(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-23
(54)【発明の名称】高密度の、制御された集積回路工場
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20220616BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20220616BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20220616BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/02 Z
G05B19/418 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559975
(86)(22)【出願日】2020-04-16
(85)【翻訳文提出日】2021-12-10
(86)【国際出願番号】 US2020028470
(87)【国際公開番号】W WO2020214785
(87)【国際公開日】2020-10-22
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リル・ソーステン
(72)【発明者】
【氏名】グレゴール・マリウシュ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファーセン・キャンディ
【テーマコード(参考)】
3C100
5F131
【Fターム(参考)】
3C100AA42
3C100AA48
3C100BB05
3C100BB21
3C100EE06
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5F131DC05
5F131DC06
5F131DC26
(57)【要約】
【解決手段】 高密度の、制御された集積回路工場は、工場のフロアスペースの約3分の2を占めるプロセスモジュールを有し、工場のフロアスペースの残りの3分の1がプロセスモジュールのサービスおよびプロセスモジュールへのウエハの搬入および搬出に用いられる。床下は、サービスリフトが工場全体にわたって移動できるように工場のフロアの下に設けられる。サービスリフトは、プロセスモジュールをサービスするために工場のフロア階層まで上昇可能である。また、オーバーヘッドラインは、サービスアイテムならびにウエハを工場全体にわたって移送するようにプロセスモジュールの上に設けられる。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路製造工場であって、
集積回路を処理するための複数のプロセスモジュールであって、工場のフロア上に配置され、かつ前記工場の前記フロアの半分超を占める、前記複数のプロセスモジュールと、
前記工場の前記フロアの占有されていないスペースであって、前記工場の前記フロアの半分未満である、前記占有されていないスペースと
を備える、集積回路製造工場。
【請求項2】
請求項1に記載の集積回路製造工場であって、
前記占有されていないスペースは、前記工場の前記フロア上に配置された複数のサービスエリアと、前記工場の前記フロア上に配置された複数のロードエリアと、を備える、集積回路製造工場。
【請求項3】
請求項2に記載の集積回路製造工場であって、
前記プロセスモジュールの各々は、サービス側とロード側とを備える、集積回路製造工場。
【請求項4】
請求項2に記載の集積回路製造工場であって、
前記プロセスモジュールの各々の前記サービス側および前記ロード側は、前記プロセスモジュールの異なる側にある、集積回路製造工場。
【請求項5】
請求項4に記載の集積回路製造工場であって、
前記サービス側は、前記ロード側から90度をなす位置に配置される、集積回路製造工場。
【請求項6】
請求項3に記載の集積回路製造工場であって、
サービスエリアは、前記サービスエリアに対向する少なくとも2つのサービス側を有し、前記少なくとも2つのサービス側は、第1のプロセスモジュールの第1のサービス側と第2のプロセスモジュールの第2のサービス側とを備える、集積回路製造工場。
【請求項7】
請求項3に記載の集積回路製造工場であって、
ロードエリアは、前記ロードエリアに対向する少なくとも2つのロード側を有し、前記少なくとも2つのロード側は、第1のプロセスモジュールの第1のロード側と、第2のプロセスモジュールの第2のロード側と、を備える、集積回路製造工場。
【請求項8】
請求項2に記載の集積回路製造工場であって、
前記工場全体にわたるオーバーヘッドラインであって、前記オーバーヘッドラインは、前記工場全体にわたってアイテムを搬送するために前記プロセスモジュールの上に配置される、オーバーヘッドラインをさらに備える、集積回路製造工場。
【請求項9】
請求項8に記載の集積回路製造工場であって、
前記オーバーヘッドラインは、少なくとも1つのサービスオーバーヘッドラインと、少なくとも1つのウエハ搬送オーバーヘッドラインと、を備え、前記少なくとも1つのサービスオーバーヘッドラインは、サービスエリアにサービスアイテムを搬入および搬出するように構成され、前記少なくとも1つのウエハ搬送オーバーヘッドラインは、ロードエリアに移動式真空搬送モジュールを搬入および搬出するように構成される、集積回路製造工場。
【請求項10】
請求項9に記載の集積回路製造工場であって、
前記移動式真空搬送モジュールは、プロセスモジュールにドッキングするように構成される、集積回路製造工場。
【請求項11】
請求項9に記載の集積回路製造工場であって、
前記移動式真空搬送モジュールの各々は、ウエハ搬送オーバーヘッドラインに沿ってプロセスモジュール間において真空中でウエハを移送するように構成される、集積回路製造工場。
【請求項12】
請求項2に記載の集積回路製造工場であって、さらに、
前記フロアの下方の床下を備え、
サービスリフトは、前記床下の上の通路に沿って移動可能であり、
前記通路が前記サービスエリアおよび前記ロードエリアの下に配置される、集積回路製造工場。
【請求項13】
請求項12に記載の集積回路製造工場であって、
前記サービスリフトは、プロセスモジュールをサービスするために前記床下から上昇可能である、集積回路製造工場。
【請求項14】
集積回路製造工場であって、
集積回路を処理するための複数のプロセスモジュールであって、工場のフロア上に配置される、複数のプロセスモジュールと、
前記工場の前記フロアの占有されていないスペースであって、前記占有されていないスペースは、前記工場の前記フロア上に配置された複数のサービスエリアと、前記工場の前記フロア上に配置された複数のロードエリアと、を備える、占有されていないスペースと、
を備える、集積回路製造工場。
【請求項15】
請求項14に記載の集積回路製造工場であって、
各サービスエリアは、少なくとも2つの異なるプロセスモジュールをサービスするように構成される、集積回路製造工場。
【請求項16】
請求項15に記載の集積回路製造工場であって、
少なくとも1つのサービスエリアは、4つのプロセスモジュールをサービスするように構成される、集積回路製造工場。
【請求項17】
請求項14に記載の集積回路製造工場であって、
各ロードエリアは、2つ以上のプロセスモジュールにウエハを搬入および搬出するように構成される、集積回路製造工場。
【請求項18】
請求項17に記載の集積回路製造工場であって、
少なくとも1つのロードエリアは、4つの異なるプロセスモジュールにウエハを搬入および搬出するように構成される、集積回路製造工場。
【請求項19】
請求項14に記載の集積回路製造工場であって、さらに、
前記工場全体にわたるオーバーヘッドラインを備え、
前記オーバーヘッドラインは、前記工場全体にわたってアイテムを搬送するために前記プロセスモジュールの上に配置され、
前記オーバーヘッドラインは、少なくとも1つのサービスオーバーヘッドラインと少なくとも1つのウエハ搬送オーバーヘッドラインとを備え、
前記少なくとも1つのサービスオーバーヘッドラインは、サービスエリアにサービスアイテムを搬入および搬出するように構成され、
前記少なくとも1つのウエハ搬送オーバーヘッドラインは、ロードエリアに移動式真空搬送モジュールを搬入および搬出するように構成される、集積回路製造工場。
【請求項20】
請求項19に記載の集積回路製造工場であって、
前記オーバーヘッドラインは、レールまたはドローン経路のいずれか一方を備える、集積回路製造工場。
【請求項21】
請求項14に記載の集積回路製造工場であって、さらに、
少なくとも1つのサービスリフトと、
前記フロアの下方の床下であって、前記少なくとも1つのサービスリフトが移動可能な通路を備える、床下を備え、
前記通路は、前記サービスエリアおよび前記ロードエリアの下に配置され、
前記少なくとも1つのサービスリフトは、プロセスモジュールをサービスするために前記床下から上昇可能である、集積回路製造工場。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[参照による援用]
本出願は、2019年4月18日に出願された米国仮出願番号第62/835,984号に対する優先権およびその利益を主張し、上記の出願は、参照によりあらゆる目的の下に本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、集積回路(IC)処理に関する。より詳細には、本開示は、可能な限り高密度かつ環境を制御する工場に搬入するIC処理チャンバに関する。
【0003】
現在のIC製造プラットフォームは、半導体デバイスを形成する際に用いられるツール(例えば、処理チャンバ)を人間が操作するように設計されたものである。現在の設計では、半導体ウエハが大気と真空との間で頻繁に搬送されるため、工場内に無駄なスペースが生じている。現状では、オーバーヘッドスペースは、ツールの前でしか使用されておらず、システム間に通路を設けて、大きなシステムを移動させている。
【0004】
現在の工場では、システム間において、大気またはN2内でウエハを搬送する。システム自体は一般に、真空中で動作する。ウェットクリーンシステムなど、いくつかのシステムは、大気またはN2内で動作する。このように、ウエハは、大気と真空との間で頻繁に搬送されることにより、時間、エネルギー、およびスペースを消費する。
【0005】
したがって、IC処理が進化し、人間の関与が少なくなるにつれ、可能な限り無駄なスペースが少ない効率的な工場設計とされることが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
一実施形態によれば、集積回路製造工場が提供される。前記工場は、工場のフロア上に配置された集積回路を処理するための複数のプロセスモジュールと工場のフロアの占有されていないスペースとを含む。複数のプロセスモジュールは、工場のフロアの半分超を占めており、占有されていないスペースは、工場のフロアの半分未満である。
【0007】
別の実施形態によれば、集積回路製造工場が提供される。前記工場は、集積回路を処理するための複数のプロセスモジュールと工場のフロアの占有されていないスペースとを含む。複数のプロセスモジュールは、工場のフロア上に配置され、占有されていないスペースは、工場のフロア上に配置された複数のサービスエリアと工場のフロア上に配置された複数のロードエリアとを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示は、限定するものではなく例示として、添付の図面の図に示されており、同様の参照数字が同様の要素を参照する。
【0009】
【
図1A】
図1Aは、一般的なIC製造工場の一例の概略上面図である。
【0010】
【0011】
【
図2A】
図2Aは、一実施形態に従った効率的なIC製造工場のクリーンルーム階層の概略上面図である。
【0012】
【
図2B】
図2Bは、例示的なサービスエリアをより詳細に示す。
【0013】
【0014】
【
図3A】
図3Aは、移動式真空搬送モジュールの一実施形態の断面図である。
【0015】
【
図3B】
図3Bは、移動式真空搬送モジュールの別の実施形態の断面図である。
【0016】
【
図3C】
図3Cは、移動式真空搬送モジュールの一実施形態の上面図である。
【0017】
【
図4】
図4は、工場の床下階層の一実施形態の概略上面図である。
【0018】
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで添付の図面に示されるいくつかの好ましい実施形態を参照して、本開示を詳細に説明する。以下の説明では、本開示の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載されている。しかしながら、当業者には、本開示がこれらの具体的な詳細の一部またはすべてがなくても実践されてもよいことは明らかであろう。他の例では、本開示を不明瞭にしないために、周知のプロセスステップおよび/または構造は、詳細には説明されていない。
【0020】
図1Aは、一般的なIC製造工場100の一例の概略上面図である。
図1Aに示すように、現在のIC工場は、人間が工場内のプロセスツール110を操作するように設計されている。一般的なプロセスツール110は、
図1Bに示されており、真空搬送モジュール(VTM)、密閉型フロントエンドモジュール(EFEM)、および誘電体膜成長のための化学的機械平坦化、成膜(例えば、物理気相堆積(PVD)、化学気相堆積(CVD)、電着)、研磨、エッチング、パターニングまたはリソグラフィ、フォトレジストのスピンコーティング、イオン注入、拡散、および酸化などの半導体処理ステップを実行するためのプロセスモジュールを含むことができる。
図1Bに示すように、プロセスツール110は、ウエハを大気から真空に搬送するための搬送モジュールであるEFEM112、ならびにウエハを真空とプロセスチャンバ116との間で搬送するための搬送モジュールであるVTM114を含む。
【0021】
一般的なIC工場は、必要に応じてプロセスツール110を外に出すためのスペースを設けるために、プロセスツール110間に設けられた通路を有する。
図1Aに示すように、プロセスツール110をサービスするためのスペースを設けるサービスエリア120とプロセスツール110を操作するだけでなく、プロセスチャンバにウエハを搬入し、プロセスチャンバからウエハを搬出する人間のオペレータのためのロードエリアおよびツールオペレータエリア130とを含む、プロセスツール110間の通路に割かれる無駄なフロアスペースが非常に多い。したがって、現在のIC製造工場では、プロセスツール110によって占有されていないフロアスペースが非常に多い。以下に説明するIC工場の実施形態では、占有されていないフロアスペースが少なく、フロアスペースを占有する別個のVTMsおよびEFEMsも不要である。
【0022】
図2Aは、一実施形態に従った効率的なIC製造工場200のクリーンルーム階層の概略上面図である。本明細書に記載の実施形態では、工場のフロアスペースの半分を超える部分は、IC処理モジュール210によって占有され、工場のフロアスペースの半分未満は、IC処理モジュール210によって占有されていない。
図2Aに示すように、工場のフロアスペースの約3分の2は、IC処理モジュール210によって占有されており、工場のフロアスペースの約3分の1は、占有されておらず、処理モジュール210をサービスするためのスペースと、IC処理モジュール210へのウエハの搬入および搬出のためのスペースとされている。占有されていないフロアスペースは、(プロセスモジュール210をサービスするための)サービスエリア220と、(プロセスモジュール210へウエハの搬入および搬出するための)ロードエリア230とを含む。
【0023】
図2Aに示すように、サービスエリア220およびロードエリア230は、各プロセスモジュールの異なる側にある。1つのサービスエリア220は、2つ以上のプロセスモジュール210をサービスするために設けられ得る。
図2Aに示す実施形態では、各サービスエリア220は、少なくとも2つのプロセスモジュール210をサービスするために設けられる。いくつかのサービスエリア220は、最大4つのプロセスモジュール210をサービスできる。同様に、1つのロードエリア230は、2つ以上のプロセスモジュール210へのウエハの搬入および搬出のために設けられ得る。
図2Aに示す実施形態では、各ロードエリア230は、少なくとも2つのプロセスモジュール210へのウエハの搬入および搬出のために設けられ得る。いくつかのロードエリア230を用いて、最大4つの異なるプロセスモジュール210へのウエハの搬入および搬出のために使用され得る。
【0024】
図2Aに示すように、工場200はまた、オーバーヘッドライン240、250を備えることにより、プロセスモジュール210の上の工場全体にわたってアイテムを搬送することが可能である。いくつかの実施形態によれば、オーバーヘッドライン240、250は、レールを備えることにより、サービスアイテム(例えば、予備部品)または移動式真空搬送モジュール(MVTMs)300(
図3A~3C)などのアイテムをオーバーヘッド搬送システムによって搬送し、プロセスモジュール210の上のレールに沿って移動させ得る。オーバーヘッドライン240に沿ってサービスの提供が必要である特定のプロセスモジュール210にサービスアイテムを移送できる。同様に、MVTMs300もオーバーヘッドライン250に沿って移送され、特定のプロセスモジュール210とドッキングして、プロセスモジュール210からウエハを搬出し、以下でより詳細に説明するように、MVTM300の制御された真空環境内でウエハを別のプロセスモジュール210に搬送できる。他の実施形態によれば、オーバーヘッドライン240、250はレールを有していないが、代わりに、ドローンのようなデバイスが飛行し、サービスアイテムおよびMVTMs300を移送できる経路を設ける。
【0025】
上述したように、オーバーヘッドライン240により、プロセスモジュールをサービスするのに必要な場合がある予備部品などのサービスアイテムのオーバーヘッド搬送が可能であり、オーバーヘッドライン250により、工場200全体にわたりMVTMs300のオーバーヘッド搬送が可能である。
図3A~3Cは、MVTM300をより詳細に示す。
【0026】
MVTM300は、制御された真空環境350内でウエハ380の搬送を可能にする小型の移動式フロントオープニングユニバーサルポッド(FOUP)であり、真空と大気との間でのウエハの搬送にかかる無駄な時間を削減する。MVTM300により、プロセスモジュール210間でウエハが搬送されている間、ウエハを真空中に留めることが可能となるであろう。一実施形態によれば、MVTM300は、少なくとも20分間、1e-4torrで真空を維持するように構成される。
【0027】
MVTM300は、オーバーヘッドライン250に沿って移送され、MVTM300がドッキングする特定のプロセスモジュール210に関するロードエリア230に到着可能である。
図3Cに示すように、MVTM300は、プロセスモジュール210にウエハを搬入し、プロセスモジュール210からウエハを搬出するための選択的コンプライアンスアセンブリロボットアームあるいは選択的コンプライアンス多関節ロボットアーム(SCARA)ロボット310などの、組込式のウエハハンドラを含む。
【0028】
本実施形態によれば、MVTM300は、スタンドアロンとされたプロセスモジュール210に直接ドッキングする。MVTM300は、プロセスモジュール210を含む、工場内の他のツールとのインターフェースのために規格化された電気および通信インターフェースを有する。MVTM300はまた、プロセスモジュール210とのインターフェースのために規格化および自動化されたメインドアと粗引きポンプとの接続部を有する。MVTM300の電気および通信インターフェース、ウエハハンドラ310、およびその他の機能は、組込コントローラ330によって制御される。いくつかの実施形態では、コントローラ330は、MVTM300内の温度を管理できる。コントローラ330は、
図3Aに示されていないが、
図3Aの実施形態は、このようなコントローラを有しうることが理解されるであろう。
【0029】
MVTM300はまた、移送中にウエハを所定の位置に保持するためのウエハクランプを有する。ウエハクランプは、真空、静電、機械、および磁気などのクランプ技術を使用できる。ウエハクランプは、移送中にMVTM300の最大許容加速度に至るまでMVTM300内のウエハ380の位置を維持する。
図3Aは、一実施形態による磁気駆動式ウエハクランプ340を示し、
図3Bは、別の実施形態による静電チャック(ESC)344を示す。
【0030】
図3Aに示す実施形態では、磁気駆動式ウエハクランプ340の各々は、磁気リニアベアリングを備える磁気結合駆動装置342によって駆動されるリフト341によって制御される。
図3Bに示す実施形態では、ESC344は、リフトピン駆動装置346によって駆動される。
【0031】
いくつかの実施形態では、
図3Aに示すように、MVTM300は、自己完結型電池パック320を備えることができ、これにより、緊急のウエハ搬出などの目的のためにMVTM300を動作させることができる。MVTM300がドローンのような装置とされた一実施形態では、電池パック320は、MVTM300のすべての機能に電力を供給できる。MVTM300がオーバーヘッドライン250のレールに沿って移動する実施形態では、MVTM300は、規格化された電気インターフェースを介してオーバーヘッドライン250によって駆動可能である。
【0032】
いくつかの実施形態では、MVTM300はまた、
図3Aに示すように、計測ツール348を備えることができる。
図3Bに計測ツール348が示されていないが、
図3Bに示す実施形態が計測ツールを備えることもできることが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、MVTM300はまた、工場200内におけるその位置を工場200内で追跡できるように、RF IDタグを備える。
図3Aに示す実施形態では、非蒸発型ゲッターポンプ390も設けられる。
【0033】
上述のようなレイアウトを有する工場200は、可能な限り高密度のレイアウトを有しており、ここでは1つの場所(ロードエリア230)でウエハのプロセスモジュール210への搬入および搬出がなされ、プロセスモジュール210が第2の場所(サービスエリア220)からサービスされ、MVTM300およびサービスアイテムがプロセスモジュール210の上方から移送され、サービスリフト510(
図5)が下方の床下階層から上昇する。各プロセスモジュール210は、一方の側から搬入および搬出され、他方の側からサービスされる。
【0034】
図示の実施形態によれば、工場200の端上にあるサービスエリア220を除いて、各サービスエリア220は、その周囲に配置された4つのプロセスモジュール210を有する。
図2Bは、例示的なサービスエリア220をより詳細に示す。
図2Bに示すように、4つのプロセスモジュール210は、サービス/保守整備のためにプロセスモジュール210のサービス側212がサービスエリア220に対向するように、サービスエリア220を取り囲んで配向され、配置される。したがって、各プロセスモジュール210は、隣接するサービスエリア220からサービスされ得る。
図2Bは、2つの付加的なプロセスモジュール210を示すが、これらの2つのプロセスモジュール210は、
図2Bに示されていない異なるサービスエリアによってサービスされる。
図2Bに示すように、これらの2つのプロセスモジュール210は、
図2Bに示すサービスエリア220に対向しないサービス側212を有する。
【0035】
各プロセスモジュール210は、サービス側212とロード側214とを有する。図示の実施形態に示すように、サービス側212は、ロード側214から90度をなす側面に配置される。サービス側212は、プロセスモジュール210の保守整備およびサービスができるようにプロセスモジュール210上に設けられる。ロード側214は、MVTM300の規格化された開口部が備えられ、その開口部とインターフェースを有するように構成されており、この開口部はロード側214とドッキングするように構成される。
【0036】
同様に、図示の実施形態では、工場200の端上にあるロードエリア230を除いて、各ロードエリア230は、その周囲に配置された4つのプロセスモジュール210を有する。プロセスモジュール210は、ウエハの搬入および搬出が可能であるプロセスモジュール210の側面がロードエリア230に対向するように、ロードエリア230を取り囲んで配向され、配置される。例えば、MVTM300は、オーバーヘッドライン250に沿って移送され、ウエハを搬出するためにプロセスモジュールの前にあるロードエリア230に降下することができる。
【0037】
図2Cは、例示的なロードエリア230をより詳細に示す。
図2Cに示すように、4つのプロセスモジュール210は、ウエハの搬入および搬出のためにプロセスモジュール210のロード側214がロードエリア230に対向するように、ロードエリア230を取り囲んで配向および配置される。したがって、各プロセスモジュール210は、隣接するロードエリア230から搬入または搬出されたウエハを有することができる。
図2Cには、2つの付加的なプロセスモジュール210が示されているが、これら2つのプロセスモジュール210のウエハは、
図2Cに示されていない異なるロードエリアに搬入およびア搬出される。
図2Cに示すように、これら2つのプロセスモジュール210は、
図2Cに示すロードエリア230に対向しないロード側214を有する。
【0038】
図4は、工場200の床下階層400の一実施形態の概略上面図である。
図4に示す床下階層400が
図2Aに示す階層よりも下にあることが理解されるであろう。チラーおよびRF発生器などのリモートモジュールをプロセスモジュール210の下の床下階層400の上の斜めのリモートモジュールストリップ410に配置できる。
図4に示すように、斜めのリモートモジュールストリップ410は、その間に通路を備えてストリップ状に配置される。
図2Aの階層のレイアウトは、
図4に示されており、ここではプロセスモジュール210、サービスエリア220、およびロードエリア230に対するリモートモジュールの位置を示すことが理解されるであろう。
【0039】
図4に示すように、斜めのリモートモジュールストリップ410間の通路は、サービスリフト510(
図5)が通路に沿って移動して、サービスエリア220に到達できるように、サービスエリア220およびロードエリア230の下に配置される。すなわち、サービスリフト510は、床下階層の上の斜めのリモートモジュールストリップ410間の通路に沿って移動することができ、その後、クリーンルーム階層上のプロセスモジュール210をサービスするために上昇する。
【0040】
図5は、工場200の一実施形態の断面図であり、
図2Aのクリーンルーム階層と
図4の床下階層の両方を示す。
図5に示すように、サービスリフト510は、技術者がプロセスモジュール210をサービスできるように、床下階層からクリーンルーム階層まで持ち上げられている。
図5に示すように、床下階層とクリーンルーム階層との間のサービスエリア220には、プロセスモジュール210をサービスするために梯子またはサービスリフト510が床下階層からクリーンルーム階層まで上昇可能なフロアがない。また、
図5に示すように、プロセスモジュール210に関する予備部品などのサービスアイテム520は、予備部品を用いてサービスする必要のあるプロセスモジュール210にオーバーヘッドライン240を介して、工場200全体にわたって移送され得る。
【0041】
本明細書に記載の工場200のレイアウトは、可能な限り無駄なスペースを少なくした可能な限り高密度のレイアウトを有する。本明細書に記載のレイアウトの利点として、別個のVTMおよびEFEMが不要であるため、可能な限り高密度のレイアウトを用いることにより低コストであることが挙げられる。また、真空と大気との間でウエハの搬送が排除されることにより、酸化が回避されるため、性能が向上し、ポンプダウンおよび通気の削減により、粒子性能が向上する。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態のみを詳細に説明してきたが、本発明の主旨または範囲から逸脱することなく、本発明を他の多くの形態で実施されてもよいことを理解されたい。前述のすべてを考慮すると、本実施形態は例示的なものであって制限的なものではなく、本発明は本明細書にて与えられた詳細に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲および均等物の範囲内で変更されてもよいことが明らかであるべきである。
【国際調査報告】