(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-11
(54)【発明の名称】半導体製造用途における摩擦攪拌接合
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20220428BHJP
F27D 3/12 20060101ALI20220428BHJP
B23K 20/12 20060101ALI20220428BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
F27D3/12 Z
B23K20/12 360
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555428
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(85)【翻訳文提出日】2021-11-12
(86)【国際出願番号】 US2020022497
(87)【国際公開番号】W WO2020190658
(87)【国際公開日】2020-09-24
(32)【優先日】2019-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラインバーガー・ニック・レイ・ジュニア.
(72)【発明者】
【氏名】アガーワル・プラハラド・ナラシンダス
(72)【発明者】
【氏名】パティル・ラヴィクマー・サダシブ
(72)【発明者】
【氏名】シャンバー・ダモダー・ラジャラム
【テーマコード(参考)】
4E167
4K055
【Fターム(参考)】
4E167BG16
4E167BG22
4K055AA05
4K055HA01
4K055HA16
4K055HA23
(57)【要約】
【課題】
【解決手段】一例では、基板処理チャンバ用のシャワーヘッド台座アセンブリが提供される。シャワーヘッド台座アセンブリは、フェースプレートを含む。プラテンが、フェースプレート内に配置され、フェースプレート内の少なくとも1つの溝を通って延びるヒータ要素を含む。少なくとも1つの溝は、ヒータ要素の少なくとも一部を受け入れるようにプロファイルされる。プラテンの周囲は、摩擦攪拌接合継手によってフェースプレートの内面に接合される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理チャンバ用のシャワーヘッド台座アセンブリであって、
フェースプレートと、
前記フェースプレート内に配置されたプラテンであって、前記プラテンは、前記フェースプレート内の少なくとも1つの溝を通って延びるヒータ要素を含み、前記少なくとも1つの溝は、前記溝を通って延びる前記ヒータ要素の少なくとも一部を受け入れるようにプロファイルされるプラテンと、
前記ヒータ要素用の電源と
を含み、
前記プラテンの周囲は、摩擦攪拌接合継手によって前記フェースプレートの内面に接合される、
シャワーヘッド台座アセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載のシャワーヘッド台座アセンブリであって、
前記フェースプレートは、ガスが前記シャワーヘッド台座アセンブリを通って前記シャワーヘッド台座アセンブリによって支持された基板の下側に通過することを可能にする複数の開口を含む、シャワーヘッド台座アセンブリ。
【請求項3】
請求項1に記載のシャワーヘッド台座アセンブリであって、
前記フェースプレートと前記プラテンの対向する表面との間に延びる複数の伝熱ポストをさらに備え、前記複数の伝熱ポストは、摩擦攪拌接合材料を含む、シャワーヘッド台座アセンブリ。
【請求項4】
請求項3に記載のシャワーヘッド台座アセンブリであって、
前記摩擦攪拌接合材料は、前記フェースプレートまたは前記プラテンの材料とは異なっており、前記フェースプレートと前記プラテンとの間に摩擦攪拌接合継手の形成を可能にする、シャワーヘッド台座アセンブリ。
【請求項5】
請求項3に記載のシャワーヘッド台座アセンブリであって、
前記複数の伝熱ポストの材料は、前記フェースプレートと前記プラテンとの間の熱伝達を増強または遅らせるように選択される、シャワーヘッド台座アセンブリ。
【請求項6】
請求項3に記載のシャワーヘッド台座アセンブリであって、
前記複数の伝熱ポストの材料は、前記ヒータ要素の材料と同じである、シャワーヘッド台座アセンブリ。
【請求項7】
請求項1に記載のシャワーヘッド台座アセンブリであって、
前記フェースプレート内の前記少なくとも1つの溝に存在するようにサイズ設定および構成された少なくとも1つのバッフルを含むフィラーキャップをさらに備える、シャワーヘッド台座アセンブリ。
【請求項8】
請求項7に記載のシャワーヘッド台座アセンブリであって、
前記フィラーキャップの前記少なくとも1つのバッフルは、前記フェースプレート内のそれぞれの溝に前記ヒータ要素の前記少なくとも一部を固着する、シャワーヘッド台座アセンブリ。
【請求項9】
請求項8に記載のシャワーヘッド台座アセンブリであって、
前記少なくとも1つのバッフルは、湾曲形成部を含み、前記湾曲形成部は、前記フェースプレート内の前記それぞれの溝のプロファイルと一致する、シャワーヘッド台座アセンブリ。
【請求項10】
請求項7に記載のシャワーヘッド台座アセンブリであって、
前記少なくとも1つのバッフルは、摩擦攪拌接合材料を含む、シャワーヘッド台座アセンブリ。
【請求項11】
請求項7に記載のシャワーヘッド台座アセンブリであって、
前記少なくとも1つのバッフルは、前記フィラーキャップの上面に沿って設けられる、シャワーヘッド台座アセンブリ。
【請求項12】
請求項7に記載のシャワーヘッド台座アセンブリであって、
前記フィラーキャップの一部は、ヒートシンクを含み、前記ヒートシンクは、前記シャワーヘッド台座アセンブリの動作中に前記プラテンの材料よりも比較的低温の材料の本体を提供する、シャワーヘッド台座アセンブリ。
【請求項13】
請求項7に記載のシャワーヘッド台座アセンブリであって、
前記少なくとも1つのバッフルは、ガスが通過することを可能にする少なくとも1つの開口を含む、シャワーヘッド台座アセンブリ。
【請求項14】
請求項7に記載のシャワーヘッド台座アセンブリであって、
前記少なくとも1つのバッフルは、前記ヒータ要素のプロファイルに沿って間隔を置いて配列されて延びる一連のバッフルで設けられ、前記バッフルの間隔を置いた配列は、連続するバッフル間に1つまたは複数のギャップを含み、ガスが通過することを可能にする、シャワーヘッド台座アセンブリ。
【請求項15】
請求項10に記載のシャワーヘッド台座アセンブリであって、
前記少なくとも1つのバッフルの前記摩擦攪拌接合材料は、前記フェースプレートまたは前記ヒータ要素の材料とは異なっており、前記ヒータ要素と前記フェースプレートとの間に摩擦攪拌接合継手の形成を可能にする、シャワーヘッド台座アセンブリ。
【請求項16】
請求項7に記載のシャワーヘッド台座アセンブリであって、
前記少なくとも1つのバッフルは、バッフルの複数の同心リングに含まれる、シャワーヘッド台座アセンブリ。
【請求項17】
請求項16に記載のシャワーヘッド台座アセンブリであって、
前記バッフルの複数の同心リングの少なくとも1つのリングは、間隔を置いたバッフルを含む、シャワーヘッド台座アセンブリ。
【請求項18】
請求項17に記載のシャワーヘッド台座アセンブリであって、
前記間隔を置いたバッフルの各々は、内部に形成された1つまたは複数の開口を含み、前記1つまたは複数の開口を通るガスの特定のまたは制御された流れを可能にする、シャワーヘッド台座アセンブリ。
【請求項19】
請求項17に記載のシャワーヘッド台座アセンブリであって、
前記バッフルの少なくとも1つの同心リング内の一対の間隔を置いたバッフル間のギャップは、ガスの特定のまたは制御された流れが通過することを可能にするようにサイズ設定される、シャワーヘッド台座アセンブリ。
【請求項20】
請求項1に記載のシャワーヘッド台座アセンブリであって、
前記ヒータ要素は、前記摩擦攪拌接合継手の形成中に前記電源によって通電される、シャワーヘッド台座アセンブリ。
【請求項21】
基板処理チャンバ用のシャワーヘッド台座アセンブリを形成する方法であって、
フェースプレートを設けることと、
前記フェースプレート内に配置されたプラテンを設けることであって、前記プラテンは、前記フェースプレート内の少なくとも1つの溝を通って延びるヒータ要素を含み、前記少なくとも1つの溝は、前記溝を通って延びる前記ヒータ要素の少なくとも一部を受け入れるようにプロファイルされることと、
ヒータ要素用の電源を設けることと
を含み、
前記プラテンの周囲は、摩擦攪拌接合によって前記フェースプレートの内面に接合される、
方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、
前記フェースプレート内に複数の開口を形成し、ガスが前記シャワーヘッド台座アセンブリを通って前記シャワーヘッド台座アセンブリによって支持された基板の下側に通過することを可能にすることを含む、方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法であって、
摩擦攪拌接合によって、前記フェースプレートと前記プラテンの対向する表面との間に延びる複数の伝熱ポストを形成することをさらに含む、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、
前記摩擦攪拌接合は、前記フェースプレートまたは前記プラテンの材料とは異なる材料を含み、前記フェースプレートと前記プラテンとの間に摩擦攪拌接合継手の形成を可能にする、方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法であって、
前記複数の伝熱ポストの材料を選択し、前記フェースプレートと前記プラテンとの間の熱伝達を増強または遅らせることをさらに含む、方法。
【請求項26】
請求項23に記載の方法であって、
前記複数の伝熱ポストの材料は、前記ヒータ要素の材料と同じである、方法。
【請求項27】
請求項21に記載の方法であって、
前記シャワーヘッド台座アセンブリ用のフィラーキャップを設けることをさらに含み、前記フィラーキャップは、前記フェースプレート内の前記少なくとも1つの溝に存在するようにサイズ設定および構成された少なくとも1つのバッフルを含む、方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法であって、
前記フィラーキャップの前記少なくとも1つのバッフルは、前記フェースプレート内のそれぞれの溝に前記ヒータ要素の少なくとも一部を固着する、方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのバッフルは、湾曲形成部を含み、湾曲形成部は、前記フェースプレート内の前記それぞれの溝のプロファイルと一致する、方法。
【請求項30】
請求項27に記載の方法であって、
摩擦攪拌接合によって前記少なくとも1つのバッフルを形成することをさらに含む、方法。
【請求項31】
請求項27に記載の方法であって、
前記フィラーキャップの上面に沿って前記少なくとも1つのバッフルを設けることをさらに含む、方法。
【請求項32】
請求項27に記載の方法であって、
前記フィラーキャップの一部は、ヒートシンクを含み、前記ヒートシンクは、前記シャワーヘッド台座アセンブリの動作中に前記プラテンの材料よりも比較的低温の材料の本体を提供する、方法。
【請求項33】
請求項27に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのバッフルは、ガスが通過することを可能にする少なくとも1つの開口を含む、方法。
【請求項34】
請求項27に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのバッフルは、前記ヒータ要素のプロファイルに沿って間隔を置いて配列されて延びる一連のバッフルで設けられ、前記バッフルの間隔を置いた配列は、連続するバッフル間に1つまたは複数のギャップを含み、ガスが通過することを可能にする、方法。
【請求項35】
請求項30に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのバッフルの前記摩擦攪拌接合に含まれる材料は、前記フェースプレートまたは前記ヒータ要素の材料とは異なっており、前記ヒータ要素と前記フェースプレートとの間に摩擦攪拌接合継手の形成を可能にする、方法。
【請求項36】
請求項27に記載の方法であって、
前記少なくとも1つのバッフルは、バッフルの複数の同心リングに含まれる、方法。
【請求項37】
請求項36に記載の方法であって、
前記バッフルの複数の同心リングの少なくとも1つのリングは、間隔を置いたバッフルを含む、方法。
【請求項38】
請求項37に記載の方法であって、
前記間隔を置いたバッフルの各々は、内部に形成された1つまたは複数の開口を含み、前記1つまたは複数の開口を通るガスの特定のまたは制御された流れを可能にする、方法。
【請求項39】
請求項37に記載の方法であって、
前記バッフルの少なくとも1つの同心リング内の一対の間隔を置いたバッフル間のギャップは、ガスの特定のまたは制御された流れが通過することを可能にするようにサイズ設定される、方法。
【請求項40】
請求項21に記載の方法であって、
前記摩擦攪拌接合による摩擦攪拌接合継手の形成中に前記電源によって前記ヒータ要素に通電することをさらに含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権の主張]
本出願は、2019年3月15日に出願された米国特許出願番号第62/819,215号の優先権の利益を主張し、上記の出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、半導体製造用途における摩擦攪拌接合に関し、より詳細には、半導体デバイスの製造中に効率的な熱伝達を可能にする摩擦攪拌接合された構成要素の形成に関する。例示的な特定の態様では、本開示は、処理チャンバ用の台座、より詳細にはシャワーヘッド台座内で構成要素を共に接合する際の摩擦攪拌接合の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供される背景の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術のセクションで説明される範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【0004】
いくつかの従来の半導体製造用途では、ヒータコイルが台座プラテンチャネルに埋め込まれ、eビーム(電子ビーム)溶接または真空ろう付けされた金属プラグで充填される。このような場合、ヒータコイルと台座部品との間の界面接合強度は一貫性がなく不十分であることが証明されており、ヒータコイルと台座プレートとの間の熱伝達が効果的ではなく、場合によっては台座の反りや台座の早期故障を引き起こすことがある。
【発明の概要】
【0005】
いくつかの実施形態では、ヒータコイルの摩擦攪拌接合を使用して従来の溶接技法の制限に対処し、台座の反りおよびその早期故障の回避を図る。いくつかの実施形態では、サーマルポストまたはカラムおよびカスケードされた円形バッフルを使用することにより、台座の改善された熱性能が提供されることも求められている。
【0006】
いくつかの例では、基板処理チャンバ用のシャワーヘッド台座アセンブリが提供される。例示的なシャワーヘッド台座アセンブリは、フェースプレートと、フェースプレート内に配置されたプラテンであって、プラテンは、フェースプレート内の少なくとも1つの溝を通って延びるヒータ要素を含み、少なくとも1つの溝は、溝を通って延びるヒータ要素の少なくとも一部を受け入れるようにプロファイルされるプラテンと、ヒータ要素用の電源とを含み、プラテンの周囲は、摩擦攪拌接合継手によってフェースプレートの内面に接合される。
【0007】
いくつかの例では、フェースプレートは、ガスがシャワーヘッド台座アセンブリを通ってシャワーヘッド台座アセンブリによって支持された基板の下側に通過することを可能にする複数の開口を含む。
【0008】
いくつかの例では、シャワーヘッド台座アセンブリは、フェースプレートとプラテンの対向する表面との間に延びる複数の伝熱ポストをさらに備え、複数の伝熱ポストは、摩擦攪拌接合材料を含む。
【0009】
いくつかの例では、摩擦攪拌接合材料は、フェースプレートまたはプラテンの材料とは異なっており、フェースプレートとプラテンとの間に摩擦攪拌接合継手の形成を可能にする。
【0010】
いくつかの例では、複数の伝熱ポストの材料は、フェースプレートとプラテンとの間の熱伝達を増強または遅らせるように選択される。
【0011】
いくつかの例では、複数の伝熱ポストの材料は、ヒータ要素の材料と同じである。
【0012】
いくつかの例では、シャワーヘッド台座アセンブリは、フェースプレート内の少なくとも1つの溝に存在するようにサイズ設定および構成された少なくとも1つのバッフルを含むフィラーキャップをさらに備える。
【0013】
いくつかの例では、フィラーキャップの少なくとも1つのバッフルは、フェースプレート内のそれぞれの溝にヒータ要素の少なくとも一部を固着する。
【0014】
いくつかの例では、少なくとも1つのバッフルは、湾曲形成部を含み、湾曲形成部は、フェースプレート内のそれぞれの溝のプロファイルと一致する。
【0015】
いくつかの例では、少なくとも1つのバッフルは、摩擦攪拌接合材料を含む。
【0016】
いくつかの例では、少なくとも1つのバッフルは、フィラーキャップの上面に沿って設けられる。
【0017】
いくつかの例では、フィラーキャップの一部は、ヒートシンクを含み、ヒートシンクは、シャワーヘッド台座アセンブリの動作中にプラテンの材料よりも比較的低温の材料の本体を提供する。
【0018】
いくつかの例では、少なくとも1つのバッフルは、ガスが通過することを可能にする少なくとも1つの開口を含む。
【0019】
いくつかの例では、少なくとも1つのバッフルは、ヒータ要素のプロファイルに沿って間隔を置いて配列されて延びる一連のバッフルで設けられ、バッフルの間隔を置いた配列は、連続するバッフル間に1つまたは複数のギャップを含み、ガスが通過することを可能にする。
【0020】
いくつかの例では、少なくとも1つのバッフルの摩擦攪拌接合材料は、フェースプレートまたはヒータ要素の材料とは異なっており、ヒータ要素とフェースプレートとの間に摩擦攪拌接合継手の形成を可能にする。
【0021】
いくつかの例では、少なくとも1つのバッフルは、バッフルの複数の同心リングに含まれる。
【0022】
いくつかの例では、バッフルの複数の同心リングの少なくとも1つのリングは、間隔を置いたバッフルを含む。
【0023】
いくつかの例では、間隔を置いたバッフルの各々は、内部に形成された1つまたは複数の開口を含み、1つまたは複数の開口を通るガスの特定のまたは制御された流れを可能にする。
【0024】
いくつかの例では、バッフルの少なくとも1つの同心リング内の一対の間隔を置いたバッフル間のギャップは、ガスの特定のまたは制御された流れが通過することを可能にするようにサイズ設定される。
【0025】
いくつかの例では、ヒータ要素は、摩擦攪拌接合継手の形成中に電源によって通電される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
添付図面の図にいくつかの実施形態が図示されているが、これらは例示であって、限定として示されるものではない。
【0027】
【
図1】
図1は、例示的な実施形態による、シャワーヘッド台座の断面図である。
【0028】
【
図2】
図2は、例示的な実施形態による、摩擦攪拌接合のための配置を図示する図である。
【0029】
【
図3】
図3は、例示的な実施形態による、ヒータ要素の絵図である。
【0030】
【
図4】
図4は、例示的な実施形態による、シャワーヘッド台座の断面図である。
【0031】
【
図5】
図5は、例示的な実施形態による、フィラーキャップの絵図である。
【0032】
【
図6】
図6は、例示的な実施形態による、シャワーヘッド台座の断面図である。
【0033】
【
図7】
図7は、例示的な実施形態による、シャワーヘッド台座の部分断面絵図である。
【0034】
【
図8】
図8は、例示的な実施形態による、シャワーヘッド台座の断面図である。
【0035】
【
図9】
図9は、1つまたは複数の例示的な実施形態を制御することができる機械の一例を示すブロック図である。
【0036】
【
図10】
図10は、例示的な実施形態による、摩擦攪拌接合のための配置の態様を示す図である。
【0037】
【
図11】
図11は、例示的な実施形態による、例示的な方法における動作を含むフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下の説明は、本開示の例示的な実施形態を具現化するシステム、方法、技法、命令シーケンス、およびコンピューティング機械プログラム製品を含む。以下の説明では、説明の目的で、例示的な実施形態の完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細が記載されている。しかし、本実施形態をこれらの具体的な詳細なしで実践してもよいことが、当業者に明らかになるであろう。
【0039】
この特許文書の開示の一部は、著作権保護の対象となる資料を含む。著作権者は、特許書類または特許の開示が特許商標庁の特許包袋または記録に現れる限り、その特許書類または特許の開示がいかなる者によって複写されることに対して異議を唱えないが、それ以外の場合には一切の著作権を留保する。以下の表示は、後述または図示され本文書の一部を構成するすべてのデータに適用される:copyright Lam Research Corporation,2019-2020,all rights reserved。
【0040】
多くの半導体製造用途には、基板処理チャンバの使用が含まれる。処理チャンバは、処理中に基板(ウエハなど)を固着する台座またはトラックを含み得る。前述のように、そのような台座で使用されるヒータコイルは、通常、真空ろう付けまたは電子ビーム溶接などの従来の技法によって製造される。ヒータコイルと台座部品との間の界面接合強度は一貫性がなく不十分であることが証明されており、ヒータと台座プレートとの間の熱伝達が効果的ではなく、場合によっては台座の反りや台座の早期故障を引き起こすことがある。
【0041】
いくつかの本例では、摩擦攪拌接合(FSW)が、例えば、ヒータ要素、フェースプレート、および台座ステムなどの台座部品を製造または接合するために採用される。他の構成要素の製造または接合もまた、可能である。本明細書に記載の方法および製造物品は、真空ろう付けおよび電子ビーム溶接などの従来の技法を使用して作製された物品と比較して、改善された熱的および機械的性質を示し得る。FSWは、従来の技法のいくつかの制限に対処する。そのような制限には、台座構成要素内の熱伝達の低下、およびそのような台座が取り付けられた処理チャンバの効率の減少をもたらす溶接割れおよび多孔性が含まれ得る。
【0042】
図1を参照すると、例示的なシャワーヘッド台座アセンブリ100は、フェースプレート102と、フェースプレート102内に配置されたプラテン104とを含む。いくつかの例では、フェースプレート102は、示すように、ガスがシャワーヘッド台座アセンブリ100を通って、使用中のシャワーヘッド台座アセンブリ100によって支持された基板(ウエハなど)の下側まで通過することを可能にする開口を含む。
【0043】
プラテン104は、シャワーヘッド台座アセンブリ100内に熱を分散させる。プラテン104は、ヒータ要素106を含む。例示的なヒータ要素106のプロファイルおよび一般的な構成は、
図3の例300または
図7に示すように、絵でより明確に見直すことができる。ヒータ要素106は、示すように、プラテン104内に形成されたチャネル(凹部、または溝)124内の共通の平面にあるいくつかのヒータコイル108を含む。他のコイル配置もまた、可能である。ヒータコイル108は、フィラーキャップ110の材料によって溝内に固着されている。溝は連続的であり、所与のヒータ要素106のプロファイルおよび構成を受け入れるように成形され得る。フィラーキャップ110の材料は、プラテン104の材料、またはヒータコイル108の材料と同じ材料を含んでも含まなくてもよい。プラテン104を通したフェースプレート102またはシャワーヘッド台座アセンブリ100の他の領域への熱伝達を改善または促進するために、フィラーキャップ110の材料を選択することができる。いくつかの例では、チャネル124内の摩擦攪拌接合によって可能になる深いまたは増加した溶接深さは、ヒートシンクの導入を可能にする。ヒートシンクは、プラテン104よりも比較的低温の材料の本体を提供し、この低温の集合体は、プラテン104の反りを防止するのを支援することができる。チャネル124内におけるフィラーキャップ110の材料の相対熱伝導率もまた、この点に関して支援するために選択されてもよい。
【0044】
ヒータ要素106のヒータコイル108への電力は、電力ライン118によって供給され得る。ガス分配チャネル114が、ガスを開口フェースプレート102およびシャワーヘッド台座アセンブリ100の他の構成要素に分配する。電力ライン118およびガス分配チャネル114は、示すように、シャワーヘッド台座アセンブリ100のステム116を通過することができる。
【0045】
いくつかの例では、摩擦攪拌接合を使用して、シャワーヘッド台座アセンブリ100の構成要素を組み立てまたは形成する。例えば、ゾーン120(
図1)において、摩擦攪拌接合が採用され、プラテン104の周囲をフェースプレート102の内面に接合する。さらなる例では、ゾーン122(
図1)において、摩擦攪拌接合が採用され、示すように、ヒータコイル108の上にフィラーキャップ110を形成し、プラテン104の本体内にヒータコイル108を固着する。他の台座構成要素は、同様の方式で接合または形成することができる。他の摩擦攪拌接合ゾーンもまた、可能である。
【0046】
図2を参照すると、摩擦攪拌接合のための配置200が示されている。シャワーヘッド台座アセンブリ100の1つの構成要素202は、示される方式で別の構成要素204に接合することができる。図示の構成要素202は、例えばゾーン120に配置されたフェースプレート102のエッジ部分を含み得る。他の図示の構成要素204は、例えば同じゾーン120に配置されたプラテン104のエッジ部分を含み得る。示すように、下向きの力206が、2つの構成要素202および204のエッジ部分の間で溶接方向210に前進される回転摩擦攪拌接合(FSW)ツール208に加えられる。FSWツール208は、ショルダ212と、ピン214とを含む。スピンするFSWツール208は、共に接合される構成要素202および204の材料を通って前進するとき、摩擦攪拌接合領域216を形成する。そのように形成された摩擦攪拌接合領域216は、構成要素202および204を共に接合する溶接ナゲット218を含む。ナゲット218は、ツールのスピン回転方向224に対応する前進側220および後退側222を有する。
【0047】
いくつかの例では、台座またはシャワーヘッドの熱的不均一性により、「ウエハ上」(基板上)の処理性能が低下する可能性がある。この状況では、処理熱が失われるか、目的の領域に正しく向けられない。
図3~
図4を参照すると、本開示のさらなる例の構成要素が図示されている。
【0048】
図3に示されるヒータ要素300は、シャワーヘッド台座内の熱伝達を制御または増強するためのフィーチャを有する。ヒータ要素300は、1つまたは複数の電力ライン304によって電力が供給されるヒータコイル306を含む。シャワーヘッド台座のいくつかの構成では、フェースプレート102とプラテン104(またはバックプレート)との間の熱伝達は、例えば
図1のゾーン120内またはその近くで、それらの接合されたエッジでの伝導によって主に発生する。
図3の図示の例では、補助的な伝熱カラムまたはポスト302が設けられている。ポスト302は、摩擦攪拌接合によって個別に製作または形成され、例えば
図4の402に示すように、フェースプレート102とプラテン104との間に延びることができる。シャワーヘッド台座400の他の要素は、
図1のシャワーヘッド台座アセンブリ100に関して上述したものと同じまたは同様であり得る。
【0049】
摩擦攪拌接合によって製造されたポスト302(
図4の402)は、例えば、シャワーヘッド台座アセンブリ100内のフェースプレート102とプラテン104との間で熱を伝導するのを支援することができる。いくつかの例では、伝熱ポスト302は、シャワーヘッド台座アセンブリ100の構造的剛性、またはプラテン104内のヒータ要素106の場所の安全性、またはフェースプレート102もしくはプラテン104の剛度を増強することができる。いくつかの例では、伝熱ポスト302は、フェースプレート102からプラテン104への、または放射による熱を逃がし、ウエハ処理中のフェースプレート102の温度を低下させ、フェースプレートのたわみまたは反りを最小化または回避することを可能にする。伝熱ポスト302の他の構成および配置もまた、可能である。伝熱ポスト302の材料は、フェースプレート102とプラテン104との間の熱伝達を増強または遅らせるように選択され得る。ポスト302のために選択された材料は、ヒータコイル108の材料と同じであってもなくてもよい。
【0050】
図5は、例えば示すように、その上面に沿って形成された一連の湾曲したまたは弧状のバッフル502を含む例示的なフィラーキャップ500を示している。他の構成もまた、可能である。図示のフィラーキャップ500は、
図1を参照して前述したように、プラテン104のチャネル124内にヒータ要素106のコイル108を固着することができる。
【0051】
図6を参照すると、シャワーヘッド台座600のいくつかの例では、摩擦攪拌接合ポスト302(例えば、
図3に示され、
図6では見ることができない)と湾曲したバッフル502の様々な組み合わせは、熱伝達を制御し、かつ熱均一性を改善するためにプラテン604とフェースプレート602との間に挿入され得る。バッフル502の他の配置および構成もまた、可能である。異種金属を溶接する摩擦攪拌接合の能力により、一連のバッフルの最適化された材料の組み合わせ、厚さ、および間隔パターンを採用し、それに応じて構成することができる。シャワーヘッド台座600の他の要素は、
図1のシャワーヘッド台座アセンブリ100に関して上述したものと同じまたは同様であり得る。
【0052】
図7~
図8を参照すると、いくつかの例示的な実施形態は、シャワーヘッド台座700内の熱およびガス流708のより具体的な制御を提供し得る。いくつかの例では、間隔を置いたバッフル710の同心リング702、704、および706が、シャワーヘッド台座700(または100、400、600)内のフェースプレート802とプラテン804(
図8)との間に延びるように設けられる。いくつかの例では、バッフル710は、開口712を含み、示すように(または他の方式で)間隔を置いて配置され、それらの間の間隔を置いたギャップ内で開口712を通る、またはバッフル710を通過するガスの特定のまたは制御された流れを可能にする。
【0053】
図10は、摩擦攪拌接合のための例示的な配置1000の態様を示す。いくつかの例では、ヒータコイル1002(例えば、ヒータコイル108の1つ、
図1)が、台座構成要素のFSWツール1004による摩擦攪拌接合中に作動され、FSW溶接の周りの冷却挙動および粒子成長もしくはサイズを制御する。FSWツール1004は、前述のように、ショルダ1006と、ピン1008とを含み得る。従来、FSW継手は自然対流によって冷却されたままであり、現在の状況では、溶接ゾーンのためのプロセス制御は典型的には存在しない。本開示のいくつかの例では、FSWプロセス中のヒータコイル1002の作動は、FSW溶接の冷却速度を制御し(例えば、遅らせる)、特定の熱影響ゾーンを構成または提供し、例えば、溶接凝固中の粒子成長を制御することによって溶接品質および材料性質を改善することができる。
【0054】
本開示は、方法の実施形態を含む。
図11を参照すると、基板処理チャンバ用のシャワーヘッド台座アセンブリを形成する例示的な方法1100は、以下:動作1102において、フェースプレートを設けることと、動作1104において、フェースプレート内に配置されたプラテンを設けることであって、プラテンは、フェースプレート内の少なくとも1つの溝を通って延びるヒータ要素を含み、少なくとも1つの溝は、溝を通って延びるヒータ要素の少なくとも一部を受け入れるようにプロファイルされることと、動作1106において、ヒータ要素用の電源を設けることと、動作1108において、摩擦攪拌接合によってプラテンの周囲をフェースプレートの内面に接合することとを含む。
【0055】
いくつかの例では、方法1100は、フェースプレート内に複数の開口を形成し、ガスがシャワーヘッド台座アセンブリを通ってシャワーヘッド台座アセンブリによって支持された基板の下側に通過することを可能にすることをさらに含む。
【0056】
いくつかの例では、方法1100は、摩擦攪拌接合によって、フェースプレートとプラテンの対向する表面との間に延びる複数の伝熱ポストを形成することをさらに含む。
【0057】
いくつかの例では、摩擦攪拌接合は、フェースプレートまたはプラテンの材料とは異なる材料を含み、フェースプレートとプラテンとの間に摩擦攪拌接合継手の形成を可能にする。
【0058】
いくつかの例では、方法1100は、複数の伝熱ポストの材料を選択し、フェースプレートとプラテンとの間の熱伝達を増強または遅らせることをさらに含む。
【0059】
いくつかの例では、複数の伝熱ポストの材料は、ヒータコイルの材料と同じである。
【0060】
いくつかの例では、方法1100は、シャワーヘッド台座アセンブリ用のフィラーキャップを設けることをさらに含み、フィラーキャップは、フェースプレート内の少なくとも1つの溝に存在するようにサイズ設定および構成された少なくとも1つのバッフルを含む。
【0061】
いくつかの例では、フィラーキャップの少なくとも1つのバッフルは、フェースプレート内のそれぞれの溝にヒータコイルの少なくとも一部を固着する。
【0062】
いくつかの例では、少なくとも1つのバッフルは、湾曲形成部を含み、湾曲形成部は、フェースプレート内のそれぞれの溝のプロファイルと一致する。
【0063】
いくつかの例では、方法1100は、摩擦攪拌接合によって少なくとも1つのバッフルを形成することをさらに含む。
【0064】
いくつかの例では、方法1100は、フィラーキャップの上面に沿って少なくとも1つのバッフルを設けることをさらに含む。
【0065】
いくつかの例では、フィラーキャップの一部は、ヒートシンクを含み、ヒートシンクは、シャワーヘッド台座アセンブリの動作中にプラテンの材料よりも比較的低温の材料の本体を提供する。
【0066】
いくつかの例では、少なくとも1つのバッフルは、ガスが通過することを可能にする少なくとも1つの開口を含む。
【0067】
いくつかの例では、少なくとも1つのバッフルは、ヒータ要素のプロファイルに沿って間隔を置いて配列されて延びる一連のバッフルで設けられ、バッフルの間隔を置いた配列は、連続するバッフル間に1つまたは複数のギャップを含み、ガスが通過することを可能にする。
【0068】
いくつかの例では、少なくとも1つのバッフルの摩擦攪拌接合に含まれる材料は、フェースプレートまたはヒータ要素の材料とは異なっており、ヒータ要素とフェースプレートとの間に摩擦攪拌接合継手の形成を可能にする。
【0069】
いくつかの例では、少なくとも1つのバッフルは、バッフルの複数の同心リングに含まれる。
【0070】
いくつかの例では、バッフルの複数の同心リングの少なくとも1つのリングは、間隔を置いたバッフルを含む。
【0071】
いくつかの例では、間隔を置いたバッフルの各々は、内部に形成された1つまたは複数の開口を含み、1つまたは複数の開口を通るガスの特定のまたは制御された流れを可能にする。
【0072】
いくつかの例では、バッフルの少なくとも1つの同心リング内の一対の間隔を置いたバッフル間のギャップは、ガスの特定のまたは制御された流れが通過することを可能にするようにサイズ設定される。
【0073】
いくつかの例では、方法1100は、摩擦攪拌接合による摩擦攪拌接合継手の形成中に電源によってヒータ要素に通電することをさらに含む。
【0074】
図9は、本明細書に記載の1つまたは複数の例示的なプロセスの実施形態を実施することができる、または本明細書に記載の1つまたは複数の例示的なプロセスの実施形態を制御することができる機械900の一例を示すブロック図である。代替の実施形態では、機械900はスタンドアロンデバイスとして動作してもよく、または他の機械に接続(例えば、ネットワーク接続)されてもよい。ネットワーク展開では、機械900は、サーバ-クライアントネットワーク環境において、サーバ機械、クライアント機械、またはその両方の性能で動作することができる。一例では、機械900はピアツーピア(P2P)(または他の分散型)ネットワーク環境においてピア機械として作動することができる。さらに、単一の機械900のみが示されているが、「機械」という用語は、クラウドコンピューティング、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)、または他のコンピュータクラスタ構成などを介して、本明細書で論じられる方法論のいずれか1つまたは複数を実施するための1セット(または複数セット)の命令924を個別にまたは共同で実行する機械の任意の集合を含むとも解釈されるべきである。
【0075】
本明細書に記載の例は、ロジック、および/またはいくつかの構成要素、またはメカニズムを含み得るか、またはそれらによって動作することができる。回路セットは、ハードウェア(例えば、単純な回路、ゲート、ロジックなど)を含む有形のエンティティに実装された回路の集合である。回路セットのメンバシップは、時間の経過および基礎となるハードウェアの変動性に柔軟に対応することができる。回路セットは、単独でまたは組み合わせて、動作時に特定の動作を実施することができるメンバを含む。一例では、回路セットのハードウェアは、特定の動作を実行するように不変に設計されてもよい(例えば、ハードワイヤード)。一例では、回路セットのハードウェアは、特定の動作の命令924を符号化するために物理的に修正された(例えば、磁気的、電気的、不変質量粒子の可動配置などによって)コンピュータ可読媒体を含む、可変的に接続された物理的構成要素(例えば、実行ユニット、トランジスタ、単純な回路など)を含み得る。物理的構成要素を接続する際に、ハードウェア構成要素の基礎となる電気的特性が変更される(例えば、絶縁体から導体へ、またはその逆)。命令924は、組み込みハードウェア(例えば、実行ユニットまたはローディングメカニズム)が、可変接続を介してハードウェア内に回路セットのメンバを作成し、動作時に特定の動作の一部を実行することを可能にする。したがって、コンピュータ可読媒体は、デバイスが動作しているときに回路セットの他の構成要素に通信可能に結合される。一例では、物理的構成要素のいずれかが、複数の回路セットの複数のメンバで使用され得る。例えば、動作中、実行ユニットは、ある時点で第1の回路セットの第1の回路で使用され、別の時点で第1の回路セット内の第2の回路によって、または第2の回路セット内の第3の回路によって再利用されてもよい。
【0076】
機械(例えば、コンピュータシステム)900は、ハードウェアプロセッサ902(例えば、中央処理装置(CPU)、ハードウェアプロセッサコア、またはそれらの任意の組み合わせ)、グラフィック処理ユニット(GPU)903、メインメモリ904、および静的メモリ906を含むことができ、その一部またはすべては、相互リンク(例えば、バス)908を介して互いに通信することができる。機械900は、ディスプレイデバイス910、英数字入力デバイス912(例えば、キーボード)、およびユーザインターフェース(UI)ナビゲーションデバイス914(例えば、マウス)をさらに含むことができる。一例では、ディスプレイデバイス910、英数字入力デバイス912、およびUIナビゲーションデバイス914は、タッチスクリーンディスプレイであってもよい。機械900は、大容量記憶デバイス(例えば、駆動ユニット)916、信号生成デバイス918(例えば、スピーカ)、ネットワークインターフェースデバイス920、および1つまたは複数のセンサ921(全地球測位システム(GPS)センサ、コンパス、加速度計、または別のセンサなど)をさらに含むことができる。機械900は、1つまたは複数の周辺機器(例えば、プリンタ、カードリーダなど)と通信するため、またはそのような周辺機器を制御するために、シリアル(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB))、パラレル、または他の有線または無線(例えば、赤外線(IR)、近距離無線通信(NFC)など)接続などの出力コントローラ928を含んでもよい。
【0077】
大容量記憶デバイス916は、機械可読媒体922を含むことができる。この機械可読媒体922には、本明細書に記載の技術または機能のいずれか1つまたは複数を具現化する、または本明細書に記載の技術または機能のいずれか1つまたは複数によって利用されるデータ構造または命令924(例えば、ソフトウェア)のセットが1つまたは複数セット格納される。また、命令924は、機械900による実行中、完全にまたは少なくとも部分的に、メインメモリ904内、静的メモリ906内、ハードウェアプロセッサ902内、またはGPU903内に存在してもよい。一例では、ハードウェアプロセッサ902、GPU903、メインメモリ904、静的メモリ906、または大容量記憶デバイス916のいずれか1つ、またはその任意の組み合わせによって、機械可読媒体922を構成してもよい。
【0078】
機械可読媒体922は単一の媒体として示されているが、「機械可読媒体」という用語は、1つまたは複数の命令924を格納するように構成された単一の媒体、または複数の媒体(例えば、集中型もしくは分散型データベース、ならびに/または関連するキャッシュおよびサーバ)を含むことができる。
【0079】
「機械可読媒体」という用語は、機械900によって実行するための命令924を格納、符号化、または搬送することができ、かつ機械900に本開示の技術のいずれか1つまたは複数を実施させる任意の媒体、またはそのような命令924によって使用されるデータ構造もしくはそのような命令924に関連するデータ構造を格納、符号化、または搬送することができる任意の媒体を含むことができる。機械可読媒体の非限定的な例は、固体メモリ、光学媒体、および磁気媒体を含むことができる。一例では、大容量機械可読媒体は、不変(例えば、静止)質量を有する複数の粒子を有する機械可読媒体922を含む。したがって、大容量機械可読媒体は、一時的に伝播する信号ではない。大容量機械可読媒体の特定の例は、半導体メモリデバイス(例えば、電気的にプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM))およびフラッシュメモリデバイスなどの不揮発性メモリ、内蔵ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ならびにCD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含むことができる。さらに命令924は、伝送媒体を使用し、ネットワークインターフェースデバイス920を介して、通信ネットワーク926を通じて送信または受信することができる。
【0080】
特定の例示的な実施形態を参照して実施形態が説明されてきたが、本開示のより広い範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に対して様々な修正および変更を行うことができることは明らかであろう。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味において考慮されるべきである。本明細書の一部を形成する添付の図面は、限定ではなく例示として、主題が実践され得る特定の実施形態を示す。例示された実施形態は、本明細書に開示された教示を当業者が実践できるように十分詳細に説明されている。本開示の範囲から逸脱することなく構造的および論理的な置換および変更を行うことができるように、他の実施形態を利用してもよく、また、明細書に開示された教示から他の実施形態を導き出してもよい。したがって、この詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、様々な実施形態の範囲は、添付の特許請求の範囲と、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物のすべての範囲とによってのみ定義される。
【0081】
本発明の主題のそのような実施形態は、本明細書において個々におよび/または集合的に「発明」という用語によって言及される場合があるが、これは単に便宜上の問題であり、本出願の範囲を任意の単一の発明または発明概念(もし実際に複数が開示されているならば)に自発的に限定する意図はない。したがって、本明細書では特定の実施形態を例示し説明したが、同じ目的を達成するために算定された任意の構成が、示された特定の実施形態の代替となり得ることを理解されたい。本開示は、様々な実施形態のすべての適応または変形を網羅することを意図している。上記の実施形態と、本明細書に具体的に記載されていない他の実施形態との組み合わせは、上記の説明を検討すれば、当業者には明らかであろう。
【国際調査報告】