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▶ ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェンの特許一覧

特表2022-526123少なくとも1つの製品調製成分のためのパッキングシステム、および製品調製成分を取り扱うための対応する方法
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  • 特表-少なくとも1つの製品調製成分のためのパッキングシステム、および製品調製成分を取り扱うための対応する方法 図1
  • 特表-少なくとも1つの製品調製成分のためのパッキングシステム、および製品調製成分を取り扱うための対応する方法 図2
  • 特表-少なくとも1つの製品調製成分のためのパッキングシステム、および製品調製成分を取り扱うための対応する方法 図3
  • 特表-少なくとも1つの製品調製成分のためのパッキングシステム、および製品調製成分を取り扱うための対応する方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-23
(54)【発明の名称】少なくとも1つの製品調製成分のためのパッキングシステム、および製品調製成分を取り扱うための対応する方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 51/28 20060101AFI20220516BHJP
   B65D 81/32 20060101ALI20220516BHJP
【FI】
B65D51/28 100
B65D81/32 T
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021556415
(86)(22)【出願日】2020-03-03
(85)【翻訳文提出日】2021-09-17
(86)【国際出願番号】 EP2020055523
(87)【国際公開番号】W WO2020187557
(87)【国際公開日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】102019203858.1
(32)【優先日】2019-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【弁理士】
【氏名又は名称】森住 憲一
(74)【代理人】
【識別番号】100122297
【弁理士】
【氏名又は名称】西下 正石
(72)【発明者】
【氏名】ロンバール,アントワーヌ
【テーマコード(参考)】
3E013
3E084
【Fターム(参考)】
3E013AB07
3E013AB08
3E013AC01
3E013AC03
3E013AC11
3E013AC13
3E013AC15
3E013AC19
3E013AD02
3E013AD06
3E013AE02
3E013AE12
3E013AE13
3E013AF02
3E013AF17
3E013AF22
3E084AA04
3E084AA12
3E084AA26
3E084AA32
3E084AB01
3E084BA02
3E084CA01
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB12
3E084DB17
3E084DC03
3E084FA09
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084JA01
3E084KB03
3E084LA24
3E084LD01
(57)【要約】
【課題】
【解決手段】 本発明は、第1の製品調製成分を保存するための第1の容器10と、任意ではあるが少なくとも1つの他の製品調製成分を保存するための第2の容器20と、閉塞要素40によって第1の容器の開口部11を周囲から密封し、第2の容器を接続するため、及び第1の容器と第2の容器との間の流体接続を確立するための接続装置30を備える閉塞装置3と、を備える、少なくとも1つの製品調製成分のためのパッキングシステム1に関する。本発明は、少なくとも1つの他の製品調製成分を扱う対応する方法に関する。本発明の目的は、信頼性の高いパッキングシステムを確保することであり、このシステムは、主に、保存された製品調製成分の使い勝手のいい扱いを可能にする。これは、閉塞装置を形成するために、閉塞要素及び接続装置が、取り外し不可能な方法で別個の部材としてともに接続されることによって達成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の製品調製成分を保存するための第1の容器(10)と、
任意ではあるが少なくとも1つの他の製品調製成分を保存するための第2の容器(20)と、
閉塞要素(40)によって前記第1の容器(10)の開口部(11)を周囲から密封し、前記第2の容器(20)を接続するため、および前記第1の容器(10)と前記第2の容器(20)との間の流体接続を確立するための接続装置(30)を備える閉塞装置(3)と、
を備え、
前記閉塞装置(3)を形成するために、前記閉塞要素(40)および前記接続装置(30)が別個の構成要素として、取り外し不可能な方法で接続されていることを特徴とする、少なくとも1つの製品調製成分のためのパッキングシステム(1)。
【請求項2】
前記閉塞要素(40)が、破壊されずに、締結スリーブ(41)によって前記第1の容器(10)に取り外し不可能な方法で接続されている、請求項1に記載のパッキングシステム(1)。
【請求項3】
前記閉塞要素(40)は、前記閉塞装置(3)の初期状態において、所定のブレイクポイント(52)を介して前記閉塞要素(40)の前記締結スリーブ(41)に接続されているキャップ(45)を含む、請求項1又は2に記載のパッキングシステム(1)。
【請求項4】
前記キャップ(45)は、前記閉塞装置(3)の軸(4)に対して軸方向に前記接続装置(30)に対して相対的に移動可能であり、かつ、前記軸(4)を中心とした回転に対して固定されるように配置されている、請求項3に記載のパッキングシステム(1)。
【請求項5】
前記接続装置(30)は、前記第2の容器(20)にねじ込むためのねじ山(31)を備える、請求項1~4のいずれか1つに記載のパッキングシステム(1)。
【請求項6】
前記締結スリーブ(41)および前記接続装置(30)はそれぞれ、少なくとも1つの相互に対応する回転停止要素(33、43)を有しており、前記回転停止要素は、対応する前記回転停止要素(33、43)が互いに突き当たるまでのみ、前記閉塞装置(3)の前記軸(4)に対する、前記締結スリーブ(41)および前記接続装置(30)の相対的な回転を可能にする、請求項1~5のいずれか1つに記載のパッキングシステム(1)。
【請求項7】
前記締結スリーブ(41)または前記接続装置(30)のいずれかが、前記閉塞装置(3)の前記軸(4)を中心とした前記締結スリーブ(41)と前記接続装置(30)との間の前記相対的な回転のための開始停止および終了停止が形成されるように、前記接続装置(30)または前記締結スリーブ(41)の前記少なくとも1つの対応する回転停止要素(33、43)と相互作用する少なくとも2つの回転停止要素(43、33)を備える、請求項6に記載のパッキングシステム(1)。
【請求項8】
前記キャップ(45)は、前記接続装置(30)の前記ねじ山(31)の回転方向とは逆の回転方向を有するねじ山(46)を介して前記第1の容器(10)に接続されている、請求項1~7のいずれか1項に記載のパッキングシステム(1)。
【請求項9】
前記キャップ(45)がポット状の主構造を有し、少なくとも1つの開口部(51)が前記キャップ(45)の前記周壁(49)に設けられている、請求項1~8のいずれか1項に記載のパッキングシステム(1)。
【請求項10】
前記第2の容器(20)が前記閉塞装置(3)によって前記第1の容器(10)に接続された後に、前記第1の製品調製成分を前記少なくとも1つの他の製品調製成分と混合するために、別の製品調製成分が前記第2の容器(20)に保存される、請求項1~9のいずれか1項に記載のパッキングシステム(1)。
【請求項11】
前記閉塞装置(3)は、前記第2の容器(20)に液密方式で接続可能である、請求項1~10のいずれか1項に記載のパッキングシステム(1)。
【請求項12】
前記第1の容器(10)および/または前記第2の容器(20)との液密方式で接続を確実にするために、前記閉塞装置(3)が少なくとも1つの閉塞要素(34、48、53、54)を有する、請求項1~11のいずれか1項に記載のパッキングシステム(1)。
【請求項13】
a.前記接続装置(30)上および前記第2の容器(20)上の対応するねじ山(31、21)を係合させることにより、前記閉塞装置(3)によって前記第1の容器(10)を前記第2の容器(20)に取り付ける工程と、
b.前記接続装置(30)と前記第2の容器(20)との間の前記接続終了位置まで、前記接続装置(30)によって、前記閉塞装置(3)を前記第2の容器(20)にねじ込む工程と、
c.前記第1の容器(10)または前記閉塞要素(40)と、前記第2の容器(20)と、の間の相対的な回転を継続し、前記接続装置(30)に対する相対的な回転に対して固定されるように配置された前記キャップ(45)を、前記所定のブレイクポイント(52)で前記閉塞要素(40)から分離する工程と、
d.前記第1の容器()または前記閉塞要素(40)と、前記第2の容器(20)と、の間の前記相対的な回転をさらに継続し、前記分離されたキャップ(45)は、前記接続装置(30)の前記ねじ山(31)の回転方向と反対の回転方向を有するねじ山(46)によって、前記第1の容器(10)に接続され、その結果、前記キャップ(45)は前記第1の容器(10)からねじが外される工程と、
e.ポット状であり、少なくとも部分的にねじ切られていないキャップ(45)の周壁(49)に設けられた少なくとも1つの開放された開口部(51)を介して、前記第1の容器(10)と前記第2の容器(20)との間に流体的な接続を形成する工程と、
f.前記製品調製成分を、前記第1の容器(10)から前記第2の容器(20)に移す工程と、
を含む、請求項4又は5に記載のパッキングシステム(3)を用いて、少なくとも1つの製品調製成分を第1の容器(10)から第2の容器(20)に移す方法。
【請求項14】
a.前記接続装置(30)上および前記第2の容器(20)上の対応するねじ山(31、21)を係合させることにより、前記閉塞装置(3)によって前記第1の容器(10)を前記第2の容器(20)に取り付ける工程と、
b.前記接続装置(30)と前記第2の容器(20)との間の前記接続終了位置まで、前記接続装置(30)によって、前記閉塞装置(3)を前記第2の容器(20)にねじ込む工程と、
c.前記第1の容器(10)または前記閉塞要素(40)と、前記第2の容器(20)と、の間の前記相対的な回転を継続し、前記接続装置(30)に対する相対的な回転に対して固定されるように配置された前記キャップ(45)を、前記所定のブレイクポイント(52)で前記閉塞要素(40)から分離する工程と、
d.前記第1の容器(10)または前記閉塞要素(40)と、前記第2の容器(20)と、の間の前記相対的な回転をさらに継続し、前記分離されたキャップ(45)は、前記接続装置(30)の前記ねじ山(31)の回転方向と反対の回転方向を有するねじ山(46)によって前記第1の容器(10)に接続され、その結果、前記キャップ(45)は前記第1の容器(10)からねじが外される工程と、
e.ポット状であり、少なくとも部分的にねじ切られていないキャップ(45)の周壁(49)に設けられた少なくとも1つの開放された開口部(51)を介して、前記第1の容器(10)と前記第2の容器(20)との間に流体的な接続を形成する工程と、
f.前記第1の製品調製成分を、前記第1の容器(10)から前記第2の容器(20)に移す工程と、
g.前記第1の容器(10)および/または前記第2の容器(20)内で、前記2つの製品調製成分を混合する工程と、
を含む、第1の製品調製成分を保存するための第1の容器(10)と、少なくとも1つの他の製品調製成分を保存するための第2の容器(20)とを備える、請求項4又は5に記載のパッキングシステム(1)を用いて多成分製品調製物を混合する方法。
【請求項15】
前記相対的な回転方向が前記工程e~aに従って逆転したとき、前記2つの容器(10、20)をアナログ的に再び接続解除できるように、前記2つの容器(10、20)を接続するための前記法工程a~eが、可逆的に実施することができる、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記閉塞装置(3)の前記軸(4)を中心とした前記締結スリーブ(41)と前記接続装置(30)との間の前記相対的な回転が、前記締結スリーブ(41)と前記接続装置(30)に設けられた相互に対応する回転停止要素(43、33)によって、360°未満の回転範囲に制限され、前記回転停止要素は対応する前記回転停止要素(43、33)の開始停止位置と終了停止位置との間でのみ相対回転できる、請求項13~15のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の製品調製成分を保存するための第1の容器と、任意に少なくとも1つの他の製品調製成分を保存するための第2の容器と、閉塞要素によって第1の容器の開口部を周囲(環境)から封鎖する閉塞装置であって、第2の容器を閉塞装置に接続し、第1の容器と第2の容器との間に流体接続を確立するための接続装置を備える、少なくとも1つの製品調製成分のためのパッキングシステムに関する。本発明はまた、この製品調製成分を取り扱うための対応する方法にも関する。このようなパッキングシステムは、最初は別々に保管されていた流動性のある製品調製成分を目的とした混合するために使用されることが多く、主に2成分または多成分の製品調製物を使用する際に使用され、このような調製物では、個々の調製成分がその化学組成のために互いに配合禁忌である、または非常に化学的に反応するため、実際に使用される直前にのみ混合する必要がある。このような多成分製品の調合と使用は、特に化粧品、医薬品、食品、洗剤・洗浄剤の分野で原理的に知られている。
【背景技術】
【0002】
例えば、ドイツの実用新案DE 29721872 U1には、2つの容器を接続するための配置が記載されており、その目的は、最初に容器内に別々に保存された液体を混合することである。ここに記載されている接続配置は、特に、染毛剤の個々の成分を混合するのに役立ち、個々の成分は互いに配合禁忌であり、実際に使用するまでは別々の容器に互いに分けて保存しなければならない。すぐに使える染毛剤を形成するための個々の成分の混合は、使用の直前に行われる。この目的のために、接続配置は2つの接続要素を有し、それぞれが関連する容器を接続することができる。接続要素は、それぞれの容器の内部と流体連通する流路を形成している。さらに、2つの流路は、接続配置内で互いに揃えて並べられている。また、この接続装置は、第1の位置と第2の位置との間で移動可能なように、1つの流路に配置された制御要素を有している。制御要素の位置に応じて、流路の開閉ができる。したがって、制御要素の位置に応じて、流路を通る流れ、及び接続配置全体を通る流れが可能になったり、阻止されたりする。接続配置の初期状態では、通常、流路は閉じられている。密封機能を向上させるために、追加のプラグが提供され、このプラグは接続配置の初期状態で流路を閉鎖する。使用時には、シフト可能な制御要素の働きでプラグが取り外され、流体が通過できるように流路が確保される。
【0003】
WO2007/111667 A2には、2つの容器内容物を別々に保存するために2つの容器を備える別のシステムが記載されており、このシステムでは、2つの容器を連結する接続装置によって、異なる容器内容物を使用直前に混合することができる。この目的のために、接続装置は、閉位置と開位置との間で移動自在な弁配置を有する。開放弁位置では、2つの容器間の流体接続を形成する接続装置内の流路が確保される。したがって、開弁位置では、2つの容器の内容物を混合することができる。
【0004】
上述のパッキングシステムは、原理的には異なる物質を別々に保存し、実際に使用する直前にそれらを混合することができるが、個々の製品調製成分を別々に保存し、効率的に取り扱うという点では、機能的に不十分である。これは、例えば、化学反応性の高い物質や危険性のある物質をこの種のパッキングシステムで保存する場合に特に当てはまる。この点で、前述のパッキングシステムは、非常に特殊な化学物質の取り扱いにのみ適している。
【0005】
このことを念頭に置いて、本発明が取り組む課題は、できるだけ多くの異なる化学物質からなる製品調製成分の安全な保存および取り扱いを可能にする、少なくとも1つの製品調製成分のための閉鎖型パッキングシステムを提供することである。特に、本発明によるパッキングシステムは、化学的に反応性の高いまたは危険な物質を安全かつ使い勝手の良い取り扱いを可能にするべきである。
【0006】
この問題は、請求項1に記載の少なくとも1つの製品調製成分のためのパッキングシステムによって解決される。このパッキングシステム全体は、次に、第1の製品調製成分を保存するための第1の容器と、任意に少なくとも1つの他の製品調製成分を保存するための第2の容器と、多機能の閉塞装置とを実質的に備える。この閉塞装置は、閉塞要素によって、第1の容器の開口部を周囲から密封することができる。このようにして、とりわけ、化学反応性物質や危険物質を第1の容器に安全に保存することができる。第1の容器の密閉された閉鎖により、第1の容器からの物質成分は周囲に放出されず、例えば空気中の湿度や大気中の酸素などの周囲の条件が、化学反応により第1の容器内の物質成分に悪影響を及ぼすことはない。また、閉塞装置は、第2の容器を閉塞装置に取り外し可能に接続して、第1の容器と第2の容器との間の流体接続を確立するための接続装置を備えている。閉塞装置は、閉塞装置が接続装置によって第2の容器に完全に接続されている場合にのみ、第1の容器と第2の容器との間、すなわち第1の容器の開口部、の流体的接続が達成されるように設計されている。第1の容器から周囲への製品調製成分の望ましくない排出は、このようにして効果的に防止される。実際、製品調製成分は、接続が行われた後にのみ、第1の容器から第2の容器に排出される。この場合、元々別個の構成要素である閉塞要素と接続装置とが非可逆的に接合されて、閉塞装置が形成される。このようにして、閉塞要素と接続装置は、特に容易に、例えば射出成形などの適切な方法で互いに独立して製造することができ、接合された状態で、すなわち閉塞装置として、共通の構造ユニットとして有利に取り扱うことができる。閉塞要素と接続装置の接合は、スナッププロセスまたは同等の接合ステップによって行うことができる。この場合、閉塞要素と接続装置は、力の作用下で閉塞装置の軸に対して軸方向に押し合わされ、実質的に取り外し不可能な方法でスナップフィットしている。ここで、閉塞要素と接続装置との間の取り外し不可能な接続は、一度接続された2つの部品が、非破壊的な方法で互いから取り外しできないことを意味する。
【0007】
本発明において、「製品調製物」または「製品調製物成分」という用語は、原則として、流動性のある、かつ/または、注ぎ可能な物質を意味すると理解すべきである。これには、一般的に相当する流動特性を有する、すべての液体、ゲル、ペースト状、または同等の高粘度物質と、一般的に相当する流動特性または注ぎ特性を有する、すべての粉末、粒子状、顆粒状、または同等の固体物質の両方が含まれる。ここで、「製品調製物」または「製品調製成分」は、それぞれ個別の化学物質と物質の混合物の両方を含む。
【0008】
パッキングシステムの有利な実施形態によれば、閉塞要素(すなわち閉塞装置全体)は、その破壊を除いて、締結スリーブによって第1の容器に取り外し不可能に接続されている。本内容において、「取り外し不可能」とは、閉塞要素または締結スリーブが、非破壊的な方法で第1の容器から取り外せないことを意味する。締結スリーブと第1の容器との間の取り外し不可能な接続は、好ましくは、スナップ嵌めまたはねじ込み/スナップ嵌めの組み合わせによって達成される。接続の観点から、締結スリーブは、特に有利には、第1の容器にスナップ嵌めすることができる。このような方法で第1の容器に取り外し不可能に接続されることにより、閉塞装置は、第1の容器内での製品調製成分の極めて信頼性の高い密封保存を実現する。これにより、消費者が第1の容器を開けることができず、製品調製成分が第1の容器から周囲に意図せずに漏れてしまうこともない。同様に、第1の容器に保存された製品調製成分は、密封された容器の閉鎖の結果、空気中の湿度や大気中の酸素などの望ましくない環境の影響から確実に保護される。この点で、このようなパッキングシステムは、特に、化学反応性が高く、危険性のある物質を第1の容器に保存して取り扱うことも可能である。
【0009】
本発明の内容における「容器」とは、様々な形状の容器を意味すると理解すべきであり、これらの容器は、容器の内部が、容器の内容物を排出するための開口部を有する容器壁によって囲まれている点で共通している。容器の開口部は、適切な閉塞要素によって開放または閉鎖することができる。したがって、このような容器は、さまざまなデザインを有し得る。しかしながら、ボトル、パウチ、キャニスター、ジャー、チューブなどのデザインの容器が特に適している。容器の材質については、使用目的に応じて、容器の内容物を保護するために、その物理的特性により周囲から、特に大気中の酸素や湿度に対して十分なバリア効果が得られる材質を選択する必要がある。さらに、容器材料は、容器内容物との化学的・物理的反応性に関して十分に不活性であるように設計されるべきである。ガラス、PPやPTFEなどの適切なプラスチック、または同等の特性を持つ材料が、前述の要件を最もよく満たす適切な容器材料であることが証明されている。
【0010】
閉塞装置の材料の選択に関しては、容器と同様の条件が適用される:閉塞装置の材料は、閉塞装置が、特に大気中の酸素及び湿度に対して適切なバリア効果を有し、容器内容物に対して化学的に不活性であるように設計されることが好ましい。ガラス、PPやPTFEなどの適切なプラスチック、または同等の特性を持つ材料が、前述の要件を最もよく満たす適切な閉鎖材料であることが証明されている。
【0011】
パッキングシステムをさらに改善するために、閉塞要素は、第1の容器を閉じるためのキャップを備え、このキャップは、閉塞装置の初期状態において、所定のブレイクポイントを介して閉塞要素の締結スリーブに接続される。キャップは、原則として、第1の容器から容器内容物を放出するための開口部を閉じることができ、また、開放することができるように設計されている。容器を閉じた状態では、キャップが第1の容器に接しているため、開口部が完全に覆われている。第1の容器を開けるためには、キャップを少なくとも部分的に開放する必要がある。そのためには、閉塞装置の初期状態から、使用状態になるように、所定のブレイクポイントでキャップを第1の容器に解放不可能に接続されている締結スリーブから分離する必要がある。分離後、キャップは、締結スリーブまたは第1の容器に対して移動することができる。その後、容器の開口部を開放するために、相対的な動きによってキャップを第1の容器から外すこともできる。このようにして、所定のブレイクポイントを介したキャップの締結スリーブへの接続は、一種のタンパーエビデント閉塞を形成し、閉塞装置による第1の容器の未使用の初期状態を有利に示す。
【0012】
対応する閉塞装置を備えたパッキングシステムの有用な実施形態は、キャップを、閉塞装置の軸に対して軸方向に接続装置に対して相対的に移動させることができ、かつ、軸を中心とした回転に対して固定されるように配置することによって達成される。軸は、閉塞装置の実質的に円筒形またはスリーブ形の基本構造を基本的に中心に向かって延びている。当然ながら、閉塞装置に関するキャップの対応する配置は、閉塞装置の初期状態に限定的な程度でしか適用されず、キャップは好ましくは所定のブレイクポイントを介して締結スリーブに一体的に接続されている。すなわち、初期状態では、キャップは閉塞装置の締結スリーブに固定的に接続されており、前記キャップが前記スリーブに対して軸方向に移動したり回転したりすることができないようになっている。さらに、使用状態、すなわち締結スリーブから分離した後、キャップは、軸方向に移動可能であり、締結スリーブに対して限定的に回転可能であるように配置される。接続装置と比較して、キャップは連続しており、すなわち、軸方向に移動可能であるように配置されているが、閉塞装置の初期状態および使用状態の両方で回転に対して固定されている。この特定の配置の結果として、2つの容器を接続する過程で、締結スリーブ、キャップ、および接続装置の間には、個々の構成要素が互いに相対的に移動することによって生じる独特の相互作用がある。具体的には、接続装置に対する回転に対して固定されているので、キャップは前記接続装置の回転運動に追従する。その結果、キャップは、使用時に所定のブレイクポイントで締結スリーブから分離することができ、すなわち、締結スリーブに対して相対的に回転することができる。キャップが締結スリーブから分離された後も、キャップは回転運動に追従し、キャップは締結スリーブに対しても接続装置に対しても軸方向に移動可能である。
【0013】
パッキングシステムの別の実施形態では、接続装置が第2の容器にねじ込むためのねじ部を有することに起因する。このようにして、接続装置上の対応するねじ部と第2の容器との相互作用によって、接続時に接続装置は第2の容器にねじ込まれる。これにより、特に使い勝手のよい2つの容器の接続が可能となる。本発明のパッキングシステムの有利な変形例では、締結スリーブおよび接続装置はそれぞれ、少なくとも1つの相互に対応する回転停止要素を有しており、この回転停止要素は、対応する回転停止要素が互いに突き当たるまでのみ、締結スリーブおよび接続装置の閉塞装置の軸を中心とした相対的な回転を可能にする。締結スリーブと接続装置の相互に対応する回転停止要素は、締結スリーブと接続装置の間の相対的な回転を、約360°の回転範囲、すなわち約1回転に基本的に制限する。それぞれの回転要素は、好ましくは、リブ、ショルダ、突起、若しくは他の同等の回転効果のある停止要素として設計される。全体として、相互に対応する回転停止要素は、使用中に、特に2つの対応する回転停止要素が互いに接するときに、締結スリーブと接続装置との間でトルクの基本的な伝達を可能にする役割を果たす。また、締結スリーブと接続装置は、限られた範囲内で互いに相対的に回転させることができる。
【0014】
パッキングシステムのさらなる発展した実施形態によれば、締結スリーブまたは接続装置のいずれかが、閉塞装置の軸を中心とした締結スリーブと接続装置との間の相対回転のための開始停止および終了停止が形成されるように、接続装置または締結スリーブの少なくとも1つの対応する回転停止と相互作用する少なくとも2つの回転停止要素を有する。締結スリーブと接続装置のそれぞれに1つの回転停止要素しかない変形例の続きとして、少なくとも締結スリーブまたは接続装置に2つの回転停止要素を配置することで、2つの構成要素間の相対的な回転を正確に定義された回転範囲に制限することができる。この場合、2つの回転停止要素は、他の構成要素上の少なくとも1つの対応する回転停止要素と相互作用し、締結スリーブと接続装置との間の相対回転のための開始停止および終了停止を形成する。このようにして、締結スリーブと接続装置との間の相対的な回転のための値の範囲を、360°未満の回転角に正確に設定することができる。開始停止と終了停止の間の回転角度の好ましい値の範囲は、約0~180°、特に好ましくは0~90°であることが示されている。これらの制限された回転角度の範囲は、最終的に、第1の容器に対するキャップの最大可能回転も決定する。この点において、キャップの最大開口寸法または第1の容器に対するキャップの最大取り外し位置も、この制限された回転角度によって間接的に決定される。すなわち、対応する回転停止要素の終了停止時、すなわち回転角度上限に到達したときに、第1の容器に対するキャップの最大解放位置にも到達する。このように、回転角度上限を適切に設定することで、キャップが第1の容器から完全に離脱することなく、パッキングシステムのあらゆる使用状態において常に第1の容器とネジ係合しているように、確実に固定することができる。
【0015】
本発明のパッキングシステムの有用な実施形態において、キャップは、接続装置のねじ山の回転方向と反対の回転方向を有するねじ山を介して第1の容器に接続されている。この実施形態は、接続装置を第2の容器にねじ込むことによって2つの容器を接続する過程で、最終的に第1の容器と第2の容器との間の流体的な接続を確立するために、一定の回転方向を維持することができるという大きな使用上の利点を提供する。例えば、接続装置と第2の容器の間には時計回りのネジが設けられ、一方、キャップと第1の容器の間には反時計回りのねじが形成される。そのため、接続の過程で、閉塞装置付きの第1の容器を、接続装置を介して時計回りに第2の容器にねじ込むことが可能である。この場合、第1の容器は閉塞装置と共に第2の容器に対して時計回りの方向に回転する。第1の容器と第2の容器のこの相対的な回転を時計回りに続けると、接続が完了するだけでなく、同時にキャップが所定のブレイクポイントを介して締結スリーブから分離され、キャップは逆方向のねじ山により第1の容器から解放されることになる。非常にシンプルで取り扱い勝手のよい方法で、接続装置と第2の容器の間、およびキャップと第1の容器の間の逆方向のねじ山は、確実に容器を接続し、第1の容器の開封の結果、第1の容器と第2の容器の間の流体接続を設定する。
【0016】
本発明のパッキングシステムの好ましい変形例によれば、キャップは、底壁と、当該底壁に隣接する円筒状の周壁とを有する実質的にポット状の主構造を有している。この場合、キャップの周壁には、少なくとも1つの開口部が設けられており、この開口部を介して、キャップが十分に取り外されたときに、相互に接続された容器間の流体接続が最終的に確立される。理想的には、複数の開口部がキャップの周壁に設けられ、これらの開口部は周壁の円周上に一様に分布していることが望ましい。キャップ周壁に設けられた少なくとも1つの窓状の開口部により、キャップが第1の容器から部分的にしか解放されていない場合でも、流体接続を設定することができる。この目的のために、キャップ周壁の開口部は、好ましくは、キャップ基部のすぐ近くに配置される。具体的には、回転に対して固定されている第1の容器または締結スリーブと、キャップを含む第2の容器または接続装置との間の時計回りの相対的な回転により、キャップが第1の容器からねじ外されることになる。キャップが十分にねじ込まれていないが、第1の容器から完全に解放されていない場合は、第1の容器と第2の容器の間の流体接続が確立されるように、キャップの周壁の開口部が開放される。この状態では、キャップは容器から部分的に解放されているが、逆方向のねじ山を介して第1の容器に接続されている。この場合、キャップ周壁の開口部が開放されるまで、キャップを第1の容器からねじ外すことができないように、相互に対応する回転止め要素を用いて、締結スリーブと接続装置との間の相対回転の値の範囲を設定することが特に有用である。締結スリーブと接続装置の間の相対的な回転の開始停止と終了停止は、回転停止要素の位置を介して設定されるため、キャップが意図せずに第1の容器から完全に外れてしまうことを防ぐことができる。その代わり、開始停止と終了停止により、パッキングシステム全体の使用状態や第1の容器の開封状態にかかわらず、キャップと第1の容器との間の永久的なねじ接続が保証される。
【0017】
原理的には、2つの接続された容器の間の流体的な接続により、第1の容器に保存された製品調製成分を、特に第1の容器およびキャップの対応する開口部を介して、第1の容器から第2の容器に確実かつ損失なく移送することができる。少なくとも、上述したように、流動性のある、あるいはそれに対応する注ぎ特性のある製品調製成分の場合、第1の容器が上に保持されているので、一般的には重力の結果として、つまり自動的に移送が行われることになる。代替的または追加的に、製品調製成分の移送は、変形可能な第1の容器に作用する外力によって行うこともできる。これは、例えば、パウチ状またはチューブ状の第1の容器に適用され、製品調製成分を第1の容器から絞り出して第2の容器に移すことができる。
【0018】
パッキングシステムの代替的な実施形態では、閉塞装置によって第2の容器を第1の容器に接続した後に、第1の製品調製成分と少なくとも1つの他の製品調製成分とを混合するために、別の製品調製成分が第2の容器に保存される。この目的のために、最初は2つの容器に互いに別々に保存されていた2つの製品調製成分を、流体的な接続を形成する容器の接続の過程でまず一緒にして、続いてそれらを混合して多成分の製品調製物を形成するようにする。実際の混合は、接続された2つの容器の素早い動きによって行われる。この目的のために、ユーザは2つの接続容器を振ったり、傾けたり、回転させたりする。原理的には、そのような多成分製品調製混合物は、最初は互いに化学的に配合禁忌である個々の製品調製成分からなり、珍しいものではない。そのような多成分製品調製混合物の例は、多成分ヘアカラー製品などの化粧品である。本発明のパッキングシステムの利点は、周囲から閉ざされたその基本構造にある。つまり、本パッキングシステムでは、化学反応性の高い物質や危険物質も、個々の製品調製成分として安全に取り扱うことができる。最後に、第1の製品調製成分は、関連する第2の容器に接続され、第1の容器が意図されたように開けられた場合にのみ、第1の容器から移送することができ、任意にさらなる製品調製成分との後続の混合のために移送することができる。第1の容器から周囲への第1の製品調製成分の望ましくない放出は、本発明の多機能閉塞装置によって効果的に回避される。
【0019】
パッキングシステムの更なる有用な実施形態によれば、閉塞装置は、第2の容器に液密方式で接続することができる。そして、1つまたは複数の流動性および/または注ぎ可能な製品調製成分の周囲への望ましくない放出が確実に回避されるように、接続装置によって閉塞装置が第2の容器に密封的に接続される。このようにして、ユーザが扱われている製品調製成分のいずれかに接触することがないことを確実に保証する密閉型パッキングシステムが実現されている。
【0020】
パッキングシステムの比較的に発展した変形例では、第1および/または第2の容器への液密な接続を確実にするために、閉塞装置が少なくとも1つの密封要素を備えている。このタイプの密封要素は、原則として、ほぼすべての幾何学的デザインを有することができ、特に、軸方向および/または半径方向に密封効果を有することができる。特に、密封要素は、シーリングリング、シーリングリップなどのように設計することができる。
【0021】
上述のパッキングシステムを用いて少なくとも1つの製品調製成分を取り扱うための2つの代替方法の指示についても保護が求められる。
【0022】
第1の方法の代替案は、上述したようなパッケージシステムを使用して、少なくとも1つの製品調製成分を第1の容器から第2の容器に確実に移すために使用される。ここでのパッケージシステムは、少なくとも1つの第1の製品調製成分を保存するための第1の容器を備え、第1の容器の開口部は、第1の容器に固定的に接続されている閉塞装置の閉塞要素によって周囲から遮断されている。また、閉塞要素は、閉塞装置の初期状態では、所定のブレイクポイントを介して閉塞要素の締結スリーブに接続されるキャップを備えている。このようにして閉じられた第1の容器は、ユーザが手動で開くことができない。さらに、閉塞装置は、第2の容器を閉塞装置に接続し、原則として第1の容器と第2の容器との間に流体的な接続を確立できるようにするための接続装置を備えている。最初は別個の構成要素であった閉塞要素と接続装置が、非可逆的に接続されて、閉塞装置が形成される。ここで、取り外し不可能とは、接続プロセスの後、非破壊的に2つの構成要素を互いに分離できないことを意味する。さらに、接続装置は、閉塞装置の軸に対して軸方向に相対的に移動可能であり、軸を中心とした回転に対して固定されるように配置されている。さらに、接続装置は、第2の容器にねじ込むためのねじ山を有している。このようなパッキングシステムでは、周囲に望ましくない放出をすることなく、製品調製成分を第1の容器から第2の容器に安全に移すために、以下の方法シーケンスが有用であることが判明している。まず、第1の容器を閉塞装置によって第2の容器に取り付け、具体的には、接続装置の対応するねじ山と第2の容器のねじ山を係合させる。その後、接続装置と第2の容器との間で接続終了位置に達するまで、接続装置を用いて閉塞装置を第2の容器にねじ込む。接続終了位置とは、接続装置がねじによって第2の容器に完全にねじ込まれた状態をいう。さらに、接続装置は、第2の容器にそれ以上ねじ込むことができず、したがって、少なくとも一時的に第2の容器と静止した構造ユニットを形成する。したがって、閉塞装置自体だけでなく、それに取り外し不可能に接続されている第1の容器も、同時に第2の容器に接続される。そして、第1の容器または閉塞装置と、閉塞装置をねじ込むために既に使用されている第2の容器との間の相対的な回転が継続される。これは、接続装置の時計回りのねじ込み方向を維持しながら、第1の容器が閉塞要素とともに第2の容器に対してさらに回転することを意味する。最初に所定のブレイクポイントを介して締結スリーブに接続され、接続装置に対する回転に対して固定されているキャップは、所定のブレイクポイントで閉塞要素または締結スリーブから分離される。ここで、所定のブレイクポイントでのキャップの分離は、2つの連結された容器の間で相対的な回転が続くと、締結スリーブが第1の容器の動きに追従し、接続装置がキャップとともに第2の容器の動きに追従するという事実に起因する。キャップを締結スリーブから分離した後、第1の容器または締結スリーブと、接続装置を備えた第2の容器との間の相対的な回転を、回転方向を維持したまま継続する。分離されたキャップは、接続装置のねじ山と逆方向の回転方向を持つねじ山によって第1容器に接続される。したがって、キャップは、相対的な回転が続くときに、逆方向のキャップのねじ山の結果として、第1の容器から同時にねじが外される。例えば、接続装置と第2の容器との間のねじ山は時計回りに、キャップと第1の容器との間のねじ山は反時計回りに設計されています。当然ながら、両方のねじ山で反対の回転方向も考えられるが、2つのねじ山が互いに反対方向に向いていることが重要である。相対的な回転が続くことで、キャップは第1の容器から少なくともポット状のキャップの周壁にある少なくとも1つの開口部を開放する程度まで外される。このキャップの開口部は、第1の容器の開口部と重なっているため、第1の容器と第2の容器の間に流体的な接続をもたらす。2つの容器間の流体的な接続が設定された後、少なくとも1つの製品調製成分の第1の容器から第2の容器への移動も可能である。このような製品調製成分の移動は、好ましくは重力の結果として行われ、容器の接続時には第1の容器が上に配置される。さらに、特に柔軟に設計された第1の容器の場合、製品の移送は、第1の容器への外力の作用によってサポートすることができる。これは好ましくは、チューブ状またはパウチ状の第1の容器に適用される。
【0023】
原理的には、上述の方法は、ほとんどすべての考えられる製品調製成分の取り扱いに適している。しかしながら、2つの関連する容器が適切に接続された後にのみ製品の移送が可能なパッキングシステムの閉塞機能性のために、化学的反応性の高い、あるいは危険性のある物質に関連して使用するのが特に有利である。また、上述の方法は、多種多様な応用分野で普遍的に使用することができる。純粋に例を挙げれば、本発明による移送方法は、特に、あらゆるタイプの物質添加、リフィル容器からのリフィルプロセス、添加剤の添加、および同等の物質移送プロセスで有利に使用することができる。
【0024】
第2の方法の代替案は、少なくとも1つの製品調製成分を第1の容器から第2の容器に安全に移すだけでなく、続いて第1の製品調製成分を第2の容器に保存されている別の製品調製成分と混合して多成分製品調製物を形成するのに役立つ。ここでは、上記のようなパッキングシステムも使用される。ここで、パッキングシステムは、少なくとも1つの第1の製品調製成分を保存するための第1の容器を備え、第1の容器の開口部は、第1の容器に固定的に接続されている閉塞装置の閉塞要素によって周囲から封鎖されている。また、閉塞要素は、閉塞装置の初期状態では、所定のブレイクポイントを介して閉塞要素の締結スリーブに接続されるキャップを備えている。このようにして閉じられた第1の容器は、ユーザが手動で開けることができない。また、このパッキングシステムは、少なくとも1つの他の製品調製成分を保存するための第2の容器を備えている。さらに、閉塞装置は、第2の容器を閉塞装置に接続し、原則として第1の容器と第2の容器との間に流体接続を確立できるようにするための接続装置を備えている。閉塞要素と接続装置は、最初は別個の構成要素であったが、取り外し不可能に接続されて閉塞装置を形成する。ここで、取り外し不可能とは、2つの構成要素が、接続プロセスの後、非破壊的な方法で互いに分離できないことを意味する。さらに、接続装置は、閉塞装置の軸に対して軸方向に相対的に移動可能であり、軸を中心とした回転に対して固定されるように配置されている。さらに、接続装置は、第2の容器にねじ込むためのねじ山を有している。このようなパッキングシステムでは、製品調製成分を第1の容器から第2の容器に、望ましくない周囲への放出なしに安全に移送し、前記成分を前記第2の容器内の更なる製品調製成分と混合して多成分製品調製物を形成するために、以下の方法シーケンスが有用であることが分かる。まず、第1の容器は、接続装置と第2の容器の対応するねじ山を係合させることによって、閉塞装置によって第2の容器に取り付けられる。次に、接続装置と第2の容器との間で接続終了位置に達するまで、接続装置を用いて閉塞装置を第2の容器にねじ込む。接続終了位置とは、接続装置がねじによって第2の容器に完全にねじ込まれた状態を表す。さらに、接続装置は、第2の容器にそれ以上ねじ込むことができず、したがって、少なくとも一時的に、第2の容器と静止した構造ユニットを形成する。したがって、閉塞装置自体だけでなく、それに取り外し不可能に接続されている第1の容器も、同時に第2の容器に接続される。そして、第1の容器または閉塞装置と、閉塞装置をねじ込むために既に使用されている第2の容器との間の相対的な回転が継続される。これは、接続装置の時計回りのねじ込み方向を維持しながら、第1の容器が閉塞要素とともに第2の容器に対してさらに回転することを意味する。最初に所定のブレイクポイントを介して締結スリーブに接続され、接続装置に対する回転に対して固定されているキャップは、所定のブレイクポイントで閉塞要素または締結スリーブから分離される。ここで、所定のブレイクポイントでのキャップの分離は、2つの連結された容器の間で相対的な回転が続くと、締結スリーブが第1の容器の動きに追従し、接続装置がキャップとともに第2の容器の動きに追従するという事実に起因する。キャップを締結スリーブから分離した後、第1の容器または締結スリーブと、接続装置を備えた第2の容器との間の相対的な回転を、回転方向を維持したまま継続する。分離されたキャップは、接続装置のねじ山と逆方向の回転方向を持つねじ山によって第1容器に接続される。したがって、キャップは、相対的な回転が続くときに、逆方向のキャップのねじ山の結果として、第1の容器から同時にねじが外される。例えば、接続装置と第2の容器との間のねじ山は時計回りに、キャップと第1の容器との間のネジ山は反時計回りに設計されている。当然ながら、両方のねじ山が反対の回転方向に向いていることも考えられるが、2つのねじ山が互いに反対の方向に向いていることが重要である。相対的な回転が続いた結果、今度は、ポット状のキャップの周壁にある少なくとも1つの開口部が開放される程度まで、キャップが第1の容器からねじ外される。このキャップの開口部は、第1の容器の開口部と重なっているため、第1の容器と第2の容器の間に流体的な接続をもたらす。2つの容器間の流体的な接続が設定された後、少なくとも1つの製品調製成分の第1の容器から第2の容器への移動も可能である。このような製品調製成分の移動は、好ましくは重力の結果として行われ、容器が接続されたときに第1の容器が上に配置される。さらに、製品の移動は、特に柔軟に設計された第1の容器の場合、第1の容器への外力の作用によってサポートすることができる。これは、好ましくは、チューブ状またはパウチ状の第1の容器に適用される。第1の製品調製成分が第2の容器に移された後、次に、複数の製品調製成分を第2の容器内で混合して、複数成分の製品調製物を形成することができる。混合は、好ましくは、2つの接続された容器の適切な動き、例えば、振られる、回転させるまたは同様に動かされる。特に、複数の製品調製成分の混合プロセスは、2つの容器間の連続的な流体接続で行われる。これにより、さまざまな製品調製成分の非常に均質な混合がもたらされるだけでなく、製品調製成分の完全な混合が保証され、多成分製品調製が形成される。これにより、個々の製品調製成分の保存量が、実際に多成分製品調製混合物に完全に流入することが保証される。この点において、製品調製成分の全量を混合することで、個々の製品調製成分間の規定された、したがってしばしば意図された混合比が維持されることが同時に保証される。
【0025】
さらに、この第2の方法の代替案では、閉鎖パッキングシステムの特定の設計は、ユーザにとって重要であるかもしれない個々の製品調製成分の特に安全な取り扱いも保証する。原則として、上述の混合方法は、混合物を形成するためにさらに処理されるべき多数の異なる製品調製成分を取り扱うのに適している。とりわけ、このような混合方法は、互いにまたは環境パラメータに関して高い化学反応性を持ち、実際に使用されるまで互いに分離しておく必要がある個々の製品調製成分に有用である。ヘアカラー製品などの多成分化粧品は、そのような用途の例である。単体では危険な物質であっても、パッキングシステムが密閉型であるため、混合方法によって有利かつ安全に取り扱うことができる。また、上記の混合方法は、様々な分野で汎用的に使用することができる。
【0026】
前述の2つの方法代替案の特に有利な発展によれば、第1の容器からキャップを接続および解放すると同時に、第1の容器と第2の容器との間の流体接続を確立するための方法ステップは、可逆的に実行することができる。2つの容器を接続するために使用される相対的な回転方向が逆になった場合、2つの接続はアナログ的に、既に上述した対応する個々の方法ステップの逆の順序で再び接続解除することができる。原理的には、接続され流体的に接続された2つの容器の間の相対的な回転方向が逆転すると、最初にキャップが第1の容器に締め付けられる。同時に、第1の容器に対するキャップの軸方向の動きによって、キャップ周壁の少なくとも1つの開口部が閉じられ、それによって2つの容器間の流体的な接続が取り除かれ、第1の容器が再び直ちに閉じられる。キャップが第1の容器に完全にねじ込まれると、接続装置は第2の容器からねじが外され、具体的には、逆の相対回転が継続されるときに、接続装置が再び第2の容器から完全に解放されるまで、ねじが外される。このような可逆的な方法は、本発明によるパッキングシステムを用いて、接続工程、流体接続工程、製品調製成分の移送、および任意に複数の製品調製成分の混合を所望の頻度で繰り返す可能性を開くものである。さらに、キャップの開閉プロセスを適切に細分化して制御することで、転送された製品調製成分の量を目標とした方法で影響を与えることができるため、本質的には、第1の製品調製成分のための一種の計量システムが、このパッキングシステムによってもたらされることになる。このことは、有利なことに、このようなパッキングシステムの適用分野の拡大につながる。例えば、各接続プロセスにおいて、第1の容器から第2の容器に一定量の製品調製成分を分配することが考えられる。このようにして、用途に応じて、規定された量の製品調製成分を第1の容器から計量することも考えられる。いずれにしても、前述の方法ステップのこのような可逆的な順序は、移送方法と混合方法の両方で可能である。
【0027】
2つの言及された方法の変形の別の有用な実施形態は、閉塞装置の軸を中心とした締結スリーブと接続装置との間の相対的な回転が、締結スリーブと接続装置に設けられた相互に対応する回転停止要素によって360°未満の回転範囲に制限され、この回転停止要素は、対応する回転停止要素の開始停止位置と終了停止位置との間でのみ相対的な回転を許容するという事実から生じる。既に述べたように、2つの回転停止要素は、他の構成要素上の少なくとも1つの対応する回転停止要素と相互に作用し、締結スリーブと接続装置との間の相対回転のための開始停止および終了停止を形成する。このようにして、締結スリーブと接続装置との間の相対的な回転のための値の範囲を、360°未満の回転角に正確に設定することができる。開始停止と終了停止の間の回転角度の好ましい値の範囲は、約0~180°、特に好ましくは0~90°であることが示されている。これらの限られた回転角度の範囲は、最終的に、第1の容器に対するキャップの最大可能回転も決定する。この点で、第1の容器に対するキャップの最大開口寸法または最大解放位置も、この制限された回転角度によって間接的に決定される。つまり、対応する回転止め要素の終点で、すなわち回転角度上限に達したときに、第1の容器上のキャップの最大解放位置にも達する。このように、回転角度上限を適切に設定することで、キャップが第1の容器から完全に離脱することなく、パッキングシステムのあらゆる使用状態において、常に第1の容器とねじ係合するように確実に固定することができる。回転止め要素で制限された回転角度範囲内でキャップが十分に広く開かれるようにするために、特に十分な流体接続を確立するために、キャップと第1の容器の間のねじもそれに応じて設計されなければならない。具体的には、ねじは、その回転方向に関して、接続装置と第2の容器との間のねじとは逆方向に設計されているだけでなく、ねじのピッチは、接続装置と第2の容器との間のねじのピッチよりも大幅に高くなるように選択されています。キャップと第1の容器との間のねじ山のピッチが高いため、キャップは、限られた相対回転にもかかわらず、軸方向に十分な距離を移動して、キャップ周壁の半径方向に向いた開口部を十分に開放することができる。この点で最適化されたねじピッチの設計により、最終的には、閉塞要素と接続装置との間の相対回転の開始停止または終了停止の範囲内で、十分な軸方向の開放移動または閉鎖移動が行われる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明のさらなる特徴についても、図に示す実施形態を参照して以下に説明する。
図1図1は、パッキングシステムの個々の構成要素の一実施形態を透視図で示す。
図2図2は、図1の閉塞装置を2つの透視図で示す。
図3図3は、2つの異なる動作状態にある図1の閉塞装置を2つの断面図で示す。
図4図4は、2つの異なる動作状態にある図1のパッキングシステムを2つの断面図で示す。
【0029】
図1図4に示す実施形態は、第1の製品調製成分(ここでは図示せず)を保存するための第1の容器10と、任意に少なくとも1つの他の、第2の製品調製成分(ここでも図示せず)を保存するための第2の容器20とを備えるパッキングシステム1を示す。このパッキングシステム1は、第1の製品調製成分を第1の容器10から第2の容器20に制御された状態で安全に移動させるために使用される。第2の容器20内に別の、第2の製品調製物成分がある場合、2つの製品調製物成分を有利に混合して、多成分製品調製物を形成することもできる。
【0030】
2つの容器10、20に加えて、パッキングシステム1は、閉塞要素40によって、初期状態で第1の容器10を周囲から封鎖する多機能閉塞装置3も備えている。第1の容器10の信頼性の高い閉塞のために、閉塞要素40は、まず、使用準備状態において、非破壊的かつ取り外し不可能な方法で第1の容器10に接続される締結スリーブ41を備える。この目的のために、締結スリーブ41は、好ましくは、第1の容器10にスナップフィットされるか、または、ねじ込みおよびスナップフィットの両方が行われる。いずれにしても、第1の容器10に取り外し不可能に接続されている締結スリーブ41は、閉塞装置3の軸4に対して軸方向および回転方向に固定されるように、第1の容器10に固定される。締結スリーブ41に加えて、閉塞要素40は、実質的にポット状のキャップ45を有しており、このキャップ45は、すぐに使用できる状態で、第1の容器10の開口部11を封鎖する。この目的のために、キャップ45は、第1の容器10の開口部11を正確にフィットして閉じることができる環状の密封プラグ48からなる底壁47を有する。これにより、第1容器から周囲への第1の製品調製成分の望ましくない放出が確実に防止される。
【0031】
閉塞装置3は、第2の容器20を閉塞装置3に、したがって第1の容器10に間接的に接続するために、また、閉塞装置3を介在させて第1の容器10と第2の容器20との間に流体的な接続を確立するために、接続装置30も備えている。この目的のために、接続装置30は、第2の容器20の対応するねじ21と係合するように意図されたねじ31を有する環状の主構造を有する。また、接続装置30は、キャップ45と連動して相互に作用することができるインナースリーブ32を有している。
【0032】
原理的には、閉塞装置3の2つの構成要素、すなわち閉塞要素40および接続装置30は、最初は別個の構成要素として設計されており、これは、例えば射出成形によって互いに独立して容易に製造することができるという利点がある。使用時には、閉塞要素40および接続装置30は、非破壊的かつ取り外し不可能な方法でともに接合されて、閉塞装置3を形成する。これは、好ましくは、スナップ接続によって行われ、その際、閉塞要素40および接続装置30は、軸方向に互いにスナップ嵌めされる。スナップ嵌めの後、特に図2図4にも示されるように、閉塞要素40および接続装置30は、閉塞装置3を形成するために取り外し不可能に接続され、これにより、閉塞装置3は、その後、非常に容易に取り扱うことができる。同時に、閉塞要素40と接続装置30は、閉塞要素40と接続装置30の軸4を中心とした限定的な相対回転が原理的に可能なように、閉塞装置3内に接合されている。この目的のために、相互に対応する回転停止要素33、43が、閉塞要素40上および接続装置30上に設けられており、これらの要素は、相互に作用すると、使用中に、閉塞要素40と接続装置30との間の相対回転を360°未満の回転角度範囲に制限する。これは、1回転未満の回転範囲に相当する。この場合、回転停止要素33、43は、好ましくは放射状のリブまたは突起として設計されるが、他の適切な幾何学的設計を有することもできる。特に好ましい実施形態によれば、図示の実施形態(図2参照)のように、複数の回転停止要素33、43が、閉塞要素40および/または接続装置30の円周上に分散して配置されている。その結果、閉塞要素40と接続装置30との間の相対的な回転のための回転角度範囲がさらに制限され、例えば最大180°、特に好ましくは最大90°の回転角度範囲に制限される。このようにして、閉塞要素40と接続装置30との間の許容される相対回転の所望の度合いは、円周上に配された回転停止要素33、43の位置を介して、非常に的を射た方法で設定することができる。とりわけ、円周上に配された複数の回転停止要素33、43の相互作用により、閉塞要素40と接続装置30との間の初期回転停止位置および終了回転停止位置を定義された態様で固定することができる。これは、閉塞要素40と接続装置30との間の定義された相対回転が、初期回転停止位置と終了回転停止位置との間の設定された限定された回転角度範囲に制限されることを意味する。
【0033】
既に述べたように、パッキングシステム1の初期状態では、閉塞装置3は、第1の製品調製成分が充填された第1の容器10に取り外し不可能に取り付けられている。さらに、この初期状態では、図2から分かるように、キャップ45が接続装置30のインナースリーブ32の中に連動して延びるように、閉塞要素40と接続装置30とが互いに配置されている。その結果、キャップ45は、閉塞装置の軸4を中心とした回転に対して固定され、軸4を中心とした接続装置30のあらゆる回転にキャップ45が追従するように、接続装置30に固定される。
【0034】
さらに、キャップ45は、実質的にポット型の主構造を有しており、具体的には、初期状態において第1の容器10の開口部11を覆う底壁47と、軸4を中心に延びる周壁49とから構成されている。周壁49には、複数(本実施形態では3つ)の径方向の開口部51が設けられており、底壁48が3つのブリッジ50を介して周壁49に一体的に接続されているようになっている。さらに、キャップ45は、初期状態では、所定のブレイクポイント52を介して締結スリーブ41に一体的に接続されている。本実施形態では、所定のブレイクポイント52は、キャップ周方向に分散して配置され、それぞれが締結スリーブ41とキャップ周壁49との間に延在する複数の点状の接続ブリッジから構成されている。もちろん、本発明の意味の範囲内で、所定のブレイクポイントの他の適切な設計も考えられる。
【0035】
密封効果を向上させるために、閉塞装置3は好ましくは少なくとも1つの密封要素34、48、53、54を備えており、この密封要素は閉塞装置3自体の中で、または閉塞装置と第1および/または第2の容器10、20の間で作用する。図1図4に示す閉塞装置3の実施形態では、複数の密封要素34、48、53、54が設けられており、これらの要素は、好ましくは、シーリングリップ、シーリングリング、環状のシールプラグ等として設計されている。これらの密封要素34、48、53、54は、特に、製品調製成分が容器10、20の1つから周囲に望ましくない形で放出することをともに防ぎ、大気中の酸素や空気中の湿度などの環境的な影響が製品調製成分に悪影響を及ぼすことを防ぐためのバリアを形成している。
【0036】
一般に、このような実質的に閉鎖されたパッキングシステム1は、多種多様な製品調製成分または他の化学物質を保存および処理するために、特に汎用性の高い方法で使用することができる。特に、パッキングシステム1は、ユーザが容器内の製品調製成分を完全に非接触で取り扱うことを可能にする。基本的に、パッキングシステム1は、第1の容器10から第2の容器20への第1の製品調製成分のユーザーフレンドリーな移送、及び、第1の製品調製成分と、第2の容器20に元々保存されているさらなる第2の製品調製成分と、の任意のその後の混合、の両方を可能にする。示されているパッキングシステム1の実施形態が、好ましくは多成分の製品調製物を混合するために設計されている場合であっても、パッキングシステム1の2つの本質的な取り扱いの代替は、以下でより詳細に説明される。
【0037】
少なくとも第1の容器10に保存された第1の製品調製成分を取り扱うための容器接続のプロセスは、主に図3図4に示されている。2つの容器10、20を接続するために、まず、閉塞装置3が取り外し不可能に取り付けられた第1の容器10を、第2の容器20の上に逆さまに配置する。これは、少なくとも原理的には、図4(左側の図)から見ることができる。この初期状態では、キャップ45は、相互のねじ接続部12、46を介して第1の容器10に完全にねじ込まれているので、第1の容器10の開口部11は、環状の封止プラグ48によって封鎖されている。同時に、第2の容器20上および接続装置30上の相互に対応するねじ山21、31が互いに取り付けられる。その後、第1の容器10は、閉塞装置3とともに、第2の容器20に対して時計回りの方向に回転される。接続装置30は、そのねじ山31(本実施形態では時計回り)を介して、第2の容器20の対応するねじ山21にねじ込まれる。この段階では、この回転方向の相対的な回転が、対応する回転停止要素33、43の対応する相互作用によって阻止されるので、閉塞要素40と接続装置30との間には相対的な回転はない。第1の容器10または閉塞装置3と第2の容器20との間の相対的な回転は、図4の左側の図に示されている接続終了位置に到達するまで続けられる。その後、接続装置30は、第2の容器20に完全にねじ込まれるので、接続装置30を時計回りに回転させることはもはや不可能であり、接続装置30は、少なくともこの段階では、第2の容器20と静止した構造ユニットを形成する。この接続終了位置において、接続装置30は、このようにして、容器接続の継続の過程における第2の容器20のさらなる動きに追従する。2つの容器10、20が互いに基本的に接続されているが、容器1、20の間にはまだ流体的な接続がない接続終了位置に到達した後、閉塞装置3をねじ込むために既に使用されている、第1の容器10または閉塞装置3と第2の容器20との間の時計回り方向の相対的な回転が継続される。これは、第1の容器10が、閉塞要素40とともに、接続装置30の時計回りのねじ込み方向を維持しながら、第2の容器20に対してさらに回転されることを意味する。この継続的な回転運動の過程で、最初に所定のブレイクポイント52を介して締結スリーブ41に接続され、接続装置30に対する回転に対して固定されるように配置されているキャップ45は、所定のブレイクポイント52で閉塞要素40または締結スリーブ41から分離される。所定のブレイクポイント52でのキャップ45の分離は、ここでは、2つの接続容器10、20の間で相対回転が継続されると、締結スリーブ41が第1の容器10の回転運動に追従し、一方、接続装置30がキャップ45とともに第2の容器20の回転運動に追従するという事実に起因して行われる。定義されたトルク閾値を超えると、これにより、所定のブレイクポイント52が破断される。ここで、所定のブレイクポイント52を破断するのに必要なトルクは、接続装置30を第2の容器20にねじ込むのに必要なトルクよりも常に大きいことに留意すべきである。これは、2つの容器10、20を接続する際に、個々の方法ステップの所望の順序を維持するための唯一の方法である。
【0038】
キャップ45が締結スリーブ41から分離された後、締結スリーブ41を備えた第1の容器10と、接続装置30を備えた第2の容器20との間の相対的な回転は、以前の回転方向を維持しながら継続される。ここで分離されたキャップ45は、ねじ山46によって第1の容器10上の対応するねじ山12に接続され、第1の容器10およびキャップ45上の対応するねじ山12、46は、第2の容器20または接続装置30上の対応するねじ山21、31の回転方向とは逆方向の回転方向を有している。したがって、キャップ45は、2つの容器10、20の間の相対的な回転が続くときに、逆方向のキャップのねじ山の結果として、第1の容器10から同時にねじが外される。例えば、第2の容器20上および接続装置30上の相互に対応するねじ山21、31は、時計回りになるように設計されており、一方、第1の容器10およびキャップ45上の相互に対応するねじ山12、46は、反時計回りになるように設計されている。当然ながら、それぞれのねじ山21、31、12、46については、逆の回転方向も考えられるが、相互に対応する対のねじ山21、31、12、46が互いに逆方向に向いていることが決定的である。相対的な回転が続けられた結果、今度は、ポット状のキャップ45の周壁49に設けられた少なくとも1つの開口部51が開放される程度に、キャップ45が第1の容器10からねじ止め解除される。複数の開口部51は、周壁の円周上に分布していることが好ましく、本実施形態では、3つの開口部51がキャップ周壁49に形成されている。これらのキャップ開口部51は、第1の容器10の開口部11と重なっているため、第1の容器10と第2の容器20との間に流体的な接続をもたらす。容器10、20の間に流体的な接続が確立されたこの状態は、特に図3図4によって、それぞれの場合に右側に示されている。2つの容器10、20の間の流体的接続が設定された後、第1の容器10から第2の容器20への少なくとも1つの製品調製成分の移送も、その後行われることができる。流動性のあるおよび/または注ぎ可能な製品調製成分(ここでは図示せず)のそのような移送は、好ましくは、容器が接続されたときに第1の容器10が上に配置され、重力の結果として行われる。さらに、製品の移送は、特に柔軟に設計された第1の容器10の場合には、第1の容器10に対する外力の作用によって支持され得る。これは好ましくは、チューブやパウチの形状に設計されている第1の容器10に適用される。
【0039】
本発明によるパッキングシステム1を取り扱うための上述の方法は、その決定的な利点も明らかにする。周囲に対するパッキングシステム1の閉じた構造により、容器10、20に保存された製品調製成分の安全な取り扱いが、あらゆる状況下で保証される。したがって、第1の容器10からの内容物の手動による除去だけでは、閉塞装置3が非破壊的かつ取り外し不可能な方法で固定されているため、不可能である。代わりに、第1の容器10の初期状態では、キャップ45(図2で示されるように)は、接続装置30のインナースリーブ32にインターロックで埋め込まれているため、外部からの手動アクセスから保護されている。その結果、キャップ45は、閉塞装置3が関連する第2の容器20と相互作用することなく、第1の容器10から解放することができない。上述の相互作用により、キャップ45は、関連する第2の容器20と接続する場合にのみ、第1の容器10の開口部11から解放される。したがって、第1の容器10の流体的な接続は、対応する第2の容器20に排他的に限定される。第1の容器10と周囲との間の望ましくない流体的接続は、パッキングシステムの特定の設計によって排除される。このように、パッキングシステム1は、有利に不正開封されないだけでなく、閉じられたパッキングシステム1内でのみ、製品調製成分の移送をもたらす。このようにして、例えば、ある容器から別の容器への移動中に物質が望ましくない形でこぼれることを回避することができる。最終的に、閉鎖型パッキングシステム1は、あらゆる使用状態において、ユーザとその中に含まれる製品調製成分との間のいかなる接触も防止する。
【0040】
2つの容器10、20を接続し、キャップ45を開くことによって容器10、20の間に流体接続を確立するための上述の手順は、第1の製品調製物成分を第1の容器10から第2の容器20に移すためだけのものではない。複数成分の製品調製物を混合するために上述のパッキングシステムを使用することも代替的に考えられる。この目的のために、第1の製品調製成分が第1の容器10に初期状態で保存され、一方で、少なくとも1つの他の製品調製成分が第2の容器20に保存される。初期状態では、第2の容器20は、好ましくは、取り外し可能なクロージャ(ここでは図示せず)によって周囲から閉ざされる。上で説明した方法に従って2つの容器10、20が互いに接続され、対応する流体接続が確立された場合、第1の製品調製成分は、一般に、第2の容器20内の他の製品調製成分と組み合わせることができる。第1の製品調製成分は、説明したように、第1の容器10から第2の容器20に移送される。その後、2つの製品調製成分は、接続されて流体的に接続された容器10、20内で互いに混合することができる。この目的のために、接続された容器10、20を備えたパッキングシステム1全体は、好ましくは、2つの製品調製成分を混合して、運動力学によって可能な限り均質な多成分製品調製物を形成するために、振られ、傾けられ、または同様に動かされる。理想的には、容器10、20の間の流体的な接続は、混合プロセス中に維持され、これにより、利用可能な混合スペースが増加し、製品調製混合物を生成するために両方の製品調製成分がその全量で使用されることが保証される。
【0041】
図3図4(それぞれの場合で右側の図)に示されているように、接続された容器10、20および容器間に確立された流体接続を有するパッキングシステム1の使用状態では、キャップ45が第1の容器10から完全に解放されていないことも分かる。キャップ45は、容器10、20の間の流体接続を設定するために、キャップ開口部51が半径方向に開放される程度までしか解放されない。このキャップ位置では、キャップのねじ山46は、第1の容器10の対応するねじ山12とまだ係合している。このキャップ位置は、好ましくは、接続装置30および閉塞要素40上の前述の回転停止要素33、43の上に意図的に設定される。回転停止要素33、43によって規定される相対回転の開始停止位置および終了停止位置と、関連するキャップ45の開位置および閉位置との間の基本的な相互作用については、既に上で説明したとおりである。特に、それらの相互作用により、対応する回転停止要素33、43は、接続装置30と閉塞要素40との間の相対回転のための終了停止位置を定義する。この段階では、接続装置30と第2の容器20、および閉塞要素40と第1の容器10が固定的に接続されているため、容器10、20の間の相対的な回転が終了することにもなる。特に、キャップ45が対応して第1の容器から部分的にしか解放されていない状態でのこの終了停止は、容器10、20を接続するための、および容器10、20間の流体接続を確立するためのすべての本質的な方法ステップを可逆的に行うことができるという利点をもたらしている。2つの容器10、20を接続するために使用される第1の相対回転方向が逆転した場合、2つの容器10、20は、アナログ的に、既に上述した対応する個々の方法ステップの逆の順序で再び接続解除することができる。原理的には、接続され、流体的に接続された2つの容器10、20の間の相対的な回転方向の反転により、最初はキャップ45が第1の容器10に締め付けられた状態になる。同時に、第1の容器10に対するキャップ45の軸方向の移動により、キャップ周壁49の開口部51が閉じられ、それにより、2つの容器10、20の間の流体接続が解除され、第1の容器10が再び直ちに閉じられる。ここで、キャップ45と第1の容器10との間、および接続装置30と第2の容器20との間のそれぞれのねじパラメータを適切に設計することによって、キャップ45を締めるのに必要なトルクが、接続装置30のねじを外すのに必要なトルクよりも小さくなるように設定されていることを保証しなければならない。キャップ45が第1の容器10に完全にねじ込まれると、接続装置30は第2の容器20からねじが外され、具体的には、逆の相対回転が続けられるときに、接続装置30が再び第2の容器20から完全に解放されることができるまで、ねじが外される。このような可逆的な方法は、本発明によるパッキングシステム1を用いて、接続工程、流体接続工程、製品調製成分の移送、および任意に複数の製品調製成分の混合を、所望の回数だけ繰り返す可能性を広げるものである。さらに、キャップ45の開閉プロセスを適切に細分化して制御することで、転送された製品調製成分の量を目標とした方法で影響を与えることができるため、本質的には、第1の製品調製成分のための一種の計量システムが、パッキングシステムによってもたらされることになる。このことは、有利なことに、このようなパッキングシステム1の適用分野の拡大につながる。例えば、各接続プロセスの間に、第1の容器10から第2の容器20に、一定量の製品調製成分のみを吐出することが考えられる。このようにして、用途に応じて、製品調製成分の定義された吐出量を第1の容器から計量することも可能である。いずれにしても、前述の方法ステップのこのような可逆的な順序は、移送方法と混合方法の両方で可能である。
【0042】
原理的には、上述の方法は、本発明の意味におけるほとんどすべての考えられる流動性のあるおよび/または注ぎ可能な製品調製成分を取り扱うことに適している。しかしながら、2つの関連する容器10、20が適切に接続された後にのみ製品の移送が可能なパッキングシステム1の閉塞機能性のために、化学的に反応性の高い物質や、個別に考えると危険な可能性のある物質に関連して使用することが特に有利である。また、上述の方法は、多種多様な応用分野で普遍的に使用することができる。純粋に例を挙げれば、本発明による移送方法は、特に、あらゆるタイプの物質添加、リフィル容器からのリフィルプロセス、添加剤の添加、および同等の物質移送プロセスで有利に使用することができる。
【0043】
さらに、閉鎖型パッキングシステム1の特定の設計は、複数成分の製品調製混合物が製造される場合に、ユーザにとって好意的であり得る、個々の製品調製成分の特に安全な取り扱いを保証するものである。原則として、上述の混合方法は、混合物を形成するためにさらに処理されることになる多数の異なる製品調製成分を取り扱うことに適している。とりわけ、このような混合方法は、互いに化学的反応性が高く、実際に使用するまで互いに分離しておく必要がある個々の製品調製成分に有用である。多成分の化粧品、例えばヘアカラー製品などがそのような用途の例である。単体では危険な物質であっても、パッキングシステムが密閉型であるため、混合方法によって有利かつ安全に取り扱うことができる。また、上記の混合方法は、様々な分野で汎用的に使用することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 パッキングシステム
3 閉塞装置
4 軸
10 第1の容器
11 開口部
12 ねじ山
20 第2の容器
21 ねじ山
30 接続装置
31 ねじ山
32 インナースリーブ
33 回転停止要素
34 密封要素
40 閉塞要素
41 締結スリーブ
43 回転停止要素
45 キャップ
46 ねじ山
47 底壁
48 密封要素
49 周壁
50 ブリッジ
51 開口部
52 所定のブレイクポイント
53 密封要素
54 密封要素
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】