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特表2022-524453新規な3D NANDメモリデバイスおよびそれを形成する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-02
(54)【発明の名称】新規な3D NANDメモリデバイスおよびそれを形成する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/11582 20170101AFI20220422BHJP
   H01L 27/11573 20170101ALI20220422BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20220422BHJP
【FI】
H01L27/11582
H01L27/11573
H01L29/78 371
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021554776
(86)(22)【出願日】2019-06-27
(85)【翻訳文提出日】2021-09-10
(86)【国際出願番号】 CN2019093179
(87)【国際公開番号】W WO2020258130
(87)【国際公開日】2020-12-30
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Weilai 3rd Road,East Lake High-tech Development Zone,Wuhan,Hubei,China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジン・ヨン・オ
(72)【発明者】
【氏名】ユン・チュル・キム
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP17
5F083EP22
5F083EP76
5F083ER21
5F083GA10
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F083PR03
5F083PR05
5F083PR21
5F083PR22
5F083ZA01
5F101BA41
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
5F101BH02
5F101BH14
5F101BH15
5F101BH16
(57)【要約】
半導体デバイスが提供される。半導体デバイスは、メモリセルを形成するための第1の側および第1の側と反対である第2の側を有する第1の基板を含む。半導体デバイスは、ドープ領域および第1の接続構造も含む。ドープ領域は第1の基板の第1の側に形成され、少なくともトランジスタのソース端子(例えば、直列に接続される多重トランジスタの端トランジスタのソース端子)に電気的に結合される。第1の接続構造は、第1の基板の第2の側にわたって形成され、第1のVIAを通じてドープ領域に結合される。第1のVIAは第1の基板の第2の側からドープ領域に延びる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリセルを形成するための第1の側および前記第1の側と反対である第2の側を有する第1の基板と、
前記第1の基板の前記第1の側に形成され、少なくともトランジスタのソース端子に電気的に結合されるドープ領域と、
前記第1の基板の前記第2の側にわたって形成され、第1のVIAであって、前記第1の基板の前記第2の側から前記ドープ領域に延びる第1のVIAを通じて前記ドープ領域に結合される第1の接続構造と、
を備える、半導体デバイス。
【請求項2】
前記ドープ領域の上方に形成され、前記ドープ領域に結合される共通ソース構造と、
第2のVIAを通じて前記共通ソース構造に結合される、前記共通ソース構造の上方に形成されるビット線と、
第3のVIAを通じて前記ビット線に結合される、前記ビット線の上方に配設される第2の接続構造とを更に備え、前記第1の接続構造および前記第2の接続構造が互いに結合される、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
第2の基板の第1の側に形成されるトランジスタと、
前記トランジスタの上方に形成され、前記トランジスタに結合されるボンディングVIAとを更に備え、
前記第1の基板の前記第1の側および前記第2の基板の前記第1の側が、前記トランジスタが前記ボンディングVIAを通じて前記第2の接続構造に結合されるように互いに向き合って位置合わせされる、
請求項2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記第2の接続構造と前記ボンディングVIAとの間に配置される第4のVIAを更に備える、
請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記第1のVIAが前記ドープ領域を通って延び、前記共通ソース構造と接触している、請求項2に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記第1のVIAを前記第1の基板から絶縁する、前記第1のVIAと前記第1の基板との間に設けられるスペーサ層を更に備える、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記第1のVIAと前記ドープ領域との間に配置されるn+領域であって、前記ドープ領域がn型である、n+領域を更に備える、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記第1のVIAが、テーパー横断面を有する延長壁形状または截頭円錐形状の少なくとも1つを有する、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記第1の基板の前記第1の側から延びる複数のチャネル構造と、
階段構成で前記第1の基板の前記第1の側の上方に配設される複数のワード線とを更に備え、
前記複数のワード線が複数の絶縁層によって互いから離間され、
前記複数のチャネル構造が前記複数のワード線および前記複数の絶縁層を通って延び、
前記複数のチャネル構造が前記ビット線より下に設けられ、
前記共通ソース構造が前記複数のワード線および前記複数の絶縁層を通って延び、前記複数のチャネル構造を分離する、
請求項2に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
第1の基板の第2の側から延びる第1のVIAを形成するステップであって、前記第1の基板が、メモリスタックが形成される反対の第1の側を有し、前記メモリスタックが、前記第1の基板の前記第1の側に配設され、少なくともトランジスタのソース端子に電気的に結合されるドープ領域を含み、前記第1のVIAが前記ドープ領域と電気的に接続される、ステップと、
第1の接続構造を、前記第1の接続構造が前記第1のVIAを通じて前記ドープ領域に結合されるように前記第1のVIAの上方に形成するステップとを含む、
半導体デバイスを製造するための方法。
【請求項11】
前記第1のVIAの上方に前記第1の接続構造を形成するステップが、
前記第1の基板の前記第2の側から第1の基板の一部分を除去することと、
前記第1の基板の前記第2の側から前記ドープ領域に延びる前記第1のVIAを形成することと、
前記第1のVIAの上方に前記第1の接続構造を形成することとを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のVIAが、テーパー横断面を有する延長壁形状または截頭円錐形状の少なくとも1つを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記メモリスタックを形成するステップが、
前記ドープ領域の上方に、前記ドープ領域と結合される共通ソース構造を形成することと、
前記共通ソース構造の上方にビット線を形成することであって、前記ビット線が第2のVIAを通じて前記共通ソース構造に結合される、形成することと、
前記ビット線の上方に第2の接続構造を形成することであって、前記第2の接続構造が第3のVIAを通じて前記ビット線に結合される、形成することとを更に含み、前記第1の接続構造および前記第2の接続構造が互いに結合される、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
第2の基板の第1の側にわたってトランジスタを形成するステップと、
前記トランジスタの上方にボンディングVIAを形成するステップであって、前記ボンディングVIAが前記トランジスタに電気的に結合される、ステップと、
前記ボンディングVIAを通じて前記第1の基板および前記第2の基板を接合するステップとを更に含み、前記第2の接続構造が前記トランジスタと位置合わせされ、前記ボンディングVIAを通じて前記トランジスタに結合される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の基板の前記第2の側から前記第1の基板の前記第1の側に延びるシリコン貫通VIA(TSV)を形成するステップを更に含み、前記第1の接続構造および前記第2の接続構造が前記TSVを通じて電気的に接続される、
請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のVIAと前記ドープ領域との間にn+領域を形成するステップであって、前記ドープ領域がn型である、ステップを更に含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項17】
周辺回路基板の第1の側に形成されるトランジスタと、
セルアレイ基板の第1の側の上方に形成されるメモリセルスタックと、
前記セルアレイ基板の反対の第2の側にわたって形成される第1の接続構造とを備え、
前記メモリセルスタックが、
前記セルアレイ基板の前記第1の側に形成され、少なくともメモリセルのソース端子に電気的に結合されるドープ領域であって、前記セルアレイ基板の前記第2の側から前記ドープ領域に延びる第1のVIAを通じて前記第1の接続構造に結合される、ドープ領域と、
前記ドープ領域から前記周辺回路基板の前記第1の側に向けて延び、前記ドープ領域に結合される共通ソース構造と、
前記共通ソース構造と第2の接続構造との間に配設されるビット線とを含み、
前記ビット線が第2のVIAを通じて前記共通ソース構造に結合され、前記第2の接続構造が第3のVIAを通じて前記ビット線に結合され、前記セルアレイ基板の前記第1の側および前記周辺回路基板の前記第1の側が、前記トランジスタが前記第2の接続構造に結合されるように互いに向き合って位置合わせされる、
3D-NANDメモリ。
【請求項18】
前記第2の接続構造がボンディングVIAを通じて前記トランジスタに結合される、請求項17に記載の3D-NANDメモリ。
【請求項19】
前記第1のVIAと前記ドープ領域との間に形成されるn+領域であって、前記ドープ領域がn型である、n+領域を更に備える、
請求項17に記載の3D-NANDメモリ。
【請求項20】
前記第1のVIAが、テーパー横断面を有する延長壁形状または截頭円錐形状の少なくとも1つを有する、請求項17に記載の3D-NANDメモリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
集積回路におけるデバイスの限界寸法が一般的なメモリセル技術の限界まで縮小するにつれて、設計者は、より大きな記憶容量を達成するために、およびビット当たりのより低いコストを達成するためにメモリセルの複数平面を積層するための技術に目を向けている。
【0002】
3D-NANDメモリデバイスが、より大きな記憶容量を達成するために、およびビット当たりのより低いコストを達成するためにメモリセルの複数平面を積層する例示的なデバイスである。関連3D NANDアーキテクチャでは、周辺回路がダイ面積の約20~30%を占めており、NANDビット密度を低下させている。3D NAND技術が128層以上に進歩し続けるにつれて、周辺回路はおそらく総ダイ面積の50%を超えて占めるであろう。
【0003】
交差積層構造では、データI/Oの他にメモリセル動作を扱う周辺回路は、所望のI/O速度および機能を可能にするロジックテクノロジーノード(すなわち、14nm、7nm)を使用して別個のウエハ(CMOSウエハ)上で処理される。セルアレイウエハの処理が完了すると、2つのウエハは、1つのプロセスステップでウエハ全体にわたって同時に形成される何百万もの金属垂直配線アクセス(VIA)を通じて電気的に接続される。革新的な交差積層(クロススタッキング)構造を使用することによって、周辺回路は今では、セルアレイウエハに形成されるセルアレイチップより上にあり、総コストの限られた増加で関連3D NANDより非常に高いNANDビット密度を可能にしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の概念は、交差積層構造の3D NANDメモリデバイスの形成、ならびにnウェル領域抵抗に対するコンタクトを減少させるようにそれぞれnウェル領域に結合する上コンタクトおよび下コンタクトを形成する方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
関連3D-NANDメモリデバイスは、基板の上領域に形成される2つ以上のnウェル領域、および2つ以上のnウェル領域の上方に形成される2つ以上のアレイ共通ソース(ACS)構造を含むことができる。2つ以上のACS構造の各々は、それぞれのnウェル領域と接触している。関連3D-NANDメモリデバイスは、複数のM1配線も有することができる。M1配線は複数のM1 VIAを通じてACS構造に電気的に結合される。複数のM2配線の上方に複数のソース線が配設される。ソース線は複数のM2 VIAを通じてM1配線に電気的に結合される。
【0006】
関連3D-NANDメモリデバイスでは、ソース線、M2 VIA、M1配線、M1 VIAおよびACS構造によって形成される導電チャネルを通じてnウェル領域に入力電圧が印加される。ACS構造は、典型的に3D-NANDメモリデバイスのワード線(WL)方向に沿った壁形の線コンタクトである。そのような壁形コンタクトは、感知動作においてグランドノイズが発生するのを防止するのに十分な導電性を必要とする。深く、かつ広いコンタクトトレンチを最小の空隙でコンフォーマルに充填するのにタングステン、ポリシリコン、またはタングステンに加えてポリシリコンが適切な材料であるので、ACS構造は、タングステン、ポリシリコン、またはタングステンに加えてポリシリコンで形成できる。プロセスに好都合な特性にもかかわらず、タングステンおよびポリシリコンは、CuまたはAlなどの他のコンタクト金属と比較して比較的高い抵抗率を有する。3D NANDスタックの高さがそのメモリ密度と共に増すので、それに応じてACS構造の高さが増大する。ACS構造の抵抗が必然的に3D NANDスタックの高さ方向に急増する。高さ上昇に沿ったそのような抵抗増加を減少させるために、ACS領域の幅が比例して大きくなるべきであるが、そうなるとダイサイズおよび高タングステン応力によるウエハ機械的安定性に影響を与える。
【0007】
本開示において、3D-NANDメモリデバイスを形成するために交差積層構造が適用される。交差積層構造では、CMOS基板(または周辺回路基板)の上面にわたって複数のトランジスタが形成され、セルアレイ基板の上面の上方にメモリセルスタックが形成される。CMOS基板はセルアレイ基板とボンディングVIAを通じて接合される。ここで、CMOS基板の上面およびセルアレイ基板の上面は互いに向き合って位置合わせされる。
【0008】
開示される3D-NANDメモリデバイスでは、セルアレイ基板の上面からセルアレイ基板に2つ以上のnウェル領域が延びる。セルアレイウエハの下面にわたって複数の下ソース線が形成される。下ソース線は複数のVIAコンタクトを通じてnウェル領域に結合される。VIAコンタクトは、セルアレイウエハの下面から延びてnウェル領域に達するように形成される。加えて、nウェル領域は、nウェル領域の上方に形成され、それに結合される2つ以上のACS構造、ACS構造の上方に形成され、それに結合される複数のM1配線、およびM1配線の上方に形成され、それに結合される複数の上ソース線によって形成される導電チャネルを通じて複数の上ソース線に結合される。
【0009】
前述したそのような交差点構造を導入することによって、下ソース線(または下ソース線メッシュ)はセルアレイ基板の研磨裏側(すなわち、下面)からnウェル領域に電気的に結合できる。それに応じて、nウェル領域に対するソース線の抵抗を減少できる。nウェル領域がソース線、M2 VIA、M1配線、M1 VIAおよびACS構造によって形成される導電チャネルを通じてソース線メッシュ(またはソース線)に結合される関連3D-NANDメモリデバイスと比較すると、本開示は、Cuなどの導電性金属で作製されるVIAコンタクトを通じてソース線からnウェル領域に直接接続を有することができる。関連例と対照的に、本開示は幾つかの利点を提供できる。例えば、nウェル領域に対するソース線の減少した抵抗は、nウェル領域における望まれない電圧上昇であるグランドノイズを低減させる。また、ACS構造の抵抗はメモリデバイスのソース側抵抗およびグランドノイズに影響を与えない。更に、開示される構造は、関連例においてソース線メッシュおよびACS構造を接続するコンタクトを追加するために使用されるM1配線間の間隙を省くことができ、そうなるとワード線方向のダイサイズ減少を促進する。
【0010】
本開示の一態様によれば、半導体デバイスアーキテクチャが次の通りに提供される。半導体デバイスは、メモリセルを形成するための第1の側および第1の側と反対である第2の側を有する第1の基板を含むことができる。半導体デバイスは、ドープ領域および第1の接続構造(第1のソース線メッシュとも称される)も含む。ドープ領域は第1の基板の第1の側に形成され、少なくともトランジスタのソース端子(例えば、直列に接続される多重トランジスタの端トランジスタのソース端子)に電気的に結合される。第1の接続構造は、第1の基板の第2の側にわたって形成され、第1のVIAを通じてドープ領域に結合される。第1のVIAは第1の基板の第2の側からドープ領域に延びる。
【0011】
一部の実施形態において、半導体デバイスは、ドープ領域の上方に形成され、それに結合される共通ソース構造(アレイ共通ソース構造とも称される)と、第2のVIAを通じて共通ソース構造に結合される、共通ソース構造の上方に形成されるビット線と、第3のVIAを通じてビット線に結合される、ビット線の上方に配設される第2の接続構造(第2のソース線メッシュとも称される)とを更に含むことができる。第1の接続構造および第2の接続構造が互いに結合される。
【0012】
一部の実施形態において、トランジスタが第2の基板の第1の側に形成され、ボンディングVIAがトランジスタの上方に形成され、それに結合される。加えて、第1の基板の第1の側および第2の基板の第1の側は、トランジスタがボンディングVIAを通じて第2の接続構造に結合されるように互いに向き合って位置合わせされる。
【0013】
半導体デバイスは、第2の接続構造の上方に形成され、ボンディングVIAに接続される第4のVIAを更に含むことができる。第1の基板および第2の基板は第4のVIAおよびボンディングVIAを通じて互いに接合される。
【0014】
一部の実施形態において、第1のVIAはドープ領域を通って延び、共通ソース構造と接触している。半導体デバイスは、第1のVIAを第1の基板から絶縁する、第1のVIAと第1の基板との間に設けられるスペーサ層を含むことができる。
【0015】
追加的に、第1のVIAとドープ領域との間に高ドープn+領域を配置でき、ドープ領域はn型である。第1のVIAは、テーパー横断面を有する延長壁形状または截頭円錐形状の少なくとも1つを有することができる。
【0016】
一部の実施形態において、半導体デバイスは、第1の基板の第1の側から延びる複数のチャネル構造と、階段構成で第1の基板の第1の側の上方に配設される複数のワード線とを更に含む。複数のワード線は複数の絶縁層によって互いから離間される。チャネル構造は複数のワード線および複数の絶縁層を通って延びる。複数のチャネル構造はビット線より下に設けられ、共通ソース構造は複数のワード線および複数の絶縁層を通って延び、複数のチャネル構造を分離する。
【0017】
本開示の別の態様によれば、半導体デバイスを製造するための方法が開示される。開示される方法では、第1の基板の第2の側から延びる第1のVIAが形成される。第1の基板は、メモリスタックが形成される反対の第1の側を有する。メモリスタックは、第1の基板の第1の側に配設されるドープ領域を含む。ドープ領域は、少なくともトランジスタのソース端子(例えば、直列に接続される多重トランジスタの端トランジスタのソース端子)に電気的に結合され、第1のVIAはドープ領域と直接接触している。更に、第1の接続構造が第1のVIAを通じてドープ領域に結合されるように第1の接続構造が第1のVIAの上方に形成される。
【0018】
一部の実施形態において、開示される方法では、第1の基板の第2の側から第1の基板の一部分が除去される。第1のVIAが続いて形成される。第1のVIAは第1の基板の第2の側からドープ領域に延びる。更に、第1の接続構造は第1のVIAの上方に形成される。
【0019】
追加的に、共通ソース構造をドープ領域の上方に形成し、それに結合できる。共通ソース構造の上方にビット線が形成され、ビット線は第2のVIAを通じて共通ソース構造に結合される。その上、ビット線の上方に第2の接続構造が形成される。第2の接続構造は第3のVIAを通じてビット線に結合される。第1の接続構造および第2の接続構造が互いに結合される。
【0020】
開示される方法では、第2の基板の第1の側にわたってトランジスタが形成される。トランジスタの上方にボンディングVIAが形成される。ボンディングVIAはトランジスタに電気的に結合される。更に、第1の基板および第2の基板はボンディングVIAを通じて接合されており、第2の接続構造はトランジスタと位置合わせされ、ボンディングVIAを通じてトランジスタに結合される。
【0021】
一部の実施形態において、第1の基板の第2の側から第1の基板の第1の側に延びるシリコン貫通ビア(TSV)が形成される。第1の接続構造および第2の接続構造はTSVを通じて電気的に接続される。一部の実施形態において、第1のVIAとドープ領域との間にn+領域が形成され、ドープ領域はn型である。
【0022】
本開示の更に別の態様によれば、3D-NANDメモリを提供できる。3D-NANDメモリは、周辺回路基板の第1の側に形成されるトランジスタと、セルアレイ基板の第1の側の上方に形成されるメモリセルスタックと、セルアレイ基板の反対の第2の側にわたって形成される第1の接続構造とを含む。メモリセルスタックは、セルアレイ基板の第1の側に形成されるドープ領域を更に含む。ドープ領域は、セルアレイ基板の第2の側からドープ領域に延びる第1のVIAを通じて第1の接続構造に結合される。メモリセルスタックは、ドープ領域から周辺回路基板の第1の側に向けて延び、ドープ領域に結合される共通ソース構造も含む。メモリセルでは、共通ソース構造と第2の接続構造との間にビット線が配設される。ビット線は第2のVIAを通じて共通ソース構造に結合される。第2の接続構造は第3のVIAを通じてビット線に結合され、セルアレイ基板の第1の側および周辺回路基板の第1の側は、トランジスタが第2の接続構造に結合されるように互いに向き合って位置合わせされる。
【0023】
本開示の態様は、添付の図と共に読まれる以下の詳細な説明から最も良く理解される。業界における標準慣行に従って、様々な特徴が一定の比率では描かれていないことが留意される。事実、様々な特徴の寸法は考察の明瞭さのために任意に増減され得る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1A】本開示の例示的な実施形態による、3次元の3D-NANDメモリデバイスの概略斜視図である。
図1B】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスの横断面図である。
図2】本開示の例示的な実施形態による、3次元の関連3D-NANDメモリデバイスの概略斜視図である。
図3A】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの斜視図である。
図3B】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの横断面図である。
図4A】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの斜視図である。
図4B】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの横断面図である。
図5A】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの斜視図である。
図5B】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの横断面図である。
図6A】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの斜視図である。
図6B】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの横断面図である。
図7】本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造する中間ステップの斜視図である。
図8】本開示の実施形態による、3D-NANDメモリデバイスを製造するための例示的なプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の開示は、提供される対象の種々の特徴を実装するための多くの種々の実施形態または例を提供する。本開示を簡潔にするために部品および配置の具体例が下記される。これらは、もちろん例に過ぎず、限定的であるとは意図されない。例えば、以下の説明において第1の特徴を第2の特徴の上方にまたは上に形成することは、第1および第2の特徴が互いと直接接触している実施形態を含み得るが、第1および第2の特徴間に形成される追加の特徴が設けられる結果、第1および第2の特徴が直接接触していない実施形態も含み得る。加えて、本開示は、様々な例において参照数字および/または文字を繰り返し得る。この繰返しは簡潔さおよび明瞭さの目的であり、それ自体は述べられる様々な実施形態および/または構成間の関係を示すわけではない。
【0026】
更に、図に例示されるような1つの要素または特徴の別の要素または特徴との関係を記載するために、説明を容易にするよう、「の下方に(beneath)」、「より下に(below)」、「下の(lower)」、「より上に(above)」、「上の(upper)」等といった空間的相対語が本明細書で使用され得る。空間的相対語は、図に描かれる向きに加えて使用または動作中のデバイスの種々の向きを包含すると意図される。装置は別の向きにされ(90度または他の向きに回転され)てよく、本明細書で使用される空間的相対記述語はそれに応じて同じく解釈されてよい。
【0027】
図1Aは3D-NANDメモリデバイス100の斜視図であり、図1Bは3D-NANDメモリデバイス100の横断面図である。図1Bにおける3D-NANDメモリデバイス100の横断面図は、図1Aにおけるメモリデバイス100のY方向(すなわち、ビット線方向)に沿った線A-A’から得られる。
【0028】
図1Aに図示されるように、メモリデバイス100は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)技術に適切であり、CMOS基板10または周辺回路基板10と称される第1の基板10を有することができる。CMOS技術の回路は、p型MOS(PMOS)トランジスタおよびn型MOS(NMOS)トランジスタを使用して形成される。一部の例では、PMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタは集合的にCMOSトランジスタと称される。CMOS基板10の上面10aにわたって複数のCMOSトランジスタが形成される。CMOSトランジスタは、メモリデバイス100のデータI/Oの他にメモリセル動作を扱う電気回路を形成できる。例えば、図1Aに図示されるように、CMOS基板10の上部分に複数のNMOSトランジスタ12および複数のPMOSトランジスタ14が形成される。
【0029】
更に、複数のボンディングVIA16がCMOSトランジスタの上方に形成され、CMOSトランジスタに電気的に結合される。例えば、ボンディングVIA16はCMOSトランジスタのゲート、ソース領域またはドレイン領域に電気的に接続できる。
【0030】
メモリデバイス100は、メモリセルに適切であり、セルアレイ基板18と称される第2の基板18を更に含む。セルアレイ基板18の上面18aの上方にメモリセルスタックを形成でき、セルアレイ基板18の反対の下面18bにわたって複数の下ソース線34を形成できる。一部の例では、下ソース線34は接続されて下ソース線メッシュを形成し、下ソース線メッシュは下接続構造とも称することができる。メモリセルスタックは、上面18aからセルアレイ基板18内へ延びる2つ以上のnウェル領域30(図1Aに30aおよび30bとして図示)を含む。nウェル領域30は、セルアレイ基板18の下面18bからnウェル領域30に延びる複数の第1のVIA32を通じて下ソース線34に結合される。2つ以上のアレイ共通ソース(ACS)構造28がnウェル領域30からCMOS基板10の上面10aに向けて延び、nウェル領域30に結合される。2つ以上のnウェル領域30の各々は、それぞれのACS構造と直接接触していることができる。
【0031】
ACS構造28と複数の上ソース線20との間に複数のM1配線24が配設される。一部の例では、上ソース線20は接続されて上ソース線メッシュを形成し、上ソース線メッシュは上接続構造とも称することができる。M1配線24は複数の第2のVIA26を通じてACS領域28に結合される。例えば、図1Bに図示されるように、ACS構造28aが第2のVIA26を通じてM1配線24に接続できる。M1配線が、複数のチャネル構造38に結合される複数のビット線を含むことが述べられるべきである。チャネル構造38は図1Bに例示される。
【0032】
上ソース線20は、M1配線24の上方に形成され、複数の第3のVIA22を通じてM1配線に結合される。例えば、図1Bに図示されるように、上ソース線20が第3のVIA22を通じてM1配線24に電気的に接続される。開示されるメモリデバイス100では、セルアレイ基板18の上面18aおよびCMOS基板10の上面10aは、トランジスタがボンディングVIA16を通じて上ソース線20に結合されるように互いに向き合って位置合わせされる。図1Bに図示されるように、ソース線20がボンディングVIA16を通じてPMOSトランジスタ14に電気的に接続される。
【0033】
セルアレイ基板18は、セルアレイ基板18の上領域に形成されるpウェル領域36を含むことができ、nウェル領域30はpウェル領域36に配設できる。pウェル領域36は、設計要件に従って0.5umから5umまでの深さで上面18aからセルアレイ基板18内へ延びることができる。p型ウェルは、メモリデバイス100を消去またはプログラムする間にタブに電圧が印加されるので「能動タブ」としても知られている。p型ウェルは、メモリセルスタックを隣接部品から絶縁するようにも構成できる。
【0034】
図1Bに図示されるように、上ソース線20が1つまたは複数のボンディングVIA16を通じて、PMOSトランジスタ14の1つなど、1つまたは複数のCMOSトランジスタに電気的に結合される。M1配線24が第3のVIA22を通じて上ソース線20に電気的に結合される。ACS構造28aは第2のVIA26を通じてM1配線24に電気的に結合される。nウェル領域30aがACS構造28aと接触している。nウェル領域30は更に上面18aからセルアレイ基板18内へ延びる。第1のVIA32は下面18bからnウェル領域30までセルアレイ基板18内へ延びる。下ソース線34は第1のVIA32の上方に、第1のVIA32と直接接触して形成される。
【0035】
図1Bに図示されるように、メモリデバイス100は、複数のチャネル構造38も含む。チャネル構造38は、セルアレイ基板18に垂直である高さ方向(Z方向)に沿ってセルアレイ基板18の上面18aから突出する。メモリデバイス100では、複数のワード線42が階段構成によりセルアレイ基板18の上面18aの上方に配設され、複数の絶縁層44によって互いから離間される。チャネル構造38は複数のワード線42および複数の絶縁層44を通って延びる。チャネル構造38は上チャネルコンタクト(図示せず)を通じてM1配線24に電気的に結合される。図1Bの例では、チャネル構造38に接続されるM1配線24はメモリセルアレイのためのビット線として構成され、ビット線24と称することができる。M1配線24はセルアレイ基板18の長さ方向(Y方向)に延びる。ACS構造28は高さ方向に沿って複数のワード線42および複数の絶縁層44を通って延び、更にセルアレイ基板18の幅方向(X方向)に延びる。複数のチャネル構造38はACS領域28によって分離される。
【0036】
一部の実施形態において、メモリデバイス100は、複数のダミーチャネル構造40も含む。ダミーチャネル構造40はセルアレイ基板18の高さ方向に沿ってセルアレイ基板18の上面18aから突出する。ダミーチャネル構造40の一部は更にワード線42および絶縁層44を通って延びることができる。
【0037】
一部の実施形態において、ACS構造28は、タングステンで作製される上部分28’およびポリシリコンで作製される下部分28”を有することができる。チャネル構造38は、側壁および下領域を持つ円筒形状を有することができる。もちろん、他の形状も可能である。チャネル構造38は、セルアレイ基板18の高さ方向に沿って形成され、チャネル構造38の下チャネルコンタクト48を介してセルアレイ基板18と電気的に結合される。チャネル構造38の各々は、それぞれのチャネル層、それぞれのトンネリング層、それぞれの電荷トラッピング層およびそれぞれのバリア層を更に含む。簡潔さおよび明瞭さのために、チャネル層、トンネリング層、電荷トラッピング層およびバリア層は図1Bには図示されない。
【0038】
一部の実施形態において、上ソース線20および下ソース線34は、図1Aおよび図1Bには図示されない1つまたは複数のシリコン貫通VIA(TSV)を通じて電気的に接続される。
【0039】
一部の実施形態において、第1のVIA32をセルアレイ基板18から絶縁するために第1のVIA32とセルアレイ基板18との間に複数のスペーサ層50が形成される。スペーサ層50は、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)層などの誘電体層であることができる。第1のVIA32は、テーパー横断面を有する延長壁形状、截頭円錐形状、または他の適切な形状を有することができる。
【0040】
一部の実施形態において、上ソース線20の上方に複数の第4のVIA(図示せず)を形成できる。第4のVIAは、続いて接合された第4のおよびボンディングVIAを通じて上ソース線20がトランジスタに結合されるようにボンディングVIA16と接合できる。
【0041】
一部の実施形態において、第1のVIA32とnウェル領域30との間の導電性を改善するために第1のVIA32とnウェル領域30との間に複数のn+領域(図示せず)を配置できる。n+領域の各々は、それぞれの第1のVIAとそれぞれのnウェル領域30との間に設けることができる。nウェル領域30には、イオン注入プロセスを通じて10e11cm-3から10e14cm-3までのドーパント濃度でリンをドープできる。n+領域には、10e14cm-3から10e18cm-3までのドーパント濃度でリンをドープできる。
【0042】
一部の実施形態において、セルアレイウエハ18の下面18bにわたって誘電体層46を形成でき、下ソース線34は誘電体層46に形成される。更に、下ソース線34がセルアレイ18から離間されるようにセルアレイウエハ18の下面18bと下ソース線34との間に絶縁層(図示せず)を設けることができる。それに応じて、第1のVIA32は、絶縁層を通って延び、更に下面18bからセルアレイウエハ18内へ延びることができる。
【0043】
第1のVIA32はCu、W、Ruまたは他の適切な材料で作製できる。一部の実施形態において、第1のVIA32とスペーサ層50との間にバリア層を設けることができる。バリア層はTa、TaN、Ti、TiNまたは他の適切な材料で作製できる。上ソース線20および下ソース線34はCu、Al、Wまたは他の適切な材料で作製できる。
【0044】
図1Aおよび図1Bが開示される3D-NANDメモリデバイス100の例示的な実施形態に過ぎないことが述べられるべきである。3D-NANDメモリデバイスは種々の設計要件に従って他の部品、構造および寸法を含むことができる。
【0045】
図2は、本開示の例示的な実施形態による、3次元の関連3D-NANDメモリデバイス200の概略斜視図である。メモリデバイス200は、CMOS基板70を有する。CMOS基板70の上面70aにわたって複数のCMOSトランジスタが形成される。CMOSトランジスタはNMOSトランジスタ72およびPMOSトランジスタ74を含むことができる。複数のボンディングVIA76がCMOSトランジスタの上方に形成され、CMOSトランジスタに電気的に結合される。ボンディングVIA76はCMOSトランジスタのソース領域、ドレイン領域またはゲートに電気的に接続できる。
【0046】
ボンディングVIA76の上方にセルアレイ基板80が配設される。セルアレイ基板80に2つ以上のnウェル領域78が形成される。nウェル領域78は上面80aからセルアレイ基板80内へ延びる。セルアレイ基板80に、pウェル領域94が形成される。pウェル領域94はセルアレイ基板80の上位置に配設される。nウェル領域78の上方に、2つ以上のACS構造82が形成される。nウェル領域78の各々は、それぞれのACS構造82と直接接触している。ACS構造82の上方に、複数のM1 VIA88が形成される。ACS構造82の上方に複数のM1配線86が配置される。M1配線86はM1 VIA88を通じてACS構造82に結合される。
【0047】
メモリデバイス200では、M1配線86の上方に複数のM2 VIA90が形成される。M2 VIA90の上方に、複数のソース線(またはソース線メッシュ)92が形成される。ソース線92はM2 VIA90を通じてM1配線86に電気的に結合される。メモリデバイス200は、複数のチャネル領域84を更に含む。チャネル領域84は、上面80aから突出し、セルアレイ基板80の高さ方向(Z方向)に沿って延びる。チャネル構造84は、M1配線86より下に配設され、上チャネルコンタクト(図示せず)を通じてM1配線に電気的に結合される。チャネル構造に接続されるM1配線はビット線と命名できる。メモリデバイス100と同様に、メモリデバイス200は、セルアレイ基板80の上面80aの上方に形成される複数のワード線(図2に図示せず)を更に含む。ワード線は複数の絶縁層(図2に図示せず)によって互いから離間される。チャネル構造84はワード線および絶縁層を通って延びる。ACS構造82もワード線および絶縁層を通って延びる。
【0048】
一部の実施形態において、チャネル構造84およびnウェル領域78は、ボンディングVIA76を通じてCMOS基板70に形成されるCMOSトランジスタに電気的に結合できる。
【0049】
関連3D-NANDメモリデバイス200では、ソース線92、M2 VIA90、M1配線86、M1 VIA88およびACS構造82によって形成される導電チャネルを通じてnウェル領域78に入力電圧を印加できる。ACS構造82は、典型的にセルアレイ基板80のワード線方向(X方向)に沿った壁形の線コンタクトである。そのような壁形コンタクトは、感知動作中に発生するグランドノイズを防止するのに十分な導電性を必要とする。3D NANDスタックの高さが密度と共に増すので、ACS構造の高さも増す。ACS構造の高さが増した結果としてACS構造の抵抗が増す。そのような抵抗の量を減少させるために、ACS構造の幅を増すことができるが、そうなるとダイサイズおよび高タングステン応力によるウエハ機械的安定性に影響を与える。
【0050】
図3A図7は、本開示の例示的な実施形態による、3D-NANDメモリデバイス100を製造する様々な中間ステップの斜視および横断面図である。
【0051】
図3Aは、セルアレイ基板18の上方に形成されるメモリセルスタックの概略斜視図である。メモリセルスタックは各種の半導体製造プロセスを通じて形成できる。半導体製造プロセスには、フォトリソグラフィプロセス、ドライエッチングプロセス、ウェットエッチングプロセス、水洗プロセス、注入プロセス、膜析出プロセス(すなわち、CVD、PVD、拡散、電気めっき)、表面平坦化プロセス(すなわち、CMP)、および他の適切な半導体製造プロセスを含むことができる。図3Aに図示されるように、メモリスタックは、図1Aに例示される同様の構成を有することができる。例えば、メモリスタックは、セルアレイ基板18内へ上面18aから延びるnウェル領域30を含むことができる。ACS構造28は、nウェル領域30の上方に形成され、nウェル領域と接触している。ACS領域28およびM1配線24は第2のVIA26を通じて電気的に接続される。上ソース線(ソース線メッシュ)20は第3のVIA22を通じてM1配線24に電気的に接続される。
【0052】
図3Bは、図1Bに例示される同様の構成を有するメモリセルスタックの横断面図である。メモリセルスタックはチャネル領域38およびダミーチャネル領域40を更に含む。チャネル領域38およびダミーチャネル領域40は、上面18aから突出し、セルアレイ基板18の高さ方向に沿って延びる。チャネル構造38は、M1配線24より下に配設され、上チャネルコンタクト(図示せず)を通じてM1配線24に電気的に結合される。チャネル構造に接続されるM1配線はビット線と命名できる。メモリセルスタックは、セルアレイ基板18の上面18aの上方に形成されるワード線42を更に含む。ワード線42は絶縁層44によって互いから離間される。チャネル構造38はワード線42および絶縁層44を通って延びる。ACS構造28もワード線42および絶縁層44を通って延びる。
【0053】
図4Aおよび図4Bでは、メモリセルスタックは上下に反転でき、セルアレイ基板18の下面18bが露出される。CMPプロセス、エッチングプロセスまたはその組合せなど、後続の表面除去プロセスが適用されて下面18bからセルアレイ基板18の一部分を除去できる。表面除去プロセス後、セルアレイ基板18の厚さは減少される。
【0054】
図5Aおよび図5Bでは、フォトリソグラフィプロセス、エッチングプロセス、膜析出プロセス(すなわち、CVD、電気めっき)および表面平坦化プロセスを含む各種の半導体製造プロセスを通じて複数の第1のVIA32を形成できる。例えば、フォトリソグラフィプロセスを通じてセルアレイ基板18の下面18bにわたってパターン化マスク層を形成できる。ドライエッチングプロセスによりセルアレイ基板内へマスク層におけるパターンを転写して複数のVIA開口を形成できる。膜析出プロセスに基づいて、VIA開口にスペーサ層50を析出でき、電気めっきプロセスを通じてスペーサ層50の上方に導電層(すなわち、Cu)が形成されてVIA開口を充填できる。CMPなど、後続の表面平坦化プロセスが適用されてセルアレイ基板の下面にわたる過剰なCuを除去できる。
【0055】
VIA開口に残存する導電層が第1のVIA32になる。第1のVIA32は下面18bからセルアレイ基板18内へ延び、電気的に接続を形成するようにnウェル領域30に到達する。第1のVIA32はCu、W、Ru等で作製できる。一部の実施形態において、スペーサ層50と第1のVIA32との間にバリア層(図示せず)を形成できる。バリア層はTi、TiN、TaN、Taまたは他の適切な材料で作製できる。
【0056】
一部の実施形態において、nウェル領域が複数のVIA開口によって露出されるときにnウェル領域の露出範囲に複数のn+領域を形成できる。n+領域はイオン注入プロセスによって作製できる。n+領域が形成されると、続いてVIA開口にスペーサ層50および導電層を析出できる。
【0057】
図6Aおよび図6Bでは、セルアレイ基板18の下面18bにわたって下ソース線34を形成できる。一部の実施形態において、ソース線34の形成前に、下面18bにわたって、SiOなどの誘電体層46を形成できる。後続のフォトリソグラフィプロセスが適用されて誘電体層46にトレンチ開口を形成できる。次いで膜析出プロセスが適用されてトレンチ開口を、Cu、Al、W等といった導電材料で充填できる。後続のCMPプロセスが適用されて誘電体層46の上面にわたる過剰な導電材料を除去できる。トレンチ開口に残存する導電材料が下ソース線34を形成する。
【0058】
図7では、CMOS基板10の上面10aにわたって、PMOS14およびNMOS12などの複数のCMOSトランジスタを形成できる。CMOSトランジスタの上方に複数のボンディングVIA16を形成できる。続いて、セルアレイ基板18およびCMOS基板10をボンディングVIA16を通じて共に接合できる。CMOS基板10の上面10aおよびセルアレイ基板18の上面18aは、トランジスタがボンディングVIA16を通じて上ソース線20に結合されるように互いに向き合って位置合わせされる。図7に図示される製造ステップ後、3D-NANDメモリデバイス100が形成されるが、図1Aおよび図1Bに図示されるメモリデバイスと同じ構成を有する。
【0059】
一部の実施形態において、上ソース線20の上方に第4のVIA(図示せず)が形成され、第4のVIAは、セルアレイ基板18およびCMOS基板10が共に接合されるようにボンディングVIA16に接続される。
【0060】
複数のTSV(図示せず)も形成できる。TSVは、セルアレイ基板18の下面18bからセルアレイ基板18内へ延び、上ソース線20および下ソース線34を接続できる。
【0061】
図8は、本開示の実施形態による、3D-NANDメモリデバイス100を製造するための例示的なプロセスのフローチャートである。プロセス800は、第1の基板の上面の上方にメモリセルスタックを形成できるステップ810から始まる。第1の基板は反対の下面を更に有する。メモリセルスタックは、第1の基板に形成される2つ以上のnウェル領域を含む。2つ以上のnウェル領域は上面から第1の基板内へ延びる。メモリスタックは、2つ以上のnウェル領域の上方に形成される2つ以上のACS構造も含むことができる。ACS構造の各々は、それぞれのnウェル領域と直接接触している。メモリセルスタックでは、ACS構造の上方に複数のM1配線が形成される。M1配線は複数のM1 VIAを通じてACS構造に電気的に結合される。更に、複数のM1配線の上方に複数の上ソース線が形成される。M1配線は複数のM2 VIAを通じて上ソース線に電気的に結合される。一部の実施形態において、ステップ810は、図3A図3Bに関して例示されるように行うことができる。
【0062】
プロセス800は次いで、第1の基板の下面から第1の基板の一部分を除去できるステップ820に進む。第1の基板の下部分は、エッチングプロセス、CMPプロセス等、またはその組合せを通じて除去できる。一部の実施形態において、ステップ820は、図4A図4Bに関して例示されるように行うことができる。
【0063】
ステップ830では、下面から第1の基板内へ延びてnウェル領域に接触する複数のVIAコンタクトを形成できる。VIAコンタクトの上方に複数の下ソース線を形成できる。複数の下ソース線はVIAコンタクトを通じてnウェル領域に電気的に接続される。一部の実施形態において、ステップ830は、図5A図6Bに関して例示するように行うことができる。
【0064】
プロセス800は、第2の基板の上面にわたって複数のトランジスタが形成され、トランジスタの上方に複数のボンディングVIAが形成されるステップ840に進む。更に、第1の基板および第2の基板はボンディングVIAを通じて共に接合される。第1の基板の上面および第2の基板の上面は、トランジスタがボンディングVIAを通じて上ソース線に結合されるように互いに向き合って位置合わせされる。一部の実施形態において、ステップ830は、図7に関して例示するように行うことができる。
【0065】
プロセス800の前、間および後に追加のステップを設けることができ、記載されるステップの一部を、プロセス800の追加の実施形態のために置き換える、省く、または異なる順に行うことができることが留意されるべきである。後続のプロセスステップでは、半導体デバイス100の上方に様々な追加の配線構造(例えば、導電線および/またはVIAを有するメタライゼーション層)が形成され得る。そのような配線構造は、半導体デバイス100を他のコンタクト構造および/または能動デバイスと電気的に接続して機能回路を形成する。パッシベーション層、入出力構造等といった追加のデバイス特徴も形成され得る。
【0066】
本明細書に記載される様々な実施形態は、関連メモリデバイスに勝る幾つかの利点を提供する。関連メモリデバイスでは、ソース線、M1配線、ACS構造およびnウェル領域によって形成される導電チャネルを通じてnウェル領域に入力電圧が印加される。導電チャネルの抵抗が必然的にACS構造の抵抗によって影響される。3D NANDスタックの高さが密度と共に増すので、それに応じてACS領域の高さが増大する。ACS領域の抵抗は必然的に3D NANDスタックの高さ方向に増す。ACS領域の抵抗が増した結果として導電チャネルの抵抗が上昇する。導電チャネルの上昇した抵抗は、それに応じて関連メモリデバイスの感知動作において発生するグランドノイズを生じさせ得る。
【0067】
開示されたメモリデバイスでは、交差点構造を導入することによって、ソース線(またはソース線メッシュ)はセルアレイ基板の研磨裏側(すなわち、下面)からnウェル領域に電気的に結合できる。それに応じてnウェル領域に対するソース線の抵抗を減少できる。nウェル領域に対するソース線の減少した抵抗はグランドノイズを低減できる。加えて、ACS構造の抵抗はメモリデバイスのソース側抵抗およびグランドノイズに影響を与えない。更に、開示された構造は、ソース線メッシュおよびACS構造を接続するコンタクトを追加するために使用されるM1配線間の間隙を省くことができ、そうなるとワード線方向のダイサイズの減少を促進する。
【0068】
上記は、当業者が本開示の態様をより良好に理解できるように幾つかの実施形態の特徴を概説する。当業者は、本明細書に導入される実施形態の同じ目的を実施する、かつ/または、同じ利点を達成するための他のプロセスおよび構造を設計または修正するための基礎として、自身が本開示を直ちに使用し得ることを認識するべきである。当業者は、そのような均等な構造が本開示の趣旨および範囲から逸脱しないこと、ならびに自身が、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく本明細書における様々な変化、置換および変更を行い得ることも認めるべきである。
【符号の説明】
【0069】
10 第1の基板
10a 上面
12 NMOSトランジスタ
14 PMOSトランジスタ
16 ボンディングVIA
18 第2の基板
18a 上面
18b 下面
20 上ソース線
22 第3のVIA
24 M1配線
26 第2のVIA
28 アレイ共通ソース(ACS)構造
28’ 上部分
28” 下部分
30 nウェル領域
32 第1のVIA
34 下ソース線
36 pウェル領域
38 チャネル構造
40 ダミーチャネル構造
42 ワード線
44 絶縁層
46 誘電体層
48 下チャネルコンタクト
50 スペーサ層
70 CMOS基板
70a 上面
72 NMOSトランジスタ
74 PMOSトランジスタ
76 ボンディングVIA
78 nウェル領域
80 セルアレイ基板
80a 上面
82 ACS構造
84 チャネル領域
86 M1配線
88 M1 VIA
90 M2 VIA
92 ソース線
94 pウェル領域
100 3D-NANDメモリデバイス
200 3D-NANDメモリデバイス
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-09-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリセルを形成するための第1の側および前記第1の側と反対である第2の側を有する第1の基板と、
前記第1の基板の前記第1の側に形成されドープ領域と、
前記第1の基板の前記第2の側にわたって形成され、第1のVIAであって、前記第1の基板の前記第2の側から前記ドープ領域に延びる第1のVIAを通じて前記ドープ領域に結合される第1の接続構造と
第2の基板の第1の側に形成され、前記第1の接続構造に結合されるトランジスタとを備え、前記メモリセルが、
階段構成で前記第1の基板の前記第1の側の上方に形成される複数のワード線と、
前記複数のワード線間に設けられる複数の絶縁層と、
前記ドープ領域に結合され、前記ドープ領域から延び、更に前記複数のワード線および前記複数の絶縁層を通って延びる共通ソース構造とを更に含む
半導体デバイス。
【請求項2】
前記トランジスタの上方に形成され、前記トランジスタに結合されるボンディングVIA更に備え前記第1の基板の前記第1の側および前記第2の基板の前記第1の側が位置合わせされ、互いに向き合い、前記ボンディングVIAによって互いに接合される、
請求項に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記ボンディングVIAと接触しているように前記第1の基板の前記第2の側から前記第1の基板の前記第1の側に延びるシリコン貫通VIA(TSV)を更に備え、前記第1の接続構造が前記TSVに基づいて前記トランジスタに結合される
請求項に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記第1のVIAが前記ドープ領域を通って延び、更に前記共通ソース構造と接触している、請求項に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記第1のVIAを前記第1の基板から絶縁する、前記第1のVIAと前記第1の基板との間に設けられるスペーサ層を更に備える、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記第1のVIAと前記ドープ領域との間に配置されるn+領域であって、前記ドープ領域がn型である、n+領域を更に備える、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記第1のVIAが、テーパー横断面を有する延長壁形状または截頭円錐形状の少なくとも1つを有する、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記共通ソース構造が、更に前記第1の基板の前記第1の側と平行な方向に沿って延びる、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記第1の基板の前記第1の側から延びる複数のチャネル構造更に備え
前記複数のチャネル構造が前記複数のワード線および前記複数の絶縁層を通って延び
前記共通ソース構造が前記第1の基板の前記第1の側と平行な前記方向に沿って延びて前記複数のチャネル構造を部分群へ分離する、
請求項に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
第1の基板の第2の側から延びる第1のVIAを形成するステップであって、前記第1の基板が、メモリスタックが形成される反対の第1の側を有し、前記メモリスタックが、(i)前記第1の基板の前記第1の側に配設され、結合されドープ領域、(ii)階段構成で前記第1の基板の前記第1の側の上方に形成される複数のワード線、および(iii)前記複数のワード線間に設けられる複数の絶縁層を含む、ステップと、
第1の接続構造を、前記第1の接続構造が前記第1のVIAを通じて前記ドープ領域に結合されるように前記第1のVIAの上方に形成するステップと
前記ドープ領域に結合され、前記ドープ領域から延び、更に前記複数のワード線および前記複数の絶縁層を通って延びる共通ソース構造を形成するステップと、
第2の基板の第1の側にトランジスタを形成するステップであって、前記第1の接続構造が前記トランジスタに結合される、ステップとを含む、
半導体デバイスを製造するための方法。
【請求項11】
前記トランジスタの上方にボンディングVIAを形成し、前記トランジスタに結合するステップと、
前記ボンディングVIAを通じて前記第1の基板および前記第2の基板を接合するステップであって、前記第1の基板の前記第1の側および前記第2の基板の前記第1の側が位置合わせされ、互いに向き合い、前記ボンディングVIAによって互いに接合される、ステップとを更に含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ボンディングVIAと接触しているように前記第1の基板の前記第2の側から前記第1の基板の前記第1の側に延びるシリコン貫通VIA(TSV)を形成するステップであって、前記第1の接続構造が前記TSVに基づいて前記トランジスタに結合される、ステップを更に含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のVIAの上方に前記第1の接続構造を形成するステップが、
前記第1の基板の前記第2の側から前記第1の基板の一部分を除去することと、
前記第1の基板の前記第2の側から前記ドープ領域に延びる前記第1のVIAを形成することと、
前記第1のVIAの上方に前記第1の接続構造を形成することとを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のVIAが、テーパー横断面を有する延長壁形状または截頭円錐形状の少なくとも1つを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のVIAと前記ドープ領域との間にn+領域を形成するステップであって、前記ドープ領域がn型である、ステップを更に含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のVIAと前記第1の基板との間にスペーサ層を形成して前記第1のVIAを前記第1の基板から絶縁するステップを更に含む、
請求項10に記載の方法。
【国際調査報告】