(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-29
(54)【発明の名称】自動化されたストップコック(stopcock)作動のための保持デバイスおよび装置
(51)【国際特許分類】
A61M 39/28 20060101AFI20220722BHJP
【FI】
A61M39/28 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570433
(86)(22)【出願日】2020-05-27
(85)【翻訳文提出日】2021-11-26
(86)【国際出願番号】 EP2020064624
(87)【国際公開番号】W WO2020239794
(87)【国際公開日】2020-12-03
(32)【優先日】2019-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】シュミット,ガエル
(72)【発明者】
【氏名】ブール,ゲタン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066JJ05
4C066JJ10
4C066QQ15
4C066QQ16
(57)【要約】
自動化されたストップコック作動のための保持デバイス(1)であって基体(2);および基体(2)に回転可能に受容されたドライバ(3)を含む。保持デバイス(1)はストップコック(A)の少なくとも一部を取り外し可能に受容し、ドライバ(3)の回転時にドライバ(3)がレセプタクル(4)内に受容されたストップコック(A)のハンドル(B)と係合して作動させることができるように構成されるレセプタクル(4)と、レセプタクル(4)内のストップコック(A)を選択的に固定できるように構成される、第1固定部材(5)を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動化されたストップコック作動のための保持デバイス(1)であって
基体(2);および
基体(2)に回転可能に受容されたドライバ(3)を含み、
保持デバイス(1)は、ストップコック(A)の少なくとも一部を取り外し可能に受容し、ドライバ(3)の回転時にドライバ(3)がレセプタクル(4)内に受容されたストップコック(A)のハンドル(B)と係合して作動させることができるように構成されるレセプタクル(4)と、
レセプタクル(4)内のストップコック(A)を選択的に固定できるように構成される、第1固定部材(5)とを有する:
前記保持デバイス(1)。
【請求項2】
第1固定部材(5)が、ドライバ(3)の定義された回転位置において、ストップコック(A)のレセプタクル(4)への取り付けを可能にし、ドライバ(3)と基体(2)との間の相対運動、好ましくは回転の際に、ストップコック(A)のレセプタクル(4)からの取り外しを防止するように構成される、請求項1に記載の保持デバイス(1)。
【請求項3】
第1固定部材(5)が、好ましくは基体(2)上で、レセプタクル(4)に、好ましくはストップコック(A)のハンドル(B)が取り付けられる部分に、部分的に重なるリップ(5a)と、ドライバ(3)の定義された回転範囲に渡ってレセプタクル(4)に取り付けられたストップコック(A)の取り外しを防止し、レセプタクル(4)と揃うように定義された回転位置でストップコック(A)の取り外し/取り付けを可能にするように配置される、リップ(5a)におけるノッチ(5b)とを含む、請求項2に記載の保持デバイス(1)。
【請求項4】
レセプタクル(4)が、ストップコック(A)の一部、好ましくはストップコック(A)のハンドル(B)の回転軸と同心状のボア(E)の中に挿入されるように構成されたピンと係合するように構成された突出部(4b)を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の保持デバイス(1)。
【請求項5】
ストップコック(A)のポート(D)につながるチューブセクション(C)を解放可能に保持するようにそれぞれ構成された1以上の第2固定部材(7)を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の保持デバイス(1)。
【請求項6】
複数の第2固定部材(7)が、保持デバイス(1)の周囲の周りに分布させられる、請求項5に記載の保持デバイス(1)。
【請求項7】
第2固定部材(単数または複数)(7)の少なくとも1つが、チューブセクション(C)との解放可能なフォームロッキング係合、好ましくはスナップフィット係合を可能にするように構成される、請求項5または6に記載の保持デバイス(1)。
【請求項8】
第2固定部材(単数または複数)(7)のうちの少なくとも1つが、ベース部(2)に形成されたスロット(2a)によってそれぞれ形成され、ストップコック(A)のポート(D)につながるチューブセクション(C)を保持するように構成される、請求項7に記載の保持デバイス(1)。
【請求項9】
レセプタクル(4)に配置されたストップコック(A)を第1固定部材(5)との係合に付勢するように構成された付勢要素をさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の保持デバイス(1)。
【請求項10】
ドライバ(3)が、外部の回転駆動装置(9)に連結されるように構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載の保持デバイス(1)。
【請求項11】
保持デバイス(1)のレセプタクル(4)内のストップコック(A)の回転位置および/または存在を検出するためのセンサーデバイス(8)を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の保持デバイス(1)。
【請求項12】
基体(2)が、隣接する別の保持デバイス(1)の基体(2)に取り外し可能に留め付けられてアレイを形成するように構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載の保持デバイス。
【請求項13】
基体(2)が、アレイに配置された複数のレセプタクル(4)と、関連する独立したドライバ(3)を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の保持デバイス(1)。
【請求項14】
自動化されたストップコック作動のための装置であって、
請求項1~13のいずれか一項に定義された1以上の保持デバイス(1)と、
保持デバイス(単数または複数)(1)のドライバ(単数または複数)(3)と係合し、ドライバ(単数または複数)(3)を回転駆動させるように構成された1以上の回転駆動装置(単数または複数)
:とを含む、前記自動化されたストップコック作動のための装置。
【請求項15】
保持デバイス(単数または複数)(1)の解放可能な留め付けが可能なように構成された、請求項14に記載の自動化されたストップコック作動のための装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動化されたストップコック(stopcock)作動のための保持デバイスおよび装置で、特に使い捨てのマルチウェイ・ストップコックと組み合わせて使用するためのものに関する。
【0002】
本発明は、一般に、医療、食品分析または検査の分野に関するものであるが、水耕栽培の植物の成長に関連する用途および流体の流れの配置を設定するための使い捨てのストップコックが使用される他の用途にも応用することができる。
【背景技術】
【0003】
使い捨てのストップコックは通常手動で作動するように設計され、それが医療または上記の分野のいずれにおいてもユーザーアプリケーションの大勢の例となっている。本発明が係わるストップコックは、プラスチック材料から製造された機能性構成要素であり、包含する弁ケーシングに備えられた複数の外部ポートは、望ましい流れの配置を設定するために適切なチューブに接続されるように、相応じてオスまたはメスの、ルアーコネクター、スリーブ、腸管コネクター、バーブコネクター等として形成されうる。
【0004】
弁ケーシングは流れの接続を選択的に確立または遮断するように形成された弁体を回転可能に受容する。弁体は、ユーザーが握って作動、すなわち弁ケーシング内部の弁体を選択された位置の間で回転させることのできる、外部のハンドルに接続されている。このタイプのストップコックの例は、コシナ、Nordson Medical、Elcam、Mednet、スミスメディカルなどの数件のサプライヤーの製品ポートフォリオにみることができる。
【0005】
ある出願では、自動化された回転駆動装置によって使い捨てのストップコックを作動させることが知られており、例えば放射合成法の調合では、流れの配置における多数のストップコックを、手動式の相互作用によることなく、あらかじめ定義されたスケジュールに従って自動的に動作させることができる。かかる駆動装置は、ステッパーモーター、ストップコック-バックプレート、ステッパーモーターのドライブシャフトをストップコックのハンドルに接続する連結器を包含する。ハンドルの特定の位置を検出するためのホームポジションセンサーもまた含まれてもよい。
【0006】
上記の分野では、化学物質、微生物、病原体などの汚染を防ぐために、安全で低コストの使い捨てソリューションが必要であり、流体を処理するための流れの配置を設定し、また、異なる容器、機器、生体(人間、植物、細胞培養物等)からの流体を分注、混合、分取、変換、分析するための使い捨てチューブセットの使用が促進されている。
【0007】
さらに、マルチウェイ・ストップコックは医療を含む多くの用途で、異なる流路を選択または分離するための低コストの使い捨てソリューションとして開発されてきた。その設計は、手動式で作動させるために最適化されており、自動化された作動ソリューションには厳密には互換していない。特に、現在市販されている低コストの使い捨てストップコックは、自動化のために設計されておらず、自動化された機器と組み合わせて使用することは容易ではない。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、以下の既存の問題の1以上を解決できる自動化されたストップコック作動のための保持デバイスおよび装置の提供である:
保持デバイスへのストップコック取り付けの容易な実行性を、好ましくはストップコックのシングルステップの、手動式ロードおよびアンロードによって提供すること;
保持デバイス内でのストップコックの正確な位置決めを、特に、ロード時のストップコック体部の正確な中心配置と角度位置に関し提供すること;
向上された安全性、特に特定のロード/アンロード位置以外での、不用意なストップコックの取り外しの防止を提供すること;および
保持デバイスの別異の状態、すなわち、ストップコックが保持デバイス内および/または特定の回転位置にあることの検知を可能にすること。
【0009】
上記問題の少なくとも一部を解決するために、本発明は請求項1の特徴をもつ自動化されたストップコック作動のための保持デバイスを提供する。好ましい実施態様は従属項にて定義される。
【0010】
さらに、本発明は請求項14に定義される、自動化されたストップコック作動のための装置で本発明の保持デバイスを含むものもまた提供する。
【0011】
自動化されたストップコック作動のための保持デバイスは、特に基体;および基体に回転可能に受容されたドライバを含み、保持デバイスは、ストップコックの少なくとも一部を取り外し可能に受容し、ドライバの回転時においてドライバがレセプタクル内に受容されたストップコックのハンドルと係合して作動させることができるように構成されるレセプタクルと、レセプタクル内のストップコックを選択的に固定できるように構成される第1固定部材とを有する。
【0012】
好ましくは、第1固定部材は、ドライバの定義された回転位置において、ストップコックのレセプタクルへの取り付けを可能にし、ドライバと基体との間の相対運動、好ましくは回転の際に、ストップコックのレセプタクルからの取り外しを防止するように構成される。
好ましくは、第1固定部材は、好ましくは基体上で、レセプタクルに、好ましくはストップコックのハンドルが取り付けられる部分に、部分的に重なるリップと、ドライバの定義された回転範囲に渡ってレセプタクルに取り付けられたストップコックの取り外しを防止し、レセプタクルと揃うように定義された回転位置でストップコックの取り外し/取り付けを可能にするように配置される、リップにおけるノッチとを含む。
好ましくは、レセプタクルは、ストップコックの一部、好ましくはストップコックのハンドルの回転軸と同心状のボアの中に挿入されるように構成されるピンと係合するように構成される突出部を有する。
【0013】
好ましくは、保持デバイスは、ストップコックのポートにつながるチューブセクションを解放可能に保持するようにそれぞれ構成された1以上の第2固定部材を有する。
【0014】
好ましくは、複数の第2固定部材は、保持デバイスの円周の周りに分布させられる。
【0015】
好ましくは、第2固定部材(単数および複数)の少なくとも1つは、チューブセクションとの解放可能なフォームロッキング(form-locking)係合、好ましくはスナップフィット(snap-fit)係合を可能にするように構成される。
【0016】
;好ましくは、第2固定部材(単数および複数)の少なくとも1つは、ベース部に形成されたスロットによってそれぞれ形成され、ストップコックのポートにつながるチューブセクションを保持するように構成される。
【0017】
好ましくは、保持デバイスは、レセプタクルに取り付けられたストップコックを第1固定部材との係合に付勢するように構成された付勢要素をさらに含む。
【0018】
好ましくは、ドライバは、外部の回転駆動装置に連結されるように構成される。
【0019】
好ましくは、保持デバイスは、保持デバイスのレセプタクル内のストップコックの回転位置および/または存在を検出するためのセンサーデバイスをさらに含む。
【0020】
好ましくは、基体は、隣接する別の保持デバイスの基体に取り外し可能に留め付けられてアレイを形成するように構成される。
【0021】
好ましくは、基体は、アレイに配置された複数のレセプタクルと関連する独立したドライバを含む。
【0022】
本発明による自動化されたストップコック作動のための装置で、1以上の本発明による保持デバイス(単数または複数)、および保持デバイス(単数または複数)のドライバ(単数または複数)と係合し、ドライバ(単数または複数)を回転駆動させるように構成される1以上の回転駆動装置(単数または複数)を含む。
【0023】
好ましくは、装置は保持デバイス(単数または複数)の解放可能な留め付けが可能なように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下、本発明の保持デバイスの好ましい実施態様を、その添付図面と組み合わせて説明する:
【
図1】
図1は、実施態様による保持デバイスとストップコックの配置を示す外観透視図で前者に後者が組み込まれる前である;
【0025】
【
図2】
図2Aは、ストップコックが組み込まれた状態の実施態様の保持装置保持デバイスの透視図であり、
図2Bは、
図2Aに示されたストップコックの回転軸の断面図である;
【0026】
【
図3】
図3Aは、保持デバイス内にストップコックの選択的固定を作出する回転位置を示す、
図2Aの保持デバイスの実施態様の正面図であり、
図3Bは、
図3Aの屈曲線に沿った断面透視図である;
【0027】
【
図4】
図4は、
図1の実施態様の詳細を拡大した側面図であり、ストップコックのチューブ用の第2固定デバイスの例を説明する;
【0028】
【
図5】
図5Aおよび
図5Bは、複数のストップコックのための保持デバイスの配置の2つの例を示す;また、
【0029】
【
図6】
図6Aおよび
図6Bは、本発明の保持デバイスにおけるセンサーの配置例である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1~
図4に示す実施態様の自動ストップコック作動用保持デバイス1は、基体2と、基体2に回転可能に組み込まれたドライバ3とを含む。保持デバイス1は、使い捨てのストップコックAの少なくとも一部を取り外し可能に受容するためのレセプタクル4を有し、ドライバ3が、レセプタクル4に、好ましくは、ドライバ3の回転によって受容された後、ストップコックAの弁ケーシングFの弁体GのハンドルBと係合して作動させることができるように構成されている。
【0031】
ドライバ3のレセプタクル4は、ハンドルBの外側の形状に多少なりとも適合させることができ、それに応じて、単一のハンドルレバーのための収容スペース、または、例えば、十字またはY字配置の形態で、複数のハンドルレバーのための収容スペースを包含することができる。保持デバイス1を異なるモデルのストップコックに適応させるために、ドライバは、保持デバイスを異なる種類のストップコックで動作するように構成できるように、異なるレセプタクル(図示せず)を有する交換可能な要素を備えることができる。レセプタクルは、必ずしもストップコックやそのハンドルの外側の形状やフットプリント全体に対応している必要はなく、ストップコックやそのハンドルの一部だけを受容して、それに係合し、ドライバの回転力をハンドルに伝えることができれば足りる。言い換えれば、レセプタクルは、ハンドルBの完全な外側の形状または輪郭に対応する完全に補完的な空洞を有する必要はない。
【0032】
基体2は、様々な形状または構成を有することができる固定要素であり、そのいくつかについては以下で更に説明する。
【0033】
図1~
図3に示された実施態様において、基体2は丸い円筒であり、ドライバ3を、ドライバ3が基体2との相関で回転可能なように受容するように構成された、傾いた外部側面2cと内部開口部2bを有する。
図1に示すように、レセプタクル4はドライバ3に、ストップコックAが「天地逆」、すなわちハンドルBが先になるように挿入されることができるように形成される。
【0034】
基体2は、ドライバ3を受容する開口部2bを囲む周縁部に、ドライバ3の円周の周りに延伸し、内部の開口部2bから基体の前面側へのドライバの取り外しを防止するリップ5aを有する。さらに、周リップ5aは、ストップコックAのハンドルBが取り付けられるレセプタクル4の一部にも重なるように形成されている。別異の角度位置(
図1の表示では9時)にてリップ5aには、ドライバのレセプタクル4がノッチ5bの位置に揃ったときに、ストップコックAまたはハンドルBの少なくとも一部をレセプタクル内に配置できるようなノッチ5bが設けられる(
図1、2A、2B参照)。
【0035】
ストップコックA(またはハンドルB)が、レセプタクル4内に、挿入位置、または挿入方向において、突出した周リップ5aの下方にハンドルBが位置するような深さまで配置されると、基体2に対するドライバ3の回転により、レバーBの径方向外側部分が移動され、周リップ5aが基体2の開口部2bに対向するリップの内側周方向軸方向面より下方に位置するレセプタクル4と重なり(
図3A、B参照)、レセプタクル4からのストップコックの保持デバイス前方への取り出しをハンドルBの外端位置と周リップ5aとのフォームロッキング係合により防止する。
【0036】
よって、リップ5a、リップ5a内のノッチ5b、およびドライバ3のレセプタクル4の間の相互作用は、レセプタクル内へのストップコックの選択的な固定を可能にし、それによりドライバの定義された回転位置においてレセプタクル内にストップコックが取り付けられることとレセプタクルからのストップコックの取り外しをドライバと基体の間の相対運動、すなわち回転の、後およびその間に渡り、防止できる第1固定部材5を表すことができる。保持デバイスにおけるストップコックの固定のために、一定の角度範囲に渡るドライバの初期回転でレバーをリップ5a下に運ぶことは、手動式で行うこともできるし、必要な回転範囲でドライバを動作する装置のロック機能とすることもできる。
【0037】
図示されていない変形例では、リップ5a、およびオプションとしてノッチ5bは、基体2に形成、固定、または一体化されているのではなく、基体に回転可能に留め付けられた分離したリング要素の一部であってもよい。この場合、リング要素だけをドライバおよび基体に対して回転させて、ストップコックのレバーをレセプタクルに「ロック」することができる。
【0038】
図2Bおよび
図3Bに示すように、レセプタクル4は、好ましくは、ストップコックAの弁体Gの回転軸と同心状のボアEにきつく嵌合するようなピンの形態で、ストップコックの一部と係合するように構成された突出部4bを有する。この突出部はセンタリング機能を有し、好ましくは、その突出の高さによりレセプタクル内でのストップコックの傾斜運動を防止し、ハンドルの外端部と周リップ5aとのフォームロッキング係合との組み合わせにより、レセプタクルからのストップコックの取り外しを、レセプタクルがリップ5a内のノッチ5bと揃う位置以外では本質的に全ての回転位置において防止する。また、中央突出部4bが存在する場合には、挿入の間、ストップコックを誘導して中央に配置し、かつ/または、重なり合うリップとの組み合わせによりストップコックのハンドルをレセプタクル内にあるときに完全に固定する。
【0039】
中央の突出部4bは、使用するストップコックの弁体Gが対応するボアEを備えていない場合には省略することができ、また弁体Gの外側の上に係合する突出部で置き換えることもできる。
【0040】
言うまでもなく、特定のストップコックのハンドルが2つ以上の突出部または突起をX(十字)またはY字配置で有している場合には、リップ5aは対応する数および配置のノッチ5bを備え、ハンドルを特定のロード/アンロード位置でレセプタクル内に挿入することを可能にし、相対回転時には、取り外しを防止できることは上述のとおりである。
【0041】
保持デバイス1は、好ましくは、図に示すように、ストップコックAのポートDにつながるチューブセクションCを解放可能に保持するようにそれぞれ構成された1以上の第2固定部材7を有する。これらの第2固定部材7は、保持デバイス1の、特に基体2の円周の周りに分布されており、それらは、使用されるストップコックAのポートDの方向と揃えられている。保持デバイス1は、異なるマルチウェイストップコックのコンセプトに適応するために、特定のストップコックに必要なかかる第2の固定部材7をいくつか含んでもよい。
【0042】
これらの第2固定部材7の1以上または好ましくは全てが、チューブCとの解放可能なフォームロック係合、好ましくはスナップフィット係合を可能にするように構成されている。これは、複数の方法で実現することができる。
【0043】
図に示されている第2固定部材7の特に簡単な構造は、基体2の外側の軸方向に突出した周辺リム2dに形成され、ストップコックAのポートDの1つにつながるチューブセクションCを受容して保持するように形成されたスロット2aを含む。
図4に示すように、チューブCがエラストマーまたは変形可能なプラスチックで作られている場合には、スロット2aが、本質的にチューブCの外径に対応する内径Hを有し、180°よりも大きな角度の円弧部に渡り延伸して形成され、装置の軸方向前側に向けて対向し、チューブの直径Hよりも小さい幅Gを有するアパーチャ(aperture)10を残している簡単な配置が実現できる。これにより、可撓性チューブは、アパーチャ10を通過する際に一時的に変形され、スロット2a内部での最終的な位置でその完全な直径に戻るので、容易な挿入が可能となる。
【0044】
第2固定部材7は他の配置が可能である。特に好ましい一変形例は、図示はされていないが、回転可能な追加のリング要素が、基体の前側、例えば、周辺リム2dの径方向内側または外側に備えられ、スロット2aと揃い、挿入位置でチューブセクションのスロットへの挿入を可能とするような寸法のノッチを備えているという点で、基体のリップ5aの相互作用の利用によるレセプタクル内のレバーの解放可能な保持と、類似の機械的コンセプトを含む。その場合、かかるリング要素の基体に対する相互回転は選択的にスロットの軸方向の挿入側を閉じ、チューブのスロットからの取り外しを防止し得る。かかるリング要素の基体に対する相対的な回転はドライバもしくは第1固定部材の他のリング要素の回転と独立していても、結びついていてもよい(図示せず)。
【0045】
第2固定部材7内へのチューブCの固定は、最広義のコンセプトでは、ドライバ3がハンドルBの部分をリップ5aの下に未だ運んでいないにもかかわらず流体システムが設定されたときに、ストップコックAを保持デバイス1のレセプタクル4内に保持することで足り得る。ドライバ3の回転は、この場合、ストップコックAを保持するために必要ではないが、動作中のストップコックの追加的かつ「取り外し不可能な」固定を提供する。
【0046】
保持デバイスは、さらに、例えばばねまたは弾性部材の形態で、レセプタクル4内に取り付けられたストップコックAを、第1固定部材5、すなわち本実施態様での周リップ5aとの係合に付勢するよう構成された付勢要素(図示せず)を、かかる付勢要素が、基体の開口部においてドライバの後方に配置され、ドライバをストップコックの挿入方向に押し付けるという点で、包含することもできる。
【0047】
ドライバ3は、空洞4とは反対側で、外部の回転駆動装置9に連結されるように構成されていてもよい(
図2B、3B参照)。
【0048】
図6Aおよび6Bに示すように、保持デバイス1はさらに、保持デバイス1のレセプタクル4内のストップコックAの回転位置および/または存在を検知するためのセンサーデバイス8を含んでもよい。かかるセンサーデバイス8は、透過または反射によって動く光学センサーであってもよく、発光部8aと、発光部から放出された光の透過部分または反射部分を受けることができるように発光部8aに対して配置された1以上の検出部(単数または複数)8bとを含んでいてもよい(
図6Aは、透過または非透過に依る存在検知の例を示し、
図6Bは、反射に依る例を示す)。センサーデバイス8の要素の配置によっては、別異の回転位置を検出することもまた可能である。
【0049】
図5Aおよび
図5Bは、複数のストップコックをアレイに受容しマニホールドを成すためのレセプタクルのアレイを作出する2つの例を示している。
図5Aの解決策は、それらに対応するドライバを、互いに隣り合うような配置か、または基体において取り外し可能に互いに留め付けられて一体化したユニットを形成するような構成で有する、複数の独立した基体2を包含している。
図5Bの変形例では、基体22は拡大され、所定の構成で配置された複数の独立したドライバおよびレセプタクルを受容する。
【0050】
本発明はまた、本願明細書に記載された1以上の保持デバイス1を使用し、保持デバイスのドライバ3と係合し、通常は内部または外部のコントローラと組み合わせてドライバを回転駆動させるように構成された1以上の回転駆動装置を含む自動化されたストップコック作動のための装置に関する。駆動装置は、ステップモーター、サーボモーター、磁気駆動装置、または他の回転伝達システムであってよい。
【0051】
異なる流れの配置に適応する柔軟性を高めるために、装置は、異なる配置に装置を構成するために保持デバイスを解放可能に留め付けることができるように構成されていてもよい。
【国際調査報告】