(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-20
(54)【発明の名称】VHFプラズマ処理のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20220513BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20220513BHJP
【FI】
H05H1/46 L
H01L21/302 101D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021556539
(86)(22)【出願日】2020-02-05
(85)【翻訳文提出日】2021-11-16
(86)【国際出願番号】 US2020016741
(87)【国際公開番号】W WO2020190400
(87)【国際公開日】2020-09-24
(32)【優先日】2019-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】レーン,バートン
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084BB05
2G084CC05
2G084CC09
2G084CC13
2G084CC33
2G084DD03
2G084DD16
2G084DD22
2G084DD25
2G084DD35
2G084DD38
2G084DD44
2G084DD63
2G084DD65
2G084EE10
5F004BB13
5F004BB18
(57)【要約】
本開示は、半導体デバイスを製造するために使用されるプラズマプロセスチャンバ内で共鳴VHF定在波を可能にするように設計された伝送アンテナを使用する、VHFプラズマ処理のためのプラズマ処理システムに関する。このシステムは、電源に接続された入力電力ラインに電磁的に結合することが可能な伝送要素を含む。伝送要素、電力伝送ライン、及び電源は、伝送要素上でVHF定在波を可能にする共振回路を形成する。伝送要素をプラズマプロセスチャンバ内に設置することができるように、伝送要素は、アンテナのフットプリントを低減させるためにそれ自体の上に折り返されている。伝送アンテナには3つの部分があり、第1の部分は電力伝送ラインに電磁的に結合され、第2の部分はプラズマに結合され、第3の部分は伝送要素のフットプリントを削減する折り畳まれた部分である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスであって、
内部ボリューム、前記内部ボリューム内に配置された基板ホルダ、及び前記内部ボリュームの外側に配置された電源を備えるプラズマ処理チャンバと;
前記プラズマ処理チャンバに結合された電力構成要素であって、前記電源に電気的に接続された1つ以上の電力伝送ラインを備える、電力構成要素と;
前記電力構成要素と前記基板ホルダとの間に配置された伝送要素であって、
前記基板ホルダに対向する表面を備える誘電体構造と、
前記誘電体構造内に配置された1つ以上の伝送アンテナと
を備える伝送要素と;
を備えるデバイス。
【請求項2】
前記伝送アンテナは、前記電力伝送ラインに電気的に結合されるように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
電力構成要素が、前記電源に電気的に結合された2つ以上の電力伝送ラインを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記伝送アンテナは、対応する電力伝送ラインと電気的に結合されるように構成されている2つ以上の伝送アンテナを備える、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記誘電体構造は、アルミナ、石英、炭化ケイ素、又はこれらの組み合わせを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記誘電体構造は、少なくとも1つの表面上に酸化イットリウムコーティングを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記伝送アンテナは、前記電力構成要素の対応する電力伝送ラインと電気的に結合されるように構成されている2つ以上の伝送アンテナを備え、前記誘電体構造は、前記誘電体構造内に配置された結合構成要素を備え、前記結合構成要素は、2つの前記伝送アンテナ間にコンデンサを形成するように構成された導電性要素を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記伝送アンテナは、前記電源が前記電力伝送ラインに30MHz~300MHzの周波数でエネルギーを印加するときに、前記電力伝送ライン間に共振回路を形成することに少なくとも部分的に基づく長さを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項9】
前記共振回路は、前記伝送アンテナのインピーダンスに少なくとも部分的に基づく、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記伝送アンテナは、前記伝送アンテナ、前記電力伝送ライン、及び前記電源の間のインピーダンス整合に少なくとも部分的に基づく長さを有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記電源は、30MHz~300MHzの範囲の動作周波数を有する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記プラズマ処理チャンバは2つ以上の伝送要素を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
デバイスであって、
上部表面と、
前記上部表面とは反対側の底部表面と、
を含む外側表面を備える伝送要素と;
前記外側表面から電気的に絶縁されるように前記伝送要素内に埋め込まれた1つ以上の伝送アンテナであって、
前記底部表面に対向する前記伝送アンテナの第1の部分と、
前記上部表面に対向する前記伝送アンテナの第2の部分と、
前記第1の部分と前記第2の部分との間に配置された、前記伝送アンテナの第3の部分と、を備える伝送アンテナと;
を備えるデバイス。
【請求項14】
前記伝送要素内に埋め込まれた結合構成要素を更に備える、請求項13に記載のデバイスであって、前記結合構成要素は、前記伝送アンテナのうちの少なくとも2つの間にコンデンサを形成するように構成された導電性要素を備える、デバイス。
【請求項15】
前記第1の部分は少なくとも50mmの長さを有する、請求項13に記載のデバイス。
【請求項16】
前記伝送アンテナは、連続的な導電性要素を形成する、前記伝送アンテナの前記第1の部分、前記第2の部分、及び前記第3の部分に少なくとも部分的に基づく、請求項13に記載のデバイス。
【請求項17】
前記伝送アンテナは、10μm~100μmの厚さの導電性材料を備える、請求項13に記載のデバイス。
【請求項18】
前記第1の部分は前記底部表面に平行であるか又は前記底部表面に対向しており、前記第2の部分は前記上部表面に平行であるか又は前記上部表面に対向している、請求項13に記載のデバイス。
【請求項19】
前記第2の部分の前記平行な領域又は前記対向する領域は、誘電体材料によって前記第1の部分から分離されている、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記伝送要素は、前記上部表面から前記底部表面に延びるガス導管を備える、請求項13に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年3月19日に出願された「SYSTEM AND METHODS FOR VHF PLASMA PROCESSING」と題する米国仮特許出願第16/357,731号明細書の利益を主張するものであり、この米国仮特許出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本発明は、半導体処理装置技術に関し、より具体的には、半導体基板を処理するために使用するプラズマを制御するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
マイクロエレクトロニクスのフィーチャの形状は、より小さなサイズに縮小され、複雑性が増加し続けている。それに応じて、マイクロエレクトロニクスデバイスを製造するためのパターニング技術は、半導体基板上により小さなフィーチャを作製するために、より正確になるであろう。プロセスが経済的に成功するように、十分な数の処理済みダイが動作可能チップを生じるために、正確なパターニングは、ウェハ上の各ポイントでの、イオン流束又はラジカル流束などの処理パラメータに対する、より厳密な制御を必要とする。パターニングプロセスの一態様は、プラズマを使用してフィーチャをエッチングして、基板から材料を選択的に除去することを含む。プラズマエッチング技術を改善するアプローチの1つは、予測可能且つ均一な形でプラズマを制御することに関する。例えば、VHF周波数範囲(30MHz~300MHz)の電磁波は、高密度プラズマ(本明細書では「VHFプラズマ」と称する)を生成することが知られている。加えて、VHFプラズマは、プラズマエッジと基板との間に比較的薄い低エネルギーのシースを形成し、これが、基板上の膜を動力学的に除去するか又はエッチングするために使用されるイオンのイオン加速を低減させることを可能にする。より低いイオンエネルギーは、選択性を改善し、下にある膜への損傷を低減させることができる。しかし、VHFプラズマ処理は、不均一な空間プラズマプロファイルに起因して、好まれなかった。この不均一性は、その波長がプロセスチャンバの寸法と同等であるVHF電磁波の性質、及び電磁波とプラズマとの間の非線形相互作用に起因する。これらの性質により、ウェハ全体にわたって均一な密度プロファイルを得ることが困難になり、ウェハのサイズよりも短いスケール長で密度プロファイルを調整しようとすることが非常に困難になる。このような調整は、多くの場合、ガス配給部などの他のソースから発生する不均一性を補正するために望ましい。それに応じて、プラズマの均一性(例えば、空間プロファイル)を改善し、ウェハよりも小さい長さスケールでのプラズマ密度プロファイルの制御を可能にする、VHFシステム及び方法が望ましいであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書にて開示されるのは、マイクロエレクトロニクスデバイス製造用のプラズマ処理のためのシステム及び方法である。特に、一般的なVHF波長(1000mm~10,000mm)に対してサイズが同等である(200mm~500mm)プロセスチャンバ又はプロセス空間内のガスをイオン化するために使用される超短波(VHF)(例えば、30~300MHz)電磁波に関する。一般に、VHFプラズマ処理は、低周波プラズマ生成技術と比較して、比較的薄くて低エネルギーのプラズマシースを形成する高密度プラズマを生成することが可能である。プラズマシースは、基板とプラズマとの間の電位差として観察され、プラズマシースを横切って、プラズマからのイオンが加速されて基板と動力学的に相互作用する。VHF処理によって可能になる、より小さなシースサイズにより、非VHF処理と比較してイオンの運動エネルギーが低減される。より低いエネルギーのイオンは、より少ないエネルギーを基板に付与し、これが、上にある膜と下にある膜との間のエッチング選択性を改善することができ、その結果、下にある膜の除去を最小限に抑えながら、上にある膜の除去を最大限にすることによって選択性が改善される。選択性の改善により、基板上のより小さな及び/又はより複雑な(例えば、3D構造)フィーチャのパターニングが可能になり得る。
【0005】
本明細書に記載のシステム及び方法は、プロセスチャンバ内のガスをイオン化することにより各々を別々に又は集合的に制御可能な1つ以上のプラズマ生成要素を使用して、より小さい面積又はフットプリント内にVHFエネルギーの効果を集束させることにより、空間的プロファイルの問題に対処することを意図している。このシステムは、基板ホルダの上方のプロセスチャンバ内に配置された電力伝送要素を組み込んでおり、この電力伝送要素は、VHF電源と電力伝送要素内に配置された共振アンテナとの間に共振回路を形成することが可能である。電力が共振アンテナに印加されると、プロセスチャンバに流入するガスにエネルギーが伝達されてプラズマ(例えば、イオン化ガス)が形成され、このとき電力は、相対的に高いVHF周波数を含んでおり、低周波励起技術(例えば、<30MHz)と比較したときに、相対的に高いプラズマ密度と、プラズマと基板との間のより小さなプラズマシースとを実現する。イオンは、プラズマシースに引き寄せられることができ、プラズマシースを通って基板に向かって加速されて、基板と動力学的に相互作用し得る。
【0006】
一実施形態では、アンテナが互いに物理的に接触していなくても、容量結合構成要素を介して互いに電気的に結合されることができるように、伝送要素は、誘電体材料内に配置された導電性材料によって形成された一対の共振アンテナを含むことができる。アンテナは、開ループに構成された導電性材料を使用して形成されてもよく、アンテナの様々な部分は選択的に、入力電源(例えば、容量性部分)とプロセスチャンバ内のガス(例えば、誘導性部分)とに同時に結合することが可能である。誘導性部分は、プラズマ処理領域又は基板ホルダに平行に走るように構成され、容量性部分は、誘導性部分に対向して位置し、アンテナに電気エネルギーを供給する入力電力伝送ラインに平行に走るようにされてもよい。
【0007】
特定の一実施形態では、容量性部分を1つ以上の折り畳みで折り返して、アンテナがVHF電源と共振回路を形成することを可能にするのに十分な長さを維持しながら、アンテナの全体的なフットプリントを低減させてもよい。このように、アンテナ折り畳みにより、小さなフットプリント、水平表面積、又はボリュームを有するアンテナを使用することにより、比較的長い電気長のVHFアンテナをプロセスチャンバ内に置くことが可能になる。より小さなフットプリントのアンテナにより、これまで不可能であった比較的小さなプラズマ処理領域内での、比較的大きな波長のVHFエネルギーの使用が可能になる。共振回路は、アンテナ全体において電流を駆動する交流電源に容量結合されるように配列又は構成された容量性部分に少なくとも部分的に基づいて形成されてもよい。既知の共振原理では、共振回路は、入力電力信号を増幅して、アンテナ内での比較的高い電流を実現することになる。ループの誘導部分を通って駆動される電流は、誘電体材料に近接するガスに誘導結合されてもよく、その結合により、ループの誘導部分を通る電流によって制御されるイオン化ガス内に電流が誘導される。換言すれば、アンテナは、ループの第1の部分(例えば、容量性部分)と結合させ、そして誘電体材料内における、ループの第2の部分(例えば、誘導部分)の場所を方向付けて、アンテナをプロセスチャンバガスと結合させて、プロセスチャンバ内でプラズマを生成させることによりVHF電源と共振回路を形成するために、十分な長さ及び/又はサイズで設計され得る。
【0008】
一実施形態では、プラズマ処理チャンバは、誘電体材料内に配置されたアンテナにVHFエネルギーを印加する交流電源を含んでもよく、アンテナは、VHFエネルギーが共振周波数にて印加された場合に、共振要素と電源との間に共振回路を形成する。このように、共鳴要素は、プラズマシースに平行な電場により誘導電場を生成することができ、それにより、電場はプラズマ内へと浸入することが可能になる。アンテナ及び/又は電源によって生成された電界はプラズマ内へと浸入し得るが、プラズマシースに垂直な偏光を伴う表面モードを回避し得る。この表面モードは、自然に伝搬してアンテナから離れたリアクタの部分に制御されない形でエネルギーを分散させる。これまでは、方向制御の問題は、より大きな振幅のエネルギーを使用することで対処できたかも知れないが、より大きな振幅は、電界を非線形領域に追いやる可能性があり、プロセス及びハードウェアの複雑さが増加し、VHFプラズマ処理を使用することのコスト/品質の利点が失われる。限定としてではなく例として、共振要素は、開ループに構成された導電性構造(例えば、容量性、誘導性、及び導管部分)を含んでもよく、導電性構造は誘電体材料内に埋め込まれ、絶縁性材料は、導電性構造に対して物理的支持を提供し、プロセス中のプロセス化学物質から導電性構造を絶縁する。例えば、伝送要素の誘電体構成要素は、上部表面と、上部表面とは反対側の底部表面とを有する外側表面を含んでもよく、上部表面は、入力VHF信号に最も近く、底部表面は、プラズマ処理チャンバ内で基板ホルダに対向している。誘電体構成要素は、誘電体構造内に埋め込まれた1つ以上の伝送アンテナを含んでもよく、伝送アンテナは、電流が誘電体材料を通って電源から伝送アンテナに直接流れないという点で、誘電体構成要素の外側表面から物理的に分離されている。概して、伝送アンテナは、一実施形態では、誘電体構成要素の底部表面に対向する、伝送アンテナの第1の部分(例えば、誘導性部分)と、誘電体構成要素の上部表面に対向する、伝送アンテナの第2の部分(例えば、容量性部分)と、第1の部分と第2の部分との間に配置され、これらに接続された、伝送アンテナの第3の部分(例えば、導管部分)と、を備えるループ状の導電性構造であってもよい。伝送アンテナの第1の部分、第2の部分、及び第3の部分は、連続的な導電性要素を形成することができ、その結果、伝送アンテナが電源に容量結合したときに、これら部分の各々の間を電流が流れることができる。
【0009】
一実施形態では、第1の部分は底部表面に平行であってもよく、第2の部分は上部表面に平行であってもよく、第3の部分は、伝送アンテナを包囲しているフットプリント、面積、又はボリュームを低減させるように折り畳まれるか又は方向付けられるように、第3の部分が第1の部分と第2の部分との間に配置されてもよいように、伝送アンテナが構成されてもよい。場合によっては、第3の部分は、第1の部分又は第2の部分よりも長い長さを有し得るが、それ自体の上に折り返されて、第3の部分のフットプリント又は水平表面領域を、第1の部分又は第2の部分と同じ又は同様のフットプリント内に閉じ込め得る。特定の一実施形態では、第1の部分は、導電性材料の少なくとも50mmの長さ及び10μm~100μmの厚さを有する。伝送アンテナの折り畳まれた部分は、伝送アンテナの連続的な導電性構造の一部であるが、アンテナの第2の部分の重なり合う部分又は折り畳まれた部分の間での短絡を回避するために、誘電体材料によって分離され得る。誘電体材料は、折り畳まれた区域間の短絡を最小限に抑えることが可能な任意の材料を含んでもよく、これには、アルミナ、石英、炭化ケイ素、又はこれらの組み合わせなどの材料が含まれてもよいが、これらに限定されない。場合によっては、誘電体材料は、誘電体材料とプロセス化学物質との間の化学反応性を最小限に抑えるために、少なくとも1つの表面上に酸化イットリウムコーティングを有してもよい。
【0010】
別の実施形態では、2つ以上の伝送アンテナを誘電体構成要素内に埋め込んでもよく、伝送アンテナと誘電体構成要素との組み合わせは伝送要素と称される。伝送アンテナは、各伝送アンテナに近接して配置された結合構成要素を含むことができ、その結果、伝送アンテナが互いに、又は結合構成要素と、直接物理的に接触していても、又は接触していなくても、結合構成要素が、伝送アンテナに電気的に結合することができるか、又は伝送アンテナとの間にコンデンサを形成することができる。結合構成要素は、伝送アンテナが1つ以上の電源から平行又は逆平行の形で電力供給されることを可能にし得る。例えば、伝送アンテナに印加される電力伝送が同相(例えば、平行)のときは、重ね合わせの原理により放出信号の強度は増幅され、同様に、各伝送アンテナへの入力電力の位相がずれている(例えば、逆平行)ときは、放出信号は変調され得る。2つの伝送アンテナ間の容量結合が偏光縮退を破壊し、その結果、平行モードと逆平行モードは異なる周波数を有し、2つの周波数の適切な組み合わせを選択することにより、プロセスチャンバ内のイオン化領域の厚さを制御することが可能になる。しかしながら、プロセスチャンバは、プラズマ密度又は空間プロファイルを制御するために、1つの伝送要素だけを使用することに限定されない。
【0011】
本明細書に記載されるように、伝送要素は、基板処理中に空間プロファイル制御及び/又はプラズマ密度に影響を及ぼすために、プロセスチャンバ内に一緒に構成されてもよい。例えば、1つ以上の伝送要素がプラズマ処理チャンバ内に配置されてもよく、プラズマ処理チャンバは、その中に基板ホルダが配置された内部ボリューム(interior volume)と、伝送アンテナの一部分に対向する電力構成要素に電力を供給する電源とを有する。電力構成要素は、電源によって供給される電流を使用して電磁場を生成し、その結果、電磁場が伝送アンテナ内に電流を誘導するように設計及び設置されてもよい。例えば、電源は、1つ以上の電力アンテナを備える電力構成要素に電気的に接続されてもよく、電力アンテナは電磁場を放出し、電力が特定の共振周波数で印加された場合に、電磁場は伝送アンテナとの共振回路を形成することができる。共振回路は、伝送アンテナのインピーダンスに、又は伝送アンテナ、電力アンテナ、及び電源との間のインピーダンス整合に少なくとも部分的に基づいて有効になる。大部分のVHFの実施形態では、電力構成要素と伝送要素との組み合わせは、電源が30MHz~300MHzで動作しているときに共振周波数を実現するように設計されている。
【0012】
マルチ伝送アンテナの実施形態では、2つ以上の伝送アンテナは、単一の誘電体構成要素内に配置され、誘電体構成要素内に配置された結合構成要素を介して互いに電気的に結合されるように構成されてもよい。一実施形態では、結合構成要素は、2つの伝送アンテナ間にコンデンサを形成するように構成された導電性要素である。結合構成要素は、伝送アンテナと物理的に接触していてもよく、又はしていなくてもよい。しかしながら、特定の一実施形態では、結合構成要素は、伝送アンテナが埋め込まれている誘電体材料によって伝送アンテナから分離されている。
【0013】
本明細書に開示される伝送要素は、電気デバイス、ディスプレイ、及び/又はソーラーパネルの製造に使用される半導体基板を含むがこれらに限定されない、任意のタイプのプラズマ処理に使用されてもよい。本方法は、プラズマチャンバ内で準大気圧に維持されているガスをイオン化することによるか又は電気エネルギーを印加することにより生成されるプラズマで処理される、いかなる基板に対しても実現できる。一実施形態では、プラズマチャンバが所望の圧力、温度、及び/又は時間でプロセス化学物質(例えば、ガス)を受け入れる準備ができている間に、基板がプラズマチャンバに受け入れられ、基板ホルダに固定されてもよい。プラズマ処理チャンバに結合された電源(例えば、交流電源)から電気エネルギーを印加して、1つ以上の伝送アンテナを含む、伝送要素又は誘電体構造に対向する、電力伝送ライン内に伝送電流を誘導することにより、エネルギーがプラズマチャンバ内へと導入され得る。電力伝送ライン及び伝送要素は、電力構成要素内の伝送電流によって生じる電界に少なくとも部分的に基づいて、電力伝送ラインの電流が1つ以上の伝送アンテナ内に電流を誘導するように構成されている。特定の場合には、伝送アンテナのインピーダンスと、電源によって生成された電気エネルギーの周波数(例えば、共振周波数)とに少なくとも部分的に基づいて、電源、電力伝送ライン、及び伝送アンテナの間に共振回路が形成され得る。共振効果は、伝送アンテナへの入力電力を増幅してプロセスチャンバ内のガスに伝えるので、電力伝送ラインによって生成される電界は、伝送アンテナから放射される電磁場の振幅よりも小さい振幅を有する。ほとんどの場合、伝送アンテナによって伝送される電磁エネルギーは、伝送アンテナと基板との間に配置されたガスをイオン化するのに十分なエネルギーを有し、イオン化ガス(例えば、プラズマ)が基板を処理するために使用される。
【0014】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を例示し、上記の本発明の概要及び下記の詳細な説明と共に本発明を説明する役割を果たす。加えて、参照番号の左端の数字は、その参照番号が最初に現れる図面を示している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本開示の1つ以上の実施形態による、電力構成要素、伝送要素、及び基板ホルダを含むプラズマチャンバの概略断面図を示すプラズマ処理システムの代表的な実施形態の図である。
【
図2】本開示の1つ以上の実施形態による、電力伝送ラインを有する電力構成要素と、誘電体構造内に配置された伝送アンテナを有する伝送要素との側部断面図及び上部断面図を含む。
【
図3】本開示の1つ以上の逆平行の実施形態による、電力アンテナと、各伝送アンテナと、伝送アンテナ用の結合構成要素とを通る電流の流れる方向を強調する上部断面図及び側部断面図を含む。
【
図4】本開示の1つ以上の平行実施形態による、電力アンテナと、各伝送アンテナと、伝送アンテナ用の結合構成要素とを通る電流の流れる方向を強調する上部断面図及び側部断面図を含む。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の詳細説明は、本開示の一般的性質を完全に明らかにするであろう例示的な実施形態を含み、そのような例示的な実施形態は、他の人が関連技術の当業者の知識を適用することにより、過度な実験をすることなく、そして本開示の範囲から逸脱することなく、容易に修正及び/又は適合させることができるものである。したがって、そのような適合形態及び修正形態は、本明細書に提示される教示及び指導に基づく例示的な実施形態の意味及びその実施形態の複数の同等物の範囲内にあることが意図されている。本明細書における言い回し又は用語は、説明を目的としており、限定を目的としておらず、本明細書の言い回し又は用語は、本明細書における教示を考慮して、関連技術の当業者によって解釈されるべきであることを理解されたい。
【0017】
図1は、プラズマチャンバ102の内部ボリューム内に配置されたプロセス化学物質に電磁エネルギーを印加することによって形成されたプラズマ(図示せず)を使用して基板を処理するための、プラズマ処理システム100を示す。プロセス化学物質は、ガス供給ネットワーク104を介してプラズマチャンバ102に導入されてもよく、ガス供給ネットワークは、マスフローコントローラに一体化されたガス導管、逆止弁などを含んで、プラズマチャンバ102へのガス流を制御してもよい。加えて、プラズマチャンバ102と流体連通している真空システム106は、プラズマ生成中に準大気圧を維持し処理プロセスからの副生成物を除去することにより、圧力とガス供給ネットワーク104とのガス流とを協調的に制御してもよい。限定ではなく例として、真空システム106は、プラズマチャンバ102内の圧力を制御するための1つ以上のポンプ及び制御システム(例えば、N
2バラストシステム、バタフライバルブシステム)を含んでもよい。
【0018】
概して、プラズマ生成は、電磁エネルギー(例えば、電源108)を電気的に中性のガスに印加して、ガス分子から電子を放出させ、ガス分子は電子を失った結果として正に帯電する(例えば、イオンになる)ことにより行われ得る。イオンは、電子の総数が陽子の総数と等しくない結果として正電荷を有する分子又は原子として特徴付けられ得る。電気的に中性のガスからは、分子又は原子ラジカル(例えば、少なくとも1つの不対電子を有する分子又は原子)も生成され得る。一般に、ラジカルは中性の電荷を有する場合があり、イオンと比較して高い化学反応性を有する場合がある。時間の経過に伴い、ガス混合物内の電磁エネルギー及び増加する電子衝突により、ガス混合物内のイオン化分子及びラジカルの密度が増加する場合があり、基板110を処理するために使用され得る。
【0019】
プラズマチャンバシステム100は、特定のプロセス条件を変更して、基板に向かうイオン及び/又はラジカルの流れの量に影響を及ぼすことができ、その結果、イオン化された分子は、プラズマチャンバ102内の電位差によって影響を受けることができる。例えば、プラズマチャンバ102内の電位差は、イオン化された分子(又は原子、又はラジカル)を基板110に向かって導くことができる。イオン及びラジカルは基板110と相互作用し、基板110の表面を変化させるか、又はプラズマに曝露された基板110の一部分又は上にあるフィルムの一部分を除去することができる。特定の用途では、プラズマ処理の選択性及び制御は、電子デバイスにおいて益々小さくなるフィーチャサイズをパターニングするための重要な要素である。より低いイオンエネルギーは、基板110上の重なっている2つの膜の間の選択性を改善することができ、その結果、下にある膜の除去又は損傷を最小限に抑えながら、上にある膜は十分に除去される。より高いエッチング選択性を実現するためのアプローチの1つは、より低いイオンエネルギーを使用することである。これは、電子とイオンの正味の流束が定常状態に達したときに、プラズマと基板110の表面との間に形成されるプラズマシース又はポテンシャル障壁を最小限に抑えることにより実現される。所与のプラズマ密度に対してプラズマシースが大きい場合、イオンがシースを通過する際に得るエネルギーの量は大きくなる。しかしながら、イオンエネルギーが高いと、よりアグレッシブな処理につながる可能性があり、これは、選択性と均一性の目的で制御することがより困難である。VHFプラズマ処理は、より低いイオンエネルギーを可能にする高密度プラズマ及び比較的小さなプラズマシースを生成することが知られている。しかしながら、VHFプラズマの性質(例えば、高周波)は、プロセスチャンバ102と同等の波長を有する伝搬波に少なくとも部分的に基づいて、不均一な空間プラズマプロファイルを引き起こす場合がある。波長はプロセスチャンバの寸法と同等なので、中心などのウェハの特定の領域上での電磁場はウェハのエッジにおける電磁界よりも大きく、プラズマ密度に同様の不均一性を引き起こす。これに対して、波長がプロセスチャンバの寸法と同等であるという事実は、たとえ所望の領域に高磁場の領域が存在するように波の位相を調整することが可能であったとしても、プラズマ密度を制御できる長さスケールがウェハの寸法と同等であることを意味し、したがって、例えば、ガス分布、エッチング副生成物の排気、ウェハ温度の不均一性、又は補正されなければならない初期のプロセスステップから生じた不均一性、によって引き起こされる他の不均一性を相殺するための局所的な制御は不可能である。したがって、波長サイズゆえに、高密度及び小さなシースの効果をプラズマチャンバ102内で制御可能な方法で局所化することは厄介な問題である。
【0020】
VHFプラズマ処理は、既存の処理技術の実用的な代替手段になることができ、本明細書に開示されるシステム及び方法を使用して、制御可能な空間密度プロファイル及び比較的小さいシースサイズを可能にして、低損傷、高選択比の処理を可能にする。システムは、交流電源(例えば、電源108)を含んでもよく、交流電源は、VHFエネルギーを供給して電力構成要素114に沿って電磁場を生成し、電磁場は、電力構成要素114と基板ホルダ118との間に配置された伝送要素116内の1つ以上のアンテナ(図示せず)内に電流を誘導する。VHFエネルギーは共振周波数にて印加されて、電力構成要素114と伝送要素116との間に共振回路を形成して、プラズマ120と、基板110に対向する対応するプラズマシース122(縮尺は正しくない)とを生成し得る。プラズマシース122は、基板110とプラズマ120との間の電位差として観察され、基板110への電子及びイオンの流れを平衡化するように作用する。イオンはこのシースを横切って自然に加速されるが、その最終エネルギーは、1つ以上のバイアス技術(例えば、基板ホルダバイアス)を使用して、追加のエネルギーを付与して、プラズマシース122を横切るイオンを加速して、基板110と動力学的に相互作用させることにより増加させることができる。
【0021】
電力構成要素114と伝送要素116との間に形成される共振回路は、プラズマシースエッジ122に平行な電界分極を伴う誘導電界を生成することができ、これにより、誘導電界がプラズマに浸入すること、及びプラズマシース122に垂直な偏光を伴う表面モードを回避することが可能になる。アンテナ及び/又は電源によって生成された電界はプラズマに浸入し得るが、イオンの方向制御に影響を与えて基板110の不均一なエッチングを引き起こし得る、プラズマシース122に垂直な偏光を伴う表面モードを回避し得る。これまでは、方向制御の問題は、より大きな振幅のエネルギーを使用することで対処できたかも知れないが、より大きな振幅は、電界を非線形領域に追いやる可能性があり、それにより、プロセス及びハードウェアの複雑さが増加し、VHFプラズマ処理を使用することのコスト/品質の利点が失われる。
【0022】
図1では、プラズマチャンバ102の断面
図124は、電磁エネルギー(例えば、マイクロ波エネルギー、RFエネルギー)及びガス混合物(図示せず)を基板110に近接する領域に伝送することを可能にする電力構成要素114の一実施形態を示す。ガス混合物は、伝送要素116と基板ホルダ118との間のプラズマ処理領域へと導入され得る。プラズマ処理領域(例えば、プラズマ120)はまた、伝送要素116から共鳴応答を誘導するために使用されるVHFエネルギー源126からエネルギーを受け取ってもよい。電磁エネルギーは、電気導管(図示せず)を介して、VHFエネルギー源126から電力構成要素114に伝送され得る電磁エネルギー(例えば、無線周波数(RF)エネルギー@<300MHz)を含み得る。
図1の実施形態では、電力構成要素114を通る電流は、単一のVHFエネルギー源126によって駆動され、VHFエネルギー源は、電力構成要素114の周りに対応する電磁界を発生させ、この電磁界が、伝送要素116内のアンテナ(図示せず)内に平行電流の流れを誘導し得る。この場合、エネルギーを複数の伝送要素116に印加するために、単一の電力構成要素114が設計され得る。しかしながら、他の実施形態では、所望の用途、又は局所的なプラズマ密度若しくはシースサイズの程度に応じて、複数の電力構成要素114が、1つ以上の伝送要素114に電力を供給してもよい。それに応じて、電力構成要素114と伝送要素116との間のインピーダンス(例えば、アンテナ設計)に応じて、2つ以上のVHFエネルギー源126が、異なる共振周波数にて電力信号を印加するように構成されてもよく、これについては
図2~
図3についての記載で説明される。
【0023】
プラズマ処理領域内のガス混合物は、VHFエネルギー源126に加えて、第2の電源(例えば、バイアス電源128)から電磁エネルギーを受け取ってもよい。この第2の電源は、基板ホルダ118及び/又は基板110にバイアスを印加して、基板110に近接するプラズマの特性に影響を与え得る。いくつかの実施形態では、バイアス電源128及びVHFエネルギー源126は、プラズマ処理領域内にプラズマ120を生成させるために、一致して又は単独で動作してもよい。一実施形態では、バイアス電源128は、10MHz以上で50Wを超える電力を供給し得るRF電源であってもよい。基板ホルダ118及び電力構成要素114へのバイアス印加は、プラズマ処理領域内でのプラズマ生成を可能にするプロセスシーケンスを協調させることができるコントローラ130を使用することにより実現されてもよい。
【0024】
コントローラ130は、コンピュータプロセッサ132及びメモリ134を使用してコンピュータ可読命令を実行してもよく、コンピュータ可読命令は、電気通信ネットワーク136を介して提供されて、プラズマ処理システム100の構成要素(例えば、電源108、ガス供給部104など)を制御してもよい。1つ以上のコンピュータプロセッサ132は、限定するわけではないが、中央処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、複雑命令セットコンピュータ(CISC)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又はこれらの任意の組み合わせを含んでもよい。メモリ136は、1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体(「CRSM」)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のメモリは、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、フラッシュRAM、ソリッドステートメディアなどの非一時的媒体を含んでもよい。概して、コントローラ130は、プラズマ生成を可能にする処理イベントのシーケンスを制御してもよく、又は基板110に曝露され得る様々なタイプのプラズマ間の遷移を制御してもよい。
【0025】
図2は、プロセスチャンバ102の内部ボリューム内でプラズマを生成するために使用される、電力構成要素114と伝送要素116の組み合わせの1つの、側部断面
図200及び上面
図202を含む。ほとんどの場合、
図2に示すようなこれら構成要素の設計及び構成は、共振回路を形成する能力に少なくとも部分的に基づいており、共鳴回路は、1つ以上の電源108(例えば、VHFエネルギー源126)からの入力VHF電力信号を増幅し、増幅された信号は、プロセス化学物質と相互作用して、高密度で低イオンエネルギーのプラズマを生成して、基板ホルダ118上に配置されたマイクロエレクトロニクス基板110を処理する。一般に、共振条件が存在するのは、回路の容量性リアクタンスと誘導性リアクタンスが等しい大きさであって、誘導性要素(例えば、電力構成要素114)からの崩壊磁場が電流を生成し、その電流が回路の容量性要素(例えば、回路の伝送要素116)を充電し、交流電流が、誘導性要素において振動磁場を生成し、振動磁場が、それに対応して容量性要素を充電することにより、このプロセスが繰り返される場合である。
【0026】
断面
図200を参照すると、これは、伝送アンテナ206aと、電力構成要素114の対応する電力伝送ライン204aとを含む伝送要素116のうちの1つを通る断面を示すことを意図している。伝送アンテナ206a及び電力伝送ライン204aは、電力伝送ライン204を流れる交流電流によって生成された磁場が、伝送アンテナ206aに対向電流(counter current flow)を誘導するように、互いに電磁的に結合されるように設計及び構成されている。電力伝送ライン204aは、電力伝送ライン204の周囲に又は電力伝送ラインに近接して形成された又は配置された絶縁構造208によって、伝送要素116から電気的又は物理的に絶縁されてもよい。絶縁構造208は、電流が制御された及び/又は予測可能な形で(例えば、伝送要素116への短絡なしで)電力伝送ライン204を通って流れることを可能にする任意の非導電性材料で作製されてもよい。しかしながら、絶縁構造は、電力伝送ライン204と対応する伝送アンテナ206aとの間の電磁結合を依然として許容することになる。同様に、伝送アンテナ206aは、電力伝送ライン204aを流れる電流が伝送アンテナ206aを通って流れないように、伝送アンテナ206a電力構成要素114を物理的に分離する誘電体構造210内に配置されてもよい。しかしながら、誘電体構造210及び絶縁構造208は、電力伝送ライン204aを流れる電流によって生成された電力伝送ライン204aの周りの磁場が、伝送アンテナ206a内に電流を誘導することを可能にするように設計及び構成されている。誘電体構造210は、伝送アンテナ206aを電力伝送ライン204aから電気的に絶縁するが、電力構成要素114によって生成された磁場が、伝送アンテナ206a内に電流を誘導することを可能にする任意の誘電体材料で作製されてもよい。例えば、誘電体構造210は、アルミナ、石英、炭化ケイ素、又はこれらの組み合わせで作製されてもよく、基板処理中にプラズマ又はプロセス化学物質に曝露され得る少なくとも1つの表面(例えば、曝露された表面212)上に酸化イットリウムコーティングを含んでもよい。一実施形態では、曝露された表面212は、誘電体構造210の部分であって、基板ホルダ118が対向する部分、又は絶縁構造208と誘電体構造210との間の界面214に対向する部分であり得る。
図2の実施形態では、界面214は、電力構成要素114と伝送要素116との間にエアギャップ又は中間層を含まないが、他の実施形態では、電気的絶縁を強化するため、又は電力構成要素114をプラズマ又はプロセス化学物質から絶縁するために、エアギャップ又は中間層が存在してもよい。
【0027】
加えて、電力構成要素114及び伝送アンテナ206aの設計及び構成は、伝送アンテナ206aの近傍の電磁場を増幅する共振条件を実現することを意図しており、これらの電磁場は、電源108から発して電力構成要素114によって結合される電磁力から生じる。共振条件は、伝送アンテナ206aのインピーダンス、電力伝送ライン204のインピーダンス、VHF電源126の動作周波数、及び/又は絶縁構造208と誘電体構造210の誘電率、を含み得るがこれらに限定されない、1つ以上の設計基準の組み合わせに少なくとも部分的に基づいて存在し得る。インピーダンスは、交流電流の流れに対する、導電性要素の抵抗又はリアクタンスの指標である。より具体的には、デカルト形式では、インピーダンスは、回路の抵抗と見ることができ、電流又は電圧の変化に対する回路の抵抗は、回路(例えば、電力伝送ライン204、伝送アンテナ206aなど)のインダクタンス又は静電容量に少なくとも部分的に基づく。それゆえ、インピーダンスは回路構成要素のサイズ、形状、及び構成に依存するが、回路内での電流及び電圧の変化速度によっても影響を受け得る。それゆえ、インピーダンスは回路の物理的設計と動作条件を反映であり、インピーダンスは、電圧の変化に対する抵抗力として(例えば、容量性リアクタンス)、及び回路を通る電流の変化に対する抵抗力として(例えば、誘導性リアクタンス)測定できる。共振条件では、回路の容量性リアクタンスと誘導性リアクタンスは等しい大きさであって、誘導性要素(例えば、電力構成要素114)からの崩壊磁場が電流を生成し、その電流が回路の容量性要素(例えば、回路の伝送要素116)を充電し、交流電流が誘導性要素において振動磁場を生成することにより、このプロセスが繰り返される。典型的には、共振状態は、共振状態を予測可能且つ制御可能な形で開始する特定の共振周波数(例えば、電源108の動作周波数)で実現される。共振状態の結果として、共振回路(例えば、伝送アンテナ206a、電力伝送ライン204a、VHFエネルギー源126)から放出される電磁場の振幅は、電力構成要素114への入力電力信号の振幅よりも大きくなる。しかしながら、当業者によって理解されるように、伝送要素116の多くの実施形態において、他の設計上の考慮事項が考慮されてもよい。
【0028】
例えば、インピーダンスに加えて、共振回路の設計考慮事項では、伝送アンテナ206の長さが、入力波長の1/4、1/2、又は全波長と同じ長さであり得るように、入力電力の波長を考慮すべきである。VHF用途(例:30MHz~300MHz)では、伝送アンテナ206aの長さは、1/4波長用途では、250mm~2500mm、1/2波長用途では、500mm~5000mm、全波長用途では、最大で10,000mm、の範囲であり得る。それゆえ、場合によっては、伝送アンテナ206の長さは、端から端まで配置された場合、プロセスチャンバ102の直径よりも大きい場合がある。しかしながら、この問題は、伝送アンテナの長さがプロセスチャンバ102の直径よりも大きいにも関わらず、伝送アンテナ206を誘電体構造210内に分配又は構成して、比較的長い伝送アンテナ206aをプロセスチャンバ102内に配置することを可能にすることで解決される場合がある。例えば、伝送アンテナ206aは、誘電体構造210内に堆積された又は埋め込まれた、いくつかの部分を有する連続的なアンテナを含んでもよく、その結果、電流は、
図2に示すようにそれ自体の上に曲げ返されたアンテナ伝送アンテナ206aの各部分に沿って流れることができる。この部分は、伝送アンテナ206a内に電流を誘導する電力伝送ライン204aに直接電磁的に結合することが可能な伝送アンテナ206aの部分と、プロセスチャンバ102内のガスをイオン化することが可能な伝送アンテナ206aの部分と、前述した2つの部分を一緒に接続するために使用される伝送アンテナ206aの部分と、を含むように構成されてもよく、これらの部分の組み合わせが、伝送アンテナ206aがVHF信号と共振回路を形成するのに十分な長さをもたらす。
【0029】
例えば、
図2に示すように、伝送アンテナ206aは、誘電体構造210の底部表面222に対向する第1の部分220と、上部表面216に対向する第2の部分(例えば、第1の結合部分224a、第2の結合部分224b)と、第1の部分220と第2の部分との間に配置された第3の部分(例えば、第1の外側部分226a、第2の外側部分226b、第1の内側部分226c、及び第2の内側部分226d)と、を含んでもよい。これらの部分は、組み合わされた及び/又は連続する部分の全長が、伝送アンテナ206aに沿って配置されたVHF定在波が完全にプロセスチャンバ102内に存在することを可能にすることになるように、様々な設計及び構成で配置され得る。この特定の実施形態では、
図2に示すように、伝送アンテナ206aの第1の部分220は、底部表面222に対向する及び/又は平行である平面内で連続的に延び、第1の端部は、第1の外側部分226aに接続され、反対側の端部は伝送アンテナ206aは第2の外側部分226bに接続され、第1の結合部分224a及び第2の結合部分224bの対応する端部は、第1の外側部分226a又は第2の外側部分226bの対応する端部と電気的に接続されている又は対になっており、結合部分の反対側の端部は、
図2に示すように、伝送アンテナ206aの第1の内側部分226c及び第2の内側部分226dの対応する端部に接続されている。この実施形態では、内側部分226c、226dは、2つの部分間に配置された垂直軸に沿って互いに対称であるが、他の実施形態では対称である必要はなく、内側部分の一部は、伝送要素116内でVHF定在波を得るのに適切な伝送アンテナ206aの全長を得るために、互いの上に曲げ返されている。しかしながら、
図2に示す実施形態は、単なる例示であり、本開示の範囲はこの特定の実施形態に限定されるべきではない。
【0030】
いくつかの実施形態では、導波管要素228が、第1の内側部分226c及び/又は第2の内側部分226dの曲げられた部分間に配置されて、伝送アンテナ206aに沿って伝搬する電磁波を導いてもよい。一例では、導波管要素228は、伝送アンテナ206aに類似した導電性材料で作製されてもよく、代わりに、伝送アンテナ206aとは異なる材料で構成されてもよい。導波管要素の長さ及び向きは、第1の内側部分226c及び第2の内側部分226dの設計に依存し、第1の部分220と第2の部分との間に配置された第3の部分の長い異なる部分の間に配置することができる。しかしながら、伝送アンテナ206の第1の部分、第2の部分、及び第3の部分を合わせた長さは、伝送アンテナ206a、電力アンテナ204a、及び電源108の間に共振回路を形成すること、又はこれらの間のインピーダンスを整合させることに少なくとも部分的に基づき、電源は、30MHz~300MHzの周波数にて電力アンテナ204aにエネルギーを印加し得る。
【0031】
図2の実施形態では、第1の部分220は、プロセス化学物質又はプラズマ120に最も近く、第1の部分220から放射される電磁場は、プロセス処理中にプラズマチャンバ102内に配置された任意のプロセス化学物質をイオン化させ得る。第1の部分220の寸法は、基板110のサイズ、プロセスチャンバ102、及び/又は所望の共振条件(例えば、伝送要素インピーダンス、ソース周波数)に応じて、50mm~500mmの範囲であり得る。大部分の実施形態では、第1の部分の長さは約200mm~約400mmとなるが、特定の一実施形態では、第1の部分220は約350mmとなる。しかしながら、
図2の実施形態は説明の目的で使用されており、フラットパネルディスプレイ又は他の産業用途などの特定の大型基板用途では、第1の部分の長さは500mmを超える場合がある。
【0032】
いくつかの実施形態では、伝送要素116は、
図2の上面
図202に示すように、デュアル伝送アンテナ206a、206bで構成されてもよく、各伝送要素116は、同じ又は類似の設計のものである。例示及び説明の目的で、上面
図202では、電力構成要素114の絶縁構造208を除外し、誘電体構造210は、伝送アンテナ206a、206b、導波管228、及び第1及び第2の結合インタフェース(例えば、230a、230b)の詳細を示すために透明に示している。
【0033】
図2の実施形態では、伝送アンテナ206は、互いに隣接していてもよく、1つ以上の結合インタフェース(例えば、第1の結合インタフェース230a、第2の結合インタフェース230b)を使用して互いに電磁的に結合されることができてもよい。
図2の実施形態では、伝送アンテナ206は、それらの長さに沿って互いに隣接して平行に置かれており、結合インタフェース230a、230bが伝送アンテナ206a、206bと平行板コンデンサを形成するように、結合インタフェース230a、230bは伝送アンテナ206a、206bの下から垂直に延びている。第1の結合インタフェース230aは、第1の伝送アンテナ206aの第1の内側部分226cの下から、第2の伝送アンテナ206bの第1の内側部分(上面
図202では図示せず)の下まで延びている。同様に、第2の結合インタフェース230bは、第1の伝送アンテナ206aの第2の内側部分226dの下から、第2の伝送アンテナ206bの第2の内側部分(上面
図202では図示せず)の下まで延びている。この実施形態では、伝送アンテナ206a、206bは、対応する結合インタフェース230a、230bと伝送アンテナ206a、206bとの間に平行板コンデンサを同時に形成することにより、互いに結合することができる。
【0034】
結合インタフェース230a、230Bは、伝送アンテナ206a、206bのそれぞれの電磁エネルギーが互いに相互作用して、重ね合わせの理論により電磁エネルギーを変調することを可能にし、電磁エネルギーは、底部表面222において及び/又はプロセスチャンバ102内でプロセス化学物質に曝露される。第1の結合インタフェース230a及び第2の結合インタフェース230bは、誘電体構造210内に埋め込まれた結合構成要素の基礎を形成する。結合構成要素又はインタフェースは、伝送アンテナ206aと同様の又は異なる導電性材料で作製されてもよい。
図1の別の実施形態では、各伝送要素116は、別個の電源108から電力供給され、それら自体の対応する電力伝送ライン204(例えば、電力伝送アンテナ)から電磁エネルギーを受け取る。
【0035】
図3及び
図4は、
図2の上面
図202に示されるデュアル伝送アンテナの実現形態を示す。この実施形態では、対応する電源108は、電磁エネルギーを、相補モード又は非相補モードで伝送アンテナ206a、206bのそれぞれに印加して、伝送要素116から伝送されるエネルギーを変調する。例えば、相補的相互作用は生じるのは、各伝送アンテナ206a、206bを流れる電流が同じ方向に(例えば、互いに平行に)流れ、その結果、重ね合わせの原理により理解されるように、同様の周波数及び/又は位相の電磁エネルギーが一緒に統合されて、より大きな波を生成するときである。この場合、対応する伝送アンテナ206の2つの部分220を通って流れる電流は電磁場を生成し、この電磁波が互いに実質的に補強し、したがってプラズマを含む空隙の中へと至る。非相補的相互作用では、電流は、各伝送アンテナ206a、206bを反対方向に通って流れ(例えば、互いに逆平行)、その結果、2つの電磁波は、同じ周波数及び/又は振幅を有し得るが、同じ位相角は有しない場合がある。この場合、波の相互作用は、プロセス化学物質に到達する電磁エネルギーを変調又は減衰し、その結果、エネルギーの分布又は均一性を必要に応じて変調又は調整できる。この場合、それらの対応する伝送アンテナ206a、206bの部分(例えば、第1の部分220)を流れる電流は、反対方向に流れ、したがって、それらが生成する電磁場は、実質的に互いに向きが反対である。2つの伝送アンテナ206a、206bから遠く離れた場所では正味の電界は生成されず、したがって電界は、伝送要素116に近い領域に、より密集して閉じ込められる。
【0036】
図3は、上面
図300で分かるように、デュアル伝送アンテナ(例えば、第1の伝送アンテナ206a、第2の伝送アンテナ206b)間の非相補的相互作用の例を示し、電力伝送ライン(例えば、第1の電力伝送ライン204a、第2の電力伝送ライン204b)には逆平行の電力信号が導入されており、この電力信号が同様に、2つの伝送アンテナ206a、206b間に逆平行電流を誘導し、対応する結合インタフェース(例えば、第1の結合インタフェース230a、第2の結合インタフェース230b)に逆平行電流を誘導し得る。上面
図300に示すように、第1の電力電流302aの流れが、第2の電力電流302bの流れとは反対方向であるという点で、電源108からの入力電流は反対方向にある。同様に、電力伝送ライン(第1の電力伝送ライン204a、第2の電力伝送ライン204b)における電流によって、対応する伝送アンテナ(第1の伝送アンテナ206a、第2の伝送アンテナ206b)に誘導される電流は反対方向になる。
【0037】
図3の断面図を参照すると、第1の伝送要素206aの第1の断面
図304は、上面
図300に示すAA-AA断面線で示すように要素を見たことを表す。同様に、第2の伝送要素206bの第2の断面
図306は、上面
図300に示すBB-BB断面線で要素を見たことを表す。
図3及び
図4は、これらの断面線において第3の角度への投影規則を使用している。第1の断面
図304では、第1の電力電流302aは、第1の電力伝送ライン204aを通って流れ、電磁場(図示せず)を生成し、電磁場は、第1の伝送アンテナ206aを通る第1の伝送電流308aの流れを誘導し、この電流は、第1の電力電流302aと同様に振動することになる。同様に、第1の電力電流302aとは反対方向に流れる第2の電力電流302bは、第2の伝送アンテナ206bを通る第2の伝送電流308bを、反対方向に、すなわち逆平行方向に誘導することになる。このように、交流電力信号の組み合わせは、第1の伝送アンテナ206aと第2の伝送アンテナ206bとの間に振動電位差を生成し、これは、結合インタフェース230a、230bを介して可能になる、伝送要素206a、206b間の容量結合に影響を与え、その結果、第1の結合インタフェース230a及び第2の結合インタフェース230bに誘導された電流の流れもまた、反対方向に振動して、各結合インタフェースに沿って振動電磁場(例えば、第1の結合場310a、第2の結合場310b)を形成する。電流が308a及び308bの上の矢印で示す方向を有するのと同時点での結合要素230a及び230bにおけるRF電流の方向を、矢印規則を使用して示す。円内の点は、見ている人に向かって電流が図の平面から流出していることを示し、円内の十字は、見ている人から離れるように電流が図の平面から流入していることを示す。したがって、断面AAを参照すると、第1の伝送電流308aは、第1の結合インタフェース230aのすぐ上にある第1の伝送アンテナ206aの要素に沿って下向きに流れ、電流の流れ308aは、第1の結合インタフェース230a内に電流を誘導し、それにより、第1の結合場310aが第1の結合インタフェース230aの周りに反時計回り方向に生成される。それに応じて、第1の結合インタフェース230aとは反対方向に流れる電流に基づいて、第2の結合場310bが第2の結合インタフェース230bの周りに時計回り方向に形成される。
【0038】
図4は、上面
図300で分かるように、デュアル伝送要素(例えば、第1の伝送アンテナ206a、第2の伝送アンテナ206b)間の相補的相互作用の例を示し、電力伝送ライン(例えば、第1の電力伝送ライン402a、第2の電力伝送ライン402b)に平行の電力信号が導入されている。この場合、電流は互いに平行なので、結合要素230a及び230bには電流は流れない。上面
図400に示すように、電源108からの入力電流は、同じ方向である(例えば、第1の平行電力電流402a、第2の平行電力電流402b)。同様に、電力伝送ラインの電流によって、対応する伝送アンテナ(第1の伝送アンテナ206a、第2の伝送アンテナ206b)に誘導される電流は、電力伝送ライン402a、402bを通って流れる電流とは反対方向になる。
【0039】
図4の断面図を参照すると、第1の伝送アンテナ206aの第1の断面
図404は、上面
図400に示すCC-CC断面線で示すように要素を見たことを表す。同様に、第2の伝送アンテナ206bの第2の断面
図406は、上面
図400に示すDD-DD断面線で要素を見たことを表す。第1の断面
図404では、第1の電力電流402aは、第1の電力伝送ライン204aを通って流れ、電磁場(図示せず)を生成し、電磁場は、第1の伝送アンテナ206aを通る第1の平行伝送電流408aの流れを誘導し、この電流は、第1の平行電流402aと同様に振動することになる。同様に、第1の平行電流402aと同じ方向に流れる第2の平行電流402bは、第2の伝送要素206bを通る第2の平行伝送電流408bを、同方向に、すなわち平行方向に誘導することになる。電流は伝送アンテナ206a及び206b内で同じ方向に流れているので、結合要素230a及び230bには電流が存在しない。このため、電流が平行である共振モードと、電流が逆平行である共振モードでは、異なる共振周波数を有する。更に、逆平行電流が流れる場合よりも、平行電流が要素から更に延びている場合、伝送アンテナ206a及び206bの対の下で生成される場は異なる。構造を適切な周波数で励起することにより、所望の平行モードか逆平行モードを励起することができ、それにより、場がプラズマ内へと浸入する距離が影響を受ける。マクスウェル方程式は線形なので、2つの解を重ね合わせることができ、したがって、2つのモードをそれぞれ、他方と比較して異なる相対的な程度で同時に励起することにより、プラズマ内へと浸入する磁場の範囲を連続的に変化させることができる。
【0040】
以下の詳細な説明では、本開示内で一貫した例示的な実施形態を説明するために添付図面を参照する。詳細な説明における、「一実施形態」、「実施形態」、「例示的な実施形態」などへの参照は、記載された例示的な実施形態が、特定の特徴、構造、又は特性を含むことができるが、全ての例示的な実施形態が、その特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含むとは限らないことを示す。その上、このような語句が、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。更に、特定の特徴、構造、又は特性が実施形態に関連して記載される場合、明確に記載されているか否かに関わらず、他の例示的な実施形態に関連して、このような特定の特徴、構造、又は特性に影響を及ぼすことは、関連する当業者の知識の範囲内にある。
【0041】
本明細書で使用される「基板」又は「マイクロエレクトロニクス基板」は、本明細書に記載される実施形態に従って処理される対象物を総称して指す。マイクロエレクトロニクス基板は、デバイス、特に半導体又は他の電子デバイスの任意の材料部分又は構造を含むことができ、例えば、半導体基板などのベース基板構造、又はベース基板構造上の若しくはそれをオーバーレイする、薄膜などの層であってもよい。したがって、基板を、パターン化された又はパターン化されていない、任意の特定のベース構造、下位層、又は上位層に限定することは意図されておらず、むしろ任意のこのような層、又はベース構造、並びに、層及び/又はベース構造の任意の組み合わせを含むことが企図されている。以下の説明では、特定の種類の基板を参照する場合があるが、これは例示を目的としたもの過ぎず、限定ではない。
【0042】
本明細書に記載の例示的な実施形態は、例示の目的で提供されており、限定するものではない。他の実施形態が可能であり、本開示の範囲内で例示的な実施形態に変更を加えることができる。したがって、詳細な説明は、本開示を限定する意図はない。むしろ、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲及びその同等物によってのみ定義される。
【0043】
特許請求の範囲を解釈するために、要約セクションではなく、詳細説明セクションを使用することを意図していることを理解されたい。要約セクションは、1つ以上の、しかし全てではない、例示的な実施形態について記述でき、したがって、本開示及び添付の特許請求の範囲を、いかなる形であれ限定することは意図されていない。
【0044】
本発明が、本発明の1つ以上の例示的な実施形態の記載により示され、実施形態がある程度詳細に記載されたが、添付の特許請求の範囲を、そのような詳細に制限すること又はいかなる形であれ限定することは意図されていない。当業者であれば、更なる利点及び修正が容易に想起されるであろう。したがって、本発明は、そのより広い態様において、図示及び記載された特定の詳細、代表的な装置及び方法、並びに例示的実施例に限定されるものではない。したがって、一般的発明概念の範囲から逸脱しない限り、そのような詳細からの逸脱が行われてよい。
【国際調査報告】