(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-21
(54)【発明の名称】より良いウエハ均一性のための非対称注入
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20220414BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20220414BHJP
H01L 21/316 20060101ALI20220414BHJP
【FI】
H01L21/31 E
C23C16/455
H01L21/316 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021543200
(86)(22)【出願日】2020-01-30
(85)【翻訳文提出日】2021-09-21
(86)【国際出願番号】 US2020015801
(87)【国際公開番号】W WO2020160211
(87)【国際公開日】2020-08-06
(32)【優先日】2019-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ショウノ, エリック キハラ
(72)【発明者】
【氏名】パーンデー, ビスワス クマール
(72)【発明者】
【氏名】オルセン, クリストファー エス.
(72)【発明者】
【氏名】シャー, カルティーク
(72)【発明者】
【氏名】ロー, ヘンゼル
(72)【発明者】
【氏名】コーフマン-オズボーン, トービン
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ, レネ
(72)【発明者】
【氏名】ハウリルチャック, ララ
(72)【発明者】
【氏名】ハンセン, エリカ
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
5F058
【Fターム(参考)】
4K030EA05
4K030EA06
4K030EA11
4K030KA02
4K030KA12
5F045AA20
5F045AC11
5F045AD08
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5F058BC02
5F058BF54
5F058BF55
5F058BF56
5F058BF73
(57)【要約】
基板を処理するためのガスインジェクタは、処理チャンバの処理領域内に配置された基板支持体上の基板を処理するときに、入口へ第1の方向にガス流を提供するように構成されたガス源に接続可能な入口を有する本体と、本体に形成されたガス注入チャネルとを含む。ガス注入チャネルは、入口と流体連結し、ガス流を処理チャンバの入口に送達するように構成される。ガス注入チャネルは、第2の方向及び第3の方向に平行な第1の内面及び第2の内面を有する。第2及び第3の方向は、基板の中心と交差せず、基板支持体の第1のエッジに向かって第1の方向に対してある角度を有する。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理するためのガスインジェクタであって、
入口を有する本体であって、前記入口は、処理チャンバの処理領域内に配置された基板支持体上の基板を処理するときに前記入口へ第1の方向にガス流を提供するように構成されたガス源に接続可能であり、前記基板支持体が、第1のエッジと、前記第1の方向に直交する方向に前記第1のエッジの反対側の第2のエッジとを有する、本体と
前記本体に形成されたガス注入チャネルであって、
前記ガス注入チャネルは、前記入口と流体連結し、
前記ガス注入チャネルは、前記ガス流を前記処理チャンバの入口に送達するように構成され、
前記ガス注入チャネルは、第2の方向に平行な第1の内面と、第3の方向に平行な第2の内面とを有し、
前記第1、第2、及び第3の方向は、第1の平面に平行であり、
前記第2及び第3の方向は、前記基板の中心と交差せず、前記基板支持体の前記第2のエッジに向かって前記第1の方向に対してある角度を有する、ガス注入チャネルと
を備える、ガスインジェクタ。
【請求項2】
前記第2の方向は、前記第1の方向から前記基板支持体の前記第2のエッジに向かって15°から35°だけ傾斜し、
前記第3の方向は、前記基板支持体の前記第2のエッジに対して実質的に接線方向である、
請求項1に記載のガスインジェクタ。
【請求項3】
前記第1の方向に平行な第1の側面と、
前記第1の方向に平行な第2の側面であって、前記第1の方向に直交する第4の方向で前記第1の側面の反対側にあり且つ前記第1の側面と実質的に同じ長さを有する、第2の側面と、
前記第4の方向に平行な第3の側面と、
前記第1の側面と前記第3の側面との間に延在する第1の曲面と、
前記第3の側面と前記第2の側面との間に延在する第2の曲面と、
前記第4の方向に平行であり、前記第1の方向及び前記第4の方向に直交する第5の方向で前記第3の側面の反対側にある第4の側面と、
前記第1の側面と前記第4の側面との間に延在する第3の曲面と、
前記第4の側面と前記第2の側面との間に延在する第4の曲面と、
前記第4の方向に平行な第5の側面と、
前記第4の方向に平行な第6の側面であって、前記第1の方向で前記第5の側面の反対側にあり、前記入口が前記第5の側面に配置され、前記ガス注入チャネルが前記第6の側面に配置される、第6の側面と
を更に備える、請求項1に記載のガスインジェクタ。
【請求項4】
前記ガス注入チャネル内に配置された複数の線形舵
を更に備える、請求項1に記載のガスインジェクタ。
【請求項5】
前記複数の線形舵のそれぞれは、前記第1の方向から前記基板支持体の前記第2のエッジに向かって25°から55°だけ傾斜し、
前記複数の線形舵のうちの少なくとも1つの端部は、前記ガス注入チャネルの内面から15mmから60mmの距離だけ離れている、
請求項4に記載のガスインジェクタ。
【請求項6】
基板を処理するための装置であって、
チャンバガス入口、チャンバガス出口、及び第1の方向に前記チャンバガス入口と前記チャンバガス出口との間の処理領域を有するチャンバ本体と、
前記処理領域内に配置された基板支持体と、
インジェクタ入口及びガス注入チャネルを有するガスインジェクタであって、
前記インジェクタ入口は、前記基板支持体上の基板を処理するときに、前記インジェクタ入口へ前記第1の方向にガス流を提供するように構成されたガス源に接続可能であり、
前記ガス注入チャネルは、前記インジェクタ入口と流体連結しており、
前記ガス注入チャネルは、前記ガス流を前記チャンバガス入口に送達するように構成されている、ガスインジェクタと、
前記チャンバガス出口に結合され、第1の主排気ポンプを含む排気アセンブリと、
前記チャンバ本体の側面ポートを介して前記処理領域に結合された側面排気ポンプであって、
前記側面ポートは、前記基板支持体の第1のエッジの近くに配置され、
前記ガス注入チャネルは、第2の方向に平行な第1の内面と、第3の方向に平行な第2の内面とを有し、
前記第1の方向、前記第2の方向、及び前記第3の方向は、第1の平面に平行であり、
前記第2の方向及び前記第3の方向は、前記基板の中心と交差せず、前記第1の方向に直交する第4の方向で前記第1のエッジの反対側の前記基板支持体の第2のエッジに向かって、前記第1の方向に対してある角度を有する、側面排気ポンプと
を備える、基板を処理するための装置。
【請求項7】
前記基板支持体が前記基板の中心の周りで回転可能である、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第2の方向は、前記第1の方向から前記基板支持体の前記第2のエッジに向かって15°から35°だけ傾斜し、
前記第3の方向は、前記基板支持体の前記第2のエッジに対して実質的に接線方向である、
請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記排気アセンブリが、第2の主排気ポンプを更に含む、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記ガスインジェクタが、前記ガス注入チャネル内に配置された複数の線形舵を更に含む、請求項6に記載の装置。
【請求項11】
前記複数の線形舵のそれぞれは、前記第1の方向から前記基板支持体の前記第2のエッジに向かって25°から55°だけ傾斜し、
前記複数の線形舵のうちの少なくとも1つの端部は、前記ガス注入チャネルの内面から15mmから60mmの距離だけ離れている、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
基板を処理するための方法であって、
処理チャンバの処理領域内に配置された基板支持体上の基板を処理するときに、ガス源からガスインジェクタへ第1の方向にガス流を注入することであって、前記基板支持体は、第1のエッジと、前記第1の方向に直交する方向に前記第1のエッジの反対側の第2のエッジとを有し、
前記処理チャンバは、チャンバガス入口及びチャンバガス出口を有し、前記基板支持体は、前記チャンバガス入口と前記チャンバガス出口との間に前記第1の方向に配置される、ガス源からガスインジェクタへ第1の方向にガス流を注入することと、
前記ガスインジェクタから前記処理チャンバへ前記ガス流を注入することであって、
前記ガスインジェクタからの前記ガス流は、第2の方向と第3の方向との間に方向づけされ、
前記第2及び第3の方向は、前記基板支持体に配置された基板の中心と交差せず、前記基板支持体の前記第2のエッジに向かって前記第1の方向に対してある角度を有する、前記ガスインジェクタから前記処理チャンバへ前記ガス流を注入することと
を含む方法。
【請求項13】
前記基板の中心の周りで前記基板支持体を回転させること
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記処理チャンバの第1の側面に配置された第1の主排気ポンプ及び前記処理チャンバの第2の側面に配置された第2の主排気ポンプによって前記チャンバガス出口から前記ガス流を排気することであって、前記第2の側面は、前記第1の方向に直交する第4の方向で前記第1の側面の反対側にある、前記チャンバガス出口から前記ガス流を排気すること
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記処理チャンバの第1の側面に配置された第1の主排気ポンプによって前記チャンバガス出口から前記ガス流を排気し、前記基板支持体の前記第1のエッジの近くにおいて前記処理チャンバの前記第1の側面に配置された側面排気ポンプによって前記処理領域からガス流を排気すること
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、概して、半導体処理装置及び処理方法、より具体的には、改善されたガス流分布を有するリアクタに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]集積回路及びマイクロデバイスにおけるメモリゲート酸化物、線状酸化物、犠牲酸化物、側壁酸化物、フラッシュトンネル酸化物、酸化物-窒化物-酸化物(ONO)スタック等の製造において、半導体基板は、急速な熱酸化によって処理され得る。このプロセスでは、基板を放射熱源で加熱して酸素及び水素ラジカルを生成しながら、基板を酸素及び水素ベースの反応ガスに曝露することによって、基板上に酸化物層を形成し得る。酸素ラジカルが基板の表面に衝突して、酸化物層、例えばシリコン基板上の二酸化ケイ素層が形成される。
【0003】
[0003]急速熱酸化に使用される既存の処理チャンバでは、ガス注入機構が、反応ガスを基板上に不均一に分配し、その結果、基板上の酸化物層の厚さの均一性が低くなる。従来、回転可能な基板支持体が、反応ガスが基板の中心に向かって真っ直ぐに導入されている間、基板を回転させる。反応ガスは、基板の中心に多く分配され、基板のエッジの近くにはあまり分配されないため、基板のエッジの近くに成長する酸化物層の厚さは、基板の中心又はその近くよりも薄い。
【0004】
[0004]したがって、反応ガスを基板上により均一に分配する改良された注入機構が必要である。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本開示の実装態様は、熱処理中のガス分配を改善するための装置を提供する。本開示の一実装態様は、基板を熱処理するための装置を提供する。本装置は、本体、角度を有する突起部、及びガス注入チャネルを含む。ガス注入チャネルは、第1の半角と第2の半角とを有する。第1の半角は第2の半角とは異なる。
【0006】
[0006]本開示の別の実装態様は、処理領域を画定するチャンバ本体と、処理領域に配置された基板支持体とを備える基板を処理するための装置を提供するものである。基板支持体は、基板支持面を有する。本装置はまた、チャンバ本体の入口に結合されたガス源突起部、チャンバ本体の出口に結合された排気アセンブリ、及びチャンバ本体の側壁に結合された側面ガスアセンブリを含む。側面ガスアセンブリは、ガス注入チャネルを含む。ガス注入入口は、第1の半角及び第2の半角を含む。第1の半角は第2の半角とは異なる。
【0007】
[0007]上述した本開示の特徴を詳細に理解できるように、一部が添付の図面に例示されている実装態様を参照しながら、上記に要約した本開示をより具体的に説明する。しかし、添付の図面は本開示の典型的な実装態様を単に示すものであり、したがって、実施形態の範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく有効な実装態様も許容しうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】一実施形態に係る処理チャンバの概略断面図である。
【
図1B】一実施形態に係る処理チャンバの概略断面上面図である。
【
図2】A~Bは、一実施形態に係る、基板全体の酸素ラジカル濃度の数値シミュレーションを示す図である。
【
図3A】一実施形態に係るガスインジェクタの概略断面上面図である。
【
図3B】一実施形態に係るガスインジェクタの三次元概略図である。
【
図3C】一実施形態に係るガスインジェクタの三次元概略図である。
【
図4】一実施形態に係るガスインジェクタの概略断面上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0014]理解を容易にするために、可能な限り、図面に共通の同一要素を示すのに同一の参照番号を使用している。幾つかの実施形態で開示された要素は、特定の詳述なしに他の実装態様に有益に利用され得ると考えられる。
【0010】
[0015]本明細書に記載の実施形態は、概して、半導体処理装置及び処理方法に関し、より具体的には、改善されたガス流分布を有するリアクタに関する。本開示の実施形態は、プロセスチャンバに配置された基板のエッジに向かってガスを注入するように構成され、これにより、基板のエッジ又はその近くでガスとの反応を増加させるように構成されたガス注入チャネルを含む非対称ガスインジェクタを提供する。本開示の実施形態は、ガスを基板の反対側のエッジに向かって再方向づけするように構成された側面ポンプを更に提供し、これにより、基板表面及び基板の反対側のエッジ全体の反応を増加させる。したがって、注入されたガスによって基板上に形成された層は、基板表面全体で均一である。
【0011】
[0016]以下の説明では、X軸、Y軸、及びZ軸を含む直交座標系が使用される。図面の矢印で表す方向は、便宜上、正の方向であると想定される。
【0012】
[0017]
図1Aは、一実施形態に係る処理チャンバ100の概略断面図である。処理チャンバ100は、概して、ランプアセンブリ110、処理領域139を画定するチャンバ本体130を含む。X-Y平面の処理領域139に基板支持体138が配置されている。処理チャンバ100は、基板101を加熱して、基板101上に、熱アニーリング、熱洗浄、熱化学気相堆積、熱酸化及び熱窒化等の1又は複数の熱プロセスを実行する制御された熱サイクルを提供する。
【0013】
[0018]ランプアセンブリ110は、石英窓114を介して処理領域139に熱を供給するために、基板支持体138の比較的上にZ方向に位置づけされ得る。石英窓114は、基板101とランプアセンブリ110との間にZ方向に配置されている。ランプアセンブリ110は、幾つかの実施形態では、追加的又は代替的に、Z方向に基板支持体138の下に配置され得る。ランプアセンブリ110は、基板支持体138に配置された基板101に赤外線加熱手段を提供するためのタングステンハロゲンランプ等の加熱源108を収容する。タングステンハロゲンランプは、六角形の配置で配置され得る。加熱源108は、基板101に対して均一な又は調整された加熱プロファイルを達成するために、コントローラ107によって制御され得る。幾つかの実施形態では、加熱源108は、約5℃/秒から約280℃/秒の速度で基板101を急速に加熱し得る。
【0014】
[0019]基板101は、約450℃から約1100℃の範囲の温度に加熱され得る。加熱源108は、他の位置の温度に影響を与えずに、特定の位置で基板101の温度調整を提供することが可能である。ロボットが基板101を処理領域139へ又は処理領域139から移送するために、スリットバルブ137がベースリング140に配置され得る。基板支持体138上に、基板101が配置され得る。基板支持体138は、Z方向に垂直に移動し、中心軸123の周りでX-Y平面で回転し得る。ガス入口(チャンバガス入口とも呼ばれる)131は、ベースリング140上にZ方向に配置され、ガス源152に接続され得る。
【0015】
[0020]
図1Bは、処理チャンバ100の概略断面上面図である。
図1Bに示すように、ガス入口131及びガス出口(チャンバガス出口とも呼ばれる)134は、X方向に処理領域139の両側に配置されている。ガス入口131及びガス出口134は、基板支持体138の直径にほぼ等しい線形又は方位角の幅を有し得る。
【0016】
[0021]
図1A及び
図1Bの両方を参照すると、X方向にガス入口131からベースリング140の反対側に形成されたガス出口134は、それぞれ、Y方向に互いに反対側にある開口部160A及び136Aを有するチャンバ本体130の側壁にある第1及び第2の主排気ポンプ160、136と流体連結している排気アセンブリ124である。排気アセンブリ124は、排気領域125を画定する。排気領域125は、ガス出口134を介して処理領域139と流体連結している。幾つかの実施形態では、ガス出口134は、それを通るガス流を制限し、したがって処理領域139からのガスを均一に(すなわち、Y-Z平面で均一に)引き込むように構成された一連の貫通穴を含む穴あきプレート135を含み得る。しかしながら、他の実施形態では、穴あきプレート135は、処理チャンバ100では使用されない、又は処理領域139から排気領域125へのガス流に最小限の制限を提供するように構成され、したがって、開口部160A及び136Aの位置が、処理領域139及び排気領域125内の流れパターンに影響を与え得る。一例では、
図1Bに示すように、開口部160A及び136Aの構成は、排気領域125及び処理領域139の後半部分の流れパターンが、開口部136Aの位置に起因して、処理領域139の左側の範囲(すなわち、第2のエッジ302の近く)でより高くなり、開口部160Aの位置に起因して、処理領域139の右側の範囲(すなわち、第1のエッジ304の近く)でより高くなり、したがって、排気領域125の中央及び処理領域139の後半部分の流れは比例的により小さくなるようになっている。別の例では、第2の主排気ポンプ136がオフにされ、第1の主排気ポンプ160を使用して、排気領域125及び処理領域139の後半部分の流れパターンが、開口部160Aの位置に起因して、処理チャンバの右側の範囲でより高くなり、したがって、排気領域125及び処理領域139の後半部分の左側から右側への流れの勾配が増加する(例えば、増加する勾配が-Y方向にある)ように、開口部160Aを介して処理領域139及び排気領域125からガスをポンプで送る。更に別の例では、第1の主排気ポンプ160がオフにされ、第2の主排気ポンプ136を使用して、排気領域125及び処理領域139の後半部分の流れパターンが、開口部136Aの位置に起因して、処理チャンバの左側の範囲でより高くなり、したがって、排気領域125及び処理領域139の後半部分の右側から左側への流れの勾配が増加する(例えば、増加する勾配が+Y方向にある)ように、開口部136Aを介して処理領域139及び排気領域125からガスをポンプで送る。
【0017】
[0022]幾つかの実施形態では、側面ポート122は、第1の主排気ポンプ160が位置するチャンバ本体130の側壁上のベースリング140内、及びX方向にガス入口131とガス出口134との間(
図1Bに示す)の処理領域139の第1のエッジ304の近くに形成され得る。側面ポート122、ガス入口131、及びガス出口134は、Z方向に実質的に同じレベルで配置され得る。側面ポート122は、側面排気ポンプ300(
図1Bに示す)と流体連結している。
【0018】
[0023]ガス源152は、1又は複数のガス源、例えば、第1のガス源153、及び第2のガス源154を含み得、これらはそれぞれ、処理ガスを注入カートリッジ149に提供する。幾つかの実施形態では、第1のガス源153は、酸素及び水素ラジカルを生成する遠隔プラズマ源(RPS)である。ランプで基板101を加熱し、水素及び酸素ラジカルを処理領域139に注入するRadOx(登録商標)プロセスの場合、ガス入口131及びガス源152と流体連結するガスインジェクタ147がベースリング140に接続され得る。流量調整装置146が、ガス源152とガスインジェクタ147との間に配置され、ガス流148の流量を制御し得る。水素ラジカルの導入により、酸化プロセスの実行中に基板が回転している間、基板101のエッジに沿った反応速度が改善され、改善された厚さ均一性を有する酸化物層が得られると考えられる。ガス流148は、5から80容量パーセントの水素ガス及び20から95容量パーセントの酸素ガスを含み得、約1slmから約50slmの範囲の流量を有する。幾つかの実施形態では、ガス混合物はまた、約5%から約80%の範囲、例えば、約10%から約50%の範囲のアルゴン濃度を有する。直径300mmの基板の場合、流量は約0.007slm/cm2から約0.035slm/cm2の範囲である。ガス流148の組成、圧力、及び流量は、基板101に形成された酸化物層の厚さ均一性に影響を及ぼす。
【0019】
[0024]ガスは、ガス源152から、オプションとして、注入カートリッジ149、ガスインジェクタ147、及びガス入口131を通って処理領域139に流れる。幾つかの実施形態では、注入カートリッジ149は、細長いチャネル150と、その中に形成された入口(インジェクタ入口とも呼ばれる)143とを有する。注入穴151は、細長いチャネル150に沿って分布し、主ガス流145を処理領域139に向かって、X方向に対してある角度を有する方向に注入するように構成される。酸化プロセスの幾つかの実施形態では、主ガス流145は、5から80容量パーセントの水素ガス及び20から95容量パーセントの酸素ガスを含み得、約1標準リットル/分(slm)から約50slmの範囲の流量を有し、チャンバは、約5トルから約15トル等の約1トルから約19トルの圧力に維持され、基板は、約450℃から約1100℃の温度に加熱される。幾つかの実施形態では、ガス混合物はまた、約5%から約80%の範囲、例えば、約10%から約50%の範囲のアルゴン濃度を有する。流量は、直径300mmの基板101に基づいており、約0.011slm/cm2から約0.071slm/cm2の範囲の流量が得られる。
【0020】
[0025]主ガス流145は、ガス流148から方向付けられ、オプションとして、注入穴151からX方向にガス出口134に向かって方向付けられる。主ガス流145は、排気領域125に流れ込み、第1及び第2の主排気ポンプ160、136の一方又は両方によって排気される。処理チャンバ100の形状(排気領域125の位置、形状、方向等)、第1及び第2の主排気ポンプ160、136の開口部160A、136Aのサイズ及び位置、及び第1及び第2の主排気ポンプ160、136によって達成されるポンピング速度を、ガス流パターンに影響を与えるために使用することができ、これにより、処理領域139における流れの均一性に影響を及ぼすことができる。しかしながら、幾つかの代替実施形態では、排気アセンブリ124の排気領域125は、主ガス流145の方向に沿って延在し、その結果、主ガス流145に対する処理領域139の幾何学的影響が低減する(例えば、ガス入口131から十分に遠くに配置される)。
【0021】
[0026]第1及び第2の主排気ポンプ160、136はまた、処理領域139の圧力を制御するために使用され得る。幾つかの実施形態では、処理領域139内の圧力は、約0.5トルから約19トル、例えば、約5トルから約15トルに維持される。幾つかの実施形態では、処理領域139で実行されるプロセスは、粘性流レジーム範囲内で動作する。この場合、第1及び第2の主排気ポンプ160、136は、第1及び第2の主排気ポンプ160、136のそれぞれの開口部160A、136Aに一定量のガスを引き込み、その一定量のガスをポンプ機構を通して押し出し、その一定量のガスを大気圧のポンプ入口へ排出する。その結果、上記のように、ガス濃度の勾配(すなわち、ガス濃度がポンプ入口の近くでより低く、ポンプ入口から離れるほど高くなる)が生じ、処理領域139内のガスがポンプ入口に向かって流れるようになる。
【0022】
[0027]
図1Bに示す一例の実施形態では、ガスインジェクタ147は、ガス入口131からの主ガス流145の大部分を処理領域139の第2のエッジ302に向かって方向づけする開口部を備えた非対称構造である。したがって、基板101のガス曝露は、処理領域139の第2のエッジ302又はその近くで増加する。幾つかの実施形態では、主ガス流145は、チャンバ本体130の両側にある第1及び第2の主排気ポンプ160、136によって排気される。幾つかの実施形態では、処理領域139の第2のエッジ302に向かって方向づけされる主ガス流145が、側面排気ポンプ300を使用することによって、処理領域139の第1のエッジ304に向かって再方向づけされる。側面排気ポンプ300は、ガス濃度に勾配を生じさせ(すなわち、ガス濃度が、側面排気ポンプ300のポンプ入口の近くでより低く、側面排気ポンプ300のポンプ入口から離れるとより高くなる)、処理領域139内部のガスが側面排気ポンプ300のポンプ入口に向かって流れるようになり得る。
【0023】
[0028]幾つかの実施形態では、処理領域139の第1のエッジ304に向かって方向づけされる主ガス流145は、第2の主排気ポンプ136がオフにされている間、側面排気ポンプ300及び第1の主排気ポンプ160によって排気される。幾つかの実施形態では、側面排気ポンプ300と第1の主排気ポンプ160との排気流量の比は、0.5:1から1:0.5である。他の実施形態では、側面排気ポンプ300、ならびに第1及び第2の主排気ポンプ160及び136はオンになっている。したがって、幾つかの実施形態では、側面排気ポンプ300と第1の主排気ポンプ160及び第2の主排気ポンプ136との排気流量の比は、0.5:1から1:0.5である。
【0024】
[0029]幾つかの実施形態では、ガスが基板101のエッジに向かって方向づけされると、基板101は反時計回り方向197に回転可能であり、これにより、ガスが基板101上を流れて、基板101全体でより均一な成長がもたらされる。ガス流とは反対方向への基板101の回転を使用して、主ガス流145を処理領域139の第1のエッジ304に向かって再方向づけし、ガスインジェクタ147が、主ガス流145を処理領域139の第2のエッジ302に向かって方向づけし得る。処理領域139の主ガス流145の速度及び流れパターンは、基板101上の主ガス流145の不均一性が低減されるように、基板101の回転速度及びガスインジェクタ147のガス注入チャネルの傾斜角(以下、円錐角θと呼ばれる)によって調整され得る。幾つかの実施形態では、基板の回転速度は約5から300rpmの範囲であり、円錐角θは10°から35°であり得る。その結果、基板のエッジの厚さプロファイルが改善される。幾つかの実施形態では、基板101は、反時計回りの方向197とは反対の時計回りの方向に回転可能であり、様々な所望の厚さプロファイルを達成するために、エッジに沿ってガス速度を更に増加させる。
【0025】
[0030]主ガス流145(ガス又はラジカルガスのいずれか)が、処理領域139の第2のエッジ302に近い基板101のエッジ(又は基板支持体138の基板支持面のエッジ)に向かって方向づけされる場合、基板が回転している間、ガス又はラジカルガスは、基板101の中心308又はその近くと比較して、処理領域139の第2のエッジ302の近くの基板101のエッジに沿った反応速度を大幅に促進する。側面排気ポンプ300の有無にかかわらず、非対称ガス注入チャネル249(
図3Aに示す)を通して、処理領域139の第2のエッジ302近くの基板101のエッジに向かってガスを方向づけすると、ガスを基板101の中心308に向かって方向づけするよりも、基板101全体にわたって改善された厚さ均一性を有する酸化物層がもたらされる。酸化プロセスの一例では、主ガス流145は、5から80容量パーセントの水素ガス及び20から95容量パーセントの酸素ガス、オプションとして約5%から約80%の範囲のアルゴン濃度、約1標準リットル/分(slm)から約50slmの範囲の流量を含み得、チャンバは約0.5トルから約19トルの圧力に維持され、基板は約450℃から約1100℃の温度に加熱され、反時計回りに約10rpmから300rpmの速度で回転する。
【0026】
[0031]
図2A及び
図2Bは、基板101の中心308と交差するY方向の線に沿った位置の関数としての直径300mmの基板101上の酸素ラジカル濃度の数値シミュレーションを示す図である。「0」として示す位置は、基板101の中心308に対応する。
図2Aでは、側面排気ポンプ300はオフであり、第1及び第2の主排気ポンプ160、136がオンである。
図2Bでは、側面排気ポンプ300及び第1の主排気ポンプ160がオンになっている。
図2A及び
図2Bでは、円錐角θは(a)で示す数値シミュレーションでは15°、(b)で示す数値シミュレーションでは25°であると想定される。
図2Aでは、酸素ラジカル濃度は、それぞれ15°及び25°の円錐角θに対して、基板101の中心308(すなわち、「0」として示す位置)で減少し、基板101のエッジに向かって(すなわち、「150」及び「-150」として示す位置で)広がっている。
図2Bでは、酸素ラジカル濃度は、それぞれ15°及び25°の円錐角θに対して、基板101の中心308(すなわち、「0」として示す位置)で減少し、基板101のエッジに向かって(すなわち、「150」及び「-150」として示す位置で)広がっている。
【0027】
[0032]
図3Aは、一実施形態に係るガスインジェクタ147の概略断面上面図である。ガスインジェクタ147は、石英、セラミック、アルミニウム、ステンレス鋼、鋼等の任意の適切な材料でできていてよい。
【0028】
[0033]ガスインジェクタ147は、ガス注入チャネル249及び開口部246が形成される本体230を有する。幾つかの実施形態では、開口部246は長方形である。
【0029】
[0034]幾つかの実施形態では、本体230は平行六面体である。本体230は、第2の側面234の反対側に第1の側面232を有する。幾つかの実施形態では、第1の側面232及び第2の側面234は、X軸に平行であり、実質的に同じ長さを有する。
図3Bに示すように、本体230は、第3の側面224、第4の側面222、第5の側面226、及び第6の側面282を有する。
【0030】
[0035]ガス注入チャネル249は、長方形(
図3Bに示す)、正方形、円形、多角形、六角形、台形、又は任意の他の適切な形状等、断面において任意の所望の形状を有し得る。ガスインジェクタ147は、主ガス流145の大部分を処理領域139の第2のエッジ302に方向づけするように適合されている。ガス注入チャネル249は、2つの内面279、280を含む(
図3A)。幾つかの実施形態では、内面279は、処理領域139の第2のエッジ302の近くの基板支持体138の基板支持面のエッジに実質的に接線方向である方向306に沿って延在する。ガス注入チャネル249の内面280は、軸線210から円錐角θだけ内面279に向かって傾斜している。軸線210は、開口部246を通って延在し、X方向に平行であり、第5の側面226に垂直である(
図3Bに示す)。内面279、280は、軸線210から第2のエッジ302に向かって傾斜した方向に沿っており、すべてX-Y平面に平行なこれらの面の突起部は、基板101の中心308と交差しないように構成される。円錐角θは5°から45°であり得る。内面279、280は、開口部246から第6の側面282まで延在する(
図3Bに示す)。第6の側面282は湾曲しており、基板101に隣接し、開口部246の反対側にある。
【0031】
[0036]幾つかの実施形態では、開口部246は、(
図3Bに示すように)円形の入口216を有する。円形の入口216は、ガス注入チャネル249と流体連結している拡張された内部空間214(
図3A)につながる。幾つかの実施形態では、拡張された内部空間214は、Y-Z平面において長方形の断面形状を有する。
【0032】
[0037]
図3B及び
図3Cは、ガスインジェクタ147の三次元概略図である。ガスインジェクタ147は、主ガス流145に含まれるガス又はラジカルガスの大部分を、処理領域139の第2のエッジ302に向かって方向づけするように機能する。
【0033】
[0038]ガスインジェクタ147は、側面226、232、234、282、224、及び222を含む。第1の側面232は、第2の側面234の反対側にある。幾つかの実施形態では、第1の側面232及び第2の側面234は、X軸に平行であり、実質的に同じ長さを有する。第1の曲面236は、第1の側面232と第3の側面224との間に配置されている。第3の側面224は、第1の側面232に直交して配置されている。第2の曲面240は、第2の側面234と第3の側面224との間に配置されている。第3の曲面238は、第1の側面232と第4の側面222との間に配置されている。第4の側面222は、第1の側面232に直交している。第4の曲面228は、第2の側面234と第4の側面222との間に配置されている。第3の側面224は、第4の側面222の反対側にある。第5の側面226は、第6の側面282の反対側にある。幾つかの実施形態では、第6の側面282は湾曲している。一例では、第6の側面282の曲率半径は、約160mmから約230mmであり得る。別の例では、第6の側面282の曲率半径は、処理領域139で処理される基板の半径よりも約10mmから約80mm大きくてよい。ガス注入チャネル249は、基板101に面する第6の側面282に配置されている。第1の側面232及び第2の側面234は、第4の側面222に対して実質的に垂直であり得、処理チャンバ100内のより密着するシールを可能にする。曲率が基板101の曲率の輪郭を描くように第6の側面282が湾曲している場合、乱流ガス流は、基板101に向かうガス流において減少し、ガス流の均一性がもたらされる。
【0034】
[0039]
図4は、別の実施形態に係るガスインジェクタ147を示す概略断面上面図である。図示したように、ガスインジェクタ147は、ガス注入チャネル249が形成される本体230を含む。ガス注入チャネル249は、2つの内面279、280、及び複数の線形舵220を有する。
図4に示す実施形態では2つの線形舵220のみを示したが、任意の数の線形舵220がガスインジェクタ147に含まれ得ることを理解されたい。本体203及び線形舵220は、石英又は反応ガスに反応しない他の任意の材料でできていてよい。ガスインジェクタ147は、分割線215によって第1の部分231と第2の部分229に分割され、分割線215は、Y方向に平行である。複数の線形舵220は、第1の部分231に配置されている。第1の部分231及び第2の部分229は、組み合わされてガスインジェクタ147となる2つの別個の部品であり得る、又は第1の部分231及び第2の部分229が同じ部品で作製され得る。ガスインジェクタ147は、入口143に結合され、入口143は、反応ガスをガスインジェクタ147に送達する。ガスインジェクタ147は、反応ガスを基板101に送達するように構成される。
【0035】
[0040]ガスインジェクタ147は、軸線210によって上部235と下部233に分割され、軸線210はX方向に平行である。一実施形態によれば、線形舵220は、反応ガスがほとんど又は完全にガスインジェクタ147の上部235を通って流れるように配置され、角度を有している。反応ガスがガスインジェクタ147の下部233を通って流れてしまうと、反応ガスの大部分が基板領域の大部分を逃し、未反応のままになる、又は側面ポート122、次に側面排気ポンプ300に引き込まれ、反応ガスが無駄になり、処理領域139の右側の範囲上に(すなわち、第1のエッジ304の近くに)配置された基板の部分に不均一な膜成長がもたらされる。更に、舵のないガスインジェクタ147は、主ガス流145が1つの狭い流れに集中するジェット気流のような流れを呈する。本明細書に開示される舵220を備えたガスインジェクタ147は、主ガス流145が、処理領域139の左側の範囲(すなわち、第2のエッジ302の近く)に依然として集中しながらも、はるかに広い領域に広がることを可能にする。
【0036】
[0041]ガスインジェクタ147の上部235を通る主ガス流145は、処理領域139の左側の範囲(すなわち、第2のエッジ302の近く)の基板101の部分でほとんどの又は完全な膜成長を可能にする。更に、線形舵220による反応ガスの循環の増加は、基板101との反応ガスの反応速度を増加させ、より速い膜成長をもたらす。線形舵220は、第2のエッジ302の近くの処理領域139の左側の範囲上の反応ガスの積算速度が可能な限り高くなり、第2のエッジ302の近くの処理領域139の左側の範囲で積算速度が依然として可能な限り均一であるように配置される。線形舵220は、くさび等の他の舵形状よりも高速の主ガス流145を可能にする。
【0037】
[0042]複数の線形舵220は、ガスインジェクタ147の第1の部分231内に任意の配置で配置され得る。複数の線形舵220は、処理領域139の第2のエッジ302に向かって軸線210に対して角度αを有する。幾つかの実施形態によれば、線形舵220のそれぞれは、同じ角度α又は異なる角度を有し得る。幾つかの実施形態によれば、角度αは、約25°から約55°、又は約35°から約45°等、約5°から約85°まで変化する。一実施形態によれば、複数の線形舵220のうちの少なくとも1つの端部220Eは、底面202から約15mmから約60mmの距離だけ離れている。一実施形態によれば、複数の線形舵220のうちの少なくとも1つの端部220Eは、分割線215から約35mmから約45mmの距離だけ離れている。一実施形態によれば、複数の線形舵220内の線形舵は、約25mmから約75mmの長さを有する。複数の線形舵220は、一実施形態によれば、ガスインジェクタ147からの反応ガスの主ガス流145が約100以下のレイノルズ数(Re)を有し、主ガス流145が層流となるように配置されている。
【0038】
[0043]幾つかの実施形態では、基板101の表面への反応ガスの送達中に、基板101が、約23℃から約1200℃の温度に加熱され得る。反応ガスは、反応ガスが、第2のエッジ302の近くの処理領域139の左側の範囲の基板101の部分で膜を成長させるように送達され得る。膜の体積の約60%から約90%以上が、第2のエッジ302の近くの処理領域139の左側の範囲に配置されている。
【0039】
[0044]本出願では熱処理チャンバを記載したが、本開示の実装態様は、均一なガス流が所望される任意の処理チャンバで使用することが可能である。
【0040】
[0045]本開示の利点は、処理チャンバで非対称ガスインジェクタを使用してガスを基板のエッジに向かって方向づけし、基板全体の成長均一性を制御することを含む。非対称ガスインジェクタは、処理領域のエッジの方へガス流を向けさせる。ガス流は、側面ポンプによって処理領域のもう一方のエッジに更に再方向づけされ得る。特に、非対称ガスチャネルを通してガスを方向づけすると、RadOx(登録商標)プロセスにおける基板のエッジ又はその近くでの反応が大幅に増加し、それによって基板のエッジに沿った厚さ均一性が向上し、基板の全体的な厚さ均一性が向上することが観察されている。
【0041】
[0046]前述の内容は本開示の実装態様を対象としているが、以下の特許請求の範囲によって決定されるその基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他のさらなる実装態様を考案することが可能である。
【国際調査報告】