(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-20
(54)【発明の名称】撓んだ半導体ウェハを平坦化する真空押え付け装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20220712BHJP
【FI】
H01L21/68 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021557584
(86)(22)【出願日】2019-03-25
(85)【翻訳文提出日】2021-11-16
(86)【国際出願番号】 US2019023918
(87)【国際公開番号】W WO2020197544
(87)【国際公開日】2020-10-01
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒルデスハイム エイリエル
(72)【発明者】
【氏名】アンゲル オファー
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131CA07
5F131EB02
5F131EB78
5F131EB79
5F131EB89
(57)【要約】
ウェハを所望の位置及び向きに保つのに適した真空押え付け装置であり、真空通流開口を有する真空チャック面を画定する真空チャックアセンブリと、その真空チャックアセンブリに対し固定されており当該真空通流開口を介し当該真空チャック面に通ずるベンチュリ真空発生器と、そのベンチュリ真空発生器に通ずる正圧流体ラインと、を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハを所望の位置及び向きに保つのに適した真空押え付け装置であり、
i.真空通流開口を有する真空チャック面を画定する真空チャックアセンブリと、
ii.前記真空チャックアセンブリに対し固定されており前記真空通流開口を介し前記真空チャック面に通ずるベンチュリ真空発生器と、
iii.前記ベンチュリ真空発生器に通ずる正圧流体ラインと、
を備える真空押え付け装置。
【請求項2】
請求項1に係る真空押え付け装置であって、前記真空チャックアセンブリ及び前記ベンチュリ真空発生器が共に可動ステージ上に実装されている真空押え付け装置。
【請求項3】
請求項2に係る真空押え付け装置であって、前記正圧流体ラインが可撓流体ラインである真空押え付け装置。
【請求項4】
請求項3に係る真空押え付け装置であって、前記可動ステージ上に実装されている前記ベンチュリ真空発生器に前記正圧流体ラインを介し結合された、固定正圧流体源をも備える真空押え付け装置。
【請求項5】
請求項1に係る真空押え付け装置であって、前記真空チャック面が前記真空チャックアセンブリに対し可回動な真空押え付け装置。
【請求項6】
請求項1に係る真空押え付け装置であって、前記可動ステージがXY可動ステージである真空押え付け装置。
【請求項7】
請求項1に係る真空押え付け装置であって、前記真空チャックアセンブリが、前記ベンチュリ真空発生器に対し可回動な真空チャック面画定要素を有する真空押え付け装置。
【請求項8】
請求項7に係る真空押え付け装置であって、前記ベンチュリ真空発生器が、前記真空チャック面画定要素に対する可回動真空連結部を有する中央真空マニフォルド兼導路アセンブリを介し、当該真空チャック面画定要素の前記真空チャック面に結合されている真空押え付け装置。
【請求項9】
請求項8に係る真空押え付け装置であって、前記ベンチュリ真空発生器が、前記中央真空マニフォルド兼導路アセンブリに備わる複数個の対応する真空入口ポートに連結された複数個の真空ポート及び複数本の真空導路を介し、前記真空チャック面画定要素の前記真空チャック面に結合されている真空押え付け装置。
【請求項10】
請求項9に係る真空押え付け装置であって、前記中央真空マニフォルド兼導路アセンブリが、前記真空入口ポートに連結されたマニフォルドを備え、そのマニフォルドが、前記可回動真空連結部に結合された単一の真空出口導路部分を有する真空押え付け装置。
【請求項11】
請求項2に係る真空押え付け装置であって、前記真空チャック面が前記真空チャックアセンブリに対し可回動な真空押え付け装置。
【請求項12】
請求項2に係る真空押え付け装置であって、前記可動ステージがXY可動ステージである真空押え付け装置。
【請求項13】
請求項2に係る真空押え付け装置であって、前記真空チャックアセンブリが、前記ベンチュリ真空発生器に対し可回動な真空チャック面画定要素を有する真空押え付け装置。
【請求項14】
請求項13に係る真空押え付け装置であって、前記ベンチュリ真空発生器が、前記真空チャック面画定要素に対する可回動真空連結部を有する中央真空マニフォルド兼導路アセンブリを介し、当該真空チャック面画定要素の前記真空チャック面に結合されている真空押え付け装置。
【請求項15】
請求項14に係る真空押え付け装置であって、前記ベンチュリ真空発生器が、前記中央真空マニフォルド兼導路アセンブリに備わる複数個の対応する真空入口ポートに連結された複数個の真空ポート及び複数本の真空導路を介し、前記真空チャック面画定要素の前記真空チャック面に結合されている真空押え付け装置。
【請求項16】
請求項15に係る真空押え付け装置であって、前記中央真空マニフォルド兼導路アセンブリが、前記真空入口ポートに連結されたマニフォルドを備え、そのマニフォルドが、前記可回動真空連結部に結合された単一の真空出口導路部分を有する真空押え付け装置。
【請求項17】
請求項1に係る真空押え付け装置であって、前記真空通流開口を介し前記真空チャック面に通ずる付加的真空連結部をも備える真空押え付け装置。
【請求項18】
請求項17に係る真空押え付け装置であって、前記ベンチュリ真空発生器及び前記付加的真空連結部のうち何れかから選択的に前記真空チャックアセンブリへと真空を供給するよう動作させうる真空押え付け装置。
【請求項19】
請求項2に係る真空押え付け装置であって、前記真空通流開口を介し前記真空チャック面に通ずる付加的真空発生器をも備え、その付加的真空発生器が前記可動ステージ上に実装されている真空押え付け装置。
【請求項20】
請求項19に係る真空押え付け装置であって、前記ベンチュリ真空発生器及び前記付加的真空発生器のうち何れかから選択的に前記真空チャックアセンブリへと真空を供給するよう動作させうる真空押え付け装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は総じて真空押え付け装置及び真空チャックに関し、より具体的には半導体産業にて用いられる真空押え付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体産業にて用いられる様々な種類の真空チャックが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2013/0330154号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明で行おうとしているのは、半導体産業での使用にひときわ適すると共に同産業での使用に限定されない改良された真空押え付け装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ここに、本発明の好適実施形態によれば、ウェハを所望の位置及び向きに保つのに適した真空押え付け装置であり、真空通流開口を有する真空チャック面を画定する真空チャックアセンブリと、その真空チャックアセンブリに対し固定されており当該真空通流開口を介し当該真空チャック面に通ずるベンチュリ真空発生器と、そのベンチュリ真空発生器に通ずる正圧流体ラインと、を有する装置が提供される。
【0006】
本発明の好適実施形態によれば、前記真空チャックアセンブリ及び前記ベンチュリ真空発生器が共に可動ステージ上に実装される。
【0007】
本発明の好適実施形態によれば、前記正圧流体ラインが可撓流体ラインとされる。
【0008】
本発明の好適実施形態に係る真空押え付け装置は、前記可動ステージ上に実装されている前記ベンチュリ真空発生器に前記正圧流体ラインを介し結合された、固定正圧流体源をも有する。
【0009】
好ましくは、前記真空チャック面を前記真空チャックアセンブリに対し可回動とする。
【0010】
本発明の好適実施形態によれば、前記可動ステージがXY可動ステージとされる。
【0011】
好ましくは、前記真空チャックアセンブリを、前記ベンチュリ真空発生器に対し可回動な真空チャック面画定要素を有するものとする。加えて、そのベンチュリ真空発生器を、その真空チャック面画定要素に対する可回動真空連結部を有する中央真空マニフォルド兼導路アセンブリを介し、当該真空チャック面画定要素の前記真空チャック面に結合させる。
【0012】
本発明の好適実施形態によれば、前記ベンチュリ真空発生器が、前記中央真空マニフォルド兼導路アセンブリに備わる複数個の対応する真空入口ポートに連結された複数個の真空ポート及び複数本の真空導路を介し、前記真空チャック面画定要素の前記真空チャック面に結合される。加えて、その中央真空マニフォルド兼導路アセンブリが、それら真空入口ポートに連結されたマニフォルドを備えるものとされ、そのマニフォルドが、前記可回動真空連結部に結合された単一の真空出口導路部分を有するものとされる。
【0013】
好適実施形態に係る装置は、前記真空通流開口を介し前記真空チャック面に通ずる付加的真空連結部をも有する。
【0014】
好適実施形態に係る真空押え付け装置は、前記ベンチュリ真空発生器及び前記付加的真空連結部のうち何れかから選択的に前記真空チャックアセンブリへと真空を供給するよう動作させうる。
【0015】
後掲の詳細記述と併せ以下の図面から本発明をより遺漏なく理解及び明察頂けよう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1A】ある視角から捉えた概略描写図であり、本発明の好適実施形態に従い構成され動作する半導体ウェハ処理マシンの一部分が示されている。
【
図1B】別の視角から捉えた概略描写図であり、本発明の好適実施形態に従い構成され動作する半導体ウェハ処理マシンの一部分が示されている。
【
図1C】別の視角から捉えた概略描写図であり、本発明の好適実施形態に従い構成され動作する半導体ウェハ処理マシンの一部分が示されている。
【
図2A】
図1A~
図1Cの半導体ウェハ処理マシンの一部分を形成する可動ステージアセンブリの概略描写図であり、その一部分を形成するベンチュリサブアセンブリに対する可撓正流体圧連結部が示されている。
【
図2B】
図1A~
図1Cの半導体ウェハ処理マシンの一部分を形成する可動ステージアセンブリの概略描写図であり、その一部分を形成するベンチュリサブアセンブリに対する可撓正流体圧連結部が示されている。
【
図2C】
図1A~
図1Cの半導体ウェハ処理マシンの一部分を形成する可動ステージアセンブリの概略描写図であり、その一部分を形成するベンチュリサブアセンブリに対する可撓正流体圧連結部が示されている。
【
図3A】
図2A~
図2Cのベンチュリサブアセンブリと、
図2A~
図2Cの可動ステージアセンブリの真空押え付け面にある開口に結合された中央真空マニフォルド兼導路アセンブリと、の間の真空連結部を示す組立時概略斜視描写図である。
【
図3B】
図2A~
図2Cのベンチュリサブアセンブリと、
図2A~
図2Cの可動ステージアセンブリの真空押え付け面にある開口に結合された中央真空マニフォルド兼導路アセンブリと、の間の真空連結部を示す組立時概略斜視描写図である。
【
図3C】
図2A~
図2Cのベンチュリサブアセンブリと、
図2A~
図2Cの可動ステージアセンブリの真空押え付け面にある開口に結合された中央真空マニフォルド兼導路アセンブリと、の間の真空連結部を示す組立時概略斜視描写図である。
【
図5A】ある典型的動作姿勢における
図3A~
図4Bの可動ステージアセンブリの概略上面図である。
【
図5B】別の典型的動作姿勢における
図3A~
図4Bの可動ステージアセンブリの概略上面図である。
【
図5C】別の典型的動作姿勢における
図3A~
図4Bの可動ステージアセンブリの概略上面図である。
【
図6】
図1A~
図5Cの半導体ウェハ処理マシンの付加的実施形態の概略模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず、様々な視角から捉えた概略描写図であり、本発明の好適実施形態に従い構成され動作する半導体ウェハ処理マシンの一部分が示されている
図1A、
図1B及び
図1Cと、
図1A~
図1Cの半導体ウェハ処理マシンの一部分を形成する可動ステージアセンブリの概略描写図であり、その一部分を形成するベンチュリサブアセンブリに対する可撓正流体圧連結部が示されている
図2A、
図2B及び
図2Cとを、参照する。
【0018】
図1A~
図2Cに見られる通り、所望の位置及び向きにて半導体ウェハを保持するのに適した真空押え付け装置が示されており、それにより半導体ウェハ処理マシン100、例えば米国カリフォルニア州ミルピタス所在のKLA-Tencor Corporationから商業的に入手可能なArcher(商標)600の一部分が形成されている。とりわけ
図1A~
図1Cに見られる通り、正圧源、例えば製造設備内に設けられエアコンプレッサに結合される正圧アウトレットが、1本又は複数本の正圧導路102を介し正圧コントローラ104、なかでも手動操作可能な圧力カットオフスイッチを有するものに、結合されている。付加的な1本又は複数本の可撓正圧導路106が、圧力コントローラ104から可動ステージアセンブリ110への正圧の供給を担っている。
【0019】
可動ステージアセンブリ110は、回動真空チャックアセンブリ120の選択的なX及びY方向変位向けに構成された、何れの好適な可動ステージアセンブリ110であってもよい。真空チャックアセンブリ120を動作させることで、真空チャック面134の中央に真空通流開口132を有する真空チャック面画定要素130を、選択的に回動位置決めすることができる。
【0020】
図3A~
図3Cに示される通り、本発明のある実施形態の格別な特徴は、ベンチュリ真空発生器150が真空チャックアセンブリ120に対し固定されており、それにより真空チャック面画定要素130に真空が供給されることにある。ベンチュリ真空発生器150は正圧流体流、典型的には8barの圧力下にある気流を、可撓正圧導路106を介し受け入れる。ベンチュリ発生器150は、好ましくは、日本国長野県岡谷市所在の株式会社日本ピスコから商業的に入手可能なVRL100-100202(商品名)であって、少なくとも1個の正圧入口コネクタポート152及び少なくとも1個の真空ポート154を有している。
【0021】
好ましいことに、ベンチュリ真空発生器150は複数個の真空ポート154及び複数本の真空導路156を介し真空チャック面画定要素130に通じており、それら真空導路156が、中央真空マニフォルド兼導路アセンブリ160に備わる複数個の対応する真空入口ポート158に連結されており、その中央真空マニフォルド兼導路アセンブリ160が、真空チャック面画定要素130の真空通流開口132に対する可回動真空連結部162を有している。
【0022】
ベンチュリ真空発生器150が真空チャック面134の近くにあるので真空導路156の差し渡しが短く、それにより真空損失が最小化されている。
【0023】
また、
図4A及び
図4Bに付加的に示す通り、中央真空マニフォルド兼導路アセンブリ160は、好適なことに、真空入口ポート158に連結されたマニフォルド164をも有しており、そのマニフォルド164が単一真空出口導路部分166を有しており、その単一真空出口導路部分166が可回動真空連結部162に結合されている。
【0024】
また、
図5A~
図5Cに付加的に示す通り、真空チャック面画定要素130はXY平面内で様々な位置を採ることができ、且つ真空チャックアセンブリ120に対し様々な回動姿勢を採ることができる。
【0025】
図6に示される通り、本発明のある付加的実施形態では、真空チャックアセンブリ120がベンチュリ真空発生器150及び付加的真空源180の双方に連結される。ベンチュリ真空発生器150が正圧源182、例えば製造設備内に設けられた正圧アウトレットに結合される。付加的真空源180はベンチュリ真空発生器150以外の真空源、例えば製造設備内に設けられた真空アウトレットである。
【0026】
真空は、真空チャック面画定要素130へと選択的に供給される。真空は、初期的にはベンチュリ真空発生器150により真空チャック面画定要素130に供給されており、真空チャック面画定要素130にて十分な真空が確立された旨の指示値が真空センサ186からもたらされると、付加的真空源180により真空チャック面画定要素130に真空が供給されベンチュリ真空発生器150がスイッチオフされることとなる。
【0027】
図6に示されている付加的実施形態では、付加的真空源180・真空通流開口132間を通じさせる付加的な可撓真空コネクタを受け入れる付加的な真空入口ポート158が、中央真空マニフォルド兼導路アセンブリ160に備わっている。同様に、
図6に示されている付加的実施形態では、半導体ウェハ処理マシン100が、付加的真空源180の全面機能発揮に必要な複数個の付加的なフィッティング及びパイプを有している。
【0028】
本件技術分野に習熟した者(いわゆる当業者)には理解し得る通り、本発明は具体的に図示及び上述したものには限定されない。寧ろ、本発明は、上述した様々な特徴のコンビネーション及びサブコンビネーション、並びにその修正及び変形物であり従来技術ではないものを、包含している。
【国際調査報告】