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特表2022-532896レーザー溶接用途のための高いレーザー透過性を有する黒色ポリアミド組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-20
(54)【発明の名称】レーザー溶接用途のための高いレーザー透過性を有する黒色ポリアミド組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 77/00 20060101AFI20220712BHJP
   C08K 5/23 20060101ALI20220712BHJP
   C08K 7/14 20060101ALI20220712BHJP
   C08K 7/20 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
C08L77/00
C08K5/23
C08K7/14
C08K7/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021568265
(86)(22)【出願日】2020-05-13
(85)【翻訳文提出日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 EP2020063352
(87)【国際公開番号】W WO2020229549
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/086777
(32)【優先日】2019-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【弁理士】
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ホワンピン
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002CL011
4J002CL031
4J002DL006
4J002DL007
4J002EQ018
4J002FA046
4J002FA087
4J002FD098
4J002GN00
(57)【要約】
(i)少なくとも1種の脂肪族ポリアミドもしくは半芳香族ポリアミドまたはそれらの混合物、
(ii)ガラス繊維、
(iii)最大8質量%の量にある少なくとも1種の非繊維質強化材料、
(iv)少なくとも1種のモノアゾ錯体型の黒色染料、
(v)任意に1種または複数のさらなる添加剤
を含む、ポリアミド組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)少なくとも1種の脂肪族ポリアミドもしくは半芳香族ポリアミドまたはそれらの混合物、
(ii)ガラス繊維、
(iii)最大8質量%の量にある少なくとも1種の非繊維質強化材料、
(iv)少なくとも1種のモノアゾ錯体型の黒色染料、
(v)任意に1種または複数のさらなる添加剤
を含む、ポリアミド組成物。
【請求項2】
少なくとも1種の脂肪族ポリアミドが、ヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸のホモポリマー(PA6.6)、ε-カプロラクタムのホモポリマー(PA6)、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸およびε-カプロラクタムのコポリマー(PA6.6/6)、ヘキサメチレンジアミンおよびセバシン酸のホモポリマー(PA6.10)、ならびにこれらの脂肪族ポリアミドの混合物から選択される、請求項1に記載のポリアミド組成物。
【請求項3】
半芳香族ポリアミドが、ヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸の、テレフタル酸および/またはイソフタル酸とのホモポリマーおよび/またはコポリマーから選択される、請求項1または2に記載のポリアミド組成物。
【請求項4】
少なくとも1種の半芳香族ポリアミドが、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸およびテレフタル酸のコポリマー(PA6.6/6.T)、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸およびイソフタル酸のコポリマー(PA6.6/6.I)、ヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸およびイソフタル酸のコポリマー(PA6.T/6.I)、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸、テレフタル酸およびイソフタル酸のコポリマー(PA6.6/6.T/6.I)、ならびにこれらの半芳香族ポリアミドの混合物から選択される、請求項3に記載のポリアミド組成物。
【請求項5】
少なくとも1種の非繊維質強化材料が、ガラスビーズ、ガラスフレークおよび粉砕ガラス繊維から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
【請求項6】
少なくとも1種の非繊維質強化材料が、ガラスビーズである、請求項1から5のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
【請求項7】
モノアゾ錯体型の黒色染料が、C.I.Solvent Black 27である、請求項1から6のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
【請求項8】
少なくとも1種の添加剤が、着色剤、離型剤、難燃剤、強化改質剤、および成分の混合または組成物の成型を促進するための添加剤から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
【請求項9】
(i)ポリアミド組成物の総質量に対して31~80.89質量%の少なくとも1種の脂肪族ポリアミドもしくは半芳香族ポリアミドまたはそれらの混合物、
(ii)ポリアミド組成物の総質量に対して15~55質量%のガラス繊維、
(iii)ポリアミド組成物の総質量に対して1~8質量%の少なくとも1種の非繊維質強化材料、
(iv)ポリアミド組成物の総質量に対して0.01~2質量%の少なくとも1種のモノアゾ錯体型の黒色染料、
(vi)ポリアミド組成物の総質量に対して0.1~20質量%の1種または複数のさらなる添加剤
を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
【請求項10】
(ii)ポリアミド組成物の総質量に対して20~50質量%のガラス繊維、
(iii)ポリアミド組成物の総質量に対して1~8質量%の少なくとも1種の非繊維質強化材料
を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
【請求項11】
(i)ポリアミド組成物の総質量に対して50~78.88質量%の少なくとも1種の脂肪族ポリアミドもしくは半芳香族ポリアミドまたはそれらの混合物、
(ii)ポリアミド組成物の総質量に対して20~50質量%のガラス繊維、
(iii)ポリアミド組成物の総質量に対して1~6質量%の少なくとも1種の非繊維質強化材料、
(iv)ポリアミド組成物の総質量に対して0.02~1質量%の少なくとも1種のモノアゾ錯体型の黒色染料、
(v)ポリアミド組成物の総質量に対して0.1~5質量%の1種または複数のさらなる添加剤
を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のポリアミド組成物から得られる、成型物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー溶接技術を用いた物品の製造において、満足のいく機械的性質を維持しながら高いレーザー透過性を呈する成型パーツを付与するポリアミド組成物に関する。該物品は、具体的には自動車用途、例えばフィルタハウジング、共振器、排気制御弁、ドアロックのパーツおよびディスプレイ部品で使用することができる。
【背景技術】
【0002】
レーザーは、プラスチックを接合するためのツールとしてはまだ比較的新しいが、この工業的用途は、レーザーマーキングおよびレーザーカッティングと同様に確立されたものになると思われる。今日までレーザーを使用して溶接される材料は、主にプラスチック膜であり、該方法は、ごく最近になって、パーツの大量生産のための三次元部品の接合にまで広げられてきた。
【0003】
熱可塑性物質のレーザー溶接のための方法の技術は、熱ジグ溶接、振動溶接または超音波溶接等の従来の溶接方法と比べたときに多くの利点を有する:
- 粉塵を生成しない
- 審美的結果が良好、目に見える傷がない
- 接合部品に機械的負荷がない
- 限定された領域に少量の熱が適用される
- 異なる剛性のパーツが溶接可能
- 接触がない(部品上に、メルトタックがない、マーキングがない)
- 修復溶接可能
- 異なる粘度の材料を溶接可能。
【0004】
レーザー溶接では、レーザー光に半透明である上部プラスチックを、レーザー光に半透明でない下部プラスチックと結合させることによって、2種のプラスチックが通常互いに組み合わされる。ここでは、レーザービームは、プラスチックの上層を、上層を変化させずに通過して下層に当たり、それによりレーザービームは、熱エネルギーの解放を伴って吸収される。解放された熱エネルギーはプラスチック材料を溶融し、そのためレーザービームの衝撃の点においてそれを上層に結合させる。
【0005】
しかしながら、この方法の欠点は、着色のために使用される、充填剤、または染料、または顔料が、それぞれレーザー光を常に即座に吸収して、結合がもたらされないため、吸収性充填剤を含む吸収性染料または顔料で着色されたプラスチック組成物を加工することが不可能なことである。
【0006】
自動車工業における多くの用途では、黒色の熱可塑性材料が必要とされる。しかしながら、着色剤または顔料がごくわずかな量のみで存在する場合でさえ、レーザー溶接性能は著しく悪化する。カーボンブラックおよびニグロシンは、黒色材料中で最も一般的に使用される黒色着色剤である。しかしながら、カーボンブラックは、少量においてさえ、広範囲の波長において高いレーザー吸収力を示す。ニグロシンはより良好に適するが、レーザー溶接用途において、レーザー透明部品のための要求に依然として応じられない。したがって、レーザー溶接において最も一般的に使用される2つのレーザー波長である980nmおよび1064nmにおいて高いレーザー透過性を有する、レーザー溶接用途のための改善された黒色ポリアミド組成物が、依然として必要とされている。
【0007】
米国特許第2002/0002225A1号は、レーザー光に半透明または透明である黒色の熱可塑性成型組成物を生成する、非吸収性、非黒色のポリマー可溶性染料から作製された染料の組み合わせを含む、黒色の熱可塑性成型組成物を開示している。この染料は、キノフタロンまたはアントラキノン染料である。
【0008】
米国特許第2003/0039837A1号は、レーザー溶接のための樹脂加工品であって、700nm未満の波長の可視光を吸収し、800nm~1200nmの範囲の波長でレーザービームを透過させるレーザービーム透過性黒色着色剤を含む、第1のレーザービーム透過性樹脂部分と、レーザービーム吸収性黒色着色剤を含む、第2のレーザービーム吸収性樹脂部分とを含み、前記第1の樹脂部分は、前記樹脂部分を通って透過され前記第2の樹脂部分中に吸収されるレーザービームによって、前記第2の樹脂部分に接合される、樹脂加工品を開示している。特定の実施形態によれば、前記レーザービーム透過性黒色着色剤は、モノアゾ錯体染料である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第2002/0002225A1号
【特許文献2】米国特許第2003/0039837A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、レーザー溶接用途のための黒色のレーザー透明部品の製造のために、満足のいく機械的性質、ならびに980nmおよび1064nmにおける改善されたレーザー透過性を有する繊維充填ポリアミド材料を提供することによって、上に挙げられた欠点を改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、
(i)少なくとも1種の脂肪族ポリアミドもしくは半芳香族ポリアミドまたはそれらの混合物、
(ii)ガラス繊維、
(iii)最大8質量%の量にある少なくとも1種の非繊維質強化材料、
(iv)少なくとも1種のモノアゾ錯体型の黒色染料、
(v)任意に1種または複数のさらなる添加剤
を含む、ポリアミド組成物を提供することによって達成される。
【0012】
強化充填剤として、標準細断ガラス繊維のみを使用する代わりに、標準細断ガラス繊維と、非繊維質強化材料、好ましくはグラスビーズとの混合物が使用される場合、ポリアミド組成物の980nmおよび1064nmにおけるレーザー透過性が著しく改善されることが、発明者らによって驚くべきことに見出された。同時に、ポリアミド組成物の機械的性質は高いレベルに保たれている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明によるポリアミド組成物の成分は、以下に、より詳細に記載される。
【0014】
本発明のポリアミド組成物は、(i)ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との重縮合から誘導される好ましくは繰り返し単位を含む、少なくとも1種の脂肪族ポリアミドまたは半芳香族ポリアミドを含む。少なくとも1種の脂肪族ポリアミドは、ヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸と共重合性であるモノマーから誘導されるさらなる脂肪族繰り返し単位を任意に含むことができる。
【0015】
好ましくは、少なくとも1種の脂肪族ポリアミドは、10,000~30,000g/モル、特に12,000~24,000g/モルの、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定される数平均分子量(Mn)を有する。
【0016】
好ましくは、脂肪族ポリアミドは、ヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸のホモポリマー(PA6.6)、ε-カプロラクタムのホモポリマー(PA6)またはヘキサメチレンジアミン、アジピン酸およびε-カプロラクタムのコポリマー(PA6.6/6)、ならびにこれらの脂肪族ポリアミドの混合物またはブレンドから選択される。脂肪族ポリアミドが、ε-カプロラクタムから誘導される繰り返し単位を含むコポリマーである場合、これらの繰り返し単位は、少なくとも1種の脂肪族ポリアミドの総質量に対して、1~30モル%、好ましくは5~20モル%、特に7~15モル%の量で存在する。そのようにして、ポリアミドの残りは、モル比1:1にあるヘキサメチレンジアミンとアジピン酸から誘導される繰り返し単位から好ましくは構成される。
【0017】
少なくとも1種の脂肪族ポリアミドが、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸およびε-カプロラクタムのコポリマー(PA6.6/6)から選択される場合、ヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸から誘導される繰り返し単位のみは、ポリアミド組成物の総質量に対して、40~70質量%、好ましくは45.0~67.5質量%の少なくとも1種の脂肪族ポリアミドの量を占める。
【0018】
半芳香族ポリアミドは、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸と少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸との重縮合から誘導される繰り返し単位を好ましくは含む。
【0019】
一般に、半芳香族ポリアミドは、半芳香族ポリアミドの総質量に対して少なくとも5モル%の量にある少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸から誘導される繰り返し単位を含む。本発明のより好ましい一実施形態では、半芳香族ポリアミドは、少なくとも1種の半芳香族ポリアミドのモル組成物に対して、5~50モル%、特に10~30モル%の量にある少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸から誘導される繰り返し単位を含む。
【0020】
半芳香族ポリアミドは、脂肪族ジアミン、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジアミンおよび/または芳香族ジカルボン酸の重縮合反応から好ましくは得られる。さらに好ましい一実施形態では、半芳香族ポリアミドは、脂肪族ジアミンと脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸との重縮合から得ることができる。
【0021】
好ましい脂肪族ジアミンには、ヘキサメチレンジアミンおよび/または5-メチルペンタメチレンジアミンが含まれる。特定の好ましい一実施形態では、ヘキサメチレンジアミンが使用される。
【0022】
特定の好ましい一実施形態では、アジピン酸が、脂肪族ジカルボン酸として使用される。
【0023】
本発明の好ましい一実施形態では、半芳香族ポリアミドは、ジカルボン酸から誘導される繰り返し単位の総量に対して0モル%~90モル%の量で、脂肪族ジカルボン酸から誘導される、特にアジピン酸から誘導される繰り返し単位を含み、より好ましくはジカルボン酸から誘導される40モル%~80モル%の繰り返し単位を含むが、ジカルボン酸から誘導される繰り返し単位の残りは芳香族ジカルボン酸から誘導される。
【0024】
特定の好ましい一実施形態では、少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸およびイソフタル酸から選択される。
【0025】
本発明のさらに好ましい一実施形態では、少なくとも1種の芳香族ジカルボン酸から誘導される少なくとも1つの繰り返し単位は、任意に少なくとも1種のさらなる芳香族ジカルボン酸と組み合わせた、具体的にはイソフタル酸と組み合わせた、テレフタル酸から誘導される。好ましくは、テレフタル酸から誘導される少なくとも1つの繰り返し単位は、少なくとも1種の脂肪族ジカルボン酸、具体的にはアジピン酸から誘導される少なくとも1つの繰り返し単位と組み合わせて、任意に少なくとも1種のさらなる芳香族ジカルボン酸、具体的にはイソフタル酸から誘導される少なくとも1つの繰り返し単位と組み合わせて、含まれる。
【0026】
本発明の特定の好ましい一実施形態では、半芳香族ポリアミドは、
(a)ジカルボン酸から誘導される繰り返し単位の総量に対して10~60モル%の量にあるテレフタル酸またはイソフタル酸、および
(b)ジカルボン酸から誘導される繰り返し単位の総量に対して40~90モル%の量にあるアジピン酸、
から誘導される繰り返し単位を含み、
テレフタル酸またはイソフタル酸とアジピン酸との総量は、ジカルボン酸から誘導される繰り返し単位の量の最大100モル%の量となる。
【0027】
本発明の代替的な特定の好ましい一実施形態では、半芳香族ポリアミドは、
(a)ジカルボン酸から誘導される繰り返し単位の総量に対して10~60モル%の量にあるテレフタル酸、および
(b)ジカルボン酸から誘導される繰り返し単位の総量に対して40~90モル%の量にあるイソフタル酸、
から誘導される繰り返し単位を含み、
テレフタル酸とイソフタル酸との総量は、ジカルボン酸から誘導される繰り返し単位の量の最大100モル%の量となる。
【0028】
本発明のさらなる代替的な特定の好ましい一実施形態では、半芳香族ポリアミドは、
(a)ジカルボン酸から誘導される繰り返し単位の総量に対して10~60モル%の量にあるテレフタル酸および少なくとも1種のさらなる芳香族ジカルボン酸、ならびに
(b)ジカルボン酸から誘導される繰り返し単位の総量に対して40~90モル%の量にあるアジピン酸、
から誘導される繰り返し単位を含み、
アジピン酸とテレフタル酸と少なくとも1種のさらなる芳香族ジカルボン酸との総量は、ジカルボン酸から誘導される繰り返し単位の量の最大100モル%の量となり、テレフタル酸は、芳香族ジカルボン酸から誘導される繰り返し単位の総量に対して10~60モル%を占め、少なくとも1種のさらなる芳香族酸、具体的にはイソフタル酸は、芳香族ジカルボン酸から誘導される繰り返し単位の総量に対して40~90モル%を占める。
【0029】
そのため、本発明の好ましい一実施形態では、ポリアミド組成物は、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸ならびにテレフタル酸および/またはイソフタル酸のホモポリマーおよび/またはコポリマーから選択される少なくとも1種の半芳香族ポリアミドを含む。
【0030】
本発明の特定の好ましい一実施形態では、少なくとも1種の半芳香族ポリアミドは、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸およびテレフタル酸のコポリマー(PA6.6/6.T)、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸およびイソフタル酸のコポリマー(PA6.6/6.I)、ヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸およびイソフタル酸のコポリマー(PA6.T/6.I)、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸、テレフタル酸およびイソフタル酸のコポリマー(PA6.6/6.T/6.I)、ならびにこれらの半芳香族ポリアミドの混合物から選択される。
【0031】
好ましくは、少なくとも1種の半芳香族ポリアミドは、10,000g/モル~30,000g/モル、特に12,000g/モル~24,000g/モルの、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって決定される数平均分子量(Mn)を有する。
【0032】
ポリアミド(i)は、ポリアミド組成物中に、ポリアミド組成物の総質量に対して、一般に30~80.89質量%、好ましくは50~78.88質量%の量で存在する。
【0033】
本発明のポリアミド組成物は、(ii)ガラス繊維をさらに含む。使用されるガラス繊維は、細断ガラス繊維または連続ガラス繊維であることができる。細断ガラス繊維が使用される場合、ガラス繊維は、成分(i)~(v)を混合することによるポリアミド組成物の製造前に、好ましくは1mm~8mmの間の長さ、及び5μm~20μmの間の直径を有している。溶融ポリマーとの混合中および混錬中、繊維は破断し、ポリアミド組成物中に、200~600μmの間の平均長さを有する。本質的に円形断面を有するガラス繊維が好ましい。
【0034】
少なくとも1種の非繊維質強化材料(iii)は、ガラスビーズ、ガラスフレークおよび粉砕ガラス繊維から選択される。本発明の好ましい実施形態では、非繊維質強化材料は、好ましくは、3~120μmの間、より好ましくは10μm~60μmの間の直径を有するガラスビーズ、および/または250μm未満の長さおよび20μm未満の直径の粉砕ガラス繊維である。
【0035】
そのため、本発明の特定の好ましい一実施形態では、ポリアミド組成物は、(ii)ガラス繊維から選択される少なくとも1種の繊維質強化充填剤、および(iii)ガラスビーズから選択される少なくとも1種の非繊維質強化材料を含む。
【0036】
ガラスビーズは、中実ガラスビーズまたは中空ガラスビーズであってもよい。好ましいのは中実ガラスビーズである。これらのガラスビーズは周知であり、特にPlastics Additives Handbook、Hanser、第4版、537~538頁に記載されている。
【0037】
ガラスビーズは、一般に、1μm~2mmの間、好ましくは3~500μmの間、より好ましくは3~120μmの間、特に好ましくは10μm~60μmの間の平均直径を有する。
【0038】
ガラスビーズは、コーティング、例えば特にシランコーティングを含むことができる。
【0039】
ガラス繊維(ii)は、ポリアミド組成物中に、ポリアミド組成物の総質量に対して、一般に15~55質量%、好ましくは20~50質量%、より好ましくは25~40質量%の量で存在する。
【0040】
少なくとも1種の非繊維質強化材料(iii)は、ポリアミド組成物中に、ポリアミド組成物の総質量に対して、一般に0.1~8質量%、好ましくは1~8質量%、より好ましくは1~6質量%、特に好ましくは1~5質量%の量で存在する。
【0041】
本発明のポリアミド組成物は、(iv)少なくとも1種のモノアゾ錯体型の黒色染料を含む。モノアゾ錯体染料は、以下の一般式により要約することができる。
【0042】
【化1】
【0043】
この式中、Aは、任意に置換基を有する芳香族残基を表し、Bは、任意に置換基を有するナフトール誘導体残基を表す。Mは金属であり、Pはカチオンであり、qは整数0~2であり、Kは整数0~2である。
【0044】
前述したモノアゾ錯体染料の対イオンPとして、H、NH 、アルカリ金属(Na、Kなど)に基づくカチオン、有機アミンに基づくカチオン(第一級脂肪アミン、第二級脂肪アミン、第三級脂肪アミン)、および第四級有機アンモニウムイオンを使用することができる。
【0045】
前述したモノアゾ錯体染料の中心金属Mとして、多様な金属を使用することができる。より好ましいものとして、二価から四価の原子価を有する金属を使用することができる。特定の例として、Zn、Sr、Cr、Cu、Al、Ti、Fe、Zr、Ni、Co、Mn、B、SiおよびSnを使用することができる。
【0046】
前述したモノアゾ錯体染料の構造を変えることによって、多様な色、例えば黄色、赤色、青色、紫色および黒色を得ることができる。前述したモノアゾ錯体染料は、高い耐熱性および耐光性を有し、熱可塑性樹脂にとっての成型の性質および色調に優れている。例えば一般式により表示されるモノアゾ錯体染料は、A-N=N-Bモノアゾ染料の金属化を実施することによって得られる。A-N=N-Bモノアゾ染料は、A成分上でジアゾ化を実施し、B成分上でカップリングすることによって得られる化合物である。ピラゾロン誘導体またはアセトアセタニリド誘導体がB成分として使用されるとき、黄色-赤色モノアゾ錯体染料が得られ、ナフトール誘導体がB成分として使用されるとき、青色-黒色モノアゾ錯体染料が得られる。B成分としてナフトールを使用するモノアゾ錯体染料は、YAGレーザーに近い高い透過性を示す。換言すると、YAGレーザーに近いすべての領域(1000~1200nm)において優れた透過性を有する黒色着色剤は、前述したモノアゾ錯体染料のみを使用することによって、または該染料を、800~1200nmの範囲内で良好な透過性を有しながらもより短い波長において吸収ピークを有する少なくとも1種の染料と混合することによって得ることができる。しかしながら、各染料についての組入れの比は、染料の色調、利用される樹脂および利用される濃度(または樹脂の粘着性)に基づいて適切に調整される。
【0047】
モノアゾ錯体染料の特定の例は以下の通りである。これらは、単に、使用される染料のより広い選択の代表である:
黒色染料:
C.I. Solvent Black 21、22、23、27、28、29、31
C.I. Acid Black 52、60、99、
青色染料:C.I. Acid Blue 167、
紫色染料:C.I. Solvent Violet 21。
【0048】
少なくとも1種のモノアゾ錯体型の黒色染料(iv)は、ポリアミド組成物中に、ポリアミド組成物の総質量に対して、好ましくは0.01~2質量%、好ましくは0.02~1質量%、より好ましくは0.05~0.5質量%の量で存在する。
【0049】
ポリアミド組成物は、ポリアミド組成物中で通常使用されるすべての添加剤を含む(v)1種または複数のさらなる添加剤をさらに含む。好ましくは、少なくとも1種の添加剤は、熱安定剤、離型剤、難燃剤、強化改質剤、および成分の混合または組成物の成型を促進するための添加剤から選択される。特定の好ましい実施形態は、添加剤として熱安定剤および離型剤を含む。熱安定剤は、銅塩、鉄塩、ホスフェート安定剤、芳香族アミンおよび/またはフェノール抗酸化剤から選択することができる。
【0050】
少なくとも1種の添加剤は、ポリアミド組成物の総質量に対して、一般に0.1~20質量%の量で存在する。一実施形態では、添加剤は、0.1~5質量%、好ましくは0.1~2質量%の量で存在し、離型剤および熱安定剤を含む。さらなる実施形態では、添加剤は、0.1~20質量%の量で存在し、熱安定剤、離型剤、難燃剤、強化改質剤、および成分の混合を促進するための添加剤を含む。
【0051】
そのため、本発明の一実施形態では、本発明は、
(i)ポリアミド組成物の総質量に対して、31~80.89質量%、好ましくは50~78.88質量%の少なくとも1種の脂肪族ポリアミドもしくは半芳香族ポリアミドまたはそれらの混合物、
(ii)ポリアミド組成物の総質量に対して、15~55質量%、好ましくは20~50質量%のガラス繊維、
(iii)ポリアミド組成物の総質量に対して、1~8質量%、好ましくは1~6質量%の少なくとも1種の非繊維質強化材料、
(iv)ポリアミド組成物の総質量に対して、0.01~2質量%、好ましくは0.02~1質量%の少なくとも1種のモノアゾ錯体型の黒色染料、
(v)ポリアミド組成物の総質量に対して、0.1~20質量%、好ましくは0.1~5質量%の1種または複数のさらなる添加剤
を含む、ポリアミド組成物に関する。
【0052】
本発明のポリアミド組成物は、一般に、二軸押出機または一軸押出機中でポリアミドおよび異なる装入物を混合することによって製造される。
【0053】
ポリアミド組成物は、ロッドとして押出され、これは切断されて顆粒を形成する。
【0054】
ポリアミド組成物は、好ましくは、>250MPa、より好ましくは>260MPaの(ISO178に従った)23℃での曲げ強度を有する(実施例の項に記載のように決定される)。
【0055】
ポリアミド組成物は、好ましくは、>160MPa、より好ましくは>170MPaの(ISO527-2/1Aに従った)23℃での引張強度DAMを有する(実施例の項に記載のように決定される)。
【0056】
ポリアミド組成物は、好ましくは、>30kJ/m、より好ましくは>40kJ/m、特に>40kJ/mの(ISO179/1eUに従った)23℃でのノッチなしシャルピー衝撃強度を有する(実施例の項に記載のように決定される)。
【0057】
ポリアミド組成物は、好ましくは、>8kJ/m、特に>10kJ/mの(ISO179/1eAに従った)23℃でのノッチ付きシャルピー衝撃強度を有する(実施例の項に記載のように決定される)。
【0058】
ポリアミド組成物は、好ましくは、>230℃、特に>240℃の(ISO75/Afに従った)1.82mPaでの熱変形温度を有する(実施例の項に記載のように決定される)。
【0059】
本発明のポリアミド組成物から、好ましくは射出成型方法によって、成型物品が作製される。
【0060】
レーザー溶接に好適である成型樹脂製品は、押出成型および射出成型を含む任意の方法によって得ることができる。レーザー溶接は、利用されるレーザー用の透過性樹脂で作製された成型製品が、利用されるレーザー用の吸収性樹脂で作製された成型製品と密接に接触することのみを必要とする。必要であれば、結着している表面上に圧力をさらにかけることができる。
【0061】
本発明の成型樹脂製品を溶接するのに有用なレーザーは、近赤外領域中で発光を有する任意のレーザーであってもよい。具体的には、波長800~1200nmの光を発するレーザーが好ましく、ダイオードレーザーおよびYAGレーザーがとりわけ好ましい。レーザーは、レーザー操作の当業者の間で認められるように、単独で利用されても互いに組み合わせて利用されてもよい。レーザー発光は、連続的またはパルス的であってもよく、連続発光が好ましい。
【0062】
レーザー溶接に供される樹脂材料に関して、レーザー透過性である1種の樹脂材料と、レーザー吸収性である別の樹脂材料とが提供される。透過性樹脂材料を通して、レーザー光を、そこに結合している吸収性樹脂材料上に照射することによって、吸収性樹脂材料の接触表面上に蓄積されたレーザー光のエネルギーは、接触領域を加熱し溶融する。透過性樹脂材料はまた、熱伝達を通じて加熱され/溶融され、そのようにして樹脂材料は容易にかつ強力に結合する。レーザー光は溶接している領域を直接照射してもよく、または鏡もしくは光学繊維等の光学器具を用いて、接触領域に導かれてもよい。これらのおよび他の技術は、個々の溶接操作に適切に採用され、当業者によって選択される。
【0063】
レーザーの強度、密度および照射面積は、結合している表面の加熱および溶融を適切に実施するように選択される。これらは、生成した結合が、対象の用途に必要とされる強度で得られるように調整される。それが弱すぎると、十分な加熱溶融を実現することができない。逆に、それが強すぎると、樹脂の劣化が誘起される。
【0064】
本発明は、互いに接触して位置している2種の成型物品(それぞれレーザー透過性および吸収性である)の接合部に関係し、この接合部では、レーザービームの所望の量は集中されて透過され、溶融されて結合される。複数の点、線または表面が溶接されることになる場合、レーザー光を順番に動かして接合面を照射してもよいか、または複数のレーザー源を使用して同時に照射してもよい。
【0065】
本発明の他の利点および詳細は、以下に付与される、例示目的のみのための実施例から明らかになる。
【実施例
【0066】
ポリアミド組成物の製造:
実施例および比較例として、いくつかのポリアミド組成物を製造した。
【0067】
以下の成分を出発材料として使用した:
成分(i):PA6.6ホモポリマー
成分(ii):平均長さ4.5mmおよび平均直径10μmを有するガラス繊維細断ストランド(Taishan社製のT435R)
成分(iii):平均直径20μmを有する固体ガラスビーズ(Sovitec社製のMicroperl 050-20-215)
成分(iv):モノアゾ錯体染料Solvent Black 27
成分(v):熱安定剤および離型マスターバッチ(Solvay社製のMM9549C)
【0068】
本発明に従って成型するための組成物を、二軸型押出機ZSK 18 W中12kg/時間の速度および300rev/分の等しい軸の回転速度で、表1に開示している多様な成分および量の配合物に応じて、265℃~340℃の範囲の温度で混合して製造した。
【0069】
異なるサイズおよび厚さのプラークを、射出成型により製造した。
【0070】
以下の性質を決定した:
引張係数、引張強度および引張伸び:
引張係数および引張強度をISO527-2/1Aに従って決定した。値はMPaで付与する。引張伸びをISO527-2/1Aに従って決定した。値は%で付与する。
【0071】
曲げ係数および曲げ強度:
最大負荷での曲げ強度の決定をISO178に従って、サイズ80×10mmおよび厚さ4mmを有する試験試料で実施した。値はMPaで付与する。
【0072】
ノッチなしシャルピー衝撃強度:
ノッチなしシャルピー衝撃強度をISO179/1eUに従って、サイズ80×10mmおよび厚さ4mmを有する試験試料で決定した。値はkJ/mで付与する。
【0073】
ノッチ付きシャルピー衝撃強度:
ノッチ付きシャルピー衝撃強度をISO179/1eAに従って、サイズ80×10mmおよび厚さ4mmの試験試料で決定した。0.8mm幅のU形のノッチを、試験片の広い側の上に作製した。ノッチ深さを、試験片の厚さの1/3とした。ノッチルートの外郭をとるエッジは、<0.1mmの曲率半径を有していた。値はkJ/mで付与する。
【0074】
熱変形温度:
熱変形温度をISO75/Afに従って1.82MPaにおいて決定した。値は℃で付与する。
【0075】
980および1064nmにおけるレーザー透過性:
レーザー透過性をUV-visible Spectrophotometer(Mettler Evolution 220)によって、サイズ60×60mmの試験プラークで決定した。
【0076】
色L値、a値、b値、2mm:
色L値、a値、b値を、Benchtop Spectrophotometer(X-rite(登録商標),Inc.により製造したモデルCi7800)によって、90×60×2mmの偏平な試験片を使用してカラーテストモードにおいて決定した。
【0077】
試験の結果:
実施例E1~E3および比較例C1~C3の試験の結果を表1に要約する。
【0078】
【表1】
【0079】
表1は、標準的なガラス繊維とガラスビーズとの間の相乗効果を示している。30質量%の量の強化充填剤において、それぞれ、1質量%、2質量%および5質量%の標準的なガラス繊維をガラスビーズに置き換えると、980nmおよび1064nmでのポリアミドプラークのレーザー透過性を著しく改善する。この効果は、3.2mmのプラークで最も顕著である。同時に、機械的性質の良好なレベルが維持されている。しかしながら、20質量%の標準的なガラス繊維および10質量%のガラスビーズで、ポリアミドプラークのレーザー透過性と機械的性質との両方が低下する。15質量%の標準的なガラス繊維および15質量%のガラスビーズで、ポリアミドプラークのレーザー透過性と機械的性質との両方がさらに低下する。
【手続補正書】
【提出日】2021-05-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)ポリアミド組成物の総質量に対して50~78.88質量%の少なくとも1種の脂肪族ポリアミド、
(ii)ポリアミド組成物の総質量に対して20~50質量%のガラス繊維、
(iii)ポリアミド組成物の総質量に対して1~6質量%の、3~120μmの間の直径を有するガラスビーズ
(iv)ポリアミド組成物の総質量に対して0.02~1質量%の少なくとも1種のモノアゾ錯体型の黒色染料、
(v)ポリアミド組成物の総質量に対して0.1~5質量%の1種または複数のさらなる添加剤
を含む、ポリアミド組成物。
【請求項2】
少なくとも1種の脂肪族ポリアミドが、ヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸のホモポリマー(PA6.6)、ε-カプロラクタムのホモポリマー(PA6)、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸およびε-カプロラクタムのコポリマー(PA6.6/6)、ヘキサメチレンジアミンおよびセバシン酸のホモポリマー(PA6.10)、ならびにこれらの脂肪族ポリアミドの混合物から選択される、請求項1に記載のポリアミド組成物。
【請求項3】
半芳香族ポリアミドが、ヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸の、テレフタル酸および/またはイソフタル酸とのホモポリマーおよび/またはコポリマーから選択される、請求項1または2に記載のポリアミド組成物。
【請求項4】
少なくとも1種の半芳香族ポリアミドが、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸およびテレフタル酸のコポリマー(PA6.6/6.T)、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸およびイソフタル酸のコポリマー(PA6.6/6.I)、ヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸およびイソフタル酸のコポリマー(PA6.T/6.I)、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸、テレフタル酸およびイソフタル酸のコポリマー(PA6.6/6.T/6.I)、ならびにこれらの半芳香族ポリアミドの混合物から選択される、請求項3に記載のポリアミド組成物
【請求項5】
モノアゾ錯体型の黒色染料が、C.I.Solvent Black 27である、請求項1からのいずれか一項に記載のポリアミド組成物。
【請求項6】
少なくとも1種の添加剤が、着色剤、離型剤、難燃剤、強化改質剤、および成分の混合または組成物の成型を促進するための添加剤から選択される、請求項1からのいずれか一項に記載のポリアミド組成物
【請求項7】
請求項1からのいずれか一項に記載のポリアミド組成物から得られる、成型物品。
【国際調査報告】