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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-19
(54)【発明の名称】ポンプ取付フレーム
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/14 20060101AFI20220711BHJP
   F04B 41/00 20060101ALI20220711BHJP
【FI】
F04B39/14
F04B41/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568743
(86)(22)【出願日】2020-05-15
(85)【翻訳文提出日】2021-11-17
(86)【国際出願番号】 IB2020054603
(87)【国際公開番号】W WO2020234706
(87)【国際公開日】2020-11-26
(31)【優先権主張番号】1906952.5
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517316096
【氏名又は名称】エドワーズ バキューム リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】ル モン グレゴリー ライアン
(72)【発明者】
【氏名】シュワブ ジェフリー ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ロメオ マーク コリン
(72)【発明者】
【氏名】ゲーク ジェイコブ ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】グンドラフ イーサン パトリック
【テーマコード(参考)】
3H003
3H076
【Fターム(参考)】
3H003AC01
3H003CE06
3H076AA21
3H076BB40
3H076CC47
(57)【要約】
ポンプ装置(4)を解除可能に取り付けるためのラッチ装置(2-n)を備えるポンプ取付フレーム。ラッチ装置は、ラッチピン(3-n)を受けるためのラッチアパーチャ(20)を有する本体部分(11)と、ラッチピンをラッチアパーチャに解除可能に保持するためのラッチ部材(12)と、を有する。ラッチ部材は、閉位置と開位置との間で移動可能である。ラッチ部材は、ラッチ部材が閉位置にあるときにラッチピンをラッチアパーチャ内に保持する第1のアーム(32)を有する。ラッチ部材は、ラッチ部材が閉位置から開位置に変位したときにラッチピンをラッチアパーチャから外に付勢する第2のアーム(33)を有する。本発明はまた、ポンプ取付フレームを用いて1又は2以上のポンプを移動させる方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ装置(4)を解除可能に取り付けるためのラッチ装置(2-n)を備えるポンプ取付フレーム(1)であって、
前記ラッチ装置(2-n)が、
ラッチピン(3-n)を受けるためのラッチアパーチャ(20)を有する本体部分(11)と、
前記ラッチピン(3-n)を前記ラッチアパーチャ(20)内に解除可能に保持するためのラッチ部材(12)であって、閉位置と開位置との間で移動可能であるラッチ部材(12)と、
を備え、
前記ラッチ部材(12)は、該ラッチ部材(12)が前記閉位置にあるときに前記ラッチピン(3-n)を前記ラッチアパーチャ(20)内に保持する第1のアーム(32)と、前記ラッチ部材(12)が前記閉位置から前記開位置に変位したときに前記ラッチピン(3-n)を前記ラッチアパーチャ(20)から外に付勢する第2のアーム(33)と、を含む、
ポンプ取付フレーム。
【請求項2】
前記第2のアーム(33)は、前記ラッチピン(3-n)が前記ラッチアパーチャ(20)に挿入されたときに、前記ラッチ部材(12)を前記閉位置に変位させるように構成されている、請求項1に記載のポンプ取付フレーム。
【請求項3】
前記第2のアーム(33)は、前記ラッチ部材(12)が前記開位置にあるときに、少なくとも部分的に前記ラッチアパーチャ(20)内に突出するように構成されている、請求項1又は2に記載のポンプ取付フレーム。
【請求項4】
前記ラッチ部材(12)は、前記閉位置と前記開位置との間で枢動可能である、請求項1、2又は3の何れか1項に記載のポンプ取付フレーム。
【請求項5】
前記ラッチ部材(12)は、枢動軸(A1)を中心に枢動可能であり、前記第1及び第2のアーム(32、33)は、前記枢動軸(A1)の対向する側部に設けられている、請求項4に記載のポンプ取付フレーム。
【請求項6】
前記ラッチピン(3-n)を前記ラッチ装置(2-n)と位置合わせさせるためのガイド手段(36)を備える、請求項1~5の何れか1項に記載のポンプ取付フレーム。
【請求項7】
ポンプ装置(4)を解除可能に取り付けるためのラッチ装置(2-n)を備えるポンプ取付フレームであって、
前記ラッチ装置(2-n)は、
ラッチピン(3-n)を受けるためのラッチアパーチャ(20)を有する本体部分(11)と、
前記ラッチピン(3-n)を前記ラッチアパーチャ(20)内に解除可能に保持するためのラッチ部材(12)であって、閉位置と開位置との間で移動可能であるラッチ部材(12)と、
前記ラッチピン(3-n)を前記ラッチ装置(2-n)と位置合わさせるガイド手段(36)と、
を含む、ポンプ取付フレーム。
【請求項8】
基部を備え、ガイド手段(36)は、ガイドアパーチャ(36)を含む、請求項6又は7に記載のポンプ取付フレーム。
【請求項9】
前記ラッチ部材(12)が平面内で移動可能であり、前記ガイドアパーチャ(36)は、前記平面と少なくとも実質的に整列した中心線(CL)を有する、
請求項8に記載のポンプ取付フレーム。
【請求項10】
前記ガイドアパーチャ(36)は、テーパー状の輪郭を有する、請求項8又は9に記載のポンプ取付フレーム。
【請求項11】
前記ラッチピン(3-n)が、アイボルト(25)を含む、請求項1~10の何れかに記載のポンプ取付フレーム。
【請求項12】
前記本体部分(11)が、前記アイボルト(25)に形成されたアパーチャ(29)内に位置するための突出部(24)を含む、請求項11に記載のポンプ取付フレーム。
【請求項13】
複数のラッチ装置(2-n)を備え、前記ラッチ装置(2-n)が、互いに少なくとも実質的に同じ向きを有している、請求項1~12の何れかに記載のポンプ取付フレーム(1)。
【請求項14】
前記又は各ラッチ装置(2-n)が、耐震具として機能する、請求項1~13の何れかに記載のポンプ取付フレーム。
【請求項15】
ラッチ組立体を備えたポンプ取付フレームであって、
前記ラッチ組立体が、ラッチ装置(2-n)及びラッチピン(3-n)を含み、
前記ラッチ装置(2-n)は、
少なくとも第1の突出部(24)と、ラッチピン(3-n)を受けるためのラッチアパーチャ(20)とを有する本体部分(11)と、
前記ラッチピン(3-n)を前記ラッチアパーチャ(20)内に解除可能に保持するためのラッチ部材(12)であって、閉位置と開位置との間で移動可能であるラッチ部材(12)と、
を含み、
前記ラッチピン(3-n)が、前記第1の突出部(24)を受けるためのアパーチャ(29)を含む、
ことを特徴とするポンプ取付フレーム。
【請求項16】
1又は2以上のポンプを移動させる方法であって、
1又は2以上のポンプを、請求項1~15の何れかに記載のポンプ取付フレームに取り付けるステップと、
前記フレームを使用して、前記1又は2以上のポンプを移動させるステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポンプ取付フレームに関する。本発明の態様は、ラッチ装置を含むポンプ取付フレーム及び1又は2以上のポンプを移動させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプ装置をポンプフレームに取り付けるネジ式ファスナーを使用して、真空ポンプを拘束することは知られている。ネジ式ファスナーを操作するには、工具が必要とされる。これにより、ポンプ装置の取り付け及び取り外しに要する時間が長くなる場合があることが認識されている。これにより保守作業の時間が長引き、作業効率に悪影響を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、先行技術に関連する欠点の1又は2以上に対処することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の態様及び実施形態は、添付の特許請求の範囲において記載されたポンプ取付フレーム及び1又は2以上のポンプを移動させる方法を提供する。
【0005】
本発明の一態様によれば、ポンプ装置を解除可能に取り付けるためのラッチ装置を備えるポンプ取付フレームが提供され、
ラッチ装置は、
ラッチピンを受けるためのラッチアパーチャを有する本体部分と、
ラッチピンをラッチアパーチャ内に解除可能に保持するラッチ部材であって、閉位置と開位置との間で移動可能であるラッチ部材と、
を備え、
ラッチ部材は、ラッチ部材が閉位置にあるときにラッチピンをラッチアパーチャ内に保持する第1のアームと、ラッチ部材が閉位置から開位置に変位したときにラッチピンをラッチアパーチャから外に付勢する第2のアームと、を含む。ラッチアパーチャは、ラッチ部材が閉位置にあるときに、少なくとも部分的に閉じている。第1のアームは、例えば、ラッチアパーチャの開口部に少なくとも部分的にわたって延びることができる。ラッチピンは、ラッチ部材が閉位置にあるときに、ラッチアパーチャ内に保持することができる。ラッチアパーチャは、ラッチ部材が開位置にあるときに少なくとも部分的に開いている。ラッチピンは、ラッチ部材が開位置にあるときに、ラッチアパーチャから外に移動することができる。ラッチ部材は、ラッチピンをラッチ及びアンラッチするように動作可能である。
【0006】
ラッチ装置は、ポンプ装置を取り付けるためのフレームの一部を形成することができる。本出願におけるフレームは、ポンプフレームと呼ぶことができる。ポンプ装置は、例えば、真空ポンプを備えることができる。少なくとも特定の実施形態では、ラッチ装置は、ポンプ装置をポンプフレームに堅固に取り付けることができる。ポンプ装置は、サブフレームを含むことができる。サブフレームは、ポンプ装置と一体的に形成されてもよく、例えば、ポンプハウジングと一体的に形成されてもよい。ポンプ装置は、移動を容易にするために、ホイール又はローラー構成体上に支持することができる。ポンプ装置は、ポンプフレームと整列するよう転動され、ラッチ装置がポンプ装置を所定位置に固定するように作動させることができる。ラッチ部材が閉位置にあるときには、ポンプフレームに対するポンプ装置の前後の移動は、少なくとも実質的に阻止することができる。
【0007】
少なくとも特定の実施形態では、ラッチ装置は、動作させるために工具を必要としない。本発明によるラッチ装置は、ポンプ装置の取り付け、取り外し、及び/又はメンテナンスを容易にすることができる。工具なしの取り付け構成を提供することにより、ポンプ装置の取り付け及び取り外しが容易になる。少なくとも特定の実施形態では、追加の工具を必要とせずに、手で接続を行うことができる。
【0008】
第2のアームは、ラッチピンがラッチアパーチャに挿入されたときに、ラッチ部材を閉位置に変位させるように構成することができる。ラッチピンは、第2のアームと協働して、ラッチ部材を変位させることができる。
【0009】
第2のアームは、ラッチ部材が開位置にあるときに、少なくとも部分的にラッチアパーチャ内に突出するように構成することができる。第2のアームは、例えば、ラッチアパーチャ内に延びて、ラッチピンと協働することができる。第2のアームは、ラッチ部材が閉位置にあるときに、ラッチアパーチャの外に変位することができる。第2のアームは、ラッチ部材が開位置に変位したときに、ラッチピンをラッチアパーチャから外に付勢することができる。
【0010】
ラッチ部材は、枢動可能に取り付けることができる。ラッチ部材は、閉位置と開位置の間で枢動することができる。ラッチ部材は、枢動軸を中心に枢動可能とすることができる。第1及び第2のアームは、枢動軸の対向する側部に設けることができる。
【0011】
ラッチ装置は、ラッチピンをラッチ装置と位置合わせさせるためのガイド手段を含むことができる。ガイド手段は、ラッチピンと協働するためのガイドアパーチャを含むことができる。代替として又はこれに加えて、ガイド手段は、ラッチピンと協働するためのガイド部材を含むことができる。
【0012】
ガイド手段はまた、ラッチ装置に対するラッチピンの相対的な動きを制限又は防止するように動作することができる。例えば、ガイド手段は、ラッチ装置に対するラッチピンの横方向及び/又は回転方向の動きを制限することができる。
【0013】
本発明の更なる態様によれば、ポンプ装置を解除可能に取り付けるためのラッチ装置が提供され、ラッチ装置は、
ラッチピンを受けるためのラッチアパーチャを有する本体部分と、
ラッチピンをラッチアパーチャ内に解除可能に保持するためのラッチ部材であって、閉位置と開位置との間で移動可能であるラッチ部材と、
ラッチピンをラッチ装置と位置合わせさせるガイド手段と、
を備える。
【0014】
ガイド手段は、ラッチピンと協働するためのガイドアパーチャを含むことができる。ガイドアパーチャは、例えば、切欠部又は凹部を含むことができる。ラッチピンは、ガイドアパーチャ内に位置することができる。ラッチピンは、ガイドアパーチャの側部に係合して、ラッチピンをラッチ装置と位置合わせすることができる。
【0015】
代替として又はこれに加えて、ガイド手段は、ラッチピンと協働するためのガイド部材を含むことができる。
【0016】
ガイド手段はまた、ラッチ装置に対するラッチピンの相対的な動きを制限又は防止するように動作することができる。例えば、ガイド手段は、ラッチ装置に対するラッチピンの横方向又は回転方向の動きを制限することができる。
【0017】
ラッチ部材は、平面内で移動可能とすることができる。ガイドアパーチャは、平面と少なくとも実質的に位置合わせされた中心線を有することができる。ガイドアパーチャは、中心線を中心として対称とすることができる。
【0018】
ガイドアパーチャは、テーパー輪郭を有することができる。テーパーは、ラッチアパーチャと位置合わせすることができる。
【0019】
ラッチピンは、アイボルトを含むことができる。アイボルトは、例えば、貫通孔の形態でアパーチャを形成させることができる。ラッチ装置の本体部分は、アパーチャを通って延びる突出部を含むことができる。突出部は、ラッチ装置がラッチされたときに、アパーチャ内に位置することができる。突出部とアパーチャは協働して、横方向及び/又は縦方向の動きを制限又は防止することができる。アパーチャは、アイボルトのヘッド部分に形成することができる。ヘッド部分は環状とすることができる。
【0020】
ラッチピンは、ラッチピンをラッチ装置と位置合わせさせるためのカラーを含むことができる。少なくとも特定の実施形態では、カラーは、アイボルトのシャンク上に配置することができる。
【0021】
本発明の更なる態様によれば、ポンプ装置を取り付けるためのフレームが設けられる。このフレームは、ポンプ装置を支持するためのポンプフレームとすることができる。ポンプ装置は、ポンプフレームに解除可能に取り付けられたサブフレームを含むことができる。フレームは、先行する請求項の何れか1項に記載の少なくとも1つのラッチ装置を含むことができる。少なくとも1つのラッチピンがサブフレームに設けることができる。少なくとも1つのラッチ装置がサブフレームに設けられ、少なくとも1つのラッチピンがフレームに設けることができるように、取付構成を反転させてもよいことを理解されたい。
【0022】
フレームは、複数のラッチ装置を含むことができる。ラッチ装置は、互いに少なくとも実質的に同じ向きを有することができる。ラッチ装置は、互いに実質的に平行に配置することができる。ラッチアパーチャは、実質的に同じ方向に配向され、例えば、ポンプ装置に設けられたそれぞれのラッチピンを受けることができる。ラッチ装置は、ラッチアパーチャが少なくとも実質的に同じ方向に向くように配向することができる。例えば、ラッチアパーチャは各々、開口部を有することができる。ラッチ装置は、開口部が実質的に同じ方向に向くように配置することができる。
【0023】
少なくとも1つのラッチ装置は、サブフレームに対するフレームの並進を制限又は抑制することができる。フレーム及び/又はサブフレームは、サブフレームに対するフレームの回転運動を抑制又は制限するための別個の手段を含むことができる。フレームとサブフレームは、例えば、サブフレームに対するフレームの回転運動を抑制するための協働特徴部を備えることができる。協働特徴部は、例えば、フレームとサブフレームそれぞれに設けられた協働する第1及び第2の突出部を含むことができる。或いは、フレームとサブフレームの一方に突出部を設けることができ、フレームとサブフレームの他方には、突出部を受けるための凹部を設けることができる。フレームとサブフレームの少なくとも一方は、フレームに対するサブフレームの回転を制限するためのブラケット又はフランジを含むことができる。上記又は各回転防止特徴部は、ラッチ装置とは別個のものとすることができる。
【0024】
上記又は各ラッチ装置は、耐震具として機能することができる。
【0025】
本発明の更なる態様によれば、ラッチ組立体を含むポンプ取付フレームが提供される。ラッチ組立体は、ラッチ装置とラッチピンとを備え、
ラッチ装置は、
少なくとも第1の突出部とラッチピンを受けるためのラッチアパーチャとを有する本体部分と、
ラッチピンをラッチアパーチャ内に解除可能に保持するためのラッチ部材であって、閉位置と開位置との間で移動可能であるラッチ部材と、
を含み、ラッチピンは、第1の突出部を受けるためのアパーチャを含む。
【0026】
ラッチ装置は、本明細書に記載されたタイプのものとすることができる。ラッチピンは、本明細書に記載されたタイプのものとすることができる。ラッチピンは、例えば、アイボルトを含むことができる。
【0027】
ラッチ装置は、第1のフレームに設けることができる。ラッチピンは、第2のフレームに設けることができる。ラッチ組立体は、第1及び第2のフレームを解除可能に接続するように構成することができる。例えば、第2のフレームは、第1のフレームに取り付けることができる(又は、その逆も同様)。
【0028】
本発明の更なる態様によれば、1又は2以上のポンプを移動させる方法が提供される。本方法は、フレームを使用して上記の実施形態の何れかに記載されるポンプ取付フレームに1又は2以上のポンプを取り付け、1又は2以上のポンプを移動させることを含む。1又は2以上のポンプを移動させることは、1又は2以上のポンプを設置すること、又は修理又は交換のために1又は2以上のポンプを取り外すことを含むことができる。
【0029】
上述の実施形態の何れかにおいて、ポンプは、スクロールポンプ、スクリューポンプ、ルーツポンプ、クローポンプ、ターボ分子ポンプ又は同様のものなどの真空ポンプとすることができる。
【0030】
本出願の範囲内で、上記の段落、特許請求の範囲及び/又は以下の説明及び図面において記載される種々の態様、実施形態、実施例及び代替形態、並びに特にその個々の特徴は、独立して又はあらゆる組み合わせで行うことができることは明示的に意図される。すなわち、全ての実施形態及び/又はあらゆる実施形態の特徴は、このような特徴が両立不能でない限り、あらゆる方法及び/又は組み合わせで組み合わせることができる。出願人らは、最初に特許請求されていないが、他のクレームに従属し及び/又は他のクレームのあらゆる特徴を組み込むように何れかの最初に提出されたクレームを補正する権利を含む、何れかの最初に提出されたクレーム又はこれに応じたあらゆる新しいクレームを変更する権利を留保する。
【0031】
ここで、本発明の1又は2以上の実施形態について、添付図面を参照しながら単に実施例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の一実施形態による、複数のラッチ装置を有する取付フレームを示す図である。
図2図1に示すラッチ装置のうちの1つの拡大図である。
図3A】ラッチ部材が開位置にある状態の第1のラッチ装置の端面図である。
図3B図3Aに示す第1のラッチ装置の側面図A-Aを示す。
図3C図3Aに示す第1のラッチ装置の平面図である。
図4A】ラッチ部材が閉位置にある状態の第1のラッチ装置の端面図を示す。
図4B図4Aに示す第1のラッチ装置の側面図B-Bを示す。
図4C図4Aに示す第1のラッチ装置の平面図である。
図5A】ラッチピンの斜視図である。
図5B図5Aに示すラッチピンの側面図である。
図6】ラッチ部材の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の一実施形態による複数の同様のラッチ装置2-nを備えたポンプ取付フレーム1について、添付図を参照して本明細書で説明する。ラッチ装置2-nは、複数の枢動ピン3-nのそれぞれに解除可能に係合するように構成されている。
【0034】
図1に示すように、本実施形態における取付フレーム1は、ポンプ装置4を解除可能に取り付けるように構成されている。ポンプ装置4は、例えば、真空システムで使用するための真空ポンプを備えることができる。ラッチ装置2-nは、ポンプ装置4の耐震具として機能する。使用時には、ラッチ装置2-nは、1又は2以上の方向へのポンプ装置4の動きを抑制するように構成されている。本実施形態では、ラッチ装置2-nは、ポンプ装置4の並進を抑制するように構成されている。図1に示すように、取り付けフレーム1は、複数のラッチ装置2-nとフレーム部材5を備える。フレーム部材5は、基部7及び直立部8を含むL字型の輪郭を有する。ラッチ装置2-nは、フレーム部材5に固定される。本実施形態におけるポンプ装置4は、サブフレーム9を備える。枢動ピン3-nは、ポンプ装置4のサブフレーム9に取り付けられている。ラッチ装置2-n及び枢動ピン3-nは、本明細書では総称してラッチ組立体と呼ばれる。
【0035】
ラッチ装置2-nは、実質的に同じ構成を有する。簡潔にするために、ここでラッチ装置2-1の第1のものについて、図2、3及び4を参照して説明する。第1のラッチ装置2-1は、サブフレーム9上に配置されたラッチピン3-1のうちの第1のピンに解除可能に係合するように構成されている。第1のラッチ装置2-1は、本体部分11と、ラッチ部材12とを備える。ラッチ部材12は、本体部分11に回動可能に取り付けられ、使用時には、開位置(図3A、3B、3Cに示す)と閉位置(図4A、4B、4Cに示す)との間で回動する。ラッチ装置2-nは、ラッチ部材12が閉位置にあるときにラッチ構成で配置され、ラッチ部材12が開位置にあるときに非ラッチ構成で配置される。本体部分11は、リベット又はボルトなどの機械的ファスナー(図示せず)、又は溶接又は接着などの永久的ファスナーを用いて、フレーム部材5に固定することができる。本実施形態では、本体部分11は、溶接によって直立部8に固定される。変形形態では、第1のラッチ装置2-1は、本体部分11を支持するための支持部材(図示せず)を含むことができる。支持部材は、フレーム部材5に取り付けることができる。
【0036】
本体部分11は、互いに離間した第1及び第2の側壁14-1,14-2を備える。本実施形態における本体部分11は、折り畳まれたシートメタルブランクから形成される。ラッチ部材12は、第1及び第2の側壁14-1,14-2の間に配置されている。ラッチ部材12は、第1及び第2の側壁14-1,14-2によって支持された枢動ピン15に取り付けられる。枢動ピン15は、ラッチ部材12が枢動する枢動軸A1を定める。ラッチ部材12は、閉位置と開位置との間で枢動軸A1を中心に枢動する。ラッチ部材12の枢動運動は、枢動軸A1に対して垂直に延びる平面に拘束される。本体部分11は、ラッチ部材12の第1の方向への枢動運動を制限するフロントストップ18と、ラッチ部材12の第2の方向への枢動運動を制限するバックストップ19とを備える。フロントストップ18及び/又はバックストップ19は、第1及び第2の側壁14-1,14-2と一体的に形成することができる。代替として、フロントストップ18及び/又はバックストップ19は、第1及び第2の側壁14-1,14-2の間に延びる、例えばピンの形態のクロスメンバーを備えることができる。本体部分11は、第1及び第2の側壁14-1,14-2に形成されたラッチアパーチャ20を備える。ラッチアパーチャ20は、第1のラッチピン3-1を受けるための開口部21(図3Bに示す)を含む。本実施形態では、本体部分11は、上側突出部23及び下側突出部24を有する略C字型のセクションを含む。ラッチアパーチャ20は、上側及び下側突出部23,24の間に形成された経路を含む。フロントストップ18は、上側突出部23に配置されている。
【0037】
第1ラッチ装置2-1は、第1ラッチピン3-1に解除可能に係合するように構成されている。第1ラッチピン3-1は、円筒形ピンの形態とすることができる。本実施形態では、図5A及び図5Bに示すように、第1ラッチピン3-1は、アイボルト25を含む。アイボルト25は、ヘッド部分26と、ネジセクション27と、シャンク28とを含む。本実施形態では、ヘッド部分26は、環状(又はトロイダル)形状である。ヘッド部分26に形成された貫通孔29は、アイボルト25の長手方向軸に垂直に延びている。貫通孔29は、本体部分11の下側突出部24の少なくとも一部を受けるように構成されている。下側突出部24を貫通孔29に配置することにより、第1ラッチ装置2-1に対する第1ラッチピン3-1の横方向及び/又は縦方向の動きが低減又は抑制される。これにより、サブフレーム9のフレーム部材5に対する回転及び/又は横方向の動きが低減又は防止される。ヘッド部分26のセクター30は、ラッチアパーチャ20内に位置し、第1ラッチピン3-1を形成する。セクター30は、部分環状であり、これは、第1のラッチ装置2-1に対してアイボルト25を横方向及び/又は垂直方向に位置合わさせるのに役立つことができるセルフセンタリング機能を提供する。アイボルト25は、円形の内部及び外部輪郭を有するヘッド部分26を有するものとして示されている。変形形態では、ヘッド部分は、楕円又は多角形、例えば矩形を含む内部輪郭及び/又は外部輪郭を有することができる。アイボルト25のシャンク28には、カラー31が形成される。カラー31は、アイボルト25と第1のラッチ装置2-1の位置合わせに役立つことができる。また、カラー31は、基部7と協働して横方向及び/又は回転方向の動きを低減又は防止することができる。本実施形態のカラー31は、円形断面(アイボルト25の長手方向の軸に垂直な平面で)を有する。変形形態では、カラー31は、多角形断面を有することができる。カラー31は、例えば、第1のラッチ装置2-1上の相補的特徴部と協働してアイボルト25の回転を抑制又は制限するために、キー付き輪郭を有することができる。
【0038】
図6に示すように、ラッチ部材12は、第1のアーム32と、第2のアーム33と、作動アーム34とを備える。ラッチ部材12は、単体構造の単一部品構造を有する。第1及び第2のアーム32,33は、ラッチ部材12がその周りに枢動する枢動軸A1の対向する側部に形成されている。第1のアーム32は、ラッチ部材12が閉位置にあるときに、ラッチアパーチャ20を少なくとも部分的に閉じるように構成されている。ラッチアパーチャ20の開口部21は、ラッチ部材12が閉位置にあるときに、第1のアーム32によって少なくとも部分的に閉じられる(図2及び4Bに示すように)。使用時には、第1のアーム32は、ラッチ部材が閉位置にあるときに(図4Bに示すように)、第1のラッチピン3-1をラッチアパーチャ20内に保持する。第2のアーム33は、ラッチ部材12が開位置にあるとき(図3Bに示すように)、ラッチアパーチャ20内に少なくとも部分的に延びるように構成されている。使用時には、第2のアーム33は、ラッチ部材12が閉位置から開位置に変位したときに、第1のラッチピン3-1をラッチアパーチャ20から外に変位させるように動作する。ラッチ部材12の開位置への変位により、第2のアーム33は、第1のラッチピン3-1と係合し、第1のラッチピン3-1をラッチアパーチャ20から外に付勢する付勢力を加えることができる。作動アーム34は、ラッチ部材12の操作を容易にする。作動アーム34は、ラッチ部材12の第1のアーム32に隣接して位置する延長部の形である。作動アーム34は、ラッチ部材12を閉位置及び/又は開位置に変位させるために、オペレータによって選択的に係合させることができる。本実施形態では、ラッチ部材12は、ラッチ部材12の枢動運動を制限するようにフロントストップ18にも係合するように構成されている。ラッチ部材12を閉位置に向かって又は開位置に向かって付勢するために、ばねなどの付勢手段を設けることができる。
【0039】
図4Bに示すように、本体部分11は、直立部8に取り付けられ、基部7の上方に延びている。第1のラッチ装置2-1は、ラッチアパーチャ20が基部7の遠位縁部35に向けられるように配向される。枢動軸A1は、遠位縁部35に実質的に平行に配向される。従って、ラッチ部材12は、遠位縁部35(及び直立部8)に対して実質的に垂直な平面内で枢動する。第1のラッチピン3-1をラッチアパーチャ20に配置するために、第1のラッチピン3-1は、枢動軸A1に実質的に垂直な方向に進められる。図1に示す矢印L1は、第1ラッチピン3-1がラッチアパーチャ20に導入される方向を示している。第1のラッチ装置2-1は、第1のラッチピン3-1をラッチアパーチャ20に位置合わせするためのガイド手段36を備える。本実施形態におけるガイド手段36は、基部7に形成されたガイドアパーチャ36を含む。ガイドアパーチャ36は、基部7の遠位縁部35に向かって外向きにテーパー状になっている。ガイドアパーチャ36は、ラッチ部材12が枢動する平面と実質的に位置合わせされた中心線CLを有する。カラー31及びガイドアパーチャ36は、互いに協働して、基部7に対するサブフレーム9の横方向及び/又は回転方向の動きを低減又は防止することができる。例えば、カラー31は、横方向及び/又は回転方向の動きを防止するために、ガイドアパーチャ36の少なくとも一方の側部に係合することができる。変形形態では、ガイド手段36は、第1ラッチピン3-1と協働するためのガイド部材を備えることができる。ガイド部材は、例えば、基部7上に配置され、カラー31と協働するように配置することができる。
【0040】
第1ラッチ装置2-1は、第1ラッチピン3-1をラッチアパーチャ20に導入することによって動作される。第1のラッチピン3-1は、第1のラッチ装置2-1に向かって前進し、ガイドアパーチャ36に導入される。第1のラッチピン3-1が適切に位置合わせされていない場合、カラー31は、ガイドアパーチャ36の横方向の縁部に係合し、中心位置に向かって誘導される。これにより、第1ラッチピン3-1は、第1ラッチ装置2-1と位置合わせされ、本体部分11の下側突出部24が貫通孔29と位置合わせされるようになる。ラッチ部材12が閉位置にある場合、第1ラッチピン3-1は、第1ラッチアーム32の凸状外面に係合する。結果として生じる力がラッチ部材12に加わることにより、ラッチ部材12は、開位置に向かって枢軸A1を中心に枢動する。これにより、ラッチアパーチャ20が開き、第1のラッチピン3-1がラッチアパーチャ20内に移動する。下側突出部24は、第1のラッチピン3-1に形成された貫通孔29内に延びる。オペレータは、作動アーム34を操作して、ラッチ部材12を閉位置に枢動させることができる。代替として、第1のラッチピン3-1は、第2のラッチアーム33に係合し、ラッチ部材12を枢軸A1を中心に閉位置まで枢動させることができる。これにより、第1のラッチピン3-1がラッチアパーチャ20から出ることが阻止される。第1のラッチ装置2-1と第1のラッチピン3-1を離隔する力が加えられると、第1のラッチピン3-1が第1のラッチアーム32の凹状内面に係合する。第1ラッチピン3-1の引き抜きは、第1ラッチ装置2-1によって阻止される。第1ラッチピン3-1をラッチアパーチャ20の後部に向かって変位させる力が加えられても、第2ラッチアーム33が本体部分11の凹状内面に係合しているので、ラッチ部材12の位置には影響しない。
【0041】
複数のラッチ装置2-nがフレーム部材5に取り付けられていることが理解されるであろう。図1に示す構成では、それぞれのラッチピン3-1,3-2,3-3,3-4と係合するためにフレーム部材5に取り付けられた4つのラッチ装置2-1,2-2,2-3,2-4がある。4つよりも少ない又は4つよりも多いラッチ装置2-nを設けることができることは理解される。ラッチ装置2-nは全て、ラッチ装置2-nとそれぞれのラッチピン3-nの位置合わせを容易にするために、実質的に同じ向きを有する。図1に示す構成では、ラッチ装置2-nは、直線構成で配置されている。非直線的な取り付け構成も企図される。例えば、2以上のラッチ装置2-nが、長手方向で互いにオフセットすることができる。サブフレーム9をフレーム部材5に取り付けるために、ラッチピン3-nがそれぞれのラッチ装置2-nのラッチアパーチャ22に導入されるように、サブフレーム9を前進させる。複数のラッチ装置2-1,2-2,2-3,2-4が同時に動作して、サブフレーム9をフレーム部材5に固定することができる。例えば、第1及び第2のラッチ装置2-1,2-2は、サブフレーム9に設けられた第1及び第2のラッチピン3-1,3-2に係合するように共に動作することができる。
【0042】
本出願の範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正を本発明に加えることができることは理解されるであろう。サブフレーム7を取り付けるために、本明細書で記載されたフレーム部材5のうちの2以上を使用できることは理解されるであろう。例えば、少なくとも1つのラッチ装置2-nを各々が有する第1及び第2のフレーム部材5を設けてもよい。第1及び第2のフレーム部材5は、例えば、互いに平行に配置することができる。サブフレーム7に設けられたラッチピン3-nは、サブフレーム7の取り付けを可能にするための相補的な構成を有する。
【符号の説明】
【0043】
1 取付フレーム
2-n ラッチ装置
3-n 枢動ピン
4 ポンプ装置(概略図)
5 フレーム部材
7 基部
8 直立部
9 サブフレーム(ポンプ取付用)
11 本体部分
12 ラッチ部材
14-1, 14-2 側壁
15 枢動ピン
18 フロントストップ
19 バックストップ
20 ラッチアパーチャ
21 開口部
23 上側突出部
24 下側突出部
25 アイボルト
26 ヘッド部分
27 ネジセクション
28 シャンク
29 貫通孔
30 セクター
31 カラー
32 第1のアーム
33 第2のアーム
34 作動アーム
35 遠位縁部
36 ガイドアパーチャ
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
【国際調査報告】