(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-21
(54)【発明の名称】ハイパースペクトルイメージングを使用する半導体プロセスの光学的診断
(51)【国際特許分類】
G01N 21/27 20060101AFI20220713BHJP
G01N 21/62 20060101ALI20220713BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20220713BHJP
【FI】
G01N21/27 B
G01N21/62 Z
H01L21/66 J
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569306
(86)(22)【出願日】2020-05-21
(85)【翻訳文提出日】2021-11-22
(86)【国際出願番号】 US2020033939
(87)【国際公開番号】W WO2020237016
(87)【国際公開日】2020-11-26
(32)【優先日】2019-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】シンカン,ティアン
【テーマコード(参考)】
2G043
2G059
4M106
【Fターム(参考)】
2G043AA03
2G043CA02
2G043EA08
2G043HA05
2G043HA06
2G043HA09
2G043JA03
2G043KA01
2G043KA02
2G043KA03
2G043KA07
2G043LA03
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2G059AA05
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2G059HH01
2G059HH02
2G059HH03
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2G059JJ18
2G059JJ19
2G059JJ22
2G059KK04
2G059MM01
4M106AA01
4M106BA04
4M106CA21
4M106CA39
4M106DB04
4M106DB16
4M106DH55
4M106DJ12
(57)【要約】
半導体製造プロセスを光学的に診断するための改善された装置及びシステム並びに関連する方法の実施形態が開示される。ハイパースペクトルイメージングシステムは、プラズマ処理システムにおけるプラズマからの発光のスペクトル分解画像を取得するために使用される。取得したハイパースペクトルイメージを使用して、プラズマの化学組成、及びプラズマプロセスのエンドポイントを決定することができる。代替として、プロセスのエンドポイントに到達したかどうかを含む、基板の特性、又は基板上に形成された層及びフィーチャの特性を決定するための処理前、処理中、若しくは処理後に、又は、基板の状態を検査するための処理前若しくは処理後に、ハイパースペクトルイメージングシステムを使用して、基板のスペクトル分解画像が取得される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理システムからの光学信号を検出するための光学検出器であって、前記光学検出器は、前記半導体処理システムの壁に取り付けられたウィンドウを通って伝達された光学信号を検出するように構成され、前記光学検出器は、
前記ウィンドウによって伝達された前記光学信号を集光及び伝達するように構成された集光光学部品と;
伝達された前記光学信号の波長を調整可能に選択するための波長調整可能フィルタと;
波長フィルタリングされた前記光学信号を検出するためのアレイ検出器と;
少なくとも前記波長調整可能フィルタ及び前記アレイ検出器を制御するための、及び前記アレイ検出器によって取得された画像を保存し処理するための、コントローラと、を備える光学検出器。
【請求項2】
前記半導体処理システムはプラズマ処理システムであり、前記光学信号はプラズマ光学発光信号を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記光学信号は回折光学信号を含み、前記回折光学信号は、前記半導体処理システム内に配置された基板の表面からの照射ビームを反射及び回折させることにより形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記波長調整可能フィルタは、前記照射ビームの波長を調整可能に選択するために、前記照射ビーム中に配置される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記照射ビームは、前記基板の前記表面に対して0度の入射角を有し、前記回折光学信号は0度の反射角で取得される、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記照射ビームは、前記基板の前記表面に対して0.1度~89度の入射角を有し、前記回折光学信号は0.1度~89度の反射角で取得される、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記集光光学部品は、集光レンズ、ステアリングミラー、アパーチャ、偏光子、光ファイバ、又はそれらの2つ以上の組み合わせを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記波長調整可能フィルタは、調整可能ファブリペロー共振器、音響光学調整可能フィルタ、液晶調整可能フィルタ、又はそれらの2つ以上の組み合わせを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記アレイ検出器は1次元又は2次元である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記アレイ検出器は、CCD検出器アレイ、CMOS検出器アレイ、フォトダイオードアレイ、又はそれらの2つ以上の組み合わせを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記コントローラは、光学スペクトルの深紫外線(DUV)、紫外線(UV)、可視光線(VIS)、及び赤外線(IR)の一部分における波長の範囲又は複数の重なり合う範囲若しくは重なり合わない範囲にわたって、前記波長調整可能フィルタの通過帯域波長を選択的に調整するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記コントローラは、前記アレイ検出器によって取得された画像のセットから構成されるイメージキューブを取得するように構成され、前記セット内の前記画像の各々は、前記波長調整可能フィルタが調整されている瞬間通過帯域波長によって定義された波長で取得されている、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
半導体基板検査システムにおいて基板から反射された光学信号を検出するための光学検出器であって、
前記光学信号を集光及び伝達するように構成された集光光学部品と;
伝達された前記光学信号の波長を調整可能に選択するための波長調整可能フィルタと;
波長フィルタリングされた前記光学信号を検出するためのアレイ検出器と;
少なくとも前記波長調整可能フィルタ及び前記アレイ検出器を制御するための、及び前記アレイ検出器によって取得された画像を保存し処理するためのコントローラと;を備える、光学検出器。
【請求項14】
半導体処理システムであって、
前記半導体処理システムの壁に取り付けられたウィンドウと、
前記半導体処理システムから前記ウィンドウによって伝達された光学信号を集光及び伝達するように構成された集光光学部品と;
伝達された前記光学信号の波長を調整可能に選択するための波長調整可能フィルタと;
波長フィルタリングされた前記光学信号を検出するためのアレイ検出器と;
少なくとも前記波長調整可能フィルタ及び前記アレイ検出器を制御するための、及び前記アレイ検出器によって取得された画像を保存し処理するための、コントローラと、を備える半導体処理システム。
【請求項15】
前記半導体処理システムはプラズマ処理システムであり、前記光学信号はプラズマ光学発光信号を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記光学信号は回折光学信号を含み、前記回折光学信号は、前記半導体処理システム内に配置された基板の表面からの照射ビームを反射及び回折させることにより形成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記波長調整可能フィルタは、前記照射ビームの波長を調整可能に選択するために、前記照射ビーム中に配置される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
基板検査システムであって、
検査される基板を受け取るためのステージと;
前記基板を照射するための照射光源と;
前記基板を照射することによって引き起こされる光学信号を集光及び伝達するように構成された集光光学部品と;
伝達された前記光学信号の波長を調整可能に選択するための波長調整可能フィルタと;
波長フィルタリングされた前記光学信号を検出するためのアレイ検出器と;
少なくとも前記波長調整可能フィルタ及び前記アレイ検出器を制御するための、及び前記アレイ検出器によって取得された画像を保存し処理するための、コントローラと、を備える、基板検査システム。
【請求項19】
プラズマ処理システムにおけるプラズマプロセスステップを診断するための方法であって、
前記プラズマ処理システムのプラズマ処理チャンバ内でプラズマを点火することと;
前記プラズマ処理チャンバの壁に取り付けられたウィンドウを通して、及び集光光学部品を通して、プラズマ光学発光信号を集光することと;
集光された前記プラズマ光学発光信号の波長を調整可能に選択するために、前記集光光学部品からの前記プラズマ光学発光信号を波長調整可能フィルタに導くことと;
アレイ検出器を使用して、波長フィルタリングされた前記プラズマ光学発光信号を検出することと;
前記アレイ検出器によって取得された画像をコントローラに保存し処理することであって、
前記コントローラは、少なくとも前記波長調整可能フィルタ及び前記アレイ検出器を制御するように構成されている、ことと;を含む方法。
【請求項20】
光学スペクトルの深紫外線(DUV)、紫外線(UV)、可視光線(VIS)、及び赤外線(IR)の一部分における波長の範囲又は複数の重なり合う範囲若しくは重なり合わない範囲にわたって、前記波長調整可能フィルタの通過帯域波長を選択的に調整すること、を更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記アレイ検出器によって検出された画像のセットから構成されるイメージキューブを形成することであって、前記セットにおける前記画像の各々は、前記波長調整可能フィルタが調整されている瞬間通過帯域波長によって定義された波長で取得されている、こと、を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記プラズマプロセスステップ中に取得された一連のイメージキューブから形成された一連のプラズマ光学発光スペクトルから、前記プラズマプロセスステップのエンドポイントを決定すること、を更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも1つのイメージキューブから形成された少なくとも1つのプラズマ光学発光スペクトルから、前記プラズマの少なくとも1つの化学成分の相対濃度を決定すること、を更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
半導体処理システム内に配置された基板上に形成された少なくとも1つの層又は構造体の少なくとも1つの特性を測定するための方法であって、
前記半導体処理システムにおいてプロセスステップを開始することと;
前記基板を照射ビームで照射することであって、前記照射ビームの一部は前記基板から反射及び回折されて回折光学信号を形成する、ことと;
前記回折光学信号を、前記半導体処理システムの壁に取り付けられたウィンドウを通して、及び集光光学部品を通して、集光することと;
前記照射ビーム中又は前記回折光学信号中のいずれかに配置された波長調整可能フィルタを使用して、それぞれ、前記照射ビーム又は前記回折光学信号のいずれかの波長を調整可能に選択して、波長フィルタリングされた回折光学信号を形成することと;
アレイ検出器を使用して、前記波長フィルタリングされた回折光学信号を検出することと;
前記アレイ検出器によって取得された画像をコントローラに保存し処理することであって、
前記コントローラは、少なくとも前記波長調整可能フィルタ及び前記アレイ検出器を制御するように構成されている、ことと;を含む方法。
【請求項25】
光学スペクトルの深紫外線(DUV)、紫外線(UV)、可視光線(VIS)、及び赤外線(IR)の一部分における波長の範囲又は複数の重なり合う範囲若しくは重なり合わない範囲にわたって、前記波長調整可能フィルタの通過帯域波長を選択的に調整すること、を更に含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記アレイ検出器によって検出された画像のセットから構成されるイメージキューブを形成することであって、前記セットにおける前記画像の各々は、前記波長調整可能フィルタが調整されている瞬間通過帯域波長によって定義された波長で取得されている、ことを更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
少なくとも1つのイメージキューブから導出された少なくとも1つの回折光学スペクトルから、前記基板上に形成された層又は構造体の少なくとも1つの特性を決定すること、を更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記基板上の層又は構造体の前記少なくとも1つの特性は、プロファイル上部の限界寸法(CD)、プロファイル下部の限界寸法(CD)、プロファイル中間部の限界寸法(CD)、プロファイルの側壁角度、層の厚さ、層の光学特性、エッチングされている層の残りの厚さ、である、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記プロセスステップ中に取得された一連のイメージキューブから導出された一連の回折光学スペクトルから、前記プロセスステップのエンドポイントを決定すること、を更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
少なくとも1つの選択されたイメージキューブの画像における前記基板上の位置と画素位置との空間的対応を決定することと;
前記少なくとも1つの選択されたイメージキューブから少なくとも1つの回折光学スペクトルを導出することと;を更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記少なくとも1つの回折光学スペクトルは、前記少なくとも1つの選択されたイメージキューブ内の全ての画像又は選択された画像サブセットにわたる単一の選択された画素位置から導出される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記少なくとも1つの回折光学スペクトルは、前記少なくとも1つの選択されたイメージキューブ内の全ての画像又は選択された画像サブセットにわたる画素位置の少なくとも1つの選択された領域から導出される、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記少なくとも1つの回折光学スペクトルは、前記少なくとも1つの選択されたイメージキューブ内の全ての画像又は選択された画像サブセットにわたる全ての画素位置から導出される、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
少なくとも2つのイメージキューブ内の全ての画像又は選択された画像サブセットにわたって、少なくとも2つの回折光学スペクトルが単一の画素位置から導出され、前記単一の画素位置は、2つの導出された回折光学スペクトル間の少なくとも1つの光強度の変化率が光強度の事前選択された閾値変化率を超えるように選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項35】
少なくとも2つのイメージキューブ内の全ての画像又は選択された画像サブセットにわたって、少なくとも2つの回折光学スペクトルが画素位置の領域から導出され、前記画素位置の領域は、2つの導出された回折光学スペクトル間の少なくとも1つの光強度の変化率が光強度の事前選択された閾値変化率を超えるように選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項36】
基板検査システムにおいて基板を検査するための方法であって、
前記基板検査システムにおけるステージ上に前記基板を配置することと;
前記基板を照射光源で照射することと;
前記基板を照射することによって引き起こされる光学信号を、集光光学部品を介して集光することと;
前記集光された光学信号の波長を調整可能に選択するために、前記集光光学部品からの前記集光された光学信号を波長調整可能フィルタに導くことと;
アレイ検出器を使用して波長フィルタリングされた前記信号を検出することと;
前記アレイ検出器によって取得された画像をコントローラに保存し処理することであって、
前記コントローラは、少なくとも前記波長調整可能フィルタ及び前記アレイ検出器を制御するように構成されている、ことと;を含む方法。
【請求項37】
光学スペクトルの深紫外線(DUV)、紫外線(UV)、可視光線(VIS)、及び赤外線(IR)の一部分における波長の範囲又は複数の重なり合う範囲若しくは重なり合わない範囲にわたって、前記波長調整可能フィルタの通過帯域波長を選択的に調整すること、を更に含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記アレイ検出器によって検出された画像のセットから構成されるイメージキューブを形成することであって、前記セットにおける前記画像の各々は、前記波長調整可能フィルタが調整されている瞬間通過帯域波長によって定義された波長で取得されている、こと;を更に含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
少なくとも1つのイメージキューブから導出された少なくとも1つの光学スペクトルから、前記基板の、又は前記基板上に形成された層又は構造体の、少なくとも1つの特性を決定すること、を更に含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
少なくとも1つの選択されたイメージキューブの画像における前記基板上の位置と画素位置との空間的対応を決定することと;
前記少なくとも1つの選択されたイメージキューブから少なくとも1つの光学スペクトルを決定することと;を更に含む、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記少なくとも1つの光学スペクトルは、前記少なくとも1つの選択されたイメージキューブ内の全ての画像又は選択された画像サブセットにわたる単一の選択された画素位置から導出される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記少なくとも1つの光学スペクトルは、前記少なくとも1つの選択されたイメージキューブ内の全ての画像又は選択された画像サブセットにわたる画素位置の少なくとも1つの選択された領域から導出される、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
前記少なくとも1つの光学スペクトルは、前記少なくとも1つの選択されたイメージキューブ内の全ての画像又は選択された画像サブセットにわたる全ての画素位置から導出される、請求項40に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、同時係属中の2019年5月23日に出願された米国仮特許出願第62/851,756号明細書、題名「OPTICAL DIAGNOSTICS OF A SEMICONDUCTOR PROCESS USING HYPERSPECTRAL IMAGING」(参照番号181412US01)に関連し、その優先権の利益を主張し、その全ての内容が参照として本明細書に組み込まれる。本出願は、2020年3月16日に出願された「ENHANCED RESOLUTION IN SEMICONDUCTOR FABRICATION DATA ACQUISITION INSTRUMENTS USING MACHINE LEARNING」(参照番号181077US02)と題する同時係属中の米国特許出願第16/820,032号明細書に関連し、その全ての内容が参照として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、半導体製造プロセスの状態を光学的に診断するための装置及びシステム、並びに関連する方法に関する。より具体的には、本発明は、半導体製造プロセス及び処理されている基板の状態を診断するためのハイパースペクトルイメージングの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
光学的診断は主流の半導体製造プロセスに入ってきており、現在、プラズマの有無にかかわらず、様々な種類の半導体製造プロセスの診断に使用されている。プロセスパラメータ及びプロセス結果を測定するために光学的診断が使用され得るプロセスには、フォトリソグラフィによるパターン形成、エッチング、堆積、洗浄プロセスなどが含まれる。
【0004】
多くの光学診断方法は、典型的には小型のオンツール分光計を使用して取得される光学スペクトルの測定を利用する。エッチング又は原子層エッチング(ALE)などのプラズマプロセスでは、プロセスエンドポイント検出(EPD)のために、及びプラズマエッチングプロセスの他のパラメータ、例えばプラズマ処理環境の化学組成、を決定するために、エッチングプラズマからの光学発光スペクトルを取得し分析することができる。光学発光分光法(OES)という用語で一般にグループ化される例示的な技術は、米国特許第9,330,990号明細書及び同第10,002,804号明細書、題名「METHOD OF ENDPOINT DETECTION OF PLASMA ETCHING PROCESS USING MULTIVARIATE ANALYSIS」(参照番号TTI-240_US_ORD_1及びTTI-240_US_CON_2)、米国特許出願公開第15/469,303号明細書及び同第15/469,317号明細書、題名「CONTROLLING DRY ETCH PROCESS CHARACTERISTICS USING WAFERLESS DRY CLEAN OPTICAL EMISSION SPECTROSCOPY」(参照番号TEA-136_US_ORD_2及びTEA-136_US_ORD_3)、及び米国特許第10,436,717号明細書、題名「COMPOSITIONAL OPTICAL EMISSION SPECTROSCOPY FOR DETECTION OF PARTICLE INDUCED ARCS IN AN ETCH PROCESS」(参照番号 TEA-138_US_ORD_2)、でより詳細に記載されており、その内容全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【0005】
光学発光分光法(OES)エンドポイント信号は、エッチングプラズマの光学発光スペクトルの変化によって明らかになるように、エッチングプロセス中に特定の層が完全にエッチングされて下にある層が露出されたことを示す。半導体デバイスのフィーチャサイズが継続的に縮小している一方で、開口面積が小さいプラズマエッチングプロセスによるエンドポイント検出(EPD)に対する要求が高まっているが、このようなプロセスでは、エッチスルー条件でのプラズマスペクトルシグネチャが弱くなりつつある。これにより、エッチングエンドポイントを正確に捕捉できるようにするために、次第に高い信号対ノイズ比(SNR)を有する分光計の使用が必要になる。同時に、エッチングプロセス自体の要求により、高スループットが維持されること、すなわち、正確なエンドポイント検出(EPD)を可能にするのに十分に速い速度で光学スペクトルが分光計によって取得されること、が求められる。これらの要求及びこれらの要求がもたらすトレードオフは、サイクルにおけるステップ同士でのプラズマ条件が大きく異なり、各サイクルの移行部分において、プラズマ中の高速な過渡現象が優位を占めるような、原子層エッチング(ALE)などのサイクリックなプラズマエッチングプロセスにおいて、更に増幅される。
【0006】
光学診断法の別の一群では、分光計を使用して、プロセス中にワークピース(ウェハ、基板など)の表面から反射される広帯域ビームのスペクトル含有量を測定する。一般にスキャトロメトリ及びリフレクトメトリとして知られるグループに分類されるこれらの光学診断方法は、一般にプラズマ光学発光に依存しない(しかし依存してもよい)ので、プラズマ及び非プラズマの両方の、より広い範囲の半導体製造プロセスに適用可能である。基板上の構造体及びフィーチャからの照射ビームを反射及び回折させることにより構築された取得された広帯域光学スペクトルは、複数の異なる用途で利用できる。例としては、基板上に形成された層の厚さを測定するため、基板上に形成された構造体又はフィーチャの寸法を測定するため、基板上の層及びフィーチャを形成する材料の特性を測定するためなどに、プロセスのエンドポイントを検出することが挙げられる。これら全ての方法に共通するのは、プロセスを診断及び制御するために、光学診断が、とりわけ、処理されている基板上の層とフィーチャを対象としていることである。いくつかの例示的な技術は、米国特許第9,059,038号明細書、題名「SYSTEM FOR IN-SITU FILM STACK MEASUREMENT DURING ETCHING AND ETCH CONTROL METHOD」(参照番号TTI-139_US_ORD_1)、米国特許出願第15/472,494号明細書、題名「ADVANCED OPTICAL SENSOR,SYSTEM,AND METHODOLOGIES FOR ETCH PROCESS MONITORING」(参照番号TTI-249_US_PRI_1)、米国特許出願第16/051,082号明細書、題名「NORMAL-INCIDENT IN-SITU PROCESS MONITOR SENSOR」(参照番号180903US01)、により詳細に記載されており、その内容が全体として本明細書に参考として組み込まれる。
【0007】
回折格子又は他の分散光学要素を備える従来の分光計では、分光計の信号対雑音比(SNR)は一般に、そのスループットに強く反比例する。より高い信号対雑音比(SNR)を実現するには、その要素又は画素が、取得された光学スペクトルの波長に対応する、検出器アレイの全ての画素において、より強い光学信号を取得する必要がある。信号を増加させる従来の手段は、(a)分光計の入口スリット幅を増加させること、及び(b)取得時間を増加させることである。典型的にはより大きな開口数(NA)のフォーカスレンズ又はミラーと組み合わせて使用される前者の方法は、検出器アレイに到達する光の量を増加させて信号対雑音比(SNR)を改善させるのに効果的である一方で、スペクトル分解能が低下するという欠点がある。このことは、間隔が近接したスペクトルピークを分光計が分離できないという結果をもたらし得る。スペクトル情報のこのような損失により、取得されたスペクトルはプロセスの診断及び制御に不適切になり得る。後者の方法は、分光計のスループットを低減させるには望ましくない。なぜなら、取得時間を長くして、より多くの信号が検出器アレイ画素において収集されることを可能にすると、光学スペクトルを取得する速度が低下するからである。スループットのこのような低下はプロセスエンドポイントの正確なタイミングが極めて重要な、エンドポイント検出(EPD)などの方法において、障害となり得る。
【0008】
プロセス診断、特にエッチング診断の現在の要求により、前述したトレードオフは、あらゆる新世代のデバイス及びプロセスにおいてより厳しくなっている。したがって、信号対雑音比(SNR)を増加させるためにスループット及びスペクトル分解能を犠牲にする必要がない、又はこれらのトレードオフを最小限に抑える、半導体処理のその場での診断及び制御において使用する、新しい分光計の設計と光学診断システムが必要である。
【0009】
その目的のために、本発明は、従来の分光計の代替として、ハイパースペクトルイメージング技術を使用する、半導体製造プロセスの光学的診断及び制御のためのシステム及び方法を提案する。
【0010】
ハイパースペクトルイメージングはイメージング技術であるため、半導体処理において更に広範な光学診断方法に適用可能である。例えば、基板又は基板の領域を画像化して、基板、並びにその上に形成された構造体及び層、の状態を決定することを伴う光学診断であって、ハイパースペクトルイメージングによって提供される完全なスペクトル情報の知識から利益を得る光学診断は全て、本技術の使用に適した候補である。ハイパースペクトルイメージングを使用できる光学診断の例には、フォトリソグラフィパターニングプロセスにおける現像後検査(ADI)、様々なイメージング欠陥検査ステップ、基板上の汚染検出などの、様々な光学イメージング検査ステップが含まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、半導体処理中の基板の状態を診断するための、及び/又は半導体製造プロセス自体の状態を光学的に診断及び制御するための、ハイパースペクトルイメージングのための装置及びシステムの方法及び複数の実施形態に関する。
【0012】
一実施形態では、半導体処理システムからの光学信号を検出するための光学検出器が提供される。光学検出器は、半導体処理システムの壁に取り付けられたウィンドウを通って伝達される光学信号を検出するように構成されている。光学検出器は、ウィンドウによって伝達された光学信号を集光及び伝達するように構成された集光光学部品と;伝達された光学信号の波長を調整可能に選択するための波長調整可能フィルタと;波長フィルタリングされた光学信号を検出するためのアレイ検出器と;少なくとも波長調整可能フィルタ及びアレイ検出器を制御するための、及びアレイ検出器によって取得された画像を保存及び処理するための、コントローラと;を備える。光学検出器は、光学発光分光法(OES)用途におけるように、エンドポイント検出(EPD)を含むプラズマ光学発光を含む光学信号を検出するために使用できる。光学検出器はまた、回折光学信号を検出するためにも使用でき、回折光学信号は、半導体処理システム内の基板の表面からの照射ビームを反射及び回折させることにより生成される。照射ビーム及び回折光学信号は、基板上に垂直に入射することができ、又は光学検出器は、基板上に斜め(非垂直)に入射するように構成されることができる。集光レンズ、ステアリングミラー、アパーチャ、光ファイバ、偏光子などは、集光光学部品を備えることができる。波長調整可能フィルタは、調整可能ファブリペロー共振器、音響光学調整可能フィルタ、及び液晶調整可能フィルタを備え得るが、これらに限定されない。用途の要件に応じて、アレイ検出器は1次元又は2次元とすることができ、CCD検出器アレイ、CMOS検出器アレイ、フォトダイオードアレイなどを備えることができるが、これらに限定されない。コントローラは、光学スペクトルの深紫外線(DUV)、紫外線(UV)、可視光線(VIS)、及び赤外線(IR)の一部分における波長の範囲又は複数の重なり合う範囲若しくは重なり合わない範囲にわたって、波長調整可能フィルタの通過帯域波長を選択的に調整するように構成されてもよい。コントローラは更に、イメージキューブを取得するように構成されてもよく、各イメージキューブはアレイ検出器によって取得された画像のセットから構成され、セット内の各画像は、波長調整可能フィルタが調整されている瞬間通過帯域波長によって定義された波長で取得されている。一実施形態では、光学検出器は、処理ステップ中又は完了後に基板を(画像化することにより)検査するために、半導体基板検査システムにおいて使用され得る。検査システムは、半導体処理システムの一部にすることができ、又は独立型のキオスクタイプの検査システムにすることができる。
【0013】
更なる実施形態は、半導体処理システムと、上記の光学検出器を備える半導体基板検査システムとを含む。半導体処理システムは、プラズマ若しくは非プラズマ処理システム、又は混合チャンバタイプ処理システムであり得る。半導体基板検査システムは、半導体処理システムの一部にすることができ、又は独立型のキオスクタイプの検査システムにすることができる。
【0014】
更なる実施形態は、プラズマ処理システムにおけるプラズマ処理ステップを診断するための方法を含み、この方法は、プラズマ処理システムのプラズマ処理チャンバ内でプラズマを点火することと;プラズマ処理チャンバの壁に取り付けられたウィンドウを通して、及び集光光学部品を通して、プラズマ光学発光信号を集光することと;集光されたプラズマ光学発光信号の波長を調整可能に選択するために、集光光学部品からのプラズマ光学発光信号を波長調整可能フィルタに導くことと;アレイ検出器を使用して、波長フィルタリングされたプラズマ光学発光信号を検出することと;アレイ検出器によって取得された画像をコントローラに保存し処理することと、を含む。本方法は、光学スペクトルの深紫外線(DUV)、紫外線(UV)、可視光線(VIS)、及び赤外線(IR)の一部分における波長の範囲又は複数の重なり合う範囲若しくは重なり合わない範囲にわたって、波長調整可能フィルタの通過帯域波長を選択的に調整することを更に含み得る。本方法は、イメージキューブを形成することをなお更に含むことができ、イメージキューブは、アレイ検出器によって検出された画像のセットから構成され、セット内の各画像は、波長調整可能フィルタが調整されている瞬間通過帯域波長によって定義された波長で取得されている。本方法は、プラズマプロセスステップ中に取得された一連のイメージキューブから形成された一連のプラズマ光学発光スペクトルから、プラズマプロセスステップのエンドポイントを決定するために使用できる。本方法はまた、イメージキューブから形成されたプラズマ光学発光スペクトルからプラズマの化学成分の相対濃度を決定するためにも使用できる。
【0015】
なお更なる実施形態は、半導体処理システム内に配置された基板上に形成された層又は構造体の特性を測定するための方法を含み、この方法は、半導体処理システムにおいてプロセスステップを開始することと;基板を照射ビームで照射し、照射ビームの一部は基板から反射及び回折されて回折光学信号を形成する、ことと;回折光学信号を、半導体処理システムの壁に取り付けられたウィンドウを通して、及び集光光学部品を通して、集光することと;集光された回折光学信号の波長を調整可能に選択するために、集光光学部品からの回折光学信号を波長調整可能フィルタに導くことと;アレイ検出器を使用して、波長フィルタリングされた回折光学信号を検出することと;アレイ検出器によって取得された画像をコントローラに保存し処理することと;を含む。基板上の層又は構造体の特性は、プロファイル上部の限界寸法(CD)、プロファイル下部の限界寸法(CD)、プロファイル中間部の限界寸法(CD)、プロファイルの側壁角度、層の厚さ、層の光学特性、エッチングされている層の残りの厚さ、等であり得る。更には、プロセスステップのエンドポイントは、プロセスステップ中に取得された一連のイメージキューブから導出された一連の回折光学スペクトルから決定され得る。
【0016】
本方法は、基板上の位置とイメージキューブの画像における画素位置との空間的対応を決定すること、及び回折された光学スペクトルをイメージキューブから導出すること、を更に含み得る。回折された光学スペクトルは、イメージキューブ内の全ての画像又は画像サブセットにわたる、単一の選択された画素位置から導出され得る。回折された光学スペクトルはまた、イメージキューブ内の全ての画像又は選択された画像サブセットにわたる画素位置の少なくとも1つの選択された領域から導出され得る。最後に、回折された光学スペクトルは、イメージキューブ内の全ての画像又は選択された画像サブセットにわたる全ての画素位置から導出され得る。
【0017】
回折された光学スペクトルをイメージキューブから抽出するための上記の3つのステップと同じものが、プラズマ診断アプリケーションにおいてイメージキューブからプラズマ光学発光スペクトルを抽出するためにも使用できる。その場合、イメージキューブの画像内の画素位置は基板上の位置に対応せず、プラズマ光学発光信号が取得される、プラズマ処理チャンバ内のプローブ容積の領域に対応する。
【0018】
これらの同じステップは、基板検査システムにおいてイメージキューブから光学スペクトルを抽出するために更に使用できる。
【0019】
基板検査システムにおいて、基板を検査する方法の実施形態は、基板検査システム内のステージ上に基板を配置することと;照射光源で基板を照射することと;基板を照射することによって引き起こされる光学信号を集光光学部品を介して集光することと;集光された光学信号の波長を調整可能に選択するために、集光光学部品から集光された光学信号を波長調整可能フィルタに導くことと;アレイ検出器を使用して波長フィルタリングされた信号を検出することと;アレイ検出器によって取得された画像をコントローラに保存し処理することと;を含む。本方法は、基板の又は基板上に形成された層又は構造体の、少なくとも1つの特性を、画像からスペクトルを抽出する前述の方法に従って、イメージキューブから導出された少なくとも1つの光学スペクトルから決定することを更に含み得る。
【0020】
以下の詳細な説明を参照し、特に添付図面と併せて検討すると、本発明のより完全な理解及びそれに付随する多くの利点が容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1A】本発明の実施形態による、光学検出器を備えるプラズマ処理システムの概略図である。
【
図1B】本発明の別の実施形態による、光学検出器を備えるプラズマ処理システムの概略図である。
【
図2A】本発明の実施形態による、垂直入射用に構成された光学検出器を備える半導体処理システムの概略図である。
【
図2B】本発明の別の実施形態による、垂直入射用に構成された光学検出器を備える半導体処理システムの概略図である。
【
図3A】本発明の実施形態による、斜め入射用に構成された光学検出器を備える半導体処理システムの概略図である。
【
図3B】本発明の別の実施形態による、斜め入射用に構成された光学検出器を備える半導体処理システムの概略図である。
【
図4A】本発明の実施形態による、光学検出器を備える基板検査システムの概略図である。
【
図4B】本発明の別の実施形態による、光学検出器を備える基板検査システムの概略図である。
【
図5A】本発明の実施形態による、取得されたイメージキューブから光学スペクトルを抽出するためのステップの概略図である。
【
図5B】本発明の実施形態による、取得されたイメージキューブから光学スペクトルを抽出するためのステップの概略図である。
【
図5C】本発明の実施形態による、取得されたイメージキューブから光学スペクトルを抽出するためのステップの概略図である。
【
図6A】本発明の更なる実施形態による、垂直入射用に構成された光学検出器を備える半導体処理システムの概略図である。
【
図6B】本発明の更なる実施形態による、斜め入射用に構成された光学検出器を備える半導体処理システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の説明では、本発明の完全な理解を容易にするために、そして限定する目的ではなく説明する目的のために、光学検出器、プラズマ処理システム、非プラズマ半導体処理システム、及び光学画像検査システムの具体的な形状、並びに様々な構成要素とプロセスの説明などの、具体的な詳細が述べられる。しかしながら、本発明は、これらの具体的な詳細から逸脱する他の実施形態で実施され得ることを理解すべきである。
【0023】
この明細書の全体を通して「一実施形態」又は「実施形態」に言及することは、その実施形態に関して記載する特定の特徴、構造、材料又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味するが、それらが全ての実施形態に存在することを示すものではない。したがって、本明細書全体を通じて様々な箇所に出現する語句「一実施形態において」又は「実施形態において」は必ずしも本発明の同一実施形態を指すわけではない。更に、特定の特徴、構造、材料、又は特性は、1つ以上の実施形態で任意の適当な仕方で組み合わされていてよい。
【0024】
様々な操作が、複数の別個の操作として順番に説明されるが、これは、本発明を最も理解しやすい順番である。しかしながら、説明の順序は、それらの操作が必ず順序依存であることを示唆するものとして解釈されるべきではない。具体的には、これらの操作は、説明された順序で実施される必要がない。説明された操作は、説明された実施形態と異なる順序で実施されてよい。追加の実施形態では、様々な追加の操作が実施されてもよく、且つ/又は説明された操作が省略されてもよい。
【0025】
図1A及び
図1Bは、本発明の実施形態による半導体処理システムを示す。
図1Aは、プラズマを利用して基板を処理する例示的な半導体処理システム、例えば、エッチング処理システム、原子層エッチング(ALE)システム、堆積システムなどを示し、これを以下ではプラズマ処理システム100と称する。プラズマ処理システム100はプラズマ処理チャンバ110を備え、プラズマ処理チャンバは、誘導プラズマ源(ICP)、容量プラズマ源(CCP)、トランス結合プラズマ源(TCP)、マイクロ波プラズマ源、表面波プラズマ源(SWP)など(図示せず)を更に含み得る。ガス供給システム(図示せず)と共に、プラズマ源を使用して、プラズマ処理チャンバ110内で支持部材115上に配置された基板120の上方でプラズマを発生させ維持する。支持部材115は、静電チャック(ESC)、サセプタなどであり得る。
【0026】
光学検出器140は、プラズマ処理チャンバ110内のプラズマの状態を監視するために使用される。プラズマ処理チャンバ110の側壁にウィンドウ130が設けられて、光学信号、この場合はプラズマ光学発光信号170、がプラズマ処理チャンバ110を出て光学検出器140に入ることが可能になる。代替的実施形態では、ウィンドウ130は、プラズマ処理チャンバ110の上壁に取り付けられてもよく、その場合、光学検出器140はプラズマ処理チャンバ110の上方に取り付けられてもよく、又は例えば光ファイバを使用して、プラズマ光学発光信号170が、離れた場所にある光学検出器140に送られてもよい。ウィンドウ130は、光学スペクトルの深紫外線(DUV)、紫外線(UV)、可視光線(VIS)、及び赤外線(IR)の部分を透過する好適な材料で作製できる。例えば、ウィンドウ130は、様々なタイプのガラス、例えば、ホウケイ酸ガラス、石英、サファイアなどを含むことができる。プラズマからの材料の過剰な堆積からウィンドウ130を保護するための設備、例えば、穴あきグリッド、パージガス注入システム(図示せず)など、が設けられてもよい。
【0027】
光学検出器140は、集光光学部品145、波長調整可能フィルタ150、及びアレイ検出器160を備え、これらは一緒にハイパースペクトルイメージング(HSI)システムを構成する。光学検出器及びその構成要素は、少なくとも波長調整可能フィルタ150及びアレイ検出器160と通信するコントローラ180によって制御される。波長調整可能フィルタは、ファブリペロー共振器、音響光学調整可能フィルタ、液晶調整可能フィルタ、又はコントローラ180によって選択され制御されて通過帯域波長を変化させることが可能な任意の他の調整可能狭帯域光学フィルタデバイスを備えることができる。用途に応じて、アレイ検出器160は、1次元アレイ検出器(すなわち、ライン検出器)又は2次元アレイ検出器であり得る。アレイ検出器160は、用途が要求する場合、CCD検出器アレイ、CMOS検出器アレイ、フォトダイオードアレイ、又はアレイ検出器160の異なる部分のための様々な種類の検出器の組み合わせ、を備え得る。例えば、波長感度の固有の違いなどに起因して、様々な波長範囲に対して、様々なアレイ検出器タイプを並べて又は積み重ねて使用できる。
【0028】
動作中、プラズマ光学発光信号170は、集光光学部品145により集光され、伝達された光学信号172として波長調整可能フィルタ150に導かれる。集光光学部品145は、伝達された光学信号172を形成するために必要な、集光レンズ、ステアリングミラー、アパーチャ、偏光子、光ファイバなどの任意の組み合わせを備え得る。
図1Aはファブリペロー共振器の例を示し、2つの半反射ミラー152が、制御可能なギャップG
iによって離隔配置されて、光共振器155を形成している。コントローラ180により空間G
iが変化されると、異なる通過帯域波長がファブリペロー共振器によって選択的に伝達されて、波長フィルタリングされた光学信号175が形成され、これがアレイ検出器160に入射する。例示的な好適なファブリペロー共振器は、TruTag Technologiesから入手可能なModel 4200 HinaLea Hyperspectral Imagerである。2.3メガ画素のアレイ検出器に一体化されたこのファブリペロー共振器は、200~1000nmのスペクトル範囲と最大600のスペクトル帯とを備える。
【0029】
動作中、コントローラ180は、制御可能なギャップG
iを制御して、通過帯域波長の掃引を実行する一方で、同時にアレイ検出器160は画像を取得し、続いて画像はコントローラ180によって受信され、そこで保存及び/又は処理され得る。波長調整可能フィルタ150の通過帯域波長が変化するにつれて、アレイ検出器160によって取得された各画像が、波長調整可能フィルタ150によって選択された瞬間通過帯域波長で取得されることになる。このようにして、以下では「イメージスタック」又は「イメージキューブ」と称するが、波長調整可能フィルタ150の通過帯域波長の掃引ごとに取得され、コントローラ180によって受信される(
図5A~
図5Cを参照)。通過帯域波長掃引を繰り返して、連続するイメージキューブを取得できる。コントローラ180は、例えば、通過帯域波長の連続掃引を、波長調整可能フィルタ150の最小通過帯域波長から最大通過帯域波長まで実行するようにプログラムされ得る。しかしながら、実際には、光学スペクトルのある部分のみが関心の対象となり得るので、コントローラ180は、光学スペクトルの深紫外線(DUV)、紫外線(UV)、可視光線(VIS)、及び赤外線(IR)の部分における波長の範囲又は複数の重なり合う範囲若しくは重なり合わない範囲にわたって、通過帯域波長を選択的に調整するようにプログラムされてもよい。このようにして、関心の対象である波長範囲のみが取得されるので、スループットは増加する。
【0030】
ファブリペロー共振器の場合、通過帯域波長を切り替えて設定する典型的な時間は0.1msの近傍にあるので、例えば100個の通過帯域波長を選択し、対応する画像をアレイ検出器160によって10msで形成することが可能になる。このスペクトル取得速度は、一部の高性能分光計の速度よりも遅い場合があるが、ハイパースペクトルイメージング(HSI)システムの利点は、プラズマ光学発光信号170を介して受光される光の量が、分光器のスリット幅及び集光光学部品の開口数(NA)によって限定されないことである。実際、集光光学部品145において、大きな有効口径を使用することができ、その結果、アレイ検出器160によって検出される信号は強くなり、したがって、従来の分光計よりも信号対雑音比(SNR)が大幅に増加する。ファブリペロー共振器については典型的なスペクトル分解能は2nmであり、ハイパースペクトルイメージング(HSI)システムを用いる単一の光学検出器140において、高い信号対雑音比(SNR)と良好なスペクトル分解能とが統合されている。単一の光学検出器140のスループットが用途にとって不十分である場合、並列に動作する複数の光学検出器140を使用して、光学検出器の各々がプラズマ発光スペクトルの一部分を取得してもよい。
【0031】
プラズマ光学診断は、前述したように、プラズマ光学発光スペクトルの取得に依存する。
図5A~
図5Cは、例示的な取得されたイメージキューブ900、902、及び905からプラズマ光学発光スペクトルを抽出するプロセスを示す。
図5Aでは、イメージキューブ900は、λ
iを経てλ
1からλ
nまで変化するn個の通過帯域波長において取得される。この最も単純な実施形態では、イメージキューブ900の全ての画像内の同じ単一の選択された画素940から光強度を抽出することにより、プラズマ光学発光スペクトルが抽出される。抽出された光強度を波長の昇順で並べると、
図5Aのプラズマ光学発光スペクトル950が得られ、これは、従来の分光計から得られるスペクトルと同じように更に利用できる。
【0032】
代替として、
図5Bでは、プラズマ光学発光スペクトルは、イメージキューブ902の全ての画像内の画素940の少なくとも1つの選択された領域にわたって光強度を抽出及び平均化することにより抽出される。画素940の複数の非隣接領域は、画像のどの部分を保持しどの部分を破棄するかを決定することになる用途に応じて選択され平均化されてもよい。様々な画素加重平均法及び画素非加重平均法を使用して、各波長λ
iにて取得された各画像について、画素940の選択された領域にわたる平均光強度に到達できる。いったん平均化されると、抽出された光強度の平均は波長の昇順で配置されて、
図5Bのプラズマ光学発光スペクトル950が形成される。
【0033】
代替としてさらに、
図5Cでは、プラズマ光学発光スペクトルは、イメージキューブ905の取得された画像の全ての画素940わたって光強度を抽出及び平均化することにより抽出される。様々な画素加重平均法及び画素非加重平均法を使用して、各波長λiにて取得された各画像について、画素940にわたる平均光強度に到達できる。いったん平均化されると、抽出された光強度の平均は波長の昇順で配置されて、
図5Cのプラズマ光学発光スペクトル950が形成される。
【0034】
図5A~
図5Cに記載されるようにプラズマ光学発光スペクトル950を形成する場合、イメージキューブ900、902、又は905内の全ての画像を使用して、プラズマ光学発光スペクトル950を形成してもよい。代替として、イメージキューブ900、902、905内の画像のサブセットのみを使用してプラズマ光学発光スペクトル950を形成することにより、所与の用途に必要とされないスペクトルの部分を排除してもよい。例えば、エンドポイント検出(EPD)用途では、プラズマ光学発光スペクトルの特定の狭い部分だけが関心の対象となる場合がある。第1にイメージキューブ内で取得される画像の数(すなわち、通過帯域波長の数)をこのように減らすこと、そして更に、プラズマ光学発光スペクトル抽出のためにイメージキューブ内の画像サブセットのみを選択することにより、エンドポイント検出(EPD)のアルゴリズムの計算効率を大幅に増加させることができる。同じ効率の向上は、プラズマ光学発光スペクトルを使用してプラズマの少なくとも1つの化学成分の相対濃度を決定する光量測定学用途などの他の可能な用途でも見られる。
【0035】
プラズマ光学診断では、
図1Aの集光選択145の構成に起因して、
図5A~
図5Cのイメージキューブ900、902、及び905内の2次元画像における画素位置が、アレイ検出器160の個々の画素上に画像化される、プラズマ内の異なる領域に概ね対応する。例えば、より信頼性の高いエンドポイント検出(EPD)が実現されるように、プローブされるプラズマ中の領域を正確に選択するために、
図5A及び
図5Bの方法のうちの1つを有利に選択できる。同時に、
図5A及び
図5Bの方法を使用することにより、例えば、プラズマ処理チャンバ110内の構造体、又は基板120からの干渉が強い、プラズマ光学発光の一部分を除外することが可能になる。更には、1次元アレイ検出器160が使用される場合、プラズマ光学発光スペクトル抽出の上述した原理と同じものが1次元画像の場合に適用される。一方向に対する、多くの画素にわたるビニング及び平均化が必要とされないプラズマ光学診断では、1次元アレイ検出器160(すなわち、ライン検出器)を有利に使用して、光学検出器140のコストを削減し、処理速度及びスループットを増加させてもよい。
【0036】
選択されたタイプの波長調整可能フィルタ150によって得られるよりも高いスペクトル分解能が必要な場合、スペクトルデコンボリューション法を使用して、取得されたプラズマ光学発光スペクトル950から高分解能スペクトルを再構築できる。スペクトルデコンボリューション法の例は、M.Morhac「Deconvolution methods and their applications in the analysis of gamma-ray spectra」,ACAT2005,May 22-27,Zeuthen Germany.に開示されている。代替として、2020年3月16日に出願された「ENHANCED RESOLUTION IN SEMICONDUCTOR FABRICATION DATA ACQUISITION INSTRUMENTS USING MACHINE LEARNING」(参照番号181077US02)と題する同時係属中の米国特許出願第16/820,032号明細書に記載されている機械学習技術を使用して、取得されたプラズマ光学発光スペクトル950からより高い解像度スペクトルを再構築できる。
【0037】
同様の参照番号が
図1Aと同じ要素を示す
図1Bでは、プラズマ処理システム200が示されるが、これは、プラズマ光学発光信号170を光学検出器140内へと供給するために光ファイバ135を使用していることだけが、
図1Aのプラズマ処理システム100とは異なる。光ファイバ135の使用は、プラズマ処理チャンバ110の側壁又は上壁に取り付けられ得るウィンドウ130を配置する際の柔軟性を追加する。光ファイバ135は、光学検出器140を離して配置する際に更なる柔軟性を可能にする。光ファイバ135は、プラズマ光学発光信号170を結合し、それを集光光学部品145に伝達する。そして光ファイバ135は、プラズマ光学発光信号170の適切な結合を確実にするために、そしてファイバに沿った伝達を最良にするために、結合光学部品、複数のファイバ束などを含むことができる。他の全ての点において、プラズマ処理システム200の機能及び動作は、前述した
図1Aのプラズマ処理システム100のものと類似又は同一である。
【0038】
図2A及び
図2Bは、本発明の更なる実施形態による半導体処理システムを示す。
図2Aは、例示的な半導体処理システム300を示す。半導体処理システム300は、処理のためにプラズマを利用してもよく又はしなくてもよく、フォトリソグラフィトラックシステム、エッチングシステム、原子層エッチング(ALE)システム、堆積システム、ウェット又はドライクリーニングシステム、拡散炉システム、又は基板が仕様を満たすことを確認する目的のために、及びプロセスステップ制御のために、プロセスステップの進捗を監視する必要がある任意の他の半導体処理システム、を備えるか又はそれらの一部であり得る。半導体処理システム300は、プロセスステップ中に基板220を支持するための支持部材215を有するプロセスモジュール210を備える。支持部材215は、静電チャック(ESC)、サセプタ、可動ステージ、プラテン/基板アームの一部などであり得る。プロセスモジュール210内の基板220上でプロセスステップが実施され、その間に、層又はフィーチャが基板220上に形成されてもよく又は変更されてもよい。例えば、エッチングシステムでは、基板上の層及びフィーチャがエッチングされてもよい。フォトリソグラフィトラックシステムでは、フォトレジストコーティングが塗布、ベーク、又は除去されてもよい。堆積システムでは、基板上に層が堆積されてもよい。ウェット又はドライクリーニングシステムでは、フィーチャ、層、処理液、汚染物質などが基板から除去されてもよい。
【0039】
プロセスステップ中に半導体処理システム300及びプロセスモジュール210内の基板の状態をリフレクトメトリを使用して監視するために、光学検出器240が使用される。広帯域照射光源232により照射ビーム234が生成され、半反射ミラー233、及び基板220とは反対側に配置されたウィンドウ230を通って、基板220に対して垂直入射で(ゼロ入射角で)導かれる。いくつかのプロセスモジュール210は、壁を有しない場合がある。すなわち、プロセスモジュールが包囲されておらず、その周囲環境から隔離されていない場合がある。その場合は、ウィンドウ230は必要ない場合がある。照射光源は、連続波(CW)又はパルス光源とすることができ、光学スペクトルの深紫外線(DUV)、紫外線(UV)、可視光線(VIS)、及び赤外線(IR)の部分における光の波長範囲をカバーできる。照射光源232は、様々な白熱及びガス放電光源、フラッシュランプ、LED、レーザー、レーザー駆動プラズマ光源(LDLS)などを備えることができる。リフレクトメトリのために、特に広範囲の光波長が使用される場合、照射光源232は、それぞれが異なる光波長範囲をカバーする複数の光源を含んでもよく、ビームは、好適なビームコンバイナ光学部品を使用して結合される。照射光源232はまた、シャッタ(図示せず)を含んで、シャッタが閉じられたときに取得される、プラズマ又は他の発光からの干渉を、測定された反射率計の信号から差し引くことができるように照射ビーム234を変調させてもよい。ウィンドウ230は、光学スペクトルの深紫外線(DUV)、紫外線(UV)、可視光線(VIS)、及び赤外線(IR)の部分を透過する好適な材料で作製できる。例えば、ウィンドウ230は、様々なタイプのガラス、例えば、ホウケイ酸ガラス、石英、サファイアなどを含むことができる。プラズマからの材料の過剰な堆積から、又はプロセスモジュール210内の他の過酷な環境から、ウィンドウ230を保護するための設備、例えば、穴あきグリッド、パージガス注入システム(図示せず)など、が設けられてもよい。
【0040】
照射ビーム234が基板220上に入射すると、基板220上に形成された層又は構造体又はフィーチャの存在に起因して、反射及び回折されて、回折光学信号236が形成される。回折光学信号236は、垂直(ゼロ)反射角で基板220から反射されたゼロ次の回折光学信号を含む。先に論じたように、回折光学信号236のスペクトルは、基板220上の層又は構造体又はフィーチャの特性を決定できる情報を含む。回折光学信号236は、存在する場合はウィンドウ230を通過し、半反射ミラー233によって反射されて光学検出器240に入る。
【0041】
光学検出器240は、集光光学部品245、波長調整可能フィルタ250、及びアレイ検出器260を備え、これらは一緒にハイパースペクトルイメージング(HSI)システムを構成する。光学検出器及びその構成要素は、少なくとも波長調整可能フィルタ250及びアレイ検出器260と通信するコントローラ280によって制御される。波長調整可能フィルタは、ファブリペロー共振器、音響光学調整可能フィルタ、液晶調整可能フィルタ、又はコントローラ280によって選択され制御されて通過帯域波長を変化させることが可能な任意の他の調整可能狭帯域光学フィルタデバイスを備えることができる。用途に応じて、アレイ検出器260は、1次元アレイ検出器(すなわち、ライン検出器)又は2次元アレイ検出器であり得る。アレイ検出器260は、用途が要求する場合、CCD検出器アレイ、CMOS検出器アレイ、フォトダイオードアレイ、又はアレイ検出器260の異なる部分のための様々な種類の検出器の組み合わせ、を備え得る。例えば、波長感度の固有の違いなどに起因して、様々な波長範囲に対して、様々なアレイ検出器タイプを並べて又は積み重ねて使用できる。
【0042】
動作中、回折光学信号236は、集光光学部品245により集光され、伝達された光学信号272として波長調整可能フィルタ250に導かれる。集光光学部品245は、伝達された光学信号272を形成するために必要な、集光レンズ、ステアリングミラー、アパーチャ、偏光子、光ファイバなどの任意の組み合わせを備え得る。
図2Aはファブリペロー共振器の例を示し、2つの半反射ミラー252が、制御可能なギャップG
iによって離隔配置されて、光共振器255を形成している。コントローラ280により空間G
iが変化されると、異なる通過帯域波長がファブリペロー共振器によって選択的に伝達されて、波長フィルタリングされた回折光学信号275が形成され、これがアレイ検出器260に入射する。
【0043】
動作中、コントローラ280は、制御可能なギャップG
iを制御して、通過帯域波長の掃引を実行する一方で、同時にアレイ検出器260は画像を取得し、続いて画像はコントローラ280によって受信され、そこで保存及び/又は処理され得る。波長調整可能フィルタ250の通過帯域波長が変化するにつれて、アレイ検出器260によって取得された各画像は、波長調整可能フィルタ250によって選択された瞬間通過帯域波長で取得されることになる。このようにして、以下では「イメージスタック」又は「イメージキューブ」と称するが、波長調整可能フィルタ250の通過帯域波長の掃引ごとに取得され、コントローラ280によって受信される(
図5A~
図5Cを参照)。通過帯域波長掃引を繰り返して、連続するイメージキューブを取得できる。コントローラ280は、例えば、通過帯域波長の連続掃引を、波長調整可能フィルタ250の最小通過帯域波長から最大通過帯域波長まで実行するようにプログラムされ得る。しかしながら、実際には、光学スペクトルのある一部分のみが関心の対象となり得るので、コントローラ280は、光学スペクトルの深紫外線(DUV)、紫外線(UV)、可視光線(VIS)、及び赤外線(IR)の一部分における波長の範囲又は複数の重なり合う範囲若しくは重なり合わない範囲にわたって、通過帯域波長を選択的に調整するようにプログラムされてもよい。このようにして、関心の対象である波長範囲のみが取得されるので、スループットは増加する。
【0044】
ファブリペロー共振器の場合、通過帯域波長を切り替えて設定する典型的な時間は0.1msの近傍にあるので、例えば100個の通過帯域波長を選択し、対応する画像をアレイ検出器260によって10msで形成することが可能になる。このスペクトル取得速度は、一部の高性能分光計の速度よりも遅い場合があるが、ハイパースペクトルイメージング(HSI)システムの利点は、回折光学信号236を介して受光される光の量が、分光器のスリット幅及び集光光学部品の開口数(NA)によって限定されないことである。実際、集光光学部品245において、大きな有効口径を使用することができ、その結果、アレイ検出器260によって検出される信号は強くなり、したがって、従来の分光計よりも信号対雑音比(SNR)が大幅に増加する。ファブリペロー共振器については典型的なスペクトル分解能は2nmであり、ハイパースペクトルイメージング(HSI)システムを用いる単一の光学検出器240において、高い信号対雑音比(SNR)と良好なスペクトル分解能とが統合されている。単一の光学検出器240のスループットが用途にとって不十分である場合、並列に動作する複数の光学検出器240を使用して、光学検出器の各々が回折光学信号236の一部分を取得するようにしてもよく、この回折光学信号は、好適なビームスプリッタ又は他の波長選択性光学部品を使用して事前に分割されてもよい。
【0045】
リフレクトメトリは、前述したように、回折光学スペクトルの取得に依存する。
図5A~
図5Cは、例示的な取得されたイメージキューブ900、902、及び905から回折光学スペクトルを抽出するプロセスを示す。
図5Aでは、イメージキューブ900は、λ
iを経てλ
1からλ
nまで変化するn個の通過帯域波長において取得される。この最も単純な実施形態では、イメージキューブ900の全ての画像内の同じ単一の選択された画素940から光強度を抽出することにより、回折光学スペクトルが抽出される。抽出された光強度を波長の昇順で並べると、
図5Aの回折された光学スペクトル950が得られ、これは、従来の分光計から得られるスペクトルと同じように更に利用できる。
【0046】
代替として、
図5Bでは、回折光学スペクトルは、イメージキューブ902の全ての画像内の画素940の少なくとも1つの選択された領域にわたって光強度を抽出及び平均化することにより抽出される。画素940の複数の非隣接領域は、画像のどの部分を保持しどの部分を破棄するかを決定することになる用途に応じて選択され平均化されてもよい。様々な画素加重平均法及び画素非加重平均法を使用して、各波長λ
iにて取得された各画像について、画素940の選択された領域にわたる平均光強度に到達できる。いったん平均化されると、抽出された光強度の平均は波長の昇順で配置されて、
図5Bの回折された光学スペクトル950が形成される。
【0047】
代替としてさらに、
図5Cでは、回折光学スペクトルは、イメージキューブ905の取得された画像の全ての画素940わたって光強度を抽出及び平均化することにより抽出される。様々な画素加重平均法及び画素非加重平均法を使用して、各波長λ
iにて取得された各画像について、画素940にわたる平均光強度に到達できる。いったん平均化されると、抽出された光強度の平均は波長の昇順で配置されて、
図5Cの回折された光学スペクトル950が形成される。
【0048】
図5A~
図5Cに記載されるように回折光学スペクトル950を形成する場合、イメージキューブ900、902、又は905内の全ての画像を使用して、回折光学スペクトル950を形成してもよい。代替として、イメージキューブ900、902、905内の画像のサブセットのみを使用して回折光学スペクトル950を形成することにより、所与の用途に必要とされないスペクトルの部分を排除してもよい。例えば、エンドポイント検出(EPD)用途では、回折された光学スペクトルの特定の狭い部分だけが関心の対象となる場合がある。第1にイメージキューブ内で取得される画像の数(すなわち、通過帯域波長の数)をこのように減らすこと、そして更に、回折光学スペクトル抽出のためにイメージキューブ内の画像サブセットのみを選択することにより、エンドポイント検出(EPD)のアルゴリズムの計算効率を大幅に増加させることができる。同じ効率の向上は、CD測定、フィーチャプロファイル測定、基板上の層の光学特性の決定など、他の可能な用途でも見られる。
【0049】
リフレクトメトリでは、基板220に対する、集光光学部品245、半反射ミラー233などの構成及び位置に起因して、
図5A~
図5Cのイメージキューブ900、902、及び905内の2次元画像における画素位置が、アレイ検出器260の個々の画素上に画像化された、基板220上の異なる位置に対応する。画素位置と基板220上の位置との、この空間的対応は、光学モデリング、又は取得された画像の使用のいずれかにより決定されて、基板220上の画像視野を検証できる。既知の空間的対応を用いて、例えば、より信頼性の高いエンドポイント検出(EPD)が実現されるように、診断される基板220上の領域を正確に選択するために、
図5A及び
図5Bの方法のうちの1つを有利に使用できる。これにより、これらの部分がリフレクトメトリ信号に有意に寄与しないときは、基板表面の一部を除去することが可能になる(例えば、エッチングされない領域、異なる層又はフィーチャ及びそれらの光学特性、スクライブライン、干渉プロセスモジュール構造など)。
【0050】
一実施形態では、(同じ通過帯域波長λiについての)イメージキューブの連続して取得された画像は、連続する画像間で急速に変化する光強度の画素又は画素領域(例えば、これらの位置でのエッチングを示す)について分析され得る。一実施形態では、画素又は画素領域の光強度の変化率を、事前に選択された光強度の変化率の閾値と比較して、画素又は画素領域が急速な光強度の変化を、したがって処理を受けたかどうかを決定できる。光強度が急速に変化するこれら画素又は画素領域は、回折光学スペクトル950の抽出のための領域940として使用できる。この手法は、画素位置と基板上の位置との空間的対応の知識を不必要とし、且つ事前に回折光学スペクトルの抽出のために画素領域を選択することを不必要にする。同時に、この手法は、処理が生じる基板上の領域だけが診断され、その他の領域は無視されることにより、診断の精度が改善されることを確実にする。
【0051】
イメージキューブの画像内の画素940のある領域だけを選択する能力の更なる利点は、基板220上において、比較的大きな照射スポット及び光学検出器240の視野を使用することが可能になることである。これは、光学的セットアップを単純化し、寸法公差を緩め、光学検出器240及び半導体処理システム300全体のコストを削減する。最後に、それは、支持部材215上の基板220の位置決めの許容誤差を緩和する。なぜなら、画素940の必要な領域は、それらが光学検出器240の視野内にある限り、イメージキューブの画像内で常に見つかるからである。
【0052】
選択されたタイプの波長調整可能フィルタ250によって得られるよりも高いスペクトル分解能が必要な場合、スペクトルデコンボリューション法を使用して、取得された回折光学スペクトル950から高分解能スペクトルを再構築できる。スペクトルデコンボリューション法の例は、M.Morhac「Deconvolution methods and their applications in the analysis of gamma-ray spectra」,ACAT2005,May 22-27,Zeuthen Germanyに開示されている。代替として、2020年3月16日に出願された「ENHANCED RESOLUTION IN SEMICONDUCTOR FABRICATION DATA ACQUISITION INSTRUMENTS USING MACHINE LEARNING」(参照番号181077US02)と題する同時係属中の米国特許出願第16/820,032号明細書に記載されている機械学習技術を使用して、取得された回折光学スペクトル950からより高い解像度スペクトルを再構築できる。
【0053】
リフレクトメトリによって決定できる特性には、基板上の構造体上の膜の残りの厚さ、層の厚さ、上部、中間部、下部の限界寸法などの限界寸法(CD)、プロファイル高さ、側壁角度などのプロファイル寸法、基板上の層の光学特性などが含まれる。膜の残りの厚さは、エッチングプロセスのエンドポイントを決定するのに役立つ測定された量である。実際、本発明者らは、ハイパースペクトルイメージング(HSI)システムを有するリフレクトメトリを使用することにより、FINFETエッチングプロセスにおいて、時間指定のエッチングと比較して、残りの厚さの制御において5倍の改善を実証した。
【0054】
同様の参照番号が
図2Aと同じ要素を示す
図2Bでは、半導体処理システム400が示されるが、これは、回折光学信号236を光学検出器240内へと供給するために光ファイバ235を使用していることだけが、
図2Aの半導体処理システム300とは異なる。光ファイバ235の使用は、光学検出器240を配置する際に追加の柔軟性を提供する。光ファイバ235は、回折光学信号236を結合し、それを集光光学部品245に伝達する。そして光ファイバ235は、回折光学信号236の適切な結合を確実にするために、そしてファイバに沿った伝達を最良にするために、結合光学部品、複数のファイバ束などを含むことができる。他の全ての点において、半導体処理システム400の機能及び動作は、前述した
図2Aの半導体処理システム300のものと類似又は同一である。
【0055】
図3A及び
図3Bは、本発明のなお更なる実施形態による半導体処理システムを示す。
図3Aは、例示的な半導体処理システム500を示す。半導体処理システム500は、処理のためにプラズマを利用してもよく又はしなくてもよく、フォトリソグラフィトラックシステム、エッチングシステム、原子層エッチング(ALE)システム、堆積システム、ウェット又はドライクリーニングシステム、拡散炉システム、又は基板が仕様を満たすことを確認する目的のために、及びプロセスステップ制御のために、プロセスステップの進捗を監視する必要がある任意の他の半導体処理システム、を備えるか又はそれらの一部であり得る。半導体処理システム500は、プロセスステップ中に基板320を支持するための支持部材315を有するプロセスモジュール310を備える。支持部材315は、静電チャック(ESC)、サセプタ、可動ステージ、プラテン/基板アームの一部などであり得る。プロセスモジュール310内の基板320上でプロセスステップが実施され、その間に、層又はフィーチャが基板320上に形成されてもよく又は変更されてもよい。例えば、エッチングシステムでは、基板上の層及びフィーチャがエッチングされてもよい。フォトリソグラフィトラックシステムでは、フォトレジストコーティングが塗布、ベーク、又は除去されてもよい。堆積システムでは、基板上に層が堆積されてもよい。ウェット又はドライクリーニングシステムでは、フィーチャ、層、処理液、汚染物質などが基板から除去されてもよい。
【0056】
プロセスステップ中に半導体処理システム500及びプロセスモジュール310内の基板の状態をリフレクトメトリを使用して監視するために、光学検出器340が使用される。照射ビーム334が広帯域照射光源332により生成され、ウィンドウ照射ウィンドウ330を介して、基板320に対して斜めに入射するように導かれる。照射ビーム334の入射角θiは、0.1°~89°まで変化することができ、入射角は、基板320上に形成されているフィーチャ及び構造体のタイプ及び形状に対するリフレクトメータの感度、プロセスモジュール310の形状によって課せられる制約など、を含む複数の要因に基づいて選択される。いくつかのプロセスモジュール310には、壁がなくてもよく、すなわち、それらは包囲されておらず、それらの周囲環境から隔離されていなくてもよい。その場合、照射ウィンドウ330は必要ない場合がある。照射光源は、連続波(CW)又はパルス光源とすることができ、光学スペクトルの深紫外線(DUV)、紫外線(UV)、可視光線(VIS)、及び赤外線(IR)の部分における光の波長範囲をカバーできる。照射光源332は、様々な白熱及びガス放電光源、フラッシュランプ、LED、レーザー、レーザー駆動プラズマ光源(LDLS)などを備えることができる。リフレクトメトリのために、特に広範囲の光波長が使用される場合、照射光源332は、それぞれが異なる光波長範囲をカバーする複数の光源を含んでもよく、ビームは、好適なビームコンバイナ光学部品を使用して結合される。照射光源332はまた、シャッタ(図示せず)を含んで、シャッタが閉じられたときに取得される、プラズマ又は他の発光からの干渉を、測定された反射率計の信号から差し引くことができるように照射ビーム334を変調させてもよい。照射ウィンドウ330は、光学スペクトルの深紫外線(DUV)、紫外線(UV)、可視光線(VIS)、及び赤外線(IR)の部分を透過する好適な材料で作製できる。例えば、照射ウィンドウ330は、様々なタイプのガラス、例えば、ホウケイ酸ガラス、石英、サファイアなどを含むことができる。プラズマからの材料の過剰な堆積から、又はプロセスモジュール310内の他の過酷な環境から、照射ウィンドウ330を保護するための設備、例えば、穴あきグリッド、パージガス注入システム(図示せず)など、が設けられてもよい。
【0057】
照射ビーム334が基板320上に斜めに入射すると、基板320上に形成された層又は構造体又はフィーチャの存在に起因して、反射及び回折されて、回折光学信号336が形成される。回折光学信号336は、反射角θrにて基板320から反射され、この反射角は、照射ビーム334の入射角θiに等しく、0.1°~89°まで変化し得る。回折光学信号336は、基板から反射された光学信号の1つ以上の回折次数を含み得る。先に論じたように、回折光学信号336のスペクトルは、基板320上の層又は構造体又はフィーチャの特性を決定できる情報を含む。回折光学信号336は、存在する場合、反射ウィンドウ338を通過し、光学検出器340内へと導かれる。反射ウィンドウ338は、概ね、プロセスモジュール310の、照射ウィンドウ330とは反対側に配置され、照射ウィンドウ330と同じ又は異なる材料を含むことができる。プラズマからの材料の過剰な堆積から、又はプロセスモジュール310内の他の過酷な環境から、反射ウィンドウ338を保護するための設備、例えば、穴あきグリッド、パージガス注入システム(図示せず)など、が設けられてもよい。
【0058】
光学検出器340は、集光光学部品345、波長調整可能フィルタ350、及びアレイ検出器360を備え、これらは一緒にハイパースペクトルイメージング(HSI)システムを構成する。光学検出器及びその構成要素は、少なくとも波長調整可能フィルタ350及びアレイ検出器360と通信するコントローラ380によって制御される。波長調整可能フィルタは、ファブリペロー共振器、音響光学調整可能フィルタ、液晶調整可能フィルタ、又はコントローラ380によって選択され制御されて通過帯域波長を変化させることが可能な任意の他の調整可能狭帯域光学フィルタデバイスを備えることができる。用途に応じて、アレイ検出器360は、1次元アレイ検出器(すなわち、ライン検出器)又は2次元アレイ検出器であり得る。アレイ検出器360は、用途が要求する場合、CCD検出器アレイ、CMOS検出器アレイ、フォトダイオードアレイ、又はアレイ検出器360の異なる部分のための様々な種類の検出器の組み合わせ、を備え得る。例えば、波長感度の固有の違いなどに起因して、様々な波長範囲に対して、様々なアレイ検出器タイプを並べて又は積み重ねて使用できる。
【0059】
動作中、回折光学信号336は、集光光学部品345により集光され、伝達された光学信号372として波長調整可能フィルタ350に導かれる。集光光学部品345は、伝達された光学信号372を形成するために必要な、集光レンズ、ステアリングミラー、アパーチャ、偏光子、光ファイバなどの任意の組み合わせを備え得る。
図3Aはファブリペロー共振器の例を示し、2つの半反射ミラー352が、制御可能なギャップG
iによって離隔配置されて、光共振器355を形成している。コントローラ380により空間G
iが変化されると、異なる通過帯域波長がファブリペロー共振器によって選択的に伝達されて、波長フィルタリングされた回折光学信号375が形成され、これがアレイ検出器360に入射する。
【0060】
動作中、コントローラ380は、制御可能なギャップG
iを制御して、通過帯域波長の掃引を実行する一方で、同時にアレイ検出器360は画像を取得し、続いて画像はコントローラ380によって受信され、そこで保存及び/又は処理され得る。波長調整可能フィルタ350の通過帯域波長が変化するにつれて、アレイ検出器360によって取得された各画像は、波長調整可能フィルタ350によって選択された瞬間通過帯域波長で取得されることになる。このようにして、以下では「イメージスタック」又は「イメージキューブ」と称するが、波長調整可能フィルタ350の通過帯域波長の掃引ごとに取得され、コントローラ380によって受信される(
図5A~
図5Cを参照)。通過帯域波長掃引を繰り返して、連続するイメージキューブを取得できる。コントローラ380は、例えば、通過帯域波長の連続掃引を、波長調整可能フィルタ350の最小通過帯域波長から最大通過帯域波長まで実行するようにプログラムされ得る。しかしながら、実際には、光学スペクトルのある一部分のみが関心の対象となり得るので、コントローラ380は、光学スペクトルの深紫外線(DUV)、紫外線(UV)、可視光線(VIS)、及び赤外線(IR)の一部分における波長の範囲又は複数の重なり合う範囲若しくは重なり合わない範囲にわたって、通過帯域波長を選択的に調整するようにプログラムされてもよい。このようにして、関心の対象である波長範囲のみが取得されるので、スループットは増加する。
【0061】
ファブリペロー共振器の場合、通過帯域波長を切り替えて設定する典型的な時間は0.1msの近傍にあるので、例えば100個の通過帯域波長を選択し、対応する画像をアレイ検出器360によって10msで形成することが可能になる。このスペクトル取得速度は、一部の高性能分光計の速度よりも遅い場合があるが、ハイパースペクトルイメージング(HSI)システムの利点は、回折光学信号336を介して受光される光の量が、分光器のスリット幅及び集光光学部品の開口数(NA)によって限定されないことである。実際、集光光学部品345において、大きな有効口径を使用することができ、その結果、アレイ検出器360によって検出される信号は強くなり、したがって、従来の分光計よりも信号対雑音比(SNR)が大幅に増加する。ファブリペロー共振器については典型的なスペクトル分解能は2nmであり、ハイパースペクトルイメージング(HSI)システムを用いる単一の光学検出器340において、高い信号対雑音比(SNR)と良好なスペクトル分解能とが統合されている。単一の光学検出器340のスループットが用途にとって不十分である場合、並列に動作する複数の光学検出器340を使用して、光学検出器の各々が回折光学信号336の一部分を取得するようにしてもよく、この回折光学信号は、好適なビームスプリッタ又は他の波長選択性光学部品を使用して事前に分割されてもよい。
【0062】
選択されたタイプの波長調整可能フィルタ350によって得られるよりも高いスペクトル分解能が必要な場合、スペクトルデコンボリューション法を使用して、取得された回折光学スペクトル950(
図5A、
図5B、及び
図5C)から高分解能スペクトルを再構築できる。スペクトルデコンボリューション法の例は、M.Morhac「Deconvolution methods and their applications in the analysis of gamma-ray spectra」,ACAT2005,May 22-27,Zeuthen Germanyに開示されている。代替として、2020年3月16日に出願された「ENHANCED RESOLUTION IN SEMICONDUCTOR FABRICATION DATA ACQUISITION INSTRUMENTS USING MACHINE LEARNING」(参照番号181077US02)と題する同時係属中の米国特許出願第16/820,032号明細書に記載されている機械学習技術を使用して、取得された回折光学スペクトル950から高解像度スペクトルを再構築できる。
【0063】
同様の参照番号が
図3Aと同じ要素を示す
図3Bでは、半導体処理システム600が示されるが、これは、回折光学信号336を光学検出器340内へと供給するために光ファイバ335を使用していることだけが、
図3Aの半導体処理システム500とは異なる。光ファイバ335の使用は、光学検出器340を配置する際に追加の柔軟性を提供する。光ファイバ335は、回折光学信号336を結合し、それを集光光学部品345に伝達する。そして光ファイバ335は、回折光学信号336の適切な結合を確実にするために、そしてファイバに沿った伝達を最良にするために、結合光学部品、複数のファイバ束などを含むことができる。他の全ての点において、半導体処理システム600の機能及び動作は、前述した
図3Aの半導体処理システム500のものと類似又は同一である。
【0064】
半導体処理システム300、400、500、及び600は全て、基板上のプロセス結果を診断するためにリフレクトメトリを利用し、それらの違いは、光学的設定の詳細と入射角及び反射角を含む。したがって、回折光学スペクトル950(
図5A、
図5B、及び
図5C)を抽出する方法、イメージキューブの画像における画素位置と基板上の位置との空間的対応を確立する方法、回折光学スペクトル950、並びに層及びフィーチャの決定され得る特性、の抽出のために画素940の領域(
図5A、
図5B、及び
図5C)を選択する方法、に関する前述の議論、並びに半導体処理システム300及び400に関するそれに付随する利点は全て、半導体処理システム500及び600、並びに斜め入射角のリフレクトメトリを使用する関連する光学検出器340及びコントローラ380にも当てはまる。
【0065】
プラズマ処理チャンバ内のプラズマの状態を監視し、リフレクトメトリを使用して基板上の層及びフィーチャの処理を監視することに加えて(プロセス中に、すなわちその場で、及びプロセス完了後に)、ハイパースペクトルイメージング(HSI)システムを使用して、分光学及び/又は画像化に関連する他の光学診断方法を強化することができる。例えば、ハイパースペクトルイメージング(HSI)は、基板のマルチスペクトル検査に使用できる。基板のマルチスペクトル検査の用途は、フォトリソグラフィ及びエッチングにおける現像後検査(ADI)及びCD計測/検査、並びに、様々な欠陥検出技術、例えば、汚染の検出、パターンの崩壊、直接自己組織化(DSA)ブロックコポリマー層の不適切な自己組織化などの、共通の検査ステップを含み得る。これら手法の全てに共通するのは、基板又は基板の領域の画像の取得である。この画像取得は、ハイパースペクトルイメージング(HSI)システムを使用して多くの波長で実行でき、それにより、信号対雑音比が低い状況において、欠陥の検出に利用可能なデータ量が劇的に増加する。
【0066】
図4A及び
図4Bは、本発明のなお更なる実施形態による基板検査システムを示す。
図4Aは、例示的な半導体基板検査システム700を示す。基板検査システム700は、半導体処理システムの一部であってもよく、又は独立型の検査システム(例えば、キオスクタイプの検査システム)の一部であり得る。
【0067】
基板検査システム700は、検査中に基板720を支持するためのステージ715を備える。ステージ715は、静電チャック(ESC)、サセプタ、可動ステージ(例えば、X-Y、X-Y-θ、X-Y-Z、又はX-Y-Z-θステージ)、プラテン/基板アームの一部などであり得る。基板検査システム700は、エンクロージャ(図示せず)、基板720を取り囲む制御されたクリーンな環境を維持するためのパージガスシステム(図示せず)などの更なるサブシステムを含み得る。
【0068】
検査ステップ又はプロセス中に基板検査システム700内の基板を画像化するために、光学検出器740が使用される。基板720の表面を照射するために、照射光源(図示せず)を使用してもよい。照射光源は、明視野照射(基板720の上から)又は暗視野照射(照射ビームが基板720の表面に実質的に平行である)のために構成され得る。照射光源は、連続波(CW)又はパルス光源とすることができ、光学スペクトルの深紫外線(DUV)、紫外線(UV)、可視光線(VIS)、及び赤外線(IR)の部分における光の波長範囲をカバーできる。照射光源は、様々な白熱及びガス放電光源、フラッシュランプ、LED、レーザー、レーザー駆動プラズマ光源(LDLS)などを備えることができ、基板720の表面を均一に照射するために必要な更なる光学部品を含むことができる。検査のために、特に広範囲の光波長が使用される場合、照射光源は、それぞれが異なる光波長範囲をカバーする複数の光源を含んでもよく、ビームは、好適なビームコンバイナ光学部品を使用して結合される。照射光源はまた、シャッタ(図示せず)を含んで、シャッタが閉じられたときに取得される、他の発光からの干渉を、測定された光学信号から差し引くことができるように照射ビームを変調させてもよい。
【0069】
基板720に入射すると、照射ビームの一部が基板720から反射されて、光学信号770が形成される。先に論じたように、光学信号770のスペクトルは、基板720上の層又は構造体又はフィーチャの特性を検査中に決定できる情報を含む。光学検出器740は、集光光学部品748、波長調整可能フィルタ750、及びアレイ検出器760を備え、これらは一緒にハイパースペクトルイメージング(HSI)システムを構成する。光学検出器及びその構成要素は、少なくとも波長調整可能フィルタ750及びアレイ検出器760と通信するコントローラ780によって制御される。波長調整可能フィルタは、ファブリペロー共振器、音響光学調整可能フィルタ、液晶調整可能フィルタ、又はコントローラ780によって選択され制御されて通過帯域波長を変化させることが可能な任意の他の調整可能狭帯域光学フィルタデバイスを備えることができる。用途に応じて、アレイ検出器760は、1次元アレイ検出器(すなわち、ライン検出器)又は2次元アレイ検出器であり得る。アレイ検出器760は、用途が要求する場合、CCD検出器アレイ、CMOS検出器アレイ、フォトダイオードアレイ、又はアレイ検出器760の異なる部分のための様々な種類の検出器の組み合わせ、を備え得る。例えば、波長感度の固有の違いなどに起因して、様々な波長範囲に対して、様々なアレイ検出器タイプを並べて又は積み重ねて使用できる。
【0070】
動作中、光学信号770は、集光光学部品748により集光され、伝達された光学信号772として波長調整可能フィルタ750に導かれる。集光光学部品748は、伝達された光学信号772を形成するために必要な、集光レンズ、ステアリングミラー、アパーチャ、偏光子、光ファイバなどの任意の組み合わせを備え得る。
図4Aはファブリペロー共振器の例を示し、2つの半反射ミラー752が、制御可能なギャップG
iによって離隔配置されて、光共振器755を形成している。コントローラ780により空間G
iが変化されると、異なる通過帯域波長がファブリペロー共振器によって選択的に伝達されて、波長フィルタリングされた光学信号775が形成され、これがアレイ検出器760に入射する。
【0071】
動作中、コントローラ780は、制御可能なギャップG
iを制御して、通過帯域波長の掃引を実行する一方で、同時にアレイ検出器760は画像を取得し、続いて画像はコントローラ780によって受信され、そこで保存及び/又は処理され得る。波長調整可能フィルタ750の通過帯域波長が変化するにつれて、アレイ検出器760によって取得された各画像は、波長調整可能フィルタ750によって選択された瞬間通過帯域波長で取得されることになる。このようにして、以下の「イメージスタック」又は「イメージキューブ」は、波長調整可能フィルタ750の通過帯域波長の掃引ごとに取得され、コントローラ780によって受信される(
図5A~
図5Cを参照)。通過帯域波長掃引を繰り返して、連続するイメージキューブを取得できる。コントローラ780は、例えば、通過帯域波長の連続掃引を、波長調整可能フィルタ750の最小通過帯域波長から最大通過帯域波長まで実行するようにプログラムされ得る。しかしながら、実際には、光学スペクトルのある一部分のみが関心の対象となり得るので、コントローラ780は、光学スペクトルの深紫外線(DUV)、紫外線(UV)、可視光線(VIS)、及び赤外線(IR)の一部分における波長の範囲又は複数の重なり合う範囲若しくは重なり合わない範囲にわたって、通過帯域波長を選択的に調整するようにプログラムされてもよい。このようにして、関心の対象である波長範囲のみが取得されるので、スループットは増加する。
【0072】
ファブリペロー共振器の場合、通過帯域波長を切り替えて設定する典型的な時間は0.1msの近傍にあるので、例えば100個の通過帯域波長を選択し、対応する画像をアレイ検出器760によって10msで形成することが可能になる。ファブリペロー共振器については典型的なスペクトル分解能は2nmであり、ハイパースペクトルイメージング(HSI)システムを用いる単一の光学検出器740において、高い信号対雑音比(SNR)と良好なスペクトル分解能とが統合されている。単一の光学検出器740のスループット又は通過帯域波長が用途にとって不十分である場合、並列に動作する複数の光学検出器740を使用して、光学検出器の各々が光学信号770の一部分を取得するようにしてもよく、この光学信号は、好適なビームスプリッタ又は他の波長選択性光学部品を使用して事前に分割されてもよい。
【0073】
マルチスペクトル基板検査は、前述したように、光学スペクトルの取得に依存する。
図5A~
図5Cは、例示的な取得されたイメージキューブ900、902、及び905から光学スペクトルを抽出するプロセスを示す。
図5Aでは、イメージキューブ900は、λ
iを経てλ
1からλ
nまで変化するn個の通過帯域波長において取得される。この最も単純な実施形態では、イメージキューブ900の全ての画像内の同じ単一の選択された画素940から光強度を抽出することにより、回折光学スペクトルが抽出される。抽出された光強度を波長の昇順で並べると、
図5Aの光学スペクトル950が得られる。
【0074】
代替として、
図5Bでは、光学スペクトルは、イメージキューブ902の全ての画像内の画素940の少なくとも1つの選択された領域にわたって光強度を抽出及び平均化することにより抽出される。画素940の複数の非隣接領域は、画像のどの部分を保持しどの部分を破棄するかを決定することになる用途に応じて選択され平均化されてもよい。様々な画素加重平均法及び画素非加重平均法を使用して、各波長λ
iにて取得された各画像について、画素940の選択された領域にわたる平均光強度に到達できる。いったん平均化されると、抽出された光強度の平均は波長の昇順で配置されて、
図5Bの光学スペクトル950が形成される。
【0075】
代替としてさらに、
図5Cでは、回折光学スペクトルは、イメージキューブ905の取得された画像の全ての画素940わたって光強度を抽出及び平均化することにより抽出される。様々な画素加重平均法及び画素非加重平均法を使用して、各波長λ
iにて取得された各画像について、画素940にわたる平均光強度に到達できる。いったん平均化されると、抽出された光強度の平均は波長の昇順で配置されて、
図5Cの光学スペクトル950が形成される。マルチスペクトル基板検査との関連で、
図5A及び
図5Bの方法は最も多くの画像情報を保持するので最適である。
図5Aの方法は全ての画素を保持するが、
図5Bの方法は画素領域を保持する。
【0076】
図5A~
図5Cに記載されるように光学スペクトル950を形成する場合、イメージキューブ900、902、又は905内の全ての画像を使用して、光学スペクトル950を形成してもよい。代替として、イメージキューブ900、902、905内の画像のサブセットのみを使用して光学スペクトル950を形成することにより、所与の用途に必要とされないスペクトルの部分を排除してもよい。第1にイメージキューブ内で取得される画像の数(すなわち、通過帯域波長の数)をこのように減らすこと、そして更に、光学スペクトル抽出のためにイメージキューブ内の画像サブセットのみを選択することにより、検査用のアルゴリズムの計算効率を大幅に増加させることができる。
【0077】
マルチスペクトル基板検査では、基板720に対する、集光光学部品748の構成及び位置に起因して、
図5A~
図5Cのイメージキューブ900、902、及び905内の2次元画像における画素位置が、アレイ検出器760の個々の画素上に画像化された、基板720上の異なる位置に対応する。画素位置と基板720上の位置との、この空間的対応は、光学モデリング、又は取得された画像の使用のいずれかにより決定されて、基板720上の画像視野を検証できる。既知の空間的対応を用いて、診断される基板720上の領域を正確に選択するために、
図5A及び
図5Bの方法のうちの1つを有利に使用できる。これにより、これらの部分が検査結果に有意に寄与しないときは、基板表面の一部を除去することが可能になる。
【0078】
イメージキューブの画像内の画素940のある領域だけを選択する能力の更なる利点は、基板720上において、光学検出器740の比較的大きな視野を使用することが可能になることである。これは、光学的セットアップを単純化し、寸法公差を緩め、光学検出器740及び基板検査システム700全体のコストを削減する。最後に、それは、ステージ715上での基板720の位置決め公差を、そしてステージ715が移動可能な場合は、ステージの位置決めに関する公差を緩和させる。なぜなら、画素940の必要な領域は、それらが光学検出器740の視野内にある限り、イメージキューブの画像内で常に見つかるからである。
【0079】
選択されたタイプの波長調整可能フィルタ750によって得られるよりも高いスペクトル分解能が必要な場合、スペクトルデコンボリューション法を使用して、取得された光学スペクトル950から高分解能スペクトルを再構築できる。スペクトルデコンボリューション法の例は、M.Morhac「Deconvolution methods and their applications in the analysis of gamma-ray spectra」,ACAT2005,May 22-27,Zeuthen Germanyに開示されている。代替として、2020年3月16日に出願された「ENHANCED RESOLUTION IN SEMICONDUCTOR FABRICATION DATA ACQUISITION INSTRUMENTS USING MACHINE LEARNING」(参照番号181077US02)と題する同時係属中の米国特許出願第16/820,032号明細書に記載されている機械学習技術を使用して、取得された光学スペクトル950から高解像度スペクトルを再構築できる。
【0080】
同様の参照番号が
図4Aと同じ要素を示す
図4Bでは、基板検査システム800が示されるが、これは、光学信号770を光学検出器740内へと供給するために光ファイバ束735を使用していることだけが、
図2Aの基板検査システム700とは異なる。光ファイバ束735の使用は、光学検出器740を配置する際の追加の柔軟性を提供する。光ファイバ束735は、光学信号770を結合し、それを光学検出器740の集光光学部品745に伝達する。そして光ファイバ束735は、光学信号770の適切な結合を確実にするために、そしてファイバに沿った伝達を最良にするために、対物レンズ748、結合光学部品、複数のファイバ束などを含むことができる。他の全ての点において、基板検査システム800の機能及び動作は、前述した
図4Aの基板検査システム700のものと類似又は同一である。
【0081】
同様の参照番号が
図2Bと同じ要素を示す
図6Aでは、本発明の更なる実施形態による半導体処理システム1400が示され、ここではアレイ検出器の直前に波長選択が適用される代わりに、照射ビーム波長が変化する。半導体処理システム1400は、照射光源232と半反射ミラー233との間で照射ビーム234中に波長調整可能フィルタ250が配置されている点で、半導体処理システム400とは異なる。この実施形態では、波長調整可能光学フィルタ250の通過帯域波長の変化が、照射ビーム234の波長を変化させる。したがって、波長調整可能フィルタ250の通過帯域波長が変化するにつれて、アレイ検出器260によって取得された各画像は、波長調整可能フィルタ250によって選択された瞬間通過帯域波長で取得されることになる。半導体処理システム400と同様に、半導体処理システム1400のコントローラ280は、制御可能なギャップG
iを制御して通過帯域波長の掃引を実行し、同様に、取得された画像がコントローラ280によって受信される。他の全ての点において、半導体処理システム1400の動作は、前述した半導体処理システム400の動作と同じであり、取得された「イメージスタック」又は「イメージキューブ」は同じである。波長調整可能フィルタ250の位置の同様の変更は、
図2Aの半導体処理システム300でも行うことができる。
【0082】
同様の参照番号が
図3Bと同じ要素を示す
図6Bでは、本発明の更なる実施形態による半導体処理システム1600が示され、ここではアレイ検出器の直前に波長選択が適用される代わりに、照射ビーム波長が変化する。半導体処理システム1600は、照射光源332と照射ウィンドウ330との間で照射ビーム334中に波長調整可能フィルタ350が配置されている点で、半導体処理システム600とは異なる。この実施形態では、波長調整可能光学フィルタ350の通過帯域波長の変化が、照射ビーム334の波長を変化させる。したがって、波長調整可能フィルタ350の通過帯域波長が変化するにつれて、アレイ検出器360によって取得された各画像は、波長調整可能フィルタ350によって選択された瞬間通過帯域波長で取得されることになる。半導体処理システム600と同様に、半導体処理システム1600のコントローラ380は、制御可能なギャップG
iを制御して通過帯域波長の掃引を実行し、同様に、取得された画像がコントローラ380によって受信される。他の全ての点において、半導体処理システム1600の動作は、前述した半導体処理システム600の動作と同じであり、取得された「イメージスタック」又は「イメージキューブ」は同じである。波長調整可能フィルタ350の位置の同様の変更は、
図3Aの半導体処理システム500でも行うことができる。
【0083】
半導体処理システム1400及び1600は両方とも、基板上のプロセス結果を診断するためにリフレクトメトリを利用する。したがって、回折光学スペクトル950(
図5A、
図5B、及び
図5C)を抽出する方法、イメージキューブの画像における画素位置と基板上の位置との空間的対応を確立する方法、回折光学スペクトル950、層及びフィーチャの決定され得る特性、の抽出のために画素940の領域(
図5A、
図5B、及び
図5C)を選択する方法、に関する前述の議論、並びに半導体処理システム300、400、500、及び600に関するそれに付随する利点は全て、半導体処理システム1400及び1600にも当てはまる。
【0084】
前述の議論は、2nmレンジの良好なスペクトル分解能、及びスループットを犠牲にすることなく信号対雑音比(SNR)を改善する能力ゆえに、ハイパースペクトルイメージング(HSI)にファブリペロー共振器を使用することに焦点を当てた。これらの特性により、ファブリペロー共振器は、多くの半導体診断アプリケーションにおける高速で小型の分光計の代わりに使用できる。音響光学調整可能フィルタ及び液晶調整可能などの他のフィルタも特定の用途で使用できるが、それらの性能、特にスペクトル分解能及び通過帯域波長スイッチングの速度は異なる。軍事用途、並びに農業及び土地管理用途などの、一部のリモートセンシング用途で行われているように、ハイパースペクトルイメージング(HSI)は、薄層バンドパスフィルタのセットを使用して行うこともできる。これらフィルタのスペクトル分解能は1~10nmの範囲にある。この分解能は、特定のそれほど要求が厳しくない用途にとって、及び多くの波長又は間隔が密接した波長をサンプリングする必要がある場合に、完全に適切であり得る。
【0085】
前述した実施形態の集光光学部品145、245、345、745、及び対物レンズ748において使用されるレンズは、光線の平行性、深さに関係ない一定の画像倍率、又はその両方を確保するために、テレセントリック又は両側テレセントリック(すなわち、物空間及び像空間の両方においてテレセントリック)であってもよい。
図1A、
図1Bの実施形態では、両側テレセントリックレンズは、プラズマ処理チャンバ内で視野及び深さにわたってサンプリングされるプラズマ光学発光のより良いバランスを提供する。
図2A、
図2B、
図3A、
図3B、
図4A、
図4B、
図6A、
図6Bの実施形態では、両側テレセントリックレンズは、異なる位置及び異なる深さで取得された画像の異なる部分からの倍率及び寄与が等しいことを確実にする。
【0086】
関連する技術分野の当業者であれば、上述の教示を踏まえて多くの修正形態及び変形形態が可能であることを理解できる。当業者は、図に示されている様々な構成要素に対する様々な等価な組み合わせ及び置換を認識するであろう。したがって、本発明の範囲は、この詳細な説明によってではなく、むしろ本明細書に添付された特許請求の範囲によって限定されることを意図している。
【国際調査報告】