(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-27
(54)【発明の名称】三次元ナノ構造作製のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H01L 27/11582 20170101AFI20220720BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20220720BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
H01L27/11582
H01L29/78 371
H01L21/302 105A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569406
(86)(22)【出願日】2020-04-21
(85)【翻訳文提出日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 US2020029063
(87)【国際公開番号】W WO2020236376
(87)【国際公開日】2020-11-26
(32)【優先日】2019-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】越澤 武仁
(72)【発明者】
【氏名】スリニバサン, ムクン
(72)【発明者】
【氏名】北島 知彦
(72)【発明者】
【氏名】カン, チャンソク
(72)【発明者】
【氏名】カン, スンクォン
(72)【発明者】
【氏名】リー, ギル ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】シンガ ロイ, サスミット
【テーマコード(参考)】
5F004
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F004DA00
5F004DA01
5F004DA02
5F004DA17
5F004DA18
5F004DB08
5F004DB10
5F004DB13
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP76
5F083ER21
5F083GA10
5F083GA27
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA35
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5F083JA37
5F083JA38
5F083JA39
5F083JA40
5F083JA43
5F083JA56
5F083PR03
5F083PR05
5F083PR21
5F083PR22
5F101BA46
5F101BA47
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
5F101BH02
5F101BH14
5F101BH15
(57)【要約】
本明細書では、複数の不揮発性メモリセルを形成するための方法及び装置が提供される。幾つかの実施形態において、本方法は、例えば、複数の不揮発性メモリセルを形成することを含み、このことには、第1の金属層と、第1の金属層とは異なる第2の金属層と、を含む金属の交互層のスタックを基板上に形成することと、第1の金属層を除去して第2の金属層の交互層の間に空間を形成することと、空間を部分的に充填して空隙をその中に残すよう第1の材料層を堆積させること又は空間を充填するよう第2の材料層を堆積させることのうちの1つと、が含まれる。
【選択図】
図3P
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の不揮発性メモリセルを形成する方法であって、
第1の金属層と、前記第1の金属層とは異なる第2の金属層と、を含む金属の交互層のスタックを基板上に形成することと、
前記第1の金属層を除去して、前記第2の金属層の前記交互層の間に空間を形成することと、
前記空間を部分的に充填して空隙をその中に残すよう第1の材料層を堆積させること、又は前記空間を充填するよう第2の材料層を堆積させること、のうちの1つを行うことと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記空間を部分的に充填して空隙をその中に残すよう前記第1の材料層を堆積させること、又は前記空間を充填するよう前記第2の材料層を堆積させること、のうちの前記1つが、化学気相堆積又は原子層堆積のうちの1つを使用して実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の金属層及び前記第2の金属層が、化学気相堆積及び物理的気相堆積のうちの少なくとも1つを使用して堆積させられる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の金属層を除去することが、SF
6、CF
4、CHF
4、CH
3F、C
2F
6、C
4F
8、若しくはNF
3のうちの少なくとも1つを含むフッ素化合物を含むF系化学物質を含む化学ドライエッチングプロセス、又はウェットエッチングプロセスのうちの1つを使用して実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の金属層と前記第2の金属層との交互層の前記スタックと、前記第1の金属層がその上に堆積されている窒化ケイ素(SiN)及びポリシリコン(poly-Si)の層と、において、少なくとも1つのメモリホールを形成することと、
前記少なくとも1つのメモリホール内に、
酸化アルミニウム(AlO)層と、
前記AlO層の上に第1の酸化ケイ素層と、
前記第1の酸化ケイ素層の上にSiN層と、
前記SiN層の上に第2の酸化ケイ素層と、
前記第2の酸化ケイ素層の上に、poly-Siチャネルを形成するためのpoly-Si層と、
前記poly-Siチャネルを充填するためのコア酸化ケイ素とを
堆積させることと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのメモリホールを形成することは、SF
6、CF
4、CHF
4、CH
3F、C
2F
6、C
4F
8、又はNF
3のうちの少なくとも1つを含むフッ素化合物を含むF系化学物質を含む化学ドライエッチングプロセスを使用して実行される、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の金属層を除去して、前記第2の金属層の前記交互層間に空間を形成する前に、
SF
6、CF
4、CHF
4、CH
3F、C
2F
6、C
4F
8、又はNF
3のうちの少なくとも1つを含むフッ素化合物を含むF系化学物質を使用して、前記第1の金属層、前記第2の金属層、前記SiN層、及び前記poly-Si層を貫通する少なくとも2つのスリットを形成することと、
ウェットエッチングプロセス又は化学ドライエッチングプロセスのうちの1つを使用して、前記基板から前記SiN層及び前記poly-Si層を除去することと、
除去される前に前記SiN層及び前記poly-Si層が占めていた領域内の前記少なくとも1つのメモリホールから、化学ドライエッチングプロセスを使用して、前記AlO層と、前記AlO層の上の前記第1の酸化ケイ素層と、前記第1の酸化ケイ素層の上の前記SiN層と、前記SiN層の上の第2の酸化ケイ素層と、を除去することと、
除去された前記AlO層、除去された前記第1の酸化ケイ素層、除去された前記SiN層、及び除去された前記第2の酸化ケイ素層の代わりに、リンがドープされたpoly-Siの層を、前記poly-Siチャネルの一部分を覆うよう前記基板上に堆積させることと、
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の金属層を除去して、前記第2の金属層の前記交互層の間に空間を形成した後で、かつ、前記空間を部分的に充填して空隙をその中に残すよう前記第1の材料層を堆積させること、又は前記空間を充填するよう第2の材料層を堆積させること、のうちの前記1つを行う前に、
除去される前に前記第1の金属層が占めていた領域内の前記少なくとも1つのメモリホールから、前記化学ドライエッチングプロセスを使用して、前記AlO層、前記AlO層の上の前記第1の酸化ケイ素層、及び前記第1の酸化ケイ素層の上の前記SiN層を除去すること
をさらに含む、請求項1から5又は7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の金属層が、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、オスミウム(Os)、ジルコニウム(Zr)、イリジウム(Ir)、レニウム(Re)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、TaN、WN、MoN、ZrN、WO
x、RuO
x、及びIrO
xのうちの少なくとも1つであり、
前記第2の金属層が、W、Mo、Ta、Ru、Nb、Os、Zr、Ir、Re、及びTiのうちの1つであり、
前記第1の材料層が酸化ケイ素であり、前記第2の材料層が低誘電率酸化物である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記低誘電率酸化物が、3.9以下の誘電率を有する酸化ケイ素又は二酸化ケイ素のうちの1つである、請求項1から5又は9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
半導体メモリデバイスであって、
金属、金属窒化物、又は導電性金属化合物のうちの少なくとも1つである第1の材料層と、
金属、金属合金、又は1つ以上の金属元素を含むドーパントを有する金属のうちの少なくとも1つである第2の材料層と
を含む材料の交互層のスタックを含む基板を含み、
前記第1の材料層が前記第2の材料層とは異なっている、半導体メモリデバイス。
【請求項12】
前記第1の材料層が、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、オスミウム(Os)、ジルコニウム(Zr)、イリジウム(Ir)、レニウム(Re)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、TaN、WN、MoN、ZrN、WO
x、RuO
x、及びIrO
xのうちの少なくとも1つであり、
前記第2の材料層が、W、Mo、Ta、Ru、Nb、Os、Zr、Ir、Re、及びTiのうちの1つである、請求項11に記載の半導体メモリデバイス。
【請求項13】
前記基板上に堆積された窒化ケイ素(SiN)及びポリシリコン(poly-Si)の層であって、その上に前記第1の材料層が堆積されている窒化ケイ素(SiN)及びポリシリコン(poly-Si)の層と、
前記第1の材料層と前記第2の材料層との前記交互層の前記スタックと、前記poly?Si層と、における少なくとも1つのメモリホールと
をさらに含み、
前記少なくとも1つのメモリホールには、
酸化アルミニウム(AlO)層と、
前記AlO層の上の第1の酸化ケイ素層と、
前記第1の酸化ケイ素層の上のSiN層と、
前記SiN層の上の第2の酸化ケイ素層と
前記第2の酸化ケイ素層の上の、poly-Siチャネルを形成するためのpoly-Si層と、
前記poly-Siチャネルを充填するためのコア酸化ケイ素と
が堆積させられる、請求項11又は12に記載の半導体メモリデバイス。
【請求項14】
複数の不揮発性メモリセルを形成するシステムであって、
窒化ケイ素(SiN)層及びポリシリコン(poly-Si)層と、
第1の金属層、及び前記第1の金属層とは異なる第2の金属層を含む金属の交互層のスタックと
を基板上に堆積させるよう構成された装置と、
前記第1の金属層を除去して、前記第2の金属層の前記交互層の間に空間を形成するよう構成された装置と、
前記空間を部分的に充填して空隙をその中に残すよう第1の材料層を堆積させること、又は前記空間を充填するよう第2の材料層を堆積させること、のうちの1つを行うよう構成された装置と
を備えた、システム。
【請求項15】
前記空間を部分的に充填して空隙をその中に残すよう前記第1の材料層を堆積させること、又は前記空間に前記第2の材料層を堆積させること、のうちの前記1つが、化学気相堆積又は原子層堆積のうちの1つを使用して実行される、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、基板処理装置及び技術に関し、より詳細には、三次元(3D)NAND構造作製のための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビット当たりより低いコストでより高い密度を実現するという平面(2D)NANDメモリデバイスのスケーリングで遭遇する課題に対処するために、超高密度、三次元(3D)積層メモリ構造が導入されている。このような3Dメモリ構造は、ビットコストスケーラブル(BiCS:Bit Cost Scalable)アーキテクチャを有すると言われることもあり、垂直方向に整列したメモリセルのストリングを含んでいる。典型的には、この垂直方向に整列したメモリセルは、導体層と絶縁層とが交互になったアレイから形成され、ここでは、導電層が、メモリ構造のワード線に相当する。
【0003】
3D NANDデバイスにおいて垂直方向に積層されたメモリセルの数が増加するにつれて(例えば、チップ密度が上がるにつれて)、メモリセルストリングのアスペクト比も上がり、数多くの製造上の問題がもたらされる。発明者らは、例えば、積層が増すにつれて、エッチング/充填及び応力制御における難しさも増すことを観察してきた。発明者らはさらに、管理可能な限界値内でメモリセルストリングのアスペクト比を維持するためにスタック内の層を薄くすると、結果的に、下流のエッチングプロセスがより困難になることを観察してきた。
【0004】
これに対応して、発明者は、3D NAND構造作製のための方法及び装置を提供してきた。
【発明の概要】
【0005】
本明細書では、複数の不揮発性メモリセルを形成するための方法及び装置が提供される。幾つかの実施形態において、本方法は、
第1の金属層と、第1の金属層とは異なる第2の金属層と、を含む金属の交互層のスタックを基板上に形成することと、
第1の金属層を除去して、第2の金属層の交互層の間に空間を形成することと、
空間を部分的に充填して空隙をその中に残すよう第1の材料層を堆積させること、又は空間を充填するよう第2の材料層を堆積させること、のうちの1つを行うこと
を含む。
【0006】
本開示の幾つかの実施形態に従って、半導体メモリデバイスであって、
金属、金属窒化物、又は導電性金属化合物のうちの少なくとも1つである第1の材料層と、
金属、金属合金、又は1つ以上の金属元素を含むドーパントを有する金属のうちの少なくとも1つである第2の材料層と
を含む材料の交互層のスタックを含む基板を含み、
第1の材料層が第2の材料層とは異なっている、半導体メモリデバイスが提供される。
【0007】
本開示の一態様に従って、複数の不揮発性メモリセルを形成するシステムが提供される。本システムは、
窒化ケイ素(SiN)層及びポリシリコン(poly-Si)層と、
第1の金属層、及び第1の金属層とは異なる第2の金属層を含む金属の交互層のスタックと
を基板上に堆積させるよう構成された装置と、
第1の金属層を除去して、第2の金属層の交互層の間に空間を形成するよう構成された装置と、
空間を部分的に充填して空隙をその中に残すよう第1の材料層を堆積させること、又は空間を充填するよう第2の材料層を堆積させること、のうちの1つを行うよう構成された装置と
を備える。
【0008】
本開示の他の実施形態及び更なる実施形態については、以下で説明する。
【0009】
上記で簡潔に要約し、下記でより詳細に述べる本開示の実施形態は、添付の図面に示す本開示の例示的な実施形態を参照することによって、理解することができる。しかしながら、本開示は他の等しく有効な実施形態を許容しうることから、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを例示しているのであり、従って、範囲を限定していると見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、3D NANDメモリデバイスにおいて複数の不揮発性メモリセルを形成するシステムの概略図である。
【
図2】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、3D NANDメモリデバイスにおいて複数の不揮発性メモリセルを形成する方法のフローチャートである。
【
図3A】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、3D NANDメモリデバイスの一部分の概略的な断面図である。
【
図3B】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、3D NANDメモリデバイスの一部分の概略的な断面図である。
【
図3C】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、3D NANDメモリデバイスの一部分の概略的な断面図である。
【
図3D】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、3D NANDメモリデバイスの一部分の概略的な断面図である。
【
図3E】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、3D NANDメモリデバイスの一部分の概略的な断面図である。
【
図3F】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、3D NANDメモリデバイスの一部分の概略的な断面図である。
【
図3G】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、3D NANDメモリデバイスの一部分の概略的な断面図である。
【
図3H】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、3D NANDメモリデバイスの一部分の概略的な断面図である。
【
図3I】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、3D NANDメモリデバイスの一部分の概略的な断面図である。
【
図3J】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、3D NANDメモリデバイスの一部分の概略的な断面図である。
【
図3K】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、3D NANDメモリデバイスの一部分の概略的な断面図である。
【
図3L】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、3D NANDメモリデバイスの一部分の概略的な断面図である。
【
図3M】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、3D NANDメモリデバイスの一部分の概略的な断面図である。
【
図3N】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、3D NANDメモリデバイスの一部分の概略的な断面図である。
【
図3O】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、3D NANDメモリデバイスの一部分の概略的な断面図である。
【
図3P】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、3D NANDメモリデバイスの一部分の概略的な断面図である。
【
図4A】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、3D NANDメモリデバイスの一部分の概略的な断面図である。
【
図4B】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、3D NANDメモリデバイスの一部分の概略的な断面図である。
【
図4C】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、3D NANDメモリデバイスの一部分の概略的な断面図である。
【
図5】本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、3D NANDメモリデバイスの一部分の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
理解を容易にするため、可能な場合には、複数の図に共通する同一の要素を示すのに同一の参照番号を使用した。図は、縮尺どおりには描かれておらず、分かりやすくするために簡略化されていることがある。1の実施形態の要素及び特徴は、さらなる記載がなくても、他の実施形態に有益に組み込まれうる。
【0012】
本明細書に記載の実施形態は、概して、ワード線絶縁が改良された3D NANDメモリデバイス、及びこれを形成する方法に関する。具体的には、材料の交互層、例えば、異なる種類の(金属の)マルチレイヤである第1の金属層及び第2の金属層が、3D NANDセル膜スタックのために使用され、メモリホールが形成される。金属層のうちの一方(例えば、第1の金属)を、その後除去(例えば、エッチング)して、1つ以上の材料、例えば低誘電率酸化物(例えば、SiO、SiO2など)で後に充填される空間、又は、空隙を形成することができる。双方の金属層が、同じエッチング化学物質を用いてエッチングで除去されうる。従って、HAR(高アスペクト比)エッチングが、より高いスループットで実施されうる。例えば、双方の金属が、高い選択性(例えば、>100:1)を有するフッ化水素酸(HF)を含む化学ドライエッチングを使用して、エッチングで除去されうる。さらに、本明細書に記載の実施形態では、ワード線(WL:wordline)金属充填ステップであって、3D NANDメモリデバイスを形成するための従来の方法で時々使用されており、例えば、酸素窒素(ON:oxygen nitrogen)モールドと共に使用される、置換金属ゲート(RMG:replacement metal gate)のための重要なステップであるワード線金属充填ステップが無い。本明細書では、WL金属を、モールドスタックとして堆積させることができ、TiNを除去した後で、酸化ケイ素を充填することができ、即ち、SiO2の充填は、WL金属充填のために使用される従来のプロセスよりも、はるかに容易でコスト効率の良いプロセスである。また、従来のRMGプロセス中に時に形成されうるボイドであって、当該ボイド中に存在しうる残存フッ素(F)ガスに起因する深刻なSiO2劣化をもたらしうるボイドとは対照的に、SiO2の不完全な充填に起因して時に形成されうるボイドが、(任意の余分なステップを組み込むことなく形成されうる)空隙として機能しうるため、本明細書に記載の作製された3D NANDメモリデバイスにとっては有害ではない。さらに、3D NANDメモリデバイスを形成する際に使用されるモールドスタックの機械的応力は、物理的気相堆積(PVD:physical vapor deposition又は化学気相堆積(CVD:chemical vapor deposition)を使用する金属の堆積条件により変えることができ、例えばRMGを使用する必要がない結果として、現在のSiO2/窒化ケイ素(Si3N4)のマルチレイヤと比較したときに、スタック全体の高さをより低くすることができる。
【0013】
図1は、3D NANDメモリデバイス(例えば、
図3A~
図3Pのメモリデバイス300)において複数の不揮発性メモリセルを形成するためのシステム100の概略図である。
図2は、本開示の一実施形態に係る、メモリデバイスにおいて複数の不揮発性メモリセルを形成する方法200のフローチャートである。
図3A~
図3Pは、例えば方法200を使用した、本開示の少なくとも1つの実施形態に係る作製段階の間の3D NANDメモリデバイスの一部分の概略的な断面図である。
【0014】
図3Aは、ビットコストスケーラブル(BiCS)デバイスでありうるメモリデバイス300を示しており、このメモリデバイス300は、幾つかの実施形態では半導体でありうる基板301上に形成された、(複数の)垂直方向に積層されたメモリセル層302(例えば、複数の層(例えば、第1の材料層)304の間に交互に配置された、ワード線として使用される導電層(例えば、第2の材料層))のストリングを含む。
【0015】
基板301は、シリコン(Si)ウエハ又はゲルマニウム(Ge)ウエハといった、集積回路を形成するのに適した任意の開始材料でありうる。半導体基板301は、1又は複数の層、例えば膜スタックがそのうえに形成されるシリコン半導体基板であってよく、メモリデバイス300といった構造を、当該基板301上に形成するために用いられる。基板301は、結晶シリコン(例えば、Si<100>又はSi<111>)、Si3N4、ストレインドシリコン、シリコンゲルマニウム、ドープされた又はドープされていないポリシリコン(poly-Si)、ドープされた又はドープさていないシリコン、パターニングされた又はパターニングされていないウエハ、シリコンオンインシュレータ(SOI:silicon on insulator)、炭素がドープされた酸化ケイ素、窒化ケイ素(SiN、Si3N4等)、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイア、シリコン上に配置された金属層など、といった材料を含みうる。基板301は、直径が200mm、300mm、又は450mmのウエハといった、円形のウエハであってよく、又は、矩形又は方形のパネルとしてでもよい。
【0016】
幾つかの実施形態において、メモリセル層302及び層304は、共通ソース線(CSL:common source line)層上に形成することができ、この共通ソース線(CSL)層は、エッチング停止層(ESL:etch stop layer)上に形成されうる。このような実施形態において、CSL層及びESLは、タングステン(W)、窒化ケイ素(SiN)、poly-Si、又はこれらの組み合わせといった材料から作製されうる。幾つかの実施形態において、マスク層(ML:mask layer)(例えば、酸化ケイ素層)が、メモリセル層302又は層304の上に堆積され、材料の最上層又は最終層を形成しうる。スタックをエッチングする前に、スタックエッチングプロセス中に除去されない領域を覆うためにMLがパターニングされる。
【0017】
層304は、メモリセル層302の間に配置されている。層304は、任意の適切な材料(例えば、金属、金属窒化物、又は導電性金属化合物)を使用して、例えば、W、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)、オスミウム(Os)、ジルコニウム(Zr)、イリジウム(Ir)、レニウム(Re)、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、TaN、WN、MoN、ZrN、WOx、RuOx、IrOx等を使用して形成されうる。層304は、半導体基板301上でのメモリセル層302の形成(又は構築)を容易にするために設けられる。メモリセル層302が形成された後で、層304は、以下でより詳細に記載されるように、1つ以上の適切なプロセスを使用して除去され、1つ以上の適切な材料で充填される。
【0018】
メモリセル層302のそれぞれが、メモリデバイス300のワード線に相当し、各ワード線が、本頁の奥に向かって延びており、見えないメモリデバイス300の追加的なメモリセルを形成する。従って、メモリセルセル302のそれぞれが、1ビット以上のデータを格納するよう構成されている。このように、メモリセル層302のそれぞれが、任意の適切な材料(例えば、金属、金属合金、1つ以上の金属元素を含むドーパントを有する金属)を使用して、例えば、とりわけ、W、タングステンシリサイド(WSi)、タングステンpoly-Si(W/poly-Si)、タングステン合金、Ta、Ti、Nb、Os、Zr、Ir、Re、銅(Cu)、ルテニウム(Ru)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、アルミニウム(Al)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、パラジウム(Pd)、金(Au)、銀(Au)、白金(Pt)、これらの合金、窒化チタン(TiN)及び窒化タンタル(TaN)といった窒化化合物、並びに、これらの組み合わせを使用して、形成されうる。基板301ごとに、メモリセル層302及び層304が、異なる材料から形成される。例えば、少なくとも幾つかの実施形態において、メモリセル層302をWから形成する一方で、層304をTiNから形成することができ、他の材料の組み合わせも使用することが可能である。
【0019】
引き続き
図3Aを参照すると、202において、メモリセル層302及び層304が、任意の適切な堆積プロセス及び/又は装置130(
図1)を使用して半導体基板301上に堆積されうるが、当該堆積プロセス及び/又は装置130の例には、化学気相堆積(CVD)装置130a、物理的気相堆積(PVD)装置130b、又は原子層堆積(ALD)装置130cが含まれうる。例えば、1つの特定の実施形態において、層304(例えば、TiN)が、例えばPVDプロセスを実行するよう構成されたスタンドアローン装置又はクラスタツールの一部でありうるPVD装置130bを例えば使用して、堆積されうる。上記のプロセスを実行するために構成可能な例示的な装置は、例えば、アプライドマテリアルズ社(Applied Materials,Inc.)から入手可能な、ENDURA(登録商標)VERSA(登録商標)ラインのスタンドアロ-ンPVD装置を含みうる。同様に、メモリセル層302(例えば、W)は、例えばCVDプロセスを実行するよう構成されたスタンドアロ-ン装置又はクラスタツールでありうるCVD装置130aを例えば使用して、堆積されうる。上記のプロセスを実行するために構成することが可能な例示的な装置は、例えば、アプライドマテリアルズ社から入手可能な、PRODUCER(登録商標)APFラインのスタンドアローンCVD装置を含みうる。代替的に又は追加的に、層304は、例えばCVD装置130aを使用して堆積させることができ、メモリセル層302は、例えばPVD装置130bを使用して堆積させることができる。
【0020】
次に、WL階段部が、メモリセル層302、層304、及びMLをエッチングすることにより形成されうる(
図3B)。例えば、任意の好適なエッチング装置110(
図1)及び/又は方法、例えば、深掘り反応性イオンエッチング(DRIE:deep reactive-ion etching)、ウエハ又は他の基板に高アスペクト比の孔及びトレンチを作製するために用いられる高度に異方性のエッチングプロセスが、WL階段部を形成するために使用されうる。このようなエッチングプロセスに適したエッチングガスは、フッ化物(SF
6、CF
4、CHF
4、CH
3F、C
2F
6、C
4F
8、及びNF
3)、塩化物(HCl、Cl
2、BCl
3)、臭化物(Br
2、HBr)、又は酸素含有ガス(例えば、O
3、O
2、CO
2、CO、H
2O、NO、NO
2、N
2O、COなど)を含むことができ、任意選択的に、アルゴン(Ar)又はヘリウム(He)といった不活性ガスを含むことができる。
【0021】
WL階段部が形成された後で、層間誘電体堆積(ILD:interlayer dielectric deposition)プロセスを実施して、材料層305を、メモリセル層302及び層304の上に堆積させることができる。ILDプロセスは、誘電材料を使用することができ、この誘電材料は、階段部が形成されている領域において充填される。少なくとも幾つかの実施態様において、厚い酸化ケイ素(メモリセル層302及び層304のスタック高よりも約1.2倍厚い)が堆積され、化学機械研磨(CMP:chemical mechanical polishing)によって平坦化される。
【0022】
次に、
図3Cを参照すると、エッチング装置110を使用して、少なくとも1つのメモリホール306(又は、複数のメモリホール306、例えば3つのメモリホール306)が、ML、メモリセル層302と層304とが交互になったスタック、CSLにおいて形成され、かつ部分的にESLにおいて形成される。代替的に又は追加的に、メモリホール306が、基板301内へと延在して形成されうる。垂直方向に積層されたメモリセル層302及び層304のストリングが、4つの垂直方向の列により配置されて示されている。エッチング装置110は、イオン加速電圧が0.5~10kVの範囲の六フッ化硫黄(SF
6)化学物質を使用するよう構成されうる。エッチングを実行する前に、ハードマスク堆積プロセスを最初に実行することができ、エッチングが完了しメモリホール306が形成された後で、エッチングの前に堆積されたハードマスク層が除去されうる。他のエッチング装置及び/又はプロセスが、メモリホール306を形成するために使用されうる。
【0023】
図3D及び
図3Eを参照すると、メモリホール306が形成された後で、1つ以上の追加の材料層が、メモリホール306内に堆積させられうる。例えば、
図3Eに示された詳細領域が示すように、酸化アルミニウム(AlO)の層(例えば、連続的な層)(層307)が最初に、メモリホール306を画定する側面上に、及びメモリホール306の底部のESLに沿って堆積させられる。次に、酸化ケイ素の層(層309)が、層AlOの上に、及びメモリホール306の底部に沿って堆積させられる。次に、トラップ窒化ケイ素(SiN)(層311)の層が、層309の上に、及びメモリホール306の底部に沿って堆積させられる。次に、別の酸化ケイ素313層が、層311の上に、及びメモリホール306の底部に沿って堆積させられる。次に、poly-Siの層(層315)が、酸化ケイ素層313の上に、及びメモリホール306の底部に沿って堆積させられて、メモリホール306の底部でpoly-Siチャネルを形成する。次に、コア酸化ケイ素(層317)、例えばSiO、SiOC等が、poly-Siチャネルを充填するために堆積させられる(例えば、
図3Eを参照)。層307~317は、任意の適切な堆積プロセス及び/又は装置を使用して堆積させることができる。例えば、
図1のCVD装置130a及びPVD装置130bを使用してCVD及びPVDをそれぞれ実行し、層307~317を堆積させることが可能である。代替的に又は追加的に、スタンドアローン装置又はクラスタツールでありうるALD装置130cを使用してALDプロセスを実行し、層307~317を堆積させることが可能である。上記のプロセスを実行するよう構成可能な例示的な装置は、例えば、アプライドマテリアルズ社から入手可能な、OLYMPIA(登録商標)ラインのALD装置を含む。
【0024】
層317が、poly-Siチャネルを充填するために堆積された後で、
図3F及び
図3Gに示すように、追加の層321(例えば、poly-Siの層)を層317の上に堆積させて、層317を覆うことができ、追加のML層を層321の上に堆積させて、層321を覆うことができる。
【0025】
次に、
図3Hに関して、2つの追加のスリット又はホール308が、(例えば、上述のエッチングプロセスを使用して)、ML、メモリセル層302と層304とが交互になったスタック、CSL、ESLにおいて形成され、及び部分的に基板301内へと形成されうる。しかしながら、メモリホール306と違って、ホール308は、CSL及び層304を除去するために使用される。例えば、ホール308が形成された後で、CSLが、上述のエッチングプロセス(例えば、ウェットエッチング及び/又は化学ドライエッチング)を使用して除去され、CSLの範囲のメモリホール306内に堆積されていた層309~313も除去される(例えば、
図3I及び
図3J参照)。
【0026】
次に、CSL、及び層307~313を含んでいた領域に、リンがドープされたpoly-Si(n+型シリコン)の層(例えば、層323)が充填され、ホール308はそのままで残され、例えば、層323で充填されず又は最小限に充填される(
図3K)。
【0027】
次に、204において、層304が、上述のエッチングプロセス(例えば、エッチング装置110を用いたウェットエッチング又は化学ドライエッチング)を使用して除去される。より具体的には、層304(例えば、TiNの層)が、
図3Lに示すように、当該層304を選択的に酸化することによって除去され、メモリセル層302の交互層(例えば、Wの層)の間に空間325が形成される。
【0028】
層304の除去は、メモリデバイス300から層304を選択的に除去するための任意の適切なエッチング又はパターニングプロセスを使用して、メモリセル層302に望ましくない損傷を与えることなく、実現されうる。
【0029】
例えば、少なくともメモリセル層302に対しては選択的な任意の等方性エッチングプロセスが、選択性が高い層304を除去するために使用されうる。例えば、幾つかの実施形態において、層304が、酸素(O
2)及び三フッ化窒素(NF
3)を含む処理ガスからリモートプラズマを介して形成された反応種を用いて、例えば
図1のエッチング装置120を用いて除去されうる。等方性エッチングプロセスは、任意の適切な等方性エッチング装置内で実施されうる。層304を除去するために使用しうる高度に選択的な等方性ドライエッチングプロセスが、2014年8月5日に出願された「Integrated oxide and nitride recess for better channel contact in 3D architectures」という名称の米国特許第9,165,786号に記載されている。ドライエッチングプロセスは、適切なドライエッチング装置を使用して実施されうる。上記のプロセスを実行するために構成可能な例示的な装置は、例えば、カリフォルニア州サンタクララのアプライドマテリアルズ社から入手可能な、PRODUCER(登録商標)SELECTRA(登録商標)ラインのエッチング装置(
図1)を含む。
【0030】
代替的又は追加的に、層304を除去するために、選択的酸化装置140が、急速熱酸化(RTO:rapid thermal oxidation)、ラジカル酸化、又はリモートプラズマ酸化(RPO:remote plasma oxidation)、例えば、デカップルドプラズマ酸化(DPO:decoupled plasma oxidation)を使用して、層304上に酸化ケイ素層(図示せず)を堆積させるために使用されうる。低熱収支及び/又は低減された酸素拡散が望まれる幾つかの実施形態では、プラズマ酸化又はラジカル酸化が利用されうる。本明細書では、低熱収支とは、850℃のピーク温度で数十分の炉内プロセスより小さい熱収支を意味する。例えば、RPOが204で使用されるときには、アプライドマテリアルズ社から入手可能なRPOリアクタといった、1つ以上の適切なプラズマリアクタが、層304上に酸化ケイ素層を設けるために使用されうる。
【0031】
代替的に、高熱収支プロセス(すなわち、高い酸素拡散)も使用されうる。例えば、高熱収支プロセス(例えば、湿式、乾式、又はRTO)は、コンフォーマルな酸化、より速い酸化速度、及びより厚い酸化物をもたらしうる。
【0032】
炭素の層304を除去するために使用される選択的酸化装置140及び/又はエッチング装置120の種類は、時間の制約、所望の酸化速度等を含むがこれらに限定されない1つ以上の要因に依存しうる。
【0033】
使用される選択的酸化装置140及び/又はエッチング装置120(又はエッチング装置110を使用するエッチングプロセス)に関係なく、メモリデバイス300から層304が除去された後には、メモリセル層302のみを含む途中の膜スタックが、更なる処理のために基板301上に残される(
図3L参照)。
【0034】
幾つかの実施形態において、206において、
図3Mを参照すると、材料(例えば、低(誘電率)酸化物材料、酸化ケイ素、二酸化ケイ素など)の層327が、空間325を(例えば、空隙なしで)充填するために堆積されうる。材料層327は、例えば、
図1のCVD装置130a又はALD装置130cを使用して堆積させることができる。低誘電率酸化物材料は、酸化ケイ素、二酸化ケイ素等を含むことができるが、これらに限定されない。材料層327は、3.9以下の誘電率を有しうる。
【0035】
逆に、
図3Nを参照すると、幾つかの実施形態では204において、材料層327が、空間325を部分的に充填してその中に空隙329を残すよう堆積させられうる。材料層327は、例えば、
図1のCVD装置130a又はALD装置130cを使用して堆積させることができる。空間325は、空隙329が空間325の任意の特定の堆積を占めることができるように、部分的に充填されうる。
【0036】
206のプロセスのうちの1つが完了した後に、メモリデバイス300は、交互のメモリセル層302のスタック、及び、材料層327(例えば、低誘電率酸化物材料)であって、その中に空隙を含み(
図3N)又は空隙329を含まない(
図3M)材料層327を有することになる。3D NANDメモリデバイス300は、一旦形成されると、例えばゲート形成用のゲート酸化ケイ素を堆積させるためにさらに処理されうる。
【0037】
例えば、206のプロセスが完了した後で、ホール308には、1つ以上の適切な材料であって、TiN、W、SiN、酸化物、又はこれらの組み合わせを含むがこれに限定されない材料が充填されうる(例えば、平坦化)(
図3O)。同様に、平坦化が実行された後で、1つ以上の配線(BEOL:back end of the line)プロセス(例えば、WL階段部コンタクト形成)を実施して、3D NANDメモリデバイス300(
図3P)の製造を完了することができる。
【0038】
図4A~
図4Cは、本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、3D NANDメモリデバイス400a~400cの一部分の概略的な断面図である。3D NANDメモリデバイス400a~400cは、3D NANDメモリデバイス300と実質的に同様である。したがって、ここでは、3D NANDメモリデバイス400a~400cに固有の特徴のみを記載する。
【0039】
図4Aに示されるように、206の前(例えば、材料の層(例えば、(例えば、上述のように、空隙429cを含んで又は含まずに)空間425aを充填するための材料の層427b及び427cを堆積させる前)に、メモリホールを満たしている層のうちの1つ以上の層(例えば、層407b~415b又は層407c~415c)が、メモリセル層402から除去されうる。
【0040】
例えば、
図4Bで示される詳細領域が示すように、連続的なAlO層407bを適用する代わりに、不連続的な層407bを形成して、メモリホールを画定する側面上の及びメモリホールの底部のESLに沿ったメモリセル層402bのみを覆う(層404bは覆わない)ことができる。不連続的な層407bを有するメモリセル層402bは、206の前に、材料層427bを堆積すべき場所に隣接するメモリホール内の領域から層407bを除去することによって、作製されうる。不連続的な層407bを用いることで、隣り合うメモリセル層402の間のセル間干渉を低減することが可能である。例示のために、3D NANDメモリデバイス400bは空隙なしで示されている。
【0041】
同様に、不連続的な層407c、及び不連続的な酸化ケイ素層及びSiN層(例えば、層409c及び411c)が、3D NANDメモリデバイス400cを形成するために使用されうる(
図4C)。不連続的な層407c~411cを有するメモリセル層402cは、206の前に、材料層427cを堆積すべき場所に隣接するメモリホール内の領域から層407c~411cを除去することによって、作製されうる。不連続的な層407c~411cを有するメモリセル層402cは、隣り合うメモリセル層402cの間の層411c(例えば、トラップSiN)を通じてデータ損失を防止することができる。例示のために、3D NANDメモリデバイス400は、空隙429cを有して示されている。
【0042】
図5は、本開示の少なくとも1つの実施形態に係る、3D NANDメモリデバイス500の一部分の概略的な断面図である。本発明者らは、本開示が、電荷トラップベースのNANDフラッシュメモリデバイスに限定されないことを見出した。例えば、抵抗RAM(ReRAM:resistive RAM)又は相変化メモリ(PCM:phase change memory)を有するメモリセルが、本明細書に記載の方法を使用して形成されうる。より具体的には、
図5に示すように、抵抗メモリ材料(例えば、ReRAMのためのTa
2O
5、TiO
2など、又はPCMのためのGe
xSb
yTe
z(GST)など)の抵抗層550を、メモリセル層502と層515との間に堆積させることができ、上記メモリセル層502は、(例えば、poly-Siチャネルを形成するための)層515と同じ材料で作製されうる。
【0043】
本明細書に記載の方法は、3D NANDメモリデバイスを形成するために使用することができ、かつ、複数のメモリセル層302を層304と共に形成することによって、メモリデバイス300のメモリセル層302の隣り合うメモリセル間のクロストーク、例えば捕捉された(trapped)電荷の漏れが、解消されない場合でも低減され、上記層304は除去して、空隙329が含まれる又は含まれない材料327(例えば、低誘電率酸化物材料、酸化ケイ素等)と置換することができる。更に、メモリセル層302と層304の双方を、酸素ベースのエッチングプロセスを使用してエッチングで除去することができるため、高アスペクト比メモリホールエッチング、及び空隙充填が、従来のプロセスと比べてそれほど困難ではない。さらに、メモリセル層302及び層304が、1つ以上の前述の材料から形成されたときには、モールドスタックの機械的応力を、前述の材料の堆積条件によって変えることができ、このことは、パターン崩壊の可能性を排除できない場合でも低減することができ、従来のメモリデバイスと比べたときに、メモリデバイス300/400の全体のスタック高を比較的低くすることが可能となりうる。加えて、メモリセル層302が1つ以上の上述の金属(例えば、W)から作製されるため、ワード線の階段部を構築するために時に使用される従来の置換金属ゲートプロセスの使用が無くなる。
【0044】
上述の記載は、本開示の実施形態を対象とするが、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他の実施形態及び更なる実施形態が考案されうる。
【国際調査報告】