(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-29
(54)【発明の名称】基板容器
(51)【国際特許分類】
H01L 21/673 20060101AFI20220622BHJP
B65D 85/30 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
H01L21/68 T
B65D85/30 500
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021563724
(86)(22)【出願日】2020-04-17
(85)【翻訳文提出日】2021-11-29
(86)【国際出願番号】 US2020028760
(87)【国際公開番号】W WO2020219361
(87)【国際公開日】2020-10-29
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】エッグム、ショーン ディ.
(72)【発明者】
【氏名】スミス、マーク ブイ.
(72)【発明者】
【氏名】フラー、マシュー エイ.
【テーマコード(参考)】
3E096
5F131
【Fターム(参考)】
3E096AA01
3E096AA06
3E096BA16
3E096BB04
3E096CA01
3E096CB10
3E096DA11
3E096DA18
3E096DA23
3E096EA06
3E096FA40
3E096GA03
5F131AA02
5F131CA12
5F131GA14
5F131GA15
5F131GA52
5F131GA62
5F131GA63
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5F131GA92
5F131JA04
5F131JA24
5F131JA33
5F131JA35
(57)【要約】
プレート、シェル、コネクタおよびシールを含む基板容器。コネクタはナットで螺合されて固定され、シールはシェル、プレートおよびコネクタのそれぞれに接触する。プレートには、コネクタの端とナットを収容する凹部がある。逆止弁を含む現場で修理可能で取り外し可能なパージモジュールは、基板容器とともに使用でき、プレートの凹部で基板容器に固定できる。フィルタはコネクタに固定するか、パージモジュールに含めることができる。これらのフィルタの直径は、コネクタの内径よりも大きくてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板容器であって、
壁および壁によって画成される内部空間を含む容器シェルであって、第1の内径を有するシェル開口部をさらに含む、容器シェルと、
容器シェルに固定されるように構成されたプレートであって、表面と、第1の表面からの凹部と、凹部内に位置する、第2の内径を有するプレート開口部と、を含む、プレートと、
第1および第2の内径よりも小さい外径を有する部分と、第3の内径を有する中空部分と、第1の内径よりも大きい外径を有する第1の端部と、ねじ山を有する第2の端部と、を含むコネクタと、
コネクタのねじ山に係合するように構成されたねじ山を有するナットと、
容器シェルとプレートとの間に配置されたシールと、を備えており、
コネクタの第1の端部が容器シェルの第1の側に位置し、コネクタの第2の端部、シールおよびプレートが容器シェルの第1の側とは反対側の容器シェルの第2の側に位置しており、
コネクタが容器シェルの開口部およびプレートの開口部を貫通しており、
ナットがコネクタに螺合されて締め付けられると、シールが容器シェル、プレートおよびコネクタのそれぞれに接触する、基板容器。
【請求項2】
コネクタのねじ山およびナットのねじ山の少なくとも一方は、ロック特徴部を含む、請求項1に記載の基板容器。
【請求項3】
シールがOリングである、請求項1に記載の基板容器。
【請求項4】
コネクタが、コネクタの第1の端部に配置されたフィルタ膜、フィルタグリル、およびコネクタの第1の端部に機械的に係合するとともに、フィルタグリルおよびフィルタ膜をコネクタの端部に固定するように構成されたフィルタキャップをさらに備えている、請求項1に記載の基板容器。
【請求項5】
基板容器が逆止弁を含む前方パージモジュールと、第3の内径よりも小さい外径を有する端部を含むノズルと、をさらに備えており、前方入口パージモジュールが、ノズルの端部がコネクタの中空部分内にあるように配置されている、請求項1に記載の基板容器。
【請求項6】
前方パージモジュールが複数のタブを有し、プレートが、前方入口パージモジュールのタブを受け入れるように構成された複数の傾斜スロットを有している、請求項5に記載の基板容器。
【請求項7】
複数のタブのそれぞれが凹部を有し、プレートが、凹部に係合するように構成された複数の戻り止めリブを有している、請求項6に記載の基板容器。
【請求項8】
コネクタが開口部を有する出口を有しており、開口部の中心がコネクタの内径の中心からずれている、請求項1に記載の基板容器。
【請求項9】
散気管が出口に接続されている、請求項8に記載の基板容器。
【請求項10】
ナットがコネクタに螺合されると、ナットおよびコネクタの第2の端部の全体が凹部内に位置する、請求項1に記載の基板容器。
【請求項11】
凹部内に配置されたフィルタ膜をさらに備えている、請求項10に記載の基板容器。
【請求項12】
フィルタ膜がコネクタの内径よりも大きい直径を有している、請求項11に記載の基板容器。
【請求項13】
後方入口パージモジュールであって、
逆止弁を含むグロメットと、
フィルタ膜と、
フィルタ膜を支持するように構成されたグリルと、
後方入口パージモジュール本体であって、グロメットの外径よりも大きい内径を有するとともに、グロメットを受け入れるように構成された部分と、第3の内径よりも小さい外径を有するノズルと、を含み、ノズルの端部がコネクタ内に位置する、後方入口パージモジュール本体と、を含む後方入口パージモジュールをさらに備えている、請求項1に記載の基板容器。
【請求項14】
グロメットが、基板およびエラストマー構成要素を含むオーバーモールドされたグロメットである、請求項13に記載の基板容器。
【請求項15】
逆止弁が傘弁である、請求項13に記載の基板容器。
【請求項16】
フィルタ膜がコネクタの内径よりも大きい直径を有している、請求項13に記載の基板容器。
【請求項17】
後方入口パージモジュール本体が複数のタブを有し、プレートが、それぞれが複数のタブのうちの1つを受け入れるように構成された複数の傾斜スロットを有している、請求項13に記載の基板容器。
【請求項18】
後方入口パージモジュール本体が、複数のタブの全体が複数のスロット内にあるときに後方入口パージモジュールの回転を防ぐためにプレートと係合するように構成された複数のフィンガを有している、請求項17に記載の基板容器。
【請求項19】
基板容器であって、
前開口部および内部空間を含むシェルと、
シェルに固定されるように構成されたプレートと、
内径を有するねじ端を含むコネクタであって、シェルおよびプレートを貫通するとともに、ねじ端でナットによって固定されるコネクタと、
逆止弁、およびコネクタのねじ端の内径よりも小さい外径を有する端部を含むノズルを備える、交換可能な、現場で修理可能な入口または出口モジュールであって、ノズルの端部がコネクタのねじ端の内径内に位置している、交換可能な、現場で修理可能な入口または出口モジュールと、を備えている、基板容器。
【請求項20】
交換可能な、現場で修理可能な入口または出口モジュールが、逆止弁がシェルへの流入を可能にするように構成された入口パージモジュール、および逆止弁がシェルからの流出を可能にするように構成された出口パージモジュールの群から選択されるものである、請求項19に記載の基板容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば、半導体製造で使用される前面開閉一体型ポッド(Front Opening Unified Pod(FOUP))などの基板容器に使用されるコネクタおよびパージモジュールに関する。より詳細には、本開示は、基板容器シェルとコンベアプレートとの間のねじ式コネクタであって、基板容器へのパージガスの流入または流出を可能にするものに関する。
【背景技術】
【0002】
基板容器は、半導体製造工程のさまざまな段階でウェハを搬送するために使用される。基板容器には、たとえば、前面開閉一体型ポッド(Front Opening Unified Pod(FOUP))(以下、「FOUP」と称する。)が含まれる。FOUPには通常、ウェハを保持するための内部空間を提供するシェルと、たとえば、FOUPを処理施設内で移動できるように、さまざまなコンベヤやその他のデバイスとインターフェースするために使用されるプレートとが含まれる。シェルとプレートは、たとえば溶接、コネクタなどによって互いに固定される。
【0003】
処理中には、パージ工程などで、FOUPからガスを導入および除去する必要がある。これには、ガスがFOUPに出入りできる1つ以上の場所が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記した基板容器をより向上させた基板容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、例えば、半導体製造で使用される前面開閉一体型ポッド(Front Opening Unified Pod(FOUP))などの基板容器に使用されるコネクタおよびパージモジュールに関する。より詳細には、本開示は、基板容器のシェルとコンベアプレートとの間のねじ式コネクタであって、基板容器へのパージガスの流入または流出を可能にするものに関する。
【0006】
基板容器のシェルと基板容器のプレートは、ねじ付きコネクタと、ねじ付きコネクタ、プレートおよびシェルの間に配置されたシールとによって結合することができる。ナットをねじ付きコネクタに装着して締め付けてプレートとシェルを固定するときに、シールを圧縮することができる。このねじ付きコネクタは、基板容器の寸法を維持し、基板容器の輸送や取り扱いを良好に行うために必要な、シェルとプレートとの強固な接続を可能にする。
【0007】
コネクタは、基板容器に出入りする流れを制御するパージモジュールから分離することができる。取り外し可能で現場で修理可能な構成部品は、そのような基板容器のパージモジュールとして使用することができる。これらの取り外し可能で現場で修理可能な構成部品は、基板容器の寸法に影響を与えることなく修理または交換することができる。基板容器の寸法は、特に半導体ウェハの製造中に自動位置決めやその他の操作で使用される基板容器にとって注意を要するものである。これにより、基板容器全体を交換するのではなく、ユニットを修理または交換することも可能になる。
【0008】
このようなコネクタを使用すると、直径の大きいフィルタを使用できるようになり、たとえば、フィルタを取り外し可能で現場で修理可能なパージモジュールに配置したり、コネクタの端部に取り付けたりすることで、基板容器に出入りするガスの流れに対する抵抗を減らすことができる。
【0009】
一実施形態では、基板容器は、開口部を有する壁と、壁によって画成された内部空間とを有する容器シェルを含む。容器シェルは、第1の内径を有するシェル開口部を含む。基板容器はまた、シェルに固定されるように構成されたプレートを含む。プレートは、表面、凹部、および第2の内径を有する凹部内に位置する開口部を含む。基板容器はさらにコネクタを含む。コネクタは、第1および第2の内径よりも小さい外径を有する部分、第3の内径を有する中空部分、第1の内径よりも大きい外径を有する第1の端部、およびねじ山を有する第2の端部を含む。ナットには、コネクタの第2の端部のねじ山にかみ合うように構成されたねじ山が備わっている。容器シェルとプレートの間にシールが配置されている。コネクタの第1の端部は、容器シェルの第1の側に配置され、コネクタの第2の端部、シールおよびプレートは、容器シェルの第1の側の反対側の容器シェルの第2の側に配置される。コネクタは、シェル開口部とプレート開口部を貫通している。ナットをコネクタに螺合して締め付けると、シールは容器シェル、プレートおよびコネクタのそれぞれに接触する。
【0010】
一実施形態では、コネクタのねじ山およびナットのねじ山の少なくとも一方は、ロック特徴部を含む。
一実施形態では、シールはOリングである。
【0011】
一実施形態では、コネクタは、コネクタの第1の端部に配置されたフィルタ膜、フィルタグリル、およびコネクタの第1の端部に機械的に係合し、フィルタグリルおよびフィルタ膜をコネクタの第1の端部に固定するように構成されたフィルタキャップをさらに含む。
【0012】
一実施形態では、基板容器は、逆止弁を含む前方パージモジュールと、第3の内径よりも小さい外径を有する端部を含むノズルとをさらに含み、前方入口パージモジュールは、ノズルの端部がコネクタの中空部分内にあるように配置される。一実施形態では、前方パージモジュールは複数のタブを含み、プレートは、前方入口パージモジュールのタブを受け入れるように構成された複数の傾斜スロットを含む。一実施形態では、複数のタブのそれぞれは凹部を有し、プレートは、凹部に係合するように構成された複数の戻り止めリブを有する。
【0013】
一実施形態では、コネクタは、開口部を有する出口を含み、開口部の中心は、コネクタの内径の中心からずれて(offset)いる。一実施形態では、散気管(diffuser tube)が出口に接続されている。
【0014】
一実施形態では、ナットがコネクタに螺合される(threaded onto)と、ナットおよびコネクタの第2の端部は、その全体が凹部内に置かれる。一実施形態では、フィルタ膜は凹部内に配置されている。一実施形態では、フィルタ膜は、コネクタの内径よりも大きい直径を有する。
【0015】
一実施形態では、基板容器は後方入口パージモジュールを含み、後方入口パージモジュールは、逆止弁を含むグロメット、フィルタ膜、フィルタ膜を支持するように構成されたグリル、および後方入口パージモジュール本体を含む。後方入口パージモジュール本体は、グロメットの外径よりも大きい内径を有するとともに、グロメットを受け入れるように構成された部分と、第3の内径よりも小さい外径を有するノズルとを含む。ノズルの端部はコネクタ内にある。一実施形態では、グロメットは、基板およびエラストマー構成要素を含むオーバーモールドされたグロメットであり、基板は、ポリカーボネートおよびカーボンナノチューブの少なくとも一方を含む。エラストマー構成要素はエラストマーで形成され、基板上にオーバーモールドされる。一実施形態では、逆止弁は傘弁である。一実施形態では、フィルタ膜は、第3の内径よりも大きい直径を有する。一実施形態では、後方入口パージモジュール本体は複数のタブを含み、プレートは、それぞれが複数のタブのうちの1つを受け入れるように構成された複数の傾斜スロットを含む。一実施形態では、後方入口パージモジュール本体は、複数のタブの全体が複数のスロット内にあるときに後方入口パージモジュールの回転を防ぐためにプレートと係合するように構成された複数のフィンガを含む。
【0016】
一実施形態では、FOUPは、前開口部および内部空間を含むシェルと、シェルに固定されるように構成されたプレートと、内径を有するねじ端を含むコネクタであって、シェルおよびプレートを貫通するとともに、ねじ端でナットを介して固定されるコネクタと、逆止弁、およびコネクタのねじ端の内径よりも小さい外径を有する端部を含むノズルを備える、交換可能な、現場で修理可能な入口または出口モジュールと、を備える。この実施形態では、交換可能な、現場で修理可能な入口または出口モジュールはプレート内に配置され、ノズルの端部はコネクタのねじ山付き端部の内径内に配置される。
【0017】
一実施形態では、交換可能な、現場で修理可能な入口または出口モジュールは、逆止弁がシェルへの流入を可能にするように構成された傘逆止弁である前方入口パージモジュール、逆止弁がシェルからの流出を可能にするように構成された機械的逆止弁である前方出口パージモジュール、および逆止弁がシェルへの流入を可能にするように構成された傘逆止弁であり、さらにグロメットおよびフィルタ膜をさらに含む後方入口パージモジュールの群から選択されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】一実施形態による、シェルがコネクタを介してプレートに接合されている基板容器の一部を示す分解図である。
【
図2】一実施形態による、基板容器のシェル内のコネクタにおけるフィルタ接続部を示す分解図である。
【
図3】一実施形態によるフィルタおよびコネクタの端部を示す断面図である。
【
図4】一実施形態による入口パージモジュールを示す分解図である。
【
図5】一実施形態による出口パージモジュールを示す分解図である。
【
図6】一実施形態による、基板容器に設置されたパージモジュールを示す底面図である。
【
図7】一実施形態による入口パージモジュールを示す断面図である。
【
図8A】一実施形態による、基板容器のシェルと組み合わせたときのコネクタを示す上面図である。
【
図8B】一実施形態による散気管およびコネクタを示す分解図である。
【
図9】一実施形態による、
図8Aおよび8Bに示すコネクタおよび
図7に示す入口パージモジュールを含む基板容器を示す断面図である。
【
図10】一実施形態による、基板容器に設置されたパージモジュールを示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示は、例えば、半導体製造で使用される前面開閉一体型ポッド(Front Opening Unified Pod(FOUP))などの基板容器に使用されるコネクタおよびパージモジュールに関する。より詳細には、本開示は、基板容器シェルとコンベアプレートとの間のねじ式コネクタであって、基板容器へのパージガスの流入または流出を可能にするものに関する。
【0020】
基板容器は、半導体ウェハの輸送および/または処理中にそのようなウェハを運ぶための容器である。基板容器は、例えば、FOUPまたはFOSB(前面開閉輸送容器Front Opening Shipping Box)であってもよい。
【0021】
図1は、一実施形態による、基板容器100の一部を示す分解図であって、シェル102がコネクタ106によってプレート104に接合されている。ナット112は、シェル102とプレート104を結合するためにコネクタ106とともに使用される。シール120は、シェル102とプレート104との間に配置されている。シール120は、ポリマーシールであってもよい。一実施形態では、シール120は、フルオロポリマーシールである。一実施形態では、シール120はエラストマーシールである。シールの材料は、ガス放出、粒子生成、低揮発性などの設計態様に基づいて選択することができる。
【0022】
シェル102は、基板容器100の一部である。シェル102は、ウェハが保管および処理される内部空間を画成することができる。シェル102の内部空間は、ウェハがシェルに装填される一方の側で開放されていてもよい。別のカバーにより、内部空間のその開放された側を、ウェハ処理中に閉じることができる。シェル102は、ウェハがシェル102の内部空間に配置されるときに、ウェハを支持する1つまたは複数の突起を含むことができる。シェル102は、1つまたは複数のシェル開口部110を含む。シェル開口部110のそれぞれは、コネクタ106がプレート104をシェル102に結合する位置に対応していてもよい。シェル開口部110は、例えば、シェル102の下側の角部など、シェル102の片側の角部の近くに設けることができる。シェル開口部110のそれぞれは、製造公差および位置制約内で、例えば内部空間の開口側から離れた内部空間の閉鎖された後端に向かうように、円形またはほぼ円形であってもよい。シェル開口部は、シェル102の第1の側面122からシェル102の第2の側面124へ貫通していてもよい。第1の側面122は、内部空間を画成するシェルの側面であってもよい。第2の側面124は、シェル102およびプレート104が基板容器100用に組み立てられるとき、側面に面するプレート104であってもよい。
【0023】
プレート104は、シェル102に接続されたプレートである。プレート104は、基板容器100の移動および配置を容易にするためのコンベヤプレートであってもよい。プレート104は、プレート104およびシェル102が組み立てられて基板容器100を形成するときに、シェル102から外側を向く表面126を含んでもよい。プレート104の表面126は、パージ装置などの1つまたは複数のウェハ処理装置に基板容器100を位置決めして支持するために使用される1つまたは複数の位置合わせ凹部を含むことができる。プレート104は、1つまたは複数の凹部108を含む。凹部108は、プレート104の表面126から、シェル102およびプレート104が組み立てられて基板容器100を形成するときにシェル102が位置する方向に向かって凹んでいる。凹部108のそれぞれは、コネクタ106がプレート104とシェル102とを結合する箇所に対応していてもよい。凹部108のそれぞれは、コネクタ106がプレート104を貫通することができるプレート開口部128を含むことができる。プレート開口部128のそれぞれは、製造公差および位置制約の範囲内で、円形またはほぼ円形であってもよい。
【0024】
コネクタ106は、プレート104とシェル102とを結合するために使用されてもよい。コネクタ106は、第1の端部114および第2の端部116を有する。コネクタ106の第1の端部114は、シェル開口部110の内径よりも大きい直径を有する。第1の端部114は、コネクタ106がシェル102の動きを維持および制限するように、シェル102、プレート104およびコネクタ106が組み立てられるときに、シェル102によって画成される内部空間に配置されてもよい。コネクタ106の第2の端部116は、シェル開口部110および凹部108に位置するプレート開口部128を通過できるように、これらの開口部110、128の内径よりも小さい外径を有する。第2の端部116には、ナット112のねじ山と係合するように構成されたねじ山が形成されている。一実施形態では、シェル102、プレート104、およびコネクタ106が組み合わされるとき、コネクタ106の第2の端部116は、プレート104の凹部108内に全体が配置される。
【0025】
コネクタ106は、パージガス(例えば、窒素)または基板容器100からパージされるガスなどの流体が、シェル102によって画成される内部空間に出入りすることができる通路を有する。
【0026】
ナット112は、プレート104とシェル102を結合するためにコネクタ106と共に使用することができる。ナット112はねじ切りされ、コネクタ106のねじ切りされた第2の端部116と係合することができる。ナット112およびコネクタ106の第2の端部116のうちの1つまたは複数でのねじ山は、1つまたは複数のロック特徴部(locking feature)(図示せず)を含むことができる。ロック特徴部は、ナット112がコネクタ106の第2の端部116に螺合されたときに回転を制限するための、例えば、鋸歯状の表面、隆起、スカラップ、または他のそのような特徴部を含むことができる。一実施形態では、プレート102、シェル104およびコネクタ106が組み合わされ、ナット112がコネクタ106の第2の端部116に螺合されると、ナット112は全体がプレート104の凹部108内に収まる。ナット112は、例えば、キャッスルナットであってもよく、ナット112をコネクタ106の第2の端部116に螺合する際にナット112をコネクタ106に対して回転させるためのツール(図示せず)と係合するための複数の突起118を有する。
【0027】
シェル102、プレート104、コネクタ106、および/またはナット112は、射出成形可能なポリマーなどのポリマーで作ることができる。一実施形態では、シェル102、プレート104、コネクタ106、および/またはナット112は、1つまたは複数種類のポリオレフィンを含む。一実施形態では、シェル102、プレート104、コネクタ106、および/またはナット112は、ポリカーボネートを含む。一実施形態では、シェル102、プレート104、コネクタ106、および/またはナット112で使用されるポリマーは、カーボンフィル(carbon fill)を含んでもよい。一実施形態では、シェル102、プレート104、コネクタ106、および/またはナット112に含まれるカーボンフィルは、静電気の放散を行うことができる。シェル102、プレート104、コネクタ106、および/またはナット112は、様々な熱可塑性ポリマー材料、より具体的には、粒子の飛散を最小限に抑えるように設計された熱可塑性ポリマーから作られてもよい。基板容器の一部を射出成形することができる。
【0028】
シール120は、シェル102、コネクタ106およびプレート104の間のパージガスおよび/または反応ガスなどの流体の漏れを制限するシールである。シール120は、例えば、フラットガスケット、オーバーモールドシール、またはOリングであってもよい。シール120は、シェル102、プレート104およびコネクタ106が組み合わされ、ナット112がコネクタ106の第2の端部116に螺合され締め付けられるときに、シェル102、コネクタ106およびプレート104のそれぞれに接触するように配置することができる。一実施形態では、シール120は、ナット112をコネクタ106に螺合する前に、コネクタ106の周り、およびプレート104とシェル102との間に配置されたOリングである。この実施形態では、ナット112が締められると、Oリングが圧縮され、Oリングがシェル102、プレート104およびコネクタ106のそれぞれに押し付けられる。
【0029】
図2は、一実施形態による、基板容器のシェル202内のコネクタ200の端部におけるフィルタ接続部の分解図である。コネクタ200の端部は、上述され
図1に示すコネクタ106のようなコネクタの第1の端部114であってもよい。フィルタ204は、上述され
図1に示すコネクタ106のようなコネクタ上に配置することができる。フィルタ204の直径は、コネクタの内径より大きくてもよい。フィルタ204は、例えば、多孔質ポリマーフィルタ膜フィルタなどのフィルタ膜であってもよい。フィルタ204は、1つまたは複数種類のポリマー材料で作製することができ、非限定的な例には、ポリオレフィン、ポリアミド、フルオロポリマーなどが含まれる。フィルタ204は、任意のフィルタ構成、例えば、単層、多層、積層、織布、および/または不織布構造であってもよい。一実施形態では、フィルタ204は静電媒体を含む。フィルタ204は、コネクタ200の端部とフィルタグリル206との間の機械的干渉によって所定の位置に保持される。フィルタグリル206は、フィルタキャップ208によって所定の位置に保持することができる。フィルタキャップ208は、コネクタ200上のタブ212と係合するように構成されたコネクタ210を含む。フィルタキャップ208は、スポーク210の下側に戻り止めリブ(図示せず)をさらに含んでいてもよい。スポーク210上の戻り止めリブは、フィルタキャップ208がコネクタ200上の位置にあるときに、フィルタグリル206およびフィルタキャップ208の回転を制限するためにフィルタグリル206と係合することができる。
【0030】
図3は、一実施形態による、フィルタ302およびコネクタ300の端部の断面図である。
図3は、
図2の分解図に示すような組み立てられたフィルタ接続部の中心線における断面図を示す。コネクタ300の端部は、第1のコネクタローブ304、第2のコネクタローブ306およびコネクタ凹部308を含む。第1のコネクタローブ304、第2のコネクタローブ306およびコネクタ凹部308のそれぞれは、環状であってもよい。フィルタグリル310は、第1のコネクタローブ304と位置合わせされた第1のフィルタグリル肩部312、第2のコネクタローブ306と位置合わせされた第2のコネクタ肩部314、およびコネクタ凹部308と位置合わせされたフィルタグリルローブ316を含む。フィルタグリル310が、例えば、フィルタキャップ(上述し
図2に示すフィルタキャップ208など)を介してコネクタ300の端部に固定されると、フィルタ302は、第1のコネクタローブ304と第1のフィルタグリル肩部312、コネクタ凹部308とフィルタグリルローブ316、ならびに第2のコネクタローブ306と第2のフィルタグリル肩部314との間で圧縮される。第1のコネクタローブ304および第1のフィルタグリル肩部312、コネクタ凹部308およびフィルタグリルローブ316、ならびに第2のコネクタローブ306および第2のフィルタグリル肩部314は、フィルタ302の中心からその周辺に移動するときに、この順序であってもよい。これは、フィルタ302を圧着および圧縮し、例えば、フィルタ302の縁を通る窒素などのパージガスなどの流体の漏れを低減する。
【0031】
図4は、一実施形態による入口パージモジュール400の分解図である。入口パージモジュール400は、端部404およびフランジ406を有するノズル402を含む。フランジ406は、1つまたは複数のタブ408および係合特徴部410を含むことができる。入口パージモジュール400は、逆止弁412およびシール414をさらに含む。
【0032】
入口パージモジュール400は、パージガス(例えば、窒素)などの流体が、入口パージモジュール400が設置されている基板容器に流入することを可能にするように使用することができる。入口パージモジュール400は、例えば、FOUPの前面開口部(図示せず)の近くに配置された前方入口パージモジュールであってもよい。
【0033】
ノズル402は、端部404まで延びる。ノズル402の端部404は、入口パージモジュール400が、上述し
図1に示すプレート104のような、基板容器のプレートに取り付けられているときに、コネクタ内に収まるように構成される。ノズル402は流体を導くことができる通路を含む。入口パージモジュール400が基板容器に取り付けられると、ノズル402は、上述し
図1に示すコネクタ106のようなコネクタ内に延在することができる。ノズル402は、逆止弁412の一部を保持するための円筒形開口部のような、端部404に保持特徴部(retaining feature)416を含むことができる。
【0034】
入口パージモジュール400は、ノズル402を取り囲むフランジ406を含む。フランジ406は、プレート(上述し
図1に示すプレート104など)と係合して、入口パージモジュール400を保持および位置決めすることができる。フランジ406は、例えば、タブ408、および係合特徴部(engagement feature)410を含むことができる。タブ408は、プレート上の溝(例えば、傾斜溝)とインターフェースすることができ、入口パージモジュール400がプレートの凹部(上述し
図1に示す凹部108など)に挿入されたときに回転させることによって、入口パージモジュール400を固定および位置決めすることができ、そこで入口パージモジュール400が取り付けられて回転する。係合特徴部410は、入口パージモジュール400がその全体をプレートに取り付けられたときに、入口パージモジュール400の回転に抵抗する機械的係合部の一部である。係合特徴部410は、例えば、入口パージモジュール400が取り付けられたときに、対応する戻り止めリブと係合するように構成された凹部であってもよい。一実施形態では、係合特徴部410は、取り付けられたときにプレートの凹部と係合するように構成された入口パージモジュール400の戻り止めリブであってもよい。フランジ406は、1つまたは複数のツールインターフェース418、例えば、
図4に示す開口部をさらに含んでもよく、ツール(図示せず)は、回転力を入口パージモジュール400に伝達できるように、入口パージモジュール400と嵌合することができる。これにより、コネクタまたは基板容器の寸法に影響を与えることなく、入口パージモジュール400の取り外しが可能になり、入口パージモジュール400の取り外しおよび現場での修理が可能になる。
【0035】
逆止弁412は、ノズル402からの一方向の流れを可能にする弁である。逆止弁412は、例えば、傘逆止弁であってもよい。逆止弁412のステム420は、ボール、隆起、傾斜部分、または保持特徴部416と機械的に係合する他の特徴部を含んでいてもよい。例えば、
図4に示す実施形態では、逆止弁412のステム420は、ノズル402の保持特徴部416である、開口を通って引っ張られる円錐部分を含んでもよい。
【0036】
シール414を使用して、ノズル402と、上述し
図1に示すようなコネクタ106などのコネクタとの間でのガス漏れを防止することができる。シール414は、例えば、Oリング、オーバーモールドシール、フラットガスケット、または他のそのようなシールであってもよい。
図4に示す実施形態では、シール414は、ノズル402の外面に形成された溝422に配置されたOリングである。
【0037】
図5は、一実施形態による出口パージモジュール500の分解図である。出口パージモジュール500は、端部504を有するノズル502、フランジ506および逆止弁508を含む。
【0038】
ノズル502は、端部504まで延びる。ノズル502は開口を含む。ノズル502を通る開口の内面は、1つまたは複数の逆止弁係合特徴部510を含んでもよい。逆止弁係合特徴部は、例えば、逆止弁508を固定および位置決めするために、ノズル502の内面と逆止弁508との間に機械的インターフェースを提供する。逆止弁係合特徴部510は、逆止弁508のケージ514のリブのための1つまたは複数のチャネル、および/または逆止弁508のケージ514の隆起した特徴を受け入れるように構成された1つまたは複数の戻り止めリブまたは凹部を含むことができる。
【0039】
フランジ506は、プレート(上述し
図1に示すプレート104など)と係合して、出口パージモジュール500を保持および位置決めすることができる。フランジ506は、例えば、タブ520および係合特徴部522を含んでもよい。タブ502は、プレート上の溝、例えば、(後述し
図6に示す傾斜スロット604などの)傾斜スロットとインターフェースすることができ、出口パージモジュール500をプレートの凹部(上述し
図1に示す凹部108など)に挿入して回転させることを可能にし、その位置で出口パージモジュール500をプレートに固定する。係合特徴部522は、出口パージモジュールを回転させてプレート内に位置決めすると、例えば、出口パージモジュールを全回転させてプレート内の所定の位置に位置決めすると、出口パージモジュールをその位置に固定することができる。係合特徴部522は、例えば、出口パージモジュール500が取り付けられたときにプレート上の対応する戻り止めリブと係合するように構成された凹部を含むことができる。一実施形態では、係合特徴部522は、取り付けられたときにプレート上の凹部に係合するように構成された出口パージモジュール500の戻り止めリブであってもよい。フランジ506は、1つまたは複数のツールインターフェース528、例えば、ツール(図示せず)が出口パージモジュール500と嵌合して出口パージモジュール500を回転させることができる、
図5に示す開口部をさらに含んでもよい。これにより、コネクタまたは基板容器の寸法に影響を与えることなく、出口パージモジュール500の取り外しが可能になり、出口パージモジュール500の取り外しおよび現場での整備が可能になる。
【0040】
逆止弁508は、FOUPなどの基板容器からパージされるガスのような流体が、ウェハ容器(図示せず)の内部空間からノズル502への一方向の流れを可能にする逆止弁である。逆止弁508は、例えば、ばね512およびばね512を取り囲むケージ514によって所定の位置に保持される機械的逆止弁であってもよい。ケージ514は、ノズル502内で逆止弁係合特徴部510によって係合されてもよい。逆止弁508は、逆止弁シール516を含んでいてもよい。逆止弁シール516は、逆止弁508とノズル502の内面との間のパージされたガスのような流体の漏れを防止するように構成されたシールである。逆止弁シール516は、例えば、Oリング、フラットガスケット、オーバーモールドシール、または他のそのようなシールであってもよい。一実施形態では、逆止弁シール516は、逆止弁の外面に形成された逆止弁シール溝518内に配置されたOリングである。
【0041】
出口パージモジュール500は、出口パージモジュール500がコネクタを含む基板容器に取り付けられたときに、コネクタの内面とノズルの外面との間の漏れを防ぐためのシール524を含むことができる。シール524は、例えば、フラットガスケットまたはオーバーモールドシールであってもよい。一実施形態では、シール524は、ノズル502の外面の溝526内に配置されたOリングであってもよい。
【0042】
図6は、一実施形態による、プレート602において基板容器に設置されたパージモジュール600の底面図である。プレート602は、傾斜スロット604を含む。実施形態では、1つまたは複数の傾斜スロット604を使用することができる。傾斜スロット604のそれぞれは、パージモジュール600のタブ608(例えば、上述し
図4および5にそれぞれ示すタブ408またはタブ520など)を受け入れることができる開口606を含む。タブ608を開口606に挿入した後にパージモジュール600が回転すると、プレート602は、プレート602の平面に垂直なパージモジュール600の動きを制限する。パージモジュール600が所定の位置に全回転すると、タブの係合部材(図示せず)(上述し
図4および5にそれぞれ示す係合部材410または係合部材522など)およびスロットが係合して、パージモジュール600の回転を制限して、プレート602に対するパージモジュール600の位置を固定する。係合は、例えば、戻り止めリブと凹部の嵌合、または他のそのような機械的接続であってもよい。
【0043】
図7は、一実施形態による入口パージモジュール700の断面図である。パージモジュール本体702は、第1の端部704と、第2の端部708に向かって延びるノズル706とを有する。パージモジュール本体702は、パージガス(例えば、窒素)などの流体がパージモジュール本体702を通って流れることができるように、第1の端部704から第2の端部708まで開いている。入口パージモジュール700が、
図1に示す基板容器100などの基板容器に設置される場合、第2の端部708は、上述し
図1に示すコネクタ106などのコネクタ内に延在することができる。第2の端部708は、コネクタの内径よりも小さい外径を有することができる。ノズル706は、シール720がコネクタと入口パージモジュール700のノズル706との間の漏れを防ぐように、コネクタ内に延在することができる。シール720は、第2の端部708に向かって、ノズル706上に配置されてもよい。シール720は、例えば、フラットガスケット、オーバーモールドシール、または
図7の実施形態に示すような、ノズル706の外面の溝722に配置されたOリングであってもよい。パージモジュール本体702の第1の端部704の開口部は、グロメット709の外径よりも大きい内径を有し、その結果、グロメット709は、図示するように、第1の端部704でパージモジュール本体702に挿入することができる。
【0044】
グロメット709は、パージモジュール本体702の第1の端部704内に収まる寸法のグロメットであり、逆止弁712を含む。グロメット709は、パージモジュール本体702に配置された特徴部とのスナップフィット関係によって、パージモジュール本体702内に保持される。逆止弁712は、パージモジュール本体702の第1の端部704から第2の端部708に向かう方向に、パージガス(例えば、窒素)などの流体の一方向の流れを可能にする逆止弁である。逆止弁712は、例えば、傘逆止弁であってもよい。
【0045】
グロメット709は、シールの形成により、グロメット709の外径とパージモジュール本体702の第1の端部704の内径との間の漏れをさらに制限または防止することができる。グロメット709は、例えば、グロメット基板または別のそのようなシールを取り囲む環状溝に配置されたOリングを含むことができる。
図7に示す実施形態では、グロメット709は、基板714にオーバーモールドされたエラストマー構成要素710を含むオーバーモールドされたグロメットである。一実施形態では、グロメット709は、パージモジュール本体702との摩擦からの粒子生成を低減または排除するように選択された1つまたは複数の材料でできている。エラストマー構成要素710は、熱可塑性エラストマーから形成することができ、熱可塑性エラストマーは、1つの非限定的な例において、ポリブチレンテレフタレートを含むことができる。基板714は、ポリカーボネートおよびカーボンナノチューブのうちの少なくとも一方から形成することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、パージモジュール本体702は、グロメット709がパージモジュール本体702に対してシールするように、グロメット709のエラストマー構成要素710に接触して圧縮する第1の環状突起725aを含むことができる。第1の環状突起725aに加えて、またはその代替として、パージモジュール本体702はまた、第2の環状突起725bを含んでもよい。第2の環状突起725bは、グロメット709のエラストマー構成要素710とパージモジュール本体702との間のフィルタ要素716を圧縮およびシールする。いくつかの実施形態では、フィルタグリル718は、グロメット709とパージモジュール本体702との間に配置されてもよい。
【0047】
フィルタ716は、例えば、ポリマーフィルタ膜などのフィルタである。フィルタ716は、グロメット709とパージモジュール本体702との間でクランプすることによって所定の位置に固定することができる。一実施形態では、フィルタ716がクランプされるグロメット709とパージモジュール本体702とのインターフェースは、上述し図に示すものに対応するローブおよび凹部を含むことができる。フィルタ716は、第2の端部708でのパージモジュール本体702の外径よりも大きい直径を有することができる。フィルタ716は、入口パージモジュール700が設置される基板容器で使用されるコネクタの内径よりも大きい直径を有することができる。
【0048】
パージモジュール本体702は、入口パージモジュール本体702が基板容器に取り付けられたときに基板容器と係合するタブ724をさらに含むことができる。入口パージモジュール700は、1つまたは複数のタブ724を含んでもよい。タブ724は、例えば、後述し
図10に示す傾斜スロット1004と同様のスロットと係合して、上述し
図10に示すプレート1002のような基板容器のプレートに入口パージモジュール700を配置および固定することができる。
【0049】
図8Aは、一実施形態による、基板容器のシェル808と組み合わされたときのコネクタ800の上面図である。コネクタ800は、開口部804を有する出口802を含む。開口部804の中心は、コネクタ800の中心806からずれており、コネクタ800は、シェル808およびプレート(図示せず)を貫通する。コネクタ800は、例えば、FOUPの内部空間の開放端の反対側にあるFOUPの後部でコネクタとして使用することができる。
【0050】
図8Bは、一実施形態によるコネクタ800と共に使用するための散気管アセンブリ810の分解図である。散気管アセンブリ810は、散気管812、散気管インターフェース816、およびシール818を含む。散気管インターフェース816は、散気管812を散気管インターフェース816に固定するために散気管812と機械的にインターフェースすることができる係合特徴部814を含む。散気管インターフェース816を使用して、散気管812を出口802に結合して、出口804からの流体の流れを受けることができる。係合特徴部814は、例えば、摩擦嵌合を提供するための棘(barb)、スナップフィットを提供するためのタブまたはフランジ、または他のそのような機械的係合部であってもよい。散気管インターフェース816は、パージガス(例えば、窒素)などの流体が開口部804から散気管812に流れることを可能にする経路を含む。散気管インターフェース816は、係合特徴部814を有する端部の反対側に端部を有し、その端部を開口部804に挿入することができる。散気管812は、例えば、機械的係合によって、例えば、散気管インターフェース上のバーブを介して摩擦嵌合を行うか、タブまたはフランジを介してスナップフィットを行うことによって、散気管インターフェース816に接合することができる。散気管812は、散気管812が現場で保守可能であるように、例えば、交換または整備のために、散気管812を手動で取り外すことができるように、散気管インターフェース816に接合されてもよい。シール818は、開口部804と散気管インターフェース816との間の漏れを低減または防止するために設けることができる。シール818は、例えば、フラットガスケット、オーバーモールドシール、または
図8Bに示す実施形態では、Oリングであってもよい。散気管812は、FOUPなどの基板容器の内部空間全体に流体を分配する。1つまたは複数の散気管係合特徴部814は、例えば、散気管812の開口部(図示せず)の内側の隆起に対応する隆起、ねじ用のねじ山などであってもよい。
【0051】
図9は、一実施形態による、
図8Aおよび8Bに示すコネクタ800および
図7に示す入口パージモジュール700を含む基板容900の断面図である。
基板容器900はシェル902を含む。シェル902は内部空間を画成し、内部空間に面する内面を有する。シェル902の内部には、シェル902の内面の側面から突出する1つまたは複数の棚916を設けることができる。棚はそれぞれ、例えば半導体ウェハの処理中に、ウェハ918を支持することができる。内部空間は片側で開いていてもよく、そこでウェハ918をシェルの棚916に装填することができる。シェルのこの開いた側は、例えばドアで覆われていてもよい。シェル902は、1つまたは複数のシェル開口部920を含む。シェル開口部920は、シェル902がコネクタ800のようなコネクタによってプレート904に接合される位置に対応することができる。シェル開口部920のそれぞれは、製造公差および位置制約内で、例えば内部空間の開口側から離れた内部空間の閉鎖された後端に向かうように、円形またはほぼ円形であってもよい。
【0052】
基板容器900はまた、プレート904を含む。プレート904は、例えば、FOUPのようなコンベヤプレートであってもよい。プレート904は、シェル902およびプレート904が組み合わされるとシェル902から外側に向かう表面910を含んでもよい。表面910は、例えば、施設を通過する間またはウェハ処理中に、基板容器900を配置および支持するために使用される1つまたは複数の位置合わせ凹部を含むことができる。表面910は、表面910からシェル902に向かって内側に凹む1つまたは複数の凹部912をさらに含むことができる。凹部912は、シェル902およびプレート904を結合するためにコネクタ800を使用する位置に対応していてもよい。プレート開口部914は、凹部912に配置されてもよく、コネクタ800がプレート904を通って少なくとも部分的に延びることを可能にする。プレート開口部914のそれぞれは、製造公差および位置制約の範囲内で、円形またはほぼ円形であってもよい。
【0053】
コネクタ800は、シェル902およびプレート904を貫通し、シェル902に面する側とは反対側のプレート904の側で、ナット906はコネクタ800に螺合されて、コネクタ800を所定の位置に固定し、シェル902をプレート904に固定する。ナット906がコネクタ800に螺合されると、ナット906はその全体を、プレート904の表面910から凹部912内に配置することができる。ナット906および/またはコネクタ800のねじ切りは、例えば鋸歯状の表面、隆起、スカラップ、または他のそのような特徴などの1つまたは複数のロック特徴部を含むことができ、ナット906とコネクタ800とが螺合するときの回転を制限する。コネクタ800の中心からの開口部802のずれ(offset)は、ナット906がコネクタ800の反対側の端部に螺合されるとき、コネクタ800がプレート904に対するシェル902の動きを制限することを可能にする。コネクタ800の一部は、シェル開口部920およびプレート開口部914の内径よりも小さい外径を有することができ、その結果、コネクタ800は、シェル902およびプレート904を通ってプレート904の凹部912内に延びることができる。コネクタ800のこの部分は、ナット906が螺合されるねじ端を含むことができる。
【0054】
シール908は、シェル902、プレート904、およびコネクタ800の間に配置される。シール908は、ガスがシェル902の内部に出入りすることを可能にできる、シェル開口部、プレート開口部、およびコネクタ800の間の漏れを防ぐように構成されたシールである。シール908は、例えば、フラットガスケット、オーバーモールドシール、または
図9の実施形態に示すようなOリングであってもよい。
図9に示す実施形態では、シェル902、プレート904、およびコネクタ800が組み合わされ、ナット906がコネクタ800に螺合されて締め付けられると、シール908は、シール908がシェル902、プレート904およびコネクタ800のそれぞれを押すように、シェル902およびプレート904によって圧縮される。
【0055】
コネクタ800の中心からのコネクタ800の開口部804のずれは、基板容器900の使用中に、棚916または棚916上にあるウェハ918に干渉することなく、散気管812が垂直に延びることを可能にする。
【0056】
入口パージモジュール700は、例えば、タブ724をプレート904のスロット(図示せず)に挿入し、入口パージモジュールを回転させることによって、プレート904に設置することができる。第2の端部708およびノズル706の一部は、ノズル706の外部とコネクタ800の内部との間にシール720を設けて、コネクタ800内に延びることができる。
【0057】
図10は、一実施形態による、基板容器のプレート1002に設置されたパージモジュール1000の底面図である。パージモジュール1000は、
図7に示し、上述した入口パージモジュール700のような入口パージモジュールであってもよい。プレート1002は、図示するように、第1の回転位置でパージモジュール1000のタブ1006を受け入れ、第2の回転位置でタブ1006を保持するように構成された1つまたは複数の傾斜スロット1004を有することができる。傾斜スロット1004は、例えば、タブ1006を受け入れ、傾斜スロット1004の狭窄部分にタブ1006を保持するための拡大された開口1008を含むことができる。フィンガ1010は、タブ1006のそれぞれから延びることができる。
図10に示すように、パージモジュール1000が第2の回転位置に回転すると、フィンガ1010は、拡大された開口1008の内側に接触し、パージモジュールのプレート1002からの取り外しを可能にする方向へのパージモジュール1000の回転を機械的に干渉する。フィンガ1010は、ツール(図示せず)によって内側に押されて、この機械的干渉を除去し、パージモジュール1000の回転を可能にして、パージモジュール1000の取り外しを可能にする。これにより、基板容器のコネクタまたは基板容器の寸法に影響を与えることなく、パージモジュール1000を取り外して現場で整備することが可能になる。
【0058】
態様:
態様1~18のいずれも、態様19~20のいずれかと組み合わせることができる。
態様1.基板容器であって、
壁および壁によって画成される内部空間を含む容器シェルであって、第1の内径を有するシェル開口部をさらに含む、容器シェルと、
容器シェルに固定されるように構成されたプレートであって、表面と、第1の表面からの凹部と、凹部内に位置する、第2の内径を有するプレート開口部と、を含む、プレートと、
第1および第2の内径よりも小さい外径を有する部分と、第3の内径を有する中空部分と、第1の内径よりも大きい外径を有する第1の端部と、ねじ山を有する第2の端部と、を含むコネクタと、
コネクタのねじ山に係合するように構成されたねじ山を有するナットと、
容器シェルとプレートとの間に配置されたシールと、を備えており、
コネクタの第1の端部が容器シェルの第1の側に位置し、コネクタの第2の端部、シールおよびプレートが容器シェルの第1の側とは反対側の容器シェルの第2の側に位置しており、
コネクタが容器シェルの開口部およびプレートの開口部を貫通しており、
ナットがコネクタに螺合されて締め付けられると、シールが容器シェル、プレートおよびコネクタのそれぞれに接触する、基板容器。
【0059】
態様2.コネクタのねじ山およびナットのねじ山の少なくとも一方が、ロック特徴部を含む、態様1の基板容器。
態様3.シールがOリングである、態様1または2の基板容器。
【0060】
態様4.コネクタが、コネクタの第1の端部に配置されたフィルタ膜、フィルタグリル、およびコネクタの第1の端部に機械的に係合するとともに、フィルタグリルおよびフィルタ膜をコネクタの端部に固定するように構成されたフィルタキャップをさらに備える、態様1~3のいずれかの基板容器。
【0061】
態様5.基板容器が逆止弁を含む前方パージモジュールと、第3の内径よりも小さい外径を有する端部を含むノズルとをさらに備えており、前方入口パージモジュールが、ノズルの端部がコネクタの中空部分内にあるように配置されている、態様1~4のいずれかの基板容器。
【0062】
態様6.前方パージモジュールが複数のタブを含み、プレートが、前方入口パージモジュールのタブを受け入れるように構成された複数の傾斜スロットを含む、態様5の基板容器。
【0063】
態様7.複数のタブのそれぞれが凹部を有し、プレートが、凹部に係合するように構成された複数の戻り止めリブを有する、態様5または6の基板容器。
態様8.コネクタが開口部を有する出口を有し、開口部の中心がコネクタの内径の中心からずれている、態様1~7のいずれかの基板容器。
【0064】
態様9.散気管が出口に接続されている、態様8の基板容器。
態様10.ナットがコネクタに螺合されると、ナットおよびコネクタの第2の端部の全体が凹部内に位置する、態様1~9のいずれかの基板容器。
【0065】
態様11.凹部内に配置されたフィルタ膜をさらに備えている、態様10の基板容器。
態様12.フィルタ膜がコネクタの内径よりも大きい直径を有している、態様11の基板容器。
【0066】
態様13.後方入口パージモジュールであって、
逆止弁を含むグロメットと、
フィルタ膜と、
フィルタ膜を支持するように構成されたグリルと、
後方入口パージモジュール本体であって、グロメットの外径よりも大きい内径を有するとともに、グロメットを受け入れるように構成された部分と、第3の内径よりも小さい外径を有するノズルとを含み、ノズルの端部がコネクタ内に位置する、後方入口パージモジュール本体と、を含む後方入口パージモジュールをさらに備えている、態様1~12のいずれかの基板容器。
【0067】
態様14.グロメットが、基板およびエラストマー構成要素を含むオーバーモールドされたグロメットである、態様13の基板容器。
態様15.逆止弁が傘弁である、態様13または14の基板容器。
【0068】
態様16.フィルタ膜が第3の内径よりも大きい直径を有している、態様13~15のいずれかの基板容器。
態様17.後方入口パージモジュール本体が複数のタブを有し、プレートが、それぞれが複数のタブのうちの1つを受け入れるように構成された複数の傾斜スロットを有している、態様13~16のいずれかの基板容器。
【0069】
態様18.後方入口パージモジュールが、複数のタブの全体が複数のスロット内にあるときに後方入口パージモジュールの回転を防ぐためにプレートと係合するように構成された複数のフィンガを有している、態様17の基板容器。
【0070】
態様19.前面開閉一体型ポッド(FOUP)であって、
前開口部および内部空間を含むシェルと、
シェルに固定されるように構成されたプレートと、
内径を有するねじ端を含むコネクタであって、シェルおよびプレートを貫通するとともに、ねじ端でナットによって固定されるコネクタと、
逆止弁、およびコネクタのねじ端の内径よりも小さい外径を有する端部を含むノズルを備える、交換可能な、現場で修理可能な入口または出口モジュールであって、ノズルの端部がコネクタのねじ端の内径内に位置している、交換可能な、現場で修理可能な入口または出口モジュールと、を備えている、前面開閉一体型ポッド(FOUP)。
【0071】
態様20.交換可能な、現場で修理可能な入口または出口モジュールが、逆止弁がシェルへの流入を可能にするように構成された入口パージモジュール、および逆止弁がシェルからの流出を可能にするように構成された出口パージモジュールの群から選択されるものである、態様19のFOUP。
【0072】
態様21.交換可能な、現場で修理可能な入口または出口モジュールの一部がプレートから突出している、態様19または20のFOUP。
本出願で開示される例は、すべての点で例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。本発明の範囲は、前述の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。そして、請求項の意味と同等な範囲内にあるすべての変更は、請求項に含まれることを意図している。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板容器であって、
壁および壁によって画成される内部空間を含む容器シェルであって、第1の内径を有するシェル開口部をさらに含む、容器シェルと、
容器シェルに固定されるように構成されたプレートであって、表面と、第1の表面からの凹部と、凹部内に位置する、第2の内径を有するプレート開口部と、を含む、プレートと、
第1および第2の内径よりも小さい外径を有する部分と、第3の内径を有する中空部分と、第1の内径よりも大きい外径を有する第1の端部と、ねじ山を有する第2の端部と、を含むコネクタと、
コネクタのねじ山に係合するように構成されたねじ山を有するナットと、
容器シェルとプレートとの間に配置されたシールと、を備えており、
コネクタの第1の端部が容器シェルの第1の側に位置し、コネクタの第2の端部、シールおよびプレートが容器シェルの第1の側とは反対側の容器シェルの第2の側に位置しており、
コネクタが容器シェルの開口部およびプレートの開口部を貫通しており、
ナットがコネクタに螺合されて締め付けられると、シールが容器シェル、プレートおよびコネクタのそれぞれに接触する、基板容器。
【請求項2】
コネクタのねじ山およびナットのねじ山の少なくとも一方は、ロック特徴部を含む、請求項1に記載の基板容器。
【請求項3】
コネクタが、コネクタの第1の端部に配置されたフィルタ膜、フィルタグリル、およびコネクタの第1の端部に機械的に係合するとともに、フィルタグリルおよびフィルタ膜をコネクタの端部に固定するように構成されたフィルタキャップをさらに備えている、請求項1に記載の基板容器。
【請求項4】
基板容器が逆止弁を含む前方パージモジュールと、第3の内径よりも小さい外径を有する端部を含むノズルと、をさらに備えており、前方入口パージモジュールが、ノズルの端部がコネクタの中空部分内にあるように配置されている、請求項1に記載の基板容器。
【請求項5】
コネクタが開口部を有する出口を有しており、開口部の中心がコネクタの内径の中心からずれている、請求項1に記載の基板容器。
【請求項6】
後方入口パージモジュールであって、
逆止弁を含むグロメットと、
フィルタ膜と、
フィルタ膜を支持するように構成されたグリルと、
後方入口パージモジュール本体であって、グロメットの外径よりも大きい内径を有するとともに、グロメットを受け入れるように構成された部分と、第3の内径よりも小さい外径を有するノズルと、を含み、ノズルの端部がコネクタ内に位置する、後方入口パージモジュール本体と、を含む後方入口パージモジュールをさらに備えている、請求項1に記載の基板容器。
【請求項7】
基板容器であって、
前開口部および内部空間を含むシェルと、
シェルに固定されるように構成されたプレートと、
内径を有するねじ端を含むコネクタであって、シェルおよびプレートを貫通するとともに、ねじ端でナットによって固定されるコネクタと、
逆止弁、およびコネクタのねじ端の内径よりも小さい外径を有する端部を含むノズルを備える、交換可能な、現場で修理可能な入口または出口モジュールであって、ノズルの端部がコネクタのねじ端の内径内に位置している、交換可能な、現場で修理可能な入口または出口モジュールと、を備えている、基板容器。
【請求項8】
交換可能な、現場で修理可能な入口または出口モジュールが、逆止弁がシェルへの流入を可能にするように構成された入口パージモジュール、および逆止弁がシェルからの流出を可能にするように構成された出口パージモジュールの群から選択されるものである、請求項
7に記載の基板容器。
【国際調査報告】