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特表2022-531447基板処理システム用フィルタボックス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-06
(54)【発明の名称】基板処理システム用フィルタボックス
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20220629BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20220629BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20220629BHJP
   C23C 16/505 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H01L21/31 C
H01L21/302 101B
C23C16/505
H05H1/46 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021565866
(86)(22)【出願日】2020-05-05
(85)【翻訳文提出日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 US2020031404
(87)【国際公開番号】W WO2020227252
(87)【国際公開日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】62/843,720
(32)【優先日】2019-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バスケス・ミゲル・ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】フレンチ・デヴィッド
【テーマコード(参考)】
2G084
4K030
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA03
2G084AA04
2G084AA05
2G084CC12
2G084CC33
2G084DD02
2G084DD15
2G084DD23
2G084DD24
2G084DD55
2G084FF15
2G084HH05
2G084HH23
4K030KA30
4K030KA45
5F004BA09
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB26
5F004BB28
5F004BD04
5F004CA06
5F004CB06
5F004EA28
5F045AA08
5F045AA15
5F045DP03
5F045DQ10
5F045EE19
5F045EF05
5F045EH14
5F045EH20
5F045EK07
5F045GB08
5F045GB15
(57)【要約】
【解決手段】基板処理チャンバ用フィルタモジュールは、内部を画定する複数の外部パネルと、フィルタモジュールの内部の中で複数の区画を画定する複数の内部パネルと、複数の区画の中の第1の区画の内部で複数の内部パネルの中の第1のパネル上に配列された調節可能蓄電器とを含む。調節可能蓄電器は、第1のパネルを通して第1の区画の外側に位置するモータに連結され、無線周波数入力信号を受信して、モータの位置に基づき基板処理チャンバに無線周波数電圧を提供するように構成される。
【選択図】図4A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理チャンバ用フィルタモジュールであって、
内部を画定する複数の外部パネルと、
前記フィルタモジュールの前記内部の中で複数の区画を画定する複数の内部パネルと、
前記複数の区画の中の第1の区画の内部で前駆複数の内部パネルの中の第1のパネル上に配列された調節可能蓄電器であって、前記第1のパネルを通して前記第1の区画の外側に位置するモータに連結され、無線周波数入力信号を受信して、前記モータの位置に基づき前記基板処理チャンバに無線周波数電圧を提供するように構成された調節可能蓄電器と
を備えるフィルタモジュール。
【請求項2】
請求項1に記載のフィルタモジュールであって、前記調節可能蓄電器は、前記第1の区画内部でフィルタ回路に前記無線周波数電圧を提供するように構成され、前記フィルタ回路は、前記基板処理チャンバにフィルタ処理されたRF周波数電圧を提供するように構成される、フィルタモジュール。
【請求項3】
請求項1に記載のフィルタモジュールであって、前記調節可能蓄電器と前記第1のパネルの間に提供された絶縁スペーサをさらに備える、フィルタモジュール。
【請求項4】
請求項1に記載のフィルタモジュールであって、前記モータの絶対位置に前記調節可能蓄電器の静電容量をマッピングするように構成されたエンコーダをさらに備える、フィルタモジュール。
【請求項5】
請求項1に記載のフィルタモジュールであって、前記複数の内部パネルの中の第2のパネルは、前記複数の区画の中の第2の区画から前記第1の区画を分離する、フィルタモジュール。
【請求項6】
請求項5に記載のフィルタモジュールであって、前記複数の内部パネルの中の第3のパネルは、前記複数の区画の中の第3の区画から前記第2の区画を分離する、フィルタモジュール。
【請求項7】
請求項6に記載のフィルタモジュールであって、前記第2の区画および前記第3の区画のうち少なくとも一方は、ヒータ電力信号をフィルタ処理して、前記基板処理チャンバにフィルタ処理された前記ヒータ電力信号を提供するように構成されたフィルタ回路を含む、フィルタモジュール。
【請求項8】
請求項1に記載のフィルタモジュールであって、前記複数の外部パネルは、前面パネル、背面パネル、最上部パネル、最下部パネル、ならびに第1および第2の側面パネルを含む、フィルタモジュール。
【請求項9】
請求項8に記載のフィルタモジュールであって、前記フィルタモジュールは長方形であり、ノッチ付きの隅を含み、前記モータは、前記ノッチ付きの隅の内部に配列される、フィルタモジュール。
【請求項10】
請求項8に記載のフィルタモジュールであって、前記第1の側面パネルは、ケーブルコネクタを受け入れるように構成された入力コネクタを含み、前記入力コネクタは、前記ケーブルコネクタを介して無線周波数入力信号を受信するように構成される、フィルタモジュール。
【請求項11】
請求項10に記載のフィルタモジュールであって、(i)板ばねは、前記入力コネクタと前記ケーブルコネクタの間で前記第1の側面パネル上に配列され、(ii)前記ケーブルコネクタは、前記板ばね内の開口部を通って前記入力コネクタに接続する、フィルタモジュール。
【請求項12】
請求項11に記載のフィルタモジュールであって、前記板ばねの第1の端部は、前記第1の側面パネルに搭載され、前記板ばねの第2の端部は、前記第1の側面パネルの周囲を通り過ぎて延びる、フィルタモジュール。
【請求項13】
請求項12に記載のフィルタモジュールであって、前記板ばねの前記第2の端部は、前記フィルタモジュールの前記背面パネル上に配列された接点スイッチを越えて延びる、フィルタモジュール。
【請求項14】
請求項13に記載のフィルタモジュールであって、前記入力コネクタに前記ケーブルコネクタを接続することにより、前記板ばねの前記第2の端部は前記接点スイッチと係合する、フィルタモジュール。
【請求項15】
請求項14に記載のフィルタモジュールであって、前記接点スイッチは、(i)前記フィルタモジュールが前記基板処理チャンバ上に設置されたかどうか、および(ii)前記ケーブルコネクタが前記入力コネクタに接続されたかどうかのうち少なくとも一方を示す信号を発生させるように構成された、フィルタモジュール。
【請求項16】
請求項14に記載のフィルタモジュールであって、前記第1の側面パネルは、取外し可能なアクセスパネルを含み、前記板ばねの前記第1の端部は、前記取外し可能なアクセスパネルを通して前記第1の側面パネルに搭載される、フィルタモジュール。
【請求項17】
複数の基板処理チャンバおよび請求項1に記載の複数のフィルタモジュールを備える基板処理ツールであって、
前記複数のフィルタモジュールの各々は、前記複数の基板処理チャンバの対応する1つに搭載される、基板処理ツール。
【請求項18】
請求項17に記載の基板処理ツールであって、前記フィルタモジュールの各々は、取外し可能な側面パネルを含み、前記フィルタモジュールの前記各々の前記取外し可能な側面パネルは、前記基板処理ツールの外周の方を向く、基板処理ツール。
【請求項19】
基板処理チャンバ用フィルタモジュールであって、
内部を画定する複数の外部パネルと、
前記フィルタモジュールの前記内部の中で複数の区画を画定する複数の内部パネルと、
前記複数の区画の中の第1の区画の内部で前駆複数の内部パネルの中の第1のパネル上に配列された調節可能蓄電器であって、前記第1のパネルを通して前記第1の区画の外側に位置するモータに連結され、無線周波数入力信号を受信して、前記モータの位置に基づき前記基板処理チャンバに無線周波数電圧を提供するように構成された調節可能蓄電器と
を備え、
前記調節可能蓄電器は、前記第1の区画内部でフィルタ回路に前記無線周波数電圧を提供するように構成され、前記フィルタ回路は、前記基板処理チャンバにフィルタ処理されたRF周波数電圧を提供するように構成され、
前記複数の区画の中の第2および第3の区画は、それぞれ対応する回路を含む、フィルタモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年5月6日に提出された米国仮特許出願第62/843,720号明細書の利益を主張する。上記で参照した出願の開示全体は、参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示は、基板処理システム内で伝達される信号から無線周波数(radio frequency、RF)妨害をフィルタ処理して取り除くように構成されたRFボックスに関する。
【背景技術】
【0003】
ここで提供する背景の記述は、本開示の関連を一般に提示するためのものである。この背景技術の節で記述する範囲でここに名前を挙げる発明者の著作物だけではなく、提出時点で他の点では従来技術とみなされなくてよい記述の様態も、明示的にも黙示的にも本開示に対する従来技術と認められない。
【0004】
基板処理システムは、半導体ウエハなどの基板上で膜の堆積およびエッチングなどの処置を遂行するために使用される。たとえば、堆積は、化学蒸着法(chemical vapor deposition、CVD)、プラズマCVD(plasma enhanced CVD、PECVD)、原子層堆積(atomic layer deposition、ALD)、プラズマ強化ALD(plasma enhance ALD、PEALD)、および/または他の堆積処理を使用して導電性膜、誘電体膜、または他のタイプの膜を堆積するために遂行されてよい。堆積中、基板支持物上に基板を配列し、1つまたは複数の処理ステップ中に処理チャンバに1つまたは複数の前駆物質ガスを供給してよい。PECVDまたはPEALDの処理では、プラズマを使用して、堆積中に処理チャンバ内部で化学反応を活性化する。
【発明の概要】
【0005】
基板処理チャンバ用フィルタモジュールは、内部を画定する複数の外部パネルと、フィルタモジュールの内部の中で複数の区画を画定する複数の内部パネルと、複数の区画の中の第1の区画の内部で複数の内部パネルの中の第1のパネル上に配列された調節可能蓄電器とを含む。調節可能蓄電器は、第1のパネルを通して第1の区画の外側に位置するモータに連結され、無線周波数入力信号を受信して、モータの位置に基づき基板処理チャンバに無線周波数電圧を提供するように構成される。
【0006】
他の特徴では、調節可能蓄電器は、第1の区画内部でフィルタ回路に無線周波数電圧を提供するように構成され、フィルタ回路は、基板処理チャンバにフィルタ処理されたRF周波数電圧を提供するように構成される。フィルタモジュールは、調節可能蓄電器と第1のパネルの間に提供された絶縁スペーサをさらに含む。フィルタモジュールは、モータの絶対位置に調節可能蓄電器の静電容量をマッピングするように構成されたエンコーダをさらに含む。
【0007】
他の特徴では、複数の内部パネルの中の第2のパネルは、複数の区画の中の第2の区画から第1の区画を分離する。複数の内部パネルの中の第3のパネルは、複数の区画の中の第3の区画から第2の区画を分離する。第2の区画および第3の区画のうち少なくとも一方は、ヒータ電力信号をフィルタ処理して、基板処理チャンバにフィルタ処理されたヒータ電力信号を提供するように構成されたフィルタ回路を含む。
【0008】
他の特徴では、複数の外部パネルは、前面パネル、背面パネル、最上部パネル、最下部パネル、ならびに第1および第2の側面パネルを含む。フィルタモジュールは長方形であり、ノッチ付きの隅を含み、モータはノッチ付きの隅の内部に配列される。第1の側面パネルは、ケーブルコネクタを受け入れるように構成された入力コネクタを含み、入力コネクタは、ケーブルコネクタを介して無線周波数入力信号を受信するように構成される。板ばねは、入力コネクタとケーブルコネクタの間で第1の側面パネル上に配列され、ケーブルコネクタは、板ばね内の開口部を通して入力コネクタに接続する。板ばねの第1の端部は第1の側面パネルに搭載され、板ばねの第2の端部は第1の側面パネルの周囲を通り過ぎて延びる。
【0009】
他の特徴では、板ばねの第2の端部は、フィルタモジュールの背面パネル上に配列された接点スイッチを越えて延びる。入力コネクタにケーブルコネクタを接続することにより、板ばねの第2の端部は接点スイッチと係合するようになる。接点スイッチは、フィルタモジュールが基板処理チャンバ上に設置されたかどうか、およびケーブルコネクタが入力コネクタに接続されたかどうかのうち少なくとも一方を示す信号を発生させるように構成される。第1の側面パネルは、取外し可能なアクセスパネルを含み、板ばねの第1の端部は、取外し可能なアクセスパネルを通して第1の側面パネルに搭載される。
【0010】
他の特徴では、基板処理ツールは、複数の基板処理チャンバおよび複数のフィルタモジュールを含む。複数のフィルタモジュールの各々は、複数の処理チャンバの中の対応する1つに搭載される。フィルタモジュールの各々は、取外し可能な側面パネルを含み、フィルタモジュールの各々の取外し可能な側面パネルは、基板処理ツールの外周の方を向く。
【0011】
基板処理チャンバ用フィルタモジュールは、内部を画定する複数の外部パネルと、フィルタモジュールの内部の中で複数の区画を画定する複数の内部パネルと、複数の区画の中の第1の区画の内部で複数の内部パネルの中の第1のパネル上に配列された調節可能蓄電器とを含む。調節可能蓄電器は、第1のパネルを通して第1の区画の外側に位置するモータに連結され、無線周波数入力信号を受信して、モータの位置に基づき基板処理チャンバに無線周波数電圧を提供するように構成される。調節可能蓄電器は、第1の区画内部でフィルタ回路に無線周波数電圧を提供するように構成され、フィルタ回路は、基板処理チャンバにフィルタ処理されたRF周波数電圧を提供するように構成される。複数の区画の中の第2および第3の区画は、対応する回路をそれぞれ含む。
【0012】
本開示を適用できる領域は、詳細な記述、特許請求の範囲、および図面からさらに明らかになるであろう。詳細な記述および特有の例は、例示だけを目的とすることが意図され、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示は、詳細な記述および添付図面からより完全に理解されるようになるであろう。
【0014】
図1】本開示による基板処理システムの例の機能構成図である。
【0015】
図2A】本開示による無線周波数(RF)フィルタモジュールを含む基板処理システムの基板処理ツールの例の底面図である。
図2B】本開示による無線周波数(RF)フィルタモジュールを含む基板処理システムの基板処理ツールの例の底面図である。
【0016】
図3A】本開示によるRFフィルタモジュールの例の図である。
図3B】本開示によるRFフィルタモジュールの例の図である。
【0017】
図4A】本開示による図3Aおよび図3BのRFフィルタモジュールの内部図の例である。
図4B】本開示による図3Aおよび図3BのRFフィルタモジュールの内部図の例である。
【0018】
図5A】本開示によるRFフィルタモジュールの別の例の図である。
図5B】本開示によるRFフィルタモジュールの別の例の図である。
図5C】本開示によるRFフィルタモジュールの別の例の図である。
図5D】本開示によるRFフィルタモジュールの別の例の図である。
【0019】
図5E】本開示によるRFフィルタモジュールの一部分の図である。
【0020】
図5F】本開示による、図5A図5B図5C、および図5DのRFフィルタモジュールの底面図である。
【0021】
図面では、類似要素および/または同一要素を識別するために参照番号を再利用することがある。
【発明を実施するための形態】
【0022】
基板処理システムは、無線周波数(RF)フィルタを封じ込める、および/または基板処理システム内部の構成要素との間で伝達される電気信号からRF雑音をフィルタ処理して除去するように構成された回路を調整する、1つまたは複数のRFフィルタモジュール(たとえば、フィルタボックス)を含んでよい。フィルタボックスは、処理チャンバの壁の上に、もしくは処理チャンバの壁に近接して配列されてよい、および/または処理チャンバの壁と一体化されてよい。たとえば、フィルタボックスは、処理チャンバの下面上に配列されてよい。フィルタボックスの内部フィルタ回路の点検、設置、および/または調節は困難であることがある。
【0023】
本開示の原理によるフィルタボックスは、処理チャンバとの間でフィルタボックスの設置および除去を容易にする、幾何形状および配列が改善された外部特徴および内部特徴を有する。さらに、フィルタボックスは、内部構成要素(たとえば、フィルタプリント回路基板(printed circuit board、PCB)、モータ、蓄電器などのようなフィルタ回路)の点検および交換、ならびに(たとえば、調節可能蓄電器を使用する)フィルタリングパラメータ調節を容易にするように構成される。
【0024】
次に図1を参照すると、本開示の原理による基板処理システム100の例が示されている。前述の例はPECVDシステムに関係があるが、プラズマに基づく他の基板処理チャンバを使用してよい。基板処理システム100は、基板処理システム100の他の構成要素を封じ込める処理チャンバ104を含む。基板処理システム100は、上部電極108と、下部電極116を含む台座112などの基板支持物とを含む。単一下部電極116として示すが、下部電極116は、台座112の異なるゾーン内に配列された2つ以上の電極に対応してよい。基板120は、上部電極108と下部電極116の間で台座112の上に配列される。
【0025】
単なる例として、上部電極108は、処理ガスを導入および分配するシャワーヘッド124を含んでよい。あるいは、上部電極108は導電性プレートを含んでよく、処理ガスは別の手法で導入されてよい。下部電極116は、非導電性台座内に配列されてよい。あるいは、台座112は、下部電極116の役割を果たす導電性プレートを含む静電チャックを含んでよい。
【0026】
プラズマを使用するとき、無線周波数(RF)発生システム126は、RF電圧を発生させて、上部電極108および/または下部電極116に出力する。いくつかの例では、上部電極108および下部電極116の一方は、直流接地されてよい、交流接地されてよい、または電源に接続されていなくてよい。単なる例として、RF発生システム126は、1つまたは複数の整合および分配ネットワーク130により(たとえば、第1の整合および分配回路130-1を介して)下部電極116に、および(たとえば、第2の整合回路130-2を介して)上部電極108に供給されるRF電圧を発生させる第1のRF発生器128-1および第2のRF発生器128-2などの1つまたは複数のRF電圧発生器128(たとえば、容量結合プラズマRF電力発生器、バイアスRF電力発生器、および/または他のRF電力発生器)を含んでよい。
【0027】
第1のRF発生器128-1は、下部電極116にRF電圧および/またはバイアス電圧を提供する。下部電極116は(いくつかの例では、多数の電極を備えてよい)代わりにまたは追加で電源132などの他の電源から電力を受け取ってよい。第2のRF発生器128-2はRF電圧を提供してよい、または単に接地基準に上部電極108を接続してよい。
【0028】
ガス配送システム140の例は、1つまたは複数のガス供給源144-1、144-2、…、144-N(集合的にガス供給源144)を含み、ここでNは1以上の整数である。ガス供給源144は、1つまたは複数のガス(たとえば、前駆物質、不活性ガスなど)および1つまたは複数のガスの混合物を供給する。気化した前駆物質もまた使用してよい。ガス供給源144の少なくとも1つは、本開示の前処理工程で使用するガス(たとえば、NH3、N2など)を包含してよい。ガス供給源144は、弁148-1、148-2、…、および148-N(集合的に弁148)ならびに質量流コントローラ152-1、152-2、…、および152-N(集合的に質量流コントローラ152)により多岐管154に接続される。多岐管154の出力は、処理チャンバ104に供給される。単なる例として、多岐管154の出力は、シャワーヘッド124に供給される。いくつかの例では、質量流コントローラ152と多岐管154の間に任意選択のオゾン発生器156を提供してよい。いくつかの例では、基板処理システム100は、液体前駆物質配送システム158を含んでよい。液体前駆物質配送システム158は、図示するようにガス配送システム140の内部に組み入れられてよい、またはガス配送システム140の外部にあってよい。液体前駆物質配送システム158は、バブラ(bubbler)、直接液体噴射、蒸気吸込みなどを介して、室温で液体および/または固体である前駆物質を提供するように構成される。
【0029】
台座112内に配列されたヒータコイル(図示せず)にヒータ160を接続して、台座112を加熱してよい。ヒータ160を使用して、台座112および基板120の温度を制御してよい。弁164およびポンプ168を使用して、処理チャンバ104から反応物を排出してよい。コントローラ172を使用して、基板処理システム100のさまざまな構成要素を制御してよい。単なる例として、コントローラ172を使用して、処理ガス、キャリアガス、および前駆物質ガスの流れ、プラズマを当てるおよび消滅させること、反応物の除去、チャンバパラメータの監視などを制御してよい。
【0030】
RFフィルタモジュール(たとえば、RFフィルタボックス)176を処理チャンバ104に近接して配列して、処理チャンバ104内部の構成要素との間で伝達される電気信号からRF雑音をフィルタ処理で取り除く。たとえば、最下部表面178の下方に延びる台座112の一部分(たとえば、ステム)180に近接して処理チャンバ104の最下部表面178上で、処理チャンバ104の下方にRFフィルタモジュール176を配列する。簡単にするために台座112に直接隣り合うとして示すが、台座112とRFフィルタモジュール176の間に他の構造物を配列してよい。RFフィルタモジュール176は、1つまたは複数の調整回路、RFフィルタ回路など(図1に示さず)を封じ込める。調整回路は、(i)第1の整合ネットワーク130-1と電極116などの対応する電極との間で、および(ii)電源132と対応する電極の間で接続されてよい。
【0031】
調整回路は、電極116に供給されるRF電圧を制御し、基板処理を遂行している間に調整されてよい可変インピーダンスおよび/または固定インピーダンスを含んでよい。電極116に供給されるRF電圧および対応する電流を制御して、発生させるプラズマの様態を変更してよい。たとえば、いくつかの容量結合プラズマ(capacitive coupled plasma、CCP)システムでは、RF電圧信号を下部電極116に供給して、プラズマを生成および維持することができる。他の電気信号(たとえば、ヒータ160から提供される電力信号)は、RFフィルタモジュール176を通過してよい。本開示の原理によるRFフィルタモジュール176内部に封じ込まれてよい調整およびRFフィルタ回路の例について、内容全体が本明細書に組み入れられる、2018年8月2日に提出された米国特許出願公開第16/052,877号明細書に、より詳細に記述されている。
【0032】
次に図2Aおよび図2Bを参照すると、基板処理システムの基板処理ツール200の例の底面図が示されている。ツール200は、1つまたは複数の処理ステーション204を含んでよい。図示するように、基板処理ツール200は、ステーション204のうち4つを含むが、他の例では、ステーション204うちより少なく、またはより多くを含んでよい。ステーション204の各々は、ステーション204の中の他のステーションで遂行される処理と同じ処理または異なる処理を遂行するように構成されてよい。
【0033】
ステーション204の各々は、対応する台座208、および本開示の原理に従って構成および配列された対応するRFフィルタモジュール212を含む。図示するように、台座制御モジュール216は、台座208に近接して配列される。たとえば、台座制御モジュール216は、台座208の上げ下げおよび回転を制御するように構成されたアクチュエータ、回路などを含む。RFフィルタモジュール212の各々は、設置および点検を容易にするように配列される。たとえば、RFフィルタモジュール212の各々は、台座208の中の対応する1つ、および基板処理ツール200の外周220に対して同じ位置にある。RFフィルタモジュール212のパネル(たとえば、取外し可能な側面パネルまたは前面パネル)224は、点検を容易にするために外周220に向かって外側の方を向く。
【0034】
次に図3A図3B図4A、および図4Bを参照すると、RFフィルタモジュール(すなわち、長方形のRFフィルタボックス)300の例の図が示されている。RFフィルタモジュール300は、前面パネル(たとえば、取外し可能な前面パネル)304、背面パネル308、側面パネル312および316、最上部パネル320、ならびに最下部パネル324を含む外部パネルを含む。図4Aおよび図4Bには、前面パネル304および最上部パネル320を取り除いたRFフィルタモジュール300を示す。
【0035】
概して長方形であるが、RFフィルタモジュール300は、ノッチ付きの、または凹状の隅328を含む。RFフィルタモジュール300は、RFフィルタモジュール300のパラメータを調節するための少なくとも1つの調節可能蓄電器332を含む。たとえば、図4Aおよび図4Bの調節可能蓄電器332は、(たとえば、直角RFケーブルコネクタ336を介して)RF入力信号を受信し、RFフィルタモジュール300が出力するRF電圧の大きさは、蓄電器332の調節された静電容量に従って変動する。
【0036】
いくつかの例では、蓄電器332は、重なりが変動する第1および第2のシリンダを含む。調節可能蓄電器332の静電容量は(たとえば、指令されたモータ344の位置を示す、コントローラ172からの信号に応答する)エンコーダ340およびモータ344を使用して調節されてよい。たとえば、モータ344は、蓄電器332の第1および第2のシリンダの重なりを変動させて、静電容量を変動させる。たとえば、モータ344はステップモータに対応し、エンコーダ340は、指令されたモータ344の位置に蓄電器332の静電容量をマッピングするアブソリュートエンコーダに対応する。蓄電器332は、RFフィルタモジュール300内部に封じ込まれているが、エンコーダ340およびモータ344は、ノッチ付きの隅328の内部でRFフィルタモジュール300の外側に位置する。したがって(たとえば、交換、点検などのための)モータ344へのアクセスは容易である。
【0037】
RFフィルタモジュール300は、前面パネル304の上側部分上に配列された送風器348および352ならびに背面パネル308の下側部分上に配列された送風器356を含む、複数の送風器を含む。単なる例として、送風器348、352、および356は、80mm送風器に対応し、それぞれ対応する振動パッド358を介してRFフィルタモジュール300に搭載される。背面パネル308はまた、それぞれヒータ160および電極116に出力信号(たとえば、ヒータ電力信号およびRF出力電圧に対応する信号)を提供するためのコネクタ(図示せず)用の出力接点インタフェース360および364を含んでよい。接点スイッチ368は、以下でより詳細に記述するように、RFフィルタモジュール300が設置および固定されて、コネクタ336がRFフィルタモジュール300に接続されたかどうかを示す信号を(たとえば、コントローラ172に)提供するように配列される。たとえば、接点スイッチ368は、RFフィルタモジュール300に付着したアダプタブラケット(図3A図3B図4A、および図4Bに示さず、以下でより詳細に記述する)上に配列される。
【0038】
側面パネル312および316は、基板処理ツール200にRFフィルタモジュール300を搭載するように配列された複数のラッチ372を含む。最下部パネル324は(たとえば、RFフィルタモジュール300の内部回路に直流電力を提供する)直流電力および(たとえば、ヒータ160に電力を提供する)ヒータ電力のための入力信号を受信するためのコネクタ(図示せず)用入力接点インタフェース376および378を含む。
【0039】
いくつかの例では、側面パネル312は、図2Aおよび図2Bについて上記で記述するように、点検を容易にするために基板処理ツール200の外周220に向かって外側の方を向くRFフィルタモジュール300の側面に対応する。側面パネル312は、RFケーブルコネクタ336を受け入れるように構成されたRF入力コネクタ380を含む。RF入力コネクタ380は、上記で記述するように、RFケーブルコネクタ336からRF入力信号を受信し、調節可能蓄電器332にRF入力信号を提供する。
【0040】
薄板ばね(たとえば、板ばね)などの接点機構382は、RF入力コネクタ380とRFケーブルコネクタ336の間の境界面に配列される。たとえば、RFケーブルコネクタ336は、板ばね382内の開口部384を通してRF入力コネクタ380に接続する。板ばね382の第1の端部(たとえば、搭載ブラケット386を伴う端部に対応する)は側面パネル312に接続され、一方では、第2の端部(たとえば、接点部分388に対応する)は、側面パネル312の周囲を通り過ぎて接点スイッチ368を越えて延びる。
【0041】
(たとえば、ナット390を使用して接続を締結することにより)RF入力コネクタ380にRFケーブルコネクタ336を接続することにより、側面パネル312および接点スイッチ368に向けて板ばね382を圧迫する。たとえば、接点スイッチ368は、ボタン392または他の接点機構を含んでよい。したがって、RF入力コネクタ380にRFケーブルコネクタ336を接続したとき、板ばね382の接点部分388は、接点スイッチ368のボタン392に係合する(たとえば、接触する)。接点スイッチ368は、接点部分388が接点スイッチ368と接触しているか(すなわち、板ばね382の位置に従っているか)どうかを示す信号を発生させるように構成される。
【0042】
このようにして、接点スイッチ368が発生させる信号は、RFフィルタモジュール300に関連する多数の状態を示す。たとえば、信号は、RFフィルタモジュール300が基板処理ツール200上に設置されたかどうか、およびRFケーブルコネクタ336がRF入力コネクタ380に接続されたかどうかを示す。いくつかの例では、側面パネル312は、RFフィルタモジュール300の内部回路にアクセスできるようにするための取外し可能なアクセスパネル394を含んでよい。板ばね382は、アクセスパネル394を介して側面パネル312に搭載されてよい。たとえば、搭載ブラケット386は、アクセスパネル394を通して側面パネル312に付着されてよい。したがって、板ばね382の位置に基づき接点スイッチ368が発生させる信号は、アクセスパネル394が側面パネル312に付着したかどうかをさらに示してよい。
【0043】
図4Aおよび図4Bに示すように、RFフィルタモジュール300は、区画400、402、および404などの多数の区画、ならびに内部パネル(たとえば、金属の薄板パネル)406、408、および410を確定してよい。たとえば、調節可能蓄電器332をパネル406に搭載する。パネル408は、区画402から区画400を分離する。パネル410は、区画404から区画402を分離する。パネル408および410は、区画400、402、および404の内部にあるそれぞれの区画間の信号漏洩を防止する。たとえば、パネル408は、RF雑音が区画400から区画402の中に漏洩するのを防止し、一方では、パネル410は、区画402と404の間の漏洩を防止する。
【0044】
区画400は、調節可能蓄電器332、およびエンコーダ340、およびプリント回路基板(PCB)412などの回路を封じ込めてよい。PCB412は(たとえば、出力接点インタフェース364を介して)台座112に提供される(たとえば、RFケーブルコネクタ336を介して受信されるような)RF信号をフィルタ処理するためのRFフィルタ回路を備えるPCBに対応してよい。図示するように、調節可能蓄電器332は、調節可能蓄電器332を調節するモータ344の回転に従って回転させるように構成された軸連結器416を介してモータ344に機械的に連結される。調節可能蓄電器332とパネル406の表面の間で軸連結器416を取り囲んで絶縁スペーサ420を配列する。したがって、スペーサ420は、パネル406から調節可能蓄電器332を絶縁する。
【0045】
区画402は(たとえば、接点インタフェース378を介して提供された信号からの)高周波信号をフィルタ処理して、出力接点インタフェース360にフィルタ処理された信号を提供するための回路を含む高周波フィルタPCB(図示せず)などの回路を封じ込めてよい。区画404は(たとえば、接点インタフェース378を介して提供された信号からの)低周波信号をフィルタ処理して、出力接点インタフェース360にフィルタ処理された信号を提供するための回路を含む低周波フィルタPCB424などの回路を封じ込めてよい。
【0046】
図5A図5B図5C、および図5Dは、本開示によるRFフィルタモジュール300の別の例の図である。この例では、送風器348および352はずれで配列されている。さらに、RFケーブルコネクタ336が板ばね384を通過するように開口部384を提供するのではなく、開口部384は、RFケーブルコネクタ336およびRF入力コネクタ380を取り囲む切り抜きとして構成される。図3Aおよび図3Bに記述する例とは対照的に、RF入力コネクタ380は、RFケーブルコネクタ336と一体化される。換言すれば、RFケーブルコネクタ336は(たとえば、ナット390を使用して)RF入力コネクタ380に取外しできないように付着する。RFフィルタモジュール300の最上部パネル320および/または他のパネルは、1つまたは複数の結束バンド留め具500および送風器ブラケット504を含んでよい。
【0047】
図5Cおよび図5Dに示すように、RFフィルタモジュール300の背面パネル308は、アダプタブラケット508に接続するように構成される。たとえば、アダプタブラケット508は、それぞれ出力接点インタフェース360および364に接続するように構成された入力接点インタフェース512および516を含む。たとえば、入力接点インタフェース512および516は、出力接点インタフェース360および364の対応するソケット524の中に挿入されるように構成されたピン520を含む。したがって、処理チャンバに搭載されたとき、RFフィルタモジュール300は、アダプタブラケット508を介して処理チャンバの構成要素にヒータ電力およびRF出力電圧などの信号を提供する。アダプタブラケット508から延びる整列ピン528は、RFフィルタモジュール300の背面プレート308内で整列穴532の中に挿入されるように配列される。逆に、背面プレート308から延びる整列ピン536は、アダプタブラケット508内で整列穴540の中に挿入されるように配列される。接点スイッチ368は、図5Cに示すようにアダプタブラケット508上に配列される。
【0048】
図5Cに示すように、板ばね382の搭載ブラケット386は、側面パネル312および調整回路組立体544に接続される。調整回路組立体544は、側面パネル312に付着した搭載プレート552上に配列された1つまたは複数の構成要素(たとえば、インダクタ548)を含む。たとえば、インダクタ548は、搭載プレート552から延びる隔離絶縁器560の間に配列されたプリント回路組立体556上に配列される。側面パネル312は、搭載プレート552から延びる調整回路組立体544の構成要素を受け入れるように配列された開口部564を含む。
【0049】
図5Eは、プローブ・インタフェース・モジュール568がRFケーブルコネクタ336に接続されたRFフィルタモジュール300の前面パネル304の一部分のクローズアップ図を示す。プローブ・インタフェース・モジュール568は、RFプローブ(たとえば、VIプローブ)接続用コネクタ570を含む。図5Fは、図5A図5B図5C、および図5DのRFフィルタモジュール300の底面図である。
【0050】
前記の記述は事実上、単に例示的であり、本開示、本開示の適用分野、または本開示の用途を限定することを意図するものでは決してない。本開示の広範な教示をさまざまな形態で実装することができる。したがって、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書、および以下の特許請求の範囲を研究すると他の修正形態が明らかになるので、本開示の真の範囲を特定の例に限定すべきではない。本開示の原理を変えることなく方法の枠内で1つまたは複数のステップを異なる順序で(または同時に)実行してよいことを理解されたい。さらに、実施形態の各々についてある種の特徴を有するとして上記で記述しているが、本開示の任意の実施形態に関して記述するそれらの特徴の任意の1つまたは複数は、その組合せについて明示的に記述していない場合でさえ、その他の実施形態のいずれかの特徴の中に実装することができる、および/またはその他の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせることができる。換言すれば、記述する実施形態は、相互に排他的ではなく、1つまたは複数の実施形態と別の1つの実施形態との置換は、相変わらず本開示の範囲に入る。
【0051】
要素間の(たとえば、モジュール、回路素子、半導体層などの間の)空間的関係および機能的関係について、「接続した」、「係合した」、「結合した」、「近接する」、「の隣に」、「の最上部に」、「上方に」、「下方に」、および「配置された」を含むさまざまな用語を使用して記述する。「直接」として明示的に記述しない限り、上記の開示で第1の要素と第2の要素の間の関係について記述するとき、その関係は、第1の要素と第2の要素の間に他の介在する要素がまったく存在しない直接的関係である可能性があるが、さらにまた第1の要素と第2の要素の間に1つまたは複数の介在する要素が(空間的または機能的に)存在する間接的関係である可能性がある。本明細書で使用するとき、A、B、およびCのうち少なくとも1つという語句は、非排他的論理ORを使用する論理(A OR B OR C、AまたはBまたはC)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうち少なくとも1つ、Bのうち少なくとも1つ、およびCのうち少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0052】
いくつかの実装形態では、コントローラは、上述の例の一部であってよいシステムの一部である。そのようなシステムは、1つもしくは複数の処理ツール、1つもしくは複数のチャンバ、処理するための1つもしくは複数のプラットフォーム、および/または特有の処理構成要素(ウエハペダル、ガス流システムなど)を含む半導体処理設備を備えることができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは半導体基板を処理する前、処理する間、および処理後に自身の動作を制御するための電子機器と一体化されてよい。電子機器は、1つまたは複数のシステムのさまざまな構成要素または下位区分を制御してよい「コントローラ」と呼ばれることがある。処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、コントローラをプログラムして処理ガスの配送、温度設定(たとえば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、出力設定、無線周波数(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体配送設定、位置および動作の設定、ツールおよび他の移送ツールの中へ、およびそれらから外へのウエハ移送、ならびに/または特有のシステムに接続された、もしくはそれとインタフェースをとるロードロックを含む、本明細書で開示する処理のいずれも制御してよい。
【0053】
大まかに言って、コントローラは、さまざまな集積回路、論理回路、メモリ、および/または命令を受け取り、命令を発行し、動作を制御し、クリーニング動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどを行うソフトウェアを有する電子回路として規定されてよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェアの形をとるチップ、デジタル・シグナル・プロセッサ(digital signal processor、DSP)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit、ASIC)として規定されるチップ、および/またはプログラム命令(たとえば、ソフトウェア)を実行する1つもしくは複数のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、半導体ウエハ上での、もしくは半導体ウエハのための、またはシステムに対する特定の処理を行うための動作パラメータを規定するさまざまな個々の設定(またはプログラムファイル)の形でコントローラに伝達される命令であってよい。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、1つもしくは複数の層、材料、金属、酸化物、ケイ素、酸化ケイ素、表面、回路、および/またはウエハのダイを製作する間、1つまたは複数の処理ステップを達成するために処理技術者が規定するレシピの一部であってよい。
【0054】
コントローラは、いくつかの実装形態では、システムと一体化された、システムに結合した、システムに他の方法でネットワーク化された、またはそれらを組み合わせたコンピュータの一部であってよい、またはそのコンピュータに結合してよい。たとえば、コントローラは、「クラウド」の中にあってよい、または半導体工場のホスト・コンピュータ・システムのすべてもしくは一部であってよく、これにより、ウエハ処理の遠隔アクセスを可能にすることができる。コンピュータは、製作動作の現在の進展を監視し、過去の製作動作の履歴を調べ、複数の製作動作から傾向または性能指標を調べるためにシステムへの遠隔アクセスを可能にして、現在の処理のパラメータを変更して、現在の処理に続く処理ステップを設定してよい、または新しい処理を開始してよい。いくつかの例では、遠隔コンピュータ(たとえば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでよいネットワークを介してシステムに処理レシピを提供することができる。遠隔コンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでよく、パラメータおよび/または設定は、次いで遠隔コンピュータからシステムに伝達される。いくつかの例では、コントローラは、1つまたは複数の動作の間に遂行すべき処理ステップごとにパラメータを指定する、データの形をとる命令を受け取る。パラメータは、遂行すべき処理のタイプ、およびコントローラがインタフェースをとる、または制御するように構成されたツールのタイプに特有であってよいことを理解されたい。したがって、上記で記述したように、コントローラは、本明細書で記述する処理および制御などの共通の目的に向かって作動する、一緒にネットワーク化された1つまたは複数の別個のコントローラを備えることによるなど、分散させられてよい。そのような目的のための分散コントローラのある例は、チャンバ上の処理を制御するために組み合わせる(プラットフォームレベルで、または遠隔コンピュータの一部としてなど)遠隔に位置する1つまたは複数の集積回路と通信状態にある、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路である。
【0055】
限定することなく、例示のシステムは、プラズマ・エッチング・チャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピン・リンス・チャンバまたはモジュール、金属メッキチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベル縁部エッチングチャンバまたはモジュール、物理蒸着法(physical vapor deposition、PVD)チャンバまたはモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(atomic layer deposition、ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの製作および/または製造に関連づけられてよい、またはそれで使用されてよい、任意の他の半導体処理システムを含んでよい。
【0056】
上記で指摘したように、ツールが遂行すべき1つまたは複数の処理ステップに応じて、コントローラは、他のツール回路もしくはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインタフェース、近接するツール、隣接するツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場内のツールの場所および/またはロードポートとの間でウエハの容器を運ぶ材料搬送で使用するツールのうち1つまたは複数と通信してよい。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
【国際調査報告】