(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-10
(54)【発明の名称】粒子線の垂直性を較正するための方法および半導体製造プロセスに適用されるシステム
(51)【国際特許分類】
H01J 37/28 20060101AFI20220603BHJP
H01J 37/20 20060101ALI20220603BHJP
H01J 37/244 20060101ALI20220603BHJP
H01L 21/66 20060101ALN20220603BHJP
【FI】
H01J37/28 B
H01J37/20 A
H01J37/244
H01J37/20 D
H01L21/66 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021556937
(86)(22)【出願日】2019-10-30
(85)【翻訳文提出日】2021-09-22
(86)【国際出願番号】 CN2019114337
(87)【国際公開番号】W WO2021081804
(87)【国際公開日】2021-05-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Weilai 3rd Road,East Lake High-tech Development Zone,Wuhan,Hubei,China
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】グアンディアン・チェン
(72)【発明者】
【氏名】ジンシン・チェン
(72)【発明者】
【氏名】ゼンイ・カイ
【テーマコード(参考)】
4M106
5C101
【Fターム(参考)】
4M106AA01
4M106BA02
4M106CA38
4M106DJ07
5C101AA03
5C101DD38
5C101FF02
5C101FF58
5C101GG15
5C101GG25
5C101GG28
5C101GG46
5C101HH02
5C101HH11
5C101HH61
5C101LL05
(57)【要約】
本発明は、粒子線の垂直性を較正するための方法を提供する。この方法は、第1のセンサおよび第2のセンサを有するベースプレートを準備するステップと、第1のセンサが粒子線を受け取ると第1のデータが収集されるように、エミッタからベースプレートにおける第1のセンサへ粒子線を放出するステップと、第2のセンサが粒子線を受け取ると第2のデータが収集されるように、エミッタからベースプレートにおける第2のセンサへ粒子線を放出するステップと、第1のデータおよび第2のデータに基づいて第1の較正データを計算するステップと、第1の較正データが第1の所定の範囲外にあれば、第1の較正データに基づいてベースプレートまたはエミッタを調整するステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子線の垂直性を較正するための方法であって、
第1のセンサおよび第2のセンサを有するベースプレートを準備するステップと、
前記第1のセンサが前記粒子線を受け取ると第1のデータが収集されるように、エミッタから前記ベースプレートにおける前記第1のセンサへ前記粒子線を放出するステップと、
前記第2のセンサが前記粒子線を受け取ると第2のデータが収集されるように、前記エミッタから前記ベースプレートにおける前記第2のセンサへ前記粒子線を放出するステップと、
前記第1のデータおよび前記第2のデータに基づいて第1の較正データを計算するステップと、
前記第1の較正データが第1の所定の範囲外にあれば、前記第1の較正データに基づいて前記ベースプレートまたは前記エミッタを調整するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のデータは前記エミッタから前記第1のセンサへの前記粒子線の伝送時間を含み、前記第2のデータは前記エミッタから前記第2のセンサへの前記粒子線の伝送時間を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のデータは、前記第1のセンサによって受け取られた前記粒子線のエネルギー強度を含み、前記第2のデータは、前記第2のセンサによって受け取られた前記粒子線のエネルギー強度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のセンサへ前記粒子線を放出する前記ステップと前記第2のセンサへ前記粒子線を放出する前記ステップとの間で、前記方法は、
前記第1のセンサに対応する位置から前記第2のセンサに対応する位置へ前記エミッタを移動させるステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の較正データは、前記第1のデータと前記第2のデータとの間の差である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサは、前記ベースプレートの中心に対して対称である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ベースプレートは第3のセンサおよび第4のセンサをさらに有し、前記方法は、
前記第3のセンサが前記粒子線を受け取ると第3のデータが収集されるように、前記エミッタから前記ベースプレートにおける前記第3のセンサへ前記粒子線を放出するステップと、
前記第4のセンサが前記粒子線を受け取ると第4のデータが収集されるように、前記エミッタから前記ベースプレートにおける前記第4のセンサへ前記粒子線を放出するステップと、
前記第3のデータと前記第4のデータに基づいて第2の較正データを計算するステップと
をさらに含み、
前記ベースプレートまたは前記エミッタを調整する前記ステップにおいて、前記第2の較正データが第2の所定の範囲外にあれば、前記第2の較正データに基づいて前記ベースプレートまたは前記エミッタがさらに調整される、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサによって決定される仮想接続線が、前記第3のセンサおよび前記第4のセンサによって決定される仮想接続線に平行ではない、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサは個別にコリメータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ベースプレートは、ウエハを支持するように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記粒子線は電子線を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
粒子線を放出するように構成されたエミッタと、
ベースプレートであって、
表面を有するプレート本体と、
前記プレート本体の前記表面の下に配置されて前記プレート本体の前記表面に面する第1のセンサおよび第2のセンサであって、前記第1のセンサおよび前記第2のセンサは、前記粒子線を受け取るように構成されている、第1のセンサおよび第2のセンサと
を含む、ベースプレートと、
前記第1のセンサ、前記第2のセンサおよび前記エミッタに電気的に接続されたプロセッサであって、前記プロセッサは、前記ベースプレートの前記プレート本体の前記表面に対する前記粒子線の垂直性を判定するように構成されている、プロセッサと
を含む、半導体製造プロセスに適用されるシステム。
【請求項13】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサは、前記ベースプレートの中心に対して対称である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ベースプレートは、前記プレート本体の前記表面の下に配置されて前記プレート本体の前記表面に面する第3のセンサおよび第4のセンサをさらに含み、前記第3のセンサおよび前記第4のセンサは、前記ベースプレートの前記中心に対して対称である、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサによって決定される仮想接続線が、前記第3のセンサおよび前記第4のセンサによって決定される仮想接続線に平行ではない、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサは個別にコリメータを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記ベースプレートは、ウエハを支持するように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記粒子線は電子線を含む、請求項12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子線の垂直性を較正するための方法および関連するシステム、より具体的には、粒子線とベースプレートとの間の垂直関係を較正するための方法および関連するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造プロセスにおいて、粒子線(電子線など)を利用して半導体基板上の欠陥を検出することができる。たとえば、物体(ウエハなど)に電子線を照射すると、物体の表面構造から二次電子が生成されることになり、二次電子を収集および分析して表面構造の画像を取得し、物体の表面構造上の欠陥を検出することができる。しかしながら、物体を支持するように構成されたベースプレートに対して粒子線が垂直に放出されなければ、検出に影響を及ぼして検出の精度が低下することがある。したがって、半導体製造プロセスは、上記の問題を改善する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明によって解決されるべき技術的課題は、粒子線の垂直性を較正するための方法および関連するシステムを提供して、製造される半導体の品質を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するため、本発明は、粒子線の垂直性を較正するための方法を提供する。この方法は、第1のセンサおよび第2のセンサを有するベースプレートを準備するステップと、第1のセンサが粒子線を受け取ると第1のデータが収集されるように、エミッタからベースプレートにおける第1のセンサへ粒子線を放出するステップと、第2のセンサが粒子線を受け取ると第2のデータが収集されるように、エミッタからベースプレートにおける第2のセンサへ粒子線を放出するステップと、第1のデータおよび第2のデータに基づいて第1の較正データを計算するステップと、第1の較正データが第1の所定の範囲外にあれば、第1の較正データに基づいてベースプレートまたはエミッタを調整するステップとを含む。
【0005】
上記の課題を解決するため、本発明は、半導体製造プロセスに適用されるシステムをさらに提供する。このシステムは、エミッタ、ベースプレートおよびプロセッサを含む。エミッタは、粒子線を放出するように構成されている。ベースプレートは、プレート本体、第1のセンサおよび第2のセンサを含む。プレート本体は表面を有する。第1のセンサおよび第2のセンサは、プレート本体の表面の下に配置されてプレート本体の表面に面し、第1のセンサおよび第2のセンサは、粒子線を受け取るように構成されている。プロセッサは、第1のセンサ、第2のセンサおよびエミッタに電気的に接続され、プロセッサは、ベースプレートのプレート本体の表面に対する粒子線の垂直性を判定するように構成されている。
【0006】
本発明は、粒子線の垂直性を較正するための方法およびシステムを提供する。粒子線の垂直性は、ベースプレートのセンサにおいて収集されるデータに基づいて判定することができ、進行方向がベースプレートに垂直でなければ、データに基づいてベースプレートおよび/またはエミッタを調整することができるようにする。結果として、ベースプレート上に製造される製品の品質を向上させることができる。
【0007】
本発明のこれらおよび他の目的は、さまざまな図および図面に例示されている好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読んだ後、当業者に疑いなく自明になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態によるシステムを示す概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるベースプレートの上面を示す概略図である。
【
図3】本発明の一実施形態による粒子線の垂直性を較正するための方法を示す流れ図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態によるある状態での較正方法の手順を示す概略図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態による他の状態での較正方法の手順を示す概略図である。
【
図6】本発明の第2の実施形態によるある状態での較正方法の手順を示す概略図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態による他の状態での較正方法の手順を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
具体的な構成および配置を議論しているが、これは例示のみを目的として行われていることが理解されるべきである。当業者は、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、他の構成および配置を用いることができるということを認識するであろう。本開示がさまざまな他の用途にも使用することができるということが当業者に明らかであろう。
【0010】
明細書における「一実施形態」、「実施形態」、「一例の実施形態」、「いくつかの実施形態」などへの言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含むことができるが、すべての実施形態が必ずしもその特定の特徴、構造、または特性を含むとは限らないかもしれないことを示すということが留意される。また、このような句は必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造または特性が一実施形態に関連して説明されるとき、明示的に説明されているか否かにかかわらず、他の実施形態に関連してこのような特徴、構造または特性を達成することは、当業者の知識の範囲内であろう。
【0011】
一般に、文脈における使用法から少なくとも部分的に用語を理解することができる。たとえば、本明細書で用いられるような「1つまたは複数」という用語は、少なくとも部分的に文脈に応じて、任意の特徴、構造、または特性を単数の意味において説明するために用いることができ、または特徴、構造または特性の組み合わせを複数の意味において説明するために用いることができる。同様に、「1つの(a)」、「1つの(an)」、または「その(the)」のような用語も、少なくとも部分的に文脈に応じて、単数の使用法を伝える、または複数の使用法を伝えるように理解することができる。
【0012】
本開示における「上」、「より上」、および「上方」の意味は、「上」が何かの「直接上」を意味するだけでなく、中間の特徴または中間の層とともに何かの「上」の意味も含むように、最も広い方法で解釈されるべきであり、「より上」または「上方」は、何かの「より上」または「上方」の意味を意味するだけでなく、これが中間の特徴または中間層なしで「より上」または「上方」(すなわち、何かの直接上)にあるという意味も含むことができるということが、容易に理解されるべきである。
【0013】
さらに、「下」、「下方」、「下部」、「上方」、「上部」などのような、空間的に相対的な用語を、説明を容易にするために本明細書で用いて、図に示すような1つの要素または特徴の他の要素または特徴に対する関係を説明することができる。空間的に相対的な用語は、図に描く向きに加えて、使用または動作中のデバイスの異なる向きを包含するように意図されている。他の方法で装置を配向(90度または他の向きに回転)することができ、本明細書で用いられる空間的に相対的な記述語は同様にこれに応じて解釈することができる。
【0014】
本明細書で用いられるとき、「基板」という用語は、後続の材料層が追加される材料を指す。基板自体をパターニングすることができる。基板の上に追加される材料は、パターニングすることも、パターニングしないでおくこともできる。さらに、基板は、シリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、リン化インジウムなどのような、幅広い半導体材料を含むことができる。あるいは、基板は、ガラス、プラスチック、またはサファイアウエハのような、非導電性材料から作製することができる。
【0015】
本明細書で用いられるとき、「層」という用語は、厚さのある領域を含む材料部分を指す。層は、下にあるまたは上にある構造の全体にかけて延在することができ、または下にあるまたは上にある構造の範囲より少ない範囲を有することができる。さらに、層は、均質または不均質の連続構造の、その連続構造の厚さより少ない厚さを有する領域であり得る。たとえば、層は、連続構造の頂面と底面との間の水平面の任意の対の間、または連続構造の頂面と底面にある水平面の任意の対の間に配置することができる。層は、水平に、垂直に、および/または先細の表面に沿って延在することができる。基板は層であり得、その中に1つまたは複数の層を含むことができ、および/またはその上、その上方、および/またはその下方に1つまたは複数の層を有することができる。1つの層が複数の層を含むことができる。たとえば、相互接続層は、(接点、相互接続線、および/またはビアが形成されている)1つまたは複数の導体および接触層、および1つまたは複数の誘電体層を含むことができる。
【0016】
本明細書で用いられるとき、「名目/名目上」という用語は、製品またはプロセスの設計段階中に設定される、コンポーネント動作またはプロセス動作についての特性またはパラメータの所望の、または目標の値を、その所望の値の上方および/または下方の値の範囲とともに指す。値の範囲は、製造プロセスにおけるわずかな変化または公差のためにあり得る。本明細書で用いられるとき、「約」という用語は、対象の半導体デバイスに関連する特定の技術ノードに基づいて変化し得る所与の量の値を示す。その特定の技術ノードに基づいて、「約」という用語は、たとえば、値の10~30%(たとえば、値の±10%、±20%、または±30%)以内で変化する所与の量の値を示すことができる。
【0017】
図1および
図2を参照すると、
図1は本発明の一実施形態によるシステムを示す概略図であり、
図2は本発明の一実施形態によるベースプレートの上面を示す概略図である。この実施形態のシステムは、半導体製造プロセスに適用することができるが、これに限定されないことに留意されたい。他の一実施形態において、このシステムは、任意の他の適切な製造プロセスに適用することができる。
図1および
図2に示すように、この実施形態のシステム100は、エミッタ120、ベースプレート110およびプロセッサ130を含む。エミッタ120は、粒子線122を放出するように構成されている。この実施形態において、粒子線122は、電子線を含むことができるが、これに限定されない。他の一実施形態において、エミッタ120は、任意の他の適切な粒子線を含むことができる。
【0018】
製造プロセスにおいて、ベースプレート110は、物体を支持するように構成されている。換言すれば、物体はベースプレート110上に配置され、製造プロセスを物体に実行してデバイスまたは製品を製造することができる。この実施形態のシステム100は半導体製造プロセスに適用されるため、ベースプレート110は、基板を支持するように構成されている。たとえば、基板は、幅広い半導体材料(シリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、リン化インジウムなど)または非導電性材料(ガラス、プラスチック、またはサファイアウエハなど)を含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、ベースプレート110は、ウエハ(半導体ウエハまたは非導電性材料ウエハなど)を支持するように構成されているが、これに限定されない。
【0019】
いくつかの実施形態において、3Dメモリデバイスのような電子デバイスを製造プロセスにおいて基板上に形成することができるが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、任意の他の適切なデバイスを基板上に形成することができる。「3Dメモリデバイス」という用語は、メモリセルトランジスタの垂直に配向されたストリング(すなわち、本明細書では「メモリストリング」)を横に配向された基板上に備えてメモリストリングが基板に対して垂直方向に延在するようになっている半導体デバイスを指すことに留意されたい。
【0020】
ベースプレート110は、プレート本体112および複数のセンサ114を含む。プレート本体112は支持面112aを有し、支持面112aは、製造プロセスにおいて物体(たとえばウエハ)がプレート本体112上に配置されたとき物体に最も近い表面であり、支持面112aは物体と直接接触する。プレート本体112は、任意の適切な材料を含むことができる。たとえば、プレート本体112は、1つまたは複数の剛性材料で形成することができるが、これに限定されない。センサ114は、プレート本体112に配置されている。換言すれば、センサ114は、プレート本体112の支持面112aの下に配置されてプレート本体112の支持面112aに面している。
【0021】
図1および
図2に示すように、センサ114は、第1のセンサ114aおよび第2のセンサ114bを含むことができる。任意選択で、センサ114は、第3のセンサ114c、第4のセンサ114d、第5のセンサ114e、第6のセンサ114f、第7のセンサ114gおよび第8のセンサ114hをさらに含むことができるが、これらに限定されない。センサ114の数は、要件に基づいて設計することができる。
図2に示すように、上面図において、第1のセンサ114aおよび第2のセンサ114bはベースプレート110の中心112bに対して対称であり、第3のセンサ114cおよび第4のセンサ114dはベースプレート110の中心112bに対して対称であり、第5のセンサ114eおよび第6のセンサ114fはベースプレート110の中心112bに対して対称であり、第7のセンサ114gおよび第8のセンサ114hはベースプレート110の中心112bに対して対称であるが、これに限定されない。また、
図2において、第1のセンサ114aおよび第2のセンサ114bによって決定される(または第7のセンサ114gおよび第8のセンサ114hによって決定される)仮想接続線L12は、第3のセンサ114cおよび第4のセンサ114dによって決定される仮想接続線L34にも、第5のセンサ114eおよび第6のセンサ114fによって決定される仮想接続線L56にも平行ではなく、仮想接続線L34は仮想接続線L56に平行ではないが、これに限定されない。加えて、仮想接続線L12、仮想接続線L34、および仮想接続線L56は、互いに垂直ではない。センサ114の配置は、要件に基づいて設計することができる。
【0022】
センサ114は、粒子線122(すなわち、この実施形態において電子線)を受け取るように構成されている。いくつかの実施形態において、センサ114のそれぞれは、センサ114が粒子線122を受け取る瞬間および/または粒子線122のエネルギー強度を感知するが、これらに限定されない。
【0023】
本明細書で用いられるとき、「垂直性」という用語は、要素とベースプレート110の支持面112aとの間の垂直度(または直交度)を意味する。すなわち、以下において、「粒子線の垂直性」は、粒子線122または粒子線122の進行方向とベースプレート110の支持面112aとの間の垂直度を意味する。すなわち、「粒子線の垂直性」は、ベースプレート110の支持面112aと粒子線122との間の垂直関係を表す。また、ベースプレート110の支持面112aの法線方向はベースプレート110の支持面112aに垂直であるため、ベースプレート110の支持面112aの法線方向は、最大の垂直性を有する。
【0024】
プロセッサ130は、ベースプレート110の支持面112aに対する粒子線122の垂直性を判定するように構成されている。
図1において、プロセッサ130はセンサ114およびエミッタ120に電気的に接続され、プロセッサ130がセンサ114からデータを収集することができるようになっている。この実施形態において、プロセッサ130は、センサ114から収集されるデータに基づいて少なくとも1つの較正データを計算することができ、較正データは、粒子線122の垂直性に関連している。センサ114から収集されるデータは、エミッタ120からセンサ114への粒子線122の伝送時間、および/またはセンサ114によって受け取られた粒子線122のエネルギー強度を含むことができるが、これらに限定されない。粒子線122の垂直性の判定は、以下の内容において説明する。
【0025】
また、この実施形態において、プロセッサ130は、エミッタ120の位置、粒子線122の放出エネルギーおよび/またはエミッタ120の任意の他の必須パラメータなど、エミッタ120を制御することができる。さらに、プロセッサ130は、計算機能を含むデバイスとすることができる。たとえば、プロセッサ130は、コンピュータまたは集積回路とすることができるが、これらに限定されない。
【0026】
より正確には、粒子線122の進行方向がベースプレート110の支持面112aに垂直ではないとプロセッサ130が判定したとき、ベースプレート110の傾斜および/またはエミッタ120の放出方向を調整することができる。一実施形態において、プロセッサ130は、ベースプレート110および/またはエミッタ120を直接調整することができるが、これに限定されない。他の一実施形態において、システム100は、プロセッサ130に電気的に接続された調整コンポーネントをさらに含むことができ、粒子線122の進行方向が支持面112aに垂直ではないとプロセッサ130が判定したとき、調整コンポーネントによってベースプレート110および/またはエミッタ120を調整することができる。
【0027】
図3に示すように、
図3は、本発明の一実施形態による粒子線の垂直性を較正するための方法を示す流れ図である。
図3に示す流れ図は例示的であることが理解されるべきである。いくつかの実施形態において、ステップのいくつかは、同時に、または
図3に示すものとは異なる順序で実行することができる。いくつかの実施形態において、方法200の既存のステップの1つの前または後に、任意の他の適切なステップを方法200に追加することができる。以下の内容に関して、
図3を参照して方法200を説明する。しかしながら、方法200は、これらの例の実施形態に限定されない。
【0028】
方法200をより明確に説明するため、
図4および
図5をさらに参照する。
図4は本発明の第1の実施形態によるある状態での較正方法の手順を示す概略図であり、
図5は本発明の第1の実施形態による他の状態での較正方法の手順を示す概略図であり、
図4および
図5において、
図4および
図5を簡素かつ明確にするよう、すべてのセンサ114のうちの第1のセンサ114aおよび第2のセンサ114bのみが示されている。
図4および
図5において、第1の実施形態の較正方法が説明されている。
【0029】
ステップ210において、
図3に示すように、センサ114を有するベースプレート110が準備され、センサ114は、第1のセンサ114aおよび第2のセンサ114bを含む。
図2に示すこの実施形態のセンサ114は、任意選択で、第3のセンサ114c、第4のセンサ114d、第5のセンサ114e、第6のセンサ114f、第7のセンサ114gおよび第8のセンサ114hを含むが、これらは
図4および
図5には示されていない。
【0030】
ステップ220において、
図3に示すように、第1のセンサ114aが粒子線122を受け取ると第1のデータが収集されるように、エミッタ120からベースプレート110における第1のセンサ114aへ粒子線122が放出され、プロセッサ130は、第1のセンサ114aから第1のデータを収集する。ステップ230において、
図3に示すように、第2のセンサ114bが粒子線122を受け取ると第2のデータが収集されるように、エミッタ120からベースプレート110における第2のセンサ114bへ粒子線122が放出され、プロセッサ130は、第2のセンサ114bから第2のデータを収集する。
【0031】
図4および
図5に示すように、ステップ220において、エミッタ120は、第1のセンサ114aに対応する位置P1(
図4および
図5において太い線で示すような)に配置され、対応して第1のセンサ114aに粒子線122(
図4および
図5における太い矢印)を放出することができる。第1のセンサ114aが粒子線122を受け取ると、プロセッサ130は、第1のセンサ114aから第1のデータを収集する。次いで、エミッタ120は、第2のセンサ114bに対応する位置P2(
図4および
図5において細い線で示すような)に配置され、対応して第2のセンサ114bに粒子線122(
図4および
図5における細い矢印)を放出することができる。第2のセンサ114bが粒子線122を受け取ると、プロセッサ130は、第2のセンサ114bから第2のデータを収集する。加えて、ステップ220とステップ230との間で、方法200は、第1のセンサ114aに対応する位置P1から第2のセンサ114bに対応する位置P2へエミッタ120を移動させるためのステップをさらに含む。
【0032】
この実施形態において、第1のデータは、位置P1にあるエミッタ120から第1のセンサ114aへの粒子線122の伝送時間を含むことができ、第2のデータは、位置P2にあるエミッタ120から第2のセンサ114bへの粒子線122の伝送時間を含むことができるが、これに限定されない。
【0033】
任意選択で、この実施形態において、エミッタ120は、それぞれ第3、第4、第5、第6、第7および第8のセンサ114c~114hに対応する位置へ移動し、対応する位置にある第3、第4、第5、第6、第7および第8のセンサ114c~114hにそれぞれ粒子線122を放出することができる。同様に、第3のセンサ114cが粒子線122を受け取るとプロセッサ130は第3のデータを収集し、第4のセンサ114dが粒子線122を受け取るとプロセッサ130は第4のデータを収集し、第5のセンサ114eが粒子線122を受け取るとプロセッサ130は第5のデータを収集し、第6のセンサ114fが粒子線122を受け取るとプロセッサ130は第6のデータを収集し、第7のセンサ114gが粒子線122を受け取るとプロセッサ130は第7のデータを収集し、第8のセンサ114hが粒子線122を受け取るとプロセッサ130は第8のデータを収集する。この実施形態において、データのそれぞれは、エミッタ120から対応するセンサ114への粒子線122の伝送時間を含むことができる。
【0034】
エミッタ120がセンサ114に放出する順序は本発明において限定されないことに留意されたい。いくつかの実施形態において、センサ114の配置に基づいて順序を設計することができるが、これに限定されない。
【0035】
ステップ240において、
図3に示すように、第1のデータおよび第2のデータに基づいて第1の較正データが計算され、第1の較正データはプロセッサ130によって計算される。第1の較正データは粒子線122の垂直性に関連し、第1のセンサ114aおよび第2のセンサ114bは仮想接続線L12を決定するため、仮想接続線L12に平行な方向において第1の較正データによって粒子線122の垂直性を評価することができる。
【0036】
この実施形態において、第1のデータはエミッタ120から第1のセンサ114aへの粒子線122の伝送時間を含み、第2のデータはエミッタ120から第2のセンサ114bへの粒子線122の伝送時間を含むため、第1のデータおよび第2のデータにそれぞれ含まれる2つの伝送時間が互いに等しいまたは近い場合、仮想接続線L12に平行な方向において評価される粒子線122の垂直性は十分に高い。逆に、2つの伝送時間が互いに等しくないまたは近くない場合、仮想接続線L12に平行な方向において評価される粒子線122の垂直性は十分に高くなく、この状態で製造される製品の品質は低いことがある。
【0037】
第1のデータおよび第2のデータに基づいて計算される第1の較正データに関して、第1の較正データが第1の所定の範囲内にあれば、仮想接続線L12に平行な方向において評価される粒子線122の垂直性は十分に高く、第1の較正データが第1の所定の範囲外にあれば、仮想接続線L12に平行な方向において評価される粒子線122の垂直性は十分に高くない。この実施形態において、第1の較正データは、第1のデータと第2のデータとの間の差であるが、これに限定されない。いくつかの実施形態において、第1の所定の範囲は、第1のデータまたは第2のデータの5%から-5%まで、1%から-1%まで、0.5%から-0.5%まで、0.1%から-0.1%まで、0.05%から-0.05%までまたは0.01%から-0.01%までの範囲とすることができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、第1の較正データは2つの伝送時間の差であるため、第1の所定の範囲は、2つの所定のミリ秒または2つの所定のマイクロ秒の範囲内とすることができるが、これらに限定されない。
【0038】
図4において、第1のデータおよび第2のデータにそれぞれ含まれる2つの伝送時間が互いに等しいまたは近いため、第1の較正データは第1の所定の範囲内にあり、仮想接続線L12に平行な方向において評価される粒子線122の垂直性は十分に高い。
図5において、エミッタ120によって放出された粒子線122の進行方向はベースプレート112の支持面112aに垂直ではないため、第1のデータに含まれる伝送時間は、第2のデータに含まれる伝送時間とはかなり異なることがある。たとえば、
図5において明らかなように、第1のデータに含まれる伝送時間は第2のデータに含まれる伝送時間より大きく、第1の較正データは第1の所定の範囲外にあり、仮想接続線L12に平行な方向において評価される粒子線122の垂直性は十分に高くない。
【0039】
同様に、この実施形態において、第3のデータおよび第4のデータに基づいて第2の較正データを計算することができ、第5のデータおよび第6のデータに基づいて第3の較正データを計算することができ、第7のデータおよび第8のデータに基づいて第4の較正データを計算することができる。仮想接続線L34に平行な方向において第2の較正データによって粒子線122の垂直性を評価することができ、仮想接続線L56に平行な方向において第3の較正データによって粒子線122の垂直性を評価することができ、仮想接続線L12に平行な方向において第4の較正データによって粒子線122の垂直性を評価することができる。第2の較正データ、第3の較正データおよび第4の較正データの計算方法、評価方法および範囲決定方法(すなわち、第2の所定の範囲、第3の所定の範囲および第4の所定の範囲を決定すること)は、第1の較正データと同様であるため、これらを冗長には説明しない。
【0040】
ステップ250において、
図3に示すように、第1の較正データが第1の所定の範囲外にあれば、第1の較正データに基づいてベースプレート110またはエミッタ120を調整することができる。換言すれば、仮想接続線L12に平行な方向において評価される粒子線122の垂直性が十分に高くないとき、粒子線122の垂直性を高めるよう、ベースプレート110またはエミッタ120を調整することができる。ベースプレート110の傾斜および/またはエミッタ120の放出方向は、プロセッサ130または追加の調整コンポーネントによって調整することができる。
【0041】
図4において、第1の較正データは第1の所定の範囲内にあるため、仮想接続線L12に平行な方向において評価される粒子線122の垂直性を高めるためにベースプレート110およびエミッタ120を調整する必要はない。
図5において、第1の較正データは第1の所定の範囲外にあるため、仮想接続線L12に平行な方向において評価される粒子線122の垂直性を高めるためにベースプレート110および/またはエミッタ120を調整する必要がある。
【0042】
同様に、ベースプレート110および/またはエミッタ120は、第2の較正データが第2の所定の範囲外にあれば、第2の較正データに基づいて調整することができ、第3の較正データが第3の所定の範囲外にあれば、第3の較正データに基づいて調整することができ、第4の較正データが第4の所定の範囲外にあれば、第4の較正データに基づいて調整することができる。
【0043】
特に、この実施形態の方法200において、仮想接続線L12、L34、L56にそれぞれ平行である3つの方向において粒子線122の垂直性を評価することができる。したがって、粒子線122の垂直性をさらに高めることができる。結果として、方法200を実行した後、粒子線122をベースプレート110の支持面112aに実質的に垂直とすることができる。他の一実施形態において、互いに平行ではない2または2より多くの方向において粒子線122の垂直性を評価することができる。
【0044】
加えて、この実施形態の第1のセンサ114aおよび第2のセンサ114bはベースプレート110の中心112bに対して対称とすることができるため、第1のデータおよび第2のデータに基づいて計算される第1の較正データは、仮想接続線L12に平行な方向における粒子線122の垂直性を明示的に表すことができる。同様に、第3のセンサ114cおよび第4のセンサ114dの対称関係のため、第3のデータおよび第4のデータに基づいて計算される第2の較正データは、仮想接続線L34に平行な方向における粒子線122の垂直性を明示的に表すことができる。本発明は上記に限定されない。他の一実施形態において、センサ114は、ベースプレート110の中心112bに対して対称でないかもしれない。
【0045】
図6および
図7を参照すると、
図6は本発明の第2の実施形態によるある状態での較正方法の手順を示す概略図であり、
図7は本発明の第2の実施形態による他の状態での較正方法の手順を示す概略図であり、
図6および
図7において、
図6および
図7を簡素かつ明確にするよう、センサは第1のセンサ114aおよび第2のセンサ114bのみが示されている。
図6および
図7に示すように、第2の実施形態の較正方法200が説明されている。第1の実施形態とこの実施形態との間の違いは、対応するセンサ114から収集されるデータが、対応するセンサ114によって受け取られた粒子線122のエネルギー強度を含むことができることである。すなわち、
図6および
図7において、第1のデータは、第1のセンサ114aによって受け取られた粒子線122のエネルギー強度を含むことができ、第2のデータは、第2のセンサ114bによって受け取られた粒子線122のエネルギー強度を含むことができる。
【0046】
この実施形態において、第1のデータおよび第2のデータにそれぞれ含まれる2つのエネルギー強度が互いに等しいまたは近い場合、仮想接続線L12に平行な方向において評価される粒子線122の垂直性は十分に高い。この状態において、第1の較正データは第1の所定の範囲内にある。逆に、2つのエネルギー強度が互いに等しくないまたは近くない場合、仮想接続線L12に平行な方向において評価される粒子線122の垂直性は十分に高くなく、この状態で製造される製品の品質は低いことがある。この状態において、第1の較正データは第1の所定の範囲外にある。
【0047】
図6において、第1のデータおよび第2のデータにそれぞれ含まれる2つのエネルギー強度が互いに等しいまたは近いため、第1の較正データは第1の所定の範囲内にあり、そのため仮想接続線L12に平行な方向において評価される粒子線122の垂直性を高めるためにベースプレート110およびエミッタ120を調整する必要はない。
図7において、エミッタ120によって放出される粒子線122の進行方向はベースプレート112の支持面112aに垂直ではないため、第1のデータに含まれるエネルギー強度は、第2のデータに含まれるエネルギー強度とはかなり異なることがある。たとえば、
図7において明らかなように、第1のデータに含まれるエネルギー強度は第2のデータに含まれるエネルギー強度より大きく、第1の較正データは第1の所定の範囲外にあり、仮想接続線L12に平行な方向において評価される粒子線122の垂直性を高めるためにベースプレート110および/またはエミッタ120を調整する必要がある。
【0048】
さらに、
図6における粒子線122は垂直入射方式でセンサ114を照らし、
図7における粒子線122は斜め入射方式でセンサ114を照らすため、
図6における第1のデータおよび第2のデータのエネルギー強度は、
図7における第1のデータおよび第2のデータのエネルギー強度より大きい。したがって、エネルギー強度が所定の値より小さければ、粒子線122の垂直性は十分に高くない。
【0049】
また、この実施形態において、センサ114は任意選択でコリメータ150を含むことができる。したがって、粒子線122が(
図7に示すように)斜め入射方式でセンサ114を照らせば、対応して粒子線122の入射角およびエミッタ120とコリメータ150との間の位置関係に応じてコリメータ150によって粒子線122は遮断されることがあり、センサ114によって受け取られるエネルギー強度が粒子線122の入射角に基づいて明らかに異なるようになり得る。結果として、これらの異なるデータに基づいて粒子線122の垂直性を正確に検出することができる。他の一実施形態において、センサ114は、コリメータ150を含まないかもしれない。
【0050】
要約すると、本発明は、粒子線の垂直性を較正するための方法およびシステムを提供する。粒子線の垂直性は、ベースプレートのセンサにおいて収集されるデータに基づいて判定することができ、進行方向がベースプレートに垂直でなければ、データに基づいてベースプレートおよび/またはエミッタを調整することができるようにする。結果として、ベースプレート上に製造される製品の品質を向上させることができる。
【0051】
具体的な実施形態の前述の説明は、他者が当該技術の範囲内で知識を適用することによって、過度の実験なしに、本開示の一般的な概念から逸脱することなく、このような具体的な実施形態を容易に修正および/またはさまざまな用途に適合させることができるように、本開示の一般的な性質を明らかにしているだろう。したがって、このような適合および修正は、本明細書に提示される教示および指示に基づいて、開示された実施形態の同等物の意味および範囲内にあるように意図されている。本明細書の表現または用語は、説明を目的とするものであって限定ではなく、そのため本明細書の表現または用語は、教示および指示に照らして当業者によって解釈されるべきであることが理解されるべきである。
【0052】
指定された機能の実装およびそれらの関係を例示する機能的構成要素の助けを借りて、本開示の実施形態を上で説明してきた。これらの機能的構成要素の境界は、説明の便宜上、本明細書で任意に定義されてきた。指定された機能およびそれらの関係が適切に実行される限り、代替境界を定義することができる。
【0053】
概要および要約の部分は、本発明者によって企図されるような本開示のすべてではないが1つまたは複数の例示的な実施形態を記載することができ、したがって、本開示および添付の請求項を限定するように決して意図されていない。
【0054】
本開示の広がりと範囲は、上述の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではなく、以下の請求項およびそれらの均等物に従ってのみ定義されるべきである。
【符号の説明】
【0055】
100 システム
110 ベースプレート
112 プレート本体
112a 支持面
112b 中心
114 センサ
120 エミッタ
122 粒子線
130 プロセッサ
150 コリメータ
【手続補正書】
【提出日】2021-09-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子線
とベースプレートとの間の垂直性を較正するための方法であって、
第1のセンサおよび第2のセンサを有するベースプレートを準備するステップ
であって、前記ベースプレートは、物体を支持するように構成されている、ステップと、
前記第1のセンサが前記粒子線を受け取ると第1のデータが収集されるように、エミッタから前記ベースプレートにおける前記第1のセンサへ前記粒子線を放出するステップと、
前記第2のセンサが前記粒子線を受け取ると第2のデータが収集されるように、前記エミッタから前記ベースプレートにおける前記第2のセンサへ前記粒子線を放出するステップと、
前記第1のデータおよび前記第2のデータに基づいて第1の較正データを計算するステップ
であって、前記第1の較正データは、前記エミッタからそれぞれ前記第1のセンサおよび前記第2のセンサへの前記粒子線の伝送時間、または前記第1のセンサおよび前記第2のセンサによってそれぞれ受け取られた前記粒子線のエネルギー強度の少なくとも1つに少なくとも基づく、ステップと、
前記第1の較正データが第1の所定の範囲外にあれば、前記第1の較正データに基づいて前記ベースプレートまたは前記エミッタを調整するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のデータは前記エミッタから前記第1のセンサへの前記粒子線の伝送時間を含み、前記第2のデータは前記エミッタから前記第2のセンサへの前記粒子線の伝送時間を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のデータは、前記第1のセンサによって受け取られた前記粒子線のエネルギー強度を含み、前記第2のデータは、前記第2のセンサによって受け取られた前記粒子線のエネルギー強度を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のセンサへ前記粒子線を放出する前記ステップと前記第2のセンサへ前記粒子線を放出する前記ステップとの間で、前記方法は、
前記第1のセンサに対応する位置から前記第2のセンサに対応する位置へ前記エミッタを移動させるステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の較正データは、前記第1のデータと前記第2のデータとの間の差である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサは、前記ベースプレートの中心に対して対称である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ベースプレートは第3のセンサおよび第4のセンサをさらに有し、前記方法は、
前記第3のセンサが前記粒子線を受け取ると第3のデータが収集されるように、前記エミッタから前記ベースプレートにおける前記第3のセンサへ前記粒子線を放出するステップと、
前記第4のセンサが前記粒子線を受け取ると第4のデータが収集されるように、前記エミッタから前記ベースプレートにおける前記第4のセンサへ前記粒子線を放出するステップと、
前記第3のデータと前記第4のデータに基づいて第2の較正データを計算するステップと
をさらに含み、
前記ベースプレートまたは前記エミッタを調整する前記ステップにおいて、前記第2の較正データが第2の所定の範囲外にあれば、前記第2の較正データに基づいて前記ベースプレートまたは前記エミッタがさらに調整される、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサによって決定される仮想接続線が、前記第3のセンサおよび前記第4のセンサによって決定される仮想接続線に平行ではない、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサは個別にコリメータを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ベースプレートは、ウエハを支持するように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記粒子線は電子線を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
粒子線を放出するように構成されたエミッタと、
物体を支持するように構成されたベースプレートであって、
表面を有するプレート本体と、
前記プレート本体の前記表面の下に配置されて前記プレート本体の前記表面に面する第1のセンサおよび第2のセンサであって、
前記ベースプレートにおける前記第1のセンサおよび前記第2のセンサは、前記粒子線を受け取るように構成されている、第1のセンサおよび第2のセンサと
を含む、ベースプレートと、
前記第1のセンサ、前記第2のセンサおよび前記エミッタに電気的に接続されたプロセッサであって、前記プロセッサは、
前記エミッタからそれぞれ前記第1のセンサおよび前記第2のセンサへの前記粒子線の伝送時間、または前記第1のセンサおよび前記第2のセンサによってそれぞれ受け取られた前記粒子線のエネルギー強度の少なくとも1つに少なくとも基づいて、前記ベースプレートの前記プレート本体の前記表面に対する前記粒子線の垂直性を判定するように構成されている、プロセッサと
を含む、半導体製造プロセスに適用されるシステム。
【請求項13】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサは、前記ベースプレートの中心に対して対称である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ベースプレートは、前記プレート本体の前記表面の下に配置されて前記プレート本体の前記表面に面する第3のセンサおよび第4のセンサをさらに含み、前記第3のセンサおよび前記第4のセンサは、前記ベースプレートの前記中心に対して対称である、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサによって決定される仮想接続線が、前記第3のセンサおよび前記第4のセンサによって決定される仮想接続線に平行ではない、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1のセンサおよび前記第2のセンサは個別にコリメータを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記ベースプレートは、ウエハを支持するように構成されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記粒子線は電子線を含む、請求項12に記載のシステム。
【国際調査報告】