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特表2022-533133基板処理のための斜角剥離及び欠陥の解決策
<図1A>
  • 特表-基板処理のための斜角剥離及び欠陥の解決策 図1A
  • 特表-基板処理のための斜角剥離及び欠陥の解決策 図1B
  • 特表-基板処理のための斜角剥離及び欠陥の解決策 図2
  • 特表-基板処理のための斜角剥離及び欠陥の解決策 図3A-3C
  • 特表-基板処理のための斜角剥離及び欠陥の解決策 図4
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-21
(54)【発明の名称】基板処理のための斜角剥離及び欠陥の解決策
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/314 20060101AFI20220713BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20220713BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALN20220713BHJP
【FI】
H01L21/314 A
H01L21/31 C
H01L21/302 105A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021568266
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(85)【翻訳文提出日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 US2020029456
(87)【国際公開番号】W WO2020231612
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】62/848,436
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】カジャ, アブドゥル アジズ
【テーマコード(参考)】
5F004
5F045
5F058
【Fターム(参考)】
5F004AA00
5F004AA04
5F004EA03
5F045AA08
5F045AB07
5F045AC00
5F045AC07
5F045AC12
5F045AC15
5F045AC16
5F045AC17
5F045AD07
5F045AE01
5F045AF01
5F045BB15
5F045DC70
5F045DP03
5F045DQ10
5F045EF05
5F045EH13
5F045EK07
5F045EM02
5F045EM05
5F058BA20
5F058BC20
5F058BE10
5F058BF07
5F058BF21
5F058BF22
5F058BF26
5F058BG04
(57)【要約】
基板上の材料層のプラズマ化学気相堆積(PECVD)中及びその後の斜角剥離を減少させるための方法及び装置が開示される。一実施態様では、基板を処理する方法は、処理チャンバの処理空間内に基板を位置決めすることと、処理ガスで形成された処理プラズマで基板の表面をプラズマ処理することと、基板支持体に基板をチャックすることと、基板の表面を堆積プラズマに曝露することによって、基板の表面上に材料層を堆積することとを含む。ここでは、処理ガスは、炭素、ケイ素、又は金属堆積前駆体を実質的に含まず、処理プラズマを形成するのに使用されるRF電力は、基板表面の1cmあたり約1.42ワット(W/cm)未満である。堆積プラズマは、炭素、ケイ素、又は金属前駆体のうちの1つ又は複数の組み合わせから形成され、堆積プラズマを点火及び維持するのに使用されるRF電力は、約2.12W/cm超である。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する方法であって、
処理チャンバの処理空間内に配置された基板支持アセンブリ上に基板を位置決めすることと、
前記基板を処理プラズマに曝露することであって、前記処理プラズマが、炭素、ケイ素、及び金属堆積前駆体を実質的に含まない処理ガスで形成される、前記基板を曝露することと、
前記基板を前記処理プラズマに曝露した後に、前記基板支持体の誘電体材料に埋め込まれた電極にチャック電圧を印加して、前記基板を前記基板支持体の表面にチャックすることと、
前記基板の前記表面上にアモルファスカーボン層を堆積することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記基板を前記処理プラズマに曝露することが、前記基板の周縁エッジに近接するシリコン表面を前記処理プラズマに曝露することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記処理プラズマを形成することをさらに含む、請求項2に記載の方法であって、
前記処理ガスを前記処理空間内に流すことであって、前記処理ガスが、He、Ar、NH、N、O、又はそれらの組み合わせを含む、前記処理ガスを流すことと、
前記処理空間内に配置されたシャワーヘッドに第1のRF電力を印加することによって、前記処理プラズマを点火及び維持することであって、前記第1のRF電力が、基板表面1cmあたり約1.42ワット(W/cm)以下である、前記処理プラズマを点火及び維持することと、
を含む方法。
【請求項4】
前記基板の前記表面上に前記アモルファスカーボン層を堆積することが、
前記処理空間内に1つ又は複数の堆積材料前駆体を流すことと、
前記シャワーヘッドに第2のRF電力を印加することによって、前記1つ又は複数の堆積材料前駆体の堆積プラズマを点火及び維持することであって、前記第2のRF電力が、基板表面1cmあたり約2.12ワット(W/cm)以上である、堆積プラズマを点火及び維持することと、
前記基板の前記表面を前記堆積プラズマに曝露することと、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記基板支持アセンブリが、基板支持部分と、前記基板支持部分から上向きに延びる環状部分とを含み、前記環状部分が前記基板支持部分の半径方向外向きに配置され、前記環状部分の半径方向内向きに面する表面が、前記基板の周縁エッジから約5mm以下の距離離間されるようにサイズ決定される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記環状部分の前記半径方向内向きに面する表面の少なくとも一部が、前記基板支持部分の表面に対して平行な平面から上向きに及び離れて傾斜して、その平面と約5度と60度の間の角度を形成する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
基板を処理する方法であって、
基板支持アセンブリ上に基板を位置決めすることであって、前記基板支持アセンブリが、処理チャンバの処理空間内に配置される、基板を位置決めすることと、
前記基板を約300℃以上の温度に加熱することと、
前記基板を少なくとも約60秒にわたって約300℃以上の温度で維持した後に、前記基板の表面上にアモルファスカーボン層を堆積することであって、
1つ又は複数の堆積材料前駆体を前記処理空間内へ流すことと、
前記処理空間内に配置されたシャワーヘッドにRF電力を印加することによって、前記1つ又は複数の堆積材料前駆体の堆積プラズマを点火及び維持することであって、前記RF電力が基板表面1cmあたり約2.12ワット(W/cm)以上である、堆積プラズマを点火及び維持することと、
前記基板の表面を前記堆積プラズマに曝露させることと、
を含む、アモルファスカーボン層を堆積することと、
を含む、方法。
【請求項8】
前記基板支持アセンブリが、基板支持部分と、前記基板支持部分から上向きに延びる環状部分とを含み、前記環状部分が前記基板支持部分の半径方向外向きに配置され、前記環状部分の半径方向内向きに面する表面が、前記基板の周縁エッジから約5mm以下の距離離間されるようにサイズ決定される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記環状部分の前記半径方向内向きに面する表面の少なくとも一部が、前記基板支持部分の表面に対して平行な平面から上向きに及び離れて傾斜して、その平面と約5度と約60度の間の角度を形成する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記基板支持アセンブリが、前記基板支持部分と前記環状部分との両方を形成する誘電体材料の一体型の本体を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
処理システムであって、
処理空間を画定する、チャンバリッドアセンブリと、1つ又は複数のチャンバ側壁と、チャンバベースとを含むチャンバと、
前記処理空間内に配置された基板支持アセンブリであって、前記基板支持アセンブリが、基板支持部分と、前記基板支持部分から上向きに延びる環状部分とを含み、前記環状部分が、前記基板支持部分の半径方向外向きに配置され、前記環状部分の半径方向内向きに面する表面が、処理される基板の周縁エッジから約5mm以下の距離離間されるようにサイズ決定される、基板支持アセンブリと、
材料堆積方法についての命令が記憶されているコンピュータ可読媒体であって、前記材料堆積方法が、
1つ又は複数の堆積材料前駆体を前記処理空間内へ流すことと、
前記チャンバリッドアセンブリのシャワーヘッドにRF電力を印加することによって、前記1つ又は複数の堆積材料前駆体の堆積プラズマを点火及び維持することであって、前記RF電力が基板表面1cmあたり約2.12ワット(W/cm)以上である、堆積プラズマを点火及び維持することと、
前記基板アセンブリの前記基板支持部分上に位置決めされた基板の前記表面を前記堆積プラズマに曝露して、その上にアモルファスカーボン層を堆積することと、
を含む、コンピュータ可読媒体と、
を含む、処理システム。
【請求項12】
前記コンピュータ可読媒体に記憶された、プラズマ処理方法についての命令をさらに含む処理システムであって、前記プラズマ処理方法が、
前記基板支持アセンブリの前記基板支持部分上に前記基板を位置決めすることと、
前記基板の表面を処理プラズマに曝露することであって、前記処理プラズマが、炭素、ケイ素、及び金属堆積前駆体を実質的に含まない処理ガスで形成される、前記基板を曝露することと、
前記基板を前記処理プラズマに曝露した後に、前記基板支持アセンブリの誘電体材料に埋め込まれた電極にチャック電圧を印加して、前記堆積方法を使用して前記基板の前記表面上に前記アモルファスカーボン層を堆積することと、
を含む、
請求項11に記載の処理システム。
【請求項13】
前記コンピュータ可読媒体に記憶された、基板アニーリング方法についての命令をさらに含む処理システムであって、前記基板アニーリング方法が、
前記基板支持アセンブリの前記基板支持部分上に前記基板を位置決めすることと、
前記基板を約300℃以上の温度に加熱することと、
前記基板を少なくとも約60秒にわたって約300℃以上の温度で維持した後に、前記堆積方法を使用して前記基板の表面上に前記アモルファスカーボン層を堆積することと、
を含む、
請求項11に記載の処理システム。
【請求項14】
前記環状部分の前記半径方向内向きに面する表面の少なくとも一部が、前記基板支持部分の表面に対して平行な平面から上向きに及び離れて傾斜して、その平面と約5度と約60度の間の角度を形成する、請求項11に記載の処理システム。
【請求項15】
前記基板支持アセンブリが、前記基板支持部分と前記環状部分との両方を形成する誘電体材料の一体型の本体を含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本明細書に記載の実施態様は、概して、半導体デバイス製造の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]集積回路は、単一チップ上に数百万個ものトランジスタ、コンデンサ、及び抵抗器が搭載され得る複雑なデバイスへと進化を遂げている。チップ設計の進化には、より迅速な回路及びより高い回路密度が継続的に必要とされる。より高い回路密度を有するより高速な回路に対する要求により、このような集積回路の製造に使用される材料について、相応な要求が課されている。特に、集積回路構成要素の寸法がサブミクロン単位まで縮小するにつれ、このような構成要素から適切な電気的性能を得るために、低抵抗率導電性材料や低誘電率絶縁材料が使用される。
【0003】
[0003]より大きな集積回路密度に対する要求は、集積回路構成要素の製造に使用される処理シーケンスにも要求を課す。例えば、従来のフォトリソグラフィ技法を使用する処理シーケンスでは、基板に堆積された材料層のスタックの上方にエネルギー感応性レジストの層が形成される。このエネルギー感応性レジスト層は、パターンの画像に露光され、フォトレジストマスクが形成される。その後、エッチング処理を使用して、マスクパターンがスタックの材料層のうちの1つ又は複数に転写される。このエッチング処理で使用される化学エッチャントは、エネルギー感応性レジストのマスクに対してよりも、スタックの材料層に対してより高いエッチング選択性を有するように選択される。つまり、この化学エッチャントは、エネルギー感応性レジストよりもはるかに速い速度で材料スタックの1つ又は複数の層をエッチングする。レジスト上方のスタックの1つ又は複数の材料層に対するエッチング選択性により、パターン転写が完了する前のエネルギー感応性レジストの消耗が防止される。
【0004】
[0004]パターン寸法が縮小するにつれて、パターン解像度を制御するために、エネルギー感応性レジストの厚さは相応に縮小する。このような薄いレジスト層は、化学エッチャントによる攻撃により、パターン転写処理中に下層の材料層をマスキングするのに不十分であり得る。多くの場合、パターン転写を促進するために、ハードマスクと称される中間層(例えば酸窒化ケイ素、シリコンカーバイン、又は炭素の膜)が、エネルギー感応性レジスト層とその下の材料層との間に使用されるが、これは、化学エッチング剤に対する中間層の耐性の方が大きいからである。
【0005】
[0005]多くの場合、基板表面上に堆積されるハードマスク材料はまた、基板の周縁エッジ、例えば基板の周縁斜角エッジの上面又は下面上にも不必要に堆積される。堆積されたハードマスク材料が下層の基板材料に弱く接着しているとき、ハードマスク材料は、傾斜面から層剥離し、望ましくない粒子の欠陥を基板の活性表面に移動させ、最終的には形成されるデバイスの故障を引き起こす可能性がある。
【0006】
[0006]したがって、当該技術分野では、基板の傾斜面上への材料堆積、及び基板の傾斜面からの材料層の層剥離を、減少させるか又は実質的に排除するための方法及び装置が必要である。
【発明の概要】
【0007】
[0007]本開示の実施態様は、概して、半導体デバイス製造の分野、より具体的には、基板の傾斜面から堆積後の材料の剥離を減少させるか又は実質的に排除し、よって、それに関連する微粒子の欠陥を減少させるか又は実質的に排除するための方法及び装置に関する。
【0008】
[0008]一実施態様では、基板を処理する方法は、処置チャンバの処理空間内に配置された基板支持アセンブリ上に基板を位置決めすることと、処理ガスで形成された処理プラズマで基板の表面をプラズマ処理することと、基板支持体に基板をチャックすることと、基板の表面上にアモルファスカーボン層を堆積させることとを含む。ここでは、処理ガスは、炭素、ケイ素、又は金属堆積前駆体を実質的に含まず、処理プラズマを形成するのに使用されるRF電力は、基板表面の1cmあたり約1.42ワット(W/cm)未満である。いくつかの実施態様では、基板の表面をプラズマ処理することは、基板の周縁エッジに近接するシリコン表面を処理プラズマに曝露することを含む。
【0009】
[0009]別の実施態様では、基板を処理する方法は、処理チャンバの処理空間内に配置された基板支持アセンブリ上に基板を位置決めすることと、基板を約300℃以上の温度に加熱することとを含む。この方法は、基板を少なくとも約60秒間約300℃以上で維持することと、基板の表面上にアモルファスカーボン層を堆積することとを含む。基板上にアモルファスカーボン層を堆積することは、1つ又は複数の堆積材料前駆体を処理空間内へ流すことと、処理空間内に配置されたシャワーヘッドにRF電力を印加することによって、1つ又は複数の堆積材料前駆体の堆積プラズマを点火及び維持することであって、RF電力が基板表面1cmあたり約2.12ワット(W/cm)以上である、堆積プラズマを点火及び維持することと、基板の表面を堆積プラズマに曝露して、その上にアモルファスカーボン層を堆積することとを含む。
【0010】
[0010]別の実施態様では、基板処理システムが提供される。処理システムは、処理空間を画定する、チャンバリッドアセンブリと、1つ又は複数のチャンバ側壁と、チャンバベースとを有する処理チャンバ、処理空間内に配置された基板支持アセンブリ、及び材料堆積方法についての命令が記憶されているコンピュータ可読媒体を含む。基板支持アセンブリは、基板支持部分と、基板支持部分から内側に延びる環状部分とを特徴とする。環状部分は、基板支持部分の半径方向外向きに配置されており、環状部分の半径方向内向きに面する表面は、処理される基板の周縁エッジから約5mm以下の距離離間されるようにサイズ決定される。材料堆積方法は、1つ又は複数の堆積材料前駆体を処理空間内へ流すことと、チャンバリッドアセンブリのシャワーヘッドにRF電力を印加することによって、1つ又は複数の堆積材料前駆体の堆積プラズマを点火及び維持することと、基板の表面を堆積プラズマに曝露して、その上にアモルファスカーボン層を堆積することとを含む。いくつかの実施態様では、RF電力は、基板表面1cmあたり約2.12ワット(W/cm)以上である。
【0011】
[0011]上述した本開示の特徴を詳しく理解し得るように、上記で簡単に要約した本開示のより詳細な説明が、実施態様を参照することによって得られる。一部の実施態様を、付随する図面に示している。しかし、本開示は他の等しく有効な実施態様も許容し得ることから、添付図面が本開示の典型的な実施態様を例示しているにすぎず、よって本開示の範囲を限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】[0012]一実施態様による、基板の斜角エッジの概略断面図であり、これは、本明細書に記載の方法から利益を得ることができる。
図1B】[0013]表面上に配置された水滴の接触角の概略図である。
図2】[0014]一実施態様による、本明細書に記載の方法を実行するのに使用され得る例示的な処理チャンバの概略断面図である。
図3A-3C】[0015]1つ又は複数の実施態様による、図2に記載の処理チャンバ内で使用され得るそれぞれの基板支持体及びエッジリングの部分の概略断面図である。
図4】[0016]一実施態様による、基板を処理する方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0017]理解を容易にするために、図に共通する同一の要素を指し示すために、可能な場合には、同一の参照番号を使用した。ある実装形態の要素及び特徴は、特に記載がなくとも、他の実装形態に有利に組み込み可能なことが意図されている。
【0014】
[0018]本明細書の実施態様は、基板の斜角表面から堆積後材料の層剥離を減少させるか又は実質的に排除し(斜角剥離)、それに関連する微粒子の欠陥を減少させるか又は実質的に排除するための方法及び装置に関する。概して、この方法は、基板表面、より具体的には基板表面の斜角エッジを、続いて堆積される材料層と斜角エッジ表面との間の接着を改善するための材料堆積プロセスの前に、予備処理することを含む。いくつかの実施態様では、この方法は、基板の周縁エッジへの望ましくない材料の堆積を防止又は実質的に減少させるハードウェア構成、例えば、基板支持アセンブリを組み込む。いくつかの実施態様では、方法及びハードウェア構成は、単独で又は組み合わせて使用されて、基板の斜角エッジからのカーボンハードマスク材料の層剥離を減少させるかつ/又は実質的に排除する。例えば、いくつかの実施態様では、基板表面を予備処理して、続いて堆積されるカーボンハードマスク材料と斜角エッジの表面との間の接着を改善するために使用される。いくつかの実施態様では、方法及びハードウェア構成は、斜角エッジへのカーボンハードマスク材料の堆積を防止する及び/又は実質的に減少させるのに使用される。
【0015】
[0019]本明細書に記載の方法を使用して処理され得る基板100の一部の概略断面図である。基板100は、電子デバイス製造プロセスにおける使用に適した任意の材料及び材料層、例えば、ケイ素、酸化ケイ素、ストレインドシリコン、シリコンオンインシュレータ、炭素がドープされた酸化ケイ素、a-Si、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイヤ、金属、金属窒化物、金属合金、及びそれらの組み合わせから形成され得る。
【0016】
[0020]ここでは、基板100は、活性表面(ここでは第1の表面102)と、第1の表面102の反対側の第2の表面104と、斜角周縁エッジ(ここでは、第1及び第2の表面102、104に接続する斜角エッジ106)と、第1の表面102上に配置された材料層スタック108とを有する単結晶シリコンウエハ101を含む。いくつかの実施態様では、材料層スタック108は、3D垂直NAND構造を形成するのに使用され得る複数の材料層、例えば、個別の電荷蓄積セグメントを形成するのに使用される誘電体層の交互になった対を含む。例えば、いくつかの実施態様では、材料層スタック108は、酸化物層/窒化物層、例えば、酸化ケイ素層/窒化ケイ素層が交互になった対を含む。いくつかの実施態様では、材料層スタック108は、酸化ケイ素と窒化ケイ素が交互になった対の32以上の層、例えば、48以上、64以上、96以上、又は、例えば128層以上を含む。他の実施態様では、材料層スタック108は、複数の酸化物材料と窒化物材料とが交互になったもの、1つ又は複数の酸化物材料若しくは窒化物材料、ポリシリコン材料若しくはアモルファスシリコン材料、アモルファスシリコンと交互になっている酸化物、ポリシリコンと交互になっている酸化物、ドープされたシリコンと交互になっているドープされていないシリコン、ドープされたポリシリコンと交互になっているドープされていないポリシリコン、又は、ドープされたアモルファスシリコンと交互になっているドープされていないアモルファスシリコンを含み得る。いくつかの実施態様では、材料層スタック108は、約1μm以上、例えば、約1.5μm以上、約2μm以上、約2.5μm以上、又は約3.0μm以上の組み合わされた厚さT1を有する。
【0017】
[0021]いくつかの実施態様では、本明細書で提供される方法は、基板100の表面上、ここでは材料層スタック108の表面上にアモルファスカーボン層を堆積し、カーボンハードマスク層110(ファントムで示す)を形成することを含む。いくつかの実施態様では、カーボンハードマスク層110は、約1kÅ以上、約500kÅ以上、約1000kÅ以上、又は、例えば、約1kÅから約40kÅの範囲内、例えば約10kÅから約40kÅの範囲内の厚さT2まで堆積される。
【0018】
[0022]いくつかの実施態様では、材料層スタック108の一部及び/又はその下に配置された1つ又は複数の材料層(図示せず)は、カーボンハードマスク層110が斜角エッチングプロセスを使用して基板100上に形成される前に、斜角エッジ106から除去される。斜角エッチングプロセスは、典型的には、基板100の周縁エッジから距離X内から、例えば、基板100の周縁エッジから約0.5mm以上、約1mm以上、約2mm以上、又は約0.5mmと約2mmの間のうちから材料を除去して、その下の単結晶シリコンウエハ101の表面を露出させる。よって、カーボンハードマスク層110の少なくとも一部は、基板100の周縁エッジに近接して配置された曝露された単結晶シリコン表面上に堆積され得る。
【0019】
[0023]典型的には、使用されるとき、斜角エッチングプロセスは、ウェットエッチングプロセス又はドライエッチングプロセスのうちの一方である。ウェットプロセスでは、斜角エッジ106は、水溶液、例えばピラニア溶液(すなわち、HSO、HO、及びH)又はHF溶液に曝露され得る。ドライエッチングプロセスでは、斜角エッジ106は、フッ素含有ガス、例えば、SF、NF、C(例えば、CF、C、C)又はC(例えば、CHF、CHF、CH、C)、又は酸素含有ガス、例えば、O;NO、CO、COS、CO、又はそれらの組み合わせで形成されるプラズマに曝露され得る。
【0020】
[0024]使用される斜角エッチングプロセス(もしあれば)、及び/又は斜角エッジ106の表面から除去される材料層の種類に応じて、得られる斜角エッジ106の表面は、親水性又は疎水性であり得る。例えば、ピラニア溶液を使用するウェットエッチング斜角エッチングプロセスでは、材料層のすべてが除去されてその下の単結晶シリコンウエハ101が曝露され、典型的には、親水性の表面を有する斜角エッジ106が得られる。HF溶液を使用するウェットエッチングプロセスでは、材料層のすべてが除去されてその下の単結晶シリコンウエハ101が曝露され、典型的には、疎水性の表面を有する斜角エッジ106が得られる。ここでは、「親水性の表面」は、表面上に配置された水滴の接触角が90度未満であるものであり、「疎水性の表面」は、水滴の接触角が90度以上であるものである。図1Bは、表面120上に配置された水滴122の接触角αが90度未満である表面120、すなわち親水性の表面を概略的に示す。
【0021】
[0025]概して、斜角エッジ106の表面の粗さ及び/又は疎水性は、その上に続いて形成されるカーボンハードマスク層110の接着に影響を及ぼす。例えば、カーボンハードマスク層110と疎水性の表面を有する斜角エッジ106との間の接着強度は、典型的には、親水性の表面を有する斜角エッジ106に対するカーボンハードマスク層110の接着強度よりも低い。よって、いくつかの実施態様では、本明細書の方法は、カーボンハードマスク層110を斜角エッジ106上に形成する前に斜角エッジ106をプラズマ処理して、その疎水性を望ましくは減少させ、よって、カーボンハードマスク層110と斜角エッジ106との間の接着強度を増加させることを含む。
【0022】
[0026]図2は、例示的な処理チャンバ、ここでは、本明細書に記載の方法を実施するために使用され得るプラズマ化学気相堆積(PECVD)チャンバの概略断面図である。本明細書に記載の方法を実施するために使用され得る他の例示的な堆積チャンバには、カリフォルニア州サンタクララのApplied Materials, Inc.から市販されている、DXZ(登録商標)処理チャンバを使用し得るCENTURA(登録商標)システム、PRECISION 5000(登録商標)システム、PRODUCER(登録商標)システム、PRODUCER(登録商標)GTTMシステム、PRODUCER(登録商標)XP PrecisionTMシステム、及びPRODUCER(登録商標)SETMシステム、並びに他の製造業者による適切な堆積チャンバが含まれる。
【0023】
[0027]処理チャンバ200は、チャンバリッドアセンブリ201と、1つ又は複数のチャンバ側壁202と、チャンバベース204とを含む。チャンバリッドアセンブリ201は、チャンバリッド206と、チャンバリッド206内に配置されたシャワーヘッド207と、チャンバリッド206と1つ又は複数の側壁202との間に配置された電気絶縁リング208とを含む。シャワーヘッド207、1つ又は複数のチャンバ側壁202、及びチャンバベース204は、処理空間205を画定する。チャンバリッド206を貫通して配置されたガス入口209は、ガス源210に流体連結されている。シャワーヘッド207は、それを貫通して配置された複数の開口部211を有しており、ガス源210から処理空間205内に処理ガスを均一に分配するために使用される。シャワーヘッド207は、RF電源のような第1の電源212に電気的に接続され、第1の電源612は、容量結合を通して、処理ガスのプラズマ224を点火し維持するための電力を供給する。ここでは、RF電力は、約400kHzと約40MHzの間、例えば約400kHzと約13.56MHzの間の周波数を有する。
【0024】
[0028]処理空間205は、真空排出口214を介して、真空源(例えば、1つ又は複数の専用真空ポンプ)に流体連結される。真空排出口214は、処理空間205を準大気圧条件に維持し、そこから処理ガス及び他のガスを排出する。処理空間205内に配置された基板支持体215は、チャンバベース204の下の領域でベローズ(図示せず)によって囲まれるように、チャンバベース204を通って密封的に延びる可動支持シャフト230上に配置される。通常、処理チャンバ200は、1つ又は複数の側壁202のうちの1つの側壁の開口部218を通して、基板100を基板支持体215との間で移送することを容易にするように構成され、開口部218は、従来、基板処理中にドア又はバルブ(図示せず)で密封される。
【0025】
[0029]ここで、基板支持体215上に配置された基板100は、抵抗加熱素子219などのヒータと、基板支持体215内に配置された1つ又は複数の冷却チャネル220の一方又は両方を使用して、所望の処理温度に維持される。典型的には、1つ又は複数の冷却チャネル220は、比較的高い電気抵抗を有する修正された水源又は冷媒源などの冷却剤源(図示せず)に流体連結される。基板支持体215は、金属酸化物又は金属窒化物セラミック材料などの誘電体材料で形成されており、その中に埋め込まれた1つ又は複数のチャック電極221を含む。1つ又は複数のチャック電極221は、基板100と1つ又は複数のチャック電極221との間に電位を提供することにより基板100を基板支持体215に固定するために使用される。基板100と1つ又は複数のチャック電極221との間の電位は、それらの間に静電チャック(ESC)引力をもたらす。ここでは、1つ又は複数のチャック電極221は、約-5000Vと約+5000Vの間のチャック電圧を提供するそれぞれのチャック電源222(DC電源など)に電気的に連結される。
【0026】
[0030]いくつかの実施態様では、環状エッジリング223は、基板支持体215のプラズマ対向面上に円周方向に配置され、そのエッジに近接している。エッジリング223は、基板100の周縁エッジの上方の処理プラズマの特性の変化に起因する、基板中心から基板エッジへの不均一な材料堆積厚さを減少させるために使用される。処理プラズマの特性は、典型的には、基板100及びエッジリング223の上方のプラズマ224の形状と、プラズマ224を形成する処理ガスのイオン化の程度と、プラズマ224全体の処理ガスのイオン化の均一性を含む。
【0027】
[0031]ここで、エッジリング223は、基板100に外接する半径方向内向きに面する表面を有し、基板100を基板支持体215の表面との間で移動させるための機械的クリアランスを提供するために、間隙によってそこから離間される。広すぎる間隙及びプラズマによって生成された種は、間隙内及び基板100の周縁エッジの下に侵入して、その上に材料を望ましくなく堆積させる。よって、いくつかの実施態様では、エッジリング223の基板に面する表面、例えば、最も内側の半径方向内向きに面した表面は、約5mm未満、例えば約4mm未満、約3mm未満、又は約0.5mmと約5mmの間、例えば約1mmと約4mmの間の間隙によって、基板100の周縁エッジから離れている。基板の周縁エッジに近接するプラズマ特性を制御し、その斜角エッジへの堆積を最小限に抑えるために使用され得る基板支持体及び/又はエッジリングの代替の実施態様を、図3A~3Cに記載する。
【0028】
[0032]ここでは、処理チャンバ200の動作は、システムコントローラ225によって容易にされる。システムコントローラ225は、メモリ227(例えば不揮発性メモリ)及びサポート回路228と共に動作可能な、プログラマブル中央処理装置(CPU)226を含む。サポート回路228は、従来、CPU226に連結されており、基板処理の制御を容易にするために、処理チャンバ200のさまざまな構成要素に連結された、キャッシュ、クロック回路、入出力サブシステム、電源など、及びこれらの組み合わせを含む。例えば、いくつかの実施態様では、CPU226は、さまざまな処理チャンバ構成要素及びサブプロセッサを制御するための、産業用設定で使用される、任意の形態の汎用コンピュータプロセッサのうちの1つ、例えばプログラム可能な論理制御装置(PLC)である。CPU226に連結されたメモリ227は、非一過性であり、典型的には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フロッピーディスクドライブ、ハードディスク、又は、他の任意の形態のローカル若しくはリモートのデジタルストレージといった、容易に入手可能なメモリのうちの1つ又は複数である。
【0029】
[0033]典型的には、メモリ227は、命令を包含するコンピュータ可読記憶媒体(例えば不揮発性メモリ)の形態であり、この命令は、CPU226によって実行されると、処理チャンバの動作を容易にする。メモリ227内の命令は、本開示の方法を実装するプログラムなどのプログラム製品(例えば、ミドルウェアアプリケーション、機器ソフトウェアアプリケーションなど)の形態である。プログラムコードは、いくつかの異なるプログラミング言語のうちのいずれかに適合し得る。一例では、本開示は、コンピュータシステムと共に使用されるコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプログラム製品として、実装され得る。プログラム製品のプログラム(複数可)が、(本書に記載の方法を含む)実施態様の機能を規定する。
【0030】
[0034]例示的なコンピュータ可読記憶媒体は、(i)情報が永続的に記憶される書込み不能な記憶媒体(例えば、CD-ROMドライブ、フラッシュメモリ、ROMチップ、又は任意の種類のソリッドステート不揮発性半導体メモリによって読み出し可能なCD-ROMディスクなどのコンピュータ内の読出し専用メモリデバイス)、及び(ii)変更可能な情報が記憶される書き込み可能な記憶媒体(例えば、ディスケットドライブ若しくはハードディスクドライブ内のフロッピーディスク又は任意の種類のソリッドステートランダムアクセス半導体メモリ)を含むが、これらに限定されない。このようなコンピュータ可読記憶媒体は、本書に記載の方法の機能を指示するコンピュータ可読命令を実行している場合には、本開示の実施態様となる。
【0031】
[0035]図3A-3Bは、他の実施態様による基板支持体及び/又は基板支持アセンブリを概略的に示しており、これらは、基板100の周縁エッジに近接する表面、例えば、斜角エッジ106の表面上への、材料層、例えばカーボンハードマスク層110の望ましくない堆積を減少させる及び/又は実質的に防止するために使用され得る。有益には、図3A-3Cに示される基板支持体及び/又は基板支持アセンブリは、図4に記載の表面処理方法と組み合わせて使用され、斜角エッジ106からのその後に堆積された材料層の剥離によって生じる欠陥を防止及び/又は実質的に減少させる。
【0032】
[0036]図3Aは、基板支持アセンブリ300の一部、ここでは基板支持体301及び環状エッジリング303の概略断面図であり、これらは、一実施態様によれば、図2に記載される基板支持体215及びエッジリング223の代わりに使用され得る。典型的には、基板支持体301は、誘電体材料で形成され、図2で記載される抵抗加熱素子219、冷却チャネル220及び/又はチャック電極221を含む基板支持体215の特徴の組み合わせのうちのいずれか一つを含み得る。基板支持体301のプラズマ対向面は、基板支持部分312と、基板支持部分312から半径方向外向きに配置された複数の整合タブ307とを特徴とする。いくつかの実施態様では、基板支持部分312は、複数のメサ314と、メサ314間に配置される複数の凹部316とを含み、これらは、基板100の非活性表面とともに、裏側の空間を画定する。いくつかの実施態様では、不活性熱伝導ガス、例えばHeは、熱伝導ガス源(図示せず)から裏側の空間へ送達されて、基板と基板支持体301の誘電体材料との間の熱伝導を容易にする。
【0033】
[0037]基板305は、半径R1で上から見たときに円形の形状を有する。整合タブ307の一つひとつは、基板100が基板支持部分312上に位置決めされるとき、基板100の所望の中心位置から半径R2の周りに互いに離間されている。半径R2は、基板半径R1よりも0.01mmと約5mmの間大きい。整合タブ307のそれぞれの半径方向内向きに面する表面は、半径R2で基板支持部分312と接続しており、そこから上向きに及び離れて(半径方向外向きに)傾斜する。整合タブ307のそれぞれは、基板支持体310の表面から、約0.3mmと約1mmの間の高さH1突出している。
【0034】
[0038]整合タブ307は、環状に成形されたエッジリング303の半径方向内向きに面する表面によって画定される領域内に基板100を中央に配置するのに役立ち、よって、基板100の斜角エッジを、基板100の円周の周りにエッジリング303から均等に離間させる。概して、エッジリング303は、その周縁エッジに近接する基板支持体310のプラズマ対向面上に配置される。ここでは、エッジリング303の半径方向内向きに面する表面は、第1の表面328と第2の表面329とを含む。エッジリング303が基板支持体301上に配置されるとき、第1の表面328はその基板支持部分312の表面に対して直交している。第2の表面329は、基板支持体301の表面から遠位の第1の表面328の末端に接続し、第1の表面328からエッジリング303の第3の表面330に向かって及びそれに接続するように上向きに及び離れて(半径方向外向きに)傾斜する。第3の表面330は、基板支持体301の基板支持部分312の表面に対して実質的に平行であり、第2の表面からエッジリング303の周縁エッジへ半径方向外向きに延びる。
【0035】
[0039]ここでは、第2の表面329と基板支持体301の基板支持部分312の表面に対して平行な面とによって形成される角度θ1は、約5°と約60°の間、例えば約5°と約45°の間、約5°と約30°の間、又は約60°以下、例えば約50°以下、約45°以下、約30°以下、約20°以下、若しくは約15°以下である。本明細書に記載される方法では、エッジリング303の第1の表面328は、基板100の周縁エッジから離間している。
【0036】
[0040]第1の表面328に対して測定されるときのエッジリング303の内半径R3は、典型的には、処理される基板の半径R1よりも約1mmと約5mmの間大きい。例えば、いくつかの実施態様では、エッジリング303は、基板100の周縁エッジから約5mm未満の距離、例えば約1mmと約5mmの間離間されるようにサイズ決定される。ここでは、内面は、約0.3mmと約1mmの高さH2を有し、これは、整合タブ307の高さH1と同じであっても異なっていてもよい。エッジリング303は、約1.2mmと約2.3mmの間の高さH3を有する。
【0037】
[0041]図3Bは、基板支持アセンブリ310の一部の概略断面図であり、これは、一実施態様によれば、図2に記載される基板支持体215及びエッジリング223の代わりに使用され得る。ここでは、基板支持アセンブリは、基板支持部分312を形成する誘電体材料の一体型の本体311と、基板支持部分の半径方向外向きに配置され、その表面から上向きに突出する環状ショルダ315とを特徴とする。環状ショルダ315は、基板支持部分312から上向きに及びそれから(半径方向外向きに)離れて傾斜する半径方向内向きに面する表面331を有し、基板支持部分312の表面に対して平行な面と共に約20°と約80°の間の角度θ2を形成する。
【0038】
[0042]いくつかの実施態様では、内向きに面する表面331と基板支持部分312の表面の平面との交点で測定されたショルダ315の内半径R4は、基板半径R1よりも約0.01mmと約5mmの間大きい。いくつかの実施態様では、ショルダ315の第3の表面332は、基板支持部分312の表面に対して実質的に平行であり、基板支持部分312から遠位の、内向きに面する表面の端部から、基板半径R1よりも約1mmと約25mmの間大きい半径R5へ半径方向外向きに延びる。いくつかの実施態様では、一体型の本体311は、その周縁エッジに近接して配置された環状レッジ317を特徴とする。ここでは、ショルダ315は、約0.5mmと約2.5mmの間の、基板支持部分312の表面の平面から第3の表面332まで測定された高さH4を有する。レッジ317は、約0.1mmと約2mmの間の、基板支持部分312の表面の平面から測定された高さH5を有する。
【0039】
[0043]図3Cは、基板支持アセンブリ320の一部の概略断面図であり、これは、別の実施態様によれば、図2に記載される基板支持体215及びエッジリング223の代わりに使用され得る。ここでは、基板支持アセンブリ320は、基板支持部分312を形成する誘電体材料の一体型の本体322と、半径方向外向きに配置されそこから上向きに突出している環状の第1のショルダ326と、第1のショルダ326の円周の周りに配置されそこから上向きに突出している環状の第2のショルダ327とを特徴とする。
【0040】
[0044]第1のショルダ326は、第1の内向きに面する表面352によって基板支持部分312に接続されている第1の上面350を特徴とする。第1の内向きに面する表面352は、基板支持部分312の表面から上向きに及び(半径方向外向きに)離れて傾斜して、その表面と約30°と約90°の間の角度θ3を形成する。ここでは、第1の内向きに面する表面352と基板支持部分312の表面との交点で測定された第1のショルダ326の内半径R6は、基板半径R1よりも約0.01mmと約5mmの間大きい。
【0041】
[0045]いくつかの実施態様では、第1の上面350は、約0.1mmと約1.2mmの間の、基板支持部分312の表面の平面から測定された高さH6を有する。第2のショルダ327は、第1の上面350から上向きに及び(半径方向外向きに)離れて傾斜する第2の内向きに面する表面353を有して、第1の上面350を第2の上面351に接続する。ここでは、第1の上面350及び第2の上面351は、それぞれ、基板支持部分312の表面に対して実質的に平行である。第2の内向きに面する表面353と第1の上面350との交点で測定された第2のショルダ327の内半径R7は、基板半径R1よりも約3mmと約20mmの間大きい。第2の内向きに面する表面353及び環状の第1のショルダ326は、約5°と約60°の間の角度θ4を形成する。第2のショルダ327は、約1mmと約2.5mmの間の、基板支持部分312の平面から測定された高さH7を有する。
【0042】
[0046]図4は、基板100の斜角エッジ106を処理して、その上への、続いて堆積される材料層、例えば、カーボンハードマスク層110の接着を改善する方法400を示すフロー図である。方法400は、任意の適切なプラズマ処理チャンバ、例えば処理チャンバ200内で実施され得る。いくつかの実施態様では、処理チャンバ200は、図3A-3Cに記載される基板支持体及び基板支持アセンブリのうちの一つを含む。
【0043】
[0047]方法400は、作業401で、図1Aに記載の基板100などの基板を、プラズマ処理チャンバの処理空間内に配置された基板支持体アセンブリ上に位置決めすることを含む。
【0044】
[0048]方法400は、作業402で、基板100の斜角エッジ106の表面からの基板汚染物質を場合によってはアニーリングすることを含む。ここで、基板100をアニーリングすることには、約20Torr未満、又は約1Torrと約20Torrの間の圧力で処理空間を維持しながら、基板100を約300℃以上、400℃以上、450℃以上、又は例えば約300℃と約700℃の間のアニーリング温度に加熱することを含む。典型的には、基板は、約60秒以上、例えば約90秒上、約120秒以上、又は例えば約160秒以上にわたってアニーリング温度で維持される。
【0045】
[0049]作業403では、方法400は、基板の表面をプラズマ処理することを含む。ここでは、基板100の表面のプラズマ処理には、処理ガスを処理空間内に流すことと、処理ガスの処理プラズマを形成することと、基板100の表面を処理プラズマに曝露することとが含まれる。典型的には、処理ガスは、材料堆積前駆体、例えば、炭素、ケイ素、及び/又は金属堆積前駆体を含まず、He、Ar、NH、N、又はOのうちの一つ又は組み合わせを含む。いくつかの実施態様では、処理ガスは、斜角表面の親水性を増加させるために選択されるガスの一つ又は組み合わせを含む。例えば、いくつかの実施態様では、処理ガスには、He単独と比較して、比較的重いプラズマ活性化種を生成する、Ar、N、又はそれらの組み合わせが含まれる。比較的重いプラズマ活性化種は、基板の斜角表面から材料を望ましくスパッタして、材料の粗さ、よって、親水性も増加させる。いくつかの実施態様では、処理ガスは、Oを含み、基板の斜角表面の酸化を容易にする。基板の斜角表面の酸化は、その親水性を望ましく増加させる。斜角表面を粗くすること及び/又はその表面の親水性を増加させることは、典型的には、続いて堆積される材料層の接着を改善し、よって、続いて堆積される材料層のそこからの剥離を望ましく減少させる。いくつかの実施態様では、処理ガスは、Oと、Ar及びNのうちの一方又は両方とを含む。
【0046】
[0050]いくつかの実施態様では、処理プラズマを形成することには、処理空間を約20Torr未満の圧力で維持しながら、処理空間内に配置されたシャワーヘッドにRF電力を印加することが含まれる。ここでは、処理プラズマを形成するのに使用されるRF電力は、基板表面1cmあたり約0.142ワット(W/cm)と約1.42W/cmの間である。例えば、300mmの直径の基板の場合、処理プラズマを形成するのに使用されるRF電力は、約100Wと約1000Wの間である。いくつかの実施態様では、処理プラズマを形成するのに使用されるRF電力は、約1.42W/cm未満、例えば、約0.71W/cm未満、約0.42W/cm未満、又は約0.28W/cm未満、又は、例えば約0.142W/cmと約0.71W/cmの間である。いくつかの実施態様では、基板の表面は、約1秒超、例えば、約5秒超、又は約10秒超、又は、例えば約1秒と約30秒の間にわたって、処理プラズマに曝露される。いくつかの実施態様では、基板は、プラズマ処理の持続期間中、作業402のアニーリング温度以上で維持される。他の実施態様では、方法400は、作業402及び403のうちの一方を行わずに実施される。
【0047】
[0051]作業404では、方法400は、基板を基板支持体にチャックすることを含む。いくつかの実施態様では、基板を基板支持体にチャックすることには、基板支持体内に配置されたチャック電極にチャック電圧を印加しながら、処理プラズマを維持することが含まれる。ここでは、起案を基板支持体にチャックすることは、作業403でのプラズマ処理の持続期間の開始時、その間、又はその終わりに行われ得る。
【0048】
[0052]動作405では、方法400には、基板の表面上に材料層を堆積することが含まれる。基板の表面上に材料層を堆積することには、1つ又は複数の材料堆積前駆体を処理空間内に流すことと、1つ又は複数の材料堆積前駆体の堆積プラズマを形成することと、基板表面を堆積プラズマに曝露して、その上に材料層を堆積することとが含まれる。ここでは、1つ又は複数の材料堆積前駆体は、炭素、ケイ素、又は金属前駆体のうちの一つ又は組み合わせを含む。いくつかの実施態様では、材料層を堆積することは、基板の表面上にアモルファスカーボン層、例えばアモカーボンハードマスクを堆積することを含む。典型的には、アモルファスカーボン層を堆積することは、炭素含有混合ガスを処理空間内に流すことと、そこから堆積プラズマを形成することとを含む。
【0049】
[0053]ここでは、炭素含有混合ガスには、少なくとも一つの炭素前駆体が含まれる。混合ガスは、不活性ガス、希釈ガス、窒素含有ガス、又はそれらの組み合わせをさらに含み得る。
【0050】
[0054]一実装形態では、炭素前駆体は、ガス状の炭化水素、例えば、一般式Cを有する直鎖状炭化水素であり、ここで、xは1から20の範囲であり、yは1から20の範囲である。一実施態様では、炭化水素はアルカンである。適切な炭化水素には、例えば、メタン(CH)、アセチレン(C)、エチレン(C)、エタン(C)、プロピレン(C)、及びブチレン(C)、シクロブタン(C)、及びメチルシクロプロパン(C)が含まれる。適切なブチレンには、1-ブテン、2-ブテン、及びイソブチレンが含まれる。他の適切な炭素含有ガスには、二酸化炭素(CO)及び四フッ化炭素(CF)が含まれる。一実施態様では、炭素前駆体はCを含む。
【0051】
[0055]適切な希釈ガス、例えば、とりわけ、ヘリウム(He)、アルゴン(Ar)、水素(H)、窒素(N)、アンモニア(NH)、又はそれらの組み合わせが、混合ガスに添加され得る。Ar、He、及びNは、アモルファスカーボン層の密度及び堆積速度を制御するのに使用される。いくつかの場合、N及び/又はNHの添加は、後述するように、アモルファスカーボン層の水素比率を制御するのに使用することができる。いくつかの実施態様では、炭素含有混合ガスは希釈剤を含まない。
【0052】
[0056]いくつかの実施態様では、炭素含有混合ガスは、ピリジン、脂肪族アミン、アミン、ニトリル、又はアンモニアの一つ又は組み合わせなどの窒素含有ガスをさらに含む。
【0053】
[0057]いくつかの実施態様では、堆積プラズマを形成することには、処理空間を約20Torr未満の圧力で維持しながら、処理空間内に配置されたシャワーヘッドにRF電力を印加することが含まれる。ここでは、堆積プラズマを形成するのに使用されるRF電力は、基板表面1cmの面積あたり約2.12ワット(W/cm)と約4.24W/cmの間であり、例えば、300mmの直径の基板の場合、堆積プラズマを形成するのに使用されるRF電力は、約1500Wと約3000Wの間である。いくつかの実施態様では、処理プラズマを形成するのに使用されるRF電力は、約2.12W/cm超、例えば約2.83W/cm超、又は約2.83W/cmと約4.24W/cmの間である。
【0054】
[0058]いくつかの実施態様では、基板上に材料層、例えばアモルファスカーボン層を堆積することには、基板を、約200℃と約700℃の間、例えば、約300℃と約700℃の間、約500℃と約700℃の間、又は例えば約200℃と約700℃の間の温度に維持することが含まれる。典型的には、処理空間は、約20Torr未満の圧力に維持される。いくつかの実施態様では、アモルファスカーボン層は、約10Åと約50,000Åの間、例えば、約300Åと約30,000Åの間、例えば、約500Åと約1,000Åの間の厚さまで堆積される。
【0055】
[0059]有益には、本明細書に記載の方法及び処理システムは、基板の斜角表面から堆積後材料の層剥離を実質的に排除し(斜角剥離)、よって、それに関連する微粒子の欠陥を実質的に排除するのに使用され得る。
【0056】
[0060]上記の説明は本開示の実施態様を対象としているが、本開示の基本的な範囲を逸脱しなければ、本開示の他の実施態様及び更なる実施態様が考案されてよく、本開示の範囲は以下の特許請求の範囲によって決まる。
図1A
図1B
図2
図3A-3C】
図4
【国際調査報告】