縁および側壁を有する上部領域を含む複数の隆起したフィーチャと、
前記複数の隆起したフィーチャの各々を取り囲む前記工学表面の基底面であって、対応する隆起したフィーチャの対応する側壁が前記基底面から対応する上部領域に向かってある角度で上に延びるようになっている前記工学表面の基底面と
を含み、
前記消耗部品は、前記プラズマ処理チャンバ内に設置されるように構成され、
前記消耗部品は、プラズマおよび前記プラズマの副生成物に曝露されるように構成される、
プラズマ処理チャンバ。
[適用例19]
適用例17に記載のプラズマ処理チャンバであって、
前記消耗部品は、
前記プラズマ処理チャンバの内壁を保護するように構成されたライナー、または
1つまたは複数のCシュラウド部分、または
1つまたは複数のプラズマ閉じ込めリング部分、または
フォーカスリング、または
エッジリング、または
静電半導体ウエハクランプ/チャッキングシステム、または
上部電極、または
誘導結合プラズマ用の誘電体窓、または
下部電極
のうちの1つを備える、プラズマ処理チャンバ。
[適用例20]
適用例17に記載の消耗部品であって、
前記角度は、約15度~約60度までの間の範囲であり、
前記複数の隆起したフィーチャのフィーチャは、前記基底面を基準に対応する隆起したフィーチャの高さが約0.2mm~約3mmまでの範囲を有する巨視的なものであり、
複数の微視的なフィーチャは、前記複数の隆起したフィーチャに任意に形成され、
前記消耗部品の前記プラズマ対向面は、導電性材料または誘電性材料である、
ことをさらに含む、消耗部品。
【国際調査報告】