(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-21
(54)【発明の名称】パッケージの構成及び製造の方法
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20220713BHJP
H01L 23/14 20060101ALI20220713BHJP
【FI】
H01L23/12 501P
H01L23/14 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021566586
(86)(22)【出願日】2020-04-06
(85)【翻訳文提出日】2022-01-07
(86)【国際出願番号】 US2020026874
(87)【国際公開番号】W WO2020231545
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】102019000006736
(32)【優先日】2019-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(32)【優先日】2019-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ハンウェン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァハヴェルベク, スティーヴン
(72)【発明者】
【氏名】パク, ギバク
(72)【発明者】
【氏名】チェッレレ, ジョルジオ
(72)【発明者】
【氏名】トニーニ, ディエゴ
(72)【発明者】
【氏名】ディカプリオ, ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】チョ, キュイル
(57)【要約】
本開示は、薄型フォームファクタ半導体パッケージを形成するための方法及び装置に関する。1つの実施形態では、ガラス又はケイ素基板は、マイクロブラスト又はレーザアブレーションによって構造化され、それを通る相互接続を形成するための構造を形成する。その後、基板は、ダイが内部に埋め込まれた半導体パッケージを形成するためのフレームとして利用される。
【選択図】
図14G
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2の表面の反対側にある第1の表面を有するフレームであって、前記フレームが、
ケイ素を含むフレーム材料、
半導体ダイが内部に配置された少なくとも1つの空洞、及び
前記第1の表面から前記第2の表面まで前記フレームを通って延びる開口部を画定するビア表面を含むビア
を更に含む、フレームと、
前記第1の表面及び前記第2の表面の上方に配置された絶縁層であって、前記絶縁層が、前記半導体ダイの各側面の少なくとも一部と接触する、絶縁層と、
前記ビア内に配置された電気的相互接続であって、前記絶縁層が、前記ビア表面と前記電気的相互接続との間に配置される、電気的相互接続と
を含む、パッケージアセンブリ。
【請求項2】
前記フレームがソーラー基板を含む、請求項1に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項3】
前記フレームが、約60μmと約160μmとの間の厚さを有する、請求項1に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの空洞が、約3mmと約50mmとの間の横寸法を有する、請求項1に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項5】
前記ビアが、約20μmと約200μmとの間の直径を有する、請求項1に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項6】
前記フレーム上に形成された酸化物層を更に含む、請求項1に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項7】
前記絶縁層がエポキシ樹脂を含む、請求項1に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項8】
前記絶縁層が、前記電気的相互接続と前記半導体ダイとの間で約5μmと約50μmとの間の厚さを有する、請求項7に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項9】
前記電気的相互接続と前記絶縁層との間に配置された接着層又はシード層を更に含む、請求項1に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項10】
前記接着層がモリブデンを含み、前記シード層が銅を含む、請求項9に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項11】
埋め込み型ダイアセンブリであって、
ケイ素を含むフレーム、
前記フレームの表面上方に配置された酸化物層、
前記フレーム内に配置された1つ又は複数の半導体ダイであって、集積回路が上部に形成された1つ又は複数の半導体ダイ、及び
前記酸化物層上に形成された絶縁層であって、セラミック粒子が内部に配置されたエポキシ樹脂材料を含む絶縁層
を含む、ダイアセンブリと、
前記埋め込み型ダイアセンブリの一部分内に配置された1つ又は複数の金属相互接続と
を含む、パッケージアセンブリ。
【請求項12】
前記フレームが、単結晶ソーラー基板を含む、請求項11に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項13】
前記フレームが、
内部に形成された1つ又は複数の空洞であって、前記1つ又は複数の半導体ダイが内部に配置された1つ又は複数の空洞と、
内部に形成された1つ又は複数のビアと
を更に含み、前記1つ又は複数の金属相互接続が、前記1つ又は複数のビアを通して配置される、請求項11に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項14】
前記1つ又は複数の金属相互接続の各々と前記絶縁層との間に配置されたモリブデン接着層及び銅シード層
を更に含む、請求項11に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項15】
埋め込み型ダイアセンブリであって、
ケイ素を含むフレーム、
前記フレーム内に配置された1つ又は複数の半導体ダイ、
前記フレーム上に形成された第1の絶縁層であって、セラミック粒子を含むエポキシ樹脂材料を含む第1の絶縁層、及び
前記フレーム又は前記第1の絶縁層を通して配置された1つ又は複数の電気的相互接続
を含む、埋め込み型ダイアセンブリと、
前記埋め込み型ダイアセンブリ上に形成された再分配層であって、前記再分配層が、
前記第1の絶縁層上に形成された第2の絶縁層、及び
前記第2の絶縁層を通って配置された1つ又は複数の電気的再分配接続
を含む、再分配層と
を含む、パッケージアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は、概して、半導体パッケージ構造及びその形成方法に関する。より具体的には、本明細書に記載された実施形態は、薄型フォームファクタ(thin-form-factor semiconductor)半導体パッケージの構造及びその形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 小型化された電子デバイス及び部品に対する需要がますます高まっているため、集積回路は、単一のチップ上に何百万ものトランジスタ、コンデンサ、及びレジスタを含むことができる複雑な2.5D及び3Dデバイスに進化してきた。チップ設計の進化は、集積回路のプロセス能力と速度を改善するために、より大きな回路密度をもたらした。回路密度がより大きい、より高速な処理能力が要求されることにより、集積回路パッケージの製造に使用される材料、構造、及びプロセスにも相応の要求が課せられている。しかしながら、これらのより大きな集積化及び性能への傾向に加えて、製造コストを削減することが常に求められている。
【0003】
[0003] 従来、有機複合材料に関連するパッケージ製造コストが比較的低いだけではなく、内部に特徴及び接続を形成することが容易であるために、集積回路パッケージが有機パッケージ基板上に製造されてきた。しかしながら、回路密度が増加し、電子デバイスが更に小型化されるにつれて、デバイスのスケーリング及び関連する性能要件を維持するための材料構造化の解像度に制限があるため、有機パッケージ基板の利用が実用的でなくなっている。より最近では、有機パッケージ基板に関連する制限の一部を補うために、再分配層として有機パッケージ基板上に載置された受動シリコンインターポーザを利用して、2.5D及び/又は3D集積回路パッケージが製造されている。シリコンインターポーザの利用は、高度なパッケージング用途における高帯域幅密度、低電力チップ間通信、及び異種集積化要件の可能性によって推進される。しかしながら、Si貫通電極(TSV)のようなシリコンインターポーザにおける特徴の形成は、依然として困難であり、かつコストがかかる。特に、高アスペクト比シリコンビアエッチング、化学機械的平坦化、及び半導体バックエンドオブライン(BEOL)相互接続によって、高いコストが課される。
【0004】
[0004] 従って、当該技術分野で必要とされるものは、高度なパッケージング用途のための改良された半導体パッケージ構造及びそれを形成する方法である。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 1つの実施形態では、パッケージアセンブリが提供される。パッケージアセンブリは、第2の表面の反対側にある第1の表面と、半導体ダイが内部に配置された少なくとも1つの空洞とを有するシリコンフレームを含む。フレームは、第1の表面から第2の表面までフレームを通って延びる開口部を画定するビア表面を有するビアを更に含む。絶縁層が、第1の表面及び第2の表面の上方に形成され、半導体ダイの各側面の少なくとも一部と接触する。電気的接続がビア内に配置され、絶縁層は電気的相互接続とビア表面との間に配置される。
【0006】
[0006] 1つの実施形態では、パッケージアセンブリが提供される。パッケージアセンブリは、ケイ素を含むフレーム、フレームの表面上方に配置された酸化物層、及びフレーム内に配置された1つ又は複数の半導体ダイであって、集積回路が上部に形成された1つ又は複数の半導体ダイを含む。絶縁層は、酸化物層上に形成され、セラミック粒子が内部に配置されたエポキシ樹脂材料を含む。パッケージアセンブリは、埋め込み型ダイアセンブリの一部分内に配置された1つ又は複数の金属相互接続を更に含む。いくつかの構成では、酸化物層は、フレームのすべての露出表面上方に配置され、したがって、フレームを取り囲む。
【0007】
[0007] 1つの実施形態では、パッケージアセンブリが提供される。パッケージアセンブリは、ケイ素を含むフレームと、フレーム内に配置された1つ又は複数の半導体ダイと、フレーム上に形成された第1の絶縁層と、フレーム又は第1の絶縁層を通って配置された1つ又は複数の電気的相互接続とを有する埋め込み型ダイアセンブリを含む。第1の絶縁層は、セラミック粒子を有するエポキシ樹脂材料で形成される。再分配層は、埋め込み型ダイアセンブリ上に更に形成され、第1の絶縁層上に形成された第2の絶縁層と、それを通して配置された1つ又は複数の電気的再分配接続とを含む。
【0008】
[0008] 本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明が、実施形態を参照することによって得られ、そのいくつかを添付の図面に示す。しかしながら、添付図面は例示的な実施形態を示しているにすぎず、従って、本開示の範囲を限定すると見なされるべきではなく、その他の等しく有効な実施形態を許容しうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】[0009] 本明細書に記載の実施形態による、半導体パッケージを形成するためのプロセスのフロー図を示す。
【
図2】[0010] 本明細書に記載の実施形態による、半導体パッケージを形成するための基板構造化のためのプロセスのフロー図を示す。
【
図3】[0011] A-Dは、
図2に示した基板構造化プロセスの様々な段階における基板の断面図を概略的に示す。
【
図4】[0012] A-Fは、本明細書に記載の実施形態による、特徴形成及びその後のダメージ除去の様々な段階における基板の断面図を概略的に示す。
【
図5】[0013] A-Fは、本明細書に記載の実施形態による、特徴形成及びその後のダメージ除去の様々な段階における基板の断面図を概略的に示す。
【
図6】[0014] A-Eは、本明細書に記載の実施形態による、特徴形成及びその後のダメージ除去の様々な段階における基板の断面図を概略的に示す。
【
図7】[0015] A-Dは、本明細書に記載の実施形態による、特徴形成及びその後のダメージ除去の様々な段階における基板の断面図を概略的に示す。
【
図8】[0016] 本明細書に記載の実施形態による、
図2、3A-3D、4A-4F、5A-5F、6A-6E、及び7A-7Dに示されるプロセスで構造化された基板の概略上面図を示す。
【
図9】[0017] 本明細書に記載の実施形態による、アセンブリ貫通ビア及びコンタクト孔を有する埋め込み型ダイアセンブリを形成するためのプロセスのフロー図を示す。
【
図10】[0018] A-Kは、
図9に示すプロセスの様々な段階における埋め込み型ダイアセンブリの断面図を概略的に示す。
【
図11】[0019] 本明細書に記載の実施形態による、アセンブリ貫通ビア及びコンタクト孔を有する埋め込み型ダイアセンブリを形成するためのプロセスのフロー図を示す。
【
図12】[0020] A-Gは、
図11に示したプロセスの様々な段階における埋め込み型ダイアセンブリの断面図を概略的に示す。
【
図13】[0021] 本明細書に記載の実施形態による、埋め込み型ダイアセンブリ内に相互接続を形成するためのプロセスのフロー図を示す。
【
図14】[0022] A-Hは、
図13に示す相互接続形成プロセスの様々な段階における埋め込み型ダイアセンブリの断面図を概略的に示す。
【
図15】[0023] 本明細書に記載の実施形態による、埋め込み型ダイアセンブリ上に再分配層を形成し、その後パッケージシンギュレーションを行うためのプロセスのフロー図を示す。
【
図16】[0024] A-Lは、
図15に示すように、再分配層を形成し、その後パッケージシンギュレーションを行う様々な段階における埋め込み型ダイアセンブリの断面図を概略的に示す。
【
図17A】[0025] 本明細書に記載の実施形態による、
図1-16Lに示されたプロセスを利用して形成される複数の半導体パッケージを含む、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)スタックの断面図を概略的に示す。
【
図17B】本明細書に記載の実施形態による、
図1-16Lに示されたプロセスを利用して形成される複数の半導体パッケージを含む、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)スタックの断面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0026] 理解を容易にするために、図に共通する同一の要素を指し示すために、可能な場合には、同一の参照番号を使用した。1つの実施形態の要素及び特徴は、更なる記述がなくとも、他の実施形態に有益に組み込まれうると想定される。
【0011】
[0027] 本開示は、薄型フォームファクタ半導体パッケージを形成するための方法及び装置に関する。1つの実施形態では、基板は、それを通る相互接続の形成を可能にするために、マイクロブラスティングによって構造化又は成形される。別の実施形態では、基板は、直接レーザパターニングによって構造化される。その後、基板は、ダイが内部に配置された1つ又は複数の半導体パッケージを形成するためのパッケージフレームとして利用される。更に他の実施形態では、基板は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)スタックなどの半導体デバイススタックのためのフレームとして利用される。
【0012】
[0028] 本明細書に開示される方法及び装置は、ガラス繊維充填エポキシフレーム及びシリコンインターポーザを再分配層として利用する、より従来型のパッケージ構造に取って代わることを意図した新規な薄型フォームファクタ半導体パッケージ構造を更に含む。概して、現在のパッケージのスケーラビリティは、様々なパッケージ構造を形成するために利用される材料(例えば、エポキシ樹脂バインダを有するエポキシ成形コンパウンド、FR-4及びFR-5グレードのガラス繊維織布など)の剛性及び平面性によって制限される。これらの材料の固有の特性により、微細な(例えば、50μm未満の)特徴を内部にパターニングすることが困難になる。更に、現在のパッケージ材料の熱特性の結果として、熱膨張係数(CTE)の不整合が、パッケージ基板、成形コンパウンド、及び内部に集積された任意の半導体ダイの間で生じうる。したがって、現在のパッケージ構造は、CTEの不整合によって生じるいかなる反りをも軽減するために、より大きな間隔を有するより大きなはんだバンプを必要とする。従って、従来のパッケージ構造は、低いダイ対パッケージ面積比及び低いパッケージ貫通帯域幅によって特徴付けられ、その結果、全体の電力効率が低下する。本明細書に開示される方法及び装置は、上述の従来のパッケージ構造に関連する欠点の多くを克服する半導体パッケージ構造を提供する。
【0013】
[0029]
図1は、薄型フォームファクタ半導体パッケージを形成する代表的な方法100のフロー図を示す。方法100は、複数の工程110、120、130、及び140を有する。各工程は、
図2-16Lを参照してより詳細に説明される。この方法は、定義された工程のいずれかの前に、定義された工程のうちの2つの間に、又は定義された工程のすべての後に、実行される1つ又は複数の追加の工程を含みうる(文脈が可能性を除外する場合を除く)。
【0014】
[0030] 概して、方法100は、
図2、
図3A-3D、
図4A-4F、
図5A-5F、
図6A-6E、
図7A-7D、及び
図8を参照して更に詳細に説明される、工程110においてパッケージフレームとして使用される基板を構造化することを含む。工程120において、1つ又は複数の埋め込み型ダイ及び絶縁層を有する埋め込み型ダイアセンブリが形成され、これは、
図9及び10A-10K、並びに
図11及び12A-12Gを参照してより詳細に記載される。工程130では、
図13及び14A-14Hを参照してより詳細に説明される、埋め込み型ダイフレームセットの相互接続のために、埋め込み型ダイアセンブリ内及び/又は埋め込み型ダイアセンブリを通って、1つ又は複数の相互接続が形成される。工程140では、埋め込み型ダイアセンブリ上に第1の再分配層が形成され、埋め込み型ダイアセンブリ表面上の所望の横方向位置に相互接続の接点を再配置する。いくつかの実施形態では、個々のパッケージが埋め込み型ダイアセンブリから分離される前に、第1の再分配層に加えて、1つ又は複数の追加の再分配層が形成されうる。これについては、
図15及び16A-16Lを参照してより詳細に説明される。
【0015】
[0031]
図2は、半導体パッケージの形成中にフレームとして利用される基板を構造化するための代表的な方法200のフロー図を示す。
図3A-3Dは、
図2に表される基板構造化プロセス200の異なる段階における基板302の断面図を概略的に示す。したがって、
図2及び
図3A-3Dは、明確にするために本明細書ではまとめて説明される。
【0016】
[0032] 方法200は、工程210及び対応する
図3Aから始まる。基板302は、III-V族化合物半導体材料、シリコン、結晶シリコン(例えば、Si<100>又はSi<111>)、酸化ケイ素、シリコンゲルマニウム、ドープされた又はドープされていないシリコン、ドープされた又はドープされていないポリシリコン、窒化ケイ素、石英、ホウケイ酸ガラス、ガラス、サファイア、アルミナ、及びセラミックを含むがこれらに限定されない任意の適切なフレーム材料から形成される。1つの実施形態では、基板302は、単結晶p型又はn型シリコン基板である。1つの実施形態では、基板302は、多結晶p型又はn型シリコン基板である。別の実施態様では、基板302は、p型又はn型シリコンソーラー基板である。基板302は、多角形又は円形の形状を更に有しうる。例えば、基板302は、約120mmと約180mmとの間の横寸法を有する実質的に正方形のシリコン基板を含み、チャンファー型エッジを有しても有しなくてもよい。別の例では、基板302は、直径が約20mmと約700mmとの間(約100mmと約500mmとの間など(例えば約300mm))の円形シリコン含有ウエハを含みうる。
【0017】
[0033] 別途明記されない限り、本明細書に記載の実施形態及び実施例は、厚さが約50μmと約1000μmとの間(約90μmと約780μmとの間など)の基板上で行われる。例えば、基板302は、約100μmと約300μmとの間(約110μmと約200μmとの間など)の厚さを有する。別の例では、基板302は、約60μmと約160μmとの間(約80μmと約120μmとの間など)の厚さを有する。
【0018】
[0034] 工程210の前に、基板302は、ワイヤソーイング、スクライビング及びブレーキング、機械的研磨ソーイング、又はレーザ切断によって、バルク材料からスライスされ、分離されうる。スライシングは、典型的には、スクラッチ、マイクロクラック、チッピング、及び他の機械的欠陥といった、機械的欠陥又は変形を、形成される基板表面に引き起こす。したがって、基板302は、工程210において第1の損傷除去プロセスに曝露され、その表面を平滑化及び平坦化し、その後の構造化及びパッケージング工程に備えて、どんな機械的欠陥をも除去する。いくつかの実施形態では、第1の損傷除去プロセスのプロセスパラメータを調整することによって、基板302は更に薄くなりうる。例えば、基板302の厚さは、第1の損傷除去プロセスへの曝露が増加するにつれて、減少しうる。
【0019】
[0035] 工程210における損傷除去プロセスは、基板302を基板研磨プロセス及び/又はエッチングプロセスに曝露することを含み、その後、すすぎ及び乾燥プロセスに続く。いくつかの実施形態では、工程210は、化学機械研磨(CMP)プロセスを含む。1つの実施形態では、エッチングプロセスは、所望の材料(例えば、汚染物質及び他の望ましくない化合物)の除去に対して選択的である緩衝エッチングプロセスを含む湿式エッチングプロセスである。他の実施形態では、エッチングプロセスは、等方性水性エッチングプロセスを利用する湿式エッチングプロセスである。湿式エッチングプロセスには、任意の適切な湿式エッチャント又は湿式エッチャントの組み合わせが使用されうる。1つの実施形態では、基板302は、エッチングのためにHFエッチング水溶液に浸漬される。別の実施形態では、基板302は、エッチングのためにKOHエッチング水溶液に浸漬される。
【0020】
[0036] いくつかの実施形態では、エッチャントは、エッチング処理中に約30℃と約100℃との間(約40℃と約90℃との間など)の温度まで加熱される。例えば、エッチング液は、約70℃の温度まで加熱される。更に他の実施形態では、工程210におけるエッチングプロセスは、ドライエッチングプロセスである。ドライエッチングプロセスの一例は、プラズマベースのドライエッチングプロセスを含む。基板302の厚さは、エッチングプロセス中に使用されるエッチャント(例えば、エッチング液)への基板302の曝露時間を制御することによって調整される。例えば、基板302の最終的な厚さは、エッチャントへの曝露が増すにつれて、減少する。あるいは、基板302は、エッチャントへの曝露を減らすにつれ、より大きな最終的な厚さを有しうる。
【0021】
[0037] 工程220及び230において、現在平坦化され、実質的に欠陥のない基板302は、内部にパターニングされ平滑化された、ビア303及び空洞305のような、1つ又は複数の特徴を有している(1つの空洞305及び4つのビア303は、
図3Bの基板302の下側の断面に描かれている)。ビア303は、基板302を通って直接接触電気的相互接続を形成するために利用され、空洞305は、その中に1つ又は複数の半導体ダイを受容し包み込む(即ち、埋め込む)ために利用される。
図4A-4C、
図5A-5C、
図6A-6C、及び
図7A-7Bは、本明細書に記載の実施形態による、特徴形成及び損傷又は欠陥除去(例えば、平滑化)プロセスの異なる段階における基板302の断面図を示す。したがって、これより、工程220及び230について、
図4A-4C、
図5A-5C、
図6A-6C、及び
図7A-7Bを参照し、より詳細に説明する。
【0022】
[0038] 基板302が、約200μm未満の厚さ(約100μmの厚さ、又は約50μmの厚さなど)を有する実施形態では、基板302は、まず、
図4A及び
図5Aに示されるように、オプションのキャリアプレート406に連結されうる。キャリアプレート406は、基板構造化プロセス200中に基板302に機械的支持を提供し、基板302が破損するのを防止する。キャリアプレート406は、ガラス、セラミック、金属などを含むがこれらに限定されない、任意の適切な化学的及び熱的に安定した剛性材料から形成される。キャリアプレート406は、約1mmと約10mmとの間(約2mmと約5mmとの間など)の厚さを有する。1つの実施形態では、キャリアプレート406は、テクスチャ加工された表面を有する。他の実施形態では、キャリアプレート406は、研磨又は平滑化された表面を有する。
【0023】
[0039] 基板302は、接着層408を介してキャリアプレート406に連結されうる。接着層408は、ワックス、接着剤、又は類似の接着材料を含むが、これらに限定されない、任意の適切な一時的な結合材料で形成される。接着層408は、機械的ローリング、プレス、ラミネーション、スピンコーティング、又はドクターブレーディングによってキャリアプレート406上に適用される。1つの実施形態では、接着層408は、水溶性又は溶媒溶性接着層である。他の実施形態では、接着層408は、UV剥離接着層である。更に他の実施形態では、接着層408は、熱剥離接着層である。そのような実施形態では、接着層408の結合特性は、例えば、110℃を超える(例えば、150℃を超える)温度に接着層408を曝露することによって、熱処理に曝露されると劣化する。接着層408は、ライナ、ベース膜、感圧膜、及び他の適切な層などの追加の膜(図示せず)の1つ又は複数の層を更に含みうる。
【0024】
[0040] いくつかの実施形態では、基板302をキャリアプレート406に結合した後に、レジスト膜が基板302に適用され、
図4A及び
図5Aに示すレジスト層404を形成する。基板302が約200μmより大きい厚さ(約250μmの厚さなど)を有する実施形態では、最初に基板302をキャリアプレート406に連結することなく、レジスト層404が基板302上に形成される。レジスト層404は、後続の処理工程中にレジスト層404が形成される基板302に所望のパターンを転写するために使用される。パターニングされた後に、レジスト層404は、後の構造化工程中に、下にある基板302の選択された領域を保護する。
【0025】
[0041] 基板302は、概して、その上にレジスト層404が形成される実質的に平面の表面を有する。
図5Aに示すようないくつかの実施形態では、レジスト層404は、レジスト接着層409を介して基板302に結合される。レジスト接着層409は、ポリビニルアルコール、2エチル-2-(ヒドロキシメチル)-1,3プロパンジオールとのトリエステル、及び他の水溶性又は溶媒溶性材料を含むが、これらに限定されない、任意の適切な一時的結合材料から形成される。1つの実施形態では、レジスト接着層409は、接着層408とは異なる材料で形成される。1つの実施形態では、レジスト接着層409は、接着層408と実質的に組成が類似している。レジスト接着層409は、機械的ローリング、プレス、ラミネーション、スピンコーティング、又はドクターブレーディングによって基板302上に適用される。他の実施形態では、レジスト層404は、ポリビニルアルコールなどの一時的な結合材料で形成され、したがって、レジスト層404を基板302の表面に直接適用し、結合させることができる。レジスト層404は、1つ又は複数の層、例えば、第1のレジスト層及び第2のレジスト層(図示せず)を含みうる。
【0026】
[0042]
図4Aに示す実施形態などの1つの実施形態では、レジスト層404は、感光層(例えば、フォトレジスト)である。レジスト層404は、溶剤、フォトレジスト樹脂、及び光酸発生剤を含みうる。フォトレジスト樹脂は、任意のポジ型フォトレジスト樹脂又は任意のネガ型フォトレジスト樹脂でありうる。代表的なフォトレジスト樹脂は、アクリレート、ノボラック樹脂、ポリ(メチルメタクリレート)、及びポリ(オレフィンスルホン)を含む。他のフォトレジスト樹脂も使用されうる。電磁放射に曝露されると、光酸発生剤は、酸カチオン及びアニオンのような荷電種を発生させる。光酸発生剤はまた、分極種を発生させうる。光酸発生剤は、樹脂を電磁放射に感光性を与える。代表的な光酸発生剤は、例えば、スルホン酸塩、スルホン酸エステル、及びスルホニルオキシケトンなどのスルホン酸化合物を含む。他の適した光酸発生剤は、アリールジアゾニウム塩、ハロニウム塩、芳香族スルホニウム塩及びスルホキソニウム塩などのオニウム塩又はセレニウム塩を含む。他の代表的な光酸発生剤は、ニトロベンジルエステル、s-トリアジン誘導体、イオン性ヨードニウムスルホン酸、パーフルオロアルカンスルホン酸、アリールトリフラート及びこれらの誘導体及び類似体、ピロガロール誘導体、並びにアルキルジスルホンを含む。他の光酸発生剤も使用されうる。
図5Aに示す実施形態のような1つの実施形態では、レジスト層404はレーザ感応性レジストである。
【0027】
[0043] レジスト層404の形成後に、レジスト層404が上部に形成された基板302は、
図4B及び
図5Bに示されるように、レジスト層404をパターニングするために電磁放射に露光される。
図4Bに示す実施形態では、レジスト層404が上部に形成された基板302は、紫外線(UV)範囲の電磁放射に露光される。レジスト層404の一部は選択的に露光され、レジスト層404の一部は選択的にUV放射に露光されない。UV放射に露光されると、レジスト層404の選択的に露光された部分は構造的に弱められ(ハッチングで示す)、一方で、選択的に露光されていない部分は構造的完全性を維持する。1つの実施形態では、所望のパターンを有するマスク412が、UV放射露光の前に、感光性レジスト層404上又はそれに隣接して形成される。他の実施形態では、マスク412は、レジスト層404とUV放射源との間に位置付けられたレチクルである。マスク412は、所望のパターンのUV放射をレジスト層404に転写するように構成される。マスク412は、PTFE、PVDF、FEP、ポリイミドなどを含むがこれらに限定されない、任意の適切なポリマー材料から形成される。
【0028】
[0044]
図5Bによって示される実施形態では、レーザ感受性レジスト層404が上部に形成された基板302は、UV放射線源の代わりに、レーザ源307によって生成された電磁放射に曝露される。そのように、パターニングは、マスクを使用せずに、ターゲットレーザアブレーションによって達成される。レーザ源307は、レジスト層404のパターニングのための任意の適切なタイプのレーザでありうる。いくつかの例では、レーザ源307は、フェムト秒緑色レーザである。他の例では、レーザ源307は、フェムト秒UVレーザである。レーザ源307は、レジスト層404のパターニングのための連続又はパルスレーザビーム310を生成する。例えば、レーザ源307は、100kHzと1200kHzとの間(約200kHzと約1000kHzとの間のなど)の周波数を有するパルスレーザビーム310を生成しうる。レーザ源307は、概して、レジスト層404に任意の所望のパターンを形成するように構成される。動作時の電磁放射は、代替的には、レーザビームの代わりに電子ビーム又はイオンビームを含みうることが更に考えられる。
【0029】
[0045] レジスト層404は、レジスト層404がパターニングされた後に、例えば、ネガ型フォトレジストを電磁放射に露光してレジスト中の材料を架橋させた後などに、適切な硬度を有する任意の材料で形成されうる。概して、レジスト層404は、レジスト層404がパターニングされた(例えば、堆積された、露光された、及び現像された)後に、1つ又は複数の望ましい機械的特性を有する必要がある。1つの実施形態では、レジスト層404は、パターニング後に40と90との間(60と70との間など)のショアAスケール硬度値を有する材料から形成される。例えば、レジスト層404は、パターニング後のショアAスケール硬度値が約65の材料で形成される。1つの実施形態では、レジスト層404は、パターニング後に、約0.5MPaと約10MPaとの間(約1MPaと約8MPaとの間など)の引張強度を有する材料で形成される。例えば、レジスト層404は、パターニング後に、約7MPaの引張強度を有する材料から形成されうる。1つの実施形態では、レジスト層404は、ポリジメチルシロキサン材料から形成される。他の実施形態では、レジスト層404は、ポリビニルアルコール、2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)-1を有するトリエステル、3-プロパンジオールなどから形成される。
【0030】
[0046] レジスト層404のパターニングに続いて、レジスト層404が上部に形成された基板302は、
図4C及び
図5Cに示されるように、基板302に所望のパターンを形成するためにマイクロブラストされる。マイクロブラストプロセス中に、粉末粒子309の流れは、高圧キャリアガスを使用することにより、基板302に向かって推進され、基板302の露出部分及び/又は上部に形成された層を移動させる。マイクロブラストプロセスは、任意の適切な基板研磨システムを使用して実行される。
【0031】
[0047] マイクロブラストプロセスは、粉末粒子309の材料特性、基板302の露出表面に衝突する粉末粒子の運動量、及び基板302の材料特性によって、適用可能な場合には、レジスト層404の選択的に露出された部分と共に、決定される。所望の基板パターニング特性を達成するために、粉末粒子309の種類及びサイズ、研磨システムのアプリケータノズルの基板302までのサイズ及び距離、粉末粒子309を推進するために利用されるキャリアガスの、速度及び流速に相関する圧力、並びに流体の流れにおける粉末粒子309の密度に対して調整が行われる。例えば、所望の固定マイクロブラストデバイスノズルオリフィスサイズについて粉末粒子309を基板302に向けて推進するために使用されるキャリアガスの所望の流体圧力は、基板302及び粉末粒子309の材料に基づいて決定される。1つの実施形態では、基板302をマイクロブラストするために利用される流体圧力は、約50psiと約150psiとの間(約75psiと約125psiとの間など)の範囲であり、約300メートル/秒(m/s)と約1000m/sとの間のキャリアガス及び粒子速度、並びに/又は約0.001立方メートル/秒(m3/s)と約0.002m3/sとの間の流量を達成する。例えば、マイクロブラスト中に粉末粒子309を推進するために利用される不活性ガス(例えば、窒素(N2)、CDA、アルゴン)の流体圧力は、約95psiであり、約2350m/sのキャリアガス及び粒子速度を達成する。1つの実施形態では、基板302をマイクロブラストするために利用されるアプリケータノズルは、基板302から約1ミリメートル(mm)と約5mmとの間(約2mmと約4mmとの間など)の距離に配置される、約0.1mmと約2.5mmとの間の内径を有する。例えば、アプリケータノズルは、マイクロブラスト中に、基板302から約3mmの距離に配置される。
【0032】
[0048] 概して、マイクロブラストプロセスは、基板302及び/又はその上に形成された任意の層と接触すると粒子付着を防止するために十分な硬度及び高い融点を有する粉末粒子309を用いて行われる。例えば、マイクロブラストプロセスは、セラミック材料から形成された粉末粒子309を用いて行われる。1つの実施形態では、マイクロブラストプロセスで利用される粉末粒子309は、酸化アルミニウム(Al2O3)から形成される。別の実施形態では、粉末粒子309は、炭化ケイ素(SiC)から形成される。粉末粒子309に適した他の材料も考えられる。粉末粒子309は、概して、直径が約15μmと約60μmとの間(直径が約20μmと約40μmとの間)のサイズの範囲にある。例えば、粉末粒子309は、直径が約27.5μmの平均粒径である。別の例では、粉末粒子309は、直径約23μmの平均粒径を有する。
【0033】
[0049] 工程220における、
図4C及び
図5Cに示されるマイクロブラストプロセスの有効性は、更に、レジスト層404の材料特性に依存する。ショアAスケール硬度が高すぎる材料を使用すると、レジスト層404の側壁間の粉末粒子309の望ましくない跳飛(ricocheting)が発生し、したがって、粉末粒子309が基板302に衝突する速度が低下し、最終的に、基板302の露出領域を浸食又は移動する際の粉末粒子309の有効性が低下する可能性がある。逆に、ショアAスケール硬度が低すぎる材料を使用すると、粉末粒子309がレジスト層404に不要に付着することがある。約40と約90との間のショアAスケール硬度値が、上述のように、レジスト層404材料に利用されることが企図される。
【0034】
[0050] レジスト層404が、
図4Cに示される実施形態のようなフォトレジストである実施形態では、基板302は、マイクロブラストプロセスの開始時に露光されないままである。したがって、粉末粒子309は、最初にフォトレジストの表面に衝突し、UV露光され構造的に弱められたフォトレジストの部分からの材料を移動させ除去する。粉末粒子309は、最終的に、脆いUV露光部分を貫通して除去し、レジスト層404内にボイドを形成し、よって、基板302の所望の領域を露光し、他の領域は、フォトレジストのUVが露光されない部分によって遮蔽されたままである。次いで、粉末粒子309が基板302の露出領域から所望の量又は深さの材料を移動させ除去し、それによって基板302に所望のパターンを形成するまで、マイクロブラストが続けられる。
図5Cに示される実施形態のように、レジスト層404がレーザアブレーションによってパターニングされる実施形態では、基板302の所望の領域は、マイクロブラストプロセスの前に、レジスト層404内のボイドを通って既に露出されている。したがって、マイクロブラスト中にレジスト層404が除去されるのを最小限にするか、又は全く除去されないようにすることが考えられる。
【0035】
[0051] 工程220において基板302内に特徴を形成するために上述されたプロセスは、チッピング及びクラッキングなどの望ましくない機械的欠陥を基板302の表面上に発生させうる。したがって、基板302内に所望の特徴を形成するために工程220を実行した後に、基板302は、工程230で第2の損傷除去及び洗浄プロセスに曝されて、基板302の表面を平滑化し、不要な破片を除去し、続いて、レジスト層404を剥離し、オプションで、キャリアプレート406から基板302を結合解除する。
図4D-4F及び
図5D-5Fは、本明細書に記載の実施形態による、第2の損傷除去、洗浄、レジスト剥離、及び基板結合解除のプロセスの異なる段階における、基板302の断面図を示す。したがって、ここより、
図4D-4F及び
図5D-5Fを参照して、工程230をより詳細に説明する。
【0036】
[0052] 工程230における第2の損傷除去プロセスは、工程210における第1の損傷除去プロセスと実質的に類似しており、基板302をエッチングプロセスに曝露し、続いて、すすぎ及び乾燥することを含む。エッチングプロセスは、基板302の表面、特にマイクロブラストプロセスに曝露される表面を平滑化するために、所定の持続時間にわたって進行する。別の態様では、エッチングプロセスは、マイクロブラストプロセスから残留する望ましくない破片を除去するために利用される。基板302に付着した残った粉末粒子は、エッチングプロセス中に除去されうる。
図4D及び
図5Dは、破片の除去及び表面平滑化後の基板302を示す。
【0037】
[0053] 1つの実施形態では、エッチングプロセスは、基板表面対レジスト層404材料を優先的にエッチングする緩衝エッチングプロセスを利用する湿式エッチングプロセスである。例えば、緩衝エッチングプロセスは、ポリビニルアルコールに対して選択的である。他の実施形態では、エッチングプロセスは、水性エッチングプロセスを利用する湿式エッチングプロセスである。湿式エッチングプロセスには、任意の適切な湿式エッチャント又は湿式エッチャントの組み合わせが使用されうる。1つの実施形態では、基板302は、エッチングのためにHFエッチング水溶液に浸漬される。別の実施形態では、基板302は、エッチングのためにKOHエッチング水溶液に浸漬される。エッチング液は、エッチング処理中に、約40℃と約80℃との間(約50℃と約70℃との間)の温度まで更に加熱されうる。例えば、エッチング液は、約60℃の温度まで加熱される。エッチングプロセスは、等方性であっても異方性であってもよい。更に他の実施形態では、工程230におけるエッチングプロセスは、ドライエッチングプロセスである。ドライエッチングプロセスの一例は、プラズマベースのドライエッチングプロセスを含む。
【0038】
[0054] 破片が除去され、基板表面が平滑化された後に、基板302はレジスト剥離プロセスに曝露される。剥離プロセスは、
図4E及び
図5Eに示されるように、基板302からレジスト層404を結合解除するために利用される。1つの実施形態では、レジスト接着層409を溶解/可溶化することによって、基板302からレジスト層404を結合解除するために、湿式プロセスが使用される。レジスト接着層409を解放するために、他のタイプのエッチングプロセスも考えられる。1つの実施形態では、基板302からレジスト層404又はレジスト接着層409を物理的に剥離するために、機械的ローリングプロセスが使用される。1つの実施形態では、例えば、酸素プラズマ支援プロセスを使用することにより、基板302からレジスト層404を除去するために、アッシングプロセスが使用される。
【0039】
[0055] レジスト剥離プロセスの後に、基板302は、
図4F及び
図5Fに示されるように、オプションのキャリア結合解除プロセスに曝露される。キャリア結合解除プロセスの利用は、基板302がキャリアプレート406に連結されるかどうか、及び基板302とキャリアプレート406とを連結するために利用される結合材料のタイプに依存する。上述し、
図4A-4F及び
図5A-5Fに示すように、基板302が約200μm未満の厚さを有する実施形態では、基板302は、工程220での特徴形成中の機械的支持のためにキャリアプレート406に連結される。基板302は、接着層408を介して、キャリアプレート406に連結される。したがって、マイクロブラスト及びその後の基板エッチング及びレジスト剥離の後に、キャリアプレート406に連結された基板302は、接着層408を解放することによってキャリアプレート406から基板302を結合解除するために、キャリア結合解除プロセスに曝露される。
【0040】
[0056] 1つの実施形態では、接着層408は、基板302をベークプロセスに曝すことによって解放される。基板302は、約50℃と約300℃との間の温度(約100℃と約250℃との間の温度など)に曝露される。例えば、基板302は、接着層408を解放するために、約150℃と約200℃との間(約160℃など)の温度に所望の時間曝露される。他の実施形態では、接着層408は、基板302をUV放射に曝露することによって解放される。
【0041】
[0057]
図4F及び
図5Fは、工程210-230の完了後の基板302を示す。
図4F及び
図5Fにおける基板302の断面は、そこを通って形成され、2つのビア303によって両側に囲まれた単一の空洞305を示す。
図4A-4F及び5A-5Fを参照して説明される動作の完了時の基板302の概略上面図が、
図8に描かれ、以下に更に詳細に説明される。
【0042】
[0058]
図6A-6Eは、上述したものに類似の工程220及び230の代替シーケンス中の基板302の概略断面図を示す。工程220及び230について示される代替シーケンスは、1つの表面のみと比較して、2つの反対側にある主要面上に基板302をパターニングすることを含み、したがって、基板302の構造化中の効率を向上させることができるようにする。
図6A-
図6Eに示される実施形態は、
図4A-
図4F及び
図5A-
図5Fを参照して説明されるプロセスの実質的にすべてを含む。例えば、
図6Aは
図4A及び
図5Aに対応し、
図6Bは
図4B及び
図5Bに対応し、
図6Cは
図4C及び
図5Cに対応し、
図6Dは
図4D及び
図5Dに対応し、
図6Eは
図4F及び
図5Fに対応する。しかしながら、前述の実施形態とは異なり、
図6A-6Eに示す工程220の実施形態は、単一の表面上に形成された1つのレジスト層404とは対照的に、その反対側にある主要面606、608上に形成された2つのレジスト層404を有する基板302を含む。したがって、工程210-230中に実行されるプロセスは、各動作中に基板の両側で同じ時間に(即ち、同時に)又は次々に(即ち、順次)実行される必要があるだろう。
図6A-6Eは、ビア303の形成のみを示しているが、本明細書に記載のプロセスはまた、空洞305、又は空洞305及びビア303を形成するために使用することもできる。
【0043】
[0059] したがって、表面608を含む側面などの、基板302の片側のレジスト層404を、パターニングのために電磁放射に曝露した後に、
図6Bに描かれるように、反対側の表面606上のレジスト層404もまた、パターニングのために電磁放射に曝露されるために、基板302をオプションで反転させてもよい。同様に、基板302の表面608にマイクロブラストプロセスを行った後に、
図6Cに示すように、反対側の表面606に対してマイクロブラストプロセスが行われうるように、基板302をオプションで反転させてもよい。その後、基板302は、
図6D-6Eに示されるように、第2の損傷除去及び洗浄プロセス及びレジスト剥離プロセスに曝露される。基板302の反対側にある主要面606、608上の2つのレジスト層404を利用し、両面606及び608に対してマイクロブラストプロセスを行うことにより、マイクロブラストプロセスによって内部に形成される特徴の潜在的なテーパリングが低減又は除去され、基板302を構造化するために使用されるプロセスの有効性を高めることができる。
【0044】
[0060]
図7A-7Dは、工程220及び230の別の代替シーケンス中の基板302の概略断面図を示し、ここで、直接レーザアブレーションによって基板302に所望のパターンが形成される。
図7Aに示すように、ソーラー基板又は半導体ウエハなどの基板302は、レーザアブレーションシステム(図示せず)のスタンド706上に載置される。スタンド706は、レーザアブレーション中に基板302を機械的に支持するための、任意の適切な剛性で平面の又はテクスチャ加工された(例えば、構造化された)表面でありうる。いくつかの実施形態では、スタンド706は、基板302をスタンド706に静電チャックするための静電チャックを含む。いくつかの実施態様において、スタンド706は、基板302をスタンド706に真空チャックするための真空チャックを含む。基板302をスタンド706上に配置した後に、
図7Bに示すように、レーザアブレーションによって基板302に所望のパターンが形成される。
【0045】
[0061] レーザアブレーションシステムは、基板302をパターニングするための任意の適切なタイプのレーザ源307を含みうる。いくつかの例では、レーザ源307は赤外線(IR)レーザである。いくつかの例では、レーザ源307は、ピコ秒UVレーザである。他の例では、レーザ源307は、フェムト秒UVレーザである。更に他の例では、レーザ源307は、フェムト秒緑色レーザである。レーザ源307は、基板302のパターニングのための連続レーザビーム又はパルスレーザビーム310を生成する。例えば、レーザ源307は、5kHzと500kHzとの間(10kHzと約200kHzとの間など)の周波数を有するパルスレーザビーム310を生成しうる。一例において、レーザ源307は、約10ワットと約100ワットとの間の出力電力により、約200nmと約1200nmとの間の波長で、かつ約10nsと約5000nsとの間のパルス持続時間で、パルスレーザビームを送達するように構成される。レーザ源307は、空洞305及びビア303を含む任意の所望のパターン及び特徴を基板302内に形成するように構成される。
【0046】
[0062] マイクロブラストプロセスと同様に、基板302の直接レーザパターニングのプロセスは、チッピング及びクラッキングを含む、基板302の表面上に望ましくない機械的欠陥を生じさせることがある。したがって、直接レーザパターニングによって基板302に所望の特徴を形成した後に、基板302は、上述の実施形態と実質的に類似の第2の損傷除去及び洗浄プロセスに曝露される。
図7C-7Dは、第2の損傷除去及び洗浄プロセスを実行する前及び後の構造化基板302を示し、その結果、空洞305及び4つのビア303が内部に形成された平滑化基板302が得られる。
【0047】
[0063] ここで再び
図2及び
図3Dを参照すると、工程230で基板302内の機械的欠陥を除去した後に、工程240で基板302を酸化プロセスに曝露して、その所望の表面上に絶縁酸化膜(即ち層)314を成長又は堆積させる。例えば、酸化膜314は、基板302を囲むように、基板302のすべての表面上に形成されうる。絶縁酸化膜314は、基板302上の不動態化層として作用し、腐食及び他の形態の損傷に対する保護外側バリアを提供する。1つの実施形態では、酸化プロセスは熱酸化プロセスである。熱酸化プロセスは、約800℃と約1200℃との間(約850℃と約1150℃との間など)の温度で行われる。例えば、熱酸化プロセスは、約900℃と約1100℃との間の温度(約950℃と約1050℃との間の温度など)で行われる。1つの実施形態では、熱酸化プロセスは、酸化剤として水蒸気を利用する湿式酸化プロセスである。1つの実施形態では、熱酸化プロセスは、酸化剤として分子状酸素を利用するドライプロセスである。基板302は、その上に酸化膜314を形成するために、工程240において任意の適切な酸化プロセスに曝されうることが企図される。酸化膜314は、概して、約100nmと約3μmとの間(約200nmと約2.5μmとの間など)の厚さを有する。例えば、酸化膜314は、約300nmと約2μmとの間(約1.5μmなど)の厚さを有する。
【0048】
[0064]
図8は、1つの実施形態による例示的な構造化基板302の概略上面図を示す。基板302は、
図2、
図3A-3D、
図4A-4F、
図5A-5F、
図6A-6E、及び
図7A-7Dを参照して上述したように、工程210-240中に構造化されうる。基板302は、2つの四辺形空洞305を有するものとして示されており、各空洞305は、複数のビア303によって取り囲まれている。1つの実施形態では、各空洞305は、四辺形空洞305の各エッジ306a-dに沿って配置されたビア303の2つの列801、802によって取り囲まれている。各列801、802には10個のビア303が示されているが、任意の所望の数のビア303が1つの列に形成されうることが企図される。更に、空洞305及びビア303の任意の所望の数及び配置が、工程220中に基板302に形成されうる。例えば、基板302は、その中に形成された、2つより多い又は少ない空洞305を有しうる。別の例では、基板302は、空洞305の各エッジ306a-dに沿って形成された、2つより多い又は少ないビア303を有しうる。別の例では、基板302は、ビア303の2つ以上の列を有しうる。各列のビア303は、別の列のビア303と互い違いに配置され、位置合わせされていない。
【0049】
[0065] 1つの実施形態では、空洞305及びビア303は、基板302の厚さに等しい深さを有し、したがって、基板302の反対側にある表面上に(例えば、基板302の厚さを通って)孔を形成する。例えば、基板302内に形成された空洞305及びビア303は、基板302の厚さに応じて、約50μmと約1mmとの間(約100μmと約200μmとの間(例えば約110μmと約190μmとの間)など)の深さを有しうる。他の実施形態では、空洞305及び/又はビア303は、基板302の厚さ以下の深さを有しうる。したがって、基板302の一方の表面(例えば、側面)のみに孔が形成される。
【0050】
[0066] 1つの実施形態では、各空洞305は、パッケージ製造中にその中に埋め込まれる1つ又は複数の半導体ダイ1026(
図10Bに示される)のサイズに応じて、約3mmと約50mmとの間(約8mmと約12mmとの間、約9mmと約11mmとの間など)の範囲の横寸法を有する。半導体ダイは、概して、一片の半導体材料などの基板材料上及び/又は基板材料内に形成された複数の集積電子回路を含む。1つの実施形態では、空洞305は、その中に埋め込まれるダイ1026の横寸法と実質的に類似の横寸法を有するようにサイズ決めされる。例えば、各空洞305は、ダイ1026の横寸法を約150μm未満(約120μm未満(例えば100μm未満)など)超える横寸法を有するように形成される。空洞305及びその中に埋め込まれるダイ1026のサイズのばらつきが低減されると、その後に利用される間隙充填材料の量が低減される。
【0051】
[0067] 1つの実施形態では、各ビア303は、約50μmと約200μmとの間(約60μmと約130μmとの間(例えば約80μmと110μmとの間)など)の範囲の直径を有する。列801のビア303の中心と列802の隣接するビア303の中心との間の最小ピッチ807は、約70μmと約200μmとの間(約85μmと約160μmとの間(例えば約100μmと140μmとの間)など)である。
図8を参照して実施形態を説明するが、任意の所望の深さ、横寸法、及び形態を有するパターニングされた特徴を基板302に形成するために、工程210-240並びに
図2、
図3A-3B、
図4A-4C、
図5A-5C、
図6A-6C、及び7
図A-7Bを参照して上述した基板構造化プロセスが利用されうる。
【0052】
[0068] 基板302の構造化後に、基板302をフレームとして利用することによって、基板302の周囲に1つ又は複数のパッケージが形成される。
図9及び
図11は、最終パッケージ形成前に、基板302の周囲に中間埋め込み型ダイアセンブリ1002を製造するための代表的な方法900及び1100のフロー図をそれぞれ示す。
図10A-10Kは、
図9に示される方法900の異なる段階における基板302の断面図を概略的に示し、
図12A-12Gは、
図11に示される方法1100の異なる段階における基板302の断面図を概略的に示す。明確にするために、
図9及び
図10A-10Kが本明細書でまとめて説明され、
図11及び
図12A-12Gが本明細書でまとめて説明される。
【0053】
[0069] 概して、方法900は、工程902及び
図10Aで始まり、ここで所望の特徴がその中に形成された基板302の第1の側面1075(例えば、表面606)が、第1の絶縁膜1016a上に配置される。1つの実施形態では、第1の絶縁膜1016aは、ポリマーベースの誘電体材料で形成された1つ又は複数の層を含む。例えば、第1の絶縁膜1016aは、流動性ビルドアップ材料から形成された1つ又は複数の層を含む。
図10Aに示す実施形態では、第1の絶縁膜1016aは、流動性エポキシ樹脂層1018aを含む。エポキシ樹脂層1018aは、シリカ(SiO
2)粒子が充填された(例えば、シリカ(SiO
2)粒子を含有する)エポキシ樹脂などのセラミック充填剤含有エポキシ樹脂から形成されうる。エポキシ樹脂層1018a及び絶縁膜1016aの他の層を形成するために利用されうるセラミック充填剤の他の例は、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si
3N
4)、Sr
2Ce
2Ti
5O
16、ケイ酸ジルコニウム(ZrSiO
4)、ウォラストナイト(CaSiO
3)、酸化ベリリウム(BeO)、二酸化セリウム(CeO
2)、窒化ホウ素(BN)、酸化カルシウム銅チタン(CaCu
3Ti
4O
12)、酸化マグネシウム(MgO)、二酸化チタン(TiO
2)、酸化亜鉛(ZnO)などを含む。いくつかの例では、エポキシ樹脂層1018aを形成するために利用されるセラミック充填剤は、約40nmと約1.5μmとの間(約80nmと約1μmとの間)のサイズの範囲に及ぶ粒子を有する。例えば、エポキシ樹脂層1018aを形成するために利用されるセラミック充填剤は、約200nmと約800nmとの間(約300nmと約600nmとの間など)のサイズの範囲の粒子を有する。いくつかの実施形態では、エポキシ樹脂層1018aを形成するために利用されるセラミック充填剤は、所望の特徴(例えば、ビア、空洞、又はアセンブリ貫通ビア)の幅又は直径の約25%未満(所望の特徴の幅又は直径の約15%未満など)のサイズを有する粒子を含む。
【0054】
[0070] エポキシ樹脂層1018aは、通常、約60μm未満、例えば約5μmと約50μmとの間の厚さを有する。例えば、エポキシ樹脂層1018aは、約10μmと約25μmとの間の厚さを有する。1つの実施形態では、絶縁膜1016aは、1つ又は複数の保護層を更に含む。例えば、絶縁膜1016aは、ポリエチレンテレフタレート(PET)保護層1022aを含む。しかし、絶縁膜1016aには、層と絶縁材料との任意の適切な組み合わせが考えられる。いくつかの実施形態では、絶縁膜1016a全体は、約120μm未満の厚さ(約90μm未満の厚さなど)を有する。
【0055】
[0071] 基板302は、その第1の側面1075上の絶縁膜1016aに、特に絶縁膜1016aのエポキシ樹脂層1018aに連結されており、後の処理動作中に機械的に支持するために、オプションでキャリア1024上に更に載置されうる。キャリアは、任意の適切な機械的及び熱的に安定した材料から形成される。キャリア1024は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)により形成される。別の例では、キャリア1024は、PETで形成される。
【0056】
[0072] 工程904において、かつ
図10Bに描かれるように、1つ又は複数の半導体ダイ1026は、基板302内に形成された空洞305内に載置され、その結果、半導体ダイ1026は、ここで片側の絶縁膜1016aによって結合される(単一の半導体ダイ1026が
図10Bに描かれる)。1つの実施形態では、ダイ1026は、集積回路がその活性面1028上に形成された多目的ダイである。ダイ1026は、空洞305内に載置され、空洞305を通して露出された絶縁膜1016aの表面上に配置される。1つの実施形態では、ダイ1026は、絶縁膜1016a上に配置又は形成された接着層(図示せず)上に載置される。
【0057】
[0073] 空洞305内にダイ1026を配置した後に、工程906及び
図10Cにおいて、基板302の第2の側面1077(例えば、表面608)上方に、第1の保護膜1060が載置される。保護膜1060は、空洞305内に配置されたダイ1026の活性面1028に接触して覆うように、基板302の第2の側面1077と、第1の絶縁膜1016aの反対側に連結される。1つの実施形態では、保護膜1060は、保護層1022aと類似の材料で形成される。保護膜1060は、例えば、二軸PET等のPETにより形成される。しかしながら、保護膜1060は、任意の適切な保護材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、保護膜1060は、約50μmと約150μmとの間の厚さを有する。
【0058】
[0074] ここで、基板302は、第1の側面1075上の絶縁膜1016aと、第2の側面1077上の保護膜1060とに固着され、更に、その中に配置されたダイ1026を有しており、工程908において、積層プロセスに曝露される。積層プロセスの間、基板302は、高温にさらされ、絶縁膜1016aのエポキシ樹脂層1018aを軟化させ、
絶縁膜1016aと保護膜1060との間の開放されたボイド又は空間(volume)(例えば、空洞305の内壁とダイ1026との間のビア303及び間隙1051に)に流入させる。従って、半導体ダイ1026は、
図10Dに描かれるように、絶縁膜1016a及び基板302の材料内に少なくとも部分的に埋め込まれるようになる。
【0059】
[0075] 1つの実施形態では、積層プロセスは、オートクレーブ又は他の適切なデバイス内で実行されうる真空積層プロセスである。1つの実施形態では、積層プロセスは、ホットプレスプロセスを使用して実行される。1つの実施形態では、積層プロセスは、約80℃と約140℃との間の温度で、かつ約5秒と約1.5分との間(約30秒と約1分との間)の期間で、行われる。いくつかの実施形態では、積層プロセスは、約1psigと約50psigとの間の圧力を加えることを含み、一方で、約80℃と約140℃との間の温度が、約5秒と約1.5分との間の期間、基板302及び絶縁膜1016aに加えられる。例えば、積層プロセスは、約5psigと約40psigとの間の圧力で、かつ約100℃と約120℃との間の温度で、約10秒と約1分との間、行われる。積層プロセスは、例えば、約110℃の温度で、約20秒間、行われる。
【0060】
[0076] 工程910では、保護膜1060が除去され、ここで基板302及び1つ又は複数のダイ1026を少なくとも部分的に取り囲むエポキシ樹脂層1018aの積層絶縁材料を有する基板302が、第2の保護膜1062上に載置される。
図10Eに描かれるように、第2の保護膜1062が、絶縁膜1016aの保護層1022aに対して(例えば、隣接して)配置されるように、第2の保護膜1062は、基板302の第1の側面1075に連結される。いくつかの実施形態では、ここで保護膜1062に連結された基板302は、第1の側面1075上の追加の機械的支持のために、オプションでキャリア1024上に載置されうる。いくつかの実施形態では、保護膜1062は、保護膜1062を基板302に連結する前に、キャリア1024上に載置され、ここで絶縁膜1016aと積層される。概して、保護膜1062は、保護膜1060と組成が実質的に類似する。例えば、保護膜1062は、二軸PETなどのPETから形成されうる。しかしながら、保護膜1062は、任意の適切な保護材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、保護膜1062は、約50μmと約150μmとの間の厚さを有する。
【0061】
[0077] 基板302を第2の保護膜1062に連結すると、第1の絶縁膜1016aに実質的に類似の第2の絶縁膜1016bが、工程912及び
図10Fにおいて基板302の第2の側面1077上に載置され、したがって、保護膜1060に取って代わる。1つの実施形態では、第2の絶縁膜1016bのエポキシ樹脂層1018bが空洞305内のダイ1026の活性面1028に接触し、これを覆うように、第2の絶縁膜1016bが基板302の第2の側面1077上に配置される。1つの実施形態では、基板302上の第2の絶縁膜1016bの載置は、絶縁膜1016bと、1つ又は複数のダイ1026を部分的に取り囲むエポキシ樹脂層1018aの既に積層された絶縁材料との間に、1つ又は複数のボイドを形成しうる。第2の絶縁膜1016bは、ポリマー系誘電体材料から形成された1つ又は複数の層を含みうる。
図10Fに示すように、第2の絶縁膜1016bは、上述のエポキシ樹脂層1018aに類似したエポキシ樹脂層1018bを含む。第2の絶縁膜1016bは、PETなどの保護層1022aに類似の材料で形成された保護層1022bを更に含みうる。
【0062】
[0078] 工程914では、
図10Gに示されるように、第3の保護膜1064が、第2の絶縁膜1016bの上方に載置される。概して、保護膜1064は、保護膜1060、1062と組成が実質的に類似する。保護膜1064は、例えば、二軸PET等のPETにより形成される。しかしながら、保護膜1064は、任意の適切な保護材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、保護膜1064は、約50μmと約150μmとの間の厚さを有する。
【0063】
[0079] ここで第2の側面1077上の絶縁膜1016b及び保護層1064、並びに第1の側面1075上の保護膜1062及びオプションのキャリア1024に固着された基板302は、工程916及び
図10Hにおいて、第2の積層プロセスに曝露される。工程908における積層プロセスと同様に、基板302は、高温にさらされ、絶縁膜1016bのエポキシ樹脂層1018bを軟化させ、絶縁膜1016bとエポキシ樹脂層1018aの既に積層された絶縁材料との間の任意の開放されたボイド又は空間(volume)に流入させ、したがって、それ自身をエポキシ樹脂層1018aの絶縁材料と統合させる。したがって、空洞305及びビア303は、絶縁材料で充填(例えば、パック、シール)され、空洞305内に先に載置された半導体ダイ1026は、エポキシ樹脂層1018a、1018bの絶縁材料内に完全に埋め込まれるようになる。
【0064】
[0080] 1つの実施形態では、積層プロセスは、オートクレーブ又は他の適切なデバイス内で実行されうる真空積層プロセスである。1つの実施形態では、積層プロセスは、ホットプレスプロセスを使用して実行される。1つの実施形態では、積層プロセスは、約80℃と約140℃との間の温度で、かつ約1分と約30分との間の期間で、行われる。いくつかの実施形態では、積層プロセスは、約10psigと約150psigとの間の圧力を加えることを含み、一方で、約80℃と約140℃との間の温度が、基板302及び絶縁膜1016bに、約1分と約30分との期間、加えられる。例えば、積層プロセスは、約20psigと約100psigとの間の圧力で、かつ約100℃と約120℃との間の温度で、約2分と10分との間の期間、行われる。例えば、積層プロセスは、約110℃の温度で約5分間行われる。
【0065】
[0081] 積層後に、基板302は、キャリア1024から係合解除され、保護膜1062、1064は、工程918で除去され、積層埋め込み型ダイアセンブリ1002が得られる。
図10Iに示すように、埋め込み型ダイアセンブリ1002は、1つ又は複数の空洞305及び/又はビア303が内部に形成され、エポキシ樹脂層1018a、1018bの絶縁誘電体材料で充填された基板302、並びに空洞305内の埋め込み型ダイ1026を含む。エポキシ樹脂層1018a、1018bの絶縁誘電体材料は、絶縁材料が、2つの主要面606、608などの基板302の少なくとも2つの表面又は側面を覆い、埋め込み型半導体ダイ1026のすべての側面を覆うように、基板302を収容する。いくつかの例では、保護層1022a、1022bもまた、工程918で埋め込み型ダイアセンブリ1002から除去される。概して、保護層1022a及び1022b、キャリア1024、並びに保護膜1062及び1064は、任意の適当な機械的プロセス(例えば、そこから剥離するなど)によって、埋め込み型ダイアッセンブリ1002から除去される。
【0066】
[0082] 保護層1022a、1022b及び保護膜1062、1064を除去すると、埋め込み型ダイアセンブリ1002は、エポキシ樹脂層1018a、1018bの絶縁誘電体材料を完全に硬化させる(即ち、化学反応及び架橋を通して強固にする)ために硬化プロセスに曝され、よって、硬化絶縁層1018が形成される。絶縁層1018は、実質的に、基板302と、その中に埋め込まれた半導体ダイ1026とを取り囲む。例えば、絶縁層1018は、基板302の少なくとも側面1075、1077(表面606、608を含む)と、
図10Iに示されるような直角プリズム形状を有する(即ち、2Dビューで示される4つの表面1028及び1029のみ)、各半導体ダイ1026の少なくとも6つの側面又は表面とを接触させ又は封入する。
【0067】
[0083] 1つの実施形態では、硬化プロセスは、埋め込み型ダイアセンブリ1002を完全に硬化させるために高温で実行される。例えば、硬化プロセスは、約140℃と約220℃との間の温度で、約15分と約45分との間の期間に(例えば、約160℃と約200℃との間の温度で、約25分と約35分との間の期間に)
行われる。硬化プロセスは、例えば、約180℃の温度で約30分間行われる。更なる実施形態では、工程918における硬化プロセスは、周囲(例えば、大気)圧力条件又はその付近で行われる。
【0068】
[0084] 硬化後に、1つ又は複数のアセンブリ貫通ビア1003が、工程920において、埋め込み型ダイアセンブリ1002を通って穿孔され、その後の相互接続形成のために、埋め込み型ダイアセンブリ1002の全厚さを通してチャネルを形成する。いくつかの実施形態では、埋め込み型ダイアセンブリ1002は、アセンブリ貫通ビア1003及び後続のコンタクト孔1032の形成中の機械的支持のために、キャリア1024などのキャリア上に載置されうる。アセンブリ貫通ビア1003は、基板302内に形成され、続いて絶縁層1018で充填されたビア303を通って穿孔される。したがって、アセンブリ貫通ビア1003は、ビア303内に充填された絶縁層1018によって周方向に囲まれうる。絶縁層1018のセラミック充填剤含有エポキシ樹脂材料をビア303の壁に並べることによって、導電性シリコンベースの基板302と相互接続1444(
図13及び
図14E-14Hを参照して説明される)との間の容量性の連結、したがって、隣接して配置されたビア303及び/又は再分配接続1644(
図15及び
図16H-16Lを参照して説明される)の間の容量性の連結が、完成したパッケージ1602(
図15及び
図16K及び
図16Lを参照して説明される)において、従来のビア絶縁ライナ又は膜を利用する他の従来の相互接続構造と比較して、大幅に低減される。更に、エポキシ樹脂材料の流動性によって、より一貫した信頼性のある封入及び絶縁が可能になり、したがって、完成したパッケージ1602の漏れ電流を最小限に抑えることによって電気的性能を向上させる。
【0069】
[0085] 1つの実施形態では、アセンブリ貫通ビア1003は、約100μm未満(約75μm未満など)の直径を有する。例えば、アセンブリ貫通ビア1003は、約60μm未満(約50μm未満など)の直径を有する。1つの実施形態では、アセンブリ貫通ビア1003は、約25μmと約50μmとの間の直径(約35μmと約40μmとの間の直径など)を有する。1つの実施形態では、アセンブリ貫通ビア1003は、任意の適切な機械的プロセスを使用して形成される。例えば、アセンブリ貫通ビア1003は、機械的穿孔プロセスを使用して形成される。1つの実施形態では、アセンブリ貫通ビア1003は、レーザアブレーションによって、埋め込み型ダイアセンブリ1002を通して形成される。例えば、アセンブリ貫通ビア1003は、紫外線レーザを使用して形成される。1つの実施形態では、レーザアブレーションに利用されるレーザ源は、約5kHzと約500kHzとの間の周波数を有する。1つの実施形態では、レーザ源は、約50マイクロジュール(μJ)と約500μJとの間のパルスエネルギーにより、約10nsと約100nsとの間のパルス持続時間で、パルスレーザビームを送達するように構成される。小さなセラミック充填剤粒子を有するエポキシ樹脂材料を利用することは、その中の小さなセラミック充填剤粒子が、レーザアブレーションプロセス中にビアが形成される領域から離れるレーザ光の減少したレーザ光反射、散乱、回折及び透過を示すように、ビア1003のような小径ビアのより精密で正確なレーザパターニングを更に促進する。
【0070】
[0086] 工程922及び
図10Kでは、1つ又は複数のコンタクト孔1032が絶縁層1018を通って穿孔され、各埋め込み型ダイ1026の活性面1028上に形成される1つ又は複数の接点1030を露出させる。コンタクト孔1032は、レーザアブレーションによって絶縁層1018を通して穿孔され、半導体ダイ1026の全ての外部表面は、絶縁層1018及び接点1030により覆われ取り囲まれたまま露出される。このように、コンタクト孔1032を形成することにより、接点1030が露出する。1つの実施形態では、レーザ源は、約100kHzと約1000kHzとの間の周波数を有するパルスレーザビームを生成しうる。1つの実施形態では、レーザ源は、約100nmと約2000nmとの間の波長、かつ約10E-4nsと約10E-2nsとの間のパルス持続時間で、約10μJと約300μJとの間のパルスエネルギーにより、パルスレーザビームを送達するように構成される。1つの実施形態では、コンタクト孔1032は、CO
2、緑色、又はUVレーザを使用して穿孔される。1つの実施形態では、コンタクト孔1032は、約5μmと約60μmとの間の直径(約20μmと約50μmとの間の直径など)を有する。
【0071】
[0087] コンタクト孔1032の形成後に、埋め込み型ダイアセンブリ1002は、アセンブリ貫通ビア1003及びコンタクト孔1032の形成中にレーザアブレーションによって引き起こされた任意の望ましくない残留物及び/又は破片を除去するために、工程922においてデスミアプロセスに曝露される。よって、デスミアプロセスは、アセンブリ貫通ビア1003及びコンタクト孔1032を洗浄し、その後のメタライゼーションのために、埋め込み型ダイ1026の活性面1028上の接点1030を完全に露出させる。1つの実施形態では、デスミアプロセスは、湿式デスミアプロセスである。任意の適切な水性エッチャント、溶媒、及び/又はこれらの組み合わせは、湿式デスミアプロセスのために利用されうる。一例では、過マンガン酸カリウム(KMnO4)溶液が、エッチャントとして利用されうる。残留物の厚さに応じて、工程922における湿式デスミアプロセスへの埋め込み型ダイアセンブリ1002の曝露は、変更されうる。別の実施形態では、デスミアプロセスは、ドライデスミアプロセスである。例えば、デスミアプロセスは、O2:CF4混合ガスを用いたプラズマデスミアプロセスでありうる。プラズマデスミアプロセスは、約700Wの電力を印加し、約60秒と約120との間の期間、約10:1(例えば、100:10sccm)の比率でO2:CF4を流すことによって、プラズマを発生させることを含みうる。更なる実施形態では、デスミアプロセスは、湿式プロセスとドライプロセスとの組み合わせである。
【0072】
[0088] 工程922におけるデスミアプロセスに続いて、埋め込み型ダイアセンブリ1002は、
図13及び
図14A-14Hを参照して以下に説明するように、内部に相互接続経路を形成する準備が整う。
【0073】
[0089] 上述のように、
図9及び
図10A-10Kは、中間埋め込み型ダイアセンブリ1002を形成するための代表的な方法900を示す。
図11及び
図12A-12Gは、方法900と実質的に類似であるが、工程がより少ない代替方法1100を示す。方法1100は、概して、7つの工程1110-1170を含む。しかしながら、方法1100の工程1110、1120、1160、及び1170は、方法900の工程902、904、920、及び922とそれぞれ実質的に類似である。したがって、
図12C、
図12D、及び
図12Eにそれぞれ示される工程1130、1140、及び1150のみが、明確にするために本明細書で説明される。
【0074】
[0090] 空洞305を通して露出した絶縁膜1016aの表面上に1つ又は複数の半導体ダイ1026を載置した後に、第2の絶縁膜1016bは、積層前に、工程1130及び
図12Cにおいて、基板302の第2の側面1077(例えば、表面608)の上方に配置される。いくつかの実施態様において、第2の絶縁膜1016bは、第2の絶縁膜1016bのエポキシ樹脂層1018bが空洞305内でダイ1026の活性面1028と接触し、これを覆うように、基板302の第2の側面1077上に配置される。いくつかの実施形態では、第2のキャリア1025は、後の処理動作中に追加の機械的支持のために、第2の絶縁膜1016bの保護層1022bに固着される。
図12Cに描かれるように、1つ又は複数のボイド1050は、ビア303を通って絶縁膜1016a及び1016bと、半導体ダイ1026と空洞305の内部壁との間の間隙1051との間に形成される。
【0075】
[0091] 工程1140及び
図12Dでは、基板302は、ここで絶縁膜1016a及び1016bに固着され、ダイ1026がその中に配置されており、単一の積層プロセスに曝露される。単一積層プロセスの間、基板302は、高温に曝され、両方の絶縁膜1016a、1016bのエポキシ樹脂層1018a及び1018bを軟化させ、絶縁膜1016aと1016bとの間の開放されたボイド又は空間(volume)に(空洞305の内壁とダイ1026との間のビア303及び間隙1051などに)流入させる。したがって、半導体ダイ1026は、絶縁膜1016a、1016b及びそれが充填されたビア303の材料内に埋め込まれるようになる。
【0076】
[0092]
図9及び
図10A-10Kを参照して記載された積層プロセスと同様に、工程1140における積層プロセスは、オートクレーブ又は他の適切なデバイスにおいて実行されうる真空積層プロセスでありうる。別の実施形態では、積層プロセスは、ホットプレスプロセスを使用して実行される。1つの実施形態では、積層プロセスは、約80℃と約140℃との間の温度で、かつ約1分と約30分との間の期間で、行われる。いくつかの実施形態では、積層プロセスは、約1psigと約150psigとの間の圧力を加えることを含み、一方で、約80℃と約140℃との間の温度が、約1分と約30分との間の期間に、基板302及び絶縁膜1016a、1016b層に加えられる。例えば、積層プロセスは、約10psigと約100psigとの間の圧力で、かつ約100℃と約120℃との間の温度で、約2分と10分との間の期間、行われる。例えば、積層プロセスは、約110℃の温度で約5分間行われる。
【0077】
[0093] 工程1150において、絶縁膜1016a及び1016bの1つ又は複数の保護層は、基板302から除去され、結果として、積層埋め込み型ダイアセンブリ1002がもたらされる。
図12Eに示すように、埋め込み型ダイアセンブリ1002は、1つ又は複数の空洞305及び/又はビア303が内部に形成され、エポキシ樹脂層1018a、1018bの絶縁誘電体材料で充填された基板302、並びに空洞305内の埋め込み型ダイ1026を含む。絶縁材料は、絶縁材料が、基板302の少なくとも2つの表面又は側面、例えば、表面606、608を覆うように、基板302を収容する。一例では、保護層1022a、1022bは、埋め込み型ダイアセンブリ1002から除去され、よって、埋め込み型ダイアセンブリ1002は、キャリア1024、1025から係合解除される。概して、保護層1022a、1022b及びキャリア1024、1025は、任意の適切な機械的プロセス(例えば、そこらから剥離するなど)によって除去される。
【0078】
[0094] 保護層1022a、1022bを除去すると、埋め込み型ダイアセンブリ1002は、エポキシ樹脂層1018a、1018bの絶縁誘電体材料を完全に硬化させるための硬化プロセスに曝露される。絶縁材料の硬化は、硬化絶縁層1018の形成をもたらす。
図12Eに描かれ、
図10Iに対応する工程918に類似するように、絶縁層1018は、実質的に、基板302及びその中に埋め込まれた半導体ダイ1026を取り囲む。
【0079】
[0095] 1つの実施形態では、硬化プロセスは、埋め込み型ダイアセンブリ1002を完全に硬化させるために高温で実行される。例えば、硬化プロセスは、約140℃と約220℃との間の温度で、約15分と約45分との間の期間に(例えば、約160℃と約200℃との間の温度で、約25分と約35分との間の期間に)行われる。硬化プロセスは、例えば、約180℃の温度で約30分間行われる。更なる実施形態では、工程1150における硬化プロセスは、周囲(例えば、大気)圧力条件又はその付近で行われる。
【0080】
[0096] 工程1150での硬化後に、方法1100は、方法900の工程920及び922と実質的に類似する。例えば、埋め込み型ダイアセンブリ1002は、1つ又は複数のアセンブリ貫通ビア1003と、絶縁層1018を通って穿孔される1つ又は複数のコンタクト孔1032とを有する。その後、埋め込み型ダイアセンブリ1002は、デスミアプロセスに曝露され、その後、埋め込み型ダイアセンブリ1002は、以下に説明するように、内部に相互接続経路を形成する準備が整う。
【0081】
[0097]
図13は、埋め込み型ダイアセンブリ1002を通して電気的相互接続を形成する代表的な方法1300のフロー図を示す。
図14A-14Hは、
図13に示される方法1300のプロセスの異なる段階における埋め込み型ダイアセンブリ1002の断面図を概略的に示す。したがって、
図13及び
図14A-14Hは、明確にするために本明細書でまとめて説明される。
【0082】
[0098] 1つの実施形態では、埋め込み型ダイアセンブリ1002を通して形成される電気的相互接続は、銅で形成される。したがって、方法1300は、オプションで、工程1310及び
図14Aから開始しうる。ここで、アセンブリ貫通ビア1003及びコンタクト孔1032が内部に形成された埋め込み型ダイアセンブリ1002には、接着層1440及び/又はシード層1442がその上部に形成されている。埋め込み型ダイアセンブリ1002上に形成された接着層1440及びシード層1442の拡大部分図が、参照用に
図14Hに示されている。接着層1440は、埋め込み型ダイアセンブリ1002の主要面1005、1007のような絶縁層1018の所望の表面、並びに各ダイ1026上のコンタクト孔1032の活性面1028及びアセンブリ貫通ビア1003の内壁上に形成され、続いて形成されるシード層1442及び銅相互接続1444の接着を促進し、拡散を阻止するのを支援しうる。したがって、1つの実施形態では、接着層1440は接着層として作用し、別の実施形態では、接着層1440はバリア層として作用する。しかしながら、両方の実施形態において、接着層1440は、以下では「接着層」として記載されることになる。
【0083】
[0099] 1つの実施形態では、オプションの接着層1440は、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、マンガン、酸化マンガン、モリブデン、酸化コバルト、窒化コバルト、又は任意の他の適切な材料又はそれらの組合せから形成される。1つの実施形態では、接着層1440は、約10nmと約300nmとの間(約50nmと約150nmとの間など)の厚さを有する。例えば、接着層1440は、約75nmと約125nmとの間(約100nmなど)の厚さを有する。接着層1440は、化学気相堆積(CVD)、物理的気相堆積(PVD)、プラズマCVD(PECVD)、原子層堆積(ALD)などを含むがこれらに限定されない、任意の適切な堆積プロセスによって形成される。
【0084】
[00100] オプションのシード層1442は、接着層1440上に、又は絶縁層1018上に直接(例えば、接着層1440を形成せずに)形成されうる。シード層1442は、銅、タングステン、アルミニウム、銀、金、又は任意の他の適切な材料又はこれらの組み合わせなどの導電性材料から形成される。1つの実施形態では、シード層1442は、約50nmと約500nmとの間(約100nmと約300nmとの間など)の厚さを有する。例えば、シード層1442は、約150nmと約250nmとの間(約200nmなど)の厚さを有する。1つの実施形態では、シード層1442は、約0.1μmと約1.5μmとの間の厚さを有する。接着層1440と同様に、シード層1442は、CVD、PVD、PECVD、ALDドライプロセス、湿式無電解メッキプロセスなどの任意の適切な堆積プロセスによって形成される。1つの実施形態では、モリブデン接着層1440は、銅シード層1442と組み合わせて埋め込み型ダイアセンブリ上に形成される。Mo-Cu接着及びシード層の組み合わせは、絶縁層1018の表面との改善された接着を可能にし、工程1370における後続のシード層エッチングプロセス中の導電性相互接続線のアンダーカットを低減する。
【0085】
[00101] 工程1320及び1330では、
図14B及び14Cにそれぞれ対応して、フォトレジストなどのスピンオン/スプレーオン又はドライレジスト膜1450が、埋め込み型ダイアセンブリ1002の両方の主要面1005、1007に適用され、その後、パターニングされる。1つの実施形態では、レジスト膜1450は、UV放射への選択的露光を介してパターニングされる。1つの実施形態では、接着促進剤(図示せず)が、レジスト膜1450の形成前に、埋め込み型ダイアセンブリ1002に塗布される。接着促進剤は、レジスト膜1450のための界面結合層を生成することによって、及び埋め込み型ダイアセンブリ1002の表面からいずれの水分をも除去することによって、埋め込み型ダイアセンブリ1002へのレジスト膜1450の接着を改善する。いくつかの実施形態では、接着促進剤は、ビス(トリメチルシリル)アミン又はヘキサメチルジシラザン(HMDS)及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)から形成される。
【0086】
[00102] 工程1340及び
図14Dでは、埋め込み型ダイアセンブリ1002は、レジスト膜現像プロセスに曝露される。
図14Dに示すように、レジスト膜1450を現像すると、アセンブリ貫通ビア1003及びコンタクト孔1032が露光され、ここで接着層1440及びシード層1442がその上部に形成される。1つの実施形態では、膜現像プロセスは、レジストを溶媒に露光することを含む湿式プロセスなどの湿式プロセスである。1つの実施形態では、膜現像プロセスは、水性エッチングプロセスを利用する湿式エッチングプロセスである。他の実施形態では、膜現像プロセスは、所望の材料に対して選択的な緩衝エッチングプロセスを利用する湿式エッチングプロセスである。任意の適切な湿式溶剤又は湿式エッチャントの組み合わせが、レジスト膜現像プロセスに使用されうる。
【0087】
[00103] 工程1350及び1360では、
図14E及び14Fにそれぞれ対応して、相互接続1444が、露出したアセンブリ貫通ビア1003を通して形成され、コンタクト孔1032及びレジスト膜1450がその後除去される。相互接続1444は、電気メッキ及び無電解メッキを含む任意の適切な方法によって形成される。1つの実施形態では、レジスト膜1450は、湿式プロセスによって除去される。
図14E及び14Fに描かれているように、形成された相互接続1444は、アセンブリ貫通ビア1003及びコンタクト孔1032を充填し、及び/又はその内周壁を覆い、レジスト膜1450を除去すると、埋め込み型ダイアセンブリ1002の表面1005、1007、及び1028から突出する。1つの実施形態では、相互接続1444は銅で形成される。他の実施形態では、相互接続1444は、アルミニウム、金、ニッケル、銀、パラジウム、スズなどを含むがこれらに限定されない任意の適切な導電性材料で形成されうる。
【0088】
[00104] 工程1370及び
図14Gにおいて、内部に相互接続1444が形成された埋め込み型ダイアセンブリ1002は、接着層1440及びシード層1442を除去するために、接着及び/又はシード層エッチングプロセスに曝露される。1つの実施形態では、シード層エッチングは、埋め込み型ダイアセンブリ1002のすすぎ及び乾燥を含む湿式エッチングプロセスである。1つの実施形態では、シード層エッチングプロセスは、銅、タングステン、アルミニウム、銀、又は金などの所望の材料に対して選択的な緩衝エッチングプロセスである。他の実施形態では、エッチングプロセスは、水性エッチングプロセスである。シード層エッチングプロセスには、任意の適切な湿式エッチャント又は湿式エッチャントの組み合わせが使用されうる。
【0089】
[00105] 工程1370におけるシード層エッチングプロセスに続いて、1つ又は複数の電気的に機能するパッケージが、埋め込み型ダイアセンブリ1002から分離されうる。あるいは、埋め込み型ダイアセンブリ1002は、必要に応じて、1つ又は複数の再分配層1658及び/又は1660(
図16K-16Lに示される)がその上に形成され、埋め込み型ダイアセンブリ1002の表面上の所望の位置への相互接続1444の接点のルート変更が可能になりうる。
図15は、埋め込み型ダイアセンブリ1002上に再分配層1658を形成する代表的な方法1500のフロー図を示す。
図16A-16Lは、
図15に示される方法1500の異なる段階における埋め込み型ダイアセンブリ1002の断面図を概略的に示す。したがって、
図15及び
図16A-16Lは、明確にするために本明細書でまとめて説明される。
【0090】
[00106] 方法1500は、上述の方法900、1100、及び1300と実質的に類似する。概して、方法1500は、工程1502及び
図16Aで始まり、ここで、絶縁膜1616は、埋め込み型ダイアセンブリ1002上に形成され、その後、積層される。絶縁膜1616は、絶縁膜1016と実質的に類似することがあり、ポリマーベースの流動性誘電体材料から形成された1つ又は複数の層を含む。1つの実施形態では、
図16Aに示すように、絶縁膜1616は、流動性エポキシ樹脂層1618と、1つ又は複数の保護層1622とを含む。1つの実施形態では、絶縁膜1616は、セラミック充填剤含有エポキシ樹脂層1618と、1つ又は複数の保護層1622とを含みうる。別の例では、絶縁膜1616は、感光性ポリイミド層1618及び1つ又は複数の保護層1622を含みうる。感光性ポリイミドの材料特性は、絶縁膜1616から形成された結果としての相互接続層を通して、より小さい(例えば、より狭い)ビアの形成を可能にする。しかしながら、絶縁膜1616には、層及び絶縁材料の任意の適切な組み合わせが考えられる。例えば、絶縁膜1616は、非感光性ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、二酸化ケイ素、及び/又は窒化ケイ素で形成されうる。いくつかの例では、絶縁膜1616は、絶縁膜1016とは異なるポリマーベースの流動性誘電体材料から形成される。例えば、絶縁膜1016は、セラミック充填剤含有エポキシ樹脂層を含み、絶縁膜1616は、感光性ポリイミド層を含みうる。別の例では、絶縁膜1616は、絶縁膜1016とは異なる無機誘電体材料から形成される。例えば、絶縁膜1016は、セラミック充填剤含有エポキシ樹脂層を含み、絶縁膜1616は、二酸化ケイ素層を含みうる。
【0091】
[00107] 断熱膜1616は、約120mm未満(約40mmと約100mmとの間など)の厚さを有する。例えば、エポキシ樹脂層1618及びPET保護層1622を含む絶縁膜1616は、約50μmと約90μmとの間の合計の厚さを有する。1つの実施形態では、エポキシ樹脂層1618は、約60μm未満の厚さ、例えば約5μmと約50μmとの間の厚さ(例えば約20μmの厚さ)を有する。絶縁膜1616は、ダイ1026の活性面1028上の接点1030に連結される、及び/又は金属化アセンブリ貫通ビア1003に連結される、露出した相互接続1444を有する埋め込み型ダイアセンブリ1002の表面(主要面1005など)上に載置される。
【0092】
[00108] 絶縁膜1616の載置の後に、埋め込み型ダイアセンブリ1002は、工程908、916、及び1140を参照して説明される積層プロセスと実質的に類似の積層プロセスに曝露される。埋め込み型ダイアセンブリ1002は、高温に曝されて、エポキシ樹脂層1618を軟化させ、その後、埋め込み型ダイアセンブリ1002上に既に形成された絶縁層1018に結合する。したがって、1つの実施形態では、エポキシ樹脂層1618は、絶縁層1018と統合され、その延長部を形成する。エポキシ樹脂層1618と絶縁層1018との統合は、結果として、以前に露出した相互接続1444を覆う、拡張及び統合された絶縁層1018をもたらす。したがって、ここでは、結合されたエポキシ樹脂層1618と絶縁層1018とを合わせて、絶縁層1018として説明することになる。しかしながら、他の実施形態では、エポキシ樹脂層1618の積層及びその後の硬化は、絶縁層1018上に第2の絶縁層(図示せず)を形成する。いくつかの例では、第2の絶縁層は、絶縁層1018とは異なる材料層で形成される。
【0093】
[00109] 1つの実施形態では、積層プロセスは、オートクレーブ又は他の適切なデバイス内で実行されうる真空積層プロセスである。1つの実施形態では、積層プロセスは、ホットプレスプロセスを使用して実行される。1つの実施形態では、積層プロセスは、約80℃と約140℃との間の温度で、かつ約1分と約30分との間の期間で、行われる。いくつかの実施形態では、積層プロセスは、10psigと約100psigとの間の圧力を加えることを含み、一方で、約80℃と約140℃との間の温度が、約1分と約30分との間の期間、基板302及び絶縁膜1616に加えられる。例えば、積層プロセスは、約30psigと約80psigとの間の圧力で、かつ約100℃と約120℃との間の温度で、約2分と約10分との間の期間、行われる。例えば、積層プロセスは、約110℃の温度で約5分間行われる。更なる例では、積層プロセスは、約30psigと約70psigとの間(約50psigなど)の圧力で行われる。
【0094】
[00110] 工程1504及び
図16Bでは、保護層1622及びキャリア1624は、機械的プロセスによって、埋め込み型ダイアセンブリ1002から除去される。保護層1622及びキャリア1624を除去した後に、埋め込み型ダイアセンブリ1002は、硬化プロセスに曝されて、新たに拡張された絶縁層1018を完全に硬化させる。1つの実施形態では、硬化プロセスは、工程918及び1150を参照して説明した硬化プロセスと実質的に類似する。例えば、硬化プロセスは、約140℃と約220℃との間の温度で、約15分と約45分との間の期間に(例えば、約160℃と約200℃との間の温度で、約25分と約35分との間の期間に)
行われる。硬化プロセスは、例えば、約180℃の温度で約30分間行われる。更なる実施形態では、工程1504における硬化プロセスは、周囲圧力条件で又は周囲圧力条件付近で実施される。
【0095】
[00111] 次いで、埋め込み型ダイアセンブリ1002は、工程1506及び
図16Cにおけるレーザアブレーションによって選択的にパターニングされる。工程1506におけるレーザ切除は、新たに拡大された絶縁層1018を通って再分配ビア1603を形成し、その接点の再分配のために所望の相互接続1444を露出する。1つの実施形態では、再配分ビア1603は、約5μmと約60μmとの間の直径(約10μmと約50μmとの間(例えば、約20μmと約45μmとの間)の直径など)を有する。1つの実施形態では、工程1506におけるレーザアブレーションプロセスは、CO
2レーザを利用して行われる。1つの実施形態では、工程1506におけるレーザアブレーションプロセスは、UVレーザを利用して行われる。1つの実施形態では、工程1506におけるレーザアブレーションプロセスは、緑色レーザを利用して行われる。例えば、レーザ源は、約100kHzと約1000kHzとの間の周波数を有するパルスレーザビームを生成しうる。一例において、レーザ源は、約100nmと約2000nmとの間の波長、かつ約10E-4nsと約10E-2nsとの間のパルス持続時間で、約10μJと約300μJとの間のパルスエネルギーにより、パルスレーザビームを送達するように構成される。
【0096】
[00112] 埋め込み型ダイアセンブリ1002をパターニングすると、埋め込み型ダイアセンブリ1002は、工程922及び1170におけるデスミアプロセスと実質的に類似のデスミアプロセスに曝露される。工程1506でのデスミアプロセス中に、再分配ビア1603の形成中にレーザアブレーションによって形成された不要な残留物及び破片が再分配ビア1603から除去され、その後のメタライゼーションのためにその表面をクリアに(例えば洗浄)する。1つの実施形態では、デスミアプロセスは湿式プロセスである。任意の適切な水性エッチャント、溶媒、及び/又はこれらの組み合わせは、湿式デスミアプロセスのために利用されうる。一例では、KMnO4溶液が、エッチャントとして利用されうる。別の実施形態では、デスミアプロセスは、ドライデスミアプロセスである。例えば、デスミアプロセスは、O2/CF4混合ガスを用いたプラズマデスミアプロセスでありうる。更なる実施形態では、デスミアプロセスは、湿式プロセスとドライプロセスとの組み合わせである。
【0097】
[00113] 工程1508及び
図16Dでは、オプションの接着層1640及び/又はシード層1642が、絶縁層1018上に形成される。1つの実施形態では、接着層1640は、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、マンガン、酸化マンガン、モリブデン、酸化コバルト、窒化コバルト、又は任意の他の適切な材料又はこれらの組み合わせから形成される。1つの実施形態では、接着層1640は、約10nmと約300nmとの間(約50nmと約150nmとの間など)の厚さを有する。例えば、接着層1640は、約75nmと約125nmとの間(約100nmなど)の厚さを有する。接着層1640は、CVD、PVD、PECVD、ALDなどを含むがこれらに限定されない、任意の適切な堆積プロセスによって形成されうる。
【0098】
[00114] オプションのシード層1642は、銅、タングステン、アルミニウム、銀、金、又は任意の他の適切な材料もしくはこれらの組合せなどの導電性材料から形成される。1つの実施形態では、シード層1642は、約50nmと約500nmとの間(約100nmと約300nmとの間など)の厚さを有する。例えば、シード層1642は、約150nmと約250nmとの間(約200nmなど)の厚さを有する。1つの実施形態では、シード層1642は、約0.1μmと約1.5μmとの間の厚さを有する。接着層1640と同様に、シード層1642は、CVD、PVD、PECVD、ALDドライプロセス、湿式無電解メッキプロセスなどの任意の適切な堆積プロセスによって形成されうる。1つの実施形態では、工程1520での後続のシード層エッチングプロセス中に導電性相互接続ラインのアンダーカットを低減するために、埋め込み型ダイアセンブリ1002上に、モリブデン接着層1640及び銅シード層1642が形成される。
【0099】
[00115]
図16E、16F、及び16Gにそれぞれ対応する工程1510、1512、及び1514では、フォトレジストなどのスピンオン/スプレーオン又はドライレジスト膜1650が、埋め込み型ダイアセンブリ1002の接着面及び/又はシード面上方に適用され、その後、パターニングされ、現像される。1つの実施形態では、レジスト膜1650を載置する前に、接着促進剤(図示せず)が埋め込み型ダイアセンブリ1002に塗布される。レジスト膜1650の露光及び現像により、再分配ビア1603が開口される。したがって、レジスト膜1650のパターニングは、レジスト膜1650の一部をUV放射に選択的に露光し、その後、湿式エッチングプロセスなどの湿式プロセスによってレジスト膜1650を現像することによって、実行されうる。1つの実施形態では、レジスト膜現像プロセスは、所望の材料に対して選択的な緩衝エッチングプロセスを利用する湿式エッチングプロセスである。他の実施形態では、レジスト膜現像プロセスは、水性エッチングプロセスを利用する湿式エッチングプロセスである。レジスト膜現像プロセスには、任意の適切な湿式エッチャント又は湿式エッチャントの組合せが使用されうる。
【0100】
[00116]
図16H及び16Iにそれぞれ対応する工程1516及び1518では、再分配接続1644が、露出された再分配ビア1603を通って形成され、その後、レジスト膜1650が除去される。再分配接続1644は、電気メッキ及び無電解堆積を含む任意の適切な方法によって形成される。1つの実施形態では、レジスト膜1650は、湿式プロセスによって除去される。
図16H及び
図16Iに示されるように、再分配接続1644は、再分配ビア1603を充填し、レジスト膜1650を除去すると埋め込み型ダイアセンブリ1002の表面から突出する。1つの実施形態では、再分配接続1644は銅で形成される。他の実施形態では、再分配接続1644は、アルミニウム、金、ニッケル、銀、パラジウム、スズなどを含むがこれらに限定されない任意の適切な導電性材料で形成されうる。
【0101】
[00117] 工程1520及び
図16Jにおいて、再分配接続1644がその上に形成された埋め込み型ダイアセンブリ1002は、工程1370のものと実質的に類似のシード層エッチングプロセスに曝露される。1つの実施形態では、シード層エッチングは、埋め込み型ダイアセンブリ1002のすすぎ及び乾燥を含む湿式エッチングプロセスである。1つの実施形態では、シード層エッチングプロセスは、シード層1642の所望の材料に対して選択的な緩衝エッチングプロセスを利用する湿式エッチングプロセスである。他の実施形態では、エッチングプロセスは、水性エッチングプロセスを利用する湿式エッチングプロセスである。シード層エッチングプロセスには、任意の適切な湿式エッチャント又は湿式エッチャントの組み合わせが使用されうる。
【0102】
[00118] 工程1522において、
図16K及び16Lに示される、1つ又は複数の完成パッケージ1602は、埋め込み型ダイアセンブリ1002から分離される。しかし、工程1522の前に、
図16Lに示すように、上述のシーケンス及びプロセスを利用して、埋め込み型ダイアセンブリ1002上に追加の再分配層が形成されうる(
図16Kは、1つの追加の再分配層1658を有する完成したパッケージ1602を示す)。例えば、1つ又は複数の追加の再分配層1660は、主要面1007のような第1の追加の再分配層1658の反対側の埋め込み型ダイアセンブリ1002の側面又は表面上に形成されうる。あるいは、1つ又は複数の追加の再分配層1660が、主要面1005などの第1の追加の再分配層1658(図示せず)の同じ側面又は表面上に形成されうる。次いで、完成したパッケージ1602は、全ての所望の再分配層が形成された後に、埋め込み型ダイアセンブリ1002から分離されうる。
【0103】
[00119] 工程1522で形成されたパッケージ1602は、任意の適切なパッケージング用途及び任意の適切な構成で利用されうる。
図17Aに示す1つの例示的な実施形態では、積層DRAM構造1700を形成するために、4つのパッケージ1602が利用される。したがって、各パッケージ1602は、基板302内に埋め込まれ、絶縁層1018によって封入された(例えば、各側面の一部が絶縁層1018と接触する)メモリダイ1726(即ち、メモリチップ)を含む。1つ又は複数の相互接続1444は、各パッケージ1602の厚さ全体を通して形成され、隣接する(即ち、上又は下に積み重ねられる)パッケージ1602の主要面1005と1007との間に配置される1つ又は複数のはんだバンプ1746と直接接触する。例えば、積み重ねられたDRAM構造1700に描かれるように、4つ以上のはんだバンプ1746が、隣接するパッケージ1602の間に配置され、各パッケージ1602の相互接続1444を、隣接するパッケージ1602の相互接続1444とブリッジ(例えば、結合、連結)する。
【0104】
[00120] 1つの実施形態では、はんだバンプ1746によって接続された隣接するパッケージ1602の間のボイドは、はんだバンプ1746の信頼性を高めるために、封入材料1748で充填される。封入材料1748は、任意の適切なタイプの封入剤又はアンダーフィル(underfill)でありうる。一例では、封入材料1748は、ノーフローアンダーフィル(NUF)材料、非導電性ペースト(NCP)材料、及び非導電性膜(NCF)材料などのプリアセンブリアンダーフィル材料を含む。一例では、封入材料1748は、キャピラリアンダーフィル(CUF)材料及び成形アンダーフィル(MUF)材料などの組立後アンダーフィル材料を含む。1つの実施形態では、封入材料1748は、SiO2、AlN、Al2O3、SiC、Si3N4、Sr2Ce2Ti5O16、ZrSiO4、CaSiO3、BeO、CeO2、BN、CaCu3Ti4O12、MgO、TiO2、ZnOなどを充填した(例えば、含有した)エポキシ樹脂などの低膨張性充填剤含有樹脂を含む。
【0105】
[00121] 1つの実施形態では、はんだバンプ1746は、スズ(Sn)及び鉛(Pb)、銀(Ag)、Cu、又はこれらの任意の他の適切な金属の組み合わせなどの、1つ又は複数の金属間の化合物で形成される。例えば、はんだバンプ1746は、Sn-Pb、Sn-Ag、Sn-Cu、又は任意の他の適切な材料又はこれらの組合せといった、はんだ合金で形成される。1つの実施形態では、はんだバンプ1746は、C4(制御された崩壊チップ接続)バンプを含む。1つの実施形態では、はんだバンプ1746は、C2(はんだキャップを有するCuピラーなどのチップ接続)バンプを含む。C2はんだバンプの利用により、接触パッド間ピッチがより小さくなり、積層DRAM構造1700のための改良された熱的及び/又は電気的特性が可能になる。いくつかの実施形態では、はんだバンプ1746は、約10μmと約150μmとの間の直径(約50μmと約100μmとの間の直径など)を有する。はんだバンプ1746は、更に、電気化学的堆積(ECD)及び電気メッキを含むがこれに限定されない、任意の適切なウエハバンピングプロセスによって形成されうる。
【0106】
[00122]
図17Bに示される別の例示的実施形態では、積層されたDRAM構造1701は、4つのパッケージ1602を積み重ね、各パッケージ1602の1つ又は複数の相互接続1444を、1つ又は複数の隣接するパッケージ1602の相互接続1444と直接結合することによって形成される。図示されるように、パッケージ1602は、ハイブリッド結合によって結合されてもよく、ここで、隣接するパッケージの主要面1005及び1007は、平坦化され、互いに完全に接触する。したがって、各パッケージ1602の1つ又は複数の相互接続1444は、各パッケージ1602の全厚さを通して形成され、少なくとも別の隣接するパッケージ1602の1つ又は複数の相互接続1444と直接接触する。
【0107】
[00123] 積層されたDRAM構造1700及び1701は、従来のDRAM構造を超える複数の利点を提供する。このような利点には、薄型フォームファクタ及び高いダイ対パッケージ体積比が含まれ、これにより、人工知能(AI)及び高性能コンピューティング(HPC)の増え続ける帯域幅及び電力効率の要求を満たすために、より大きなI/Oスケーリングが可能になる。構造化シリコンフレームの利用は、3次元集積回路(3D IC)アーキテクチャの改善された電気性能、熱管理、及び信頼性のために最適な材料剛性及び熱伝導率を提供する。更に、本明細書に記載されるアセンブリ貫通ビア及びビア-イン-ビア構造(via-in-via structure)のための製造方法は、従来のTSV技術と比較して、比較的低い製造コストで3D集積のための高い性能及び柔軟性を提供する。
【0108】
[00124] 本明細書に記載される実施形態は、有利には、高度な集積回路パッケージを製造するための基板構造化及びダイ組み立ての改善された方法を提供する。上述の方法を利用することによって、ガラス及び/又はシリコン基板上に高アスペクト比の特徴が形成され、したがって、より薄くより狭い半導体パッケージの経済的な形成が可能になる。上述の方法を利用して製造された薄型で小型のフォームファクタのパッケージは、高いI/O密度並びに改善された帯域幅及び電力の利点だけでなく、低減された重量/慣性及び柔軟なはんだボールの分配を可能とするパッケージアーキテクチャに起因する、低い応力によるより大きな信頼性をもたらす。上述の方法の更なるメリットは、従来のパッケージ及び先進的なパッケージの大量製造において特徴的な損傷を生じやすいフリップチップ取り付けステップ及びオーバーモールドステップを排除することにより、両面メタライゼーション能力を有する経済的な製造及び高い生産歩留りを含む。
【0109】
[00125] 上記は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が、その基本的な範囲から逸脱せずに考案されてもよく、その範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
【手続補正書】
【提出日】2022-01-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2の表面の反対側にある第1の表面を有するフレームであって、前記フレームが、
ケイ素を含むフレーム材料、
半導体ダイが内部に配置された少なくとも1つの空洞、及び
前記第1の表面から前記第2の表面まで前記フレームを通って延びる開口部を画定するビア表面を含むビア
を更に含む、フレームと、
前記第1の表面及び前記第2の表面の上方に配置された絶縁層であって、前記絶縁層が、前記半導体ダイの各側面の少なくとも一部と接触する、絶縁層と、
前記ビア内に配置された電気的相互接続であって、前記絶縁層が、前記ビア表面と前記電気的相互接続との間に配置される、電気的相互接続と
を含む、パッケージアセンブリ。
【請求項2】
前記フレームがソーラー基板を含む、請求項1に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項3】
前記フレームが、約60μmと約160μmとの間の厚さを有する、請求項1に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの空洞が、約3mmと約50mmとの間の横寸法を有する、請求項1に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項5】
前記ビアが、約20μmと約200μmとの間の直径を有する、請求項1に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項6】
前記フレーム上に形成された酸化物層を更に含む、請求項1に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項7】
前記絶縁層がエポキシ樹脂を含む、請求項1に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項8】
前記絶縁層が、前記電気的相互接続と前記半導体ダイとの間で約5μmと約50μmとの間の厚さを有する、請求項7に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項9】
前記電気的相互接続と前記絶縁層との間に配置された接着層又はシード層を更に含む、請求項1に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項10】
前記接着層がモリブデンを含み、前記シード層が銅を含む、請求項9に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項11】
埋め込み型ダイアセンブリであって、
ケイ素を含むフレーム、
前記フレームの表面上方に配置された酸化物層、
前記フレーム内に配置された1つ又は複数の半導体ダイであって、集積回路が上部に形成された1つ又は複数の半導体ダイ、及び
前記酸化物層上に形成された絶縁層であって、セラミック粒子が内部に配置されたエポキシ樹脂材料を含む絶縁層
を含む、ダイアセンブリと、
前記埋め込み型ダイアセンブリの一部分内に配置された1つ又は複数の金属相互接続と
を含む、パッケージアセンブリ。
【請求項12】
前記フレームが、単結晶ソーラー基板を含む、請求項11に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項13】
前記フレームが、
内部に形成された1つ又は複数の空洞であって、前記1つ又は複数の半導体ダイが内部に配置された1つ又は複数の空洞と、
内部に形成された1つ又は複数のビアと
を更に含み、前記1つ又は複数の金属相互接続が、前記1つ又は複数のビアを通して配置される、請求項11に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項14】
前記1つ又は複数の金属相互接続の各々と前記絶縁層との間に配置されたモリブデン接着層及び銅シード層
を更に含む、請求項11に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項15】
埋め込み型ダイアセンブリであって、
ケイ素を含むフレーム、
前記フレーム内に配置された1つ又は複数の半導体ダイ、
前記フレーム上に形成された第1の絶縁層であって、セラミック粒子を含むエポキシ樹脂材料を含む第1の絶縁層、及び
前記フレーム又は前記第1の絶縁層を通して配置された1つ又は複数の電気的相互接続
を含む、埋め込み型ダイアセンブリと、
前記埋め込み型ダイアセンブリ上に形成された再分配層であって、前記再分配層が、
前記第1の絶縁層上に形成された第2の絶縁層、及び
前記第2の絶縁層を通って配置された1つ又は複数の電気的再分配接続
を含む、再分配層と
を含む、パッケージアセンブリ。
【請求項16】
前記少なくとも1つの空洞の前記横寸法が、前記半導体ダイの横寸法よりも約150μm未満大きい、請求項4に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項17】
前記エポキシ樹脂がセラミック粒子を含む、請求項7に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項18】
前記セラミック粒子がシリカ粒子を含む、請求項17に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項19】
前記フレームが、約60μmと約160μmとの間の厚さを有する、請求項12に記載のパッケージアセンブリ。
【請求項20】
前記第2の絶縁層が、前記第1の絶縁層と同じ材料で形成される、請求項15に記載のパッケージアセンブリ。
【国際調査報告】