(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-30
(54)【発明の名称】電力増幅器内の熱管理用の水冷プレート
(51)【国際特許分類】
H01L 23/473 20060101AFI20220623BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20220623BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
H05K7/20 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564873
(86)(22)【出願日】2020-04-27
(85)【翻訳文提出日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 US2020030103
(87)【国際公開番号】W WO2020226929
(87)【国際公開日】2020-11-12
(32)【優先日】2019-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ガウタム, リブー
(72)【発明者】
【氏名】ジュプディ, アナンクリシュナ
(72)【発明者】
【氏名】ラマチャンドラン, ビノド
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA06
5E322DA04
5E322FA01
5F136CB07
5F136CB08
5F136CB27
5F136DA27
5F136FA01
5F136FA02
5F136FA03
(57)【要約】
固体電力増幅器用の冷却プレートのための方法及び装置が、本明細書において提供される。幾つかの実施形態では、固体電力増幅器の冷却プレートが、第2の側壁の反対側の第1の側壁及び第4の側壁の反対側の第3の側壁を有する、矩形状の本体、複数の熱を生成する超小型電子部品を取り付けるように構成された、本体の第1の側面に配置された複数の孔、並びに、本体内に配置され、第1の側壁に配置された第1のポートから第1の側壁に配置された第2のポートまで延在する、複数のセグメントを有するチャネルを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体電力増幅器の冷却プレートであって、
第2の側壁の反対側の第1の側壁及び第4の側壁の反対側の第3の側壁を有する、矩形状の本体、
複数の熱を生成する超小型電子部品を取り付けるように構成された、前記本体の第1の側面に配置された複数の孔、並びに
前記本体内に配置され、前記第1の側壁に配置された第1のポートから前記第1の側壁に配置された第2のポートまで延在する、複数のセグメントを有するチャネルを含む、冷却プレート。
【請求項2】
前記第1のポートは出口に一致し、前記第2のポートは入口に一致する、請求項1に記載の冷却プレート。
【請求項3】
前記チャネルは、約4.0mmから約15.0mmの直径を有する、請求項1に記載の冷却プレート。
【請求項4】
前記第1の側壁と前記第2の側壁との間の距離が、約300.0mmから約700.0mmである、請求項1に記載の冷却プレート。
【請求項5】
前記複数のセグメントは、取り付け領域内で互いに対して平行に延在し、互いに対して平行に延在する隣接したセグメントは、反対方向に冷却剤を流すように構成されている、請求項1に記載の冷却プレート。
【請求項6】
前記本体は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、又は銀(Ag)を含む、請求項1に記載の冷却プレート。
【請求項7】
前記複数のセグメントは、前記第1のポートから前記第2の側壁に向けて第1の接合部へ前記第3の側壁に近接するように沿って延在する第1のセグメント、前記第1の接合部から前記第4の側壁に向けて第2の接合部へ延在する第2のセグメント、及び前記第2の接合部から前記第2のポートに向けて延在する第3のセグメントを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の冷却プレート。
【請求項8】
前記第3のセグメントは、前記第2の接合部から前記第2のポートに向けて第3の接合部へ延在し、前記複数のセグメントは、前記第3の接合部から前記第3の側壁に向けて第4の接合部へ延在する第4のセグメント、前記第4の接合部から前記第1の側壁に向けて第5の接合部へ延在する第5のセグメント、前記第5の接合部から前記第4の側壁に向けて第6の接合部へ延在する第6のセグメント、及び前記第6の接合部から前記第2のポートに延在する第7のセグメントを更に含む、請求項7に記載の冷却プレート。
【請求項9】
前記第2のセグメント、前記第4のセグメント、及び前記第6のセグメントは、互いに対して実質的に平行である、請求項8に記載の冷却プレート。
【請求項10】
請求項1に記載の冷却プレートを備える固体電力増幅器であって、前記複数の熱を生成する超小型電子部品が、前記冷却プレートに取り付けられ、前記熱を生成する超小型電子部品のうちの少なくとも幾つかが、電界効果トランジスタを含む、固体電力増幅器。
【請求項11】
固体電力増幅器を冷却する方法であって、
冷却プレート内に入口から出口まで延在するチャネルを生成するために、前記冷却プレートの側壁に穿孔することを含み、前記冷却プレートは、複数の熱を生成する超小型電子部品を取り付けるように構成された第1の側面を有し、前記チャネルは、冷却液を循環させるように構成され、
前記方法は更に、冷却剤源から前記チャネルを通して冷却液を流すことを含む、方法。
【請求項12】
前記冷却液を流すことは、水、脱イオン水、又はエチレングリコール(CH
2OH)
2のうちの少なくとも1つを流すことを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記冷却液は、摂氏約5.0度から摂氏約25.0度の温度を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記冷却液を流すことは、分当たり約3.0リットルから約12.0リットルの流量で、前記冷却液を循環させることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記入口又は前記出口に一致しない前記冷却プレートの側壁の開口部において、前記チャネルをプラグで塞ぐことを更に含む、請求項11から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は、広くは、電力増幅器用の冷却プレートに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 固体電力増幅器(SSPA)のような電力増幅器は、マイクロ波及び高周波(RF)用途向けの電力増幅を提供する。SSPAには、熱を生成する超小型電子部品が含まれる。典型的には、強制空気対流が、SSPAを冷却するために使用される。しかし、より高い電力(>200W)のコンパクトサイズのSSPAにとって、強制空気対流は高い熱放散には制限がある。
【0003】
[0003] したがって、本発明者らは、SSPAを冷却するための改善された方法及び装置を提供した。
【発明の概要】
【0004】
[0004] 固体電力増幅器用の冷却プレートのための方法及び装置が、本明細書において提供される。幾つかの実施形態では、固体電力増幅器の冷却プレートが、第2の側壁の反対側の第1の側壁及び第4の側壁の反対側の第3の側壁を有する、矩形状の本体、複数の熱を生成する超小型電子部品を取り付けるように構成された、本体の第1の側面に配置された複数の孔、並びに、本体内に配置され、第1の側壁に配置された第1のポートから第1の側壁に配置された第2のポートまで延在する、複数のセグメントを有するチャネルを含む。
【0005】
[0005] 幾つかの実施形態では、固体電力増幅器が、複数の熱を生成する超小型電子部品を取り付けるように構成された第1の側面、及び冷却プレート内に配置され且つ入口から出口まで延在するチャネルを有する。入口及び出口は、冷却プレートの第1の側壁に配置される。チャネルは、冷却剤を循環させるように構成される。冷却プレートは、約15.0mmから45.0mmの厚さを有する。
【0006】
[0006] 幾つかの実施形態では、固体電力増幅器を冷却する方法が、冷却プレート内に入口から出口まで延在するチャネルを生成するために、冷却プレートの側壁に穿孔することを含む。冷却プレートは、複数の熱を生成する超小型電子部品を取り付けるように構成された第1の側面を有する。チャネルは、冷却液を循環させるように構成される。方法は更に、冷却剤源からチャネルを通して冷却液を流すことを含む。
【0007】
[0007] 本開示の他の実施形態及び更なる実施形態について、以下で説明する。
【0008】
[0008] 上記で簡潔に要約され、以下でより詳細に説明される本開示の実施形態は、添付の図面に示す本開示の例示的な実施形態を参照することにより、理解することができる。しかし、本開示は他の等しく有効な実施形態を許容し得ることから、付随する図面は、本開示の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、範囲を限定するものと見なすべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】[0009] 本開示の幾つかの実施形態による冷却プレートの概略上面図である。
【
図2】[0010] 冷却プレートの片側に沿った
図1の冷却プレートの斜視図である。
【
図3】[0011] 冷却プレートの異なる側に沿った
図1の冷却プレートの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0012] 理解を容易にするために、可能な場合には、図に共通する同一の要素を指し示すのに同一の参照番号を使用した。図は縮尺どおりではなく、分かり易くするために簡略化されていることがある。一実施形態の要素及び特徴は、更なる記述がなくても、他の実施形態に有益に組み込まれ得ると想定されている。
【0011】
[0013] 固体電力増幅器(SSPA)用の冷却プレートのための方法及び装置の実施形態が、本明細書で提供される。SSPAは、複数の熱を生成する超小型電子部品を含む。幾つかの実施形態では、複数の熱を生成する超小型電子部品が、約5.0~7.0ギガヘルツのマイクロ波周波数範囲において、約0.03ワットのマイクロ波入力から800ワットより大きいマイクロ波出力を提供するように構成される。幾つかの実施形態では、複数の熱を生成する超小型電子部品が、電界効果トランジスタ(FET)を含む。本明細書で提供される方法及び装置では、冷却プレートが、SSPAを冷却するために内部で冷却剤を流すように構成されたチャンネルを含む。幾つかの実施形態では、チャネルが、複数の熱を生成する超小型電子部品のレイアウトに従って構成される。有利なことに、冷却プレートはコンパクトに設計されている。有利なことに、チャンネルが、冷却プレートの本体内に穿孔し、孔を接続することによって作製され、高価な溶接オプションを使用しないので、冷却プレートは、費用効率に優れた設計となっている。有利なことに、チャネルは、続いて、チャネルを密封するために入口又は出口に一致しない箇所でプラグによって塞ぐことができる。
【0012】
[0014]
図1は、本開示の幾つかの実施形態による冷却プレートの概略上面図である。冷却プレートは、本体100の第1の側面104上に複数の熱を生成する超小型電子部品を取り付けるのに適した形状を有する本体100を含む。幾つかの実施形態では、本体100が矩形状を有する。幾つかの実施形態では、本体100が、約15.0mmから約45.0mmの厚さを有する。幾つかの実施形態では、本体が、良好な熱伝導率を有する材料で形成される。幾つかの実施形態では、本体が、約150W/m-K以上の熱伝導率を有する。幾つかの実施形態では、本体が、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、又は銀(Ag)を含む。
【0013】
[0015]
図1で示されているように、本体100は、第2の側壁120の反対側の第1の側壁110及び第4の側壁140の反対側の第3の側壁130を含む。幾つかの実施形態では、本体100が、第3の側壁130から第4の側壁140までの距離によって規定される、約350.0mmから約500.0mmの幅を有する。幾つかの実施形態では、幅が、SSPAを19.0インチのラック上に取り付けるのに適している。幾つかの実施態様では、本体100が、第1の側壁110から第2の側壁120までの距離によって規定される、約300.0mmから約700.0mmの長さを有する。幾つかの実施形態では、長さが、約500.0mmから約700.0mmである。本体100は、第1の側壁110に近接する第1の部分152、及び第2の側壁120に近接する第2の部分154を含む。
図1では矩形として示されているが、冷却プレートは、他の幾何学的形状を有する本体100を有してもよい。
【0014】
[0016] 幾つかの実施形態では、第1の部分152が、SSPAの部品を収容するように構成された凹部174を含む。幾つかの実施形態では、第1の部分152が、SSPAの部品を収容するように構成された、本体100を貫通して延在する1以上の切り欠き176を含む。幾つかの実施形態では、第2の部分154が、SSPAの部品を収容するように構成された凹部172を含む。幾つかの実施形態では、本体100が、SSPAの他の部品への本体100の結合を容易にするように構成された、本体100の第1の側面104の周辺縁部に近接する複数の開口部178を含む。
【0015】
[0017] 本体100は、本体100内に配置された複数のセグメント150を有するチャネル102を含む。チャネル102は、冷却剤源180に結合される。動作では、冷却剤源180内に配置された冷却液が、SSPAを冷却するために本体100を通して流される。幾つかの実施形態では、本体100を通る冷却剤の流量が、入口冷却剤温度に基づいて計算される。幾つかの実施形態では、冷却液が水である。幾つかの実施形態では、冷却液が、脱イオン水、エチレングリコール(CH2OH)2、水とエチレングリコール(CH2OH)2との混合物、又は任意の他の適切な冷却剤を含む。幾つかの実施形態では、冷却液が、摂氏約5.0から約25.0度の温度を有する。幾つかの実施形態では、冷却液が、分当たり約3.0リットルから約12.0リットルの速度で、本体100を通して流される。幾つかの実施形態では、冷却液が、分当たり約6.0リットルから約8.0リットルの速度で、本体100を通して流される。
【0016】
[0018] 幾つかの実施形態では、チャネル102が、第1の側壁110に配置された第1のポート106から、第1の側壁110に配置された第2のポート108まで延在する。幾つかの実施形態では、第1のポート106が、第3の側壁130に近接する。幾つかの実施形態では、第2のポート108が、第4の側壁140に近接する。幾つかの実施形態では、第1のポート106が出口に一致し、第2のポート108が入口に一致する。幾つかの実施形態では、第1のポート106が入口に一致し、第2のポート108が出口に一致する。幾つかの実施形態では、チャネル102が、約4.0mmから約15.0mmの直径を有する円形断面を有する。
【0017】
[0019] チャネル102の複数のセグメント150は、第1のポート106から第2の側壁120に向けて第1の接合部132へ延在する第1のセグメント112を含む。幾つかの実施形態では、第1のセグメント112が、第3の側壁130に近接して配置される。複数のセグメント150は、第1の接合部132から第4の側壁140に向けて第2の接合部134へ延在する第2のセグメント114を含む。幾つかの実施形態では、複数のセグメント150が、第2の接合部134から第2のポート108に延在する第3のセグメント116を含む。幾つかの実施形態では、複数のセグメント150が、第2の接合部134から第3の接合部136に延在する第3のセグメント116、第3の接合部136から第3の側壁130に向けて第4の接合部138へ延在する第4のセグメント118、第4の接合部138から第1の側壁110に向けて第5の接合部142へ延在する第5のセグメント122、第5の接合部142から第4の側壁140に向けて第6の接合部144へ延在する第6のセグメント124、及び第6の接合部144から第2のポート108に延在する第7のセグメント126を含む。有利なことに、複数のセグメント150は、熱を生成する超小型電子部品のより高い密度に対応するエリアにおいて、より多くの冷却を提供するように配置される。
【0018】
[0020] 幾つかの実施形態では、第2のセグメント114、第4のセグメント118、及び第6のセグメント124が、互いに対して実質的に平行である。幾つかの実施形態では、第1のセグメント112、第3のセグメント116、第5のセグメント122、及び第7のセグメント126のうちの少なくとも2つが、互いに対して実質的に平行である。幾つかの実施形態では、互いに対して平行に延在する複数のセグメント150のうちの隣接するセグメントが、冷却剤を反対方向に流すように構成される。有利なことに、冷却剤を反対方向に流すことは、それらの領域においてより多くの冷却を提供する。例えば、第2のセグメント114は、第4のセグメント118内の冷却剤の流れと反対方向に冷却剤を流すように構成される。
【0019】
[0021]
図2及び
図3は、
図1の冷却プレートの斜視図である。幾つかの実施形態では、第2の部分154が、複数の熱を生成する超小型電子部品を取り付けるように構成されたネジ孔202を有する取り付け領域204を含む。複数のセグメント150は、取り付け領域204に対応する。幾つかの実施形態では、第2のセグメント114が、第2の接合部134を通って第4の側壁140内の第1の開口部210に延在する。幾つかの実施形態では、第4のセグメント118が、第3の接合部136を通って第4の側壁140内の第2の開口部220に延在する。幾つかの実施形態では、第6のセグメント124が、第6の接合部144を通って第4の側壁140内の第3の開口部230に延在する。幾つかの実施形態では、チャネル102を密封するために、第4の側壁140に隣接する第2のセグメント114、第4のセグメント118、及び第6のセグメント124の各々の中に、プラグ168が配置される。
【0020】
[0022] 幾つかの実施形態では、複数のセグメント150が、第2の側壁120の開口部304から第2の接合部134又は第3の接合部136に延在する第1のガイドチャネル148を含む。幾つかの実施形態では、第1のガイドチャネル148が、凹部172によって第1のガイドチャネル148の残りの部分から分離された上側部分146を含む。凹部172を有する幾つかの実施形態では、第1のガイドチャネル148が、第2の側壁120の開口部304と整列した凹部172の側壁の開口部308を含む。幾つかの実施形態では、チャネル102を密封するために、開口部308に隣接する第1のガイドチャネル148内にプラグ168が配置される。
【0021】
[0023] 幾つかの実施形態では、複数のセグメント150が、第4の接合部138から凹部174に延在する第2のガイドチャネル156を含む。幾つかの実施形態では、チャネル102を密封するために、第2のガイドチャネル156が凹部174に隣接したプラグ168を含む。幾つかの実施形態では、チャネル102が、本体100の側壁を穿孔することによって生成される。幾つかの実施形態では、第2のセグメント114、第4のセグメント118、第5のセグメント122、及び第6のセグメント124を生成するために、本体100に穿孔する前に、第1のガイドチャネル148及び第2のガイドチャネル156を生成するために、本体100が穿孔される。チャネル102は、続いて、入口又は出口に一致しない任意の側壁又は凹部に隣接する箇所でプラグによって塞がれ得る。
【0022】
[0024] 上記は本開示の実施形態を対象とするが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態及び更なる実施形態を考案してもよい。
【国際調査報告】