IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クリー インコーポレイテッドの特許一覧

特表2022-527399作用面積を増加させたトランジスタ半導体ダイ
<>
  • 特表-作用面積を増加させたトランジスタ半導体ダイ 図1
  • 特表-作用面積を増加させたトランジスタ半導体ダイ 図2
  • 特表-作用面積を増加させたトランジスタ半導体ダイ 図3
  • 特表-作用面積を増加させたトランジスタ半導体ダイ 図4
  • 特表-作用面積を増加させたトランジスタ半導体ダイ 図5
  • 特表-作用面積を増加させたトランジスタ半導体ダイ 図6
  • 特表-作用面積を増加させたトランジスタ半導体ダイ 図7
  • 特表-作用面積を増加させたトランジスタ半導体ダイ 図8
  • 特表-作用面積を増加させたトランジスタ半導体ダイ 図9
  • 特表-作用面積を増加させたトランジスタ半導体ダイ 図10
  • 特表-作用面積を増加させたトランジスタ半導体ダイ 図11
  • 特表-作用面積を増加させたトランジスタ半導体ダイ 図12
  • 特表-作用面積を増加させたトランジスタ半導体ダイ 図13
  • 特表-作用面積を増加させたトランジスタ半導体ダイ 図14
  • 特表-作用面積を増加させたトランジスタ半導体ダイ 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-01
(54)【発明の名称】作用面積を増加させたトランジスタ半導体ダイ
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20220525BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20220525BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20220525BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20220525BHJP
   H01L 29/739 20060101ALI20220525BHJP
【FI】
H01L29/78 652Q
H01L21/88 T
H01L21/90 K
H01L29/78 301X
H01L29/78 301B
H01L29/78 652M
H01L29/78 655F
H01L29/78 652F
H01L29/78 652S
H01L29/78 652K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559979
(86)(22)【出願日】2020-04-08
(85)【翻訳文提出日】2021-11-17
(86)【国際出願番号】 US2020027153
(87)【国際公開番号】W WO2020210286
(87)【国際公開日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】16/381,629
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100162846
【弁理士】
【氏名又は名称】大牧 綾子
(72)【発明者】
【氏名】リキテンウォルナー,ダニエル・ジェナー
(72)【発明者】
【氏名】バン ブラント,エドワード・ロバート
【テーマコード(参考)】
5F033
5F140
【Fターム(参考)】
5F033GG01
5F033MM21
5F033RR03
5F033RR04
5F033RR06
5F033VV07
5F140AC23
5F140AC24
5F140BA02
5F140BF58
5F140BJ29
5F140CA10
(57)【要約】
トランジスタ半導体ダイは、ドリフト層、第1の誘電体層、第1の金属化層、第2の誘電体層、第2の金属化層、第1の複数の電極、および第2の複数の電極を備える。第1の誘電体層はドリフト層上にある。第1の金属化層の少なくとも一部が第1のコンタクトパッドを提供するように、第1の金属化層は第1の誘電体層上にある。第2の誘電体層は第1の金属化層上にある。第2の金属化層の少なくとも一部が第2のコンタクトパッドを提供し、前記第2の金属化層が少なくとも部分的に第1の金属化層に重なるように、第2の金属化層は第2の誘電体層上にある。前記トランジスタ半導体ダイは、第2のコンタクトパッドにおいて与えられた信号に基づいて第1のコンタクトパッドと第3のコンタクトパッドとの間で電流を選択的に伝導するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランジスタ半導体ダイであって、
ドリフト層と、
前記ドリフト層上の第1の誘電体層と、
前記第1の誘電体層上の第1の金属化層であり、前記第1の金属化層の少なくとも一部が第1のコンタクトパッドを提供する第1の金属化層と、
前記第1の金属化層上の第2の誘電体層と、
前記第2の誘電体層上の第2の金属化層であり、前記第2の金属化層の少なくとも一部が第2のコンタクトパッドを提供するようにする第2の金属化層と、
前記第1の金属化層に電気的に結合され、前記第1の誘電体層によって被覆される第1の複数の電極と、
前記第2の金属化層に電気的に結合される第2の複数の電極であり、前記トランジスタ半導体ダイが前記第2のコンタクトパッドにおいて与えられた信号に基づいて前記第1のコンタクトパッドと第3のコンタクトパッドとの間に選択的に電流を伝導するように構成されるようにする第2の複数の電極と、
を備えるトランジスタ半導体ダイ。
【請求項2】
前記トランジスタ半導体ダイは、順方向伝導モードの動作時に前記第1のコンタクトパッドと前記第3のコンタクトパッドとの間で0.5Aを上回るものを伝導し、阻止モードの動作時に前記第1のコンタクトパッドと前記第3のコンタクトパッドとの間で100Vを上回るものを阻止するように構成される、請求項1に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項3】
前記ドリフト層は炭化ケイ素を含む、請求項1に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項4】
前記第2の金属化層上にパッシベーション層をさらに備え、前記第1のコンタクトパッドおよび前記第2のコンタクトパッドが前記パッシベーション層を通して露出されるようにする、請求項1に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項5】
前記トランジスタ半導体ダイは、金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)である、請求項1に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項6】
前記トランジスタ半導体ダイは、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)である、請求項1に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項7】
前記トランジスタ半導体ダイは、バイポーラ接合トランジスタである、請求項1に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項8】
前記第3のコンタクトパッドがドリフト層に対して前記第1のコンタクトパッドおよび前記第2のコンタクトパッドとは反対側に存在するように、前記トランジスタ半導体ダイが垂直トランジスタデバイスを実現する、請求項1に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項9】
前記第3のコンタクトパッドが前記第1のコンタクトパッドに隣り合った前記第1の誘電体層に存在するように、前記トランジスタ半導体ダイは水平トランジスタデバイスを実現する、請求項1に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項10】
縁端領域と、
前記縁端領域内のデバイス領域と、をさらに備え、前記デバイス領域内の合計非作用面積は前記第2のコンタクトパッドの面積より小さい、
請求項1に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項11】
前記第2の金属化層は、前記第1の誘電体層および前記第2の誘電体層を通って1つまたは複数のバイアによって前記第2の複数の電極と結合される、請求項1に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項12】
前記第2の誘電体層に1つまたは複数のセンサコンタクトパッドをさらに備える、請求項1に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項13】
前記1つまたは複数のセンサコンタクトパッドは前記第2の誘電体層上のセンサに結合される、請求項12に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項14】
前記センサは、温度センサ、歪みセンサ、および電流センサのうちの1つまたは複数である、請求項13に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項15】
前記1つまたは複数のセンサコンタクトパッドは、前記第1の誘電体層および前記第2の誘電体層を介して、1つまたは複数のバイアによってドリフト層中のセンサに結合される、請求項12に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項16】
前記センサは、温度センサ、歪みセンサ、および電流センサのうちの1つまたは複数である、請求項15に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項17】
前記1つまたは複数のセンサコンタクトパッドの少なくとも一部は、前記第1の金属化層に重なる、請求項12に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項18】
前記第1のコンタクトパッドの面積は少なくとも0.4mmである、請求項12に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項19】
前記第2の金属化層の少なくとも一部は前記第1の金属化層に重なる、請求項1に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項20】
前記第1の誘電体層および前記第2の誘電体層は、SiO、Al、およびSiのうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項21】
前記第1の誘電体層は、前記第2の誘電体層とは異なる組成を有する、請求項20に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項22】
前記第1の誘電体層と前記第2の誘電体層との間に介在層をさらに備え、前記介在層が前記第1の金属化層と前記第2の金属化層との間にあるようにする、請求項1に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項23】
前記第1の誘電体層、前記第2の誘電体層、および前記介在層は、SiO、Al、およびSiのうちの1つまたは複数を含み、
前記介在層は、前記第1の誘電体層および前記第2の誘電体層とは異なる組成を有する、
請求項22に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項24】
前記第2の誘電体層と前記第2の金属化層との間に追加介在層をさらに備える、請求項22に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項25】
前記第1の誘電体層、前記第2の誘電体層、前記介在層、および前記追加介在層は、SiO、Al、およびSiのうちの1つまたは複数を含み、
前記介在層および前記追加介在層は、前記第1の誘電体層および前記第2の誘電体層とは異なる組成を有する、
請求項24に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項26】
前記トランジスタ半導体ダイは垂直トランジスタデバイスである、請求項1に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項27】
トランジスタ半導体ダイであって、
第1のコンタクトパッド、第2のコンタクトパッド、および第3のコンタクトパッドと、
前記トランジスタ半導体ダイが、前記第2のコンタクトパッドにおいて与えられた信号に基づいて前記第1のコンタクトパッドと前記第3のコンタクトパッドとの間で電流を選択的に伝導するように構成されるように、前記第1のコンタクトパッド、前記第2のコンタクトパッド、および前記第3のコンタクトパッドのうちの1つまたは複数に結合された1つまたは複数の領域を含むデバイス領域と、を備え
前記第1のコンタクトパッドおよび前記第2のコンタクトパッドは、前記トランジスタ半導体ダイの同一の側に配置され、
前記デバイス領域内の合計非作用面積は前記第2のコンタクトパッドの面積より小さい、
トランジスタ半導体ダイ。
【請求項28】
前記第1のコンタクトパッドの面積は少なくとも0.4mmである、請求項27に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項29】
前記トランジスタ半導体ダイは、順方向伝導モードの動作時に前記第1のコンタクトパッドと前記第3のコンタクトパッドとの間で0.5Aを上回るものを伝導し、阻止モードの動作時に前記第1のコンタクトパッドと前記第3のコンタクトパッドとの間で100Vを上回るものを阻止するように構成される、請求項27に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項30】
前記トランジスタ半導体ダイは垂直半導体デバイスである、請求項27に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項31】
縁端領域をさらに含み、前記デバイス領域は前記縁端領域内にある、請求項27に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【請求項32】
トランジスタ半導体ダイであって、
基板と、
前記基板上のドリフト層と、
垂直トランジスタデバイスが形成されるように、デバイス領域内の前記ドリフト層中の1つまたは複数の注入領域と、
前記トランジスタ半導体ダイと一体化したセンサと、
前記センサに電気的に結合されたセンサコンタクトパッドと、を備え、前記デバイス領域内の合計非作用面積は前記センサコンタクトパッドの面積より小さい、
トランジスタ半導体ダイ。
【請求項33】
前記センサは、温度センサ、歪みセンサ、および電流センサのうちの1つである、請求項32に記載のトランジスタ半導体ダイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、トランジスタデバイスに関し、より詳しくは作用面積(active area)を増加させた垂直トランジスタ半導体ダイに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]選択的に大電流を通し、大電圧を阻止するために、パワートランジスタデバイスが使用される。ここで、パワートランジスタデバイスは、順方向伝導モードの動作時に少なくとも0.5Aを伝導し、阻止モードの動作時に少なくとも100Vを阻止するように構成されたデバイスであると定義する。パワートランジスタデバイスの例として、電界効果トランジスタ(FET)、金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)が挙げられる。パワートランジスタデバイスは、1つまたは複数のパワートランジスタ半導体ダイによって実現される。パワートランジスタ半導体ダイは、縁端領域によって囲まれたデバイス領域を備える垂直トランジスタデバイスとして実現される場合が多い。デバイス領域は、デバイスの選択的な電流伝導および電圧阻止機能を実現するために、1つまたは複数の電極に電気結合された1つまたは複数のインプラントを備えるパワートランジスタ半導体ダイの領域である。縁端領域は、パワートランジスタ半導体ダイの縁部で電界の集中を低減し、それによって低逆電圧での破壊を防ぐために設けられる。デバイス領域はパワートランジスタ半導体ダイの作用部分を形成する一方、縁端領域はパワートランジスタ半導体ダイの非作用部分を形成する。ここで、半導体ダイの領域は、デバイスが伝導モードのとき(例えば第1象限または第3象限の動作時)にデバイスにおける電流を運ぶ役割を担う場合に「作用」していると定義する。合計作用面積が電流容量に直接比例するため、パワートランジスタ半導体ダイの合計作用面積を最大化するのが一般的に望ましい。しかしながら、従来のパワートランジスタ半導体ダイの設計に関する制約のため、作用面積に割り当てられるデバイス領域の部分は限定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、そのデバイス領域において作用面積を増加させたパワートランジスタ半導体ダイが現在必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0003]一実施形態において、トランジスタ半導体ダイは、ドリフト層と、第1の誘電体層と、第1の金属化層(metallization layer)と、第2の誘電体層と、第2の金属化層と、第1の複数の電極と、第2の複数の電極とを備える。第1の誘電体層は、ドリフト層上にある。第1の金属化層の少なくとも一部が第1のコンタクトパッドを実現するように、第1の金属化層は第1の誘電体層上にある。第2の誘電体層は第1の金属化層上にある。第2の金属化層の少なくとも一部が第2のコンタクトパッドを実現するように、第2の金属化層は第2の誘電体層上にある。第1の複数の電極は、ドリフト層の第1の複数の領域上にあり、第1の金属化層に結合される。第2の複数の電極はドリフト層の第2の複数の領域上にあり、第2の金属化層に結合される。第2のコンタクトパッドにおいて与えられた信号に基づいて、トランジスタ半導体ダイが第1のコンタクトパッドと第3のコンタクトパッドとの間で電流を選択的に伝導するように構成されるように、第1の複数の領域および第2の複数の領域は構成される。第2の誘電体層に第2の金属化層を設けることによって、トランジスタ半導体ダイの合計作用面積が増加する場合がある。
【0005】
[0004]当業者は、添付図面に関連して好適な実施形態の以下の詳細な説明を読むことによって、本開示の範囲を理解し、その他の態様を認識するであろう。
[0005]本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付図面は、本開示のいくつかの態様を図示し、その説明とともに、本開示の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】[0006]本開示の一実施形態によるトランジスタ半導体ダイの全体図である。
図2】[0007]本開示の一実施形態によるトランジスタ半導体ダイの全体図である。
図3】[0008]本開示の一実施形態によるトランジスタ半導体ダイの全体図である。
図4】[0009]本開示の一実施形態によるトランジスタ半導体ダイの全体図である。
図5】[0010]本開示の一実施形態によるトランジスタ半導体ダイの断面図である。
図6】[0011]本開示の一実施形態によるトランジスタ半導体ダイの断面図である。
図7】[0012]図7Aは本開示の様々な実施形態によるトランジスタ半導体ダイの性能を図示するグラフである。図7Bは本開示の様々な実施形態によるトランジスタ半導体ダイの性能を図示するグラフである。図7Cは本開示の様々な実施形態によるトランジスタ半導体ダイの性能を図示するグラフである。
図8】[0013]本開示の一実施形態によるトランジスタ半導体ダイの全体図である。
図9】[0014]本開示の一実施形態によるトランジスタ半導体ダイの全体図である。
図10】[0015]本開示の一実施形態によるトランジスタ半導体ダイの全体図である。
図11】[0016]本開示の一実施形態によるトランジスタ半導体ダイの全体図である。
図12】[0017]本開示の一実施形態によるトランジスタ半導体ダイの全体図である。
図13】[0018]本開示の一実施形態によるトランジスタ半導体ダイの断面図である。
図14】[0019]本開示の一実施形態によるトランジスタ半導体ダイの断面図である。
図15】[0020]本開示の一実施形態によるトランジスタ半導体ダイの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0021]以下に述べる実施形態は、当業者が実施形態を実行可能とするために必要な情報を示し、実施形態を実行する最良の態様を説明する。添付図面に照らし合わせて以下の説明を読むことによって、当業者は本開示の概念を理解し、ここで特に扱われていないそれらの概念の応用を理解するであろう。それらの概念および応用は、本開示の範囲および添付の特許請求の範囲内に含まれることを理解されたい。
【0008】
[0022]様々な要素を説明するために、第1、第2、などの語がここで使用される場合があるが、それらの要素はそれらの語によって限定されるべきではないことを理解されたい。それらの語は要素間を区別するためだけに使用される。例えば、本開示の範囲内において、第1の要素が第2の要素と呼ばれる場合もあり、同様に第2の要素が第1の要素と呼ばれる場合がある。ここで使用されるように、「および/または」という語は、関連の列挙された項目のうちの1つまたは複数の任意およびすべての組み合わせを含む。
【0009】
[0023]層、領域、または基板などの要素が別の要素「に」ある、または別の要素「へ」延出すると言及される場合、その別の要素に直接あることができる、またはその別の要素へ直接延出することができ、または介在要素も存在する場合があることを理解されたい。対照的に、要素が別の要素「に直接」ある、または別の要素「へ直接」延出すると言及される場合、介在要素は存在しない。同様に、層、領域または基板などの要素が別の要素「上に」ある、または別の要素「上で」延出すると言及される場合、その別の要素の上に直接ある、またはその別の要素の上で直接延出することができ、または介在要素もある場合があることを理解されたい。対照的に、要素が別の要素「上に直接」存在する、または別の要素「上で直接」延出すると言及される場合、介在要素は存在しない。要素が別の要素に「接続」または「結合」されると言及される場合、その別の要素に直接接続または結合することができ、または介在要素が存在する場合があることも理解されたい。対照的に、要素が別の要素に「直接接続」または「直接結合」されると言及される場合、介在要素は存在しない。
【0010】
[0024]「下」または「上」または「上方」または「下方」または「水平」または「垂直」などの相対語は、図に示されるような、ある要素、層、または領域の、別の要素、層、または領域に対する関係を説明するためにここで使用される場合がある。これらの語および上述されたものは、図面で示された向きに加えて、デバイスの様々な向きを包含することが意図されることを理解されたい。
【0011】
[0025]ここで使用される用語は、特定の実施形態を説明することを目的としたものに過ぎず、本開示を限定することは意図されない。ここで使用されるように、単数形である「a」、「an」および「the」は、文脈が特に明記しない限り、複数形も同様に含むことが意図される。さらに、「備える」、「備えている」、「含む」、および/または「含んでいる」という語は、ここで使用される場合、述べられた特徴、完全体、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、完全体、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそのグループの存在または追加を排除しないことを理解されたい。
【0012】
[0026]特に定義されない限り、ここで使用されるすべての語(技術用語および科学用語を含む)は、本開示が属する業界の当業者によって一般的に理解されるのと同様の意味を有する。さらに、ここで使用される語は、本明細書および関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、ここで明確に定義されない限り、理想化した意味または過度に形式的な意味で解釈されないことを理解されたい。
【0013】
[0027]図1は、本開示の一実施形態によるトランジスタ半導体ダイ10の上面図を示す。図示の目的のため、トランジスタ半導体ダイ10は、ゲートコンタクトパッド14およびいくつかのソースコンタクトパッド16のための開口部を有するパッシベーション層12を含む垂直の金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)デバイスである。トランジスタ半導体ダイ10は、ドレインコンタクトパッド(不図示)がデバイスの裏側に配置された垂直電源デバイスである。ゲートコンタクトパッド14およびソースコンタクトパッド16は、トランジスタ半導体ダイ10を外部サーキットリーに結合するための表面として設けられてもよい。したがって、ゲートコンタクトパッド14およびソースコンタクトパッド16は、確実に接続することができる最小のサイズを有してもよい。一実施形態において、ゲートコンタクトパッド14およびソースコンタクトパッド16のそれぞれの最小サイズは、0.4mmである。様々な実施形態において、ゲートコンタクトパッド14およびソースコンタクトパッド16のそれぞれの最小サイズは、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、および、1.0mm以下でもよい。
【0014】
[0028]図2は、パッシベーション層12が取り除かれた、トランジスタ半導体ダイ10の上面図である。パッシベーション層12の下には、ゲート金属層18と、ゲート金属層18に結合されたゲートバイアバー(via bar)20と、ソース金属層22がある。以下に詳述するように、ゲート金属層18、ゲートバイアバー20、およびソース金属層22は同一の金属化層によって設けられ、それによってソース金属層22は、図示するようにゲート金属層18およびゲートバイアバー20の全領域を収容する開口部24を有する必要がある。図2は、さらに、トランジスタ半導体ダイ10のデバイス領域26および縁端領域28を示す。上述したように、デバイス領域26は、デバイスの選択的な電流伝導および電圧阻止機能を実現するために、1つまたは複数の電極に電気結合された1つまたは複数のインプラントを備えるトランジスタ半導体ダイ10の領域である。縁端領域28は、トランジスタ半導体ダイ10の縁部で電界の集中を低減し、それによって低逆電圧での破壊を防ぐために設けられる。
【0015】
[0029]図3は、ゲート金属層18、ゲートバイアバー20、ソース金属層22、およびいくつかの他の層(後述)が取り除かれたトランジスタ半導体ダイ10の全体図である。これらの層の下には、いくつかのゲート領域32によって分離された、いくつかのソース領域30がある。ソース領域30は、ソース領域30が配置された(例えばドリフト層からの個別のエピタキシ過程を介する、またはドリフト層の注入による)ドリフト層とは異なるドープタイプおよび/またはドープ濃度を有する領域として設けられてもよい一方、ゲート領域32は、ドリフト層のドープタイプおよび/またはドープ濃度が相対的に異なっていない、または差分量だけが異なった領域として設けられてもよい。図3に示すように、ゲート領域32は縞として設けられるが、ゲート領域32が図4に示すように格子状に類似して設けられてもよい。トランジスタ半導体ダイ10の基本的な機能を実現するために、ゲートコンタクトパッド14はゲート領域32と電気接触している必要がある一方、ソースコンタクトパッド16はソース領域30と電気接触している必要がある。
【0016】
[0030]図5は、本開示の一実施形態によるトランジスタ半導体ダイ10の一部の断面図である。トランジスタ半導体ダイ10は、基板34と、基板34上のドリフト層36とを備える。ドリフト層36の表面のいくつかのインプラント38がソース領域30を実現する一方、インプラント38間のいくつかの非注入領域はゲート領域32を実現する。いくつかのゲート電極40のそれぞれが、ゲート電極40が設けられたゲート領域32のいずれかの側のインプラント38間に延びるように、ゲート電極40がゲート領域32に設けられる。ゲート電極40のそれぞれは、酸化物層42によって、ドリフト層36の表面から分離される。いくつかのソース電極44のそれぞれがインプラント38の異なるそれぞれと接触するように、ソース電極44がソース領域30に設けられる。ゲート金属層18が酸化物層42によってドリフト層36の表面から分離されて図5に不図示の平面にあるゲート電極40のそれぞれと結合されるように、ゲート金属層18はドリフト層36の表面に設けられる。ゲート電極40をソース電極44から電気的に絶縁された状態に保つため、誘電体層46がゲート電極40上に設けられる。ソース電極44は、誘電体層46の表面において露出される。ソース金属層22は、ソース電極44と接触するように誘電体層46に設けられる。ドレイン金属層48は、ドリフト層36と反対側で基板34に設けられる。
【0017】
[0031]図2および図5に示すように、ソース金属層22およびゲート金属層18は、単一の金属化ステップにおいて(すなわち適切にパターン処理された単一の金属層として)トランジスタ半導体ダイ10のデバイス領域26内に設けられる。これは、ソース金属層22およびゲート金属層18がトランジスタ半導体ダイ10の同一の表面/平面に設けられることを意味する。したがって、ソース金属層22はゲート金属層18に重なることができず、その代わりにゲート金属層18のための開口部を有する必要がある。ゲート金属層18のサイズに関する制約(例えばワイヤーボンディングのためのコンタクトパッドの最小サイズ)のため、ソース金属層22の被覆は、トランジスタ半導体ダイ10のデバイス領域26内に限定される。図5に示すように、ソース金属層22の下の領域は、ソース金属層22からドレイン金属層48へドリフト層36によって電流が運ばれる作用面積である。ゲート金属層18の下のドリフト層36は電流を運ぶことができないため、ゲート金属層18の下の領域は非作用面積である。したがって、デバイス領域26の合計作用面積、したがってトランジスタ半導体ダイ10の合計電流容量は、ダイの所与のサイズに対して限定される場合がある。
【0018】
[0032]ここで、図6は、本開示の他の実施形態によるトランジスタ半導体ダイ10の断面図である。図6に示すトランジスタ半導体ダイ10は、図5に示すトランジスタ半導体ダイ10と非常に類似しているが、誘電体層46上に追加誘電体層50をさらに備える。特に、ゲート電極40およびソース電極44はドリフト層36の表面に設けられ、ゲート電極40がソース電極44から電気的に絶縁されてソース電極44が誘電体層46の表面において露出されるように、誘電体層46はゲート電極40およびソース電極44上に設けられ、ソース金属層22は誘電体層46上に設けられ、追加誘電体層50は誘電体層46およびソース金属層22上に設けられ、ゲート金属層18は追加誘電体層50上に設けられる。ゲート金属層18は誘電体層46および追加誘電体層50(図6に不図示の平面に接続される)を通って延びる1つまたは複数のバイア52によって、ゲート電極40に電気的に結合される。図示するように、追加誘電体層50を設けることによって、ゲート金属層18の少なくとも一部がソース金属層22に重なることが可能となる。1つまたは複数のバイア52は、ゲート金属層18の合計面積と比較して非常に小さい。したがって、ソース金属層22において非常に小さい開口部のみが必要とされ、ソース金属層22によって被覆された合計面積は、それによって増える。上述したように、ソース金属層22の下の領域は、トランジスタ半導体ダイ10の作用面積であるため、これは、トランジスタ半導体ダイの合計作用面積、したがって電流容量を効果的に増加させる。要するに、トランジスタ半導体ダイ10のデバイス領域26の合計非作用面積は、ゲート金属層18の合計面積よりも小さい場合があり、いくつかの実施形態において、以前は不可能であったが、ゲートコンタクトパッド14の合計面積よりも小さい場合がある。
【0019】
[0033]トランジスタ半導体ダイ10の作用面積を増加させることによって、所与のサイズに対する電流容量が増加可能となる。もしくは、トランジスタ半導体ダイ10の作用面積を増加させることによって、電流容量を犠牲にせずに、ダイのサイズを小さくすることができる。その結果、トランジスタ半導体ダイ10の作製時に、所与のウェーハのための追加のチップを設けることが可能となる。ここで説明する例はMOSFETデバイスを実現するトランジスタ半導体ダイ10に基本的に関係するが、ここで説明される原理は、電界効果トランジスタ(FET)デバイス、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)デバイス、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)デバイス、または2つ以上の上位接点(top-level contact)を有する任意の他の種類の垂直トランジスタデバイスを実現するトランジスタ半導体ダイ10に等しく該当する。これを念頭におくと、ゲートコンタクトパッド14は第1のコンタクトパッドとして汎用的に言及されてもよく、ソースコンタクトパッド16は第2のコンタクトパッドとして汎用的に言及されてもよく、ソース金属層22は第1の金属化層として汎用的に言及されてもよく、ゲート金属層18は第2の金属化層として汎用的に言及されてもよく、ソース領域30は第1の領域組として汎用的に言及されてもよく、ゲート領域は第2の領域組として汎用的に言及されてもよい。
【0020】
[0034]一実施形態において、基板34およびドリフト層36は、炭化ケイ素である。基板34およびドリフト層36に炭化ケイ素を使用することによって、ケイ素などの従来の材料系を使用した場合と比較すると、トランジスタ半導体ダイ10の性能を顕著に向上する場合がある。図示しないが、インプラント38は、トランジスタ半導体ダイ10の選択的な電流伝導および電圧阻止機能を実現するために必要に応じて、いくつかの異なる注入領域を備えてもよい。誘電体層46および追加誘電体層50は、代替として、例えばAlおよびSiOからなる1つまたは複数の層を備えてもよい。他の実施形態において、誘電体層46および追加誘電体層50は、代替として、例えばSiおよびSiOからなる1つまたは複数の層を備えてもよい。一般に、誘電体層46および追加誘電体層50は、任意の適切な誘電材料(例えばバンドギャップが大きく(>~5eV)、誘電率が比較的低い誘電材料)を含んでもよい。誘電体層46および追加誘電体層50は、同一または異なる材料を含んでもよい。Si、Al、AlN、SiOまたは任意の他の適切な材料を含む追加のパッシベーション層は、材料間の相互作用を避けるために必要に応じて、誘電体層46および追加誘電体層50と交互配置されてもよい。パッシベーション層12は、様々な実施形態において、Si、Al、AlN、SiOまたは任意の他の適切な材料を含んでもよい。
【0021】
[0035]図7Aは、ソース金属層22上へのゲート金属層18の移動に起因する、トランジスタ半導体ダイ10に対する電流容量の改善を図示するグラフである。実線は、電流容量と、図5に示すコンタクトパッドの配置に対する改善がないトランジスタ半導体ダイ10のサイズとの間の関係を示す。破線は、トランジスタ半導体ダイ10の電流容量と、図6を参照して上述した改善との同じ関係を示す。グラフは、定格阻止電圧(constant rated blocking voltage)(例えば1200V)を前提とする。図示するように、トランジスタ半導体ダイ10の電流容量における改善は、ダイのサイズにかかわらず実現される。上述したように、これは、デバイス領域26の作用面積の増加に起因する。
【0022】
[0036]図7Bは、ソース金属層22上へのゲート金属層18の移動に起因する、トランジスタ半導体ダイ10に対する電流容量における改善をさらに示すグラフである。このグラフは、(図5に示すトランジスタ半導体ダイなど、改善がないトランジスタ半導体ダイと比較した場合の)電流容量の増加率と、トランジスタ半導体ダイ10の定格電流との関係を示す。図示するように、トランジスタ半導体ダイ10の電流容量が増加する比率は、トランジスタ半導体ダイ10の定格電流と反比例関係にある。これは、トランジスタ半導体ダイ10の定格電流が増加するにつれて、全体的なサイズも大きくなるためである。したがって、ソース金属層22上へのゲート金属層18の移動の結果として改善された作用面積は、デバイスの合計作用面積の比率を小さくし、それによって、それらの改善の使用によってみられる電流容量の比率の増加を減らす。図7Bは、ここで説明した改善に起因してデバイス性能の最大の改善が低定格電流においてみられることを示す。
【0023】
[0037]図7Cは、ソース金属層22上へのゲート金属層18の移動に起因するトランジスタ半導体ダイ10に対する電流容量の改善をさらに示すグラフである。このグラフは、(図5に示すトランジスタ半導体ダイなど、改善がないトランジスタ半導体ダイと比較した場合の)電流容量の増加率と、トランジスタ半導体ダイ10の定格電圧との関係を示す。図示するように、トランジスタ半導体ダイ10の電流容量が増加する比率は、トランジスタ半導体ダイ10の定格電圧と正の関係にある。図示するグラフは、トランジスタ半導体ダイ10の一定サイズを前提とする。電流容量の増加率と定格電圧との関係は、トランジスタ半導体ダイ10の定格電圧が増加するにつれて、縁端領域28のサイズも増加するという事実に起因する。したがって、ソース金属層22上へのゲート金属層18の移動の結果として改善された作用面積がデバイスの合計作用面積の比率を大きくするように、デバイス領域26のサイズが減少し、それによってそれらの改善の使用によってみられる電流容量の比率の増加を増やす。図7Cは、所与のチップサイズに対するデバイス性能の最大の改善が高定格電圧においてみられることを示す。
【0024】
[0038]図8は、本開示の一実施形態によるトランジスタ半導体ダイ10の全体図である。特に、図8は、ゲート金属層18および追加誘電体層50が取り除かれたトランジスタ半導体ダイ10を示す図である。追加誘電体層50の下では、ソース金属層22が露出される。ゲートバイアバー20は、図8に示す実施形態でも依然として存在する。第1の破線枠54は、ゲート金属層18が設けられた領域を示す。この領域は、ゲートコンタクトパッド14の範囲に対応する場合があり、またはゲートコンタクトパッド14の範囲を越えて拡大する場合がある。すなわち、ゲート金属層18の全体は、ゲートコンタクトパッド14としてパッシベーション層12を通って露出される場合があり、またはゲート金属層18の一部のみがゲートコンタクトパッド14を構成するようにゲート金属層18の一部がパッシベーション層12によって被覆されてもよい。図示するように、ゲート金属層18の一部は、ゲートバイアバー20に重なっており、それによってゲートコンタクトパッド14が、ゲートバイアバーと結合されたゲート電極40に接触できる。第2の破線枠56Aおよび第3の破線枠56Bは、ソースコンタクトパッド16の領域を示す。ゲートバイアバー20はドリフト層36の表面に依然として配置され、したがってソース金属層22はゲートバイアバー20を収容するサイズを有する開口部58を有する必要が依然としてある。ただし、ゲートバイアバー20の全体サイズは、従来のゲートコンタクトパッドよりも大幅に小さい。したがって、トランジスタ半導体ダイ10のデバイス領域26内の作用面積のサイズは、顕著に増加することができる。
【0025】
[0039]図9は、本開示の一実施形態によるトランジスタ半導体ダイ10の全体図である。特に、図9は、ゲート金属層18および追加誘電体層50が取り除かれたトランジスタ半導体ダイ10を示す図である。追加誘電体層50の下では、ソース金属層22が露出される。ゲートバイアバー20は、図9に示す実施形態では取り除かれ、いくつかのゲートコンタクトバイア60と置き換えられる。このゲートコンタクトバイア60は、誘電体層46および追加誘電体層50を通って延出して1つ以上の下方のゲート電極40に接触し、さらにドリフト層36の表面で互いに結合される(例えば、上記で示したような格子構成)。第1の破線枠54は、ゲート金属層18が設けられた領域を示す。図示するように、ゲート金属層18の一部はゲートコンタクトバイア60に重なり、それによってゲートコンタクトパッド14をゲート電極40に接続する。第2の破線枠56Aおよび第3の破線枠56Bは、ソースコンタクトパッド16の領域を示す。ゲートコンタクトバイア60は、ゲートバイアバー20よりもさらに小さい面積を有してもよい。したがって、ゲートコンタクトパッド14からゲート電極40への接続部分を収容するための、ソース金属層22の開口部60の合計サイズは、さらに小さくしてもよく、それによってトランジスタ半導体ダイ10のデバイス領域26内の作用面積をさらに増加させる。
【0026】
[0040]ゲートコンタクトパッド14と下方のゲート電極40との間の接続部のサイズが減少するにつれて、トランジスタ半導体ダイ10のゲート抵抗が増加する場合がある。したがって、ゲートコンタクトパッド14のサイズおよび形状、ゲート金属層18、ゲートコンタクトバイア60の数および配置は、トランジスタ半導体ダイ10のゲート抵抗を最小限にしながら、同時に、図10および図11に示すようにデバイス領域26の作用部分を最大限にするように構成されてもよい。図10および図11において、第1の破線枠54は、ゲートコンタクトバイア60上のゲート金属層18の配置を示す。ゲートコンタクトパッド14は、上述したようにゲート金属層18の全部または一部と対応してもよい。第2の破線枠56Aおよび第3の破線枠56Bは、上記と同様に、ソースコンタクトパッド16の領域を示す。図11において、第4の破線枠56Cおよび第5の破線枠56Dは、設けられてもよいソースコンタクトパッド16の追加領域を示す。
【0027】
[0041]トランジスタ半導体ダイ10のデバイス領域26の作用部分を最大化することに加えて、さらなる特徴を実現するために、追加誘電体層50も使用されてもよい。ここで、図12は、本開示の一実施形態による、トランジスタ半導体ダイ10の全体図である。特に、図12は、パッシベーション層12が取り除かれたトランジスタ半導体ダイ10を示す図である。パッシベーション層12の下には、ゲートコンタクトパッド14およびソースコンタクトパッド16が露出した追加誘電体層50がある。それらのコンタクトパッドに加えて、追加誘電体層50にいくつかのセンサコンタクトパッド62が設けられる。センサコンタクトパッド62は、例えば、温度センサ、歪みセンサ、または電流センサなどの任意の種類のセンサでもよいセンサ64に結合される。センサ64は、追加誘電体層50の表面にも配置されてもよく、または誘電体層46上、ドリフト層36上、またはドリフト層36中など、積層のさらに下方に配置されてもよい。センサ64がドリフト層36中に配置される場合、デバイス領域26の合計作用面積から差し引かれてもよい。ただし、センサ64は、デバイス領域26のサイズと比較して一般に非常に小さく、したがってドリフト層36中へのセンサの配置は、結果としてデバイス領域26の作用面積をわずかに減少させることにとどまる。一般に、センサコンタクトパッド62はセンサ64自体よりも大幅に大きく、センサコンタクトパッド62がソース金属層22の上方に配置可能であるため、デバイス領域26の作用面積に対する、トランジスタ半導体ダイ10への1つまたは複数のセンサの組み込みの影響は最小限となる。センサコンタクトパッド62は、いくつかの実施形態において、ゲート金属層18と同一の金属化層によって(同一の金属化ステップにおいて)形成されてもよい。
【0028】
[0042]図13は、本開示の一実施形態によるトランジスタ半導体ダイ10の断面図である。図13に示すトランジスタ半導体ダイ10は、センサコンタクトパッド62が追加誘電体層50の表面に示されることを除いて、図6に示すトランジスタ半導体ダイ10と非常に類似する。センサ64は追加誘電体層50でセンサコンタクトパッド62の後方に配置される場合があるため、センサ64は図13において不図示である。
【0029】
[0043]図14は、本開示の他の実施形態によるトランジスタ半導体ダイ10の断面図である。図14に示すトランジスタ半導体ダイ10は、センサコンタクトパッド62がセンサコンタクトバイア66によってドリフト層36中に配置されたセンサ64と結合されることを除いて、図13に示すトランジスタ半導体ダイ10と非常に類似する。センサ64が任意の種類の半導体デバイスであることが可能なように、センサ64はドリフト層36中に1つまたは複数の注入領域を有してもよい。センサ64は、温度、歪み、電流、電圧、または任意の他の所望のパラメータを計測するために使用されてもよい。上述したように、センサコンタクトパッド62は、一般に、センサ64およびセンサコンタクトバイア66よりも大きい注入面積が必要である。センサコンタクトパッド62が少なくとも部分的にソース金属層22に重なるように追加誘電体層50にセンサコンタクトパッド62を設けることは、したがって、そのデバイス領域26の作用面積に対する、トランジスタ半導体ダイ10にセンサ64を設けることによる影響を低減する。センサ64がドリフト層36中に示されるが、センサ64はドリフト層36の上方または下方のいずれかの位置に配置されてもよく、本開示の原理の範囲内において、任意の数のバイアおよび介在金属層を使用して結合されてもよい。
【0030】
[0044]図15は、本開示の他の実施形態によるトランジスタ半導体ダイ10の断面図である。このトランジスタ半導体ダイ10は、誘電体層46と追加誘電体層50との間に第1の介在層68Aと、追加誘電体層50とゲート金属層18との間に第2の介在層68Bとをさらに備えることを除いて、図6に示すトランジスタ半導体ダイ10と非常に類似する。第1の介在層68Aおよび第2の介在層68Bは、誘電体層46、追加誘電体層50、ゲート金属層18、およびソース金属層22の間の化学的相互作用を減らす場合がある。これは、追加誘電体層50が良好な誘電特性を得るために焼き締めを必要とする場合があるため、重要である。第1の介在層68Aおよび第2の介在層68Bは、Si、Al、AlN、SiO、それらの材料の変形層、または任意の他の適切な材料の変形層を含んでもよい。上述したように、誘電体層46および追加誘電体層50は、SiOまたは任意の他の適切な材料を含んでもよい。図示するように、1つまたは複数のバイア52のための開口部が形成された後に、第2の介在層68Bが設けられてもよい。したがって、第2の介在層68Bが1つまたは複数のバイア52、誘電体層46、追加誘電体層50の金属間の化学的相互作用を減らすように、第2の介在層68Bは、1つまたは複数バイア52の縁部に沿って設けられてもよい。1つまたは複数のバイア52はゲート金属層18と同一または異なる単一の導電性金属を含んでもよく、または1つまたは複数のバイア52の壁部に沿って化学的または拡散障壁層を形成するために必要とされるような様々な金属の積層を含んでもよい。
【0031】
[0045]図15は、さらに、ゲート金属層18上にパッシベーション層12を示す図である。パッシベーション層12は、周囲の環境からトランジスタ半導体ダイ10を保護する場合がある。パッシベーション層12は、Si、Al、SiO、それらの材料が交互に重なった層、または任意の他の適切な材料が交互に重なった層を含んでもよい。
【0032】
[0046]トランジスタ半導体ダイ10は、順方向伝導モードの動作時に少なくとも0.5Aを伝導し、阻止モードの動作時に少なくとも100Vを阻止するように構成されたパワー半導体ダイでもよい。様々な実施形態において、トランジスタ半導体ダイ10は、順方向伝導モードの動作時に、少なくとも1.0A、少なくとも2.0A、少なくとも3.0A、少なくとも4.0A、少なくとも5.0A、少なくとも6.0A、少なくとも7.0A、少なくとも8.0A、少なくとも9.0A、および少なくとも10.0Aを伝導するように構成されてもよい。トランジスタ半導体ダイ10は、阻止モードの動作時に、少なくとも250V、少なくとも500V、少なくとも750V、少なくとも1kV、少なくとも1.5kV、および少なくとも2.0kVを阻止するように構成されてもよい。
【0033】
[0047]当業者は、本開示の好適な実施形態に対する改良および修正を認識するであろう。そのような改良および修正のすべては、ここで開示された概念の範囲内および以下に記載する特許請求の範囲内であると考慮される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】