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特表2022-527664クリーニング・チャンバおよびクリーニング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-02
(54)【発明の名称】クリーニング・チャンバおよびクリーニング装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/02 20060101AFI20220526BHJP
   H01L 21/22 20060101ALI20220526BHJP
【FI】
B08B3/02 B
H01L21/22 501K
H01L21/22 511Q
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021565970
(86)(22)【出願日】2020-04-15
(85)【翻訳文提出日】2021-12-03
(86)【国際出願番号】 CN2020084927
(87)【国際公開番号】W WO2020224401
(87)【国際公開日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】201910381668.8
(32)【優先日】2019-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510182294
【氏名又は名称】北京北方華創微電子装備有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING NAURA MICROELECTRONICS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.8 Wenchang Avenue Beijing Economic-Technological Development Area, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ホンチアオ
(72)【発明者】
【氏名】リー,アイピン
【テーマコード(参考)】
3B201
【Fターム(参考)】
3B201AA01
3B201AB01
3B201AB33
3B201BB25
3B201BB33
3B201BB92
3B201CC12
(57)【要約】
この開示は、チャンバ本体と、チャンバ本体内に配されている搬送デバイスと、スプレー・デバイスとを含むクリーニング・チャンバおよびクリーニング装置を提供する。搬送デバイスは、クリーニング対象を搬送するべく構成されている。スプレー・デバイスは、搬送デバイスの上方および周りに配され、かつクリーニング対象に対してクリーニング流体をスプレーするべく構成されている。この開示によって提供されるクリーニング・チャンバおよびクリーニング装置を用いた場合に、クリーニング流体の使用を低減してクリーニング・コストを低減できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバ本体と、前記チャンバ本体内に配されている搬送デバイスとスプレー・デバイスと、を包含するクリーニング・チャンバであって、
前記搬送デバイスが、クリーニング対象を搬送するべく構成されており、かつ
前記スプレー・デバイスが、前記搬送デバイスの周りに配され、前記クリーニング対象に対してクリーニング流体をスプレーするべく構成されている、
クリーニング・チャンバ。
【請求項2】
前記スプレー・デバイスは、流体パイプラインと、前記流体パイプラインに接続された少なくとも1つのノズルを含み、それにおいて、
前記流体パイプラインは、前記クリーニング流体を前記ノズルに提供するべく構成されており、かつ前記ノズルは、前記クリーニング流体を前記クリーニング対象に対してスプレーするべく構成されている、
請求項1に記載のクリーニング・チャンバ。
【請求項3】
複数のノズルが含まれており、それらの位置によって少なくとも1つの上側ノズルと、少なくとも1つの横ノズルと、少なくとも1つの下側ノズルとに分けられ、それにおいて、
前記上側ノズルは、前記チャンバ本体の上部に配され、かつ下向きに前記クリーニング流体をスプレーするべく構成されており、
前記下側ノズルは、前記チャンバ本体の底部に配され、かつ上向きに前記クリーニング流体をスプレーするべく構成されており、
前記横ノズルは、前記搬送デバイスの周りに配され、かつ前記クリーニング対象に対して前記クリーニング流体をスプレーするべく構成されている、
請求項2に記載のクリーニング・チャンバ。
【請求項4】
前記横ノズルは、前記搬送デバイスの周りに配される1セットのノズル群または複数セットのノズル群に分けられ、各セットの前記ノズル群は、垂直方向に沿って間を置いて配されている複数の前記横ノズルを含む、請求項3に記載のクリーニング・チャンバ。
【請求項5】
さらに、前記横ノズルのスプレー角度を調整するべく構成された角度調整メカニズムを包含する、請求項3に記載のクリーニング・チャンバ。
【請求項6】
前記クリーニング流体は、液体薬品、純水、または乾性ガスを含む、請求項2に記載のクリーニング・チャンバ。
【請求項7】
複数の流体パイプラインが含められており、かつ前記複数の流体パイプラインのうちの少なくとも1つは、第1のパイプラインとして前記液体薬品を移送するべく構成されており、前記複数の流体パイプラインのうちの少なくとも1つは、第2のパイプラインとして前記純水または前記乾性ガスを移送するべく構成されており、それにおいて、前記第1のパイプラインは、少なくとも1つのノズルに接続され、前記第2のパイプラインは、少なくとも1つのノズルに接続される、請求項6に記載のクリーニング・チャンバ。
【請求項8】
さらに、液体貯蔵デバイスを包含し、前記液体貯蔵デバイスは、前記チャンバ本体の底部に配された液体貯蔵タンクと、前記液体貯蔵タンクと前記流体パイプラインに接続される液体移送パイプラインと、を含み、それにおいて、
前記液体貯蔵タンクは、前記液体クリーニング流体を再使用するべく構成されており、
前記液体移送パイプラインは、前記液体貯蔵タンク内の前記液体クリーニング流体を前記流体パイプラインへ移送するべく構成されている、
請求項2に記載のクリーニング・チャンバ。
【請求項9】
前記搬送デバイスは、搬送プラットフォームと、回転プラットフォームと、複数の接続コラムと、を含み、それにおいて、
前記搬送プラットフォームは、前記チャンバ本体の前記底部に配されて、前記クリーニング対象を垂直方向に搬送するべく構成されており、
前記回転プラットフォームは、前記搬送プラットフォームとは反対側の前記チャンバ本体の前記上部に配され、前記複数の接続コラムを通じて前記搬送プラットフォームに接続され、前記搬送プラットフォームを駆動して回転させる、
請求項1から8のいずれか一項に記載のクリーニング・チャンバ。
【請求項10】
さらに、回転駆動メカニズムを包含し、前記回転駆動メカニズムは、前記チャンバ本体の上部に配され、かつ前記回転プラットフォームに接続されて、前記回転プラットフォームを駆動する、請求項9に記載のクリーニング・チャンバ。
【請求項11】
装置本体と、計器エリアと、コントロール・モジュールと、前記装置本体内に配される複数の、請求項1から10のいずれか一項に記載のクリーニング・チャンバと、を包含するクリーニング装置であって、各前記クリーニング・チャンバは、クリーニング対象をクリーニングするべく構成されており、前記計器エリアは、前記複数のクリーニング・チャンバと電気的に接続されており、かつクリーニング・プロセスのパラメータを監視し、かつ表示するべく構成されており、前記コントロール・モジュールは、前記複数のクリーニング・チャンバと電気的に接続されており、前記複数のクリーニング・チャンバのそれぞれのクリーニング作業を自動的にコントロールするべく、かつ作業者が前記複数のクリーニング・チャンバのそれぞれと人間-機械インタラクションを行うために構成されている、クリーニング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、概して半導体製造分野に関し、より詳細には、クリーニング・チャンバおよびクリーニング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、シリコン・ウェファ拡散プロセスにおいては、シリコン・ウェファが最初に石英ボート上に据えられ、その後、シリコン・ウェファが入れられた石英ボートが石英管内に据えられる。高温の拡散炉内においては拡散源を含むガスが石英管の尾部から導入される。高温条件の下に、拡散源を含むガスとシリコン・ウェファの間における化学反応を通じて拡散プロセスが完了される。しかしながら、それぞれの拡散プロセスの後は、石英ボートおよび石英管の表面に、対応する拡散プロセス後の粒子が残存することになる。石英ボートおよび石英管がクリーニングなしに再使用された場合には、シリコン・ウェファの清浄度および歩留まりが悪影響を受けることになる。
【0003】
従来技術においては、石英ボートおよび石英管をクリーニングするために水平クリーニング装置が構成されている。そのクリーニング装置は、プロセス・タンクと水タンクとを含む。プロセス・タンクにはクリーニング溶液が入れられ、水タンクには水が入れられる。使用後の石英ボートおよび石英管がプロセス・タンク内に、それらの石英ボートおよび石英管がクリーニング溶液内に浸漬されてそれらの石英ボートおよび石英管上に残存する粒子が取り除かれるように据えられる。その後、石英ボートおよび石英管は、水タンク内に、それらの石英ボートおよび石英管が水中に浸漬されてそれらの石英ボートおよび石英管上に残存するクリーニング溶液が取り除かれるように据えられる。最後に、この水平クリーニング装置からそれらの石英ボートおよび石英管が取り出される。石英ボートおよび石英管は、吹き込み空気によって手作業で乾燥され、石英ボートおよび石英管上に残存する水が取り除かれる。このようにして石英ボートおよび石英管のクリーニングが完了する。
【0004】
しかしながら、従来技術においては、石英ボートおよび石英管が、クリーニング溶液内に浸漬されて石英ボートおよび石英管上に残存する粒子が取り除かれることから。したがって、クリーニング・プロセスにおいて、大量のクリーニング溶液が使用され、そのことが、結果として比較的高額のクリーニング・コストを招いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この開示は、従来技術に存在する技術的問題のうちの少なくとも1つを解決することをねらいとし、クリーニング流体の消費量の低減ならびにクリーニング・コストの低減が可能なクリーニング・チャンバおよびクリーニング装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この開示の目的を達成するために、この開示は、チャンバ本体と、前記チャンバ本体内に配されている搬送デバイスとスプレー・デバイスと、を含むクリーニング・チャンバを提供する。
【0007】
前記搬送デバイスは、クリーニング対象を搬送するべく構成されている。
【0008】
前記スプレー・デバイスは、前記搬送デバイスの周りに配され、前記クリーニング対象に対してクリーニング液体をスプレーするべく構成されている。
【0009】
好ましくは、前記スプレー・デバイスが、流体パイプラインと、前記流体パイプラインに接続された少なくとも1つのノズルを含む。前記流体パイプラインは、前記クリーニング流体を前記ノズルに提供するべく構成されている。前記ノズルは、前記クリーニング流体を前記クリーニング対象に対してスプレーするべく構成されている。
【0010】
好ましくは、前記スプレー・デバイスが、複数のノズルを含んでおり、それらは、スプレー・ヘッドの位置に従って少なくとも1つの上側ノズルと、少なくとも1つの横ノズルと、少なくとも1つの下側ノズルとに分けられる。前記上側ノズルは、前記チャンバ本体の上部に配され、かつ下向きに前記クリーニング流体をスプレーするべく構成されている。前記下側ノズルは、前記チャンバ本体の底部に配され、かつ上向きに前記クリーニング流体をスプレーするべく構成されている。前記横ノズルは、前記搬送デバイスの周りに配され、かつ前記クリーニング対象に向けて前記クリーニング流体をスプレーするべく構成されている。
【0011】
好ましくは、前記横ノズルが、前記搬送デバイスを取り囲む1セットのノズル群または複数セットのノズル群に分けられる。各セットのノズル群の複数のノズルは、間を置いて垂直方向に配されている。
【0012】
好ましくは、前記クリーニング・チャンバが、さらに、前記横ノズルのスプレー角度を調整するべく構成された角度調整メカニズムを含む。
【0013】
好ましくは、前記クリーニング流体が、液体薬品、純水、または乾性ガスを含む。
【0014】
好ましくは、前記クリーニング・チャンバが、複数の流体パイプラインを含む。前記複数の流体パイプラインのうちの少なくとも1つを含む第1のパイプラインが、前記液体薬品を移送するべく構成されている。前記複数の流体パイプラインのうちの少なくとも1つを含む第2のパイプラインが、前記純水または前記乾性ガスを移送するべく構成されている。前記第1のパイプラインは、前記ノズルのうちの少なくとも1つに接続されている。前記第2のパイプラインは、前記ノズルのうちの少なくとも1つに接続されている。
【0015】
好ましくは、前記クリーニング・チャンバが、さらに、液体貯蔵デバイスを含み、それが、前記チャンバ本体の前記底部に配された液体貯蔵タンクと、前記液体貯蔵タンクと前記流体パイプラインに接続される液体移送パイプラインと、を含む。前記液体貯蔵タンクは、前記液体クリーニング流体を再使用するべく構成されている。前記液体移送パイプラインは、前記液体貯蔵タンク内の前記液体クリーニング流体を前記流体パイプラインへ移送するべく構成されている。
【0016】
好ましくは、前記搬送デバイスが、搬送プラットフォームと、回転プラットフォームと、複数の接続コラムと、を含む。前記搬送プラットフォームは、前記チャンバ本体の前記底部に配されて、前記クリーニング対象を垂直方向に搬送するべく構成されている。前記回転プラットフォームは、前記搬送プラットフォームとは反対側の前記チャンバ本体の前記上部に配される。前記回転プラットフォームは、前記複数の接続コラムを通じて前記搬送プラットフォームに接続され、前記複数の接続コラムを通じて前記搬送プラットフォームを駆動して回転させる。
【0017】
好ましくは、前記クリーニング・チャンバが、さらに、回転駆動メカニズムを含み、それが、前記チャンバ本体の前記上部に配され、かつ前記回転プラットフォームに接続されて、前記回転プラットフォームを駆動して回転させるべく構成されている。
【0018】
この開示は、また、装置本体と、計器エリアと、コントロール・モジュールと、前記装置本体内に配される複数の、上に述べられているクリーニング・チャンバと、を含むクリーニング装置も提供する。前記クリーニング・チャンバのそれぞれは、クリーニング対象をクリーニングするべく構成されている。前記計器エリアは、前記複数のクリーニング・チャンバと電気的に接続されており、かつクリーニング・プロセスのパラメータを監視し、かつ表示するべく構成されている。前記コントロール・モジュールは、前記複数のクリーニング・チャンバと電気的に接続されており、前記クリーニング・チャンバのそれぞれのクリーニング作業を自動的にコントロールするべく構成されている。また、前記コントロール・モジュールは、ユーザが、前記クリーニング・チャンバのそれぞれと人間-機械インタラクションを行うための構成もなされている。
【0019】
この開示は、以下の有益な効果を含む。
【0020】
この開示によって提供されるクリーニング・チャンバは、チャンバ本体と、前記チャンバ本体内に配されている搬送デバイスとスプレー・デバイスとを含む。前記搬送デバイスは、前記クリーニング対象を搬送するべく構成されている。前記スプレー・デバイスは、前記搬送デバイスの周囲に配され、前記クリーニング対象に対してクリーニング流体をスプレーするべく構成されている。従来技術と比較すると、この開示によって提供される前記クリーニング・チャンバを用いる場合には、前記クリーニング対象がクリーニングされるときに、前記クリーニング対象が完全にクリーニング流体内に浸漬されることがない。前記スプレー・デバイスは、前記クリーニング対象に対して前記クリーニング流体をスプレーし、そのことが、前記クリーニング対象をクリーニングするためのクリーニング流体の消費量を低減する。したがって、クリーニング対象のクリーニング・コストが低減される。
【0021】
この開示によって提供される前記クリーニング装置を用いる場合には、クリーニング流体の消費量が低減され、かつ装置本体内に配されるこの開示によって提供される複数のクリーニング・チャンバの助けで、クリーニング・コストが低減され得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】この開示の第1の実施態様に従ったクリーニング・チャンバの略図的な構造図である。
図2】この開示の第2の実施態様に従ったクリーニング装置の略図的な構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の開示は、この開示の種々の特徴の実現に使用できる複数の実施態様または例を提供する。以下に説明されているアッセンブリおよび構成の具体的な例は、この開示の単純化に使用される。説明は、単なる例に過ぎず、この開示の内容を限定することが意図されたものではない。たとえば、以下の説明において、第1の特徴を第2の特徴の上または上方に形成するということは、いくつかの実施態様の互いに直接接触している第1および第2の特徴を含んでもよく、また、いくつかの実施態様における第1と第2の特徴の間に形成され、第1および第2の特徴を直接接触させないことがある追加のアッセンブリを含んでもよい。それに加えて、この開示においては、アッセンブリの記号および/またはラベルが複数の実施態様の中で再使用されることがある。その種の反復的な使用は、簡潔明快の目的に基づいており、論じられている異なる実施態様および/または構成の間にわたる関係を表すものではない。
【0024】
さらにまた、この中で使用されている『下方に』、『下に』、『下位に』、『上方に』、『上に』といった空間的な関係を示す用語、およびこれらに類似する用語等は、図中に示されている、一方の構成要素あるいは特徴と関連する他方の構成要素あるいは特徴または複数の構成要素あるいは特徴との間の関係性の説明を容易にするために使用され得る。図中に示されている場所に加えて、これらの空間的関係を示す用語は、デバイスの使用または動作の間における複数の場所をさらに表し得る。デバイスが、別の位置に(たとえば、90°回転されるか、または別の位置に)据えられるときには、それに応じてそれらの空間的な関係を記述する用語が説明に用いられているものとする。
【0025】
より広いこの開示の範囲を定義するべく使用されている数的な範囲ならびにパラメータは、概略の数値であるが、ここでは、具体的な実施態様の中の関連する数値が可能な限り正確に示されている。しかしながら、任意の値は、本質的かつ必然的に、個別のテスト方法に起因する標準偏差を含む。これにおいて、『約』は、通常、具体的な値または範囲の前後10%、5%、1%、または0.5%内に実際の値があることを意味する。それに代えて、用語『約』は、この開示が属する技術分野における当業者の熟慮に応じて、実際の値が平均値の許容標準誤差内に入ることを意味する。気付くことができようが、実験的な例に加えて、または特段の指定がない限り、この中に使用されている(たとえば、材料の量、時間の長さ、温度、動作条件、量の比率、およびそのほかの類似の目的を記述するために使用されている)すべての範囲、量、値、およびパーセンテージは、『約』によって修飾されている。したがって、特段の指定がない限り、明細書ならびに随伴するこの開示の範囲内に開示されている数的パラメータは、概略の値であり、要求に従って変更することが可能である。少なくともこれらの数的パラメータは、示された有効桁の数として、かつ一般的な桁上げ方法を適用することによって獲得される値として理解されるべきである。これにおいて、数的範囲は、一方の端点から他方の端点まで、または2つの端点の間を表す。特段の指定がない限り、ここで記述される数的範囲は、それらの端点を含む。
【0026】
図1に示されているとおり、この開示の実施態様は、クリーニング・チャンバを提供する。クリーニング・チャンバは、チャンバ本体11と、チャンバ本体11内に配されている搬送デバイスとスプレー・デバイスとを含む。搬送デバイスは、クリーニング対象を搬送するべく構成されている。スプレー・デバイスは、搬送デバイスの周りに配され、クリーニング対象に対してクリーニング流体をスプレーするべく構成されている。
【0027】
従来技術と比較すると、この開示の実施態様によって提供されるクリーニング・チャンバを用いる場合には、クリーニング対象がクリーニングされるときに、クリーニング対象がクリーニング流体内に完全に浸漬されなくてよい。スプレー・デバイスは、クリーニング対象に対してクリーニング流体をスプレーし、そのことが、クリーニング対象をクリーニングするためのクリーニング流体の消費量を低減する。したがって、クリーニング対象のクリーニング・コストが低減される。
【0028】
いくつかの実施態様においては、クリーニング対象が、ウェファを搬送するための石英ボートまたは石英ボートを搬送するための石英管を含み得る。
【0029】
いくつかの実施態様においては、スプレー・デバイスが、流体パイプライン12と、少なくとも、流体パイプライン12に接続されたノズルとを含む。流体パイプライン12は、ノズルに対してクリーニング流体を提供するべく構成できる。ノズルは、クリーニング対象に対してクリーニング流体をスプレーするべく構成できる。
【0030】
具体的に述べれば、流体パイプライン12は、チャンバ本体11内に配され、かつクリーニング流体を入れるためのクリーニング流体源に接続されて、クリーニング流体源内のクリーニング流体をノズルまで移送する。クリーニング・スプレーは、クリーニング対象をクリーニングするために、ノズルを通じてクリーニング対象にスプレーされ得る。流体パイプライン12は、1つのノズルまたは複数のノズルに接続できる。流体パイプライン12を複数のノズルに接続して、スプレー面積およびクリーニング流体の単位時間当たりのスプレー量を向上させてもよい。したがって、クリーニング効率が向上され得る。
【0031】
いくつかの実施態様においては、クリーニング・チャンバが複数のノズルを含み、それらを、少なくとも1つの上側ノズル131と、少なくとも1つの横ノズル133と、少なくとも1つの下側ノズル132とに、それらのノズルの位置に従って分けることができる。上側ノズル131は、チャンバ本体11の上部に配され、かつ下向きにクリーニング流体をスプレーするべく構成される。下側ノズル132は、チャンバ本体11の底部に配され、かつ上向きにクリーニング流体をスプレーするべく構成される。横ノズル133は、搬送デバイスの周りに配され、かつクリーニング対象に向けてクリーニング流体をスプレーするべく構成される。
【0032】
具体的に述べれば、上側ノズル131と横ノズル133と下側ノズル132とを使用してクリーニング対象に対してクリーニング流体をスプレーすることによって、クリーニング対象のクリーニング時に複数の異なる方向からクリーニング流体をクリーニング対象に向けてスプレーできる。クリーニング対象の種々の位置がクリーニングされ、クリーニング対象のクリーニング死角が低減される。したがって、クリーニング効果が向上され得る。
【0033】
いくつかの実施態様においては、上側ノズル131が、クリーニング対象の上方から下向きにクリーニング流体をスプレーして、クリーニング対象の上部をクリーニングできる。下側ノズル132は、クリーニング対象の下方から上向きにクリーニング流体をスプレーしてクリーニング対象の底部をクリーニングできる。横ノズル133は、クリーニング対象の外側からクリーニング対象の側面に向けてクリーニング流体をスプレーしてクリーニング対象の周囲をクリーニングできる。それに加えて、反応チャンバが反応管である場合には、上側ノズル131および下側ノズル132が、それぞれ、反応管上部の管開口および底側の管開口から反応管内にクリーニング流体をスプレーして反応管の内側をクリーニングできる。
【0034】
実際的な応用においては、実際のクリーニング状況に従って、上側ノズル131、横ノズル133、および下側ノズル132のすべてを1つ以上としてもよく、または上側ノズル131、横ノズル133、および下側ノズル132の一部を1つ以上としてもよい。上側ノズル131、横ノズル133、および下側ノズル132の数量を増加することによって、スプレー面積およびクリーニング流体の単位時間当たりのスプレー量を増加できる。したがって、クリーニング効率が向上され得る。しかしながら過剰な数量の上側ノズル131、横ノズル133、および下側ノズル132は、チャンバ本体11内における上側ノズル131、横ノズル133、および下側ノズル132を配するための困難を増加させることがある。したがって、上側ノズル131、横ノズル133、および下側ノズル132の数量もまた、実際の必要性に従って決定される必要があってもよい。
【0035】
オプションとして、横ノズル133を、搬送デバイスを取り囲む1セットのノズル群または複数セットのノズル群に分けることが可能である。各セットのノズルの複数の横ノズル133は、垂直方向に沿って間を置いて配され得る。
【0036】
いくつかの実施態様においては、複数セットのノズル群を、搬送デバイスの周りに配することができる。クリーニング・プロセスの間は、石英ボートまたは反応チャンバが、搬送デバイス上に据えられる。複数セットのノズル群を、クリーニング対象の周りに置き、クリーニング対象の周囲からクリーニング対象にクリーニング流体をスプレーできる。各セットのノズル群の複数の横ノズル133は、流体パイプライン12に接続できる。流体パイプライン12を通じて、クリーニング流体を、流体パイプライン12の複数の横ノズル133のそれぞれに提供できる。各流体パイプライン12は、垂直に配されてもよい。各流体パイプライン12の複数の横ノズル133は、垂直方向に沿って間を置いて配され、垂直方向において石英ボートまたは反応チャンバの側面にクリーニング流体をスプレーしてもよい。垂直方向に沿って搬送デバイス周りに配された複数セットのノズル群を用いれば、周囲方向においてクリーニング対象を、または軸方向においてクリーニング対象をクリーニングすることができる。したがって、クリーニング死角を有するクリーニング対象の状況が軽減されて、クリーニング効果が向上され得る。それに加えて、スプレー面積およびクリーニング流体の単位時間当たりのスプレー量が増加されてクリーニング効率が向上され得る。
【0037】
いくつかの実施態様においては、クリーニング装置が、さらに、横ノズル133のスプレー角度を調整するべく構成された角度調整メカニズムを含み得る。クリーニング対象に対する横ノズル133の角度をその調整メカニズムによって調整し、横ノズル133からスプレーされるクリーニング流体の方向を調整できる。したがって、横ノズル133からスプレーされるクリーニング対象上のクリーニング流体の位置が変更され得る。クリーニング死角を有するクリーニング対象の状況がさらに軽減されてクリーニング効果が向上され得る。
【0038】
いくつかの実施態様においては、クリーニング流体が、液体薬品、純水、または乾性ガスを含み得る。液体薬品は、クリーニング対象上の汚染物質のクリーニングに使用できる。純水は、クリーニング対象のプレクリーニングおよび/または液体薬品のクリーニングに使用できる。乾性ガスは、クリーニング対象上に残存する水の除去に使用できる。この開示の実施態様によって提供されるクリーニング装置を用いれば、スプレー・デバイスを通じて乾性ガスをクリーニング対象上にスプレーできる。したがって、クリーニング装置内においてクリーニング対象を乾燥させることができる。したがって、手作業の乾燥を回避することができ、操作者の作業負荷が低減されてクリーニング効率が向上する。
【0039】
いくつかの実施態様においては、液体薬品は酸性液体を含み得る。乾性ガスは、窒素を含み得る。
【0040】
いくつかの実施態様においては、複数の流体パイプライン12が含まれる。複数の流体パイプライン12のうちの少なくとも1つを、液体薬品を移送するべく構成された第1のパイプラインとしてもよい。それに加えて、複数の流体パイプラインのうちの少なくとも1つを、純水または乾性ガスを移送するべく構成された第2のパイプラインとしてもよい。第1のパイプラインは、少なくとも1つのノズルに接続できる。第2のパイプラインは、少なくとも1つのスプレー・ヘッドに接続できる。第2のパイプラインは、少なくとも1つのノズルに接続できる。
【0041】
具体的に述べれば、第1のパイプラインを通じて液体薬品が移送される。純水または乾性ガスは、第2のパイプラインを通じて移送できる。したがって、流体パイプライン12内における液体薬品と純水の反応を回避することができ、クリーニング効果が向上され得る。しかしながら、クリーニング対象に対して1つのノズルが液体薬品と純水または乾性ガスをスプレーできるように、第1のパイプラインと第2のパイプラインが同一のノズルに接続されてもよい。
【0042】
いくつかの実施態様においては、クリーニング装置が、さらに液体貯蔵デバイスを含み得る。液体貯蔵デバイスは、チャンバ本体11の底部に配された液体貯蔵タンク14と、液体貯蔵タンク14と流体パイプライン12に接続される液体移送パイプラインと、を含んでもよい。液体貯蔵タンク14は、液体クリーニング流体を再使用するべく構成できる。液体移送パイプラインは、液体貯蔵タンク14内の液体クリーニング流体を流体パイプライン12へ移送するべく構成できる。クリーニング流体は、液体貯蔵タンク14によって再使用され、液体貯蔵タンク14内のクリーニング流体は、液体移送管によって再使用されて、さらにクリーニング流体の消費量を低減し、かつクリーニング・コストを低減することが可能になる。
【0043】
具体的に述べれば、液体貯蔵タンク14は、チャンバ本体11の底部に配される別個のエリアであってもよい。液体貯蔵タンク14と連通する循環孔を、チャンバ本体11の底部に配することができる。クリーニング対象にスプレーされたクリーニング流体は、重力に起因してチャンバ本体11の底部へ流れ、循環孔を通って液体貯蔵タンク14内へ流れ得る。加圧ポンプを液体移送パイプラインに配し、液体貯蔵タンク14内のクリーニング流体を流体パイプライン12内へ圧送できる。いくつかの実施態様においては、液体クリーニング流体が液体薬品および純水を含み得ることから、循環孔内に3路バルブを配する必要性が生じることがある。スプレー・デバイスが液体薬品をスプレーするときには、その液体薬品は、3路バルブによって液体貯蔵タンク14内へ流され得る。スプレー・デバイスが水をスプレーするときには、3路バルブを通して純水をクリーニング装置から排出すれば、それによって純水が液体貯蔵タンク14内に流れて液体薬品と反応して液体薬品のクリーニング効果に影響を及ぼすことを防止できる。それに加えて、クリーニング装置の外側と連通する排出孔を、チャンバ本体11の底部に独立に配することができる。排出孔と循環孔にオン/オフ・バルブが配されてもよい。液体薬品がスプレーされるときには、オン/オフ・バルブを使用することによって循環孔が開かれ、かつオン/オフ・バルブによって排出孔が閉じられ、液体薬品が液体貯蔵タンク14内へ流れることを可能にする。純水がスプレーされるときには、オン/オフ・バルブを使用することによって循環孔が閉じられ、かつ純水をクリーニング装置の外へ排出させるべくオン/オフ・バルブによって排出孔が開かれ得る。
【0044】
いくつかの実施態様においては、搬送デバイスが、搬送プラットフォーム152と、回転プラットフォーム151と、複数の接続コラム153と、を含み得る。搬送プラットフォーム152を、チャンバ本体11の底部に配して、クリーニング対象を垂直方向に搬送するべく構成できる。回転プラットフォーム151は、搬送プラットフォーム152とは反対側のチャンバ本体11の上部に配されて、かつ複数の接続コラム153を通じて搬送プラットフォーム152に接続され、複数の接続コラム153を通じて搬送プラットフォーム152を駆動して回転され得る。
【0045】
いくつかの実施態様においては、搬送デバイスの構造が、搬送デバイスによって搬送されるクリーニング対象を直立に維持する能力を満たし得る。従来技術と比較すると、石英ボートまたは石英管がクリーニングされるときの石英ボートまたは石英管が、クリーニング・タンク内に水平に寝かされずにチャンバ本体11内に直立に立てられる。したがって、地面に対する水平方向におけるチャンバ本体11の長さをより短くすることができ、地面に対する垂直方向における長さをより長くすることができる。したがって、チャンバ本体11によって占有される面積が低減されて、チャンバ本体11の据え付けを容易し得る。
【0046】
具体的に述べれば、搬送プラットフォーム152を、チャンバ本体11の底部に配することができる。下側ノズル132は、上向きに面する搬送プラットフォーム152の表面に配することができる。回転プラットフォーム151は、チャンバ本体11の上部に設置することができる。上側ノズル131は、下向きに面する回転プラットフォーム151の表面に配することができる。複数の接続コラム153は、回転プラットフォーム151と搬送プラットフォーム152の間において垂直に配することができる。搬送プラットフォーム152は、クリーニング対象の底部を搬送するべく構成できる。したがって、チャンバ本体11内においてクリーニング対象を直立に設置することができ、クリーニング対象は、回転プラットフォーム151と搬送プラットフォーム152の間に設置される。
【0047】
図1に示されているとおり、いくつかの実施態様においては、3つの接続コラム153が配される。各接続コラム153の両端は、それぞれ、回転プラットフォーム151および搬送プラットフォーム152と接続される。したがって、回転プラットフォーム151は、3つの接続コラム153を通じて搬送プラットフォーム152を駆動し、回転させることができる。接続コラム153の数は、これに限定されない。
【0048】
いくつかの実施態様においては、クリーニング装置が、さらに回転駆動メカニズム16を含み得る。回転駆動メカニズム16は、チャンバ本体11の上部に配され、回転プラットフォーム151を回転駆動するために回転プラットフォーム151に接続される。回転駆動メカニズム16を用いると、クリーニング対象をクリーニングするプロセスにおいて、回転プラットフォーム151を駆動して回転させることができる。搬送プラットフォーム152は、搬送プラットフォーム152上のクリーニング対象が搬送プラットフォーム152とともに回転できるように、回転プラットフォーム151によって駆動されて回転される。このようにして、クリーニング死角を有するクリーニング対象の状況をさらに軽減できる。したがって、クリーニング対象のより多くの位置がクリーニング流体によってスプレーされ得て、クリーニング効果が向上され得る。
【0049】
いくつかの実施態様においては、回転駆動メカニズム16を独立に据えるためのエリアを、チャンバ本体11の上部に配してもよい。回転駆動メカニズム16を、そのエリア内に配して、回転プラットフォーム151に接続できる。このようにして、回転駆動メカニズム16が液体薬品によって腐食されることを防止できる。
【0050】
図2に示されているとおり、この開示の実施態様は、また、装置本体と、計器エリア171と、コントロール・モジュール172と、装置本体内に配されるこの開示の実施態様によって提供される複数のクリーニング・チャンバと、を含むクリーニング装置も提供する。複数のクリーニング・チャンバのうちのそれぞれは、クリーニング対象をクリーニングするべく構成できる。計器エリア171は、複数のクリーニング・チャンバと電気的に接続され、クリーニング・プロセスのパラメータを監視し、かつ表示するべく構成される。コントロール・モジュール172は、複数のクリーニング・チャンバと電気的に接続され、各クリーニング・チャンバの個別のクリーニング・プロセスを自動的にコントロールするため、および作業者が各クリーニング・チャンバとの独立した人間-機械インタラクションを行うために構成される。
【0051】
この開示の実施態様によって提供されるクリーニング装置は、装置本体内に配されるこの開示の実施態様によって提供される複数のクリーニング・チャンバを伴い、クリーニング流体の消費量を低減し、かつクリーニング・コストを低減できる。
【0052】
この開示の実施態様のクリーニング・プロセスは、具体的に以下のとおりに記述される。いくつかの実施態様においては、チャンバ本体11の上側ノズル131は、液体薬品を移送するための第1のパイプラインに接続され、またファクトリの端部において純水のパイプラインにも接続され得る。上側ノズル131は、液体薬品または純水をスプレーするべく構成できる。下側ノズル132は、液体薬品を移送するための第1のパイプラインに接続され、また純水または乾性ガスを移送するための第2のパイプラインにも接続され得る。下側ノズル132は、液体薬品、純水、または乾性ガスをスプレーするべく構成できる。横ノズル133は、2セットに分けることができる。一方のセットは、液体薬品を移送するための第1のパイプラインに接続されて、液体薬品をスプレーするべく構成できる。他方のセットは、純水または乾燥ガスを移送するための第2のパイプラインに接続されて、純水または乾性ガスをスプレーするべく構成できる。
【0053】
クリーニング・プロセスにおいては、最初に、搬送デバイス上にクリーニング対象を据えてもよい。回転駆動メカニズム16を使用して、搬送デバイスを駆動し、回転させ得る。一方、純水をスプレーすることが可能な上側ノズル131、横ノズル133、および下側ノズル132が、同時に純水をスプレーして、石英ボートまたは反応チャンバをプレクリーニングできる。プレクリーニングが完了した後、液体薬品をスプレーすることが可能な上側ノズル131、横ノズル133、および下側ノズル132が、同時に液体薬品をスプレーしてもよい。回転駆動メカニズム16は、継続的に搬送デバイスを駆動して回転させ、クリーニング対象上の汚染物質をクリーニングできる。液体薬品のスプレーが完了した後、純水をスプレーすることが可能な上側ノズル131、横ノズル133、および下側ノズル132が、同時に純水をスプレーできる。回転駆動メカニズム16は、継続的に搬送デバイスを駆動して回転させ、クリーニング対象上に残存している液体薬品をクリーニングできる。液体薬品がクリーニングされた後、乾性ガスをスプレーすることが可能な横ノズル133および下側ノズル132が、同時に乾性ガスをスプレーし、クリーニング対象上に残存している水を除去し、乾燥プロセスを完了できる。上記は、基本的な完全クリーニング・プロセスである。
【0054】
いくつかの実施態様においては、1つ以上のチャンバ本体11を含め得る。各チャンバ本体11は、搬送デバイスとスプレー・デバイスを備え得る。各チャンバ本体11は、個別にクリーニング対象をクリーニングするべく構成できる。言い換えると、クリーニング装置内に複数のチャンバ本体11が配されるとき、クリーニング装置は、複数のクリーニング対象を同時にクリーニングできる。このようにして、クリーニング装置のクリーニング効率を向上させ得る。
【0055】
図2に示されているとおり、いくつかの実施態様においては、クリーニング装置が2つのチャンバ本体11を含み、それらが傾動デバイスの左右の側にそれぞれ配される。液体貯蔵タンク14は、両方のチャンバ本体11の下方に配される。このクリーニング装置は、また、2つの回転駆動メカニズム16も含む。2つの回転駆動メカニズム16は、いずれも両方のチャンバ本体11の上方の別々のエリア内に配され、両方のチャンバ本体11内の搬送デバイスを駆動して回転させるべくそれぞれ構成されている。さらにクリーニング装置上に、計器エリア171とコントロール・モジュール172が配される。計器エリア171は、圧縮乾性ガス、窒素、およびファクトリの排気圧を監視するべく構成できる。コントロール・モジュール172は、作業者が人間-機械インタラクションおよび自動コントロールを行うために構成できる。
【0056】
要約すると、この開示の実施態様によって提供されるクリーニング・チャンバおよびクリーニング装置は、クリーニング流体の利用およびクリーニング・コストを低減できるだけでなく、チャンバ本体11の占有面積もまた低減し、チャンバ本体11の据え付けを容易にし得る。それに加えて、クリーニング・チャンバおよびクリーニング装置は、クリーニング対象を自動的に乾燥して作業者の作業負荷を低減し、クリーニング効率を向上させ得る。
【符号の説明】
【0057】
11 チャンバ本体
12 流体パイプライン
131 上側ノズル
132 下側ノズル
133 横ノズル
14 液体貯蔵タンク
151 回転プラットフォーム
152 搬送プラットフォーム
153 接続コラム
16 回転駆動メカニズム
171 計器エリア
172 コントロール・モジュール
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2022-03-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバ本体と、前記チャンバ本体内に配されている搬送デバイスとスプレー・デバイスと、を包含するクリーニング・チャンバであって、
前記搬送デバイスが、クリーニング対象を搬送するべく構成されており
前記スプレー・デバイスが、上側と、下側と、前記搬送デバイスの周りに配される複数セットのノズル群で構成され、各セットの前記ノズル群は、前記クリーニング対象に対してクリーニング流体をスプレーするべく構成されている少なくとも1つのノズルで構成され、
前記複数セットの前記ノズル群は、上側ノズル群と横ノズル群と下側ノズル群の3つのノズル群で構成され、
前記上側ノズル群は前記チャンバ本体の上部に配され、前記上側ノズル群の少なくとも1つのノズルは、前記クリーニング流体を上から下に向けてスプレーするべく構成されており、
前記下側ノズル群は前記チャンバ本体の底部に配され、前記下側ノズル群の少なくとも1つのノズルは、前記クリーニング流体を下から上に向けてスプレーするべく構成されており、
前記横ノズル群は前記搬送デバイスの周りに配され、前記横ノズル群の少なくとも1つのノズルは、前記クリーニング対象に対して前記クリーニング流体を外側から内側へ向けてスプレーするべく構成されており、
さらに、前記クリーニング・チャンバは、異なる方向からクリーニング対象の異なる位置をクリーニングするために前記横ノズル群の各ノズルのスプレー角度を調整するべく構成された角度調整メカニズムを包含する、
クリーニング・チャンバ。
【請求項2】
前記スプレー・デバイスは、さらに、流体パイプラインを含み、前記流体パイプラインは、前記ノズルに前記クリーニング流体を提供する少なくとも1つのノズルに接続されている、
請求項1に記載のクリーニング・チャンバ。
【請求項3】
前記横ノズル群は複数のノズルで構成され、前記複数のノズルは、垂直方向に沿って間を置いて配されまたは下から上に間を置いて前記搬送デバイスの周りに複数のノズルサブ群に分けられ、各記複数のノズルサブ群のそれぞれは、垂直方向に沿って間を置いて配置されている複数のノズルで構成されている、請求項に記載のクリーニング・チャンバ。
【請求項4】
前記クリーニング流体は、液体薬品、純水、または乾性ガスを含む、請求項2に記載のクリーニング・チャンバ。
【請求項5】
複数の流体パイプラインが含められており、かつ前記複数の流体パイプラインのうちの少なくとも1つの流体パイプラインは、記液体薬品を移送するべく構成されており、前記複数の流体パイプラインのうちの残りの流体パイプラインは前記純水または前記乾性ガスを移送するべく構成され、請求項に記載のクリーニング・チャンバ。
【請求項6】
さらに、液体貯蔵タンクおよび液体移送パイプラインを包含し、前記液体貯蔵タンクは、前記チャンバ本体の底部に配され、前記液体クリーニング流体を再使用するべく構成されており、かつ、
前記液体移送パイプラインは、一端が前記液体貯蔵タンクに接続され、他端が前記流体パイプラインに接続され、前記液体貯蔵タンク内の前記液体クリーニング流体を前記流体パイプラインへ移送するべく構成されている、
請求項2に記載のクリーニング・チャンバ。
【請求項7】
前記搬送デバイスは、搬送プラットフォームと、回転駆動メカニズムと、伝達部と、を含み
記搬送プラットフォームは、前記チャンバ本体の前記底部に配されて、前記クリーニング対象を搬送するべく構成されており、
前記回転駆動メカニズムは、前記チャンバ本体の前記上部に配され、前記伝達部を通じて前記搬送プラットフォームに接続され、前記搬送プラットフォームを駆動して回転させる、
請求項1からのいずれか一項に記載のクリーニング・チャンバ。
【請求項8】
装置本体と、計器モジュールと、コントロール・モジュールと、前記装置本体内に配される複数の、請求項1からのいずれか一項に記載のクリーニング・チャンバと、を包含するクリーニング装置であって、各前記クリーニング・チャンバは、クリーニング対象をクリーニングするべく構成されており、前記計器モジュール、クリーニング・プロセスのパラメータを監視し、かつ表示するべく構成されており、前記コントロール・モジュールは、前記複数のクリーニング・チャンバと接続されており、前記複数のクリーニング・チャンバのそれぞれのクリーニング作業を独立してコントロールするべく、かつ作業者が前記複数のクリーニング・チャンバのそれぞれと人間-機械インタラクションを行うためのプラットフォームを提供するように構成されている、クリーニング装置。
【国際調査報告】