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  • 特表-金属間隙充填を形成するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-03
(54)【発明の名称】金属間隙充填を形成するための方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/28 20060101AFI20220527BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20220527BHJP
   H01L 21/285 20060101ALI20220527BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20220527BHJP
【FI】
H01L21/28 Z
H01L21/304 645C
H01L21/285 S
H01L21/285 C
H01L21/90 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021556653
(86)(22)【出願日】2020-03-02
(85)【翻訳文提出日】2021-11-15
(86)【国際出願番号】 US2020020696
(87)【国際公開番号】W WO2020190494
(87)【国際公開日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】62/819,697
(32)【優先日】2019-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/803,842
(32)【優先日】2020-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】チェン シー
(72)【発明者】
【氏名】マ フェイユエ
(72)【発明者】
【氏名】ウー カイ
(72)【発明者】
【氏名】レイ ユー
(72)【発明者】
【氏名】大東 和也
(72)【発明者】
【氏名】シュー イ
(72)【発明者】
【氏名】バンシア ヴィカシュ
(72)【発明者】
【氏名】チャン メイ
(72)【発明者】
【氏名】レン フ
(72)【発明者】
【氏名】フン レイモンド ホイマン
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ ヤクアン
(72)【発明者】
【氏名】ジェラトス アヴゲリノス ヴイ
(72)【発明者】
【氏名】オア デイヴィッド ティー
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ ジン
(72)【発明者】
【氏名】ジアン グォチャン
(72)【発明者】
【氏名】リン チ-チョウ
(72)【発明者】
【氏名】ライ イミン
(72)【発明者】
【氏名】イェ ジア
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジェン-ユエ
【テーマコード(参考)】
4M104
5F033
5F157
【Fターム(参考)】
4M104BB04
4M104BB18
4M104DD22
4M104DD23
4M104DD37
4M104DD43
5F033JJ07
5F033JJ19
5F033PP06
5F033PP15
5F033QQ48
5F033RR01
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5F033RR05
5F033RR06
5F033XX28
5F157AA28
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5F157BG39
5F157BH18
5F157CE62
5F157CE63
(57)【要約】
本開示は、一般に、基板の処理のための方法に関し、より詳細には、金属間隙充填を形成するための方法に関する。1つの実施態様では、この方法は、マルチステッププロセスを使用して、開口に金属間隙充填を形成することを含む。マルチステッププロセスは、金属間隙充填の第1の部分を形成することと、1つまたは複数の側壁に1つまたは複数の層を形成するためにスパッタプロセスを実行することと、開口を金属間隙充填で満たすために金属間隙充填の第2の部分を成長させることとを含む。マルチステッププロセスによって形成された金属間隙充填はシームレスであり、1つまたは複数の側壁に形成された1つまたは複数の層は、金属間隙充填と側壁との間の間隙または欠陥をシールする。その結果として、後続のプロセスで利用される液体は、金属間隙充填を通って拡散しない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属間隙充填を形成するための方法であって、前記方法が、
第2の層に形成された開口における第1の層の表面にわたって前記金属間隙充填の第1の部分を形成することと、
前記第1の部分にスパッタリングプロセスを実行することと、
前記開口を前記金属間隙充填で満たすために前記金属間隙充填の第2の部分を形成することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記金属間隙充填の前記第1の部分および前記金属間隙充填の前記第2の部分が、コバルト、タングステン、またはルテニウムから製造される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の層が金属を含み、
前記第2の層が誘電体層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記金属間隙充填の前記第1の部分を形成する前に前記第1の層の前記表面に前洗浄プロセスを実行することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の層の前記表面に金属シード層を形成することをさらに含み、前記金属間隙充填の前記第1の部分が前記金属シード層上に形成される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記スパッタリングプロセスがアルゴンプラズマを利用する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
金属間隙充填を形成するための方法であって、前記方法が、
第2の層に形成された開口における第1の層の表面にわたって前記金属間隙充填の第1の部分を形成することと、
前記第2の層の1つまたは複数の側壁に1つまたは複数の層を形成することと、
前記開口を前記金属間隙充填で満たすために前記金属間隙充填の第2の部分を形成することと
を含む、方法。
【請求項8】
前記金属間隙充填の前記第1の部分、前記1つまたは複数の層、および前記金属間隙充填の前記第2の部分が、コバルト、タングステン、またはルテニウムから製造される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の層が金属を含み、
前記第2の層が誘電体層を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記金属間隙充填の前記第1の部分を形成する前に前記第1の層の前記表面に前洗浄プロセスを実行することと、
前記第1の層の前記表面に金属シード層を形成することであり、前記金属間隙充填の前記第1の部分が前記金属シード層上に形成される、形成することと
をさらに含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記1つまたは複数の層が、アルゴンプラズマを利用するスパッタリングプロセスによって形成される、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
処理システムであって、
移送チャンバと、
前記移送チャンバに結合された複数のプロセスチャンバと、
前記処理システムでプロセスを実行させるように構成されたコントローラであり、前記プロセスが、
第2の層に形成された開口における第1の層の表面にわたって金属間隙充填の第1の部分を形成することと、
前記第1の部分にスパッタリングプロセスを実行することと、
前記開口を前記金属間隙充填で満たすために前記金属間隙充填の第2の部分を形成することと
を含む、コントローラと、
を含む、処理システム。
【請求項13】
前記金属間隙充填の前記第1の部分および前記金属間隙充填の前記第2の部分が、コバルト、タングステン、またはルテニウムから製造される、請求項12に記載の処理システム。
【請求項14】
前記第1の層が金属を含み、
前記第2の層が誘電体層を含む、請求項12に記載の処理システム。
【請求項15】
前記金属間隙充填の前記第1の部分を形成する前に前記第1の層の前記表面に前洗浄プロセスを実行することと、
前記第1の層の前記表面に金属シード層を形成することであり、前記金属間隙充填の前記第1の部分が前記金属シード層上に形成される、形成することと
をさらに含む、請求項12に記載の処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施態様は、一般に、基板の処理に関し、より詳細には、金属間隙充填を形成するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体処理では、デバイスは、特徴部の寸法が絶えず減少して生産されている。デバイス寸法が縮小し続け、ムーアの法則の2次元制限が克服できなくなるにつれて、製造業者は、将来の成長を推進するために3次元構造に考えを向けつつある。フィン電界効果トランジスタ(FinFET)などのデバイス、およびダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)デバイスなどの3次元メモリデバイスは、一般に、スタック内の異なる材料の層を特徴として備えている。多数のデバイスまたはセルを上下に積み重ねることができ、いくつかのデバイスが、一般に、1つの基板に形成される。層は、多くの場合、異なる材料であり、そのため、1つの構造は、SiO2、SiN、a-Si、およびポリSiなどの絶縁層、半導体層、および金属層の交互層を含むことができる。一般に、スタックは、32層、または64層、またはさらに128層のこれらの交互層で構成される。
【0003】
タングステンなどの特定の金属が、約20年間、論理用途のコンタクトレベルで使用されている。最近の高度な相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デバイスでは、金属ゲートおよびFinFETなどの新しい技術が現れており、それにより、p型金属酸化膜半導体(PMOS)とn型金属酸化膜半導体(NMOS)デバイスの両方の金属ゲート充填としてこれらの金属の新しい用途がもたらされている。3D NANDデバイスでは、そのような金属はまた、金属ゲート充填に使用される。例えばタングステンを使用する間隙充填への要件は、いくつかの理由でますます困難になっている。例えば、コンタクトでは、コンタクトの寸法が小さくなり、タングステン共形充填は一般にシームを残すので、オーバハングがより困難になっている。さらに、シームは、化学機械研磨(CMP)中にスラリにさらされることになり、それは一体化問題を引き起こす。加えて、高度のCMOSと3D NANDの両方の金属ゲートトレンチでは、従来のタングステン共形成長は、必然的に、中央にシームを残す。
【0004】
それゆえに、金属間隙充填を形成する改善された方法が、高度の論理およびメモリデバイスのコンタクトと金属ゲート充填の両方のために必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施態様は、一般に、基板の処理のための方法に関し、より詳細には、金属間隙充填を形成するための方法に関する。1つの実施態様では、金属間隙充填を形成する方法は、第2の層に形成された開口における第1の層の表面にわたって金属間隙充填の第1の部分を形成することと、第1の部分にスパッタリングプロセスを実行することと、開口を金属間隙充填で満たすために金属間隙充填の第2の部分を形成することとを含む。
【0006】
別の実施態様では、金属間隙充填を形成するための方法は、第2の層に形成された開口における第1の層の表面にわたって金属間隙充填の第1の部分を形成することと、第2の層の1つまたは複数の側壁に1つまたは複数の層を形成することと、開口を金属間隙充填で満たすために金属間隙充填の第2の部分を形成することとを含む。
【0007】
別の実施態様では、処理システムは、移送チャンバと、移送チャンバに結合された複数のプロセスチャンバと、処理システムでプロセスを実行させるように構成されたコントローラであり、このプロセスが、第2の層に形成された開口における第1の層の表面にわたって金属間隙充填の第1の部分を形成することと、第1の部分にスパッタリングプロセスを実行することと、開口を金属間隙充填で満たすために金属間隙充填の第2の部分を形成することとを含む、コントローラとを含む。
【0008】
本開示の上述で列挙した特徴を詳細に理解できるように、上述で簡単に要約した本開示のより詳細な説明を、実施態様を参照することによって行うことができ、実施態様のいくつかが添付の図面に示される。しかしながら、添付の図面は、例示的な実施態様のみを示しており、それゆえに、実施態様の範囲を限定すると考えるべきではなく、他の等しく効果的な実施態様を認めることができることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】1つの実施態様による、金属間隙充填を形成するための方法の流れ図である。
図2A-2F】1つの実施態様による、図1の方法の異なる段階中の基板の様々な図である。
図3】1つの実施態様による、図1の方法を実行するのに適する例示のマルチチャンバ処理システムの概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
理解を容易にするために、可能な場合には、図に共通する同一の要素を示すのに同一の参照番号が使用されている。ある実施態様の要素および機能は、さらなる詳述なしに、他の実施態様に有利に組み込むことができることが意図されている。
【0011】
本開示は、一般に、基板の処理のための方法に関し、より詳細には、金属間隙充填を形成するための方法に関する。本明細書に記載される1つまたは複数の実施態様を含むかまたはそれと組み合わせることができる1つの実施態様では、この方法は、マルチステッププロセスを使用して開口に金属間隙充填を形成することを含む。マルチステッププロセスは、選択的堆積プロセスによって金属間隙充填の第1の部分を成長させることと、1つまたは複数の側壁に1つまたは複数の層を形成するためにスパッタプロセスを実行することと、開口を金属間隙充填で満たすために選択的堆積プロセスによって金属間隙充填の第2の部分を成長させることとを含む。選択的堆積プロセスによって形成された金属間隙充填はシームレスであり、1つまたは複数の側壁に形成された1つまたは複数の層は、金属間隙充填と側壁との間の間隙または欠陥をシールする。その結果として、後続のプロセスで利用される液体は、金属間隙充填を通って拡散して金属間隙充填の下に配置された層と相互作用することはない。
【0012】
図1は、金属間隙充填を形成するための方法100の流れ図である。図2A図2Fは、図1の方法100の異なる段階中の基板200の様々な図を示す。方法100は、本明細書に提示されていない他の半導体構造を形成するために利用されてもよいことに留意されたい。当業者は、半導体デバイスおよび関連する構造を形成するための完全なプロセスが、図面に示されているわけではなく、または本明細書に記載されているわけではないことを認識すべきである。様々な動作が図面に示され、本明細書に記載されているが、そのようなステップの順序またはステップの有無に関する限定は暗示されていない。シーケンスとして図示または記載される動作は、明確に指示がない限り、単に説明のために行われ、それぞれのステップが、実際には、完全ではないにしても少なくとも部分的に、同時にまたは重複して実行される可能性を排除しない。
【0013】
方法100は、動作102において、プロセスチャンバ内で基板200に前洗浄プロセスを実行することによって開始する。1つの例では、プロセスチャンバはエッチングチャンバである。図2Aに示すように、基板200は、第1の層202と、第1の層202に形成された少なくとも1つの開口204と、開口204に配置された第2の層206とを含む。第1の層202は、SiO2、SiN、SiCN、Al23、AlN、または他の適切な誘電体材料から製造された誘電体層とすることができる。代替として、第1の層202は、ハードマスク用途ではカーボン層とすることができる。開口204は、バイアまたはトレンチとすることができ、開口204は、第2の層206の表面210と、第1の層202の1つまたは複数の側壁212とによって画定される。開口204は高さH1を有する。第2の層206は、金属、半導体、導電性セラミック、または他の適切な導電性材料などの導電性材料から製造することができる。1つの例では、第2の層206は、コバルト、窒化チタン、またはシリコンから製造される。
【0014】
前洗浄プロセスが、第2の層206の表面210に実行される。前洗浄プロセスを実行して、第2の層206の表面210上の汚染物質、例えば、金属酸化物、フッ化物、カーボン、ポリマー、または他のエッチングプロセス後の残留物などを除去する。前洗浄プロセスは、化学洗浄またはプラズマ洗浄などの任意の適切な洗浄方法とすることができる。化学洗浄は、水素ラジカルなどの洗浄剤、またはH2、CO、C25OH、WF6、WCl5などの反応性ガス、もしくは他の適切な反応性ガスを利用する。水素ラジカル、H2、またはCOなどのいくつかの洗浄剤は、金属酸化物汚染物質を還元して金属に戻す。WF6またはWCl5などのいくつかの洗浄剤は、汚染物質をガスに揮発させることによって汚染物質をエッチングする。1つの例では、前洗浄プロセスは、水素ラジカルを利用して、CoOx、CuOx、および/またはWO3などの金属酸化物を還元する。水素ラジカルは、遠隔プラズマ源で形成され、次いで、水素ガスまたはアルゴンガスとともに基板200に流されてもよい。基板200は、摂氏約200度~摂氏約400度の範囲の温度に維持することができる。別の例では、前洗浄プロセスは、H2熱ソークを利用して、CoOx、CuOx、および/またはWO3などの金属酸化物を還元する。熱ソークプロセスは、水素ガスおよびアルゴンガスをプロセスチャンバ内に流すことを含み、チャンバ圧力は、約30Torr~約300Torrの範囲であり、基板200は、摂氏約300度~摂氏約600度の範囲の温度に維持される。別の例では、前洗浄プロセスは、エタノールソークを利用して金属酸化物を還元し、基板200は、摂氏約200度~摂氏約400度の範囲の温度に維持される。別の例では、前洗浄プロセスは、WF6またはWCl5ソークを利用して、高温低圧で金属酸化物と反応させ、金属酸化物を気相/液相金属化合物(例えば、WOF4、CuCl2、CoCl2)に変え、基板200は、摂氏約200度~摂氏約500度の範囲の温度に維持される。
【0015】
前洗浄プロセスは、プラズマ洗浄プロセスとすることができる。プラズマ洗浄プロセスは、Ar/HeプラズマまたはH2プラズマを利用する。あるプラズマ洗浄プロセスは、汚染物質を物理的にスパッタ除去し、一方、他のプラズマ洗浄プロセスは、表面210を洗浄するための反応を増強する。1つの例では、前洗浄プロセスは、アルゴンプラズマを利用し、アルゴンイオンは、第2の層206の表面210上の汚染物質を物理的にスパッタする。アルゴンプラズマは、容量結合、誘導結合、またはそれらの組合せとすることができる。プラズマ周波数は、約350kHz~約40MHzの範囲であり、プラズマ出力は、約0W~約1000Wの範囲であり、チャンバ圧力は、約10mTorr~約100Torrの範囲である。別の例では、前洗浄プロセスは、水素プラズマを利用し、水素イオンは、第2の層206の表面210上の汚染物質と反応して金属および水を形成する。水素プラズマ洗浄プロセスは、水素熱ソークと同様の化学的性質を有するが、水素プラズマ洗浄プロセスで利用される熱エネルギーは少ない。
【0016】
1つの例では、前洗浄プロセスは、遠隔プラズマ源を使用して、プロセスチャンバ内で実行される。前洗浄プロセスを実行するのに適する1つの例示のプロセスチャンバは、Applied Materials, Inc.、サンタクララ、カリフォルニア州から入手可能であるAKTIV Pre-Clean(商標)チャンバまたはSICONI(登録商標)洗浄チャンバである。代替として、前洗浄プロセスは、誘導結合プラズマ(ICP)源を使用するエッチングチャンバなどのエッチングチャンバ内で実行される。1つの例示のエッチングチャンバは、Applied Materials Inc.、サンタクララ、カリフォルニア州から入手可能である改造分離プラズマ窒化(DPN)チャンバとすることができる。しかしながら、他の製造業者からの他の適切に構成されたチャンバも前洗浄プロセスを実行するために実装されてもよいことが意図される。
【0017】
動作104において、核生成処理が、第2の層206の洗浄済み表面210に実行される。核生成処理は、表面210および開口204に形成されるべき金属間隙充填のインキュベーション期間を除去し、それはまた、異なる金属の金属成長インキュベーションが非常に異なるゆえの格子不整合を除去する。核生成処理は、図2Bに示すように、金属シード層214を第2の層206の表面210に形成することを含むことができる、金属シード層214は、タングステン、コバルト、ルテニウム、または他の適切な金属から製造することができる。金属シード層214は、選択的プロセスによって形成され、そのため、金属シード層214は、1つまたは複数の側壁212に形成されない。1つの例では、金属シード層214は、B26、SiH4、Si26、WF6、WCl5、TiCl4、または他の適切なガスなどの1つまたは複数のガスを利用する化学ソークプロセスによって形成される。別の例では、金属シード層214は、選択的金属原子層堆積(ALD)プロセスによって形成される。選択的金属ALDプロセスで利用される1つまたは複数の前駆体は、B26、WF6、H2、SiH4、WCl5、W(CO)6、または他の適切な前駆体を含む。いくつかの実施態様では、タングステン以外の金属を含む1つまたは複数のガスが利用される。例えば、コバルトまたはルテニウム含有ガスを利用して、金属シード層214を形成することができる。いくつかの実施態様では、核生成処理は省略され、金属シード層214は存在しない。
【0018】
次に、動作106において、図2Cに示すように、金属間隙充填の第1の部分216が、金属シード層214上に形成される。実施態様によっては、金属間隙充填の第1の部分216は、第2の層206の表面210に形成される。金属間隙充填の第1の部分216は、タングステン、コバルト、ルテニウム、または他の適切な金属などの金属から製造される。第1の部分216は、選択的プロセスによって形成され、下から上に成長する。言い換えれば、第1の部分216は、金属シード層214または第2の層206の表面210に選択的に形成されるかまたはそこから成長し、1つまたは複数の側壁212に形成されない。第1の部分216は、図2Cに示すように、1つまたは複数の側壁212の一部分と接触するが、第1の部分216は、1つまたは複数の側壁212から成長しない。第1の部分216は、高さH2を有し、高さH2は、開口204の高さH1の約10パーセント~約50パーセントである。
【0019】
第1の部分216を形成するための選択的プロセスは、化学気相堆積(CVD)プロセスとすることができ、選択性は、チャンバ圧力と、前駆体ガスの比率とに基づく。1つの例では、選択的プロセスは、金属含有ガスおよび第2のガスをプロセスチャンバ内に流すことを含む。金属含有ガスは、WF6などの任意の適切な金属含有ガスとすることができる。第2のガスは、水素ガスとすることができる。第2のガス対金属含有ガスの比率は、約6対1から約8000対1の範囲である。チャンバ圧力は、約1Torr~約300Torrの範囲であり、基板は、摂氏約200度~摂氏約500度の範囲の温度に維持される。チャンバ圧力と、ガスの比率とは、選択性に影響を与える可能性がある。1つの例では、摂氏約400度よりも高いなどの比較的高い温度で、金属含有ガスに対する第2のガスの比率が高く、チャンバ圧力が低いとき、選択性は維持される。
【0020】
次に、動作108において、図2Dに示すように、スパッタリングプロセスを実行して、金属間隙充填の第1の部分216の一部を除去し、1つまたは複数の層218を1つまたは複数の側壁212に形成する。スパッタリングプロセスは、アルゴンプラズマを利用する前洗浄プロセスと同じ処理条件を有することができる。スパッタリングプロセスは、金属間隙充填の第1の部分216の一部を1つまたは複数の側壁212上にスパッタする。その結果として、層218が、各側壁212に形成される。層218は、金属間隙充填の第1の部分216と同じ材料から製造される。
【0021】
次に、動作110において、図2Eに示すように、金属間隙充填の第2の部分220が、金属間隙充填の第1の部分216上に形成される。第2の部分220は、金属間隙充填の第1の部分216と同じプロセスで形成することができる。第2の部分220は、第1の部分216と同じ材料から製造される。開口204に形成された金属間隙充填は、第1の部分216、1つまたは複数の層218、および第2の部分220を含む。金属間隙充填を形成するためのマルチステッププロセスはシームレスであり、金属間隙充填と側壁212との間に間隙または欠陥は存在しない。その結果として、後続のプロセスで利用される液体は、金属間隙充填を通って拡散して第2の層206と相互作用することはない。
【0022】
次に、動作112において、図2Fに示すように、化学機械研磨(CMP)プロセスを基板200に実行して、平面222を形成する。CMPプロセスの間、スラリは、側壁212が層218でシールされているので、第1の部分216、層218、および第2の部分220を有する金属間隙充填を通って拡散しない。そのため、第2の層206は、CMPプロセスにおいてスラリから保護されている。
【0023】
図1に戻って参照すると、動作106、108、および110が、シームレスの金属間隙充填を形成するために実行され、金属間隙充填と側壁との間に間隙または欠陥は存在しない。いくつかの実施態様では、動作106、108、および110は、単一の動作に置き換えられ、それは、単相結晶金属間隙充填を下から上に形成するものである。単相結晶金属間隙充填にはそこに形成される粒界がなく、金属間隙充填の抵抗は開口204のサイズと無関係である。したがって、単相結晶金属間隙充填は、シームレスであり、電気抵抗が低下する。単相結晶金属間隙充填は、基板200が摂氏450度以上の温度に維持されるCVDプロセスで形成することができる。
【0024】
本明細書で提供される教示に従って適切に改変することができる処理システムの例には、サンタクララ、カリフォルニアにあるApplied Materials, Inc.から市販されているENDURA(登録商標)、PRODUCER(登録商標)、もしくはCENTURA(登録商標)統合処理システム、または他の適切な処理システムが含まれる。他の処理システム(他の製造業者からのものを含む)が本明細書に記載された態様から利益を得るように構成できることが意図される。図3は、本開示の実施態様による、図1に示した方法100を遂行するために使用することができる例示のマルチチャンバ処理システム300の概略上面図を示す。図3に示すように、複数のプロセスチャンバ302が、第1の移送チャンバ304に結合される。第1の移送チャンバ304はまた、第1の対の通過チャンバ306に結合される。第1の移送チャンバ304は、通過チャンバ306とプロセスチャンバ302との間で基板を移送するために中央に配置された移送ロボット(図示せず)を有する。通過チャンバ306は、第2の移送チャンバ310に結合され、第2の移送チャンバ310は、動作102などの前洗浄プロセスを実行するように構成されたプロセスチャンバ314と、動作106などの核生成処理動作を実行するように構成されたプロセスチャンバ316とに結合される。第2の移送チャンバ310は、1組のロードロックチャンバ312と、プロセスチャンバ314またはプロセスチャンバ316との間で基板を移送するために中央に配置された移送ロボット(図示せず)を有する。ファクトリインタフェース320は、ロードロックチャンバ312によって第2の移送チャンバ310に接続される。ファクトリインタフェース320は、ロードロックチャンバ312の反対側にある1つまたは複数のポッド330に結合される。ポッド330は、一般に、洗浄室からアクセス可能な前方開口型統一ポッド(FOUP)である。
【0025】
動作中、基板は、最初に、プロセスチャンバ314に移送され、動作102などの前洗浄プロセスが実行されて、金属酸化物汚染物質などの汚染物質が開口の底部から除去される。次いで、基板はプロセスチャンバ316に移送され、動作106が実行される。次いで、基板は1つまたは複数のプロセスチャンバ302に移送され、動作106、108、および110が実行される。動作102、104、106、108、110のすべてが、同じ処理システム300内で実行されるので、基板が様々なチャンバに移送されるとき、真空が破られず、それにより、汚染の機会が減少し、金属間隙充填の品質が改善される。
【0026】
システムコントローラ380は、処理システム300またはその構成要素を制御するために処理システム300に結合される。例えば、システムコントローラ380は、処理システム300のチャンバ302、304、306、310、312、314、316の直接制御を使用して、またはチャンバ302、304、306、310、312、314、316に関連するコントローラ360を制御することによって処理システム300の動作を制御することができる。動作中、システムコントローラ380は、処理システム300の性能を調整するために、それぞれのチャンバからのデータ収集およびフィードバックを可能にする。
【0027】
システムコントローラ380は、一般に、中央処理装置(CPU)382、メモリ384、およびサポート回路386を含む。CPU382は、産業環境で使用することができる任意の形態の汎用プロセッサのうちの1つとすることができる。メモリ384、非一時的コンピュータ可読媒体、または機械可読ストレージデバイスは、CPU382によってアクセス可能であり、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、または任意の他の形態のデジタルストレージなどのローカルまたはリモートのメモリうちの1つまたは複数とすることができる。サポート回路386は、CPU382に結合され、キャッシュ、クロック回路、入力/出力サブシステム、電源などを含むことができる。システムコントローラ380は、メモリ384に格納された方法100を実行するように構成される。本開示で開示される様々な実施態様は、一般に、CPU382の制御下で、例えば、コンピュータプログラム製品またはソフトウェアルーチンとしてメモリ384に(または特定のプロセスチャンバのメモリに)格納されたコンピュータ命令コードを実行することによって実施することができる。すなわち、コンピュータプログラム製品は、メモリ384(または非一時的コンピュータ可読媒体もしくは機械可読ストレージデバイス)で有形に具現化される。コンピュータ命令コードがCPU382で実行されると、CPU382は、様々な実施態様による動作を実行するようにチャンバを制御する。
【0028】
要約すれば、本開示の実施態様は、シームレス金属間隙充填の形成を可能にし、シームレス金属間隙充填は、そこを通って液体が拡散するのを防止する。シームレス金属間隙充填は、選択的堆積プロセスによって金属間隙充填の第1の一部分を成長させることと、1つまたは複数の側壁に1つまたは複数の層を形成するためにスパッタプロセスを実行することと、開口を金属間隙充填で満たすために選択的堆積プロセスによって金属間隙充填の第2の部分を成長させることとを含むマルチステッププロセスによって形成される。選択的堆積プロセスによって形成された金属間隙充填は、シームレスであり、1つまたは複数の側壁に形成された1つまたは複数の層は、金属間隙充填と側壁との間の間隙または欠陥をシールする。その結果として、後続のプロセスで利用される液体は、金属間隙充填を通って拡散しない。
【0029】
前述は、本開示の実施態様に関するが、本開示の他のおよびさらなる実施態様を、本開示の基本的範囲から逸脱することなく考案することができ、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3
【国際調査報告】