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特表2022-530617高い流量及び高い均一性を有するユースポイント動的濃度送達システム
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  • 特表-高い流量及び高い均一性を有するユースポイント動的濃度送達システム 図1A
  • 特表-高い流量及び高い均一性を有するユースポイント動的濃度送達システム 図1B
  • 特表-高い流量及び高い均一性を有するユースポイント動的濃度送達システム 図1C
  • 特表-高い流量及び高い均一性を有するユースポイント動的濃度送達システム 図2
  • 特表-高い流量及び高い均一性を有するユースポイント動的濃度送達システム 図3
  • 特表-高い流量及び高い均一性を有するユースポイント動的濃度送達システム 図4A
  • 特表-高い流量及び高い均一性を有するユースポイント動的濃度送達システム 図4B
  • 特表-高い流量及び高い均一性を有するユースポイント動的濃度送達システム 図5A
  • 特表-高い流量及び高い均一性を有するユースポイント動的濃度送達システム 図5B
  • 特表-高い流量及び高い均一性を有するユースポイント動的濃度送達システム 図6
  • 特表-高い流量及び高い均一性を有するユースポイント動的濃度送達システム 図7
  • 特表-高い流量及び高い均一性を有するユースポイント動的濃度送達システム 図8
  • 特表-高い流量及び高い均一性を有するユースポイント動的濃度送達システム 図9
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-30
(54)【発明の名称】高い流量及び高い均一性を有するユースポイント動的濃度送達システム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20220623BHJP
   G03F 7/30 20060101ALI20220623BHJP
   B01J 19/00 20060101ALI20220623BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20220623BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20220623BHJP
   B01F 23/40 20220101ALI20220623BHJP
   B01F 33/301 20220101ALI20220623BHJP
   B01F 35/83 20220101ALI20220623BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20220623BHJP
【FI】
H01L21/30 569A
G03F7/30 501
B01J19/00 321
B05C5/00 101
B05C11/10
B01F23/40
B01F33/301
B01F35/83
B01F35/71
H01L21/30 564
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021563049
(86)(22)【出願日】2020-03-24
(85)【翻訳文提出日】2021-10-22
(86)【国際出願番号】 US2020024387
(87)【国際公開番号】W WO2020222940
(87)【国際公開日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】62/839,917
(32)【優先日】2019-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/560,481
(32)【優先日】2019-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ナスマン,ロナルド
(72)【発明者】
【氏名】フリ,リオール
(72)【発明者】
【氏名】デヴィリアーズ,アントン
(72)【発明者】
【氏名】ロビソン,ロドニー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブソン,ノーマン
(72)【発明者】
【氏名】グルーテグード,ジェイムズ
【テーマコード(参考)】
2H196
4F041
4F042
4G035
4G036
4G037
4G075
5F146
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196GA03
2H196GA08
2H196GA21
4F041AB01
4F041BA05
4F041BA35
4F041BA42
4F042AB00
4F042BA07
4F042BA12
4F042CA01
4F042CB03
4F042CB08
4F042CB27
4F042DH09
4G035AB37
4G035AC01
4G035AC02
4G035AC44
4G035AE02
4G035AE13
4G035AE17
4G036AC70
4G037AA02
4G037AA18
4G037BA01
4G037BD06
4G037EA01
4G075AA13
4G075AA39
4G075AA61
4G075BB05
4G075BD09
4G075BD15
4G075DA02
4G075DA18
4G075EB50
4G075EC01
4G075FA02
4G075FA12
4G075FB06
5F146JA01
5F146LA03
(57)【要約】
所与の分配中、液体化学物質を、動的に変化する比率又は静的な比率において非常に高い均一性及び再現性で混合する方法及びシステムが記載される。ミキサーは、線形流路を画定する細長いブラダーを含む複数の流体供給ラインを含み、細長いブラダーは、横方向に膨張してプロセス流体を収集し、及び横方向に収縮して、選択された体積のプロセス流体をミキサーに送達するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を分配するための装置であって、
混合のために少なくとも2つの流体を受け取るように構成されたミキサーであって、スロット形流体導管を使用して少なくとも2つの流体を組み合わせるように構成されたマイクロ流体ミキサーであるミキサーと、
分配のために混合流体を受け入れるために前記ミキサーに近接して配置されたノズルと、
前記ミキサーに接続され、且つ前記ミキサーに第1のプロセス流体を制御可能に供給するように構成された第1の流体供給ラインであって、線形流体流路を画定する細長いブラダーを含み、前記細長いブラダーは、横方向に膨張し、且つ前記第1のプロセス流体のチャージを収集し、及び横方向に収縮して、選択された体積の前記第1のプロセス流体を前記ミキサーに送達するように構成されている、第1の流体供給ラインと、
前記ミキサーに接続され、且つ前記ミキサーに第2のプロセス流体を制御可能に供給して、選択された体積の前記第2のプロセス流体を前記ミキサーに送達するように構成された第2の流体供給ラインと、
前記第1のプロセス流体及び前記第2のプロセス流体の送達を互いに独立して動的に制御するように構成されたコントローラと
を含む装置。
【請求項2】
前記ミキサーは、前記第1のプロセス流体を受け取るための1つ以上の第1の入口と、前記第2のプロセス流体を受け取るための1つ以上の第2の入口とを含み、前記ミキサーは、各プロセス流体の流体流路をスロット形流路に変換する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
各スロット形流体導管は、幅寸法よりも少なくとも10倍大きい高さ寸法を有する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ミキサーは、各プロセス流体のための少なくとも1つのスロット形流体導管を受け入れる円筒形混合チャンバを含み、前記ミキサーは、前記円筒形混合チャンバの円周に沿って各プロセス流体を導く、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記ミキサーは、各プロセス流体を、前記円筒形混合チャンバ内において螺旋流で混合するように導くように構成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ミキサーは、前記スロット形流体導管を一緒に連結してスロット形混合導管にする、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記スロット形混合導管は、乱流混合流を防止するように寸法決めされている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記スロット形混合導管は、前記プロセス流体が拡散によって混合するように、各プロセス流体の層流を提供するように寸法決めされている、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記ノズルは、前記ミキサーから混合プロセス流体を受け取る入口と、前記混合プロセス流体を基板上に分配するためのノズル先端とを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ミキサーは、前記ノズルから25ミリメートル未満離れて配置されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
各プロセス流体を混合するポイントとノズル出口との間に0.1ml未満の流体導管容積を有する、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記ミキサーは、40mm未満の長さ及び20mm未満の幅を有し、前記ノズルは、30mm未満の長さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記プロセス流体供給ライン、前記ミキサー及び前記ノズルは、全て整列されて、前記プロセス流体供給ラインからノズル出口まで層流を提供する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記ミキサーは、分配ノズル出口から30ミリメートル以内に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記マイクロ流体ミキサーは、200ミクロン未満の幅及び15ミリメートル未満の長さを有するスロット形流体導管を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記ミキサーは、石英で作製されている、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記ミキサーは、複数のディスクを組み合わせることによって形成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記ミキサーの流体導管の全内容積は、0.1ml未満である、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記ミキサーは、構成要素を一緒に封止して層流を維持することを可能にするために、石英界面に形成された溝を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
流体を分配する方法であって、
マイクロ流体ミキサーであるミキサーを使用して、分配ノズルに近接して第1のプロセス流体を第2のプロセス流体と混合することであって、前記マイクロ流体ミキサーは、スロット形流体導管を使用して少なくとも2つの流体を組み合わせるように構成されている、混合することと、
第1の流体供給ラインを使用して前記ミキサーに第1のプロセス流体を供給することであって、前記第1の流体供給ラインは、線形流体流路を画定する細長いブラダーを使用して、前記ミキサーへの前記第1のプロセス流体の体積を制御するように構成され、前記細長いブラダーは、横方向に膨張し、且つ前記第1のプロセス流体のチャージを収集し、及び横方向に収縮して、選択された体積の前記第1のプロセス流体を前記ミキサーに送達するように構成されている、供給することと、
第2の流体供給ラインを使用して前記ミキサーに第2のプロセス流体を供給することであって、前記第2の流体供給ラインは、前記ミキサーに送達される前記第2のプロセス流体の体積を制御するように構成されている、供給することと、
前記分配ノズルを介して混合プロセス流体を基板上に分配することであって、前記ミキサーは、前記ミキサーと前記分配ノズルの出口との間における混合プロセス流体の体積が0.1ml未満であるように、前記分配ノズルに近接して前記第1のプロセス流体を前記第2のプロセス流体と混合する、分配することと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年4月29日に出願された「POINT-OF-USE DYNAMIC CONCENTRATION DELIVERY SYSTEM WITH HIGH FLOW AND HIGH UNIFORMITY」という名称の米国仮特許出願第62/839,917号明細書及び2019年9月4日に出願された「POINT-OF-USE DYNAMIC CONCENTRATION DELIVERY SYSTEM WITH HIGH FLOW AND HIGH UNIFORMITY」という名称の米国特許出願公開第16/560,481号明細書の優先権を主張し、その全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、特に半導体微細加工において使用するための流体の混合及び分配に関する。より具体的には、本出願は、非常に高い均一性及び再現性でミキサーへの化学物質の精密な供給を提供し、且つまた分配される化学物質中での可変配合を提供する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
液体化学物質は、フォトレジスト、現像液、反射防止コーティング、エッチング化学物質、溶媒、洗浄液の塗布を含むが、これらに限定されない複数の半導体製造プロセスで使用されている。これらの化学物質は、多くの場合、反応性成分と非反応性成分との比率が非常に精密な化学混合物である。半導体デバイスの微細なフィーチャサイズは、これらの化学物質の高い純度並びに混合品質及び均一性要件を厳しくする。なぜなら、濃度の変動は、CD(クリティカルディメンジョン)、LWR(ライン幅ラフネス)、LER(ラインエッジラフネス)などのクリティカルフィーチャのパラメータに悪影響を与えるからである。現在、フィーチャサイズが10nm未満であるため、高純度で高品質の混合物を実現することは、困難である。例えば、従来の化学物質供給業者は、極めて均一な液体化学物質溶液を大量に提供するために、多くの場合、独自の混合機器を使用して相当の時間及び労力を費やしている。
【0004】
半導体製造では、ウェハ上の分配ポイントにおいて化学物質を混合又は配合することが極めて望ましい場合がある。以前の試みは、オンツールの溶媒及びレジストミキサーを使用することによる粘度制御を含む。これは、従来のミキサーを使用し、それぞれの分配間でバルブを調整して、厚さ測定に基づいて許容可能な設定に到達する。別の試みは、粘度計を使用して、ミキサーへのフォトレジスト及び溶媒の流れを制御する。従来の試みは、静的濃度により、混合においていくつかの利点をもたらすが、10nm未満の微細加工で必要な混合物の均一性をもたらさない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書で開示される技術は、所与の分配中、液体化学物質を、動的に変化する比率、フェーズで変化する比率又は静的な比率において非常に高い均一性及び再現性で混合するシステム及び方法を提供する。均一性及び再現性は、液滴、滴り又は流れの途切れなしに、ノズルからの均一な分配をサポートするために十分な速度において実現される。それに応じて、そのようなデバイス及び方法は、分配中に混合物濃度を動的に変化させることを含む、半導体製造における新しい分配技術を可能にする。本明細書に記載されるシステムの特徴は、レジスト分配体積を減らし、分配回数を減らし、関連する処理時間を減らし得る。化学物質を所与のツールでユースポイントにおいて均一に混合する機能により、複数のプロセス能力が拡張され、プロセス結果が改善され、処理時間が短縮される。
【0006】
本明細書に記載されるハードウェアは、単一の化学物質(レジスト、現像剤、リンス剤、金属又は非金属溶液、有機又は無機溶液など)濃度を使用し、溶媒又は他の化学物質中に均一に配合して、異なる粘度又は他の液体性質を得ることができる。本明細書に記載されるハードウェアを使用して分配液中での可変配合を提供して、TMAH/DI水フォトレジスト現像プロセス中のpHの速い変化による悪影響を排除するなど、化学物質の急速な変化による望ましくない影響を低減させることができる。
【0007】
本明細書で説明するハードウェアは、化学混合物及び溶液であって、溶液が不安定であり、溶液が非常に短時間で反応するか、分解するか又は溶液から析出するという事実に起因して以前には生産に使用できなかった化学混合物及び溶液の実現を可能にする。ここで、反応性成分をユースポイントにおいて直接混合することにより、これらの化学物質を、化学物質の貯蔵寿命に関する懸念なしに生産時に分配することができる。
【0008】
本明細書で説明されるような異なるステップの順序は、明確にするために提示されている。一般に、これらのステップは、任意の好適な順序で実施され得る。加えて、本明細書における様々な特徴、技術、構成等の各々が本開示の様々な箇所で説明されている場合があるが、それらの概念の各々は、互いに独立して又は互いに組み合わされて実行され得ることが意図される。それに応じて、本出願の特徴は、多くの異なる方法で具現化及び検討することができる。
【0009】
この概要のセクションは、本出願の全ての実施形態及び/又は新規の態様を特定するものではない。むしろ、本概要は、様々な実施形態と、従来技術に対する対応する新規点との予備的説明を提供するに過ぎない。開示される実施形態の更なる詳細及び/又は可能な観点は、以下で更に議論するように、本開示の詳細な説明のセクション及び対応する図に記載される。
【0010】
添付の図面と併せて考慮されるとき、以下の詳細な説明を参照することにより、本発明がより良好に理解されるため、本発明及び本発明に付随する利点の多くについてより詳細な理解が直ちに得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】マイクロ流体ミキサーの概略的実施例を示す。
図1B】別のマイクロ流体ミキサーの概略的実施例を示す。
図1C】別のマイクロ流体ミキサーの概略的実施例を示す。
図2】本明細書に記載されているようなブラダーベースのデジタル分配ユニットの斜視図を示す。
図3】ノズルアセンブリの斜視図を、本明細書に記載されているようなマイクロ流体ミキサーと共に示す。
図4A】マイクロ流体ミキサーの実施形態を示す。
図4B図4Aのマイクロ流体ミキサーの下部の断面を示す。
図5A】マイクロ流体ミキサーの実施形態を示す。
図5B図5Aのマイクロ流体ミキサーの別の斜視図を示す。
図6】マイクロ流体ミキサーのスロットの断面の概略図を示す。
図7】完全分配システムの概略図を示す。
図8】本明細書に記載されているようなレジスト還元メカニズムを示す。
図9】本明細書に記載されているようなpHショック除去メカニズムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書の全体を通して「一実施形態」又は「実施形態」に言及することは、その実施形態に関して記載する特定の特徴、構造、材料又は特性が本出願の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味するが、それらが全ての実施形態に存在することを示すものではない。したがって、本明細書を通した様々な箇所における「一実施形態では」又は「実施形態では」という語句の出現は、必ずしも本出願の同じ実施形態を参照するわけではない。更に、特定の特徴、構造、材料又は特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な形態で組み合わされ得る。
【0013】
本明細書に記載の技術は、米国特許9718082号明細書(「Inline Dispense Capacitor」)並びに米国特許出願公開第2018/0046082号明細書(「High Purity Dispense Unit」)、米国特許出願公開第2018/0047562号明細書(「High Purity Dispense System」)及び米国特許出願公開第2018/0047563号明細書(「High Purity Dispense System With Meniscus Control」)において以前に開示されているデジタル分配ユニットを使用して、液体流体供給を正確に制御する能力を、半導体処理において要求される正確な混合品質を提供し、分配時間フレーム全体にわたって所望の動的応答を提供する新規のミキサー設計と組み合わせている。
【0014】
液体を混合する複数の方法がある。複数のアプローチは、2つの主要なグループに一般化することができる。第1のグループは、無秩序の乱流を使用して、流体を折り曲げて一緒に混合することである。第1のグループにおいても役割を果たす第2のグループは、拡散による混合である。乱流ミキサーは、その性質上、無制御の流れを含み、絶えず変化する渦とパターンの流れとを伴う。乱流は、定常状態の流れ入力との均一な混合を急速に形成する可能性を有する一方、そのランダムな性質は、半導体化学物質の精密な均一性に関する要件及び動的に変化する入力に対する出力応答に関する懸念事項である。しかしながら、拡散による混合は、フィックの法則によって規定され、濃度勾配、距離及び時間の関数である。濃度勾配は、ミキサー入力によって規定される。半導体用途の場合、本明細書では、可能な限り短時間で化学物質を混合することが望ましい。これにより、本明細書での設計の運用上の焦点として、1つの変数である距離が残る。
【0015】
本明細書の技術は、マイクロメートル単位の寸法の幅及び深さを有するチャネル内で化学物質を混合するマイクロ流体ミキサーを組み込んでいる(図1A図1C)。このようなチャネルの小さい寸法により、いかなる乱流混合の可能性も排除される。それに応じて、流れは、完全に層流の拡散によって完全に混合する。拡散が起こる、流れに垂直な非常に短い距離により、速い混合がもたらされる。チャネルの長さは、流体の流量と組み合わされて、チャネルの出力における混合品質を予測可能で再現可能な方法で決定する。入力フローの変化は、チャネルを通過した後の出力濃度の予測可能で再現可能な変化をもたらすことになる。これらの属性は、半導体製造にとって所望されるものである。しかしながら、チャネルサイズは、流量を大幅に制限し得る。本明細書の実施形態は、例えば、幅及び深さがマイクロメートルサイズであり(図1A及び図1B)、所望の流量をサポートするために必要な数である、デュアル入力を有する並列チャネルのアレイとして第1のミキサー構成を有することにより、チャネルサイズをスケーリングする。流体層の厚さを画定する軸(図1A及び図1BにおけるY軸)のみがマイクロメートルの範囲にある必要があることを考慮すると、マイクロメートルの深さと、所望の流量をサポートするために十分に大きい幅(図1A及び図1BのZ軸方向における増加)とを有する単一の平坦なチャネルがスケーリングを提供する。
【0016】
別の実施形態は、米国特許出願公開第2016/0250606号明細書に記載されているようなスロットミキサー内のマイクロメートルチャネルサイズを組み合わせている。この実施形態は、図1Cに示すものと同様の入力方向を有する、スケーリングされたバージョンの螺旋混合を含む。スロット高さは、スロット幅に比べて比較的大きくなるようにスケーリング/拡張されている。ストリームが層状になって混合される中央チャンバに化学物質を送達するスロット幅を減少させることにより、単一の混合ステージのみが必要な程度まで混合品質を向上させることができ、混合チャンバからノズルまでの下流における体積を大幅に最小化することができる。スロット幅が減少するにつれて流れ断面積も減少し、その結果、流れが減少する。いくつかの実施形態は、中央チャンバに供給するスロットの数を増加させることによってこれに対処する。複数の供給スロットは、混合品質を維持しながら、ある濃度から別の濃度への速い移行を補助する。別の実施形態は、図1Cに示すタイプのスロットミキサーの並列アレイを含む。
【0017】
本明細書の実施形態は、ミキサーへの化学物質の精密な供給を組み込むことができる。ミキサーへの2つ以上の供給ラインを構成することができ、ミキサーは、2つ以上の入力を含むことができる。様々な化学物質が精密ポンプ又はバルブによって供給され得る。ポンプの場合、細長いブラダーシステムの様々な実施形態が使用され得る。一例を図2に示す。
【0018】
一実施形態では、ミキサーは、線形流体流路を画定する細長いブラダーを含む第1の流体供給ラインを含み、細長いブラダーは、横方向に膨張し、且つ第1のプロセス流体のチャージを収集し、及び横方向に収縮して、選択された体積の第1のプロセス流体をミキサーに送達するように構成されている。このシステムは、細長いブラダーユニットとミキサー入力との間に制御バルブを含むことができる。この構成により、バルブが閉じ、細長いブラダーが再チャージされることが可能になる。そのようなバルブは、サックバック機能又は機構を任意選択で含み得る。一定圧力の供給は、加圧された化学物質供給容器によって提供され得る。細長いブラダーは、デジタル制御され、ミキサーへの化学物質の供給に対する精密制御を提供する。ミキサー出力の化学組成の精密制御は、ミキサー入力の精密制御によって実現される。化学物質の純度を改善させるために、細長いブラダーユニットの上流に配置されたフィルタを含めることができる。バルブは、細長いブラダーユニットの上流に配置することができ、任意選択で、フィルタが存在する場合にはフィルタの前に配置することができる。このバルブは、ブラダーユニットがミキサー及びノズルを介して分配しているときに逆流を防止するために使用することができる。
【0019】
代替として、液体化学物質を供給するブラダーユニットは、ブラダーユニットとミキサー入力との間に制御バルブがなくても機能し得る。メニスカス制御を有するノズルを含めて、ブラダーユニットの再チャージ中又は分配間でメニスカスを所望の場所に維持することができる。ミキサー及びノズルへの供給ラインが2つ以上ある場合、各供給ラインを連続的な順序制御で再チャージすることができる。ノズルでのサックバックは、1つ以上のブラダーユニットによって実装することができる。ブラダーユニットの上流に配置されたフィルタは、化学物質の純度を改善させることができる。ブラダーユニットの上流でフィルタ(含まれている場合)の前に配置された任意選択のバルブを使用して、ブラダーユニットがミキサー及びノズルを介して分配しているときに逆流を防止することができる。
【0020】
他の実施形態は、例えば、ブラダーユニットの代わりに、空気圧駆動又は電気駆動のいずれかによる調整可能バルブを使用して、ミキサーへの化学物質の入力フローを制御することができる。これらのバルブは、バルブを通る最大流れを制限する速度制御器及び/又は調整可能停止器を含むことができる。バルブの順序制御により、所与の分配中に化学物質Aから化学物質Bへの又はその逆のフェーズ変化が可能になる。速度制御により、分配中の化学物質の配合が可能になる。バルブ機能としてサックバック制御が含まれても又は含まれなくてもよい。流体を押し出すために、バルブの後ろに一定の又は可変の圧力供給が利用可能でなければならない。
【0021】
本明細書のミキサーは、分配ノズル自体に緊密に連結されるか又はそれと一体化され得る。最小で約150μmのスロットを作製するために、ワイヤ放電加工(ワイヤEDM)を使用することができるか、又はエッチング若しくは付加製造などの他の技術を使用することができる。いくつかの半導体分配用途では、150μmのスロット幅は、大き過ぎて、単一ステージで混合物の均一性目標を達成できない可能性がある。これらの用途では、2つのミキサーを直列に配置して、300mmウェハの従来の膜仕様を満たすことができる。技術は、半導体製造における金属汚染を回避するために、非金属ミキサーを使用することから恩恵を受け得る。
【0022】
デュアルステージの実施形態は、いくつかの用途に使用することができるが、分配中に化学物質含有量の動的変化を必要とする用途にについて、ミキサーの内部容積は、大き過ぎる可能性がある。ある種のフォトレジスト化学物質は、非常に高価な場合がある。この費用により、製造業者は、分配体積を1ml未満に削減するようになった。動的に変化する濃度は、フォトレジストの分配体積を削減する1つの手段である。2つの化学物質が最初に混合するポイントからノズル出力までの体積は、濃度の変化を出力するために分配液内で移動しなければならない体積を表す。この体積が大き過ぎると、変更がノズル出力に至る前に分配が終了する可能性がある。
【0023】
単一ステージの実施形態を図3に示す。2つの供給ラインがそれぞれの供給ライン及び/又はブラダーユニットから2つの化学物質の流れを提供する。これらの供給ラインは、フレアチューブ接続を使用するキャップ又は他の接続技術を使用して所定位置にクランプされ得る。次いで、流路は、ベースブロックに入る。PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)のベースブロックを使用することは、テフロン(登録商標)又はPFA(ペルフルオロアルコキシアルカン)と比較して耐化学性及び強度が高いために有益である。ミキサー又はミキシング本体は、石英から作製され得、ベースブロック内に挿入される。ベースブロックとミキサーとの両方が比較的硬い材料で作製されているため、テフロンなどのより柔らかく、より適合した材料を面間のガスケットとして使用することができる。封止に役立つように、石英ミキサーの前面に溝が機械加工され得る。石英ミキサーは、ベースブロック内にねじ込む圧縮ねじ又は他の取り付け機構により所定位置に保持及び封止され得る。このようなねじをPCTFEから作製して、ねじ山に強度を付与し、且つ封止のための圧縮力を伝達することもできる。これらの2つの部品間に第2のテフロンガスケットが使用され得る。いくつかの実施形態では、テフロンガスケットは、別個の部品であり得る。代替として、組み立てを容易にするために、テフロンガスケットは、石英又は嵌合するPCTFE構成要素に溶融され得る。
【0024】
上部ガスケット及び石英ミキサーのための位置合わせピンを使用して、流れを制限することなく部品が適切に位置合わせされることを確実にすることができる。圧縮ねじは、従来のノズルを収容するねじ山を簡便に提供することもできる。このアセンブリは、比較的小型である。非限定的な例として、石英ミキサーは、長さが16.35mm及び直径が8.8mmであり得る。ミキサーチャンバの容積は、約0.017mlである。ガスケット及び圧縮ねじを通るフローシャフトの容積は、約0.012mlである。従来のノズルを通るフローシャフトは、約0.020mlであり、これは、任意選択で減らすことができる。最初の混合ポイントからノズル出力まで約0.049mlの流路容積があり、これにより0.2~2mlの分配範囲内での濃度変動が可能になる。
【0025】
図4A及び図4Bに示すように、ミキサー構成要素は、2つのフロー入力を分割し、それらを下部ミキサーセクションの4つの入力に導く上部を組み込んだモノリシック構成要素として具体化される。他の実施形態では、特定の最終用途又は望ましい流量に応じて、追加の入力を使用して流量を改善することができる。これらの4つのチャネルのそれぞれは、接線方向の狭いスロットにより中央の混合チャンバに供給される。スロット幅は、60μm~90μmの幅で製造され得る。チャネルの高さは、約5mmであり得る。石英ミキサーは、付加製造又はエッチングなどで作製され得る。例えば、レーザー及び化学エッチングプロセスにより、石英部品の内部に内部通路がエッチングされ得る。上部と下部とを別個の部品として製造し、溶融して単一の部品を作製することができる。図4A及び図4Bに示すようなミキサー構成要素を積み重ねることにより、増加した体積流れが実現され得る。ミキサー構成要素を積み重ねることは、チャネル高さを増加させることにも相当する。チャネル高さを直接増加させることもできる。より多くの流れが必要である場合、ミキサーユニットを並列に配置することもできる。
【0026】
別の構成では、ミキサーは、スタックミキサーとして組み立てられ、その場合、シリコンウェハを通してミキサーがエッチングされ、次いでシリコンウェハが積み重ねられ、PTFEガスケットと組み合わされる。図5A及び図5Bは、このアセンブリを示す。マイクロ流体スロットミキサーをディスクのセットと組み合わせることにより、最小10ミクロン以下のスロット幅を実現することができる。
【0027】
別の実施形態では、スロットミキサーをz軸方向に分離して、2D拡散を可能にすることができる。例えば、図6は、長方形であるスロットの断面を示す。この長方形を一連の正方形又はより小さいスロットに分離することにより、流体は、垂直方向及び水平方向に拡散することができる。このような入力は、互いにずらして配置するか、交互に配置するか、又は単一の矩形スロットの代わりに使用することができる。また、第1の入力を第2の入力に対してずらすことができる。
【0028】
ここで、図7を参照すると、完全な分配システムが示されている。図7では、ミキサーは、濃度チューナと呼ばれる。このシステムのオンツール生産の実現に全ての構成要素が必要なわけではなく、したがって多くの選択肢及び変形形態が企図される。
【0029】
それに応じて、本明細書における様々な方法は、化学物質を、動的に変化する比率、フェーズで変化する比率又は静的な比率で混合することができる。1つ又は複数のブラダーベースの流体送達ラインを使用することができる。流体は、マイクロ流体ミキサーを使用して予備配合され、次いで分配のために保持され得る。第2の流体が第1の流体にパルス状に送られ得る。様々な混合モードを構成することができる。石英ミキサーは、分配ノズルに隣接して配置され得る。円筒形混合チャンバの場合、円錐形部材は、チャンバの上部にある流体不感帯を埋めることができる。本明細書における技術により、ノズル先端を20mmから約3mmに減らすことができる。均一性の点で役立つように、追加の溶媒が混合された予備混合されたレジストを1つのラインで使用することができる。
【0030】
本明細書における均一性は、所与の膜のウェハエッジからウェハ中央までの厚さの変動を指し得る。換言すれば、本明細書の技術は、より平坦な膜を実現することに役立つ。例えば、所与の膜厚は、70nmを目標としているが、ウェハエッジでは、エッジでの厚さが数ナノメートル小さい可能性がある。外側エッジで脱落するレジストの量を減らすことにより、しかし、本明細書における配合技術を用いて例えば分配中に溶媒をパルス状に配合することにより、厚さの均一性を維持することができる。他の技術では、様々なタイプのポンプを用いた圧力ベースのバルブタイミングを使用することができる。それに応じて、本明細書では、ウェハ全体にわたるレジスト厚の均一性を実現することができる。
【0031】
本明細書における技術の他の態様は、均一性及びレジスト使用の改善を可能にする。フォトリソグラフィプロセスでは、フォトレジストが薄膜として基板(ウェハ)に塗布される。従来のフォトレジストは、以下を含む3成分材料である:(1)バインダとして機能し、膜の機械的性質を確立する樹脂;(2)光活性化合物(PAC)である増感剤;及び(3)処理中の基板に塗布されるまで樹脂を液体状態に保つ溶媒。典型的なスピンコートプロセスは、液体フォトレジストのたまりを基板の中央に堆積させ、次いで基板を高速(典型的には約1500rpm)で回転させることを伴う。求心加速度により、レジストが基板エッジまで広がり、最終的に基板から離れて、表面にレジストの薄膜が残る。最終的な膜厚及び他の特性は、レジストの性質(粘度、乾燥速度、固形分パーセント、表面張力など)及びスピンプロセスのために選択されたパラメータに依存することになる。最終回転速度、加速度、溶媒蒸発などの要因は、コーティングされた膜の性質がどのように規定されるかを決定することに寄与する。スピンサイクル中のレジストの乾燥速度は、主に溶媒の揮発性に依存する。レジスト中の溶媒成分は、蒸発速度が速く、それによりレジストが基板エッジに到達する前に膜が乾燥する。これを補うために、従来のシステムは、単にウェハを覆うために必要な体積よりも遥かに多くのフォトレジストを分配することにより、極めて大量の材料を無駄にしている。液体フォトレジストのコストは、非常に高いため、これは、半導体製造において大きいコスト要因となる。
【0032】
溶媒蒸発は、フォトレジストのカバレッジの主要な要因であると判断されており、消費量の更なる削減への障害となっている。レジスト分配量を低減させるための従来の方法は、フォトレジストをスピンコーティングする前にリンス溶媒を分配することである。レジスト分配前の溶媒分配は、「レジスト消費削減(RRC)」溶媒と呼ばれる。しかしながら、RRCプロセスは、課題及び制限を有する。溶媒は、容易に蒸発し、したがって、ウェハエッジのRRC溶媒は、ウェハ中央のRRC溶媒よりも少なく、それにより分配体積が少ない場合にレジストカバレッジが不十分になる場合がある。加えて、RRCプロセスは、大量の溶媒を使用し、リソグラフィコストを増加させ、扱いにくい化学廃棄物を生成する。上記を考慮すると、レジストの消費コストを更に削減するために、且つ扱い易い化学物質を使用することにより環境を保護するために、コーティング厚の均一性を改善しながら、レジスト分配量を更に低減させる必要がある。
【0033】
本明細書の実施形態は、高品質の膜を生成しながらレジスト分配量を低減させる化学物質分配装置を提供する。溶媒/レジスト混合物のユースポイントでの動的分配が使用される。使用することができる溶媒のいくつかの例には、PGMEA、OK73、PGEE、シクロヘキサノン、4M2Pなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0034】
RRCプロセスは、単一の分配で再現することができ、これには2つの利点がある。第1に、単一の分配の使用は、総処理時間を削減し、ウェハのスループットを改善する。第2に、一次溶媒分配液からの蒸発は、局所的環境を溶媒蒸気で飽和させることに役立ち、それによりレジスト分配からの溶媒蒸発が低減する。2つの分配間の遅延をなくすことにより、溶媒蒸気がウェハ表面から拡散する時間が短くなるため、この効果は、強化される。
【0035】
本明細書に記載のハードウェアは、第2の塗布を可能にし、その第2の塗布では、分配が溶媒のみで始まり、ウェハを濡らすことになる前縁部を提供し、溶媒からレジストへの短時間の配合が続いた後、純粋なレジスト分配が行われる。この方法は、早過ぎる乾燥に曝されるレジストの前縁部に余分な体積の溶媒を提供し、それにより流れがウェハエッジに到達するまで液体の適切な粘度が依然として維持される。混合比率は、1%~99%の溶媒/レジスト又はレジスト/溶媒の範囲であり得る。例示的な量は、0.1~1.0ccの純粋なレジストの体積であり、図8を参照されたい。
【0036】
本明細書に記載されるハードウェアは、単一の化学物質(レジスト、現像剤、リンス剤、金属又は非金属溶液、有機又は無機溶液など)濃度を使用し、溶媒又は他の化学物質中に均一に配合して、異なる粘度又は他の液体性質を得ることができる。フォトレジストの場合、これを使用して、単一の液体フォトレジストソースから様々なレジスト厚を生成できる。更に、この濃度を分配中に動的に変化させて、いかなる所望の効果をもたらすこともできる。
【0037】
本明細書に記載されるハードウェアを使用して分配液中での可変配合を提供して、TMAH/DI水フォトレジスト現像プロセス中のpHの速い変化による悪影響を排除するなど、化学物質の急速な変化による望ましくない影響を低減させることができる。フォトレジスト現像液が純粋なDI水でウェハから洗い流された場合、フォトレジストの残留物が残る可能性がある。pHレベルの速い低下により、溶解したレジストの一部が溶液から析出し、ウェハ上にレジスト残留物が残る。これは、本明細書に開示される技術によって回避される(図9A図9Bを参照されたい)。
【0038】
本明細書で説明するハードウェアは、化学混合物及び溶液であって、溶液が不安定であり、溶液が非常に短時間で反応するか、分解するか又は溶液から析出するという事実に起因して以前には生産に使用できなかった化学混合物及び溶液の実現を可能にする。ここで、反応性成分をユースポイントにおいて直接混合することにより、これらの化学物質を、化学物質の貯蔵寿命に関する懸念なしに生産時に分配することができる。
【0039】
本明細書に記載される実施形態は、2つ以上の化学物質を一度に均一に混合するために使用することができる。更に、厚さの均一性、全体的な及び局所的なウェハ平坦化、表面相互作用の調節、コンフォーマルコーティングなどの任意の特定の膜性質を調整するために、単一の分配中で混合化学物質又は純粋化学物質の任意の組み合わせ又は順序を提供することができる。
【0040】
前述の説明では、プロセスシステムの特定の形状並びにそこで使用される様々な構成要素及びプロセスの説明など、特定の詳細について説明してきた。しかしながら、本明細書における技術は、これらの特定の詳細から逸脱する他の実施形態で実施され得、そのような詳細は、説明のためのものであり、限定のためのものではないことを理解されたい。本明細書で開示される実施形態について、添付の図面を参照して記載してきた。同様に、説明の目的で、詳細な理解を提供するために特定の数字、材料及び構成について述べてきた。しかしながら、実施形態は、そのような具体的な詳細なしに実施され得る。実質的に同じ機能的構成を有する構成要素は、同様の参照符号によって示され、したがっていかなる冗長な説明も省略される場合がある。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】