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特表2022-526137有機ケイ素化合物、エフェクト顔料およびフィルム形成性ポリマーIIの使用を含むケラチン物質を染色する方法。
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-23
(54)【発明の名称】有機ケイ素化合物、エフェクト顔料およびフィルム形成性ポリマーIIの使用を含むケラチン物質を染色する方法。
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/898 20060101AFI20220516BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20220516BHJP
   A61K 8/26 20060101ALI20220516BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20220516BHJP
【FI】
A61K8/898
A61K8/81
A61K8/26
A61Q5/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021556635
(86)(22)【出願日】2020-03-13
(85)【翻訳文提出日】2021-09-17
(86)【国際出願番号】 EP2020056793
(87)【国際公開番号】W WO2020187727
(87)【国際公開日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】102019203677.5
(32)【優先日】2019-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【弁理士】
【氏名又は名称】森住 憲一
(72)【発明者】
【氏名】レヒナー,トルステン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェーザー,ガブリエレ
(72)【発明者】
【氏名】コロンコ,クラウディア
(72)【発明者】
【氏名】クリーナー,カロリーネ
(72)【発明者】
【氏名】シューマッハー,ウルリケ
(72)【発明者】
【氏名】ノヴォトニィ,マルク
(72)【発明者】
【氏名】シェープゲンス,ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】ヤイザー,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】マティアシク,カーステン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB082
4C083AB221
4C083AB222
4C083AC302
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD161
4C083AD162
4C083CC36
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE26
(57)【要約】
本発明の主題は、以下の工程:・少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む薬剤(a)をケラチン物質に適用する工程、および・(b1)少なくとも1種のレンズ状基材プレートレットベース顔料を含む少なくとも1種の着色剤化合物、および(b2)少なくとも1種のフィルム形成性ポリマーを含む薬剤(b)をケラチン物質に適用する工程を含む、ケラチン物質、特に人毛を染色するための方法である。本発明はまた、2つの別々に包装された容器に2つの薬剤(a)および(b)を含む多成分包装ユニットを開示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程:
・少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む薬剤(a)をケラチン物質に適用する工程、および
・薬剤(b)をケラチン物質に適用する工程、ここで、該薬剤(b)は:
(b1)少なくとも1種のレンズ状基材プレートレットベース顔料を含む少なくとも1種の着色剤化合物、および
(b2)少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー
を含む
を含む、ケラチン物質、特に人毛を染色するための方法。
【請求項2】
薬剤(a)が1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランからなる群より選択される少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含み、該有機ケイ素化合物が好ましくは1分子あたり1つ以上の塩基性化学官能基および1つ以上のヒドロキシル基または加水分解性基を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記薬剤(a)が、式(I)および/または(II)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物:
【化1】
[式中
・R、Rは独立して、水素原子またはC~Cアルキル基を表し、
・Lは直鎖または分枝鎖の二価のC~C20アルキレン基であり、
・Rは水素原子またはC~Cアルキル基であり
・RはC~Cアルキル基を表し、
・aは1~3の整数を表し、
・bは3-aの整数を表す]
【化2】
[式(II)の有機ケイ素化合物中、
・R、R'、R''は独立して、水素原子またはC~Cアルキル基を表し
・R、R'およびR''は独立して、C~Cアルキル基を表し、
・A、A'、A''、A'''およびA''''は独立して、直鎖または分枝鎖の二価のC~C20アルキレン基を表し、
・RおよびRは独立して、水素原子、C~Cアルキル基、ヒドロキシC~Cアルキル基、C~Cアルケニル基、アミノC~Cアルキル基または式(III)の基:
【化3】
〔式中、
・cは1~3の整数を表し、
・dは3-cの整数を表し、
・c'は1~3の整数を表し、
・d'は3-c'の整数を表し、
・c''は1~3の整数を表し、
・d''は3-c''の整数を表し、
・eは0または1を表し、
・fは0または1を表し、
・gは0または1を表し、
・hは0または1を表す、
ただし、e、f、gおよびhのうちの少なくとも1つは0と異なるものとする〕
を表す]
を含むことを特徴とする、請求項1~2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記薬剤(a)が、式(I)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物:
【化4】
[式中
・R、Rはともに水素原子を表し、
・Lは、直鎖の二価のC~C-アルキレン基、好ましくはプロピレン基(-CH-CH-CH-)またはエチレン基(-CH-CH-)を表し、
・Rは水素原子、エチル基またはメチル基を表し、
・Rはメチル基またはエチル基を表し、
・aは数値3を表し、
・bは数値0を表す]
を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記薬剤(a)が、
・(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン
・(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン
・1-(3-アミノプロピル)シラントリオール
・(2-アミノエチル)トリエトキシシラン
・(2-アミノエチル)トリメトキシシラン
・1-(2-アミノエチル)シラントリオール
・(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン
・(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン
・1-(3-ジメチルアミノプロピル)シラントリオール
・(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシラン
・(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシラン
・1-(2-ジメチルアミノエチル)シラントリオール、および
・これらの混合物
からなる群より選択される、式(I)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記薬剤(a)が、式(II)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物:
【化5】
[式中
・eおよびfはともに数値1を表し、
・gおよびhはともに数値0を表し、
・AおよびA’は独立して、直鎖の二価のC~Cアルキレンを表し、
・Rは、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基または式(III)の基を表す]
を含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記薬剤(a)が、
・3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・N-メチル-3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・2-[ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アミノ]-エタノール
・2-[ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミノ]-エタノール
・3-(トリメトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・3-(トリエトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・N1,N1-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン、
・N1,N1-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン、
・N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン
・N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン、および
・これらの混合物
からなる群より選択される式(II)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記薬剤(a)が、式(IV)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物:
【化6】
[式中、
・RはC~C18アルキル基を表し、
・R10は水素原子またはC~Cアルキル基を表し、
・R11はC~Cアルキル基を表し、
・kは1~3の整数であり、
・mは3-kの整数を表す]
を含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記薬剤(a)が、
・メチルトリメトキシシラン
・メチルトリエトキシシラン
・エチルトリメトキシシラン
・エチルトリエトキシシラン
・ヘキシルトリメトキシシラン
・ヘキシルトリエトキシシラン
・オクチルトリメトキシシラン
・オクチルトリエトキシシラン
・ドデシルトリメトキシシラン、
・ドデシルトリエトキシシラン、
・オクタデシルトリメトキシシラン、
・オクタデシルトリエトキシシランおよび
・これらの混合物
からなる群より選択される、式(IV)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
基材プレートレットが、金属、金属合金および金属酸化物からなる群から選択される材料を含むことを特徴とする、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
基材プレートレットがアルミニウムを含むことを特徴とする、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
基材プレートレットが、最大で1.8の屈折率を有する少なくとも1種の低屈折率の金属酸化物および/または金属酸化物水和物のコーティングAを含むことを特徴とする、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
基材プレートレットが、少なくとも1.9の屈折率を有する少なくとも1種の高屈折率の金属酸化物のコーティングBを含むことを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記基材プレートレットが、下層コーティングBと異なる少なくとも1種の金属酸化物および/または金属酸化物水和物のさらなるコーティングCを含むことを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
別々に包装された
・薬剤(a)を含む第1の容器、ここで該薬剤(a)は少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む、および
・薬剤(b)を含有する第2の容器、ここで該薬剤(b)は:
(b1)少なくとも1種のレンズ状基材プレートレットベース顔料を含む少なくとも1種の着色剤化合物、および
(b2)少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー
を含有する
を含む、ケラチン物質を染色するためのパーツキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の主題は、ケラチン物質、特に人毛を染色するための方法であり、これは、2つの異なる薬剤(a)および(b)の適用を含む。薬剤(a)は、少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む。薬剤(b)は、少なくとも1種の選択された顔料を含む少なくとも1種の色付与化合物を含む。
【0002】
本出願の第2の主題は、ケラチン物質、特に人毛を着色するための多成分包装ユニット(パーツキット)であり、2つの異なる容器に別々に包装された薬剤(a)および(b)を含む。
【背景技術】
【0003】
ケラチン物質、特に人毛の形状および色の変更は現代の化粧料の重要な領域である。毛髪の色を変えるために、専門家は、カラーリング要件に応じた種々の着色システムを知っている。酸化染料は通常、永続的で、しっかりとした染色のために使用され、良好な堅牢特性を有し、良好に白髪がカバーされる。かかる染料は通常、過酸化水素などの酸化剤の影響下で互いと染料そのものを形成する酸化染料前駆体、いわゆる顕色剤成分とカプラー成分を含有している。酸化染料は非常に長持ちする染色結果を特徴とする。
【0004】
直接染料を使用する場合、既製の染料は着色料から毛髪繊維内へと拡散する。酸化的な毛染めと比べて、直接染料で得られる染色は色持ちが短く、すぐに洗い流される。直接染料での染色が毛髪上に残存する期間は、通常、洗髪5回~20回までである。
【0005】
着色顔料の使用は、毛髪および/または皮膚に対して短期間の色変化をもたらすことが知られている。着色顔料は一般的には不溶性のカラーリング物質であると理解されている。これは、小粒子の形態で染料配合物中に未溶解の状態で存在し、毛髪繊維および/または皮膚表面の外面に堆積されているにすぎない。したがって、これは、通常、界面活性剤を含有している洗浄剤で数回洗い流すことによって、残存することなく除去できる。このタイプの種々の製品が、ヘアマスカラという名称で市場において入手可能である。
【0006】
ユーザーが特に長持ちする染色を望む場合、これまでは酸化的染料の使用が唯一の選択肢であった。しかしながら、数多くの最適化の試みにもかかわらず、酸化的毛染めにおける不快なアンモニア臭やアミン臭は完全には回避することができない。また、酸化的染料の使用に依然として伴う毛髪へのダメージもユーザーの毛髪に対してマイナス効果を有する。したがって、継続的な課題は、代替の高性能染色方法の探索である。
【0007】
欧州特許第2168633号明細書では、顔料を用いた長持ちする髪の着色をもたらすための課題に対処している。この文書には、顔料、有機ケイ素化合物、疎水性ポリマーおよび溶剤の組合せを毛髪に対して使用した場合、洗髪に対して特に耐久性のある着色をもたらすことが可能であることが教示されている。
【0008】
金属光沢顔料または金属エフェクト顔料は、多くの技術分野で広く使用されている。それらは、例えば、コーティング、印刷インク、インク、プラスチック、ガラス、セラミック製品、およびマニキュアなどの装飾用化粧料のための調製物を彩色するために使用される。とりわけ、角度に依存する魅力的な色の印象(ゴニオクロミズム)および金属光沢が特徴である。
【0009】
メタリック仕上げやメタリックハイライトのヘアがトレンドである。メタリック調は毛髪を太く輝かせて見せる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】欧州特許第2168633号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
一方では高い洗浄および摩擦堅牢性を有し、他方では扱いやすさや感触などの髪の特性に悪影響を及ぼさないエフェクト顔料を染毛剤に提供する必要がある。この目的のために、使用されるエフェクト顔料が高いカバー力を有し、薄層で毛髪に適用され得ることが望ましい。
【0012】
したがって、本発明の課題は、酸化的染色と同等の堅牢特性を有する染色システムを提供することである。特に、洗浄および摩擦堅牢性は卓越しているべきであるが、通常この目的に使用される酸化染料前駆体の使用は回避されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
驚くべきことに、ここに、この課題は、ケラチン物質、特に人毛を、少なくとも2種の薬剤(a)および(b)をケラチン物質(毛髪)に適用する方法によってカラーリングすると見事に解決できることがわかった。ここで、薬剤(a)は少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含み、薬剤(b)は少なくとも1種の選択された顔料(b1)およびフィルム形成性ポリマー(b2)を含む。
【0014】
2つの薬剤(a)および(b)を染色方法で使用した場合、ケラチン物質は特に高い堅牢度で染色できた。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の第1の目的は、以下の工程:
・少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む薬剤(a)をケラチン物質に適用する工程、および
・薬剤(b)をケラチン物質に適用する工程、ここで、該薬剤(b)は:
(b1)少なくとも1種のレンズ状基材プレートレットベース顔料を含む少なくとも1種の着色剤化合物、および
(b2)少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー
を含む
を含む、ケラチン物質、特に人毛を染色するための方法である。
【0016】
〔ケラチン物質〕
ケラチン物質として、毛髪、皮膚、爪(例えば、指の爪および/または足指の爪)が挙げられる。また、ウール、毛皮および羽毛もケラチン物質の定義に含まれる。
【0017】
好ましくは、ケラチン物質は、人毛、人間の皮膚ならびに人間の爪、特に指の爪および足指の爪であると理解される。ケラチン物質は人毛であると理解される。
【0018】
〔薬剤(a)および(b)〕
本発明による手順において、薬剤(a)および(b)は、ケラチン物質、特に人毛に適用される。この2つの薬剤(a)および(b)は互いに異なる。
【0019】
したがって、以下の工程を含む、ケラチン物質、特に人毛を染色するための方法が開示される:
・少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む薬剤(a)をケラチン物質に適用する工程、および
・薬剤(b)をケラチン物質に適用する工程、ここで、該薬剤(b)は:
(b1)少なくとも1種のレンズ状基材プレートレットベース顔料を含む少なくとも1種の着色剤化合物、および
(b2)少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー
を含む。
【0020】
〔薬剤(a)〕
薬剤(a)は、少なくとも1種の有機ケイ素化合物、特に少なくとも1種の有機シランという内容物によって特徴付けられる。薬剤(a)に含まれる有機ケイ素化合物または有機シランは反応性化合物である。
【0021】
組成物(a)は、水和、低水または無水であり得る化粧料担体中に、有機ケイ素化合物、特に有機シランを含む。さらに、化粧料担体は、液体、ゲル状、クリーム状、ペースト状、パウダー状、または固体でさえあり得る(例えば、タブレットまたはプレス製品の形態で)。好ましくは、薬剤(a)の化粧料担体は、水性または水性アルコール担体である。染毛のため、そのような担体は、例えば、クリーム、乳液、ゲル、またはシャンプー、泡エアロゾル、泡配合物、または毛髪への適用に適した他の調製物などの界面活性剤含有発泡溶液である。
【0022】
化粧料担体は、好ましくは水を含み、これは、前記担体がその重量に基づいて少なくとも2重量%の水を含むことを意味する。好ましくは、水分含有量は5重量%を超え、さらに好ましくは10重量%を超え、さらに好ましくは15重量%を超える。化粧料担体はまた、水性アルコールであり得る。本発明の文脈における水溶液/アルコール溶液は、2~70重量%のC~Cアルコール、より具体的にはエタノールまたはイソプロパノールを含む水溶液である。前記薬剤は、メトキシブタノール、ベンジルアルコール、エチルジグリコールまたは1,2-プロピレングリコールなどの他の有機溶媒をさらに含み得る。すべての水溶性有機溶媒が好ましい。
【0023】
「着色剤」という用語は、本発明の文脈において、顔料および/または直接染料を使用してもたらされるケラチン物質、特に人毛の着色を指すために使用される。この着色プロセスの間に、着色化合物は、ケラチン物質の表面上の特に均質で滑らかなフィルムに堆積するか、またはケラチン繊維内に拡散する。フィルムは、有機ケイ素化合物のオリゴマー化または重合によって、および有機ケイ素化合物と着色剤化合物との相互作用によってその場で形成される。
【0024】
〔有機ケイ素化合物〕
本発明の必須成分として、薬剤(a)は、少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む。好ましい有機ケイ素化合物は、1個、2個、または3個のケイ素原子を有するシランから選択される。
【0025】
有機ケイ素化合物(Organic silicon compounds)は、あるいはオルガノシリコン化合物(organosilicon compounds)とも称され、ケイ素-炭素直接結合(Si-C)を有するか、または炭素がケイ素原子に酸素、窒素もしくはイオウ原子を介して結合しているかのいずれかである化合物である。本発明の有機ケイ素化合物は、好ましくは1~3個のケイ素原子を含有している化合物である。有機ケイ素化合物は好ましくは1個または2個のケイ素原子を含有しているものである。
【0026】
薬剤(a)は、特に好ましくは、1個、2個、または3個のケイ素原子を有するシランから選択される少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む。
【0027】
IUPAC規則によれば、シランという用語は、ケイ素骨格と水素を主体とする化学物質化合物の群を表す。有機シランでは、水素原子が完全に、または一部、有機基、例えば(置換)アルキル基および/またはアルコキシ基で置き換えられている。また、有機シランでは、一部の水素原子がヒドロキシ基で置き換えられてもよい。
【0028】
特に好ましい一実施形態において、前記方法は、薬剤(a)をケラチン物質に適用することであって、前記薬剤(a)が、1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランから選択される少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする。
【0029】
薬剤(a)は、特に好ましくは、1個、2個、または3個のケイ素原子を有するシランから選択される少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含み、前記有機ケイ素化合物は、1分子あたり、1つ以上の塩基性化学官能基および1つ以上のヒドロキシル基または加水分解性基をさらに含む。
【0030】
非常に特に好ましい一実施形態において、前記方法は、薬剤(a)をケラチン物質に適用することであって、前記薬剤(a)が、1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランから選択される少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含むこと、前記有機ケイ素化合物が、1分子あたり1つ以上の塩基性化学官能部と1つ以上のヒドロキシル基または加水分解性基をさらに含むことを特徴とする。
【0031】
この塩基性基は、例えばアミノ基、アルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基であってよく、これは好ましくはケイ素原子にリンカーを介して連結されている。好ましくは、塩基性基はアミノ基、C~Cアルキルアミノ基またはジ(C~C)アルキルアミノ基である。
【0032】
加水分解性基は好ましくはC~Cアルコキシ基、特にエトキシ基またはメトキシ基である。加水分解性基がケイ素原子に直接結合している場合が好ましい。例えば、加水分解性基がエトキシ基である場合、有機ケイ素化合物は好ましくは、構造単位R’R''R'''Si-O-CH-CHを含む。基R’、R''およびR'''は、ケイ素原子の残りの3つの結合に使用されていない原子価を表す。
【0033】
非常に特に好ましい方法は、該薬剤(a)が、1個、2個または3個のケイ素原子を有するシランから選択される少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含み、好ましくは該有機ケイ素化合物が1分子あたり1つ以上の塩基性化学官能部と1つ以上のヒドロキシル基または加水分解性基を含むことを特徴とする。
【0034】
特に良好な結果が、薬剤(a)が式(I)および/または(II)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む場合に得られた。
【0035】
別の非常に特に好ましい実施形態において、方法は、薬剤(a)をケラチン物質または人毛に適用し、薬剤(a)は、式(I)および/または(II)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a):
【化1】
[式中
・R、Rは独立して、水素原子またはC~Cアルキル基を表し、
・Lは直鎖または分枝鎖の二価のC~C20アルキレン基であり、
・Rは水素原子またはC~Cアルキル基であり、
・RはC~Cアルキル基を表し、
・aは1~3の整数を表し、
・bは3-aの整数を表す]
【化2】
[式中、
・R5、R5'、R5''は独立して、水素原子またはC~Cアルキル基を表し、
・R6、R6'およびR6''は独立して、C~Cアルキル基を表し、
・A、A'、A''、A'''およびA''''は互いに独立して、直鎖または分枝鎖の二価のC~C20アルキレン基を表し、
・RおよびRは独立して、水素原子、C~Cアルキル基、ヒドロキシC~Cアルキル基、C~Cアルケニル基、アミノC~Cアルキル基または式(III)の基:
【化3】
〔・cは1~3の整数を表し、
・dは3-cの整数を表し、
・c'は1~3の整数を表し、
・d'は3-c'の整数を表し、
・c’’は1~3の整数を表し、
・d’’は3-c’’の整数を表し、
・eは0または1を表し、
・fは0または1を表し、
・gは0または1を表し、
・hは0または1を表す、
・ただし、e、f、gおよびhのうちの少なくとも1つは0と異なるものとする〕
を表す]
を含むことを特徴とする。
【0036】
式(I)および(II)の化合物内の置換基R、R、R、R、R、R'、R''、R、R'、R''、R、R、L、A、A’、A''、A'''およびA''''を以下に一例として説明する:
C~Cアルキル基の例は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基およびt-ブチル基、n-ペンチル基ならびにn-ヘキシル基である。プロピル、エチルおよびメチルが好ましいアルキル基である。C~Cアルケニル基の例はビニル、アリル、ブト-2-エニル、ブト-3-エニルおよびイソブテニルであり、好ましいC~Cアルケニル基はビニルおよびアリルである。ヒドロキシC~Cアルキル基の好ましい例はヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、4-ヒドロキシブチル基、5-ヒドロキシペンチルおよび6-ヒドロキシヘキシル基であり;2-ヒドロキシエチル基が特に好ましい。アミノC~Cアルキル基の例はアミノメチル基、2-アミノエチル基、3-アミノプロピル基である。2-アミノエチル基が特に好ましい。直鎖の二価のC~C20アルキレン基の例として、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CH-CH-)、プロピレン基(-CH-CH-CH-)およびブチレン基(-CH-CH-CH-CH-)が挙げられる。プロピレン基(-CH-CH-CH-)が特に好ましい。また、3個のC原子の鎖長から、二価のアルキレン基は分枝鎖であってもよい。分枝鎖の二価のC~C20アルキレン基の例は(-CH-CH(CH)-)および(-CH-CH(CH)-CH-)である。
【0037】
式(I)の有機ケイ素化合物:
【化4】
において、基Rおよび基Rは互いに独立して、水素原子またはC~Cアルキル基を表す。非常に好ましくは、基RおよびRはともに水素原子を表す。
【0038】
有機ケイ素化合物の中央部分には、直鎖または分枝鎖の二価のC~C20アルキレン基を表す構造単位またはリンカー-L-が存在する。
【0039】
好ましくは、-L-は直鎖の二価のC~C20アルキレン基を表す。さらに好ましくは-L-は直鎖の二価のC~Cアルキレン基を表す。特に好ましい-Lは、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CH-CH-)、プロピレン基(-CH-CH-CH-)またはブチレン(-CH-CH-CH-CH-)を表す。Lはプロピレン基(-CH-CH-CH-)を表す。
【0040】
式(I)の有機ケイ素化合物:
【化5】
の各々の一端はケイ素含有基-Si(ORa(Rbを有している。
【0041】
末端の構造単位-Si(ORa(Rbでは、Rは水素またはC~Cアルキル基であり、RはC~Cアルキル基である。特に好ましくは、RおよびRは互いに独立して、メチル基またはエチル基を表す。
【0042】
ここで、aは1~3の整数を表し、bは3-aの整数を表す。aが数値3を表すならば、bは0となる。aが数値2を表すならば、bは1となる。aが数値1を表すならば、bは2となる。
【0043】
薬剤(a)が、基R3、R4が互いに独立してメチル基またはエチル基を表す式(I)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む場合、最高の洗浄堅牢性を有する染色が得られ得る。
【0044】
さらに、薬剤(a)が、残基のaが数値3を表す式(I)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む場合、最良の洗浄堅牢性を有する染色を得ることができた。この場合、残りのbは数値0を表す。
【0045】
別の好ましい実施形態において、前記方法は、前記薬剤(a)が、式中において
・R、Rが互いに独立して、メチル基またはエチル基を表し、
・aが数値3を表し、
・bが数値0を表す、
式(I)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする。
【0046】
別の好ましい実施形態において、前記方法は、薬剤(a)が、式(I)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物:
【化6】
[式中において
・R、Rがともに水素原子を表し、
・Lが、直鎖の二価のC~C-アルキレン基、好ましくはプロピレン基(-CH-CH-CH-)またはエチレン基(-CH-CH-)を表し、
・Rが水素原子、エチル基またはメチル基を表し、
・Rがメチル基またはエチル基を表し、
・aが数値3を表し、
・bが数値0を表す]
を含むことを特徴とする。
【0047】
bが0の場合、式(I)の化合物では基R4は発生しない。
【0048】
したがって、さらに好ましい実施形態では、前記方法は、薬剤(a)が式(I)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物:
【化7】
[式中、
・R、Rがともに水素原子を表し、
・Lが、直鎖の二価のC~C-アルキレン基、好ましくはプロピレン基(-CH-CH-CH-)またはエチレン基(-CH-CH-)を表し、
・Rが水素原子、エチル基またはメチル基を表し、
・Rがメチル基またはエチル基を表し、
・aが数値3を表し、
・bが数値0を表す]
を含むことを特徴とする。
【0049】
本発明による課題を解決するのに特に好適な式(I)の有機ケイ素化合物は
・(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン
【化8】
・(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン
【化9】
・1-(3-アミノプロピル)シラントリオール
【化10】
・(2-アミノエチル)トリエトキシシラン
【化11】
・(2-アミノエチル)トリメトキシシラン
【化12】
・1-(2-アミノエチル)シラントリオール
【化13】
・(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン
【化14】
・(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン
【化15】
・1-(3-ジメチルアミノプロピル)シラントリオール
【化16】
・(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシラン
【化17】
・(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシラン、および/または
【化18】
・1-(2-ジメチルアミノエチル)シラントリオール
【化19】
である。
【0050】
さらなる好ましい一実施形態において、前記方法は、薬剤(a)が、
・(3-アミノプロピル)トリエトキシシラン
・(3-アミノプロピル)トリメトキシシラン
・1-(3-アミノプロピル)シラントリオール
・(2-アミノエチル)トリエトキシシラン
・(2-アミノエチル)トリメトキシシラン
・1-(2-アミノエチル)シラントリオール
・(3-ジメチルアミノプロピル)トリエトキシシラン
・(3-ジメチルアミノプロピル)トリメトキシシラン
・1-(3-ジメチルアミノプロピル)シラントリオール
・(2-ジメチルアミノエチル)トリエトキシシラン
・(2-ジメチルアミノエチル)トリメトキシシラン、
・1-(2-ジメチルアミノエチル)シラントリオール
およびこれらの混合物
からなる群から選択される式(I)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする。
【0051】
式(I)の有機ケイ素化合物は市販されている。
【0052】
例えば、(3-アミノプロピル)トリメトキシシランはSigma-Aldrichから購入することができる。また、(3-アミノプロピル)トリエトキシシランはSigma-Aldrichから市販されている。
【0053】
さらなる一実施形態において、前記薬剤(a)は、式(II):
【化20】
の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む。
【0054】
式(II)の有機ケイ素化合物は各々、ケイ素含有基(RO)c(RdSi-および-Si(R’)d’(OR’)cを両端に有している。
【0055】
式(II)の分子の中心部分には、-(A)e-基および-[NR-(A')]f-基および-[O-(A'')]g-基および-[NR-(A''')]h-基が存在している。ここで、残基のe、f、gおよびhの各々は互いに独立して、数値0または1を表し得るが、残基のe、f、gおよびhのうちの少なくとも1つは0と異なるものとする。換言すると、本発明による式(II)の有機ケイ素化合物は、-(A)-および-[NR-(A')]-および-[O-(A'')]-および-[NR-(A''')]-からなる群からの少なくとも1つの基を含む。
【0056】
2つの末端の構造単位(RO)c(RdSi-および-Si(R')d’(OR')cにおいて、R5、R5'、R5''の基は互いに独立して、水素原子またはC~Cアルキル基を表す。R6、R6'およびR6''の基は独立して、C~Cアルキル基を表す。
【0057】
ここで、cは1~3の整数を表し、dは3-cの整数を表す。cが数値3を表すならば、dは0となる。cが数値2を表すならば、dは1となる。cが数値1を表すならば、dは2となる。
【0058】
同様に、c’は自然数1~3を表し、d’は3-c’の自然数を表す。c’が数値3を表すならば、d’は0である。c’が数値2を表すならば、d’は1である。c’が数値1を表すならば、d’は2である。
【0059】
残基のcおよびc’がともに数値3を表す場合、最良の洗浄堅牢性を有する染色を得ることができた。この場合、dおよびd’はともに数値0を表す。
【0060】
別の好ましい実施形態において、該方法は、薬剤(a)が、式(II):
【化21】
[式中において
・R5およびR5’が独立して、メチル基またはエチル基を表し、
・cおよびc’がともに数値3を表し、
・dおよびd’がともに数値0を表す]
の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする。
【0061】
cおよびc’がともに数値3であり、dおよびd’がともに数値0であるならば、本発明の有機ケイ素化合物は、式(IIa):
【化22】
に相当する。
【0062】
残基のe、f、gおよびhは独立して、数値0または1を表し得、このとき、e、f、gおよびhのうち少なくとも1つの残基のものはゼロと異なる。したがって、略号e、f、gおよびhにより、-(A)e-および-[NR-(A')]f-および-[O-(A'')]g-および-[NR-(A''')]h-のうちのどの基が式(II)の有機ケイ素化合物の中央部分に存在するかが規定される。
【0063】
これとの関連において、特定の基の存在が耐水洗性の増大の点において特に有益であることがわかった。特に良好な結果が、残基のe、f、gおよびhのうち少なくとも2つが数値1を表す場合に得られた。特に好ましいeおよびfはともに数値1を表す。さらに、gおよびhはともに数値0を表す。
【0064】
eおよびfがともに数値1を表し、gおよびhはともに数値0を表す場合、前記有機ケイ素化合物は、式(IIb):
【化23】
に相当する。
【0065】
A、A'、A''、A'''およびA''''の基は独立して、直鎖または分枝鎖の二価のC~C20アルキレン基を表す。好ましくは、A、A'、A''、A'''およびA''''の基は互いに独立して、直鎖の二価のC~C20アルキレン基を表す。さらに好ましくはA、A'、A''、A'''およびA''''の基は独立して、直鎖の二価のC~Cアルキレン基を表す。特に、A、A'、A''、A'''およびA''''の基は互いに独立して、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CH-CH-)、プロピレン基(-CH-CH-CH-)またはブチレン基(-CH-CH-CH-CH-)を表す。特に、A、A'、A''、A'''およびA''''の基はプロピレン基(-CH-CH-CH-)を表す。
【0066】
残基のfが数値1を表すならば、本発明による式(II)の有機ケイ素化合物は構造-[NR-(A')]-の基を含む。
【0067】
残基のhが数値1を表すならば、本発明による式(II)の有機ケイ素化合物は構造-[NR-(A''')]-の基を含む。
【0068】
式中において、RおよびRは独立して、水素原子、C~Cアルキル基、ヒドロキシ-C~Cアルキル基、C~Cアルケニル基、アミノ~C~Cアルキル基または式(III)の基:
【化24】
を表す。
【0069】
非常に好ましくはR基およびR基は独立して、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基または式(III)の基を表す。
【0070】
残基のfが数値1を表し、残基のhは数値0を表す場合、本発明による有機ケイ素化合物は[NR-(A')]基を含むが-[NR-(A'')]基は含まない。また、R7基が式(III)の基を表す場合、薬剤(a)は、3つの反応性シラン基を有する有機ケイ素化合物を含む。
【0071】
別の好ましい実施形態において、該方法は、薬剤(a)が式(II):
【化25】
[式中
・eおよびfがともに数値1を表し、
・gおよびhがともに数値0を表し、
・AおよびA’が独立して、直鎖の二価のC~Cアルキレン基を表し、
・Rが、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基または式(III)の基を表す]
の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする。
【0072】
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(a)が、式中において
・eおよびfがともに数値1を表し、
・gおよびhがともに数値0を表し、
・AおよびA’が互いに独立して、メチレン基(-CH-)、エチレン基(-CH-CH-)またはプロピレン基(-CH-CH-CH)を表し、および
・Rが、水素原子、メチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-アルケニル基、2-アミノエチル基または式(III)の基を表す、
式(II)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする。
【0073】
前記課題を解決するのに充分に適した式(II)の有機ケイ素化合物は:
・3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
【化26】
・3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
【化27】
・N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
【化28】
・N-メチル-3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
【化29】
・2-[ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アミノ]-エタノール
【化30】
・2-[ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミノ]エタノール
【化31】
・3-(トリメトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
【化32】
・3-(トリエトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
【化33】
・N1,N1-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
【化34】
・N1,N1-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
【化35】
・N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン
【化36】
・N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン
【化37】
である。
【0074】
式(II)の有機ケイ素化合物は市販されている。
【0075】
CAS番号82985-35-1のビス(トリメトキシシリルプロピル)アミンはSigma-Aldrichから購入することができる。
【0076】
CAS番号13497-18-2のビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミンは、例えばSigma-Aldrichから購入することができる。
【0077】
N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミンは、あるいはビス(3-トリメトキシシリルプロピル)-N-メチルアミンと称され、市販品としてSigma-AldrichまたはFluorochemから購入することができる。
【0078】
CAS番号18784-74-2の3-(トリエトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミンは、例えばFluorochemまたはSigma-Aldrichから購入することができる。
【0079】
別の好ましい実施形態において、該方法は、薬剤(a)が、
・3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・N-メチル-3-(トリメトキシシリル)-N-[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・N-メチル-3-(トリエトキシシリル)-N-[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・2-[ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アミノ]-エタノール
・2-[ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]アミノ]エタノール
・3-(トリメトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・3-(トリエトキシシリル)-N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1-プロパンアミン
・N1,N1-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
・N1,N1-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-1,2-エタンジアミン
・N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン、および/または
・N,N-ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]-2-プロペン-1-アミン
からなる群より選択される式(I)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする。
【0080】
また、さらなる染色試験において、該方法でケラチン物質に適用される薬剤(a)が、式(IV):
【化38】
の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む場合が特に好都合であることがわかった。
【0081】
また、式(IV)の有機ケイ素化合物:
【化39】
[式中
・RはC~C18アルキル基を表し、
・R10は水素原子またはC~Cアルキル基を表し、
・R11はC~Cアルキル基を表し、
・kは1~3の整数であり、
・mは3-kの整数を表す]
はアルキル-アルコキシ-シラン型またはアルキル-ヒドロキシ-シラン型のシランと称される場合もある。
【0082】
別の好ましい実施形態において、該方法は、薬剤(a)が、式(IV)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物(a1):
【化40】
[式中
・RがC~C18アルキル基を表し、
・R10が水素原子またはC~Cアルキル基を表し、
・R11がC~Cアルキル基を表し、
・kが1~3の整数であり、
・mが3-kの整数を表す]
を含むことを特徴とする。
【0083】
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(a)が、式(I)の有機ケイ素化合物に加えて式(IV)の少なくとも1種のさらなる有機ケイ素化合物
【化41】
[式中
・RがC~C18アルキル基を表し、
・R10が水素原子またはC~Cアルキル基を表し、
・R11がC~Cアルキル基を表し、
・kが1~3の整数であり、
・mが3-kの整数を表す]
を含むことを特徴とする。
【0084】
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(a)が、式(II)の有機ケイ素化合物に加えて、式(IV)の少なくとも1種のさらなる有機ケイ素化合物:
【化42】
[式中、
・RがC~C18アルキル基を表し、
・R10が水素原子またはC~Cアルキル基を表し、
・R11がC~Cアルキル基を表し、
・kが1~3の整数であり、
・mが3-kの整数を表す]
を含むことを特徴とする。
【0085】
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(a)が、式(I)および/または(II)の有機ケイ素化合物に加えて、式(IV)の少なくとも1種のさらなる有機ケイ素化合物:
【化43】
[式中、
・RがC~C18アルキル基を表し、
・R10が水素原子またはC~Cアルキル基を表し、
・R11がC~Cアルキル基を表し、
・kが1~3の整数であり、
・mが3-kの整数を表す]
を含むことを特徴とする。
【0086】
式(IV)の有機ケイ素化合物において、R基はC~C18アルキル基を表す。このC~C18アルキル基は飽和型であり、直鎖または分枝鎖であり得る。好ましくは、Rは直鎖C~C18アルキル基を表す。好ましくは、Rは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、n-ドデシル基またはn-オクチルデシル基を表す。特に好ましくは、Rは、メチル基、エチル基、n-ヘキシル基またはn-オクチル基を表す。
【0087】
式(IV)の有機ケイ素化合物において、R10基は水素原子またはC~Cアルキル基を表す。特に好ましくは、R10はメチル基またはエチル基を表す。
【0088】
式(IV)の有機ケイ素化合物において、R11基はC~Cアルキル基を表す。特に好ましくは、R11はメチル基またはエチル基を表す。
【0089】
さらに、kは自然数1~3を表し、mは3-kの自然数を表す。kが数値3を表すならば、mは0となる。kが数値2を表すならば、mは1となる。kが数値1を表すならば、mは2となる。
【0090】
最良の洗浄堅牢性を有する染色は、式(IV)[式中、残基のkが数値3である]に相当する少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む薬剤(a)を該方法において使用した場合に得ることができた。この場合、残りのmは数値0を表す。
【0091】
本発明による課題を解決するのに特に好適な式(IV)の有機ケイ素化合物は
・メチルトリメトキシシラン
【化44】
・メチルトリエトキシシラン
【化45】
・エチルトリメトキシシラン
【化46】
・エチルトリエトキシシラン
【化47】
・n-ヘキシルトリメトキシシラン
【化48】
・n-ヘキシルトリエトキシシラン
【化49】
・n-オクチルトリメトキシシラン
【化50】
・n-オクチルトリエトキシシラン
【化51】
・n-ドデシルトリメトキシシラン、および/または
【化52】
・n-ドデシルトリエトキシシラン
【化53】
n-オクタデシルトリメトキシシランおよび/またはn-オクタデシルトリエトキシシランである。
【0092】
さらなる好ましい一実施形態において、前記方法は、薬剤(a)が、
・メチルトリメトキシシラン
・メチルトリエトキシシラン
・エチルトリメトキシシラン
・エチルトリエトキシシラン
・ヘキシルトリメトキシシラン
・ヘキシルトリエトキシシラン
・オクチルトリメトキシシラン
・オクチルトリエトキシシラン
・ドデシルトリメトキシシラン
・ドデシルトリエトキシシラン
・オクタデシルトリメトキシシラン、および/または
・オクタデシルトリエトキシシラン
からなる群より選択される式(IV)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする。
【0093】
本発明に至る研究の過程において、薬剤(a)は互いに構造的に異なる2種の有機ケイ素化合物を含む場合であっても、ケラチン物質上に特に安定で一様なフィルムを得ることできることがわかった。
【0094】
別の好ましい実施形態において、前記方法は、薬剤(a)が、構造的に異なる少なくとも2種の有機ケイ素化合物を含むことを特徴とする。
【0095】
好ましい一実施形態において、該方法は、少なくとも1種の式(I)の有機シリコーン化合物と式(IV)の少なくとも1種の有機シリコーン化合物を含む薬剤(a)をケラチン物質に適用することを特徴とする。
【0096】
明白に相当に特に好ましい一実施形態において、前記方法は、薬剤(a)をケラチン物質に適用し、該薬剤が、(3-アミノプロピル)トリエトキシシランおよび(3-アミノプロピル)トリメトキシシランからなる群より選択される式(I)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含み、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシランおよびヘキシルトリエトキシシランからなる群より選択される式(IV)の少なくとも1種の有機ケイ素化合物をさらに含むことを特徴とする。
【0097】
上記の有機ケイ素化合物は反応性化合物である。これに関連して、薬剤(a)が、薬剤(a)の総重量に基づいて、1つ以上の有機ケイ素化合物を0.1~20重量%、好ましくは0.5~15重量%、特に好ましくは5.0~10重量%の総量で含む場合、好ましいことが見出された。
【0098】
これに関連して、薬剤(a)が、薬剤(a)の総重量に基づいて、式(I)および/または(II)の1種以上の有機ケイ素化合物を0.1~20重量%、好ましくは0.2~15重量%、特に好ましくは0.2~3重量%の総量で含む場合、特に好ましいことが見出された。
【0099】
さらに、薬剤(a)が、薬剤(a)の総重量に基づいて、式(IV)の1種以上の有機ケイ素化合物を0.1~20重量%、好ましくは0.5~15重量%、特に好ましくは2~8重量%の総量で含む場合、特に好ましいことが見出された。
【0100】
少量の水の添加であっても、少なくとも1つの加水分解性基を有する有機ケイ素化合物の加水分解がもたらされる。加水分解生成物および/または少なくとも1つのヒドロキシ基を有する有機ケイ素化合物は縮合反応において互いに反応することがある。この理由で、少なくとも1つの加水分解性基を有する有機ケイ素化合物とその加水分解生成物および/または縮合生成物の両方が薬剤(a)中に存在することがある。少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機ケイ素化合物を使用する場合は、該少なくとも1つのヒドロキシル基を有する有機ケイ素化合物とその縮合生成物の両方が薬剤(a)中に存在し得る。
【0101】
縮合生成物は、各々が1分子あたり少なくとも1つのヒドロキシル基または加水分解性基を有する少なくとも2種の有機ケイ素化合物の水の脱離および/またはアルカノールの脱離による反応によって形成される生成物であると理解されたい。縮合生成物は例えば二量体であってもよいが、三量体またはオリゴマーであってもよく、縮合生成物はモノマーと平衡状態である。加水分解において使用または消費される水の量に応じて、平衡はモノマー型の有機ケイ素化合物から縮合生成物にシフトする。
【0102】
特に良好な結果が、式(I)および/または(II)の有機ケイ素化合物を該方法において使用した場合に得られた。先に記載のように加水分解/縮合は既に微量の水分で開始されるため、有機ケイ素化合物(I)および/または(II)の縮合生成物もまた、この実施形態に含まれる。
【0103】
アルカリ調整剤(a)を使用すると、特に耐性のある着色が得られる。好ましくは、薬剤(a)は水を含み、7~11.5、好ましくは7.5~11、より好ましくは8~10.5のpHを有する。
【0104】
別の非常に特に好ましい実施形態では、前記方法は、薬剤(a)が7~11.5、好ましくは7.5~11、特に好ましくは8~10.5のpHを有することを特徴とする。
【0105】
〔薬剤(b)〕
薬剤(b)は、少なくとも1種の着色剤化合物(b1)および少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー(b2)の存在を特徴とする。着色剤化合物(b1)は、少なくとも1種のレンズ状基材プレートレットベース顔料を含む。
【0106】
基材プレートレット(substrate platelets)は、最大で50nm、好ましくは30nm未満、特に好ましくは最大で25nm、例えば最大で20nmの平均厚さを有する。基材プレートレットの平均厚さは少なくとも1nm、好ましくは少なくとも2.5nm、特に好ましくは少なくとも5nm、例えば少なくとも10nmである。基材ウエハー厚さの好ましい範囲は2.5~50nm、5~50nm、10~50nm;2.5~30nm、5~30nm、10~30nm;2.5~25nm、5~25nm、10~25nm、2.5~20nm、5~20nmおよび10~20nmである。好ましくは、各基材プレートレットは可能な限り一様な厚さを有する。
【0107】
基材プレートレットの薄い厚さのため、顔料は特に高い隠蔽力を示す。
【0108】
基材プレートレットはモノリシック(monolithic)構造を有する。モノリシックは、これとの関連において、割れ、層化または内包物(inclusion)のない単一の閉鎖単位からなることを意味するが、基材プレートレット内で構造変化が起こる場合もある。基材プレートレットは好ましくは均一な構造である、すなわち薄片内に濃度勾配がない。特に、基材プレートレットは層状構造を有しておらず、粒子を有していないか、または内部に粒子が分布していない。
【0109】
基材プレートレットのサイズは、それぞれの適用目的のために、特にケラチン性材料に対する所望の効果のために調整できる。典型的には、基材プレートレットは、約2~200μm、特に約5~100μmの平均最大径を有する。
【0110】
好ましい設計の一例において、平均厚さに対する平均サイズの比で示されるアスペクト比は少なくとも80、好ましくは少なくとも200、より好ましくは少なくとも500、より好ましくは750超である。コーティングなしの基材プレートレットの平均サイズは該コーティングなしの基材プレートレットのd50値である。特に記載のない限り、d50値は、Sympatec Helos装置を用いてquixel湿式分散により測定した。試料を調製するため、分析対象の試料をイソプロパノール中に3分間、予備分散させた。
【0111】
基材プレートレットは、プレートレット形状に形成可能な任意の材料で構成できる。
【0112】
基材プレートレットは天然起源のものであり得るが、合成により生成されたものであってもよい。基材プレートレットが構築可能な材料として、金属および金属合金、金属酸化物、好ましくは酸化アルミニウム、無機化合物、ならびに鉱物、例えば雲母(マイカ)および(半)貴石、ならびにプラスチックが挙げられる。好ましくは、基材プレートレットは金属(合金)で構築されている。
【0113】
金属はエフェクト顔料に適した任意の金属とすることができる。かかる金属として、鉄およびスチール、ならびに空気および水に耐久性のあるあらゆる(半)金属、例えば白金、亜鉛、クロム、モリブデンおよびケイ素ならびにその合金、例えばアルミニウムブロンズおよび真鍮が挙げられる。好ましい金属はアルミニウム、銅、銀および金である。好ましい基材プレートレットとしては、アルミニウムプレートレットおよび真鍮プレートレットが挙げられ、アルミニウム基材プレートレットが特に好ましい。
【0114】
レンチキュラー(=レンズ形状)の基材プレートレットは、本質的に規則的な丸いエッジを有し、その外観から「シルバーダラー(silverdollars)」とも呼ばれる。それらの規則的な構造のために、反射光の割合は、レンズ状基材プレートレットに基づく顔料で優勢である。
【0115】
金属または金属合金の基材プレートレットを、例えばアノード酸化(酸化物層)またはクロメート処理によって不動態化してもよい。
【0116】
コーティングなしのレンズ状基材プレートレット、特に金属または金属合金製のものは入射光を高度に反射し、明暗フロップをもたらすが色感はもたらさない。
【0117】
色感は、例えば光学干渉効果によってもたらされてもよい。かかる顔料は、少なくとも1つのコーティングを有する(単一被覆の)基材プレートレットに基づいていてよい。このようなものは、屈折および反射が異なる光線の重なりによって干渉効果を示す。
【0118】
したがって、好ましい顔料は被覆された(コーティングされた)レンズ状基材プレートレットベースの顔料である。基材ウエハーは好ましくは、少なくとも50nmのコーティング厚さを有する高屈折率の金属酸化物の少なくとも1つのコーティングBを有する。好ましくは、コーティングBと基材ウエハー表面の間に別のコーティングAを存在させる。必要であれば、層B上に、下層となるこの層Bと異なるさらなるコーティングCを存在させる。
【0119】
コーティングA、BおよびCのための好適な材料は、基材プレートレットにフィルム様に永続的な様式で適用することができ、コーティングAおよびBの場合は必要とされる光学特性を有するあらゆる物質である。一般的に、基材プレートレット表面のコーティング部は、光沢効果を有する顔料が得られるのに充分である。例えば、基材プレートレットの上面および/または底面のみをコーティングし、側面はしなくてもよい。好ましくは、任意に不動態化した基材プレートレットの側面を含む全面がコーティングBによってカバーされる。かくして基材プレートレットはコーティングBによって完全に覆われる。これにより顔料の光学特性が改善され、機械的および化学的耐久性が高まる。上記のことは層Aにも、および存在する場合、好ましくは層Cにもあてはまる。
【0120】
各場合において複数のコーティングA、Bおよび/またはCが存在してもよいが、被覆された基材ウエハーは好ましくは、各場合においてコーティングA、B、および存在する場合はCを1つだけ有する。
【0121】
コーティングBは、少なくとも1種の高屈折率の金属酸化物で構成される。高屈折率の材料は、少なくとも1.9、好ましくは少なくとも2.0、より好ましくは少なくとも2.4の屈折率を有する。好ましくは、コーティングBは、いずれの場合もコーティングの総量に基づいて、少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも99重量%の高屈折率金属酸化物を含む。
【0122】
コーティングBは少なくとも50nmの厚さを有する。好ましくは、コーティングBの厚さは400nm以下、より好ましくは300nm以下である。
【0123】
コーティングBに適した高屈折率の金属酸化物は好ましくは選択的光吸収性(すなわち、有色)金属酸化物、例えば酸化鉄(III)(α-およびγ-Fe2O3、赤)、酸化コバルト(II)(青)、酸化クロム(III)(緑)、酸化チタン(III)(青、通常、酸窒化チタンおよび窒化チタンとの混合状態で存在する)、および酸化バナジウム(V)(橙)、ならびにその混合物である。無色の高屈折率酸化物、例えば二酸化チタンおよび/または酸化ジルコニウムもまた好適である。
【0124】
コーティングBには、選択的吸光性染料がコーティングBの総量に対して各場合において好ましくは0.001~5重量%、特に好ましくは0.01~1重量%で含まれてもよい。好適な染料は、金属酸化物コーティング内に安定的に組み込まれ得る有機染料および無機染料である。
【0125】
コーティングAは好ましくは、少なくとも1種の低屈折率の金属酸化物および/または金属酸化物水和物を有する。好ましくは、コーティングAは、いずれの場合もコーティングAの総量に基づいて、少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも99重量%の低屈折率の金属酸化物(水和物)を含む。低屈折率材料は、最大で1.8、好ましくは最大で1.6の屈折率を有する。
【0126】
コーティングAに適した低屈折率金属酸化物としては、例えば、(二)酸化ケイ素、酸化ケイ素水和物、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、酸化ホウ素、酸化ゲルマニウム、酸化マンガン、酸化マグネシウム、およびその混合物が挙げられ、二酸化ケイ素が好ましい。コーティングAは好ましくは、1~100nm、特に好ましくは5~50nm、特に好ましくは5~20nmの厚さを有する。
【0127】
レンズ状基材プレートレットに基づく特に好ましい顔料は、アルミニウムのレンズ状基材プレートレットに加えて、シリカのコーティングAのみを含む。
【0128】
好ましくは、基材プレートレット表面とコーティングBの内側表面との間隔は最大で100nm、特に好ましくは最大で50nm、特に好ましくは最大で20nmである。コーティングAの厚さ、したがって基材プレートレット表面とコーティングBとの間隔が上記に明記した範囲内になることを確実にすることにより、顔料が高い隠蔽力を有するのを確実にすることが可能である。
【0129】
レンズ状基材プレートレットベース顔料が層Aを1つのみを有する場合、顔料は、アルミニウムのレンズ状基材プレートレットおよびシリカの層Aを有することが好ましい。レンズ状基材プレートレットベース顔料が層Aと層Bを有する場合、顔料は、アルミニウムのレンズ状基材プレートレット、シリカの層Aおよび酸化鉄の層Bを有することが好ましい。
【0130】
好ましい一実施形態によれば、顔料は、下層コーティングBと異なる金属酸化物(水和物)のさらなるコーティングCを有する。好適な金属酸化物として、(二)酸化ケイ素、酸化ケイ素水和物、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、酸化亜鉛、酸化スズ、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化鉄(III)および酸化クロム(III)が挙げられる。二酸化ケイ素が好ましい。
【0131】
コーティングCは好ましくは、10~500nm、より好ましくは50~300nmの厚さを有する。例えばTiO2に基づくコーティングCを設けることにより、高い隠蔽力は維持されたまま、より良好な干渉が得られる。
【0132】
層AおよびCは腐食ならびに化学的および物理的安定化の機能を果たす。特に好ましい層AおよびCは、ゾル-ゲル法によって適用されるシリカまたはアルミナである。この方法は、コーティングなしのレンズ状基材ウエハーあるいは層Aおよび/または層Bで既に被覆されたレンズ状基材ウエハーを、金属アルコキシド、例えばオルトケイ酸テトラエチルまたはアルミニウムトリイソプロパノレートの溶液中(通常、有機溶剤または少なくとも50重量%が有機溶剤、例えばC1~C4アルコールである有機溶剤と水の混合物の溶液中)に分散させ、弱塩基または弱酸を添加して金属アルコキシドを加水分解させ、それにより、金属酸化物のフィルムを(被覆された)基材ウエハーの表面上に形成すること、有機溶剤、例えばC1~C4アルコールおよび弱塩基または弱酸を添加して金属アルコキシドを加水分解させ、それにより、金属酸化物のフィルムを(コーティングされた)基材プレートレットの表面上に形成することを含む。
【0133】
層Bは、例えば、1種以上の有機金属化合物の加水分解による分解によって、および/または1種以上の溶存金属塩の沈積、ならびにその後の任意の後処理(例えば、形成された水酸化含有層の酸化物層へのアニール処理による移行)によって作製できる。
【0134】
コーティングA、Bおよび/またはCの各々は2種以上の金属酸化物(水和物)の混合物で構成されていてもよいが、各コーティングは好ましくは1種の金属酸化物(水和物)で構成される。
【0135】
コーティングされたレンズ状基材プレートレットベースの顔料は好ましくは、70~500nm、特に好ましくは100~400nm、特に好ましくは150~320nm、例えば180~290nmの厚さを有する。基材プレートレットの薄い厚さのため、顔料は特に高い隠蔽力を示す。コーティングされた基材プレートレットの薄い厚さは、コーティングなしの基材プレートレットの厚さを薄く維持することによって得られるが、コーティングA、および存在する場合はコーティングCの厚さを可能な限り小さい値に調整することによっても得られる。コーティングBの厚さによって顔料の色感が決定される。
【0136】
ケラチン性物質におけるコーティングされたレンズ状基材プレートレットベースの顔料の密着性および耐磨耗性は、最外層、層A、BまたはCを、構造に応じて有機化合物、例えばシラン、リン酸エステル、チタネート、ボレートまたはカルボン酸でさらに修飾することにより有意に高めることができる。この場合、該有機化合物は、最外の、好ましくは金属酸化物を含有している層A、BまたはCの表面に結合される。最外層は、レンズ状基材プレートレットから空間的に最も遠い層を表す。該有機化合物は好ましくは、金属酸化物含有層A、BまたはCに結合可能な官能性シラン化合物である。これは単官能性化合物または二官能性化合物のいずれであってもよい。二官能性有機化合物の例には、メタクリルオキシプロペニルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、2-アクリルオキシエチルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシ-プロピルトリエトキシシラン、3-アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、2-メタクリルオキシエチルトリエトキシシラン、2-アクリルオキシエチルトリエトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、3-メタクリルオキシプロピルトリス(ブトキシエトキシ)シラン、3-メタクリルオキシ-プロピルトリス(プロポキシ)シラン、3-メタクリルオキシプロピルトリス(ブトキシ)シラン、3-アクリルオキシ-プロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、3-アクリルオキシプロピルトリス(ブトキシエトキシ)シラン、3-アクリル-オキシプロピルトリス(ブトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルエチルジクロロシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、フェニルビニルジエトキシシランまたはフェニルアリルジクロロシランが含まれる。さらに、単官能性シラン、アルキルシランまたはアリールシランでの修飾を行ってもよい。これは官能基を1つだけ有し、該官能基は、コーティングされたレンズ状基材プレートレットベースの顔料の表面に(すなわち、最外の金属酸化物含有層に)、または完全にカバーされていない場合は金属表面に共有結合することができる。シランの炭化水素残基は顔料から離れる方向を向いている。シランの炭化水素残基の型および性質に応じて、さまざまな度合いの疎水性の顔料が得られる。かかるシランの例として、ヘキサデシルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。特に好ましいのは、単官能性シランで表面改質されたシリカコーティングアルミニウム基材プレートレットベースの顔料である。オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ヘカデシル(hecadecyl)トリメトキシシランおよびヘカデシルトリエトキシシランが特に好ましい。表面特性の変更/疎水性化により、適用における密着性、耐磨耗性および配向の点において改善が得られる。
【0137】
また、かかる表面改質を有するレンズ状基材プレートレットベース顔料は、使用される有機ケイ素化合物および/またはその縮合生成物もしくは重合生成物とのより良好な適合性を示すことが示された。
【0138】
薬剤(b)が、薬剤(b)の総重量に基づいて、レンズ状基材プレートレットに基づく1種以上の顔料を、0.01~10重量%好ましくは0.1~8重量%、より好ましくは0.2~6重量%、非常に好ましくは0.5~4.5重量%の総量で含む場合、特に良好な結果を得ることができた。
【0139】
レンズ状基材プレートレットに基づく顔料は、例えば、Schlenk Metallic PigmentsGmbH社からAlegrace(登録商標)Gorgeousの名前で入手可能である。
【0140】
それらの規則的な構造のために、レンズ状基材プレートレットに基づく顔料による染色は、摩擦および洗浄に対して高い堅牢性を示す。
【0141】
レンズ状基材プレートレットに基づく顔料に加えて、薬剤(b)は、顔料および/または直接染料からなる群から選択されるさらなる着色剤化合物を含み得る。
【0142】
本発明の意味の範囲に含まれる顔料は、25℃において0.5g/L未満、好ましくは0.1g/L未満、なおより好ましくは0.05g/L未満の水への溶解度を有する着色化合物である。水への溶解度は、例えば下記の方法によって測定できる:0.5gの顔料をビーカー内に量り入れる。攪拌子を添加する。次いで、1リットルの蒸留水を添加する。この混合物を、磁気攪拌機で撹拌しながら25℃まで1時間加熱する。この期間後、顔料の未溶解成分が混合物中にまだみられる場合、顔料の溶解度は0.5g/L未満である。おそらく微細分散された顔料の高負荷のため顔料-水の混合物を視認的に評価できない場合、混合物を濾過する。ある割合の未溶解顔料が濾紙上に残存している場合、顔料の溶解度は0.5g/L未満である。
【0143】
好適な着色顔料は無機および/または有機起源のものであり得る。
【0144】
好ましい実施形態では、方法は、薬剤(b)が、無機および/または有機顔料からなる群から選択される少なくとも1種のさらなる着色剤化合物を含むことを特徴とする。
【0145】
好ましい着色顔料は合成または天然の無機顔料から選択される。天然起源の無機着色顔料は、例えば、チョーク、黄土、アンバー、緑土、赤土(burnt Terra di Siena)またはグラファイトから生成され得る。さらに、黒色顔料、例えば黒色酸化鉄、有色顔料、例えばウルトラマリンまたは赤色酸化鉄ならびに蛍光またはリン光顔料が無機着色顔料として使用できる。
【0146】
特に好適であるのは、有色の金属酸化物、水酸化物および酸化物の水和物、混相顔料、含硫シリケート、シリケート、金属硫化物、金属シアン化物錯体、金属硫酸塩、クロメートおよび/またはモリブデートである。好ましい着色顔料は黒色酸化鉄(CI 77499)、黄色酸化鉄(CI 77492)、赤褐色酸化鉄(CI 77491)、マンガンバイオレット(CI 77742)、ウルトラマリン(スルホケイ酸アルミニウムナトリウム、CI 77007、ピグメントブルー29)、酸化クロム水和物(CI 77289)、アイアンブルー(フェロシアン化第二鉄、CI 77510)および/またはカーマイン(コチニール)である。
【0147】
有色真珠光沢顔料も特に好ましい。このようなものは通常、雲母(マイカ、Mica)および/または雲母(Glimmer)ベースであり、1種以上の金属酸化物でコーティング(被覆)され得る。雲母は層状ケイ酸塩に属する。このようなケイ酸塩のうち最も重要な代表例はマスコバイト、フロゴパイト、パラゴナイト、黒雲母、鱗雲母および真珠雲母である。金属酸化物との組合せでの真珠光沢顔料を作製するためには、雲母、主にマスコバイトまたはフロゴパイトを金属酸化物でコーティングする。
【0148】
天然雲母の代替として1種以上の金属酸化物でコーティングした合成雲母もまた真珠光沢顔料として使用できる。特に好ましい真珠光沢顔料は、天然または合成雲母(Mica)ベースのものであり、上記の金属酸化物のうちの1種以上でコーティングされている。それぞれの顔料の色彩は、金属酸化物の層の厚さを変えることにより変更することができる。
【0149】
また、好ましい雲母ベース顔料は、金属酸化物でコーティングされた、合成フルオロフロゴパイト(INCI:合成フルオロフロゴパイト)ベースの合成により作製された雲母薄片である。合成フルオロフロゴパイト薄片は、例えば酸化スズ、酸化鉄および/または二酸化チタンでコーティングされる。金属酸化物層に顔料、例えばヘキサシアニド鉄酸鉄(II/III)またはカーマインレッドをさらに含み得る。かかる雲母顔料は、例えばSYNCRYSTALの名称でEckartから入手可能である。
【0150】
さらに好ましい実施形態では、前記方法は、薬剤(b)が、着色された金属酸化物、金属水酸化物、金属酸化物水和物、シリケート、金属硫化物、金属シアン化物錯体、金属硫酸塩、ブロンズ顔料、および/または少なくとも1つの金属酸化物および/または金属オキシ塩化物でコーティングされた着色マイカまたはマイカベースの顔料の群から選択される顔料の群からの少なくとも1種のさらなる着色剤化合物を含むことを特徴とする。
【0151】
さらに好ましい実施形態では、1つの方法は、薬剤(b)が、二酸化チタン(CI 77891)、黒酸化鉄(CI 77499)、黄色酸化鉄(CI 77492)、赤および/または褐色酸化鉄(CI 77491、CI 77499)、マンガンバイオレット(CI 77742)、ウルトラマリン(ナトリウムアルミニウムスルホシリケート、CI 77007、ピグメントブルー29 )、酸化クロム水和物(CI 77289)、酸化クロム(CI 77288)および/または酸化鉄(フェロシアン化第二鉄、CI 77510)からなる群から選択された1種以上の金属酸化物と反応した雲母または雲母ベースの顔料からなる顔料の群から選択される少なくとも1種のさらなる着色剤化合物を含むことを特徴とする。
【0152】
他の適切な顔料は、金属酸化物でコーティングされたプレートレット状のホウケイ酸塩に基づいている。これらは、例えば、酸化スズ、酸化鉄、二酸化ケイ素および/または二酸化チタンでコーティングされている。このようなホウケイ酸ベースの顔料は、例えば、EckartのMIRAGEまたはBASF SEのReflecksの名前で入手できる。
【0153】
特に好適な着色顔料の例は、商品名Rona(登録商標)、Colorona(登録商標)、Xirona(登録商標)、Dichrona(登録商標)およびTimiron(登録商標)でMerckから、Ariabel(登録商標)およびUnipure(登録商標)でSensientから、Prestige(登録商標)でEckart Cosmetic Colorsから、Flamenco(登録商標)、Cellini(登録商標)、Cloisonne(登録商標)、Duocrome(登録商標)、Gemtone(登録商標)、Timica(登録商標)、MultiReflections、ChioneでBASF SEから、およびSunshine(登録商標)でSunstarから市販されているものである。
【0154】
商品名Colorona(登録商標)を有する特に好ましい着色顔料は、例えば:
Colorona Copper,Merck,雲母,CI 77491(酸化鉄)
Colorona Passion Orange,Merck,雲母,CI 77491(酸化鉄)、アルミナ
Colorona Patina Silver,Merck,雲母,CI 77499(酸化鉄)、CI 77891(二酸化チタン)
Colorona RY,Merck,CI 77891(二酸化チタン)、雲母,CI 75470(CARMINE)
Colorona Oriental Beige,Merck,雲母,CI 77891(二酸化チタン)、CI 77491(酸化鉄)
Colorona Dark Blue,Merck,雲母、二酸化チタン、フェロシアン化第二鉄
Colorona Chameleon,Merck,CI 77491(酸化鉄)、雲母
Colorona Aborigine Amber,Merck,雲母,CI 77499(酸化鉄)、CI 77891(二酸化チタン)
Colorona Blackstar Blue,Merck,CI 77499(酸化鉄)、雲母
Colorona Patagonian Purple,Merck,雲母,CI 77491(酸化鉄)、CI 77891(二酸化チタン)、CI 77510(フェロシアン化第二鉄)
Colorona Red Brown,Merck,雲母,CI 77491(酸化鉄)、CI 77891(二酸化チタン)
Colorona Russet,Merck,CI 77491(二酸化チタン)、雲母,CI 77891(酸化鉄)
Colorona Imperial Red,Merck,雲母、二酸化チタン(CI 77891)、D&C RED NO.30(CI 73360)
Colorona Majestic Green,Merck,CI 77891(二酸化チタン)、雲母,CI 77288(酸化クロムグリーン)
Colorona Light Blue,Merck,雲母、二酸化チタン(CI 77891)、フェロシアン化第二鉄(CI 77510)
Colorona Red Gold,Merck,雲母,CI 77891(二酸化チタン)、CI 77491(酸化鉄)
Colorona Gold Plus MP 25,Merck,雲母、二酸化チタン(CI 77891)、酸化鉄(CI 77491)
Colorona Carmine Red,Merck,雲母、二酸化チタン、カーマイン
Colorona Blackstar Green,Merck,雲母,CI 77499(酸化鉄)
Colorona Bordeaux,Merck,雲母,CI 77491(酸化鉄)
Colorona Bronze,Merck,雲母,CI 77491(酸化鉄)
Colorona Bronze Fine,Merck,雲母,CI 77491(酸化鉄)
Colorona Fine Gold MP 20,Merck,雲母,CI 77891(二酸化チタン)、CI 77491(酸化鉄)
Colorona Sienna Fine,Merck,CI 77491(酸化鉄)、雲母
Colorona Sienna,Merck,雲母,CI 77491(酸化鉄)
Colorona Precious Gold,Merck,雲母,CI 77891(二酸化チタン)、シリカ、CI 77491(酸化鉄)、酸化スズ
Colorona Sun Gold Sparkle MP 29,Merck,雲母、二酸化チタン、酸化鉄、雲母,CI 77891、CI 77491(EU)
Colorona Mica Black,Merck,CI 77499(酸化鉄)、雲母,CI 77891(二酸化チタン)
Colorona Bright Gold,Merck,雲母,CI 77891(二酸化チタン)、CI 77491(酸化鉄)
Colorona Blackstar Gold,Merck,雲母,CI 77499(酸化鉄)
Colorona SynCopper,Merck,合成フルオロフロゴパイト(および)酸化鉄
Colorona SynBronze,Merck,合成フルオロフロゴパイト(および)酸化鉄
Colorona(登録商標) SynBronze,Merck,合成フルオロフロゴパイト(および)酸化鉄
である。
【0155】
商品名Xirona(登録商標)を有する他の特に好ましい着色顔料は、例えば:
Xirona Golden Sky,Merck,シリカ、CI 77891(二酸化チタン)、酸化スズ
Xirona Caribbean Blue,Merck,雲母,CI 77891(二酸化チタン)、シリカ、酸化スズ
Xirona Kiwi Rose,Merck,シリカ、CI 77891(二酸化チタン)、酸化スズ
Xirona Magic Mauve,Merck,シリカ、CI 77891(二酸化チタン)、酸化スズ
Xirona Le Rouge,Merck,酸化鉄(および)シリカ
【0156】
また、商品名Unipure(登録商標)を有する特に好ましい着色顔料は、例えば:
Unipure Red LC 381 EM,Sensient CI 77491(酸化鉄)、シリカ
Unipure Black LC 989 EM,Sensient,CI 77499(酸化鉄)、シリカ
Unipure Yellow LC 182 EM,Sensient,CI 77492(酸化鉄)、シリカ
である。
【0157】
また、商品名Flamenco(登録商標)を有する特に好ましい顔料は、例えば:
Flamenco(登録商標)Summit Turquoise T30D,BASF,二酸化チタン(および)雲母
Flamenco(登録商標)Super Violet 530Z,BASF,雲母(および)二酸化チタン
である。
【0158】
実施形態では、薬剤(b)は、有機顔料からなる群から選択される1種以上の着色剤化合物を含んでもよい。
【0159】
有機顔料は、相応して不溶性の有機系の染料または着色料であり、例えば、ニトロソ、ニトロ-アゾ、キサンテン、アントラキノン、イソインドリノン、イソインドリン、キナクリドン、ペリノン、ペリレン、ジケト-ピロロピオロール(pyrrolopyorrole)、インジゴ、チオインジド(thioindido)、ジオキサジンおよび/またはトリアリールメタン化合物の群から選択され得る。
【0160】
特に好適な有機顔料の例はカーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックス番号CI 42090、CI 69800、CI 69825、CI 73000、CI 74100、CI 74160を有する青色顔料、カラーインデックス番号CI 11680、CI 11710、CI 15985、CI 19140、CI 20040、CI 21100、CI 21108、CI 47000、CI 47005を有する黄色顔料、カラーインデックス番号CI 61565、CI 61570、CI 74260を有する緑色顔料、カラーインデックス番号CI 11725、CI 15510、CI 45370、CI 71105を有する橙色顔料、カラーインデックス番号CI 12085、CI 12120、CI 12370、CI 12420、CI 12490、CI 14700、CI 15525、CI 15580、CI 15620、CI 15630、CI 15800、CI 15850、CI 15865、CI 15880、CI 17200、CI 26100、CI 45380、CI 45410、CI 58000、CI 73360、CI 73915および/またはCI 75470を有する赤色顔料である。
【0161】
別の特に好ましい実施形態において、前記方法は、組成物(b)が、カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックス番号CI 42090、CI 69800、CI 69825、CI 73000、CI 74100、CI 74160を有する青色顔料、カラーインデックス番号CI 11680、CI 11710、CI 15985、CI 19140、CI 20040、CI 21100、CI 21108、CI 47000、CI 47005を有する黄色顔料、カラーインデックス番号CI 61565、CI 61570、CI 74260を有する緑色顔料、カラーインデックス番号CI 11725、CI 15510、CI 45370、CI 71105を有する橙色顔料、カラーインデックス番号CI 12085、CI 12120、CI 12370、CI 12420、CI 12490、CI 14700、CI 15525、CI 15580、CI 15620、CI 15630、CI 15800、CI 15850、CI 15865、CI 15880、CI 17200、CI 26100、CI 45380、CI 45410、CI 58000、CI 73360、CI 73915および/またはCI 75470を有する赤色顔料からなる群より選択される有機顔料の群からの少なくとも1種のさらなる着色剤化合物を含むことを特徴とする。
【0162】
有機顔料は、カラーペイントでもあり得る。本発明の意味において、カラーラッカーという用語は、吸着染料(absorbed dyes)の層を含む粒子を意味し、粒子および染料のユニットは、上記の条件下では不溶性である。前記粒子は、例えば、無機基材であり得、これは、アルミニウム、シリカ、ホウケイ酸カルシウム、ホウケイ酸カルシウムアルミニウム、またはアルミニウムでさえあり得る。
【0163】
例えば、アリザリン着色ワニスを使用できる。
【0164】
その優れた光安定性および温度耐性のため、上記の顔料を前記方法の薬剤(b)に使用することが特に好ましい。また、使用される顔料が、ある特定の粒子サイズを有する場合が好ましい。したがって、本発明によれば、該少なくとも1種の顔料が、1~50μm、好ましくは5~45μm、好ましくは10~40μm、14~30μmの平均粒子サイズD50を有する場合が好都合である。平均粒子サイズD50は、例えば動的光散乱(DLS)を用いて測定できる。
【0165】
レンズ状基材プレートレットに基づく顔料に加えて、薬剤(b)は、さらなる着色化合物(b1)として、層状基材プレートレットに基づく顔料またはVMP基材プレートレットに基づく顔料などの他のエフェクト色素を含み得る。VMPは真空金属化顔料を指す。
【0166】
さらなる顔料は、いずれの場合も薬剤(b)の総重量に基づいて、0.001~20重量%、0.05~5重量%の量で使用できる。
【0167】
さらなる着色剤化合物として、該方法に使用される薬剤(b)はまた、1種以上の直接染料を含有してもよい。直接作用染料は、毛髪に直接塗り、色形成のための酸化的方法を必要としない染料である。直接染料は通常、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン類、トリアリールメタン染料またはインドフェノールである。
【0168】
本発明の意味の範囲に含まれる直接染料は、25℃(760mmHg)において0.5g/Lより高い水への溶解度を有するものであり、したがって顔料とみなされるものではない。
【0169】
好ましくは、本発明の意味の範囲に含まれる直接染料は、25℃(760mmHg)において1.0g/Lより高い水への溶解度を有する。
【0170】
直接染料は、アニオン性直接染料、カチオン性直接染料および非イオン性直接染料に分けることができる。
【0171】
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(b)が少なくとも1種のアニオン性直接染料、カチオン性直接染料および/または非イオン性直接染料をさらなる着色化合物として含むことを特徴とする。
【0172】
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(b)が、少なくとも1種のアニオン性直接染料、非イオン性直接染料および/またはカチオン直接染料を含むことを特徴とする。
【0173】
好適なカチオン直接染料として、ベーシックブルー7、ベーシックブルー26、ベーシックバイオレット2およびベーシックバイオレット14、ベーシックイエロー57、ベーシックレッド76、ベーシックブルー16、ベーシックブルー347(カチオンブルー347/ダイスター)、HCブルーNo.16、ベーシックブルー99、ベーシックブラウン16、ベーシックブラウン17、ベーシックイエロー57、ベーシックイエロー87、ベーシックオレンジ31、ベーシックレッド51、および/またはベーシックレッド76が挙げられる。
【0174】
非イオン性直接染料として、非イオン性のニトロ染料およびキノン染料ならびに中性アゾ染料が使用できる。好適な非イオン性直接染料は、国際指定表示(designation)または商品名HCイエロー2、HCイエロー4、HCイエロー5、HCイエロー6、HCイエロー12、HCオレンジ1、ディスパースオレンジ3、HCレッド1、HCレッド3、HCレッド10、HCレッド11、HCレッド13、HCレッドBN、HCブルー2、HCブルー11、HCブルー12、ディスパースブルー3、HCバイオレット1、ディスパースバイオレット1、ディスパースバイオレット4、ディスパースブラック9で示される既知化合物のもの、ならびに1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン、2-アミノ-4-ニトロフェノール、1,4-ビス-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-2-ニトロベンゼン、3-ニトロ-4-(2-ヒドロキシエチル)-アミノフェノール2-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-4,6-ジニトロフェノール、4-[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-3-ニトロ-1-メチルベンゼン、1-アミノ-4-(2-ヒドロキシエチル)-アミノ-5-クロロ-2-ニトロベンゼン、4-アミノ-3-ニトロフェノール、1-(2’-ウレイドエチル)アミノ-4-ニトロベンゼン、2-[(4-アミノ-2-ニトロフェニル)アミノ]安息香酸、6-ニトロ-1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリン、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、ピクラミン酸およびその塩、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、4-エチルアミノ-3-ニトロ安息香酸ならびに2-クロロ-6-エチルアミノ-4-ニトロフェノールである。
【0175】
さらに好ましい実施形態では、前記方法は、薬剤(b)が、アニオン性、カチオン性、および非イオン性の直接染料からなる群から選択される少なくとも1つの直接染料を含むことを特徴とする。
【0176】
本発明に至る研究の過程において、特に高い色彩強度を有する染色は、少なくとも1種のアニオン直接染料を含有している薬剤(b)を用いて作製できることがわかった。
【0177】
したがって、明白に相当に特に好ましい一実施形態において、該方法で使用される薬剤(b)が少なくとも1種のアニオン性直接染料を含むことを特徴とする。
【0178】
アニオン直接染料は酸性染料とも称される。酸性染料は、少なくとも1つのカルボン酸基(-COOH)および/または1つのスルホン酸基(-SOH)を有する直接染料である。pH値に応じて、カルボン酸基またはスルホン酸基のプロトン化形態(-COOH、-SOH)は、その脱プロトン化形態(-OO、-SO-で存在)と平衡状態になる。プロトン化形態の割合はpHの低下にともなって増大する。直接染料がその塩の形態で使用される場合、カルボン酸基またはスルホン酸基は脱プロトン化形態で存在し、対応する化学量論当量のカチオンで中和され、電気的中性が維持される。また、本発明における酸性染料は、そのナトリウム塩および/またはカリウム塩の形態で使用できる。
【0179】
本発明の意味の範囲に含まれる酸性染料は、25℃で(760mmHg)の水中で、0.5g/Lを超える溶解度を有するものであり、したがって顔料とみなされるものではない。好ましくは、本発明の意味の範囲に含まれる酸性染料は、25℃で(760mmHg)の水中で1.0g/Lを超える溶解度を有する。
【0180】
酸性染料のアルカリ土類塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)またはアルミニウム塩は、多くの場合、対応するアルカリ塩より低い溶解度を有する。これらの塩の溶解度が0.5g/L(25℃,760mmHg)未満である場合は直接染料の定義に含まれない。
【0181】
酸性染料の必須の特徴はアニオン電荷形成能であり、このとき、これを担うカルボン酸基またはスルホン酸基は通常、異なる発色団系に連結される。好適な発色団系は、例えば、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、ローダミン染料、オキサジン染料および/またはインドフェノール染料の構造に見出すことができる。
【0182】
前記方法の一実施形態において、したがって、ニトロフェニレンジアミン、ニトロアミノフェノール、アゾ染料、アントラキノン染料、トリアリールメタン染料、キサンテン染料、ローダミン染料、オキサジン染料および/またはインドフェノール染料、キサンテン染料、ローダミン染料、オキサジン染料および/またはインドフェノール染料からなる群より選択される少なくとも1種のアニオン直接染料を含むことを特徴とする薬剤(b)の使用であって、上記の基に由来する染料が各々、少なくとも1つのカルボン酸基(-COOH)、カルボン酸ナトリウム基(-COONa)、カルボン酸カリウム基(-COOK)、スルホン酸基(-SOH)、スルホン酸ナトリウム基(-SONa)および/またはスルホン酸カリウム基(-SOK)を有することが好ましい。
【0183】
例えば、以下の群からの1種以上の化合物が、特に適切な酸性染料として選択できる:アシッドイエロー1(D&Cイエロー7、シトロニンA、Ext.D&CイエローNo.7、日本の黄色403号、CI 10316、COLIPA番号 B001)、アシッドイエロー3(COLIPA番号:C54、D&CイエローNo.10、キノリンイエロー、E104、食用黄色13号)、アシッドイエロー9(CI 13015)、アシッドイエロー17(CI 18965)、アシッドイエロー23(COLIPA番号 C29、Covacap Jaune W 1100(LCW)、Sicovitタートラジン 85 E 102(BASF)、タートラジン、食用黄色4号、日本の黄色4号、FD&CイエローNo.5)、アシッドイエロー36(CI 13065)、アシッドイエロー121(CI 18690)、アシッドオレンジ6(CI 14270)、アシッドオレンジ7(2-ナフトールオレンジ、オレンジII、CI 15510、D&Cオレンジ4、COLIPA番号 C015)、アシッドオレンジ10(C.I.16230;オレンジGナトリウム塩)、アシッドオレンジ11(CI 45370)、アシッドオレンジ15(CI 50120)、アシッドオレンジ20(CI 14600)、アシッドオレンジ24(ブラウン1;CI 20170;KATSU201;ナトリウム塩でないもの;ブラウンNo.201;レゾルシンブラウン;アシッドオレンジ24;日本の褐色201号;D&CブラウンNo.1)、アシッドレッド14(C.I.14720)、アシッドレッド18(E124、赤色18号;CI 16255)、アシッドレッド27(E 123、CI 16185、C-Rot 46、リアルレッドD、FD&CレッドNo.2、食用赤色9号、ナフトールレッドS)、アシッドレッド33(赤色33号、フクシャレッド、D&Cレッド33、CI 17200)、アシッドレッド35(CI C.I.18065)、アシッドレッド51(CI 45430、パイロジンB、テトラヨードフルオレセイン、エオシンJ、Iodeosin)、アシッドレッド52(CI 45100、食用赤色106号、ソーラーローダミンB、アシッドローダミンB、赤色106号ポンタシル(Pontacyl)ブリリアントピンク)、アシッドレッド73(CI 27290)、アシッドレッド87(エオシン、CI 45380)、アシッドレッド92(COLIPA番号 C53、CI 45410)、アシッドレッド95(CI 45425、エリトトシン(Erythtosine),SimacidエリスロシンY)、アシッドレッド184(CI 15685)、アシッドレッド195、アシッドバイオレット43(Jarocolバイオレット43、Ext.D&CバイオレットNo.2、C.I.60730、COLIPA番号 C063)、アシッドバイオレット49(CI 42640)、アシッドバイオレット50(CI 50325)、アシッドブルー1(パテントブルー、CI 42045)、アシッドブルー3(パテントブルーV、CI 42051)、アシッドブルー7(CI 42080)、アシッドブルー104(CI 42735)、アシッドブルー9(E 133、パテントブルーAE、アミドブルーAE、エリオグラウシンA、CI 42090、C.I.食用青色2号)、アシッドブルー62(CI 62045)、アシッドブルー74(E 132、CI 73015)、アシッドブルー80(CI 61585)、アシッドグリーン3(CI 42085、食用緑色1号)、アシッドグリーン5(CI 42095)、アシッドグリーン9(C.I.42100)、アシッドグリーン22(C.I.42170)、アシッドグリーン25(CI 61570、日本の緑色201号、D&CグリーンNo.5)、アシッドグリーン50(ブリリアントアシッドグリーンBS、C.I.44090、アシッドブリリアントグリーンBS、E 142)、アシッドブラック1(ブラックNo.401、ナフタレンブラック10B、アミドブラック10B、CI 20 470、COLIPA番号 B15)、アシッドブラック52(CI 15711)、食用黄色8号(CI 14270)、食用青色5号、D&Cイエロー8、D&Cグリーン5、D&Cオレンジ10、D&Cオレンジ11、D&Cレッド21、D&Cレッド27、D&Cレッド33、D&Cバイオレット2および/またはD&Cブラウン1。
【0184】
例えば、直接染料の水への溶解度は以下のようにして測定できる。0.1gの直接染料をビーカー内に加える。攪拌子を添加する。次いで100mlの水を添加する。この混合物を磁気攪拌機で撹拌しながら25℃まで加熱する。これを60分間撹拌する。次いで、この水性混合物を目視評価する。まだ未溶解残渣がある場合、水の量を、例えば10mlずつ増やす。使用した量の染料が完全に溶解するまで水を添加する。染料-水混合物が染料の高負荷のため視認評価できない場合、混合物を濾過する。ある割合の未溶解染料が濾紙上に残存している場合、水の量をより多くして溶解度試験を繰り返す。0.1gのアニオン直接染料が25℃において100mlの水に溶解する場合、染料の溶解度は1.0g/Lである。
【0185】
アシッドイエロー1は8-ヒドロキシ-5,7-ジニトロ-2-ナフタレンスルホン酸二ナトリウム塩と称され、水への溶解度は少なくとも40g/L(25℃)である。
【0186】
アシッドイエロー3は2-(2-キノリル)-1H-インデン-1,3(2H)-ジオンのモノスルホン酸のナトリウム塩とジスルホン酸のナトリウム塩の混合物であり、水への溶解度は20g/L(25℃)である。
【0187】
アシッドイエロー9は8-ヒドロキシ-5,7-ジニトロ-2-ナフタレンスルホン酸の二ナトリウム塩であり、その水への溶解度は40g/L(25℃)より高い。
【0188】
アシッドイエロー23は4,5-ジヒドロ-5-オキソ-1-(4-スルホフェニル)-4-((4-スルホフェニル)アゾ)-1H-ピラゾール-3-カルボン酸の三ナトリウム塩であり、25℃で水に非常に溶けやすい。
【0189】
アシッドオレンジ7は4-[(2-ヒドロキシ-1-ナフチル)アゾ]ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩である。その水への溶解度は7g/L(25℃)より高い。
【0190】
アシッドレッド18は7-ヒドロキシ-8-[(E)-(4-スルホナト-1-ナフチル)-ジアゼニル)]-1,3-ナフタレンジスルホン酸三ナトリウム塩であり、水への溶解度は非常に高く20重量%より高い。
【0191】
アシッドレッド33は5-アミノ-4-ヒドロキシ-3-(フェニルアゾ)-ナフタレン-2,7-ジスルホン酸二ナトリウム塩であり、その水への溶解度は2,5g/L(25℃)である。
【0192】
アシッドレッド92は3,4,5,6-テトラクロロ-2-(1,4,5,8-テトラブロモ-6-ヒドロキシ-3-オキソキサンテン-9-イル)安息香酸の二ナトリウム塩であり、その水への溶解度は10g/L(25℃)より高いと示されている。
【0193】
アシッドブルー9は2-({4-[N-エチル(3-スルホナトベンジル]アミノ]フェニル}{4-[(N-エチル(3-スルホナトベンジル)イミノ]-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン}メチル)-ベンゼンスルホン酸二ナトリウム塩であり、水への溶解度は20重量%(25℃)より高い。
【0194】
特に好ましい方法は、薬剤(b)が、アシッドイエロー1、アシッドイエロー3、アシッドイエロー9、アシッドイエロー17、アシッドイエロー23、アシッドイエロー36、アシッドイエロー121、アシッドオレンジ6、アシッドオレンジ7、アシッドオレンジ10、アシッドオレンジ11、アシッドオレンジ15、アシッドオレンジ20、アシッドオレンジ24、アシッドレッド14、アシッドレッド27、アシッドレッド33、アシッドレッド35、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド73、アシッドレッド87、アシッドレッド92、アシッドレッド95、アシッドレッド184、アシッドレッド195、アシッドバイオレット43、アシッドバイオレット49、アシッドバイオレット50、アシッドブルー1、アシッドブルー3、アシッドブルー7、アシッドブルー104、アシッドブルー9、アシッドブルー62、アシッドブルー74、アシッドブルー80、アシッドグリーン3、アシッドグリーン5、アシッドグリーン9、アシッドグリーン22、アシッドグリーン25、アシッドグリーン50、アシッドブラック1、アシッドブラック52、食用黄色8号、食用青色5号、D&Cイエロー8、D&Cグリーン5、D&Cオレンジ10、D&Cオレンジ11、D&Cレッド21、D&Cレッド27、D&Cレッド33、D&Cバイオレット2、D&Cブラウン1およびこれらの混合物からなる群より選択されるアニオン直接染料を含むことを特徴とする。
【0195】
直接染料、特にアニオン直接染料は、所望の色彩強度に応じて薬剤(b)中にいろいろな量で使用できる。薬剤(b)が、薬剤(b)の総重量に基づいて、1種以上の直接染料を0.01~10重量%、好ましくは0.1~8重量%、より好ましくは0.2~6重量%、非常に特に好ましくは0.5~4.5重量%の総量で含む場合、特に良好な結果を得ることができた。
【0196】
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(b)が、薬剤(b)の総重量に対して、1種以上の直接染料を0.01~10重量%、好ましくは0.1~8重量%、より好ましくは0.2~6重量%、最も好ましくは0.5~4.5重量%の総量でさらに含むことを特徴とする。
【0197】
さらに好ましい実施形態では、方法は、薬剤(b)が、前記薬剤の総重量に基づいて、1種以上のアニオン性直接染料を0.01~10重量%、好ましくは0.1~8重量%、より好ましくは0.2~6重量%、最も好ましくは0.5~4.5重量%の総量で含むことを特徴とする。
【0198】
前記方法で使用される薬剤(b)は、少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー(b2)を含むという点でさらに特徴づけられる。
【0199】
ポリマーは、少なくとも1000g/mol、好ましくは少なくとも2500g/mol、特に好ましくは少なくとも5000g/molの分子量を有し、同一の反復有機単位からなる巨大分子である。本発明のポリマーは、1つの型のモノマーの重合によって、または互いに構造的に異なる異なる型のモノマーの重合によって製造される、合成により作製されたポリマーであってよい。ポリマーが、ある1つの型のモノマーを重合させることによって作製される場合、これはホモポリマーと称される。構造的に異なるモノマー型が重合において使用される場合、得られるポリマーはコポリマーと称される。
【0200】
ポリマーの最大分子量は重合度(重合されているモノマーの数)およびバッチサイズに依存し、重合方法によって決定される。本発明に関して、フィルム形成性疎水性ポリマー(b)の最大分子量は10g/mol以下、好ましくは10g/mol以下、特に好ましくは10g/mol以下である場合が好ましい。
【0201】
本発明の意味において、フィルム形成性ポリマーは、基材上、例えばケラチン性物質またはケラチン性繊維上にフィルムを形成することができるポリマーである。フィルムの形成は、例えば、ポリマーで処理されたケラチン物質を顕微鏡下で見ることによって実証できる。
【0202】
薬剤(b)におけるフィルム形成性ポリマー(b2)は親水性であっても疎水性であってもよい。
【0203】
第1の実施形態において、少なくとも1種の疎水性のフィルム形成性ポリマーを薬剤(b)において使用することが好ましい場合がある。
【0204】
疎水性ポリマーは、25℃(760mmHg)において1重量%未満の水への溶解度を有するポリマーである。
【0205】
フィルム形成性の疎水性ポリマーの水への溶解度は、例えば以下のようにして測定できる。1gのポリマーをビーカー内に入れる。水で100gにする。攪拌子を添加し、混合物を磁気攪拌機で撹拌しながら25℃まで加熱する。これを60分間撹拌する。次いで、この水性混合物を目視評価する。ポリマー-水混合物が混合物の高濁度のため視認評価できない場合、混合物を濾過する。ある割合の未溶解ポリマーが濾紙上に残存している場合、ポリマーの溶解度は1重量%未満である。
【0206】
このようなものとして、アクリル酸型ポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレア、セルロースポリマー、ニトロセルロースポリマー、シリコーンポリマー、アクリルアミド型ポリマーおよびポリイソプレンが挙げられる。
【0207】
特に適切なフィルム形成性の疎水性ポリマーは、例えば、アクリル酸のコポリマー、メタクリル酸のコポリマー、アクリル酸エステルのホモポリマーまたはコポリマー、メタクリル酸エステルのホモポリマーまたはコポリマー、アクリル酸アミドのホモポリマーまたはコポリマー、メタクリル酸アミドのホモポリマーまたはコポリマー、ビニルピロリドンのコポリマー、ビニルアルコールのコポリマー、酢酸ビニルのコポリマー、エチレンのホモポリマーまたはコポリマー、プロピレンのホモポリマーまたはコポリマー、スチレンのホモポリマーまたはコポリマー、ポリウレタン、ポリエステルおよび/またはポリアミドの群からのポリマーである。
【0208】
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(b)が、アクリル酸のコポリマー、メタクリル酸のコポリマー、アクリル酸エステルのホモポリマーまたはコポリマー、メタクリル酸エステルのホモポリマーまたはコポリマー アクリル酸アミドのホモポリマーまたはコポリマー、メタクリル酸アミドのホモポリマーまたはコポリマー、ビニルピロリドンのコポリマー、ビニルアルコールのコポリマー、酢酸ビニルのコポリマー、エチレンのホモポリマーまたはコポリマー、プロピレンのホモポリマーまたはコポリマー、スチレンのホモポリマーまたはコポリマー、ポリウレタン、ポリエステルおよび/またはポリアミドからなる群より選択される少なくとも1種のフィルム形成性の疎水性ポリマー(b2)を含むことを特徴とする。
【0209】
合成ポリマー、ラジカル重合によって得られるポリマーまたは天然のポリマーの群から選択されるフィルム形成性疎水性ポリマーは本発明による課題を解決するのに特に好適であることがわかった。
【0210】
他の特に適切なフィルム形成性疎水性ポリマーは、オレフィン、例えばシクロオレフィン、ブタジエン、イソプレンまたはスチレン、ビニルエーテル、ビニルアミド、少なくとも1つのC~C20アルキル基、アリール基もしくはC~C10ヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸のエステルまたはアミドのホモポリマーまたはコポリマーから選択できる。
【0211】
他のフィルム形成性疎水性ポリマーは、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸)ラウリル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸)n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸tert-ブチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピルおよび/またはその混合物のホモポリマーまたはコポリマーから選択されてもよい。
【0212】
さらなるフィルム形成性疎水性ポリマーは、(メタ)アクリルアミド、N-アルキル(メタ)アクリルアミド、C2~C18アルキル基を有するもの、例えばN-エチルアクリルアミド、N-tert-ブチルアクリルアミド、N-オクチルアクリルアミド、N-ジ(C1~C4)アルキル(メタ)アクリルアミドのホモポリマーまたはコポリマーから選択できる。
【0213】
他の好ましいアニオン性コポリマーは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸またはそのC~Cアルキルエステルのコポリマーであり、これらはINCI宣言(Declaration)アクリレートコポリマーで販売されている。好適な市販品は例えば、Rohm&Haas製のAculyn(登録商標)33である。アクリル酸、メタクリル酸またはそのC~Cアルキルエステルならびにエチレン性不飽和酸とアルコキシル化脂肪族アルコールのエステルのコポリマーもまた好ましい。好適なエチレン性不飽和酸は特に、アクリル酸、メタクリル酸およびイタコン酸であり;好適なアルコキシル化脂肪族アルコールは特に、ステアレス-20またはセテス-20である。
【0214】
非常に特に好ましい市販のポリマーは、例えば、Aculyn(登録商標)22(アクリレート/ステアレス-20メタクリレートコポリマー)、Aculyn(登録商標)28(アクリレート/ベヘネス-25メタクリレートコポリマー)、Structure 2001(登録商標)(アクリレート/ステアレス-20イタコネートコポリマー)、Structure 3001(登録商標)(アクリレート/セテス-20イタコネートコポリマー)、Structure Plus(登録商標)(アクリレート/アミノアクリレートC10-30アルキルPEG-20イタコネートコポリマー)、Carbopol(登録商標)1342、1382、Ultrez 20、Ultrez 21(アクリレート/C10-30アクリル酸アルキル架橋ポリマー)、Synthalen W 2000(登録商標)(アクリレート/パルメス-25アクリレートコポリマー)またはRohme und Haas製の流通品Soltex OPT(アクリレート/C12-22メタクリル酸アルキルコポリマー)である。
【0215】
ビニルモノマーベースの好適なポリマーとして、例えば、N-ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、ビニル-(C1~C6)アルキル-ピロール、ビニルオキサゾール、ビニルチアゾール、ビニルピリミジンまたはビニルイミダゾールのホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。
【0216】
また、特に好適であるのは、コポリマーのオクチルアクリルアミド/アクリレート/メタクリル酸ブチルアミノエチルコポリマー、例えばNATIONAL STARCHによって商品名AMPHOMER(登録商標)もしくはLOVOCRYL(登録商標)47で市販されているものまたはNATIONAL STARCHによって商品名DERMACRYL(登録商標)LTおよびDERMACRYL(登録商標)79で販売されているアクリレート/オクチルアクリルアミドのコポリマーである。
【0217】
好適なオレフィンベースポリマーとして、エチレン、プロピレン、ブテン、イソプレンおよびブタジエンのホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。
【0218】
別の実施形態において、フィルム形成性疎水性ポリマーは、スチレンまたはスチレンの誘導体の少なくとも1つのブロックを含むブロックコポリマーであってよい。このようなブロックコポリマーは、スチレンブロックに加えて1つ以上のブロック、例えばスチレン/エチレン、スチレン/エチレン/ブチレン、スチレン/ブチレン、スチレン/イソプレン、スチレン/ブタジエンを含むコポリマーであってよい。かかるポリマーはBASFによって商品名「Luvitol HSB」で市販されている。
【0219】
驚くべきことに、薬剤(b)が、アクリル酸のホモポリマーおよびコポリマー、メタクリル酸のホモポリマーおよびコポリマー、アクリル酸エステルのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリル酸エステルのホモポリマーおよびコポリマー、アクリル酸アミドのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリル酸アミドのホモポリマーおよびコポリマー、ビニルピロリドンのホモポリマーおよびコポリマー、ビニルアルコールのホモポリマーおよびコポリマー、酢酸ビニルのホモポリマーおよびコポリマー、エチレンのホモポリマーおよびコポリマー、プロピレンのホモポリマーおよびコポリマー、スチレンのホモポリマーおよびコポリマー、ポリウレタン、ポリエステルおよびポリアミドからなる群より選択される少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー(b2)を含む場合、特に強くて洗浄堅牢性の着色が得られることがわかった。
【0220】
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(b)が、アクリル酸のホモポリマーおよびコポリマー、メタクリル酸のホモポリマーおよびコポリマー、アクリル酸エステルのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリル酸エステルのホモポリマーおよびコポリマー、アクリル酸アミドのホモポリマーおよびコポリマー、メタクリル酸アミドのホモポリマーおよびコポリマー、ビニルピロリドンのホモポリマーおよびコポリマー、ビニルアルコールのホモポリマーおよびコポリマー、酢酸ビニルのホモポリマーおよびコポリマー、エチレンのホモポリマーおよびコポリマー、プロピレンのホモポリマーおよびコポリマー、スチレンのホモポリマーおよびコポリマー、ポリウレタン、ポリエステルおよびポリアミドからなる群より選択される少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー(b2)を含むことを特徴とする。
【0221】
さらなる一実施形態において、少なくとも1種の親水性のフィルム形成性ポリマー(b2)を薬剤(b)において使用することが好ましい場合がある。
【0222】
親水性ポリマーは、25℃(760mmHg)において1重量%より大きい、好ましくは2重量%より大きいの水への溶解度を有するポリマーである。
【0223】
フィルム形成性の親水性ポリマーの水への溶解度は、例えば以下のようにして測定できる。1gのポリマーをビーカー内に入れる。水で100gにする。攪拌子を添加し、混合物を磁気攪拌機で撹拌しながら25℃まで加熱する。これを60分間撹拌する。次いで、この水性混合物を目視評価する。完全に溶解したポリマーは肉眼で均質に見える。ポリマー-水混合物が混合物の高濁度のため視認評価できない場合、混合物を濾過する。未溶解ポリマーが濾紙上に残存していない場合、ポリマーの溶解度は1重量%より大きい。
【0224】
非イオン性、アニオン性およびカチオン性のポリマーは、フィルム形成性の親水性ポリマーとして使用できる。
【0225】
好適なフィルム形成性親水性ポリマーは、例えば、ポリビニルピロリドン(コ)ポリマー、ポリビニルアルコール(コ)ポリマー、酢酸ビニル(コ)ポリマー、カルボキシビニル(コ)ポリマー、アクリル酸(コ)ポリマー、メタクリル酸(コ)ポリマー、天然のガム、多糖類および/またはアクリルアミド(コ)ポリマーからなる群から選択され得る。
【0226】
さらに、ポリビニルピロリドン(PVP)および/またはビニルピロリドン含有コポリマーをフィルム形成性親水性ポリマーとして使用することが特に好ましい。
【0227】
別の非常に特に好ましい実施形態において、該方法は、薬剤(b)が、ポリビニルピロリドン(PVP)およびポリビニルピロリドンのコポリマーからなる群より選択される少なくとも1種のフィルム形成性の親水性ポリマー(b1)を含むことを特徴とする。
【0228】
該薬剤が、ポリビニルピロリドン(PVP)をフィルム形成性親水性ポリマーとして含む場合がさらに好ましい。驚くべきことに、PVP含有薬剤(b)を用いて得られた染色の洗浄堅牢性もまた特に良好であった。
【0229】
特に適切な ポリビニルピロリドンは、例えばLuviskol(登録商標)Kの名称でBASF SEから、特にLuviskol(登録商標)K 90またはLuviskol(登録商標)K 85でBASF SEから入手可能である。
【0230】
ポリマーPVP K 30は、Ashland(ISP,POI Chemical)によって販売されており、これもまた、別の明白に非常に適切なポリビニルピロリドン(PVP)として使用できる。PVP K 30は冷水中への溶解性が高いポリビニルピロリドンであり、CAS番号9003-39-8を有する。PVP K 30の分子量は約40000g/molである。
【0231】
他の特に好適なポリビニルピロリドンは、商品名LUVITEC K 17、LUVITEC K 30、LUVITEC K 60、LUVITEC K 80、LUVITEC K 85、LUVITEC K 90およびLUVITEC K 115で知られる物質であり、BASFから入手可能である。
【0232】
ポリビニルピロリドンコポリマーの群からのフィルム形成性親水性ポリマー(b2)の使用もまた、特に良好で洗浄堅牢性のカラーリング結果がもたらされた。
【0233】
ビニルピロリドン-ビニルエステルコポリマー、例えば商標Luviskol(登録商標)(BASF)で販売されているものは特に好適なフィルム形成性親水性ポリマーである。Luviskol(登録商標)VA 64およびLuviskol(登録商標)VA 73は、ともにビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマーであり、特に好ましい非イオン性ポリマーである。
【0234】
ビニルピロリドン含有コポリマーのうち、スチレン/VPコポリマーおよび/またはビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマーおよび/またはVP/DMAPAアクリレートコポリマーおよび/またはVP/ビニルカプロラクタム/DMAPAアクリレートコポリマーが化粧料組成物において特に好ましい。
【0235】
ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマーは、Luviskol(登録商標)VAの名称でBASF SEによって販売されている。例えば、VP/ビニルカプロラクタム/DMAPAアクリレートコポリマーは、商品名Aquaflex(登録商標)SF-40でAshland Incによって販売されている。例えば、VP/DMAPAアクリレートコポリマーは、AshlandによってStyleze CC-10の名称で販売されており、非常に好ましいビニルピロリドン含有コポリマーである。
【0236】
また、ポリビニルピロリドンの他の好適なコポリマーは、N-ビニルピロリドンを、V-ビニルホルムアミド、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、アクリルアミド、ビニルカプロラクタム、ビニルカプロラクトンおよび/またはビニルアルコールからなる群からの少なくとも1種のさらなるモノマーと反応させることにより得られるものであってもよい。
【0237】
別の非常に特に好ましい実施形態において、該方法は、薬剤(b)が、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/スチレンコポリマー、ビニルピロリドン/エチレンコポリマー、ビニルピロリドン/プロピレンコポリマー、ビニルピロリドン/ビニルカプロラクタムコポリマー、ビニルピロリドン/ビニルホルムアミドコポリマーおよび/またはビニルピロリドン/ビニルアルコールコポリマーからなる群より選択される少なくとも1種のフィルム形成性の親水性ポリマー(b2)を含むことを特徴とする。
【0238】
ビニルピロリドンの別のファジー(fussy)なコポリマーは、INCI表示マルトデキストリン/VPコポリマーで知られるポリマーである。
【0239】
さらに、非イオン性フィルム形成性親水性ポリマーをフィルム形成性親水性ポリマーとして使用した場合、特に良好な洗い流し堅牢特性を有する強くカラーリングされたケラチン物質、特に毛髪を得ることができた。
【0240】
別の実施形態において、薬剤(b)は、少なくとも1種の非イオン性のフィルム形成性の親水性ポリマー(b2)を含んでよい。
【0241】
本発明によれば、非イオン性ポリマーは、プロトン性溶剤中、例えば水中において標準的な条件下で、対イオンによって補われるはずである永続的なカチオン基またはアニオン基を有する構造単位を有しておらず、電子中性を維持したままであるポリマーであると理解されたい。カチオン基としては第四級化アンモニウム基が挙げられるが、プロトン化アミンは含まれない。アニオン基としてはカルボン酸基およびスルホン酸基が挙げられる。
【0242】
非イオン性のフィルム形成性の親水性ポリマーとして、
・ポリビニルピロリドン、
・N-ビニルピロリドンとN-ビニルピロリドンの2~18個の炭素原子を含むカルボン酸のビニルエステルと酢酸ビニルのコポリマー、
・N-ビニルピロリドンとN-ビニルイミダゾールとメタクリルアミドのコポリマー、
・N-ビニルピロリドンとN-ビニルイミダゾールとアクリルアミドのコポリマー、
・N-ビニルピロリドンとN,N-ジ(C1~C4)アルキルアミノ-(C2~C4)アルキルアクリルアミドとのコポリマー
からなる群より選択される少なくとも1種のポリマーを含む生成物が好ましい。
【0243】
N-ビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマーが使用される場合、この場合も、モノマーのN-ビニルピロリドンに含まれる構造単位:モノマーの酢酸ビニルに含まれるポリマーの構造単位のモル比は20:80~80:20、特に30:70~60:40の範囲である場合が好ましい。好適なビニルピロリドンと酢酸ビニルのコポリマーは、例えば商標Luviskol(登録商標)VA 37、Luviskol(登録商標)VA 55、Luviskol(登録商標)VA 64およびLuviskol(登録商標)VA 73でBASF SEから入手可能である。
【0244】
別の特に好ましいポリマーはINCI表示VP/メタクリルアミド/ビニルイミダゾールコポリマーから選択され、これは商品名Luviset ClearでBASF SEから入手可能である。
【0245】
別の特に好ましい非イオン性のフィルム形成性の親水性ポリマーはN-ビニルピロリドンとN,N-ジメチルアミニオプロピルメタクリルアミドのコポリマーであり、これは、例えば、ISPによりINCI表示VP/DMAPA アクリレートコポリマーで、例えば商品名Styleze(登録商標)CC 10で販売されている。
【0246】
カチオン性ポリマーは、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-(3-ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミドおよび3-(メタクリロイルアミノ)プロピル-ラウリル-ジメチルアンモニウムクロリドのコポリマー(INCI表示:ポリクオタニウム-69)であり、これは、例えば商品名AquaStyle(登録商標)300(エタノール-水混合物中28~32重量%の活性物質、分子量350000)でISPにより販売されている。
【0247】
他の好適なフィルム形成性の親水性ポリマーとして、
・表示Luviquat(登録商標)FC 370、FC 550およびINCI表示ポリクオタニウム-16ならびにFC 905およびHM 552で提供されるビニルピロリドン-ビニルイミダゾリウムメトクロリドコポリマー、
・ビニルピロリドン-ビニルカプロラクタム-アクリレートターポリマー、これは、第3のモノマー成分がアクリル酸エステルおよびアクリル酸アミドで、例えばAquaflex(登録商標)SF 40の名称で市販されている、
が挙げられる。
【0248】
ポリクオタニウム-11は、硫酸ジエチルとビニルピロリドンおよびメタクリル酸ジメチルアミノエチルのコポリマーとの反応生成物である。好適な市販品は、Dehyquart(登録商標)CC 11およびLuviquat(登録商標)PQ 11 PNの名称でBASF SEから、またはGafquat 440、Gafquat 734、Gafquat 755もしくはGafquat 755Nの名称でAshland Inc.から入手可能である。
【0249】
ポリクオタニウム-46は、ビニルカプロラクタムおよびビニルピロリドンとメチルビニルイミダゾリウムメトサルフェートとの反応生成物であり、例えばLuviquat(登録商標)Holdの名称でBASF SEから入手可能である。ポリクオタニウム-46は、好ましくは化粧料組成物の総重量に対して1~5重量%の量で使用される。ポリクオタニウム-46をカチオングア化合物との組合せで使用することが特に好ましい。ポリクオタニウム-46をカチオングア化合物およびポリクオタニウム-11との組合せで使用することがいっそう非常に好ましい。
【0250】
好適なアニオン性のフィルム形成性の親水性ポリマーは例えばアクリル酸ポリマーであってよく、これは非架橋形態であっても架橋形態であってもよい。かかる生成物は、商品名Carbopol 980、981、954、2984および5984でLubrizolにより、またはSynthalen MおよびSynthalen Kの名称で3V Sigma(The Sun Chemicals,Inter Harz)により市販されている。
【0251】
天然のガムの群からの好適なフィルム形成性の親水性ポリマーの例はキサンタンガム、ゲランガム、カロブガムである。
【0252】
多糖類の群からの好適なフィルム形成性親水性ポリマーの例はヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースである。
【0253】
アクリルアミドの群からの好適なフィルム形成性の親水性ポリマーは、例えば、(メタ)アクリルアミド-C1~C4-アルキルスルホン酸またはその塩のモノマーから調製されるポリマーである。対応するポリマーは、ポリアクリルアミドメタンスルホン酸、ポリアクリルアミドエタンスルホン酸、ポリアクリルアミドプロパンスルホン酸、ポリ2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ポリ-2-メチルアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸および/またはポリ-2-メチルアクリルアミド-n-ブタンスルホン酸のポリマーから選択され得る。
【0254】
ポリ(メタ)アクリルアミド-C1~C4-アルキル-スルホン酸の好ましいポリマーは架橋型であり、少なくとも90%が中和されている。このようなポリマーは架橋型であっても非架橋型であってもよい。
【0255】
ポリ-2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸型の架橋された完全中和または部分中和ポリマーは、INCI名「アンモニウムポリアクリルアミド-2-メチル-プロパンスルホネート」または「アンモニウムポリアクリルジメチルタウラミド(tauramide)」で入手可能である。
【0256】
この型の別の好ましいポリマーは、Clariantにより商品名Hostacerin AMPSで販売されている架橋型ポリ-2-アクリルアミド-2メチル-プロパンスルホン酸ポリマーであり、アンモニアで部分的に中和されている。
【0257】
別の明白に非常に特に好ましい実施形態において、該方法は、薬剤(b)が少なくとも1種のアニオン性のフィルム形成性ポリマー(b2)を含むことを特徴とする。
【0258】
これとの関連において、最良の結果は、薬剤(b)が、少なくとも1つの式(P-I)の構造単位と少なくとも1つの式(P-II)の構造単位
【化54】
[式中
Mは水素原子またはアンモニウム(NH)、ナトリウム、カリウム、1/2マグネシウムもしくは1/2カルシウムである]
を含む少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー(b2)を含む場合に得られた。
【0259】
さらなる好ましい一実施形態において、本発明による方法は、薬剤(b)が、少なくとも1つの式(P-I)の構造単位と少なくとも1つの式(P-II)の構造単位を含む少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー(b2)を含むことを特徴とする:
【化55】
式中
Mは水素原子またはアンモニウム(NH)、ナトリウム、カリウム、1/2マグネシウムもしくは1/2カルシウムである。
【0260】
Mが水素原子を表す場合、式(P-I)の構造単位はアクリル酸単位に基づく。
【0261】
Mがアンモニウム対イオンを表す場合、式(P-I)の構造単位はアクリル酸のアンモニウム塩に基づく。
【0262】
Mがナトリウム対イオンを表す場合、式(P-I)の構造単位はアクリル酸のナトリウム塩に基づく。
【0263】
Mがカリウム対イオンを表す場合、式(P-I)の構造単位はアクリル酸のカリウム塩に基づく。
【0264】
Mが半当量のマグネシウム対イオンを表す場合、式(P-I)の構造単位はアクリル酸のマグネシウム塩に基づく。
【0265】
Mが半当量のカルシウム対イオンを表す場合、式(P-I)の構造単位はアクリル酸のカルシウム塩に基づく。
【0266】
フィルム形成性ポリマー(b2)は好ましくは薬剤(b)において特定範囲の量で使用される。これとの関連において、本発明による課題を解決するためには、薬剤(b)が、薬剤(b)の総重量に対して1種以上のフィルム形成性ポリマー(b2)を0.1~18重量%、好ましくは1~16重量%、より好ましくは5~14.5重量%、非常に特に好ましくは8~12重量%の総量で含む場合が特に好ましいことがわかった。
【0267】
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(b)が、薬剤(b)の総重量に対して1種以上のフィルム形成性ポリマー(b2)を0.1~18重量%、好ましくは1~16重量%、より好ましくは5~14.5重量%、非常に特に好ましくは8~12重量%の総量で含むことを特徴とする。
【0268】
〔薬剤(a)および/または(b)中の他の成分〕
上記の薬剤(a)および(b)はまた、1種以上の任意の成分を含有してもよい。
【0269】
前記薬剤(a)および/または(b)は、1種以上の界面活性剤をさらに含有してもよい。界面活性剤という用語は表面活性物質を示す。疎水性残基と負荷電の親水性頭部基からなるアニオン界面活性剤、負電荷と相殺性の正電荷の両方を有している両性界面活性剤、疎水性残基に加えて正荷電の親水性基を有するカチオン界面活性剤、および電荷をもたないが強い双極子モーメントを有し、水溶液中で強く水和される非イオン界面活性剤に区別される。
【0270】
双性イオン界面活性剤は、分子内に少なくとも1つの第四級アンモニウム基と少なくとも1つの-COO(-)-または-SO (-)基を有している表面活性化合物である。特に好適な双性イオン界面活性剤はいわゆるベタイン、例えばN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウム-グリシネート、例えばココアルキル-ジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、各々、アルキル基またはアシル基内に8~18個のC原子を有するココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネートおよび2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン、ならびにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。好ましい双性イオン界面活性剤の一例は、INCI名コカミドプロピルベタインで知られる脂肪酸アミド誘導体である。
【0271】
両性界面活性剤は、分子内のC~C24アルキルまたはアシル基に加えて、少なくとも1つの遊離アミノ基と少なくとも1つの-COOHまたは-SOH基を含み、分子内塩を形成することができる表面活性化合物である。好適な両性界面活性剤の例は、各々、アルキル基内に約8~24個のC原子を有するN-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸である。両性または双性イオン界面活性剤の典型的な例はアルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシネート、イミダゾリニウムベタインおよびスルホベタインである。
【0272】
特に好ましい両性界面活性剤はN-ココス(cocos)アルキルアミノプロピオネート、ココスアシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC12~C18-アシルサルコシンである。
【0273】
また、前記薬剤(a)および/または(b)は少なくとも1種の非イオン界面活性剤をさらに含有してもよい。好適な非イオン界面活性剤は、脂肪族アルコールまたは脂肪酸1molに対して2~30molのエチレンオキシドの脂肪族アルコールおよび脂肪酸に対するアルキルポリグリコシド付加生成物ならびにアルキレンオキシド付加生成物である。良好な特性を有する調製物は、非イオン界面活性剤として、少なくとも2molのエチレンオキシドと反応させたエトキシル化グリセロールの脂肪酸エステルを含有させた場合にも得られる。
【0274】
さらに、前記薬剤(a)および/または(b)は少なくとも1種のカチオン界面活性剤をさらに含有してもよい。カチオン界面活性剤は、各々、1個以上の正電荷を有する界面活性剤、すなわち表面活性化合物である。カチオン界面活性剤は正電荷のみを含むものである。通常、このような界面活性剤は疎水性部と親水性頭部基で構成されており、疎水性部は通常、炭化水素主鎖からなり(例えば、1つまたは2つの直鎖または分枝鎖のアルキル鎖からなる)、正電荷は親水性頭部基に存在する。カチオン界面活性剤の例は
・8~28個の炭素原子の鎖長を有する1つもしくは2つのアルキル鎖を疎水性残基として有するものであり得る第四級アンモニウム化合物、
・8~28個の炭素原子の鎖長を有する1つ以上のアルキル鎖で置換されている第四級ホスホニウム塩または
・第三級スルホニウム塩
である。
【0275】
さらに、カチオン電荷もまた、オニウム構造の形態の複素環(例えば、イミダゾリウム環またはピリジニウム環)の一部であり得る。カチオン電荷を有している官能部単位に加えて、カチオン界面活性剤は、例えばエステルクアットの場合のように他の無電荷官能基もまた含んでいてもよい。カチオン界面活性剤は、それぞれの薬剤の総重量に対して0.1~45重量%、好ましくは1~30重量%、最も好ましくは1~15重量%の総量で使用される。
【0276】
さらに、前記薬剤(a)および/または(b)はまた、少なくとも1種のアニオン界面活性剤を含有してもよい。アニオン界面活性剤は、排他的にアニオン電荷(対応する対カチオンによって中和される)を有する表面活性薬剤である。アニオン界面活性剤の例は脂肪酸、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェートおよびエーテルカルボン酸であり、アルキル基内のC原子は12~20個であり、分子内のグリコールエーテル基最大16個までである。
【0277】
アニオン界面活性剤は、それぞれの薬剤の総重量に対して0.1~45重量%、好ましくは1~30重量%、最も好ましくは1~15重量%の総量で使用される。
【0278】
所望のpH値を調整するために、薬剤(a)および(b)はまた、少なくとも1つのアルカリ化剤および/または酸性化剤を含み得る。本発明の目的のためのpH値は、22℃の温度で測定されたpH値である。
【0279】
アルカリ化剤として、薬剤(a)および/または(b)は、例えば、アンモニア、アルカノールアミンおよび/または塩基性アミノ酸を含み得る。
【0280】
組成物において使用され得るアルカノールアミンは好ましくは、少なくとも1つのヒドロキシル基を有しているC~Cアルキルペアレント(C~C alkyl parent)を有する第1級アミンから選択される。好ましいアルカノールアミンは、2-アミノエタン-1-オール(モノエタノールアミン)、3-アミノプロパン-1-オール、4-アミノブタン-1-オール、5-アミノペンタン-1-オール、1-アミノプロパン-2-オール、1-アミノブタン-2-オール、1-アミノペンタン-2-オール、1-アミノペンタン-3-オール、1-アミノペンタン-4-オール、3-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール、3-アミノプロパン-1,2-ジオール、2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオールによって形成される群から選択される。
【0281】
特に好ましいアルカノールアミンは、2-アミノエタン-1-オールおよび/または2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オールから選択される。したがって、特に好ましい実施形態は、薬剤(a)および/または(b)が、アルカリ化剤として、2-アミノエタン-1-オールおよび/または2-アミノ-2-メチルプロパン-1-オールから選択されるアルカノールアミンを含むことを特徴とする。
【0282】
本発明の目的のために、アミノ酸は、その構造内に少なくとも1つのプロトン化性アミノ基と少なくとも1つの-COOHまたは1つの-SOH基を含む有機化合物である。好ましいアミノ酸はアミノカルボン酸、特にα-(アルファ)-アミノカルボン酸およびω-アミノカルボン酸であり、このとき、α-アミノカルボン酸が特に好ましい。
【0283】
本発明によれば、塩基性アミノ酸は、等電点pIが7より大きいアミノ酸である。
【0284】
塩基性α-アミノカルボン酸は少なくとも1個の不斉炭素原子を含む。本発明との関連において、考えられ得る両方のエナンチオマーを具体的な化合物として、またはその混合物、特にラセミ体として等しく使用できる。しかしながら、天然状態で好ましい異性体形態、通常、L体を使用することが特に好都合である。
【0285】
塩基性アミノ酸は好ましくは、アルギニン、リシン、オルニチンおよびヒスチジン、特に好ましくはアルギニンおよびリシンによって形成される群から選択される。さらなる特に好ましい一実施形態において、該方法は、したがって、アルカリ化剤がアルギニン、リシン、オルニチンおよび/またはヒスチジンからなる群より選択される塩基性アミノ酸であることを特徴とする。
【0286】
さらに、薬剤(a)および/または(b)は、さらなるアルカリ化剤、特に無機アルカリ化剤を含み得る。適用可能な無機アルカリ化剤は、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムによって形成される群から選択される。
【0287】
非常に特に好ましいアルカリ化剤は、アンモニア、2-アミノエタン-1-オール(モノエタノールアミン)、3-アミノプロパン-1-オール、4-アミノブタン-1-オール、5-アミノペンタン-1-オール、1-アミノプロパン-2-オール、1-アミノブタン-2-オール、1-アミノペンタン-2-オール、1-アミノペンタン-3-オール、1-アミノペンタン-4-オール、3-アミノ-2-メチルプロパン-1-オール、1-アミノ-2-メチルプロパン-2-オール、3-アミノプロパン-1,2-ジオール、2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオール、アルギニン、リジン、オルニチン、ヒスチジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムである。
【0288】
当業者に馴染みのある酸性化剤は、例えば、クエン酸、酢酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸または酒石酸などの有機酸、ならびに塩酸、硫酸、またはリン酸などの希鉱酸である。
【0289】
薬剤(a)および/または薬剤(b)にマット剤をさらに含んでもよい。好適なマット剤として、例えば、(加工)デンプン、ワックス、タルクおよび/または(修飾)シリカが挙げられる。マット剤の量は、薬剤(a)または薬剤(b)の総量に対して好ましくは0.1~10重量%である。好ましくは、薬剤(b)はマット剤を含む。
【0290】
薬剤(a)が、顔料および/または直接染料からなる群から選択される少なくとも1種の着色剤化合物をさらに含むことが特に好ましい場合がある。
【0291】
薬剤(a)で使用し得る顔料および/または直接染料の群からの着色剤化合物は、原則として、薬剤(b)でも使用される着色剤化合物に対応し得る。
【0292】
より好ましい実施形態では、前記方法は、薬剤(a)が、無機および/または有機顔料からなる群から選択される少なくとも1種の着色剤化合物を含むことを特徴とする。
【0293】
別の特に好ましい実施形態では、前記方法は、組成物(a)が、カーマイン、キナクリドン、フタロシアニン、ソルガム、カラーインデックス番号CI 42090、CI 69800、CI 69825、CI 73000、CI 74100、CI 74160の青色顔料、カラーインデックス番号CI 11680、CI 11710、CI 15985、CI 19140、CI 20040、CI 21100、CI 21108、CI 47000、CI 47005の黄色顔料、カラーインデックス番号CI 61565、CI 61570、CI 74260の緑色顔料、カラーインデックス番号CI 11725、CI 15510、CI 45370、CI 71105の橙色顔料、カラーインデックス番号CI 12085、CI 12120、CI 12370、CI 12420、CI 12490、CI 14700、CI 15525、CI 15580、CI 15620、CI 15630、CI 15800、CI 15850、CI 15865、CI 15880、CI 17200、CI 26100、CI 45380、CI 45410、CI 58000、CI 73360、CI 73915、CI 75470の赤色顔料およびこれらの混合物からなる群から選択される有機顔料の群からの少なくとも1種の着色剤化合物を含むことを特徴とする。
【0294】
薬剤(a)および/または(b)はまた、他の活性成分、助剤および添加剤、例えば溶剤;脂肪族成分、例えばC~C30脂肪酸トリグリセリド、C~C30脂肪酸モノグリセリド、C~C30脂肪酸ジグリセリドおよび/または炭化水素;ポリマー;ストラクチュラント(structurant)、例えばグルコース、または塩化ナトリウム、ヘアコンディショニング化合物、例えばリン脂質、例えばレクチンおよびケファリン;香油、ジメチルイソソルビドおよびシクロデキストリン;繊維構造改善活性成分、特に単糖類、二糖類およびオリゴ糖、例えばグルコース、ガラクトース、フルクトース、フルクトースおよびラクトース;製品をカラーリングするための染料;フケ防止活性成分、例えばピロクトン・オラミン、亜鉛オマジンおよびクリンバゾール;アミノ酸およびオリゴペプチド;動物系および/または植物系ならびに脂肪酸縮合生成物または任意にアニオン修飾型もしくはカチオン修飾型誘導体の形態のタンパク質加水分解物;植物油;光安定剤およびUVブロッカー;活性成分、例えばパンテノール、パントテン酸、パントラクトン、アラントイン、ピロリジノンカルボン酸およびその塩またはビサボロール;ポリフェノール、特にヒドロキシ桂皮酸、6,7-ジヒドロキシクマリン、ヒドロキシ安息香酸、カテキン、タンニン、ロイコアントシアニジン、アントシアニジン、フラバノン、フラボンおよびフラボノール;セラミドまたは疑似セラミド;ビタミン類、プロビタミンおよびビタミン前駆体;植物エキス;脂肪およびワックス、例えば脂肪族アルコール、ミツロウ、モンタンワックスおよびケロシン;膨潤剤および浸透剤、例えばグリセロール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、カーボネート、炭酸水素塩、グアニジン、尿素および第一級、第二級および第三級ホスフェート;乳白剤、例えばラテックス、スチレン/PVPおよびスチレン/アクリルアミドコポリマー;真珠光沢薬剤、例えばエチレングリコールモノ-およびジステアレートならびにPEG-3-ジステアレート;ならびに発泡剤、例えばプロパン-ブタン混合物、NO、ジメチルエーテル、COおよび空気を含有してもよい。
【0295】
このような他の物質の選択は、専門家により薬剤の所望の特性に従うように行われる。他の任意の成分およびこのような成分の使用量に関して、その専門家に知られた関連マニュアルに明示されている。さらなる活性成分および補助物質は好ましくは、薬剤(a)および/または(b)中に、それぞれの薬剤の総重量に対して0.0001~25重量%ずつ、0.0005~15重量%の量で使用される。
【0296】
〔ケラチン物質を染色するための方法〕
本発明による手順において、薬剤(a)および(b)は、ケラチン物質、人毛に適用される。したがって、薬剤(a)および(b)は使用準備済の薬剤である。薬剤(a)と(b)は異なる。
【0297】
原則的に、薬剤(a)および(b)は同時または連続的に適用することができ、このとき、連続的に適用することが好ましい。
【0298】
最良の結果は、薬剤(a)を前処理剤としてケラチン物質に適用し、次に薬剤(b)を着色剤として適用する場合に得られた。
【0299】
したがって、ケラチン物質、特に人間毛を染色するための方法は、与えられた順序で以下の工程を含むことが特に好ましい:
・第1の工程において、薬剤(a)をケラチン物質に適用し、薬剤(a)は少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む、および
・第2の工程において、薬剤(b)をケラチン物質に適用し、薬剤(b)は
(b1)少なくとも1種のレンズ状基材プレートレットベース顔料を含む少なくとも1種の着色剤化合物、および
(b2)少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー
を含む。
【0300】
さらに、染色されたケラチン物質に対して長期間にわたって高い溶出耐久性を付与するため、薬剤(a)および(b)は特に好ましくは、薬剤(a)の適用と薬剤(b)の適用の間の期間が最大数時間であることを意味する1つの同じ染色方法において適用する。
【0301】
さらなる好ましい一実施形態において、該方法は、薬剤(a)を最初に適用し、その後に薬剤(b)を適用し、薬剤(a)の適用と薬剤(b)の適用の間の期間が最大でも24時間、好ましくは最大でも12時間、特に好ましくは最大でも6時間であることを特徴とする。
【0302】
本発明による方法において、ケラチン物質、特に人毛は、最初に薬剤(a)で処理される。続いて、実際の着色剤(b)(着色剤化合物を含む)がケラチン物質に適用される。
【0303】
好ましくは、薬剤(a)自体は、着色剤または着色化合物を含まない。薬剤(a)の特徴は、少なくとも1種の反応性有機ケイ素化合物という内容物である。反応性有機ケイ素化合物(a)は、毛髪表面に出会うとすぐに官能化する。このようにして、第1の、まだ着色されていないフィルムが形成される。プロセスの第2の工程では、着色剤(b)が毛髪に適用される。着色剤(b)の適用中、着色剤化合物は、有機ケイ素化合物によって形成されたフィルムと相互作用し、したがって、ケラチン物質に結合する。
【0304】
実施のさらなる形態との関連において、示した順に以下の工程
(1)薬剤(a)をケラチン物質に対して適用すること、
(2)薬剤(a)を10秒~10分、好ましくは10秒~5分の期間、作用させること、
(3)必要であれば、ケラチン物質を水ですすぎ洗いすること、
(4)薬剤(b)をケラチン物質に対して適用すること、
(5)薬剤(b)を30秒~30分、好ましくは30秒~10分の期間、作用させること、および
(6)ケラチン物質を水ですすぎ洗いすること
を含む手順が特に好ましい。
【0305】
該方法の工程(3)および(6)でのケラチン物質の水でのすすぎ洗いは、本発明によれば、すすぎ洗い方法に、薬剤(a)および(b)以外になんら他の薬剤を伴わずに水だけを使用することを意味すると理解されたい。
【0306】
工程(1)では、薬剤(a)が最初にケラチン物質、特に人毛に適用される。
【0307】
適用後、薬剤(a)をそのままにしてケラチン物質に作用させる。これとの関連において、毛髪上において10秒間~10分間、好ましくは20秒間~5分間、最も好ましくは30秒間~2分間の適用時間が特に有利であることがわかった。
【0308】
前記方法の好ましい一実施形態では、薬剤(a)を次に、後続の工程で薬剤(b)を毛髪に適用する前にケラチン性材料からすすぎ洗いすることができる。
【0309】
等しく良好な洗浄堅牢性を有する染色が、まだ薬剤(a)に曝露されているケラチン物質に薬剤(b)を適用した場合に得られた。
【0310】
工程(4)では、薬剤(b)が次にケラチン物質に適用される。適用後、薬剤(b)を毛髪に対して作用させる。
【0311】
薬剤(b)との接触時間が短くても、該方法により、特に良好な強度および洗浄堅牢性を有する染色をもたらすことが可能となる。ケラチン物質上、人毛上において10秒間~10分間、好ましくは20秒間~5分間、最も好ましくは30秒間~3分間の接触時間が特に有利であることがわかった。
【0312】
工程(6)では、薬剤(b)(およびまだ存在していれば薬剤(a))が次にケラチン物質から水ですすぎ洗い流される。
【0313】
〔多成分包装ユニット(パーツキット)〕
本発明による方法において、薬剤(a)および(b)は、ケラチン物質に適用される、すなわち、2つの薬剤(a)および(b)は、それぞれ、すぐに使用できる薬剤である。
【0314】
ユーザーの快適性を高めるため、好ましくはユーザーに必要とされるすべての資材が多成分包装ユニット(パーツキット)の形態で提供される。
【0315】
したがって、本発明の第2の主題は、ケラチン物質を着色するための多成分包装ユニット(パーツキット)であり、互いに別個に包括的に包装されている:
・薬剤(a)を含む第1の容器、ここで該薬剤(a)は少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む、および
・薬剤(b)を含有する第2の容器、ここで該薬剤(b)は:
(b1)少なくとも1種のレンズ状基材プレートレットベース顔料を含む少なくとも1種の着色剤化合物、および
(b2)少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー
を含む。
【0316】
キットの薬剤(a)に含まれる有機ケイ素化合物は、前述の方法の薬剤(a)においても使用された有機ケイ素化合物に相当する。
【0317】
キットの薬剤(b)に含まれる顔料および/または直接染料の群からの着色剤化合物は、前述の薬剤(b)でも使用された顔料および/または直接染料の群からの着色剤化合物に対応する。
【0318】
薬剤(a)は、有機ケイ素化合物と共に、前述のように水の存在下で加水分解および/またはオリゴマー化および/または重合を受けることができる反応性化合物のクラスを含む。それらの高い反応性の結果として、これらの有機ケイ素化合物はケラチン物質上にフィルムを形成する。
【0319】
早すぎる加水分解、オリゴマー化および/または重合を回避するために、使用の直前にのみすぐに使用できる薬剤(a)を調製することが好ましい場合がある。
【0320】
さらなる実施形態の文脈において、ケラチン物質を着色するための多成分包装ユニット(パーツキット)は、好ましくは、
・薬剤(a1)を含む第1の容器、ここで薬剤(a1)は、少なくとも1種の有機ケイ素化合物を含む、
・薬剤(a2)を含む第2の容器、ここで薬剤(a2)は水を含む、
・薬剤(b)を含む第3の容器、ここで薬剤(b)は、
(b1)少なくとも1種のレンズ状基材プレートレットベース顔料を含む少なくとも1種の着色剤化合物、および
(b2)少なくとも1種のフィルム形成性ポリマー
を含む
が互いに別々に包装されている。
【0321】
貯蔵中に可能な限り安定な配合物を提供するために、薬剤(a1)自体は、低水または水なしで包装されることが好ましい。
【0322】
好ましい実施形態では、多成分包装ユニット(パーツキット)は、薬剤(a1)が、薬剤(a1)の総重量に基づいて、10重量%未満、好ましくは5重量%未満、より好ましくは1重量%未満、さらにより好ましくは0.1重量%未満、そして非常に特に好ましくは0.01重量%未満の含水量を有することを特徴とする。
【0323】
薬剤(a2)は水を含む。好ましい実施形態では、多成分包装ユニット(パーツキット
)は、薬剤(a2)が、薬剤(a2)の総重量に基づいて、15~100重量%、好ましくは35~100重量%、より好ましくは55~100重量%、さらにより好ましくは65~100重量%、そして非常に特に好ましくは75~100重量%の水分含有量を有することを特徴とする。
【0324】
このバージョンでは、すぐに使用できる薬剤(a)は、薬剤(a1)と(a2)を混合することによって生成される。
【0325】
例えば、ユーザは、最初に、有機ケイ素化合物を含む薬剤(a1)を含水剤(a2)とを混合または振とうし得る。これで、ユーザーはこの(a1)と(a2)の混合物を、調製直後または10秒~20分の短い反応時間の後にケラチン物質に適用できる。その後、ユーザーは上記のように薬剤(b)を適用できる。
【0326】
多成分包装ユニットのさらに好ましい実施形態に関して、同じことが、必要な変更を加えて、方法に関して適用される。
【実施例
【0327】
〔1.製剤〕
以下の製剤を調製した(特に記載のない限り、数字はすべて、単位:重量%である)。
【表1】
【0328】
シランを一部の水と混合し、この混合物を30分間放置した。次に、クエン酸/アンモニアを添加して、pH値を目的の値に調整した。次に水を加えて100gにした。
【0329】
【表2】
【0330】
〔2.適用〕
一束の毛髪ストランド(Kerling、ユーロナチュラルヘアホワイト)を薬剤(a)に浸し、1分間そのままにした。その後、過剰な薬剤(a)を各毛髪の束から剥がした。毛髪の各ストランドを水で簡単に洗った。過剰な水は毛髪の各ストランドからこすり落とされた。
【0331】
続いて、前記毛髪ストランドをそれぞれ薬剤(b)に浸し、その中に1分間放置した。その後、過剰な薬剤(b)を各毛髪ストランドから取り除いた。各毛髪ストランドを水で簡単に洗った。過剰な水は各毛髪ストランドからこすり落とされた。
【0332】
続いて、ストランドを視覚的に評価した。高強度で堅牢な毛髪のシルバーメタリックカラーリングが得られた。
【国際調査報告】