(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-04
(54)【発明の名称】層及び/又は基板を形成及びパターニングする方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20220728BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/20 501
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569896
(86)(22)【出願日】2020-04-21
(85)【翻訳文提出日】2022-01-19
(86)【国際出願番号】 US2020029073
(87)【国際公開番号】W WO2020242645
(87)【国際公開日】2020-12-03
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-04-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】コシザワ, タケヒト
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ルイ
(72)【発明者】
【氏名】シン, テジンダー
(72)【発明者】
【氏名】押尾 英隆
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197AB12
2H197AB13
2H197HA03
(57)【要約】
一実施形態は、半導体処理のための特徴を形成する方法である。基板に第1のマンドレル及び第2のマンドレルが形成される。第1のマンドレルの第1の側壁に沿って第1のスペーサが形成され、第2のマンドレルの第2の側壁に沿って第2のスペーサが形成される。第1のスペーサと第2のスペーサとの間に間隙が画定される。間隙は間隙充填材料で充填される。幾つかの実施例では、間隙充填材料は、ドープされたシリコン材料を含む。幾つかの実施例では、第1のスペーサ及び第2のスペーサはそれぞれ、ドープされたシリコン材料を含む。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理のための特徴を形成する方法であって、
基板に第1のマンドレル及び第2のマンドレルを形成することと、
前記第1のマンドレルの第1の側壁に沿って第1のスペーサを形成し、前記第2のマンドレルの第2の側壁に沿って第2のスペーサを形成することであって、前記第1のスペーサと前記第2のスペーサとの間に間隙が画定される、ことと、
ドープされたシリコン材料を含む間隙充填材料で前記間隙を充填することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第1のマンドレル及び前記第2のマンドレルはそれぞれ炭素である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
湿式エッチングプロセスによって前記第1のスペーサ及び前記第2のスペーサを選択的に除去することを更に含み、前記湿式エッチングプロセスは前記間隙充填材料をエッチングしない、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記間隙が前記間隙充填材料によってシームレスに充填されている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記ドープされたシリコン材料が、ホウ素濃度が10
20cm
-3から10
24cm
-3の間のホウ素がドープされたシリコンである、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のスペーサ及び前記第2のスペーサはそれぞれアモルファスシリコンである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記湿式エッチングプロセスは、アルカリ又はアルカリ性エッチャントを含むエッチング液を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のスペーサ及び前記第2のスペーサはそれぞれ、低温で堆積された酸化ケイ素である、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記ドープされたシリコン材料は、炭素がドープされたシリコンである、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記炭素がドープされたシリコンは、流動性CVD(FCVD)によって堆積される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のスペーサ及び前記第2のスペーサはそれぞれアモルファスシリコンである、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
半導体処理のための特徴を形成する方法であって、
基板に第1のマンドレル及び第2のマンドレルを形成することと、
前記第1のマンドレルの第1の側壁に沿って第1のスペーサを形成し、前記第2のマンドレルの第2の側壁に沿って第2のスペーサを形成することであって、前記第1のスペーサと前記第2のスペーサとの間に間隙が画定され、前記第1のスペーサ及び前記第2のスペーサはそれぞれドープされたシリコン材料を含む、ことと、
間隙充填材料で前記間隙を充填することと、
を含む方法。
【請求項13】
半導体処理のための特徴を形成する方法であって、
基板に第1のマンドレル及び第2のマンドレルを形成することであって、前記第1のマンドレル及び前記第2のマンドレルは、前記基板に沿った第1の方向に平行に延在する、ことと、
前記第1のマンドレルの第1の側壁に沿って第1のスペーサを形成し、前記第2のマンドレルの第2の側壁に沿って第2のスペーサを形成することであって、前記第1のスペーサと前記第2のスペーサとの間に第1の間隙が画定される、ことと、
前記第1の間隙を第1の間隙充填材料で充填することであって、(i)前記第1のスペーサ及び前記第2のスペーサ、並びに(ii)前記第1の間隙充填材料のうちの少なくとも1つが、ホウ素がドープされたシリコンである、ことと、
前記第1のマンドレル、前記第2のマンドレル、前記第1のスペーサ、前記第2のスペーサ、及び前記第1の間隙充填材料上にわたって、第3のマンドレル及び第4のマンドレルを形成することであって、前記第3のマンドレル及び前記第4のマンドレルは、前記第1の方向と交差する前記基板に沿った第2の方向に平行に延在する、ことと、
前記第3のマンドレルの第3の側壁に沿って第3のスペーサを形成し、前記第4のマンドレルの第4の側壁に沿って第4のスペーサを形成することであって、前記第3のスペーサと前記第4のスペーサとの間に第2の間隙が画定される、ことと、
(i)前記第2の間隙を通して露出した前記第1の間隙充填材料、又は(ii)前記第2の間隙を通して露出した前記第1のマンドレル及び前記第2のマンドレル、のそれぞれの部分を除去することと、
第2の間隙充填材料で前記第2の間隙を充填することと、
前記第3のマンドレル及び前記第4のマンドレルを除去することであって、前記第3のマンドレル及び前記第4のマンドレルを除去することによって、それぞれの第3の間隙が形成される、ことと、
(i)前記第3の間隙を通して露出した前記第1の間隙充填材料、又は(ii)前記第3の間隙を通して露出した前記第1のマンドレル及び前記第2のマンドレル、の他方のそれぞれの部分を除去することと、
を含む方法。
【請求項14】
前記第1のスペーサ及び前記第2のスペーサは、ホウ素がドープされたシリコンである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の間隙充填材料は、ホウ素がドープされたシリコンである、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の例は、概して、層を形成すること、及び層及び/又は基板に特徴及び/又は開口部をパターニングすることに関する。具体的には、本開示の実施形態は、精密な寸法制御で層及び/又は基板に特徴及び/又は開口部をパターニングする方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
[0002]マルチパターニング技法は、フォトリソグラフィにおいて、特徴の密度や精度を高めるために開発された技術である。例えば、ダブルパターニングリソグラフィ(DPL)は、解像度の向上に有効な技法である。DPLは、ピッチ分割によって理論的に解像度を2倍にする。幾つかの実装態様におけるDPLでは、露光とエッチングのステップを2回に分けて行う(Litho-etch-litho-etch、又はLELE又はL2E2)。DPLは、特に20nm世代の技術に適しており、14nm技術以降への微細化に向けた有望な解決策の候補の一つである。特徴の幅が縮小していくにつれ、特徴密度を高めるために、半導体チップの積層において特徴のアスペクト比(深さ÷幅)が大きくなっていく。トレンチを充填する際、トレンチが広くて浅ければ、トレンチを完全に充填することは比較的容易である。しかし、トレンチのアスペクト比が大きくなると、トレンチの開口部が「ピンチオフ」して、トレンチ内にボイド(欠陥等)が形成される可能性が高くなる。
【0003】
[0003]ゲートパターンとシャロートレンチアイソレーション(STI)領域を確実に形成することは、集積回路の成功にとって重要である。回路の高密度化の要求が高まるにつれ、デバイスの特徴サイズを小さくするだけでなく、高アスペクト比の要求に伴い、デバイス間のアイソレーション構造のサイズを小さくする必要がある。欠陥を最小限に抑えながらアイソレーション構造の誘電体材料でトレンチを充填するために、多くの異なるプロセス技法と材料の選択が開発されてきた。プロセス制御が不十分だと、構造プロファイルが不規則になったり、トレンチに欠陥が発生したり、トレンチが早く閉じてしまい、トレンチに誘電体材料を充填する際にボイド又は空隙が発生したりする。
【発明の概要】
【0004】
[0004]一実施形態では、半導体処理のための特徴を形成する方法が提供される。基板に第1のマンドレル及び第2のマンドレルが形成される。第1のマンドレルの第1の側壁に沿って第1のスペーサが形成され、第2のマンドレルの第2の側壁に沿って第2のスペーサが形成される。第1のスペーサと第2のスペーサとの間に間隙が画定される。間隙は間隙充填材料で充填される。間隙充填材料は、ドープされたシリコン材料を含む。
【0005】
[0005]別の実施形態では、半導体処理のための特徴を形成する方法が提供される。基板に第1のマンドレル及び第2のマンドレルが形成される。第1のマンドレルの第1の側壁に沿って第1のスペーサが形成され、第2のマンドレルの第2の側壁に沿って第2のスペーサが形成される。第1のスペーサと第2のスペーサとの間に間隙が画定される。第1のスペーサ及び第2のスペーサはそれぞれドープされたシリコン材料を含む。間隙は間隙充填材料で充填される。
【0006】
[0006]更に別の実施形態では、半導体処理のための特徴を形成する方法が提供される。基板に第1のマンドレル及び第2のマンドレルが形成される。第1のマンドレル及び第2のマンドレルは、基板に沿った第1の方向に平行に延在する。第1のマンドレルの第1の側壁に沿って第1のスペーサが形成され、第2のマンドレルの第2の側壁に沿って第2のスペーサが形成される。第1のスペーサと第2のスペーサとの間に第1の間隙が画定される。第1の間隙が第1の間隙充填材料で充填される。(i)第1のスペーサ及び第2のスペーサ、並びに(ii)第1の間隙充填材料のうちの少なくとも1つが、ホウ素がドープされたシリコンである。第1のマンドレル、第2のマンドレル、第1のスペーサ、第2のスペーサ、及び第1の間隙充填材料上及び全体に、第3のマンドレル及び第4のマンドレルが形成される。第3のマンドレル及び第4のマンドレルは、第1の方向と交差する基板に沿った第2の方向に平行に延在する。第3のマンドレルの第3の側壁に沿って第3のスペーサが形成され、第4のマンドレルの第4の側壁に沿って第4のスペーサが形成される。第3のスペーサと第4のスペーサとの間に第2の間隙が画定される。(i)第2の間隙を通して露出した第1の間隙充填材料、又は(ii)第2の間隙を通して露出した第1のマンドレル及び第2のマンドレルのそれぞれの部分が除去される。第2の間隙が第2の間隙充填材料で充填される。第3のマンドレル及び第4のマンドレルが除去される。第3のマンドレル及び第4のマンドレルを除去することによって、それぞれの第3の間隙が形成される。(i)第3の間隙を通して露出した第1の間隙充填材料、又は(ii)第3の間隙を通して露出した第1のマンドレル及び第2のマンドレルの他方のそれぞれの部分が除去される。
【0007】
[0007]上述した本開示の実施形態の特徴を詳細に理解できるように、一部が添付の図面に例示されている実施形態を参照しながら、上記に要約した本開示をより具体的に説明する。しかし、添付の図面は本開示の典型的な実施形態を単に示すものであり、したがって、本開示の範囲を限定するものと見なすべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】幾つかの実施例に係る自己整合型マルチパターニング(SAMP)プロセス中の構造を示す図である。
【
図2】幾つかの実施例に係る自己整合型マルチパターニング(SAMP)プロセス中の構造を示す図である。
【
図3】A~Eは、幾つかの実施例に係る自己整合型マルチパターニング(SAMP)プロセス中のそれぞれの構造を示す様々な図である。
【
図4】A~Eは、幾つかの実施例に係る自己整合型マルチパターニング(SAMP)プロセス中のそれぞれの構造を示す様々な図である。
【
図5】A~Eは、幾つかの実施例に係る自己整合型マルチパターニング(SAMP)プロセス中のそれぞれの構造を示す様々な図である。
【
図6】A~Eは、幾つかの実施例に係る自己整合型マルチパターニング(SAMP)プロセス中のそれぞれの構造を示す様々な図である。
【
図7】A~Eは、幾つかの実施例に係る自己整合型マルチパターニング(SAMP)プロセス中のそれぞれの構造を示す様々な図である。
【
図8】A~Eは、幾つかの実施例に係る自己整合型マルチパターニング(SAMP)プロセス中のそれぞれの構造を示す様々な図である。
【
図9】A~Eは、幾つかの実施例に係る自己整合型マルチパターニング(SAMP)プロセス中のそれぞれの構造を示す様々な図である。
【
図10】A~Eは、幾つかの実施例に係るSAMPプロセス中のそれぞれの構造を示す様々な図である。
【
図11】A~Eは、幾つかの実施例に係るSAMPプロセス中のそれぞれの構造を示す様々な図である。
【
図12】A~Eは、幾つかの実施例に係るSAMPプロセス中のそれぞれの構造を示す様々な図である。
【
図13】A~Eは、幾つかの実施例に係るSAMPプロセス中のそれぞれの構造を示す様々な図である。
【
図14】A~Eは、幾つかの実施例に係るSAMPプロセス中のそれぞれの構造を示す様々な図である。
【
図15】幾つかの実施例に係る、第1のパターニングされたマンドレル及び第1の間隙充填材料のカットセグメントのパターンのレイアウトを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0011]理解を容易にするために、可能な限り、図面に共通の同一要素を示すのに同一の参照番号を使用している。一実施形態に開示された要素は、具体的な詳述なしに他の実施形態に有益に用いられ得ると考えられる。
【0010】
[0012]本明細書に記載の実施形態は、半導体プロセスにおいて材料及び特徴をパターニングする方法を提供するものである。自己整合型マルチパターニング(SAMP)プロセスは、所望の材料が間隙充填材料及び/又はスペーサの材料として使用され得るところで実行され得る。SAMPプロセスは、14ナノメートル以下等の所望の小さい寸法のナノ構造を製造するために使用され得る。SAMPプロセスは、特徴又はパターンを材料層及び/又は基板に転写するために使用され得る。幾つかの実施例では、SAMPプロセスで実装される間隙充填材料は、ドープされたシリコン材料を含む。ドープされたシリコン材料は、ホウ素がドープされたシリコン(Si:B)又は炭素がドープされたシリコン(SiC)等のIII族、IV族、又はV族のドープされたシリコン材料であり得る。幾つかの実施例では、SAMPプロセスで実装されるスペーサ層、及びスペーサ層から続いて形成されるスペーサは、ドープされたシリコン材料を含む。ドープされたシリコン材料は、ホウ素がドープされたシリコン(Si:B)等のIII族、IV族、又はV族のドープされたシリコン材料であり得る。
【0011】
[0013]様々な異なる実施例を以下に説明する。プロセスフロー又はシステムにおいて異なる実施例の複数の特徴を一緒に説明することがあるが、複数の特徴はそれぞれ、別々に又は個別に、及び/又は、異なるプロセスフロー又は異なるシステムにおいて実装され得る。更に、様々なプロセスフローを順番に実行されるものとして説明しているが、他の実施例は、異なる順序で、及び/又は、より多くの又は少ない工程で、プロセスフローを実行し得る。
【0012】
[0014]概略的なプロセスを、様々な図を参照しながら以下に説明する。第1の概略的なプロセスフローを、
図1、2、及び3A~3Eから9A~9Eの文脈で説明し、第2の概略的なプロセスフローを、
図1、2、3A~3Eから4A~4E、及び10A~10Eから14A~14Eの文脈で説明する。様々な例示的な処理技法及び材料を、これらの概略的なプロセスフローの文脈で説明する。当業者であれば、他の実施例で実行可能な様々な他の技法及び材料が容易に理解できるであろう。プロセスフローは、層及び/又は基板における任意の適切な構造をパターニングするために使用され得る。幾つかの実施例では、プロセスフローは、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)等のシャロートレンチアイソレーション(STI)のパターンを基板に形成するために実行される。
【0013】
[0015]第1の概略的なプロセスフローから開始する。
図1は、マンドレル及びスペーサ層の形成後の構造の断面図である。
図1の断面はX方向に沿ったものであり、これを後にレイアウト図の文脈で示す。
図1は、基板30と、下層32と、第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cと、第1のスペーサ層36とを示す図である。基板30は、バルク基板、セミコンダクタオンインシュレータ(SOI)基板等、任意の適切な半導体基板を含み得る。幾つかの実施例では、基板30は、バルクシリコンウエハである。基板のサイズの例としては、直径200mm、直径350mm、直径400mm、及び直径450mm等が挙げられる。基板30は、幾つかの実施例では、半導体基板に形成された任意の層及び/又は構造を含み得る。例えば、層間誘電体、金属間誘電体、エッチング停止層、及び/又は任意の他の誘電体層を含む誘電体層を半導体基板に形成することができ、更に、金属ライン、ビア、ゲート構造等の任意の他の構造を含むことができる。
【0014】
[0016]下層32は、基板30に配置されている。下層32は、例えば、マスクとして使用することができる任意の適切な材料であり得る。幾つかの実施例では、下層32は、窒化ケイ素(SiN)、酸窒化ケイ素(SiON)、更にシリコンリッチであり得る酸化ケイ素(SiO)(例えば、シリコンリッチ酸化物)等、又はそれらの組み合わせである、又はそれらを含む。下層32は、下層32とその上に続いて形成される適切な層との間でエッチング選択性を提供する任意の適切な材料であり得る。下層32は、化学気相堆積(CVD)、スピンオン、物理的気相堆積(PVD)等の任意の適切な堆積プロセスを用いて、基板30に堆積させることができる。
【0015】
[0017]第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cは、下層32上に配置されている。第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cは、下層32にマンドレル層を堆積させ、マンドレル層を第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cにパターニングすることによって形成され得る。マンドレル層は、アモルファスカーボン(a-C)の層等のカーボン層、又は他の任意の適切な層であり得る、又はそれを含み得る。マンドレル層は、CVD、スピンオン、又は他の任意の適切な堆積プロセスによって堆積させることができる。マンドレル層は、リソグラフィとエッチングを用いてパターニングすることができる。フォトレジストをマンドレル層に形成し、リソグラフィを用いてパターニングすることができる。反応性イオンエッチング(RIE)のような異方性エッチングプロセス等のエッチングプロセスを実行して、フォトレジストのパターンをマンドレル層に転写し、第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cをパターニングすることができる。
【0016】
[0018]第1のスペーサ層36は、第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34c及び下層32の露出部分に共形的に配置される。第1のスペーサ層36は、第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cとは異なる任意の適切な材料、例えば、任意の適切な誘電体材料又は任意の適切なシリコン含有材料であり得る。第1のスペーサ層36に適した材料の例としては、酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化ケイ素、アモルファスシリコン、ポリシリコン、ドープされた又はドープされていないシリコン材料等が挙げられる。幾つかの実施例では、第1のスペーサ層36は、アモルファスシリコン(a-Si)であり得る、又はそれを含み得る。幾つかの実施例では、第1のスペーサ層36は、酸化ケイ素(例えば、低温酸化物(LTO))であり得る、又はそれを含み得る。幾つかの実施例では、第1のスペーサ層36は、ドープされたシリコン材料であり得る、又はそれを含み得る。ドープされたシリコン材料は、ホウ素がドープされたシリコン(Si:B)又は炭素がドープされたシリコン(Si:C)等の、III族、IV族、又はV族のドープされたシリコン材料であり得る。ドープされたシリコン材料がホウ素がドープされたシリコンである例では、ホウ素がドープされたシリコン中のホウ素の濃度は、約1020cm-3から約1023cm-3までの範囲等、約1020cm-3以上とすることができる。ホウ素がドープされたシリコンの上記例では、ホウ素の濃度の関数としてエッチング選択性が提供され得る。第1のスペーサ層36は、CVD、プラズマCVD(PECVD)、原子層堆積(ALD)等、任意の適切な共形堆積によって堆積させることができる。
【0017】
[0019]
図2は、下層32上の、第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cのそれぞれの側壁に沿って配置された第1のスペーサ36a、36b、36c、36dの断面図である。第1のスペーサ36a、36b、36c、36dは、第1のスペーサ層36からパターニングされている。例えば、第1のスペーサ層36は、例えば、第1のスペーサ層36の垂直部分が第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cのそれぞれの側壁に沿って残るように、第1のスペーサ層36の水平部分を除去するために、異方性エッチングされ得る。異方性エッチングプロセスは、例えば、RIEであり得る。図示したように、一対の第1のスペーサが、第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cのそれぞれの対向する側壁に沿って配置されている。例えば、第1のスペーサ36bは、第1のパターニングされたマンドレル34bの第1の側壁に沿って配置され、第1のスペーサ36cは、第1のパターニングされたマンドレル34bの第2の、対向する側壁に沿って配置される。更に、隣り合う第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cの対向する第1のスペーサ36a、36b、36c、36dの間に間隙が画定される。例えば、第1のスペーサ36a、36bの間に間隙が画定され、第1のスペーサ36c、36dの間に間隙が画定される。
【0018】
[0020]
図3A、3B、3C、3D、及び3Eは、第1のスペーサ36a、36b、36c、36dの間の間隙に第1の間隙充填材料38a、38bを形成した後を示す様々な図である。
図3Aはレイアウト図であり、X方向に沿った異なる位置の断面B-B、C-Cと、Y方向に沿った異なる位置の断面D-D、E-Eを描写したものである。
図3Bは、断面B-Bの断面図である。
図3Cは、断面C-Cの断面図である。
図3Dは、断面D-Dの断面図である。
図3Eは、断面E-Eの断面図である。末尾が「B」、「C」、「D」、「E」に指定されている後続の図も同様に、それぞれの構造の各断面B-B、C-C、D-D、E-Eに沿った図である。
図3Aに示すように、第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cは、断面B-B、C-Cと交差するY方向に沿って延在するようにパターニングされている。第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cのこのパターニングに続いて、第1のスペーサ36a、36b、36c、36c及び第1の間隙充填材料38a、38bも同様にY方向に沿って延在している。
【0019】
[0021]第1の間隙充填材料38a、38bは、下層32上の、対向する第1のスペーサ36a、36b、36c、36dの間の間隙に配置される。第1の間隙充填材料38a、38bは、対向する第1のスペーサ36a、36b、36c、36dの間の間隙を充填し得る。間隙充填材料は、間隙及び第1のスペーサ36a、36b、36c、36d及び第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cに堆積させることができ、ある場合には、その後にエッチングバックして第1の間隙充填材料38a、38bを形成することができる。幾つかの実施例では、間隙充填材料は、ドープされたシリコン材料を含み得る、又はドープされたシリコン材料であり得る。ドープされたシリコン材料は、ホウ素がドープされたシリコン(Si:B)等のIII族、IV族、又はV族のドープされたシリコン材料であり得る。ドープされたシリコン材料がホウ素がドープされたシリコンである例では、ホウ素がドープされたシリコン中のホウ素の濃度は、約1020cm-3から約1024cm-3の範囲等、約1020cm-3以上であり得る。ホウ素がドープされたシリコンの上記例では、ホウ素の濃度の関数としてエッチング選択性が提供され得る。幾つかの実施例では、ドープされたシリコン材料は、炭素がドープされたシリコン材料、リンがドープされたシリコン、又は他の適切なIII族、IV族、又はV族のドープされたシリコン材料であり得る、又はそれらを含み得る。幾つかの実施例では、間隙充填材料は、炭素がドープされたシリコン又は他の材料であり得る、又はそれを含み得る。幾つかの実施例では、間隙充填材料は、酸化ケイ素(例えば、スピンオンガラス(SOG))であり得る、又はそれを含み得る。間隙充填材料は、間隙充填材料と、(1)第1のスペーサ36a、36b、36c、36d及び(2)第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cとの間でエッチング選択性を提供する任意の適切な材料であり得る。
【0020】
[0022]間隙充填材料は、適切な堆積プロセス、例えば、流動機構を用いて間隙充填材料を堆積させるプロセスによって堆積させることができる。流動機構を使用する堆積プロセスの例としては、流動性CVD(FCVD)及びスピンオンコーティングが挙げられる。その他の堆積プロセスを用いてもよい。続いて、第1のスペーサ36a、36b、36c、36d及び第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cの上から全ての間隙充填材料を除去するために、オーバーバーデン(overburden:過負荷)エッチングプロセスが実行され得る。オーバーバーデンエッチングプロセスは、ドライプラズマエッチングプロセス等の任意の適切なエッチングプロセスであり得る。したがって、第1の間隙充填材料38a、38bは、第1の間隙充填材料38a、38b、第1のスペーサ36a、36b、36c、36d、及び第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cの上面が実質的に同一平面上にあるように形成され得る。
【0021】
[0023]前述したように、幾つかの実施例では、第1の間隙充填材料38a、38bは、ドープされたシリコン材料(例えば、ホウ素がドープされたシリコン又は炭素がドープされたシリコン)であり、第1のスペーサ36a、36b、36c、36dは、酸化ケイ素又はアモルファスシリコン等の別の異なる材料である。他の実施例では、第1のスペーサ36a、36b、36c、36dは、ドープされたシリコン材料(例えば、ホウ素がドープされたシリコン又は炭素がドープされたシリコン)であり、第1の間隙充填材料38a、38bは、酸化ケイ素等の別の異なる材料である。ドープされたシリコン材料は、後続のパターニングプロセス中に、酸化ケイ素又はアモルファスシリコンであり得る別の異なる材料からの良好なエッチング選択性を提供し得ると考えられる。エッチング選択性は、エッチングプロセス後の第1の間隙充填材料38a、38bの良好なプロファイルにつながり得る。
【0022】
[0024]ドープされたシリコン材料(例えば、ホウ素がドープされたシリコン)は、ドープされていないシリコン(例えば、アモルファスシリコン又はポリシリコン)等の他のシリコン含有材料を堆積させるためにしばしば使用される温度よりも低い温度で堆積され得る。例えば、ドープされたシリコン材料(例えば、ホウ素がドープされたシリコン)は、250℃未満、例えば220℃未満、より具体的には、例えば約150℃から約200℃の堆積温度で、CVDプロセスによって形成され得る。ドープされたシリコン材料の堆積温度を比較的低くすることで、第1のスペーサ36a、36b、36c、36d及び第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cの材料等の材料の選択や変更のためのプロセスウィンドウを広げることができる。例えば、第1の間隙充填材料38a、38bがドープされたシリコン材料である場合、堆積プロセス温度を低くすることにより、第1の間隙充填材料38a、38bが接触する第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34c及び第1のスペーサ36a、36b、36c、36dを、より高い温度では上記材料が実質的な材料特性の変化、膜の歪み、熱分解(化学的又は物理的)、及び/又は異なる種類の変化なしには下記処理に耐えることができないかもしれないところで、上記のような変化なく、250℃までの温度のプロセスに耐え得る材料から製造することが可能になる。その結果、例えば、第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cのために、多くの場合、250℃未満の温度、例えば100℃を上回るが、250℃未満である温度を維持することができる幾つかの種類の炭素材料、ポリマー材料、有機材料、又はフォトレジスト材料が選択され得る。上記のような材料の追加の利用可能性により、後続のエッチングプロセス(複数可)中のエッチング選択性を向上させることが可能になり得る。
【0023】
[0025]流動機構を使用する堆積プロセスで間隙充填材料を堆積させると、スペーサ間に画定された間隙を充填することができる良好な間隙充填能力を得ることができる。例えば、FCVD及び/又はスピンオンコーティングは、スペーサ間に画定された間隙において、間隙充填材料の実質的な継ぎ目又はボイドなしに間隙充填材料で間隙を充填することを可能にし得る。更に、上記堆積プロセスを用いて堆積されたドープされたシリコン材料は、良好な間隙充填能力を更に提供し得る。例えば、第1の間隙充填材料38a、38bが、少なくとも1022cm-3のホウ素濃度を有するホウ素がドープされたシリコンである場合、第1のスペーサ36a、36b、36c、36dの材料は、良好なプロファイル制御を提供するために、アモルファスシリコン層となるように選択される。第1の間隙充填材料38a、38bが炭素がドープされたシリコン材料である場合、トレンチを充填する際に継ぎ目等の特定の欠陥が形成される可能性が低減され得ると考えられる。幾つかの実施例では、シームレスの第1の間隙充填材料38a、38bが間隙に充填され得る。
【0024】
[0026]
図4A、4B、4C、4D、及び4Eは、第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44c及び第2のスペーサ46a、46b、46c、46dの形成を示す図である。第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cは、第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cに関して上述したような処理を用いて形成され得る。第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cは、第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cが延在するそれぞれの方向と交差する方向に延在するようにパターニングされている。図示したように、第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cは、第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cが延在するY方向に直交するX方向に延在する。幾つかの実施例では、第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34c及び第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cが延在する交差する方向は、非垂直であり得る。第2のスペーサ46a、46b、46c、46dは、第1のスペーサ36a、36b、36c、36dに関して上述したような処理を用いて形成され得る。幾つかの実施例では、第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cの材料は、窒化ケイ素(SiN)等であり、又はそれを含み、第2のスペーサ46a、46b、46c、46dの材料は、酸化ケイ素(例えば、LTO)、アモルファスシリコン等である、又はそれを含む。第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cの材料は、第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cと、(1)第2のスペーサ46a、46b、46c、46dと、(2)第1の間隙充填材料38a、38bとの間でエッチング選択性を提供する任意の材料であり得る。第2のスペーサ46a、46b、46c、46dの材料は、第2のスペーサ46a、46b、46c、46dと、(1)第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cと、(2)第1の間隙充填材料38a、38bと、(3)第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cとの間でエッチング選択性を提供する任意の材料であり得る。
【0025】
[0027]
図5A、5B、5C、5D、及び5Eは、第1の間隙充填材料38a、38bを貫通する第1のカット部50の形成を示す図である。第1のカット部50は、第1の間隙充填材料38a、38bの露出した部分(例えば、第2のスペーサ46a、46b、46c、46d間の間隙を通して露出している部分)を選択的にエッチングすることによって形成され得る。エッチングプロセスは、RIEのようなドライプラズマエッチングプロセス等の異方性エッチングプロセスであり得る。下層32は、カットされた第1の間隙充填材料38a、38bの隣接するセグメント間の第1のカット部50によって露出する。
【0026】
[0028]
図6A、6B、6C、6D、及び6Eは、第2の間隙充填材料52a、52bの形成を示す図である。第2の間隙充填材料52a、52bは、対向する第2のスペーサ46a、46b、46c、46d間の間隙にある。第2の間隙充填材料52a、52bは、第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34c及び第1のスペーサ36a、36b、36c、36dの上面に更に設けられ、第1のカット部50に配置されている(例えば、下層32の上面に設けられ、第1のカット部50を画定する第1の間隙充填材料38a、38b及び第1のスペーサ36a、36b、36c、36dの側壁に沿って設けられている)。第2の間隙充填材料52a、52bは、対向する第2のスペーサ46a、46b、46c、46d間の間隙を充填し得る。間隙充填材料は、間隙及び第2のスペーサ46a、46b、46c、46d及び第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cに堆積させることができ、ある場合には、続いてエッチングバックして第2の間隙充填材料52a、52bを形成することができる。幾つかの実施例では、間隙充填材料は、酸化ケイ素を含み得る、又は酸化ケイ素であり得る。幾つかの実施例では、間隙充填材料は、アモルファスシリコン等のシリコンを含み得る、又はアモルファスシリコン等のシリコンであり得る。間隙充填材料は、間隙充填材料と、(1)第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cと、(2)第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cとの間でエッチング選択性を提供する任意の材料であり得る、又はそれを含み得る。間隙充填材料は、CVD、PVD、スピンオン等の任意の適切な堆積プロセスによって堆積させることができる。幾つかの実施例では、間隙充填材料は、スピンオン(例えば、スピンオンガラス(SOG))によって堆積された酸化ケイ素である。その後、第2のスペーサ46a、46b、46c、46d及び第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cの上から全ての間隙充填材料を除去するために、オーバーバーデンエッチングプロセスが実行され得る。オーバーバーデンエッチングプロセスは、ドライプラズマエッチングプロセス等の任意の適切なエッチングプロセスであり得る。したがって、第2の間隙充填材料52a、52bは、第2の間隙充填材料52a、52b、第2のスペーサ46a、46b、46c、46d、及び第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cの上面が実質的に同一平面上にあるように形成され得る。
【0027】
[0029]
図7A、7B、7C、7D、及び7Eは、第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cの除去と、第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cを貫通する第2のカット部54の形成とを示す図である。第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cは、エッチングプロセスによって除去され得る。エッチングプロセスは、第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cに対して選択的であり得る。第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cの除去により、第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cが除去された第2のスペーサ46a、46b、46c、46d間に第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34c、第1のスペーサ36a、36b、36c、36d、及び第1の間隙充填材料38a、38bの一部が露出する。次いで、第2のカット部54が、第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cの露出した部分(例えば、第2のスペーサ46a、46b、46c、46d間の間隙を通して露出している部分)を選択的にエッチングすることによって形成され得る。エッチングプロセスは、RIEのようなドライプラズマエッチングプロセス等の異方性エッチングプロセスであり得る。下層32は、カットされた第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cの隣接するセグメント間の第2のカット部54によって露出する。第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cの除去と第2のカット部54の形成は、同じ連続的なエッチングプロセスによるものでも、別々のエッチングプロセスによるものでもよい。例えば、第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44c及び第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cに選択的な同じ連続した異方性エッチングプロセスが実施され得る。別の実施例として、第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cに選択的な等方性又は異方性エッチングプロセスを実行した後に、第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cに選択的な異方性エッチングプロセスが行われ得る。
【0028】
[0030]
図8A、8B、8C、8D、及び8Eは、第2のスペーサ46a、46b、46c、46d、第2の間隙充填材料52a、52b、及び第1のスペーサ36a、36b、36c、36dの除去を示す図である。この除去は、1又は複数のエッチングプロセスによって行われ得る。例えば、第2のスペーサ46a、46b、46c、46d、第2の間隙充填材料52a、52b、及び第1のスペーサ36a、36b、36c、36dの材料は、同じであり得る、又は一般的に同じエッチング選択性を有していてよく、したがって、第2のスペーサ46a、46b、46c、46d、第2の間隙充填材料52a、52b、及び第1のスペーサ36a、36b、36c、36dは、同じ連続的なエッチングプロセスによって除去され得る。材料が異なる場合は、異なるエッチングプロセスが実施され得る。エッチングプロセス(複数可)は、湿式エッチングプロセスのような等方性であり得る、又は異方性であり得る。
【0029】
[0031]第2の間隙充填材料52a、52b及び第1のスペーサ36a、36b、36c、36dが酸化ケイ素(例えば、それぞれSOG及びLTO)である幾つかの実施例では、第2の間隙充填材料52a、52b及び第1のスペーサ36a、36b、36c、36dの両方を除去するために、希フッ化水素酸(dHF)、バッファード(buffered:緩衝)フッ化水素酸(BHF)、及び/又はバッファード酸化物エッチャント(BOE)を用いた湿式エッチングプロセスが使用され得る。幾つかの実施例では、このような湿式エッチングプロセスにおけるエッチング液は、弱酸性溶液である。弱酸性溶液は、第1の間隙充填材料38a、38b(ホウ素がドープされたシリコン又は炭素がドープされたシリコンであり得る)及び第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34c等の他の層を激しく攻撃することなく、第1のスペーサ36a、36b、36c、36dを穏やかにエッチングし得る。酸性溶液は、HF、BOE等のエッチャントを含む。エッチング溶液には、2つ以上のエッチャントが用いられ得る。一例では、酸溶液は、3から7等の所望のpHレベルである。
【0030】
[0032]第2の間隙充填材料52a、52bが酸化ケイ素(例えば、SOG)であり、第1のスペーサ36a、36b、36c、36dがアモルファスシリコンである幾つかの実施例では、第2の間隙充填材料52a、52bを除去するために、dHFを用いた湿式エッチングプロセスが使用され得、第1のスペーサ36a、36b、36c、36dを除去するために、水酸化アンモニウム(NH4OH)、アルカリ溶液、アルカリ性溶液、又はそれらの組み合わせ(水酸化カリウム(KOH)とNH4OHの混合物、又はKOHとアルカリ溶液の混合物等)を用いた湿式エッチングプロセスが使用され得る。幾つかの実施例では、上記湿式エッチングプロセスにおけるエッチング溶液は、アルカリ又はアルカリ性溶液であり得る、又はそれを含み得る。アルカリ又はアルカリ性溶液は、第1の間隙充填材料38a、38b(ホウ素がドープされたシリコン又は炭素がドープされたシリコンであり得る)及び第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34c等の他の層を激しく攻撃することなく、第1のスペーサ36a、36b、36c、36d(例えば、アモルファスシリコン)を穏やかにエッチングし得る。アルカリ又はアルカリ性溶液は、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化バリウム(Ba(OH)2)、及び水酸化カルシウム(Ca(OH)2)等の1又は複数のエッチャントを含むことができ、更にNH4OHを含み得る。エッチャントは、アルカリ又はアルカリ性溶液を所望のpHレベル、例えば7から12、例えば約8から11に維持するように、所望の濃度範囲で脱イオン水(DI水)に溶解していてよい。一例として、湿式エッチングプロセス用のアルカリ又はアルカリ性溶液は、脱イオン水に約0.1重量パーセント(%)から約60重量パーセント(%)の濃度を有する少なくとも1つのアルカリ又はアルカリ性化学物質を含む。また、アルカリ又はアルカリ性溶液には、酸化剤、緩衝剤、添加剤等の別の薬剤も使用可能である。
【0031】
[0033]第2の間隙充填材料52a、52bがシリコン(例えば、a-Si)であり、第1のスペーサ36a、36b、36c、36dがホウ素がドープされたシリコンである幾つかの実施例では、第2の間隙充填材料52a、52bを除去するために、アルカリ又はアルカリ性溶液(KOH、NaOH、Ba(OH)2、及びCa(OH)2等を含む)を含む溶液を用いた湿式エッチングプロセスが使用され得、第1のスペーサ36a、36b、36c、36dを除去するために、アルカリ又はアルカリ性溶液(KOH、NaOH、Ba(OH)2、及びCa(OH)2等を含む)を含む溶液を用いた湿式エッチングプロセスが使用され得る。
【0032】
[0034]上述したいずれかの実施例の湿式エッチングプロセスにおいて、湿式エッチングプロセスのエッチング溶液は、約10℃から約100℃の範囲、例えば約22.5℃、例えばおおよそ室温の溶液温度を有し得る。その上に配置された様々な層、マンドレル、及び/又はスペーサを有する基板30は、約5秒から約500秒の範囲、例えば約10秒から約100秒の範囲の時間、エッチング溶液に浸漬され得る。
【0033】
[0035]エッチング溶液は、タンク、シンク、バス、又は他の適切な容器で提供され得る。湿式エッチングプロセスの間、エッチング溶液は、かき混ぜられ、攪拌され、又は循環され得、これにより、基板30全体のプロセス条件の均一性が改善され得る。また、メガソニック又は超音波の電力をエッチング溶液に印加することもでき、これによりプロセス効率が向上し得る。湿式エッチングプロセスは、
図8A~8Eに示すように、第1のスペーサ36a、36b、36c、36dの所望の部分が除去されるまで連続的に実行され得る。
【0034】
[0036]第2のスペーサ46a、46b、46c、46d、第2の間隙充填材料52a、52b、及び第1のスペーサ36a、36b、36c、36dを除去した後、第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34c及び第1の間隙充填材料38a、38bのカットセグメントが、下層32上に残る。第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34c及び第1の間隙充填材料38a、38bのカットセグメントの下にない下層32の部分は露出している。
【0035】
[0037]
図9A、9B、9C、9D、及び9Eは、下層32への第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34c及び第1の間隙充填材料38a、38bのカットセグメントのパターンの転写を示す図である。このパターンの転写は、RIEのような異方性エッチングプロセス等の任意の適切なエッチングプロセスによるものであってよい。下層32のパターニングは、パターニングの最終ターゲットであり得る、又はその後の基板30へのパターン転写のためのマスクの形成であり得る。
【0036】
[0038]以下の表1は、異なる実施例に係る第1の概略的なプロセスフローの様々な構成要素に対して実装され得る材料を示すものである。
【0037】
[0039]第2の概略的なプロセスフローに目を向けると、処理は、
図1、2、3A~3E、及び4A~4Eに関して上述したように進行する。
【0038】
[0040]
図10A、10B、10C、10D、及び10Eは、第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cを貫通する第1のカット部60の形成を示す図である。第1のカット部60は、第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cの露出した(例えば、第2のスペーサ46a、46b、46c、46d間の間隙を通して露出している)部分を選択的にエッチングすることによって形成され得る。エッチングプロセスは、RIEのようなドライプラズマエッチングプロセス等の異方性エッチングプロセスであり得る。下層32は、カットされた第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cの隣接するセグメント間の第1のカット部60によって露出する。
【0039】
[0041]
図11A、11B、11C、11D、及び11Eは、第2の間隙充填材料52a、52bの形成を示す図である。第2の間隙充填材料52a、52bは、対向する第2のスペーサ46a、46b、46c、46d間の間隙にある。第2の間隙充填材料52a、52bは更に、第1の間隙充填材料38a、38b及び第1のスペーサ36a、36b、36c、36dの上面にあり、第1のカット部60に配置されている(例えば、下層32の上面であって、第1のカット部60を画定する第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34c及び第1のスペーサ36a、36b、36c、36dの側壁に沿っている)。第2の間隙充填材料52a、52bは、対向する第2のスペーサ46a、46b、46c、46d間の間隙を充填し得る。間隙充填材料は、間隙内及び第2のスペーサ46a、46b、46c、46d及び第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44c上に堆積させることができ、ある場合には、続いてエッチングバックして第2の間隙充填材料52a、52bを形成することができる。幾つかの実施例では、間隙充填材料は、酸化ケイ素(例えばSOG)を含み得る、又は酸化ケイ素であり得る。幾つかの実施例では、間隙充填材料は、ドープされたシリコン(例えば、ホウ素がドープされたシリコン又は炭素がドープされたシリコン)を含む、又はドープされたシリコンであり得る。間隙充填材料は、間隙充填材料と、(1)第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cと、(2)第1の間隙充填材料38a、38b、38cとの間でエッチング選択性を提供する任意の材料であり得る、又はそれを含み得る。間隙充填材料は、CVD、PVD、スピンオン等の任意の適切な堆積プロセスによって堆積させることができる。幾つかの実施例では、間隙充填材料は、スピンオン(例えば、スピンオンガラス(SOG))によって堆積された酸化ケイ素である。その後、先に説明したように、第2のスペーサ46a、46b、46c、46d及び第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cの上から全ての間隙充填材料を除去するために、オーバーバーデンエッチングプロセスが実行され得る。
【0040】
[0042]
図12A、12B、12C、12D、及び12Eは、第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cの除去と、第1の間隙充填材料38a、38bを貫通する第2のカット部62の形成とを示す図である。第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cは、エッチングプロセスによって除去され得る。エッチングプロセスは、第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cに対して選択的なものであり得る。第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cの除去により、第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cが除去された第2のスペーサ46a、46b、46c、46d間の第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34c、第1のスペーサ36a、36b、36c、36d、及び第1の間隙充填材料38a、38bの一部が露出する。次に、第2のカット部62が、第1の間隙充填材料38a、38bの露出した(例えば、第2のスペーサ46a、46b、46c、46d間の間隙を通して露出している)部分を選択的にエッチングすることによって形成され得る。エッチングプロセスは、RIEのようなドライプラズマエッチングプロセス等の異方性エッチングプロセス処理であり得る。下層32は、カットされた第1の間隙充填材料38a、38bの隣接するセグメント間の第2のカット部62によって露出する。第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cの除去と第2のカット部62の形成は、同じ連続したエッチングプロセスによるものであってよい、あるいは別々のエッチングプロセスによるものであってよい。例えば、第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44c及び第1の間隙充填材料38a、38bに選択的な同じ連続した異方性エッチングプロセスが実施され得る。別の実施例として、第2のパターニングされたマンドレル44a、44b、44cに選択的な等方性又は異方性エッチングプロセスを実行した後に、第1の間隙充填材料38a、38bに選択的な異方性のエッチングプロセスが実行され得る。
【0041】
[0043]
図13A、13B、13C、13D、及び13Eは、上述したように、第2のスペーサ46a、46b、46c、46d、第2の間隙充填材料52a、52b、及び第1のスペーサ36a、36b、36c、36dの除去を示す図である。第2のスペーサ46a、46b、46c、46d、第2の間隙充填材料52a、52b、及び第1のスペーサ36a、36b、36c、36dが除去された後に、第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34cのカットセグメントと第1の間隙充填材料38a、38bが下層32上に残る。第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34c及び第1の間隙充填材料38a、38bのカットセグメントの下ではない下層32の部分が露出する。
【0042】
[0044]
図14A、14B、14C、14D、及び14Eは、上述したように、下層32への第1のパターニングされたマンドレル34a、34b、34c及び第1の間隙充填材料38a、38bのカットセグメントのパターンの転写を示す図である。
【0043】
[0045]以下の表2は、異なる実施例に係る第2の概略的なプロセスフローの様々な構成要素に対して実装され得る材料を示すものである。
【0044】
[0046]説明したように、小さな寸法の特徴を材料層に転写するマルチパターニングプロセスの方法が提供される。ドープされたシリコンである、又はそれを含む間隙充填材料が、パターニングプロセス中に間隙/トレンチを充填するために用いられ得る。上記間隙充填材料は、そこにボイド等の実質的な欠陥を形成することなく、間隙/トレンチに形成され得る。幾つかの実施例では、ドープされたシリコンである、又はそれを含むスペーサが、パターニングプロセス中に用いられ得る。マルチパターニングプロセスでは、スペーサとマンドレル、及び間隙充填材料間で選択性の高いエッチングプロセスを用いて、マンドレル及び/又はスペーサと間隙充填材料の所望のプロファイルを得ることができ、これをマスク層として用いることで、ナノ寸法の特徴の転写プロセスを容易にすることができる。
【0045】
[0047]
図15は、第1のパターニングされたマンドレル34及び第1の間隙充填材料38のカットセグメントのパターンのレイアウトを示す図である。レイアウトは、それぞれが第1の方向に延在する交互の第1のパターニングされたマンドレル34及び第1の間隙充填材料38を示す。また、レイアウトは、それぞれが第1の方向と交差する第2の方向に延在する交互の第2のパターニングされたマンドレル44及び第2の間隙充填材料52とを示す。当業者であれば、それぞれの第1のスペーサが、隣接する第1のパターニングされたマンドレル34と第1の間隙充填材料38との間にあってよく、それぞれの第2のスペーサが、隣接する第2のパターニングされたマンドレル44と第2の間隙充填材料52との間にあってよいことを容易に理解するであろう。図示したように、第1の間隙充填材料38の第1のカット部50は、第1の間隙充填材料38が(レイアウトの観点から)第2の間隙充填材料52と交差するところに形成されている。第1のパターニングされたマンドレル34の第2のカット部54は、第1のパターニングされたマンドレル34が(レイアウトの観点から)第2のパターニングされたマンドレル44と交差するところに形成されている。このパターンは、
図5A~5Eから9A~9Eを含む上述の第1のプロセスフローを実施することによって形成され得る。
【0046】
[0048]図示していないが、同様のパターンを異なる位置の切込部で形成することができる。第1のパターニングされたマンドレル34、第1の間隙充填材料38、第2のパターニングされたマンドレル44、及び第2の間隙充填材料52は、
図15に示すように配置され得る。第1のパターニングされたマンドレル34の第1のカット部60は、第1のパターニングされたマンドレル34が(レイアウトの観点から)第2の間隙充填材料52と交差するところに形成され得る。第1の間隙充填材料38の第2のカット部62は、第1の間隙充填材料38が(レイアウトの観点から)第2のパターニングされたマンドレル44と交差するところに形成される。このパターンは、
図10A~10Eから14A~14Eを含む上述の第2のプロセスフローを実施することによって形成され得る。
【0047】
[0049]前述の内容は本開示の実施形態を対象としているが、以下の特許請求の範囲によって決定されるその基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他のさらなる実施形態を考案することが可能である。
【図】
【図】
【図】
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【国際調査報告】