(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-28
(54)【発明の名称】3Dロジック及びメモリのための同軸コンタクト
(51)【国際特許分類】
H01L 27/11575 20170101AFI20220721BHJP
H01L 27/11548 20170101ALI20220721BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20220721BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20220721BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20220721BHJP
H01L 21/82 20060101ALI20220721BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20220721BHJP
H01L 21/8238 20060101ALI20220721BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
H01L27/11575
H01L27/11548
H01L29/78 371
H01L21/90 B
H01L21/88 Z
H01L21/82 B
H01L29/78 616K
H01L29/78 616T
H01L29/78 618C
H01L29/78 301X
H01L29/78 301P
H01L27/092 G
H01L27/092 K
H01L27/092 F
H01L27/088 D
H01L27/088 E
H01L27/088 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569304
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(85)【翻訳文提出日】2021-11-22
(86)【国際出願番号】 US2020025969
(87)【国際公開番号】W WO2020236313
(87)【国際公開日】2020-11-26
(32)【優先日】2019-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】リーブマン,ラース
(72)【発明者】
【氏名】デヴィリアーズ,アントン
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】タピリー,カンダバラ
【テーマコード(参考)】
5F033
5F048
5F064
5F083
5F101
5F110
5F140
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
半導体デバイスが同軸コンタクトを含み、同軸コンタクトは、ローカル相互接続から延びて金属層と結合される導電層を有する。ローカル相互接続は基板の上に積層され、基板の上面に沿って水平方向に延びる。金属層はローカル相互接続の上に積層され、基板の上面に沿って水平方向に延びる。導電層は閉合形状であり、同心配置されており、ローカル相互接続のそれぞれは、対応する導電層と結合されており、導電層のそれぞれは、対応する金属層と結合されている。半導体デバイスはまた、絶縁層を含み、絶縁層は、閉合形状であり、同心配置されており、絶縁層によって導電層が互いに間隔を空けて配置されるように導電層と交互に位置している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上に形成された半導体デバイスであって、
ローカル相互接続から延びて、前記ローカル相互接続の上に積層された金属層と結合されている導電層であって、前記ローカル相互接続は、前記基板の上に積層されていて、前記基板の上面に沿って水平方向に延びており、前記金属層は、前記基板の前記上面に沿って水平方向に延びており、前記導電層は、閉合形状であり、同心配置されており、柱形状で延びており、前記ローカル相互接続のそれぞれは、前記導電層のうちの対応する導電層と結合されており、前記導電層のそれぞれは、前記金属層のうちの対応する金属層と結合されている、前記導電層と、
絶縁層であって、閉合形状であり、同心配置されており、前記絶縁層によって前記導電層が互いに間隔を空けて配置されるように前記導電層と交互に位置している、前記絶縁層と、
を含む半導体デバイス。
【請求項2】
前記導電層は下端を有し、前記ローカル相互接続のそれぞれが前記導電層のうちのそれぞれの導電層と結合されるように、前記下端はスタガ配置されて前記ローカル相互接続の1つ以上と結合されている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記絶縁層は下端を有し、前記絶縁層のそれぞれの絶縁層の下端が前記導電層のうちの対応する導電層の下端と同じレベルになるように、前記下端はスタガ配置されている、請求項2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記導電層は上端を有し、前記導電層のそれぞれが前記金属層のうちのそれぞれの金属層と結合されるように、前記上端はスタガ配置されて前記金属層のうちの1つ以上の金属層と結合されている、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記絶縁層は上端を有し、前記絶縁層のうちのそれぞれの絶縁層の上端が前記導電層のうちの対応する導電層の上端と同じレベルになるように、前記上端はスタガ配置されている、請求項4に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記導電層は、管構成又は円筒構成のうちの少なくとも1つを有する、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記管構成又は前記円筒構成はテーパ状の外形を有する、請求項6に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記基板の上に積層されたトランジスタペアであって、前記トランジスタペアのそれぞれは、互いの上に積層されたn型トランジスタ及びp型トランジスタを含む、前記トランジスタペア
を更に含み、
前記n型トランジスタは、前記n型トランジスタのn型チャネル領域の2つの端部に位置するソース領域及びドレイン領域を有し、前記n型トランジスタの前記ソース領域及び前記ドレイン領域のそれぞれは、前記ローカル相互接続のうちのそれぞれのローカル相互接続と結合されており、前記n型チャネル領域はn型ゲート構造で包囲されており、
前記p型トランジスタは、前記p型トランジスタのp型チャネル領域の2つの端部に位置するソース領域及びドレイン領域を有し、前記p型トランジスタの前記ソース領域及び前記ドレイン領域のそれぞれは、前記ローカル相互接続のうちのそれぞれのローカル相互接続と結合されており、前記p型チャネル領域はp型ゲート構造で包囲されている、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記基板の上に積層されたゲート電極であって、前記ゲート電極は前記トランジスタペアのゲート構造と電気的に結合されており、前記導電層の少なくとも1つが前記ゲート電極の1つから延びて前記ゲート電極の前記1つと結合されている、前記ゲート電極
を更に含む、請求項8に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
半導体デバイスを形成する方法であって、
基板の上の誘電体スタックに第1の開口部を形成するステップであって、前記第1の開口部は、第1の側壁及び第1の底面を有する円筒形状を有する、前記形成するステップと、
前記第1の開口部の前記第1の側壁に沿って第1の導電層を堆積させ、前記第1の導電層の内側側壁に沿って第1の絶縁層を堆積させて、前記第1の導電層及び前記第1の絶縁層が閉合形状を有して同心配置され、前記第1の導電層の底面及び前記第1の絶縁層の底面が前記第1の開口部の前記第1の底面上に位置するようにする、前記第1の導電層及び前記第1の絶縁層を堆積させるステップと、
第2の開口部が形成されるように前記第1の絶縁層の内側側壁に沿って前記誘電体スタックをエッチングするステップであって、前記第2の開口部は前記誘電体スタック内へ延びて第2の側壁及び第2の底面を有し、前記第2の側壁は前記第1の絶縁層の前記内側側壁に沿って形成されて前記誘電体スタック内へ更に延び、前記第2の開口部の前記第2の底面は前記第1の導電層及び前記第1の絶縁層の前記底面より下に位置する、前記エッチングするステップと、
前記第2の開口部の前記第2の側壁に沿って第2の導電層を堆積させ、前記第2の導電層の内側側壁に沿って第2の絶縁層を堆積させるステップであって、前記第2の導電層の底面及び前記第2の絶縁層の底面が前記第2の開口部の前記第2の底面上に位置することによって、前記第2の導電層の前記底面が、前記第1の導電層の前記底面より下に位置して、スタガ配置された構成が形成される、前記第2の導電層及び前記第2の絶縁層を堆積させるステップと、
を含む方法。
【請求項11】
前記誘電体スタックをエッチングすることと、導電層及び絶縁層を順次的に堆積させることと、を交互に行って、複数の導電層及び複数の絶縁層が、導電層の所定の数と、所定の深さとを満たすように前記誘電体スタック中に形成されるようにするステップであって、前記導電層及び前記絶縁層は同心閉合形状を有して交互に位置し、前記第1の導電層は前記導電層のうちの最も外側の層であり、前記導電層は下端を有し、前記下端はスタガ配置されてローカル相互接続の1つ以上から延びて、前記ローカル相互接続のそれぞれがそれぞれの導電層と結合され、前記ローカル相互接続は前記基板の上に積層され、前記基板の上面に沿って水平方向に延びる、前記交互に行うステップ
を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記絶縁層、前記導電層、及び前記誘電体スタックの上に誘電体キャッピング層を堆積させるステップであって、前記絶縁層、前記導電層、及び前記誘電体スタックは同一平面上にある、前記誘電体キャッピング層を堆積させる前記ステップと、
前記誘電体スタックの中へ第1の垂直エッチングを実施して、前記第1の導電層の外側側壁の周囲に、前記誘電体スタックの中へ第1の深さだけ延びる垂直トレンチ開口部を形成し、前記第1の導電層の第1の部分を未被覆にするステップと、
第1の水平エッチングを実施して、前記第1の導電層の前記未被覆の第1の部分と、前記第1の導電層の前記未被覆の第1の部分に隣接する、前記第1の絶縁層の第1の部分と、を除去するステップであって、前記第1の水平エッチングによって更に、前記第2の導電層の第1の部分が未被覆になる、前記第1の水平エッチングを実施する前記ステップと、
前記誘電体スタックの中へ第2の垂直エッチングを実施して、前記垂直トレンチ開口部を前記誘電体スタックの中へ第2の深さだけ延ばし、前記第1の導電層の第2の部分を未被覆にするステップと、
第2の水平エッチングを実施するステップであって、前記第2の水平エッチングによって、
(i)前記第1の導電層の前記未被覆の第2の部分と、前記第1の導電層の前記未被覆の第2の部分に隣接する、前記第1の絶縁層の第2の部分と、を、前記第2の導電層の第2の部分が未被覆になるように除去し、
(ii)前記第2の導電層の前記未被覆の第1の部分と、前記第2の導電層の前記未被覆の第1の部分に隣接する、前記第2の絶縁層の第1の部分と、を、前記導電層のうちの第3の導電層の第1の部分が未被覆になるように除去し、前記第3の導電層は前記第2の絶縁層の内側側壁に沿って形成される、
前記第2の水平エッチングを実施する前記ステップと、
を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
垂直エッチング及び水平エッチングを交互に実施することにより、前記導電層のそれぞれが前記垂直トレンチ開口部内で未被覆になり、前記導電層の上端がスタガ配置されて、前記ローカル相互接続の上に積層された金属層のうちの1つ以上と結合されて、前記導電層のそれぞれが前記金属層のうちのそれぞれの金属層と結合されるようにするステップ
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記基板の上に積層されたトランジスタペアを形成するステップであって、前記トランジスタペアのそれぞれは、互いの上に積層されたn型トランジスタ及びp型トランジスタを含み、
前記n型トランジスタは、前記n型トランジスタのn型チャネル領域の2つの端部に位置するソース領域及びドレイン領域を有し、前記n型トランジスタの前記ソース領域及び前記ドレイン領域のそれぞれは、それぞれのローカル相互接続と結合されており、前記n型チャネル領域はn型ゲート構造で包囲されており、
前記p型トランジスタは、前記p型トランジスタのp型チャネル領域の2つの端部に位置するソース領域及びドレイン領域を有し、前記p型トランジスタの前記ソース領域及び前記ドレイン領域のそれぞれは、それぞれのローカル相互接続と結合されており、前記p型チャネル領域はp型ゲート構造で包囲されている、
前記トランジスタペアを形成する前記ステップ
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記基板の上に積層されたゲート電極を形成するステップであって、前記ゲート電極は前記トランジスタペアのゲート構造と電気的に結合され、前記導電層のうちの少なくとも1つの導電層が前記ゲート電極の1つから延びて、前記ゲート電極の前記1つと結合される、前記ステップ
を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
基板の上に積層されたトランジスタペアであって、前記トランジスタペアのそれぞれは、互いの上に積層されたn型トランジスタ及びp型トランジスタを含み、ローカル相互接続が前記基板の上に積層され、前記基板の上面に沿って延び、前記ローカル相互接続は前記トランジスタペアのソース領域及びドレイン領域と電気的に結合されている、前記トランジスタペアと、
前記ローカル相互接続の上に積層された金属層と、
前記ローカル相互接続から延びて、前記金属層と結合されている導電層であって、前記導電層は、閉合形状であり、同心配置されており、柱形状で延びており、前記ローカル相互接続のそれぞれは、前記導電層のうちの対応する導電層と結合されており、前記導電層のそれぞれは、前記金属層のうちの対応する金属層と結合されている、前記導電層と、
絶縁層であって、閉合形状であり、同心配置されており、前記絶縁層によって前記導電層が互いに間隔を空けて配置されるように前記導電層と交互に位置している、前記絶縁層と、
を含む半導体デバイス。
【請求項17】
前記導電層は下端を有し、前記ローカル相互接続のそれぞれが前記導電層のうちのそれぞれの導電層と結合されるように、前記下端はスタガ配置されて前記ローカル相互接続の1つ以上と結合されている、請求項16に記載の半導体デバイス。
【請求項18】
前記導電層は上端を有し、前記導電層のそれぞれが前記金属層のうちのそれぞれの金属層と結合されるように、前記上端はスタガ配置されて前記金属層のうちの1つ以上の金属層と結合されている、請求項16に記載の半導体デバイス。
【請求項19】
前記導電層は、管構成又は円筒構成のうちの少なくとも1つを有する、請求項16に記載の半導体デバイス。
【請求項20】
前記基板の上に積層されたゲート電極であって、前記ゲート電極は前記トランジスタペアのゲート構造と電気的に結合されており、前記導電層の少なくとも1つが前記ゲート電極の1つから延びて前記ゲート電極の前記1つと結合されている、前記ゲート電極
を更に含む、請求項16に記載の半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全内容が本明細書に組み込まれている、2019年5月23日に出願された米国仮特許出願第62/851,990号、及び2019年12月17日に出願された米国特許出願第16/716,901号の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、半導体デバイスの製作を含む、微細加工の方法に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体デバイスの(特に顕微鏡スケールでの)製造において、薄膜形成堆積、エッチングマスク生成、パターン形成、材料エッチング及び除去、並びにドーピング処理等の様々な製作プロセスが行われている。これらのプロセスは、基板上に所望の半導体デバイス素子を形成するように繰り返し行われる。歴史的に、微細加工では、トランジスタは、能動デバイス平面の上に形成される配線/メタライゼーションと共に1平面内に生成されており、したがって、2次元(2D)回路又は2D製作と見なされている。スケーリングの取り組みにより、2D回路内の単位面積当たりのトランジスタ数は大幅に増加したものの、スケーリングがナノメートル1桁の半導体デバイス製作ノードに入るにつれて、スケーリングの取り組みは、より大きな課題に直面している。半導体デバイス製造業者は、トランジスタが互いの上に積層される3次元(3D)半導体回路に対する要望を表明している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
3D集積化は、臨界寸法スケーリングの必然的な飽和にもかかわらず、半導体スケーリングを継続するための最も実現可能な選択肢であると見なされてきた。接触ゲートピッチは、製造可変性及び静電デバイス制限に起因してそのスケーリング限界に達するため、2次元トランジスタ密度のスケーリングは中断する。垂直チャネルゲートオールアラウンドトランジスタなど、これらのコンタクテッドゲートピッチスケーリング限界をいつかは克服できるであろう実験的な新しいトランジスタ設計でさえ、半導体スケーリングを軌道に戻す見込みはない。これは、抵抗、キャパシタンス、及び信頼性の懸念がワイヤピッチスケジューリングを阻害することによって、トランジスタを配線して回路にすることが可能な密度が制限されるためである。
【0005】
3D集積化、すなわち複数のデバイスの垂直積層化は、面積よりむしろ体積でトランジスタ密度を増加させることにより、これらのスケーリング限界を克服することを目的としている。この考え方は、3D NANDの採用をしたフラッシュメモリ業界によって成功裏に喧伝され実施されている。しかしながら、ロジックデバイスの3D集積は多くの難題を有する。3D集積デバイスのスケーリング密度を達成するための1つの難題は、上位の配線レベルから後続のデバイスレベルに接触できる最小ピッチである。
【0006】
本明細書に記載の技術は、(トランジスタスタックとも呼ばれる)デバイススタックにおける個々のレベル(例えば、ソース側/ドレイン側ローカル相互接続、ゲート電極)を、配線スタックにおける対応するレベル(例えば、金属層、金属レベル、M0レベル、M1レベル)に選択的に接続する同軸コンタクト(又は同軸コンタクト構造)を提供し、これは、いずれのレベルも階段状フォーメーションのスタガ配置にする必要がない。同軸コンタクトの構造に加えて、そのような構造を構築する製造フロー及びセルアーキテクチャも開示する。
【0007】
当然のことながら、本明細書に開示の製造ステップの順序は、分かり易いように提示してある。一般に、これらの製造ステップは任意の適切な順序で実施可能である。また、本明細書における様々な特徴、技術、構成等のそれぞれについて本開示の異なる場所で記述する場合があるが、それぞれの概念は互いに独立に、又は互いに組み合わせて実行されてよいことに注意されたい。したがって、本開示は多様な実施及び解釈が可能である。
【0008】
本概要が、本開示又は請求項に記載の発明の全ての実施形態及び/又は順次新たになる態様を指定する訳ではない点に注意されたい。むしろ、本概要は、様々な実施形態の予備的議論及び従来技術に対する新規性の対応箇所を提示するに過ぎない。本発明及び実施形態の更なる詳細事項及び/又は可能な将来性については、読者は以下に詳述する本開示の詳細説明の段落及び対応図面を参照されたい。
【0009】
本開示の一態様によれば、半導体デバイスが提供される。半導体デバイスは基板の上に形成され、導電層を含む。導電層は、ローカル相互接続から延びて、ローカル相互接続の上に積層された金属層と結合される。ローカル相互接続は基板の上に積層され、基板の上面に沿って水平方向に延びる。更に金属層も、基板の上面に沿って水平方向に延びる。導電層は、閉合形状であり、同心配置されており、柱形状で延びており、ローカル相互接続のそれぞれは、導電層のうちの対応する導電層と結合されており、導電層のそれぞれは、金属層のうちの対応する金属層と結合されている。更に、半導体デバイスは絶縁層を含む。絶縁層は、閉合形状であり、同心配置されており、絶縁層によって導電層が互いに間隔を空けて配置されるように導電層と交互に位置している。
【0010】
導電層は下端を有してよく、ローカル相互接続のそれぞれが導電層のうちのそれぞれの導電層と結合されるように、下端はスタガ配置されてローカル相互接続の1つ以上と結合されている。導電層は更に、上端を有してよく、導電層のそれぞれが金属層のうちのそれぞれの金属層と結合されるように、上端はスタガ配置されて金属層のうちの1つ以上の金属層と結合されている。
【0011】
いくつかの実施形態では、導電層は、管構成又は円筒構成のうちの少なくとも1つを有してよい。管構成又は円筒構成は、テーパ状の外形を有してよい。
【0012】
半導体デバイスは更に、基板の上に積層されたトランジスタペアを有してよく、トランジスタペアのそれぞれは、互いの上に積層されたn型トランジスタ及びp型トランジスタを含む。n型トランジスタは、n型トランジスタのn型チャネル領域の2つの端に位置するソース領域及びドレイン領域を有してよい。n型トランジスタのソース領域及びドレイン領域のそれぞれは、それぞれのローカル相互接続と結合される。n型チャネル領域は、n型ゲート構造で包囲されている。p型トランジスタは、p型トランジスタのp型チャネル領域の2つの端に位置するソース領域及びドレイン領域を有してよい。p型トランジスタのソース領域及びドレイン領域のそれぞれは、それぞれのローカル相互接続と結合されており、p型チャネル領域はp型ゲート構造で包囲されている。
【0013】
半導体デバイスはまた、基板の上に積層されたゲート電極を有してよい。ゲート電極は、トランジスタペアのゲート構造と電気的に結合されてよい。導電層の少なくとも1つがゲート電極の1つから延びて、ゲート電極のその1つと結合される。
【0014】
絶縁層は、下端及び上端を有してよい。これらの下端は、それぞれの絶縁層の下端が、導電層のうちの対応する導電層の下端と同じレベルになるようにスタガ配置される。これらの絶縁層はまた、上端を有してよい。これらの上端は、それぞれの絶縁層の上端が、導電層のうちの対応する導電層の上端と同じレベルになるようにスタガ配置される。
【0015】
本開示の別の態様によれば、半導体デバイスを形成する方法が提供される。本開示の方法では、基板の上に位置する誘電体スタックに第1の開口部を形成する。第1の開口部は、第1の側壁及び第1の底面を有する円筒形状を有してよい。その後、第1の開口部の第1の側壁に沿って第1の導電層を堆積させ、第1の導電層の内側側壁に沿って第1の絶縁層を堆積させる。第1の導電層及び第1の絶縁層は閉合形状であってよく、同心配置される。第1の導電層の底面及び第1の誘電体層の底面は、第1の開口部の第1の底面上に位置する。
【0016】
その後、第2の開口部が形成されるように、第1の絶縁層の内側側壁に沿って誘電体スタックをエッチングする。第2の開口部は誘電体スタック内を延び、第2の側壁及び第2の底面を有する。第2の側壁は、第1の誘電体層の内側側壁に沿って形成され、誘電体スタック内を更に延びる。第2の開口部の第2の底面は、第1の導電層の底面及び第1の絶縁層の底面より下に位置する。更に、第2の開口部の第2の側壁に沿って第2の導電層を形成し、第2の導電層の内側側壁に沿って第2の絶縁層を形成する。第2の導電層の底面及び第2の絶縁層の底面は、第2の開口部の第2の底面上に位置し、それによって、第2の導電層の底面が第1の導電層の底面より下に位置して、スタガ配置された構成が形成される。
【0017】
いくつかの実施形態では、本開示の方法は更に、誘電体スタックをエッチングすることと、導電層及び絶縁層を順次的に堆積させることと、を交互に行って、導電層及び絶縁層が、導電層の所定の数と、所定の深さとを満たすように誘電体スタック中に形成されるようにするステップを含んでよい。導電層及び絶縁層は、閉合形状及び同心配置で交互に位置する。第1の導電層は、導電層のうちの最も外側の層である。導電層は下端を有し、ローカル相互接続のそれぞれがそれぞれの導電層と結合されるように、下端はスタガ配置されてローカル相互接続の1つ以上と結合されている。ローカル相互接続は基板の上に積層され、基板の上面に沿って水平方向に延びる。
【0018】
本方法は更に、絶縁層、導電層、及び誘電体スタックの上に誘電体キャッピング層を堆積させるステップであって、絶縁層、導電層、及び誘電体スタックは同一平面上にある、誘電体キャッピング層を堆積させる上記ステップを含んでよい。そして本方法は、誘電体スタックの中へ第1の垂直エッチングを実施して、第1の導電層の外側側壁の周囲に、誘電体スタックの中へ第1の深さだけ延びる垂直トレンチ開口部を形成し、第1の導電層の第1の部分を未被覆にするステップを含む。
【0019】
次に、第1の水平エッチングを実施して、第1の導電層の未被覆の第1の部分と、第1の導電層の未被覆の第1の部分に隣接する、第1の絶縁層の第1の部分と、を除去する。第1の水平エッチングによって更に、第2の導電層の第1の部分が未被覆になる。次に、誘電体スタックの中へ第2の垂直エッチングを実施して、垂直トレンチ開口部を誘電体スタックの中へ第2の深さだけ延ばし、第1の導電層の第2の部分を未被覆にする。本方法は次に、第2の水平エッチングを実施するステップであって、第2の水平エッチングによって、(i)第1の導電層の未被覆の第2の部分と、第1の導電層の未被覆の第2の部分に隣接する、第1の絶縁層の第2の部分と、を、第2の導電層の第2の部分が未被覆になるように除去し、(ii)第2の導電層の未被覆の第1の部分と、第2の導電層の未被覆の第1の部分に隣接する、第2の絶縁層の第1の部分と、を、導電層のうちの第3の導電層の第1の部分が未被覆になるように除去し、第3の導電層は第2の絶縁層の内側側壁に沿って形成される、第2の水平エッチングを実施する上記ステップと、を含む。
【0020】
本方法は更に、垂直エッチング及び水平エッチングを交互に実施することにより、導電層のそれぞれが垂直トレンチ開口部内で未被覆になり、導電層の上端がスタガ配置されて、金属層のうちの1つ以上と結合されるようにするステップを含んでよい。したがって、導電層のそれぞれが、ローカル相互接続の上に積層された金属層のうちのそれぞれの金属層と結合される。
【0021】
本開示の更に別の態様によれば、半導体デバイスが提供される。半導体デバイスは、基板の上に積層されたトランジスタペアを含む。各トランジスタペアは、互いの上に積層されたn型トランジスタ及びp型トランジスタを含んでよい。半導体デバイスはまた、基板の上に積層され、基板の上面に沿って延びるローカル相互接続を含む。ローカル相互接続は、トランジスタペアのソース領域及びドレイン領域と電気的に結合されている。
【0022】
半導体デバイスは更に、ローカル相互接続の上に積層された金属層と、導電層とを含む。導電層は、ローカル相互接続から延びて、金属層と結合されている。導電層は閉合形状であり、同心配置されている。ローカル相互接続のそれぞれは、導電層のうちの対応する導電層と結合され、導電層のそれぞれは、金属層のうちの対応する金属層と結合される。半導体デバイスは絶縁層を有してよく、絶縁層は、閉合形状であり、同心配置されており、絶縁層によって導電層が互いに間隔を空けて配置されるように導電層と交互に位置している。
【0023】
本開示の態様は添付の図面を参照しながら以下の詳細説明を精査することにより最も良く理解されよう。産業界での標準的慣行に従い、各種の特徴が一定比率では描かれていな点を注記しておく。事実、各種の特徴の寸法は議論を分かり易くすべく自在に増減されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1A】いくつかの実施形態による、階段状のローカル相互接続を有する3D集積型CFETスタックに基づいて形成された、関連する半導体デバイスの概略図である。
【
図1B】いくつかの実施形態による、階段状のローカル相互接続を有する3D集積型CFETスタックに基づいて形成された、関連する半導体デバイスの概略図である。
【
図2】いくつかの実施形態による一例示的同軸コンタクトの概略図である。
【
図3A】いくつかの実施形態による、一例示的同軸コンタクトの製造の第1の例示的中間ステップの概略図である。
【
図3B】いくつかの実施形態による、一例示的同軸コンタクトの製造の第1の例示的中間ステップの概略図である。
【
図3C】いくつかの実施形態による、一例示的同軸コンタクトの製造の第1の例示的中間ステップの概略図である。
【
図3D】いくつかの実施形態による、一例示的同軸コンタクトの製造の第1の例示的中間ステップの概略図である。
【
図3E】いくつかの実施形態による、一例示的同軸コンタクトの製造の第1の例示的中間ステップの概略図である。
【
図3F】いくつかの実施形態による、一例示的同軸コンタクトの製造の第1の例示的中間ステップの概略図である。
【
図3G】いくつかの実施形態による、一例示的同軸コンタクトの製造の第1の例示的中間ステップの概略図である。
【
図3H】いくつかの実施形態による、一例示的同軸コンタクトの製造の第1の例示的中間ステップの概略図である。
【
図4A】いくつかの実施形態による、一例示的同軸コンタクトの製造の第2の例示的中間ステップの概略図である。
【
図4B】いくつかの実施形態による、一例示的同軸コンタクトの製造の第2の例示的中間ステップの概略図である。
【
図4C】いくつかの実施形態による、一例示的同軸コンタクトの製造の第2の例示的中間ステップの概略図である。
【
図4D】いくつかの実施形態による、一例示的同軸コンタクトの製造の第2の例示的中間ステップの概略図である。
【
図4E】いくつかの実施形態による、一例示的同軸コンタクトの製造の第2の例示的中間ステップの概略図である。
【
図4F】いくつかの実施形態による、一例示的同軸コンタクトの製造の第2の例示的中間ステップの概略図である。
【
図4G】いくつかの実施形態による、一例示的同軸コンタクトの製造の第2の例示的中間ステップの概略図である。
【
図4H】いくつかの実施形態による、一例示的同軸コンタクトの製造の第2の例示的中間ステップの概略図である。
【
図4I】いくつかの実施形態による、一例示的同軸コンタクトの製造の第2の例示的中間ステップの概略図である。
【
図5A】いくつかの実施形態による、And-Or-Invert22(AOI22)セルの概略回路図である。
【
図5B】いくつかの実施形態による、CFETスタック及び同軸コンタクトをベースとして実装されるAOI22セルの上から見下ろしたレイアウト図である。
【
図6A】いくつかの実施形態による、CFETスタック及び同軸コンタクトをベースとして実装されるAOI22セルの第1の断面レイアウト図である。
【
図6B】いくつかの実施形態による、CFETスタック及び同軸コンタクトをベースとして実装されるAOI22セルの第2の断面レイアウト図である。
【
図6C】いくつかの実施形態による、CFETスタック及び同軸コンタクトをベースとして実装されるAOI22セルの第3の断面レイアウト図である。
【
図6D】いくつかの実施形態による、CFETスタック及び同軸コンタクトをベースとして実装されるAOI22セルの第4の断面レイアウト図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の開示は、提示する主題の様々な特徴を実施する多様な実施形態又は実施例を示す。本開示を簡素化すべく要素及び構成の特定の例について以下に述べる。無論、これらは実施例に過ぎず、本発明を限定することを意図していない。また、本開示は、各種の実施例において参照番号及び/又は文字を繰り返す場合がある。この繰り返しは、簡潔且つ分かり易さを目的としており、議論する各種実施形態及び/又は構成同士の関係についてこれ自体が言及するものではない。
【0026】
更に、「下方」、「下の」、「下側」、「上方」、「上側」等、空間的関係を指す用語は本明細書で図示するように、ある要素又は特徴と、別の要素又は特徴との関係の記述を容易にすべく用いられてよい。空間的関係を指す用語は、図面で示す向き以外に、使用又は動作中の装置の異なる向きを含めることを意図している。装置は向きを変える(90度回転、又は他の向きに)ことができ、本明細書で用いる空間的関係を指す記述子も同様に適宜解釈されてよい。
【0027】
本明細書全体を通じて「一実施形態」又は「ある実施形態」とは、当該実施形態との関連で記述された特定の特徴、構造、材料、又は特性が少なくとも1個の実施形態に含まれることを意味するが、必ずしも全ての実施形態に存在するとは限らない。従って、本明細書全体の様々な箇所における語句「一実施形態において」の出現は必ずしも同一の実施形態を指す訳ではない。更に、特定の特徴、構造、材料、又は特性は1個以上の実施形態において任意の適当な仕方で組み合わされてもよい。
【0028】
いくつかの従来の半導体構造(例えば、3D NANDの微細加工において形成されるもの)は、例えば、階段状のジオメトリを使用する。積層されたデバイス層を対応する入力信号及び出力信号までルーティングするために、階段状又はステップ状のレベル(例えば、ワードライン、ローカル相互接続)が、対応する階段状又はステップ状の配線レベル(例えば、金属0レベル、金属1レベル)に接続される。この階段アプローチを3Dロジックに適応させたものを
図1A及び1Bに示す。
図1Aは、4つのデバイス層のスタックを有する基板セグメントの簡略化された断面図であり、水平方向のローカル相互接続を示している。垂直コンタクトがローカル相互接続上に着地して、デバイススタックの上方に位置するアクセスピンにデバイスを接続している。
図1Aに示すように、階段状のローカル相互接続を有する3D集積相補形電界効果トランジスタ(CFET)スタック100(トランジスタスタック100、CFETスタック100、又はCFETトランジスタスタック100とも呼ばれる)が示されている。トランジスタスタック100は、基板(図示せず)上に積層される4つのCFETデバイス102~108を含んでよい。各CFETデバイスは、それぞれの入力(例えば、入力A~D)と結合されているn型トランジスタ及びp型トランジスタを含んでよい。例えば、CFET 102は、n型トランジスタN3及びp型トランジスタP3を含んでよい。トランジスタスタック100は、階段構成を有する複数のローカル相互接続112~126を有してよい。各ローカル相互接続は、それぞれのトランジスタと結合されている。トランジスタスタック100は更に、ローカル相互接続112~126と結合されてローカル相互接続112~126から延びる垂直コンタクトのアレイ110のセットを含んでよい。垂直コンタクトのアレイ110のセットは、互いと同一面内の上面を有してよく、各垂直コンタクト又は各列の長さは、着地ステップの高さ及び位置に依存して異なる。
【0029】
ポリゲートがスタックを通り抜けて左から右に走り、中間にアクティブチャネル領域がある。P型及びN型のローカル相互接続並びに垂直コンタクトを
図1Bに示す。
図1Bは、所与の上位の配線レベルから後続のソース/ドレイン領域に接触するためにローカル相互接続のそれぞれに着地したコンタクトを示す。言い換えると、
図1Bは、階段状のデバイススタックに着地したコンタクトのアレイを示している。スタックされたデバイスの配列全体の達成可能な最小サイズは、最終的には、必要とされる、各デバイスレベル上の最小着地面積によって制限される。
【0030】
図1Bに示すように、半導体デバイスは、階段状のローカル相互接続を有する3D集積CFETスタック200(トランジスタスタック200、CFETスタック200、又はCFETトランジスタスタック200とも呼ばれる)をベースとして形成可能である。CFETトランジスタスタック200は、基板(図示せず)上に積層された4つのCFETデバイス202~208を含んでよい。4つのCFETデバイスのそれぞれは、n型トランジスタ及びp型トランジスタで形成されたトランジスタペアを含んでよい。例えば、CFETデバイス202は、n型トランジスタN3及びp型トランジスタP3で形成されたトランジスタペアを含んでよい。n型トランジスタは、p型トランジスタの上に位置してよい。いくつかの実施形態では、n型トランジスタとp型トランジスタは、共有ゲート構造を有することが可能である。ゲート構造は、n型トランジスタのn型チャネル領域及びp型トランジスタのp型チャネル領域を囲んでよい。チャネル領域は、シート、ワイヤ、又はバー構成を有してよい。n型トランジスタは、n型チャネル領域の2つの端にそれぞれ位置するソース領域及びドレイン領域を有してよく、ゲート構造は、n型チャネル領域を囲み、n型トランジスタのソース領域とドレイン領域との間に位置する。p型トランジスタは、p型チャネル領域の2つの端にそれぞれ位置するソース領域及びドレイン領域を有してよく、ゲート構造は、p型チャネル領域を囲み、p型トランジスタのソース領域とドレイン領域との間に位置する。更に、ゲート構造は、ゲート電極と電気的に結合されてよい。ソース領域及びドレイン領域は、ソースローカル相互接続及びドレインローカル相互接続をそれぞれ有してよい。
【0031】
例えば、n型トランジスタN3及びp型トランジスタP3は、共有ゲート構造212を有してよい。n型トランジスタN3は、n型チャネル領域の2つの端に位置するソース領域218及びドレイン領域216を有する。nチャネル領域は、ゲート構造212で包囲され、ゲート構造212は、ソース領域218とドレイン領域216との間に位置する。p型トランジスタP3は、ソース領域222と、ゲート構造212の後ろにドレイン領域と、を有する。ソース領域222及びドレイン領域は、p型チャネル領域の2つの端に位置する。同様に、p型チャネル領域は、ゲート構造212で包囲され、ゲート構造212は、p型トランジスタP3のソース領域222とドレイン領域との間に位置する。
【0032】
ゲート構造212は、1つ以上のゲート電極214を有してよい。ゲート電極214は、ゲート構造212の2つの端に位置してよい。n型トランジスタN3のソース領域218及びドレイン領域216は、ソースローカル相互接続226及びドレインローカル相互接続224をそれぞれ有してよい。同様に、p型トランジスタP3のソース領域222は、ソースローカル相互接続220を有してよく、p型トランジスタP3のドレイン領域は、ゲート電極212の後ろに位置するドレインローカル相互接続を有してよい。
図1Bはまた、n型トランジスタN4、N2、N1とそれぞれ結合された複数のローカル相互接続228~232を示している。
【0033】
但し、トランジスタスタック200は更に、トランジスタペア同士を引き離す複数の誘電体層(
図1Bには示さず)を含んでよい。これらの誘電体層はまた、トランジスタペアのn型トランジスタとp型トランジスタとを互いに引き離すことが可能である。これらの誘電体層は更に、ローカル相互接続(例えば、
図1Bの220、224~232)同士を引き離すことが可能である。
【0034】
トランジスタスタック200では、ゲート電極及びソース/ドレイン(S/D)ローカル相互接続(ソース側/ドレイン側ローカル相互接続とも呼ばれる)は、階段構成を有してよい。更に、複数の垂直コンタクト210は、S/Dローカル相互接続又はゲート電極と結合され、且つS/Dローカル相互接続又はゲート電極から延びる。したがって、ゲート電極及びS/Dローカル相互接続の階段構成は、トランジスタスタック200内の各トランジスタへの容易なアクセスをもたらし、複雑な相互接続による接続を回避する。
【0035】
図1A及び1Bは、ロジック標準セル並びにSRAMメモリセルの面積スケーリング及びルーティング衝突の改善を可能にする構成を示しているが、スタックされたデバイスの配列全体の達成可能な最小サイズは、最終的には、必要とされる、各デバイスレベル上の最小着地面積によって制限される。
図1A及び1Bに示したローカル相互接続の最小着地面積は、主に2つのプロセス制約、即ち、リソグラフィ分解能限界、及びリソグラフィ配置限界によって駆動される。リソグラフィ分解能は、パターニング可能な最小ピッチを意味する。具体的には、リソグラフィ分解能は、コンタクトアレイ(例えば、
図1Bの210)が着地可能な最小ピッチ、又はアレイ内の各コンタクトが着地可能な最小ピッチである。この最小ピッチは、典型的には、パターンを露出させるために使用される所与のフォトリソグラフィシステム(例えば、スキャナ又はステッパ)の分解能限界によって制限される。リソグラフィ配置限界は、パターン配置誤差を補償するために必要な余裕空間又は公差を意味する。パターンの配置ミスは、隣接デバイスレベルにあるデバイスに属するローカル相互接続構造へのコンタクトの短絡を引き起こす可能性がある。言い換えると、小さいパターンを印刷できる能力があっても、ツール因子及びウェハ因子の組み合わせによりパターン自体の位置決めが失敗する可能性がある。
【0036】
より高いレベルのデバイス集積を達成するために、本明細書に記載の技術は、デバイススタックにおける個々のレベル(例えば、ローカル相互接続)を、配線スタックにおける対応するレベル(例えば、M0レベル、M1レベル)に選択的に接続することが可能な垂直同軸相互接続構造を提供し、これは、いずれのレベルも階段状フォーメーションのスタガ配置にする必要がない。一例示的構造を
図2に示し、一例示的プロセスフローを
図3A~3H及び
図4A~4Iに示す。
【0037】
図2は、いくつかの実施形態による、一例示的同軸コンタクト(同軸コンタクト構造、垂直同軸コンタクト、垂直同軸コンタクト構造、垂直同軸相互接続構造とも呼ばれる)300の概略図である。
図2に示すように、同軸コンタクト300の断面は、4つのレベルの金属(金属層とも呼ばれる)316~322を、4つのレベルのローカル相互接続324~330に接続しているように示されている。同軸コンタクト300は、3D空間に管又は円柱を形成する、導体(即ち、導電層)302~308及び絶縁体(即ち、絶縁層)310~314の複数の同心層を含んでよい。同軸コンタクトの両端(即ち、下端及び上端)は、スタガ配置にされることで、ラベルA~Dで示されたような順次的な層同士の選択的接続を可能にしている。例えば、従来の階段から接続される、両レベル(例えば、ローカル相互接続及び金属層)の階段は、集積されて、本明細書において同軸コンタクトと呼ばれるものになる、導体及び絶縁体の同心層のセットに置き換えられる。線端がスタガ配置された構成により、同軸コンタクトにおける導体の順次的な同心「管」又は円柱が、接続されるスタックにおける後続レベルの金属又はローカル相互接続に対して露出する。ある特定のレベルでは、同軸コンタクト構造300の外側の管(例えば、302)が現在の金属(例えば、316)又はローカル相互接続レベル(例えば、324)に接続し、その一方で絶縁層(例えば、310)が隣の導体管(例えば、304)を、この特定レベル(例えば、316又は324)と短絡しないように保護する。
【0038】
引き続き
図2を参照すると、導電層302~308は、ローカル相互接続324~330から延びて、ローカル相互接続324~330の上に積層された金属層(即ち金属レベル、即ちM0レベル)316~322と結合されることが可能である。ローカル相互接続324~330は、基板(図示せず)の上に積層され、基板の上面に沿って水平方向に延びる。金属層316~322も、基板の上面に沿って水平方向に延びてよい。導電層302~308は、閉合形状であってよく、同心配置されてよく、柱形状で延びてよい。ローカル相互接続324~330のそれぞれは、導電層302~308のうちの対応する導電層と結合され、導電層302~308のそれぞれは、金属層316~322のうちの対応する金属層と結合される。例えば、導電層304はローカル相互接続326から延び、ローカル相互接続326及び金属層318と結合される。
【0039】
いくつかの実施形態では、導電層302~308の、基板に平行な方向に取得された断面が、円形ジオメトリに形成された閉ループ構成を有することが可能であるように、導電層が閉合形状である。但し、他のジオメトリ(例えば、方形、八角形、長方形、楕円形、三角形、又は他の任意のジオメトリ形状)も、回路設計に応じて適用されてよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、導電層302~308が柱形状で延びることが可能であって、この柱形状が管構成又は円柱構成を有することが可能であるように、導電層が閉合形状である。例えば、導電層308は円柱構成を有してよく、導電層302は管構成を有してよい。いくつかの実施形態では、管構成又は円柱構成の外形がテーパ状であってよく、これは、導電層の上端の限界寸法(CD)が導電層の下端のCDより大きいことを意味する。
【0041】
図2に示すように、同軸コンタクト300は更に、複数の絶縁層310~314を含んでよく、それらは、閉合形状であって、同心配置されていて、導電層と交互に位置する。したがって、導電層302~308は、絶縁層310~314によって互いに間隔を空けて配置されている。例えば、導電層302及び304は絶縁層310によって隔てられており、絶縁層310は導電層302を取り囲んでおり、導電層304は絶縁層310を取り囲んでいる。
【0042】
導電層302~308は下端を有してよい。これらの下端は、スタガ配置されて、ローカル相互接続324~330のうちの1つ以上と結合され、それによって、ローカル相互接続324~330のそれぞれが、導電層のうちのそれぞれ対応する導電層と結合される。例えば、導電層302の下端と導電層304の下端とがスタガ配置された構成を有する。導電層302はローカル相互接続324と、導電層304はローカル相互接続326と、それぞれ結合される。導電層302~308は上端を有してよい。これらの上端は、スタガ配置されて、金属層316~322のうちの1つ以上と結合され、それによって、導電層のそれぞれが、金属層のうちのそれぞれ対応する金属層と結合される。例えば、導電層302の上端と導電層304の上端とがスタガ配置された構成を有する。導電層302は金属層316と、導電層304は金属層318と、それぞれ結合される。
【0043】
いくつかの実施形態では、導電層のそれぞれが、対応するローカル相互接続との表面接触を形成することが可能であるように、導電層がローカル相互接続の上面に着地することが可能である。いくつかの実施形態では、導電層のそれぞれが、対応するローカル相互接続との包囲接触を形成することが可能であるように、導電層がローカル相互接続を貫通して延びることが可能である。同様に、一例では、導電層のそれぞれが、対応する金属層との表面接触を形成することが可能であるように、導電層が金属層の下に位置することが可能である。別の例では、導電層のそれぞれが、対応する金属層との包囲接触を形成することが可能であるように、導電層が金属層を貫通して延びることが可能である。
図2の一例示的実施形態では、導電層は、下端においてローカル相互接続を貫通して延びており、上端において金属層を貫通して延びている。
【0044】
引き続き
図2を参照すると、絶縁層310~314は下端を有してよい。これらの下端は、それぞれの絶縁層の下端が、導電層のうちの対応する導電層の下端と同じレベルになることが可能なようにスタガ配置される。これらの絶縁層はまた、上端を有してよい。これらの上端は、それぞれの絶縁層の上端が、導電層のうちの対応する導電層の上端と同じレベルになることが可能なようにスタガ配置される。例えば、絶縁層310の下端と導電層302の下端は同一平面上にあり、絶縁層310の上端と導電層302の上端は同一平面上にある。
【0045】
但し、
図2は一例に過ぎない。同軸コンタクト300は任意の数の導電層を含んでよく、導電層は更に、1つ以上のゲート電極又は他の構成要素と結合されてよい。更に、ローカル相互接続及び金属層は、CFETトランジスタスタック(図示せず)と結合されてよい。CFETトランジスタスタックは、CFETスタック200と同様の構成であってよい。例えば、
図1Bに示したCFETスタック200と同様に、CFETトランジスタスタックは、基板の上に積層された複数のトランジスタペアを有してよい。各トランジスタペアは、互いの上に積層されたn型トランジスタ及びp型トランジスタを含む。n型トランジスタは、n型トランジスタのn型チャネル領域の2つの端に位置するソース領域及びドレイン領域を有する。n型トランジスタのソース領域及びドレイン領域のそれぞれは、それぞれのローカル相互接続と結合される。n型チャネル領域は、n型ゲート構造で包囲されている。p型トランジスタは、p型トランジスタのp型チャネル領域の2つの端に位置するソース領域及びドレイン領域を有してよい。p型トランジスタのソース領域及びドレイン領域のそれぞれは、それぞれのローカル相互接続と結合されてよい。p型チャネル領域は、p型ゲート構造で包囲されている。更に、複数のゲート電極が基板の上に積層され、トランジスタペアのゲート構造と電気的に結合され、導電層のうちの少なくとも1つの導電層がゲート電極の1つから延びて、ゲート電極のその1つと結合される。
図1Bのローカル相互接続(例えば、226~232)と比較すると、本開示のローカル相互接続(例えば、324~330)及び/又は金属層(例えば、316~322)は、同軸コンタクトの実装後は階段状の構成でなくてよい。したがって、階段状の構成に関連付けられたリソグラフィ分解能限界及びリソグラフィ配置限界を超えることが可能である。
【0046】
そのような同軸コンタクト(即ち、同軸コンタクト構造)を構築するための一プロセスフローを
図3A~3H及び
図4A~4Iに示す。
図3A~3Hは、下側の線端のスタガ配置を示す、同軸コンタクト構造の形成の断面セグメントを示す。これは、同軸コンタクト構造の各同軸コンタクトのスタガ配置を露出させたものである。
図3Aでは、第1の垂直エッチングが実行されて、誘電体スタック402内に第1の開口部404が画定されており(穴404が形成されており)、これは同軸コンタクトの後続層の形成を可能にするためのものである。第1の開口部404は、第1の側壁404a及び第1の底面404bを有してよい。
図3Bでは、最初の垂直エッチングの後に導体(即ち、第1の導電層)406及び絶縁体(即ち、第1の絶縁層)408の側壁堆積が行われる。第1の導電層406は第1の開口部404の第1の側壁404aに沿って形成され、第1の絶縁層408は第1の導電層406の内側側壁406bに沿って形成される。したがって、第1の導電層406及び第1の絶縁層408は、閉合形状であり、第1の開口部404内に同心配置される。第1の導電層406の底面406c及び第1の絶縁層408の底面408cは、第1の開口部404の第1の底面404b上に位置する。第1の導電層及び第1の絶縁層の側壁堆積は、選択的堆積、原子層堆積、又はコンフォーマル堆積及びその後のスペーサオープンエッチングによって実施されてよい。
【0047】
図3Cでは、導体及び絶縁体のペア(例えば、第1の導電層及び第1の絶縁層)の側壁形成の後に第2の垂直(方向性)エッチングが行われる。但し、導体及び絶縁体のペアが第1の開口部404の底面の一部をマスク(即ち、保護)する。それによって、エッチングされる更なるバルク材料(例えば、誘電体スタック402の第1の開口部より下にある材料)が最初にエッチングされた第1の開口部より狭くなり、下にある材料のステップ状のエッチング進行が形成される。
図3Cに示すように、第2のエッチングによって、第1の絶縁層408の内側側壁408bに沿って誘電体スタック402がエッチングされて、第2の開口部410が形成されることが可能である。第2の開口部410は誘電体スタック402内を延び、第2の側壁410a及び第2の底面410bを有する。第2の側壁410aは、第1の絶縁層408の内側側壁408bに沿って形成され、誘電体スタック402内を更に延びる。第2の開口部410の第2の底面410bは、第1の導電層406の底面406c及び408c並びに第1の絶縁層408より下に位置する。
【0048】
これらのプロセスステップは、全ての同心層が構築されるまで繰り返される(
図3D~3H)。例えば、
図3Dでは、第2の導電層412が第2の開口部410の第2の側壁410aに沿って形成され、第2の絶縁層414が第2の導電層412の内側側壁412bに沿って形成される。第2の導電層412の底面412c及び第2の絶縁層414の底面414cは、第2の開口部410の第2の底面410b上に位置し、それによって、第2の導電層の底面が第1の導電層の底面より下に位置して、スタガ配置された構成が形成される。
【0049】
図3E~3Hでは、誘電体スタックをエッチングすることと、導電層及び絶縁層を順次的に堆積させることと、が交互に実施されてよい。各堆積操作及びエッチング操作は順次的に繰り返されてよく、更なるリソグラフィ露出は不要である。その結果、導電層の所定の数、及び所定の深さを満たすように、複数の導電層(例えば、406、412、416、及び420)及び複数の絶縁層(例えば、408、414、及び418)が誘電体スタック402内に形成される。導電層及び絶縁層は、誘電体スタック402内に閉合形状及び同心配置で交互に位置する。第1の導電層406は、導電層のうちの最も外側の層である。導電層は下端を有する。これらの下端はスタガ配置され、回路設計に基づいて、ローカル相互接続(例えば、
図2の324~330)のうちの1つ以上、又はゲート電極のうちの1つ以上と結合されてよい。
【0050】
図3A-3Hに示した例では、4つの導体構造(導電層とも呼ばれる)が形成され、3つの絶縁体構造(絶縁層とも呼ばれる)が形成される。但し、
図3Hでは、同軸コンタクト構造がテーパ状線端を有するように形成される。即ち、同軸コンタクト構造はテーパ状下端で終わる。このように端部がスタガ配置されている、即ち、ステップ状であることにより、異なる複数のレベル(例えば、ローカル相互接続)又は線路との電気的接触が可能になる。これは、明確にするために簡略化された例であり、簡略化された図である。例示的実施形態では、本明細書に記載の同軸コンタクト構造が、既存の導電性皮膜のスタック(例えば、
図2に示したローカル相互接続レベル(例えば、ローカル相互接続324~330))に組み込まれてよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、導電層は、タングステン、コバルト、銅、ルテニウム、アルミニウム、又は他の適切な導電材料を含んでよい。絶縁層は、SiO、SiN、SiCN、SiC、又は他の適切な誘電体材料を含んでよい。導電層及び絶縁層を形成する為に任意の適切な堆積方法が適用されてよく、例えば、化学気相堆積(CVD)、物理気相堆積(PVD)、拡散、及び原子層堆積(ALD)が適用されてよい。
【0052】
図4A~4Iは、本明細書に記載の同軸コンタクト構造の最上レベル(最上端)に線端延長部を形成することを示す基板セグメントの断面である。
図3Hから続いて、
図4Aでは、導電層(例えば、406、412、416、及び420)、絶縁層(例えば、408、414、及び418)、及び誘電体スタック402の上に誘電体キャッピング層422を堆積させる。誘電体キャッピング層(キャッピング層とも呼ばれる)422は、さらなるエッチング選択性を提供することが可能であり、それによって、バルク誘電体(例えば、窒化物から作られてよい誘電体スタック402)を、誘電体キャッピング層422に影響することなく、選択的にエッチングして同軸の絶縁体(絶縁層とも呼ばれ、酸化物から作られてよい)及び導体(導電層とも呼ばれる)の両方にすることが可能である。いくつかの実施形態では、キャッピング層は、炭化物、SiN、SiC、SiCN、又は他の適切な誘電体材料のうちの1つから作られてよい。
図4Bでは、
図3Hで形成された同軸コンタクト構造を取り囲む誘電体スタック402に対して、リソグラフィによって画定された第1の垂直エッチングが実行される。第1の垂直エッチングは、異方性エッチングであってよく、同軸コンタクト構造の包囲誘電体又は誘電体スタック中のバルク材料だけをエッチングするように、導体(即ち、導電層)及び同軸絶縁体(即ち、絶縁層)に対して選択的であってよい。
図4Bに示すように、誘電体スタックの中へ第1の垂直エッチングが実施されて、第1の導電層406の外側側壁406aの周囲に垂直トレンチ開口部424が形成される。垂直トレンチ開口部424は、誘電体スタック402内を第1の深さだけ延びて、第1の導電層406の第1の部分406dを露出させる。
【0053】
そして最初の垂直エッチング(即ち、第1の垂直エッチング)の後に、導体及び絶縁体の外側ペア(例えば、第1の導電層406及び第1の絶縁層408)の中へ第1の異方性エッチング(即ち、第1の水平エッチング)が行われてよい。これを
図4Cに示す。
図4Cでは、第1の水平エッチングによって、第1の導電層406の未被覆の第1の部分406dと、第1の絶縁層408のうちの、第1の導電層の未被覆の第1の部分406dに隣接する第1の部分とが除去される。第1の水平エッチングは更に、第2の導電層412の第1の部分412dを露出させる。
【0054】
図4Dでは、誘電体スタック402の中へ第2の垂直エッチングが実施されて、垂直トレンチ開口部424が誘電体スタック402内を第2の深さだけ延びて、第1の導電層406の第2の部分406eを露出させる(即ち、未被覆になる)。第2の深さは第1の深さより深い。
【0055】
図4Eでは、第2の水平エッチングが実施されてよい。第2の水平エッチングによって、第1の導電層406の露出した(即ち、未被覆の)第2の部分406eと、第1の絶縁層408のうちの、第1の導電層の露出した第2の部分406eに隣接する第2の部分とが除去されてよく、これは第2の導電層412の第2の部分412eを露出させるためである。第2の水平エッチングによって、更に、第2の導電層412の露出した第1の部分412dと、第2の絶縁層のうちの、第2の導電層412の露出した第1の部分412dに隣接する第1の部分とが除去されてよく、これは、導電層のうちの第3の導電層416の第1の部分416dを露出させるためである。
図2において上述したように、第3の導電層416は、第2の絶縁層414の内側側壁に沿って形成されている。
【0056】
図4F~4Hでは、同軸コンタクト構造の包囲材料の中への垂直エッチングとその後の導体及び絶縁体のペアの水平エッチングとのプロセスシーケンスが繰り返される。この繰り返しは、全ての導電層が露出して(未被覆になって)、従来のダマシンプロセス又はエッチングプロセスで形成されたワイヤ(例えば、
図2の金属層316~322)との接続が可能になるまで行われる。最後のステップは、
図4Iに示すように、誘電体キャッピング層422を除去することであってよい。結果として、各同軸導体(即ち、導電層)の高さが異なることで、異なる金属レベルでのワイヤ接続が可能になり、それによってコンタクトの自己整合も可能になることに注目されたい。
図4Iで、誘電体キャッピング層422の除去後に同軸コンタクト400が形成可能になる。同軸コンタクト400は、
図2の同軸コンタクト300と同様の構成になることが可能である。
【0057】
図5A及び5Bは、非常にコンパクトな3D集積ロジックレイアウトを構築するために本明細書に記載の同軸コンタクト構造をどのように使用できるかを示している。
図5Aは、And-Or-Invert 22(AOI22)セル500の概略回路図を示す。本明細書に記載のAOIセル500は、セルのp-fet側の並列ペア及びセルのn-fet側の直列ペアにグループ化されたトランジスタを有する、適度に複雑な標準セルである。例えば、p-fet側は4つのp型トランジスタP1~P4を含んでよく、P1とP2が並列に接続されており、P3とP4が並列に接続されている。n-fet側は4つのn型トランジスタN1~N4を含んでよく、N1とN2が直列に接続されており、N3とN4が直列に接続されている。AOIセル(即ち、AOI22セル)500は、4つの入力A~D及び出力Yと電気的に結合されている。4つの入力A~DのそれぞれがAOIセル500のそれぞれのn型ゲート及びp型ゲートと結合されている。例えば、入力Aは、n型トランジスタN1のn型ゲート及びp型トランジスタP1のp型ゲートと結合されている。加えて。AOIセル500は、p型トランジスタP1及びP2のソース領域と結合された供給電圧VDDに接続されている。AOIセル500は更に、n型トランジスタN2及びN4のソース領域と結合された接地電圧GNDに接続されている。
【0058】
図5Bは、本開示のいくつかの実施形態による、CFETスタック及び同軸コンタクトをベースとして実装されたAOI22セルの、上から見下ろしたレイアウト
図600である。レイアウト
図600は、複数の同軸コンタクト602~610、イオン打ち込みプロセスによってドープされた活性領域611を含んでよい。いくつかの実施形態では、同軸コンタクト608及び610は、CFETスタックのソース領域と結合されるソース側同軸コンタクトであってよく、同軸コンタクト604及び606は、CFETスタックのドレイン領域と結合されるドレイン側同軸コンタクトであってよく、同軸コンタクト602及び607は、CFETスタックのゲート電極と結合されるゲート同軸コンタクトであってよい。レイアウト
図600は、
図6A~6Dに示したいくつかのポリゲートの部分的な重なりであるポリゲート612と、1つ以上の入力(例えば、入力A~C)と結合された複数の金属1(M1)層614~620と、出力(例えば、出力Y)と、を有してよい。レイアウト
図600は更に、複数の金属0(M0)層622~628と、1つ以上の相互接続(又は垂直相互接続、又は垂直出力相互接続)630~632と、CFETスタックのn型トランジスタのためのソース側/ドレイン側ローカル相互接続(ソース/ドレインローカル相互接続とも呼ばれる)634~636と、CFETスタックのp型トランジスタのためのソース側/ドレイン側ローカル相互接続638~640と、供給電圧VDDと結合された電源レール接続642と、接地電圧GNDと結合された電源レール接続644と、を有してよい。
【0059】
図5Bは、いくつかの属性を識別するAOI22(即ち、and-or-invert)セルを示しており、それらの属性については
図6A~6Dで更に説明できる。
図5Bに示したロジックセルは、金属トラック4つ分の高さとポリトラック3つ分の幅がある。ディフュージョンブレークによって残ったスペースは、セルの活性エリア/領域の外側の左マージン及び右マージンであってよく、埋め込み電源レール又は従来式電源レール(図示せず)への接続に使用される。金属対ポリピッチの比を2:1とすると、金属トラック5つ分が残り、4つの入力(例えば、A~D)と1つの出力(例えば、Y)ピンが形成される。これらのピンを有する同軸コンタクトを能動デバイスの3Dスタックに接続する方法を
図6A~6Dに示す。
図6A~6Dにはまた、所望の又は企図されたロジック機能を表すソース接続及びドレイン接続を形成する方法を示している。
【0060】
図6A~6Dは、4つの断面カット線(金属トラックのそれぞれに1つ)を使用して、非常にコンパクトなロジックセルを形成するための同軸コンタクトの使用方法を示し、同軸コンタクトによって可能になる、非常に効率的で超規則的な一方向ローカル配線レイアウト構成を示す。特定の接続点を関連付けて文脈に落とし込めるように、
図5Bに示したAOI22セルの上から見下ろしたレイアウト
図600を
図6A~6Dにおいて繰り返し、それぞれの同軸コンタクトの位置をハイライトした。一般に、同軸コンタクトは、各セルを高度のパターニング効率及びプロセス効率で機能化する、汎用デバイスのスタックとローカル配線のスタックとの間の、面積効率の良い接続を実現する。
【0061】
図6Aでは、入力ピンA及びBから対応するポリゲートへの接続を示している。
図6Aの上半分はAOI22セルのレイアウト
図600であり、
図6Aの下半分は、レイアウト
図600の上面に垂直な線A-A’から得られた断面図である。(A及びBのラベルが付いた)入力ピンはM1レベルであってよく、対応する入力(例えば、A~D)に対して適用されてよい。
図6Aでは、入力ピンA(即ち、614)及び入力ピンB(即ち、616)は、従来式の垂直相互接続(例えば、バイア)646及び648を介して、対応する下層レベルの金属、例えばM0レベル622及び624に、それぞれ接続されている。垂直相互接続646及び648は、レベル間接続点とも呼ばれてよい。例えば、入力ピンA 614は垂直相互接続646を介してM0レベル(即ち、M0層)622に接続されている。そして、2つのレベルのM0(例えば、622及び624)が同軸コンタクト602内の2つの同心導体管(即ち、導電層)に接続されている。したがって、入力ピンAは外側導体(外側導電層)に接続されており、一方、入力ピンBは同軸コンタクト602の内側導体に接続されている。更に、外側導体はポリゲートAと結合されており、内側導体はポリゲートBと結合されている。したがって、
図6Aの設計は、入力ピンとゲートレベルA及びBとの間の、面積効率の良い接続を実現する。
【0062】
図6Bは、p型デバイスに対する電源、内部配線、及び出力信号接続を示す。
図6Bの上半分はAOI22セルのレイアウト
図600であり、
図6Bの下半分は、レイアウト
図600の上面に垂直な線B-B’から得られた断面図である。電源(即ち、供給電圧)VDDは、断面の左側に見えている電源レール接続642から下層の2つのM0レベル650a~650bを通ってデバイスに入る。電源VDDの接続は、同軸コンタクト610内の外側の2つの導電層にストラップされ、ゲートA及びBに対するソース側ローカル相互接続638までルーティングされる。出力は、(回路図のp側において必要とされるように)ゲートA及びBを並列に通り抜けた後、ゲートA及びBに対するドレイン側ローカル相互接続640によってピックアップされる。出力は、その後、同軸コンタクト604によってピックアップされ、その後、下層の2つのM0レベル650e~650fまでルーティングされる。2つのM0レベル650e~650fは更に、1つ以上の垂直相互接続(即ち、レベル間接続点)652a~652cを介して上層の2つのM0レベル650c~650dに接続されている。信号(例えば、電源VDD)を下層の2つのM0レベル650e~650fから上層の2つのM0レベル650c~650dまで動かすことにより、信号が同軸コンタクト610の内側の2つの導電層内までフィードされることが可能になる。同軸コンタクト610の内側の2つの導電層は、ゲートC及びDに対するソース側ローカル相互接続638と結合されて、ゲートC及びDへの入力を可能にする。一方、ゲートC及びDの出力は、ドレイン側ローカル相互接続640によってピックアップされ、更に、同軸コンタクト604の2つの内側導電層によってピックアップされる。出力は更に、同軸コンタクト604の2つの内側導電層によって2つの上層M0レベル650g~650hまでルーティングされ、更に、出力ピンY(例えば、620)までフィードされる。但し、2つの上層M0レベル650g~650hは、相互接続630を介して出力ピンYと結合されている。
【0063】
図6Cは、n型デバイスに対する電源、内部配線、及び出力信号接続を示す。
図6Cの上半分はAOI22セルのレイアウト
図600であり、
図6Cの下半分は、レイアウト
図600の上面に垂直な線C-C’から得られた断面図である。電源は、GND電源レール接続644から第2及び第3のM0レベル654a~654bを通って入る。第2及び第3のM0レベル654a~654bは、電源レール接続644を、同軸コンタクト608を介して、ゲートC及びBに対するソース側ローカル相互接続634に接続している。出力は、ゲートC及びBを通り抜けた後、ゲートC及びBに対するドレイン側ローカル相互接続636によってピックアップされる。出力は、その後、ドレイン側ローカル相互接続636と接続されている同軸コンタクト606によって第2及び第3のM0レベル654e~654fまでフィードされる。第2及び第3のM0レベル654e~654fは更に、垂直相互接続(レベル間接続点とも呼ばれる)656a~656bを介して上層及び下層のM0レベル654c及び654dに、それぞれストラップされる。上層及び下層のM0レベル654c及び654dは、その後、同軸コンタクト608を介して、ゲートA及びDに対するソース側ローカル相互接続634に接続されており、したがって、出力はゲートA及びDの入力になる。ゲートA及びDの出力はその後、ゲートA及びDに対するドレイン側ローカル相互接続636によってピックアップされ、更に、ドレイン側ローカル相互接続636と接続されている、同軸コンタクト606の最も外側の導電層及び最も内側の導電層によってピックアップされる。同軸コンタクト606は、ゲートA及びDの出力を、上層及び下層のM0レベル654g及び654hまでルーティングする。上層及び下層のM0レベル654g及び654hは更に、ゲートA及びDの出力を出力ピンY(例えば、620)までルーティングする。上層及び下層のM0レベル654g及び654hは、相互接続632を介して出力ピンYと結合されている。
【0064】
図6Dは、
図6Aと同様の構成及び機能性を示す。
図6Dの上半分はAOI22セルのレイアウト
図600であり、
図6Dの下半分は、レイアウト
図600の上面に垂直な線D-D’から得られた断面図である。
図6Aと同様に、信号が同軸コンタクト607を介してゲートC及びDに接続されており、同軸コンタクト607の外側導体が下層のM0層626をゲートCに接続しており、同軸コンタクト607の中心導体(即ち、導電層)が最上層のM0 628を最下層のゲートDに接続している。
図6Dに示すように、(C及びDのラベルが付いた)入力ピン617~618はM1レベル(即ち、M1層)であってよく、対応する入力(例えば、C及びD)に対して適用されてよい。入力ピンC 618及び入力ピンD 617は、従来式の垂直相互接続660a及び660bを介して、対応する下層レベルの金属M0 628及び626に、それぞれ接続されている。例えば、入力ピンC 618は垂直相互接続660aを介してM0 628に接続されている。そして、2つのレベルのM0(例えば、626及び628)が同軸コンタクト607内の2つの同心導体管(即ち、導電層)に接続されている。したがって、入力ピンC 618は外側導体(外側導電層)に接続されており、一方、入力ピンD 617は同軸コンタクト607の内側導体に接続されている。更に、外側導体はポリゲートAと結合されており、内側導体はポリゲートBと結合されている。したがって、
図6Dの設計は、入力ピンとゲートレベルC及びDとの間の、面積効率の良い接続を実現する。
【0065】
したがって、本明細書に記載の技術は製作方法及び半導体デバイス構造を含む。一実施形態は垂直相互接続構造を含む。垂直相互接続構造は、絶縁体(即ち、絶縁層)を挟んだ複数の同心導電層を含む。相互接続構造は、スタガ配置された端部(線端部又は構造端部)、即ち、ステップ状の端部を有する。そのようなスタガ配置は、積層された後続の導電層(例えば、ソース側又はドレイン側ローカル相互接続)に対する選択的接続性を促進する。
【0066】
別の実施形態は、下側の線端延長部を形成する微細加工プロセスを含む。このプロセスは第1のエッチングを含み、これは、第1の誘電体材料中に開口部/穴を画定する方向性(異方性)エッチングである。第1のエッチングにより、同軸コンタクト構造の半径には十分な開口部が形成されるが、最終的な同軸コンタクト構造の一部の深さで形成される。この深さは、同軸コンタクト構造の外側導体(即ち、導電層)を形成するための深さに相当してよい。開口部の側壁に第1の導体を堆積させ、その第1の導体の未被覆側壁に第1の絶縁体(即ち、絶縁層)を堆積させる。第2のエッチング(方向性エッチング)を実行して、第1の誘電体材料のうちの、第1の導体及び第1の絶縁体で覆われていない部分を除去する。第2のエッチングにより、第1の誘電体が所定の深さまでエッチングされる。第1の絶縁体の側壁、及び開口部の未被覆側壁部分に第2の導体を堆積させる。第2の導体の未被覆側壁に第2の絶縁体を堆積させる。画定開口部の残りのスペースを第3の導体で埋める。但し、残りのスペースを第3の導体で埋める前に更なる導体及び絶縁体のペアを追加してよい。導体及び絶縁体のペアを追加するたびに、その前に画定開口部を更にエッチングし、最後の埋め(第3の導体で埋める)の前にも画定開口部を更にエッチングする。
【0067】
別の実施形態は、本明細書に記載の同軸コンタクト構造の最上部(垂直方向の最上部)を形成するプロセスを含む。このプロセスは、同軸コンタクト構造が、同心形成された導体及び絶縁体のペアを複数有し、平らな上面を有するところから始まる。同軸コンタクト構造の下部は、中央の導体が外側の導体より深く延びているステップ状であってよい。同軸コンタクト構造は第1の誘電体材料で包囲されている。第1のエッチング(即ち、方向性エッチング、垂直エッチング)は、同軸コンタクト構造を包囲する第1の誘電体材料の中へと実行される。第1のエッチングによって所定の深さまでエッチングされてよく、例えば、1つの水平配線及び誘電体層の垂直深さまでエッチングされてよい。次に第2のエッチングが実行され、これは、最も外側の同軸の導体及び絶縁体のペアの中への水平エッチングである。第3のエッチングが実行され、これは、同軸コンタクト構造を包囲する第1の誘電体の中への、更なる水平配線及び誘電体層の深さまでの垂直エッチングである。第4のエッチングが実行され、これは、未被覆の導体及び絶縁体の各ペアの中への水平エッチングであり、結果として、同軸コンタクト構造の上端がステップ状ジオメトリになる。この、包囲誘電体の中への垂直エッチングのシーケンスの後に、未被覆の導体及び誘電体のペアの横方向/水平方向エッチングが、同軸コンタクト構造の中心導体が未被覆になるまで実行される。同軸コンタクト構造は、中心導体に加えて、1つ以上の導体及び絶縁体の円筒状ペアを含んでよい。
【0068】
別の実施形態は、デバイスの設計又は構成を含む。そのような設計は、例えば、標準的なセルアーキテクチャ(例えば、AOI22セル)又は標準的なセルアーキテクチャの一部として使用されてよい。そのようなデバイスは、電源レール接続(例えば、
図5Bの642及び644)を含んでよい。電源レール接続は、(本明細書ではセルの「ソース側」と呼ばれる)一方の垂直セル境界上の、ディフュージョンブレークによって残ったスペースに配置されてよい。電源レール接続は、p-デバイス(即ち、p型トランジスタ)の上のVDD(高電圧、1とも呼ばれる)と、n-デバイス(即ち、n型トランジスタ)の上のGND(低電圧、0とも呼ばれる)との間で分割される。電源レール接続は一般に、ローカル配線(M0)スタックの全高の上を延び、それによって、しかるべきM0レベルを接続することのみによる機能化が可能になる。
【0069】
垂直相互接続(即ち、垂直出力相互接続)(例えば、
図5Bの630、632)が(本明細書ではセルの「ドレイン側」とも呼ばれる)セルの反対側に配置されて、p-デバイス及びn-デバイスの両方を出力ピン(例えば、
図6Bの620)に接続する。垂直相互接続は、セルのp領域及びn領域の別々の2つの接続として、又は両出力を同時に接続する1つの連続的なバイアバーとして形成されてよい。垂直出力相互接続(例えば、
図5Bの630又は632)は一般的に、ローカル配線(M0)スタックの全高の上を延び、それによって、対応するM0レベルを接続することによる機能化が可能になる。
【0070】
ローカル配線(M0)レベル(例えば、
図6Cの654a~654d)のスタックは、3Dロジックスタックにおいてデバイスレベルごとに1つの配線レベルで形成される(即ち、4つのトランジスタをスタックする場合は4つのレベルのM0が必要になる)。そのようなM0レベルは、p-デバイスローカル相互接続及びn-デバイスローカル相互接続の両方の上に4つの接続(例えば、
図6Bの638及び640、
図6Cの634及び636)を形成することによってセルレイアウトの機能化を促進する。M0レベルによって成される接続は、ソース側同軸コンタクト(例えば、608及び610)への電源(例えば、VDD又はGND)の接続、レベル間接続点(例えば、
図6Bの652a~652c)へのドレイン側同軸コンタクト(例えば、604及び606)の接続、ソース側同軸コンタクト(例えば、608)へのレベル間接続点(例えば、
図6Cの656b)の接続、及び出力ピン(例えば、620)に接続された垂直相互接続(例えば、632)へのドレイン側同軸コンタクト(例えば、606)の接続を含んでよい。これらのM0レベルは更に、セルの入力ピン(例えば、614~618)を、セル/デバイスの活性領域の外側の配線トラック(例えば、611)上のゲート同軸コンタクト(例えば、602、607)を介して、しかるべきトランジスタゲート(例えば、ポリゲートA~D)に接続する。
【0071】
本開示では、積層されたゲートを入力ピンに接続するために、ゲート同軸コンタクトのペア(例えば、602及び607)が、各外側配線トラックの上に1つずつ配置される。そして、ソース/ドレイン同軸コンタクトの2つ以上のペアが形成され、一方のペア(例えば、610及び604)がp-デバイスのソース及びドレインの上に配置され、他方のペア(例えば、608及び606)がn-デバイスのソース及びドレインの上に配置される。
【0072】
したがって、本明細書に記載の技術は、3Dロジックデバイス、並びにメモリデバイス(静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)デバイス等)を含む様々な半導体デバイスの中に垂直接続を設けるための、コンパクトで効率的な方法及び構造を提供する。
【0073】
前述の説明では、処理システムの特定のジオメトリ並びにそこで使用される様々な構成要素及びプロセスの説明など、特定の詳細を明らかにしてきた。しかしながら、当然のこととして、本明細書に記載の技術は、これらの特定の詳細から逸脱する他の実施形態において実施することができ、そのような詳細は、説明のためのものであり、限定のためのものではない。本明細書に開示の実施形態を、添付図面を参照して説明してきた。同様に、説明の目的のため、完全な理解をもたらすために特定の数、材料、及び構成を明らかにしてきた。それにもかかわらず、そのような特定の詳細なしで実施形態を実施することができる。実質的に同じ機能的構成を有する構成要素は、同様の参照記号によって示しており、したがって、冗長な説明は省略している場合がある。
【0074】
様々な実施形態の理解を支援するために、様々な技術を複数の個別の動作として説明してきた。記述の順序は、これらの動作が必然的に順序依存であることを示唆するものと解釈されてはならない。実際、これらの動作は提示した順序で実行される必要はない。記載の動作は、記載の実施形態とは異なる順序で実行されてよい。様々な追加動作が実施されてよく、且つ/又は記載の動作が別の実施形態では省略されてよい。
【0075】
本明細書で用いる「基板」又は「目標基板」は一般に本発明に従い処理される対象を指す。基板は、デバイス(特に半導体デバイス又は他の電子デバイス)の任意の材料部分又は構造を含んでよく、例えば、ベース基板構造(半導体ウェーハ等)、レチクル、又はベース基板構造上の又はベース基板構造を覆う層(薄膜等)であってよい。したがって、基板は、パターニングされているか否かに依らず、いかなる特定のベース構造、下敷きとなる層又は上を覆う層にも限定されず、むしろ、任意のそのような層又はベース構造、或いは層及び/又はベース構造の任意の組み合わせを包含するものとする。記述が特定の種類の基板を指す場合があるが、説明を目的としたものに過ぎない。
【0076】
当業者はまた、上述の技術の動作に対し多くの変更がなされても依然として本発明の同じ目的を達成できることが理解されよう。このような変更は本開示の範囲に包含されるものとする。したがって、本発明の実施形態の上述の説明は限定を意図していない。むしろ、本発明の実施形態に対する全ての限定が以下の請求項に示されている。
【国際調査報告】