(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-01
(54)【発明の名称】半導体デバイス製造における金属の電着中のシード層の保護
(51)【国際特許分類】
H01L 21/768 20060101AFI20220624BHJP
C25D 7/00 20060101ALI20220624BHJP
C25D 7/12 20060101ALI20220624BHJP
C25D 5/34 20060101ALI20220624BHJP
C23C 14/14 20060101ALI20220624BHJP
C23C 16/18 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
H01L21/90 A
C25D7/00 J
C25D7/12
C25D5/34
C23C14/14 D
C23C16/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564416
(86)(22)【出願日】2020-04-24
(85)【翻訳文提出日】2021-12-24
(86)【国際出願番号】 US2020029908
(87)【国際公開番号】W WO2020223130
(87)【国際公開日】2020-11-05
(32)【優先日】2019-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ズー・フアンフェン
(72)【発明者】
【氏名】レイド・ジョナサン・デヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ・ジアン
(72)【発明者】
【氏名】マジド・タリク
【テーマコード(参考)】
4K024
4K029
4K030
5F033
【Fターム(参考)】
4K024AA09
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4K030LA15
5F033JJ11
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5F033XX03
(57)【要約】
【解決手段】保護層が、電気めっきの前に、半導体基板上の銅シード層の上に形成される。保護層は、銅シード層を電気めっきの初期段階中の酸化および電解質への溶解から保護することが可能である。保護層は、いくつかの実施形態では、銅シード層が大気に接触すること、ならびに大気中の酸素および/または水分によって酸化されることを防止する。保護層は、銅よりも貴でない金属(例えば、コバルト)を含み、金属は、めっき液に容易に可溶する酸化形態であることができる。一実施形態では、保護コバルト層が、銅シード層を大気に曝すことなく、銅シード層の上への化学気相堆積によってコバルト金属を堆積し、続いて基板が大気に曝された後にコバルトをコバルト酸化物に酸化することによって形成される。得られた保護層は、電気めっき中に溶解される。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板を処理する方法であって、
(a)半導体基板を提供し、前記提供される半導体基板は、少なくとも1つの凹型フィーチャを有し、前記少なくとも1つの凹型フィーチャの側壁上に少なくとも露出する銅シード層を備え、
(b)前記銅シード層の上に保護層を形成することを備え、前記保護層は、銅よりも貴でない金属を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記保護層は、コバルト、スズ、亜鉛、および鉄からなる群から選択される金属を含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記保護層は、コバルト層である、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
(b)は、化学気相堆積(CVD)または原子層堆積(ALD)を使用してコバルト保護層を形成することを備える、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
(b)は、物理気相堆積(PVD)を使用してコバルト保護層を形成することを備える、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
(a)は、前記銅シード層を堆積することを備え、(b)は、コバルト保護層を堆積し、前記銅シード層が堆積された後、かつ前記コバルト保護層が堆積される前に前記基板が大気に曝されないようにすることを備える、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、
前記銅シード層は、PVDによって堆積され、前記コバルト保護層は、CVDによって堆積される、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記保護層は、共形的に堆積され、前記少なくとも1つの凹型フィーチャの前記側壁で前記銅シード層を覆う、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記保護層は、前記半導体基板のフィールド領域の上に(b)において堆積され、それにより前記少なくとも1つの凹型フィーチャの開口部を覆うことで、前記少なくとも1つの凹型フィーチャの前記側壁上の前記銅シード層が大気に接触することを防止する、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
(b)の後に、前記半導体基板を大気に曝し、銅を前記少なくとも1つの凹型フィーチャに電着することをさらに含み、前記保護層は、銅の前記電着中に実質的に溶解される、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
(b)において堆積された前記保護層は、コバルト保護層であり、コバルトは、前記大気への曝露後に酸化されてコバルト-酸素結合を形成する、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、
(b)において堆積された前記保護層の厚さは、約10~50Åである、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、
(b)において堆積された前記保護層の前記厚さは、約10~20Åであり、前記銅シード層の厚さは、前記少なくとも1つの凹型フィーチャの前記側壁において約20~30Åである、方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、
(a)において提供される前記半導体基板は、前記銅シード層の下にあるコバルト接着層と、前記コバルト接着層の下にある拡散障壁層とをさらに備える、方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの凹型フィーチャは、約20nm以下の幅を有する、方法。
【請求項16】
銅を半導体基板上の凹型フィーチャに電着する方法であって、
(a)銅シード層で裏打ちされている少なくとも1つの凹型フィーチャを有する半導体基板を提供し、前記半導体基板は、前記銅シード層の上にある露出する保護層を備え、前記保護シード層は、銅よりも貴でない金属を備え、
(b)銅イオンを含む酸性電解質と前記半導体基板とを接触させ、前記保護層が実質的に溶解され、銅が前記少なくとも1つの凹型フィーチャに電気めっきされるように前記半導体基板にカソードバイアスをかけること
を備える、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
銅よりも貴でない前記金属は、コバルトであり、コバルトは、電気めっきの前に前記保護層内でコバルト-酸素結合を形成する、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、
前記保護層は、約10~50Åの厚さを有する、方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法であって、
(b)は、前記半導体基板にバイアスをかけることなく、最初に前記半導体基板を前記酸性電解質と接触させることを備える、方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの凹型フィーチャは、約7~14nmの幅を有する、方法。
【請求項21】
請求項19に記載の方法であって、
前記少なくとも1つの凹型フィーチャは、約7~14nmの幅を有し、前記保護層は、前記少なくとも1つの凹型フィーチャの側壁上で約1~2nmの厚さを有する、方法。
【請求項22】
半導体基板を処理するための装置であって、
(a)金属の堆積用に構成されている1つまたは複数のプロセスチャンバと、
(b)前記半導体基板上の銅シード層の上に銅よりも貴でない金属を含む保護層の堆積をもたらすためのプログラム命令を含むコントローラと
を備える、装置。
【請求項23】
請求項22に記載の装置であって、
銅よりも貴でない前記金属は、コバルトであり、前記プログラム命令は、コバルト含有前駆体の反応を使用することによってコバルトの堆積をもたらすための命令を含む、装置。
【請求項24】
請求項22に記載の装置であって、
前記コントローラは、前記保護層の堆積の前に銅シード層の堆積をもたらすためのプログラム命令をさらに含む、装置。
【請求項25】
請求項22に記載の装置であって、
前記装置は、前記銅シード層の堆積用に構成されているPVDプロセスチャンバと、前記保護層の堆積用に構成されているCVDプロセスチャンバとを備え、前記装置は、前記半導体基板を大気に曝すことなく、前記半導体基板を前記PVDプロセスチャンバから前記CVDプロセスチャンバに移送するように構成されている、装置。
【請求項26】
請求項22に記載の装置であって、
前記プログラム命令は、約10~50Åの厚さで前記保護層を堆積するための命令を含む、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による援用
本出願の一部として、本明細書と同時にPCT出願願書が提出される。この同時出願されたPCT出願願書に明記され、本出願が利益または優先権を主張する各出願は、参照によりその全体があらゆる目的で本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、半導体基板上の金属層の電気めっきに関する。より具体的には、本開示は、ダマシン処理における銅の電気めっき中の銅シード層の保護に関する。
【背景技術】
【0003】
ダマシン処理は、集積回路上に金属ラインを形成するための方法である。これには、誘電体層(金属間誘電体)に形成されたトレンチおよびビアに象眼金属ラインを形成することが伴われる。ダマシン処理は、他の方法よりも必要な処理ステップが少なくて済み、歩留まりが高いため、多くの場合に推奨される方法である。また、これはプラズマエッチングによって容易にパターニングすることができない銅などの金属にも特に適している。
【0004】
典型的なダマシンプロセスフローでは、金属(銅など)がパターニングされた誘電体上に電気めっきされ、誘電体層に形成されたビアおよびトレンチを充填する。結果として得られるメタライゼーション層は、典型的には、アクティブデバイスを担持する層または別のメタライゼーション層上のいずれかに直接形成される。ダマシン処理を使用して、いくつかのメタライゼーション層のスタックを形成することができる。このスタックの金属で充填されたラインは、集積回路の導電パスとして機能する。
【0005】
金属がパターニングされた誘電体のビアおよびトレンチに堆積される前に、誘電体層は、拡散障壁材料(例えば、TaNx、TiNx、またはWNx)の薄層で裏打ちされ、続いて、導電性シード層材料(例えば、Cu)の薄層で裏打ちされる。拡散障壁層は、金属間誘電体(IMD)およびアクティブデバイスを、これらの領域への銅および他の容易に拡散する金属の拡散から防止する。シード層(例えば、Cuシード層)は、銅の電気充填動作中に電気的接触が行われる導電層として機能する。Ti、Ta、またはCo層などの湿潤層を拡散障壁層とシード層との間に挟み、拡散障壁材料とシード層材料との間の接着を促進することが可能である。
【0006】
銅の電気めっき中、電気的接触が導電性シード層に対して、典型的には基板の周辺で行われる。基板はカソードバイアスされ、銅イオンと、典型的にはダマシンフィーチャの充填を促進する酸および有機電気めっき添加剤とを含む電解質に浸漬される。
【0007】
電気めっき中、電解質に含まれる銅イオンはカソードバイアスされた基板で還元され、それにより銅が式(1)に従って導電性シード層上に電着される。
【0008】
Cu2+ + 2e- → Cu (1)
【0009】
ダマシンプロセスで充填する必要のある凹型フィーチャのサイズは、デバイスの継続的な小型化に伴い小さくなる。
【0010】
ここで提供される背景の説明は、本開示の内容を概ね提示することを目的とする。この背景技術のセクションで説明されている範囲内における、現時点で名前を挙げられている発明者らによる研究、ならびに出願の時点で先行技術として別途みなされ得ない説明の態様は、明示または暗示を問わず、本開示に対抗する先行技術として認められない。
【0011】
【発明の概要】
【0012】
導電性シード層の完全性は、欠陥のない電着を成功させるために重要である。シード層が損傷しているか不連続である場合、電気めっきによってボイドが形成される可能性がある。この問題は、狭い凹型フィーチャに必要な薄いシード層上で行われる電着中に特に顕著である。本発明の様々な態様において、これらの問題は、電気めっき中に溶解する犠牲膜によりシード層を保護することによって対処される。
【0013】
一態様では、半導体基板を処理する方法が提供される。いくつかの実施形態では、方法は、(a)半導体基板を提供し、提供される半導体基板は、少なくとも1つの凹型フィーチャ(例えば、トレンチおよび/またはビア)を有し、少なくとも1つの凹型フィーチャの側壁上に少なくとも露出する銅シード層を含む、(b)銅シード層の上に保護層を形成することを備えし、保護層は、銅よりも貴でない金属を含むこととを含む。そのような金属の例には、コバルト、スズ、亜鉛、および鉄が挙げられ、金属は、ゼロおよび/または非ゼロ酸化状態にあり得る。いくつかの実施形態では、(a)において提供される基板は、銅シード層の下にあるコバルト接着層と、コバルト接着層の下にある拡散障壁層とをさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの凹型フィーチャの幅は、約20nm以下である。
【0014】
一実施形態では、保護層は、コバルト層である。保護コバルト層は、コバルト酸化物、ゼロ酸化状態のコバルト、またはゼロ酸化状態のコバルトとコバルト酸化物の混合物を含み得る。いくつかの実施形態では、コバルト保護層は、化学気相堆積(CVD)または原子層堆積(ALD)を使用して形成される。他の実施形態では、コバルト保護層は、物理気相堆積(PVD)を使用して形成される。いくつかの実施形態では、コバルト保護層の形成は、基板が空気に曝されると、堆積されたコバルトを酸化してコバルト-酸素結合を形成することを含む。
【0015】
一実施態様では、基板処理方法は、銅シード層を堆積して露出する銅シード層を有する基板を提供し、続いてコバルト保護層を堆積し、銅シード層が堆積された後、かつコバルト保護層が堆積される前に基板が大気に曝されないようにすることを備える。特定の実施態様では、銅シード層は、PVDによって堆積され、コバルト保護層は、2つの堆積の間でエアブレークなしにCVDによって堆積される。
【0016】
いくつかの実施形態では、保護層は、共形的に堆積され、少なくとも1つの凹型フィーチャの側壁で銅シード層を覆う。他の実施形態では、保護層は、半導体基板のフィールド領域の上に堆積され、それにより少なくとも1つの凹型フィーチャの開口部を覆うことで、少なくとも1つの凹型フィーチャの側壁上の銅シード層が大気に接触するのを防止する。
【0017】
いくつかの実施形態では、保護層が堆積された後、基板は大気に曝され、銅は少なくとも1つの凹型フィーチャに電気めっきされ、それにより保護層は、銅の電着中に実質的に溶解される。例えば、保護層がコバルト保護層である場合、堆積されたコバルトの少なくとも一部は、典型的には大気に曝されると酸化してコバルト-酸素結合を形成する。
【0018】
いくつかの実施形態では、銅シード層の上に形成された保護層の厚さは、約10~50Åである。一例では、銅シード層の上に形成された保護層の厚さは、約10~20Åであり、銅シード層の厚さは、少なくとも1つの凹型フィーチャの側壁において約20~30Åである。
【0019】
別の態様では、銅を半導体基板上の凹型フィーチャに電着する方法が提供される。方法は、保護層を有する半導体基板を電気めっき装置に提供し、銅を基板上に電着することを備え、それにより保護層は、電着動作中(典型的には基板と電解質の最初の接触中)に実質的に溶解される。いくつかの実施形態では、電気めっきに使用される半導体基板は、銅シード層で裏打ちされた少なくとも1つの凹型フィーチャを含み、半導体基板は、銅シード層の上にある露出する保護層を含み、保護シード層は、銅よりも貴でない金属を含む。基板は、銅イオンを含む酸性電解質と接触され、保護層が実質的に溶解されるようにカソードバイアスされ、銅は、少なくとも1つの凹型フィーチャに電気めっきされる。いくつかの実施態様では、銅よりも貴でない金属は、コバルトであり、コバルトは、電気めっきの前に保護層内でコバルト-酸素結合を形成する。いくつかの実施態様では、保護層は、約10~50Åの厚さを有する。いくつかの実施形態では、電気めっきは、半導体基板にバイアスをかけることなく、最初に半導体基板を酸性電解質と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの凹型フィーチャは、約7~14nmの幅を有する。例えば、一実施態様では、少なくとも1つの凹型フィーチャは、約7~14nmの幅を有し、保護層は、少なくとも1つの凹型フィーチャの側壁上で約1~2nmの厚さを有する。
【0020】
すべての提供される方法は、フォトリソグラフィ処理スキームと統合することができ、フォトレジストを半導体基板に塗布することと、フォトレジストを露光することと、フォトレジストをパターニングしてパターンを半導体基板に転写することと、半導体基板からフォトレジストを選択的に除去することとをさらに含むことができる。
【0021】
別の態様では、半導体基板を処理するための装置が提供され、装置は、(a)金属の堆積用に構成されている1つまたは複数のプロセスチャンバと、(b)半導体基板上の銅シード層の上に銅よりも貴でない金属を含む保護層の堆積をもたらすためのプログラム命令を含むコントローラとを備える。一実施態様では、銅よりも貴でない金属は、コバルトであり、プログラム命令は、(例えば、CVDまたはALDプロセスチャンバ内で)コバルト含有前駆体の反応を使用することによってコバルトの堆積をもたらすための命令を備える。いくつかの実施形態では、コントローラは、保護層を約10~50Åの厚さに堆積するためのプログラム命令を備える。
【0022】
コントローラは、保護層の堆積の前に銅シード層の堆積をもたらすためのプログラム命令をさらに備え得る。いくつかの実施形態では、装置は、銅シード層の堆積用に構成されているPVDプロセスチャンバと、保護層の堆積用に構成されているCVDまたはALDプロセスチャンバとを備え、装置は、半導体基板を大気に曝すことなく、半導体基板をPVDプロセスチャンバからCVDまたはALDプロセスチャンバに移送するように構成される。
【0023】
別の態様によれば、本明細書で提供される装置のいずれかおよびステッパを含むシステムが本明細書で提供される。
【0024】
別の態様によれば、非一時的コンピュータ機械可読媒体が提供される。非一時的コンピュータ機械可読媒体は、堆積装置および/または電気めっき装置を制御するためのプログラム命令を含み、本明細書で提供される方法のいずれかを実施するためのコードを含むことができる。いくつかの実施形態では、(a)少なくとも1つの凹型フィーチャを有する基板上に銅シード層を堆積し、(b)基板を大気に曝すことなく、銅シード層の上に保護層を堆積するためのコードが提供される。
【0025】
別の態様によれば、部分的に製作された半導体デバイスが提供され、半導体デバイスは、誘電体層に形成された複数の凹型フィーチャを備え、基板は、銅シード層の上にある露出するコバルト層を含む。
【0026】
本開示のこれらおよび他の特徴および利点は、関連する図面を参照して以下でより詳細に説明される。
【0027】
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1A】
図1Aは、本明細書で提供される一実施形態による処理中の半導体基板の概略断面図である。
【
図1B】
図1Bは、本明細書で提供される一実施形態による処理中の半導体基板の概略断面図である。
【
図1C】
図1Cは、本明細書で提供される一実施形態による処理中の半導体基板の概略断面図である。
【
図1D】
図1Dは、本明細書で提供される一実施形態による処理中の半導体基板の概略断面図である。
【0029】
【
図2】
図2は、本明細書で提供される一実施形態によるプロセスのプロセスフロー図である。
【0030】
【
図3A】
図3Aは、本明細書で提供される一実施形態による処理中の半導体基板の概略断面図である。
【
図3B】
図3Bは、本明細書で提供される一実施形態による処理中の半導体基板の概略断面図である。
【
図3C】
図3Cは、本明細書で提供される一実施形態による処理中の半導体基板の概略断面図である。
【
図3D】
図3Dは、本明細書で提供される一実施形態による処理中の半導体基板の概略断面図である。
【0031】
【
図4】
図4は、本明細書で提供される一実施形態によるプロセスのプロセスフロー図である。
【0032】
【
図5】
図5は、本明細書で提供される一実施形態による保護層の堆積に適したプロセスチャンバの概略図である。
【0033】
【
図6】
図6は、開示された実施形態による堆積プロセスに適した処理装置の概略図である。
【0034】
【
図7】
図7は、本明細書で提供される一実施形態によるマルチステーション処理システムの概略図である。
【0035】
【発明を実施するための形態】
【0036】
銅シード層を保護するための方法が提供される。方法は、銅シード層を大気中での望ましくない酸化および酸性電解質への溶解から保護するために使用することができる。方法は、様々な半導体基板に使用することができるが、約20nm未満の幅(銅シード層が堆積された後の幅を参照)、例えば約15nm未満、例えば、約7~14nm、または約7~10nmの幅を有する凹型フィーチャなど、狭い凹型フィーチャを有する半導体基板には特に有利である。狭いフィーチャを有する基板は、典型的には、薄い銅シード層(例えば、1~3nmの厚さの層)を必要とし、これは、本明細書で提供される保護方法から特に利益を得る。銅シード層が大気に曝されると、銅が酸化されて酸化銅を形成することができる。銅シード層が比較的厚い場合、酸化銅は、典型的には、銅金属の表面上にのみ形成され、銅シード層は依然としてその機能を実施することができる。しかし、薄い銅シード層、例えば、0.5~2nmの厚さのシード層が大気に曝されると、酸化銅が膜の深さ全体に形成され、完全に不連続なシード層が生成される。電気めっきの初期段階の間、酸化銅が酸性電解質に溶解して下にある層が露出する可能性があり、これにより電気めっきされた銅の核形成に違いが生じる。さらに、銅シード層が表面上でのみ酸化されて依然として銅金属を含んでいる場合であっても、酸性電解質への酸化銅の溶解速度が速いと、かなりの量のシード層材料が失われることになる。加えて、非常に薄いシード層が使用されると、シード層の厚さおよび酸化の変動は、初期のシード層の厚さと比較して大きくなることがある。これらの変動は、電気めっき中の銅の核形成速度に大きな変動をもたらし得る。銅シード層の望ましくない酸化は、典型的には電気めっき中にボイドの形成をもたらし、これは、銅シード層が典型的には最も薄いダマシンフィーチャの側壁の近くで特に顕著である。
【0037】
場合によっては、還元プラズマ処理を使用することなどにより、基板を還元剤に曝すことによって酸化銅を銅金属に還元することができるが、この処理は銅損につながる可能性があり、すべての問題を軽減するのに十分ではない場合がある。例えば、銅シード層の酸化は、場合によっては、下にある拡散障壁層の酸化につながる可能性がある。電気めっきの前に水素プラズマ処理によって酸化銅が還元されたとしても、この処理は酸化された障壁材料を還元するのに十分ではない。さらに、酸化された拡散障壁材料と銅シード層との間の接着が弱くなる。これらの問題は、本明細書に記載のように、犠牲保護層を使用して銅シード層を酸化から保護することによって軽減することができる。
【0038】
方法は、1つまたは複数の凹型フィーチャを有する半導体基板上の銅シード層の上に保護層を形成することを含む。保護層は、銅よりも貴でない金属(例えば、コバルト、亜鉛、スズ、または鉄)を含み、金属は、酸化形態(例えば、コバルト酸化物、亜鉛酸化物、スズ酸化物、または鉄酸化物)であり得る。例えば、保護コバルト層は、最初にCVDまたはPVDを使用してコバルト金属(ゼロ酸化状態)を堆積し、次に基板を大気に曝し、コバルトをコバルト酸化物に酸化することを可能にすることによって、銅シード層の上に形成することができる。保護層は犠牲的であり、電気めっきの初期段階で電解質に溶解することができる。保護シード層は、ゼロ酸化状態の金属および/または酸化金属(例えば、金属酸化物)を含み得、保護シード層の化学物質は、めっき電解質に可溶であるように選択される。
【0039】
例えば、ゼロ酸化状態の金属(金属が銅よりも貴でない限り)は、置換反応、または酸中での酸化を介して溶解し得る。例えば、ゼロ酸化状態のコバルトは、式(2)または(3)に従って溶解することができる。
【0040】
Co + Cu2+ → Cu + Co2+ (2)
【0041】
Co + 4H+ + O2 → Co2+ + 2H2O (3)
【0042】
金属酸化物(コバルト酸化物など)もまた、酸性めっき液に可溶する。保護層が溶解した後、下にある銅シード層が露出され、金属(例えば、銅)が露出する銅シード層上に電気めっきされる。このような保護により、銅シード層およびその下の層の腐食が大幅に減少し、その結果、電気めっき層におけるボイドおよび欠陥の数が減少する。
【0043】
本明細書で使用される「半導体基板」という用語は、その構造内の任意の場所に半導体材料を含む、半導体デバイス製作の任意の段階における基板を指す。半導体基板中の半導体材料は、露出させる必要がないことが理解される。半導体材料を覆う他の材料(例えば、誘電体)の複数の層を有する半導体ウエハは、半導体基板の例である。以下の詳細な説明は、開示された実施態様が、200mm、300mm、または450mmの半導体ウエハなどの半導体ウエハ上で実施されることを前提としている。しかし、開示された実施態様は、そのように限定されない。ワークピースは、様々な形状、サイズ、および材料のものである場合がある。半導体ウエハに加えて、開示された実施態様を利用することができる他のワークピースには、プリント回路基板などの様々な物品が挙げられる。
【0044】
数値に関して使用される場合の「約」という用語は、特に明記しない限り、記載された数値の±10%の範囲を含む。
【0045】
「銅シード層」という用語は、銅を含む層を指し、純銅と、銅マンガン合金などの銅合金の両方を包含する。いくつかの実施形態では、銅シード層中の銅含有量は、少なくとも約50%、例えば少なくとも約80%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%であり、%は、原子パーセントを指す。銅シード層では、少なくとも一部の銅は、ゼロ酸化状態の金属銅である。
【0046】
「保護金属層」(例えば、保護コバルト層)という用語は、金属を含む層を指し、金属は、ゼロ酸化状態または酸化形態(非ゼロ酸化状態)にあり得る。例えば、保護コバルト層は、コバルト酸化物を含み得るか、またはコバルト酸化物から本質的になり得る。いくつかの実施形態では、保護金属層は、ゼロ酸化状態と非ゼロ酸化状態の両方の金属を含む。
【0047】
「銅よりも貴でない金属」は、銅よりも低い(より負の)標準電極電位を有する金属を指す。例えば、コバルト、スズ、亜鉛、および鉄は、銅よりも低い標準電極電位を有する(ゼロ酸化状態への還元を参照)。
【0048】
方法は、約20nm未満、例えば約15nm未満の幅を有する狭い凹型フィーチャを有する基板上に電気めっきするのに特に有用である。本明細書で使用される凹型フィーチャの幅は、特に断りのない限り、銅シード層堆積後の幅を指す。
【0049】
提供される方法の一実施形態は、処理中の半導体基板の一部の概略断面図を示す
図1A~
図1Dによって示されている。方法は、方法の実施形態を説明するプロセスフロー図を提供する
図2によってさらに示されている。
図2を参照すると、プロセスは、201において、少なくとも1つの凹型フィーチャおよび露出する銅シード層を有する半導体基板をプロセスチャンバに提供することによって開始する。いくつかの実施形態では、基板は、誘電体の層に形成された、ビアおよびトレンチなどの複数の凹型フィーチャを有する半導体ウエハである。一実施形態による基板の一部が、
図1Aに示される。基板は、誘電体層101を含み、凹型フィーチャ103が誘電体層101に形成されており、基板は、誘電体層101と接触する拡散障壁層105と、拡散障壁層105と接触する湿潤層107と、湿潤層107の上に形成された銅シード層109とを含む、層のスタックで共形的に裏打ちされる。そのような基板は、最初に誘電体層109をパターニングしてフォトリソグラフィ法によって凹型フィーチャ103を形成し、続いて拡散障壁材料(例えば、TaNx、TiNx、WNx、およびWCNxの1つまたは複数)、湿潤層材料(例えば、コバルト)、そして最後に銅シード層材料(例えば、純銅または銅合金)の連続的な堆積によって得ることができる。拡散障壁層105は、誘電体層101を誘電体101への銅の拡散から保護するように機能する。拡散障壁材料は、いくつかの実施形態では、PVDによって堆積される。例えば、TaNxまたはTiNx二重層は、タンタルまたはチタンスパッタターゲットおよび窒素含有プロセスガスを使用するPVDによって基板の上に堆積させることができる。次に、拡散障壁材料が堆積された後、湿潤層107が拡散障壁層105の上に堆積される。湿潤層107は、拡散障壁材料への銅シード材料の接着を促進するように機能する。いくつかの実施形態では、湿潤層は使用されず、銅シード層は、拡散障壁層103上に直接堆積される。図示の実施形態では、湿潤材料はコバルトであり、これは例えば、CVD、ALD、またはPVDによって堆積させることができる。銅シード層109は、典型的には、PVDによって湿潤層107上に、または湿潤層が使用されない場合は拡散障壁層105上に直接堆積される。
図1Aに示す構造は、銅シード層109がフィールド領域と、凹型フィーチャの側壁上、および凹型フィーチャの底部の両方で露出されている基板を示している。他の実施形態では、銅シード層は、基板の一部、例えば、少なくとも凹型フィーチャの側壁にのみ露出され得る。例えば、いくつかの実施形態では、凹型フィーチャの底部は、下にある層の露出する導電性材料(例えば、下部メタライゼーション層からの銅ライン)を含み得、銅シード層は、再スパッタリングによって凹型フィーチャの底部から除去される。他の実施形態では、フィールド領域内の銅シード層は、非導電性材料で覆われていてもよい。拡散障壁層105、湿潤層107、および銅シード層107の厚さは、凹型フィーチャ103のサイズに応じて変化し得る。いくつかの実施形態では、層の各々は、側壁での平均厚さを参照して、約10~200Å、より典型的には約10~50Åの範囲の厚さを有する。いくつかの実施形態では、銅シード層堆積後の凹型フィーチャの幅は、約20nm未満であり、銅シード層の厚さは、側壁での平均厚さを参照して、約0.5~3nmである。
【0050】
露出する銅シード層を有する基板が形成された後、基板は、保護層を堆積するための堆積プロセスチャンバに載置される。好ましくは、銅シード層は、基板がエアブレークなしに保護層の堆積用に構成されているプロセスチャンバに移送されるので、銅シード層堆積中または堆積後に大気または酸化ガスに曝されない。これは、銅シード層上での酸化銅の形成を防止するために行われる。
【0051】
図2を参照すると、銅よりも貴でない金属を含む保護層は、好ましくは銅シード層を大気に曝すことなく、堆積チャンバ内の保護シード層の上に動作203において堆積される。保護層は、PVD、CVD、およびALDを含む様々な方法によって堆積することができる。このステップで堆積することができる銅よりも貴でない金属の例には、コバルト、スズ、亜鉛、および鉄が挙げられる。いくつかの実施形態では、堆積されたままの保護層内の金属は、ゼロ酸化状態にある。一実施形態では、コバルト金属保護層が、CVDまたはALDプロセスにおけるコバルト含有前駆体の反応によって基板上に堆積される。いくつかの実施形態では、堆積後、動作205において、基板は大気に曝され、保護層中の金属は、金属-酸素結合を形成することができる。保護層中の金属は、部分的または完全に酸化物に変換することができる。いくつかの実施形態では、保護層中の金属の少なくとも90%が金属酸化物に変換される。他の実施形態では、保護層中の実質的にすべての金属が金属酸化物に変換される。例えば、保護層中のコバルト金属は、大気に曝されるとコバルト酸化物に酸化され得る。他の実施形態では、ゼロ酸化状態の金属は堆積された後、大気曝露よりも制御された環境で金属酸化物を形成するために酸化処理にかけられる。例えば、基板は、プロセスチャンバ内で、任意選択でプラズマの存在下でO2またはO3などの酸素含有反応物に曝され、コバルト酸化物などの金属酸化物を形成することができる。
【0052】
保護層の形成後に得られた構造が、
図1Bに示される。図示の実施形態では、保護層111は、銅シード層109の上に共形的に形成され、フィールド領域、凹型フィーチャ103の側壁、および凹型フィーチャ103の底部で銅シード層109を覆う。いくつかの実施形態では、形成された保護層111は、約1~20nmの厚さを有する。約20nm以下の幅を有する狭いフィーチャでは、保護層は、典型的には約3nm未満、例えば約1~2nmの厚さを有する。1つの特定の例では、約1~2nmの厚さを有するコバルト保護層が、約2~3nmの厚さを有する銅シード層の上に堆積される。銅シード層の上にある保護層は、銅シード層と大気の接触を実質的にブロックし、銅シード層の酸化を防止または低減することができる。
【0053】
次に、動作207において、露出する保護層を有する基板を電気めっき液と接触させ、保護層を溶解する。このステップは、電気めっきの初期段階中に電気めっき装置で行われる。例えば、金属酸化物(例えば、コバルト酸化物、鉄酸化物、亜鉛酸化物、またはスズ酸化物)および/または酸に可溶であるゼロ酸化状態の金属(例えば、コバルト、鉄、亜鉛、またはスズ)を含む露出する保護層を有する基板は、酸性銅めっき液と接触させることができる。銅めっき液は、銅塩(例えば、硫酸銅および/またはメタンスルホン酸銅)および酸(例えば、硫酸および/またはメタン硫酸)、ならびに任意選択で、凹型フィーチャを充填するのを支援する添加剤(例えば、ハロゲン化物、促進剤、抑制剤、および平滑剤)を含む。いくつかの実施形態では、基板は、電解質との最初の接触中に電気的にバイアスされない。例えば、基板は、最初の接触後、約1秒以下(例えば、0.1~1秒)でカソードバイアスされ得る。この方法はコールドエントリと呼ばれ、保護層の溶解を妨げないため、いくつかの実施形態では好ましい。他の実施形態では、基板は、電解質との最初の接触中にカソードバイアスされ得る。例えば、定電位基板エントリ(potentiostatic substrate entry)がいくつかの実施形態で使用され、基板は、電解質への最初の曝露中に一定の電位に保たれる。バイアスは、保護層の溶解を完全にブロックしないように選択される。いくつかの実施形態では、保護層の少なくとも90%が、電解質との最初の接触中に溶解される。いくつかの実施形態では、実質的にすべての保護層材料がこのステップ中に溶解され、銅シード層が露出される。保護シード層の溶解後に生じる構造が、
図1Cに示される。この図では、保護層111が完全に除去され、下にある銅シード層109が電解質に曝されている。
【0054】
動作209において、金属は、電気めっきされて半導体基板上の少なくとも1つの凹型フィーチャを充填する。例えば、凹型フィーチャは、銅で充填され得る。動作207および209は、典型的には、1つの電気めっき装置で実施され、保護層207の溶解は、フィーチャの充填の直前に行われる。典型的には、保護シード層の溶解および凹型フィーチャを金属で電気充填するために使用される電解質は、実質的に同じ組成を有する。例えば、銅は、カソードバイアスされた基板を、銅塩、酸、および任意選択で電気めっき添加剤を含む電解質と接触させることによって、凹型フィーチャに電着される。いくつかの実施形態では、電気めっきチャンバから電解質の一部を除去し、電気めっき中、または複数の基板上での電気めっき動作の間に電解質に新しい補給溶液を補充することが好ましい。この電解質のブリードアンドフィードは、保護層の溶解後に電解質に入った金属イオンの濃度を下げるのに有用である。しかし、保護層材料からの金属イオンの量は通常少量であり、これらのイオンは、典型的には電気充填中に悪影響を引き起こさない。例えば、凹型フィーチャへの銅の電着中、電解質中に少量のコバルトイオンが存在する可能性がある。
【0055】
電気充填が完了した後に形成される構造が
図1Dに示されており、これは凹型フィーチャを充填し、フィールド領域にオーバーバーデンを形成する電着金属層113を示す。保護層を使用することで、欠陥(側壁近くのボイドなど)の数を大幅に減少させるか、ダマシン処理中の半導体基板におけるそのような欠陥を排除することができる。この利点は、電気めっきが約20nm未満、または約15nm未満の幅を有する狭いフィーチャで実施されるときに特に顕著である。
【0056】
図1A~
図1Dによって示される実施形態では、保護層は、凹型フィーチャの側壁で銅シード層をコーティングするように共形的に堆積される。代替の実施形態では、保護層は、凹型フィーチャを密封するプラグとして堆積され得、それによって銅シード層が大気に接触するのを防止する。この実施形態は、
図3A~
図3Dに示されている。この実施形態は、そのような狭いフィーチャへの金属の共形堆積が困難であるため、非常に狭い凹型フィーチャ、例えば、5nm以下(約3nm以下など)の幅を有するフィーチャを有する基板を処理するのに特に適している。
図3Aに示す基板は、
図1Aを参照して説明された基板と同様の構造を有する。基板は堆積チャンバに載置され、保護層111は、
図3Bに示すように、凹型フィーチャの側壁を覆わずに、フィールド領域および凹型フィーチャ103の開口部を覆うように非共形的に形成される。ボイドは、凹型フィーチャ103に形成され、凹型フィーチャ103は、凹型フィーチャの開口部を覆う保護層111によって大気から密封されている。保護層の堆積は、好ましくは、銅シード層が大気に接触させられないように行われ、したがって、凹型フィーチャの内側のボイドは空気によって充填されない。この構成により、側壁における銅シード層を酸化から保護することができる。次に、基板を大気に曝すことができ、保護層111中の金属が酸素と反応して金属酸化物を形成することができる。この変換は、空気との接触から保護されたままである側壁における銅シード層に影響を及ぼさない。
【0057】
次に、基板を電気めっき液と接触させ、保護層111を溶解させ、銅シード層を電気めっき液に開放する。保護層がなくなった結果として得られる構造が、
図3Cに示される。次に、金属(例えば、銅)が凹型フィーチャに電気めっきされ、
図3Dに示す構造を形成する。保護層の溶解と銅の電着は、時間の経過と共に重複する場合がある。
【0058】
いくつかの実施形態では、保護層の金属は、コバルトである。コバルトは銅よりも貴でなく、下にある銅シード層の品質に実質的に影響を及ぼすことなく空気中で酸化することができる。さらに、コバルトは、拡散障壁層と銅シード層との間のスタック内の湿潤層に適した金属である。したがって、コバルト湿潤層も利用するスタック内の保護層に対してコバルトを使用すると、同じ方法および/またはプロセスチャンバを湿潤層および保護層の堆積に使用することができるので、堆積効率に寄与する。
【0059】
Cu/Cu2+とCo/Co2+の対の標準平衡電位を比較すると、コバルト(Co)は低い標準平衡電位を有し、したがって、銅(Cu)と接触するとガルバニック腐食が発生し得ることがわかる。CuとCoとの間の開回路電位の差は、2~10の範囲内のすべてのpH値で約200~300mVである。コバルトは、酸性溶液中のコバルトと銅との間の腐食電位の差により、高い腐食速度と溶解速度を示し、かつガルバニック腐食の可能性が高くなる。その結果、コバルト膜はガルバニック腐食を受け、すべてのコバルトが酸化されるまで銅シード層を腐食から保護する。
【0060】
コバルト保護層を利用する一実施形態についてのプロセス図が、
図4に示される。動作401において、銅シード層が、PVDによって基板上に堆積される。いくつかの実施形態では、コバルト湿潤層が、銅シード層堆積の前に拡散障壁材料上に事前に堆積され、銅シード層はコバルト上に堆積される。堆積は、堆積中または堆積直後に基板を大気に曝すことなく、PVDチャンバ内で実施される。基板は、銅ターゲット(または適切な銅合金で作製されたターゲット)を収容するPVDチャンバ内の支持体上に載置され、アルゴンなどのプロセスガスがプロセスチャンバに導入される。
図1Aに示すように、銅シード層が基板を覆うように銅が基板上にスパッタリングされる。次に、403において、基板を大気に曝すことなく、コバルト含有前駆体を反応させてコバルト金属を形成することによって、コバルト保護層が銅シード層の上に堆積される。堆積は、CVD(反応がプロセスチャンバにおいてバルクで発生する)またはALD(反応が基板の表面上で発生する)によって実施され得る。本明細書で使用されるCVDおよびALDという用語は、熱堆積とプラズマ支援堆積の両方を含む。コバルトが堆積された後、動作405において、基板は大気に曝され、その結果、保護層中にコバルト酸化物が形成される。あるいは、基板は、プロセスチャンバ内で酸素含有反応物(例えば、酸素含有ガス中で形成されたリモートプラズマ)で処理され、コバルト酸化物を制御可能に形成する。次に、動作407において、保護層(存在する場合、コバルト酸化物およびコバルト金属)が溶解されるように、基板が電気めっき溶液と接触され、それによって銅シード層が露出される。動作409において、銅が基板上に電気めっきされる。
【0061】
説明された方法における層の堆積のためのプロセス条件および堆積方法は、変化する可能性があり、基板のタイプ、凹型フィーチャのサイズなどに依存する可能性がある。いくつかの実施形態では、銅シード層および保護層は、1つのツールまたはモジュール内に堆積され、これにより、銅シード層の堆積後、かつ保護層の堆積前に、基板を大気に曝すことなくこれらの層の堆積が可能になる。
【0062】
コバルトは、CVD、ALD、またはPVD法によって堆積させることができる。いくつかの実施形態では、コバルトは、ALDまたはCVD法によってフィーチャ内に共形的に堆積される。CVD法では、基板を適切なコバルト含有前駆体および還元剤に曝し、基板上にコバルト層を形成する。温度は、約70℃~約400℃、または約80℃~約200℃であり得る。いくつかの実施形態では、温度は、約70℃~約200℃、または約100℃~約120℃であり得る。チャンバ圧力は、約0.1Torr~約10Torr、または約1Torr~約5Torrであり得る。いくつかの実施形態では、チャンバ圧力は、約0.5Torr~約10Torr、または約1Torr~約3Torrであり得る。様々な実施形態において、適切なコバルト含有前駆体および/または還元剤は、アルゴン(Ar)、窒素(N2)、または一酸化炭素(CO)などのキャリアガスを使用してチャンバに導入される。いくつかの実施形態では、コバルト含有前駆体は、キャリアガスとしてアルゴンを使用してチャンバに導入される。キャリアガスの流量は、約10sccm~約300sccm、または約10sccm~約50sccmであり得る。いくつかの実施形態では、キャリアガスの流量は、約10sccm~約100sccm、または約10sccm~約30sccmであり得る。還元剤は、選択されたコバルト含有前駆体を還元するための任意の適切な反応物であり得る。様々な実施形態において、還元剤は、水素(H2)である。還元剤は、約100sccm~約5000sccm、または約2000sccm~約5000sccmの流量で導入することができる。特定の堆積チャンバに応じて、本開示全体を通して提供される範囲外の流量を使用することができることが理解されよう。
【0063】
ALD法では、基板はいくつかのサイクルに曝され得、それにより基板が最初に適切なコバルト含有前駆体のパルスに曝され、次に前駆体がパージされ、次いで基板が還元剤のパルスに曝され、その次に還元剤がパージされるようになり、そのようなサイクルは、所望の厚さのコバルトが基板上に形成されるまで繰り返され得る。ALDによる堆積プロセスの場合、温度は、約70℃~約400℃、または約100℃~約200℃であり得る。いくつかの実施形態では、温度は、約70℃~約200℃、または約100℃~約120℃であり得る。圧力は、約1Torr~約20Torr、または約8Torr~約15Torrであり得る。様々な実施形態において、コバルト含有前駆体および/または還元剤は、Ar、N2、またはCOなどのキャリアガスを使用してチャンバに導入される。いくつかの実施形態では、コバルト含有前駆体は、キャリアガスとしてArを使用してチャンバに導入される。キャリアガスの流量は、約10sccm~約300sccm、または約10sccm~約100sccmであり得る。いくつかの実施形態では、キャリアガスの流量は、約50sccm~約100sccmであり得る。還元剤は、選択されたコバルト含有前駆体を還元するための任意の適切な反応物であり得る。様々な実施形態において、還元剤は、H2である。還元剤は、約100sccm~約5000sccm、または約2000sccm~約5000sccmの流量で導入することができる。動作206が終了する時間は、フィーチャのサイズに依存する。
【0064】
コバルト含有前駆体の例には、ジカルボニルシクロペンタジエニルコバルト(I)、コバルトカルボニル、様々なコバルトアミジネート前駆体、コバルトジアザジエニル錯体、コバルトアミジネート/グアニジネート前駆体、およびそれらの組み合わせが挙げられる。適切なコバルト含有前駆体は、有機基および/またはカルボニル基を有するコバルト中心を含み得、有機基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、およびオクチルなどのアルキルを含み、これらは直鎖または分岐炭化水素鎖であり得る。いくつかの実施形態では、有機金属化合物は、置換または非置換のアリル配位子を有する。いくつかの実施形態では、アリル配位子は、非置換である。
【0065】
いくつかの実施形態では、有機金属コバルト化合物は、以下の構造を有する。
【0066】
【0067】
ここで、R1はC1-C8-アルキルであり、R2はC1-C8アルキルであり、xはゼロ、1、または2であり、yはゼロまたは1である。
【0068】
いくつかの実施形態では、R1はC2-C8-アルキルであり、R2は独立してC2-C8アルキルである。
【0069】
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、およびオクチルなど、長さが1~8原子の飽和炭化水素鎖を指す。「アルキル」という用語は、直鎖および分岐炭化水素鎖の両方を含む。したがって、プロピルという用語は、n-プロピルとn-イソプロピルの両方を含む。ブチルという用語は、n-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、およびtert-ブチルを含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、xは0であり、yは1である。この実施形態による有機金属化合物の一例を、以下に示す。
【0071】
【0072】
記載されている特定の化合物は、カリフォルニア州フリーモントのLam Research Inc.から入手可能な対応する堆積装置と併せて、マサチューセッツ州ヘーバリルのSAFC-Hitechから入手可能である。コバルト保護層が形成された後、基板は大気に曝され、電気めっき装置に移送される。
【0073】
金属の電着は、電気めっき装置で実施され、装置は、電解質およびアノードを保持するように構成されているめっきチャンバを含む。装置は、電気めっき中に基板を回転させるように構成され得る基板ホルダをさらに含み、典型的には、電源と電気的に通信する複数の電気接点を含む。装置は、電着中に基板にカソードバイアスをかけるように構成される。めっきチャンバは、例えば電解質のブリードアンドフィード補充を提供するために、電解質を追加および除去するための入口および出口を含むことができる。電解質は、金属イオン、典型的には酸を含む水溶液である。
【0074】
凹型フィーチャを充填するための銅の電着は、銅イオン、好ましくは酸(例えば、硫酸、メタンスルホン酸、またはこれらの酸の混合物)を含む任意の適切な電解質中で実施することができる。電解質は、ハロゲン化物イオン、抑制剤、促進剤、および平滑剤などのボトムアップ充填を促進する添加剤をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、低濃度の銅イオンを有する電解質を使用して銅を電気めっきすることが好ましい。一態様では、本明細書の実施形態は、銅をダマシンフィーチャに電気めっきする方法であって、保護コバルト層によって覆われた銅シード層を有する基板を受け取ることと、約10g/L未満の銅イオン、および酸性pHを有する水性低銅酸含有電解質に基板を浸漬することと、基板に電気的にバイアスをかけることとを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、基板は、基板が最初に電解質に接触した後にカソードバイアスされる。保護コバルト層は酸性電解質中に溶解し、銅は銅シード層上に電気めっきされる。
【0075】
いくつかの実施形態における低銅電解質は、少なくとも1つの抑制剤化合物を含む。いかなる理論または作用機序にも拘束されることを望まないが、抑制剤(単独または他の浴添加剤との組み合わせのいずれか)は、特に表面化学吸着ハロゲン化物(例えば、塩化物または臭化物)と組み合わせて存在する場合、基板-電解質界面全体の電圧降下の著しい増加をもたらす表面運動分極化合物であると考えられている。ハロゲン化物は、抑制剤分子とウエハ表面との間でブリッジとして作用し得る。抑制剤は、(1)抑制剤が存在しない領域と比較して、抑制剤が存在する領域で基板表面の局所分極を増加させ、(2)全体的に基板表面の分極を増加させる。分極(局所的および/または全体的)の増加は、抵抗率/インピーダンスの増加に対応し、したがって特定の印加電位でのめっきが遅くなることに対応する。
【0076】
抑制剤は、堆積した膜に組み込まれることはないが、時間の経過と共にゆっくりと劣化し得ると考えられている。抑制剤はしばしば比較的大きな分子であり、多くの場合、本質的に重合体である(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)。抑制剤の他の例には、Sおよび/またはN含有官能基を有するポリエチレンおよびポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシドのブロックポリマーなどが挙げられる。抑制剤は、直鎖構造または分岐構造を有することができる。市販の抑制剤溶液には、様々な分子量の抑制剤分子が共存するのが一般的である。部分的には抑制剤のサイズが大きいこともあり、凹型フィーチャへのこれらの化合物の拡散は、比較的遅い。
【0077】
いくつかの実施形態では、方法は、約3mA/cm2以下の電流密度で銅をフィーチャに電気めっきすることを伴う。特定の実施形態では(例えば、低銅濃度が使用されるとき)、電解質は、約2~15g/Lの酸、または約5~10g/Lの酸を含み得る。電解質のpHは、いくつかの実施態様では約0.2~2であり得る。電解質はまた、1リットルあたり約10~500ミリグラムの活性有機添加剤を含み得る。いくつかの実施態様では、活性有機添加剤は、1つまたは複数の促進剤化合物を含み得る。促進剤の濃度は、1リットルあたり約20ミリグラム未満、または1リットルあたり約10ミリグラム未満であり得る。場合によっては、活性有機添加剤は、1つまたは複数の平滑剤化合物を含む。いくつかの実施態様では、電解質は、約5g/L未満の銅イオンを含む。さらに、電解質は、1リットルあたり約10~150ミリグラムのハロゲン化物イオンを含み得る。特定の実施形態において基板を浸漬するとき、基板は、電解質の表面に対して一定の角度で浸漬され、次いで水平に配向され得る。電気めっき動作は、第1のめっき段階中に銅を電気めっきし、第1の堆積速度で基板フィーチャを銅で充填することと、第2のめっき段階中に銅を電気めっきし、第1の堆積速度よりも速い第2の堆積速度で基板上に銅のオーバーバーデン層を堆積することとを含み得る。電気めっきの方法はまた、基板上にめっき後処理を実施することを含み得る。特定の実施態様では、めっき後処理は、基板のすすぎおよび/または平坦化を含む。
【0078】
実験結果
銅は、拡散障壁堆積後および銅シード堆積前に、幅が約10nmの複数のトレンチを有するウエハ基板上に電着された。トレンチは誘電体層に形成され、誘電体は、TaN拡散障壁層(厚さ3nmのPVD堆積TaN)、コバルト湿潤層(厚さ1nmのCVD堆積コバルト金属)、および銅シード層(厚さ2~3nmのCuMn合金またはPVDによって堆積されたCu)を含むスタックで裏打ちされた。
【0079】
実施例2、3、および4では、コバルトの厚さ1nmの層が、銅シード層を大気に曝すことなく、CVDによって銅シード層の上に堆積された。次に、基板を大気に曝し、コバルトを酸化させた。
【0080】
実施例5、6、および7では、コバルトの厚さ2nmの層が、銅シード層を大気に曝すことなく、CVDによって銅シード層の上に堆積された。次に、基板を大気に曝し、コバルトを酸化させた。
【0081】
電着は、2g/Lの銅イオン、10g/Lの硫酸、50ppmの塩化物イオン、促進剤、抑制剤、および平滑剤を含む電解質で行われた。
【0082】
実施例1(比較)。電気めっきは、保護コバルト層を有さず、露出する銅シード層(CuMn合金)を含む基板上で実施された。基板を定電位エントリ(potentiostatic entry)条件下で電解質に浸漬し、凹型フィーチャを2.6mA/cm2の電流密度で充填した。充填の顕微鏡画像上において、複数のボイドが観察された。
【0083】
実施例2(1nmのコバルト保護層、定電位エントリ)。電気めっきは、銅シード層(Cu)の上に厚さ1nmの保護コバルト層が形成された基板上で実施された。基板を定電位エントリ条件下で電解質に浸漬し、凹型フィーチャを2.0mA/cm2の電流密度で充填した。実施例1と比較して、ボイドの数の有意な減少が観察された。
【0084】
実施例3(1nmのコバルト保護層、開回路電位(OCP)エントリ)。電気めっきは、銅シード層(Cu)の上に厚さ1nmの保護コバルト層が形成された基板上で実施された。基板を(基板にバイアスをかけずに)OCP条件下で電解質に浸漬し、1秒後に基板にバイアスをかけ、凹型フィーチャを2.0mA/cm2の電流密度で充填した。充填の品質は、実施例2と同様であった。
【0085】
実施例4(1nmのコバルト保護層、開回路電位(OCP)エントリ)。電気めっきは、銅シード層(Cu)の上に厚さ1nmの保護コバルト層が形成された基板上で実施された。基板をOCP条件下で電解質に浸漬した。2秒後に基板にバイアスをかけ、凹型フィーチャを2.0mA/cm2の電流密度で充填した。充填の顕微鏡画像上において、複数のボイドが観察された。充填の品質は、実施例2および実施例3よりも悪かった。
【0086】
実施例5(2nmのコバルト保護層、定電位エントリ)。電気めっきは、銅シード層(Cu)の上に厚さ2nmの保護コバルト層が形成された基板上で実施された。基板を定電位エントリ条件下で電解質に浸漬し、凹型フィーチャを2.0mA/cm2の電流密度で充填した。実施例1と比較して、ボイドの数の有意な減少が観察された。充填の品質は、実施例2よりも優れていた。
【0087】
実施例6(2nmのコバルト保護層、開回路電位(OCP)エントリ)。電気めっきは、銅シード層(Cu)の上に厚さ2nmの保護コバルト層が形成された基板上で実施された。基板をOCP条件下で電解質に浸漬した。1秒後に基板にバイアスをかけ、凹型フィーチャを2.0mA/cm2の電流密度で充填した。充填の品質は、実施例5と同様であった。
【0088】
実施例7(2nmのコバルト保護層、開回路電位(OCP)エントリ)。電気めっきは、銅シード層(Cu)の上に厚さ2nmの保護コバルト層が形成された基板上で実施された。基板をOCP条件下で電解質に浸漬した。2秒後に基板にバイアスをかけ、凹型フィーチャを2.0mA/cm2の電流密度で充填した。充填の顕微鏡画像上において複数のボイドが観察されたが、ボイドの数は実施例1よりも少なかった。充填の品質は、実施例5および実施例6よりも悪かった。
【0089】
コバルト保護層を用いた実施例では、側壁近くの銅充填の改善が明確に観察された。より厚いコバルト層(2nm)を使用した場合、改善はより大きかった。定電位エントリおよびOCPエントリ(1秒)を使用した電気めっきは、コバルト保護層を用いた基板でも同様に良好な結果をもたらした。OCP時間が長くなると(2秒)、側壁の完全性が低下した。
【0090】
装置
提供される方法の様々なステップは、PVD、CVD、ALD、および電着装置で実施することができる。例えば、銅シード層のPVD堆積は、銅ターゲットおよび基板支持体を保持するように構成されているプロセスチャンバを有するPVD装置で実施することができる。コバルト湿潤層およびコバルト保護層は、Lam Research Corporation,Inc.から入手可能なAltus(登録商標)ツールなどのCVDまたはALD装置に堆積することができる。銅の電着は、Lam Research Corporation,Inc.から入手可能なSabre(登録商標)ツールで実行することができる。いくつかの実施形態では、銅シード層の堆積および保護層の堆積は、これらの堆積の間に基板を大気に曝すことなくPVDおよびCVDを実施するように構成されている単一のモジュールで実施される。例えば、装置は、銅の堆積用に構成されているPVDプロセスチャンバと、コバルトの堆積用に構成されているCVDまたはALDプロセスチャンバとを含んでもよく、装置は、エアブレークなしに銅堆積チャンバとコバルト堆積チャンバとの間の基板の移送を可能にする。
【0091】
いくつかの実施形態では、装置が提供され、装置は、1つまたは複数のプロセスチャンバ(例えば、PVD、CVD、ALD、または電気めっきプロセスチャンバの1つまたは複数)と、本明細書で提供される方法のいずれかを実施するためのプログラム命令を含むコントローラとを含む。例えば、装置は、PVD、CVD、および/またはALDプロセスチャンバと、半導体基板上の銅シード層の上に銅よりも貴でない金属を含む保護層の堆積をもたらすためのプログラム命令を含むコントローラとを含み得る。例えば、コントローラは、CVDまたはALDによってコバルトの堆積をもたらすための命令を含み得る。
【0092】
保護層の堆積は、PVD、CVD、またはALDプロセスチャンバのいずれかで実施することができ、各チャンバは、任意選択で、プラズマを生成するための機器を含んでもよい。そのようなチャンバは多くの形態をとることができ、各々が1つまたは複数の基板またはウエハを収容することができ、様々な基板処理動作を実施するように構成することができる1つまたは複数のチャンバまたはリアクタ(時には複数のステーションを含む)を含む装置の一部であり得る。1つまたは複数のチャンバは、基板を1つまたは複数の画定された位置に維持することができる(その位置内での動き、例えば、回転、振動、または他の攪拌の有無にかかわらず)。一実施態様では、膜堆積を受ける基板は、プロセス中にチャンバ内のあるステーションから別のステーションに移送され得る。他の実施態様では、基板は、PVD動作およびCVD動作などの異なる動作を実施するために、装置内のチャンバからチャンバに移送され得る。プロセス中、各基板は、台座、基板チャック、および/または他の基板保持装置によって所定の位置に保持され得る。基板が加熱される特定の動作の場合、装置は、加熱プレートなどのヒータを含み得る。
【0093】
図5は、実施形態の1つによる、保護層のCVD堆積を実施するために配置された様々なリアクタ構成要素を図示する単純なブロック図を提供する。示すように、リアクタ500は、リアクタの他の構成要素を取り囲み、また、接地されたヒータブロック520と連動して作動するシャワーヘッド514を含む容量性放電タイプのシステムによって生成されるプラズマを収容するように構成されているプロセスチャンバ524を含む。プラズマは必ずしも保護層堆積中に使用されるとは限らないが、いくつかの実施形態では、プラズマ処理は基板の前処理または後処理に使用することができるため、保護層のCVDはプラズマ発生器を備えたプロセスチャンバ内で行うことができる。図示のプロセスチャンバでは、高周波(HF)無線周波数(RF)発生器504および低周波(LF)RF発生器502を、整合ネットワーク506およびシャワーヘッド514に接続することができる。整合ネットワーク506によって供給される電力および周波数は、プロセスチャンバ524に供給されるプロセスガスからプラズマを生成するのに十分であり得る。例えば、整合ネットワーク506は、100W~1000Wの電力を提供することができる。いくつかの例では、整合ネットワーク506が提供することができる。典型的なプロセスでは、HFRF成分は、一般に1MHz~100MHz、例えば、13.56MHzであり得る。LF成分が存在する動作では、LF構成要素は、約1MHz未満、例えば、100kHzからのものであり得る。いくつかの実施態様では、コバルトCVDは、プラズマを使用せずに実施される。
【0094】
リアクタ内で、台座518が、基板516を支持することができる。台座518は、堆積および/またはプラズマ処理反応中およびその間に基板を保持および移送するためのチャック、フォーク、またはリフトピン(図示せず)を含み得る。チャックは、静電チャック、機械的チャック、または産業および/もしくは研究で使用可能である様々な他のタイプのチャックであり得る。
【0095】
様々なプロセスガスが、入口512を介して導入され得る。複数のソースガスライン510が、マニホールド508に接続される。ガスは、予混合されていてもいなくてもよい。適切な弁およびマスフロー制御メカニズムを用いて、プロセスの堆積およびプラズマ処理段階中に正しいプロセスガスが確実に送給されるようにすることができる。化学前駆体が液体の形態で送給される場合、液体の流れ制御メカニズムを用いることができる。次に、そのような液体は気化され、堆積チャンバに達する前に、液体の形態で供給される化学前駆体の気化ポイントを超えて加熱されたマニホールド内で搬送中にプロセスガスと混合され得る。
【0096】
コバルト含有前駆体または窒素含有ガスなどのプロセスガスは、出口522を介してチャンバ524を出ることができる。真空ポンプ、例えば、1段または2段の機械式ドライポンプおよび/またはターボ分子ポンプ540を使用して、プロセスチャンバ524からプロセスガスを引き出し、スロットル弁や振り子弁などの閉ループ制御された流量制限デバイスを使用することによって、プロセスチャンバ524内の適切な低圧を維持することができる。
【0097】
上で論じたように、本明細書で論じた堆積のための技術は、マルチステーションまたはシングルステーションツールで実施することができる。
図6は、このようなツールの一例の概略図である。特定の実施態様では、200mm、300mm、または450mmのウエハを処理するためのツールを使用することが可能である。様々な実施態様において、基板は、すべての堆積および/もしくは堆積後処理の後にインデックス付けされ得るか、またはエッチングチャンバもしくはステーションも同じツールの一部である場合、エッチングステップの後にインデックス付けされ得るか、または基板にインデックス付けする前に、単一のステーションで複数の堆積および処理が行われ得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術を実施するように構成されている装置を提供することができる。適切な装置は、様々なプロセス動作を実施するためのハードウェア、ならびに開示された実施形態によるプロセス動作を制御するための命令を有するシステムコントローラ530を含み得る。システムコントローラ530は、典型的には、様々なプロセス制御機器、例えば、弁、RF発生器、基板ハンドリングシステムなどと通信可能に接続され、装置が開示された実施形態による技術を実施するように命令を実行するように構成されている1つまたは複数のメモリデバイスおよび1つまたは複数のプロセッサを含む。本開示に従ってプロセス動作を制御するための命令を含む機械可読媒体は、システムコントローラ530に結合され得る。コントローラ530は、様々なハードウェアデバイス、例えば、マスフローコントローラ、弁、RF発生器、真空ポンプなどと通信可能に接続され、本明細書に記載されるような堆積動作に関連する様々なプロセスパラメータの制御を容易にすることができる。
【0099】
いくつかの実施形態では、システムコントローラ530は、リアクタ500の活動のすべてを制御することができる。システムコントローラ530は、大容量記憶デバイスに記憶され、メモリデバイスにロードされ、プロセッサで実行されるシステム制御ソフトウェアを実行することができる。システム制御ソフトウェアは、ガス流のタイミング、基板の移動、RF発生器の作動などを制御するための命令、ならびにガスの混合、チャンバ圧力および/またはステーション圧力、チャンバ温度および/またはステーション温度、基板温度、目標電力レベル、RF電力レベル、基板台座、チャック位置および/またはサセプタ位置、ならびにリアクタ装置500によって実施される特定のプロセスの他のパラメータを制御するための命令を含み得る。例えば、ソフトウェアは、コバルト含有前駆体の流量、還元剤の流量、窒素含有ガスの流量、および上述の流動化学物質の各々の曝露時間を制御するための命令またはコードを含み得る。システム制御ソフトウェアは、任意の適切な方法で構成され得る。例えば、様々なプロセスツール構成要素サブルーチンまたは制御オブジェクトは、様々なプロセスツールプロセスを実行するために必要なプロセスツール構成要素の動作を制御するために書かれてもよい。システム制御ソフトウェアは、任意の適切なコンピュータ可読プログラミング言語でコード化され得る。
【0100】
システムコントローラ530は、典型的には、装置が本開示による技術を実施するように、命令を実行するように構成されている1つまたは複数のメモリデバイスおよび1つまたは複数のプロセッサを含み得る。開示された実施形態によるプロセス動作を制御するための命令を含む機械可読媒体は、システムコントローラ530に結合され得る。
【0101】
上述のように、1つまたは複数のプロセスステーションは、マルチステーション処理ツールに含まれ得る。
図6は、インバウンドロードロック602およびアウトバウンドロードロック604を備え、これらのいずれかまたは両方がリモートプラズマ源を備え得るマルチステーション処理ツール600の一実施形態の概略図を示す。ロボット606は、大気圧において、ポッド608を通してロードされたカセットから、大気圧ポート610を介してインバウンドロードロック602に基板を移動させるように構成される。基板は、ロボット606によって、インバウンドロードロック602の台座612上に載置され、大気圧ポート610が閉じられ、ロードロックがポンプダウンされる。インバウンドロードロック602がリモートプラズマ源を備える場合、基板は、処理チャンバ614に導入される前にロードロックにおいてリモートプラズマ処理を受けてもよい。さらに、基板はまた、例えば、水分および吸着したガスを除去するためにインバウンドロードロック602においても加熱されてよい。次に、処理チャンバ614へのチャンバ搬送ポート616が開かれ、別のロボット(図示せず)が、基板をリアクタ内に移動させ、リアクタ内に示す第1のステーションの台座上に処理のために載置する。なお、
図6に図示される実施形態はロードロックを含んでいるが、いくつかの実施形態では、プロセスステーションにウエハを直接進入させてもよいことが理解されるであろう。
【0102】
図示の処理チャンバ614は、
図6に示す実施形態において1から6まで番号が付けられた4つのプロセスステーションを含む。各ステーションは、加熱台座(ステーション1に対して618で示す)と、ガスライン入口とを有する。一部のステーションは、
図5に関して上述したものと同様の構成要素を含む場合がある。いくつかの実施形態では、各プロセスステーションは、異なるまたは複数の目的を有し得ることが理解されるであろう。例えば、いくつかの実施形態では、プロセスステーションは、ALDおよびCVDプロセスモードの間で切り替え可能であり得る。追加的または代替的に、いくつかの実施形態では、処理チャンバ614は、ALDおよびCVDプロセスステーションの1つまたは複数の整合された対を含み得る。いくつかの実施形態では、処理チャンバ614は、CVDおよびPVDステーションを含み得る。いくつかの実施形態では、フィーチャは、1つのステーション(ステーション1など)においてPVDによって銅シード層でコーティングされ得る。次に、基板は、エアブレークなしに、同じチャンバ614内の第2のステーション(ステーション2など)に、または別のチャンバ内のステーションに移送することができ、基板は、コバルト含有前駆体および還元剤に曝され、CVDまたはALDによって保護コバルト層を堆積する。
【0103】
いくつかの実施形態では、基板がコバルトの熱堆積を受けた後、基板は別のチャンバに移送され、これはまた様々なステーションを含み得る。図示の処理チャンバ614は4つのステーションを備えるが、本開示による処理チャンバは、任意の適切な数のステーションを有してもよいことが理解されよう。例えば、いくつかの実施形態では、処理チャンバは、5つ以上のステーションを有してもよく、他の実施形態では、処理チャンバは、3つ以下のステーションを有してもよい。
【0104】
図6はまた、処理チャンバ614内でウエハを移送するためのウエハハンドリングシステム609の一実施形態を図示する。いくつかの実施形態では、ウエハハンドリングシステム609は、様々なプロセスステーション間および/またはプロセスステーションとロードロックとの間でウエハを移送することができる。任意の適切なウエハハンドリングシステムが用いられてもよいことが理解されるであろう。非限定的な例として、ウエハカルーセルおよびウエハハンドリングロボットが挙げられる。
図6はまた、プロセスツール600のプロセス条件およびハードウェア状態を制御するために用いられるシステムコントローラ650の一実施形態を図示する。システムコントローラ650は、1つまたは複数のメモリデバイス656と、1つまたは複数の大容量記憶デバイス654と、1つまたは複数のプロセッサ652とを含むことができる。プロセッサ652は、CPUまたはコンピュータ、アナログおよび/またはデジタル入出力接続、ステッピングモータコントローラボードなどを含み得る。
【0105】
いくつかの実施形態では、コントローラ650は、プロセスツール600の活動のすべてを制御する。コントローラ650は、大容量記憶デバイス654に記憶され、メモリデバイス656にロードされ、プロセッサ652で実行されるシステム制御ソフトウェア658を実行する。あるいは、制御論理は、コントローラ650にハードコードされ得る。これらの目的のために、特定用途向け集積回路、プログラマブル論理デバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはFPGA)などを使用することができる。以下の説明では、「ソフトウェア」または「コード」が使用されている場合は常に、機能的に同等のハードコードされた論理を代わりに使用することができる。システム制御ソフトウェア658は、タイミング、ガスの混合、亜飽和ガス流の量、チャンバ圧力および/またはステーション圧力、チャンバ温度および/またはステーション温度、ウエハ温度、目標電力レベル、RF電力レベル、基板台座、チャック位置および/またはサセプタ位置、ならびにプロセスツール600によって実施される特定のプロセスの他のパラメータを制御するための命令を含み得る。システム制御ソフトウェア658は、任意の適切な方法で構成され得る。例えば、様々なプロセスツール構成要素サブルーチンまたは制御オブジェクトは、様々なプロセスツールプロセスを実行するために必要なプロセスツール構成要素の動作を制御するために書かれてもよい。システム制御ソフトウェア658は、任意の適切なコンピュータ可読プログラミング言語でコード化され得る。
【0106】
いくつかの実施形態では、システム制御ソフトウェア658は、上述の様々なパラメータを制御するための入出力制御(IOC)シーケンス命令を含み得る。いくつかの実施形態では、コントローラ650に関連する大容量記憶デバイス654および/またはメモリデバイス656に記憶された他のコンピュータソフトウェアおよび/またはプログラムが用いられてもよい。この目的のためのプログラムの例またはプログラムのセクションの例は、基板位置決めプログラム、プロセスガス制御プログラム、圧力制御プログラム、ヒータ制御プログラム、およびプラズマ制御プログラムを含む。
【0107】
基板位置決めプログラムは、基板を台座618上にロードし、基板とプロセスツール600の他の部分との間隔を制御するために使用されるプロセスツール構成要素のプログラムコードを含むことができる。
【0108】
プロセスガス制御プログラムは、プロセスステーションの圧力を安定化するために、ガス組成(例えば、本明細書に記載のコバルト含有前駆体、還元剤、および窒素含有ガス)と流量を制御するためのコード、および任意で堆積前にガスを1つまたは複数のプロセスステーションに流すためのコードを含むことができる。圧力制御プログラムは、例えば、プロセスステーションの排気システムのスロットル弁、プロセスステーションへのガス流などを調節することによってプロセスステーションの圧力を制御するためのコードを含み得る。
【0109】
いくつかの実施態様では、コントローラ650はシステムの一部であり、そのようなシステムは上述した例の一部であってもよい。そのようなシステムは、1つまたは複数の処理ツール、チャンバ614などの1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数の処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を備えることができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後のシステム動作を制御するための電子機器と一体化されてもよい。そのような電子機器は「コントローラ」と呼ばれることがあり、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素または副部品を制御してもよい。コントローラ650は、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、本明細書に開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされてもよい。そのようなプロセスとしては、処理ガスの送給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送給設定、位置および動作設定、ツールに対するウエハの搬入と搬出、ならびに、特定のシステムに接続または連動する他の搬送ツールおよび/またはロードロックに対するウエハの搬入と搬出が含まれる。
【0110】
広義には、コントローラ650は、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、論理、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義されてもよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されたチップ、および/または1つまたは複数のマイクロプロセッサ、すなわちプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行するマイクロコントローラを含んでもよい。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラ650に通信される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上で、または半導体ウエハ用に、またはシステムに対して実施するための動作パラメータを定義してもよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、二酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハダイの製作における1つまたは複数の処理ステップを実現するためプロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってもよい。例えば、パラメータは、コバルト含有前駆体ガス流、還元剤ガス流、キャリアガス流、窒素含有ガス流、プラズマ電力および周波数、台座温度、ステーション圧力もしくはチャンバ圧力、ならびに/またはステーション温度もしくはチャンバ温度などを含み得る。
【0111】
コントローラ650は、いくつかの実施態様では、システムと統合または結合されるか、他の方法でシステムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、コントローラ650は、「クラウド」内にあってもよいし、ファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作動作の現在の進捗状況を監視し、過去の製作動作の履歴を検討し、複数の製作動作から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、または新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供することができる。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラ650は命令をデータの形式で受信する。そのようなデータは、1つまたは複数の動作中に実施される各処理ステップのためのパラメータを特定するものである。パラメータは、実施されるプロセスのタイプ、およびコントローラ650が連動または制御するように構成されるツールのタイプに特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、コントローラ650は、例えば、互いにネットワーク接続され共通の目的(本明細書で説明されるプロセスおよび制御など)に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを備えることによって分散されてもよい。このような目的のための分散型コントローラ650の例として、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路であって、(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔配置されておりチャンバにおけるプロセスを制御するよう組み合わせられる1つまたは複数の集積回路と通信するものが挙げられるであろう。
【0112】
例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、追跡チャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連するか使用されてもよい任意の他の半導体処理システムを含むことができるが、これらに限定されない。
【0113】
上述のように、ツールによって実施される1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラ650は、1つまたは複数の他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、ツール600などのクラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ650、または半導体製造工場内のツール場所および/もしくはロードポートに対してウエハの容器を搬入および搬出する材料搬送に使用されるツールと通信してもよい。
【0114】
ヒータ制御プログラムは、基板を加熱するために使用される加熱ユニットへの電流を制御するためのコードを含むことができる。あるいは、ヒータ制御プログラムは、基板への熱伝達ガス(ヘリウムなど)の送給を制御することができる。
【0115】
プラズマ制御プログラムは、本明細書の実施形態による1つまたは複数のプロセスステーションのプロセス電極に適用されるRF電力レベルを設定するためのコードを含むことができる。
【0116】
圧力制御プログラムは、本明細書の実施形態による反応チャンバ内の圧力を維持するためのコードを含むことができる。
【0117】
いくつかの実施形態では、コントローラ650に関連するユーザインターフェースが存在してもよい。ユーザインターフェースは、ディスプレイ画面、装置および/またはプロセス条件のグラフィカルソフトウェアディスプレイ、ならびにポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォンなどのユーザ入力デバイスを含むことができる。
【0118】
いくつかの実施形態では、コントローラ650によって調整されたパラメータは、プロセス条件に関係するものであってもよい。非限定的な例として、プロセスガス組成および流量、温度、圧力、プラズマ条件(RFバイアス電力レベルなど)、圧力、温度などが挙げられる。これらのパラメータは、レシピの形態でユーザに提供されてもよく、ユーザインターフェースを利用して入力することができる。
【0119】
プロセスを監視するための信号は、様々なプロセスツールセンサからコントローラ650のアナログおよび/またはデジタル入力接続によって提供されてもよい。プロセスを制御するための信号は、プロセスツール600のアナログおよびデジタル出力接続で出力することができる。監視することができるプロセスツールセンサの非限定的な例は、マスフローコントローラ、圧力センサ(圧力計など)、熱電対などを含む。適切にプログラムされたフィードバックおよび制御アルゴリズムをこれらのセンサからのデータと共に使用して、プロセス条件を維持することができる。
【0120】
コントローラ650は、上述の堆積プロセスを実施するためのプログラム命令を提供することができる。プログラム命令は、DC電力レベル、RFバイアス電力レベル、圧力、温度などのような様々なプロセスパラメータを制御することができる。命令は、本明細書に記載の様々な実施態様に従って、膜スタックのin-situ堆積を動作させるためのパラメータを制御することができる。
【0121】
コントローラは、典型的には、装置が本実施形態による方法を実施するように、命令を実行するように構成されている1つまたは複数のメモリデバイスおよび1つまたは複数のプロセッサを含む。本実施形態によるプロセス動作を制御するための命令を含む機械可読媒体は、コントローラに結合され得る。
【0122】
図7は、特定の実施形態による膜堆積プロセスを行うのに適した処理システムのブロック図である。例えば、システムは、保護層の堆積、ならびに銅シード層、湿潤層、および拡散障壁層の1つまたは複数の堆積に適している。いくつかの実施形態では、これらの層のすべてが、図示のシステムに堆積される。システム700は、移送モジュール703を含む。移送モジュール703は、処理中の基板が様々なリアクタモジュール間を移動するときの基板の汚染リスクを最小化するために、清潔な加圧環境を提供する。移送モジュール703には、2つのマルチステーションリアクタ709および710が取り付けられており、各々が特定の実施形態による原子層堆積(ALD)および/または化学気相堆積(CVD)を実施することが可能である。いくつかの実施形態では、処理システムは、PVDを実施することが可能なリアクタをさらに含む。リアクタ709および710は、開示される実施形態による動作を連続的または非連続的に実施することができる複数のステーション711、713、715、および717を含むことができる。ステーションは、加熱された台座または基板支持体、1つまたは複数のガス入口またはシャワーヘッドまたは分散プレートを含むことができる。
【0123】
また、移送モジュール703には、プラズマによる前洗浄もしくは化学的(非プラズマ)前洗浄、または開示される方法に関連して説明された任意の他のプロセスを実施することが可能な、1つまたは複数のシングルまたはマルチステーションモジュール707が取り付けられてもよい。モジュール707は、場合によって、例えば、堆積プロセスのための基板を準備するための様々な処理に使用することができる。モジュール707はまた、エッチングまたは研磨などの様々な他のプロセスを実施するように設計/構成することができる。システム700はまた、処理前および処理後のウエハを格納する1つまたは複数のウエハソースモジュール701を含んでいる。大気移送チャンバ719内の大気ロボット(図示せず)は、最初にウエハをソースモジュール701から取り出してロードロック721へ移送することができる。移送モジュール703内のウエハ移送デバイス(一般に、ロボットアームユニット)は、ウエハをロードロック721から移送モジュール703に取り付けられたモジュールに移動させたり、モジュール間で移動させたりする。
【0124】
様々な実施形態において、システムコントローラ729を用いて、堆積中のプロセス条件を制御する。コントローラ729は、典型的には、1つまたは複数のメモリデバイスと、1つまたは複数のプロセッサとを含む。プロセッサは、CPUまたはコンピュータ、アナログおよび/またはデジタル入出力接続、ステッピングモータコントローラボードなどを含み得る。
【0125】
コントローラ729は、堆積装置の活動のすべてを制御することができ、コントローラ650と同様に構成することができる。
【0126】
本明細書で説明される装置/プロセスは、例えば、半導体デバイス、ディスプレイ、LED、太陽光パネルなどの製作または製造のために、リソグラフィパターニングツールまたはプロセスと併せて使用されてもよい。典型的には、必須ではないが、そのようなツール/プロセスは、共通の製作施設で共に使用または実施される。膜のリソグラフィパターニングは、典型的には、以下の動作のいくつかまたはすべてを含み、各動作が使用可能な多くのツールを用いて可能にされる。(1)スピンオンツールまたはスプレーオンツールを使用して、ワークピース(すなわち、基板)にフォトレジストを塗布する動作、(2)ホットプレートまたは炉またはUV硬化ツールを使用してフォトレジストを硬化する動作、(3)ウエハステッパなどのツールを用いて可視光またはUV光またはX線光でフォトレジストを露光する動作、(4)ウェットベンチなどのツールを使用して、レジストを現像してレジストを選択的に除去し、それによってレジストをパターニングする動作、(5)ドライエッチングツールまたはプラズマ支援エッチングツールを使用することによって、下層の膜またはワークピースにレジストパターンを転写する動作、および(6)RFまたはマイクロ波プラズマレジストストリッパなどのツールを使用してレジストを除去する動作。
【国際調査報告】