(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-21
(54)【発明の名称】ポリシリコンライナー
(51)【国際特許分類】
H01L 21/205 20060101AFI20220414BHJP
H01L 21/20 20060101ALI20220414BHJP
C23C 16/24 20060101ALI20220414BHJP
【FI】
H01L21/205
H01L21/20
C23C16/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021547411
(86)(22)【出願日】2020-02-19
(85)【翻訳文提出日】2021-10-12
(86)【国際出願番号】 US2020018854
(87)【国際公開番号】W WO2020172299
(87)【国際公開日】2020-08-27
(32)【優先日】2019-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ニッタラ, クリシュナ
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャナキラマン, カーティック
(72)【発明者】
【氏名】ジャ, プラケト プラカシュ
(72)【発明者】
【氏名】クオ, チンルイ
(72)【発明者】
【氏名】リャン, チンメイ
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
5F152
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
本開示の態様は、酸化ケイ素を含む下層を基板の上方に堆積させることと、ポリシリコンライナーを下層上に堆積させることと、アモルファスシリコン層をポリシリコンライナー上に堆積させることと、を含む方法を提供する。本開示の態様は、基板と、基板の上方に形成された酸化ケイ素を含む下層と、下層上に配置されたポリシリコンライナーと、ポリシリコンライナー上に配置されたアモルファスシリコン層と、を含むデバイス中間体を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
シリコンを含む下層を基板の上方に堆積させることと、
ポリシリコンライナーを前記下層上に堆積させることと、
アモルファスシリコン層を前記ポリシリコンライナー上に堆積させることと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記アモルファスシリコン層を前記堆積させることの後に、アニーリングプロセスである熱処理をさらに含み、かつ
前記ポリシリコンライナーを前記堆積させることの後、及び前記アモルファスシリコン層を前記堆積させることの前に、熱処理をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記熱処理が、約600℃と650℃の間、1時間と2時間の間の、結晶化熱アニーリングプロセスである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記熱処理が、約900℃と1,100℃の間、約1秒間から約5秒間の、結晶化スパイクアニーリングプロセスである、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
シリコンを含む前記下層が、アモルファス構造を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリシリコンライナーが、約25パーセントから約40パーセントの間の結晶化度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリシリコンライナーが、前記下層と同じチャンバ内に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリシリコンライナーが、約350℃から約500℃の間の温度で熱CVDプロセスを使用して形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
デバイス中間体であって、
基板と、
前記基板の上方に形成されたシリコンを含む下層と、
前記下層上に配置されたポリシリコンライナーと、
前記ポリシリコンライナー上に配置されたアモルファスシリコン層と、
を含む、デバイス中間体。
【請求項10】
前記シリコンがアモルファス構造である、請求項9に記載のデバイス中間体。
【請求項11】
前記ポリシリコンライナーが、10オングストロームと200オングストロームの間の厚さを有し、約25パーセントから約40パーセントの間の結晶化度を有する、請求項9に記載のデバイス中間体。
【請求項12】
前記アモルファスシリコン層が、前記ポリシリコンライナーの上面上に形成されている、請求項9に記載のデバイス中間体。
【請求項13】
前記アモルファスシリコン層が、積層で、n型にドープされたアモルファスシリコンとドープされていないアモルファスシリコンが交互になった層をさらに含むか、又は、前記アモルファスシリコン層が、積層で、p型にドープされたアモルファスシリコンとドープされていないアモルファスシリコンが交互になった層をさらに含む、請求項9に記載のデバイス中間体。
【請求項14】
前記アモルファスシリコン層が、p型にドープされたアモルファスシリコン又はn型にドープされたアモルファスシリコンの単一層である、請求項9に記載のデバイス中間体。
【請求項15】
デバイス中間体を形成する方法であって、
シリコンを含む下層を基板の上方に堆積させることと、
ポリシリコンライナーを前記下層上に堆積させることであって、前記下層を堆積させるのと同じチャンバ内で実施される、ポリシリコンライナーを堆積させることと、
アモルファスシリコン層を前記ポリシリコンライナー上に堆積させることと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、例えば半導体デバイスの製造における、ポリシリコンライナーの形成に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]一部の半導体デバイスの形成では、多数の膜が積層体で互いに堆積される。膜は、その後、例えば、エッチング、研磨、パターニング、アニーリング等のうちの一つによって、さらに後処理される。特定の後処理及び膜ストックの組成に応じて、膜内に及び/又は膜境界を横断して種の分散が生じ得る。
【0003】
[0003]種の分散の一例には、膜内での及び膜境界を横断した水素の分散が含まれる。異なる膜組成を通じた分散速度が異なることにより、膜インターフェースでの水素の蓄積がもたらされる。水素が蓄積すると、インターフェースで泡が発生し(これは、膜が互いに接着するのを減少させる)、膜が互いから層剥離することにつながる場合がある。
【0004】
[0004]したがって、当該技術分野では、膜接着の改善が必要になっている。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本開示の実施形態は、概して、例えば半導体デバイスの製造における、ポリシリコンライナーの形成に関する。
【0006】
[0006]一実施態様では、方法は、酸化ケイ素を含む下層を基板の上方に堆積させることと、ポリシリコンライナーを下層上に堆積させることと、アモルファスシリコン層をポリシリコンライナー上に堆積させることとを含む。
【0007】
[0007]一実施態様では、デバイス中間体は、基板の上方に形成された酸化ケイ素を含む下層と、下層上に配置されたポリシリコンライナーと、ポリシリコンライナー上に配置されたアモルファスシリコン層とを有する基板を含む。
【0008】
[0008]一実施態様では、デバイス中間体を形成する方法は、酸化ケイ素を含む下層を基板の上方に堆積させることと、ポリシリコンライナーを下層上に堆積させることであって、堆積が下層を堆積させるのと同じチャンバ内で実施される、ポリシリコンライナーを堆積させることと、アモルファスシリコン層をポリシリコンライナー上に堆積させることとを含む。
【0009】
[0009]本開示の上述の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約された本開示のより具体的な説明は、実施形態を参照することによって、得ることができる。そのうちの幾つかの実施形態は添付の図面で例示されている。しかしながら、添付の図面は例示的な実施形態を示しているに過ぎず、したがって、その範囲を限定するものとみなされるべきではなく、本開示は他の同等に有効な実施形態を許容し得ることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】[0010]本開示の一実施形態による、基板を処理する方法のフロー図である。
【
図2】[0011]
図1に方法によって形成されたデバイス中間体の概略断面図である。
【
図3A】[0012]
図2のデバイス中間体を含むデバイス構造体の概略断面図である。
【
図3B】[0013]
図2のデバイス中間体を含む別のデバイス構造体の概略断面図である。
【
図4】[0014]
図1の方法によって
図2のデバイス中間体を形成する方法を実施するのに使用することができる真空処理システムの概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0015]理解を容易にするために、可能な場合には、図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。一実施形態の要素及び特徴は、さらなる記述がなくても、他の実施形態に有益に組み込むことができると考えられている。
【0012】
[0016]本開示の実施形態は、概して、例えば半導体デバイスの製造における、ポリシリコンライナーの形成に関する。本開示の実施形態は、ポリシリコンライナーを含むデバイス(及びデバイス中間体)にも関する。
【0013】
図1は、本開示の一実施形態による、基板を処理する方法100のフロー図である。方法100は、工程102で開始する。工程102では、一又は複数の下層が基板上に形成される。「基板(substrate)」は、製造プロセス中に表面上に膜処理が実施される任意の基板、又は基板上に形成された任意の材料面であり得る。例えば、処理が実行され得る基板表面には、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、歪みシリコン、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、高濃度でドープされたシリコン、炭素がドープされた酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイアなどの材料、並びに金属、金属窒化物、金属合金、及びその他の導電性材料などの任意の他の材料が含まれる。高濃度にドープされたシリコンには、約0.1%以上のドーピングレベルでホウ素又はリンがドープされたシリコンが含まれ得る。基板は、半導体ウエハを含むが、これに限定されない。
【0014】
[0018]一又は複数の下層は、例えば、酸化ケイ素を含み得る。一例では、酸化ケイ素の下層は、アモルファス構造を有する。下層は、約100オングストロームから約2000オングストローム、例えば約200オングストロームから約1000オングストローム、又は例えば約300オングストロームから約500オングストロームの厚さまで形成される。しかしながら、他の厚さも想定される。
【0015】
[0019]一又は複数の下層は、熱化学気相堆積(CVD)、熱原子層堆積(ALD)、プラズマ化学気相堆積(PECVD)、又はプラズマ原子層堆積(PEALD)を使用して形成され得る。適切な処理チャンバの一例は、カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials, Inc.から入手可能なPrecision(TM)PECVD処理チャンバを含む。他の製造業者からのものを含む他の処理チャンバも使用され得ると想定される。
【0016】
[0020]続いて、工程104では、ポリシリコンライナーが一又は複数の下層の上面上に形成される。ポリシリコンライナーは、約1パーセントから約100パーセント、例えば約10パーセントから約90パーセント、又は約20パーセントから約80パーセント、又は約20パーセントから約70パーセント、又は約20パーセントから約60パーセント、又は約20パーセントから約50パーセント、又は約25パーセントから約40パーセント、又は約25パーセントから約35パーセントの結晶化度を有する。
【0017】
[0021]一例では、ポリシリコンライナーは、PECVDプロセス中に形成される。PECVDプロセスは、容量結合プラズマ、誘導結合プラズマ、マイクロ波プラズマ、又は遠隔プラズマのうちの一又は複数を利用して、ポリシリコンライナーが一又は複数の下層の上面上に堆積するのを容易にする。ポリシリコンライナーは、約10オングストロームから約500オングストローム、例えば、約10オングストロームから約200オングストローム、又は約20オングストロームから約50オングストロームの範囲内の厚さまで形成される。ポリシリコンライナーは、一又は複数の下層と同じ処理チャンバ内に形成されてもよく、あるいは、ポリシリコンライナーは、一又は複数の下層とは異なるチャンバ内に形成されてもよい。
【0018】
[0022]ポリシリコンライナーの形成中、一又は複数の処理ガスが処理チャンバへ導入され、そのラジカルがプラズマ励起を介して生成される。一又は複数の処理ガスには、シリコン源、並びに任意選択的な還元剤及び任意選択的なキャリアガス又は他の不活性ガスが含まれる。このような例では、処理ガスは、シラン又は高次シラン(例えば、SinH2n+2;ここでnは1以上の整数である)を含む。処理ガスは、水素、例えば二原子水素、及びヘリウム、アルゴン等のキャリアガスを含み得る。シランは、300ミリメートル(mm)の基板について、約10sccmから約38sccm、例えば約15sccmから約30sccmの範囲内の流量で、処理チャンバの内部空間に提供される。水素は、300mmの基板について、約500sccmから約3500sccm、又は約1000sccmから約1500sccmの範囲内の流量で、処理チャンバの内部空間に提供される。キャリアガスは、約0sccmから約1000sccm、例えば、約50sccmから約600sccm、又は約200sccmから約300sccmの流量で提供され得る。約300ワットから約2700ワット、例えば約1000ワットから約1500ワットの高周波RF電力が、処理ガスに印加されて、処理ガスのラジカルが生成される。
【0019】
[0023]ポリシリコンライナーの堆積中、チャンバ内の圧力は、約0.5Torrから約10Torr、例えば約1Torrから約5Torrの範囲内で維持される。堆積中、基板は、約300℃から約500℃の温度、例えば約350℃から約450℃で維持される。堆積プロセスは、所定の厚さのポリシリコンライナーが堆積するのに十分な期間続いてもよい。例えば、堆積時間は、約30秒間から約1800秒間、例えば約60秒間から約180秒間続いてもよい。
【0020】
[0024]別の例では、ポリシリコンライナーは、熱CVDなどの熱堆積プロセス中に形成される。ポリシリコンライナーは、約50オングストロームから約200オングストロームの範囲内の厚さまで形成される。堆積は、約350℃から約650℃の温度、例えば約500℃と650℃の間の温度で、かつポリシリコンライナーが所定の厚さまで堆積するのに十分な期間生じる。上記のものと同様の前駆体が、熱CVD工程中に利用され得る。
【0021】
[0025]別の例では、ポリシリコンライナーは、PECVDプロセス、又は熱CVDなどの熱堆積プロセスと、その後の結晶化アニーリングプロセス中にアモルファスシリコン層の堆積によって形成される。アモルファスシリコン層は、上記のものと同様のプロセス条件を使用して堆積され得る。アモルファスシリコン層は、シランなどの一又は複数のシリコン前駆体を含む処理ガス、キャリアガス、及び還元剤を使用することによって形成され得る。アモルファスシリコン層は、低水素アモルファスシリコン、例えば、1パーセント未満のアモルファスシリコンであり得る。アモルファスシリコン層は、約10オングストロームから約1000オングストローム、例えば、約10オングストロームから約500オングストローム、又は約50オングストロームから約100オングストロームの範囲内の厚さまで形成される。アモルファスシリコン層は、結晶化アニーリングを使用してさらに処理される。結晶化アニーリングプロセスは、1時間と4時間の間、例えば約1時間と2時間の間の期間、約600℃から約650℃の温度での熱アニーリングであり得る。別の例では、結晶化アニーリングプロセスは、急速熱アニーリング処理チャンバを使用するスパイクアニーリングプロセスであり得る。スパイクアニーリングプロセスは、約1秒間から約5秒間、約900℃から約1100℃の温度、例えば1000℃であり得る。アニーリングプロセスは、工程102で形成された下層の上面へのポリシリコンライナーの接着を強化する。
【0022】
[0026]工程106では、一又は複数の追加の層が、ポリシリコンライナーの上面上に形成される。一又は複数の追加の層には、例えば、ドープされたか又はドープされていないアモルファスシリコンが含まれる。特定の例では、一又は複数の追加の層は、積層で、n型にドープされた(例えば、リン)アモルファスシリコンとドープされていないアモルファスシリコンが交互になった層を含む。別の例では、一又は複数の追加の層は、積層で、p型にドープされた(例えば、ホウ素)アモルファスシリコンとドープされていないアモルファスシリコンが交互になった層を含む。別の例では、一又は複数の追加の層は、p型にドープされたアモルファスシリコン又はn型にドープされたアモルファスシリコンの単一層である。一又は複数の追加の層は、シラン等の一又は複数のシリコン前駆体を含む処理ガス、キャリアガス、還元剤、及びホスフィン等のn型ドーパントといったドーパントを使用して、PECVDチャンバ内に形成され得る。一又は複数の追加の層は、一又は複数の後処理工程を通じて、メモリデバイスなどの半導体デバイスの形成を容易にする。一又は複数の追加の層は、ポリシリコンライナーと同じ処理チャンバ内で、又は異なる処理チャンバ内に形成され得る。
【0023】
[0027]工程108では、下層、ポリシリコンライナー、及びその上の一又は複数の追加の層を有する基板(本明細書ではデバイス中間体とも呼ばれる)上で、一又は複数の後処理が実施される。後処理工程は、とりわけ、さらなる堆積プロセス、エッチングプロセス、マスキング、エッチング、リソグラフィ、ドーピング、熱処理、及び研磨を含む。特定の一例では、その上に堆積された層を有するデバイス中間体は、アニーリングなどの熱処理プロセスに供される。熱アニーリングプロセスは、デバイス中間体内の膜欠陥の修復を容易にし、また、個別の層内のドーパント種の分布さえも容易にする。
【0024】
[0028]
図1は、基板を処理する一方法について記載しているが、他の実施態様も想定される。例えば、天然酸化物除去プロセス、又は別の洗浄プロセスが、工程102の前に生じ得ることが想定される。このような例では、天然酸化物除去プロセス又は他の洗浄プロセスは、工程102及び/又は104及び/又は106と同じチャンバ内で生じてもよく、工程102及び/又は104及び/又は106とは異なるチャンバ内で生じてもよい。本明細書中の他の例及び実施形態と組み合わせることができる別の例では、工程106の一又は複数の追加の層は、PECVDではなく熱堆積プロセスを介して形成され得る。
【0025】
[0029]
図2は、
図1の方法100に方法によって形成されたデバイス中間体210の概略断面図である。本明細書で使用されるデバイス中間体は、製造中のデバイス、例えば、製造完了前のデイバスを指す。デバイス中間体210は、基板212及び中間積層体222を含む。中間積層体222は、基板212の上方に形成された一又は複数の下層214(明確にするために1つが示されている)を含む。中間積層体222は、一又は複数の下層214上に形成されたポリシリコンライナー216、及びポリシリコンライナー216上に形成された一又は複数のアモルファスシリコン層218(明確にするために1つが示されている)も含む。デバイス中間体210は明確にするためにここでは示されていない他の特徴も含み得ることが、想定される。
【0026】
[0030]デバイス中間体210の後処理中(すなわち、工程108)を含む基板の処理中、及び/又は一又は複数の追加の層218の形成中(すなわち、工程106)、水素は、堆積された膜内に及び膜境界を横断して分散する。水素は、(1)一又は複数の下層214における酸化ケイ素中の水素濃度と比べて一又は複数の追加の層218におけるアモルファスシリコン層中の比較的高い水素濃度、及び(2)処理及び/又は後処理中の高温を含む、一又は複数のメカニズムによって分散するよう導入される。アモルファスシリコンの比較的高い水素濃度と高温のうちの一方又は両方は、一又は複数の追加の層218のアモルファスシリコンから一又は複数の下層214のシリコンへの水素の移動を容易にする。シリコン(例えば、一又は複数の下層214)と比較してアモルファスシリコン(例えば、一又は複数の追加の層218)を通じた水素の分散速度は速いため、水素は、従来のデバイス構造体のシリコン及びアモルファスシリコンのインターフェースに蓄積する傾向がある。このような蓄積は、アモルファスシリコン-シリコンインターフェースで発生する水素泡をもたらし、ポリシリコンライナー216を含まない従来の構造におけるシリコン(例えば、一又は複数の下層)からのアモルファスシリコン(例えば、一又は複数の追加の層)の接着又は層剥離の減少をもたらす。
【0027】
[0031]従来のアプローチ(一又は複数の追加の層のアモルファスシリコンを一又は複数の下層のうちの一つのシリコン上に直接堆積させる)とは対照的に、本開示の態様は、一又は複数の下層214上に配置されたポリシリコンライナー216を含む。ポリシリコンライナー216は、水素が一又は複数の追加の層から一又は複数の下層214の上面へ分散するのを防止する。よって、水素は、一又は複数の下層214の上面には蓄積せず、一又は複数の下層214の上面での気泡の形成は、緩和又は防止される。一又は複数の下層214の上面での水素気泡の形成が緩和又は防止されるため、膜積層体の接着が改善される。
【0028】
[0032]水素が一又は複数の追加の層218のインターフェース及びポリシリコンライナー216に分散しても、層剥離が生じるレベルまでは接着は概して減少されないことに留意されたい。これは、少なくとも部分的には、アモルファスシリコンとポリシリコンとの間の比較的高い接着による。よって、本明細書に記載される例では、水素は、比較的弱い接着インターフェース(例えば、アモルファスシリコンと酸化ケイ素との間)ではなく、比較的強い接着インターフェース(例えば、アモルファスシリコンとポリシリコンとの間)で蓄積する。
【0029】
[0033]
図2を参照した上記のデバイス中間体は、金属-酸化物-シリコン電界効果トランスミッタ(MOSFET)デバイス等のメモリデバイスに使用される選択ビットトランジスタなどの、デバイス構造体のさまざまな部分に使用することができる。他の例では、
図1及び
図2を参照してデバイス中間体を形成するための方法は、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)、スピン注入ランダムアクセスメモリ(STT-RAM)、強誘電体メモリ(FeRAM)、及び相変化メモリ(PCM)を含むメモリデバイス構造体等のデバイス構造体の一部であるデバイス中間体構造体を形成するのに有益であり得る。
【0030】
[0034]
図3Aは、薄膜トランジスタ(TFT)デバイス構造体310の一例を示す概略断面図である。デバイス構造体310は、
図2に関して上に記載されるシリコン下層214とポリシリコンライナー216とアモルファスシリコン層218とを含む、デバイス中間体210及び中間積層体222を含むチャネル316を含む。デバイス構造体310は、基板212(例えば、ガラス、シリコン)、金属コンタクト314、及び基板212と金属接点314の上方のチャネル316を含む。チャネル316上には絶縁体層332(例えば、酸化ケイ素層)が堆積され、絶縁体層332上にはゲート金属層342が堆積される。
【0031】
[0035]
図3Bは、デバイス構造体350の一例を示す概略断面図である。デバイス構造体350は、MRAMデバイス、PCMデバイス、FeRAMデバイス、又は他の半導体デバイスの一部を形成し得る。デバイス構造体350は、
図2に関して上に記載されるシリコン下層214とポリシリコンライナー216とアモルファスシリコン層218とを含む、デバイス中間体210及び中間積層体222を含むチャネル316を含む。デバイス構造体350は、基板351(例えば、シリコン、ゲルマニウム)及びチャネル316を含む。デバイス構造体350は、中間積層体222の上方に形成された電界酸化物370をさらに含む。電源コンタクト364がビア371に形成される。ビア372は、ゲート金属層356及びインターコネクト366を含む。絶縁体層354(例えば、酸化ケイ素)は、ゲート金属層356と中間積層体222との間に配置される。ドレインコンタクト362がビア373に形成される。
【0032】
[0036]
図4は、本明細書に記載されるような、デバイス構造体を形成する方法が実施され得る例示的な真空処理システム400の概略上面図を示す。このシステム400は、ウエハ上の集積回路等の真空において、処理された基板を製造するために使用される、クラスタータイプのシステムである。真空処理システム400は、典型的にはプラットフォーム(図示せず)上に取り付けられた移送チャンバ402を含む。移送チャンバはシステムコントローラ401に接続され、システムコントローラ401は、本明細書で開示される主題の態様を収納及び/又は実装するよう構成されている。移送チャンバ402は、その上に取り付けられたリッド403を有する。リッド403が接着されているとき、移送チャンバ内の圧力が真空に減少したときに空気が移送チャンバ402へ漏れないように、リッド403は移送チャンバ402との気密密封を形成する。移送チャンバ402は、ファセット406に接着された処理チャンバ404を有する。処理チャンバ404は、物理的気相堆積チャンバ、CVDチャンバ、ALDチャンバ、PECVDチャンバ、PEALDチャンバ、エッチングチャンバ等のあらゆるタイプの処理チャンバであり得る。処理チャンバ404は、個別の処理チャンバ404の構成に応じて、移送チャンバ402によって支持されていてもよく、又はそれら自体のプラットフォーム上に支持されていてもよい。ファセット406中のスリットバルブ(図示せず)は、移送チャンバ402と処理チャンバ404との間のアクセス及び分離を提供する。それに応じて、処理チャンバ404は、その表面上に開口部(図示せず)を有し、開口部はスリットバルブと整列している。移送チャンバ402は、ファセット412に取り付けられたロードロックチャンバ408も有する。ファセット412中の開口部(図示せず)は、ロードロックチャンバ408と移送チャンバ402との間のアクセス及び分離を提供する。それに応じて、ロードロックチャンバ408はその表面上に開口部を有し、開口部はファセット412中の開口部と整列している。
【0033】
[0037]ロードロックチャンバ408は、小環境414に接着されている。ロードロックチャンバ408及び小環境414は、ロードロックチャンバと小環境との間のアクセスを提供する対応する開口部(図示せず)を有し、その一方、開口部のドア(図示せず)は分離を提供する。小環境は、その前面に接着されたポッドローダ416を有する。対応するドア(図示せず)を有する開口部(図示せず)は、小環境414とポッドローダ416との間のアクセス及び分離を提供する。
【0034】
[0038]工程では、システム400内の処理される基板は、ポッドローダ416の頂部に置かれる。その後、ロボット(図示せず)は、一度に一つずつ、ポッドローダ416から出し、ロードロックチャンバ408のうちの一つへ入れて、基板の除去を開始する。基板がロードロックチャンバ408内にロードされた後、ロードロックチャンバの圧力は、移送チャンバ402の圧力と一致するよう低減される。その後、移送チャンバ側のドアが開けられ、移送チャンバロボット(図示せず)は、ロードロックチャンバ408の点検を開始することができる。移送チャンバロボットは、処理のために基板をロードロックチャンバ408から処理チャンバ404のうちの一つへ移動させ、その後、ロードロックチャンバ408のうちの一つから基板を戻す。ロードロックチャンバ408が処理された基板の全てを受領したとき、ロードロックチャンバ内の圧力は小環境の圧力に戻され、そのため、小環境内のロボットは、処理された基板を基板ポッドローダ416へ戻すことができる。
【0035】
[0039]以上の記述は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案されてよく、本開示の範囲は、下記の特許請求の範囲によって決定される。
【国際調査報告】