(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-06
(54)【発明の名称】気化容器及び方法
(51)【国際特許分類】
C23C 16/448 20060101AFI20220629BHJP
H01L 21/205 20060101ALN20220629BHJP
H01L 21/31 20060101ALN20220629BHJP
【FI】
C23C16/448
H01L21/205
H01L21/31 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021562801
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(85)【翻訳文提出日】2021-12-17
(86)【国際出願番号】 US2020029560
(87)【国際公開番号】W WO2020219702
(87)【国際公開日】2020-10-29
(32)【優先日】2019-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリックス, ブライアン シー.
(72)【発明者】
【氏名】バトル, スコット エル.
(72)【発明者】
【氏名】エルドリッジ, デービッド ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】グレッグ, ジョン エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】トーマス, ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス, マヌエル エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン, ケニー アール.
(72)【発明者】
【氏名】オルソン, ベンジャミン エイチ.
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030AA02
4K030AA03
4K030EA01
4K030KA10
4K030KA46
4K030KA47
4K030LA15
5F045AA03
5F045AC03
5F045AC04
5F045AC14
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5F045AC17
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5F045EE02
(57)【要約】
側壁、底板、底板を通って延在している1つ又は複数の開孔部、及び底板を通って延在しているダクトを有するトレイを備える気化容器のためのトレイ。気化する固体試薬を支持するように構成されているトレイ。側壁及び底板を有する第1のトレイを形成することを含む、トレイを組み立てるための方法。1つ又は複数のトレイを含む気化容器。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気化容器のためのトレイであって:
固体試薬を支持するように構成されている表面を有する底板と;
側壁と;
底板と側壁とによって画定される内部空間と;
底板を通って延在している1つ又は複数の貫通孔であって、底板の表面より上に延びている1つ又は複数の貫通孔と;
底板を通り、底板から離れるように延びている中央ダクトと、
を含み、
中央ダクトが、第1のトレイの上又は下に積み重ねられている少なくとも1つの他のトレイと流体的に接続し、キャリアガスがトレイを通って流れることを可能にするように構成されている、気化容器のためのトレイ。
【請求項2】
側壁の内面に沿って位置している1つ又は複数の接触部材であって、1つ又は複数の接触部材のそれぞれは、側壁の上端を越えて上方に延在している弾性部材を含む、請求項1に記載のトレイ。
【請求項3】
弾性部材が、固体試薬と化学的に適合性である、請求項2に記載のトレイ。
【請求項4】
固体試薬が、塩化アルミニウム、塩化タングステン、ヨウ化ケイ素、塩化カドミウム、及び塩化タンタルからなる群からの金属ハロゲン化物である、請求項3に記載のトレイ。
【請求項5】
内壁が中央ダクトを形成し、内壁はシールのための凹み部を画定し、シールは、キャリアガス及び試薬と化学的に適合性であるように構成されているエラストマー材料で作製されている、請求項1に記載のトレイ。
【請求項7】
トレイが回転すると、1つ又は複数の貫通孔のいずれも、1つ又は複数の貫通孔のうちの1つの前の位置と重ならず、それにより、キャリアガスは固体試薬に沿って流れる、請求項1に記載のトレイ。
【請求項8】
内壁が中央ダクトを形成し、内壁は側壁の上端より上に延在している上面を有する、請求項1に記載のトレイ。
【請求項9】
グラファイト、ニッケル、ステンレス鋼、及びアルミニウム合金の少なくとも1つを含む材料でコーティングされているか又は作製されている、請求項1に記載のトレイ。
【請求項10】
トレイがアルミニウム合金で作製されており、試薬が金属ハロゲン化物試薬である、請求項9に記載のトレイ。
【請求項11】
スパッタリング堆積を使用してニッケルでコーティングされている、請求項9に記載のトレイ。
【請求項12】
グラファイトでコーティングされており、体積の20%以上又は80%超のアモルファスカーボン含有量を有する多結晶グラファイトで構成されている、請求項9に記載のトレイ。
【請求項13】
ハウジングと;
ハウジング内に位置している第1のトレイであって:底板、側壁、底板を通り、底板より上に延びている1つ又は複数の貫通孔、底板を通り、底板から離れるように延びている第1の中央ダクト、及び気化される固体試薬を支持するための表面を含む、第1のトレイと;
気化容器内の第1のトレイの上又は下にそれぞれが積み重ねられている1つ又は複数のトレイであって、第1のトレイの中央ダクトは、1つ又は複数のトレイと流体的に接続し、キャリアガスが1つ又は複数のトレイを通って流れることを可能にしている、1つ又は複数のトレイと
を含む、気化容器。
【請求項14】
1つ又は複数のトレイが第2のトレイを含み、第2のトレイは、第1のトレイと同じ構成を有し、第2のトレイの第2の中央ダクトは、第1のトレイの第1の中央ダクトと位置合わせされ、流体的に接続されており、
第2のトレイは、第1のトレイの貫通孔のいずれも、第2のトレイの対応する貫通孔と重ならないように回転される、請求項13に記載の気化容器。
【請求項15】
1つ又は複数のトレイが回転されるときに、1つ又は複数の貫通孔のいずれも、1つ又は複数の貫通孔のうちの1つの前の位置と重ならないようにすることで、キャリアガスが固体試薬に沿って流れるようにする、請求項13に記載の気化容器。
【請求項16】
第1のトレイの第1の中央ダクトと第2のトレイの第2の中央ダクトとを直接流体的に接続するシールであって、第1のトレイは、中央ダクトを形成する内壁を含み、シールは内壁と第2のトレイに直接接触している、シールをさらに含む、請求項13に記載の気化容器。
【請求項17】
シールが、キャリアガス及び試薬と化学的に適合性であるように構成されているエラストマー材料で作製されている、請求項13に記載の気化容器。
【請求項18】
第1のトレイが、側壁の内面に沿って位置している1つ又は複数の接触部材を含み、1つ又は複数の接触部材のそれぞれは、側壁の上端を越えて上方に延在している弾性部材を含む、請求項13に記載の気化容器。
【請求項19】
気化した試薬の量に対して百万分率で10部以下の金属不純物を含む試薬ガスの流れを提供するように構成されている、請求項13に記載の気化容器。
【請求項20】
側壁、底板、側壁と底板とによって画定される内部空間、及び底板を通って延在する1つ又は複数の開孔部を含む第1のトレイを形成することと;
1つ又は複数の予め作製されたアームを第1のトレイに配置することと;
それぞれが底板と1つ又は複数の予め作製されたアームの1つとを通って延在する貫通孔を形成するように、予め作製されたアーム中の開孔部の1つが、底板の開孔部のそれぞれに設けられるように、予め作製されたアームを位置合わせすることと;
1つ又は複数の予め作製されたアームを第1の部分に固定することと
を含む、請求項13に記載の気化容器を組み立てる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、容器がキャリアガス及び固体試薬の流れを利用して、気化した試薬の流れを提供することに関する。より具体的には、本開示は、気化される固体試薬を支持するように構成されている構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
一部の製造プロセスでは、気化した材料の流れを利用する。例えば、化学気相堆積は、気化した材料の流れを利用して、表面に材料の固体層又は膜を形成するプロセスである。別の製造プロセスでは、気化した材料の流れを利用して、材料を基板に注入する。この材料は試薬と呼ばれることがある。半導体製造では、化学気相堆積を使用して、基板上に固体試薬の正確な薄膜を形成することができる。気化容器は、固体試薬をキャリアガスの流れで気化させることにより、気化した試薬の流れを提供するように構成することができる。固体試薬は、粒子、例えば、焼結若しくは非焼結、顆粒、又は液体の形態であり得る。
【発明の概要】
【0003】
気化容器は、ハウジングと、ハウジング内に配置された1つ又は複数のトレイとを含む。トレイは、気化する固体試薬を支持するように構成されている。キャリアガスが気化容器に供給され、トレイを通って固体試薬を通過して流れる。キャリアガスが固体試薬に沿って流れると、固体試薬は気化する。気化容器は、気化した試薬とキャリアガスとを含む試薬ガスの流れを生成する。
【0004】
気化容器、気化容器用トレイ、及び気化容器用トレイを組み立てるための方法の実施形態が開示されている。いくつかの実施形態では、気化容器は、固体試薬を支持するためのトレイを含む。いくつかの実施形態では、トレイは、固体試薬を支持するための表面を提供する。一実施形態では、気化容器は、複数のトレイを含む。
【0005】
一実施形態では、トレイは、固体試薬を支持するように構成されている表面を有する底板、側壁、底板を通って延在している1つ又は複数の貫通孔、及び底板を通って延在しているダクトを含む。ダクトは、第1のトレイ上に積み重ねられている第2のトレイのダクトに流体的に接続するように構成されている。一実施形態では、貫通孔は底板の表面より上に延びている。一実施形態では、貫通孔は底板の下面の下に延在している。
【0006】
一実施形態では、トレイは、側壁の内面に沿って配置されている1つ又は複数の接触部材を含む。接触部材のそれぞれは、側壁の上端を越えて上方に延在している固体試薬と化学的に適合性のある弾性部材を含む。
【0007】
一実施形態では、トレイは、側壁から内側に延在している1つ又は複数のアームを含む。貫通孔は、1つ又は複数のアームを貫通している。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のアームが、トレイの側壁から内壁まで延在している。一実施形態では、アームは底板とは別に形成され、その後、側壁がトレイ内に固定される。
【0008】
一実施形態では、トレイは、アルミニウム合金、ニッケル、グラファイト、又はステンレス鋼を含む材料で作製されている。
【0009】
一実施形態では、トレイは、グラファイト又は処理されたグラファイトを含む材料で作製されている。いくつかの実施形態では、トレイは、側壁の内面に沿って配置されている1つ又は複数の接触部材を含む。接触部材のそれぞれは、側壁の上端を越えて上方に延在している弾性部材を含む。
【0010】
一実施形態では、トレイを組み立てるための方法は、第1のトレイ部分を形成することを含む。第1のトレイ部分は、側壁及び底板を含む。一実施形態では、予め作製されたアームは、第1のトレイ部分内に固定される。別の実施形態では、複数のチューブが底板の開孔部を通して圧入されている。一実施形態におけるチューブ及び底板は、チューブを底板に溶接することを可能にする金属材料で作製されている。
【0011】
本開示の一部を形成し、ここに記載の気化容器及び気化容器のためのトレイを実施することができる実施形態を示す添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】一実施形態による、気化容器の側面図及び上面図である。
【
図1B】一実施形態による、気化容器の側面図及び上面図である。
【
図3】一実施形態による、気化容器のためのトレイの透視図である。
【
図4】直径Di
2に沿った
図3のトレイの断面図である。
【
図5A】別の実施形態による、気化容器のためのトレイの透視図である。
【
図5B】
図5Aの弾性部材の上面図、断面図、及び第2の断面図である。
【
図5C】
図5Aの弾性部材の上面図、断面図、及び第2の断面図である。
【
図5D】
図5Aの弾性部材の上面図、断面図、及び第2の断面図である。
【
図6A】別の実施形態による、
図5Aの気化トレイのための弾性部材の上面図及び断面図である。
【
図6B】別の実施形態による、
図5Aの気化トレイのための弾性部材の上面図及び断面図である。
【
図7A】別の実施形態による、気化容器のためのトレイの透視図である。
【
図7B】チューブの1つを示す
図7Aのトレイの断面図である。
【
図8A】一実施形態による、気化容器のためのトレイの透視図である。
【
図9A】一実施形態による、気化容器のためのトレイを形成するための方法である。
【
図9B】別の実施形態による、気化容器のためのトレイを形成するための方法である。
【0013】
同様の符号は、全体を通して同様の部品を表す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
気化容器によって固体試薬から生成された試薬ガスの流れを利用して、例えば、基板上に固体試薬の層を形成するか、又は材料を注入することができる。試薬ガスの流れには、気化した試薬とキャリアガスが含まれる。キャリアガスは、一般に、反応しない不活性ガスである。例えば、不活性ガスは、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、及び窒素のうちの1つ又は複数を含み得る。特に、気化した試薬の流れは、半導体の形成に使用することができる。現在、多くの半導体は、ナノメートルスケールなどのより小さなスケールで製造されている。半導体はより小さなスケールで形成されるため、故障や操作上の問題を防ぐために、より低濃度の金属不純物が求められてきた。したがって、金属不純物の濃度がより低い気化試薬が、半導体製造業界で求められてきた。
【0015】
気化容器のためのトレイと試薬との間の反応は、半導体製造において相当量の金属不純物を形成する可能性があることが決定されている。特に、不純物の量は、ナノメートルスケールの半導体製造において有意になる可能性がある。例えば、一部のステンレス鋼トレイに含まれる鉄は、一部の試薬と反応して金属不純物を形成することが判明している。例えば、ハロゲン化金属は鉄と反応して金属不純物を形成することが判明している。これらの化学反応は、固体試薬とトレイの表面との間、及び/又は気化した試薬とトレイの表面との間で起こり得る。
【0016】
ここに開示される実施形態は、気化容器、気化容器のためのトレイ、及びそれらを組み立てるための方法及び/又は形成する方法に関する。気化容器を使用して、気化した試薬の流れを提供することができる。1つ又は複数のトレイは、気化する固体試薬を保持するように構成される。気化容器は、固体試薬の一部が気化してキャリアガスと共に流れるように、例えば、固体試薬と接触するように、固体試薬に沿ってキャリアガスの流れを通過させることによって気化試薬の流れを提供するように構成される。
【0017】
ここに開示される実施形態は、より低い金属不純物を有する試薬ガスの流れを生成する構成を有する。いくつかの実施形態では、試薬と接触する1つ又は複数のトレイ部品は、著しく低いレベルの不純物を生成する材料で作製されているか、あるいはコーティングされている。ここに開示されるいくつかの実施形態は、トレイを通るキャリアガスの改善された流れを提供するように構成され、したがって、著しく低いレベルの不純物を提供する。
【0018】
本開示は、本発明のいくつかの実施形態(ただしこれらに限定されない)を説明し、ここで、気化容器は、気化した試薬の量に対して百万分率で10部(「ppm」)以下の金属不純物、又は気化した試薬の量に対して3ppm未満の金属不純物、又は気化した試薬の量に対して1ppmの金属不純物を含む。他の実施形態では、気化容器は、使用される特定の気化試薬と比較して検出可能な量の不純物以下である試薬ガスの流れを提供するように構成される。
【0019】
本発明による気化容器は、
図1Aに記載されている。
図1Aは、一実施形態による気化容器1の側面図である。
図1Bは、
図1Aの気化容器の上面図である。気化容器1は、容器10及びカバー20を含む。カバー20は円形である。しかしながら、一実施形態におけるカバー20は、異なる形状(例えば、長方形、正方形、又は三角形など)を有し得る。容器とカバー20とは、気化容器1のハウジングを形成する。ボルト25は、カバー20を容器10に固定する。入口30及び出口35は、カバー20に設けられている。シール部材27は、容器10とカバー20との間に配置されている。シール部材27は、容器10の上端とカバー20との間にシールを提供するように構成される。シール部材27は、粒子の脱落が少ないか全くない材料で作製されており、一般に試薬と反応しない。一実施形態では、シール部材27は、金属シールリング又はエラストマーガスケットであり得る。例えば、エラストマーガスケットは、ASHM国際規格1418によって定義されるように、1つ又は複数のFKMフルオロエラストマー及び/又はFFKMパーフルオロエラストマーで形成することができるが、これらに限定されない。例えば、金属シールリングは、ステンレス鋼、ニッケル、又は容器及び試薬と化学的に適合性のある柔らかい材料でコーティングされた金属を含み得る。例えば、気化容器で使用される(例えば、試薬ガスの流れ中の気化した試薬と比較して、気化容器1から流れる試薬ガスの流れ中の不純物の1ppm以上の増加を引き起こす)ときに(キャリアガス、試薬、及び/又は容器との反応によって、あるいは材料を損失することによって)検出可能なレベルの不純物を生成しないとき、エラストマー材料は化学的に適合性を有する。
【0020】
図2は、
図1Bの線F2-F2に沿った気化容器1の断面図である。気化容器1は、ハウジングによって画定された内部体積40を有する。例えば、一実施形態では、容器10及びカバー20は、内部体積40を画定する。容器10及びカバー20の内面は、耐食性材料で作製され得る。例えば、容器10及びカバー20の内面は、限定されないが、ステンレス鋼(例えば、316L SS)で作製され得る。
【0021】
気化容器1は、固体試薬50を保持するように構成されたトレイ100を含む。説明のために、最下部のトレイ100Aの内部構造は、固体試薬50を示すために省略されている。しかしながら、トレイ100は同様の特徴を有し、固体試薬50が各トレイ100に提供されることを理解されたい。固体試薬50は、
図3に顆粒として示されている。しかしながら、固体試薬50は、一実施形態では、任意の非ガス性物質又は材料であり得る。例えば、固体試薬50は、実施形態では、粒子(焼結もしくは非焼結)、粉末、又は液体であり得る。
図2の気化容器1は、6個のトレイ100を有する。トレイ100は、内部体積40内で垂直方向D
vに積み重ねられている。一実施形態では、気化容器1は、1つ又は複数のトレイ100を含み得る。別の実施形態では、気化容器1は、2個以上のトレイ100を含み得る。
【0022】
各トレイ100は、上面114及び下面116を備えた底板110と、底板110を通って延在している貫通孔112とを含む。内部体積40は、トレイ100の下に位置する下部45を含む。トレイ100は、キャリアガスが入口30から内部体積40の下部45に流れることを可能にする通路を形成するためのダクト145を含む。次に、キャリアガスは、
図2の流路FPによって示されるように、出口35に流れる。一実施形態では、チューブ(図示せず)が入口30から下部45まで延在していてもよく、入口30のキャリアガスがチューブを通って流れて下部45に到達する。一実施形態では、入口30及び出口35の位置を逆にすることができる。このような実施形態では、
図2の流路FPも逆にされるであろう。したがって、そのような実施形態について、ガスの流れに関して以下に提供される説明、入口30、及び/又は出口35は、より低い金属不純物を有する試薬ガスの流れを生成するように変更されることを理解されたい。様々な実施形態におけるトレイ100の構造的特徴は、以下により詳細に説明される。
【0023】
一実施形態では、試薬は金属ハロゲン化物である。例えば、試薬は、塩化アルミニウム、塩化タングステン、ヨウ化ケイ素、塩化カドミウム、及び塩化タンタルのうちの少なくとも1つであり得る。一実施形態では、試薬は、塩化アルミニウム及び塩化タングステンのうちの1つであり得る。一実施形態では、試薬は、気化容器1内で不活性ガスで気化することができる無機又は有機金属の固体であり得る。
【0024】
図3は、気化容器(例えば、気化容器1)用のトレイ200の透視図である。
図4は、
図3の直径Di
2に沿ったトレイ200の断面図である。トレイ200は、底板210、側壁230、内壁240によって画定される中央ダクト245、及びアーム250A、250B、及び貫通孔212を含む。トレイ200は、底板210及び側壁230によって画定される内部空間を有する。
図3の底板210は、概して平坦である。しかしながら、一実施形態における底板210は、非平坦部分(例えば、湾曲部分、上向き若しくは下向きに延在している部分など)を有し得ることは理解されるべきである。
【0025】
図3に示されるように、トレイ200は、側壁230、内壁240、及びアーム250Aによって画定される内部空間内に4つの区画202を有する。一実施形態では、トレイ200は、1つ又は複数の区画202を有し得る。区画202は、固体試薬(例えば、固体試薬50)を支持及び/又は含むように構成される。底板210の上面210は、固体試薬と接触して支持するように構成されている。アーム250A、250Bは、側壁230から延在している。より具体的には、アーム250A、250Bは、側壁230と内壁240との間に延在している。アーム250A、250Bは、内側に(すなわち、トレイ200の内部空間内で)延在している。アーム250A、250Bは、底板210に沿って延在し、底板210に接続されている。より具体的には、アーム250A、250Bは、底板210の上面210に沿って延在し、それに直接接続されている。アーム250A、250Bは、第1のアーム250A及び第2のアーム250Bを含む。
図3のトレイ200は、4個の第1のアーム250A及び8個の第2のアーム250Bを含む。一実施形態では、トレイ200は、アーム250A、250Bのうちの1つ又は複数を含み得る。別の実施形態では、トレイ200は、1つ又は複数の第1のアーム250A、及び1つ又は複数の第2のアーム250Bを含み得る。
【0026】
第1のアーム250Aのそれぞれは、側壁230を内壁240に接続する。第1のアーム250Aのそれぞれは、トレイ200の直径(例えば、直径Di1、直径Di2)に沿って延在している。第1のアーム250Aは、対応する対で提供され、各対応する対の第1のアーム250Aは、トレイ200の同じ直径(例えば、直径Di1、直径Di2)に沿って延在している。第1のアーム250Aの第1の対は、第1のアーム250Aの第2の対が延在している方向に垂直な方向に延在している。しかしながら、一実施形態では、トレイ200は、1つ又は複数の第1のアーム250Aを含み得る。別の実施形態では、1つ又は複数の第1のアーム250Aは、対応する対で及び/又はトレイ200の直径に沿って延在させることができる。
【0027】
第2のアーム250Bのそれぞれは、側壁230から内壁240に向かって部分的に延在している(すなわち、内壁240に直接接続しない)。第2のアーム250Bのそれぞれは、トレイ200の直径(例えば、直径Di3)に沿って延在している。第2のアーム250Bの1つは、隣接する第1のアーム250Aの各対の間に提供される。第2のアーム250Bは、対応する対で提供され、各対応する対の第2のアーム250Bは、トレイ200の同じ直径(例えば、直径Di3)に沿って延在している。しかしながら、一実施形態では、トレイ200は、第2のアーム250Bのうちの1つ又は複数を含み得る。別の実施形態では、1つ又は複数の第2のアーム250Bは、対応する対で及び/又はトレイ200の直径に沿って延在するように配置されてはならない。
【0028】
底板210は、上面214及び下面216を有する。側壁230は、内面232及び上端234を有する。貫通孔212は、底板210を通って延在し、底板210の下の空間をトレイ200の内部空間に流体的に接続する。貫通孔212の上部252は、アーム250A、250Bの上面254に画定されている。区画202は、貫通孔212の上部252の下に位置している。したがって、貫通孔212の上部252は、固体試薬が落下及び/又は貫通孔212を通って流れることができないように、固体試薬の上に配置されるように構成される。
【0029】
内壁240は、底板210から延在する中央ダクト245を形成する。中央ダクト245は、ダクト開孔部218を介して底板210を通って延在している。中央ダクト245は、
図3及び
図4のトレイ200の中央にある。しかしながら、一実施形態では、中央ダクト245は、トレイ200の正確な中心にある必要はない。複数のトレイ200が気化容器(例えば、気化容器1)内で垂直方向DVに積み重ねられている場合、ダクト245は、キャリアガスが気化容器の入口(例えば、入口30)から気化容器の内部体積の下部(例えば、
図2の内部体積40の下部45)に流れることを可能にする。
【0030】
図4に示されるように、内壁240は、シール部材270を収容するための凹み部242を画定する。
図4のシール部材270は、Oリングである。別の実施形態では、シール270は、Eリングであり得る。シール部材270は、上のトレイ(例えば、上のトレイの下面)に接触する。シール部材270は、トレイ200上に積み重ねられた第2のトレイ(例えば、トレイ200と同様の構造を有するトレイ)のための支持面を提供することができる。一実施形態では、第2のトレイは、第1のトレイ200と同様の構成を有することができる。一実施形態では、第2のトレイは、第1のトレイ200とは異なる高さを有することを除いて、第1のトレイ200と同様の構成を有することができる。トレイ200の高さは、
図2のD
V方向に沿って測定される。シール部材270は、トレイ200のダクト245と第2のトレイのダクトとの間のシールを提供する。例えば、シール部材270は、内壁240と第2のトレイの下面(例えば、下面216)との間にシールを提供する。トレイ200が気化容器(例えば、気化容器1)の一番上のトレイである場合、シール部材270は、気化容器のカバー(例えば、カバー10)に接触し、ダクト245と気化容器の入口(例えば、入口30)との間のシールを提供する。シール部材270は、キャリアガスがダクト245からトレイ200の内部空間に直接流れるのを防ぐように構成される。一実施形態におけるダクト245は、シール部材270、内壁240、及び底板210のダクト開孔部218によって画定される。
【0031】
別の実施形態では、内壁240は、凹み部242を含まなくてもよい。そのような実施形態では、内壁240の上端244は、トレイ200又はカバー10上に積み重ねられた第2のトレイに接触するように構成される。そのような実施形態では、内壁240は、ダクト245と第2のトレイのダクト又は入口(例えば、入口30)との間のシーリングを提供するように、内壁240は、(例えば、
図4のシール部材270と同様に)側壁230の上端234よりも高く延在している。側壁230の上端234と第2のトレイの下面との間に小さな間隙を形成することができる。
【0032】
図4に示されるように、貫通孔212のそれぞれは、底板210の下面216に接続され、そこから延在する下部260を含み得る。貫通孔212の下部開孔部264は、底板210の反対側の下部260の端部に配置されている。
図4に示すように、貫通孔212は、底板210の下面216の下に延在する。下部260の長さl
LPは、対応する貫通孔212の上部からトレイ200の上部までの距離d
O(垂直方向D
V1)(例えば、圧縮されたときのシール部材270の上面、内壁240の上端244まで)よりも大きい。したがって、第2のトレイ(例えば、トレイ200と同様の構造を有するトレイ)がトレイ200上に積み重ねられるとき、貫通孔212から流れるキャリアガスは、下向きに(すなわち、垂直方向D
V1と反対に)流れなければならず、固体試薬(例えば、固体試薬50)により近く、第2のトレイの貫通穴に流れ込む。例えば、
図2は、キャリアガスの流路FPと、キャリアガスが1つのトレイ100から次のトレイ100に流れるときにどのように下向きに流れなければならないかを示している。一実施形態におけるトレイ200は、下部260を含まなくてもよいことを理解されたい。そのような実施形態では、貫通孔は、底板210を通って底板210の下面216まで延在するであろう。
【0033】
シール270は、キャリアガス及び気化した試薬と化学的に適合性があるように構成されたエラストマー材料で作製されている。例えば、エラストマー材料は、気化容器で使用したときに検出可能なレベルの不純物を生成しない場合(キャリアガス又は試薬との反応によって、又は材料を失うことによって)、化学的に適合性がある。本発明の目的のために、検出不可能なレベルの不純物は、気化した試薬の量と比較して、金属不純物の百万分率で10部(「ppm」)未満、又は気化した試薬の量に対して3ppm未満の金属不純物、又は気化した試薬の量に対して1ppmの金属不純物を含み得る。一実施形態では、Oリング270のエラストマー材料は、1つ又は複数のFKMフルオロエラストマー及び/又はFFKMパーフルオロエラストマーを含み得る。
【0034】
図3のトレイ200は第1の位置にある。トレイ200は、円周方向C
Dに対して45度回転して、第2の位置に到達することができる。トレイ200は、第2の位置にある貫通孔212のいずれも、第1の位置にあるときの貫通孔212の1つの位置と重ならないように構成される。上記のように、複数のトレイ200は、気化容器の内部体積(例えば、気化容器1の内部体積40)内で垂直方向D
Vに積み重ねられるように構成される。第1のトレイ200は、第2の隣接するトレイ200に対して回転するように構成される。例えば、第2の隣接するトレイ200は、第1のトレイ200上に積み重ねられたトレイ、又は第1のトレイ200が積み重ねられたトレイである。一実施形態では、第1のトレイ200は、第2の隣接するトレイに対して45、135、225、又は315度回転する。したがって、第1のトレイ200の貫通孔212のいずれも、垂直方向D
Vにおいて、第2の隣接するトレイ200の貫通孔212の1つと重ならない。したがって、キャリアガスは、第1のトレイ200の貫通孔212から第2のトレイ200の貫通孔212に流れるために、半径方向又は円周方向の少なくとも1つに流れなければならない。円周方向及び/又は半径方向に流れるとき、キャリアガスは、固体試薬(例えば、固体試薬50)に沿って流れ、有利には、生成された試薬ガスの流れが、固体試薬をより効率的に気化させ、及び/又は気化した試薬の濃度をより高くするという結果をもたらす。
【0035】
一実施形態では、トレイ200は、アルミニウム合金を含む材料で作ることができる。特に、トレイ200の内面(例えば、上面210、内面232、アーム250A、250Bの表面、内壁240の外面)は、アルミニウム合金で作製されている。アルミニウム合金は、固体又は蒸気として試薬と著しく反応することなく、固体試薬と接触するように構成されている。一実施形態では、トレイ200のアルミニウム合金は、試薬と実質的に非反応性であるように構成される。気化容器で使用される(例えば、試薬ガスの流れ中の気化された試薬と比較して、気化容器1から流れる試薬ガスの流れ中の不純物の1ppm以上の増加を引き起こす)場合、例えば、アルミニウム合金は(キャリアガス又は試薬との反応を通じて、及び/又は材料を失うことによって)検出可能なレベルの不純物を生成しないので、実質的に非反応性である。
【0036】
一実施形態では、アルミニウム合金は、有利には、金属ハロゲン化物試薬と有意に反応しない(すなわち、実質的に非反応性である)。例えば、固体試薬は塩化アルミニウムであり、トレイ200のアルミニウム合金は、有利には、固体又は気化した塩化アルミニウムと実質的に反応しない。したがって、トレイ200を使用して生成された気化試薬の流れは、不純物の濃度が制限されている。別の実施形態では、コーティングがアルミニウム合金トレイに適用されて、前駆体材料との反応及び不純物の輸送を制限する。
【0037】
底板210、側壁230、内壁240、及びアーム250A、250Bは、単一の連続部品である。一実施形態では、トレイ200は、単一の材料片を機械加工することによって形成される。しかしながら、一実施形態におけるトレイ200は、トレイ500に関して以下で論じられるように、アーム250A、250Bが非破壊的に取り外し可能であるように構成され得ることは理解されるべきである。
【0038】
図5Aは、気化容器(例えば、気化容器1)のためのトレイ300の透視図である。トレイ300は、底板310、貫通孔312、側壁330、内壁340によって画定される中央ダクト345、及びアーム350A、350Bを含む。ダクト345は、
図3及び
図4のダクト245と同様に、トレイ300を通って延在している。
【0039】
トレイ300は、底板310及び側壁330によって画定される内部空間を有する。より具体的には、内部空間は、底板300、側壁330、及び内壁340によって画定される。一実施形態のトレイ300はまた、トレイ200の下部260と同様に、そして上で論じたように、下部(
図5Aには示されていない)を含み得る。
【0040】
トレイ300のアーム350A、350Bは、トレイ200に関して上で論じたのと同様の構成を有する。一実施形態では、アーム350A、350Bは、アーム250A、250Bに関して上で論じたのと同様の方法(例えば、数、位置決め)で変更することができる。例えば、一実施形態のトレイ300は、アーム350A、350Bのうちの1つ又は複数を含み得る。例えば、一実施形態のトレイ300は、1つ又は複数の第1のアーム350A、及び1つ又は複数の第2のアーム350Bを含み得る。
【0041】
トレイ300の貫通穴312もまた、トレイ200の貫通穴212と同様の方法で構成される。特に、トレイ300は、それが円周方向に特定の量だけ(例えば、45度、135度)回転したときに、回転位置にある貫通穴312のいずれも、事前回転位置にある貫通穴312のうちの1つの位置と重ならないように構成されている。
【0042】
不純物のレベルを低減するための別の実施形態では、気化容器又は気化容器の一部(すなわちトレイ)は、グラファイトでコーティングされているか、又はグラファイトでできており、トレイ300は、グラファイト及び/又は処理されたグラファイトを含む材料でできている。一実施形態では、処理されたグラファイトは、表面処理されたグラファイトである。
【0043】
例えば、グラファイトでコーティングされた気化容器又はトレイの表面処理は、グラファイトをシールする熱分解コーティングを提供する熱分解処理であり得る。特定の例では、熱分解処理は、熱分解炭素を使用してグラファイト粒子を捕捉し、トレイをグラファイトでコーティングする。そのような実施形態では、トレイは、体積の20%以上又は80%超のアモルファスカーボン含有量を有する多結晶グラファイトから構成される。グラファイトの粒子サイズは平均1ミクロン~12ミクロンで、体積密度は1.50g/cm3~1.90g/cm3である。グラファイトを囲む熱分解炭素処理は、表面近くの多孔性を0.1インチの深さまで浸透させ、50ミクロンのグラファイト上に最大コーティング厚さを提供する。トレイのグラファイト処理により、気化した薬剤の量に比べて検出可能な不純物の量を低下することができる(以下の表1を参照)。
【0044】
一実施形態では、底板310、側壁330、内壁340、アーム350A、350Bは、グラファイトで作製されている。一実施形態では、底板310、側壁330、内壁340、及びアーム350A、350Bは、単一の連続したグラファイト片で作製されている。
【0045】
トレイがコーティングされているか、又はグラファイトで作製されているいくつかの実施形態では、トレイ300は、トレイ300とトレイ300上に積み重ねられた同様のトレイとの間の摩擦を低減することができる接触構造体380を含む。
【0046】
接触構造体380は、側壁330の内面332に沿って配置されている。
図5Aのトレイ300は、例として、4つの接触構造体380を有する。一実施形態では、トレイ300は、2つ以上の接触構造380を含み得る。別の実施形態では、トレイ300は、4個以上の接触構造体380を含み得る。
図5Aの各接触構造体380は、底板310の上面314及び側壁330の内面332に直接接続されている。しかしながら、一実施形態における接触構造体380は、側壁330に直接接続されることなく、側壁330の近く(例えば、内壁340よりも側壁330に近く)に配置され得る。
【0047】
接触構造体380のそれぞれは、弾性部材390のための上面382を有する。説明のために、弾性部材390は、
図5Aの接触構造体380の1つから省略されている。
図5Aに示されるように、接触構造体380の上面382は、弾性部材390を保持するためのはめ込み部分384を含む。弾性部材390のそれぞれは、側壁330の上端334を超えて上向きに(例えば、垂直方向D
V2に)延在している。弾性部材390は、キャリアガス及び気化した試薬と化学的に適合性のあるエラストマー材料でできている。一実施形態では、弾性部材390は、シール部材270に関して上で同様に論じられたように、エラストマー材料でできている。
【0048】
上で論じたように、トレイ300は、それが円周方向に特定の量だけ回転したとき(例えば、45度、135度)、回転位置にある接触構造380のいずれも、事前回転位置にある貫通孔312のうちの1つの位置と重なることはない。したがって、トレイ300と同様の構成を有する第2のトレイがトレイ300上に積み重ねられるとき、第2のトレイの貫通穴のいずれも、トレイ300の接触構造体380のいずれとも重ならない。
【0049】
接触構造体380は、トレイ300の非エラストマー表面と上に積み重ねられたトレイの下面との間の摩擦の量を低減しながら、トレイ300上に積み重ねられた第2のトレイのための支持面を提供することができる。特に、接触構造体380は、トレイ380の表面が耐摩耗性の低い材料でできている場合に有利であり得る。
【0050】
一実施形態では、トレイ若しくは気化容器は、ニッケルで作製するか、又はニッケルでコーティングすることができる。ニッケル材料は、金属ハロゲン化物試薬と化学的に適合性があり、検出可能な不純物のレベルを低減します。トレイ又は気化容器は、化学気相堆積、物理気相堆積、スパッタ堆積、及び関連技術で知られている他の関連技術を含むがこれらに限定されない堆積技術を使用してコーティングすることができる。一実施形態では、スパッタリング堆積を使用してニッケル材料をグラファイトトレイ上にコーティングすると、不純物のレベルが大幅に減少する。
【0051】
表1は、ニッケル又はグラファイトでコーティングされた気化容器と比較した、ステンレス鋼気化容器内の気化試薬と比較して検出された鉄(不純物)のレベルの比較を示している。この例では、40Torr、200sccmのArキャリアガス、150℃での気化容器の輸送。固体試薬はハロゲン化金属試薬(WCl6)であった。
【0052】
内壁340は、シール部材(例えば、シール部材270)を収容するための凹み部342を含む。シール部材は、
図4のトレイ200について上で説明したのと同様の方法で、トレイ300の凹み部342に提供されるであろう。ダクト345及びシール部材は、キャリアガスがトレイ300を完全に通過することを可能にする通路を形成する。シール部材は、ダクト345と、トレイ300上に積み重ねられた第2のトレイのダクトとの間のシールを提供する。一実施形態では、シール部材及び内壁340は、
図4のシール部材270及び内壁340について上で説明したのと同様の構成を有する。
【0053】
図5Bは、
図5Aの弾性部材390の透視図である。
図5Cは、線5C-5Cに沿った
図5Bの弾性部材390の断面図である。
図5Dは、線5C-5Cに沿った
図5Bの弾性部材390の断面図である。エラストマー部材390は、トレイ間又はトレイと気化容器のカバー(例えば、カバー10)との間で圧縮されたときに仮想漏洩を生じさせないように構成される。
図5D及び
図5Cに示されるように、弾性部材390はレンズ状形状を有する。より具体的には、弾性部材390の上面392及び下面394のそれぞれが凸状である。凸状下面394の頂点A1及び凸状上面392の頂点A2は、トレイ300及びトレイ300上に積み重ねられた第2のトレイと接触する。したがって、弾性部材390は、圧縮されたときに仮想漏洩を生じさせない。
【0054】
図6Aは、弾性部材のさらなる実施形態390Aの透視図である。
図6Bは、線6B-6Bに沿った
図6Aの弾性部材390Aの断面図である。
図6A及び
図6Bは、
図5A-5Dの弾性部材390の代替形状を示している。弾性部材390Aは部分的なOリングである。より具体的には、弾性部材390Aは、ハーフOリングである。一実施形態では、弾性部材390Aは、トレイ300のはめ込み部分384の凹部に配置される。弾性部材390Aは、弾性部材390Aが積み重ねられたトレイ間で圧縮された場合でも開いたままである開孔部392Aを有する。弾性部材390Aが圧縮されると、開孔部392Aは、弾性部材390Aの中央空間394A内のガスを逃がすことを可能にする。したがって、弾性部材390Aは、圧縮されたときに仮想漏洩を生じさせない。
【0055】
図6Aは、気化容器(例えば、気化容器1)のためのトレイ400の実施形態の前向き図である。トレイ400は、底板410、側壁430、内壁440によって画定されるダクト445、及び複数のチューブ450を含む。
図6Bは、底板410に沿った
図6Aのチューブ450のうちの1つの図である。底板410は、上面414、下面416、及び開孔部422を含む。開孔部422は、底板410の幅WPを通って(例えば、上面414から下面416まで)延在している。チューブ450は、上部452、下部の開孔部464、及び外向きの突起部455を有する。外向きの突起部455は、底板410の開孔部422の1つに圧入されるように構成された外形(例えば、外径)を有する。
【0056】
トレイ400は、底板410の開孔部422のそれぞれの1つに圧入される各チューブ450の外向きの突起部455によって組み立てられる。次に、各圧入チューブ450は、底板410に溶接される。外向きの突起部455は、有利には、チューブ450と底板410との間の継ぎ目480がチューブ450の垂直面467に沿っていないことを可能にする(例えば、継ぎ目480を横切る方向は、底板410の平面に沿っている)。より具体的には、トレイ400を垂直方向Dvに沿って見たときに、外向きの突起部は、継ぎ目480とチューブ450の垂直面467とを(例えば、距離dsだけ)離して配置する。この間隔により、チューブ450を上面414に垂直な方向DPで溶接することができる。距離dsは、例えば、限定されないが、底板410の幅WPに基づくことができる。一実施形態では、チューブ450の垂直面467から継ぎ目480までの距離dsは、底板410の厚さWPの0.5以上(すなわち、ds≧0.5WP)であり得る。チューブ450は互いに適切な間隔で配置されているので、側壁430及び内壁440は、溶接中に適切な量のパージガスが提供されることを可能にし、その結果、溶接表面を清潔に保つことができ、これにより、溶接部での不純物形成が低減される。例えば、継ぎ目480の間隔は、レーザー溶接を使用して管450を底板410に溶接することを可能にする。例えば、レーザー溶接は、CO2レーザー溶接及び電子ビーム溶接であり得るが、これらに限定されない。管450の構成はまた、自動レーザー溶接(例えば、CO2レーザー溶接、電子ビーム溶接)を使用して、チューブ450をトレイ400に溶接することを可能にする。
【0057】
各チューブ450はまた、底板410の上面414の上に延在している上部465と、底板410の下面416の下に延在している下部460とを含む。上部465は長さl
UP1を有し、下部460は長さl
LP2を有する。
図4の下部260の長さl
LPに関して上記で説明したのと同様の方法では、下部460の長さl
LP2は、対応する貫通孔412の上部452と側壁430の上端434との間の距離d
O1よりも大きくなるように構成される。距離d
O1は垂直方向D
V3に沿っている。したがって、複数のトレイ400が気化器容器(例えば、気化容器1)内で垂直方向D
V3に互いに積み重ねられている場合、下部トレイのチューブ450の上部の開孔部464から流れるキャリアガスは、上部トレイのチューブ450に流入する前に、下向きに(例えば、垂直方向D
V3に)流れる。
【0058】
フランジ442は、内壁440の上端から延在している。フランジ442は、ダクト445と、トレイ400上に積み重ねられた第2のトレイのダクト445との間のシールを提供するシール(例えば、
図4のシール270)を取り付けるためのはめ込み面444を含む。シール270と同様の方法で、シールは、側壁430の上端434の上に延在するであろう。
【0059】
トレイ400は、金属材料で構成されている。本発明の特定の実施形態では、トレイ400は、ステンレス鋼(例えば、316Lステンレス鋼)を含む材料で作製することができる。アルミニウム合金、グラファイト、又はニッケル。
【0060】
上記のように、複数のトレイ400は、気化容器内で(例えば、
図1A~
図1Bの気化容器1の内部体積40内で)垂直方向D
Vに積み重ねることができる。トレイ400が気化容器内に積み重ねられる場合、各トレイ400は、隣接するトレイ400(例えば、第1のトレイ400上に積み重ねられた第2の隣接トレイ、第1のトレイ400が積み重ねられた第2の隣接トレイ)に対して回転(例えば、円周方向D
C1に回転)されるように構成される。例えば、
図6Aに示されるようなトレイ400は第1の位置にあり、隣接するトレイ400は第2の位置を有し、第1の位置と第2の位置との間で異なるのは180度の回転である。トレイ400は、180度回転したときに、トレイ400が回転する前に、貫通孔412のいずれも貫通孔412の位置と重ならないように構成される。したがって、第1のトレイ400の貫通孔412のいずれも、垂直方向D
Vにおいて、隣接する第2のトレイ400の貫通孔412と重なることはない。したがって、キャリアガスは、第1のトレイ400の貫通孔412から第2の隣接するトレイ400の貫通孔412に流れるために、半径方向又は円周方向の少なくとも1つに流れなければならない。円周方向及び/又は半径方向に流れるとき、キャリアガスは、固体試薬(例えば、固体試薬50)に沿って流れ、有利には、生成された試薬ガスの流れが、固体試薬をより効率的に気化させ、及び/又は気化した試薬の濃度をより高くするという結果をもたらす。
【0061】
図8Aは、気化容器(例えば、気化容器1)のためのトレイ500の実施形態の透視図である。トレイ300と同様に、トレイ500は、上面514備えた底板510、側壁530、内壁540によって画定される中央ダクト545、及びアーム550A、550Bを含む。トレイ500は、トレイ200(例えば、下面216)と同様の下面(
図8A及び
図8Dには示されていない)を有する。トレイ500は、底板510及び側壁530によって画定される内部空間を含む。より具体的には、内部空間は、底板510、側壁530、及び内壁540によって画定される。
【0062】
アーム550A、550Bは別個に形成され、次にねじ590によってトレイ500の内部空間内に固定される。アーム550A、550Bは、トレイ200のアーム250A、250Bと同様の配置で、第1のアーム550A及び第2のアーム550Bを含む。
図8Bは、第1のアーム550Aのうちの1つの透視図を示している。
図8Cは、第2のアーム550Bのうちの1つの透視図を示している。
図8Dは、アーム550A、550Bのないトレイ500の上面図である。破線は、それぞれの透視図では見られないエッジ及び対応する表面を示すために、
図8B及び
図8Cに提供されている。ねじ590は、側壁530の孔536又は底板510の孔522を通って延在し、アーム550A、550Bを内部空間内に固定する。
【0063】
図8Bに示されるように、第1のアーム550Aは、第1の端部580A、第2の端部582A、上面554A、底面584A、及び開孔部586Aを含む。開孔部586Aは、第1のアーム550Aを通って延びる(例えば、上面554Aから底面584Aまで)。第1のアーム550Aはまた、第1のアーム550Aを底板510及び側壁530に取り付けるためのねじ590を収容するように構成されている第1の端部580A及び底面584Aにねじ孔592を含む。
【0064】
図8Cに示されるように、第2のアーム550Bは、第1の端部580B、上面554B、底面584B、及び開孔部586Bを含む。開孔部586Bは、第2のアーム550Bを通って(例えば、上面554Bから底面584Bまで)延在している。第2のアーム550Bはまた、第1の端部580B及び底面584Bにねじ孔592を含み、これらは、第2のアーム550Bを底板510及び側壁530に取り付けるためのねじ590を収容されるように構成される。
【0065】
図8Dに示されるように、底板510は、開孔部520及び孔522を含む。孔522のそれぞれは、アーム550A、550Bをねじで底板510に固定するためのものである。トレイが
図8Aに示されるように組み立てられるとき、トレイ500は、少なくともトレイ500の下面からトレイ500の内部空間まで延在している貫通孔512を含む。各貫通孔512は、底部板510の開孔部520のそれぞれの1つと、アーム550A、550Bの開孔部586Aのそれぞれの1つとによって形成される。
【0066】
一実施形態では、トレイ500はまた、
図4の下部260と同様の(
図8A~
図8Dには示されていない)下部を含み得る。各貫通孔512は、下部の1つ、底板510の開孔部520の1つ、及びアーム550A、550Bの開孔部586A、586Bのそれぞれの1つによって形成される。例えば、貫通孔512の上部は、アーム550A、550Bの開孔部586A、586Bによって提供され、貫通孔512の中央部分は、底板510の開孔部520によって提供され、貫通孔512の下部は、下部(例えば、
図4の下部260のうちの1つ)によって提供されるであろう.このような実施形態では、下部の1つを底板510の下面に取り付けることができる。別の実施形態では、下部は、アーム550A、550Bの底面584A、584Bに提供され得、底板510の開孔部520を通って延在する。
【0067】
図8Aのトレイ500は、アーム550A、550Bをトレイ500内の底板510に配置し、ねじ590を、底板510又は側壁530における対応するねじ孔592及び孔522、536の各対に挿入することによって組み立てられる。一実施形態では、アーム550A、550Bは、第1の端部580A、580B及び底面584A、584Bに1つ又は複数のねじ孔592を有し得る。別の実施形態では、アーム550A、550Bは、第1の端部580A、580Bだけに1つ又は複数のねじ孔592を有し得る。そのような実施形態では、底板510は、孔522を含まないであろう。
【0068】
したがって、トレイ500は、(非破壊的に)取り外し可能なアーム550A、550Bを有する。アーム550A、550Bの取り外し可能性は、トレイ500のより良い洗浄を可能にし、これは、不純物形成を有利に低減する。一実施形態では、アーム550A、550Bは、ねじ590の代わりに溶接によって固定され得る。一実施形態では、溶接によって取り付けられているアーム550A、550Bは、トレイ500の洗浄からの水分が存在する場合、それが閉じ込められ、不純物形成の増加を引き起こす可能性がある、トレイ500によって引き起こされる仮想漏洩を低減することができる。そのような実施形態では、アーム550A、550Bは(非破壊的に)取り外し可能ではないであろう。
【0069】
トレイ500は金属材料を含む。例えば、トレイ500は、鉄、アルミニウム、グラファイト、又はステンレス鋼を含む材料で作製され得る。一実施形態では、トレイ500は、トレイ200に関して上で論じたように、アルミニウム合金で作製され得る。
【0070】
図9Aは、一実施形態による、トレイ(例えば、
図7Aのトレイ400)を組み立てるための方法800のブロック図である。方法800は810から始まる。810で、底板(例えば、底板410)、側壁(例えば、側壁430)、底板と側壁とによって画定される内部空間、及び底板を通って延在する1つ又は複数の開孔部(例えば、開孔部422)を含む第1のトレイ部分が形成される。一実施形態における第1のトレイ部分は、単一の材料片を機械加工することによって形成することができる。別の実施形態では、第1のトレイ部分は、少なくとも側壁を底板に取り付ける(例えば、溶接する)ことによって形成することができる。次に、方法は820に進む。
【0071】
820で、チューブ(例えば、チューブ450)は、底板の開孔部を通して圧入される。各チューブは、底板の開孔部のそれぞれに圧入される。各チューブは、チューブの周りに延在する外向きの突起部(例えば、外向きの突起部)を含む。各チューブは、その外向きの突起部が底板のそれぞれの開孔部に配置されるように圧入される。各圧入チューブは、トレイの内部空間に延在している上部(例えば、上部465)を含む。一実施形態では、各圧入チューブはまた、底板の下面(例えば、下面416)を超えて延在する下部(例えば、下部465)を含み得る。次に、方法は830に進む。
【0072】
830で、各圧入チューブが底板に溶接され(例えば、CO
2溶接)。各チューブは外向きの突起部を有するので、各チューブと底板との間の継ぎ目(例えば、継ぎ目480)は、チューブの垂直面(例えば、垂直面467)に沿っていない。例えば、継ぎ目を横切る方向は、底板の平面に沿う。圧入チューブのそれぞれは、底板の上面(例えば、上面414)に垂直な角度(例えば、
図7Bの方向D
pに沿って)で溶接される。底板とチューブは金属材料で作製されているため、チューブを底板に溶接することができる。
【0073】
図9Bは、トレイ(例えば、
図8Aのトレイ500)を組み立てるための方法900の実施形態のブロック図である。方法900は910から始まる。910において、底板(例えば、底板510)、側壁(例えば、側壁530)、底板と側壁とによって画定される内部空間、及び底板を通って延在する1つ又は複数の開孔部(例えば、開孔部522)を含む第1の部分が形成される。一実施形態の第1の部分は、単一の材料片を機械加工することによって形成することができる。別の実施形態では、第1の部分は、少なくとも側壁を底板に取り付ける(例えば、溶接する)ことによって形成することができる。次に、方法は920に進む。
【0074】
920で、1つ又は複数の、予め作製されたアーム(例えば、アーム550A、アーム550B)がトレイに配置される。より具体的には、1つ又は複数の予め作製されたアームは、トレイの内部空間に配置される。1つ又は複数の予め作製されたアームは、アームを通って延在する開孔部(例えば、開孔部584A、開孔部584B)を含む。一実施形態では、第1の部分は、ダクトを形成する内壁(例えば、内壁540)を含む。一実施形態では、1つ又は複数の予め作製されたアームは、内壁と側壁との間にある内部空間に配置される。次に、方法900は930に進む。
【0075】
930で、予め作製されたアームは、アームの開孔部が底板の対応する開孔部と整列するようにトレイ内に配置される。貫通孔(例えば、貫通孔512)は、アーム及び底板の開孔部の対応する対に形成される。貫通穴は、底板の底面からトレイの内部まで延在している。一実施形態では、第1の部分はまた、下部(例えば、
図4の下部260)を含み得る。下部は底板の下面から延在し、下部の1つは底板の各開孔部に設けられている。そのような実施形態では、各貫通孔は、底板の開孔部の1つ、予め作製されたアームの開孔部の1つ、及び下部の1つによって形成される。いくつかの実施形態では、920及び930を組み合わせることができることを理解されたい。次に、方法は940に進む。
【0076】
940で、予め作製されたアームが第1の部分に固定される。一実施形態では、予め作製されたアームを第1の部分に固定することは、予め作製されたアームを第1の部分にねじ込むことを含み得る。予め作製されたアームは、ねじ(例えば、ねじ590)で第1の部分にねじ止めされる。予め作製されたアームのそれぞれは、ねじ(例えば、ねじ590)を収容するように構成された1つ又は複数の孔(例えば、ねじ孔592)を含む。予め作製されたアームはそれぞれ、予め作製されたアームを底板に固定するための孔と、予め作製されたアームを側壁に固定するための孔とを有し得る。一実施形態では、予め作製されたアームは、予め作製されたアームを側壁だけに固定するための孔を有することができる。別の実施形態では、予め作製されたアームを第1の部分に固定することは、1つ又は複数の予め作製されたアームのそれぞれを第1の部分に溶接することを含み得る。予め作製されたアームは、底板の底面を通して第1の部分に溶接することができる。例えば、孔(例えば、孔592)を利用して、予め作製されたアームのそれぞれを第1の部分に溶接することができる。一実施形態では、予め作製されたアームは、フィレット溶接で第1の部分に固定され得る。別の実施形態では、予め作製されたアームは、高純度の接着剤又は予め作製されたアームのろう付けによって第1の部分に固定され得る。
【0077】
本出願で開示される実施形態の例は、すべての点で例示的であり、限定的ではないと見なされるべきである。本発明の範囲は、前述の説明ではなく、添付の特許請求の範囲によって示され;特許請求の範囲の意味及び同等性の範囲内にあるすべての変更は、そこに含まれることを意図している。
【手続補正書】
【提出日】2022-01-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気化容器のためのトレイであって:
固体試薬を支持するように構成されている表面を有する底板と;
側壁と;
底板と側壁とによって画定される内部空間と;
底板を通って延在している1つ又は複数の貫通孔であって、底板の表面より上に延びている1つ又は複数の貫通孔と;
底板を通り、底板から離れるように延びている中央ダクトと、
を含み、
中央ダクトが、第1のトレイの上又は下に積み重ねられている少なくとも1つの他のトレイと流体的に接続し、キャリアガスがトレイを通って流れることを可能にするように構成されている、気化容器のためのトレイ。
【請求項2】
側壁の内面に沿って位置している1つ又は複数の接触部材であって、1つ又は複数の接触部材のそれぞれは、側壁の上端を越えて上方に延在している弾性部材を含む、請求項1に記載のトレイ。
【請求項3】
弾性部材が、固体試薬と化学的に適合性である、請求項2に記載のトレイ。
【請求項4】
内壁が中央ダクトを形成し、内壁はシールのための凹み部を画定し、シールは、キャリアガス及び試薬と化学的に適合性であるように構成されているエラストマー材料で作製されている、請求項1に記載のトレイ。
【請求項5】
グラファイト、ニッケル、ステンレス鋼、及びアルミニウム合金の少なくとも1つを含む材料でコーティングされているか又は作製されている、請求項1に記載のトレイ。
【請求項6】
ハウジングと;
ハウジング内に位置している第1のトレイであって:底板、側壁、底板を通り、底板より上に延びている1つ又は複数の貫通孔、底板を通り、底板から離れるように延びている第1の中央ダクト、及び気化される固体試薬を支持するための表面を含む、第1のトレイと;
気化容器内の第1のトレイの上又は下にそれぞれが積み重ねられている1つ又は複数のトレイであって、第1のトレイの中央ダクトは、1つ又は複数のトレイと流体的に接続し、キャリアガスが1つ又は複数のトレイを通って流れることを可能にしている、1つ又は複数のトレイと
を含む、気化容器。
【請求項7】
1つ又は複数のトレイが第2のトレイを含み、第2のトレイは、第1のトレイと同じ構成を有し、第2のトレイの第2の中央ダクトは、第1のトレイの第1の中央ダクトと位置合わせされ、流体的に接続されており、
第2のトレイは、第1のトレイの貫通孔のいずれも、第2のトレイの対応する貫通孔と重ならないように回転される、請求項
6に記載の気化容器。
【請求項8】
1つ又は複数のトレイが回転されるときに、1つ又は複数の貫通孔のいずれも、1つ又は複数の貫通孔のうちの1つの前の位置と重ならないようにすることで、キャリアガスが固体試薬に沿って流れるようにする、請求項
6に記載の気化容器。
【請求項9】
第1のトレイの第1の中央ダクトと第2のトレイの第2の中央ダクトとを直接流体的に接続するシールであって、第1のトレイは、中央ダクトを形成する内壁を含み、シールは内壁と第2のトレイに直接接触している、シールをさらに含む、請求項
6に記載の気化容器。
【請求項10】
シールが、キャリアガス及び試薬と化学的に適合性であるように構成されているエラストマー材料で作製されている、請求項
6に記載の気化容器。
【請求項11】
第1のトレイが、側壁の内面に沿って位置している1つ又は複数の接触部材を含み、1つ又は複数の接触部材のそれぞれは、側壁の上端を越えて上方に延在している弾性部材を含む、請求項
6に記載の気化容器。
【請求項12】
気化した試薬の量に対して
10パーツ・パー・ミリオン以下の金属不純物を含む試薬ガスの流れを提供するように構成されている、請求項
6に記載の気化容器。
【国際調査報告】