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特表2022-522416フラット光学デバイス用の誘電体充填ナノ構造シリカ基板
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-19
(54)【発明の名称】フラット光学デバイス用の誘電体充填ナノ構造シリカ基板
(51)【国際特許分類】
   G02B 1/02 20060101AFI20220412BHJP
   B82Y 40/00 20110101ALI20220412BHJP
   B82Y 20/00 20110101ALI20220412BHJP
   G02B 5/00 20060101ALN20220412BHJP
【FI】
G02B1/02
B82Y40/00
B82Y20/00
G02B5/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021549253
(86)(22)【出願日】2020-02-09
(85)【翻訳文提出日】2021-10-19
(86)【国際出願番号】 US2020017383
(87)【国際公開番号】W WO2020176227
(87)【国際公開日】2020-09-03
(31)【優先権主張番号】201941007558
(32)【優先日】2019-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】16/395,005
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ロイ, タパシュリー
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー ティマーマン タイセン, ラトガー
(72)【発明者】
【氏名】ゴデット, ルドヴィーク
(72)【発明者】
【氏名】フー, ジンシン
【テーマコード(参考)】
2H042
【Fターム(参考)】
2H042AA01
2H042AA10
2H042AA21
(57)【要約】
フラット光学構造体を作製するための方法及び装置が開示される。方法は、基板に少なくとも1つのトレンチをエッチングすることと、基板の少なくとも1つのトレンチに誘電体材料を配置することと、基板の上部をフィルムでカプセル化することとを含む。
【選択図】図2C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラット光学構造体を作製するための方法であって:
基板に少なくとも1つのトレンチをエッチングすることと、
前記基板の前記少なくとも1つのトレンチに誘電体材料を配置することと、
前記基板の上部をフィルムでカプセル化することと、を含む方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのトレンチが、最大で動作波長の半分である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基板が二酸化ケイ素から作られているか;又は
前記基板の前記少なくとも1つのトレンチに前記誘電体材料を配置することが、スピニングプロセス、化学蒸着及び材料堆積プロセスのうちの1つによるか;又は
前記基板の前記上部を前記フィルムでカプセル化することが、SiOフィルムを使用することによるものである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記誘電体材料を前記基板の前記少なくとも1つのトレンチに配置することが、過充填誘電体層を提供することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記基板が少なくとも1つのフラット面を有し、前記基板が二酸化ケイ素基板であり、前記誘電体材料が、前記二酸化ケイ素基板の前記少なくとも1つのフラット面の前記少なくとも1つのトレンチに配置され、前記カプセル化することが、前記二酸化ケイ素基板の前記少なくとも1つのフラット面の前記少なくとも1つのトレンチ内の前記誘電体材料を、フィルムでカプセル化することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記カプセル化することが、スピンオンプロセスを使用して実行される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記スピンオンプロセスが、二酸化チタン、GaP、aSi、cSi及びSiのうちの1つを使用する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記材料が、1.8より大きい屈折率及び0.01未満の吸収係数を有する材料である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
フラット光学構造体を作製するための方法であって:
基板の第1の面に材料を堆積することと、
前記基板の前記第1の面に堆積された前記材料に少なくとも1つのトレンチをエッチングすることと、
前記基板の前記第1の面に堆積された前記材料の上部を、カプセル化材料でカプセル化することと、を含む方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのトレンチが、最大で動作波長の半分である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記基板がSiOから作られるか;又は
前記カプセル化材料がSiOであるか;又は
前記カプセル化材料が、低屈折率、低誘電率の材料である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つのトレンチを有する基板と、
前記少なくとも1つのトレンチに配置されている材料と、
前記基板及び前記材料と接触して配置されているカプセル化材料と、を含む構成体。
【請求項13】
前記少なくとも1つのトレンチに配置されている前記材料が、過充填層をさらに含む、請求項12に記載の構成体。
【請求項14】
前記少なくとも1つのトレンチに配置されている前記材料が二酸化チタンであるか;又は
前記少なくとも1つのトレンチを有する前記基板が二酸化ケイ素から作られている、請求項12に記載の構成体。
【請求項15】
前記材料が、二酸化チタン、GaP、aSi、cSi及びSiのうちの1つであるか、又は1.8より大きい屈折率、及び0.01未満の吸収係数を有する材料である、請求項12に記載の構成体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、光学デバイスに関する。より詳細には、本開示の態様は、フラット光学デバイス用の誘電体充填ナノ構造シリカ基板に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
フラット光学デバイスの場合、誘電体膜は動作波長よりもフィーチャで構造化される。例えば、可視及び近赤外スペクトルの場合、ナノ構造の最小のフィーチャは、しばしば30ナノメートルと小さくなり、大規模なデバイス製造に利用できるほとんどのリソグラフィ法を超えている。
【0003】
フラット光学デバイスは、しばしば使用中に過酷な条件にさらされる。従来のフラット光学設計は、使用条件に対して十分に頑丈でない可能性があるため、それらの使用を制限する構造を有する。ますます過酷な使用条件に耐えることができるフラット光学デバイスを提供する必要がある。
【0004】
従来の製造方法及び装置の別の欠点は、利用可能なリソグラフィ法が制限されているために、従来の製造方法では、生成されるフィーチャのサイズが制限されることである。
【0005】
それらの意図された目的に適合するフラット光学デバイスを製造するための方法及び装置を提供する必要がある。
【0006】
大規模製造に経済的であるフラット光学デバイスを製造するための方法を提供するためのさらなる必要性が存在する。
【0007】
小規模のナノ構造を組み込むことができるフラット光学デバイスを製造するための方法を提供するためのさらなる必要性が存在する。
【発明の概要】
【0008】
概要の態様は、説明のみを目的として提示されており、特許請求の範囲又は開示を限定することを意図するものではない。
【0009】
1つの非限定的な実施形態では、フラット光学構造体を作製するための方法が開示され、該方法は、基板を提供することと、基板内の少なくとも1つのナノトレンチをエッチングすることと、基板内の少なくとも1つのナノトレンチ内に誘電体材料を配置することと、フィルムで基板の上部をカプセル化することとを含む。
【0010】
別の例示的な実施形態では、フラット光学構造体を作製するための方法が開示され、該方法は:基板を提供することと、基板の第1の面に材料を堆積することと、基板の第1の面に堆積された材料に少なくとも1つのナノトレンチをエッチングすることと、基板の第1の面に堆積された材料の上部をカプセル化材料でカプセル化することとを含む。
【0011】
別の例示的な実施形態では、フラット光学構造体を作製するための方法が開示され、該方法は:基板を提供することと、基板の第1の面に材料を堆積することと、基板の第1の面に堆積された材料に少なくとも1つのトレンチをエッチングすることと、基板の第1の面に堆積された材料の上部をカプセル化材料でカプセル化することとを含む。
【0012】
別の例示的な実施形態では、フラット光学構造体を作製するための方法が開示され、該方法は:二酸化ケイ素基板の少なくとも1つのフラット面に少なくとも1つのトレンチをエッチングすることと、二酸化ケイ素基板の少なくとも1つのフラット面の少なくとも1つのトレンチに誘電体材料を配置することと、二酸化ケイ素基板の少なくとも1つのフラット面の少なくとも1つのトレンチに配置された誘電体材料をフィルムでカプセル化することとを含む。
【0013】
図面の簡単な説明
本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明は、実施形態を参照することによって得ることができ、そのいくつかは添付の図面に示されている。しかしながら、添付の図面は例示的な実施形態のみを示しており、したがってその範囲を限定すると見なされるべきではなく、他の同等に有効な実施形態を認めることができることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A-C】図1のA~Cは、記載された態様の1つの非限定的な例示的な実施形態における誘電体ナノトレンチの上面図、側面図、及び斜視図を開示している。
図2A-C】図2のA~Cは、カプセル化材及び基板を備えた誘電体ナノピラーの上面図、側面図、及び斜視図を開示している。
図3A-C】図3のA~Cは、記載された態様の1つの非限定的な例示的な実施形態において、構成体をエッチング、充填、及びカプセル化する提案された理想的な方法を開示する。
図4A-B】図4のA及びBは、図3の配置をエッチング充填及びカプセル化する理想的な方法の実際の結果である。
図5A-C】図5のA~Cは、記載された態様の別の非限定的な例示的な実施形態による、ナノトレンチの作成、充填、及び処理のためのプロセスフローを示す。
図6A-C】図6のA~Cは、記載された態様の別の非限定的な例示的な実施形態による、ナノトレンチの作成、充填、及び処理のための第2のプロセスフローを示す。
図7】正及び負の円及び正方形構成についての誘電体フィルム対直径測定におけるピラー及びトレンチ配置の直径の相変化のグラフである。
図8】正及び負の円及び正方形構成についての誘電体フィルム対直径測定におけるピラー及びトレンチ配置の直径の振幅のグラフである。
図9】相変化対フィルム厚のグラフである。
図10】ナノピラーの高さ、並びにピラー設計のための最小及び最大の寸法及び間隔のチャートである。 理解を容易にするために、可能な場合は、図に共通する同一の要素を示すために同一の符号が使用されている。一実施形態の要素及び特徴は、さらに引用することなく、他の実施形態に有益に組み込まれ得ることが企図される。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に説明する例示的な実施形態では、フラット光学デバイスの製造を提供するための構成及び方法が開示されている。記載された実施形態では、フラット光学デバイスを製造するための従来の方法及び材料と比較して、異なる方法及び材料が使用される。提供される方法及び装置は、従来の対応物と比較してより適合性のあるフラット光学デバイスの優れた製造を可能にする。装置の態様は、低い屈折率(RI)及び低誘電率値を有する二酸化ケイ素(SiO)などの異なる材料の使用を提供する。装置の他のコンポーネントは、より高い屈折率と低誘電率値を有する二酸化チタン(TiO)を使用している。機能性材料は、高い屈折率(RI)及び低誘電率を有し、基板、構造間空間及びカプセル化材とは異なる「誘電体」と呼ばれることがある。図示及び説明される実施形態では、トレンチ及びピラーという用語が使用される。トレンチとピラーの横方向の寸法は、動作波長の半分のオーダーである。
【0016】
実施形態では、ピラーを使用する代わりに、本開示の態様は、同様の結果を達成するために誘電体材料にトレンチを使用しようとするものである。製造において、いくつかの実施形態は、ピラーを使用して達成するよりも、トレンチ技術を使用して達成する方が費用効果が高い。
【0017】
設計全体の耐久性を高めるために、いくつかの構成体は、カプセル化材の配置に供される。カプセル化材は、構成体の1つのセクションをカバーし、必要な誘電特性だけでなく、結果として得られる構成を意図された目的により適合させるための摩耗能力も提供し得る。
【0018】
いくつかの非限定的な態様では、二酸化ケイ素材料がデバイスカプセル化材として使用され、より速く、より安価で、全体的に優れた動作デバイスを製造する。実施形態では、構造化された二酸化ケイ素フィルムは、所望のナノ構造を有する二酸化ケイ素基板と組み合わせて使用される。ナノ構造体は、ピラー又はホールであり得、正方形、円、楕円又は任意の形状などの異なる断面を有する。格子は、正方形、六角形、又は任意の位置で構成することもできる。作成されたナノ構造体のギャップは、必要に応じて埋めることができる。ギャップは、スピンオン誘電体材料(二酸化チタン、SiN、ZnOなど)又は流動性のある化学蒸着で使用できる材料で埋めることができる。
【0019】
代替のナノ構造設計では、達成された誘電体ナノピラーと比較して、ホール又はトレンチを誘電体フィルムに配置することができる。1つの非限定的な実施形態では、フラット光学デバイスを作製することができ、シリカ基板から開始して、次に構造化シリカ基板及び任意のギャップ充填材料上に誘電体薄膜を堆積させる。実施形態では、作成された構成体のギャップは埋められ、次にカプセル化される。一例の実施形態では、シリカ基板は、シリカ基板がプロファイルで構造化されるように作られる。次に、このプロファイルは、構造化された基板を簡単且つコスト効率よく埋めてナノ構造を構築するために、スピンオン誘電体を使用して埋められる。実施形態では、誘電体フィルムのトレンチ(ホール)が、ピラーの代わりに発生し得、ピラー構造体の実施形態に匹敵する光学性能を提供する。
【0020】
開示された実施形態では、誘電体フィルム上又は基板上にトレンチを作製することは、誘電体フィルム上に孤立したピラーを作製する従来の方法と比較して優れたプロセスである。ナノトレンチは、構造化シリカ法、又は平面シリカ基板上に誘電体フィルムを堆積し、結果をナノ構造化する方法で使用できる。
【0021】
図1のAを参照すると、誘電体ナノトレンチの上面図が示されている。図示の実施形態では、値d及びgは、これらの値が1つの測定波長未満であるような値である。誘電体ナノトレンチの上面図において、値gによって測定される構造体は、非限定的な実施形態としてのTiOである。高いRI値は、値gの低吸収誘電体(例えば、TiO、GaP、aSi、cSi、SiNなど)で使用できる。距離dで示される構造体は、低いRI及び低い吸収誘電体を有するSiOである。図1のBにおいて「h」を作ったレンチの高さは、基板100とカプセル化材102との間の距離が変化し得るために変化し得る。斜視図1Cが提示され、SiOの層及びTiOの層を示している。さらに明確にするために、二酸化チタンTiOはハッシュタグ又はポンド形状(すなわち、「#」)で形成され、二酸化ケイ素は、基板、カプセル化材、及び形状の構成フランジ間の空間の残りを形成する。
【0022】
図2のAを参照すると、誘電体ナノピラー構成体の上面図が示されている。図示の実施形態では、値d及びgは、これらの値が1つの測定波長未満であるような値である。誘電体ナノピラーの上面図において、値gによって測定される構造は、非限定的な実施形態としてのSiOである。dの値は、TiOで作られているナノピラー構造体を一部を測定する。高いRI値は、例えば、低吸収誘電体(TiO、GaP、aSi、cSi、SiNなど)で使用できる。基板200とカプセル化材202との間の距離が変化し得るので、「h」を作ったトレンチの高さは変化し得る。斜視図2Cが提示され、SiOの層及びTiOの層を示している。
【0023】
図3のA、B及びCを参照すると、ナノピラー又はナノトレンチ設計のプロセスフローが示されている。図3のAでは、エッチングされたピラー/トレンチ302が設けられた基板300が提供される。図3のBでは、高いRI、低誘電率誘電体上のスピンが、ピラー/トレンチ302を充填するために使用されている。時間の経過とともにさらに進むと、図3のCにおいて、図3のBからの構成体は、理想的な構成を示すSiOでカプセル化されている。
【0024】
図4のA及びBを参照すると、図3から得られた構築されたままの構成体が提示されている。図3のA、B及びCは、説明された方法論から生じる理想的な構造を示しているが、図4のA及びBは、図3のBにおけるトレンチの充填が、過充填された誘電体層400の最上層が存在すると共に、実際には、トレンチが上部を埋めるように起こることを示している。次に、カプセル402を誘電体層400の上に配置して、最終的な構成体を構築する。
【0025】
図5のA、B及びCを参照すると、第2のプロセスフローが別の実施形態に示されている。図5のAでは、SiOピラーがSiO基板上にエッチングされている。図5のBでは、SiOにエッチングされたナノトレンチは、スピンオンの高n、低誘電率誘電体材料で満たされている。図5のCにおいて、図5のBから得られた構成体は、低RI、低誘電率を有する材料でカプセル化されている。
【0026】
図6のA、B及びCを参照すると、図5のA、B及びCに記載されたものとは別のプロセスフローが示されている。図6のAでは、SiO基板600が提供され、高RI、低誘電率誘電体602が、SiOなどの基板600表面上に配置されている。図6のBでは、ナノトレンチ604は、高RI、低誘電率誘電体層602に配置されている。図6のCに進むと、トレンチは、完全な構成体を提供するために、低RI、低誘電率の材料で充填されている。
【0027】
「構築されたままの」実施形態は理想的な設計とは異なる可能性があるため、上記の実施形態の異なるバリエーションをコンプライアンスについてテストして、そのような「構築されたままの」実施形態が設計目標を満たすことを確認した。図示の実施形態は、ピラー構成体ではなくトレンチを使用するので、2つのタイプの構成体(ピラー及びトレンチ)が試験において同様の結果を提供するかどうかを決定するために試験が実施された。
【0028】
図7を参照すると、相変化対直径のグラフが示されている。図示のグラフでは、塗りつぶされた丸は断面が円形の柱を示している。中空の円は、円形の断面を有するトレンチを提供している。塗りつぶされた正方形は、正方形の断面を有するピラーを示している。中空の正方形は、断面が正方形のトレンチを示しちる。図示のグラフでは、円形ピラーと正方形ピラーの両方の透過位相は、値0から始まり、グラフの存続期間にわたって1に増加している。トレンチ構成では、透過位相の値は1から始まり、グラフの存続期間にわたって0に減少している。したがって、図8から分かるように、相変化は、正の構成と負の構成の両方で発生する。ナノピラー(トレンチ)の横方向の寸法は単調に変化するので、一実施形態では、0から1の間の伝達位相(正規化)のすべての可能な値にアクセスすることが重要である。同時に、ナノ構造のサイズの変化に関係なく、透過振幅は可能な限り1に近い、つまり最大のままである必要がある。
【0029】
図8を参照すると、振幅対直径のグラフが示されている。図示のグラフでは、塗りつぶされた丸は正の円の構成を示している。中空の円は、負の円の構成を提供している。塗りつぶされた正方形は、正の正方形の構成を示している。中空の四角は、負の正方形の構成を示している。図8に示されるように、正の円及び正の正方形の構成は、値が180nmまではおよそ1の値を有し、その後ゆっくりと減少する。負の円の値と負の正方形の値は、振幅が約.7とわずかに低く、残りの直径値では約1の値に増加する。示されている実施形態では、ピラーは、トレンチよりも大きな振幅を伝達する。
【0030】
図9を参照すると、相変化対正方形の側面寸法のグラフが示されている。両方の正方形ピラー構成で、側面の測定値が増加すると、位相変化が増加する。示されているように、特定の構成のピラーが高いほど、2つの隣接するピラー間の最小(最も近い)ギャップが大きくなる。フィルム厚を600nmから850nmに増やすには、全体的な透過振幅を増やし、最小ギャップ要件を40nmから600nmに改善する。図10は、1つの非限定的な実施形態における波長、誘電体タイプ、及びサイジングの特徴を提示している。示される実施形態において、本開示の態様は、正方形のトレンチよりも正方形の柱の形状が望ましく、正方形のトレンチは円形のピラーよりも望ましく、円形のピラーは、円形のトレンチよりも望ましいことを示している。
【0031】
理想的及び「構築されたままの」タイプの構成体の様々な変更に対して実行される試験を通じて、試験は、異なる実施形態で使用される誘電体フィルムの厚さを増加させることによって、正方形のトレンチの丸みを帯びた角を補償できることを示す。「構築されたままの」構成体が残留最上層を有する実施形態の場合、位相変化及び信号の振幅に対する最小限の変化が生じる。上面に使用されるカプセル化材料は、使用されるトレンチの深さに影響を与える可能性がある。カプセル化材料の屈折率を下げると、アスペクト比(h:d)が低くなり、したがって、ナノ構造のエッチングに関する製造上の制約が緩和される。
【0032】
図示の実施形態では、製造の観点から、正方形の構成は、円の構成よりも製造が容易であり、したがって、正方形は、円よりも製造するのに費用がかからない。
【0033】
図示の実施形態では、記載された構成体は、30ナノメートルよりも小さい構成を有し得、それにより、従来の装置の分解能限界を超えている。
【0034】
フラット光学デバイスは、コンポーネントがカプセル化されるように処理される。このようなカプセル化により、意図した目的により適した、より耐久性のあるデバイスが可能となる。
【0035】
本開示の態様は、大規模製造に経済的であるフラット光学デバイスを製造するための方法を提供する。
【0036】
一例の実施形態では、フラット光学構造体を作製するための方法が開示され、該方法は:基板に少なくとも1つのトレンチをエッチングすることと、基板の少なくとも1つのトレンチに誘電体材料を配置することと、基板の上部をフィルムでカプセル化することとを含む。
【0037】
別の例示的な実施形態では、基板が二酸化ケイ素で作られている方法が提供される。
【0038】
別の例示的な実施形態では、基板内の少なくとも1つのトレンチに誘電体材料を配置することがスピニングプロセスを介する方法が提供される。
【0039】
別の例示的な実施形態では、基板の上部をフィルムでカプセル化する方法は、SiOフィルムを使用することによって提供される。
【0040】
別の例示的な実施形態では、基板の少なくとも1つのトレンチに誘電体材料を配置することが、過充填誘電体層を提供することを含む方法が提供される。
【0041】
別の例示的な実施形態では、フラット光学構造体を作製するための方法であって、該方法は:基板を提供することと、基板の第1の面に材料を堆積することと、基板の第1の面に堆積された材料に少なくとも1つのトレンチをエッチングすることと、基板の第1の面に堆積された材料の上部をカプセル化材料でカプセル化することとを含む。
【0042】
別の例示的な実施形態では、基板がSiOで作られている方法を実施することができる。
【0043】
別の例示的な実施形態では、カプセル化材料が低屈折率を有し、低誘電率材料である方法を実施することができる。
【0044】
別の例示的な実施形態では、少なくとも1つのトレンチを有する基板、少なくとも1つのナノトレンチに配置されたスピニングされた材料、及び基板及びスピニング材料と接触して配置されたカプセル化材料を含む構成体が開示される。
【0045】
別の例示的な実施形態では、少なくとも1つのトレンチに配置されたスピニングされた材料は、過充填層をさらに含む。
【0046】
別の例示的な実施形態では、少なくとも1つのトレンチに配置されたスピニングされた材料は二酸化チタンである。
【0047】
別の例示的な実施形態では、少なくとも1つのトレンチを有する基板は、二酸化ケイ素でできている。
【0048】
別の例示的な実施形態では、スピニングされた材料は、GaP、aSi、cSi及びSiNのうちの1つである。
【0049】
別の例示的な実施形態では、フラット光学構造体を作製するための方法が開示され、該方法は:二酸化ケイ素基板の少なくとも1つのフラット面に少なくとも1つのトレンチをエッチングすることと、二酸化ケイ素基板の少なくとも1つのフラット面の少なくとも1つのトレンチに誘電体材料を配置することと、二酸化ケイ素基板の少なくとも1つのフラット面の少なくとも1つのトレンチに配置された誘電体材料をフィルムでカプセル化することとを含む。
【0050】
別の非限定的な実施形態では、誘電体材料がスピニングプロセスによって堆積される方法を実施することができる。
【0051】
別の非限定的な実施形態では、材料がGaPである方法を実施することができる。
【0052】
別の非限定的な実施形態では、材料がaSi及びSiNのうちの1つである方法を実施することができる。
【0053】
上記は本開示の実施形態に向けられているが、本開示の他の及びさらなる実施形態は、その基本的な範囲から逸脱することなく考案することができ、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1A-C】
図2A-C】
図3A-C】
図4A-B】
図5A-C】
図6A-C】
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】