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特表2022-525308高アスペクト比エッチングのためのプラズマエッチングツール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-12
(54)【発明の名称】高アスペクト比エッチングのためのプラズマエッチングツール
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20220502BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20220502BHJP
【FI】
H01L21/302 101C
H05H1/46 L
H05H1/46 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021555177
(86)(22)【出願日】2020-03-06
(85)【翻訳文提出日】2021-11-10
(86)【国際出願番号】 US2020021520
(87)【国際公開番号】W WO2020185609
(87)【国際公開日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】62/818,552
(32)【優先日】2019-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リル・ソーステン
(72)【発明者】
【氏名】ベリー・ザサード・イヴァン・エル.
(72)【発明者】
【氏名】パナゴポーロス・セオドロス
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084BB06
2G084CC12
2G084CC13
2G084CC14
2G084DD02
2G084DD03
2G084DD13
2G084DD15
2G084DD24
2G084DD38
5F004AA09
5F004BA03
5F004BA05
5F004BB13
5F004BB22
5F004CA06
5F004DA00
5F004DA01
5F004DA04
5F004DA15
5F004DA16
5F004DA22
5F004DA23
5F004DA26
5F004DB03
5F004EB04
(57)【要約】
【解決手段】高アスペクト比フィーチャは、低エネルギで反応種の負イオンを加速させることと、高エネルギで不活性ガス種の正イオンを加速させることとを交互に行うことができるプラズマエッチング装置を用いてエッチングされる。プラズマエッチング装置は、プラズマ生成空間をイオン化空間から分離する少なくとも2つの領域に分割されうる。反応種の負イオンは、プラズマがプラズマ生成空間で点火されたときに、イオン化空間において電子付着イオン化によって生成されうる。不活性ガス種の正イオンは、プラズマがプラズマ生成空間で消弧されたときに、イオン化空間においてペニングイオン化によって生成されうる。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマエッチング装置であって、
プラズマ発生源と、
前記プラズマ発生源に結合され、イオンを生成するように構成されたイオン化空間と、
前記イオン化空間と前記プラズマ発生源との間の第1グリッドと、
前記イオン化空間に結合され、内部の基板に前記イオンを供給するように構成された加速空間と、
前記加速空間において前記基板を支持するための基板支持体であって、バイアスされるように構成された基板支持体と、
コントローラであって、
前記イオン化空間に反応種を導入し、前記基板支持体に正バイアスを印加することにより、前記加速空間において前記基板に前記反応種の負イオンを加速させる動作と、
前記イオン化空間に非反応種を導入し、前記基板支持体に負バイアスを印加することにより、前記加速空間において前記基板に前記非反応種の正イオンを加速させる動作と、を実施するための命令が構成されたコントローラと、
を備える、プラズマエッチング装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプラズマエッチング装置であって、
前記負バイアスは、前記正バイアスよりも絶対値が実質的に大きい、プラズマエッチング装置。
【請求項3】
請求項2に記載のプラズマエッチング装置であって、
前記正バイアスは約0.5Vから約10Vであり、前記負バイアスは約-50kVから約-1kVである、プラズマエッチング装置。
【請求項4】
請求項1に記載のプラズマエッチング装置であって、
前記コントローラは、さらに、
前記反応種の前記負イオンの加速に関連して、前記基板の材料層上に反応層を形成する動作と、
前記非反応種の前記正イオンの加速に関連して、前記基板の前記材料層をエッチングする動作であって、前記材料層は、誘電性材料または導電性材料を含む、動作と、
を実施するための命令が構成されている、プラズマエッチング装置。
【請求項5】
請求項1に記載のプラズマエッチング装置であって、
前記コントローラは、さらに、
前記反応種の前記負イオンを加速させるときに、前記プラズマ発生源においてプラズマを点火する動作と、
前記非反応種の前記正イオンを加速させるときに、前記プラズマ発生源においてプラズマを消弧する動作と、
を実施するための命令が構成されている、プラズマエッチング装置。
【請求項6】
請求項5に記載のプラズマエッチング装置であって、
前記コントローラは、さらに、
前記反応種の前記負イオンの加速に関連して、前記反応種をイオン化するために前記プラズマから前記イオン化空間に電子を引き抜く動作と、前記イオン化空間において前記反応種の前記負イオンを形成する動作とを実施するための命令が構成されている、プラズマエッチング装置。
【請求項7】
請求項5に記載のプラズマエッチング装置であって、
前記コントローラは、さらに、
前記非反応種の前記正イオンの加速に関連して、前記非反応種をイオン化するために前記プラズマから前記イオン化空間への準安定種の拡散を引き起こす動作と、前記イオン化空間において前記非反応種の前記正イオンを形成する動作とを実施するための命令が構成されている、プラズマエッチング装置。
【請求項8】
請求項1に記載のプラズマエッチング装置であって、
前記第1グリッドは、バイアスまたは接地されるように構成され、前記コントローラは、さらに、
前記負イオンの加速に関連して、前記第1グリッドと前記基板支持体との間に弱電場を形成する動作と、
前記正イオンの加速に関連して、前記第1グリッドと前記基板支持体との間に強電場を形成する動作と、を実施するための命令が構成されている、プラズマエッチング装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のプラズマエッチング装置であって、
前記基板は、少なくとも10:1の深さ対幅のアスペクト比を有する複数の高アスペクト比フィーチャを備える、プラズマエッチング装置。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載のプラズマエッチング装置であって、さらに、
前記イオン化空間と前記加速空間との間に第2グリッドを備える、プラズマエッチング装置。
【請求項11】
請求項10に記載のプラズマエッチング装置であって、
前記イオン化空間の圧力は、前記加速空間の圧力よりも大きい、プラズマエッチング装置。
【請求項12】
請求項10に記載のプラズマエッチング装置であって、
前記第2グリッドは、バイアスされるように構成されている、プラズマエッチング装置。
【請求項13】
請求項1から8のいずれか一項に記載のプラズマエッチング装置であって、
前記プラズマ発生源は、誘導結合プラズマ(ICP)リアクタまたは容量結合プラズマ(CCP)リアクタである、プラズマエッチング装置。
【請求項14】
請求項1から8のいずれか一項に記載のプラズマエッチング装置であって、
前記コントローラは、さらに、前記反応種の前記負イオンを加速させる動作と、前記非反応種の前記正イオンを加速させる動作とを交互に繰り返す動作を実施するための命令が構成されている、プラズマエッチング装置。
【請求項15】
請求項1から8のいずれか一項に記載のプラズマエッチング装置であって、
前記コントローラは、さらに、
前記反応種の前記負イオンの加速に関連して、約1msから約10msの第1継続期間に前記反応種の前記負イオンを加速させる動作と、
前記非反応種の前記正イオンの加速に関連して、約1msから約10msの第2継続期間に前記非反応種の前記正イオンを加速させる動作と、
を実施するための命令が構成されている、プラズマエッチング装置。
【請求項16】
プラズマエッチング装置であって、
プラズマ発生源と、
前記プラズマ発生源に結合され、イオンを生成するように構成されたイオン化空間と、
前記イオン化空間と前記プラズマ発生源との間の第1グリッドと、
前記イオン化空間に結合され、内部の基板に前記イオンを供給するように構成された加速空間と、
バイアスされるように構成され、前記加速空間において前記基板を支持するための基板支持体と、
コントローラであって、
前記イオン化空間に反応種および非反応種を導入する動作と、
前記プラズマ発生源においてプラズマを点火する動作と、
前記反応種をイオン化するために前記基板支持体に正バイアスを印加して前記反応種の負イオンを形成し、前記プラズマが点火されたときに前記基板に前記反応種の前記負イオンを加速させる動作と、
前記プラズマ発生源において前記プラズマを消弧する動作と、
前記非反応種をイオン化するために前記基板支持体に負バイアスを印加して前記非反応種の正イオンを形成し、前記プラズマが消弧されたときに前記基板に前記非反応種の前記正イオンを加速させる動作と、
を実施するための命令が構成されたコントローラと、
を備える、プラズマエッチング装置。
【請求項17】
請求項16に記載のプラズマエッチング装置であって、
前記正バイアスは約0.5Vから約10Vであり、前記負バイアスは約-50kVから約-1kVである、プラズマエッチング装置。
【請求項18】
請求項16に記載のプラズマエッチング装置であって、さらに、
前記イオン化空間と前記加速空間との間の第2グリッドを備え、
前記第1グリッドはバイアスされるように構成され、前記第2グリッドはバイアスされるように構成され、
前記イオン化空間の圧力は、前記加速空間の圧力よりも大きい、プラズマエッチング装置。
【請求項19】
請求項16から18のいずれか一項に記載のプラズマエッチング装置であって、
前記プラズマ発生源は、誘導結合プラズマ(ICP)リアクタまたは容量結合プラズマ(CCP)リアクタである、プラズマエッチング装置。
【請求項20】
請求項16から18のいずれか一項に記載のプラズマエッチング装置であって、
前記コントローラは、さらに、前記プラズマが点火されたときに前記基板支持体に前記正バイアスを印加する動作と、前記プラズマが消弧されたときに前記基板支持体に前記負バイアスを印加する動作とを交互に繰り返す動作を実施するための命令が構成されている、プラズマエッチング装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[参照による援用]
本願の一部として、本明細書と同時にPCT出願書が提出される。同時に提出されたPCT出願書に認められる利益または優先権を本願が主張する各出願は、その全てが全ての目的のために参照により本明細書に援用される。
【0002】
プラズマエッチングプロセスは、一般に半導体デバイスの製造において用いられる。ますます多くの半導体デバイスが、小型化しつつある設計ルールに縮小されてきている。フィーチャサイズは縮小し、より多くのフィーチャが単一ウエハ上に詰め込まれて、より高密度の構造を形成している。デバイスフィーチャが縮小し、構造密度が増加するにつれて、エッチングフィーチャのアスペクト比は増加する。多くの半導体デバイスの設計要件を満たすことにおいて、高アスペクト比(HAR)フィーチャを効果的にエッチングすることが重要だろう。
【0003】
本明細書に記載の背景技術は、本開示の内容を一般的に提示するためである。現在名前が挙げられている発明者の発明は、本背景技術欄、および出願時の先行技術に該当しない説明の態様において記載される範囲で、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【発明の概要】
【0004】
本明細書では、プラズマエッチング装置が記載される。プラズマエッチング装置は、プラズマ発生源と、プラズマ発生源に結合され、イオンを生成するように構成されたイオン化空間と、イオン化空間とプラズマ発生源との間の第1グリッドと、イオン化空間に結合され、内部の基板にイオンを供給するように構成された加速空間と、バイアスされるように構成され、加速空間内で基板を支持するための基板支持体と、コントローラとを備える。コントローラは、イオン化空間に反応種を導入し、基板支持体に正バイアスを印加することにより、加速空間内で基板に反応種の負イオンを加速させる動作と、イオン化空間に非反応種を導入し、基板支持体に負バイアスを印加することにより、加速空間内で基板に非反応種の正イオンを加速させる動作とを実施するための命令が構成されている。
【0005】
いくつかの実施形態では、負バイアスは、正バイアスよりも絶対値が実質的に大きい。いくつかの実施形態では、正バイアスは約0.5Vから約10Vであり、負バイアスは約-50kVから約-1kVである。いくつかの実施形態では、コントローラはさらに、反応種の負イオンを加速させるときにプラズマ発生源においてプラズマを点火する動作と、非反応種の正イオンを加速させるときにプラズマ発生源においてプラズマを消弧する動作とを実施するための命令が構成されている。いくつかの実施形態では、コントローラはさらに、反応種の負イオンの加速に関連して、プラズマからイオン化空間に電子を引き抜いて反応種をイオン化し、イオン化空間において反応種の負イオンを形成する動作を実施するための命令が構成されている。いくつかの実施形態では、コントローラはさらに、非反応種の正イオンの加速に関連して、プラズマからイオン化空間に準安定種の拡散を引き起こして非反応種をイオン化し、イオン化空間において非反応種の正イオンを形成する動作を実施するための命令が構成されている。いくつかの実施形態では、プラズマエッチング装置はさらに、イオン化空間と加速空間との間に第2グリッドを備える。イオン化空間の圧力は、加速空間の圧力よりも大きくてよい。
【0006】
別の態様は、プラズマエッチング装置を含む。プラズマエッチング装置は、プラズマ発生源と、プラズマ発生源に結合され、イオンを生成するように構成されたイオン化空間と、イオン化空間とプラズマ発生源との間の第1グリッドと、イオン化空間に結合され、内部の基板にイオンを供給するように構成された加速空間と、バイアスされるように構成され、加速空間内で基板を支持するための基板支持体と、コントローラとを備える。コントローラは、イオン化空間に反応種および非反応種を導入する動作と、プラズマ発生源においてプラズマを点火する動作と、反応種をイオン化するために基板支持体に正バイアスを印加して反応種の負イオンを形成し、プラズマが点火されたときに基板に反応種の負イオンを加速させる動作と、プラズマ発生源においてプラズマを消弧する動作と、基板支持体に負バイアスを印加して非反応種の正イオンを形成し、プラズマが消弧されたときに基板に非反応種の正イオンを加速させる動作とを実施するための命令が構成されている。
【0007】
いくつかの実施形態では、正バイアスは約0.5Vから約10Vであり、負バイアスは約-50kVから約-1kVである。いくつかの実施形態では、第2グリッドはイオン化空間と加速空間との間にあり、第1グリッドはバイアスされるように構成され、第2グリッドはバイアスされるように構成され、イオン化空間の圧力は加速空間の圧力よりも大きい。いくつかの実施形態では、プラズマ発生源は、誘導結合プラズマ(ICP)リアクタまたは容量結合プラズマ(CCP)プラズマである。いくつかの実施形態では、コントローラはさらに、プラズマが点火されたときに基板支持体に正バイアスを印加する動作と、プラズマが消弧されたときに基板支持体に負バイアスを印加する動作とを交互に繰り返す動作を実施するための命令が構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】エッチング用の誘導結合プラズマを生成する例示的なプラズマエッチング装置の概略図。
【0009】
図2】エッチング用の容量結合プラズマを生成する例示的なプラズマエッチング装置の概略図。
【0010】
図3A】二酸化シリコン(SiO2)をエッチングするための例示的な反応機構の概略図。
図3B】二酸化シリコン(SiO2)をエッチングするための例示的な反応機構の概略図。
図3C】二酸化シリコン(SiO2)をエッチングするための例示的な反応機構の概略図。
【0011】
図4A】少なくとも2つのグリッドで分割された例示的なプラズマエッチング装置であって、いくつかの実施形態により誘導結合プラズマを生成し、エッチング用に正負イオンの交互イオンビームを供給する、例示的なプラズマエッチング装置の概略図。
【0012】
図4B】単一グリッドで分割された例示的なプラズマエッチング装置であって、いくつかの実施形態により誘導結合プラズマを生成し、エッチング用に正負イオンの交互イオンビームを供給する、例示的なプラズマエッチング装置の概略図。
【0013】
図4C】少なくとも2つのグリッドで分割された例示的なプラズマエッチング装置であって、いくつかの実施形態によりリモートプラズマ源において誘導結合プラズマを生成し、エッチング用に正負イオンの交互イオンビームを供給する、例示的なプラズマエッチング装置の概略図。
【0014】
図4D】少なくとも2つのグリッドで分割された例示的なプラズマエッチング装置であって、いくつかの実施形態により容量結合プラズマを生成し、エッチング用に正負イオンの交互イオンビームを供給する、例示的なプラズマエッチング装置の概略図。
【0015】
図5】いくつかの実施形態により正負イオンの交互イオンビームを用いる例示的なプラズマエッチング法のフロー図。
【0016】
図6A】いくつかの実施形態により改質動作を行う例示的なプラズマエッチングプロセスの概略図。
図6B】いくつかの実施形態により除去動作を行う例示的なプラズマエッチングプロセスの概略図。
【0017】
図7】いくつかの実施形態により改質動作と除去動作とを交互に行うプラズマエッチングプロセスにおけるプラズマ源および基板支持体への印加電圧の例示的なタイミングシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示では、「半導体ウエハ」、「ウエハ」、「基板」、「ウエハ基板」、「部分的に製造された集積回路」との用語は、同義で用いられる。当業者は、「部分的に製造された集積回路」との用語が、多くの集積回路製造段階のいずれかにおけるシリコンウエハを意味しうることを理解するだろう。半導体デバイス産業において用いられるウエハまたは基板は通常、200mm、または300mm、または450mmの直径を有する。以下の発明を実施するための形態は、本開示がウエハ上で実施されることを前提としている。しかし、本開示はそれに限定されない。ワークピースは、様々な形状、サイズ、および材料を有してよい。半導体ウエハに加えて、本開示を活用できる他のワークピースは、プリント回路基板などの様々な物品を含む。
・イントロダクション
【0019】
プラズマは、基板を処理するために長きにわたって用いられてきた。プラズマエッチングは、所望のパターンを形成するために、基板上に堆積した材料をエッチングすることを含む。具体的には、反応性イオンエッチング(RIE)は、基板上に堆積した材料を除去するのに化学反応性プラズマを用いる。プラズマは、プラズマ発生室に反応ガスを供給し、電磁場を印加することにより生成される。例えば、プラズマ生成は、容量結合プラズマ技術、誘導結合プラズマ技術、電子サイクロトロン技術、またはマイクロ波技術を用いてよい。プラズマからの高エネルギイオンおよびラジカルは、基板表面に供給され、基板上に堆積した材料と反応する。
【0020】
プラズマ発生室では、反応ガスが導入され、強高周波(RF)電磁場を印加することによりプラズマが生成される。電子は振動電場によって加速され、電子が反応ガス分子と衝突し、反応ガス分子がイオン化されてそれらの電子が奪われ、それによりイオンのプラズマおよびより多くの電子が生成される。プラズマは一般に、イオン、ラジカル、中性種、および電子を含む。振動電場の各周期では、自由電子がプラズマ発生室において電気的に加速および減速される。自由電子の多くは、基板表面などの電極で負バイアスを誘導してよい。低速可動イオンは、バイアスされた電極に向かって加速し、エッチングされる基板表面上の材料と反応する。低速可動イオンは、シースまたはプラズマシースと呼ばれうる領域を形成してよい。通常のシース厚さは、約数ミリメートルである。イオンフラックスは一般に、処理される基板の表面に垂直である。
【0021】
誘導結合プラズマリアクタおよび容量結合プラズマリアクタなどのプラズマリアクタは、異なる特性のプラズマを生成できる。一般に、誘導結合プラズマリアクタは、導体タエッチングプロセスを実施するのに効果的であってよく、容量結合プラズマは、誘電体エッチングプロセスを実施するのに効果的であってよい。
【0022】
誘導結合プラズマリアクタでは、外部コイル内の高RF電流は、プラズマ領域においてRF磁場を生成してよく、次にプラズマ領域においてRF電場を生成する。誘導結合プラズマリアクタは、プラズマ濃度およびイオンエネルギを独立して制御するために2つのRF発生器を用いてよい。容量結合プラズマリアクタでは、電極にRF電圧を印加することにより、エネルギはプラズマ放電中の電子に供給される。プラズマ特性を変更するために、複数のRF励起周波数が個々に、または同時に用いられうる。容量結合プラズマリアクタは通常、誘導結合プラズマリアクタよりも高いイオンエネルギを実現でき、プラズマ密度およびイオンエネルギは結合されるが、誘導結合プラズマリアクタでは減結合される。
【0023】
図1は、エッチング用の誘導結合プラズマを生成する例示的なプラズマエッチング装置の概略図である。プラズマエッチング装置100は、上部電極102および下部電極104を備え、その間でプラズマ140が生成されうる。基板106は、下部電極104の上に設置されてよく、静電チャック(ESC)によって定位置に保持されてよい。他のクランプ機構が用いられてもよい。
【0024】
図1の例では、プラズマエッチング装置100は2つのRF源を備え、RF源110は上部電極102に接続され、RF源112は下部電極104に接続されている。プラズマエッチング装置100は、誘導結合プラズマリアクタであってよい。プラズマエッチング装置100は、誘導結合プラズマリアクタとして描かれているが、単一RF電源を備える容量結合プラズマリアクタであってよいことが分かるだろう。
【0025】
図1では、RF源110および112の各々は、2MHz、13.56MHz、27MHz、および60MHzを含む任意の適した周波数の1つ以上のソースを含んでよい。反応ガスは、1つ以上のガス源114から処理室120に導入されてよい。例えば、ガス源114は、アルゴン(Ar)、酸素含有ガス(例えば、O2)、フッ素含有ガス(例えば、CF4)、またはこれらの組み合わせなどの不活性ガスを含んでよい。反応ガスは、入口122を通じて処理室120に導入されてよく、余剰ガスおよび反応副生成物は、排出ポンプ124を通じて排出される。
【0026】
コントローラ130は、RF源110および112、ならびにガス源114に関連付けられた弁に接続されている。コントローラ130はさらに、排出ポンプ124に接続されてよい。いくつかの実施形態では、コントローラ130は、プラズマエッチング装置100の全ての動作を制御する。
【0027】
図2は、エッチング用の容量結合プラズマを生成する例示的なプラズマエッチング装置の概略図である。プラズマエッチング装置200は、上部電極202および下部電極204を備える。下部電極204は、基板206を保持するためのチャックまたは他のクランプ機構など、付加的な構成部品を備えうる。下部電極204は、RF源212からRF電力が供給されてよい。RF源212は、2MHz、13.56MHz、27MHz、および60MHzを含む任意の適した周波数を提供してよい。RF源212は、エッチング中に下部電極204にRFバイアスを提供してよい。RF源212は、プラズマ240を生成するために、上部電極202と下部電極204との間のギャップ220において処理ガスを励起するように電力を提供する。RF源212は、ギャップ220において高密度プラズマ240を生成する単一RF源であってよい。処理ガスは、ガス源214からギャップ220に供給されてよい。処理ガスは、シャワーヘッド配置216に供給され、流路を通って流れてギャップ220に入ってよい。
【0028】
コントローラ230は、プラズマエッチング装置200に実装されてよい。コントローラ230は、プラズマエッチング装置200の動作の一部または全てを制御してよい。いくつかの実施形態では、コントローラは、下部電極204、RF源212、およびガス源214に関連付けられた弁に接続されてよい。
【0029】
プラズマは通常、イオンおよび中性種(例えば、ラジカル)の混合物を含む。中性種は指向性を欠き、広い角度分布を提供する傾向がある。中性種は、等方性エッチングおよび側壁エッチングに役立つ傾向がある。一方でイオンは、基板表面に実質的に垂直な方向の指向性を有し、狭い角度分布を提供する傾向がある。イオンは、異方性エッチングに役立つ傾向がある。イオンおよび中性種の混合物は、アスペクト比依存エッチングに用いられる。プラズマの比率、密度、および他の特性は、プラズマリアクタにおいて制御されうるが、アスペクト比依存エッチングは、それでもなおイオンおよび中性種の両方によって進められる。
【0030】
イオンビームエッチングリアクタは、スパッタリングによって材料をエッチングするのにイオンビームを用いる。この種のエッチングは、異方性が高く、非選択的である。化学エッチングリアクタは、基板表面における化学反応および揮発性生成物の形成により材料をエッチングするのにエッチングガスを用いる。この種のエッチングは、等方性が高く、選択的である。プラズマエッチングリアクタは一般に、イオンおよび中性種(例えば、ラジカル)を用いて、イオン衝突および基板表面上の化学反応によって材料をエッチングする。これは、イオン強化エッチングと呼ばれてよい。この種のエッチングは、適度に異方的で、適度に選択的であってよい。エッチング指向性およびエッチングプロファイルは、イオンフラックス、イオンエネルギ、中性種/イオンフラックス比、堆積またはパッシベーション化学物質、基板表面温度、および圧力を制御することにより影響されてよい。しかし、ますます高くなるアスペクト比のフィーチャでは、従来のプラズマエッチング技術およびリアクタは、アスペクト比依存エッチングにおいてエッチング指向性およびエッチングプロファイルを十分に制御できない。
【0031】
図3A~3Cは、二酸化シリコン(SiO2)をエッチングするための例示的な反応機構の概略図を示す。アスペクト比依存エッチングの多くの適用は、反応種および非反応種の組み合わせを含む。プラズマは、反応種および非反応種から生成されてよく、反応種のラジカルおよび非反応種のイオンを含んでよい。反応種は、フッ化炭素前駆体(Cxy)などのポリマ前駆体を含んでよく、例示的なフッ化炭素前駆体は、CF4およびC48を含んでよい。非反応種は、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、キセノン(Xe)、およびクリプトン(Kr)など、1つ以上の不活性ガスを含んでよい。
【0032】
図3Aでは、CxyラジカルはSiO2層を有する基板の表面に拡散してよく、Ar+イオンはバイアス下で基板の表面に加速してよい。ラジカルおよびイオンは混合してよい。図3A~3Cに示されるように、ラジカルは指向性を欠き、水平成分は垂直成分と大きさが同じである。イオンは、基板表面に実質的に垂直な方向の指向性を有し、垂直成分は水平成分よりも大きくてよい。ラジカルは、イオンよりも低速で基板表面に移動する。
【0033】
図3Bでは、イオン衝突下のラジカルは、化学反応層のSiCxyzを形成してよい。ラジカルは基板表面上で飽和し、基板表面と化学反応する傾向があってよい。またラジカルは、凝縮して基板表面上に膜を形成する傾向があってよい。理論によって制限されるものではないが、Cxyラジカルと混合したイオンビームは、化学反応層の形成に重要な役割を果たす可能性がある。
【0034】
図3Cでは、Ar+エネルギイオンは基板表面と衝突し、基板表面に透過する。これは、化学反応層のSiCxyzを、SiF4およびCO2などのエッチング副生成物のように脱離させる。これらのエッチング副生成物が化学反応層のSiCxyzから除去されることで、いくらかのSiO2がエッチングされてよい。
【0035】
図1のプラズマエッチング装置または図2のプラズマエッチング装置などの従来のプラズマエッチングリアクタでは、イオンおよび中性種の混合物を含むプラズマが生成される。高アスペクト比フィーチャのエッチングは、プラズマ生成中に増加した量のRF電力を供給することにより生じ、それにより電子衝突によってより高いイオンエネルギを生成してよい。厚いイオンシースが形成され、イオンは、RFバイアスによりその厚いシースを通って加速されてよい。しかし、より高いイオンエネルギを生成してイオンを加速させるこの方法は、効果的でない上に費用がかかり、それでも広いイオンエネルギ分布関数(IEDF)および広いイオン角度分布関数(IADF)をもたらす。従って、従来のプラズマエッチングリアクタは、高アスペクト比エッチングの適用についてその効果が限定されるだろう。
【0036】
従来のプラズマエッチングリアクタは、イオンがエッチングのために完全に分離するようにイオンビームエッチングリアクタに置き換えられてよいが、プラズマからの反応種(例えば、中性種)も高アスペクト比フィーチャのエッチングに必要なことが多い。よって、イオンビームエッチングリアクタの使用は、多くの高アスペクト比エッチングの適用には非実用的だろう。
【0037】
上記のように、イオン/中性種フラックス比などのパラメータの制御は、エッチング指向性およびエッチングプロファイルに影響してよい。アスペクト比依存エッチングでは、イオン/中性種フラックス比は、アスペクト比によって調節されてよい。高イオン/中性種フラックス比はより異方的なエッチングを提供してよく、低イオン/中性種フラックス比はより選択的なエッチングを提供してよい。イオン/中性種フラックス比は、エッチング中に変化してよい。例えば、従来のプラズマエッチングリアクタでは、イオン/中性種フラックス比は、混合モードパルシング(MMP)によって調節されてよい。ガスサイクルの各パルスは、非反応種(例えば、不活性ガス)に対して異なる量の反応種(例えば、中性種)を有してよい。プラズマ電力および/または周波数は、ガスサイクルの各パルス中に異なってよい。つまり、RF設定および流量設定は、イオン/中性種フラックス比を変更するために、各パルスが交互に変化してよい。混合モードパルスにより、中性種に対するイオンの比率は一時的に変化してよい。しかし、混合モードパルスは、反応種と非反応種との間の持続的なガス切り替えのため比較的低速であってよい。さらに混合モードパルスは、各パルスについて異なるRF電力/周波数を提供できるが、異なるRF電力/周波数は、基本的に化学物質を変化させない。従来のプラズマエッチングリアクタで生じる電子衝突イオン化により、中性種およびイオンは、混合モードパルスによってもエッチング中に完全には分離しない。
【0038】
アスペクト比依存エッチングのためにイオンおよび中性種の両方に依存する従来のプラズマエッチングリアクタは、中性種がフィーチャの底部に向かって非常に低速で拡散する課題も提起する。高アスペクト比フィーチャのエッチングは、中性種を流して露出面に吸着させ、反応層を形成することと、イオンを表面に向かって加速させて反応層を除去することとを含んでよい。従来のプラズマエッチングリアクタで生成されるプラズマは通常、広いIEDFおよび広いIADFを有する。中性種はおおよそ数eVのエネルギを有し、イオンはおおよそ数十または数百のeVのエネルギを有する。中性種は指向性を欠き、広いIEDFおよび広いIADFで高アスペクト比フィーチャ(例えば、深いトレンチ)をエッチングすることが難しい。高イオンエネルギを有するイオンがバイアスパルスによって加速される一方で、低イオンエネルギを有する中性種は、全方向に非常に低速に拡散する。中性種は、必ずしもフィーチャの底部に到達しなくてもよいが、フィーチャの側壁に衝突してよい。これが低いエッチング速度をもたらす。
【0039】
高アスペクト比フィーチャのエッチングでは、従来のプラズマエッチングリアクタにおいてイオンを加速させることは、マスクに蓄積する電荷をもたらす可能性がある。マスクへの電荷の蓄積は、フィーチャの底部にイオンが到達しないようにする可能性がある。これにより、フィーチャの底部におけるエッチングは減少し、側壁におけるエッチングが増加して、「たわみ」が生じる。従来のプラズマエッチングリアクタは、電荷反発を解消し、高アスペクト比フィーチャの底部に到達させるためにイオンエネルギを増加してよいが、これはコストを増加させる。
【0040】
また、従来のプラズマエッチングリアクタは、基板から材料を除去する際に様々なエッチング副生成物を生成する可能性がある。エッチング副生成物は通常、1つ以上のポンプ機構によってプラズマエッチングリアクタから排出される。しかし、エッチング副生成物は、完全に除去されない可能性がある。プラズマが点火されたときに、そのようなエッチング副生成物はイオン化されて、基板上に再堆積する可能性がある。エッチング副生成物を除去するために、動作の間にウエハレス自動洗浄(WAC)が実施されてよいが、これはコストを増加させる。
・プラズマエッチング装置
【0041】
本開示のプラズマエッチング装置は、高アスペクト比エッチングの前述の課題に対処できる。プラズマエッチング装置は、プラズマ生成空間およびイオン化空間を分離する2つ以上の容積に分割できる。いくつかの実施形態では、プラズマエッチング装置は、プラズマ生成空間、イオン化空間、および加速空間を分離する少なくとも3つの容積に分割できる。いくつかの実施形態では、グリッドがプラズマ生成空間およびイオン化空間を分離し、グリッドはバイアスまたは接地されてよい。基板を支持するための電極または基板支持体は、DC電圧によってバイアスされてグリッドと共に電場を形成してよい。エッチングプロセスの第1段階では、プラズマ生成空間で生成された電子は、反応種と反応して、電子付着イオン化によってイオン化空間で負イオンを形成し、負イオンは基板表面に加速して、基板表面の材料を改質する。エッチングプロセスの第2段階では、プラズマは消弧され、残りの準安定中性種は不活性ガス種と反応して、ペニングイオン化によってイオン化空間で正イオンが形成されてよく、正イオンは基板表面に加速して、基板表面の改質材料がエッチングされる。エッチングプロセスの第1段階および第2段階は、エッチングプロセスを完了するために交互に繰り返されてよい。本明細書では、負イオンは、「高速中性種」、「加速中性種」、「非解離反応性イオン」、または「反応性イオン」と呼ばれてもよい。正イオンは、「非反応性イオン」または「不活性ガスイオン」と呼ばれてもよい。プラズマエッチング装置は、高速中性種および非反応性イオンを完全に分離することにより高アスペクト比エッチングを実施してよい。
【0042】
図4Aは、少なくとも2つのグリッドによって分割された例示的なプラズマエッチング装置の概略図であり、このプラズマエッチング装置は、いくつかの実施形態により誘導結合プラズマを生成し、エッチング用に正負イオンの交互イオンビームを供給する。プラズマエッチング装置400aは、プラズマを生成するためのプラズマ発生源410と、プラズマ発生源410に結合され、イオンを生成するように構成されたイオン化空間420と、イオン化空間420に結合され、内部に設置された基板436にイオンを供給するように構成された加速空間430とを備える。プラズマエッチング装置400aは、プラズマ発生源410とイオン化空間420との間に第1グリッド424を備えてよい。いくつかの実施形態では、プラズマエッチング装置400aはさらに、イオン化空間420と加速空間430との間に第2グリッド434を備えてよい。プラズマ発生源410はイオン化空間420の上流であってよく、イオン化空間420は加速空間430の上流であってよい。
【0043】
第1ガスまたは第1ガス混合物は、第1ガス源412からプラズマ発生源410に導入されてよい。第1ガス源412は、プラズマ発生源410と流体連通してよい。1つ以上の弁、マスフローコントローラ(MFC)、および/または混合マニホールドは、プラズマ発生源410への第1ガスの流れを制御するために、第1ガス源412に関連付けられてよい。第1ガスは、ヘリウム、アルゴン、キセノン、またはクリプトンなどの希ガスを含んでよい。いくつかの実施形態では、第1ガスは、エッチングプロセスの間に連続して供給されてよい。いくつかの実施形態では、第1ガスは、エッチングプロセスの別々の段階においてパルス化されてよい。
【0044】
プラズマ発生源410において第1ガスのプラズマを生成するために、プラズマ発生源410にRF電力が供給されてよい。いくつかの実施形態では、プラズマ発生源410は、RF発生器416に結合されたRFアンテナ414を備えてよい。いくつかの実施形態では、RF発生器416は、整合ネットワークに結合されたRF電源を備えてよい。いくつかの実施形態では、RFアンテナ414は、平面渦巻き状コイルを備えてよい。図4Aに示されるいくつかの実施形態では、プラズマエッチング装置400aのプラズマ発生源410は、誘導結合プラズマ(ICP)リアクタである。しかし、本開示が容量結合プラズマ(CCP)リアクタ、またはプラズマを生成するための他の種のプラズマリアクタを用いてよいことが分かるだろう。使用時に、第1ガスはプラズマ発生源410に供給され、RF電力がRF発生器416からRFアンテナ414に供給されて、プラズマ発生源410においてプラズマが生成される。電子衝突イオン化によって電子は第1ガスと衝突し、電子が奪われてイオンおよびより多くの電子が生成される。エッチングプロセスの第1段階では、RF電力は、プラズマ発生源410において第1ガスのプラズマを生成するために供給されてよい。エッチングプロセスの第2段階では、RF電力は、プラズマ発生源410のプラズマを消弧するためにオフされてよい。
【0045】
以下により詳細に説明されるように、エッチングプロセスは、2つの段階に分けられたエッチングサイクルを構成してよい。第1段階は、プラズマがオンされる改質段階を構成してよく、第2段階は、プラズマがオフされる除去段階を構成してよい。
【0046】
プラズマ発生源410は、第1グリッド424を介してイオン化空間420に結合されている。イオン、電子、または中間種は、第1グリッド424を通じてプラズマ発生源410で生成されたプラズマから引き抜かれてよい。いくつかの実施形態では、第1グリッド424は、イオン、電子、または中間種が通過できる複数の開口または穴を備えてよい。いくつかの実施形態では、第1グリッド424は、複数の開口または穴を有する導電板を備えてよく、導電板はバイアスまたは接地されてよい。図4Aに示されるいくつかの実施形態では、第1グリッド424は、電気接地446によって接地されてよい。しかしいくつかの実施形態では、第1グリッド424はバイアスされてよいことが理解されるだろう。第1グリッド424は、第2グリッド434または基板支持体438と電場を形成してよい。電場の電位勾配に応じて、特定の電荷種および/または中性種は、プラズマから第1グリッド424を通じて引き抜かれてよい。電子は、電子付着イオン化のためにエッチングプロセスの第1段階の間に引き抜かれてよく、準安定中性種は、ペニングイオン化のためにエッチングプロセスの第2段階の間に引き抜かれてよい。第1段階は、電子がプラズマから第1グリッド424を通じて引き抜かれる改質段階を構成してよく、第2段階は、準安定中性種がプラズマ残光から第1グリッド424を通じて引き抜かれる除去段階を構成してよい。
【0047】
電子付着イオン化およびペニングイオン化は、イオン化空間420で生じてよい。第2ガスまたは第2ガス混合物は、1つ以上の追加ガス源422からイオン化空間420に導入されてよい。第2ガスは、反応ガスまたは反応種を含んでよい。反応種の例は、塩素(Cl2)、臭素(Br2)、フッ素(F2)、またはヨウ素(I2)などのハロゲンガス、テトラフルオロメタン(CF4)、オクタフルオロシクロブタン(C48)、およびヘキサフルオロシクロブテン(C46)などのパーフルオロカーボン、トリフルオロメタン(CHF3)、ジフルオロメタン(CH22)、およびフルオロメタン(CH3F)などのハイドロフルオロカーボン、ならびに酸素(O2)を含む。一般に、第2ガスは電気負性反応ガスである。第3ガスまたは第3ガス混合物は、1つ以上の追加ガス源422からイオン化空間420に導入されてよい。第3ガスは、ヘリウム、アルゴン、キセノン、またはクリプトンなどの非反応種を含んでよい。いくつかの実施形態では、第3ガスは第1ガスと異なる。いくつかの実施形態では、第2ガスおよび第3ガスは、1つ以上の追加ガス源422に流体結合された異なるガス入口を通じてイオン化空間420に供給されてよい。1つ以上の弁、マスフローコントローラ(MFC)、および/または混合マニホールドは、イオン化空間420への第2ガスおよび第3ガスの流れを制御するために、1つ以上の追加ガス源422に関連付けられてよい。いくつかの実施形態では、第2ガスおよび第3ガスは、エッチングプロセスの第1段階および第2段階の間、イオン化空間420に継続して供給されてよい。いくつかの他の実施形態では、第2ガスが第1段階で提供され、第3ガスが第2段階で供給されるように、第2ガスおよび第3ガスは、イオン化空間420にパルスで供給されてよい。
【0048】
第1グリッド424を通じて引き抜かれた電子は、第2ガスの電子付着イオン化を引き起こしてよい。これにより、反応種の負イオンが形成される。反応種の負イオンは、電子付着イオン化による解離なしに形成される。電子付着イオン化は、エッチングプロセスの第1段階で生じてよい。よって、反応種の負イオンを形成する電子付着イオン化は、エッチングプロセスの改質段階で生じる。C48による電子付着イオン化の例示的な方程式は、e-+C48-->C48 -で示される。
【0049】
第1グリッド424を通じて引き抜かれた準安定中性種は、第3ガスのペニングイオン化を引き起こしてよい。これにより、非反応種の正イオンが形成される。準安定中性種は、プラズマ発生源410内のプラズマが消弧またはオフされた後でも、第1グリッド424を通じて引き抜かれてよい。いくつかの実施形態では、準安定中性種は励起状態であってよい。準安定中性種は、第1グリッド424を通じて拡散し、非反応種と衝突するのに十分な長さの寿命を有してよい。衝突は、非反応種が電子を奪われるように非反応種のペニングイオン化を引き起こしてよい。ペニングイオン化は、エッチングプロセスの第2段階で生じてよい。よって、非反応種の正イオンを形成するペニングイオン化は、エッチングプロセスの除去段階で生じてよい。Arおよび準安定He*によるペニングイオン化の例示的な方程式は、He*+Ar-->Ar++He+e-で示される。
【0050】
基板436は、加速空間430において基板支持体438の上に支持されてよい。基板436は、いくつかの実施形態では、複数の高アスペクト比フィーチャを備えてよい。高アスペクト比フィーチャは、深さ:幅が少なくとも10:1、少なくとも20:1、少なくとも50:1、または少なくとも100:1のアスペクト比を有するフィーチャを含んでよい。基板支持体438は、DC電圧によってバイアスされるように構成されている。基板支持体438は、基板436を保持するためのチャックまたは他のクランプ機構を備えてよい。基板支持体438は、基板支持体438に正または負のDC電圧を印加するためのDC電源442に電気結合された電極を備えてよい。バイアスされた基板支持体438は、基板436に向かってイオンを加速させてよい。負イオンまたは高速中性種は、エッチングプロセスの第1段階(改質段階)に正バイアスの印加によって基板436に加速してよく、正イオンまたは非反応性イオンは、エッチングプロセスの第2段階(除去段階)に負バイアスの印加によって基板436に加速してよい。
【0051】
正バイアスは、負イオンが低エネルギで加速するように、基板支持体438と第2グリッド434または第1グリッド424との間に弱電場を形成してよい。負バイアスは、正イオンが高エネルギで加速するように、基板支持体438と第2グリッド434または第1グリッド424との間に強電場を形成してよい。いくつかの実施形態では、負バイアスは、正バイアスよりも絶対値が実質的に大きくてよい。いくつかの実施形態では、正バイアスは約0.5Vから約10Vであってよく、負バイアスは約-50kVから約-1kVであってよい。エッチングプロセスの改質段階に加速した負イオンは、基板表面を改質または活性化するのに役立ち、基板表面上に反応層を形成できる。エッチングプロセスの除去段階に加速した正イオンは、基板表面上の反応層をエッチングするのに役立つ。
【0052】
図4Aに示されたいくつかの実施形態では、イオン化空間420は、第2グリッド434を介して加速空間430に結合されている。第1グリッド424は、プラズマ発生源410をイオン化空間420から分離し、第2グリッド434は、イオン化空間420を加速空間430から分離してよい。第1グリッド424および第2グリッド434の両方を用いることで、イオン化が促進されてよい。第1グリッド424および第2グリッド434により、イオン化空間420は、加速空間430とは異なる圧力で動作できる。いくつかの実施形態では、イオン化空間420の圧力は、加速空間430の圧力よりも大きい。高圧のイオン化空間420では、より多くの衝突およびより多くのイオン化が促進される。いくつかの実施形態では、イオン化空間420内の圧力は、約10mTorrから約1000mTorr(例えば、約500mTorr)である。低圧の加速空間430では、少ない衝突で加速が促進される。いくつかの実施形態では、加速空間430の圧力は、約1mTorrから約50mTorr(例えば、約4mTorr)である。
【0053】
第2グリッド434の態様は、第1グリッド424と同様であってよい。いくつかの実施形態では、第2グリッド434は、イオン、電子、または中間種が通過できる複数の開口または穴を備えてよい。いくつかの実施形態では、第2グリッド434は、複数の開口または穴を有する導電板を備えてよく、導電板はバイアスまたは接地されてよい。図4Aに示されたいくつかの実施形態では、第2グリッド434は、第2グリッド434に正または負のDC電圧を印加するためのDC電源444に電気接続された電極を備える。例えば、エッチングプロセスの第1段階では、第2グリッド434は、プラズマ発生源410からイオン化空間420に電子を引き出すために正バイアスを印加されてよい。エッチングプロセスの第2段階では、第2グリッド434は、イオン化空間420から正イオンを加速させるために負バイアスを印加されてよい。図4Aの実施形態は第1グリッド424および第2グリッド434が描かれているが、プラズマエッチング装置400aは、任意の数のグリッド(例えば、3、4、5、またはより多くのグリッド)を備えてよいことが理解されるだろう。
【0054】
プラズマエッチング装置400aはさらに、排出ポンプ470を備えてよい。排出ポンプ470は、加速空間430と流体連通する粗引きポンプおよび/またはターボ分子ポンプを備えてよい。排出ポンプ470は、加速空間430の圧力など、プラズマエッチング装置400aの圧力を制御するのに用いられる。排出ポンプ470はさらに、加速空間430から様々なガスを排気するのに用いられる。
【0055】
エッチングプロセスの改質段階および除去段階は、プラズマエッチング装置400aにおいて交互に繰り返されてよい。改質段階では、プラズマがプラズマ発生源410で生成され、第1グリッド424を通じて電子がプラズマから引き抜かれ、イオン化空間420において電子付着イオン化が発生して反応種の負イオンが形成され、加速空間430において基板支持体438に印加された正バイアスによって負イオンが加速され、負イオンによって基板表面が改質される。除去段階では、プラズマ発生源410においてプラズマがオフされ、第1グリッド424を通じて準安定中性種がプラズマ残光から引き抜かれ、イオン化空間420においてペニングイオン化が発生して非反応種の正イオンが形成され、加速空間430において基板支持体438に印加された負バイアスによって正イオンが加速され、正イオンによって基板表面上の改質層が除去される。
【0056】
プラズマエッチング装置400aはさらに、コントローラ450を備えてよい。コントローラ450(1つ以上の物理的または論理的コントローラを備えてよい)は、プラズマエッチング装置400aの動作の一部または全てを制御する。コントローラ450は、エッチングプロセスの改質段階および除去段階を実施するための命令が構成されてよい。それにより、コントローラ450は、交互の段階において反応種および非反応種を選択的にイオン化でき、交互の段階において正負イオンのイオンビームを加速できる。いくつかの実施形態では、コントローラ450は、RFアンテナ414に結合されたRF発生器416、第1ガスを供給するための第1ガス源412、第2ガスおよび第3ガスを供給するための1つ以上の追加ガス源422、第2グリッド434に電気結合されたDC電源444、基板支持体438に電気結合されたDC電源442、排出ポンプ470、またはこれらの組み合わせを制御するのに用いられてよい。いくつかの実施形態では、コントローラ450は、改質段階にプラズマ発生源410にRF電力を印加するための命令と、除去段階にプラズマ発生源410へのRF電力をオフするための命令とが構成されてよい。いくつかの実施形態では、コントローラ450は、プラズマ発生源410から電子を引き抜き、基板436に反応種の負イオンを加速させるために、改質段階に基板支持体438に正バイアスを印加するための命令と、基板436に非反応種の正イオンを加速させるために、除去段階に基板支持体438に負バイアスを印加するための命令とが構成されてよい。正バイアスの印加は、プラズマから電子を引き抜いて反応種をイオン化し、反応種の負イオンを形成してよい。負バイアスの印加は、プラズマまたはその残光からの準安定種の拡散を引き起こして非反応種をイオン化し、非反応種の正イオンを形成してよい。
【0057】
コントローラ450は、1つ以上のメモリデバイスおよび1つ以上のプロセッサを備えてよい。プロセッサは、中央処理装置(CPU)またはコンピュータ、アナログおよび/またはデジタルの入出力接続、ステッパモータコントローラ基板、ならびに他の類似構成部品を備えてよい。適した制御動作を実施するための命令は、プロセッサにおいて実行される。これらの命令は、コントローラ450に関連付けられたメモリデバイスに格納され、ネットワークを通じて提供されてよい。特定の実施形態では、コントローラ450は、システム制御ソフトウェアを実行する。システム制御ソフトウェアは、ガスの混合および/または組成、ガスの流量、室圧、室温、基板/基板支持体温度、基板位置、基板支持体の傾き、基板支持体の回転、グリッドに印加される電圧、基板支持体に印加される電圧、コイル、アンテナ、または他のプラズマ生成構成部品に印加される周波数および電力、ならびに、ツールによって実施される特定のプロセスの他のパラメータ、のチャンバ動作条件のうち任意の1つ以上の適用のタイミングおよび/または規模を制御するための命令を含んでよい。システム制御ソフトウェアはさらに、排出ポンプ470を通じてパージ動作および洗浄動作を制御してよい。システム制御ソフトウェアは、任意の適した方法で構成されてよい。例えば、様々なプロセスツール構成部品のサブルーチンまたは制御オブジェクトは、様々なプロセスツールプロセスを実行するのに必要なプロセスツール構成部品の動作を制御するように書き込まれてよい。システム制御ソフトウェアは、任意の適したコンピュータ可読プログラミング言語でコード化されてよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、システム制御ソフトウェアは、上記の様々なパラメータを制御するための入出力制御(IOC)シーケンス命令を含む。例えば、半導体製造プロセスの各段階は、コントローラ450による実行のための1つ以上の命令を含んでよい。一段階のためのプロセス条件を設定するための命令は、例えば対応するレシピ段階に含まれてよい。いくつかの実施形態では、レシピ段階は、プラズマエッチングプロセスにおける工程がそのプロセス段階について特定の順序で実行されるように順次に配置されてよい。例えばレシピは、第1段階でプラズマの生成および負イオンの加速を実施し、第2段階でプラズマ電力をオフした状態で正イオンの加速を実施するように構成されてよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、他のコンピュータソフトウェアおよび/またはプログラムが用いられてよい。この目的のためのプログラムまたはプログラムセクションの例は、基板位置決めプログラム、処理ガス組成制御プログラム、圧力制御プログラム、ヒータ制御プログラム、およびRF電力供給制御プログラムを含む。
【0060】
コントローラ450は、センサ出力に基づき(例えば、電力、電位、圧力、ガスレベルなどが特定の閾値に達したとき)、動作のタイミング(例えば、プロセスの特定時期に電力を供給する動作)に基づき、またはユーザから受信した命令に基づいて、これらおよび他の態様を制御してよい。
【0061】
概してコントローラ450は、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェア形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、様々な個別設定(または、プログラムファイル)の形式でコントローラに伝達される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上でもしくは半導体ウエハ向けに、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してよい。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、プラズマエッチング時における1つ以上の処理工程を実現するために、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、コントローラ450は、システムと統合もしくは結合された、そうでなければシステムにネットワーク結合された、またはこれらが組み合わされたコンピュータの一部であってよい、またはそのコンピュータに結合されてよい。例えばコントローラ450は、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にする「クラウド」内にあってよい、またはファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってよい。コンピュータはシステムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の進捗状況を監視し、過去の製造動作の経歴を調査し、複数の製造動作から傾向または実施の基準を調査して、現行の処理のパラメータを変更し、現行の処理に続く処理工程を設定し、または、新しいプロセスを開始してよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含みうるネットワークを通じて、プロセスレシピをシステムに提供できる。リモートコンピュータは、次にリモートコンピュータからシステムに伝達されるパラメータおよび/もしくは設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでよい。いくつかの例では、コントローラ450は、1つ以上の動作中に実施される各処理工程のパラメータを特定するデータ形式の命令を受信する。パラメータは、実施されるプロセスの種類、および、コントローラ450が結合するまたは制御するように構成されたツールの種類に固有であってよいことを理解されたい。よって、上述のようにコントローラ450は、例えば互いにネットワーク結合される1つ以上の別々のコントローラを含むことと、本明細書に記載のプロセスや制御などの共通の目的に向けて協働することとによって分散されてよい。かかる目的で分散されたコントローラ450の例は、遠隔に(例えば、プラットフォームレベルで、または、リモートコンピュータの一部として)設置され、協働して室内のプロセスを制御する1つ以上の集積回路と連通する、室内の1つ以上の集積回路だろう。
【0063】
上述のようにコントローラ450は、ツールによって実施される処理工程に応じて、他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成部品、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に設置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または、半導体製造工場においてツール位置および/もしくはロードポートに対してウエハ容器を搬入出する材料搬送に用いられるツール、のうちの1つ以上と連通してよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、コントローラ450は、イオン化空間420に反応種を導入し、基板支持体430に正バイアスを印加することにより、加速空間430において基板436に反応種の負イオンを加速させる動作と、イオン化空間420に非反応種を導入し、基板支持体438に負バイアスを印加することにより、加速空間430において基板436に非反応種の正イオンを加速させる動作とを実施するための命令が構成されている。コントローラ450はさらに、反応種の負イオンを加速させるときにプラズマ発生源410においてプラズマを点火する動作と、非反応種の正イオンを加速させるときにプラズマ発生源410においてプラズマを消弧する動作とを実施するための命令が構成されてよい。コントローラ450はさらに、反応種の負イオンの加速に関連して、反応種をイオン化するためにプラズマからイオン化空間420に電子を引き抜き、イオン化空間420において反応種の負イオンを形成する動作を実施するための命令が構成されてよい。これは、基板支持体438への正バイアスの印加によって生じてよい。コントローラ450はさらに、非反応種の正イオンの加速に関連して、非反応種をイオン化するためにプラズマからイオン化空間420に準安定種の拡散を引き起こし、イオン化空間420において非反応種の正イオンを形成する動作を実施するための命令が構成されてよい。これは、基板支持体438への負バイアスの印加によって生じてよい。コントローラ450はさらに、反応種の負イオンの加速に関連して、基板436の材料層上に反応層を形成する動作と、非反応種の正イオンの加速に関連して、誘電性材料または導電性材料を含む基板436の材料層をエッチングする動作とを実施するための命令が構成されてよい。コントローラ450はさらに、反応種の負イオンを加速させる動作と非反応種の正イオンを加速させる動作とを交互に繰り返す動作を実施するための命令が構成されてよい。
【0065】
図4Bは、単一グリッドによって分割された例示的なプラズマエッチング装置の概略図であり、このプラズマエッチング装置は、いくつかの実施形態により誘導結合プラズマを生成し、エッチング用に正負イオンの交互イオンビームを供給する。図4Bのプラズマエッチング装置400bの態様は、プラズマエッチング装置400bに第2グリッドが存在しないこと以外は、図4Aのプラズマエッチング装置400aと同じであってよい。従って、イオン化空間420および加速空間430は一体化した容積を占め、物理的構造によって分割されていない。イオン化空間420および加速空間430の圧力は同じであってよい。イオンは、プラズマエッチング装置400bの同じ一体化容積内で効率的に生成され、加速される。
【0066】
図4Cは、少なくとも2つのグリッドによって分割された例示的なプラズマエッチング装置の概略図であり、このプラズマエッチング装置は、いくつかの実施形態により、リモートプラズマ源において誘導結合プラズマを生成し、エッチング用に正負イオンの交互イオンビームを供給する。図4Cのプラズマエッチング装置400cの態様は、プラズマ発生源410がプラズマエッチング装置400cのリモート誘導源472に結合されていること以外は、図4Aのプラズマエッチング装置400aと同じであってよい。RF発生器476からのRF電流は、リモート誘導源472においてRF電場を形成するためにコイル474に印加されてよく、プラズマ発生源410において下流プラズマを形成する。誘導結合リモートプラズマリアクタは、容量結合プラズマリアクタよりも高密度のプラズマ生成できる。従って、誘導結合リモートプラズマリアクタは、電子密度および準安定種密度を増加させるのに用いられてよい。これは、容量結合プラズマリアクタに対する容量結合リモートプラズマリアクタについても同様であってよい。いくつかの実施形態では、プラズマエッチング装置400cは、2つ以上のグリッドではなく単一グリッドを備えてよい。
【0067】
図4Dは、少なくとも2つのグリッドによって分割された例示的なプラズマエッチング装置の概略図であり、このプラズマエッチング装置は、いくつかの実施形態により容量結合プラズマを生成し、エッチング用に正負イオンの交互イオンビームを供給する。図4Dのプラズマエッチング装置400dの態様は、プラズマ発生源410がプラズマエッチング装置400dにおける容量結合プラズマリアクタであること以外は、図4Aのプラズマエッチング装置400aと同じであってよい。RF電力は、プラズマ発生源410においてプラズマを生成するために、RF発生器416から電極418に供給されてよい。第1グリッド424はバイアスまたは接地されてよく、容量結合プラズマリアクタ内の電極418と第1グリッド424との間でプラズマが形成されてよい。いくつかの実施形態では、プラズマエッチング装置400dは、2つ以上のグリッドではなく単一グリッドを備えてよい。また、図4A~4Dのプラズマエッチング装置400a~400dは、任意の数のグリッドを用いてよく、CCP技術、ICP技術、電子サイクロトロン技術、またはマイクロ波技術などの任意の適したプラズマ生成技術を用いてよいことが分かるだろう。
【0068】
図5は、いくつかの実施形態による、正負イオンの交互イオンビームを用いるプラズマエッチングの例示的な方法のフロー図を示す。図5のプロセス500の動作は、追加の動作、より少ない動作、または異なる動作を含んでよい。図5のプロセス500の説明は、図6Aの改質動作、および図6Bの除去動作を示す一連の略断面図を伴う。図6Aおよび6Bは、いくつかの実施形態により、図6Aの改質動作と図6Bの除去動作とを交互に行う例示的なプラズマエッチングプロセスの概略図を示す。プロセス500の動作は、図4A~4Dのプラズマエッチング装置400a~400dの1つなどのプラズマエッチング装置を用いて実施されてよい。
【0069】
プロセス500のブロック510では、反応種および非反応種がイオン化空間に導入される。反応種および非反応種は、気相でプラズマエッチング装置のイオン化空間に直接流入してよい。イオン化空間は、プラズマ発生源とは別の容積であってよく、第1グリッドがイオン化空間とプラズマ発生源とを分けてよい。イオン化空間は、プラズマ発生源の下流であってよい。第1グリッドは、希ガスのイオン、電子、および中性種が通過できる複数の開口または穴を有する導電板を備えてよい。反応種は、ハロゲン、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、または酸素などの電気負性反応ガス種を含んでよい。例えば、反応種はC48を含む。非反応種は、ヘリウム、アルゴン、キセノン、またはクリプトンなどの不活性ガスを含んでよい。非反応種は、プラズマ発生源に提供される希ガスとは異なってよい。いくつかの実施形態では、反応種および非反応種は、プロセス500を通じて、またはプロセス500の特定期間中に、継続的に導入されてよい。いくつかの実施形態では、反応種および非反応種は、プロセス500の間に別々のパルスで導入されてよい。例えば、反応種および非反応種のいずれかまたは両方は、プロセス500の第1段階で導入されてよく、反応種および非反応種のいずれかまたは両方は、プロセス500の第2段階で導入されてよい。
【0070】
第1段階は改質段階を構成し、プロセス500の少なくともブロック520および530を含んでよい。いくつかの実施形態では、第1段階はブロック510をさらに含む。第2段階は除去段階を構成し、プロセス500の少なくともブロック540および550を含んでよい。いくつかの実施形態では、第2段階はブロック510をさらに含む。
【0071】
プロセス500のブロック520では、プラズマ発生源において希ガスのプラズマが点火される。いくつかの実施形態では、希ガスは、ブロック520より前に、またはブロック520の間に、プラズマ発生源に導入される。希ガスは、ヘリウム、アルゴン、キセノン、またはクリプトンを含んでよい。例えば、希ガスはヘリウムを含む。希ガスのプラズマは、希ガスのイオン、電子、および中性種の混合物を含んでよい。いくつかの実施形態では、プラズマ発生源は、CCPリアクタまたはICPリアクタであってよい。ブロック520におけるプラズマ点火の間、プラズマはオンされている。
【0072】
プロセス500のブロック530では、基板支持体に正バイアスが印加されて、プラズマ発生源から電子が引き抜かれ、反応種の負イオンが基板へと加速される。基板は、加速空間の基板支持体上に支持されてよく、加速空間は、プラズマエッチング装置においてイオン化空間と一体化した容積、またはイオン化空間から分離された容積を表してよい。加速空間は、イオン化空間の下流であってよい。基板は、誘電性材料または導電性材料を含みうる、エッチング対象の材料層を備えてよい。いくつかの実施形態では、基板は、深さ:幅が少なくとも10:1、少なくとも20:1、少なくとも50:1、または少なくとも100:1のアスペクト比を有する複数の高アスペクト比フィーチャを備えてよい。
【0073】
電子は、第1グリッドを通じてプラズマ発生源内のプラズマから引き抜かれてよい。いくつかの実施形態では、第1グリッドは電気接地されてよく、プラズマ発生源の外側の基板支持体は、第1グリッドを通じて電子を引き抜くために正バイアスが印加される。いくつかの実施形態では、第1グリッドは負バイアスが印加されてよく、プラズマ発生源の外側の基板支持体は、第1グリッドを通じて電子を引き抜くために正バイアスが印加される。正バイアスされた基板支持体と接地または負バイアスされたグリッドとの間に電場が確立された結果、電子はプラズマから引き抜かれる。電子は、プラズマがオンされている間に引き抜かれる。理論によって制限されるものではないが、引き抜かれた電子は反応種と衝突し、電子付着イオン化によって反応種の負イオンを形成してよい。反応種のイオンは解離されない。電子は、反応種による電子付着イオン化を引き起こすが非反応種では引き起こさないエネルギで引き抜かれる。例えば電子は、C48の電子付着のために約1eVから約5eVのエネルギで引き抜かれて、C48 -を形成してよい。いくつかの実施形態では、基板支持体に印加される正バイアスは、約0.5Vから約10V、または約1Vから約5Vである。
【0074】
反応種の負イオンが電子付着イオン化によって形成されるため、基板支持体に印加される正バイアスは、基板への負イオンの加速を引き起こす。反応種の負イオンは、基板表面におけるスパッタリングを制限する、または防ぐように基板に加速される。具体的には、基板支持体に印加される正バイアスは、約0.5Vから約10V、または約1Vから約5Vに維持されてよい。小さな正バイアスを印加することにより、加速する負イオンは、基板表面から原子/分子をスパッタリングする代わりに、基板表面を改質または活性化できる。いくつかの実施形態では、加速する負イオンは基板表面に吸着して、エッチング用の反応層を形成する。基板上の材料層は反応層に変換されてよく、反応層はプロセス500の除去段階の間にエッチングされてよい。
【0075】
改質段階のブロック520および530の動作は、同時または順番に実施されてよい。ブロック510の動作は、ブロック520および530の動作の前または最中に実施されてよい。
【0076】
図6Aは、エッチングプロセスの改質段階中の例示的なプラズマエッチング装置の概略図を示す。かかる改質段階は、図5のプロセス500のブロック510、520、および530の動作を含んでよい。CCPリアクタなどのプラズマ発生源にヘリウムガスが供給される。プラズマ発生源はCCPリアクタとして示されているが、プラズマ発生源は、任意の適したプラズマリアクタであってよいことが理解されるだろう。ヘリウムプラズマは、プラズマ発生源によって生成される。正DC電圧は、基板が支持される基板支持体に印加される。正バイアスは、プラズマ発生源とイオン化空間との間のグリッドを通じて電子が引き抜かれるようにする。C48などの反応ガスおよびArなどの非反応ガスは、イオン化空間に導入される。引き抜かれた電子は、反応ガスの解離なしにイオン化を引き起こして、反応ガスの負イオンを形成する。図6Aに示されるように、C48は電子付着イオン化によってイオン化されて、C48 -が形成される。反応ガスの負イオンは、正バイアスによって基板に加速されて、基板の基板表面を活性化または改質する。例えばC48 -は、基板表面上に反応層を形成してよい。プラズマエッチング装置には単一グリッドが示されているが、イオン化が生じるイオン化空間と基板が設置される加速空間との間でイオン化空間を分割するために、プラズマエッチング装置に第2グリッドが設けられてよいことが理解されるだろう。そのため、エッチングプロセスの改質段階は、プラズマを点火するためにプラズマをオンすることと、基板支持体に正バイアスを印加することと、プラズマから電子を引き抜くことと、反応種をイオン化して反応種の負イオンを形成することと、基板表面を改質するために基板に負イオンを加速させることと、を含んでよい。
【0077】
図5に戻ると、プロセス500のブロック540では、プラズマ発生源においてプラズマが消弧される。プラズマを点火または維持するためにプラズマ発生源に印加されるRF電力はない。つまり、プラズマはオフされている。希ガスの荷電種は、プラズマ放電なしで生成されない。しかし、希ガスの準安定中性種などの準安定種は、プラズマがオフされた後でもプラズマ発生源に残存する可能性がある。希ガスの準安定種は、第1グリッドを通ってイオン化空間に拡散するのに十分な長さの寿命を有してよい。具体的には、希ガスの準安定種は、残光の間にイオン化空間に拡散してよい。
【0078】
プラズマがオフされた後にイオン化空間に拡散する準安定種は、非反応種と衝突し、非反応種の正イオンを形成してよい。準安定種は、励起状態であってよい。理論によって制限されるものではないが、励起状態の準安定種は、非反応種によるペニングイオン化を引き起こすが、反応種では引き起こさなくてよい。例えば、励起状態の準安定ヘリウムラジカル(He*)は、数秒の寿命および数eVのエネルギを有してよい。この寿命は、崩壊前に衝突が起こるのに十分な長さであり、準安定ヘリウムラジカルは、Arなどの不活性ガス種をイオン化するのに十分な励起状態のエネルギを有する。準安定ヘリウムラジカルは、Arをイオン化してAr+を形成してよい。
【0079】
プロセス500のブロック550では、基板に非反応種の正イオンを加速させるために、基板支持体に負バイアスが印加される。不活性ガス種の正イオンは、ペニングイオン化によって形成されるため、基板支持体に印加された負バイアスは、基板への正イオンの加速を引き起こす。非反応種の正イオンは、基板表面におけるイオン衝突および化学強化スパッタリングを促進するように基板へと加速される。正イオンは、約1000eVから約50000eVのエネルギで基板表面に衝突および透過してよい。いくつかの実施形態では、基板支持体に印加される負バイアスは、約-50kVから約-1kV、または約-10kVから約-1kVであってよい。大きな負バイアスを印加することにより、加速した正イオンは、基板表面上に形成された材料をエッチングできる。いくつかの実施形態では、加速した正イオンは、反応層がエッチングされるように反応層と混合する。
【0080】
除去段階のブロック540および550の動作は、同時または順番に実施されてよい。ブロック510の動作は、ブロック540および550の動作の前または最中に実施されてよい。
【0081】
図6Bは、エッチングプロセスの除去段階中の例示的なプラズマエッチング装置の概略図を示す。かかる除去段階は、図5のプロセス500のブロック510、540、および550の動作を含んでよい。プラズマ発生源内のプラズマが消弧されるように、電力はプラズマ発生源に印加されない。ヘリウムプラズマはオフされて、プラズマ残光には準安定ヘリウムラジカルのみが残る。準安定ヘリウムラジカルは励起状態であってよく、グリッドを通じて拡散してよい。C48などの反応ガスおよびArなどの非反応ガスは、イオン化空間に導入される。引き抜かれた準安定ヘリウムラジカルは、非反応ガスのイオン化を引き起こして非反応ガスの正イオンを形成する。図6Bに示されるように、Arは、ペニングイオン化によってイオン化されて、Ar+が形成される。基板が支持される基板支持体に負DC電圧が印加される。化学強化スパッタリングによって基板表面の反応層を除去するために、負バイアスは非反応ガスの正イオンを基板に加速させる。例えばAr+は、基板表面に吸着したC48 -によって形成された反応層を除去してよい。よって、エッチングプロセスの除去段階は、プラズマを消弧するためにプラズマをオフすることと、基板支持体に負バイアスを印加することと、準安定中性種を引き抜くことと、非反応種をイオン化して非反応種の正イオンを形成することと、基板に正イオンを加速させて基板表面から材料をエッチングすることと、を含んでよい。
【0082】
図5に戻ると、プロセス500はさらに、ブロック520および530の改質段階とブロック540および550の除去段階とを交互に繰り返すことを含んでよい。改質段階および除去段階は、プラズマエッチングのためにプロセス500を完了するよう継続して交互に行われてよい。いくつかの実施形態では、改質段階および除去段階は、基板上の高アスペクト比フィーチャをプラズマエッチングするためにプロセス500を完了するよう継続して交互に行われてよい。プロセス500は、改質段階の電子付着イオン化と除去段階のペニングイオン化とを交互に行ってよい。またプロセス500は、改質段階において低エネルギで高速中性種を加速させることと、除去段階において高エネルギで正イオンを加速させることとを交互に行ってよい。さらにプロセス500は、改質段階におけるプラズマオンと除去段階におけるプラズマオフとを交互に行ってよい。
【0083】
図7は、いくつかの実施形態により改質動作と除去動作とを交互に行うプラズマエッチングプロセスにおいて、プラズマ源への印加電力および基板支持体への印加電圧の例示的なタイミングシーケンス図を表す。改質動作および除去動作は、エッチングサイクルを構成してよい。いくつかの実施形態では、エッチングサイクルは、約1msから約50ms続いてよい。改質動作の継続期間は約1msから約10msであってよく、除去動作の継続期間は約1msから約10msであってよい。改質動作およびその継続期間は、反応種の負イオンの加速に関連して、または基板支持体への正バイアスの印加に関連して生じてよい。除去動作およびその継続期間は、非反応種の正イオンの加速に関連して、または基板支持体への負バイアスの印加に関連して生じてよい。
【0084】
図7に示されるように、改質動作の間にプラズマ源に電力が印加され、基板支持体は正DC電圧によってわずかにバイアスされる。正DC電圧は、約1Vから約5Vであってよい。図7に示されるように、除去動作の間にプラズマ源に印加される電力はなく、基板支持体は負DC電圧によって実質的にバイアスされる。負DC電圧は、約-50kVから-1kVであってよい。コントローラは、改質動作と除去動作とを交互に行う際に、プラズマ源への印加電力および基板支持体への印加電圧のための命令を提供するように構成されてよい。
【0085】
本開示のプラズマエッチング装置は、プラズマエッチングのために反応種の負イオンおよび非反応種の正イオンの交互イオンビームを提供する。高速中性種は、低エネルギでDC加速によって基板表面を改質し、正イオンは、高エネルギでDC加速によって基板表面から材料をエッチングしてよい。高速中性種は、狭いIEDFおよび狭いIADFで提供される。広いIEDFおよび広いIADFをもたらす従来のプラズマエッチングリアクタにおけるRFバイアスによるシースの加速ではなく、DC加速によって正負イオンの加速が別々に生じる。本開示は、イオン/中性種フラックス比を釣り合わせるための従来のプラズマエッチングリアクタにおける混合モードパルシングではなく、高エネルギの正イオンと低エネルギの負イオンとを分離することにより、イオンフラックスおよび中性種フラックスを分けることができる。従来のプラズマエッチングリアクタが電子衝突イオン化によってイオン化するのに対して、本開示は、負イオンを形成する電子付着イオン化と正イオンを形成するペニングイオン化とを選択することにより選択的イオン化を実現できる。低エネルギを有し、狭いIADFを有する高速中性種は、電子付着イオン化によって生成されてよく、それにより中性種が高アスペクト比フィーチャの底部に非常に低速で拡散することが回避される。さらに、正負イオンの交互イオンビームによって、マスクへの電荷蓄積が回避される。1つ以上のグリッドによってプラズマ生成領域をエッチング領域から分離することにより、エッチング副生成物の再堆積も回避され、プラズマ生成領域へのエッチング副生成物の逆流が阻止される。また、プラズマリアクタがCCPリアクタかICPリアクタかにかかわらず、本開示のプラズマエッチング装置によって誘電体エッチングおよび導体エッチングが実施されてよい。
・結論
【0086】
前述では、本実施形態の十分な理解を提供するためにいくつかの特定の詳細が記載された。本開示の実施形態は、これらの特定の詳細の一部または全てなしで実行されてよい。他の例では、本開示の実施形態を必要以上に分かりにくくしないように、周知のプロセス動作は詳細には説明されていない。本開示の実施形態は特定の実施形態と併せて説明されるが、本開示の実施形態を限定する意図はないことが理解されるだろう。
【0087】
前記の実施形態は、明確な理解のためにある程度詳細に説明されたが、特定の変更および修正が添付の特許請求の範囲内で実施されてよいことは明らかだろう。本実施形態のプロセス、システム、および装置を実施する多くの代替方法があることに注意されたい。従って、本実施形態は制限的でなく例示的とみなされるべきであり、本明細書に記載の詳細に限定されない。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6A
図6B
図7
【国際調査報告】